JP2010171403A - 多層配線基板の製造方法およびウエハ一括コンタクトボード - Google Patents
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Abstract
【課題】導電層が絶縁層を介して積層された多層配線基板において、導電層と絶縁層の密着強度を高め、歩留まりを向上させる製造方法を提供する。
【解決手段】第1配線パターン12a上に感光性ポリイミド前駆体を用いて、ポリイミド絶縁層13を形成し、このポリイミド絶縁層13上にフォトリソグラフィーにて、図1(3)に示すようにコンタクトホール14を形成する。次に、酸素プラズマ処理をおこなった後、0.95%(重量百分率)の酸性フッ化アンモンNH4F・HF(NH4F・HF=1:1)水溶液に20秒浸漬する。
【選択図】図2
【解決手段】第1配線パターン12a上に感光性ポリイミド前駆体を用いて、ポリイミド絶縁層13を形成し、このポリイミド絶縁層13上にフォトリソグラフィーにて、図1(3)に示すようにコンタクトホール14を形成する。次に、酸素プラズマ処理をおこなった後、0.95%(重量百分率)の酸性フッ化アンモンNH4F・HF(NH4F・HF=1:1)水溶液に20秒浸漬する。
【選択図】図2
Description
本発明は、ウエハ上に多数形成された半導体デバイスを一括して試験するためのコンタクトボードと、それを構成する多層配線基板の製造方法に関する。
ウエハ上に複数形成された半導体デバイスの検査は、プローブカードによる製品検査(電気的特性試験)と、その後に行われる信頼性試験であるバーンイン試験に大別される。
バーンイン試験は、固有欠陥のある半導体デバイス、あるいは製造上のばらつきから、時間とストレスに依存する故障を起こすデバイスを除くために行われるスクリーニング試験の一つである。プローブカードによる検査が製造したデバイスの電気的特性試験であるのに対し、バーンイン試験は熱加速試験と言える。
バーンイン試験は、固有欠陥のある半導体デバイス、あるいは製造上のばらつきから、時間とストレスに依存する故障を起こすデバイスを除くために行われるスクリーニング試験の一つである。プローブカードによる検査が製造したデバイスの電気的特性試験であるのに対し、バーンイン試験は熱加速試験と言える。
バーンイン試験は、プローブカードによって1チップ毎に行われる電気的特性試験の後に、ウエハをダイシングによりチップに切断し、パッケージングしたものについて一つずつバーンイン試験を行う通常の方法(1チップバーンインシステム)ではコスト的に実現性に乏しい。そこで、特許文献1に示すように、ウエハ上に多数形成された半導体デバイスのバーンイン試験を一括して行うためのウエハ一括コンタクトボードの開発及び実用化が進められている。
ウエハ一括コンタクトボードは、多層配線基板上に、異方性導電ゴムシートを介して、バンプ付きメンブレンリングを固定した構造を有する。バンプ付きメンブレンリングは、リングと、リングに張り渡された絶縁性薄膜の一方の面に設けられた導電性材料からなる半球状のバンプと、このバンプと電気的に接続して他方の面に設けられた導電性材料からなるパッドとを備える。金属バンプは、ウエハ上の各半導体チップの周縁又はセンターライン上に形成されたパッド82(約600〜1000ピン程度)に対応して、この数にチップ数を乗じた数が、絶縁性薄膜上に形成されている。異方性導電ゴムシートは、主面と垂直な方向にのみ導電性を有する弾性体であり、多層配線基板上の端子とバンプ付きメンブレンリングのパッドとを電気的に接続する。異方性導電ゴムシートは、その表面に形成された凸部でバンプ付きメンブレン上のパッドに押し当てることで、半導体ウエハ表面の凹凸及びバンプの高さのバラツキを吸収し、半導体ウエハ上のパッドとバンプ付きメンブレンリング上のバンプとを確実に接続する。多層配線基板はバンプ付きメンブレンリング上に孤立する各バンプにパッドを介して所定のバーンイン試験信号を付与するための配線を積層構造で有する。
多層配線基板は、絶縁性基材上に導電層を積層し所望のパターンに形成した後、絶縁層を積層し、該絶縁層にコンタクトホールを形成した後、その上に導電層を積層することによりコンタクトホールを介して下層の導電層と導通させる。この一連の工程を複数回行うことにより、ウエハ上の多数のパッドに電気信号を送るための複数の配線を設けている。
また、ウエハ一括コンタクトボードの多層配線基板においては、内部回路にショート箇所がある半導体デバイスが存在する場合であっても、他の半導体デバイスの内部回路が破壊されたり、他の半導体デバイスが誤動作を起こすという問題を回避するために、配線上に抵抗素子を設けた多層配線基板が提案されている(特許文献1)。この抵抗素子は、導電層を複数の積層構造とし、導電層のうちの上層を除去して形成された薄膜状の抵抗素子(薄膜抵抗)である。
また、ウエハ一括コンタクトボードの多層配線基板においては、内部回路にショート箇所がある半導体デバイスが存在する場合であっても、他の半導体デバイスの内部回路が破壊されたり、他の半導体デバイスが誤動作を起こすという問題を回避するために、配線上に抵抗素子を設けた多層配線基板が提案されている(特許文献1)。この抵抗素子は、導電層を複数の積層構造とし、導電層のうちの上層を除去して形成された薄膜状の抵抗素子(薄膜抵抗)である。
多層配線基板の絶縁層としては、主に感光性ポリイミドが用いられている。感光性ポリイミド層を露光および現像することにより、ポリイミド層にコンタクトホールを形成した後、配線層を形成するが、このとき、特許文献2に示すように、ポリイミド層表面を酸素プラズマにてアッシング処理して、アンカー効果により配線層との密着性を向上させている。アッシング処理後、表面にアッシング残渣が残留するのでこれを除去するために、硫酸系の溶液を用いてスクラブ洗浄を行っている。
しかし、スクラブ洗浄する際、基板端に存在する導電層のスパッタくず等を一緒に剥がしてしまい、それが絶縁層表面に引掻き傷を形成して、かえって密着性を悪化させるという問題があった。また、特許文献2に記載の多層配線基板における薄膜抵抗は、膜厚が数百オングストロームの薄膜であるため、スクラブ洗浄する場合、剥がれてしまうという問題があった。
また、絶縁層として用いている有機化合物には、密着力増強剤として珪素原子を含む化合物が添加されている場合がある。このような材料を用いた絶縁層に酸素プラズマ処理を行うと、珪素原子が酸化され、二酸化珪素粒子が表面に残る。この場合、硫酸系の溶液を用いたスクラブ洗浄のみでは完全に除去することができない。また、スクラブ洗浄により二酸化珪素粒子がコンタクトホールに入り込んでしまう。このように二酸化珪素粒子が絶縁層表面に残っていると、層間の密着性が低下し、金属配線が剥がれるという問題がある。
また、最上層の導電層と熱圧着により接続されるフレキシブルケーブルに対して外力が加わったときの層間の剥がれが発生するという問題があった。
また、絶縁層として用いている有機化合物には、密着力増強剤として珪素原子を含む化合物が添加されている場合がある。このような材料を用いた絶縁層に酸素プラズマ処理を行うと、珪素原子が酸化され、二酸化珪素粒子が表面に残る。この場合、硫酸系の溶液を用いたスクラブ洗浄のみでは完全に除去することができない。また、スクラブ洗浄により二酸化珪素粒子がコンタクトホールに入り込んでしまう。このように二酸化珪素粒子が絶縁層表面に残っていると、層間の密着性が低下し、金属配線が剥がれるという問題がある。
また、最上層の導電層と熱圧着により接続されるフレキシブルケーブルに対して外力が加わったときの層間の剥がれが発生するという問題があった。
本第1発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、環境に配慮した製造方法であって、薄膜抵抗の導電層の膜剥がれや、フレキシブルケーブルに対して外力が加わったときの層間の剥がれを防止し、層間の密着強度を向上できる多層配線基板の製造方法を提供することを目的とする。本第2発明は、薄膜抵抗の導電層の膜剥がれや、フレキシブルケーブルに対して外力が加わったときの層間の剥がれを防止し、層間の密着強度が高い多層配線基板を構成部品に備えた信頼性の高いウエハ一括コンタクトボードを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の構成を有する。
(構成1)
基板上に、複数の導電層を絶縁層を介して積層し、前記絶縁層に形成されたコンタクトホールを介して前記複数の導電層を導通してなる多層配線基板の製造方法であって、
基板上に形成された導電層上に、珪素を含む材料からなる絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、
前記絶縁層に前記導電層表面が露出するようにコンタクトホールを形成するコンタクトホール形成工程と、
前記コンタクトホール内の前記導電層表面、及び前記絶縁層表面に対して酸素プラズマ処理を行う酸素プラズマ処理工程と、
前記酸素プラズマ処理された前記導電層表面、及び前記絶縁層表面を、前記酸素プラズマ処理により生成された酸化珪素化合物を溶解する溶媒による表面処理を行う表面処理工程と、前記絶縁層上に前記コンタクトホールを埋めるように他の導電層を形成する導電層形成工程と、を有することを特徴とする多層配線基板の製造方法。
(構成1)
基板上に、複数の導電層を絶縁層を介して積層し、前記絶縁層に形成されたコンタクトホールを介して前記複数の導電層を導通してなる多層配線基板の製造方法であって、
基板上に形成された導電層上に、珪素を含む材料からなる絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、
前記絶縁層に前記導電層表面が露出するようにコンタクトホールを形成するコンタクトホール形成工程と、
前記コンタクトホール内の前記導電層表面、及び前記絶縁層表面に対して酸素プラズマ処理を行う酸素プラズマ処理工程と、
前記酸素プラズマ処理された前記導電層表面、及び前記絶縁層表面を、前記酸素プラズマ処理により生成された酸化珪素化合物を溶解する溶媒による表面処理を行う表面処理工程と、前記絶縁層上に前記コンタクトホールを埋めるように他の導電層を形成する導電層形成工程と、を有することを特徴とする多層配線基板の製造方法。
(構成2)
基板上に、複数の導電層を絶縁層を介して積層し、前記絶縁層に形成されたコンタクトホールを介して前記複数の導電層を導通してなる多層配線基板の製造方法であって、
基板上に形成された導電層上に、珪素を含む材料からなる絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、
前記絶縁層に前記導電層表面が露出するようにコンタクトホールを形成するコンタクトホール形成工程と、
前記コンタクトホール内の前記導電層表面、及び前記絶縁層表面に対して酸素プラズマ処理を行う酸素プラズマ処理工程と、
前記酸素プラズマ処理された前記導電層表面、及び前記絶縁層表面を、フッ化水素酸、ケイフッ化水素酸、酸性フッ化アンモン、及びフッ化アンモニウムと無機酸の混酸から選ばれる少なくとも1つを含む酸性水溶液による表面処理を行う表面処理工程と、
前記絶縁層上に前記コンタクトホールを埋めるように他の導電層を形成する導電層形成工程と、を有することを特徴とする多層配線基板の製造方法。
基板上に、複数の導電層を絶縁層を介して積層し、前記絶縁層に形成されたコンタクトホールを介して前記複数の導電層を導通してなる多層配線基板の製造方法であって、
基板上に形成された導電層上に、珪素を含む材料からなる絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、
前記絶縁層に前記導電層表面が露出するようにコンタクトホールを形成するコンタクトホール形成工程と、
前記コンタクトホール内の前記導電層表面、及び前記絶縁層表面に対して酸素プラズマ処理を行う酸素プラズマ処理工程と、
前記酸素プラズマ処理された前記導電層表面、及び前記絶縁層表面を、フッ化水素酸、ケイフッ化水素酸、酸性フッ化アンモン、及びフッ化アンモニウムと無機酸の混酸から選ばれる少なくとも1つを含む酸性水溶液による表面処理を行う表面処理工程と、
前記絶縁層上に前記コンタクトホールを埋めるように他の導電層を形成する導電層形成工程と、を有することを特徴とする多層配線基板の製造方法。
(構成3)
前記酸性水溶液は、フッ化物の重量百分率が1.0%未満の水溶液であることを特徴とする構成2記載の多層配線基板の製造方法。
前記酸性水溶液は、フッ化物の重量百分率が1.0%未満の水溶液であることを特徴とする構成2記載の多層配線基板の製造方法。
(構成4)
基板上に、複数の導電層を絶縁層を介して積層し、前記絶縁層に形成されたコンタクトホールを介して前記複数の導電層を導通してなる多層配線基板の製造方法であって、
基板上に形成された導電層上に、珪素を含む材料からなる絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、
前記絶縁層に前記導電層表面が露出するようにコンタクトホールを形成するコンタクトホール形成工程と、
前記コンタクトホール内の前記導電層表面、及び前記絶縁層表面に対して酸素プラズマ処理を行う酸素プラズマ処理工程と、
前記酸素プラズマ処理された前記導電層表面、及び前記絶縁層表面を、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、から選ばれる少なくとも1つを含むアルカリ性水溶液を用いて、前記酸素プラズマ処理された前記導電層表面、及び前記絶縁層表面を表面処理することを特徴とする多層配線基板の製造方法。
基板上に、複数の導電層を絶縁層を介して積層し、前記絶縁層に形成されたコンタクトホールを介して前記複数の導電層を導通してなる多層配線基板の製造方法であって、
基板上に形成された導電層上に、珪素を含む材料からなる絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、
前記絶縁層に前記導電層表面が露出するようにコンタクトホールを形成するコンタクトホール形成工程と、
前記コンタクトホール内の前記導電層表面、及び前記絶縁層表面に対して酸素プラズマ処理を行う酸素プラズマ処理工程と、
前記酸素プラズマ処理された前記導電層表面、及び前記絶縁層表面を、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、から選ばれる少なくとも1つを含むアルカリ性水溶液を用いて、前記酸素プラズマ処理された前記導電層表面、及び前記絶縁層表面を表面処理することを特徴とする多層配線基板の製造方法。
(構成5)
前記絶縁層は、有機化合物からなることを特徴とする構成1から4のいずれか1つ記載の多層配線基板の製造方法。
前記絶縁層は、有機化合物からなることを特徴とする構成1から4のいずれか1つ記載の多層配線基板の製造方法。
(構成6)
前記導電層表面は、ニッケルを含む材料であることを特徴とする構成1から5のいずれか1つ記載の多層配線基板の製造方法。
前記導電層表面は、ニッケルを含む材料であることを特徴とする構成1から5のいずれか1つ記載の多層配線基板の製造方法。
(構成7)
前記導電層は、複数層の積層構造からなり、該導電層のうちの上層を除去して抵抗が形成されていることを特徴とする構成1から6いずれか1つ記載の多層配線基板の製造方法。
前記導電層は、複数層の積層構造からなり、該導電層のうちの上層を除去して抵抗が形成されていることを特徴とする構成1から6いずれか1つ記載の多層配線基板の製造方法。
(構成8)
前記構成1から7いずれか1つ記載の製造方法により製造された多層配線基板と、
被検査素子と直接接触するコンタクト部分を受け持つバンプ付きメンブレンリングとを有することを特徴とするウエハ一括コンタクトボード。
前記構成1から7いずれか1つ記載の製造方法により製造された多層配線基板と、
被検査素子と直接接触するコンタクト部分を受け持つバンプ付きメンブレンリングとを有することを特徴とするウエハ一括コンタクトボード。
本発明の構成1によれば、酸化珪素化合物を溶解する溶媒により、酸素プラズマ処理されたコンタクトホール内の導電層表面及び絶縁層表面に対して表面処理することによって、絶縁層に含まれる珪素が酸素プラズマ処理によって発生した酸化珪素化合物(二酸化珪素等)を溶解して除去することができるので、導電層と導電層、導電層と絶縁層との層間の密着強度を上げることができる。従って、最上層の導電層と熱圧着により接着されるフレキシブルケーブルに対して外力が加わったときの層間の剥がれを防止することができる。また、絶縁層表面をスクラブ洗浄しないため、スクラブ洗浄による引掻き傷やごみを発生させることがないので、層間の密着強度を上げることができる。またコンタクトホール内部に残った酸化珪素化合物(二酸化珪素等)を容易に除去することができるので、電気的接続が確実となり、コンタクト不良を防止することができる。また、スクラブ洗浄しないため、薄膜抵抗が形成された多層配線基板においても、薄膜抵抗の膜剥がれを防止することができる。
本発明の構成2によれば、フッ化水素酸、ケイフッ化水素酸、酸性フッ化アンモン、及びフッ化アンモニウムと無機酸の混酸から選ばれる少なくとも1つを含む酸性水溶液により、酸素プラズマ処理されたコンタクトホール内の導電層表面及び絶縁層表面に対して表面処理することによって、絶縁層に含まれる珪素が酸素プラズマ処理によって発生した酸化珪素化合物(二酸化珪素等)を溶解して除去することができるので、導電層と導電層、導電層と絶縁層との層間の密着強度を上げることができる。従って、最上層の導電層と熱圧着により接着されるフレキシブルケーブルに対して外力が加わったときの層間の剥がれを防止することができる。また、絶縁層表面をスクラブ洗浄しないため、スクラブ洗浄による引掻き傷やごみを発生させることがないので、層間の密着強度を上げることができる。またコンタクトホール内部に残った酸化珪素化合物(二酸化珪素等)を容易に除去することができるので、電気的接続が確実となり、コンタクト不良を防止することができる。また、スクラブ洗浄しないため、薄膜抵抗が形成された多層配線基板においても、薄膜抵抗の膜剥がれを防止することができる。また、アルカリ水溶液よりも、酸化珪素化合物(二酸化珪素等)に対する溶解速度が大きいため、プロセスのタクトを短く出来るといった特徴を持つ。
構成3によれば、酸性水溶液におけるフッ化物の重量百分率が1.0%未満であることにより、フッ化物が低濃度であるので、環境に配慮した水溶液による酸化珪素化合物(二酸化珪素等)の溶解除去が可能となる。
本発明の構成4によれば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、から選ばれる少なくともひとつを含むアルカリ性水溶液により、酸素プラズマ処理されたコンタクトホール内の導電層表面及び絶縁層表面に対して表面処理することによって、絶縁層に含まれる珪素が酸素プラズマ処理によって発生した酸化珪素化合物(二酸化珪素等)を溶解して除去することができるので、導電層と導電層、導電層と絶縁層との層間の密着強度を上げることができる。従って、最上層の導電層と熱圧着により接着されるフレキシブルケーブルに対して外力が加わったときの層間の剥がれを防止することができる。また、絶縁層表面をスクラブ洗浄しないため、スクラブ洗浄による引掻き傷やごみを発生させることがないので、層間の密着強度を上げることができる。またコンタクトホール内部に残った酸化珪素化合物(二酸化珪素等)を容易に除去することができるので、電気的接続が確実となり、コンタクト不良を防止することができる。また、スクラブ洗浄しないため、薄膜抵抗が形成された多層配線基板においても、薄膜抵抗の膜剥がれを防止することができる。
構成5によれば、絶縁層が、有機化合物からなる場合、有機化合物を溶解することなく良好に酸素プラズマによって生じた酸化珪素化合物(二酸化珪素等)を溶解除去することができる。
構成6によれば、導電層表面がニッケルを含む材料とすることで、上記酸性水溶液に対するダメージを防止することができる。
構成7にあるように、導電層が、複数の積層構造からなり、該導電層のうちの上層を除去した抵抗(薄膜抵抗)が形成された多層配線基板の場合に特に効果がある。
構成8によれば、密着強度の高い多層配線基板を用いているので、信頼性の高いウエハ一括コンタクトボードを得ることができる。
本発明の一実施例によるに多層配線基板の製造方法について図1および図2を参照しながら説明する。図1及び図2は、多層配線基板の製造工程の一例を示す要部断面図である。
図1の工程(1)に示すように、表面を平らに研磨したガラス基板11(HOYA社製:NA40、大きさ320mm角、厚さ3mm)の片面に、スパッタ法にて、Cr膜を約300オングストローム、Cu膜を約2.0μm、Ni膜を約0.3μmの膜厚で順次成膜して、Ni/Cu/Cr多層配線層12を形成する。ここで、CrはガラスとCuに対する密着力を強化する目的で設けている。また、NiはCuの酸化を防止する目的、Cuとレジストに対する密着力を強化する目的、及び、Cuとポリイミドとの反応によってコンタクトホール底部にポリイミドが残留するのを防止する目的で設けている。なお、Niの形成方法はスパッタ法に限定されず、電解めっき法で形成しても良い。また、Ni膜上にAu膜をスパッタ法、電解めっき法又は無電解めっき法で形成して、コンタクト抵抗の低減を図ることも可能である。
図1の工程(1)に示すように、表面を平らに研磨したガラス基板11(HOYA社製:NA40、大きさ320mm角、厚さ3mm)の片面に、スパッタ法にて、Cr膜を約300オングストローム、Cu膜を約2.0μm、Ni膜を約0.3μmの膜厚で順次成膜して、Ni/Cu/Cr多層配線層12を形成する。ここで、CrはガラスとCuに対する密着力を強化する目的で設けている。また、NiはCuの酸化を防止する目的、Cuとレジストに対する密着力を強化する目的、及び、Cuとポリイミドとの反応によってコンタクトホール底部にポリイミドが残留するのを防止する目的で設けている。なお、Niの形成方法はスパッタ法に限定されず、電解めっき法で形成しても良い。また、Ni膜上にAu膜をスパッタ法、電解めっき法又は無電解めっき法で形成して、コンタクト抵抗の低減を図ることも可能である。
次に、図1の工程(2)に示すように、所定のフォトリソグラフィー工程(レジストコート、露光、現像、エッチング)を行い、Ni/Cu/Cr多層配線層12をパターニングして、1層目の配線パターン12aを形成する。詳しくは、まず、レジストを3μmの厚みにコートし、90℃で30分間ベークし、所定のマスクを用いてレジストを露光、現像して、所望のレジストパターン(図示せず)を形成する。このレジストパターンをマスクとして、塩化第2鉄水溶液等のエッチング液を使用して、Ni/Cu/Cr多層配線層12をエッチングし、その後レジスト剥離液を用いてレジストを剥離し、水洗して乾燥させて、1層目の配線パターン12aを形成する。
次に、図1の工程(3)に示すように、1層目の配線パターン上に感光性ポリイミド前駆体を、スピンナー等を用いて10μmの厚みで塗布して、ポリイミド絶縁層13を形成する。このポリイミド絶縁層13に、コンタクトホール14を形成する。詳しくは、塗布した感光性ポリイミド前駆体を80℃で30分間ベークし、所定のマスクを用いて露光、現像して、コンタクトホール14を形成する。窒素雰囲気中にて350℃で4時間キュアを行い、感光性ポリイミド前駆体を完全にポリイミド化した後、酸素プラズマ処理によって、ポリイミド表面を粗面化して次工程にて形成する2層目の配線層との密着力を高めるとともに、コンタクトホール14内のポリイミド、現像液等の残さ等の有機物を酸化し除去する。
次に、多層配線基板を、0.95%(重量百分率)の酸性フッ化アンモンNH4F・HF(NH4F・HF=1:1)水溶液に20秒浸漬する。ポリイミド絶縁層表面およびコンタクトホール内に存在する二酸化シリコン(二酸化珪素)分子は、酸性フッ化アンモンと次のような化学反応を起こして溶解される。
SiO2+12NH4F・HF→3SiF4+12NH4F+6H2O
酸性フッ化アンモン(NH4F・HF)水溶液は、中性のフッ化アンモニウム(NH4F)をフッ化水素酸(HF)に加えて得られる酸性水溶液であり、0.95%(重量百分率)にすることにより、環境に配慮した、フッ化物が低濃度の溶液とすることができる。
SiO2+12NH4F・HF→3SiF4+12NH4F+6H2O
酸性フッ化アンモン(NH4F・HF)水溶液は、中性のフッ化アンモニウム(NH4F)をフッ化水素酸(HF)に加えて得られる酸性水溶液であり、0.95%(重量百分率)にすることにより、環境に配慮した、フッ化物が低濃度の溶液とすることができる。
次に、図1の工程(4)に示すように、上記工程(1)と同様にしてNi/Cu/Cr多層配線層15を形成する。
次に、図1の工程(5)に示すように、上記工程(2)と同様にしてNi/Cu/Cr多層配線層15をパターニングして、2層目の配線パターン15aを形成する。
次に、図2の工程(1)に示すように、上記工程の図1(3)から図1(5)を同様に繰り返して、2層目のポリイミド絶縁層16及びコンタクトホール17の形成、酸性フッ化アンモン水溶液への浸漬、3層目の配線パターン18a形成を順次行い、3層構造のガラス多層配線基板を得た。ただし、3層目の配線パターン18aは、異方性導電膜との電気的コンタクト性を良くする等の目的で、Au/Ni/Cu/Cr構造の多層配線とした。
詳しくは、Ni膜上にAu膜を電解めっき法で0.5μmの厚みで形成し、Au膜のエッチングをヨウ素とヨウ化カリウムの水溶液を使用して行ったこと以外は、1層目の配線パターンと同様にして3層目の配線パターンを形成した。なお、Ni膜は、Au膜とCuの密着力を強化する役割を果たす。Ni膜上にAu膜を無電解めっき法で形成することもできるが、Au膜の膜厚を厚くできない。
次に、Au/Ni/Cu/Cr多層構造を有する3層目の配線パターン18aのうち所定の部分について、Au/Ni/CuまでをエッチングしてCr薄膜抵抗部を形成する。
この工程を具体的に説明すると、図2(2)に示すように、3層目の配線パターン18a上にレジスト19をコートし、次いで図2(3)に示すように、所定のマスクを用いて露光、現像を行い、Cr薄膜抵抗部を形成すべき部分だけレジストを除去したレジストパターン19aを形成する。このとき、使用するレジストがポジタイプであれば、抵抗形成部だけを未露光とし抵抗形成部のレジストを除去し、また、使用するレジストがネガタイプであれば、抵抗形成部だけを露光し抵抗形成部のレジストを除去する。続いて、図2(4)に示すように、レジストパターン19aをマスクとして、塩化第2鉄水溶液等のエッチング液を使用して、Au/Ni/CuまでをエッチングしてCr膜を残してCr薄膜抵抗部18bを形成する。なお、このCr薄膜抵抗は、全てのI/O共通配線から分岐した全ての各I/O分岐配線上に設けている。各Cr薄膜抵抗の抵抗値は、高抵抗、例えば、50〜200Ωとした。また、Cr薄膜抵抗は、200μmの配線長、100μmの配線幅、300〜400オングストロームの厚みである。
次に、図2(5)に示すように、レジストを除去後、基板上に絶縁膜としてのポリイミドを塗布し、これをパターニングして保護用絶縁膜21を形成して、多層配線基板を得る。
次に、図1の工程(5)に示すように、上記工程(2)と同様にしてNi/Cu/Cr多層配線層15をパターニングして、2層目の配線パターン15aを形成する。
次に、図2の工程(1)に示すように、上記工程の図1(3)から図1(5)を同様に繰り返して、2層目のポリイミド絶縁層16及びコンタクトホール17の形成、酸性フッ化アンモン水溶液への浸漬、3層目の配線パターン18a形成を順次行い、3層構造のガラス多層配線基板を得た。ただし、3層目の配線パターン18aは、異方性導電膜との電気的コンタクト性を良くする等の目的で、Au/Ni/Cu/Cr構造の多層配線とした。
詳しくは、Ni膜上にAu膜を電解めっき法で0.5μmの厚みで形成し、Au膜のエッチングをヨウ素とヨウ化カリウムの水溶液を使用して行ったこと以外は、1層目の配線パターンと同様にして3層目の配線パターンを形成した。なお、Ni膜は、Au膜とCuの密着力を強化する役割を果たす。Ni膜上にAu膜を無電解めっき法で形成することもできるが、Au膜の膜厚を厚くできない。
次に、Au/Ni/Cu/Cr多層構造を有する3層目の配線パターン18aのうち所定の部分について、Au/Ni/CuまでをエッチングしてCr薄膜抵抗部を形成する。
この工程を具体的に説明すると、図2(2)に示すように、3層目の配線パターン18a上にレジスト19をコートし、次いで図2(3)に示すように、所定のマスクを用いて露光、現像を行い、Cr薄膜抵抗部を形成すべき部分だけレジストを除去したレジストパターン19aを形成する。このとき、使用するレジストがポジタイプであれば、抵抗形成部だけを未露光とし抵抗形成部のレジストを除去し、また、使用するレジストがネガタイプであれば、抵抗形成部だけを露光し抵抗形成部のレジストを除去する。続いて、図2(4)に示すように、レジストパターン19aをマスクとして、塩化第2鉄水溶液等のエッチング液を使用して、Au/Ni/CuまでをエッチングしてCr膜を残してCr薄膜抵抗部18bを形成する。なお、このCr薄膜抵抗は、全てのI/O共通配線から分岐した全ての各I/O分岐配線上に設けている。各Cr薄膜抵抗の抵抗値は、高抵抗、例えば、50〜200Ωとした。また、Cr薄膜抵抗は、200μmの配線長、100μmの配線幅、300〜400オングストロームの厚みである。
次に、図2(5)に示すように、レジストを除去後、基板上に絶縁膜としてのポリイミドを塗布し、これをパターニングして保護用絶縁膜21を形成して、多層配線基板を得る。
上記実施例においては、0.95%(重量百分率)の酸性フッ化アンモンを用いたが、フッ化水素酸(HF)、ケイフッ化水素酸(H2SiF6)あるいはフッ化アンモニウム(NH4F)と無機酸の混酸、あるいはこれらから選ばれる少なくとも1つを含む混合酸性溶液であってもよい。無機酸としては、塩酸、硫酸、硝酸およびリン酸から選ばれる少なくとも1つであることが望ましい。また、フッ化物の濃度は、0.95%に限定されず、環境に配慮した1.0%未満であることが望ましい。
上記実施例では、3層配線構造の多層配線基板について記載したが、図2(1)の工程において、図1(3)から図1(5)までに示す工程を繰り返すことにより、4層以上の多層配線構造とすることが可能である。
上記実施例では、3層配線構造の多層配線基板について記載したが、図2(1)の工程において、図1(3)から図1(5)までに示す工程を繰り返すことにより、4層以上の多層配線構造とすることが可能である。
(評価)
上記実施例1に示す製造方法により作製された多層配線基板のうち、5層構造の多層配線基板について、層間の密着強度を測定した。図3は、密着強度の評価方法を示す図である。
比較例として、上記実施例と同様の製造方法において、コンタクトホールを形成した後の洗浄として酸性フッ化アンモン洗浄に代わって、98%重量濃度の硫酸を、水:硫酸=10:1の体積比にて希釈した酸性水溶液でスクラブ洗浄した。
本評価方法は、図3に示すように、フレキシブルケーブル32が熱圧着された多層配線基板31を水平台上に固定し、フレキシブルケーブル32をクリップ(三角の板ばね)33で挟んで固定し、クリップ33とばね秤35を紐34で繋ぎ、ばね秤35を垂直上方に引き上げ、フレキシブルケーブルが破断した時の荷重を読み取るものである。このときの荷重を引張り強度とみなす。なお、ばね秤の最大荷重は5kgfである。
表1に、実施例1と比較例の測定結果を示す。
上記実施例1に示す製造方法により作製された多層配線基板のうち、5層構造の多層配線基板について、層間の密着強度を測定した。図3は、密着強度の評価方法を示す図である。
比較例として、上記実施例と同様の製造方法において、コンタクトホールを形成した後の洗浄として酸性フッ化アンモン洗浄に代わって、98%重量濃度の硫酸を、水:硫酸=10:1の体積比にて希釈した酸性水溶液でスクラブ洗浄した。
本評価方法は、図3に示すように、フレキシブルケーブル32が熱圧着された多層配線基板31を水平台上に固定し、フレキシブルケーブル32をクリップ(三角の板ばね)33で挟んで固定し、クリップ33とばね秤35を紐34で繋ぎ、ばね秤35を垂直上方に引き上げ、フレキシブルケーブルが破断した時の荷重を読み取るものである。このときの荷重を引張り強度とみなす。なお、ばね秤の最大荷重は5kgfである。
表1に、実施例1と比較例の測定結果を示す。
表1に示すように、実施例1と比較例で、それぞれ20サンプルを測定した結果、比較例では、低いもので0.15kgf高いもので0.6kgf、平均して0.29kgfの引張り強度で、全てのサンプルが5層目の配線層下から剥がれた。一方、実施例1においては、フレキシブルケーブルが途中で切れたもの、あるいはガラス基板の表面が壊れることによって下層の配線層から剥がれてしまったもののいずれかであった。実施例1における引張り強度は、全て最大荷重を超える5kgf以上であり測定不能であった。
このように、酸性フッ化アンモン水溶液に浸漬した実施例1の多層配線基板は、硫酸洗浄した比較例と比べ、フレキシブルケーブルが途中で引きちぎられるほど、配線層と絶縁層との密着強度が高いことがわかった。
このように、酸性フッ化アンモン水溶液に浸漬した実施例1の多層配線基板は、硫酸洗浄した比較例と比べ、フレキシブルケーブルが途中で引きちぎられるほど、配線層と絶縁層との密着強度が高いことがわかった。
実施例1における、0.95%酸性フッ化アンモン水溶液による20秒の浸漬処理部分を、2%水酸化ナトリム水溶液による60秒の浸漬処理に変更し、それ以外は全て実施例1と同様の製造工程を実施して多層配線基板を作成した。このように作成した多層配線基板も、実施例1や比較例と同様に、層間の密着強度を測定して、比較評価を実施した。その結果、実施例2で作成した多層配線基板においても、実施例1とほぼ同等の密着強度を示し、水酸化ナトリウム水溶液を用いたアルカリ水溶液への浸漬処理によって配線層と絶縁層の密着強度が高くなっている事がわかった。
実施例2では、水酸化ナトリウムを用いたが、それ以外のアルカリ水溶液(例えば、水酸化カリウム、アンモニアなど)によっても同様の効果を得る事が出来る。ここで、アルカリの種類や発生する酸化珪素化合物の大きさや量によって、アルカリ水溶液の濃度や処理時間は適宜設定する事が出来る。ここで、アルカリ水溶液に用いるアルカリは、pH10以上の強アルカリである事が好ましい。また、このアルカリ水溶液には、表面の均質な処理を行うといった目的で界面活性剤を添加することが出来る。この界面活性剤は、本発明の効果を妨げるものでなければ、適宜目的によって選択することが出来る。界面活性剤については、実施例2のアルカリ水溶液だけではなく、実施例1のフッ素化合物、またはフッ素化合物と無機酸との混合物を使用する場合にでも、本発明の効果を妨げない物であれば使用することができる。
実施例1と実施例2において、多層配線基板製造工程内の酸素プラズマ処理で発生した酸化珪素化合物(二酸化珪素粒子など)を溶解して除去する工程を加えることで、多層配線基板の導電層と絶縁層間の密着強度を高くすることが出来た。ここで、本実施例で開示した方法以外であっても、多層配線基板に支障を与えず、酸化珪素化合物(二酸化珪素等)を溶解除去する方法であれば本発明の効果を得ることが出来る。また、本発明では、多層配線基板の構成材料によって、使用する薬剤を選択する事が出来る。例えば、アルカリによってダメージを受け易い材料が多層配線基板に使用されている場合は、実施例1のように酸性フッ化アンモンなどの、フッ素化合物と無機酸などとの混酸等を用いる方法を選択する事が出来る。また、廃液処理施設などの準備が難しく、フッ素化合物の取り扱いが出来ない場合などには、アルカリ水溶液を使うといった選択も可能である。
本発明を上記実施例を用いて説明したが、本発明を実施していない多層配線基板は、層を増やしていったときに、各層の持つ膜応力が積算され、大きな応力となり、それが層間の剥がれを誘発する事があった。しかしながら、本発明を実施し、層間の密着強度が増加する事で、層数を増やしていった時にも層間の剥がれを防止する事が出来るようになった。このことは、特に3層以上の多層配線基板を製造する際に有効である。加えて、本発明は膜厚が5〜50nmの極薄い薄膜抵抗の密着強度の向上にも効果が有り、これら薄膜抵抗の剥がれ防止に特に有効である。したがって、本発明の実施により、上記のような不具合の発生を防ぐ事が出来、多層配線基板製造工程内での不良発生数の低減や、製品完成後の多層配線基板の使用耐久性を高めることが出来るようになった。
本発明を上記実施例を用いて説明したが、本発明を実施していない多層配線基板は、層を増やしていったときに、各層の持つ膜応力が積算され、大きな応力となり、それが層間の剥がれを誘発する事があった。しかしながら、本発明を実施し、層間の密着強度が増加する事で、層数を増やしていった時にも層間の剥がれを防止する事が出来るようになった。このことは、特に3層以上の多層配線基板を製造する際に有効である。加えて、本発明は膜厚が5〜50nmの極薄い薄膜抵抗の密着強度の向上にも効果が有り、これら薄膜抵抗の剥がれ防止に特に有効である。したがって、本発明の実施により、上記のような不具合の発生を防ぐ事が出来、多層配線基板製造工程内での不良発生数の低減や、製品完成後の多層配線基板の使用耐久性を高めることが出来るようになった。
次に、本発明のウエハ一括コンタクトボードの一実施形態について説明する。図4にそのウエハ一括コンタクトボードの概略構成図を示す。
本実施形態によるウエハ一括コンタクトボードは、図4に示すように、バンプ付きメンブレンリング40と、上記実施例のように作製される5層配線構造の多層配線基板60と、バンプ付きメンブレンリングと多層配線基板とを電気的に接続する異方性導電ゴムシート70とを有するものでる。
本実施形態によるウエハ一括コンタクトボードは、図4に示すように、バンプ付きメンブレンリング40と、上記実施例のように作製される5層配線構造の多層配線基板60と、バンプ付きメンブレンリングと多層配線基板とを電気的に接続する異方性導電ゴムシート70とを有するものでる。
バンプ付きメンブレンリング40は、リング43と、リングに張り渡された絶縁性薄膜42の一方の面に設けられた金属バンプ46と、このバンプと電気的に接続して他方の面に設けられた金属パッド41aとを備える。バンプ付きメンブレンリングにおいては、半導体ウエハ50上の各半導体チップの周縁又はセンターライン上に形成されたパッド51(約600〜1000ピン程度)に対応して、この数にチップ数を乗じた数の金属バンプが絶縁性薄膜上に形成されている。
多層配線基板60は、メンブレン上に孤立する各金属バンプにパッドを介して、電源電圧および所定のバーンイン試験信号を付与するための配線層を5層積層構造として有する。
異方性導電ゴムシート70は、主面と垂直な方向にのみ導電性を有する弾性体、例えばシリコン樹脂からなり、金属粒子71がパッド電極部分に導通方向に沿って埋め込まれている。多層配線基板上の端子とバンプ付きメンブレンの金属パッド41aとを電気的に接続し、バンプ付きメンブレン上の金属パッド41aに押し当てることで、半導体ウエハ表面の凹凸及びバンプの高さのバラツキを吸収し、半導体ウエハ上のパッド51とバンプ付きメンブレンリング上の金属バンプ46とを確実に接続する。
異方性導電ゴムシート70は、主面と垂直な方向にのみ導電性を有する弾性体、例えばシリコン樹脂からなり、金属粒子71がパッド電極部分に導通方向に沿って埋め込まれている。多層配線基板上の端子とバンプ付きメンブレンの金属パッド41aとを電気的に接続し、バンプ付きメンブレン上の金属パッド41aに押し当てることで、半導体ウエハ表面の凹凸及びバンプの高さのバラツキを吸収し、半導体ウエハ上のパッド51とバンプ付きメンブレンリング上の金属バンプ46とを確実に接続する。
バンプ付きメンブレンリング40に設けられた金属バンプ46が、半導体ウエハ50上の金属パッド51と接触することにより、多層配線基板の配線層に接続された電源および信号源から印加される電源電圧およびバーンイン試験信号が、異方性導電ゴムシート70を介してバンプ付きメンブレンリングの金属パッド41aに送られ、金属パッド41aに導通する金属バンプ46からウエハ上の半導体デバイスに送られて、バーンイン試験が行われる。
上記のようにして作製されたウエハ一括コンタクトボードは、層間の密着強度が高い多層配線基板を用いているので、信頼性が高い。
上記のようにして作製されたウエハ一括コンタクトボードは、層間の密着強度が高い多層配線基板を用いているので、信頼性が高い。
11 ガラス基板
12、15、18 Ni/Cu/Cr多層配線層
12a、15a、18a 配線パターン12a
13、16 ポリイミド絶縁層
14、17 コンタクトホール
19 レジスト
21 保護用絶縁膜
31 多層配線基板
32 フレキシブルケーブル
33 クリップ
34 紐
35 ばね秤
50 半導体ウエハ
51 パッド
40 バンプ付きメンブレンリング
41a 金属パッド
42 絶縁性薄膜
43 SiCリング
46 金属バンプ
60 多層配線基板
70 異方性導電ゴムシート
12、15、18 Ni/Cu/Cr多層配線層
12a、15a、18a 配線パターン12a
13、16 ポリイミド絶縁層
14、17 コンタクトホール
19 レジスト
21 保護用絶縁膜
31 多層配線基板
32 フレキシブルケーブル
33 クリップ
34 紐
35 ばね秤
50 半導体ウエハ
51 パッド
40 バンプ付きメンブレンリング
41a 金属パッド
42 絶縁性薄膜
43 SiCリング
46 金属バンプ
60 多層配線基板
70 異方性導電ゴムシート
Claims (8)
- 基板上に、複数の導電層を絶縁層を介して積層し、前記絶縁層に形成されたコンタクトホールを介して前記複数の導電層を導通してなる多層配線基板の製造方法であって、
基板上に形成された導電層上に、珪素を含む材料からなる絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、
前記絶縁層に前記導電層表面が露出するようにコンタクトホールを形成するコンタクトホール形成工程と、
前記コンタクトホール内の前記導電層表面、及び前記絶縁層表面に対して酸素プラズマ処理を行う酸素プラズマ処理工程と、
前記酸素プラズマ処理された前記導電層表面、及び前記絶縁層表面を、前記酸素プラズマ処理により生成された酸化珪素化合物を溶解する溶媒による表面処理を行う表面処理工程と、前記絶縁層上に前記コンタクトホールを埋めるように他の導電層を形成する導電層形成工程と、を有することを特徴とする多層配線基板の製造方法。 - 基板上に、複数の導電層を絶縁層を介して積層し、前記絶縁層に形成されたコンタクトホールを介して前記複数の導電層を導通してなる多層配線基板の製造方法であって、
基板上に形成された導電層上に、珪素を含む材料からなる絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、
前記絶縁層に前記導電層表面が露出するようにコンタクトホールを形成するコンタクトホール形成工程と、
前記コンタクトホール内の前記導電層表面、及び前記絶縁層表面に対して酸素プラズマ処理を行う酸素プラズマ処理工程と、
前記酸素プラズマ処理された前記導電層表面、及び前記絶縁層表面を、フッ化水素酸、ケイフッ化水素酸、酸性フッ化アンモン、及びフッ化アンモニウムと無機酸の混酸から選ばれる少なくとも1つを含む酸性水溶液による表面処理を行う表面処理工程と、
前記絶縁層上に前記コンタクトホールを埋めるように他の導電層を形成する導電層形成工程と、を有することを特徴とする多層配線基板の製造方法。 - 前記酸性水溶液は、フッ化物の重量百分率が1.0%未満の水溶液であることを特徴とする請求項2記載の多層配線基板の製造方法。
- 基板上に、複数の導電層を絶縁層を介して積層し、前記絶縁層に形成されたコンタクトホールを介して前記複数の導電層を導通してなる多層配線基板の製造方法であって、
基板上に形成された導電層上に、珪素を含む材料からなる絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、
前記絶縁層に前記導電層表面が露出するようにコンタクトホールを形成するコンタクトホール形成工程と、
前記コンタクトホール内の前記導電層表面、及び前記絶縁層表面に対して酸素プラズマ処理を行う酸素プラズマ処理工程と、
前記酸素プラズマ処理された前記導電層表面、及び前記絶縁層表面を、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、から選ばれる少なくとも1つを含むアルカリ性水溶液を用いて、前記酸素プラズマ処理された前記導電層表面、及び前記絶縁層表面を表面処理することを特徴とする多層配線基板の製造方法。 - 前記絶縁層は、有機化合物からなることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の多層配線基板の製造方法。
- 前記導電層表面は、ニッケルを含む材料であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の多層配線基板の製造方法。
- 前記導電層は、複数層の積層構造からなり、該導電層のうちの上層を除去して抵抗が形成されていることを特徴とする請求項1から6いずれか1項記載の多層配線基板の製造方法。
- 前記請求項1から7いずれか1項記載の製造方法により製造された多層配線基板と、被検査素子と直接接触するコンタクト部分を受け持つバンプ付きメンブレンリングとを有することを特徴とするウエハ一括コンタクトボード。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012212818A (ja) * | 2011-03-31 | 2012-11-01 | Tdk Corp | 電子部品内蔵基板及びその製造方法 |
JP2017041553A (ja) * | 2015-08-20 | 2017-02-23 | ウシオ電機株式会社 | 配線基板の製造方法、および配線基板 |
JP2017183312A (ja) * | 2016-03-28 | 2017-10-05 | 株式会社ジャパンディスプレイ | 半導体装置、表示装置およびこれらの作製方法 |
US9818714B2 (en) | 2011-09-02 | 2017-11-14 | Lg Innotek Co., Ltd. | Method of manufacturing substrate for chip packages and method of manufacturing chip package |
KR101814824B1 (ko) * | 2011-12-26 | 2018-01-04 | 엘지이노텍 주식회사 | 칩 패키지 부재 제조 방법 및 그 칩 패키지 부재 |
-
2009
- 2009-12-21 JP JP2009288848A patent/JP2010171403A/ja active Pending
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