JP2010171399A - 巻線構造体 - Google Patents

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Masaaki Oishi
正明 大石
Shigeharu Yamamoto
重晴 山本
Yosuke Iguchi
容輔 井口
Hideyuki Aikyo
秀幸 相京
Nobuhisa Nakajima
延久 中島
Akinori Hoshino
彰教 星野
Tetsuya Morita
哲也 森田
Hiroaki Yabui
博昭 藪井
Tomoko Hiramatsu
朋子 平松
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Abstract

【課題】
ボビン等の基体に巻線を巻き付けるにあたり、基体において巻線が占める占有率を高めることができる巻線構造体を提供する。
【解決手段】
巻線構造体は、段付部2を有する基体1と、基体1の段付部2に巻き付けられた巻線6で形成された巻線部5とをもつ。段付部2は、深さが最も浅い最浅段部21,22と、深さが最も深い最深段部41とを含む。巻線部5は、最浅段部21,22の底面21,22bにおいてこれの外端の側から内端に向けて巻線6を巻き始めて構成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、深さ方向に複数の階段状の段部を有する段付部を備えるボビン等の基体と、基体の段付部に周方向に多重に巻き付けられた巻線で形成された巻線部とを備える巻線構造体に関する。
特許文献1にはアクチュエータなどに使用される巻線構造体が開示されている。この巻線構造体は、中心軸芯の回りの周方向に形成され深さ方向に複数の階段状の段部を有する段付部を備えるボビンと、ボビンの段付部に周方向に巻き付けられた巻線で形成された巻線部とを備える巻線構造体が開示されている。このものによれば、ボビンの中心軸芯を通る平面での断面で、段付部において、深さが最も深い段部の底面から巻線を始めることにしている。
前述したように段付部において深さが最も深い段部の底面から巻線を始める構造が採用されていると、深さが最も深い段部の底面の巻き始め部位に巻線を導入させる通路状のスリットがボビンの肉厚内に必要とされる(図15参照)。このスリットは、段付部のうち最浅段部から最深段部に向けてボビンの底部付近において形成されており(図15参照)、スペースを必要とする。このような通路状のスリットのスペースの影響を受け、ボビンの段付部において巻線が占める占有率を高めるには限界があった。このためアクチュエータの出力を高
めるには限界があった。
実開昭55−2126号公報
本発明は上記した実情に鑑みてなされたものであり、通路状のスリットのスペースを廃止でき、ボビン等の基体に巻線を巻き付けるにあたり、基体において巻線が占める占有率を高めることができる巻線構造体を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、中心軸芯の回りの周方向に形成され深さ方向に複数の階段状の段部を有する段付部を備える基体と、基体の段付部に周方向に巻き付けられた巻線で形成された巻線部とを具備する巻線構造体であって、基体の中心軸芯を通る平面での断面において、段付部は、中心軸芯が延びる方向の一方の端側に配置され深さ方向の深さが最も浅い最浅段部と深さ方向の深さが最も深い最深段部とを含み、各段部の底面のうち、中心軸芯が延びる方向における端側を外端と定義し、巻線の段が巻き下がる部位を内端と定義するとき、巻線部は、最浅段部の底面においてこれの外端の側から内端に向けて巻線を巻き始めることにより構成されている巻線構造体である。
また、請求項2の発明は、最浅段部の底面においてこれの外端から内端に向かう巻付方向と平行な方向を第1巻付方向と定義し、第1巻付方向と反対の方向方向を第2巻付方向と定義するとき、巻線部は、最浅段部の底面においてこれの外端の側から内端に向けて巻線を第1巻付方向に沿って巻き始め、最浅段部の底面をこれの外端から内端まで巻き終えたら、段付部のうち次に深い段部の底面の外端に巻き下がり、次に深い段部の底面にこれの外端から第1巻付方向に沿って巻き付ける巻回操作を終え、巻線が最深段部の底面の外端に到達したら、最深段部の底面においてこれの外端から反対側の外端に向けて第1巻付方向に沿って巻線を巻き付け、最深段部の底面において巻線を巻き終えたら、巻線を1段巻き上げると共に第2巻付方向に巻線を巻き付け、第2巻付方向に巻き付ける巻線が、既に巻き付けられた巻線に干渉すると、干渉する巻線を1段巻き上げると共に巻線の巻付方向を逆にして第1巻付方向とさせて巻線を巻き付けることにより構成されている巻線構造体である。
また、請求項3の発明は、基体の中心軸芯を通る平面での断面において、段付部は、中心軸芯が延びる方向の一方の端側に配置され深さ方向の深さが最も浅い第1最浅段部と、中心軸芯が延びる方向の他方の端側に配置され深さ方向の深さが第1最浅段部の深さに対応する第2最浅段部と、中心軸芯が延びる方向において第1最浅段部と第2最浅段部との間に設けられ深さ方向の深さが最も深い最深段部とを備えており、巻線部は、第1最浅段部の底面においてこれの外端の側から内端に向けて第1巻付方向に沿って巻線を巻き付け、第1最浅段部の底面をこれの内端まで巻き終えたら、段付部のうち次に深い段部の底面の外端に巻き下がり、次に深い段部の底面をこれの外端から内端に向けて第1巻付方向に沿って巻き付ける巻回操作を終え、巻線が最深段部の底面の外端に到達したら、最深段部の底面においてこれの外端から反対側の外端に向けて第1巻付方向に沿って巻線を巻き付け、最深段部の底面において巻線を巻き終えたら、巻線を1段巻き上げると共に第2巻付方向に沿って巻線を巻き付け、第2巻付方向に巻き付ける巻線が、既に巻き付けられた巻線に干渉すると、干渉する巻線を1段巻き上げると共に巻線の巻付方向を逆にして第1巻付方向とさせて巻線を巻き付けることにより構成されている巻線構造体である。
また、請求項4の発明は、基体において、巻線を巻き始める開始部位と、巻線を巻き終える終了部位とは、基体の前記中心軸線が延設される方向において同じ側に配置されている巻線構造体である。
また、請求項5の発明は、基体の段付部は、深さが相対的に浅い段部から深さが相対的に深い段部に巻線を巻き下げるための巻き下げ用のスロープと、深さが相対的に深い段部から深さが相対的に浅い段部に巻線を巻き上げるための巻き上げ用のスロープ巻き上げ用のスロープとのうちの少なくとも一方を有する巻線構造体である。
また、請求項6の発明は、スロープが、基体の中心軸芯を通る平面での断面において、溝形状を呈する巻線構造体である
また、請求項7の発明は、基体が、中心軸芯の回りの周方向に形成され深さ方向に複数の階段状の段部を有する第1段付部を備える第1基体と、第1基体に対して離間しており、中心軸芯の回りの周方向に形成され深さ方向に複数の階段状の段部を有する第2段付部を備える第2基体とを具備しており、巻線部は、第1基体の第1段付部に周方向に巻き付けられた巻線で形成された第1巻線部と、第2基体の第2段付部に周方向に巻き付けられた巻線で形成された第2巻線部とを備えており、基体の中心軸芯を通る平面での断面において、第1基体の第1段付部は、第1基体の中心軸芯が延びる方向の一方の端側に配置され深さ方向の深さが最も浅い最浅段部と、深さ方向の深さが最も深い最深段部とを含み、第1基体において各段部の底面のうち、第1基体の中心軸芯が延びる方向における端側を外端と定義し、巻線の段が巻き下がる部位を内端と定義し、第1基体の最浅段部の底面においてこれの外端から内端に向かう巻付方向と平行な方向を第1巻付方向と定義し、第1巻付方向と反対の方向を第2巻付方向と定義するとき、第1基体の第1巻線部は、請求項1〜5のうちの一項に係る巻線構造体における巻線構造で巻き付けられており、且つ、第2基体の前記第2巻線部は、請求項1〜5のうちの一項に係る巻線構造体における巻線構造で巻き付けられている巻線構造体である。
また、請求項8の発明は、第1段付部および第2段付部が、深さが相対的に浅い段部から深さが相対的に深い段部に前記巻線を巻き下げるための巻き下げ用のスロープと、深さが相対的に深い段部から深さが相対的に浅い段部に巻線を巻き上げるための巻き上げ用のスロープ巻き上げ用のスロープとのうちの少なくとも一方を有する巻線構造体である。
また、請求項9の発明は、スロープが、第1基体および第2基体の中心軸芯を通る平面での断面において、溝形状を呈する巻線構造体である。
請求項1の発明によれば、基体の段付部に対する巻線の巻き付けを開始するにあたり、段付部のうち深さが浅い最浅段部の底面においてこれの外端から内端に向けて巻線を巻き付ける。従って、通路状のスリットを基体の肉厚内に形成する構造を廃止できる。このため基体の肉厚内においてスリットを形成するためのスペースが廃止され、基体において巻線が占める占有率を高めることができる。
巻線部は、前述したように、最浅段部の底面においてこれの外端の側から内端に向けて巻線を巻き始めて構成されている。最浅段部は基体の外周側に位置する。このため巻線を基体の最浅段部に導入させる部位を、基体の外周側に配置させることができる。巻線構造体によれば、一般的には、コネクタ等の電気機器が基体の外周側に配置されることが多いが、このような場合に有利である。巻線は、断面四角形状が好ましいが、断面円形状としても良い。
請求項2の発明によれば、基体の段付部に対する巻線の巻き付けを開始するにあたり、段付部のうち深さが浅い最浅段部の底面において、これの外端から内端に向けて巻線を巻き付ける。従って、通路状のスリットを基体の肉厚内に形成する構造を廃止できる。このため基体の肉厚内においてスリットを形成するためのスペースが廃止され、基体において巻線が占める占有率を高めることができる。
巻線部は、前述したように最浅段部の底面においてこれの外端の側から内端に向けて巻線を巻き始めて構成されている。最浅段部は基体の外周側に位置する。このため巻線を基体の最浅段部へ導入させる部位を、基体の外周側に配置させることができる。巻線構造体によれば、一般的には、コネクタ等の電気機器が基体の外周側に配置されることが多いが、このような場合に有利である。
請求項3の発明によれば、基体の段付部に対する巻線の巻き付けを開始するにあたり、段付部のうち深さが浅い最浅段部の底面においてこれの外端から内端に向けて巻線を巻き付ける。従って、通路状のスリットを基体の肉厚内に形成する構造を廃止できる。このため基体の肉厚内にスリットを形成するためのスペースが廃止され、基体において巻線が占める占有率を高めることができる。
巻線部は、前述したように、最浅段部の底面においてこれの外端の側から内端に向けて巻線を巻き始めて構成されている。最浅段部は基体の外周側に位置する。このため巻線を基体の最浅段部に導入させる部位を基体の外周側に配置させることができる。巻線構造体によれば、一般的には、コネクタ等の電気機器が基体の外周側に配置されることが多いが、このような場合に有利である。
請求項4の発明によれば、巻線に繋げるコネクタ類等の電気機器を、基体のうち開始部位および終了部位の側に配置させれば、コネクタ類等の電気機器と巻線との結線が簡素化される。
請求項5の発明によれば、スロープにより巻線の段移動が円滑となり、巻線の巻き下げや巻き上げを円滑に実施できる。
請求項6の発明によれば、スロープが溝で形成されているため、巻線の巻き下げや巻き上げのときに巻線がスロープから脱落することがない。
請求項7の発明によれば、基体の段付部に対する巻線の巻き付けを開始するにあたり、段付部のうち深さが浅い最浅段部の底面において、これの外端の側から内端に向けて巻線を巻き付ける。従って、通路状のスリットを基体の肉厚内に形成する構造を廃止できる。このため基体の肉厚内にスリットを形成するためのスペースが廃止されるため、基体において巻線が占める占有率を高めることができる。
巻線部は、前述したように、最浅段部の底面においてこれの外端の側から内端に向けて巻線を巻き始めて構成されている。最浅段部は基体の外周側に位置する。このため巻線を基体の最浅段部に向けて導入させる部位を、基体の外周側に配置させることができる。巻線構造体によれば、一般的には、コネクタ等の電気機器が基体の外周側に配置されることが多いが、このような場合に有利である。
請求項8の発明によれば、スロープにより巻線の段移動が円滑となり、巻線の巻き下げや巻き上げを円滑に実施できる。
請求項9の発明によれば、スロープが溝で形成されているため、巻線の巻き下げや巻き上げのときに巻線がスロープから脱落することがない。
実施形態1に係り、巻線を巻き付ける前のボビンの斜視図である。 実施形態1に係り、巻線を段付部に巻き付けた状態のボビンの要部を模式的に示す断面図である。 実施形態2に係り、巻線を巻き付ける前の状態に係り、下り用のスロープ付近を模式的に示す斜視図である。 実施形態2に係り、巻線を巻き付けた後の状態を模式的に示す斜視図である。 実施形態2に係り、巻線を巻き付ける前の状態に係り、スロープ付近を模式的に示す斜視図である。 実施形態2に係り、中心軸芯P1を通る平面でのスロープの断面図である。 実施形態2に係り、中心軸芯P1を通る平面でのスロープの各種形状の断面図である。 実施形態3に係り、巻線を巻き付ける前の状態に係り、スロープ付近を模式的に示す斜視図である。 実施形態4に係り、巻線を段付部に巻き付けた状態のボビンの要部を模式的に示す断面図である。 実施形態5に係り、巻線を段付部に巻き付けた状態のボビンの要部を模式的に示す断面図である。 実施形態6に係り、巻線を段付部に巻き付けた状態のボビンの要部を模式的に示す断面図である。 実施形態7に係り、巻線を段付部に巻き付けた状態のボビンの要部を模式的に示す断面図である。 実施形態8に係り、巻線を巻き付けた状態の第1ボビンおよび第2ボビンの要部を模式的に示す断面図である。 実施形態9に係り、巻線を巻き付けた状態の第1ボビンおよび第2ボビンが搭載されているアクチュエータを模式的に示す断面図である。 従来技術に係り、巻線を段付部に巻き付けた状態のボビンの要部を模式的に示す断面図である。
図1及び図2は実施形態1の概念を示す。図1は基体としてのボビン1の斜視図を示す。図2はボビン1に対する巻線の巻き付け形態を示す。ボビン1は中央にボビン穴1wを有し、外周側に舟底形状の段付部2を有する。段付部2は、ボビン1の中心軸芯P1の回りの周方向に形成されており、深さ方向に複数の階段状の段部を有する。ボビン1は樹脂、セラミックス等の電気絶縁性が高い材料で形成されている。
図2は、ボビン1の中心軸芯P1に沿って中心軸芯P1を通過する段付部2を示す。図1において、ボビン1の段付部2は、第1最浅段部21と、第2最浅段部22と、第1中間段部31と、第2中間段部32と、最深段部41とを含む。第1最浅段部21、第2最浅段部22、第1中間段部31、第2中間段部32、最深段部41は、中心軸芯P1の回りでそれぞれ1周している。
図1に示すように、第1最浅段部21は、中心軸芯P1が延びる方向PAの一方の端側に配置されており、中心軸芯P1の回りでリング状に延びる平坦な底面21bをもつ。第2最浅段部22は、中心軸芯P1が延びる方向PAの他方の端側に配置されており、中心軸芯P1の回りでリング状に延びる平坦な底面22bをもつ。第1最浅段部21および第2最浅段部22は、深さ方向の深さが互いに対応しており、第1中間段部31、第2中間段部32、最深段部41の深さよりも浅い深さをもつ。第1中間段部31は、中心軸芯P1が延びる方向PAの一方の端側に配置されており、中心軸芯P1の回りでリング状に延びる平坦な底面31bをもつ。第2中間段部32は、第1中間段部31と同じ深さをもち、中心軸芯P1が延びる方向PAの他方の端側に配置されており、中心軸芯P1の回りでリング状に延びる平坦な底面32bをもつ。
図1に示すように、最深段部41は、方向PAにおいて第1中間段部31と第2中間段部32との間に配置されている。換言すると、最深段部41は、中心軸芯P1が延びる方向PAにおいて第1最浅段部21と第2最浅段部22との間に配置されている。具体的には、図1に示すように、中心軸芯P1が延びる方向PAにおいて、第1最浅段部21、第1中間段部31、最深段部41、第2中間段部32、第2最浅段部22の順に配置されている。ここで、第1最浅段部21および第2最浅段部22は、方向PAにおいて両端側に位置している。なお、ボビン1は、電気抵抗が高い樹脂等の電気絶縁材料で形成されている。
図2はボビン1の段付部2を更に詳しく示す。ボビン1の中心軸芯P1の延びる方向PAの中央において、中心軸芯P1(方向PA)に対して直交する直交方向を直交線P4と定義する。直交線P4を介して段付部2の溝形状は、対称形状とされている。但し非対称形状でも良い。
図2に示すように、第1最浅段部21および第1中間段部31は、直交線P4に対して一方の側に配置されている。また第2最浅段部22および第2中間段部32は、直交線P4に対して他方の側に配置されている。
図2に示すように、第1中間段部31の底面31bは、第1最浅段部21の底面21bよりも、2段(偶数段)ぶん下方(径内方向)に位置している。第2中間段部32の底面32bは、第2最浅段部22の底面22bよりも、2段(偶数段)ぶん下方(径内方向)に位置している。第1中間段部31の底面31bよりも、最深段部41の底面41bは2段(偶数段)ぶん下方(径内方向)に位置している。最深段部41の底面41bは、第2中間段部32の底面32bよりも、2段(偶数段)ぶん下方(径内方向)に位置している。ここで、段は、中心軸芯P1の回りで巻線6が1段巻かれることを意味する。従って1段の深さは巻線6の外径寸法に対応する。
図2に示すように、ボビン1には導入開口101が形成されている。導入開口101は、巻線6をボビン1の外方からボビン1の内部の段付部2に導入させるための開口である。ボビン1には、導入開口101よりも径外側(ボビン1の外周側)に導出開口103が形成されている。導出開口103は、巻線6をボビン1の内部の段付部2からボビン1の外方に導出させるための開口である。図2に示すように、導入開口101および導出開口103の双方は、方向PAにおいて一方側の側部1eの側に形成されている。
図2において、第1最浅段部21の底面21b、第2最浅段部22の底面22b上の巻線6を、段A1として示す。段A1の上(径外側)を段A2とする。第1中間段部31の底面31b、第2最浅段部22の底面22b上の巻線6を段B1として示す。段B1の上(径外側)を段B2とする。最深段部41の底面41b上の巻線6を段C1とする。段C1の上(径外側)の巻線6を段C2とする。図2に示すように、径内側から径外側に、段C1、段C2、段B1、段B2、段A1、段A2とされている。
このように本実施形態によれば、ボビン1の段付部2のうち、深さが最も浅い第1最浅段部21の深さおよび第2最浅段部22の深さは、巻線6が巻き付けられた段A1,A2の合計2段(偶数段)に相当する。更に、第1最浅段部21の次に深さが浅い第1中間段部31の深さおよび第2中間段部32の深さは、巻線6が巻き付けられた段B1,B2の合計2段(偶数段)に相当する。更に、深さが最も深い最深段部41の深さは、巻線6が巻き付けられた段C1,C2の合計2段(偶数段)に相当する。
ここで、巻線6の巻き付けについて説明を加える。更に、図2において、各段部のうち方向PAにおける端側を外端と定義する。巻線6が巻き下がる部位を内端と定義する。更に、第1最浅段部21の底面21bにおいてこれの外端から内端に向かう巻付方向と平行な方向を、第1巻付方向Xと定義する。第1最浅段部21の底面21bにおいてこれの内端から外端に向かう巻付方向と平行な方向を、第2巻付方向Yと定義する。巻き付け自体は、巻線6を中心軸芯P1の回りを回すように巻回させることにより実施される。
本実施形態によれば、巻線部5は、ボビン1の段付部2のうち深さが最も浅い第1最浅段部21の底面21bにおいて、段A1として方向PAおいて最も外端から内端に向けて巻線6を巻き始めることにより構成されている。図2において巻線6の巻き始め部位をKとする。ここで、巻線6の占有率を高めるため、巻線6は横断面で四角形状とされており、互いに対向する一対の側面6aと、互いに対向する一対の側面6bと、側面6aおよび側面6bを互いに仕切る稜線6cとを有する。巻線6は、芯線と、芯線を被覆する電気被覆層とを有する。但し場合によっては、巻線6の断面を四角状ではなく、円形状としても良い。
前述したように、巻線部5は、ボビン1の段付部2のうち深さが最も浅い第1最浅段部21の底面21bにおいて、段A1として、底面21bの外端の側から内端に向けて、巻線6を第1巻付方向Xに沿って巻き始めることにより構成されている。
更に説明を加える。まず、巻き始めにあたり、直交線P4で仕切られる一方側において、深さが最も浅い第1最浅段部21を選択する。ボビン1の導入開口101からボビン1の内部に巻線9を導入する。このように導入された巻線6を、第1最浅段部21の底面21bに段A1として到達させ、底面21bにおいてこれの外端(巻き始め部位K)から内端(部位200)まで段A1として巻き終える。このように段A1として巻き終えたら、部位200において巻線6を第1中間段部31(段付部2のうち深さが最も浅い第1最浅段部21の次に深さが深い段部に相当)の底面31bの外端(部位201)に向けて、つまり、段A1から段B1に向けて(段B2を飛ばして)、巻き下げ方向に巻き下げる。ここで、巻線6を巻き下げるとは、巻線6をボビン1の径内方向に向けて移動させることを意味する。また巻線6を巻き上げるとは、巻線6をボビン1の径外方向に向けて移動させることを意味する。
そして巻線6を第1中間段部31の底面31bの外端(部位201)に巻き下げたら、巻線6を第1中間段部31の底面31bにおいて、これの外端(部位201)から内端(部位202)に向けて、第1巻付方向Xに沿って段B1として巻き付ける。その後、部位202において、巻線6は、最深段部41の底面41bの外端(部位203)に対面することになる。
次に、最深段部41の底面41bの外端(部位203)に向けて、段B1から段C1に向けて(段C2を飛ばして)巻線6を巻き下げる。次に、巻線6を底面41bの外端(部位203)から段C1として第1巻付方向Xに沿って、底面41bの反対側の外端(部位204)に向けて巻き付ける。巻線6が部位204に到達した後、部位204において巻線6を巻き上げ方向に向けて、つまり段C1から段C2に向けて、巻き上げ方向に1段巻き上げて部位205とする。更に部位205において巻線6の巻付方向を逆にし、巻線6を第2巻付方向Yに向けて段C2として巻き付ける。段C2として第2巻付方向Yへの巻き付けが進むと、部位206において、巻線6は、既に巻き付けられていた巻線6に干渉することになる。
このように干渉が発生すると、干渉する巻線6を部位200の段C2から段B1に向けて巻き上げ方向に1段巻き上げる。次に、巻線6の巻付方向を逆にして第1巻付方向Xにする。
次に、巻線6を第1巻付方向Xに沿って部位207に向けて段B1として巻付ける。このように第1巻付方向Xへの巻き付けが進み、巻線6が第2中間段部32の底面32bの外端(部位207)に到達すると、巻線6を巻き上げ方向に向けて、つまり段B1から段B2に向けて1段巻き上げて部位208とさせる。次に、部位208において巻線6の巻付方向を逆にし、巻線6を第2巻付方向Yに向けて段B2として巻き付ける。
段B2として第2巻付方向Yへの巻き付けが進行する。その後、巻線6は、既に巻き付けられた段B2の巻線6と部位212において干渉することになる。すると、部位212を起点として、干渉する巻線6を巻き上げ方向、つまり段B2から段A1に向けて1段巻き上げる。更に、巻付方向を逆にして巻線6を段A1として第1巻付方向Xに沿って、第2最浅段部22の底面22bの外端(部位214)にまで巻付ける。
段A1として第1巻付方向Xへの巻き付けが第2最浅段部22の底面22bの外端(部位214)まで進行すると、部位214において巻線6を巻き上げ方向に向けて、つまり段A1から段A2に向けて1段巻き上げる。更に、巻線6の巻付方向を逆にし、第2巻付方向Yとし、部位215から段A2として巻き付け、第2巻付方向Yに沿って段A2の外端付近の導出開口103まで巻き付ける。このように巻線6が第1最浅段部21の上の段A2の外端付近の導出開口103に到達したら、導出開口103から巻線6をボビン1の外方に導出させて取り出す。取り出し部位をHとする。
以上の巻付形態をまとめると、次のようになる。
(a)巻線6の巻き始めにあたり、段付部2において最も深さが浅い第1最浅段部21を選択する。そして第1最浅段部21の底面21bにおいて、底面21bの外端(巻き始め部位K)から内端(部位200)に向けて、巻線6を到達させる。
(b)最も深さが浅い第1最浅段部21の底面21bにおいて、巻線6を第1巻付方向Xに沿って巻き付ける。第1最浅段部21の底面21bにおいて、巻線6が底面21bの外端(巻き始め部位K)の側から内端(部位200)に到達した後、次に深さが浅い第1中間段部31の底面31bの段まで、外端(部位200)から外端(部位201)に向けて巻線6を巻き下げる。巻き下げる段は偶数段(2段)とする。この場合、途中の段が存在すれば、途中の段を飛ばす。
(c)段付部2において、深さが最も深い最深段部41の底面41bに到達するまで、(a)(b)を継続させる。(d)深さが最も深い最深段部41の底面41bの外端(部位203)に巻線6が到達すると、最深段部41の底面41bにおいて、その外端(部位203)から、反対側に位置する外端(部位204)まで、巻線6を第1巻付方向Xに沿って巻き付ける。
(e)深さが最も深い最深段部41の底面41bにおいて、反対側の外端(部位204)まで第1巻付方向Xに沿って巻線6を巻き付けた後、反対側の外端(部位204)において段を1段(1段のみ)巻き上げ方向に上昇させて部位205とさせる。
(f)その後、中心軸芯P1に沿った巻付方向を反対とし、つまり第2巻付方向Yとする。そして、巻線6を第2巻付方向Yに沿って部位205から部位206に向けて巻き付ける。
(g)巻線6が、既に巻き付けられた巻線6に干渉(接触)するまで巻き付けられたときには、干渉する巻線6を部位206において段を1段(1段のみ)巻き上げ方向に上昇させる。
(h)干渉する巻線6の巻付方向を逆とした状態で、つまり第1巻付方向Xとした状態で、巻線6を第1巻付方向Xに沿って巻き付ける。
(i)巻線6が、既に巻き付けられた巻線6に干渉(接触)するとき、あるいは、その段の外端に到達するときには、1段(1段のみ)巻き上げて部位208とする。
(j)干渉する巻線6の巻付方向を逆とした状態で、つまり第2巻付方向Yとした状態で、巻線6を巻き付ける。
このような操作を実施することにより巻線6を段付部5に巻き付ける。本実施形態に係る特徴は、段付部2を構成する複数の段部のうち、直交線P4の片側において、深さが最も浅い第1最浅段部21を選択する。第1最浅段部21の底面21bにおいて、底面21bの外端の側を巻き始め部位Kとする。そして底面21bの外端(巻き始め部位K)の側から内端(部位200)に巻線6を到達させるように巻線6を巻き付ける。
ここで、仮に、深さが第1最浅段部21の次に浅い第1中間段部31の外端(部位201)から巻線を巻き始める形態が採用されることも考えられる。しかしこの場合には第1最浅段部21の底面21bにおいて段A1として巻き付けれない領域が増加してしまう不具合がある。
以上説明したように本実施形態によれば、巻線部5は、直交線P4の片側において、ボビン1の段付部2のうち深さが最も浅い第1最浅段部21の底面21bにおいて、ボビン1の中心軸芯P1が延びる方向PAにおいて、底面21bの外端の側から巻線6を巻き始めて構成されている。このため図15に示す従来技術とは異なり、巻線6を段付部2の最深段部にまで到達させるための通路状のスリットを、ボビン1の肉厚内に形成することを廃止することができる。従ってボビン1の肉厚内に形成する通路状のスリットを廃止できるぶん、ボビ
ン1の段付部2において巻線6の占有率を高めることができ、アクチュエータの出力を高めるのに有利である。ここで、占有率は、(巻線断面×ターン数)/巻線可能面積で表される。巻線6の断面は四角形状であるため、巻線6の占有率を更に高めるのに貢献できる。
図2に示すように、本実施形態によれば、導入開口101および導出開口103は、ボビン1のうち中心軸芯P1が延びる方向PAの一方側の側部1eに形成されている。換言すると、導入開口101からボビン1の内部に段A1として巻線6が導入される位置と、導出開口103からボビン1の外部に巻線6が段A2として導出される位置とは、方向PAの一方側の側部1eに形成されている。このため巻線6の巻き始め部位Kと、巻線6を巻き終えて取り出す取り出し部位Hとの双方は、方向PAの一方側の側部1eに配置されている。従って、巻線6の巻き始め部位Kと、巻線6を巻き終えて巻線の取り出し部位Hとについては、一方側の側部1eの近傍に配置されているコネクタ類等の電気機器300に巻線6を電気接続させ易くなる利点が得られる。
一般的にレイアウトなどの関係で、コネクタ類等の電気機器300は、円筒形状をなすボビン1の外周側に配置されていることが多い。この点について本実施形態によれば、図2に示すように、巻き始め部位Kおよび取り出し部位Hは、円筒状のボビン1の外周側に配置されている。このため、巻線6の巻き始め部位Kおよび取り出し部位Hを、コネクタ類等の電気機器300に電気接続させるのに有利となる。
図3〜図5は実施形態2を示す。本実施形態は実施形態1と基本的には同様の構成、同様の作用効果を有するため、図1および図2を準用する。図3〜図6において、ボビン1の中心軸芯P1の回りに巻回する方向を矢印R1として示す。図3に示すように、基体としてのボビン1に形成されている段付部2においては、深さが相対的に浅い段部から、深さが相対的に深い段部に向けて、巻線6を巻き下げるための巻き下げ用のスロープが形成されている。
ここで、図3に示すように、巻き下げ用の第1スロープ71は、第1最浅段部21の底面21b(段A1)の内端から、その下側の第1中間段部31(段B1)の底面31bの外端に向けて、巻線6を良好に巻き下げるためのものであり、複数段(2段)巻き下げる。巻き下げ用の第2スロープ72は、第1中間段部31の底面31b(段B1)の内端から最深段部41(段C1)の底面41bの外端に向けて、巻線6を良好に巻き下げるためのものであり、複数段(2段)巻き下げる。
図3および図4は互いに対応する。図4における部位401は、前記した巻き下げ用の第1スロープ71を利用しつつ、巻線6を2段(偶数段)巻き下げている状態を示す。図4における部位402は、前記した巻き下げ用の第2スロープ72を利用しつつ巻線6を2段(偶数段)巻き下げている状態を示す。
更に本実施形態によれば、図5に示すように、ボビン1の段付部2においては、深さが相対的に深い段部から、深さが相対的に浅い段部に向けて、巻線6を1段(1段のみ)巻き上げるための巻き上げ用のスロープ巻き上げ用のスロープが形成されている。すなわち、巻き上げ用の第3スロープ73は、最深段部41の底面41bの外端から、第1中間段部31の底面31bの内端に向けて、巻線6を滑らかに巻き上げるためのものである。図示はしないものの巻き上げ用の第4スロープが形成されている。巻き上げ用の第4スロープ74は、第2中間段部32の底面32bの外端から第2最浅段部22の底面22bの内端に向けて、巻線6を滑らかに巻き上げるためのものである。
なお、中心軸芯P1を通る平面でのスロープ71、72、73、74の断面(図5のA−A断面)は、図6に示すように、それぞれ段部の底面22b、32b、31b、21bに対して直角に落ち込んで形成されているが、図7(a)のように四角溝73aでもよいし、図7(b)のように浅い段部側の縁が盛り上がった傾斜溝73bでもよいし、図7(c)のような半円溝73cでもよい。スロープ71、72、73、74の断面形状を図7に示す溝形状とすることで、巻線6を巻き下げ、巻き上げするときに巻線6がスロープ71、72、73、74から脱落することがなく、確実な巻き下げ、巻き上げができ、自動巻線作業が可能となる。
図8は実施形態3を示す。本実施形態は実施形態1,2と基本的には同様の構成、同様の作用効果を有するため、図1および図2を準用できる。図8に示すように、ボビン1の段付部2において、巻き下げ用の第1スロープ71および巻き下げ用の第2スロープ72が形成されている。巻き下げ用の第1スロープ71は、第1最浅段部21の底面21b(段A1)の内端から第1中間段部31の底面31b(段B1)の外端に向けて、巻線6を良好に巻き下げる。巻き下げ用の第2スロープ72は、第1中間段部31の底面31b(段B1)の内端から、最深段部41の底面41b(段C1)の外端に向けて、巻線6を良好に巻き下げる。
巻き上げ用の第3スロープ73は、最深段部41(段C1)の底面41bの外端から、第2中間段部32の底面32b(段B1)の内端に向けて、巻線6を1段巻き上げるためのものである。巻き上げ用の第4スロープ74は、第2中間段部32の底面32bの外端から第2最浅段部22の底面22bの内端に向けて、巻線6を1段(1段のみ)巻き上げる。図8に示すように、ボビン1の周方向において、巻き下げ用の第1スロープ71および第2スロープ72の位相は、巻き上げ用の第3スロープ73および第4スロープ74の位相に対して、Δθずらして設定されている。このように位相ずらしが実施されているため、巻線6の巻き下げ位置と巻線6の巻き上げ位置とが周方向においてずれる。結果として巻線6の巻き付けが均一化され、整列巻付けが良好となる利点が得られる。
図9は実施形態4を示す。本実施形態は前記した実施形態1〜3と基本的には同様の構成、同様の作用効果を有する。図9に示すように、深さが最も浅い最浅段部21,22は、ボビン1の中心軸芯が延びる方向PAにおいて両端に配置されている。また、深さが最も深い最深段部41は、方向PAにおいて、第1中間段部31と第2中間段部32との間に配置されている。同様に、最深段部41は、方向PAにおいて、第1最浅段部21と第2最浅段部22との間に配置されている。具体的には、方向PAにおいて第1最浅段部21、第1中間段部31、最深段部41、第2中間段部32、第2最浅段部22の順に配置されている。図9に示すように、第1最浅段部21の底面21b、第2最浅段部22の底面22bには、合計1段(奇数段)として、つまり段A1として巻線6が巻き付けられる。これに対して、第1中間段部31の底面31b上には、合計4段(偶数段)として、つまり段B1,B2,B3,B4として巻線6が巻き付けられている。最深段部41の底面41b上についても合計2段(偶数段)として、つまり段C1,C2として巻線6が巻き付けられている。
図7に示すように、ボビン1には、巻線6をボビン1の外方からボビン1の内部の段付部2に導入させる導入開口101(巻き始め部位)が形成されている。図9に示すように、導入開口101は、ボビン1のうち方向PAの一方側の側部1eに形成されている。導出開口103(巻き終わり部位)は、ボビン1のうち方向PAの他方側の側部1fに形成されている。このように導入開口101および導出開口103は、ボビン1のうち方向PAにおいて互いに反対側に配置されている。第1最浅段部21の底面21b、第2最浅段部22の底面22bには、合計1段(奇数段)として、つまり段A1として巻線6が巻き付けられるためである。
図10は実施形態5を示す。本実施形態は実施形態1と基本的には同様の構成、同様の作用効果を有する。図10に示すように、第1最浅段部21の底面21b、第2最浅段部22の底面22bには、合計2段(偶数段)として、つまり段A1,A2として巻線6が巻き付けられる。更に、第1中間段部31の底面31b上には、合計4段(偶数段)として、つまり段B1,B2,B3,B4として巻線6が巻き付けられている。最深段部41の底面41b上についても、合計2段(偶数段)として、つまり段C1,C2として巻線6が巻き付けられている。図10に示すように、ボビン1には、巻線6をボビン1の外方からボビン1の内部の段付部2に導入させる導入開口101(巻き始め)が形成されている。図10に示すように、導入開口101(巻き始め)および導出開口103(巻き終わり)の双方は、ボビン1の方向PAの一方側の側部1eに形成されている。第1最浅段部21の底面21b、第2最浅段部22の底面22bには、偶数段として、つまり段A1,A2として巻線6が巻き付けられるため、巻線6はこれの巻き始めた側に帰還できるためである。この場合、図10に示すように、ボビン1の側部1eにおいて導入開口101および導出開口103は、互いに接近している。このため、導入開口101に導入される巻線6、導出開口103から導出される巻線6を、コネクタ等の電気機器300に電気的に接続させるのに有利である。本実施形態においても、図10から理解できるように、上記した(a)〜(j)の巻付手順を実施する。
図11は実施形態6を示す。本実施形態は実施形態1と基本的には同様の構成、同様の作用効果を有する。図11に示すように、第1最浅段部21の底面21b、第2最浅段部22の底面22bには、合計1段(奇数段)として、つまり段A1として巻線6が巻き付けられる。第1中間段部31の底面31b上には、合計4段(偶数段)として、つまり段B1,B2,B3,B4として巻線6が巻き付けられている。最深段部41の底面41b上についても、合計4段(偶数段)として、つまり段C1,C2,C3,C4として巻線6が巻き付けられている。図11に示すように、ボビン1には、巻線6をボビン1の外方からボビン1の内部の段付部2に導入させる導入開口101が形成されている。図11に示すように、導入開口101(巻き始め)および導出開口103(巻き終わり)は、ボビン1の中心軸線が延びる方向PAにおいて互いに反対側に配置されている。前述したように第1最浅段部21の底面21b、第2最浅段部22の底面22bには、合計1段(奇数段)の巻線6が巻き付けられるため、巻線6がボビン1の巻き始め部位に帰還できないためである。本実施形態においても、図11から理解できるように、上記した(a)〜(j)の巻付手順を実施する。
図12は実施形態7を示す。本実施形態は実施形態6と基本的には同様の構成、同様の作用効果を有する。図12に示すように、第1最浅段部21の底面21b、第2最浅段部22の底面22bには、合計2段(偶数段)として、つまり段A1,A2として巻線6が巻き付けられる。第1中間段部31の底面31b上には、合計4段(偶数段)として、つまり段B1,B2,B3,B4として巻線6が巻き付けられている。最深段部41の底面41b上についても、合計4段(偶数段)として、つまり段C1,C2,C3,C4として巻線6が巻き付けられている。図12に示すように、導入開口101(巻き始め)および導出開口103(巻き終わり)の双方は、ボビン1のうち同じ側部1eに形成されており、すなわち、中心軸芯P1が延びる方向PAの一方側の側部1eに形成されている。第1最浅段部21の底面21b、第2最浅段部22の底面22bには、合計2段(偶数段)の巻線6が巻き付けられるため、巻線6は巻き始め部位と同一の側に帰還できるためである。本実施形態においても、図12から理解できるように、上記した(a)〜(j)の巻付手順を実施する。
図13は実施形態8を示す。本実施形態は実施形態1と基本的には同様の構成、同様の作用効果を有する。図13に示すように、基体としてのボビン1は、第1基体としての第1ボビン1rと、第2基体としての第2ボビン1sを備えている。第1ボビン1rは、中心軸芯P1の回りの周方向に形成され深さ方向に複数の階段状の段部を有するように形成された第1段付部2fを有する。第2ボビン1sは、第1ボビン1rに対して離間しており、中心軸芯P1の回りの周方向に形成され深さ方向に複数の階段状の段部を有するように形成された
第2段付部2sを有する。
図13に示すように、巻線部5は、第1ボビン1rの第1段付部2fに周方向に巻き付けられた巻線6で形成された第1巻線部5fと、第2ボビン1sの第2段付部2sに周方向に巻き付けられた巻線6で形成された第2巻線部5sとを備えている。図13は、第1ボビン1の中心軸芯P1に沿って中心軸芯P1を通過する断面を示す。
まず第1ボビン1rから説明する。図13に示すように、第1ボビン1rの第1段付部2は、第1ボビン1rの中心軸芯P1が延びる方向PAの一方の端側に配置された第1最浅段部21と、第1中間段部31と、最深段部41、第2中間段部32と、第2中間段部33と、第1ボビン1rの中心軸芯P1が延びる方向PAの他方の端側に配置された第2最浅段部22とを含む。
図13に示すように、第1最浅段部21には、巻線6を合計6段(偶数段,段B1,段B2,段A1,A2,A3,A4)として巻き付ける。第1中間段部31には、巻線6を合計2段(偶数段,段C1,C2)として巻き付ける。第1中間段部31よりも径内側に配置されている最深段部41には、巻線6を合計2段(偶数段,段D1,D2)として巻き付ける。図13に示すように、直交線P4の片側において、第1ボビン1rの第2最浅段部22には、巻線6を合計4段(偶数段,段A1,A2,A3,A4)として巻き付ける。第2最浅段部22よりも深い第2中間段部33には、巻線6を合計2段(偶数段,段B1,B2)として巻き付ける。第2中間段部32よりも径内側に配置されている第2中間段部32には、巻線6を合計2段(偶数段,段C1,C2)として巻き付ける。
次に第2ボビン1sについて説明する。図13に示すように、第2ボビン1sの第2段付部2sは、第2ボビン1sの方向PAの一方の端側に配置された第1最浅段部21と、第1中間段部31と、第1中間段部34と、最深段部41と、第2中間段部35と、第1ボビン1rの方向PAの他方の端側に配置された第2最浅段部22とを含む。
第2ボビン1sにおける第1最浅段部21には、巻線6を合計4段(偶数段,段A1,A2,A3,A4)として巻き付ける。第1最浅段部21よりも径内側に配置されている第1中間段部31には、巻線6を合計2段(偶数段,段B1,B2)として巻き付ける。第1中間段部31よりも径内側に配置されている第1中間段部34には、巻線6を合計2段(偶数段,段C1,C2)として巻き付ける。第1中間段部34よりも径内側に配置されている最深段部41には、巻線6を合計2段(偶数段,段D1,D2)として巻き付ける。
ここで、第1ボビン1rにおいて各段部の底面のうち、第1ボビン1rの中心軸芯P1が延びる方向PAにおける端側を外端と定義する。中心軸芯P1が延設する方向の中央において第1ボビン1rの方向PAにおいて直交線P4に近い側を内端と定義する。さらに、第1ボビン1rの第1最浅段部21の底面21bにおいて、これの外端から内端に向かう巻付方向と平行な方向を第1巻付方向Xと定義する。更に第1ボビン1rの第1最浅段部21の底面21bにおいてこれの内端から外端に向かう巻付方向と平行な方向を第2巻付方向Yと定義する。本実施形態においても、上記した(a)〜(j)の巻付手順を実施する。
すなわち、図13に示すように、第1ボビン1rの第1巻線部5fは、第1ボビン1rの第1最浅段部21の底面21bにおいてこれの外端(第1導入開口101)から内端(部位500)に向けて、第1巻付方向Xに沿って巻線6を巻き付けて構成されている。すなわち、第1導入開口101から導入させた巻線6を第1最浅段部21の底面21bにおいてこれの外端から内端(部位500)まで段B1として巻き付ける。巻き付けを終えたら、部位500において段B1から段C1に向けて(段C2を飛ばして)、第1中間段部31(第1最浅段部21よりも次に深い段部)の底面31bの外端(部位501)に向けて巻き下がり方向に巻き下がる。次に、巻線6を第1中間段部31の底面31bにこれの外端(部位501)から内端(部位502)に向けて、段C1として第1巻付方向Xに沿って巻き付ける。
段C1の巻線6が部位502において第1ボビン1rの最深段部41の底面41bの外端(部位503)に対面したら、部位502から部位503に向けて、つまり、段C1から段D1に向けて(段D2を飛ばして)巻き下げ方向に巻き下がる。次に、最深段部41の底面41bにおいてこれの外端(部位503)から段D1として第1巻付方向Xに沿って、反対側の外端(部位504)まで巻線6を巻き付ける。
その後、部位504において巻線6を巻き上げ方向に向けて、つまり段D1から段D2に向けて1段(1段のみ)巻き上げると共に、部位505において巻付方向を反対とし、つまり第2巻付方向Yとし、巻線6を段D2として巻き付ける。そして、段D2として第2巻付方向Yに巻き付ける巻線6が、部位506において、既に巻き付けられた巻線6に干渉すると、干渉する巻線6を段D2から段C1に向けて巻き上げ方向に1段(1段のみ)巻き上げ、更に、巻線6の巻付方向を逆にして第1巻付方向Xとさせる。次に巻線6を第1巻付方向Xに向けて段C1として、段C1の外端(部位508)まで巻き付ける。次に、段C1の巻線6が第2中間段部32の外端(部位508)に到達すると、巻線6を段C1から段C2に向けて巻き上げ方向に1段(1段のみ)巻き上げて部位509とすると共に、第2巻付方向Yに向けて段C2として巻線6を巻き付ける。そして、段C2として第2巻付方向Yに巻き付けた巻線6が、部位510において、既に巻付けられた巻線6に干渉すると、干渉する巻線6を部位510の段C2から段B1の部位511に向けて巻き上げ方向に1段(1段のみせる。
更に段B1の巻線6が第2中間段部33の外端(部位512)に到達すると、巻線6を段B1から段B2へと巻き上げ方向に1段(1段のみ)巻き上げて部位513とすると共に、巻付方向を逆とし、つまり第2巻付方向Yとし、巻線6を段B2として巻き付ける。
そして、段B2として第2巻付方向Yに巻き付けた巻線6が、第1浅段部21の段B2の外端(部位514)に到達したら、段B2から段A1へ向けて、巻き上げ方向に1段(1段のみ)巻き上げて部位515とすると共に、巻線6の巻付方向を逆にして第1巻付方向Xとさせる。更に段A1として第2巻付方向Yに巻線6を巻き付ける。その巻線6が段A1の反対側の外端(部位516)に到達すると、巻線6を段A1から段A2に向けて巻き上げ方向に1段(1段のみ)巻き上げて部位517とすると共に、巻線6の巻付方向を逆にして第2巻付方向Yとさせる。
このようにして巻線6の巻き付けおよび巻き上げを繰り返す。更に、第1ボビン1rのうち第2ボビン1sに対向する側に形成された第1中間導出開口103fm(段A3に配置)から、第1ボビン1rの外方に導出部分6mとして導出させる。その巻線6の導出部分6mは、第2ボビン1sの第2中間導入開口101smから第2ボビン1sに導入され、第2ボビン1sに巻き付けられる。図13に示すように、第1中間導出開口103fmおよび第2中間導入開口101smは、互いに対向している。このため、第1中間導出開口103fmおよび第2中間導入開口101smとの間において、巻線6の長さが抑えられる。
第2ボビン1sにおいて第2巻線部5sは、次のようにして構成されている。すなわち、第2ボビン1sの第1最浅段部21の底面21bにおいて、これの外端(第2中間導入開口101sm)の側から内端(部位600)に向けて、段A1として第1巻付方向Xに沿って巻き付ける。そして、巻線6を段A1の内端(部位600)まで巻き終えたら、次に深い段部である第1中間段部31の底面31bの外端(部位601)に向けて、つまり段A1から段B1に向けて(段B2を飛ばして)巻き下げ方向に巻き下がる。次に、巻線6を段部B1
として第1中間段部31の底面31bにこれの内端(部位604)に向けて第1巻付方向Xに沿って巻き付ける。
次に、部位604において、つまり段B1から段C1に向けて(段C2を飛ばして)、巻き下げ方向に巻線6を巻き下げて部位605とする。巻線6を第1中間段部34の底面34bに段C1としてこれの外端(部位605)から内端(部位606)に向けて第1巻付方向Xに沿って巻き付ける。次に、部位606において、段C1から段D1に向けて(段D2を飛ばして)、巻線6を巻き下げて部位607とさせる。その巻線6を最深段部41の底面41bに段D1として外端(部位607)から、第1巻付方向Xに沿って反対側の外端(部位610)まで巻き付ける。
段D1の巻線6が最深段部41の反対側の外端(部位610)に到達したら、巻線6を段D1から段D2に向けて巻き上げ方向に1段(1段のみ)巻き上げて部位611にすると共に、第2巻付方向Yに向けて巻線6を巻き付ける。次に、部位612の巻線6が、既に巻付けられた段D2の巻線6に干渉する。すると、干渉する巻線6を部位612において段D2から段C1に向けて巻き上げ方向に1段(1段のみ)巻き上げて部位613とする。更に巻線6の巻付方向を逆にして第1巻付方向Xとさせて巻線6を、第2中間段部35の段C1と
してこれの外端(部位614)まで巻き付ける。次に、巻線6を部位614に到達させたら、部位614から部位615まで1段巻き上げると共に、第2巻付方向Yに沿って巻線6を段C2として部位616まで巻き付ける。次に、部位616の巻線が、既に巻付けられた巻線6に干渉すると、干渉する巻線6を部位616から巻き上げ方向に1段(1段のみ)巻き上げて部位617とする。更に巻線6の巻付方向を逆にして第1巻付方向Xとさせて巻線6を段B1としてこれの外端(部位618)まで巻き付ける。このような巻付を継続させる。
そして、第2ボビン1sの巻線6を、第2ボビン1sの第2中間導出開口103smから第2ボビン1の外部に導出部分6kとして導出させ、更に、導出部分6kを第1ボビン1rの第1中間導入開口101fmから導入させて第1ボビン1rの内部に進入させ、第1ボビン1rの段A4を第2巻付方向Yに沿って巻き付け、第1ボビン1rの第1導出開口103から第1ボビン1rの外部に導出させる。
このような本実施形態によれば、図13に示すように、第1ボビン1rおよび第2ボビン1sの双方にわたり1本の巻線6を連続的に巻き付けている。そして、図13に示すように、第1ボビン1rにおいて巻線6を巻き始め部位Kである第1導入開口101と、第1ボビン1rにおいて、巻線6を巻き終えて取り出す取り出し部位Hである第1導出開口103とは、第1ボビン1rの方向PAにおいて同じ側の側部1eに配置されている。このため図13に示すように、第1導入開口101および第1導出開口103の側にコネクタ類等の電気機器300を配置しておけば、巻線6の巻き始め部位Kおよび取り出し部位Hを、コネクタ類等の電気機器300に電気接続させ易い利点が得られる。
なお図13に示すように、第1ボビン1rから巻線6を導出させる第1中間導出開口103fmと、第1ボビン1rから導出された巻線6を第2ボビン1sに導入させる第2中間導入開口101smとは、互いに対向した位置に配置されている。また、第2ボビン1sから巻線6を導出させる第2中間導出開口103smと、第2ボビン1sから導出された巻線6を第1ボビン1rに導入させる第1中間導入開口101fmとは、互いに対向した位置に配置されている。このため第1ボビン1rおよび第2ボビン1sの双方に対して巻線6の巻き始めから、巻線6の取り出しまで巻線6を切断させることなく、第1ボビン1rおよび第2ボビン1sの双方に対して、巻線6を連続的に巻き付けることができる。従って第1ボビン1rの巻線6と第2ボビン1sの巻線6とを繋ぐ結線部、結線部のスペース、部品点数を廃止させることができる。結線部の廃止は信頼性の向上に繋がる。
図14は実施形態9を示す。本実施形態は実施形態1と基本的には同様の構成、同様の作用効果を有する。図14に示すように、アクチュエータ9はリニアモータを構成しており、中心線PMをもつ筒形状の固定子90と、中心線PMに沿って固定子90に対して往復移動する筒形状の可動子91とをもつ。固定子90は、中心線PMを包囲する第1巻線部5fおよび第2巻線部5sと、第1巻線部5fを保持する第1ボビン1r(第1基体)と,第2巻線部5sを保持する第2ボビン1s(第2基体)と,第1巻線部5fおよび第2巻線部5sを包囲する筒状のヨーク900とを有する。第1巻線部5fおよび第2巻線部5sの巻線6の巻回方向は逆である。第1巻線部5fを構成する巻線は、中心線PMの回りで一方向に巻き付けられている。第2巻線部5sを構成する巻線は、中心線PMの回りで他方向に巻き付けられている。第1巻線部5fおよび第2巻線部5sについて、上記した(a)〜(j)の巻付手順が実施されている。前述したように巻線6の占有率を高め得るため、アクチュエータの起磁力を高めることができ、アクチュエータの出力を高めることができる。
図14に示すように、可動子91は、鉄芯となる内筒部910と、永久磁石で形成された外筒部912をもつ。外筒部912は、中心線PMに沿って直列に配置された筒形状をなす第1磁石部914および第2磁石部915とをもつ。第1磁石部914の内周面は第1磁極(S極)とされ、第1磁石部914の外周面は第2磁極(N極)とされている。第2磁石部915の内周面は第2磁極(N極)とされ、第2磁石部915の外周面は第1磁極(S極)とされている。
所定の周波数の交流電流を巻線6に流すと、固定子90には第1形態および第2形態が繰り返して発生する。第1形態では、図14に示すようにヨーク900の中央部にはN極が発生すると共に、ヨーク900の両端部にはS極が発生する。第2形態では、逆にヨーク900の中央部にはS極が発生すると共に、ヨーク900の両端部にN極が発生する。これにより可動子91が中心線PMに沿って往復移動する。
なお、本発明の実施形態では、段部の段数を3段として説明したが、これに限定されるものではなく、2段以上の段数であれば、本発明が適用できる。
1 ボビン(基体)
1e 一方の側部
1f 他方の側部
1r 第1ボビン(第1基体)
1s 第2ボビン(第2基体)
2 段付部
5 巻線部
5f 第1巻線部
5s 第2巻線部
6 巻線
21 第1最浅段部
22 第2最浅段部
31 第1中間段部
32 第2中間段部
41 最深段部
73 スロープ
73a 四角溝
101 導入開口
103 導出開口
103fm 第1中間導出開口
101sm 第2中間導入開口
H 取り出し部位、
K 巻き始め部位
P1 中心軸芯
P4 直交線、
X 第1巻付方向
Y 第2巻付方向

Claims (9)

  1. 中心軸芯の回りの周方向に形成され深さ方向に複数の階段状の段部を有する段付部を備える基体と、前記基体の前記段付部に周方向に巻き付けられた巻線で形成された巻線部とを具備する巻線構造体であって、前記基体の前記中心軸芯を通る平面での断面において、前記段付部は、前記中心軸芯が延びる方向の一方の端側に配置され深さ方向の深さが最も浅い最浅段部と、深さ方向の深さが最も深い最深段部とを含み、各前記段部の底面のうち、前記中心軸芯が延びる方向における端側を外端と定義し、前記巻線の段が巻き下がる部位を内端と定義するとき、前記巻線部は、前記最浅段部の前記底面においてこれの外端の側から内端に向けて前記巻線を巻き始めることにより構成されていることを特徴とする巻線構造体。
  2. 請求項1において、前記最浅段部の底面においてこれの外端から内端に向かう巻付方向と平行な方向を第1巻付方向と定義し、前記第1巻付方向と反対の方向方向を第2巻付方向と定義するとき、前記巻線部は、前記最浅段部の底面においてこれの外端の側から内端に向けて前記巻線を前記第1巻付方向に沿って巻き始め、前記最浅段部の底面をこれの外端から内端まで巻き終えたら、前記段付部のうち次に深い段部の底面の外端に巻き下がり、前記次に深い段部の底面にこれの外端から前記第1巻付方向に沿って巻き付ける巻回操作を終え、前記巻線が前記最深段部の前記底面の外端に到達したら、前記最深段部の底面においてこれの外端から反対側の外端に向けて前記第1巻付方向に沿って前記巻線を巻き付け、前記最深段部の底面において巻線を巻き終えたら、前記巻線を1段巻き上げると共に第2巻付方向に巻線を巻き付け、前記第2巻付方向に巻き付ける前記巻線が、既に巻き付けられた前記巻線に干渉すると、干渉する前記巻線を1段巻き上げると共に前記巻線の巻付方向を逆にして前記第1巻付方向とさせて前記巻線を巻き付けることにより構成されていることを特徴とす
    る巻線構造体。
  3. 請求項1において、前記基体の前記中心軸芯を通る平面での断面において、前記段付部は、前記中心軸芯が延びる方向の一方の端側に配置され深さ方向の深さが最も浅い第1最浅段部と、前記中心軸芯が延びる方向の他方の端側に配置され深さ方向の深さが前記第1最浅段部の深さに対応する第2最浅段部と、前記中心軸芯が延びる方向において前記第1最浅段部と前記第2最浅段部との間に設けられ深さ方向の深さが最も深い最深段部とを備えており、前記巻線部は、前記第1最浅段部の底面においてこれの外端の側から内端に向けて前記第1巻付方向に沿って前記巻線を巻き付け、前記第1最浅段部の底面をこれの内端まで巻き終えたら、前記段付部のうち次に深い段部の底面の外端に巻き下がり、前記次に深い段部の底面をこれの外端から内端に向けて前記第1巻付方向に沿って巻き付ける巻回操作を終え、前記巻線が前記最深段部の底面の外端に到達したら、前記最深段部の底面においてこれの外端から反対側の外端に向けて第1巻付方向に沿って前記巻線を巻き付け、前記最深段部の底面において前記巻線を巻き終えたら、前記巻線を1段巻き上げると共に前記第2巻付方向に沿って前記巻線を巻き付け、前記第2巻付方向に巻き付ける巻線が、既に巻き付けられた前記巻線に干渉すると、干渉する前記巻線を1段巻き上げると共に前記巻線の巻付方向を逆にして前記第1巻付方向とさせて前記巻線を巻き付けることにより構成されていることを特徴とする巻線構造体。
  4. 請求項1〜請求項3のうちの一項において、前記基体において、前記巻線を巻き始める開始部位と、前記巻線を巻き終える終了部位とは、前記基体の前記中心軸線が延設される方向において同じ側に配置されていることを特徴とする巻線構造体。
  5. 請求項1〜4のうちの一項において、前記基体の前記段付部は、深さが相対的に浅い段部から深さが相対的に深い段部に前記巻線を巻き下げるための巻き下げ用のスロープと、深さが相対的に深い段部から深さが相対的に浅い段部に前記巻線を巻き上げるための巻き上げ用のスロープ巻き上げ用のスロープとのうちの少なくとも一方を有することを特徴とする巻線構造体。
  6. 請求項5において、前記スロープは、前記基体の前記中心軸芯を通る平面での断面において、溝形状を呈することを特徴とする巻線構造体。
  7. 請求項1〜5のうちの一項において、前記基体は、前記中心軸芯の回りの周方向に形成され深さ方向に複数の階段状の段部を有する第1段付部を備える第1基体と、前記第1基体に対して離間しており、前記中心軸芯の回りの周方向
    に形成され深さ方向に複数の階段状の段部を有する第2段付部を備える第2基体とを具備しており、前記巻線部は、前記第1基体の前記第1段付部に周方向に巻き付けられた前記巻線で形成された第1巻線部と、前記第2基体の前記第2段付部に周方向に巻き付けられた巻線で形成された第2巻線部とを備えており、前記基体の前記中心軸芯を通る平面での断面において、前記第1基体の前記第1段付部は、前記第1基体の前記中心軸芯が延びる方向の一方の端側に配置され深さ方向の深さが最も浅い最浅段部と、深さ方向の深さが最も深い最深段部とを含み、前記第1基体において各段部の底面のうち、前記第1基体の前記中心軸芯が延びる方向における端側を外端と定義し、前記巻線の段が巻き下がる部位を内端と定義し、前記第1基体の前記最浅段部の底面においてこれの外端から内端に向かう巻付方向と平行な方向を第1巻付方向と定義し、前記第1巻付方向と反対の方向を第2巻付方向と定義するとき、前記第1基体の前記第1巻線部は、請求項1〜5のうちの一項に係る巻線構造体における巻線構造で巻き付けられており、且つ、前記第2基体の前記第2巻線部は、請求項1〜5のうちの一項に係る巻線構造体における巻線構造で巻き付けられていることを特徴とする巻線構造体。
  8. 請求項7において、前記第1段付部および前記第2段付部は、深さが相対的に浅い段部から深さが相対的に深い段部に前記巻線を巻き下げるための巻き下げ用のスロープと、深さが相対的に深い段部から深さが相対的に浅い段部に前記巻線を巻き上げるための巻き上げ用のスロープ巻き上げ用のスロープとのうちの少なくとも一方を有することを特徴とする巻線構造体。
  9. 請求項8において、前記スロープは、前記第1基体および前記第2基体の前記中心軸芯を通る平面での断面において、溝形状を呈することを特徴とする巻線構造体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015119050A (ja) * 2013-12-18 2015-06-25 アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 電磁駆動装置および電磁弁
JP2016100454A (ja) * 2014-11-21 2016-05-30 東光株式会社 表面実装インダクタ及びその製造方法

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