JP5306850B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、遊技盤に設けられた可動役物を動作させて演出を行う遊技機に関する。
パチンコ遊技機等の遊技機では、遊技盤上で、ギミックと呼ばれる可動演出部材を動作させて、遊技状態等に応じた様々な演出が行われている。例えば、特許文献1に記載の遊技機では、表示画面前方の仮想鉛直面上を回動する長尺薄板状の刀部材(演出部材)と、非演出時には、刀部材を装飾部材の右側部裏側の格納位置に略鉛直状態で保持し、演出時には、刀部材を軸周りに所定角度回動して表示画面前方の露出位置へと変異させる刀部材駆動機構とを備えている。
また、遊技機の遊技盤上では、液晶の表示画面やLED(発光ダイオード)等の表示手段を用いて、上記の演出の他に、様々な情報を遊技者に提示している。その一つに、入賞球の保留数表示がある。遊技機では、遊技球が始動口に入る(入賞する)と、大当たり抽選(特別図柄抽選)が行われるが、この抽選に伴う図柄変動中に、さらに遊技球が入賞すると、変動中の図柄が停止して抽選結果が表示されるまで、次の入賞に基づく抽選は保留される。そのため、抽選待ちの入賞球の数である保留数を、遊技者に報知することが行われている。
特開2008−200193号公報
遊技機における演出部材の形状や動作は、様々に設定することが可能であるが、演出部材によって上記の入賞球の保留数を報知するための表示を隠すことは許されない。そのため、演出部材の動作は、この保留数表示を行う表示手段を覆わない範囲の、限定的なものとなっていた。
そこで本発明は、入賞球の保留数表示を隠すことなく、演出部材の、より自由な動作を実現することを目的とする。
上記の目的を達成する本発明は、次のような遊技機として実現される。この遊技機は、特定の遊技状態で行われる開閉抽選に当選した場合に開放されて入賞可能となり、遊技球が入賞することで大当たり抽選が行われる始動口122と、大当たり抽選が開始されていない始動口122への入賞数である保留数を表示する保留数表示部31と、遊技盤上で動作する可動部材11と、を備え、保留数表示部31が保留数を表示している場合および保留数を表示し得る遊技状態である場合に、可動部材11が保留数表示部31を覆わない範囲で動作し、保留数表示部31が保留数を表示している場合および保留数を表示し得る遊技状態である場合を除く、非表示状態である場合に、可動部材11が保留数表示部31を覆う範囲で動作する。そして、可動部材11は、開閉抽選が行われていない場合に、保留数表示部31が非表示状態であるものとして動作することを特徴とする。
ここで、より好ましくは、可動部材11は、開閉抽選に当選しなかった場合、開閉抽選に当選した後、保留数表示部31が保留数を表示するまでの間に動作が終了する場合に、保留数表示部31が非表示状態であるものとして動作する。
また、本発明は、次のような遊技機としても実現される。この遊技機は、特定の遊技状態で行われる開閉抽選に当選した場合に開放されて遊技球が入賞可能となり、遊技球が入賞することで大当たり抽選が行われる始動口122と、大当たり抽選が開始されていない始動口122への入賞数である保留数を表示する保留数表示部31と、を備える。そして、少なくとも、開閉抽選が行われていない場合に、一時的にまたは継続的に保留数表示部31を隠すことを特徴とする。
さらに本発明は、次のような遊技機としても実現される。この遊技機は、特定の遊技状態で行われる開閉抽選に当選した場合に開放されて遊技球が入賞可能となり、遊技球が入賞することで大当たり抽選が行われる始動口122と、大当たり抽選が開始されていない始動口122への入賞数である保留数を表示する保留数表示部31と、遊技盤上で可動部材11を動作させる制御部300と、を備える。そして、制御部300は、少なくとも、開閉抽選が行われていない場合に、保留数表示部31を覆う範囲で可動部材11を動作させることを特徴とする。
さらに好ましくは、制御部300は、開閉抽選に当選しなかった場合に、保留数表示部31を覆う範囲で可動部材11を動作させる。
また、制御部300は、開閉抽選に当選した後、保留数表示部31が保留数を表示するまでの残余時間と、可動部材11の動作を終了するまでに要する時間とを比較し、残余時間の方が長い場合に、保留数表示部31を覆う範囲で可動部材11を動作させる。
なお、本欄における上記符号は、本発明の説明に際して例示的に付したものであり、この符号により本発明が減縮されるものではない。
本発明によれば、保留数が表示される場合と表示されない場合とで、演出部材(可動部材)の動作を切り替えることにより、入賞球の保留数表示を隠すことなく、演出部材の、より自由な動作を実現することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。
〔遊技機の基本構成〕
図1は、本実施形態に係るパチンコ遊技機100の概略正面図である。
同図に示す遊技機の一例としてのパチンコ遊技機100は、遊技者の指示操作により打ち出された遊技球が入賞すると賞球を払い出すように構成されたものである。このパチンコ遊技機100は、遊技球が打ち出される遊技盤110と、遊技盤110を囲む枠部材150と、を備えている。遊技盤110は、枠部材150に着脱自在に取り付けられている。
遊技盤110は、本体フレーム(不図示)に取り付けられており、前面に、遊技球により遊技を行うための遊技領域111と、下方から発射された遊技球が上昇して遊技領域111の上部位置へ向かう通路を形成するレール部材112とを備えている。
本実施形態では、遊技者により視認され易い遊技領域111の位置に、演出のための各種の画像を表示する画像表示部114が配設されている。この画像表示部114は、液晶ディスプレイ等による表示画面を備え、遊技者によるゲームの進行に伴い、例えば、図柄抽選結果(図柄変動結果)を遊技者に図柄により報知したり、キャラクタの登場やアイテムの出現による予告演出を表示したりする。
また、遊技盤110の前面に、演出を行う演出部材としての可動役物115を備えている。なお、可動役物115については後で詳述する。
遊技領域111には、遊技球が落下する方向に変化を与えるための図示しない遊技くぎおよび風車等が配設されている。また、遊技領域111には、入賞や抽選に関する種々の役物が所定の位置に配設されている。また、遊技領域111には、遊技領域111に打ち出された遊技球のうち入賞口に入賞しなかったものを遊技領域111の外に排出する排出口117が配設されている。
本実施形態では、入賞や抽選に関する種々の役物として、遊技球が入ると入賞して特別図柄抽選(大当たり抽選)が始動する第1始動口121と、第1始動口121の下方に位置し、遊技球が入ると入賞して特別図柄抽選が始動する第2始動口122と、遊技球が通過すると普通図柄抽選(開閉抽選)が始動するゲート124と、が遊技盤110に配設されている。第2始動口122は、チューリップの花の形をした一対の回動部材が電動ソレノイドにより開閉すると共に点灯する電動チューリップ123を備えている。
また、本実施形態では、入賞や抽選に関する種々の役物として、第2始動口122の下方に位置し、特別図柄抽選の結果に応じて開放する大入賞口125と、遊技球が入賞しても抽選が始動しない普通入賞口126と、が遊技盤110に配設されている。
なお、本実施形態では、遊技領域111に第1始動口121および第2始動口122が配設されているが、いずれか一方のみを配設する構成例や他の始動口を配設する構成例も考えられる。また、本実施形態では、遊技領域111に大入賞口125が1つ配設されているが、大入賞口125を複数配設する構成例も考えられる。
本実施形態では、遊技盤110の右下の位置に、抽選結果や保留数に関する表示を行う表示器130が配設されている。
また、遊技盤110の裏面には、内部抽選および当選の判定等を行う遊技制御基板、演出を統括的に制御する演出制御基板、画像および音による演出を制御する画像制御基板、各種のランプおよび可動役物115による演出を制御するランプ制御基板などの図示しない各種の基板等が取り付けられる。また、遊技盤110の裏面には、供給された24VのAC電源をDC電源に変換して各種の基板等に出力するスイッチング電源(不図示)が配設されている。
枠部材150は、遊技者がハンドル151に触れてレバー152を時計方向に回転させる操作を行うとその操作角度に応じた打球力にて遊技球を所定の時間間隔(例えば1分間に100個)で電動発射する発射装置(不図示)を備えている。また、枠部材150は、遊技者のレバー152による操作と連動したタイミングで発射装置に遊技球を1つずつ順に供給する供給装置(不図示)と、供給装置が発射装置に供給する遊技球を一時的に溜めておく皿と、を備えている。この皿には、例えば払い出しユニットによる払出球が払い出される。
また、枠部材150は、発射装置のハンドル151に遊技者が触れている状態であっても遊技球の発射を一時的に停止させるための停止ボタン154と、皿153に溜まっている遊技球を箱(不図示)に落下させて取り出すための取り出しボタン155と、を備えている。
また、枠部材150は、パチンコ遊技機100の遊技状態や状況を告知したり各種の演出を行ったりするスピーカ156および枠ランプ157を備えている。スピーカ156は、楽曲や音声、効果音による各種の演出を行い、また、枠ランプ157は、点灯点滅によるパターンや発光色の違い等で光による各種の演出を行う。なお、枠ランプ157については、光の照射方向を変更する演出を行うことを可能にする構成例が考えられる。
また、枠部材150は、遊技盤110を遊技者と隔てるための透明板(不図示)を備えている。
〔制御ユニットの構成〕
次に、パチンコ遊技機100での動作制御や信号処理を行う制御ユニットについて説明する。
図2は、制御ユニットの内部構成を示すブロック図である。同図に示すように、制御ユニットは、メイン制御手段として、内部抽選および当選の判定等といった払い出す賞球数に関する各種制御を行う遊技制御部200を備えている。また、サブ制御手段として、演出を統括的に制御する演出制御部300と、画像および音響を用いた演出を制御する画像/音響制御部310と、各種のランプおよび可動役物115を用いた演出を制御するランプ制御部320と、払出球の払い出し制御を行う払出制御部400と、を備えている。
前述したように、遊技制御部200、演出制御部300、画像/音響制御部310、ランプ制御部320、および払出制御部400各々は、遊技盤110の裏面に配設されたメイン基板としての遊技制御基板、さらにはサブ基板としての演出制御基板、画像制御基板、ランプ制御基板、および払出制御基板において個別に構成されている。
〔遊技制御部の構成・機能〕
遊技制御部200は、内部抽選および当選の判定等といった払い出し賞球数に関連する各種制御を行う際の演算処理を行うCPU201と、CPU201にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM202と、CPU201の作業用メモリ等として用いられるRAM203と、を備えている。
遊技制御部200は、第1始動口121または第2始動口122に遊技球が入賞すると特別図柄抽選を行い、特別図柄抽選での当選か否かの判定結果を演出制御部300に送る。また、特別図柄抽選時の当選確率の変動設定(例えば300分の1から30分の1への変動設定)、特別図柄抽選時の特別図柄変動時間の短縮設定、および普通図柄抽選時の普通図柄変動時間の短縮設定を行い、設定内容を演出制御部300に送る。
さらに、遊技制御部200は、電動チューリップ123の羽根の開時間の延長、および電動チューリップ123の羽根が開く回数の設定、さらには羽根が開く際の開閉動作間隔の設定を制御する。また、遊技球が連続的に第1始動口121または第2始動口122へ入賞したときの未抽選分の限度個数(例えば4個)までの保留や、遊技球が連続的にゲート124を通過したときの未抽選分の限度個数(例えば4個)までの保留を設定する。
また、遊技制御部200は、特別図柄抽選の結果に応じて、大入賞口125が所定条件(例えば30秒経過または遊技球10個の入賞)を満たすまで突出傾斜して開状態を維持するラウンドを所定回数(例えば15回または2回)だけ繰り返すように制御する。さらには、大入賞口125が開く際の開閉動作間隔を制御する。
さらに、遊技制御部200は、第1始動口121、第2始動口122、大入賞口125および普通入賞口126に遊技球が入賞すると、遊技球が入賞した場所に応じて1つの遊技球当たり所定数の賞球を払い出すように、払出制御部400に対する指示を行う。
払出制御部400が遊技制御部200の指示に従って賞球の払い出しを行った場合には、遊技制御部200は、払い出した賞球の個数に関する情報を払出制御部400から取得する。それにより、払い出した賞球の個数を管理する。
遊技制御部200には、第1始動口121への遊技球の入賞を検出する第1始動口スイッチ(不図示)、第2始動口122への遊技球の入賞を検出する第2始動口スイッチ(不図示)などの各種スイッチが接続されている。
また、遊技制御部200には、第1始動口121への遊技球の入賞により始動した特別図柄抽選(大当たり抽選)の未抽選分の保留個数を限度個数内(例えば4個)で表示する第1特別図柄保留表示器(不図示)、第2始動口122への遊技球の入賞により始動した特別図柄抽選の未抽選分の保留個数を限度個数内で表示する第2特別図柄保留表示器(不図示)などの各種表示器が接続されている。
そして、第1始動口スイッチなどの各種スイッチにて検出された検出信号が、遊技制御部200に送られる。また、遊技制御部200からの制御信号が、電動チューリップ開閉部(不図示)、大入賞口開閉部(不図示)、各種表示器に送られる。それにより、遊技制御部200は、上記した払い出し賞球数に関連する各種制御を行う。
〔演出制御部の構成・機能〕
次に、演出制御部300は、演出を制御する際の演算処理を行うCPU301と、CPU301にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM302と、CPU301の作業用メモリ等として用いられるRAM303と、日時を計測するリアルタイムクロック(RTC)304と、を備えている。
演出制御部300は、例えば遊技制御部200から送られる特別図柄抽選での当選か否かの判定結果に基づいて、演出内容を設定する。また、遊技が所定期間中断された場合には、演出の一つとして客待ち用の画面表示の設定を指示する。
さらには、遊技制御部200が特別図柄抽選時の当選確率を変動させた場合、特別図柄抽選時の特別図柄変動時間を短縮させた場合、および普通図柄抽選時の普通図柄変動時間を短縮させた場合には、演出制御部300は設定された内容に対応させて演出内容を設定する。
また、演出制御部300は、設定した演出内容の実行を指示するコマンドを画像/音響制御部310およびランプ制御部320に送る。
〔画像/音響制御部の構成・機能〕
画像/音響制御部310は、演出内容を表現する画像および音響を制御する際の演算処理を行うCPU311と、CPU311にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM312と、CPU311の作業用メモリ等として用いられるRAM313と、を備えている。
そして、画像/音響制御部310は、演出制御部300から送られたコマンドに基づいて、画像表示部114に表示する画像およびスピーカ156から出力する音響を制御する。
具体的には、画像/音響制御部310のROM312には、画像表示部114において遊技中に表示する図柄画像や背景画像、遊技者に抽選結果を報知するための装飾図柄、遊技者に予告演出を表示するためのキャラクタやアイテム等といった画像データが記憶されている。さらには、画像データと同期させて、または画像データとは独立にスピーカ156から出力させる楽曲や音声、さらにはジングル等の効果音等といった各種音響データが記憶されている。CPU311は、ROM312に記憶された画像データや音響データの中から、演出制御部300から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。さらには、読み出した画像データを用いて背景画像表示、図柄画像表示、図柄画像変動、およびキャラクタ/アイテム表示等のための画像処理と、読み出した音響データを用いた音声処理とを行う。
そして、画像/音響制御部310は、画像処理された画像データにより画像表示部114での画面表示を制御する。また、音声処理された音響データによりスピーカ156から出力される音響を制御する。
〔ランプ制御部の構成・機能〕
ランプ制御部320は、可動役物115の動作、枠ランプ157の発光などを制御する際の演算処理を行うCPU321と、CPU321にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM322と、CPU321の作業用メモリ等として用いられるRAM323と、を備えている。
そして、ランプ制御部320は、演出制御部300から送られたコマンドに基づいて、可動役物115の動作を制御したり、枠ランプ157の点灯/点滅や発光色等を制御したりする。
具体的には、ランプ制御部320のROM322には、演出制御部300にて設定される演出内容に応じた可動役物115の動作パターンデータが記憶されている。CPU321は、可動役物115に対しては、読み出した動作パターンデータによりその動作を制御する。
また、ランプ制御部320のROM322には、演出制御部300にて設定される演出内容に応じた枠ランプ157での点灯/点滅パターンデータおよび発光色パターンデータ(発光パターンデータ)が記憶されている。CPU321は、ROM322に記憶された発光パターンデータの中から、演出制御部300から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、ランプ制御部320は、読み出した発光パターンデータにより枠ランプ157での発光を制御する。
〔払出制御部の構成・機能〕
払出制御部400は、払出球の払い出しを制御する際の演算処理を行うCPU401と、CPU401にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM402と、CPU401の作業用メモリ等として用いられるRAM403と、を備えている。
そして、払出制御部400は、遊技制御部200から送られたコマンドに基づいて、払出球の払い出しを制御する。
〔可動役物の構成例およびその動作例〕
図3は、本実施形態の可動役物115の構成例を示す図である。
図3に示す可動役物115は、左右一対の羽根型の可動部材(以下、羽根部材)11、12により構成される。この羽根部材11、12は、図示しない駆動機構により、羽根の付け根部分を回転軸として扇状に回転動作する。
また、図3において、4個ずつ並ぶLED31、32は、入賞球の保留数を表示する表示器である。すなわち、本実施形態のパチンコ遊技機100は、表示器130の他に、遊技盤110上の遊技者が視認しやすい場所に、入賞球の保留数を遊技者に報知するための表示器が設けられている。図において、右側に配置されるLED31は、第2始動口122に入賞した入賞球の保留数を表示する。左側に配置されるLED32は、第1始動口121に入賞した入賞球の保留数を表示する。
LED31は、保留数が増加するのに伴い、左端のLED31aから右へ、LED31b、LED31c、LED31dの順に点灯する。そして、最大で、未抽選分の限度個数である4個までが表示される。一方、LED32は、保留数が増加するのに伴い、右端のLED32aから左へ、LED32b、LED32c、LED32dの順に点灯する。そして、最大で、未抽選分の限度個数である4個までが表示される。
図4は、羽根部材11、12が動作する様子を示す図である。
図4に示すように、羽根部材11、12は、それぞれ、付け根部分の回転軸21、22を介して駆動機構の駆動力を受け、回転軸21、22の周りに回転動作する。具体的には、図において、右側に配置される羽根部材11は、実線で記載された状態から反時計回りに動作して一点鎖線で記載された状態へ変位した後、時計回りに動作して元の状態に変位する動作を繰り返す。また、左側に配置される羽根部材12は、図示の状態から時計回りに動作一点鎖線で記載された状態へ変位した後、反時計回りに動作して元の状態に変位する動作を繰り返す。この結果、全体としては、左右の羽根部材11、12が開閉するような動作が実現される。
図5は、図3のX−X線断面図である。
図5には示していないが、図の右方向に遊技盤110が存在し、遊技が行われる際に遊技者が図の左方向から遊技盤110の遊技領域111を見ることになる。このことを踏まえて羽根部材11、12とLED31、32との位置関係を見ると、遊技者から見て、最も手前に羽根部材11、その奥(遊技盤110側)にLED31、32、さらにその奥に羽根部材12が存在している。
図6は、羽根部材11、12の変位の例を示す図である。
図6では、図3に示した可動役物115において、羽根部材11、12が最も閉じた状態(羽根部材11および羽根部材12が各々、最も下方へ変位した状態)を示している。図5に示したように、遊技者から見て、LED31、32を挟んで羽根部材11は手前に、羽根部材12は奥に位置している。したがって、図6に示すように、各羽根部材11、12が最も下方へ変位した状態では、LED31が羽根部材11に覆われて、隠れている。一方、LED32は、羽根部材12よりも手前にあるので、羽根部材12によって隠されることはない。
図7は、羽根部材11、12の変位の他の例を示す図である。
図7に示す動作では、羽根部材12は、図6の例と同様に、最も下方まで変位させているが、羽根部材11は、図6の場合とは異なり、LED31を覆わない程度で変位が止まるように動作を制限している。そのため、図示のように、羽根部材11はLED31を隠していない。
ところで、法令の規定により、入賞球の保留数表示を隠すことは許されない。したがって、可動役物115において、図6の羽根部材11のように、入賞球の保留数の表示器であるLED31を覆うことで、保留数表示を隠す動作は行うことができない。ただし、隠してはならないのは、保留数表示であって、保留数が表示されていないときの表示器自体は隠れても構わないとされる。そこで、本実施形態では、LED31が点灯しないときには、図6に示すように、羽根部材11を制限なく動作させ、LED31が点灯するときには、図7に示すように、LED31が隠れないように羽根部材11の動作を制限して演出を行う。
〔可動役物の動作制御〕
次に、保留数表示の態様に応じて可動役物115の動作を変更するための動作制御について説明する。
ここでは、図6に示したように、可動役物115を制限なく動作させると、第2始動口122に入賞した入賞球の保留数の表示器を隠してしまう場合の動作制御を説明する。以下、可動役物115および表示器の例として、図3乃至図7に示した羽根部材11およびLED31を用いて説明する。
本実施形態では、遊技中においてLED31が点灯して保留数表示が行われている場合と共に、保留数表示が行われる可能性のある場合を予測し、これらの場合には、羽根部材11の動作を図7に示したように制限する動作制御を行う。この動作制御により、羽根部材11は、保留数表示が行われる可能性のあるときにのみ動作を制限され、その他の場合(非表示状態)には制限なく動作することが可能となる。
図1に示したように、第2始動口122は、第1始動口121の直下に位置し、電動チューリップ123を備えている。そのため、第2始動口122に遊技球が入賞するのは、電動チューリップ123が開放したときに限られる。電動チューリップ123が開放するのは、遊技球がゲート124を通過して始動する普通図柄抽選に当選した場合である。したがって、これらの条件を考慮すると、第2始動口122に複数の遊技球が入賞し、LED31が点灯して保留数表示が行われる可能性のある場合を、事前に予測することが可能である。
図8は、本実施形態による羽根部材11(可動役物115)の動作制御の内容を示すフローチャートである。
図2を参照して説明したように、パチンコ遊技機100の動作制御は、まず遊技制御部200により内部抽選等の遊技状態に関わる主要な制御や設定が行われる。そして、遊技制御部200から演出制御部300へ、制御内容に基づくコマンドが送られる。演出制御部300は、遊技制御部200から受信したコマンドに基づいて演出パターンを決定し、決定した演出パターンによる演出制御を行う。この演出パターンにおいて可動役物115を動作させる場合は、演出制御部300から、さらに下位のランプ制御部320へコマンドが送られる。そして、このコマンドにしたがって、ランプ制御部320が可動役物115を動作させる。
したがって、演出として羽根部材11(可動役物115)を動作させる場合、以上の手順を経て、羽根部材11の動作契機を発動させる。図8には、この羽根部材11の動作契機発動時の処理手順を示している。
また、本実施形態では、上記のように、LED31による保留数表示が行われる可能性があるか否かに応じて、羽根部材11の動作態様を変更する。ここで、一般に、パチンコ遊技機100では、普通図柄抽選に当選したか否か、普通図柄抽選が行われたときの遊技状態等に応じて、普通図柄の図柄変動における変動時間(普通図柄変動パターン)が異なるように制御される。変動時間が異なると、変動時間内に実行できる演出も異なる。そこで、普通図柄抽選に当選したか否かの情報と共に、変動時間を特定する情報も上記のコマンドに含まれて遊技制御部200から演出制御部300へ送られる。したがって、演出制御部300は、図8に示す動作制御を開始する前に、普通図柄変動に関する上記のコマンドから普通図柄抽選の抽選結果および普通図柄変動パターンの情報を取得し、RAM303に保持する。
図8に示すように、羽根部材11の動作契機が発動すると、演出制御部300は、まずLED31が点灯し、保留数を表示しているか否かを判断する(ステップ801)。保留数表示が行われているならば(ステップ801でYes)、その保留数表示を羽根部材11によって隠してはならない。したがって、演出制御部300は、制限された動作パターン、すなわち羽根部材11によってLED31が隠れない動作パターンをRAM303にセットする(ステップ805)。そして、セットされた動作パターンを含む指示コマンドをランプ制御部320に送信し、LED31を隠さない動作パターンで羽根部材11を動作させる(ステップ807)。
LED31による保留数表示が行われていない場合(ステップ801でNo)、次に演出制御部300は、遊技制御部200から普通図柄変動に関するコマンドを受信したか否かを判断する(ステップ802)。受信していない場合(ステップ802でNo)、遊技球は第2始動口122に入賞していないことを意味する。すなわち、保留数が増えることはなく、LED31は点灯しないため、羽根部材11がLED31を隠しても構わない。したがって、演出制御部300は、制限のない動作パターン、すなわち羽根部材11によってLED31が隠れる動作パターンをRAM303にセットする(ステップ806)。そして、セットされた動作パターンを含む指示コマンドをランプ制御部320に送信し、LED31を隠す動作パターンで羽根部材11を動作させる(ステップ807)。
遊技制御部200から普通図柄変動に関するコマンドを受信した場合(ステップ802でYes)、次に演出制御部300は、受信したコマンドに基づき、普通図柄抽選に当選したか否かを判断する(ステップ803)。普通図柄抽選に当選しなかった場合(ステップ803でNo)、電動チューリップ123は開放されないため、第2始動口122に遊技球が入賞することはない。すなわち、保留数が増えることはなく、LED31は点灯しないため、羽根部材11がLED31を隠しても構わない。したがって、演出制御部300は、制限のない動作パターン、すなわち羽根部材11によってLED31が隠れる動作パターンをRAM303にセットする(ステップ806)。そして、セットされた動作パターンを含む指示コマンドをランプ制御部320に送信し、LED31を隠す動作パターンで羽根部材11を動作させる(ステップ807)。
遊技制御部200から受信した普通図柄変動に関するコマンドに基づいて、普通図柄抽選に当選した場合(ステップ803でYes)、次に演出制御部300は、実行されている普通図柄変動の残余時間t1と羽根部材11の動作時間t2とを比較する(ステップ804)。遊技制御部200から演出制御部300へ送られるコマンドには、普通図柄変動の開始時刻の情報を含めることができる。したがって、演出制御部300は、コマンドから得られる普通図柄変動の開始時刻と、リアルタイムクロック(RTC)304の値とに基づいて、普通図柄変動の残余時間を計算することができる。
普通図柄変動の残余時間t1が羽根部材11の動作時間t2よりも大きい場合(ステップ804でYes)、普通図柄が停止して保留数が表示される前に羽根部材11の動作は終了する。そのため、羽根部材11を制限なく動作させてもLED31による保留数表示を隠すことはない。したがって、演出制御部300は、制限のない動作パターン、すなわち羽根部材11によってLED31が隠れる動作パターンをRAM303にセットする(ステップ806)。そして、セットされた動作パターンを含む指示コマンドをランプ制御部320に送信し、LED31を隠す動作パターンで羽根部材11を動作させる(ステップ807)。
一方、普通図柄変動の残余時間t1が羽根部材11の動作時間t2以下である場合(ステップ804でNo)、羽根部材11の動作中に保留数表示が行われてしまうため、羽根部材11がLED31を隠してはならない。したがって、演出制御部300は、制限された動作パターン、すなわち羽根部材11によってLED31が隠れない動作パターンをRAM303にセットする(ステップ805)。そして、セットされた動作パターンを含む指示コマンドをランプ制御部320に送信し、LED31を隠さない動作パターンで羽根部材11を動作させる(ステップ807)。
〔可動役物の動作制御の他の例〕
図8を参照して説明した上記の動作例では、LED31が1個でも点灯し得る場合には、羽根部材11がLED31を隠さないように動作制御することとした。しかしながら、図3に示したように、LED31は4個存在し(LED31a〜31d)、保留数が4までを表示することができる。したがって、例えばLED31aのみが点灯している場合、LED31cおよびLED31dが隠れていても、保留数が1であることは明確であり、保留数表示は隠されていないと言うことができる。そこで、上記のように保留数の有無(0か1以上か)のみに応じて羽根部材11の動作を切り替えるのではなく、保留数の値に応じて、3種類以上の動作を行わせるようにしても良い。
なお、LED31aが点灯しているときに、LED31bを隠してしまうと、保留数が1であるのか2以上であるのかを区別することができない。したがって、必ず保留数の値+1個のLED31が隠れないように羽根部材11の動作を制御する必要がある。
図9は、本実施形態による羽根部材11(可動役物115)の動作制御の他の例を示すフローチャートである。
図9において、ステップ901〜ステップ904の各判断は、図8に示したステップ801〜ステップ804の各判断と同様である。また、ステップ905およびステップ906の動作はステップ806およびステップ807の各動作と同様である。
保留数表示が行われている場合(ステップ901でYes)、次に演出制御部300は、表示されている保留数(点灯しているLED31の数)を取得する(ステップ907、908)。そして、保留数に応じた羽根部材11の動作パターンをRAM303にセットする(ステップ909〜911)。具体的には、保留数が1のときは(ステップ907でYes)、LED31aのみが点灯しているので、LED31c、31dが隠される動作パターンがセットされる(ステップ909)。保留数が2のときは(ステップ907でNo、ステップ908でYes)、LED31aおよびLED31bが点灯しているので、LED31dのみが隠される動作パターンがセットされる(ステップ910)。保留数が3のときは(ステップ907およびステップ908でNo)、LED31a〜LED31cが点灯しているので、全てのLED31が隠されない動作パターンがセットされる(ステップ911)。
なお、ステップ904でNo、すなわち、普通図柄変動の残余時間t1が羽根部材11の動作時間t2以下である場合は、最初の保留数表示が行われる(LED31aが点灯する)ので、LED31c、31dが隠される動作パターンがセットされる(ステップ909)。
以上のようにして、表示されている保留数に応じて、異なる4種類の動作制御を行うことが可能となる。なお、上記の動作制御は一例示に過ぎず、保留数の値+1個以上のLED31が隠れないように羽根部材11が動作するのであれば、上記以外の任意の動作制御を行って良い。
以上、本実施形態について説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。例えば、上記実施形態では、可動役物115を羽根部材11、12、保留数表示器をLED31、32とし、羽根部材11、12の動作によって羽根部材11がLED31を覆い隠す場合を例として説明したが、可動役物115の形状および動作は、上記の例に限定されず、任意の形状および動作として良い。また、保留数表示器として、LED以外の表示手段を用いても構わない。
また、上記実施形態では、可動役物115(羽根部材11)の動作における変位(変動量)を減らすことによって、保留数表示器(LED31)が隠れないようにしたが、この他、回転軸を切り替える等の手段によって、保留数表示器が隠れないように、可動役物115の動作経路を変更するように制御しても良い。また、可動役物115の動作速度を上げ、保留数表示器の上を短時間で通過させることにより、保留数表示器が隠れないように制御しても良い。
本実施形態に係るパチンコ遊技機の概略正面図である。 パチンコ遊技機の制御ユニットの内部構成を示すブロック図である。 本実施形態の可動役物の構成例を示す図である。 本実施形態の可動役物である羽根部材が動作する様子を示す図である。 図3のX−X線断面図である。 羽根部材の変位の例を示す図である。 羽根部材の変位の他の例を示す図である。 本実施形態による羽根部材(可動役物)の動作制御の内容を示すフローチャートである。 本実施形態による羽根部材(可動役物)の動作制御の他の例を示すフローチャートである。
11、12…羽根部材、21、22…回転軸、31、32…LED、100…パチンコ遊技機、115…可動役物、121…第1始動口、122…第2始動口、123…電動チューリップ、200…遊技制御部、300…演出制御部

Claims (7)

  1. 特定の遊技状態で行われる開閉抽選に当選した場合に開放されて遊技球が入賞可能となり、遊技球が入賞することで大当たり抽選が行われる始動口と、
    前記大当たり抽選が開始されていない前記始動口への入賞数である保留数を表示する保留数表示部と、
    遊技盤上で動作する可動部材と、を備え、
    前記保留数表示部が保留数を表示している場合および保留数を表示し得る遊技状態である場合に、前記可動部材が当該保留数表示部を覆わない範囲で動作し、
    前記保留数表示部が保留数を表示している場合および保留数を表示し得る遊技状態である場合を除く、非表示状態である場合に、前記可動部材が当該保留数表示部を覆う範囲で動作し、
    前記可動部材は、前記開閉抽選が行われていない場合に、前記保留数表示部が前記非表示状態であるものとして動作することを特徴とする遊技機。
  2. 前記可動部材は、前記開閉抽選に当選しなかった場合に、前記保留数表示部が前記非表示状態であるものとして動作することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
  3. 前記可動部材は、前記開閉抽選に当選した後、前記保留数表示部が保留数を表示するまでの間に動作が終了する場合に、当該保留数表示部が非表示状態であるものとして動作することを特徴とする請求項1または2に記載の遊技機。
  4. 特定の遊技状態で行われる開閉抽選に当選した場合に開放されて遊技球が入賞可能となり、遊技球が入賞することで大当たり抽選が行われる始動口と、
    前記大当たり抽選が開始されていない前記始動口への入賞数である保留数を表示する保留数表示部と、を備え、
    少なくとも、前記開閉抽選が行われていない場合に、一時的にまたは継続的に前記保留数表示部を隠すことを特徴とする遊技機。
  5. 特定の遊技状態で行われる開閉抽選に当選した場合に開放されて遊技球が入賞可能となり、遊技球が入賞することで大当たり抽選が行われる始動口と、
    前記大当たり抽選が開始されていない前記始動口への入賞数である保留数を表示する保留数表示部と、
    遊技盤上で可動部材を動作させる制御部と、を備え、
    前記制御部は、少なくとも、前記開閉抽選が行われていない場合に、前記保留数表示部を覆う範囲で前記可動部材を動作させることを特徴とする遊技機。
  6. 前記制御部は、前記開閉抽選に当選しなかった場合に、前記保留数表示部を覆う範囲で前記可動部材を動作させることを特徴とする請求項5に記載の遊技機。
  7. 前記制御部は、前記開閉抽選に当選した後、前記保留数表示部が保留数を表示するまでの残余時間と、前記可動部材の動作を終了するまでに要する時間とを比較し、当該残余時間の方が長い場合に、当該保留数表示部を覆う範囲で当該可動部材を動作させることを特徴とする請求項5または6に記載の遊技機。
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