JP4803608B2 - コンタクトボード及びその構成部品 - Google Patents
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Description
バーンイン試験は、固有欠陥のある半導体ディバイス、あるいは製造上のばらつきから、時間とストレスに依存する故障を起こすディバイスを除くために行われるスクリーニング試験の一つである。プローブカードによる検査が製造したディバイスの電気的特性試験であるのに対し、バーンイン試験は熱加速試験と言える。
バーンインボードは、図14に示すように、多層配線基盤20上に、異方性導電ゴムシート30を介して、メンブレンリング10を固定した構造を有する。
メンブレンリング10は、被検査素子と直接接触するコンタクト部分を受け持つ。メンブレンリング10においては、リング1に張り渡されたメンブレン2の一方の面にはバンプ3が、他方の面にはパッド4が形成されている。メンブレンリング10においては、ウエハ40上の各半導体チップの周縁又はセンターライン上に形成されたパッド(約600〜1000ピン程度)に対応して、この数にチップ数を乗じた数のバンプ3がメンブレン2上に形成されている。
多層配線基盤20はメンブレン2上に孤立する各バンプ3にパッド4を介して所定のバーンイン試験信号を付与するための配線をムライト系セラミクス基板等の上に有する。多層配線基盤20は配線が複雑であるため多層配線構造を有する。
異方性導電ゴムシート30は、主面と垂直な方向にのみ導電性を有する弾性体であり、多層配線基盤20上の端子とメンブレン2上のパッド4とを電気的に接続する。異方性導電ゴムシート30は、その表面に形成された凸部でメンブレン2上のパッド4に当接することで、半導体ウエハ40表面の凹凸及びバンプ3の高さのバラツキを吸収し、半導体ウエハ上のパッドとメンブレン2上のバンプ3とを確実に接続する。
また、接続の信頼性等をさらに向上できるコンタクトボード及びその構成部品等の提供を第二の目的とする。
(リングの熱膨張率−シリコンの熱膨張率)×10−6×(ウエハの半径×103)×(測定温度(バーンイン試験温度)−製造温度(接着時温度))<|(ウエハのパッド寸法/2)−(アライメント精度)|
構成1によれば、図1(コンタクト前)に示すように、メンブレン2における隣接するバンプ3間に切り込み5を設けることで、隣接する各バンプ3を独立させ、図2(コンタクト後)に示すようにして、バンプ3やパッド41の高さのバラツキを吸収することが可能となる。なお、図2(a)ではウエハ40上のパッド41の高さのバラツキを吸収する様子を示しているが、バンプ3の高さにバラツキがある場合も同様に吸収できる。
第1に、従来の多層配線基板の代わりに配線用のメンブレンリングを使用している、すなわち、バーンインボード全体を複数のメンブレンリングで構成することで、フレキシブル性やクッション性が高くなり、したがって、コンタクトの圧力が全面で均一になり、また、バンプやパッドの高さのバラツキにも構造的に対応できる。さらに、一部のメンブレンリング(例えばコンタクト用のメンブレンリング)あるいは全てのメンブレンリングの構造を、構成1乃至4に記載の高さのバラツキを吸収可能な構造とすることで、バンプやパッドの高さのバラツキをより吸収しやすくなる。
第2に、構造が簡単で、製造コストが安い(約5分の1以下にできる)。
第3に、各メンブレンリングに分解できるので、欠陥の修正が容易で、修正が困難な場合であっても欠陥のあるメンブレンリングだけ交換できる。
第4に、バーンインボード以外の用途に適用可能である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
(1)メンブレンリングの作製
メンブレンリングの作製工程
メンブレンリングの作製方法について、図6を参照して説明する。
その一方で、例えば、厚さ18μmの銅箔と、厚さ25μmのポリイミドフィルムを貼り合せた構造のフィルム13、あるいは厚さ25μmのポリイミドフィルム上に、スパッタ法又はめっき法で銅を厚さ18μmで成膜したフィルム13を準備する。
なお、フィルム13の材料、形成方法、厚さ等は適宜選択できる。例えば、厚さ25μm(12〜50μm)程度のポリイミドフィルムや、厚さ0.3mm(0.1〜0.5mm)程度のシリコンゴムシートを使用できる。フィルムの形成方法もコーティング法で形成したり、市販のフィルム又はシートを利用したりできる。さらに、銅箔にポリイミド前駆体をキャスティングした後、ポリイミド前駆体を加熱して乾燥及び硬化させて、銅箔とポリイミドフィルムを貼り合せた構造のフィルムを形成することもできる。また、フィルムの一方の面に複数の導電性金属を順次成膜して、フィルムの一方の面に積層構造を有する導電性金属層を形成した構造のものを使用することもできる。
なお、ポリイミドフィルムと銅との間には、両者の接着性を向上させること、及び膜汚染を防止することを目的として、特に図示しないが薄いNi膜等を形成してもよい。
さらに、平坦性の高いアルミニウム板(重さ約2.5kg)を重石として、リング14上に載せる(図示せず)。
この際、シリコンゴムシート12の熱膨張率はフィルム13の熱膨張率よりも大きいので、シリコンゴムシート12に吸着したフィルム13はシリコンゴムシート12と同じだけ熱膨張する。すなわち、フィルム13を単にバーンイン試験の設定温度(80〜150℃)以上の温度で加熱した場合に比べ、より熱膨張する。このようにテンションの大きい状態で、熱硬化性接着剤15が硬化し、フィルム13とリング14が接着される。また、シリコンゴムシート12上のフィルム13は、しわやたわみ、ゆるみなく均一に展開した状態で吸着されているので、フィルム13にしわやたわみ、ゆるみなく、リング14にフィルム13を接着することができる。さらに、シリコンゴムシート12は平坦性が高く、弾力性を有するので、リング14の接着面に、均一にむらなくフィルム13を接着することができる。
なお、熱硬化性接着剤を使用しない場合、フィルムが収縮し、張力が弱まる他に、接着剤の硬化時期が場所によってばらつくため、リングの接着面に均一にむらなく接着ができない。
また、リングは、シリコンウエハのサイズ、シリコンウエハ上のパッドサイズ、及びウエハ−メンブレンリング−多層配線基板間のアライメント精度に応じて要求される熱膨張率の値が異なるので、その場合は下記条件式を満たすリング材料を用いることが好ましい。
なお、リング材料と多層配線基板の基板材料とを、同じ材料とすると、メンブレンリングと多層配線基板の膨張率が同一であるので、膨張率の差によるずれは生じず、膨張率の差によるずれを回避できる。
さらに、シリコンゴムシートの代わりに、粘着性を持たせたフッ素ゴムを用いてもよい。
また、熱硬化性接着剤として、他の市販の各種熱硬化性接着剤を用いてもよい。例えば、エイブルボンド736等を使用できる。
さらに、熱硬化性接着剤の代わりに、嫌気性接着剤(テトラエチレングリコールジメタクリル酸エステルなど)を用い、バーンイン試験の設定温度以上の所定の温度に達した時点で、真空にするか窒素をパージして酸素を遮断し、嫌気性接着剤を硬化させて、フィルム13とリング14を接着することもできる。同様に、 好気性接着剤を用い、酸素をパージして、フィルム13とリング14を接着することもできる。これらの場合、厳密に所定の温度に到達した時点(所望の熱膨張を果たした時点)で、接着剤を硬化させて接着でき、硬化温度を厳密に制御できる。熱硬化性接着剤を用いた場合は、熱硬化性接着剤の硬化温度に多少分布(幅)があるため、平均値としての硬化温度(例えば150℃)に到達する前に部分的に硬化してしまい、硬化温度の厳密な制御が難しい。
次に、上記で作製したメンブレンリングを加工してバンプ及びパッドを形成する工程について説明する。
図7にメンブレンリングの加工工程を説明するための要部断面図を示す。なお、図7では、メンブレンにリングが接着されているが、リングの図示は省略する。
なお、無電解めっきでNi膜、Au膜を形成することもできるが、無電解めっきは膜を厚付けできず、密着力及び強度が弱いため、電気めっきを適用してNi膜、Au膜を形成するのが好ましい。
なお、Au膜上に保護膜を塗布する以外にも、治具を使用してNi膜を保護することもできる。
続いて、バンプの表面に膜厚1〜2μmのAuからなる電気めっき層を形成する。このように、バンプを形成した直後にバンプ表面に酸化しない金属を含む膜を形成することで、バンプ表面の酸化を回避し、酸化膜の除去工程が不要となる。
その後、特に図示しないが、前記保護膜を剥離する。
なお、切り込みは、レーザー加工、エッチング法、カッターによる切断などの方法によっても形成できる。
第1に、バンプの表面を研磨する方法がある。例えば、表面研磨セラミック(表面粗さ5μm程度)などからなる研磨シート又は研磨基板を用いて、バンプの表面を研磨する。これにより、バンプの表面が粗くなり、接触(コンタクト)時に滑ることなく、良好な接触状態が得られる。
第2に、図8に示すように、単一のバンプを形成すべき中心から外れた位置に複数のバンプホールを形成し、複数のバンプ3a,3bで単一のバンプを構成することで、表面に凹凸があり、相手のパッドに食い込みやすく、接触抵抗を低減できる。なお、図9に示すように、複数のバンプ3a,3bを離して形成しても良い。
第3に、図10に示すように、バンプ側にレジストを塗布し(図10(a))、アッシングによりバンプ3の頂部を露出させ(図10(b))、エッチングによってバンプ3の頂部をキザキザ状にすることもできる(図10(c)、(d))。
次に、多層配線基板の製造方法について図11を参照して説明する。なお、説明を容易にするため3層構造の多層配線基板を作製する場合について説明するが、3層構造に限られず、任意の積層数とすることができる。
また、最終的な多層配線基板の最表面にAuが形成されているため、耐酸化性が強く、多層配線基板の信頼性を向上することができる。さらに、最表面のAuは電解めっきにて形成しているため、合金によって形成することもできるので、さらに硬度をあげることができ、コンタクタとして使用しても強度が高いため、信頼性を向上することができる。
第1に、あらかじめ、ガラス基板の裏面に、表面に形成する多層配線層の厚さと同程度の厚さの絶縁層をコートしておく。
第2に、ガラス基板表面を化学強化し、研磨等により表裏の化学強化層の深さに差異を持たせることによって、多層配線層形成後のガラス基板に反りが生じないようにする。
第3に、ガラス基板の裏面に引っ張り応力が出るように金属膜を形成する。
次に、バーンイン試験について説明する。
バーンイン試験は、図14に示すように、バキュームチャック(図示せず)上に載せたSiウエハ40上に、メンブレンリング10、異方性導電ゴムシート30、多層配線基板20の順に載せ、全体を吸着固定してウエハ40上の各デバイスを多層配線基板20にプリントボード(図示せず)を介して接続したテスターに評価していく。
その結果、メンブレンリング10による高さのバラツキの吸収性能が高く、コスト面、耐久性面でも優れており、十分に実用性があることが確認された。また、従来に比べ高さのバラツキの吸収性能が高いためメンブレンリングにおけるバンプ間の間隔を狭くすることができた。
メンブレンリングに切り込みを形成せず、パッドの断面形状を図3に示す凹状としたこと以外は実施の態様1と同様にしてメンブレンリングを作製し、バーンイン試験を行った。なお、図4(a)に示すように、パッド4上にラインアンドスペース(好ましくは10〜30μm間隔)のレジストパターンを形成し、これにより図4(b)に示すようにパッド4に凹部を形成した。
その結果、メンブレンリングによる高さのバラツキの吸収性能が高いことが確認された。
メンブレンリングに切り込みを形成せず、図5に示すように、パッドの断面形状を凹状とするとともに、このパッドの凹状部分に異方性導電ゴム片、導電性ゴム片、又は非導電性ゴム片を介在させたこと以外は実施の態様1及び2と同様にしてメンブレンリングを作製し、バーンイン試験を行った。
その結果、メンブレンリングによる高さのバラツキの吸収性能が高いことが確認された。
図13に示すように、実施の形態1で作製したメンブレンリング10と、実施の形態1と同様の方法で作製したリングの径を異とする複数の配線用メンブレンリング16、17からなるフレキシブルコンタクトボード18を作製した。
上記フレキシブルコンタクトボードは、フレキシブル性(クッション性)が高く、コンタクトの圧力が全面で均一になり、また、バンプやパッドの高さのバラツキにも構造的に対応でき、したがって、密着不良による接続不良が生じない。また、構造が簡単で、製造コストが約5分の1以下にできる。さらに、各メンブレンリングに分解できるので、欠陥の修正が容易であり、修正が困難な場合であっても欠陥のあるメンブレンリングだけ容易に交換できる。
なお、説明を容易にするため3層構造の場合について説明したが、3層構造に限られず、任意のリング数とすることができる。
多層配線基板の最上層のパッドを以下のプロセスで形成した。
次いで、レジスト(シプレイ社製マイクロポジットSJR5740)を14μmの厚みで塗布し、110℃で6分間ベークした後、所定のマスクを用いて露光し、現像して、パッドを形成する部分以外の部分にレジストパターンを形成する。 次に、レジストパターン内を希硫酸にて10秒間処理する。
その後、直ちに、硫酸銅水溶液系のめっき層内で、Cuを約13μmの膜厚で厚めっきし、さらに、Niを約0.3μmの膜厚でめっきし、Auを約0.5μmの膜厚で順次めっきする(いずれも電気めっき)。
最後に、レジストを剥離し、最初にスパッタ法で付けた薄いCu/Cr膜をエッチングする。このとき、Cu/Cr膜は薄いのでエッチングに要する時間は10秒程度と短く、また、パッドの表面はAuがあるので保護される。
本発明のコンタクトボード及びその構成部品等は、高さのバラツキの吸収性能に優れる。
2 メンブレン
3 バンプ
4 パッド
5 切り込み
6 ゴム片
10 メンブレンリング
11 アルミニウム板
12 シリコンゴムシート
13 フィルム
14 リング
15 熱硬化性接着剤
16 配線用メンブレンリング
17 配線用メンブレンリング
18 フレキシブルコンタクトボード
20 多層配線基盤
30 異方性導電ゴムシート
40 シリコンウエハ
41 ウエハ上のパッド
Claims (6)
- ウエハ上に多数形成された半導体デバイスのバーンイン試験を一括して行うために使用されるコンタクトボードの一部を構成するメンブレンリングであって、
リングに張り渡されたメンブレンの一方の面に各半導体デバイスに接触させるバンプを有するとともに、メンブレンの他方の面にパッドを有し、メンブレンを貫通して形成されたバンプホールを介して前記バンプと前記バッドとを接続した構造を有するメンブレンリングにおいて、
前記リングに張り渡されたメンブレンは、前記リングにフィルムを熱硬化接着剤で接着することにより構成されたものであって、この接着を前記フィルムよりも熱膨張率が大きいシート上に、前記フィルムを展開した状態で吸着させた後、前記リングにおける前記フィルムとの接着面に熱硬化性接着剤を形成した前記リングを前記フィルム上に置き、バーンイン試験の設定温度以上の温度で加熱して前記フィルムを前記シートと同じだけ熱膨張させて行うことにより、前記フィルムは前記リングに、前記フィルム自体を単独で熱膨張させた場合よりも大きく膨張させた状態で接着しており、
前記パッドは、その断面形状を凹状とし、かつ、前記半導体ウエハ上のパッドと前記バンプとを接続してバーンイン試験を行う際に前記パッドの底部分が押し上げられた状態に変形することにより、前記半導体ウエハ上のパッドや前記バンプの高さのバラツキを吸収する凹部の窪みを有することを特徴とするメンブレンリング。 - 前記凹部の窪み部分に異方性導電ゴム片、導線性ゴム片、又は非導電性ゴム片を介在させたことを特徴とする請求項1記載のメンブレンリング。
- 前記パッド及び/又は前記バンプの表面に、金、Au−Co合金、ロジウム、パラジウム及びこれらを含む合金のうちいずれかからなる膜を形成したことを特徴とする請求項1又は2記載のメンブレンリング。
- 請求項1乃至3記載のメンブレンリングを製造するメンブレンリングの製造方法であって、
前記フィルムは、銅箔とポリイミドフィルムを張り合わせた構造のフィルムであって、
前記フィルムの前記銅箔上に、金、Au−Co合金、ロジウム、パラジウム及びこれらを含む合金のうちのいずれかからなる膜を形成する工程と、
前記膜上にレジストを形成した後、前記パッドの凹部の窪みを形成する領域に、ラインアンドスペースパターンのレジストパターンを形成する工程と、
前記パッドにおける前記凹部の窪みを形成しない領域には、レジストパターンが残存するようにレジストパターンを形成する工程と、
前記レジストパターンをマスクにして、前記膜並びに前記銅箔をエッチングして前記パッドを形成する工程と
を有することを特徴とするメンブレンリングの製造方法。 - 請求項1乃至3記載の構造を有するメンブレンリングと、多層配線基板とを有することを特徴とするコンタクトボード。
- 請求項1乃至3記載の構造を有するメンブレンリングと、リングの径を異とする複数の配線用メンブレンリングからなることを特徴とするフレキシブルコンタクトボード。
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