JP2010170340A - 画像処理装置および方法、並びにプログラム - Google Patents

画像処理装置および方法、並びにプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】超解像処理により得られる画像の画質を向上させる。
【解決手段】画像処理装置61は、入力された現フレームのLR画像と、現フレームよりも前のフレームのLR画像に対する超解像処理により得られた、LR画像よりも解像度の高いSR画像とから、現フレームのSR画像を生成する。SR画像の生成時には、ダウンサンプリング部77およびダウンサンプリング部79により、現フレームのSR画像を予測して得られた混合画像の所定の位相の画素からなる縮小画像が生成され、加算部82により、縮小画像とLR画像との差分がアップサンプリングされたものが混合画像に加算されてSR画像とされる。縮小画像の生成に用いる混合画像の画素の位相を、フレームごとに変化させることにより、ノイズの蓄積が抑制され、SR画像の画質を向上させることができる。本発明は、画像処理装置に適用することができる。
【選択図】図8

Description

本発明は画像処理装置および方法、並びにプログラムに関し、特に、入力された画像を、より解像度の高い画像に変換する場合に用いて好適な画像処理装置および方法、並びにプログラムに関する。
従来、入力された画像から、より解像度の高い画像を得る方法として、超解像と呼ばれる方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
例えば、超解像のバックプロジェクションと呼ばれる手法では、図1に示すように、画像処理装置11に入力された、動画像等の連続したフレームの画像が、より解像度の高い画像に変換されて出力される。なお、以下、画像処理装置11に入力される、解像度の低い画像をLR(Low Resolution)画像と称し、画像処理装置11から出力される、より解像度の高い画像をSR(Super Resolution)画像と称する。
入力されたLR画像は、アップサンプリング部21により、SR画像と同じ解像度の画像にアップサンプリングされて、動きベクトル検出部22、マスク生成部23、および混合部24に供給される。また、画像処理装置11には、現時点において処理対象となっているフレームの時間的に直前のフレームのLR画像から得られたSR画像が保持されるバッファ25が設けられている。バッファ25に供給されたSR画像は、1フレーム分の時間だけ保持されて、動きベクトル検出部22および動き補償部26に供給される。
動きベクトル検出部22は、アップサンプリング部21からのLR画像と、バッファ25からのSR画像とから動きベクトルを検出し、動き補償部26は、動きベクトル検出部22からの動きベクトルと、バッファ25からのSR画像とを用いて動き補償を行う。すなわち、動き補償部26は、処理対象の現フレームの直前のフレームのSR画像を用いて、現フレームのLR画像から得られるSR画像を予測し、その結果得られた画像を予測画像として、マスク生成部23および混合部24に供給する。
マスク生成部23は、アップサンプリング部21からのLR画像と、動き補償部26からの予測画像とを用いて、モーションマスクを生成する。このモーションマスクは、LR画像上の動きのある被写体の表示される領域を特定するための情報であり、LR画像と予測画像との差分を求めることにより生成される。
混合部24は、マスク生成部23から供給されたモーションマスクを用いて、動き補償部26からの予測画像と、アップサンプリング部21からのLR画像とを混合し、その結果得られた混合画像をダウンサンプリング部27および加算部28に供給する。すなわち、LR画像と予測画像とがモーションマスクにより定まる重みにより重み付き加算されて、混合画像とされる。混合画像の生成時において、動きのある領域では、LR画像の寄与率がより大きくなるように重みが定められ、動きのある領域で生じた予測の誤差によるSR画像の画質の劣化が抑制される。
このようにして得られた混合画像は、ダウンサンプリング部27によりダウンサンプリングされ、その結果得られた縮小画像が減算部29に供給される。この縮小画像は、LR画像と同じ解像度の画像である。
減算部29は、画像処理装置11に供給されたLR画像と、縮小画像との差分を求めることにより差分画像を生成し、アップサンプリング部30は、その差分画像をSR画像と同じ解像度にアップサンプリングして、その結果得られた画像を拡大画像とする。さらに、加算部28は、拡大画像と混合画像とを加算して、これにより得られた画像を現フレームのSR画像として出力するとともに、バッファ25に供給して保持させる。
画像処理装置11では、図2に示すように、現フレームのSR画像を予測して得られた混合画像P11が、ダウンサンプリングされて縮小画像P12とされ、この縮小画像P12と、LR画像P13との差分が、差分画像P14とされる。この差分画像P14は、現フレームのLR画像P13に対する、予測により得られた現フレームのLR画像である縮小画像P12の誤差を示す画像である。換言すれば、差分画像P14は、本来得られるべき現フレームのSR画像に対する、予測されたSR画像である混合画像P11の誤差ということができる。
したがって、縮小画像P14をアップサンプリングして混合画像P11に加算することで、本来得られるべきSR画像に、より近い画像が得られるはずである。つまり、得られたSR画像は、画質を劣化させることなく、より忠実にLR画像を拡大した画像となるはずである。
このように、バックプロジェクションでは、予測により得られた混合画像に対して、求められた誤差を示す拡大画像が加算されてSR画像とされる。
特開2008−140012号公報
ところで、バックプロジェクションでは、混合画像から縮小画像を生成する場合、混合画像における予め定められた位相(位置)の画素がサンプリングされ、それらのサンプリングされた画素からなる画像が縮小画像とされる。
サンプリング定理によれば、ナイキスト周波数の信号は、その振幅、位相が正しく保存されないので、混合画像のサンプリングされる画素の位相によっては、縮小画像の生成時に混合画像の波形が正しく保存されなくなってしまうことがある。
例えば、混合画像の波形、つまり混合画像の所定方向における画素の画素値の変化が、図3に示すような形状であったとする。なお、図3において、縦方向は画像における画素の画素値を示しており、横方向は画像における所定の方向を示している。また、1つの円は画像の画素を表している。
図3では、矢印A11により示される波形が混合画像の波形を示している。つまり、混合画像の互いに隣接する画素(の画素値)を結ぶ曲線が、その混合画像の波形とされる。
図中、混合画像における画素値の最大値と最小値との間の値を中間値と呼ぶこととすると、混合画像では、中間値の画素、最大値の画素、中間値の画素、および最小値の画素の順番で、それらの画素値を有する画素が図中、横方向に繰り返し並んでいる。すなわち、図3の例では、混合画像の波形は正弦波形状となっている。
いま、混合画像の画素を図中、横方向に1画素おきにサンプリングして縮小画像を生成することとする。
例えば、混合画像の図中、左端から2番目の画素をサンプリングされる画素とし、その画素を含めて、横方向に1画素おきにサンプリングして縮小画像を生成すると、混合画像の矢印A12に示す画素がサンプリングされることになる。矢印A12に示される混合画像の画素は、最大値または最小値の何れかの値を画素値として有しており、縮小画像の波形は、混合画像の波形と同じ正弦波形状となる。
これに対して、例えば、矢印A11に示す混合画像の図中、左端の画素をサンプリングされる画素とし、その画素を含めて、横方向に1画素おきにサンプリングして縮小画像を生成すると、混合画像の矢印A13に示す画素がサンプリングされることになる。矢印A13に示される混合画像の画素は、中間値を画素値として有しており、縮小画像の波形は、混合画像の波形とは異なり、振幅のない平坦な形状となる。
このように、混合画像のナイキスト周波数、つまり混合画像の半分の周波数で混合画像の画素をサンプリングして縮小画像を生成すると、サンプリング位置によっては、得られた縮小画像において、もとの混合画像の波形が正しく保存されなくなってしまう。
縮小画像において、予測により得られた混合画像の波形が正しく保存されないと、縮小画像とLR画像との差分を求めても、混合画像とLR画像との誤差を正しく検出することができなくなり、検出されなかった誤差がSR画像に蓄積してしまうことになる。
例えば、図4に示すように、縮小画像の生成時に混合画像の波形が正しく保存されると、混合画像における誤差が修正され、LR画像の波形が正しく保存されたSR画像が得られる。なお、図4において、縦方向は画像における画素の画素値を示しており、横方向は画像における所定の方向を示している。また、矢印A21乃至矢印A27は、混合画像、混合画像上のサンプリングされる画素、縮小画像、LR画像、差分画像、拡大画像、およびSR画像を示しており、図中、1つの円は画像上の1つの画素を表している。
矢印A21に示すように、図3に示した波形と同じ波形の混合画像が予測により得られ、矢印A22に示すように、混合画像上の画素のうち、画素値として最大値を有する画素、および最小値を有する画素がサンプリングされて、縮小画像が生成されたとする。
この場合、矢印A23に示すように、混合画像の正弦波形状の波形が保存された、もとの混合画像と同じ波形の縮小画像が得られる。また、矢印A24に示すように、LR画像の波形が図中、横方向に変化のない平坦な形状であり、LR画像の画素の画素値が、縮小画像の画素の画素値の最大値と最小値との間の中間値であったとする。
このような縮小画像とLR画像との差分が減算部29において求められると、矢印A25に示す波形の差分画像が得られる。この差分画像の波形は、中間値の位置を基準(中心)として、縮小画像の波形を図中、上下方向に反転させたような形状となっている。
このような差分画像をアップサンプリングすると、矢印A26に示すように、もとの差分画像の波形が保存された拡大画像が得られる。そして、この拡大画像が加算部28において、矢印A21に示した混合画像に加算されると、混合画像生成時に生じた誤差が修正されて、矢印A27に示すように、LR画像と同じ波形のSR画像が得られる。
このように、バックプロジェクションでは、縮小画像の生成時に、もとの混合画像の波形を正しく保存することができれば、画質を劣化させずにLR画像の解像度をより高くすることができる。
これに対して、例えば、図5に示すように、縮小画像の生成時に混合画像の波形が正しく保存されないと、混合画像における誤差が修正されず、得られたSR画像は、特定の位相に誤差が蓄積されたものとなる。なお、図5において、縦方向は画像における画素の画素値を示しており、横方向は画像における所定の方向を示している。また、矢印A31乃至矢印A37は、混合画像、混合画像上のサンプリングされる画素、縮小画像、LR画像、差分画像、拡大画像、およびSR画像を示しており、図中、1つの円は画像上の1つの画素を表している。
矢印A31に示すように、図3に示した波形と同じ波形の混合画像が予測により得られ、矢印A32に示すように、混合画像上の画素のうち、画素値として中間値を有する画素がサンプリングされて、縮小画像が生成されたとする。
この場合、矢印A33に示すように、混合画像の正弦波形状の波形が保存されず、縮小画像の波形は、画素値の変化のない平坦な形状となる。また、矢印A34に示すように、LR画像の波形が図中、横方向に変化のない平坦な形状であり、LR画像の各画素の画素値が中間値であったとする。
このような縮小画像とLR画像との差分が減算部29において求められると、矢印A35に示す波形の差分画像が得られる。この差分画像の波形は図中、横方向に平坦な形状となり、各画素の画素値は同じ値となる。図5の例では、本来、混合画像の最大値および最小値の画素の位相において、最大値または最小値と中間値との差分値が誤差として検出されるべきであるが、縮小画像の生成時のサンプリング位置が適切でないために、この誤差が検出されない。
差分画像をアップサンプリングすると、矢印A36に示すように、もとの差分画像の波形が保存された拡大画像が得られる。そして、この拡大画像が加算部28において、矢印A31に示した混合画像に加算されると、混合画像生成時に生じた誤差が修正されず、矢印A37に示すように、LR画像とは異なる波形のSR画像が得られる。すなわち、SR画像では、混合画像の生成時において生じた特定の位相における誤差が除去されずに、そのまま残ることになる。
しかも、得られたSR画像は、次のフレームのSR画像の予測にそのまま用いられるため、誤差を除去することのできない特定の周波数の特定の位相では、各フレームで生じた誤差、つまり予測により生じたノイズが、SR画像に蓄積されていくことになる。バックプロジェクションでは、縮小画像の生成時に、各フレームの混合画像における、予め定められた位相の画素がサンプリングされるため、混合画像におけるサンプリングされない画素の位置(位相)に誤差が蓄積してしまう恐れがある。
このように、SR画像に各フレームで生じた誤差が蓄積されると、各フレームのSR画像の画質が劣化してしまう。例えば、図5の例では、SR画像における図中、横方向と垂直な方向に長い直線状のノイズ、つまり櫛状のノイズが生じる。
また、超解像には、SR画像へのノイズの蓄積を抑制する手法として、マップ法と呼ばれる手法がある。マップ法では、画像が空間方向に強い相関を有するという特性を利用して、SR画像を予測して得られた画像に対し、LR画像との誤差に空間的な制約を持たせてフィードバックをかけるため、ノイズの蓄積が防止される。しかしながら、マップ法では、ノイズの蓄積は抑制できるがエッジ部分がなまってしまうため、SR画像がぼけて画質が劣化してしまう。
以上のように、超解像では、LR画像からSR画像を得る場合に、SR画像の画質の劣化を抑制することは困難であった。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、入力された画像を、より解像度の高い画像に変換しようとする場合に、より画像の画質を向上させることができるようにするものである。
本発明の一側面の画像処理装置は、第1の解像度の入力画像を、より解像度の高い第2の解像度の出力画像に変換する超解像処理を、時間的に連続する複数の前記入力画像に対して行う画像処理装置であって、処理対象の時刻の前記入力画像と、前記処理対象の時刻よりも時間的に前の時刻の入力画像に対する前記超解像処理により得られた前記出力画像とを用いて、前記処理対象の時刻の前記第2の解像度の前記出力画像を予測する予測手段と、前記予測手段による予測により得られた予測画像を用いて、処理対象の時刻によって前記予測画像の異なる位相の画素からなる前記第1の解像度の縮小画像を生成する生成手段と、前記処理対象の時刻の前記入力画像と、前記縮小画像との差分を求める差分算出手段と、前記第2の解像度にアップサンプリングされた前記差分を、前記予測画像に加算することで、前記処理対象の時刻の前記第2の解像度の前記出力画像を生成する加算手段とを備える。
前記生成手段には、予め定められた所定のパターンで、時刻ごとに前記縮小画像を生成するときの前記予測画像の画素の位相を変化させることができる。
前記生成手段には、前記予測画像の画素の位相を選択する選択手段と、前記予測画像から、前記選択手段により選択された位相の画素をサンプリングすることにより、前記縮小画像を生成するサンプリング手段とを設けることができる。
前記生成手段には、前記予測画像の画素の位相を選択する選択手段と、前記予測画像における、前記選択手段により選択された位相の画素近傍のいくつかの画素を用いたフィルタ処理により、前記選択された位相の画素を生成することで、前記縮小画像を生成するフィルタ処理手段とを設けることができる。
前記生成手段には、前記予測画像の予め定められた基準となる位相から、所定の方向に所定の距離だけ離れた位相の画素からなる前記縮小画像を生成させ、さらに、前記第2の解像度にアップサンプリングされた前記差分の位相を、前記所定の方向に前記所定の距離だけずらす位相制御手段を設けることができる。
前記入力画像をインターレース形式の画像とし、前記生成手段には、前記処理対象の時刻の前記入力画像がトップフィールドの画像であるか、ボトムフィールドの画像であるかに応じて、前記予測画像の出力先を切り替える切替手段と、前記切替手段から出力された、トップフィールドの前記入力画像から得られた前記予測画像の画素の位相を選択する第1の選択手段と、前記予測画像から、前記第1の選択手段により選択された位相の画素をサンプリングすることにより、前記縮小画像を生成する第1のサンプリング手段と、前記切替手段から出力された、ボトムフィールドの前記入力画像から得られた前記予測画像の画素の位相を選択する第2の選択手段と、前記予測画像から、前記第2の選択手段により選択された位相の画素をサンプリングすることにより、前記縮小画像を生成する第2のサンプリング手段とを設けることができる。
前記第1の選択手段および前記第2の選択手段には、それぞれ独立に、予め定められたパターンで、フィールドごとに前記縮小画像を生成するときの前記予測画像の画素の位相を変化させることができる。
前記生成手段には、前記予測画像の各画素を所定の方向に所定の距離だけ移動させて、前記予測画像の画素の位相をずらす位相制御手段と、前記位相制御手段により位相がずらされた前記予測画像における、予め定められた位相の画素からなる前記縮小画像を生成する縮小画像生成手段とを設け、前記位相制御手段には、予め定められた所定のパターンで、時刻ごとに前記予測画像の画素の位相をずらす方向を変化させることができる。
本発明の一側面の画像処理方法またはプログラムは、第1の解像度の入力画像を、より解像度の高い第2の解像度の出力画像に変換する超解像処理を、時間的に連続する複数の前記入力画像に対して行う画像処理方法またはプログラムであって、処理対象の時刻の前記入力画像と、前記処理対象の時刻よりも時間的に前の時刻の入力画像に対する前記超解像処理により得られた前記出力画像とを用いて、前記処理対象の時刻の前記第2の解像度の前記出力画像を予測し、前記予測により得られた予測画像を用いて、処理対象の時刻によって前記予測画像の異なる位相の画素からなる前記第1の解像度の縮小画像を生成し、前記処理対象の時刻の前記入力画像と、前記縮小画像との差分を求め、前記第2の解像度にアップサンプリングされた前記差分を、前記予測画像に加算することで、前記処理対象の時刻の前記第2の解像度の前記出力画像を生成するステップを含む。
本発明の一側面においては、第1の解像度の入力画像を、より解像度の高い第2の解像度の出力画像に変換する超解像処理を、時間的に連続する複数の前記入力画像に対して行う場合に、処理対象の時刻の前記入力画像と、前記処理対象の時刻よりも時間的に前の時刻の入力画像に対する前記超解像処理により得られた前記出力画像とが用いられて、前記処理対象の時刻の前記第2の解像度の前記出力画像が予測され、前記予測により得られた予測画像が用いられて、処理対象の時刻によって前記予測画像の異なる位相の画素からなる前記第1の解像度の縮小画像が生成され、前記処理対象の時刻の前記入力画像と、前記縮小画像との差分が求められ、前記第2の解像度にアップサンプリングされた前記差分が、前記予測画像に加算されて、前記処理対象の時刻の前記第2の解像度の前記出力画像が生成される。
本発明の一側面によれば、入力された画像を、より解像度の高い画像に変換しようとする場合に、より画像の画質を向上させることができる。
従来の画像処理装置の構成を示す図である。 従来の画像処理装置における差分画像の生成を説明する図である。 従来の縮小画像の生成を説明する図である。 従来の縮小画像の生成時に、画像の波形が保存される場合の例を説明する図である。 従来の縮小画像の生成時に、画像の波形が保存されない場合の例を説明する図である。 本願発明を適用した画像処理装置の処理の概要を説明する図である。 本願発明を適用した画像処理装置の処理の概要を説明する図である。 本願発明を適用した画像処理装置の一実施の形態の構成例を示す図である。 縮小画像の生成に用いる画素の位相について説明する図である。 縮小画像の生成に用いる画素の位相の変化について説明する図である。 画像変換処理について説明するフローチャートである。 本願発明を適用した画像処理装置の他の構成例を示す図である。 縮小画像生成時のフィルタ処理について説明する図である。 縮小画像生成時のフィルタ処理について説明する図である。 縮小画像生成時のフィルタ処理について説明する図である。 画像変換処理について説明するフローチャートである。 SR画像生成時に生じる新たな誤差について説明する図である。 SR画像生成時における新たな誤差の発生の抑制について説明する図である。 本願発明を適用した画像処理装置の他の構成例を示す図である。 画像変換処理について説明するフローチャートである。 本願発明を適用した画像処理装置の他の構成例を示す図である。 縮小画像の生成に用いる画素の位相について説明する図である。 縮小画像の生成に用いる画素の位相の変化について説明する図である。 画像変換処理について説明するフローチャートである。 本願発明を適用した画像処理装置の他の構成例を示す図である。 2次元のフィルタ処理について説明する図である。 画像変換処理について説明するフローチャートである。 混合画像の各画素の位相のずらしについて説明する図である。 本願発明を適用した画像処理装置の他の構成例を示す図である。 画像変換処理について説明するフローチャートである。 コンピュータの構成例を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明を適用した実施の形態について説明する。
〈画像処理装置の処理の概要〉
まず、本発明を適用した画像処理装置が行う処理の概要について説明する。
画像処理装置には、例えば、動画像等の時間的に連続する画像(以下、LR画像と称する)が入力される。そして画像処理装置では、LR画像が超解像処理により、LR画像よりも解像度の高い画像(以下、SR画像と称する)に変換されて出力される。このSR画像は、LR画像を拡大した画像である。なお、LR画像は動画像でなくてもよく、時間的に連続する、互いに異なる時刻に撮像された同じ被写体を含む複数の画像などとされてもよい。
具体的には、画像処理装置は、処理対象の現フレーム(時刻)のLR画像と、現フレームよりも時間的に前のフレーム(時刻)のLR画像から得られたSR画像とを用いて、現フレームのSR画像を予測し、予測により得られた画像を混合画像とする。そして、画像処理装置は、混合画像をダウンサンプリングして縮小画像とし、縮小画像とLR画像との差分を求めて得られた差分画像をアップサンプリングして混合画像に加算することで、現フレームのSR画像を得る。
画像処理装置は、例えば図6に示すように、縮小画像の生成時において、縮小画像の生成に用いる混合画像の画素として、フレームごとに異なる位相の画素を選択することにより、SR画像へのノイズの蓄積を抑制している。なお、図6において、縦方向は画像における画素の画素値を示しており、横方向は画像における所定の方向を示している。また、図中、1つの円は画像上の1つの画素を表している。
図6では、矢印A51により示される波形が現フレームの混合画像の波形を示している。つまり、混合画像の互いに隣接する画素(の画素値)を結ぶ曲線が、その混合画像の波形とされる。
図中、混合画像における画素値の最大値と最小値との間の値を中間値と呼ぶこととすると、混合画像では、中間値の画素、最大値の画素、中間値の画素、および最小値の画素の順番で、それらの画素値を有する画素が図中、横方向に繰り返し並んでいる。すなわち、図6の例では、混合画像の波形は正弦波形状となっている。
いま、混合画像の画素を図中、横方向に1画素おきにサンプリングして縮小画像を生成することとする。
例えば現フレームにおいては、矢印A52に示されるように、矢印A51に示す混合画像の図中、左端から3番目の画素をサンプリングされる画素とし、その画素を含めて、右方向に1画素おきに混合画像の画素がサンプリングされて縮小画像が生成されるとする。この場合、得られた縮小画像の波形は、図中、横方向に変化のない平坦な形状となり、もとの混合画像の波形は正しく保存されない。
また、矢印A53に示すように、現フレームのLR画像の波形が図中、横方向に変化のない平坦な形状であったとすると、縮小画像とLR画像との差分を求めることにより、矢印A54に示す波形の差分画像が得られる。この差分画像の波形は、図中、横方向に平坦な形状であり、差分画像では、混合画像において生じた誤差は検出されていない。
そのため、この差分画像は、LR画像に対する混合画像の誤差の補正値として、アップサンプリングされて混合画像に加算されるが、加算により得られるSR画像からは、その誤差、つまりノイズは除去されていない。なお、以下、各画像において図中、右方向に対応する方向をx方向とも称することとする。
このようにして得られたSR画像は、次のフレームの混合画像の生成に用いられる。例えば、矢印A54に示した差分画像を用いて得られたSR画像を用いて、次のフレームの混合画像を生成した結果、矢印A55に示す波形の混合画像が得られたとする。矢印A55に示す混合画像は、矢印A51に示す混合画像と同じ波形の画像となっている。
画像処理装置は、矢印A55に示す混合画像を用いて、矢印A56に示すように、その混合画像における所定の位相の画素からなる縮小画像を生成する。なお、矢印A56に示す混合画像における点線で表された円は、直前のフレームにおいて縮小画像を生成するときにサンプリングされた画素の位置を表している。つまり矢印A51に示した混合画像において、縮小画像を生成するのに用いられた画素と同じ位相の画素を表している。
矢印A56により示される例では、混合画像における、前のフレームで縮小画像の生成時に用いられた画素の図中、左側に隣接する画素が、今回処理対象となるフレームでの縮小画像の生成に用いられている。画像処理装置では、これらの画素からなる縮小画像が生成され、その縮小画像の波形は、矢印A55に示す混合画像の波形と同じ形状、つまり正弦波形状となる。換言すれば、この縮小画像では、もとの混合画像の波形が正しく保存されている。
また、矢印A57に示すように、新たに処理対象となったフレームのLR画像の波形がx方向に変化のない平坦な形状であったとすると、縮小画像とLR画像との差分を求めることにより、矢印A58に示す波形の差分画像が得られる。この差分画像の波形は、矢印A55に示した混合画像の波形を、その波形の画素値方向(縦方向)の中央の位置を基準(中心)として、図中、上下方向に反転させたような形状となっている。
このフレームの縮小画像では、もとの混合画像の波形が正しく保存されているので、矢印A58に示す差分画像の波形は、混合画像とLR画像との誤差を示す形状となる。したがって、この差分画像を矢印A55に示した混合画像に加算すると、誤差(ノイズ)の除去された、より画質の高いSR画像が得られる。
さらに、このSR画像は次のフレームの混合画像の生成に用いられる。このSR画像は、ノイズが除去されたものであるため、SR画像から得られる混合画像は、例えば矢印A59に示すように、本来のSR画像に近い波形の混合画像となる。
矢印A59に示す混合画像の波形は、x方向に変化のない平坦な形状となっている。画像処理装置では、矢印A60に示すように、混合画像における矢印A52に示したフレームにおいて縮小画像を生成するのに用いられた画素と同じ位相の画素が用いられ、それらの画素からなる縮小画像が生成される。その結果、得られる縮小画像は、もとの混合画像の波形が正しく保存された波形の画像となる。
また、矢印A61に示すように、今回、新たに処理対象となったフレームのLR画像の波形がx方向に変化のない平坦な形状であったとすると、縮小画像とLR画像との差分を求めることにより、矢印A62に示す波形の差分画像が得られる。この差分画像の波形は、x方向に変化のない平坦な形状となっている。
このフレームの縮小画像では、もとの混合画像の波形が正しく保存されているので、矢印A62に示す波形の差分画像と、矢印A59に示した混合画像とを加算すると、ノイズのない、より画質の高いSR画像が得られる。
さらに、このようにして得られたSR画像から、次のフレームにおいて矢印A63に示すように、波形がx方向に平坦な形状の混合画像が得られたとする。そして、矢印A64に示すように、矢印A63に示した混合画像における所定の位相の画素からなる縮小画像が生成される。なお、矢印A64に示す混合画像における点線で表された円は、矢印A52に示すフレームの混合画像において縮小画像を生成するときにサンプリングされた画素の位置を表している。
矢印A64に示されるフレームの混合画像では、矢印A52に示したフレームの混合画像から縮小画像を生成するときに用いられた画素の図中、右側に隣接する画素が、縮小画像の生成に用いられている。画像処理装置では、これらの画素からなる縮小画像が生成され、その縮小画像の波形は、矢印A63に示す混合画像の波形と同じ形状となる。
また、矢印A65に示すように、今回、新たに処理対象となったフレームのLR画像の波形がx方向に変化のない平坦な形状であったとすると、縮小画像とLR画像との差分を求めることにより、矢印A66に示す波形の差分画像が得られる。この差分画像の波形は、x方向に変化のない平坦な形状となっている。
このフレームの縮小画像では、もとの混合画像の波形が正しく保存されているので、矢印A66に示す波形の差分画像と、矢印A63に示した混合画像とを加算すると、ノイズのない、より画質の高いSR画像が得られる。
このように、フレームによって、縮小画像の生成に用いる混合画像の画素の位相を変化させることで、特定の位相で生じた誤差(ノイズ)が蓄積されることを防止することができ、最終的に得られるSR画像の画質が向上する。
なお、フレーム(時刻)ごとに縮小画像の生成に用いる画素の位相を変化させると、例えば図7に示すように、一時的に混合画像のノイズが増幅されることがある。ここで、図7において、縦方向は画像における画素の画素値を示しており、右方向は画像におけるx方向を示している。また、図中、1つの円は画像上の1つの画素を表している。
図7では、矢印A81により示される波形が現フレームの混合画像の波形を示している。矢印A81に示される混合画像の波形は、図6の矢印A51に示した混合画像の波形と同じ形状である。
いま、矢印A82に示すように、矢印A81に示した混合画像における図中、左端から3番目の画素をサンプリングされる画素とし、その画素を含めて、x方向に1画素おきにサンプリングして縮小画像を生成することとする。そのような場合、得られた縮小画像の波形は、x方向に変化のない平坦な形状となり、もとの混合画像の波形は正しく保存されていない。
また、矢印A83に示すように、現フレームのLR画像の波形がx方向に変化のない平坦な形状であったとすると、縮小画像とLR画像との差分を求めることにより、矢印A84に示す波形の差分画像が得られる。この差分画像の波形はx方向に平坦な形状であり、差分画像では、混合画像において生じた誤差は検出されていない。そのため、差分画像が混合画像に加算されて得られるSR画像からは、その誤差、つまりノイズは除去されない。
このようにして得られたSR画像は、次のフレームの混合画像の生成に用いられる。例えば、矢印A84に示した差分画像を用いて得られたSR画像を用いて、次のフレームの混合画像を生成した結果、矢印A85に示す波形の混合画像が得られたとする。矢印A85に示す混合画像は、矢印A81に示す混合画像と同じ波形の画像となっている。
画像処理装置は、矢印A85に示す混合画像を用いて、矢印A86に示すように、その混合画像における所定の位相の画素からなる縮小画像を生成する。なお、矢印A86に示す混合画像における点線で表された円は、直前のフレームにおいて縮小画像を生成するときにサンプリングされた画素の位置を表している。つまり矢印A81に示した混合画像において、縮小画像を生成するのに用いられた画素と同じ位相の画素を表している。
矢印A86により示される例では、混合画像における、前のフレームで縮小画像の生成時に用いられた画素の図中、右側に隣接する画素が、今回処理対象となるフレームでの縮小画像の生成に用いられている。画像処理装置では、これらの画素からなる縮小画像が生成され、その縮小画像の波形は、矢印A85に示す混合画像の波形とほぼ同じ形状、つまり正弦波形状となる。但し、この縮小画像では、混合画像上の被写体が縮小画像上において、中心から1画素分だけ、図中、左側にずれたものとなる。
このようにして得られた縮小画像と、矢印A87に示すように、x方向に平坦な形状の波形のLR画像との差分が求められると、矢印A88に示す波形の差分画像が得られる。この差分画像の波形は、矢印A85に示した混合画像の波形と同じ形状となっている。
そのため、この差分画像を矢印A85に示した混合画像に加算すると、誤差(ノイズ)が増幅されたSR画像が得られることになる。このようなSR画像が用いられて、次のフレームの混合画像が生成されると、例えば矢印A89に示すように、矢印A85の混合画像におけるノイズが増幅された波形の混合画像が得られる。
さらに画像処理装置では、矢印A90に示すように、混合画像における矢印A82に示したフレームにおいて縮小画像を生成するのに用いられた画素と同じ位相の画素からなる縮小画像が生成される。その結果得られる縮小画像は、もとの混合画像の波形が正しく保存されていない波形の画像となる。
また、得られた縮小画像と、矢印A91に示すように、x方向に平坦な形状の波形のLR画像との差分が求められると、矢印A92に示す波形の差分画像が得られる。この差分画像の波形は、x方向に平坦な形状となっている。この差分画像が矢印A89に示した混合画像に加算されてSR画像とされるが、得られるSR画像は、増幅されたノイズがそのまま蓄積された画像となる。
さらに、このSR画像が用いられて、次のフレームにおいて矢印A93に示すように、正弦波形状の混合画像が得られたとする。そして、矢印A94に示すように、矢印A93に示した混合画像における所定の位相の画素からなる縮小画像が生成される。なお、矢印A94に示す混合画像における点線で表された円は、矢印A82に示すフレームの混合画像において縮小画像を生成するときにサンプリングされた画素の位置を表している。
矢印A94に示される例では、混合画像における、矢印A82に示したフレームの混合画像から縮小画像を生成するときに用いられた画素の図中、左側に隣接する画素が、今回処理対象となるフレームでの縮小画像の生成に用いられている。画像処理装置では、これらの画素からなる縮小画像が生成され、その縮小画像の波形は、矢印A93に示す混合画像の波形と同じ形状となる。
また、矢印A95に示すように、今回、新たに処理対象となったフレームのLR画像の波形がx方向に変化のない平坦な形状であったとすると、縮小画像とLR画像との差分を求めることにより、矢印A96に示す波形の差分画像が得られる。この差分画像の波形は、矢印A93に示す混合画像の波形を、その波形の画素値方向の中央の位置を基準として、図中、上下方向に反転させたような形状となっている。
このフレームの縮小画像では、もとの混合画像の波形が正しく保存されているので、矢印A96に示す差分画像の波形は、混合画像とLR画像との誤差を表す形状となる。したがって、この差分画像を矢印A93に示した混合画像に加算すると、矢印A97に示すように、誤差(ノイズ)の除去された、より画質の高いSR画像が得られる。矢印A97に示すSR画像の波形は、矢印A95に示すLR画像の波形と同じ形状となっており、検出されずに蓄積されていたノイズが除去されたことが分かる。
このように、フレームによって、縮小画像の生成に用いる混合画像の画素の位相を変化させることで、一時的に誤差が増幅されて蓄積されたとしても、繰り返し超解像処理を行うことでノイズが除去され、最終的に高画質なSR画像を得ることができる。
〈第1の実施の形態〉
[画像処理装置の構成]
次に、以上において説明した超解像処理を行う画像処理装置の実施の形態について説明する。図8は、本発明を適用した画像処理装置の一実施の形態の構成例を示す図である。
画像処理装置61は、アップサンプリング部71、動きベクトル検出部72、動き補償部73、マスク生成部74、混合部75、位相制御部76、ダウンサンプリング部77−1乃至ダウンサンプリング部77−3、位相制御部78、ダウンサンプリング部79−1乃至ダウンサンプリング部79−3、減算部80、アップサンプリング部81、加算部82、およびバッファ83から構成される。
画像処理装置61には、処理対象となるLR画像が1フレーム分ずつ入力され、入力されたLR画像は、アップサンプリング部71および減算部80に供給される。
アップサンプリング部71は、供給されたLR画像を、これから生成しようとするSR画像と同じ解像度にアップサンプリングして、動きベクトル検出部72、マスク生成部74、および混合部75に供給する。
動きベクトル検出部72は、アップサンプリング部71からのLR画像と、バッファ83から供給された、処理対象の現フレームの時間的に前のフレームのSR画像とから、SR画像の全体の動きベクトルを求め、動き補償部73に供給する。
動き補償部73は、動きベクトル検出部72からの動きベクトルと、バッファ83からのSR画像とを用いて動き補償を行い、予測画像を生成する。すなわち、動き補償部73は、動きベクトルに示される方向に、動きベクトルの大きさと同じ距離だけSR画像全体を移動させ、その結果得られた画像を予測画像とする。この予測画像は、1フレーム前のSR画像を用いて、動き補償により現フレームのSR画像を予測して得られた画像であり、予測画像は、動き補償部73からマスク生成部74および混合部75に供給される。
マスク生成部74は、アップサンプリング部71からのLR画像と、動き補償部73からの予測画像とを用いてモーションマスクを生成し、混合部75に供給する。このモーションマスクは、LR画像上の動きのある被写体の表示される領域を特定するための情報であり、LR画像と予測画像との差分を求めることにより生成される。
混合部75は、マスク生成部74からのモーションマスクを用いて、動き補償部73からの予測画像と、アップサンプリング部71からのLR画像とを重み付き加算し、その結果得られた混合画像を位相制御部76および加算部82に供給する。
位相制御部76は、縮小画像を生成するときの混合画像の位相を選択し、選択した位相に応じて混合部75からの混合画像の出力先を切り替える。すなわち、位相制御部76は、供給された混合画像を、ダウンサンプリング部77−1乃至ダウンサンプリング部77−3の何れかに供給する。
ダウンサンプリング部77−1乃至ダウンサンプリング部77−3は、位相制御部76から供給された混合画像の予め定められた位相の画素をサンプリングし、それらの画素からなる画像を生成することで、混合画像をx方向にダウンサンプリングする。ダウンサンプリング部77−1乃至ダウンサンプリング部77−3は、生成した画像を位相制御部78に供給する。なお、以下、ダウンサンプリング部77−1乃至ダウンサンプリング部77−3を特に区別する必要のない場合、単にダウンサンプリング部77とも称する。
位相制御部78は、縮小画像を生成するときの混合画像の位相を選択し、選択した位相に応じてダウンサンプリング部77からの画像の出力先を切り替える。すなわち、位相制御部78は、供給された画像を、ダウンサンプリング部79−1乃至ダウンサンプリング部79−3の何れかに供給する。
ダウンサンプリング部79−1乃至ダウンサンプリング部79−3は、位相制御部78から供給された画像の予め定められた位相の画素をサンプリングし、それらの画素からなる縮小画像を生成する。これにより、混合画像がx方向と垂直な方向(以下、y方向と称する)にダウンサンプリングされて、最終的にLR画像と同じ解像度の縮小画像が得られる。
ダウンサンプリング部79−1乃至ダウンサンプリング部79−3は、生成した縮小画像を減算部80に供給する。なお、以下、ダウンサンプリング部79−1乃至ダウンサンプリング部79−3を特に区別する必要のない場合、単にダウンサンプリング部79とも称する。
減算部80は、供給されたLR画像からダウンサンプリング部79からの縮小画像を減算することで、LR画像と縮小画像との差分を求め、その結果得られた差分画像をアップサンプリング部81に供給する。アップサンプリング部81は、減算部80からの差分画像を、SR画像と同じ解像度にアップサンプリングし、これにより得られた拡大画像を加算部82に供給する。
加算部82は、混合部75からの混合画像と、アップサンプリング部81からの拡大画像とを加算してSR画像を生成し、そのSR画像を後段に出力するとともに、バッファ83に供給し、記憶させる。バッファ83は、加算部82からのSR画像を1フレーム分の時間だけ保持し、次のフレームが処理対象となったとき、保持しているSR画像を動きベクトル検出部72および動き補償部73に供給する。
ところで、ダウンサンプリング部77およびダウンサンプリング部79は、混合画像の予め定められた位相(位置)の画素からなる画像を生成することで、混合画像をダウンサンプリングする。
例えば、図9に示すように、ダウンサンプリング部77およびダウンサンプリング部79は、予め定められた基準となる位相に基づいて、それぞれ異なる位相の画素をサンプリングする。なお、図9において、右方向はx方向を示しており、下方向はy方向を示している。また、図中、1つの円は、混合画像上の1つの画素を表している。
ダウンサンプリング部77−1は、図中、上段の左側に示すように、混合画像上の基準となる画素である基準画素G11の図中、左側に隣接する画素G12をサンプリングする。ここで、基準画素G11は、混合画像上において、予め定められた間隔で並んでいる複数の画素とされる。例えば、混合画像がx方向に、半分の画素数にダウンサンプリングされる場合、混合画像上のx方向に1画素おきに並ぶ所定の画素が基準画素G11とされる。
ダウンサンプリング部77−2は、図中、上段中央に示すように、混合画像上の基準画素G11をサンプリングする。また、ダウンサンプリング部77−3は、図中、上段の右側に示すように、混合画像上の基準画素G11の図中、右側に隣接する画素G13をサンプリングする。
また、ダウンサンプリング部79−1は、図中、下段の左側に示すように、x方向にダウンサンプリングされた混合画像上の基準となる画素である基準画素G21の図中、上側に隣接する画素G22をサンプリングする。ここで、基準画素G21は、x方向にダウンサンプリングされた混合画像上において、予め定められた間隔で並んでいる複数の画素とされる。例えば、混合画像がy方向に、半分の画素数にダウンサンプリングされる場合、混合画像上のy方向に1画素おきに並ぶ所定の画素が基準画素G21とされる。
ダウンサンプリング部79−2は、図中、下段中央に示すように、混合画像上の基準画素G21をサンプリングする。また、ダウンサンプリング部79−3は、図中、下段の右側に示すように、混合画像上の基準画素G21の図中、下側に隣接する画素G23をサンプリングする。
位相制御部76および位相制御部78は、これらのダウンサンプリング部77およびダウンサンプリング部79の何れにおいて混合画像をダウンサンプリングするかを、フレームごとに選択する。
例えば、図10に示すように、位相制御部76および位相制御部78は、予め定められた所定のパターンでサンプリングされる画素の位相が変化するように、混合画像の出力先を選択する。
なお、図10において、右方向は時間を示しており、各位相制御部76の図中、上側の数字は、処理対象の混合画像のフレームを区別する番号を示している。すなわち、「0」により示される0番目のフレームから、「7」により示される7番目のフレームまで順番に処理対象のフレームとされる。また、位相制御部76乃至ダウンサンプリング部79を結ぶ太線は、混合画像が供給される経路を表している。
最初に処理対象となる0番目のフレームでは、混合画像は位相制御部76からダウンサンプリング部77−2に供給され、さらにダウンサンプリング部77−2から位相制御部78に供給された混合画像は、ダウンサンプリング部79−2に供給される。
また、0番目のフレームに続く1番目のフレームでは、混合画像は位相制御部76からダウンサンプリング部77−1に供給され、さらにダウンサンプリング部77−1から位相制御部78に供給された混合画像は、ダウンサンプリング部79−2に供給される。
このように、時間的に連続する0番目のフレームと、1番目のフレームとでは、混合画像の異なる位相(位置)の画素からなる縮小画像が生成されて、ノイズ(誤差)の蓄積が防止される。
同様に、1番目のフレームに続く2番目のフレームでは、混合画像は、ダウンサンプリング部77−2およびダウンサンプリング部79−2に供給される。つまり、ダウンサンプリング部77−2により混合画像の基準画素G11がサンプリングされ、ダウンサンプリング部79−2により混合画像の基準画素G21がサンプリングされて縮小画像が生成される。
また、3番目のフレームでは、混合画像は、ダウンサンプリング部77−2およびダウンサンプリング部79−1に供給され、4番目のフレームでは、混合画像は、ダウンサンプリング部77−2およびダウンサンプリング部79−2に供給される。
5番目のフレームでは、混合画像は、ダウンサンプリング部77−3およびダウンサンプリング部79−2に供給され、6番目のフレームでは、混合画像は、ダウンサンプリング部77−2およびダウンサンプリング部79−2に供給される。さらに、7番目のフレームでは、混合画像は、ダウンサンプリング部77−2およびダウンサンプリング部79−3に供給される。
そして、8番目以降のフレームでは、0番目乃至7番目のフレームの場合と同じパターンで繰り返し、各ダウンサンプリング部77およびダウンサンプリング部79に混合画像が供給される。したがって、例えば(1+8i)番目(但し、iは自然数)のフレームでは、混合画像がダウンサンプリング部77−1およびダウンサンプリング部79−2に供給されることになる。
なお、縮小画像の生成に用いる混合画像の画素の位相をずらす量を大きくすると、縮小画像における被写体の位置と、混合画像における被写体の位置とのずれ量が大きくなり、SR画像に、混合画像生成時の誤差とは異なる新たな誤差(ノイズ)が発生してしまう。そのため、混合画像の画素の位相をずらす量は、できるだけ少ない方が望ましい。
また、縮小画像の生成に用いられる混合画像の画素の位相は、予め定められたパターンで変化するようにしてもよいし、フレームごとにランダムに選択されるようにしてもよい。
[画像処理装置の動作]
次に、以上において説明した画像処理装置61の動作について説明する。画像処理装置61にLR画像が供給されると、画像処理装置61は、各フレームのLR画像を超解像処理によりSR画像に変換する処理である画像変換処理を開始する。以下、図11のフローチャートを参照して、画像処理装置61による画像変換処理について説明する。
ステップS11において、アップサンプリング部71は、供給されたLR画像を、これから生成しようとするSR画像と同じ解像度にアップサンプリングして、動きベクトル検出部72、マスク生成部74、および混合部75に供給する。
ステップS12において、動き補償部73は動き補償を行い、予測画像を生成する。
すなわち、動きベクトル検出部72は、アップサンプリング部71からのLR画像と、バッファ83からのSR画像とから、SR画像の全体の1つの動きベクトルを求め、動き補償部73に供給する。また、動き補償部73は、動きベクトル検出部72からの動きベクトルに示される方向に、動きベクトルの大きさと同じ距離だけSR画像全体を移動させて予測画像を生成し、生成した予測画像をマスク生成部74および混合部75に供給する。
ステップS13において、マスク生成部74は、アップサンプリング部71からのLR画像と、動き補償部73からの予測画像とを用いてモーションマスクを生成し、混合部75に供給する。
例えば、マスク生成部74は、これから求めようとするモーションマスクの画素を順次、注目画素として、注目画素と同じ位置にある、LR画像の画素の画素値と、予測画像の画素の画素値との差分を求める。そして、マスク生成部74は、求めた差分の絶対値に対して予め定められた値を注目画素の画素値とする。例えば、注目画素の画素値は、差分の絶対値が小さいほど、大きくなるようにされる。
したがって、モーションマスクでは、画素の画素値が小さい領域ほど、LR画像と予測画像との差分が大きく、動き補償による予測の誤差が大きいことになる。換言すれば、モーションマスク上の画素値の大きい画素からなる領域は、LR画像において、LR画像全体の動きとは異なる動きをする被写体の領域、つまりLR画像全体に対して相対的に動いている被写体の領域であるということができる。
ステップS14において、混合部75は、マスク生成部74からのモーションマスクを用いて、動き補償部73からの予測画像と、アップサンプリング部71からのLR画像とを重み付き加算して混合画像を生成し、位相制御部76および加算部82に供給する。
例えば、混合部75は、これから求めようとする混合画像の画素を順次、注目画素とする。そして、混合部75は、注目画素と同じ位置にある、モーションマスクの画素の画素値に基づいて、注目画素と同じ位置にあるLR画像の画素の重みWi(但し、0≦Wi≦1)と、注目画素と同じ位置にある予測画像の画素の重みWj(=1−Wi)とを求める。
混合部75は、重みWiが乗算された、注目画素と同じ位置にあるLR画像の画素の画素値と、重みWjが乗算された、注目画素と同じ位置にある予測画像の画素の画素値とを加算して得られる値を、注目画素の画素値とする。このようにして、混合部75は、混合画像の各画素を注目画素として、それらの画素の画素値を求めることで、混合画像を生成する。
なお、LR画像と予測画像の重み付き加算時において、例えば、モーションマスクの画素の画素値が小さいほど、重みWiが大きくなるようにされる。これは、モーションマスクの画素の画素値が小さい領域、つまり動き補償による予測精度の低い領域については、混合画像の生成に対するLR画像の寄与率を大きくすることで、混合画像の画質の劣化を防止するためである。
ステップS15において、位相制御部76は、縮小画像を生成するときの混合画像のx方向の位相を選択する。例えば、位相制御部76は、図10を参照して説明したパターンでx方向の位相を変化させる場合、処理対象の現フレームが図10における何番目のフレームに相当するかに応じて位相を選択する。
位相制御部76は、選択した位相に対応するダウンサンプリング部77に、混合部75からの混合画像を供給し、x方向のダウンサンプリングを指示する。例えば、現フレームが図10の5番目のフレームに相当する場合、混合画像はダウンサンプリング部77−3に供給される。
ステップS16において、ダウンサンプリング部77は、位相制御部76から供給された混合画像をx方向にダウンサンプリングして位相制御部78に供給する。すなわち、ダウンサンプリング部77は、供給された混合画像の予め定められた位相の画素をサンプリングし、それらのサンプリングされた画素からなる画像を生成する。
ステップS17において、位相制御部78は、縮小画像を生成するときの混合画像のy方向の位相を選択する。例えば、位相制御部78は、図10を参照して説明したパターンでy方向の位相を変化させる場合、処理対象の現フレームが図10における何番目のフレームに相当するかに応じて位相を選択する。
位相制御部78は、選択した位相に対応するダウンサンプリング部79に、ダウンサンプリング部77からの混合画像を供給し、y方向のダウンサンプリングを指示する。
ステップS18において、ダウンサンプリング部79は、位相制御部78から供給された混合画像をy方向にダウンサンプリングして減算部80に供給する。すなわち、ダウンサンプリング部79は、供給された混合画像の予め定められた位相の画素をサンプリングし、それらのサンプリングされた画素からなる縮小画像を生成する。
このように、混合画像をx方向およびy方向にダウンサンプリングすることで、LR画像と同じ解像度の縮小画像が生成され、生成された縮小画像が減算部80に供給される。
ステップS19において、減算部80は、供給されたLR画像と、ダウンサンプリング部79からの縮小画像との差分を求め、差分画像を生成する。すなわち、差分画像の画素の画素値は、その画素と同じ位置にある、LR画像の画素の画素値と、縮小画像の画素の画素値との差分の値とされる。
このようにして生成された差分画像の各画素の画素値は、LR画像(SR画像)を予測して得られた縮小画像と、実際のLR画像との差分を示している。したがって、この差分の分だけ混合画像を補正すれば、LR画像をより忠実に拡大したSR画像、すなわち、LR画像の波形がそのまま保存されたSR画像が得られるはずである。減算部80は、生成された差分画像をアップサンプリング部81に供給する。
ステップS20において、アップサンプリング部81は、減算部80からの差分画像を、SR画像と同じ解像度にアップサンプリングし、これにより得られた拡大画像を加算部82に供給する。
ステップS21において、加算部82は、混合部75からの混合画像と、アップサンプリング部81からの拡大画像とを加算して現フレームのSR画像を生成し、そのSR画像を後段に出力するとともに、バッファ83に供給し、記憶させる。
ステップS22において、画像処理装置61は、処理を終了するか否かを判定する。例えば、画像処理装置61へのLR画像の供給が停止され、処理の終了が指示された場合、処理を終了すると判定される。
ステップS22において、処理を終了すると判定されなかった場合、処理はステップS11に戻り、上述した処理が繰り返される。すなわち、次のフレームのLR画像が処理対象の現フレームのLR画像とされて、超解像処理によりSR画像に変換される。
これに対して、ステップS22において、処理を終了すると判定された場合、画像処理装置61の各部は行っている処理を終了させ、画像変換処理は終了する。
このようにして、画像処理装置61は、入力されたLR画像に対して超解像処理を施し、LR画像をSR画像に変換する。特に、画像処理装置61は、予測により得られた混合画像をダウンサンプリングして縮小画像を生成するときに、フレームによって縮小画像の生成に用いる画素の位相を変化させる。
このように、フレームによって、縮小画像の生成に用いる画素の位相を僅かに変化させることで、特定の位相で生じた誤差(ノイズ)がSR画像に蓄積されることを防止することができ、SR画像の画質を向上させることができる。
また、縮小画像の生成に用いる画素の位相を、予め定められた所定のパターンに従って、フレームごとに僅かにずらすようにしたので、混合画像のどの位相の画素を用いれば、縮小画像において、もとの混合画像の波形が保存されるかを特定する処理が不要となる。したがって、より迅速にSR画像を得ることができる。
〈第2の実施の形態〉
[画像処理装置の構成]
なお、以上においては、混合画像の画素をサンプリングすることにより縮小画像を生成すると説明したが、混合画像にフィルタ処理を施すことにより、縮小画像を生成するようにしてもよい。
そのような場合、画像処理装置は、例えば、図12に示すように構成される。なお、図12において、図8における場合と対応する部分には、同一の符号を付してあり、その説明は適宜、省略する。
図12の画像処理装置121には、画像処理装置61の位相制御部76乃至ダウンサンプリング部79−3に代えて、位相制御部131、フィルタ処理部132−1乃至フィルタ処理部132−3、位相制御部133、およびフィルタ処理部134−1乃至フィルタ処理部134−3が設けられている。
位相制御部131は、縮小画像を生成するときの混合画像の位相を選択し、選択した位相に応じて混合部75からの混合画像の出力先を切り替える。すなわち、位相制御部131は、供給された混合画像を、フィルタ処理部132−1乃至フィルタ処理部132−3の何れかに供給する。
フィルタ処理部132−1乃至フィルタ処理部132−3は、位相制御部131からの混合画像の予め定められた位相の画素をフィルタ処理により求め、求めたそれらの画素からなる画像を生成することで、混合画像をx方向にダウンサンプリングする。フィルタ処理部132−1乃至フィルタ処理部132−3は、生成した画像を位相制御部133に供給する。なお、以下、フィルタ処理部132−1乃至フィルタ処理部132−3を特に区別する必要のない場合、単にフィルタ処理部132とも称する。
位相制御部133は、縮小画像を生成するときの混合画像の位相を選択し、選択した位相に応じてフィルタ処理部132からの混合画像の出力先を切り替える。すなわち、位相制御部133は、供給された混合画像を、フィルタ処理部134−1乃至フィルタ処理部134−3の何れかに供給する。
フィルタ処理部134−1乃至フィルタ処理部134−3は、位相制御部133からの混合画像の予め定められた位相の画素をフィルタ処理により求め、求めたそれらの画素からなる縮小画像を生成することで、混合画像をy方向にダウンサンプリングする。フィルタ処理部134−1乃至フィルタ処理部134−3は、生成した縮小画像を減算部80に供給する。なお、以下、フィルタ処理部134−1乃至フィルタ処理部134−3を特に区別する必要のない場合、単にフィルタ処理部134とも称する。
このように、フィルタ処理部132またはフィルタ処理部134においては、フィルタ処理により画素の画素値が求められる。そのため、位相制御部131または位相制御部133により選択される混合画像の位相は、混合画像上の画素の位置である必要はなく、画素以下の精度で位相をずらすことが可能である。
例えば、フィルタ処理部132−2が、混合画像の基準画素の位相の画素を求め、フィルタ処理部132−1およびフィルタ処理部132−3が、混合画像の基準画素から1/2画素だけずれた位相の画素を求めるものとする。なお、より詳細には、混合画像において、基準画素から画素以下の距離だけ離れた位置には画素が存在しないため、その位置に仮想的に画素が存在するとして、画素の画素値が求められる。
そのような場合、フィルタ処理部132−2は、図13に示すように、3タップのフィルタ処理により基準画素の位相の画素を求める。なお、図13において右方向はx方向を示している。
フィルタ処理部132−2は、矢印Q11に示すように、3つの係数W1乃至係数W3のそれぞれを、混合画像上において、基準画素を中心としてx方向に並ぶ3つの画素の画素値のそれぞれに乗算して、それらの画素値の和を求める。矢印Q11により示される係数のうち、係数W2は基準画素に乗算される係数を示しており、係数W1および係数W3は、基準画素に隣接する画素のそれぞれに乗算される係数を示している。
図13では、図中、縦方向は係数の大きさを示しており、上側に位置する係数ほど、その値が大きいことを示している。つまり、係数W1および係数W3は同じ値とされており、かつ、それらの係数W1および係数W3は、係数W2よりも値が小さい係数とされる。
フィルタ処理部132−2は、矢印Q12に示されるように、x方向に並ぶ3つの画素の画素値に係数W1乃至係数W3を乗算して画素値を求める。なお、矢印Q12に示される例では、1つの円は、1つの画素を表している。また、図中、上側にある、横方向(x方向)に並ぶ円の列は混合画像を表しており、図中、下側にある、横方向に並ぶ円の列はx方向のダウンサンプリングにより得られる画像を表している。
例えば、混合画像上のx方向に隣接して並ぶ画素G41乃至画素G43のうち、中央に位置する画素G42が基準画素であるとすると、これらの画素G41乃至画素G43が用いられて、画素P11の画素値が求められる。この画素P11は、これから求めようとする、x方向にダウンサンプリングされた混合画像の画素であって、基準画素である画素G42と同じ位相の画素である。
フィルタ処理部132−2は、画素G41乃至画素G43の画素値のそれぞれに、係数W1乃至係数W3のそれぞれを乗算し、係数W1乃至係数W3が乗算された画素値の和を求め、これにより得られた値を画素P11の画素値とする。
また、フィルタ処理部132−1およびフィルタ処理部132−3は、図14に示すように、4タップのフィルタ処理により、基準画素から1/2画素だけずれた位相の画素を求める。なお、図14において右方向はx方向を示している。
フィルタ処理部132−1およびフィルタ処理部132−3は、矢印Q21に示すように、4つの係数W11乃至係数W14のそれぞれを、混合画像上において、基準画素を含みx方向に並ぶ4つの画素の画素値のそれぞれに乗算し、それらの画素値の和を求める。
図14では、図中、縦方向は係数の大きさを示しており、上側に位置する係数ほど、その値が大きいことを示している。
互いに隣接する画素に乗算される係数W12および係数W13は同じ値とされている。また、係数W12および係数W13が乗算される画素を挟む位置にある画素に乗算される係数W11および係数W14は同じ値であり、かつそれらの係数W11および係数W14は、係数W12および係数W13よりも値が小さい。
フィルタ処理部132−1は、矢印Q22に示されるように、x方向に並ぶ4つの画素の画素値に係数W11乃至係数W14を乗算して画素値を求める。なお、矢印Q22、および後述する矢印Q23に示される例では、1つの円は、1つの画素を表している。また、図中、上側にある、横方向(x方向)に並ぶ円の列は、混合画像を表しており、図中、下側にある、横方向に並ぶ円の列は、x方向のダウンサンプリングにより得られる画像を表している。
例えば、矢印Q22に示される例で、混合画像上のx方向に隣接して並ぶ画素G51乃至画素G54のうち、ほぼ中央に位置する画素G53が基準画素であるとすると、これらの画素G51乃至画素G54が用いられて、画素P21の画素値が求められる。この画素P21は、これから求めようとする、x方向にダウンサンプリングされた混合画像の画素であって、基準画素である画素G53よりも図中、左側(x方向と反対方向)に1/2画素分の距離だけ離れた位置(位相)の画素である。
フィルタ処理部132−1は、画素G51乃至画素G54の画素値のそれぞれに、係数W11乃至係数W14のそれぞれを乗算し、係数W11乃至係数W14が乗算された画素値の和を求め、これにより得られた値を画素P21の画素値とする。
また、フィルタ処理部132−3は、矢印Q23に示されるように、x方向に並ぶ4つの画素の画素値に係数W11乃至係数W14を乗算して画素値を求める。
例えば、混合画像上のx方向に隣接して並ぶ画素G52乃至画素G55のうち、ほぼ中央に位置する画素G53が基準画素であるとすると、これらの画素G52乃至画素G55が用いられて、画素P22の画素値が求められる。この画素P22は、これから求めようとする、x方向にダウンサンプリングされた混合画像の画素であって、基準画素である画素G53よりも図中、右側(x方向)に1/2画素分の距離だけ離れた位置(位相)の画素である。
フィルタ処理部132−3は、画素G52乃至画素G55の画素値のそれぞれに、係数W11乃至係数W14のそれぞれを乗算し、係数W11乃至係数W14が乗算された画素値の和を求め、これにより得られた値を画素P22の画素値とする。
このように、フィルタ処理部132では、基準画素に対して、図中、左側または右側の何れの方向にずれた位相の画素を求めるかによって、異なる画素が用いられてフィルタ処理が行われる。
つまり、基準画素の図中、左側にずれた位相の画素を求める場合、基準画素、基準画素の左側に隣接する2つの画素、および基準画素の右側に隣接する1つの画素が用いられて、目的とする位相の画素が求められる。また、基準画素の図中、右側にずれた位相の画素を求める場合、基準画素、基準画素の左側に隣接する1つの画素、および基準画素の右側に隣接する2つの画素が用いられて、目的とする位相の画素が求められる。
さらに、フィルタ処理部134においても、図13および図14を参照して説明したフィルタ処理部132の場合と同様に、y方向に連続して並ぶ画素が用いられて、目的とする位相の画素が求められる。
例えば、フィルタ処理部134−2により、混合画像の基準画素と同じ位相の画素の画素値がフィルタ処理により求められる。また、フィルタ処理部134−1により、混合画像の基準画素から、y方向とは反対方向に所定の距離だけ離れた位相(位置)の画素の画素値がフィルタ処理により求められる。さらに、フィルタ処理部134−3により、混合画像の基準画素から、y方向に所定の距離だけ離れた位相(位置)の画素の画素値がフィルタ処理により求められる。
なお、フィルタ処理部132−1またはフィルタ処理部132−3により求められる画素の位相は、基準画素から1/2画素だけずれた位置に限らず、どのような位置であってもよい。例えば、図15に示すように、基準画素から1/4画素だけずれた位置の画素が生成されるようにしてもよい。なお、図15において、右方向はx方向を示している。
通常、基準画素から1/4画素だけ図中、右側にずれた位相の画素を求めようとする場合、矢印Q31に示すように、混合画像の各画素を図中、右方向に1/4画素だけずらされてからフィルタ処理が行われる。なお、矢印Q31に示される例では、図中の円は、1つの画素を表している。また、図中、上側の円の列は混合画像を表しており、下側の円の列は混合画像の各画素の位相を図中、右側に1/4画素だけずらして得られる画像を表している。
このように混合画像の画素の位相がずらされると、位相がずらされた混合画像において、x方向に並ぶ3つの画素の画素値のそれぞれに、矢印Q32に示される係数W21乃至係数W23が乗算され、これらの係数が乗算された画素値の和が求められる。そして、この求められた和の値が、基準画素に対して図中、右側に1/4画素だけずれた位置の画素の画素値とされる。
なお、矢印Q32、および後述する矢印Q33により示される例では、図中、縦方向は係数の大きさを示しており、上側に位置する係数ほど、その値が大きいことを示している。
矢印Q32に示される例では、係数W22は位相のずらされた基準画素に乗算される係数を示しており、係数W21および係数W23は、位相のずらされた基準画素に、図中、横方向に隣接する画素のそれぞれに乗算される係数を示している。
このように、通常では混合画像の位相をずらしてからフィルタ処理を行う必要があるが、フィルタ処理のタップ数を増やし、例えば矢印Q33に示すように4タップのフィルタ処理とすれば、より簡単な処理で目的とする位相の画素を求めることができる。すなわち、各タップの係数を適宜、調整するだけで、フィルタ処理前に混合画像の位相をずらした画像を生成する必要がなくなる。
矢印Q33に示される例では、混合画像の基準画素を含み、x方向に並ぶ4つの画素の画素値のそれぞれに、係数W31乃至係数W34のそれぞれが乗算され、係数が乗算された画素値の和が、求めようとする画素の画素値とされる。つまり、基準画素からx方向に1/4画素だけずれた位置の画素の画素値とされる。
また、各係数の値は、係数W32、係数W33、係数W31、および係数W34の順に大きく、各係数は異なる値となっている。なお、求めようとする画素の基準画素からの距離や方向を変更する場合には、係数W31乃至係数W34の値を変更すればよい。
以上のように、フィルタ処理部132およびフィルタ処理部134では、混合画像の各画素の位相をずらすことなく、フィルタ処理によって、混合画像の基準画素から任意の方向に任意の距離だけ離れた位相の画素の画素値を求めることが可能とされている。
[画像処理装置の動作]
次に、図16のフローチャートを参照して、画像処理装置121による画像変換処理について説明する。なお、図16において、ステップS51乃至ステップS54の処理は、図11のステップS11乃至ステップS14の処理と同様であるので、その説明は省略する。
ステップS55において、位相制御部131は、縮小画像を生成するときの混合画像のx方向の位相を選択する。例えば、位相制御部131は、予め定められた所定のパターンで、フレームごとにx方向の位相を変化させる場合、そのパターンと、処理対象の現フレームとから特定される位相を選択する。
位相制御部131は、選択した位相に対応するフィルタ処理部132に、混合部75からの混合画像を供給し、x方向のダウンサンプリングを指示する。
ステップS56において、フィルタ処理部132は、位相制御部131から供給された混合画像を、フィルタ処理によりx方向にダウンサンプリングして位相制御部133に供給する。
例えば、フィルタ処理部132は、混合画像上の基準画素を含み、x方向に連続して並ぶ3または4つの画素の画素値に予め定められた係数を乗算し、係数の乗算された画素値の和を求める。そして、フィルタ処理部132は、その求めた和の値を、混合画像における選択した位相の画素の画素値の値とし、混合画像の選択した位相の画素からなる画像を生成することで、混合画像をダウンサンプリングする。
ステップS57において、位相制御部133は、縮小画像を生成するときの混合画像のy方向の位相を選択する。例えば、位相制御部133は、予め定められた所定のパターンで、フレームごとにy方向の位相を変化させる場合、そのパターンと、処理対象の現フレームとから特定される位相を選択する。
位相制御部133は、選択した位相に対応するフィルタ処理部134に、フィルタ処理部132からの混合画像を供給し、y方向のダウンサンプリングを指示する。
ステップS58において、フィルタ処理部134は、位相制御部133から供給された混合画像を、フィルタ処理によりy方向にダウンサンプリングして減算部80に供給する。
例えば、フィルタ処理部134は、混合画像上の基準画素を含み、y方向に連続して並ぶ3または4つの画素の画素値に予め定められた係数を乗算し、係数の乗算された画素値の和を求める。そして、フィルタ処理部134は、その求めた和の値を、混合画像における選択した位相の画素の画素値の値とし、混合画像の選択した位相の画素からなる縮小画像を生成することで、混合画像をダウンサンプリングする。
このように、混合画像をフィルタ処理によりx方向およびy方向にダウンサンプリングすることで、LR画像と同じ解像度の縮小画像が生成され、生成された縮小画像が減算部80に供給される。そして、その後、ステップS59乃至ステップS62の処理が行われて画像変換処理は終了するが、これらの処理は図11のステップS19乃至ステップS22の処理と同様であるので、その説明は省略する。
このようにして、画像処理装置121は、入力されたLR画像に対して超解像処理を施し、LR画像をSR画像に変換する。特に、画像処理装置121は、予測により得られた混合画像からフィルタ処理により縮小画像を生成するときに、フレームによって、混合画像の異なる位相の画素からなる縮小画像を生成する。
このように、フィルタ処理により縮小画像を生成することにより、縮小画像の生成に用いる混合画像の画素の位相を画素以下の精度でずらすことができ、縮小画像と混合画像との被写体の位相のずれ量をより少なくすることができる。これにより、SR画像の生成時に生じる、被写体の位相のずれによる誤差をより少なくすることができる。つまり、混合画像とLR画像との誤差をより正確に検出することができ、SR画像の画質を向上させることができる。また、フィルタ処理によって、より簡単かつ迅速に縮小画像を得ることができる。
さらに、フレームによって、縮小画像の生成に用いる画素の位相を変化させることで、混合画像の生成時に生じた誤差(ノイズ)の蓄積を防止することができ、SR画像の画質を向上させることができる。
〈第3の実施の形態〉
[画像処理装置の構成]
また、縮小画像の生成に用いられる混合画像の画素の位相をずらす量を大きくすると、縮小画像における被写体の位置と、混合画像における被写体の位置とのずれ量が大きくなり、例えば図17に示すように、差分画像に新たな誤差(ノイズ)が発生してしまう。なお、図17において、縦方向は画像における画素の画素値を示しており、右方向は画像におけるx方向を示している。また、図中、1つの円は画像上の1つの画素を表している。
図17では、矢印A121により示される波形が現フレームの混合画像の波形を示している。つまり、矢印A121により示される混合画像の互いに隣接する画素を結ぶ曲線が、その混合画像の波形とされる。この混合画像では、混合画像の中央からやや右側の位置の画素の画素値が、他の画素の画素値よりも大きく、図中、上側に突出している。
いま、混合画像の画素を図中、x方向に1画素おきにサンプリングして縮小画像を生成することとする。ここで、例えば、縮小画像の生成に用いる画素のサンプリング位置を、基準画素から図中、右方向に2画素だけずらすと、矢印A122に示すように、縮小画像における被写体の位置は、混合画像上の被写体の位置と較べて、画像の中央から図中、左方向に2画素分だけずれることになる。
また、矢印A123に示すように、現フレームのLR画像の波形がx方向に変化のない平坦な形状であったとすると、縮小画像とLR画像との差分が求められて、矢印A124に示す波形の差分画像が得られる。さらに、この差分画像をSR画像と同じ解像度にアップサンプリングすると、矢印A125に示す波形の拡大画像が得られる。この拡大画像の波形は、拡大画像の中央からやや左側の位置の画素の画素値が、他の画素の画素値よりも小さく、図中、下側に突出している。
そして、この拡大画像が矢印A121に示した混合画像に加算されると、矢印A126に示す波形のSR画像が得られる。このSR画像には、混合画像から除去されずに残った一部の誤差と、拡大画像の加算により新たに生じた別の誤差が含まれている。
すなわち、SR画像の図中、中央では誤差が修正されているが、SR画像の中央からやや右側の部分には、混合画像に含まれていた誤差(ノイズ)が除去されずに、そのまま残っている。つまり、SR画像の波形は、本来、矢印A123に示したLR画像と同じように、x方向に平坦な波形となるべきであるが、SR画像の図中、中央からやや右側の部分は、矢印A121に示した混合画像と同様に図中、上側に突出している。
また、SR画像の図中、中央からやや左側の部分には、混合画像に拡大画像を加算することにより生じた新たな誤差(ノイズ)が生じている。つまり、SR画像の図中、中央からやや左側の部分は、図中、下側に突出している。
このように、縮小画像の生成に用いる混合画像の画素の位相をずらし過ぎると、SR画像に新たなノイズが生じてしまうことになる。
そこで、図18に示すように、拡大画像の各画素を、縮小画像において被写体がずれた方向とは逆の方向に、ずれた分だけずらすことで、混合画像に含まれる誤差をより確実に除去するとともに、新たな誤差の発生を抑制することができる。
なお、図18において、縦方向は画像における画素の画素値を示しており、右方向は画像におけるx方向を示している。また図中、1つの円は画像上の1つの画素を表している。さらに、矢印A131乃至矢印A135のそれぞれは、混合画像、縮小画像、LR画像、差分画像、および拡大画像の波形のそれぞれを示しており、これらの波形は、図17の矢印A121乃至矢印A125により示される場合と同様であるので、その説明は省略する。
図18の例では、矢印A131に示す波形の混合画像から、矢印A132に示す波形の縮小画像が得られ、この縮小画像と、矢印A133に示す波形のLR画像との差分が求められて、矢印A134に示す波形の差分画像が得られる。そして、この差分画像をアップサンプリングすると、矢印A135に示す波形の拡大画像が得られる。
さらに、矢印A136に示すように、図中、右方向に拡大画像の各画素がずらされて、最終的な拡大画像とされる。
すなわち、図18の例では、図17を参照して説明したように、縮小画像の生成時において、混合画像からサンプリングする画素の位置が、基準画素から2画素分だけ図中、右方向にずらされるため、拡大画像では、左方向に2画素分の位相のずれが生じる。したがって、拡大画像の各画素の位相を図中、右方向に2画素分だけずらせば、各画素の位相のずれを補正し、生じた位相のずれを打ち消すことができる。
このように、縮小画像の生成に用いる混合画像の画素の位相をずらした方向に、位相をずらした距離だけ拡大画像の画素の位相をずらし、位相の調整された拡大画像を混合画像に加算すれば、矢印A137に示すように、より誤差の少ないSR画像が得られる。
すなわち、矢印A131に示した混合画像に、矢印A136に示した拡大画像を加算することで、矢印A137に示すように、混合画像に含まれていたノイズが除去され、かつ新たなノイズも含まれていないSR画像を得ることができる。矢印A137に示すSR画像の波形は、矢印A133に示すLR画像の波形と同じ波形であり、x方向に平坦な形状となっている。
以上のように、拡大画像の画素の位相を調整する画像処理装置は、例えば、図19に示すように構成される。なお、図19において、図8における場合と対応する部分には、同一の符号を付してあり、その説明は適宜、省略する。
図19の画像処理装置161には、図8の画像処理装置61に、さらに位相制御部171が設けられている。位相制御部171は、アップサンプリング部81から供給された拡大画像の各画素の位相を、ダウンサンプリング部77またはダウンサンプリング部79により位相がずらされた方向に、位相がずらされた距離だけずらして加算部82に供給する。
[画像処理装置の動作]
次に、図20のフローチャートを参照して、画像処理装置161による画像変換処理について説明する。なお、ステップS91乃至ステップS100の処理は、図11のステップS11乃至ステップS20の処理と同様であるので、その説明は省略する。
ステップS101において、位相制御部171は、アップサンプリング部81から供給された拡大画像の各画素の位相をずらして加算部82に供給する。
例えば、縮小画像の生成時において、ダウンサンプリング部77−3が、混合画像上における、基準画素からx方向に2画素だけ離れた位置の画素からなる画像を生成したとする。また、ダウンサンプリング部79−3が、ダウンサンプリング部77−3により生成された画像上における、基準画素からy方向に2画素だけ離れた位置の画素からなる縮小画像を生成したとする。
そのような場合、位相制御部171は、拡大画像の各画素を、x方向およびy方向に、それぞれ2画素分の距離だけ移動させて、その結果得られた画像を最終的な拡大画像とする。つまり、位相調整後の最終的な拡大画像の画素の画素値は、その画素と同じ位置にある位相調整前の拡大画像の画素から、x方向と反対方向に2画素、およびy方向と反対方向に2画素だけ離れた位置にある画素の画素値とされる。
ステップS102において、加算部82は、混合部75からの混合画像に位相制御部171からの拡大画像を加算してSR画像を生成する。そして、その後、ステップS103の処理が行われて画像変換処理は終了するが、ステップS103の処理は、図11のステップS22の処理と同様であるため、その説明は省略する。
このようにして画像処理装置161は、差分画像をアップサンプリングして得られた拡大画像の位相をずらしてから、混合画像に加算してSR画像を生成する。このように、縮小画像の生成時に生じた位相のずれを打ち消すように、拡大画像の位相をずらしてから混合画像に加算することで、混合画像に含まれる誤差をより確実に除去するとともに、新たな誤差の発生を抑制し、SR画像の画質を向上させることができる。
〈第4の実施の形態〉
[画像処理装置の構成]
ところで、LR画像がインターレース形式である場合、画像処理装置には、トップフィールドのLR画像と、ボトムフィールドのLR画像とが交互に入力される。そして、時間的に連続する2つのLR画像、つまり連続するトップフィールドのLR画像と、ボトムフィールドのLR画像とから、1つのフレームのLR画像が得られる。
したがって、縮小画像の生成時にサンプリングされる混合画像上の画素の位相の変化のパターンによっては、トップフィールドまたはボトムフィールドにおいて、サンプリングされる画素の位相に偏りが生じてしまうことがある。
例えば、1フィールド間隔でサンプリングする混合画像の画素の位相を基準画素の位置からずらすとすると、1フィールド間隔で並ぶトップフィールドまたはボトムフィールドの何れかのフィールドにおいては、常に基準画素がサンプリングされることになる。そのような場合、混合画像の特定の位相で誤差(ノイズ)が検出されずに蓄積してしまう恐れがある。
そこで、トップフィールドに対する位相の変化のパターンと、ボトムフィールドに対する位相の変化のパターンとを、それぞれ独立に用意するようにしてもよい。これにより、特定の種別のフィールド、つまりトップフィールドまたはボトムフィールドのSR画像に誤差が蓄積することを抑制することができる。
例えば、フィールドの種別ごとに、縮小画像生成時の混合画像の位相を独立に変化させる場合、画像処理装置は、図21に示すように構成される。なお、図21において、図8における場合と対応する部分には、同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
図21の画像処理装置201には、画像処理装置61の位相制御部76乃至ダウンサンプリング部79−3に代えて、切替部211、位相制御部212、ダウンサンプリング部213−1乃至ダウンサンプリング部213−3、位相制御部214、ダウンサンプリング部215−1乃至ダウンサンプリング部215−3、位相制御部216、ダウンサンプリング部217−1乃至ダウンサンプリング部217−3、位相制御部218、およびダウンサンプリング部219−1乃至ダウンサンプリング部219−3が設けられている。
切替部211は、混合部75から供給された混合画像の出力先を、処理対象となるLR画像のフィールド(フレーム)の種別に応じて切り替える。すなわち、切替部211は、処理対象の現フィールドがトップフィールドである場合、供給された混合画像を位相制御部212に供給し、現フィールドがボトムフィールドである場合、供給された混合画像を位相制御部216に供給する。
位相制御部212は、縮小画像を生成するときの混合画像の位相を選択し、選択した位相に応じて切替部211からの混合画像の出力先を切り替える。すなわち、位相制御部212は、供給された混合画像を、ダウンサンプリング部213−1乃至ダウンサンプリング部213−3の何れかに供給する。
ダウンサンプリング部213−1乃至ダウンサンプリング部213−3は、位相制御部212から供給された混合画像の予め定められた位相の画素をサンプリングし、それらの画素からなる画像を生成することで、混合画像をx方向にダウンサンプリングする。ダウンサンプリング部213−1乃至ダウンサンプリング部213−3は、生成した画像を位相制御部214に供給する。なお、以下、ダウンサンプリング部213−1乃至ダウンサンプリング部213−3を特に区別する必要のない場合、単にダウンサンプリング部213とも称する。
位相制御部214は、縮小画像を生成するときの混合画像の位相を選択し、選択した位相に応じてダウンサンプリング部213からの画像の出力先を切り替える。すなわち、位相制御部214は、供給された画像を、ダウンサンプリング部215−1乃至ダウンサンプリング部215−3の何れかに供給する。
ダウンサンプリング部215−1乃至ダウンサンプリング部215−3は、位相制御部214から供給された画像の予め定められた位相の画素をサンプリングし、それらの画素からなる縮小画像を生成する。これにより、混合画像がy方向にダウンサンプリングされる。
ダウンサンプリング部215−1乃至ダウンサンプリング部215−3は、生成した縮小画像を減算部80に供給する。なお、以下、ダウンサンプリング部215−1乃至ダウンサンプリング部215−3を特に区別する必要のない場合、単にダウンサンプリング部215とも称する。
位相制御部216は、縮小画像を生成するときの混合画像の位相を選択し、選択した位相に応じて切替部211からの混合画像の出力先を切り替える。すなわち、位相制御部216は、供給された混合画像を、ダウンサンプリング部217−1乃至ダウンサンプリング部217−3の何れかに供給する。
ダウンサンプリング部217−1乃至ダウンサンプリング部217−3は、位相制御部216から供給された混合画像の予め定められた位相の画素をサンプリングし、それらの画素からなる画像を生成することで、混合画像をx方向にダウンサンプリングする。ダウンサンプリング部217−1乃至ダウンサンプリング部217−3は、生成した画像を位相制御部218に供給する。なお、以下、ダウンサンプリング部217−1乃至ダウンサンプリング部217−3を特に区別する必要のない場合、単にダウンサンプリング部217とも称する。
位相制御部218は、縮小画像を生成するときの混合画像の位相を選択し、選択した位相に応じてダウンサンプリング部217からの画像の出力先を切り替える。すなわち、位相制御部218は、供給された画像を、ダウンサンプリング部219−1乃至ダウンサンプリング部219−3の何れかに供給する。
ダウンサンプリング部219−1乃至ダウンサンプリング部219−3は、位相制御部218から供給された画像の予め定められた位相の画素をサンプリングし、それらの画素からなる縮小画像を生成する。これにより、混合画像がy方向にダウンサンプリングされる。
ダウンサンプリング部219−1乃至ダウンサンプリング部219−3は、生成した縮小画像を減算部80に供給する。なお、以下、ダウンサンプリング部219−1乃至ダウンサンプリング部219−3を特に区別する必要のない場合、単にダウンサンプリング部219とも称する。
なお、バッファ83に過去2フィールド分のSR画像が保持されるようにし、バッファ83が、処理対象の現フィールドの時間的に2フィールド前のSR画像を、動きベクトル検出部72および動き補償部73に供給するようにしてもよい。そのような場合、トップフィールドのLR画像およびSR画像、またはボトムフィールドのLR画像およびSR画像から予測画像が生成されることになる。
ところで、ダウンサンプリング部213、ダウンサンプリング部215、ダウンサンプリング部217、およびダウンサンプリング部219は、混合画像の予め定められた位相(位置)の画素からなる画像を生成することで、混合画像をダウンサンプリングする。
例えば、図22に示すように、ダウンサンプリング部213およびダウンサンプリング部215は、予め定められた基準画素に基づいて、それぞれ異なる位相の画素をサンプリングする。なお、図22において、右方向はx方向を示しており、下方向はy方向を示している。また、図中、1つの円は、混合画像上の1つの画素を表している。
ダウンサンプリング部213−1は、図中、上段の左側に示すように、混合画像上の基準となる画素である基準画素G81の図中、左側に隣接する画素G82をサンプリングする。また、ダウンサンプリング部213−2は、図中、上段中央に示すように、混合画像上の基準画素G81をサンプリングする。ダウンサンプリング部213−3は、図中、上段の右側に示すように、混合画像上の基準画素G81の図中、右側に隣接する画素G83をサンプリングする。
また、ダウンサンプリング部215−1は、図中、下段の左側に示すように、x方向にダウンサンプリングされた混合画像上の基準となる画素である基準画素G91の図中、上側に隣接する画素G92をサンプリングする。
ダウンサンプリング部215−2は、図中、下段中央に示すように、混合画像上の基準画素G91をサンプリングする。また、ダウンサンプリング部215−3は、図中、下段の右側に示すように、混合画像上の基準画素G91の図中、下側に隣接する画素G93をサンプリングする。
また、ダウンサンプリング部217−1乃至ダウンサンプリング部217−3は、ダウンサンプリング部213−1乃至ダウンサンプリング部213−3が混合画像からサンプリングする画素と同じ画素をサンプリングして、混合画像をダウンサンプリングする。
同様に、ダウンサンプリング部219−1乃至ダウンサンプリング部219−3は、ダウンサンプリング部215−1乃至ダウンサンプリング部215−3が混合画像からサンプリングする画素と同じ画素をサンプリングして、混合画像をダウンサンプリングする。
さらに、位相制御部212、位相制御部214、位相制御部216、および位相制御部218は、例えば図23に示すように、予め定められた所定のパターンでサンプリングされる画素の位相が変化するように、混合画像の出力先を選択する。
なお、図23において、右方向は時間を示しており、位相制御部212または位相制御部216の図中、上側の数字は、処理対象の混合画像のフィールド(フレーム)を区別する番号を示している。すなわち、「0」により示される0番目のフィールドから、「7」により示される7番目のフィールドまで順番に処理対象のフィールドとされる。また、フィールドの番号の図中、右側の文字「T」または「B」は、そのフィールドがトップフィールドまたはボトムフィールドであることを示している。
さらに、位相制御部212乃至ダウンサンプリング部215を結ぶ太線、および位相制御部216乃至ダウンサンプリング部219を結ぶ太線は、混合画像が供給される経路を表している。
図23の例では、最初に処理対象となる0番目のフィールドはトップフィールドであるので、0番目のフィールドの混合画像は位相制御部212に供給される。その後、混合画像は位相制御部212からダウンサンプリング部213−2に供給され、さらにダウンサンプリング部213−2から位相制御部214に供給された混合画像は、ダウンサンプリング部215−2に供給される。
また、0番目のフィールドに続く1番目のフィールドは、ボトムフィールドであるため、1番目のフィールドの混合画像は、切替部211から位相制御部216に供給される。そして、1番目のフィールドの混合画像は、位相制御部216からダウンサンプリング部217−2に供給され、さらにダウンサンプリング部217−2から位相制御部218に供給された混合画像は、ダウンサンプリング部219−2に供給される。
同様に、2番目のフィールドはトップフィールドであり、2番目のフィールドでは、混合画像は、ダウンサンプリング部213−1およびダウンサンプリング部215−2に供給される。また、3番目のフィールドはボトムフィールドであり、3番目のフィールドでは、混合画像は、ダウンサンプリング部217−2およびダウンサンプリング部219−1に供給される。
4番目のフィールドはトップフィールドであり、4番目のフィールドでは、混合画像は、ダウンサンプリング部213−2およびダウンサンプリング部215−2に供給される。5番目のフィールドはボトムフィールドであり、5番目のフィールドでは、混合画像は、ダウンサンプリング部217−2およびダウンサンプリング部219−2に供給される。
6番目のフィールドはトップフィールドであり、6番目のフィールドでは、混合画像は、ダウンサンプリング部213−2およびダウンサンプリング部215−3に供給される。さらに、7番目のフィールドはボトムフィールドであり、7番目のフィールドでは、混合画像は、ダウンサンプリング部217−3およびダウンサンプリング部219−2に供給される。
そして、8番目以降のフィールドでは、処理対象のフィールドがトップフィールドであるか、またはボトムフィールドであるかによって、フィールドの種別ごとに予め定められたパターンに従って、混合画像の供給先が切り替えられる。
このように、トップフィールドでは、1フィールド(フレーム)おきに混合画像の基準画素からなる縮小画像が生成される。つまり、1フィールドおきに混合画像からサンプリングされる画素の位相が基準画素からずらされる。また、ボトムフィールドでも、1フィールド(フレーム)おきに混合画像の基準画素からなる縮小画像が生成される。
[画像処理装置の動作]
次に、図24のフローチャートを参照して、画像処理装置201による画像変換処理について説明する。なお、ステップS131乃至ステップS134の処理は、図11のステップS11乃至ステップS14の処理と同様であるので、その説明は省略する。
ステップS135において、切替部211は、処理対象のフィールドがトップフィールドであるか、ボトムフィールドであるかに応じて、混合部75から供給された混合画像の出力先を切り替える。すなわち、切替部211は、処理対象のフィールドがトップフィールドであれば、混合画像を位相制御部212に供給し、処理対象のフィールドがボトムフィールドであれば、混合画像を位相制御部216に供給する。
ステップS136において、位相制御部212または位相制御部216は、予め定められたパターン、例えば図23を参照して説明したパターンに従って、縮小画像を生成するときの混合画像のx方向の位相を選択する。位相制御部212または位相制御部216は、選択した位相に対応するダウンサンプリング部213またはダウンサンプリング部217に、切替部211からの混合画像を供給し、x方向のダウンサンプリングを指示する。
ステップS137において、ダウンサンプリング部213またはダウンサンプリング部217は、位相制御部212または位相制御部216から供給された混合画像をx方向にダウンサンプリングして位相制御部214または位相制御部218に供給する。
ステップS138において、位相制御部214または位相制御部218は、予め定められたパターン、例えば図23を参照して説明したパターンに従って、縮小画像を生成するときの混合画像のy方向の位相を選択する。位相制御部214または位相制御部218は、選択した位相に対応するダウンサンプリング部215またはダウンサンプリング部219に、ダウンサンプリング部213またはダウンサンプリング部217からの混合画像を供給し、y方向のダウンサンプリングを指示する。
ステップS139において、ダウンサンプリング部215またはダウンサンプリング部219は、位相制御部214または位相制御部218から供給された混合画像をy方向にダウンサンプリングして減算部80に供給する。このように、混合画像をx方向およびy方向にダウンサンプリングすることで、LR画像と同じ解像度の縮小画像が生成され、生成された縮小画像が減算部80に供給される。
そして、その後、ステップS140乃至ステップS143の処理が行われて画像変換処理は終了するが、ステップS140乃至ステップS143の処理は、図11のステップS19乃至ステップS22の処理と同様であるため、その説明は省略する。
このようにして画像処理装置201は、処理対象のフィールドの種別に応じて、混合画像の出力先を切り替え、さらにフィールドの種別ごとに予め用意されたパターンに従って縮小画像の生成に用いる画素の位相を変化させる。
このように、フィールドの種別に応じて混合画像の出力先を切り替え、フィールドの種別ごとのパターンに従って、縮小画像の生成に用いる画素の位相を変化させることで、特定の種別のフィールドにおいて、縮小画像の生成に用いる画素の位相が特定の位相に偏ってしまうことを防止することができる。これにより、特定の種別のフィールドのSR画像に誤差が蓄積することを抑制することができ、SR画像の画質を向上させることができる。
なお、ダウンサンプリング部213、ダウンサンプリング部215、ダウンサンプリング部217、およびダウンサンプリング部219において、特定の画素がサンプリングされて混合画像がダウンサンプリングされると説明したが、フィルタ処理により混合画像がダウンサンプリングされるようにしてもよい。
〈第5の実施の形態〉
[画像処理装置の構成]
また、以上においては、縮小画像を生成する場合に、混合画像をx方向にダウンサンプリングしてから、さらにy方向にダウンサンプリングすると説明したが、x方向およびy方向のダウンサンプリングが同時に行われるようにしてもよい。
そのような場合、画像処理装置は、例えば図25に示すように構成される。なお、図25において、図8における場合と対応する部分には、同一の符号を付してあり、その説明は適宜、省略する。
図25の画像処理装置251には、画像処理装置61の位相制御部76乃至ダウンサンプリング部79−3に代えて、位相制御部261およびフィルタ処理部262−1乃至フィルタ処理部262−5が設けられている。
位相制御部261は、縮小画像を生成するときの混合画像の位相を選択し、選択した位相に応じて混合部75からの混合画像の出力先を切り替える。すなわち、位相制御部261は、供給された混合画像を、フィルタ処理部262−1乃至フィルタ処理部262−5の何れかに供給する。
フィルタ処理部262−1乃至フィルタ処理部262−5は、位相制御部261から供給された混合画像を用いて、混合画像の予め定められた位相の画素を、2次元のフィルタ処理により求め、求めたそれらの画素からなる縮小画像を生成する。このフィルタ処理により、混合画像がx方向およびy方向にダウンサンプリングされる。
フィルタ処理部262−1乃至フィルタ処理部262−5は、生成した縮小画像を減算部80に供給する。なお、以下、フィルタ処理部262−1乃至フィルタ処理部262−5を特に区別する必要のない場合、単にフィルタ処理部262とも称する。
フィルタ処理部262におけるフィルタ処理では、例えば図26に示すように、混合画像上のx方向およびy方向に並ぶ複数の画素が用いられる。なお、図26において右方向はx方向を示している。
図13を参照して説明した画像処理装置121の例では、基準画素の位相の画素をフィルタ処理により求める場合、図26中、矢印Q61に示すように、x方向(またはy方向)に並ぶ画素のそれぞれに、基準画素からの距離に応じた係数が乗算されると説明した。
また、画像処理装置121の例では、基準画素から画素以下の距離だけ離れた位相の画素をフィルタ処理により求める場合、矢印Q62に示すように、x方向(またはy方向)に並ぶ画素のそれぞれに、画素ごとに異なる値の係数が乗算されると説明した。
なお、矢印Q61および矢印Q62により示される例では、1つの円は1つの画素に乗算される係数を示しており、縦方向はそれらの係数の大きさを示している。すなわち、矢印Q61および矢印Q62により示される係数は、図13の矢印Q11および図15の矢印Q33により示される係数と同じである。
矢印Q61および矢印Q62に示した係数を用いた1次元のフィルタ処理を、2次元のフィルタ処理に適用すると、矢印Q63および矢印Q64に示すように、x方向およびy方向に並ぶ画素に係数が乗算されて、縮小画像の画素の画素値が求められることになる。
なお、矢印Q63および矢印Q64に示す例において、斜線の施された1つの円は、混合画像上の画素に乗算される1つの係数を示しており、それらの係数を示す円は、混合画像上の画素と同じ位置関係で配列されている。
また、矢印Q63および矢印Q64に示す例において、図中、左側の図では右方向および下方向は、x方向およびy方向を示している。さらに、矢印Q63および矢印Q64に示す例において、図中、右側の図では右方向および手前方向は、x方向およびy方向を示しており、縦方向は係数の大きさを示している。
矢印Q63に示す例は、混合画像の基準画素の位相の画素を求めるときの係数を示しており、x方向に3つ、y方向に3つ並ぶ画素のそれぞれに係数が乗算されて、画素値が求められる。この例では、合計9個の係数のうち、図中、中央に位置する係数が混合画像の基準画素に乗算される係数を示しており、9個の係数のうち最も大きい値とされている。また、各係数は、その係数が乗算される画素の基準画素からの距離に応じた値とされ、基準画素に近い画素に乗算される係数ほど、その値が大きくなる。
また、矢印Q64に示す例は、混合画像の基準画素から画素以下の距離だけ離れた位相の画素を求めるときの係数を示しており、x方向に4つ、y方向に4つ並ぶ画素のそれぞれに係数が乗算されて、画素値が求められる。
この例では、並べられた合計16個の係数の中央の位置が、求められる縮小画像の画素の位相とされ、その縮小画像の画素の位相から最も近い係数が乗算される画素が、混合画像の基準画素となっている。また、求めようとする縮小画像の画素の位相に近い混合画像の画素に乗算される係数の値が、大きくなるようにされている。
このように、フィルタ処理部262では、x方向およびy方向に並ぶ、基準画素近傍の複数の画素に係数が乗算されて、2次元のフィルタ処理により縮小画像の各画素の画素値が求められる。これにより、基準画素からx方向およびy方向に画素以下の距離だけ離れた位相の画素からなる縮小画像を、1度のフィルタ処理で、より簡単かつ迅速に得ることができる。
例えば、フィルタ処理部262−1は、混合画像の基準画素からx方向と反対方向に1/2画素だけずれた位相の画素からなる縮小画像を生成し、フィルタ処理部262−2は、基準画素からx方向に1/2画素だけずれた位相の画素からなる縮小画像を生成する。
また、フィルタ処理部262−3は、混合画像の基準画素の位相の画素からなる縮小画像を生成する。さらに、フィルタ処理部262−4は、混合画像の基準画素からy方向に1/2画素だけずれた位相の画素からなる縮小画像を生成し、フィルタ処理部262−5は、基準画素からy方向と反対方向に1/2画素だけずれた位相の画素からなる縮小画像を生成する。
[画像処理装置の動作]
次に、図27のフローチャートを参照して、画像処理装置251による画像変換処理について説明する。なお、ステップS171乃至ステップS174の処理は、図11のステップS11乃至ステップS14の処理と同様であるので、その説明は省略する。
ステップS175において、位相制御部261は、縮小画像を生成するときの混合画像の位相を選択する。例えば、位相制御部261は、予め定められた所定のパターンでx方向またはy方向の少なくとも何れか一方の方向に位相を変化させる場合、そのパターンに従って、処理対象の現フレームに対して定められた位相を選択する。
位相制御部261は、選択した位相に対応するフィルタ処理部262に、混合部75からの混合画像を供給し、縮小画像の生成を指示する。
ステップS176において、フィルタ処理部262は、位相制御部261から供給された混合画像に2次元のフィルタ処理を施して、縮小画像を生成する。すなわち、フィルタ処理部262は、位相制御部261から供給された混合画像の基準画素近傍のいくつかの画素の画素値のそれぞれに、予め保持している係数のそれぞれを乗算し、係数の乗算された画素値の和を求めることで、縮小画像の各画素の画素値を求める。
フィルタ処理部262は縮小画像を生成すると、生成した縮小画像を減算部80に供給する。そして、その後、ステップS177乃至ステップS180の処理が行われて画像変換処理は終了するが、これらの処理は図11のステップS19乃至ステップS22の処理と同様であるため、その説明は省略する。
このようにして、画像処理装置251は、入力されたLR画像に対して超解像処理を施し、LR画像をSR画像に変換する。SR画像の生成時において、画像処理装置251は、フレームによって縮小画像の生成に用いる混合画像の画素の位相を変化させながら、混合画像に2次元のフィルタ処理を施して縮小画像を生成する。
このように、2次元のフィルタ処理により混合画像を生成することにより、画素以下の精度で位相をずらすことができ、縮小画像と混合画像との被写体の位相のずれ量をより少なくすることができる。これにより、SR画像の生成時に生じる誤差をより少なくすることができ、SR画像の画質を向上させることができる。また、2次元のフィルタ処理によって、より簡単かつ迅速に縮小画像を得ることができる。
さらに、フレームによって、縮小画像の生成に用いる混合画像の画素の位相を変化させることで、混合画像の生成時に生じた誤差(ノイズ)の蓄積を防止することができ、SR画像の画質を向上させることができる。
〈第6の実施の形態〉
[画像処理装置の構成]
ところで、混合画像から、混合画像の半分の画素数の縮小画像を生成する場合、フレームによって縮小画像の生成に用いる混合画像の画素の位相をずらすときには、例えば1画素、1/2画素、1/4画素など、2画素未満の距離だけ位相をずらすことになる。
一方、混合画像の半分より少ない任意の画素数の縮小画像を生成する場合には、より多くの画素が間引かれるため、フレームによって縮小画像の生成に用いる混合画像の画素の位相をずらすときに、画素単位の距離で位相をずらすようにすることができる。例えば、混合画像の1/8の画素数の縮小画像を生成しようとする場合、8画素未満の距離だけ位相をずらすことになるため、4画素、2画素、1画素など、画素単位の距離で位相をずらせば、より簡単な処理で縮小画像を生成することができる。
具体的には、図28に示すように、縮小画像の生成に用いる画素の位相を、基準画素から所定方向に所定画素数分だけずらす場合、混合画像の各画素の位相(位置)を所定方向と反対方向に、所定画素数分だけずらすと、より簡単に縮小画像を得ることができる。なお、図28において1つの円は、混合画像上の1つの円を表している。
例えば、縮小画像の生成に用いる混合画像の画素の位相を、x方向と反対方向に2画素だけずらす場合、矢印C11に示すように、混合画像の各画素がx方向に2画素だけ移動されることで、各画素の位相がずらされる。なお、矢印C11に示す例では、図中、上側に並ぶ複数の円は、位相をずらす前の混合画像を表しており、図中、下側に並ぶ複数の円は、位相をずらした後の混合画像を表している。また、図中、右方向はx方向を示している。
矢印C11に示す例では、混合画像の各画素はx方向に2画素分の距離だけ位相がずらされている。位相がずらされる前の混合画像における基準画素と同じ位置にある、位相をずらした後の混合画像の画素からなる画像を生成すれば、混合画像の基準画素からx方向と反対方向に2画素だけ離れた位置の画素からなる画像が得られることになる。
同様に、縮小画像の生成に用いる混合画像の画素の位相を、y方向に2画素だけずらす場合、矢印C12に示すように、混合画像の各画素がy方向と反対方向に2画素だけ移動されることで、各画素の位相がずらされる。なお、矢印C12に示す例では、図中、左側に並ぶ複数の円は、位相をずらす前の混合画像を表しており、図中、右側に並ぶ複数の円は、位相をずらした後の混合画像を表している。また、図中、下方向はy方向を示している。
矢印C12に示す例では、混合画像の各画素はy方向と反対方向に2画素分の距離だけ位相がずらされている。位相がずらされる前の混合画像における基準画素と同じ位置にある、位相をずらした後の混合画像の画素からなる画像を生成すれば、混合画像の基準画素からy方向に2画素だけ離れた位置の画素からなる画像が得られることになる。
このように、混合画像の基準画素から、所定の画素数分の距離だけ位相のずれた画素からなる縮小画像を生成する場合、その位相に応じて混合画像の各画素の位相をずらしてから、もとの基準画素と同じ位置の画素をサンプリングすることで、より簡単に縮小画像を得ることができる。
そのような場合、画像処理装置は、図29に示すように構成される。なお、図29において、図8における場合と対応する部分には、同一の符号を付してあり、その説明は適宜、省略する。
図29の画像処理装置291には、画像処理装置61の位相制御部76乃至ダウンサンプリング部79−3に代えて、位相制御部301、ダウンサンプリング部302、位相制御部303、およびダウンサンプリング部304が設けられている。
位相制御部301は、縮小画像を生成するときの混合画像の位相を選択し、選択した位相に応じて混合部75からの混合画像の各画素の位相を、適宜、x方向(より詳細にはx方向と平行な方向)にずらす。位相制御部301は必要に応じて位相のずらされた混合画像をダウンサンプリング部302に供給する。
ダウンサンプリング部302は、位相制御部301から供給された混合画像の予め定められた位相の画素、つまり、もとの混合画像の基準画素と同じ位置にある画素をサンプリングし、それらの画素からなる画像を生成する。これにより、混合画像がx方向にダウンサンプリングされる。ダウンサンプリング部302は、ダウンサンプリングにより生成した画像(混合画像)を位相制御部303に供給する。
位相制御部303は、縮小画像を生成するときの画像の位相を選択し、選択した位相に応じてダウンサンプリング部302からの画像の各画素の位相を、適宜、y方向(より詳細にはy方向と平行な方向)にずらす。位相制御部303は必要に応じて位相のずらされた画像をダウンサンプリング部304に供給する。
ダウンサンプリング部304は、位相制御部303から供給された画像の予め定められた位相の画素、つまり、位相をずらす前のもとの画像の基準画素と同じ位置にある画素をサンプリングし、それらの画素からなる縮小画像を生成する。これにより、混合画像がy方向にダウンサンプリングされる。ダウンサンプリング部304は、ダウンサンプリングにより生成した縮小画像を減算部80に供給する。
[画像処理装置の動作]
次に、図30のフローチャートを参照して、画像処理装置291による画像変換処理について説明する。なお、ステップS211乃至ステップS214の処理は、図11のステップS11乃至ステップS14の処理と同様であるので、その説明は省略する。
ステップS215において、位相制御部301は、予め定められた所定のパターンに従って、縮小画像を生成するときの混合画像の位相を選択し、選択した位相に応じて混合部75からの混合画像の各画素の位相を、適宜、x方向にずらす。
例えば、選択された位相が基準画素と同じ位相であれば、位相制御部301は混合画像の各画素の位相をずらさずに、そのまま混合画像をダウンサンプリング部302に供給する。また、例えば、選択された位相が基準画素とは異なる位相であれば、位相制御部301は、選択した位相に応じて混合画像の各画素を移動させることにより、各画素の位相をずらし、位相をずらして得られた混合画像をダウンサンプリング部302に供給する。
ステップS216において、ダウンサンプリング部302は、位相制御部301からの混合画像における、位相をずらす前の基準画素と同じ位置の画素をサンプリングし、それらの画素からなる画像を生成することで、混合画像をx方向にダウンサンプリングする。ダウンサンプリング部302は、ダウンサンプリングにより得られた画像を位相制御部303に供給する。
ステップS217において、位相制御部303は、予め定められた所定のパターンに従って、縮小画像を生成するときの混合画像の位相を選択し、選択した位相に応じてダウンサンプリング部302からの混合画像の各画素の位相を、適宜、y方向にずらす。
例えば、選択された位相が基準画素と同じ位相であれば、位相制御部303は混合画像の各画素の位相をずらさずに、そのまま混合画像をダウンサンプリング部304に供給する。また、例えば、選択された位相が基準画素とは異なる位相であれば、位相制御部303は、選択した位相に応じて混合画像の各画素を移動させることで、各画素の位相をずらし、位相をずらして得られた混合画像をダウンサンプリング部304に供給する。
ステップS218において、ダウンサンプリング部304は、位相制御部303からの画像における、位相をずらす前の基準画素と同じ位置の画素をサンプリングし、それらの画素からなる画像を生成することで、混合画像をy方向にダウンサンプリングする。ダウンサンプリング部304は、ダウンサンプリングにより得られた縮小画像を減算部80に供給する。
そして、その後、ステップS219乃至ステップS222の処理が行われて画像変換処理は終了するが、これらの処理は図11のステップS19乃至ステップS22の処理と同様であるため、その説明は省略する。
このようにして画像処理装置291は、入力されたLR画像に対して超解像処理を施し、LR画像をSR画像に変換する。SR画像の生成時において、画像処理装置291は、フレームによって縮小画像の生成に用いる画素の位相を変化させながら、その位相に応じて混合画像の各画素の位相をずらすとともに、位相のずらされた混合画像をダウンサンプリングして、縮小画像を生成する。
このように、混合画像の各画素の位相をずらしてからダウンサンプリングを行って、縮小画像を生成することにより、より簡単かつ迅速に縮小画像を得ることができる。しかも、この場合、ダウンサンプリングを行うブロックは、ダウンサンプリングする各方向ごとに1つのブロックがあればよいので、画像処理装置291の小型化を図ることができる。
さらに、フレームによって、縮小画像の生成に用いる混合画像の画素の位相を変化させることで、混合画像の生成時に生じた誤差(ノイズ)の蓄積を防止することができ、SR画像の画質を向上させることができる。
なお、ダウンサンプリング部302およびダウンサンプリング部304において、画像の予め定められた位置の画素をサンプリングすることで、縮小画像を生成すると説明したが、予め定められた位置の画素を用いたフィルタ処理により縮小画像を生成してもよい。
そのような場合、例えば、位相制御部301により位相がずらされた混合画像における、予め定められた位置の画素の画素値に、予め定められた係数が乗算され、係数が乗算された画素値の和の値が求められる。そして、その求められた和の値が、選択した位相の画素の画素値とされ、混合画像の選択した位相の画素からなる画像が生成される。このようにして生成された画像が、x方向にダウンサンプリングされた混合画像とされる。
また、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行することもできるし、ソフトウェアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行する場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、プログラム記録媒体からインストールされる。
図31は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するコンピュータのハードウェアの構成例を示すブロック図である。
コンピュータにおいて、CPU(Central Processing Unit)501,ROM(Read Only Memory)502,RAM(Random Access Memory)503は、バス504により相互に接続されている。
バス504には、さらに、入出力インターフェース505が接続されている。入出力インターフェース505には、キーボード、マウス、マイクロホンなどよりなる入力部506、ディスプレイ、スピーカなどよりなる出力部507、ハードディスクや不揮発性のメモリなどよりなる記録部508、ネットワークインターフェースなどよりなる通信部509、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどのリムーバブルメディア511を駆動するドライブ510が接続されている。
以上のように構成されるコンピュータでは、CPU501が、例えば、記録部508に記録されているプログラムを、入出力インターフェース505及びバス504を介して、RAM503にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。
コンピュータ(CPU501)が実行するプログラムは、例えば、磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disc)等)、光磁気ディスク、もしくは半導体メモリなどよりなるパッケージメディアであるリムーバブルメディア511に記録して、あるいは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供される。
そして、プログラムは、リムーバブルメディア511をドライブ510に装着することにより、入出力インターフェース505を介して、記録部508にインストールすることができる。また、プログラムは、有線または無線の伝送媒体を介して、通信部509で受信し、記録部508にインストールすることができる。その他、プログラムは、ROM502や記録部508に、あらかじめインストールしておくことができる。
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
なお、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
61 画像処理装置, 71 アップサンプリング部, 72 動きベクトル検出部, 73 動き補償部, 75 混合部, 76 位相制御部, 77−1乃至77−3,77 ダウンサンプリング部, 78 位相制御部, 79−1乃至79−3,79 ダウンサンプリング部, 80 減算部, 81 アップサンプリング部, 82 加算部, 131 位相制御部, 132−1乃至132−3,132 フィルタ処理部, 133 位相制御部, 134−1乃至134−3,134 フィルタ処理部, 171 位相制御部, 211 切替部, 261 位相制御部, 262−1乃至262−5,262 フィルタ処理部, 301 位相制御部, 302 ダウンサンプリング部, 303 位相制御部, 304 ダウンサンプリング部

Claims (10)

  1. 第1の解像度の入力画像を、より解像度の高い第2の解像度の出力画像に変換する超解像処理を、時間的に連続する複数の前記入力画像に対して行う画像処理装置であって、
    処理対象の時刻の前記入力画像と、前記処理対象の時刻よりも時間的に前の時刻の入力画像に対する前記超解像処理により得られた前記出力画像とを用いて、前記処理対象の時刻の前記第2の解像度の前記出力画像を予測する予測手段と、
    前記予測手段による予測により得られた予測画像を用いて、処理対象の時刻によって前記予測画像の異なる位相の画素からなる前記第1の解像度の縮小画像を生成する生成手段と、
    前記処理対象の時刻の前記入力画像と、前記縮小画像との差分を求める差分算出手段と、
    前記第2の解像度にアップサンプリングされた前記差分を、前記予測画像に加算することで、前記処理対象の時刻の前記第2の解像度の前記出力画像を生成する加算手段と
    を備える画像処理装置。
  2. 前記生成手段は、予め定められた所定のパターンで、時刻ごとに前記縮小画像を生成するときの前記予測画像の画素の位相を変化させる
    請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記生成手段は、
    前記予測画像の画素の位相を選択する選択手段と、
    前記予測画像から、前記選択手段により選択された位相の画素をサンプリングすることにより、前記縮小画像を生成するサンプリング手段と
    を備える請求項1に記載の画像処理装置。
  4. 前記生成手段は、
    前記予測画像の画素の位相を選択する選択手段と、
    前記予測画像における、前記選択手段により選択された位相の画素近傍のいくつかの画素を用いたフィルタ処理により、前記選択された位相の画素を生成することで、前記縮小画像を生成するフィルタ処理手段と
    を備える請求項1に記載の画像処理装置。
  5. 前記生成手段は、前記予測画像の予め定められた基準となる位相から、所定の方向に所定の距離だけ離れた位相の画素からなる前記縮小画像を生成し、
    前記第2の解像度にアップサンプリングされた前記差分の位相を、前記所定の方向に前記所定の距離だけずらす位相制御手段をさらに備える
    請求項1に記載の画像処理装置。
  6. 前記入力画像はインターレース形式の画像とされ、
    前記生成手段は、
    前記処理対象の時刻の前記入力画像がトップフィールドの画像であるか、ボトムフィールドの画像であるかに応じて、前記予測画像の出力先を切り替える切替手段と、
    前記切替手段から出力された、トップフィールドの前記入力画像から得られた前記予測画像の画素の位相を選択する第1の選択手段と、
    前記予測画像から、前記第1の選択手段により選択された位相の画素をサンプリングすることにより、前記縮小画像を生成する第1のサンプリング手段と、
    前記切替手段から出力された、ボトムフィールドの前記入力画像から得られた前記予測画像の画素の位相を選択する第2の選択手段と、
    前記予測画像から、前記第2の選択手段により選択された位相の画素をサンプリングすることにより、前記縮小画像を生成する第2のサンプリング手段と
    を備える
    請求項1に記載の画像処理装置。
  7. 前記第1の選択手段および前記第2の選択手段は、それぞれ独立に、予め定められたパターンで、フィールドごとに前記縮小画像を生成するときの前記予測画像の画素の位相を変化させる
    請求項6に記載の画像処理装置。
  8. 前記生成手段は、
    前記予測画像の各画素を所定の方向に所定の距離だけ移動させて、前記予測画像の画素の位相をずらす位相制御手段と、
    前記位相制御手段により位相がずらされた前記予測画像における、予め定められた位相の画素からなる前記縮小画像を生成する縮小画像生成手段と
    を備え、
    前記位相制御手段は、予め定められた所定のパターンで、時刻ごとに前記予測画像の画素の位相をずらす方向を変化させる
    請求項1に記載の画像処理装置。
  9. 第1の解像度の入力画像を、より解像度の高い第2の解像度の出力画像に変換する超解像処理を、時間的に連続する複数の前記入力画像に対して行う画像処理装置であり、
    処理対象の時刻の前記入力画像と、前記処理対象の時刻よりも時間的に前の時刻の入力画像に対する前記超解像処理により得られた前記出力画像とを用いて、前記処理対象の時刻の前記第2の解像度の前記出力画像を予測する予測手段と、
    前記予測手段による予測により得られた予測画像を用いて、処理対象の時刻によって前記予測画像の異なる位相の画素からなる前記第1の解像度の縮小画像を生成する生成手段と、
    前記処理対象の時刻の前記入力画像と、前記縮小画像との差分を求める差分算出手段と、
    前記第2の解像度にアップサンプリングされた前記差分を、前記予測画像に加算することで、前記処理対象の時刻の前記第2の解像度の前記出力画像を生成する加算手段と
    を備える画像処理装置の画像処理方法であって、
    前記予測手段が前記予測画像を生成し、
    前記生成手段が、前記予測画像の所定の位相の画素からなる前記縮小画像を生成し、
    前記差分算出手段が前記入力画像と前記縮小画像との前記差分を求め、
    前記加算手段が前記差分を、前記予測画像に加算して前記処理対象の時刻の前記出力画像を生成する
    ステップを含む画像処理方法。
  10. 第1の解像度の入力画像を、より解像度の高い第2の解像度の出力画像に変換する超解像処理を、時間的に連続する複数の前記入力画像に対して行う画像処理用のプログラムであって、
    処理対象の時刻の前記入力画像と、前記処理対象の時刻よりも時間的に前の時刻の入力画像に対する前記超解像処理により得られた前記出力画像とを用いて、前記処理対象の時刻の前記第2の解像度の前記出力画像を予測し、
    前記予測により得られた予測画像を用いて、処理対象の時刻によって前記予測画像の異なる位相の画素からなる前記第1の解像度の縮小画像を生成し、
    前記処理対象の時刻の前記入力画像と、前記縮小画像との差分を求め、
    前記第2の解像度にアップサンプリングされた前記差分を、前記予測画像に加算することで、前記処理対象の時刻の前記第2の解像度の前記出力画像を生成する
    ステップを含む処理をコンピュータに実行させるプログラム。
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