JP2010171689A - 画像処理装置、画像処理方法、プログラムおよび記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】転写における濃度ムラを適切に補正しつつ、階調補正テーブルの作成に要する処理量を抑え、ACCを高精度化させる。
【解決手段】プリンタ部の階調特性を測定するためのチャートの中央部には、CMYBkの各色について、階調値0〜255の中から、最低階調値0と最高階調値255を含む5つの階調パッチAを配置する。印字領域を縦、横に分割した4つの部分領域に対して、5つの階調パッチAの中から高濃度側の3つを選択した階調パッチBをそれぞれ配置する。
【選択図】図3
【解決手段】プリンタ部の階調特性を測定するためのチャートの中央部には、CMYBkの各色について、階調値0〜255の中から、最低階調値0と最高階調値255を含む5つの階調パッチAを配置する。印字領域を縦、横に分割した4つの部分領域に対して、5つの階調パッチAの中から高濃度側の3つを選択した階調パッチBをそれぞれ配置する。
【選択図】図3
Description
本発明は、高精度に自動階調補正を実行する画像処理装置、画像処理方法、プログラムおよび記録媒体に関し、デジタル方式の複写機、プリンタ装置、ファクシミリ装置等の画像形成装置と印刷制御装置とからなる画像出力システムに好適な技術に関する。
従来、デジタル方式の画像形成装置において、プリンタなどの出力装置(画像形成手段)の出力特性を補正したり、特定の濃度領域を強調するために、階調補正テーブル(Look Up Table:以下、「LUT」と称する)が使用されている。この画像形成装置は、一般に、画像読取手段、画像処理手段、画像書込手段、画像形成手段などによって構成され、上述のLUTは、画像処理手段に実装され、画像読取手段から画像処理手段に入力される入力画像信号を変換して出力画像信号として画像書込手段に出力する。
一方、LUTは、プリンタのような画像形成手段の画像濃度についての出力特性を反映して作られているため、画像形成手段などの劣化や汚れなどでプリンタの出力特性が変化してしまった場合、補正の役割を果たさないことになる。これを補正するために、画像形成装置内部の像担持体(感光体)上に形成したパターン像を転写材に転写、定着したものをスキャナで読み取り、その読み取ったデータに基づいて階調補正テーブルの作成を行ったり、色変換係数、RGB−CMYBk色変換テーブルの作成を行う補正方法が提案されている(例えば、特許文献1、2を参照)。
原稿に忠実な色再現を得るための条件の一つとして、CMYBk成分の画像信号を適切なレーザ光量で感光体に静電潜像を形成するために変換するLUTである階調補正テーブル(γ補正テーブル)の適切な設定が必要であり、自動階調補正(Auto Color Calibtation;以下、ACCと称する)を実行することにより適切な階調補正テーブルを設定している。
一般に、デジタル方式の画像形成装置におけるプリンタなどの出力装置においては、転写紙全面に均一濃度の階調パッチ画像を転写した場合でも、その測色値は必ずしも同一の値として得られなかった。これは、感光体ドラム、現像剤、転写ベルトなどの画像形成部の各構成要素の特性が、転写する2次元の転写領域において、同一の特性を有していないために発生する。従って、上述したように、階調パッチを測色すると、転写位置によって濃度特性が異なってしまい、自動階調補正による補正結果が、プリンタの転写特性を代表しない場合があるという問題があった。
そこで、これを解決するために、特許文献3では、複数枚の転写紙にそれぞれ異なる階調の画像を形成して出力し、出力された複数の転写紙を読み取って、それぞれの画像領域内における所定の画素位置ごとの濃度特性を把握し、それぞれの画素位置ごとに階調補正テーブルを作成する方法を採っている。
しかしながら、上記従来技術では、複数枚の転写紙に一つの階調値を出力し、複数枚の転写紙を順次、画像読取手段で読み取ってプリンタ特性を把握する必要があり、手間のかかる作業が要求され、さらに、画像領域内の画素位置ごとに階調補正テーブルを作成する必要があるため、全画像領域内の階調補正テーブル作成には、処理量が膨大になるという問題がある。
この他に、特許文献4では、画像領域内を複数の部分領域に分け、分割した部分領域ごとにカラーパッチを出力し、部分領域における色変換規則を作成することで、処理量を削減している。
しかしながら、特許文献4の技術では、部分領域ごとに異なる色変換規則を用いるため、部分領域の境界をまたぐような画像データを出力する際に、境界に面する部分領域における色変換規則に差がある場合は、色味や階調の不連続が発生し、画質が著しく劣化する可能性がある。
本発明は上記した課題に鑑みてなされたもので、
本発明の目的は、転写における濃度ムラを適切に補正しつつ、階調補正テーブルの作成に要する処理量を抑え、ACCを高精度化させた画像処理装置、画像処理方法、プログラムおよび記録媒体を提供することにある。
本発明の目的は、転写における濃度ムラを適切に補正しつつ、階調補正テーブルの作成に要する処理量を抑え、ACCを高精度化させた画像処理装置、画像処理方法、プログラムおよび記録媒体を提供することにある。
請求項1記載の発明では、転写位置の相違による濃度特性の違いを部分領域ごとに把握し、部分領域ごとに適切に補正する階調補正テーブルを作成し、転写位置の相違による濃度ムラを抑制して転写紙上に画像形成することを目的とする。
請求項2記載の発明では、第1の濃度階調パターンの中から、転写位置の相違により特性の異なり易い濃度階調値に対する濃度特性を把握し、階調補正テーブルに反映することと、限られた転写領域に対して有効に濃度階調パターンを配置できることを目的とする。
請求項3記載の発明では、部分領域ごとに、高濃度部の階調特性を詳細に把握し、高濃度部の階調つぶれを抑制する階調補正テーブルを作成することを目的とする。
請求項4記載の発明では、部分領域ごとに異なる階調補正テーブルを境界領域において滑らかに変化させることにより、部分領域をまたぐような画像データでの階調の不連続を抑制することを目的とする。
請求項5、6記載の発明では、部分領域ごとに異なる階調補正テーブルを境界領域において滑らかに変化させ、部分領域をまたぐような画像データでの階調の不連続性を抑制する境界領域の大きさを、部分領域ごとの階調補正テーブルの差分に応じて設定することを目的とする。
本発明は、画像出力手段の階調特性を測定するために、前記画像出力手段によって印刷出力される、所定のテストパターンが形成されたチャートを読み取る手段と、前記読み取られたテストパターンの濃度階調値が目標となる濃度階調値に一致するように、前記画像出力手段の階調特性を補正する階調補正テーブルを作成する作成手段と、前記作成された階調補正テーブルを参照して入力画像の階調を補正する階調補正手段と、階調補正後の画像を印刷出力する前記画像出力手段とを備え、前記所定のテストパターンは、M個の濃度階調値を一つのセットとした第1の濃度階調パターンと、N個(N<M)の濃度階調値を一つのセットとした第2の濃度階調パターンとからなり、前記第1の濃度階調パターンは前記画像出力手段の印刷出力領域の所定位置に配置され、前記第2の濃度階調パターンは前記印刷出力領域を複数に分割した部分領域にそれぞれ配置され、前記作成手段は、前記部分領域ごとに階調補正テーブルを作成することを最も主要な特徴とする。
本発明によれば、転写における濃度ムラが適切に補正されつつ、階調補正テーブルの作成に要する処理量が抑制され、ACCを高精度に実行することができる。
以下、発明の実施の形態について図面により詳細に説明する。 実施例1
図1は、本発明の実施例1の構成を示す。図1において、101はスキャナ部、102はフィルタ処理部、103は色変換処理部、104はγ補正部、105は階調処理部、106はプリンタ部、107は階調補正テーブル作成部である。
図1は、本発明の実施例1の構成を示す。図1において、101はスキャナ部、102はフィルタ処理部、103は色変換処理部、104はγ補正部、105は階調処理部、106はプリンタ部、107は階調補正テーブル作成部である。
スキャナ部101はCCDによって原稿画像を読み取り、CCDからの出力を補正し、RGBデータとして出力する。フィルタ処理部102では、スキャナ部101からのRGBデータに対してフィルタ処理(絵柄部に対しては平滑化処理、文字部に対してはエッジ強調処理)を実行する。色変換処理部103では、RGBデータをプリンタ部の色材であるCMYBkデータへ変換する。γ補正部104では、CMYBk毎の階調補正テーブルを参照して、CMYBkデータの階調を目標(理想)とするγ(階調)に補正する。階調処理部105では網点による中間調処理を行い、プリンタ部106(電子写真方式の画像形成装置)では画像データを印刷出力する。
階調補正テーブル作成部107は、スキャナ部101を使用して入力された画像信号の階調特性を、プリンタ部106の理想的な階調特性に合わせるための階調補正テーブルを作成する、本発明の特徴とする手段であり、後述するように、γ補正部104には、作成した階調補正テーブルが反映される。
図2は、階調補正テーブル作成部が実行する階調補正テーブル作成の処理フローチャートを示す。まず、ステップS1において、プリンタ部106の階調特性を測定するため、プリンタ部106内に格納された、濃度階調パッチからなるテストパターンを読み出し、電子写真方式の印字である、露光、現像、転写、定着の処理フローにより、テストパターンをプリンタ106から印刷出力する。
本実施例では、プリンタ部106の感光体ドラムの円周とその幅がA3サイズの印字(印刷出力)領域に相当することを前提とする。ドラム径がA3サイズよりも小さい場合は、A3サイズの記録用紙にドラム径に合わせた印字領域を設定して印刷することとなる。
図3は、濃度階調パッチからなるテストパターン200を示す。本実施例では、CMYBkの各色について、階調値0〜255の中から、最低階調値0と最高階調値255を含む5つの階調パッチAと、印字領域を縦・横に、縦分割線201、横分割線202により半分ずつに分割した4つの部分領域に対して、5つの階調パッチAの中から高濃度側の3つを選択した階調パッチBをそれぞれ配置した例を示す。
図3のテストパターンでは、各部分領域の形と大きさを同一にしたが、本発明はこれに限定されず、他の形状、大きさでもよい。また、その領域の分割数は要求される印刷品質に応じて適宜定めればよく、要求品質が高い場合は分割数を多くし、要求品質が低い場合は分割数を少なくしてもよいし、階調パッチ数も必要数に応じて変更しても良い。さらに、実施例では部分領域に配置する階調パッチとして、高濃度側の階調パッチを3つ選択したが、これに限定されず、低濃度側の階調パッチを選んでもよい。選択するパッチ数も3つである必要はなく、図3の階調パッチAの中から適当な数を選択してよいし、0〜255の階調値の中から重要とする階調値を選択してよい。
濃度階調パッチからなるテストパターンをプリンタ106から出力する際には、図4に示すようなプリント指示が図示しない操作部に表示され、印刷スタートボタンを押下することにより、前述したようにテストパターンが読み出され、濃度階調パッチからなるテストパターンが印刷出力される。用紙に印刷出力されたテストパターンをキャリブレーション用チャート(以下、チャート)200と呼ぶことにする。
ステップS2において、出力されたチャート200はスキャナ部101の原稿台ガラスに載置され、読み取りスタートボタンを押下することによりスキャンされる。そして転写紙の地肌部、濃度階調パターン部のデータを読み取り、プリンタの階調特性として、階調補正テーブル作成部107内のRAMに記憶される。
次に、ステップS3において、階調補正テーブル作成部107内のROMに記憶されている濃度階調補正用の参照データ(後述の理想の階調特性)を読み出し、ステップS4において、補正対象の色材(CMYBk)の濃度階調パターンの読み取り値と、対応する参照データとを用いて階調補正テーブルを作成し、RAMに記憶する。
ステップS5では、上述の階調補正テーブルの作成処理を部分領域の全てに対して実行したか否かを判定し、全ての部分領域の階調補正テーブルの作成が終了すると、ステップS6へ移る。
ステップS6では、上述の階調補正テーブルの作成処理をCMYBk各色に対して実行したか否かを判定し、各色の階調補正テーブルの作成が終了すると、処理を完了する。
図5は、補正対象の色材の階調特性の一例を示す。図5の横軸は、濃度階調パッチの階調値(0〜255)を、縦軸はスキャナで読み取ったRGB信号のうちの一つの信号値(0〜255)を表す。
ここで、スキャナで読み取ったRGB信号に対して、補正対象の色材の補色となる信号を選択し、補正対象の色材の階調特性とする。すなわち、C色材に対してはR信号を、M色材に対してはG信号を、Y色材に対してはB信号を選択する。また、Bk色材についてはG信号を選択する。そして、補正対象の色材の階調特性から階調補正テーブル作成する。図5の点Aは、階調値0のパッチの読み取り値を表し、点Bは補正対象の色材の階調値255のパッチの読み取り値を表している。A−Bの破線は、補正対象の色材の理想の階調特性を示し、実線は、読み取られた補正対象の色材の階調特性である。
なお、破線で示す理想の階調特性は、階調補正テーブル作成部107内のROMに、CMYBkの各色材に対して格納されていて、階調補正テーブル作成時にはRAMにロードされる。
ステップS2において読み取った濃度階調パッチに基づいて、分割した部分領域に対応する階調特性もRAMに記憶される。本実施例の場合は、4つの部分領域の階調特性が記憶される。4つの部分領域の階調特性は、まず、図3の階調パッチAの読み取り値を基本階調特性とする。さらに、基本階調特性に対して、各部分領域に配置された図3の階調パッチBの読み取り値で置き換えたものを部分領域の階調特性とする。
例えば、図6のように、印字領域の主走査方向、副走査方向をそれぞれ2分する、境界線1、境界線2によって、部分領域1〜4を設定したとすると、部分領域1に対する階調特性は、図3の階調パッチAにおいて読み取った5つの階調パッチから、部分領域1に配置された図3の階調パッチBの3パッチの読み取り値と置き換えることを意味する。図3の階調パッチBの3つの階調パッチは、図3の階調パッチAの5パッチの中から高濃度側の3パッチを選択したものであり、高濃度側のパッチを部分領域のパッチと置き換えることは、部分領域ごとの高濃度側の階調特性を把握することを意味している。この置き換えを4つの部分領域に対して実施することで、部分領域ごとの高濃度側の階調特性を得ることができる。
さらに、得られた階調特性と、理想の階調特性を用いて部分領域ごとに階調補正テーブルを作成する。得られた部分領域ごとの階調特性と、理想の階調特性に基づいて、周知の補間技術(スプライン補間や線形補間など)を用いて、例えば図7に示すような階調補正テーブルを作成する。図7は、一つの部分領域の階調補正テーブルを示すものであり(実線が階調補正テーブルの特性であり、破線が理想の階調特性である)、本実施例では、4つの部分領域に対して、CMYBk各色に対する階調補正テーブルが得られる。
以上の処理手順により、部分領域に対して生成された階調補正テーブルは、図8に示すγ補正部104において参照される。以下、γ補正部104における、部分領域ごとの階調補正テーブルを用いた階調変換処理について説明する。
図8のγ補正部104は、前段の色変換処理部103を通った後のCMYBk信号を、部分領域ごとに作成した階調補正テーブルを用いてプリンタの階調特性が所望の特性(図7の点線)になるように補正する。
γ補正部104には、階調補正テーブル作成部107から処理する画像データのアドレス(画素位置)と、領域分割情報が入力される。本実施例では、画素位置は主走査方向のアドレスを示すx、副走査方向のアドレスを示すyが入力される。
領域分割情報としては、主走査方向の分割境界アドレスに対応するDiv_X、副走査方向の分割境界アドレスとして、Div_Yが入力される。
領域判定部1041は、注目画素がどの部分領域に属しているかを判断する。領域判定は、注目画素のアドレスと、分割境界アドレスを用いて、以下の式により判定すればよい。
(判定式)
x<Div_Xかつy<Div_Yの場合は、部分領域1とする。
x≧Div_Xかつy<Div_Yの場合は、部分領域2とする。
x<Div_Xかつy≧Div_Yの場合は、部分領域3とする。
x≧Div_Xかつy≧Div_Yの場合は、部分領域4とする。
(判定式)
x<Div_Xかつy<Div_Yの場合は、部分領域1とする。
x≧Div_Xかつy<Div_Yの場合は、部分領域2とする。
x<Div_Xかつy≧Div_Yの場合は、部分領域3とする。
x≧Div_Xかつy≧Div_Yの場合は、部分領域4とする。
次に、階調補正テーブル選択部1042は、領域判定部1041で判定された部分領域の階調補正テーブルを選択する。最後に、階調変換部1043は、注目画素が属している部分領域に対応する階調補正テーブルを用いて、所定の階調特性になるよう、該階調補正テーブルに従ってCMYBk信号を変換し出力する。階調変換後のCMYBk信号は、後段の階調処理部105へ出力される。
以上、説明したように、本実施例によれば、画像を形成する像担持体(感光体)上の各部分領域に対応した階調補正テーブルを作成することができるため、従来のγ補正処理に比べて、像担持体上の画素位置に対応した高精度な補正が可能となる。これにより、従来の技術では補正が困難であった、面内ムラや面内の濃度差に起因する画質劣化を、比較的少ない処理量で抑制することができる。
本発明によれば、転写領域を部分領域に分割して、転写位置の相違による濃度特性の違いを部分領域ごとに把握し、階調補正テーブルを作成するので、転写位置の相違による濃度ムラを抑制して転写紙上に画像形成することができる。また、本発明によれば、部分領域に配置する第2の階調パターンを、第1の階調パターンとは別の位置に配置でき、転写位置の相違により濃度特性が異なりやすい濃度階調値を選択できるので、詳細に把握したい階調パッチを予め選択することと、限られた転写領域に対して有効に階調パッチを配置することができる。さらに、本発明によれば、部分領域に配置する濃度階調パターンを高濃度領域の階調とするので、部分領域における高濃度部の階調特性を詳細に把握し、階調つぶれを抑制する階調補正テーブルを作成することができる。
実施例2
実施例1では、印字(印刷出力)領域の画素位置がどの部分領域に属するかを把握し、属する部分領域の階調補正テーブルを用いてγ補正を行なう例を示した。実施例2は、部分領域の境界線を含む境界領域を設定し、境界領域に、新たに階調補正テーブルを作成する実施例である。
実施例1では、印字(印刷出力)領域の画素位置がどの部分領域に属するかを把握し、属する部分領域の階調補正テーブルを用いてγ補正を行なう例を示した。実施例2は、部分領域の境界線を含む境界領域を設定し、境界領域に、新たに階調補正テーブルを作成する実施例である。
実施例1と同様に、部分領域ごとの階調補正テーブルをまず作成してRAMに記憶させる。図9は、実施例2の処理フローチャート(階調補正テーブル作成後のγ補正部104における処理フローチャート)を示す。
ステップS11では、実施例1と同様に、処理する画像データの画素位置を把握し、注目画素のアドレスが、境界領域内であるか否かを判定する。ステップS12では、境界領域である場合は、どの部分領域に面している境界領域であるかを把握し、面している部分領域の階調補正テーブルを階調補正テーブル作成部107内のRAMから読み出す。
ステップS13では、読み出した複数の階調補正テーブルによる出力値を求め、求めた複数の出力値に対して、注目画素のアドレスに応じて各出力値を重み付け平均し、最終的な出力値として後段の階調処理部へ出力して終了する。
ステップS14では、注目画素が境界領域内ではない場合は、属している部分領域に対応した階調補正テーブルを用いて出力値を求め、最終的な出力値として後段の階調処理部へ出力して終了する。
ステップS13における、重み付け平均の方法の一例を説明する。例えば、図10(a)のような画素幅Lの境界領域を、境界領域1〜5として設定したとする。なお、境界領域の位置としては、図6に示した部分領域に分割する境界線を中心にL/2の幅を持つように、境界線1、境界線2に対して設定する。
境界領域1の画素位置Aに対するγ補正後の最終的な出力値は、境界領域に面する部分領域1、2からの距離を用いて、以下のように求める。
画素位置Aにおける、部分領域1との境界からの距離をXとすると、部分領域2との境界からの距離は(L−X)となる。部分領域1の階調補正テーブルによる出力値をOUT1、部分領域2の階調補正テーブルによる出力値をOUT2とすると、最終的な出力値OUTは、
OUT=OUT1×(L−X)/L+OUT2×X/L
によって求められる。
OUT=OUT1×(L−X)/L+OUT2×X/L
によって求められる。
境界領域2〜4においても、境界領域に面する2つの部分領域からの距離を上述と同様の方法で求め、それぞれの階調補正テーブルの出力値を重み付け平均することで最終的な出力値OUTを求められる。
境界領域5に注目画素(点A)が属する場合は、図10(b)に示すように、境界線4からの主走査方向の距離Y、境界線3からの副走査方向の距離Zとし、部分領域1から4の階調補正テーブルによる出力値をそれぞれOUT1、OUT2、OUT3、OUT4とすると、最終的な出力値OUTを以下のようにして求めることができる。
OUT={OUT1×(L−Y)/L+OUT2×Y/L}×(L−Z)/L+{OUT3×(L−Y)/L+OUT4×Y/L}×Z/L
以上、説明したように、本実施例によれば、境界領域内の画素位置に対応した重みに基づいて最終的なγ補正後の出力を算出することができるため、部分領域ごとに作成された階調補正テーブルの差分が大きい場合であっても、階調の不連続性を発生させること無くγ補正結果を得ることが可能となる。
OUT={OUT1×(L−Y)/L+OUT2×Y/L}×(L−Z)/L+{OUT3×(L−Y)/L+OUT4×Y/L}×Z/L
以上、説明したように、本実施例によれば、境界領域内の画素位置に対応した重みに基づいて最終的なγ補正後の出力を算出することができるため、部分領域ごとに作成された階調補正テーブルの差分が大きい場合であっても、階調の不連続性を発生させること無くγ補正結果を得ることが可能となる。
本発明によれば、部分領域を分ける境界領域内における画素位置に従って、部分領域に面する階調補正テーブルを用いて出力値を求めるので、部分領域をまたぐような画像データでの階調の不連続の発生を抑制することができる。
実施例3
実施例2では、部分領域の境界線を含む境界領域を設定し、境界領域において新たに階調補正テーブルを求める方法を説明した。実施例3は、階調補正テーブルの差分値が大きいほど、部分領域の境界線を含む境界領域の幅を大きくする実施例である。
実施例2では、部分領域の境界線を含む境界領域を設定し、境界領域において新たに階調補正テーブルを求める方法を説明した。実施例3は、階調補正テーブルの差分値が大きいほど、部分領域の境界線を含む境界領域の幅を大きくする実施例である。
実施例1と同様に、部分領域ごとの階調補正テーブルを作成して階調補正テーブル作成部107内のRAMに記憶させる。図11は、実施例3の処理フローチャート(階調補正テーブル作成後に境界領域の幅決定を処理するフローチャート)を示す。
ステップS21では、作成された階調補正テーブルの差分値を算出する。差分値は、部分領域ごとの階調補正テーブルの差分の最大値をCMYBk色ごとに求め、さらに各色ごとの差分値の中から最大値を一つ選択し、代表の差分値とする。
階調補正テーブルの差分値について説明すると、図12(a)は、ある一色に対する4つの部分領域の階調補正テーブルを示している。入力階調値Xに対する4つの階調補正テーブルの変換値を参照して、変換値の最大値Y_Max、最小値Y_Minを求める。求めたY_MaxとY_Minの差分値(Y_Max−Y_Min)を入力階調値Xにおける差分値とする。差分値は入力階調値0〜255の全てに対して算出する。
次に、255個の差分値に対する最大値を選択し、ある一色に対しての差分値とする。上述の処理をCMYBkの各色全てに対して行なった後、得られた4色分の差分値の中から最大値を選択し代表の差分値とする。
次に、得られた代表の差分値に基づいて境界領域幅を決定する方法について説明する。差分値が閾値th1以下である場合は(S22でYES)、デフォルトの境界領域幅Lを設定する。差分値が閾値th1以下でない場合は(S22でNO)、差分値に従って境界領域幅を大きくする(S23)。
例えば、図12(b)に示すように、差分値がth1までは、一定値Lを境界領域幅として設定し、差分値がth1よりも大きくなるに従って境界領域幅が大きくなるように設定し、差分値が一定値(th2)を超えると、境界領域幅をMに設定する。このような設定方法は一例であり、その他の方法で境界領域幅を設定しても構わない。このように決定した境界領域幅を用いてγ補正を行なう。γ補正の方法は実施例2で説明した方法と同一であるので省略する。
以上、説明したように、本実施例によれば、階調補正テーブルの差分値に基づいて境界領域幅を決定するので、差分値が大きい場合には境界領域幅を大きくすることができ、部分領域ごとの階調補正テーブルに大きな差分がある場合でも、境界領域を利用して急激な階調変化を抑制することができる。
本発明によれば、階調補正テーブルの差分値が大きいほど、境界領域を大きく設定するので、部分領域をまたぐような画像データでの階調の不連続を良好に抑制することができる。
本発明は、前述した実施例の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(CPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても達成される。この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した各実施例の機能を実現することになる。プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、不揮発性のメモリカード、ROMなどを用いることができる。また、コンピュータが読出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施例の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した各実施例の機能が実現される場合も含まれる。さらに、記憶媒体から読出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した各実施例の機能が実現される場合も含まれる。また、本発明の実施例の機能等を実現するためのプログラムは、ネットワークを介した通信によってサーバから提供されるものでも良い。
101 スキャナ部
102 フィルタ処理部
103 色変換処理部
104 γ補正部
105 階調処理部
106 プリンタ部
107 階調補正テーブル作成部
102 フィルタ処理部
103 色変換処理部
104 γ補正部
105 階調処理部
106 プリンタ部
107 階調補正テーブル作成部
Claims (9)
- 画像出力手段の階調特性を測定するために、前記画像出力手段によって印刷出力される、所定のテストパターンが形成されたチャートを読み取る手段と、前記読み取られたテストパターンの濃度階調値が目標となる濃度階調値に一致するように、前記画像出力手段の階調特性を補正する階調補正テーブルを作成する作成手段と、前記作成された階調補正テーブルを参照して入力画像の階調を補正する階調補正手段と、階調補正後の画像を印刷出力する前記画像出力手段とを備え、前記所定のテストパターンは、M個の濃度階調値を一つのセットとした第1の濃度階調パターンと、N個(N<M)の濃度階調値を一つのセットとした第2の濃度階調パターンとからなり、前記第1の濃度階調パターンは前記画像出力手段の印刷出力領域の所定位置に配置され、前記第2の濃度階調パターンは前記印刷出力領域を複数に分割した部分領域にそれぞれ配置され、前記作成手段は、前記部分領域ごとに階調補正テーブルを作成することを特徴とする画像処理装置。
- 前記第2の濃度階調パターンは、前記第1の濃度階調パターンの中から選択した濃度階調パターンであることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
- 前記選択した濃度階調パターンは、高濃度領域の階調パターンであることを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
- 前記部分領域を分ける境界領域を設定し、前記境界領域において、境界領域に面する複数の部分領域の階調補正テーブルを重み付け平均により演算し、当該境界領域における階調補正テーブルとすることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
- 前記境界領域に面する複数の部分領域の階調補正テーブルの差分を求め、前記差分に基づいて前記境界領域を変動させて階調補正テーブルを求めることを特徴とする請求項4記載の画像処理装置。
- 前記部分領域ごとの階調補正テーブルの差分が大きい場合は、前記境界領域を拡大させることを特徴とする請求項5記載の画像処理装置。
- 画像出力装置の階調特性を測定するために、前記画像出力装置によって印刷出力される、所定のテストパターンが形成されたチャートを読み取る工程と、前記読み取られたテストパターンの濃度階調値が目標となる濃度階調値に一致するように、前記画像出力装置の階調特性を補正する階調補正テーブルを作成する作成工程と、前記作成された階調補正テーブルを参照して入力画像の階調を補正する階調補正工程と、階調補正後の画像を印刷出力する画像出力工程とを備え、前記所定のテストパターンは、M個の濃度階調値を一つのセットとした第1の濃度階調パターンと、N個(N<M)の濃度階調値を一つのセットとした第2の濃度階調パターンとからなり、前記第1の濃度階調パターンは前記画像出力装置の印刷出力領域の所定位置に配置され、前記第2の濃度階調パターンは前記印刷出力領域を複数に分割した部分領域にそれぞれ配置され、前記作成工程は、前記部分領域ごとに階調補正テーブルを作成することを特徴とする画像処理方法。
- 請求項7記載の画像処理方法をコンピュータに実現させるためのプログラム。
- 請求項7記載の画像処理方法をコンピュータに実現させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009011766A JP2010171689A (ja) | 2009-01-22 | 2009-01-22 | 画像処理装置、画像処理方法、プログラムおよび記録媒体 |
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Family Applications (1)
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2014086930A (ja) * | 2012-10-25 | 2014-05-12 | Fuji Xerox Co Ltd | 画像処理装置、画像形成装置、画像処理システムおよびプログラム |
US8797600B2 (en) | 2011-04-27 | 2014-08-05 | Konica Minolta Business Technologies, Inc. | Image forming apparatus and gradation correction method with density unevenness detection |
US8837001B2 (en) | 2011-12-07 | 2014-09-16 | Konica Minolta Business Technologies, Inc. | Image forming apparatus and gradation correction method for the same |
-
2009
- 2009-01-22 JP JP2009011766A patent/JP2010171689A/ja active Pending
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