JP2013029431A - 多層配線基板の製造方法およびウエハ一括コンタクトボード - Google Patents
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Abstract
【課題】配線層が絶縁層を介して積層された多層配線基板の反り量が小さい多層配線基板及びその製造方法の提供。
【解決手段】絶縁層を介して複数の配線層を積層し、絶縁層に形成された開口部を介して複数の配線層を導通してなる多層配線基板の製造方法であって、ガラス基板51を用い、ガラス基板51の第1の表面に圧縮応力層40A、第2の表面に圧縮応力層40B、を形成する工程と、圧縮応力層40Aの表面上に第1配線パターン52aを形成する配線パターン形成工程と、第1配線パターン52a上に絶縁層53を形成する絶縁層形成工程と、絶縁層53に上下配線層を導通するための開口部54を形成する開口部形成工程と、配線パターン形成工程、及び、絶縁層形成工程、及び、開口部形成工程、を複数繰り返す工程を有し、ガラス基板51の第2の表面圧縮応力層40Bを所定の厚さ除去する圧縮応力層除去工程を有する。
【選択図】図2
【解決手段】絶縁層を介して複数の配線層を積層し、絶縁層に形成された開口部を介して複数の配線層を導通してなる多層配線基板の製造方法であって、ガラス基板51を用い、ガラス基板51の第1の表面に圧縮応力層40A、第2の表面に圧縮応力層40B、を形成する工程と、圧縮応力層40Aの表面上に第1配線パターン52aを形成する配線パターン形成工程と、第1配線パターン52a上に絶縁層53を形成する絶縁層形成工程と、絶縁層53に上下配線層を導通するための開口部54を形成する開口部形成工程と、配線パターン形成工程、及び、絶縁層形成工程、及び、開口部形成工程、を複数繰り返す工程を有し、ガラス基板51の第2の表面圧縮応力層40Bを所定の厚さ除去する圧縮応力層除去工程を有する。
【選択図】図2
Description
本発明は、ウエハ上に多数形成された半導体デバイスを一括して試験するためのコンタクトボードと、それを構成する多層配線基板の製造方法に関する。
ウエハ上に複数形成された半導体デバイスの検査は、プローブカードによる製品検査(電気的特性試験)と、その後に行われる信頼性試験であるバーンイン試験に大別される。
バーンイン試験は、固有欠陥のある半導体デバイス、あるいは製造上のばらつきから、時間とストレスに依存する故障を起こすデバイスを除くために行われるスクリーニング試験の一つである。プローブカードによる検査が製造したデバイスの電気的特性試験であるのに対し、バーンイン試験は熱加速試験と言える。
バーンイン試験は、プローブカードによって1チップ毎に行われる電気的特性試験の後に、ウエハをダイシングによりチップに切断し、パッケージングしたものについて一つずつバーンイン試験を行う通常の方法(1チップバーンインシステム)ではコスト的に実現性に乏しい。そこで、特許文献1に示すように、ウエハ上に多数形成された半導体デバイスのバーンイン試験を一括して行うためのウエハ一括コンタクトボードの開発及び実用化が進められている。
バーンイン試験は、固有欠陥のある半導体デバイス、あるいは製造上のばらつきから、時間とストレスに依存する故障を起こすデバイスを除くために行われるスクリーニング試験の一つである。プローブカードによる検査が製造したデバイスの電気的特性試験であるのに対し、バーンイン試験は熱加速試験と言える。
バーンイン試験は、プローブカードによって1チップ毎に行われる電気的特性試験の後に、ウエハをダイシングによりチップに切断し、パッケージングしたものについて一つずつバーンイン試験を行う通常の方法(1チップバーンインシステム)ではコスト的に実現性に乏しい。そこで、特許文献1に示すように、ウエハ上に多数形成された半導体デバイスのバーンイン試験を一括して行うためのウエハ一括コンタクトボードの開発及び実用化が進められている。
図3に示すように、ウエハ一括コンタクトボード60は、多層配線基板50上に、異方性導電ゴムシート30を介して、被検査素子と直接接触するコンタクト部分を受け持つコンタクト部材20を固定した構造を有する。コンタクト部材(バンプ部材)20は、リング23と、リング23に張り渡された絶縁性薄膜22の一方の面に設けられた導電性材料からなる半球状のバンプ26と、このバンプ26と電気的に接続して他方の面に設けられた導電性材料からなるパッド21aとを備える。コンタクト部材(バンプ部材)20においては、ウエハ71上の各半導体チップの周縁又はセンターライン上に形成されたパッド72(約600〜1000ピン程度)に対応して、この数にチップ数を乗じた数のバンプがコンタクト部材(バンプ部材)上に形成されている。異方性導電ゴムシート30は、主面と垂直な方向にのみ導電性を有する弾性体であり、多層配線基板上の端子とコンタクト部材(バンプ部材)20のパッド21aとを電気的に接続する。異方性導電ゴムシート30は、その表面に形成された凸部でコンタクト部材(バンプ部材)20上のパッド21aに押し当てることで、半導体ウエハ71表面の凹凸及びバンプ23の高さのバラツキを吸収し、半導体ウエハ71上のパッド72とコンタクト部材(バンプ部材)20上のバンプ26とを確実に接続する。
多層配線基板はコンタクト部材(バンプ部材)上に孤立する各バンプにパッドを介して所定のバーンイン試験信号を付与するための配線を有する。多層配線基板は、例えば、リソグラフィ法により以下のように作製される。まず、絶縁性基材上に配線層を形成し、所望のパターンに形成した後、絶縁層を積層する。次に、該絶縁層に開口部(コンタクトホール)を形成して下層の配線層と導通させる。この一連の工程を複数回行うことにより、ウエハ上の多数のパッドに電気信号を送るための複数の配線を積層構造として設けている。
多層配線基板の絶縁層としては、主にポリイミドが用いられている。ポリイミド絶縁層は、まず、感光性のポリイミド前駆体を配線層上に塗布しベークし、露光および現像工程により下層の配線層と導通させるコンタクトホール(開口部)を設けた後、350℃で加熱してイミド化させることにより形成される。
配線層としては、Cuが主材料として用いられているが、Cuの酸化防止のためや、Cuとポリイミドとが反応して開口部の底部にポリイミドが残留することを防止するために最上層にNiを用いたNi/Cu/Cr積層構造が用いられている。
特開平7−231019号公報
多層配線基板の絶縁層としては、主にポリイミドが用いられている。ポリイミド絶縁層は、まず、感光性のポリイミド前駆体を配線層上に塗布しベークし、露光および現像工程により下層の配線層と導通させるコンタクトホール(開口部)を設けた後、350℃で加熱してイミド化させることにより形成される。
配線層としては、Cuが主材料として用いられているが、Cuの酸化防止のためや、Cuとポリイミドとが反応して開口部の底部にポリイミドが残留することを防止するために最上層にNiを用いたNi/Cu/Cr積層構造が用いられている。
ウエハ一括コンタクトボードを構成する一部品である多層配線基板において、ガラス基板主表面の片面に多層配線を形成してゆくと、金属配線及びポリイミド前駆体のような熱硬化型絶縁ポリマーを形成してゆくたびに、ガラス基板に引っ張り応力がかかり、ガラス基板の剛性が耐えられずに、だんだん膜面側に凹型に湾曲してくる。そのためフラットな主表面が必要なガラス基板に反りが発生する。測定チップ数の増加に伴い、動作させるために必要な電流が大きくなってくる。そのため、配線層の層数が増加する。上述のガラス基板の反りは、配線層の層数が3、4層である場合においては、ガラス基板の厚さが5mmと厚いので問題とならないが、現在試作されている5層あたりから問題となる場合が生じ、6、7層以上になるとよりガラス基板の反り量が大きくなるので問題となる。また、多層配線基板の信号ラインや、電源ライン、グランドラインが配線層の層数の増加に伴い長くなると、それらのラインの抵抗により電圧が低下する。そのため、配線層の幅や膜厚をできるだけ大きくして抵抗を少なくする必要がある。配線層におけるCu層の膜厚を厚くしたり、配線層の幅を大きくするに従い、よりガラス基板の反り量が大きくなるので問題となる。具体的には、配線層の層数が5層以上であると、直経300mmのウエハ対応の多層配線基板用ガラス基板(縦横340mmの正八角型、厚さ5mm)で実用上障害となる反りが生じる場合がある。
詳しくは、多層配線基板を製造する際に、配線層及び絶縁層の層数の増加に伴い、ガラス基板の反り量が増加する。このように、一層毎に(プロセスを追うごとに)反り量が増大するので、各層の間の位置ずれの問題が生じる。
また、例えば、多層配線基板の配線層の層数が5層以上になると、アライナーのステージ上にバキュウーム(吸引)によって多層配線基板(ガラス基板)を吸着できず、専用治具で押さえつける必要が生じる場合があり、煩雑で労力を要するとともに、ステージ上に多層配線基板を固定できない場合においては、各層間のアライメントを行うことができない。多層配線基板の配線層の層数が5層以上になると、配線層の断線の問題が生じることもある。
また、実際に検査を行うためにウエハ一括コンタクトボードを組み上げる際に、多層配線基板とコンタクト部材(バンプ部材)との間で、多層配線基板の反りによって位置ずれが生じ、位置精度が悪くなる。このため、各部品の位置合わせがしづらくなる。
また、多層配線基板とコンタクト部材(バンプ部材)は、これらの間の外周縁をシリコンゴム部材でシールし、これらの間を吸引により減圧して互いに貼り付けているが、この貼り付きが悪くなる。このため、ガラス多層配線基板、異方性導電ゴムシート、コンタクト部材(バンプ部材)を吸引(減圧)により組み上げたものが崩れ破損する事態が発生する。
さらに、実際にウエハを検査(測定)する際、多層配線基板の反りに沿って、コンタクト部材(バンプ部材)にも反りが生じることによって、コンタクト部材(バンプ部材)の中心部分でバンプとウエハ上の電極とのコンタクトが弱くなったり、コンタクト部材(バンプ部材)のバンプがウエハ上の電極に接触しなくなってくるような事態が発生する。
詳しくは、多層配線基板を製造する際に、配線層及び絶縁層の層数の増加に伴い、ガラス基板の反り量が増加する。このように、一層毎に(プロセスを追うごとに)反り量が増大するので、各層の間の位置ずれの問題が生じる。
また、例えば、多層配線基板の配線層の層数が5層以上になると、アライナーのステージ上にバキュウーム(吸引)によって多層配線基板(ガラス基板)を吸着できず、専用治具で押さえつける必要が生じる場合があり、煩雑で労力を要するとともに、ステージ上に多層配線基板を固定できない場合においては、各層間のアライメントを行うことができない。多層配線基板の配線層の層数が5層以上になると、配線層の断線の問題が生じることもある。
また、実際に検査を行うためにウエハ一括コンタクトボードを組み上げる際に、多層配線基板とコンタクト部材(バンプ部材)との間で、多層配線基板の反りによって位置ずれが生じ、位置精度が悪くなる。このため、各部品の位置合わせがしづらくなる。
また、多層配線基板とコンタクト部材(バンプ部材)は、これらの間の外周縁をシリコンゴム部材でシールし、これらの間を吸引により減圧して互いに貼り付けているが、この貼り付きが悪くなる。このため、ガラス多層配線基板、異方性導電ゴムシート、コンタクト部材(バンプ部材)を吸引(減圧)により組み上げたものが崩れ破損する事態が発生する。
さらに、実際にウエハを検査(測定)する際、多層配線基板の反りに沿って、コンタクト部材(バンプ部材)にも反りが生じることによって、コンタクト部材(バンプ部材)の中心部分でバンプとウエハ上の電極とのコンタクトが弱くなったり、コンタクト部材(バンプ部材)のバンプがウエハ上の電極に接触しなくなってくるような事態が発生する。
上記課題を解決するために発明者は鋭意検討した。その結果、以下のことがわかった。
剛性の高いセラミック基板を使用する手法が考えられるが、コスト高になる(ガラス基板を使用する場合に比べて約10倍以上)。
ガラス基板の厚さを厚くする(例えば、8mm、10mm)ことは反り対策として有効である。しかし、ガラス多層配線基板、異方性導電ゴムシート、メンブレンリングのアライメント及び組み上げ(セッティング)は、その数が多いので、通常、全自動か半自動で行われるが、ガラス基板の厚みが厚くなることにより、アライメントのフォーカス合わせがしにくくなるので、手作業で行わなければならず非効率である。
配線層が形成されていない側のガラス表面に、金属薄膜や樹脂薄膜(ポリイミドを含む)を形成して、配線層側との応力のバランスをとる手法が考えられるが、コスト高になる。
剛性の高いセラミック基板を使用する手法が考えられるが、コスト高になる(ガラス基板を使用する場合に比べて約10倍以上)。
ガラス基板の厚さを厚くする(例えば、8mm、10mm)ことは反り対策として有効である。しかし、ガラス多層配線基板、異方性導電ゴムシート、メンブレンリングのアライメント及び組み上げ(セッティング)は、その数が多いので、通常、全自動か半自動で行われるが、ガラス基板の厚みが厚くなることにより、アライメントのフォーカス合わせがしにくくなるので、手作業で行わなければならず非効率である。
配線層が形成されていない側のガラス表面に、金属薄膜や樹脂薄膜(ポリイミドを含む)を形成して、配線層側との応力のバランスをとる手法が考えられるが、コスト高になる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、多層配線の層数が5層以上であっても、ガラス基板の厚さを厚くすることなく多層配線基板の反り量を抑えた高平坦度の多層配線基板とその製造方法を提供することを目的とする。また、高平坦度の多層配線基板によりウエハ一括コンタクトボードを構成する各部材のアライメント精度が向上するとともに、ウエハ一括コンタクトボードの使用(実際の検査)において支障が生じないウエハ一括コンタクトボードを提供することを目的とする。
本発明は以下の構成を有する。
(構成1)基板上に、複数の配線層を絶縁層を介して積層し、前記絶縁層に形成された開口部を介して前記複数の配線層を導通してなる多層配線基板の製造方法であって、
第1の主表面と、該第1の主表面と対向して設けられた第2の主表面を有する表層に圧縮応力層が形成可能なガラス基板を用い、前記第1の主表面と前記第2の主表面の表層に圧縮応力層を形成する圧縮応力層形成工程と、
前記第1の主表面上に配線パターンを形成する配線パターン形成工程と、
前記配線パターン上に絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、
前記絶縁層に上下配線層を導通するための開口部を形成する開口部形成工程と、
前記配線パターン形成工程、及び、前記絶縁層形成工程、及び、前記開口部形成工程、を複数繰り返す工程を有し、
前記第2の主表面の表層に形成された前記圧縮応力層を所定の厚さ除去する圧縮応力層除去工程を有することを特徴とする多層配線基板の製造方法。
(構成2)
前記圧縮応力層除去工程は、フッ化水素酸、ケイフッ化水素酸、酸性フッ化アンモン、及びフッ化アンモニウムと無機酸の混酸から選ばれる少なくとも1つを含む酸性水溶液に接触させることにより行われることを特徴とする構成1記載の多層配線基板の製造方法。
(構成3)
前記圧縮応力層除去工程は、1層ずつ配線層又は絶縁層を形成した後に行う、ことを特徴とする構成1又は2に記載の多層配線基板の製造方法。
(構成4)
前記圧縮応力層除去工程は、配線層又は絶縁層を、複数層あるいはすべての層を形成してから行う、ことを特徴とする構成1又は2に記載の多層配線基板の製造方法。
(構成5)
基板上に、複数の配線層を絶縁層を介して積層し、前記絶縁層に形成された開口部を介して前記複数の配線層を導通してなる多層配線基板であって、
第1の主表面と、該第1の主表面と対向して設けられた第2の主表面を有する表層に圧縮応力層が形成可能なガラス基板における少なくとも配線層が形成される前記第1の主表面の表層に圧縮応力層を有し、
前記配線層と前記絶縁層が積層された構造の多層配線層が引張応力を有し、
前記第1の主表面の表層の圧縮応力層の圧縮応力と、多層配線層の引張応力が相殺されて、
前記第1の主表面の反り量が、±300μm以内であることを特徴とする多層配線基板。
(構成6)
前記第2の主表面の表層に、前記第1の主表面の表層に形成された圧縮応力層の圧縮応力よりも小さい圧縮応力を有する圧縮応力層を有することを特徴とする構成5記載の多層配線基板。
(構成7)
前記構成1から4のいずれかに記載の製造方法により製造された多層配線基板又は構成5又は6記載の多層配線基板と、前記多層配線基板の前記第1の主表面側に配置された被検査素子と直接接触するコンタクト部分を受け持つコンタクト部材とを有することを特徴とするウエハ一括コンタクトボード。
(構成1)基板上に、複数の配線層を絶縁層を介して積層し、前記絶縁層に形成された開口部を介して前記複数の配線層を導通してなる多層配線基板の製造方法であって、
第1の主表面と、該第1の主表面と対向して設けられた第2の主表面を有する表層に圧縮応力層が形成可能なガラス基板を用い、前記第1の主表面と前記第2の主表面の表層に圧縮応力層を形成する圧縮応力層形成工程と、
前記第1の主表面上に配線パターンを形成する配線パターン形成工程と、
前記配線パターン上に絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、
前記絶縁層に上下配線層を導通するための開口部を形成する開口部形成工程と、
前記配線パターン形成工程、及び、前記絶縁層形成工程、及び、前記開口部形成工程、を複数繰り返す工程を有し、
前記第2の主表面の表層に形成された前記圧縮応力層を所定の厚さ除去する圧縮応力層除去工程を有することを特徴とする多層配線基板の製造方法。
(構成2)
前記圧縮応力層除去工程は、フッ化水素酸、ケイフッ化水素酸、酸性フッ化アンモン、及びフッ化アンモニウムと無機酸の混酸から選ばれる少なくとも1つを含む酸性水溶液に接触させることにより行われることを特徴とする構成1記載の多層配線基板の製造方法。
(構成3)
前記圧縮応力層除去工程は、1層ずつ配線層又は絶縁層を形成した後に行う、ことを特徴とする構成1又は2に記載の多層配線基板の製造方法。
(構成4)
前記圧縮応力層除去工程は、配線層又は絶縁層を、複数層あるいはすべての層を形成してから行う、ことを特徴とする構成1又は2に記載の多層配線基板の製造方法。
(構成5)
基板上に、複数の配線層を絶縁層を介して積層し、前記絶縁層に形成された開口部を介して前記複数の配線層を導通してなる多層配線基板であって、
第1の主表面と、該第1の主表面と対向して設けられた第2の主表面を有する表層に圧縮応力層が形成可能なガラス基板における少なくとも配線層が形成される前記第1の主表面の表層に圧縮応力層を有し、
前記配線層と前記絶縁層が積層された構造の多層配線層が引張応力を有し、
前記第1の主表面の表層の圧縮応力層の圧縮応力と、多層配線層の引張応力が相殺されて、
前記第1の主表面の反り量が、±300μm以内であることを特徴とする多層配線基板。
(構成6)
前記第2の主表面の表層に、前記第1の主表面の表層に形成された圧縮応力層の圧縮応力よりも小さい圧縮応力を有する圧縮応力層を有することを特徴とする構成5記載の多層配線基板。
(構成7)
前記構成1から4のいずれかに記載の製造方法により製造された多層配線基板又は構成5又は6記載の多層配線基板と、前記多層配線基板の前記第1の主表面側に配置された被検査素子と直接接触するコンタクト部分を受け持つコンタクト部材とを有することを特徴とするウエハ一括コンタクトボード。
本発明によれば、上記のような片面ガラス配線基板に特有の上記のような問題を解決することができる。
本発明によれば、多層配線の層数が5層以上であっても、ガラス基板の厚さを厚くすることなく多層配線基板の反り量を抑えた高平坦度の多層配線基板とその製造方法を提供できる。また、高平坦度の多層配線基板によりウエハ一括コンタクトボードを構成する各部材のアライメント精度が向上するとともに、ウエハ一括コンタクトボードの使用(実際の検査)において支障が生じないウエハ一括コンタクトボードを提供できる。
本発明によれば、多層配線の層数が5層以上であっても、ガラス基板の厚さを厚くすることなく多層配線基板の反り量を抑えた高平坦度の多層配線基板とその製造方法を提供できる。また、高平坦度の多層配線基板によりウエハ一括コンタクトボードを構成する各部材のアライメント精度が向上するとともに、ウエハ一括コンタクトボードの使用(実際の検査)において支障が生じないウエハ一括コンタクトボードを提供できる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の多層配線基板の製造方法は、基板上に、複数の配線層を絶縁層を介して積層し、前記絶縁層に形成された開口部を介して前記複数の配線層を導通してなる多層配線基板の製造方法であって、
第1の主表面と、該第1の主表面と対向して設けられた第2の主表面を有し、表層に圧縮応力層が形成可能なガラス基板を用い、前記第1の主表面と前記第2の主表面の表層に圧縮応力層を形成する圧縮応力層形成工程と、
前記第1の主表面上に配線パターンを形成する配線パターン形成工程と、
前記配線パターン上に絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、
前記絶縁層に上下配線層を導通するための開口部を形成する開口部形成工程と、
前記配線パターン形成工程、及び、前記絶縁層形成工程、及び、前記開口部形成工程、を複数繰り返す工程を有し、
前記第2の主表面の表層に形成された前記圧縮応力層を所定の厚さ除去する圧縮応力層除去工程を有することを特徴とする(構成1)。
本発明において、第2の主表面(配線層が形成されていない側のガラス表面)の圧縮応力層を所定の厚さ除去する工程は、圧縮応力層を所定の厚さ除去した後に、第1の主表面上に形成された配線層及び絶縁層と所望の応力(応力バランス)が得られ、これにより圧縮応力層を所定の厚さ除去した後に、配線層及び絶縁層が形成されたガラス基板が、所定の平坦度になるように、第2の主表面(配線層が形成されていない側のガラス表面)の圧縮応力層を所定の厚さ除去する。
本発明の多層配線基板の製造方法は、基板上に、複数の配線層を絶縁層を介して積層し、前記絶縁層に形成された開口部を介して前記複数の配線層を導通してなる多層配線基板の製造方法であって、
第1の主表面と、該第1の主表面と対向して設けられた第2の主表面を有し、表層に圧縮応力層が形成可能なガラス基板を用い、前記第1の主表面と前記第2の主表面の表層に圧縮応力層を形成する圧縮応力層形成工程と、
前記第1の主表面上に配線パターンを形成する配線パターン形成工程と、
前記配線パターン上に絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、
前記絶縁層に上下配線層を導通するための開口部を形成する開口部形成工程と、
前記配線パターン形成工程、及び、前記絶縁層形成工程、及び、前記開口部形成工程、を複数繰り返す工程を有し、
前記第2の主表面の表層に形成された前記圧縮応力層を所定の厚さ除去する圧縮応力層除去工程を有することを特徴とする(構成1)。
本発明において、第2の主表面(配線層が形成されていない側のガラス表面)の圧縮応力層を所定の厚さ除去する工程は、圧縮応力層を所定の厚さ除去した後に、第1の主表面上に形成された配線層及び絶縁層と所望の応力(応力バランス)が得られ、これにより圧縮応力層を所定の厚さ除去した後に、配線層及び絶縁層が形成されたガラス基板が、所定の平坦度になるように、第2の主表面(配線層が形成されていない側のガラス表面)の圧縮応力層を所定の厚さ除去する。
本発明では、第1の主表面と、該第1の主表面と対向して設けられた第2の主表面を有する表層に圧縮応力層を形成可能なガラス基板を用い、例えば、第1の主表面と第2の主表面の両面に圧縮応力層を形成する。ガラス基板主表面の片面(第1の主表面、表面側)に配線層及び絶縁層を形成(積層)してゆくたびに、配線層及び絶縁層の引張応力により、ガラス基板が膜面側に凹型に反ってくる。そこで、配線層を形成する側とは反対側の主表面(第2の主表面、裏面のむき出しになっている面)のガラス表面を(例えば、フッ酸や酸性フッ化アンモニウムなどの水溶液で)エッチングし、基板裏面(第2の主表面)の圧縮応力層をエッチングしてゆくと、配線層側の引張応力による凹型が、裏面側(第2の主表面)の圧縮応力層の除去によって、表面側に凹型になるような力が緩和されてゆき、表面側の圧縮応力層によって裏面側に凹型(表面側に凸型)になる力が加わってゆく。配線層側の引張応力による凹型になるような力と、表面側の圧縮応力層によって裏面側に凹型(表面側に凸型)になる力が、相殺され、トータルとして応力バランスが取れ、片面ガラス配線基板の平坦性が維持できることになる。
つまり、それまで第1の主表面と第2の主表面の両面に圧縮応力層を形成することにより強化されていたガラス基板は、両面に圧縮応力がかかって力のつり合いがとれていたものが、配線層を形成する側とは反対側の面(裏面、第2の主表面)をエッチングすることにより、表面側(第1の主表面)の圧縮応力層によって裏面側に凹型(表面側に凸型)になる力が優勢になる。このとき、ガラス基板の両面にある圧縮応力層による圧縮応力(表面側が優勢)が、片側に形成された配線層及び絶縁膜の引張応力を緩和して、トータルとして表裏面の応力バランスが取れ、ガラス基板の平坦性が維持できることになる。
つまり、それまで第1の主表面と第2の主表面の両面に圧縮応力層を形成することにより強化されていたガラス基板は、両面に圧縮応力がかかって力のつり合いがとれていたものが、配線層を形成する側とは反対側の面(裏面、第2の主表面)をエッチングすることにより、表面側(第1の主表面)の圧縮応力層によって裏面側に凹型(表面側に凸型)になる力が優勢になる。このとき、ガラス基板の両面にある圧縮応力層による圧縮応力(表面側が優勢)が、片側に形成された配線層及び絶縁膜の引張応力を緩和して、トータルとして表裏面の応力バランスが取れ、ガラス基板の平坦性が維持できることになる。
本発明において、表層に圧縮応力層を形成可能なガラス基板としては、化学強化が可能なガラス基板や、風冷強化が可能なガラス基板、などが挙げられる。
圧縮に強く、引張りに弱い(圧縮の1/12〜1/24の強度)板ガラスの性質を利用して、表面に圧縮応力を持たせた板ガラスが強化ガラスである。強化ガラスは、強化前のガラスに対し曲げ強度および衝撃強度を増加させたガラスである。
風冷強化(物理強化、熱強化などとも呼ばれる)ガラスは、加熱炉からでたガラスを風冷などにより急冷して、強化ガラスとする。例えば、板ガラスを軟化温度付近(約740℃)までできるだけ均一に加熱し、炉内において速やかに均一急冷すると、すでに冷却、硬化された表層のために内部の収縮が妨げられ、引張り応力(tension)を生じ、その結果表層に圧縮応力(compression)が誘発されて強化ガラスとなる。
化学強化ガラスは、表面近傍のアルカリ金属イオンをイオン交換して、表層に圧縮応力層を形成したガラスである。
化学強化が可能な基板材料としては、例えばアルカリ金属含有ガラス、アルカリ土類金属含有ガラス、イオン結合性を有するセラミック、珪酸塩鉱物(例えば、長石類、雲母類など)などのガラス材料が挙げられる。
風冷強化が可能な基板材料としては、風冷強化が可能なガラスであればよく、例えば、上述のアルカリ金属含有ガラス、アルカリ土類金属含有ガラス、石英ガラスなどのガラス材料が挙げられる。
ガラス基板の熱膨張係数は10ppm/℃以下であることが好ましい。
圧縮に強く、引張りに弱い(圧縮の1/12〜1/24の強度)板ガラスの性質を利用して、表面に圧縮応力を持たせた板ガラスが強化ガラスである。強化ガラスは、強化前のガラスに対し曲げ強度および衝撃強度を増加させたガラスである。
風冷強化(物理強化、熱強化などとも呼ばれる)ガラスは、加熱炉からでたガラスを風冷などにより急冷して、強化ガラスとする。例えば、板ガラスを軟化温度付近(約740℃)までできるだけ均一に加熱し、炉内において速やかに均一急冷すると、すでに冷却、硬化された表層のために内部の収縮が妨げられ、引張り応力(tension)を生じ、その結果表層に圧縮応力(compression)が誘発されて強化ガラスとなる。
化学強化ガラスは、表面近傍のアルカリ金属イオンをイオン交換して、表層に圧縮応力層を形成したガラスである。
化学強化が可能な基板材料としては、例えばアルカリ金属含有ガラス、アルカリ土類金属含有ガラス、イオン結合性を有するセラミック、珪酸塩鉱物(例えば、長石類、雲母類など)などのガラス材料が挙げられる。
風冷強化が可能な基板材料としては、風冷強化が可能なガラスであればよく、例えば、上述のアルカリ金属含有ガラス、アルカリ土類金属含有ガラス、石英ガラスなどのガラス材料が挙げられる。
ガラス基板の熱膨張係数は10ppm/℃以下であることが好ましい。
本発明において、イオン交換法による化学強化方法としては、従来より公知の化学強化法であれば特に制限されないが、例えば、ガラス転移点の観点から転移温度を超えない領域でイオン交換を行う低温型化学強化などが好ましい。
化学強化に用いるアルカリ溶融塩としては、硝酸カリウム、硝酸ナトリウム、あるいは、硝酸カリウムと硝酸ナトリウム混合した混合塩などが挙げられる。
ガラス基板の表層中のアルカリイオンは、熔融塩中のより大きなイオン半径のアルカリイオンで置換され、ガラス基板の表層に圧縮応力層が形成される。イオン半径の大きさはLi<Na<K<Rb<Csである。例えば、ガラス基板表層のリチウムイオン、ナトリウムイオンは、化学強化塩中のナトリウムイオン、カリウムイオンにそれぞれ置換されガラス基板は強化される。
化学強化により、例えば、ガラス基板の両主表面の表面数十ミクロン〜百数十ミクロン程度の厚さの表層に、圧縮応力層が形成される。
本発明において、化学強化は、ガラス基板の表面全体(特に両主表面)が化学強化されるように、ガラス基板全体を化学強化塩に浸漬処理することによって行うことが好ましい。
化学強化に用いるアルカリ溶融塩としては、硝酸カリウム、硝酸ナトリウム、あるいは、硝酸カリウムと硝酸ナトリウム混合した混合塩などが挙げられる。
ガラス基板の表層中のアルカリイオンは、熔融塩中のより大きなイオン半径のアルカリイオンで置換され、ガラス基板の表層に圧縮応力層が形成される。イオン半径の大きさはLi<Na<K<Rb<Csである。例えば、ガラス基板表層のリチウムイオン、ナトリウムイオンは、化学強化塩中のナトリウムイオン、カリウムイオンにそれぞれ置換されガラス基板は強化される。
化学強化により、例えば、ガラス基板の両主表面の表面数十ミクロン〜百数十ミクロン程度の厚さの表層に、圧縮応力層が形成される。
本発明において、化学強化は、ガラス基板の表面全体(特に両主表面)が化学強化されるように、ガラス基板全体を化学強化塩に浸漬処理することによって行うことが好ましい。
本発明において、前記配線層が形成されていない側のガラス基板表面の圧縮応力層を所定の厚さ除去する工程は、ガラス基板をエッチングする作用を有する液に接触させることにより圧縮応力層を所定の厚さ除去する工程である態様とすることができる。
ガラス基板をエッチングする作用を有する液としては、上述したフッ化物水溶液の他、アルカリ水溶液が挙げられる。アルカリ水溶液としては、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)の 水溶液が挙げられる。
本発明において、ガラス基板をエッチングする作用を有する液に接触させる手段は、多層配線基板全体を浸漬することにより行うことが好ましい。
浸漬する時間は、用いる処理液及びその濃度によるが、例えば数秒から数分程度である。
ガラス基板をエッチングする作用を有する液としては、上述したフッ化物水溶液の他、アルカリ水溶液が挙げられる。アルカリ水溶液としては、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)の 水溶液が挙げられる。
本発明において、ガラス基板をエッチングする作用を有する液に接触させる手段は、多層配線基板全体を浸漬することにより行うことが好ましい。
浸漬する時間は、用いる処理液及びその濃度によるが、例えば数秒から数分程度である。
本発明において、前記配線層が形成されていない側のガラス表面(第2の主表面)の圧縮応力層を所定の厚さ除去する工程は、フッ化水素酸、ケイフッ化水素酸、酸性フッ化アンモン、及びフッ化アンモニウムと無機酸の混酸から選ばれる少なくとも1つを含む酸性水溶液に接触させることにより行うことができる(構成2)。
本発明において、フッ化水素酸(HF、フッ酸とも称呼される)、ケイフッ化水素酸(H2SiF6、ケイフッ酸とも称呼される)、酸性フッ化アンモン(NH4F・HF)、フッ化アンモニウム(NH4F)、あるいは、これらの酸と無機酸の混酸、あるいは、これらの混合酸性水溶液(これらを総称してフッ化物水溶液と呼ぶ)におけるフッ化物の濃度は、0.1〜5wt%(重量百分率)が望ましい。無機酸としては、塩酸、硫酸、硝酸およびリン酸から選ばれる少なくとも1つを使用することができる。
フッ化物の濃度を、1wt%(重量百分率)未満にすることにより、環境に配慮した溶液とすることができる。
本発明においては、ガラス基板のエッチング速度の観点から、フッ酸水溶液、ケイフッ酸水溶液、フッ酸及びケイフッ酸を含む水溶液、酸性フッ化アンモンを含む水溶液で処理することが好ましい。これらの水溶液は、NiOをNiに対して選択的にエッチングするため、Niはエッチングされることがなく、絶縁性であるNiOのみを効果的に除去することが可能である。特に、コンタクトホールにNiおよびNiOが露出した多層配線基板においては、コンタクトホールにおける導通不良(接続不良)を防止することができる。これにより多層配線基板の歩留まりを向上させることができる。上述のようなコンタクトホールにおける導通不良(接続不良)を防止するために、多層配線層側をカバーせずに、多層配線基板全体を上記水溶液に浸漬しても良いが、配線層が形成されていない側のガラス表面(第2の主表面)のみ上記水溶液に接触させるために、多層配線層側を剥離可能な膜によりカバーして多層配線基板全体を上記水溶液に浸漬しても良い。
本発明において、フッ化水素酸(HF、フッ酸とも称呼される)、ケイフッ化水素酸(H2SiF6、ケイフッ酸とも称呼される)、酸性フッ化アンモン(NH4F・HF)、フッ化アンモニウム(NH4F)、あるいは、これらの酸と無機酸の混酸、あるいは、これらの混合酸性水溶液(これらを総称してフッ化物水溶液と呼ぶ)におけるフッ化物の濃度は、0.1〜5wt%(重量百分率)が望ましい。無機酸としては、塩酸、硫酸、硝酸およびリン酸から選ばれる少なくとも1つを使用することができる。
フッ化物の濃度を、1wt%(重量百分率)未満にすることにより、環境に配慮した溶液とすることができる。
本発明においては、ガラス基板のエッチング速度の観点から、フッ酸水溶液、ケイフッ酸水溶液、フッ酸及びケイフッ酸を含む水溶液、酸性フッ化アンモンを含む水溶液で処理することが好ましい。これらの水溶液は、NiOをNiに対して選択的にエッチングするため、Niはエッチングされることがなく、絶縁性であるNiOのみを効果的に除去することが可能である。特に、コンタクトホールにNiおよびNiOが露出した多層配線基板においては、コンタクトホールにおける導通不良(接続不良)を防止することができる。これにより多層配線基板の歩留まりを向上させることができる。上述のようなコンタクトホールにおける導通不良(接続不良)を防止するために、多層配線層側をカバーせずに、多層配線基板全体を上記水溶液に浸漬しても良いが、配線層が形成されていない側のガラス表面(第2の主表面)のみ上記水溶液に接触させるために、多層配線層側を剥離可能な膜によりカバーして多層配線基板全体を上記水溶液に浸漬しても良い。
また、前記配線層が形成されていない側のガラス表面の圧縮応力層を所定の厚さ除去する工程は、研磨により所定の厚さ除去することもできる。
本発明において、前記配線層が形成されていない側のガラス表面(第2の主表面)の圧縮応力層を所定の厚さ除去する工程は、1層ずつ配線層又は絶縁層を形成した後に行う態様とすることができる(構成3)。
上述したように、多層配線基板を製造する際に、配線層及び絶縁層の層数の増加に伴い、ガラス基板の反り量が増加する。このように、一層毎に(プロセスを追うごとに)ガラス基板の反り量が増大するので、各層の間の位置ずれの問題が生じる。
構成3に係る発明では、1層ずつ配線層又は絶縁層を形成したときに生じる反りを、相殺できるように、前記配線層が形成されていない側のガラス基板表面(第2の主表面)の圧縮応力層を所定の厚さ除去する。これにより、各層の間の位置ずれの問題を回避でき、各層の間の位置精度が高い多層配線基板を製造できる。
前記配線層が形成されていない側のガラス基板表面(第2の主表面)の圧縮応力層を所定の厚さ除去する工程は、1層ずつ配線層又は絶縁層を形成した後に行うことにより、多層配線基板の製造プロセスの途中においても平坦性が維持でき、アライメントのずれによる位置精度のずれや、フォトリソ工程での基板吸着の悪さ等が改善され、常に平坦な基板でプロセスを行うことができるメリットがある。
上述したように、例えば、多層配線基板の配線層の層数が5層以上になると、アライナーのステージ上にバキュウーム(吸引)によって多層配線基板(ガラス基板)を吸着できず、専用治具で押さえつける必要が生じる場合があり、煩雑で労力を要するとともに、ステージ上に多層配線基板を固定できない場合においては、各層間のアライメントを行うことができない。多層配線基板の配線層の層数が5層以上になると、配線層の断線の問題が生じることもある。
構成3に係る発明では、このような多層配線基板の配線層の層数が5層以上になる場合に問題が生じることがなく、多層配線基板の配線層の層数が5層以上、例えば、配線層の層数が5層、6層、7層、8層、それ以上の多層配線基板を製造できる。
上述したように、多層配線基板を製造する際に、配線層及び絶縁層の層数の増加に伴い、ガラス基板の反り量が増加する。このように、一層毎に(プロセスを追うごとに)ガラス基板の反り量が増大するので、各層の間の位置ずれの問題が生じる。
構成3に係る発明では、1層ずつ配線層又は絶縁層を形成したときに生じる反りを、相殺できるように、前記配線層が形成されていない側のガラス基板表面(第2の主表面)の圧縮応力層を所定の厚さ除去する。これにより、各層の間の位置ずれの問題を回避でき、各層の間の位置精度が高い多層配線基板を製造できる。
前記配線層が形成されていない側のガラス基板表面(第2の主表面)の圧縮応力層を所定の厚さ除去する工程は、1層ずつ配線層又は絶縁層を形成した後に行うことにより、多層配線基板の製造プロセスの途中においても平坦性が維持でき、アライメントのずれによる位置精度のずれや、フォトリソ工程での基板吸着の悪さ等が改善され、常に平坦な基板でプロセスを行うことができるメリットがある。
上述したように、例えば、多層配線基板の配線層の層数が5層以上になると、アライナーのステージ上にバキュウーム(吸引)によって多層配線基板(ガラス基板)を吸着できず、専用治具で押さえつける必要が生じる場合があり、煩雑で労力を要するとともに、ステージ上に多層配線基板を固定できない場合においては、各層間のアライメントを行うことができない。多層配線基板の配線層の層数が5層以上になると、配線層の断線の問題が生じることもある。
構成3に係る発明では、このような多層配線基板の配線層の層数が5層以上になる場合に問題が生じることがなく、多層配線基板の配線層の層数が5層以上、例えば、配線層の層数が5層、6層、7層、8層、それ以上の多層配線基板を製造できる。
本発明において、前記配線層が形成されていない側のガラス基板表面(第2の主表面)の圧縮応力層を所定の厚さ除去する工程は、配線層又は絶縁層を、複数層あるいはすべての層を形成してから行う態様とすることができる(構成4)。
構成4に係る発明では、配線層が形成されていない側のガラス基板表面(第2の主表面)の圧縮応力層を所定の厚さ除去する工程は、数度又は1度行えば良く、効率がよい。
構成4に係る発明では、上述した多層配線基板の配線層の層数が5層以上になる場合に問題が生じることがなく、多層配線基板の配線層の層数が5層以上、例えば、配線層の層数が5層、6層、7層、8層、9層、それ以上の多層配線基板を製造できる。
構成4に係る発明では、配線層が形成されていない側のガラス基板表面(第2の主表面)の圧縮応力層を所定の厚さ除去する工程は、数度又は1度行えば良く、効率がよい。
構成4に係る発明では、上述した多層配線基板の配線層の層数が5層以上になる場合に問題が生じることがなく、多層配線基板の配線層の層数が5層以上、例えば、配線層の層数が5層、6層、7層、8層、9層、それ以上の多層配線基板を製造できる。
また、本発明の多層配線基板は、基板上に、複数の配線層を絶縁層を介して積層し、前記絶縁層に形成された開口部を介して前記複数の配線層を導通してなる多層配線基板であって、
第1の主表面と、該第1の主表面と対向して設けられた第2の主表面を有し、表層に圧縮応力層が形成可能なガラス基板における少なくとも配線層が形成される前記第1の主表面の表層に圧縮応力層を有し、
前記配線層と前記絶縁層が積層された構造の多層配線層が引張応力を有し、
前記第1の主表面の表層の圧縮応力層の圧縮応力と、多層配線層の引張応力が相殺されて、
前記第1の主表面の反り量が300μm以内(−300μm〜+300μm)であることを特徴とする(構成5)。
本発明において多層配線基板の反り量は、図1(1)に示すように、多層配線層2が形成された第1の主表面において、基板面内の中心Oの高さを基準とし、多層配線基板1の側面から15mm内側の複数箇所(正八角形の場合は各辺8箇所(P1、P2・・・P8))における高さの差が、最大となる箇所の差で定義される。
ここで、反り量の正負は、配線層が形成されていない側の面(第2の主表面)を下側としてガラス基板を側面から見たとき、基板が上に向かって凹(配線層が形成されている側の面(第1の主表面)が上に向かって凹で、配線層が形成された面とは反対側の面(第2の主表面)が下に向かって凸)である場合プラス「+」とし(図1(2)参照)、配線層が形成されていない側の面(第2の主表面)を下側として基板を側面から見たとき、基板が上に向かって凸(配線層が形成されている側の面(第1の主表面)が上に向かって凸で、配線層が形成された面とは反対側の面(第2の主表面)が下に向かって凹)である場合をマイナス「−」とする(図1(3)参照)。
尚、上述の高さは、光学式の3次元測定器により測定できる。
本発明において多層配線基板の平坦度は、配線層及び絶縁層の層数、厚さ、材料、基板の厚さ、材料等が同じであっても、ガラス基板のサイズによって平坦度は異なり、条件が同じであれば、ガラス基板のサイズが大きくなるに従い多層配線基板の平坦度は大きくなる傾向にある。
直経300mmのウエハ対応のガラス基板、例えば、厚さ5mm、縦横340mmの正八角型のガラス基板(340mm角の正方形基板の角を削って正八角形とした基板)を用いる場合にあっては、配線層が形成された面(第1の主表面)とは反対側の面(第2の主表面)が、多層配線基板(ガラス基板)の反り量は、±200μm以内、±100μm以内が好ましい。
直経200mmのウエハ対応のガラス基板、例えば、厚さ5mm、直経320mmの円形又は略円形のガラス基板(円形又はウエハと相似形のオリフラ(ノッチ)を有する略円形のガラス基板)を用いる場合にあっては、配線層が形成された面(第1の主表面
とは反対側の面(第2の主表面)が、多層配線基板(ガラス基板)の反り量は、±150μm以内、±100μm以内が好ましい。
また、本発明において、前記第2の主表面の表層に、前記第1の主表面の表層に形成された圧縮応力層の圧縮応力よりも小さい圧縮応力を有する圧縮応力層を有した多層配線基板であっても良い。(構成6)
この場合、第2の主表面に形成された圧縮応力層の厚さは、第1の主表面に形成された圧縮応力層の厚さよりも小さくすることにより、第2の主表面の圧縮応力層の圧縮応力を、第1の主表面の圧縮応力層の圧縮応力よりも小さくすることができる。
本発明のウエハ一括コンタクトボードは、上記構成1から4いずれかに記載の製造方法により製造された多層配線基板又は上記構成5又は6に記載の多層配線基板と、前記多層配線基板の前記第1の主表面側に配置された被検査素子と直接接触するコンタクト部分を受け持つコンタクト部材(バンプ部材)とを有することを特徴とする(構成7)。
本発明のウエハ一括コンタクトボードは、実際に検査を行うためにウエハ一括コンタクトボードを組み上げる際に、多層配線基板とコンタクト部材(バンプ部材)との間で、配線層の層数が5層以上であっても多層配線基板の反りが小さいため、位置ずれが小さく、位置精度が良い。このため、各部品の位置合わせがしやすく、位置合わせ精度も高くなる。
また、多層配線基板とコンタクト部材(バンプ部材)は、これらの間の外周縁をシリコンゴム部材でシールし、これらの間を吸引により減圧して互いに貼り付けているが、これらの貼り付きが良くなる。このため、多層配線基板の配線層の層数が5層以上であっても、ガラス多層配線基板、異方性導電ゴムシート、コンタクト部材(バンプ部材)を吸引(減圧)により組み上げたものが崩れ破損する事態が発生しにくい。
さらに、実際にウエハを検査(測定)する際、配線層の層数が5層以上であっても多層配線基板の反りが小さいので、コンタクト部材(バンプ部材)の反りも小さく、このため、コンタクト部材(バンプ部材)のバンプとウエハ上の電極との接触が良好となる。
第1の主表面と、該第1の主表面と対向して設けられた第2の主表面を有し、表層に圧縮応力層が形成可能なガラス基板における少なくとも配線層が形成される前記第1の主表面の表層に圧縮応力層を有し、
前記配線層と前記絶縁層が積層された構造の多層配線層が引張応力を有し、
前記第1の主表面の表層の圧縮応力層の圧縮応力と、多層配線層の引張応力が相殺されて、
前記第1の主表面の反り量が300μm以内(−300μm〜+300μm)であることを特徴とする(構成5)。
本発明において多層配線基板の反り量は、図1(1)に示すように、多層配線層2が形成された第1の主表面において、基板面内の中心Oの高さを基準とし、多層配線基板1の側面から15mm内側の複数箇所(正八角形の場合は各辺8箇所(P1、P2・・・P8))における高さの差が、最大となる箇所の差で定義される。
ここで、反り量の正負は、配線層が形成されていない側の面(第2の主表面)を下側としてガラス基板を側面から見たとき、基板が上に向かって凹(配線層が形成されている側の面(第1の主表面)が上に向かって凹で、配線層が形成された面とは反対側の面(第2の主表面)が下に向かって凸)である場合プラス「+」とし(図1(2)参照)、配線層が形成されていない側の面(第2の主表面)を下側として基板を側面から見たとき、基板が上に向かって凸(配線層が形成されている側の面(第1の主表面)が上に向かって凸で、配線層が形成された面とは反対側の面(第2の主表面)が下に向かって凹)である場合をマイナス「−」とする(図1(3)参照)。
尚、上述の高さは、光学式の3次元測定器により測定できる。
本発明において多層配線基板の平坦度は、配線層及び絶縁層の層数、厚さ、材料、基板の厚さ、材料等が同じであっても、ガラス基板のサイズによって平坦度は異なり、条件が同じであれば、ガラス基板のサイズが大きくなるに従い多層配線基板の平坦度は大きくなる傾向にある。
直経300mmのウエハ対応のガラス基板、例えば、厚さ5mm、縦横340mmの正八角型のガラス基板(340mm角の正方形基板の角を削って正八角形とした基板)を用いる場合にあっては、配線層が形成された面(第1の主表面)とは反対側の面(第2の主表面)が、多層配線基板(ガラス基板)の反り量は、±200μm以内、±100μm以内が好ましい。
直経200mmのウエハ対応のガラス基板、例えば、厚さ5mm、直経320mmの円形又は略円形のガラス基板(円形又はウエハと相似形のオリフラ(ノッチ)を有する略円形のガラス基板)を用いる場合にあっては、配線層が形成された面(第1の主表面
とは反対側の面(第2の主表面)が、多層配線基板(ガラス基板)の反り量は、±150μm以内、±100μm以内が好ましい。
また、本発明において、前記第2の主表面の表層に、前記第1の主表面の表層に形成された圧縮応力層の圧縮応力よりも小さい圧縮応力を有する圧縮応力層を有した多層配線基板であっても良い。(構成6)
この場合、第2の主表面に形成された圧縮応力層の厚さは、第1の主表面に形成された圧縮応力層の厚さよりも小さくすることにより、第2の主表面の圧縮応力層の圧縮応力を、第1の主表面の圧縮応力層の圧縮応力よりも小さくすることができる。
本発明のウエハ一括コンタクトボードは、上記構成1から4いずれかに記載の製造方法により製造された多層配線基板又は上記構成5又は6に記載の多層配線基板と、前記多層配線基板の前記第1の主表面側に配置された被検査素子と直接接触するコンタクト部分を受け持つコンタクト部材(バンプ部材)とを有することを特徴とする(構成7)。
本発明のウエハ一括コンタクトボードは、実際に検査を行うためにウエハ一括コンタクトボードを組み上げる際に、多層配線基板とコンタクト部材(バンプ部材)との間で、配線層の層数が5層以上であっても多層配線基板の反りが小さいため、位置ずれが小さく、位置精度が良い。このため、各部品の位置合わせがしやすく、位置合わせ精度も高くなる。
また、多層配線基板とコンタクト部材(バンプ部材)は、これらの間の外周縁をシリコンゴム部材でシールし、これらの間を吸引により減圧して互いに貼り付けているが、これらの貼り付きが良くなる。このため、多層配線基板の配線層の層数が5層以上であっても、ガラス多層配線基板、異方性導電ゴムシート、コンタクト部材(バンプ部材)を吸引(減圧)により組み上げたものが崩れ破損する事態が発生しにくい。
さらに、実際にウエハを検査(測定)する際、配線層の層数が5層以上であっても多層配線基板の反りが小さいので、コンタクト部材(バンプ部材)の反りも小さく、このため、コンタクト部材(バンプ部材)のバンプとウエハ上の電極との接触が良好となる。
本発明は、上記のようなウエハ一括コンタクトボードを構成する多層配線基板に限らず、表層に圧縮応力層を形成可能なガラス基板の片面に配線層を形成した配線基板、実装基板などに適用される技術である。
本発明の多層配線基板は、高密度実装に使用されるマルチチップモジュール(MCM)における多層配線基板として適用できる。
また、本発明のウエハ一括コンタクトボードは、従来プローブカードによって行われていた製品検査(電気的特性試験)や、ウエハレベル一括CSP検査用、にも利用できる。
さらに、本発明のコンタクト部品及びコンタクトボードは、CSP(Chip Size Package)検査用、BGA(Ball Grid Array)検査用、ハンダボールを接点として有するIC基板検査用、1チップバーイン検査用のテープキャリア用、バーンインプローブカード用、メンブレンプローブカード用、などとして用いることができる。
本発明の多層配線基板は、高密度実装に使用されるマルチチップモジュール(MCM)における多層配線基板として適用できる。
また、本発明のウエハ一括コンタクトボードは、従来プローブカードによって行われていた製品検査(電気的特性試験)や、ウエハレベル一括CSP検査用、にも利用できる。
さらに、本発明のコンタクト部品及びコンタクトボードは、CSP(Chip Size Package)検査用、BGA(Ball Grid Array)検査用、ハンダボールを接点として有するIC基板検査用、1チップバーイン検査用のテープキャリア用、バーンインプローブカード用、メンブレンプローブカード用、などとして用いることができる。
本発明では、例えば、ガラス基板の厚さが1mm程度と薄い場合は、薄膜の層数が少なくても基板が反りやすいが、このような場合においても、本発明を適用すれば、反り量の小さい製品を提供できる。
次に、本発明における多層配線基板について、上述したこと以外の事項について説明する。
本発明の多層配線基板において、絶縁層(絶縁膜)の材料としては、樹脂材料が好ましく、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリイミド等が挙げられるが、なかでも低膨張率を有し、耐熱性や耐薬品性に優れるポリイミドが特に好ましい。
絶縁層は、例えば、スピンコート、ロールコート、カーテンコート、スプレイコート、印刷法等により、ガラス基板上や配線層上に形成することができる。
本発明の多層配線基板において、絶縁層(絶縁膜)の材料としては、樹脂材料が好ましく、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリイミド等が挙げられるが、なかでも低膨張率を有し、耐熱性や耐薬品性に優れるポリイミドが特に好ましい。
絶縁層は、例えば、スピンコート、ロールコート、カーテンコート、スプレイコート、印刷法等により、ガラス基板上や配線層上に形成することができる。
配線層は、例えば、スパッタリング法などの薄膜形成方法によってガラス基板上や絶縁膜上に導電性薄膜を形成し、フォトリソグラフィー法(レジスト塗布、露光、現像、エッチングなど)で所望のパターンをもった配線を形成することができる。
配線層における配線材料や配線の層構成等は特に制限されないが、例えば、Cuを主配線材料とした、下方からCr/Cu/Ni多層構造や、下方からCu/Ni/Au多層構造や、下方からCr/Cu/Ni/Au多層構造を有する配線とすることができる。
ここで、Cr、Niは、酸化しやすいCuの酸化を防止でき(特にNiにより耐腐食性が良くなる)、また、Cr、NiはCuとの密着性が良くCu以外の隣接層(例えば、Niの場合Au層、Crの場合ガラス基板や絶縁層)との密着性も良いので層間の密着性を向上できる。
主配線材料であるCuの代替え材料としては、Al、Mo、Au、Ag等が挙げられる。主配線材料であるCuの膜厚は、0.5〜15μmの範囲が好ましく、1.0〜10μmの範囲がより好ましく、2.5〜6μmの範囲がさらに好ましい。
下地膜であるCrの代替え材料としては、W、Ti、Mo、Ta、CrSi、MoSi等の金属等が挙げられる。
Niの代替え材料としては、上下層を形成するそれぞれの材料との関係で密着力の高い金属等が挙げられる。
Auの代替え材料としては、Au、Ag、Pt、Ir、Os、Pd、Rh、Ru等が挙げられる。
多層配線基板の場合、最上層(最表面)の配線表面には、配線表面の酸化を防止し保護するため及びコンタクト抵抗を低減するため、金等をコートするが、それより下層(内層)の表面には金等をコートしなくてもよい。ただし、コンタクト抵抗の面を考えると内層の配線層に金コートをさらにしてもコストの上昇以外は問題はない。
金等は配線表面に後付けするか、もしくは、金等を最表面全面に形成した多層配線層をあらかじめ形成しておきこの多層配線層を順次ウェットエッチングして配線パターンを形成してもよい。また、コンタクトホール形成後、コンタクトホールの底部(内層の配線表面の一部)にのみ金等をコートすることもできる。
下方からCr/Cu/Niの多層構造を有する配線層を形成する際に、Cr及びCuはスパッタ法により形成し、Niは電解めっき法により形成することで、特に電解めっき法によるNiは厚く成膜できるので、コストの低減を図ることができる。また、Niの表面が粗いので、Ni上に付ける膜の付着を良くすることができる。Ni上にAu膜等を成膜する場合、Niを酸化させないように、連続めっき等を施すことが好ましい。
多層配線基板は、絶縁性基板の片面に多層配線を形成したものである。ただし、裏面エッチング後に裏面に配線層を形成し、絶縁性基板の両面に配線を形成したものであってもよい。
配線層における配線材料や配線の層構成等は特に制限されないが、例えば、Cuを主配線材料とした、下方からCr/Cu/Ni多層構造や、下方からCu/Ni/Au多層構造や、下方からCr/Cu/Ni/Au多層構造を有する配線とすることができる。
ここで、Cr、Niは、酸化しやすいCuの酸化を防止でき(特にNiにより耐腐食性が良くなる)、また、Cr、NiはCuとの密着性が良くCu以外の隣接層(例えば、Niの場合Au層、Crの場合ガラス基板や絶縁層)との密着性も良いので層間の密着性を向上できる。
主配線材料であるCuの代替え材料としては、Al、Mo、Au、Ag等が挙げられる。主配線材料であるCuの膜厚は、0.5〜15μmの範囲が好ましく、1.0〜10μmの範囲がより好ましく、2.5〜6μmの範囲がさらに好ましい。
下地膜であるCrの代替え材料としては、W、Ti、Mo、Ta、CrSi、MoSi等の金属等が挙げられる。
Niの代替え材料としては、上下層を形成するそれぞれの材料との関係で密着力の高い金属等が挙げられる。
Auの代替え材料としては、Au、Ag、Pt、Ir、Os、Pd、Rh、Ru等が挙げられる。
多層配線基板の場合、最上層(最表面)の配線表面には、配線表面の酸化を防止し保護するため及びコンタクト抵抗を低減するため、金等をコートするが、それより下層(内層)の表面には金等をコートしなくてもよい。ただし、コンタクト抵抗の面を考えると内層の配線層に金コートをさらにしてもコストの上昇以外は問題はない。
金等は配線表面に後付けするか、もしくは、金等を最表面全面に形成した多層配線層をあらかじめ形成しておきこの多層配線層を順次ウェットエッチングして配線パターンを形成してもよい。また、コンタクトホール形成後、コンタクトホールの底部(内層の配線表面の一部)にのみ金等をコートすることもできる。
下方からCr/Cu/Niの多層構造を有する配線層を形成する際に、Cr及びCuはスパッタ法により形成し、Niは電解めっき法により形成することで、特に電解めっき法によるNiは厚く成膜できるので、コストの低減を図ることができる。また、Niの表面が粗いので、Ni上に付ける膜の付着を良くすることができる。Ni上にAu膜等を成膜する場合、Niを酸化させないように、連続めっき等を施すことが好ましい。
多層配線基板は、絶縁性基板の片面に多層配線を形成したものである。ただし、裏面エッチング後に裏面に配線層を形成し、絶縁性基板の両面に配線を形成したものであってもよい。
次に、ウエハ一括コンタクトボード用コンタクト部品の作製方法の一例について、図4を用いて説明する。
まず、図4(a)に示すように、平坦度の高いアルミニウム板15上に厚さ5mmの均一の厚さのシリコンゴムシート16を置く。
その一方で、例えば、厚さ25μmのポリイミドフィルム上に、スパッタ法又はメッキ法で銅を厚さ18μmで成膜したフィルム17(積層体)を準備する。
なお、フィルム17の材料、形成方法、厚さ等は適宜選択できる。例えば、12〜50μm程度のポリイミドフィルムや、エポキシ樹脂フィルム、厚さ0.1〜0.5mm程度のシリコンゴムシートを使用できる。フィルムの形成方法もコーティング法で形成したり、市販のフィルム又はシートを利用したりできる。さらに、銅箔にポリイミド前駆体をキャスティングした後、ポリイミド前駆体を加熱して乾燥及び硬化させて、銅箔とポリイミドフィルムを貼り合せた構造のフィルムを形成することもできる。また、フィルムの一方の面に複数の導電性金属を順次成膜して、フィルムの一方の面に積層構造を有する導電性金属層を形成した構造のものを使用することもできる。
また、ポリイミドとCuの間には、両者の接着性を向上させること、及び膜汚染を防止することを目的として、特に図示しないが薄いNi膜を形成してもよい。
まず、図4(a)に示すように、平坦度の高いアルミニウム板15上に厚さ5mmの均一の厚さのシリコンゴムシート16を置く。
その一方で、例えば、厚さ25μmのポリイミドフィルム上に、スパッタ法又はメッキ法で銅を厚さ18μmで成膜したフィルム17(積層体)を準備する。
なお、フィルム17の材料、形成方法、厚さ等は適宜選択できる。例えば、12〜50μm程度のポリイミドフィルムや、エポキシ樹脂フィルム、厚さ0.1〜0.5mm程度のシリコンゴムシートを使用できる。フィルムの形成方法もコーティング法で形成したり、市販のフィルム又はシートを利用したりできる。さらに、銅箔にポリイミド前駆体をキャスティングした後、ポリイミド前駆体を加熱して乾燥及び硬化させて、銅箔とポリイミドフィルムを貼り合せた構造のフィルムを形成することもできる。また、フィルムの一方の面に複数の導電性金属を順次成膜して、フィルムの一方の面に積層構造を有する導電性金属層を形成した構造のものを使用することもできる。
また、ポリイミドとCuの間には、両者の接着性を向上させること、及び膜汚染を防止することを目的として、特に図示しないが薄いNi膜を形成してもよい。
次いで、上記シリコンゴムシート16上に、銅とポリイミドフィルムを貼り合せた構造のフィルム17を銅側を下にして均一に展開した状態で吸着させる。この際、シリコンゴムシート16にフィルム17が吸着する性質を利用し、しわやたわみが生じないように、空気層を追い出しつつ吸着させることで、均一に展開した状態で吸着させる。
次に、直径約8インチ、厚さ約2mmの円形のSiCリング11の接着面に熱硬化性接着剤18を薄く均一に、50〜100μm程度の厚さで塗布し、フィルム17上に置く。ここで、熱硬化性接着剤18としては、バーンイン試験の設定温度80〜150℃よりも0〜50℃高い温度で硬化するものを使用する。本実施例では、ボンドハイチップHT−100L(主剤:硬化剤=4:1)(コニシ(株)社製)を使用した。
さらに、平坦性の高いアルミニウム板(重さ約2.5kg)を重石として、リング11上に載せる(図示せず)。
さらに、平坦性の高いアルミニウム板(重さ約2.5kg)を重石として、リング11上に載せる(図示せず)。
上記準備工程を終えたものをバーンイン試験の設定温度(80〜150℃)以上の温度(例えば200℃、2.5時間)で加熱して前記フィルム17と前記リング11を接着する(図4(b))。
この際、シリコンゴムシート16の熱膨張率はフィルム17の熱膨張率よりも大きいので、シリコンゴムシート16に吸着したフィルム17はシリコンゴムシート16と同じだけ熱膨張する。すなわち、フィルム17を単にバーンイン試験の設定温度(80〜150℃)以上の温度で加熱した場合に比べ、シリコンゴムシートの熱膨張が大きいのでこのストレスによりポリイミドフィルムがより膨張する。このテンションが大きい状態で、熱硬化性接着剤18が硬化し、フィルム17とリング11が接着される。また、シリコンゴムシート16上のフィルム17は、しわやたわみ、ゆるみなく均一に展開した状態で吸着されているので、フィルム17にしわやたわみ、ゆるみなく、リング11にフィルム17を接着することができる。さらに、シリコンゴムシート16は平坦性が高く、弾力性を有するので、リング11の接着面に、均一にむらなくフィルム17を接着することができる。ポリイミドフィルムの張力は0.5kg/cm2 とした。
なお、熱硬化性接着剤を使用しない場合、フィルムが収縮し、張力が弱まる他に、接着剤の硬化時期が場所によってばらつくため、リングの接着面に均一にむらなく接着ができない。
この際、シリコンゴムシート16の熱膨張率はフィルム17の熱膨張率よりも大きいので、シリコンゴムシート16に吸着したフィルム17はシリコンゴムシート16と同じだけ熱膨張する。すなわち、フィルム17を単にバーンイン試験の設定温度(80〜150℃)以上の温度で加熱した場合に比べ、シリコンゴムシートの熱膨張が大きいのでこのストレスによりポリイミドフィルムがより膨張する。このテンションが大きい状態で、熱硬化性接着剤18が硬化し、フィルム17とリング11が接着される。また、シリコンゴムシート16上のフィルム17は、しわやたわみ、ゆるみなく均一に展開した状態で吸着されているので、フィルム17にしわやたわみ、ゆるみなく、リング11にフィルム17を接着することができる。さらに、シリコンゴムシート16は平坦性が高く、弾力性を有するので、リング11の接着面に、均一にむらなくフィルム17を接着することができる。ポリイミドフィルムの張力は0.5kg/cm2 とした。
なお、熱硬化性接着剤を使用しない場合、フィルムが収縮し、張力が弱まる他に、接着剤の硬化時期が場所によってばらつくため、リングの接着面に均一にむらなく接着ができない。
上記加熱接着工程を終えたものを常温まで冷却し、加熱前の状態まで収縮させる。その後、カッターでリング11の外周に沿ってリング11の外側のフィルム17を切断除去して、積層体を支持枠に張り渡した中間部品(メンブレンリング)を作製する(図4(c))。
次に、上記メンブレンリングを加工してバンプ及びパッドを形成する工程について説明する。
まず、図5(a)に示す、上記で作製したメンブレンリングにおける銅箔とポリイミドフィルムを貼り合せた構造のフィルム17(積層体)の銅箔(Cu)上に、図5(b)に示すように、電解メッキにより、Niを0.2〜0.5μm(好ましい範囲は0.1〜3μm)メッキした後、その上にAuを0.1〜0.5μm(好ましい範囲は0.5〜2μm)で形成して、Au/Ni/Cu/ポリイミドフィルム積層膜構造を形成する。
次いで、図5(c)に示すように、ポリイミドフィルムの所定位置に、エキシマレーザを用いて、直径が約30μmのバンプホールを形成する。
バンプホールの内及びポリイミドフィルムの表面にプラズマ処理した。その結果、フィルム17(積層体)が反ったり、ゆがんだりしないため、レーザ加工により生じバンプホール及びその周辺に付着していたカーボンを主成分とするポリイミド分解物質(「すす」)や「かす」を全面で完全に除去することができた。
バンプホールの内及びポリイミドフィルムの表面にプラズマ処理した。その結果、フィルム17(積層体)が反ったり、ゆがんだりしないため、レーザ加工により生じバンプホール及びその周辺に付着していたカーボンを主成分とするポリイミド分解物質(「すす」)や「かす」を全面で完全に除去することができた。
次に、図5(d)に示すように、最上層のAu膜の表面がメッキされないようにするために、レジストなどの保護膜等を、電極として使用するAu膜の一部を除く全面に約2〜3μmの厚さで塗布して、Au膜を保護する。
これを、エタノールに浸漬し、バンプホール内にいったんエタノールを充填させ、その後、バンプホール内部のエタノールを水で置換した後、酸に浸漬して酸化膜を除去し、純水で洗浄して酸を除去する。
これを、エタノールに浸漬し、バンプホール内にいったんエタノールを充填させ、その後、バンプホール内部のエタノールを水で置換した後、酸に浸漬して酸化膜を除去し、純水で洗浄して酸を除去する。
直ちに、前記最上層のAu膜に電極の一方を接続し、ポリイミドフィルム側にNiあるいはNi合金の電解メッキを行う。なお、メッキ条件は適宜選択することができ、例えばメッキ液中に光沢剤、ホウ酸、臭化ニッケル、PH調整剤等を添加することができる。また、メッキ液中の光沢剤の含有量を調節することにより、バンプの硬度や表面状態を変化させることができる。電解メッキにより、メッキは図5(d)に示すバンプホールを埋めるようにして成長した後、ポリイミドフィルムの表面に達すると、等方的に広がってほぼ半球状に成長し、硬度600Hv以上のNi又はNi−Co合金等のNi合金からなるバンプが形成される。
続いて、バンプの表面に膜厚1〜2μmのAuからなる電解メッキ層を形成する。その後、特に図示しないが、前記保護膜を剥離する。
続いて、バンプの表面に膜厚1〜2μmのAuからなる電解メッキ層を形成する。その後、特に図示しないが、前記保護膜を剥離する。
そして、最上層のAu上に新たにレジストを全面に塗布し、パッドを形成する部分以外のレジストを露光、現像によって除去し、パッド形成部に図5(e)に示すように、レジストパターンを形成する。
次いで、図5(f)に示すように、Au膜をヨウ素・ヨウ化カリウム水溶液にてエッチングし、AuとCu間に存在する薄いNi膜及びCu膜を塩化第二鉄水溶液等にてエッチングを行い、よくリンスした後、前記レジストを剥離して、図5(g)に示すように、表層からAu(厚さ1μm)/Ni(厚さ1.5〜2.0μm)/Cuからなるパッドを形成する。この時、エッチングはスプレー方式を使用するとサイドエッチングが少なく、望ましい。
以上の工程を経て、ウエハ一括コンタクトボード用コンタクト部品が完成する。
以上の工程を経て、ウエハ一括コンタクトボード用コンタクト部品が完成する。
(実施例1)
本発明の一実施例による多層配線基板について図1を参照しながら説明する。
図1は、本実施例による多層配線基板の製造工程を示す断面図である。
(圧縮応力層を有するガラス基板の作製)
まず、図2(1)に示すように、表面を平らに研磨した厚さ5mm、縦横340mmの正八角型のガラス基板51(340mm角の正方形基板の角を削って正八角形とした基板であって、直経300mmのウエハ対応のガラス基板)を準備した。このガラス基板は、化学強化が可能なガラス基板であって、具体的には、ショット社製「テンパックス(登録商標)」ガラスを使用した。
純度100%の化学強化塩(試薬特級の硝酸カリウム(KNO3))を使用し、これを加熱により溶融(熔融)して溶融塩とし、420℃の溶融塩に10時間、上記ガラス基板を浸漬して化学強化を行った(図2(2))。ガラス基板の両面の各表層に形成された圧縮応力層40A、40Bの厚さは、それぞれ約60〜100μmであった。
本発明の一実施例による多層配線基板について図1を参照しながら説明する。
図1は、本実施例による多層配線基板の製造工程を示す断面図である。
(圧縮応力層を有するガラス基板の作製)
まず、図2(1)に示すように、表面を平らに研磨した厚さ5mm、縦横340mmの正八角型のガラス基板51(340mm角の正方形基板の角を削って正八角形とした基板であって、直経300mmのウエハ対応のガラス基板)を準備した。このガラス基板は、化学強化が可能なガラス基板であって、具体的には、ショット社製「テンパックス(登録商標)」ガラスを使用した。
純度100%の化学強化塩(試薬特級の硝酸カリウム(KNO3))を使用し、これを加熱により溶融(熔融)して溶融塩とし、420℃の溶融塩に10時間、上記ガラス基板を浸漬して化学強化を行った(図2(2))。ガラス基板の両面の各表層に形成された圧縮応力層40A、40Bの厚さは、それぞれ約60〜100μmであった。
(配線層及び配線パターンの形成)
図2(3)に示すように、上記のガラス基板の片面に、スパッタ法にて、Crを約300オングストローム、Cuを約6μmの膜厚にてそれぞれ成膜する。次いで、Cu表面上に、電解めっきによりNi膜を約0.3μmの膜厚にて形成し、Ni/Cu/Cr配線層52(1層目)を形成する。なお、Ni膜はスパッタにて形成することも可能である。
図2(3)に示すように、上記のガラス基板の片面に、スパッタ法にて、Crを約300オングストローム、Cuを約6μmの膜厚にてそれぞれ成膜する。次いで、Cu表面上に、電解めっきによりNi膜を約0.3μmの膜厚にて形成し、Ni/Cu/Cr配線層52(1層目)を形成する。なお、Ni膜はスパッタにて形成することも可能である。
次に、図2(4)に示すように、所定のフォトリソグラフィー法(レジストコート、露光、現像、エッチング)により、Ni/Cu/Cr多層配線層52をパターニングして、第1配線層52a(第1配線パターン)を形成する。詳しくは、塩化第2鉄水溶液等のエッチング液を使用して、Ni/Cu/Cr多層膜をエッチングすることによりパターニングを行い、レジスト剥離液を用いてレジストを剥離し、水洗後、乾燥させる。
(絶縁層及び開口パターンの形成)
(i)次に、第1配線パターン52a上に感光性ポリイミド前駆体53(例えば、旭化成社製パイメルポリイミド前駆体など)を塗布し、フォトリソグラフィーにて図2(5)に示すようにコンタクトホール(開口部)54を形成する。その後、350℃で4時間、加熱して(キュアして)、前記ポリイミド前駆体を完全にポリイミド化することにより、厚さ8μmのポリイミド絶縁層53(1層目の下半分)を形成する。
この時、ポリイミド化の加熱工程において、コンタクトホールに露出している配線層の最上層であるNiが酸化されてNiOとなる。同時に、ポリイミド層は徐々に収縮するため、コンタクトホール内部のポリイミド付近ではNiが露出する。従って、コンタクトホールにはNiとNiOの両方が露出することになる。
(ii)次に、積層体の表面に酸素プラズマ処理を行う。これによって、ポリイミド絶縁層の表面に凹凸が形成され、表面が約0.1μm程度の粗さになる。このように、表面積を広げることにより、アンカー効果にて、次工程にて形成される第2配線層との密着力を高めることができるまた、ポリイミド絶縁層は3μmエッチングされ、5μmの厚さとなる。
(ガラス基板裏面の圧縮応力層のエッチング)
(iii)次に、この積層体を、0.95%(重量百分率)の酸性フッ化アンモン水溶液に20秒浸漬する。 これにより、ガラス基板裏面の圧縮応力層40Bをエッチングして所定の厚さ(20秒浸漬で6μm)除去し、圧縮応力層40B’とする(図2(5)参照)。
(i)次に、第1配線パターン52a上に感光性ポリイミド前駆体53(例えば、旭化成社製パイメルポリイミド前駆体など)を塗布し、フォトリソグラフィーにて図2(5)に示すようにコンタクトホール(開口部)54を形成する。その後、350℃で4時間、加熱して(キュアして)、前記ポリイミド前駆体を完全にポリイミド化することにより、厚さ8μmのポリイミド絶縁層53(1層目の下半分)を形成する。
この時、ポリイミド化の加熱工程において、コンタクトホールに露出している配線層の最上層であるNiが酸化されてNiOとなる。同時に、ポリイミド層は徐々に収縮するため、コンタクトホール内部のポリイミド付近ではNiが露出する。従って、コンタクトホールにはNiとNiOの両方が露出することになる。
(ii)次に、積層体の表面に酸素プラズマ処理を行う。これによって、ポリイミド絶縁層の表面に凹凸が形成され、表面が約0.1μm程度の粗さになる。このように、表面積を広げることにより、アンカー効果にて、次工程にて形成される第2配線層との密着力を高めることができるまた、ポリイミド絶縁層は3μmエッチングされ、5μmの厚さとなる。
(ガラス基板裏面の圧縮応力層のエッチング)
(iii)次に、この積層体を、0.95%(重量百分率)の酸性フッ化アンモン水溶液に20秒浸漬する。 これにより、ガラス基板裏面の圧縮応力層40Bをエッチングして所定の厚さ(20秒浸漬で6μm)除去し、圧縮応力層40B’とする(図2(5)参照)。
次に、図2(6)に示すように、上記(i)、(ii)及び(iii)の工程をもう一度繰り返し、開口パターン56を有するポリイミド絶縁層55(1層目の上半分)を形成し、合計で厚さ10μmの絶縁層57(1層目)を形成する。また、ガラス基板裏面の圧縮応力層40B’をエッチングして所定の厚さ(20秒浸漬で6μm)除去し、圧縮応力層40B’’とする(図2(6)参照)。
上記「配線層及び配線パターンの形成」及び上記「絶縁層及び開口パターンの形成」を4回繰り返して、5層構造の多層配線基板を作製した(図示せず)。なお、5層目の配線パターンにおけるコンタクト端子部分にだけ、酸化を防止する目的及び異方性導電膜との電気的コンタクト性を良くする等の目的で、1μm厚のNi膜上に0.3μm厚のAu膜を無電解メッキ法で形成した(図示せず)。また、5層目の絶縁膜としてのポリイミドを塗布し(図示せず)、コンタクト端子部分のポリイミドを除去して保護用絶縁膜を形成した。
Cu層は6μm×5層で合計膜厚30μm、ポリイミド絶縁層は10μm×5層で合計膜厚50μm、エッチングは各20秒で回数は10回、である。
Cu層は6μm×5層で合計膜厚30μm、ポリイミド絶縁層は10μm×5層で合計膜厚50μm、エッチングは各20秒で回数は10回、である。
(比較例1)
いずれの面にも圧縮応力層が形成されていないガラス基板を使用したこと以外は、実施例1と同様とした。尚、使用したガラスは、実施例1と同様ものを使用した。
具体的には、表面を平らに研磨した厚さ5mm、縦横340mmの正八角型のガラス基板21(直経300mmのウエハ対応のガラス基板)を使用した。このガラス基板は、Siと膨張率が同じか又はSiと膨張率が近いガラス基板であって、いずれの面にも、圧縮応力層は形成されていない。
いずれの面にも圧縮応力層が形成されていないガラス基板を使用したこと以外は、実施例1と同様とした。尚、使用したガラスは、実施例1と同様ものを使用した。
具体的には、表面を平らに研磨した厚さ5mm、縦横340mmの正八角型のガラス基板21(直経300mmのウエハ対応のガラス基板)を使用した。このガラス基板は、Siと膨張率が同じか又はSiと膨張率が近いガラス基板であって、いずれの面にも、圧縮応力層は形成されていない。
(評価)
実施例1の多層配線基板における多層配線層が形成されている側の反り量は、+150μmと良好であった。一方、比較例1の多層配線基板における多層配線層が形成されている側の反り量は、+350μmであった。
実施例1の多層配線基板における多層配線層が形成されている側の反り量は、+150μmと良好であった。一方、比較例1の多層配線基板における多層配線層が形成されている側の反り量は、+350μmであった。
次に、本発明のウエハ一括コンタクトボードの一実施形態について説明する。図3にそのウエハ一括コンタクトボードの概略構成図を示す。
本実施形態によるウエハ一括コンタクトボードは、図3に示すように、コンタクト部材(バンプ部材)20と、上記実施例のように作製された多層配線基板50と、コンタクト部材(バンプ部材)20と多層配線基板50とを電気的に接続する異方性導電ゴム30を有するものである。
本実施形態によるウエハ一括コンタクトボードは、図3に示すように、コンタクト部材(バンプ部材)20と、上記実施例のように作製された多層配線基板50と、コンタクト部材(バンプ部材)20と多層配線基板50とを電気的に接続する異方性導電ゴム30を有するものである。
コンタクト部材(バンプ部材)20は、リング23と、リングに張り渡された絶縁性薄膜22の一方の面に設けられた金属バンプ26と、このバンプと電気的に接続して他方の面に設けられた金属パッド21aとを備える。コンタクト部材(バンプ部材)においては、半導体ウエハ71上の各半導体チップの周縁又はセンターライン上に形成されたパッド72(約600〜1000ピン程度)に対応して、この数にチップ数を乗じた数の金属バンプ26が絶縁性薄膜22上に形成されている。
多層配線基板50は、コンタクト部材(バンプ部材)20上に孤立する各金属バンプ26にパッド21a(孤立パッド)を介して、電源電圧および所定のバーンイン試験信号を付与するための配線層を積層構造として有する。
異方性導電部材30は、主面と垂直な方向にのみ導電性を有する弾性体31aと、これを保持するフレーム31を有する。弾性体31aは、例えばシリコン樹脂からなり、金属粒子が導通方向に沿って埋め込まれている。異方性導電部材30は、多層配線基板上の端子とコンタクト部材(バンプ部材)の金属パッド21aとを電気的に接続する。異方性導電部材30は、コンタクト部材(バンプ部材)20上の金属パッド21aに導電性を有する弾性体31aを押し当てることで、半導体ウエハ表面の凹凸及びバンプ26の高さのバラツキを吸収し、半導体ウエハ71上のパッド72とコンタクト部材(バンプ部材)上の金属バンプ26とを確実に接続する。
異方性導電部材30は、主面と垂直な方向にのみ導電性を有する弾性体31aと、これを保持するフレーム31を有する。弾性体31aは、例えばシリコン樹脂からなり、金属粒子が導通方向に沿って埋め込まれている。異方性導電部材30は、多層配線基板上の端子とコンタクト部材(バンプ部材)の金属パッド21aとを電気的に接続する。異方性導電部材30は、コンタクト部材(バンプ部材)20上の金属パッド21aに導電性を有する弾性体31aを押し当てることで、半導体ウエハ表面の凹凸及びバンプ26の高さのバラツキを吸収し、半導体ウエハ71上のパッド72とコンタクト部材(バンプ部材)上の金属バンプ26とを確実に接続する。
多層配線基板の配線層に接続された電源および信号源から印加される電源電圧およびバーンイン試験信号が、異方性導電ゴム部材30を介してコンタクト部材(バンプ部材)の金属パッド21aに送られ、金属パッド21aに導通する金属バンプ26から半導体ウエハ71上の金属パッド72に送られて、バーンイン試験が行われる。
(コンタクト接続の評価)
実施例1で作製した多層配線基板を用いて作製されたウエハ一括コンタクトボードは、ガラス基板の厚さが5mmであるが、5層構造の多層配線基板の反り量は+150μmと小さく、ウエハ一括コンタクトボードの組み立てにおいても後述の比較例と比べてアライメント精度が3〜5μm改善することができ、多層配線基板の製造に支障を生じることはなかった。また、多層配線基板と異方性導電ゴムシート、バンプ付きメンブレンリングとの密着性が向上し、さらに、ウエハとのコンタクトが確実になり、ウエハ一括コンタクトボードの使用(実際の検査)において各部品が崩れ破損する事態は発生せず、支障を生じることがなかった。
比較例1で作製した多層配線基板を用いて作製されたウエハ一括コンタクトボードは、5層構造の多層配線基板の反り量が+350μmと大きく、多層配線基板の製造に支障を生じ、また、ウエハ一括コンタクトボードの使用(実際の検査)において支障を生じた。
実施例1で作製した多層配線基板を用いて作製されたウエハ一括コンタクトボードは、ガラス基板の厚さが5mmであるが、5層構造の多層配線基板の反り量は+150μmと小さく、ウエハ一括コンタクトボードの組み立てにおいても後述の比較例と比べてアライメント精度が3〜5μm改善することができ、多層配線基板の製造に支障を生じることはなかった。また、多層配線基板と異方性導電ゴムシート、バンプ付きメンブレンリングとの密着性が向上し、さらに、ウエハとのコンタクトが確実になり、ウエハ一括コンタクトボードの使用(実際の検査)において各部品が崩れ破損する事態は発生せず、支障を生じることがなかった。
比較例1で作製した多層配線基板を用いて作製されたウエハ一括コンタクトボードは、5層構造の多層配線基板の反り量が+350μmと大きく、多層配線基板の製造に支障を生じ、また、ウエハ一括コンタクトボードの使用(実際の検査)において支障を生じた。
1 多層配線基板
2 多層配線層
20 コンタクト部材(バンプ部材)
21a 金属パッド
22 絶縁性薄膜
23 SiCリング
26 金属バンプ
30 異方性導電ゴムシート(異方性導電ゴム部材)
40A、40B 圧縮応力層
50 多層配線基板
51 ガラス基板
52 配線層
53 絶縁層
71 半導体ウエハ
72 パッド
2 多層配線層
20 コンタクト部材(バンプ部材)
21a 金属パッド
22 絶縁性薄膜
23 SiCリング
26 金属バンプ
30 異方性導電ゴムシート(異方性導電ゴム部材)
40A、40B 圧縮応力層
50 多層配線基板
51 ガラス基板
52 配線層
53 絶縁層
71 半導体ウエハ
72 パッド
Claims (7)
- 基板上に、複数の配線層を絶縁層を介して積層し、前記絶縁層に形成された開口部を介して前記複数の配線層を導通してなる多層配線基板の製造方法であって、
第1の主表面と、該第1の主表面と対向して設けられた第2の主表面を有し、表層に圧縮応力層が形成可能なガラス基板を用い、前記第1の主表面と前記第2の主表面の表層に圧縮応力層を形成する圧縮応力層形成工程と、
前記第1の主表面上に配線パターンを形成する配線パターン形成工程と、
前記配線パターン上に絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、
前記絶縁層に上下配線層を導通するための開口部を形成する開口部形成工程と、
前記配線パターン形成工程、前記絶縁層形成工程、及び、前記開口部形成工程、を複数繰り返す工程を有し、
前記第2の主表面の表層に形成された前記圧縮応力層を所定の厚さ除去する圧縮応力層除去工程を有することを特徴とする多層配線基板の製造方法。 - 前記圧縮応力層除去工程は、フッ化水素酸、ケイフッ化水素酸、酸性フッ化アンモン、及びフッ化アンモニウムと無機酸の混酸から選ばれる少なくとも1つを含む酸性水溶液に接触させることにより行われることを特徴とする請求項1記載の多層配線基板の製造方法。
- 前記圧縮応力層除去工程は、1層ずつ配線層又は絶縁層を形成した後に行う、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の多層配線基板の製造方法。
- 前記圧縮応力層除去工程は、配線層又は絶縁層を、複数層あるいはすべての層を形成してから行う、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の多層配線基板の製造方法。
- 基板上に、複数の配線層を絶縁層を介して積層し、前記絶縁層に形成された開口部を介して前記複数の配線層を導通してなる多層配線基板であって、
第1の主表面と、該第1の主表面と対向して設けられた第2の主表面を有し、表層に圧縮応力層が形成可能なガラス基板における少なくとも配線層が形成される前記第1の主表面の表層に圧縮応力層を有し、
前記配線層と前記絶縁層が積層された構造の多層配線層が引張応力を有し、
前記第1の主表面の表層の圧縮応力層の圧縮応力と、多層配線層の引張応力が相殺されて、
前記第2の主表面の反り量が、±300μm以内であることを特徴とする多層配線基板。 - 前記第2の主表面の表層に、前記第1の主表面の表層に形成された圧縮応力層の圧縮応力よりも小さい圧縮応力を有する圧縮応力層を有することを特徴とする請求項5記載の多層配線基板。
- 請求項1から4のいずれかに記載の製造方法により製造された多層配線基板又は請求項5又は6記載の多層配線基板と、前記多層配線基板の前記第1の主表面側に配置された被検査素子と直接接触するコンタクト部分を受け持つコンタクト部材とを有することを特徴とするウエハ一括コンタクトボード。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011166056A JP2013029431A (ja) | 2011-07-28 | 2011-07-28 | 多層配線基板の製造方法およびウエハ一括コンタクトボード |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2015068222A1 (ja) * | 2013-11-06 | 2015-05-14 | 理化電子株式会社 | コンタクトプローブ |
JP2019144057A (ja) * | 2018-02-19 | 2019-08-29 | 日本特殊陶業株式会社 | 検査装置用配線基板 |
-
2011
- 2011-07-28 JP JP2011166056A patent/JP2013029431A/ja not_active Withdrawn
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WO2015068222A1 (ja) * | 2013-11-06 | 2015-05-14 | 理化電子株式会社 | コンタクトプローブ |
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US10887991B2 (en) | 2018-02-19 | 2021-01-05 | Ngk Spark Plug Co., Ltd. | Wiring substrate for inspection apparatus |
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