JP2010169478A - 飛翔体 - Google Patents

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Abstract

【課題】比較的近距離の計測制度を確保しつつ装置構成を小型化する。
【解決手段】目標物までの距離を計測しつつ飛翔する飛翔体であって、目標物に対して第1の距離に接近するまではFM−CW方式に基づいて目標物との距離を計測し、第1の距離から第2の距離までの間はCW方式によって得られたビート信号に基づいて目標物との距離を計測する距離計測部を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、目標物に向かって飛翔する飛翔体に関する。
周知のように、目標物との相対速度や距離を計測するレーダ技術の1つとして、CW方式とFM−CW方式が知られている。CW方式レーダは、目標物に向けて単一周波数の送信波を放射して得られる反射波のドップラ周波数に基づいて計測主体と目標物との相対速度を計測するものである。CW方式レーダは、あくまで計測主体と目標物との相対速度を計測するものであり、計測主体と目標物との間の距離を計測するものではない。
一方、FM−CW方式レーダは、CW方式の問題点を克服するものであり、三角波やのこぎり波を変調信号として生成したFM変調波(送信FM−CW信号)を目標物に向けて放射し、この送信FM−CW信号が目標物に反射して得られる反射FM−CW信号と上記送信FM−CW信号とのビート信号の周波数(ビート周波数)に基づいて計測主体と目標物との距離を計測するものであり、またドップラシフトの影響でビート周波数が変調周期(三角波やのこぎり波の周期)後とに周期的に変動することを利用してドップラ周波数をビート周波数から分離して計測し、このドップラ周波数に基づいて計測主体と目標物との相対速度を計測するものである。このようなFM−CW方式レーダによれば、計測主体と目標物との相対速度及び両者の距離を計測することができる。
このようなCW方式やFM−CW方式に基づいて高度を計測する技術は、例えば下記特許文献1、2に開示されている。
特開2000−292529号公報 特開2002−055159号公報
ところで、距離計測が可能な上記FM−CW方式レーダには、目標物との距離が短くなると計測精度が低下するという測定原理上の問題がある。すなわち、FM−CW方式レーダでは、送信FM−CW信号を生成する際に発生する周波数遷移の過渡応答によって送信FM−CW信号にノイズ周波数成分が混入し、目標物との距離が短くなると上記ノイズ周波数成分とビート信号の周波数とが近くなるなるため、ビート信号をノイズ周波数成分から精度良く分離することができなくなるために計測精度が低下する。
一方、飛翔体の技術分野では、より小型の飛翔体に目標物との距離計測機能を付加させたいという要求があるが、上記FM−CW方式レーダを小型の飛翔体に搭載するためには装置構成を従来よりも小型化する必要がある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、比較的近距離の計測制度を確保しつつ装置構成を小型化することを目的とするものである。
上記目的を達成するために、本発明では、第1の解決手段として、目標物までの距離を計測しつつ飛翔する飛翔体であって、目標物に対して第1の距離に接近するまではFM−CW方式に基づいて目標物との距離を計測し、第1の距離から第2の距離までの間はCW方式によって得られたビート信号に基づいて目標物との距離を計測する距離計測部を備える、という手段を採用する。
第2の解決手段として、上記第1の手段において、距離計測部はCW方式に基づいて生成されるビート信号の波数を係数することにより目標物に対して第2の距離まで接近したことを判定する、という手段を採用する。
第3の解決手段として、上記第1または第2の手段において、距離計測部は、FM−CW方式に基づいて得られるドップラシフト周波数が第1の距離に相当する周波数になると、送信FM−CW信号を生成するFM変調器に直流電圧を変調信号として入力させることによりFM−CW方式による距離計測をCW方式に基づく距離計測に切り替える、という手段を採用する。
本発明によれば、目標物までの距離を計測しつつ飛翔する飛翔体であって、目標物に対して第1の距離に接近するまではFM−CW方式に基づいて目標物との距離を計測し、第1の距離から第2の距離までの間はCW方式によって得られたビート信号に基づいて目標物との距離を計測する距離計測部を備えるので、比較的近距離の計測制度を確保しつつ装置構成を小型化することが可能である。
本発明の一実施形態に係る飛翔体Aの要部機能構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係る飛翔体Aの地上に接近した状態を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係る飛翔体Aにおける評価電圧Eと距離Rとの関係を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係る飛翔体Aにおいて、FM−CW方式における送信波及び反射波の関係を示す模式図(a)及びビート周波数fb1の時間変化を示す模式図(b)である。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る飛翔体Aの要部つまり距離計測部の機能構成を示すブロック図である。この図1に示すように、飛翔体Aは、のこぎり波発生器1、直流電圧発生器2、アナログスイッチ3、VCO4、方向性結合器5、サーキュレータ6、アンテナ7、ミキサ8、増幅器9、アナログスイッチ10、BPF11、F/Vコンバータ12、基準電圧発生器13、コンパレータ14、BPF15、しきい値電圧発生器16、コンパレータ17及びカウンタ18からなる距離計測部を備えている。
飛翔体Aは、略円柱状の物体であり、飛翔時の空気抵抗を減少させるために先端が尖った形状を有する。このような飛翔体Aは、所定の発射装置(図示略)によって中心軸方向が飛翔方向となるように、また所定の発射角度(例えば地面に対して60°の仰角)で発射されて空中を飛翔し、上記発射角度と略等しい入射角φで地上に落下する。また、この飛翔体Aは、図2に示すように、地上に落下する直前の所定高度Haに達した時点で作動指令信号を生成して内部器機を作動させる機能を備えるものであり、上記各機能構成要素からなる作動指令信号生成回路及び当該作動指令信号生成回路を動作させるための直流電源(図示略)を内部に備えている。
のこぎり波発生器1は、のこぎり波信号を発振してアナログスイッチ3の一方の入力端に出力する電子回路である。直流電圧発生器2は、所定の直流電圧を生成してアナログスイッチ3の他方の入力端に出力する電子回路であり、例えば上記直流電源の出力電圧(電源電圧)を2つの抵抗器で分圧して上記直流電圧を生成する抵抗分圧回路である。アナログスイッチ3は、コンパレータ14から入力される2値信号に基づいて上記のこぎり波信号あるいは直流電圧の何れか一方を択一的に選択する電子回路であり、のこぎり波信号あるいは直流電圧の何れか一方をVCO4の発振周波数を制御する変調信号としてVCO4に出力する。
VCO4は、上記アナログスイッチ3から入力される変調信号によって出力信号の周波数が制御される電圧制御型発振器(Voltage Controlled Oscillator)である。このVCO4は、マイクロ波帯の出力信号を発振する電子回路であり、上記のこぎり波信号が変調信号として入力された場合、こぎり波信号の波形状、つまりのこぎり波状に繰り返し変化する周波数fFMの出力信号を送信信号として方向性結合器5に出力し、一方、上記直流電圧が変調信号として入力された場合には、一定周波数frの出力信号を送信信号として方向性結合器5に出力する。
すなわち、飛翔体Aは、アナログスイッチ3がのこぎり波発生器1を選択してのこぎり波信号をVCO4に供給する状態では、VCO4がのこぎり波によって周波数変調された送信信号を方向性結合器5に出力するので、FM−CW方式に基づいて距離測定を行うように機能する。この一方、アナログスイッチ3が直流電圧発生器2を選択して所定の直流電圧をVCO4に供給する状態では、VCO4が一定周波数の送信信号を方向性結合器5に出力するので、CW方式に基づいて機能する。
方向性結合器5は、入力方向に対して方向性を有するマイクロ波分波器であって、VCO4から入力される送信信号をサーキュレータ6とミキサ8とに分岐して出力する一方、送信信号の反射によりサーキュレータ6から入力された送信信号はVCO4及びミキサ8に出力しない電子回路である。サーキュレータ6は、方向性結合器5から入力された送信信号を分波してアンテナ7とミキサ8とに出力すると共に、アンテナ7から入力される反射信号(送信信号に基づいてアンテナ7から放射された送信波が地面に反射してアンテナ7で捉えられた反射波に基づく信号)をミキサ8のみに出力する電子回路である。
アンテナ7は、飛翔体Aの先端に設けられた例えば平面アンテナであり、サーキュレータ6から給電された送信信号に基づいて飛翔体Aの飛翔方向(先端方向)に送信波を放射すると共に、当該送信波が地面に反射して入射する上記反射波を捉えて反射信号としてサーキュレータ6に出力する電子部品である。飛翔体Aはある速度(飛翔速度V)で飛翔し、また地面は固定されたものなので、上記反射波は、飛翔体Aと地面との相対速度、つまり飛翔速度Vに応じた周波数(ドップラ効果に基づくドップラー周波数fd)だけ周波数偏移したマイクロ波である。
ミキサ8は、方向性結合器5から入力された送信信号とサーキュレータ6から入力された反射信号とをミキシング(乗算処理)して増幅器9に出力する電子回路である。このようなミキサ8の出力信号は、送信信号と反射信号とを乗算処理したものなので、送信信号の周波数と反射信号の周波数との差分周波数(ビート周波数fb)の信号成分(ビート信号)及び加算周波数の信号成分を含む信号である。増幅器9は、このようなミキサ8の出力信号を増幅してアナログスイッチ10に出力する電子回路である。
アナログスイッチ10は、コンパレータ14から入力される2値信号に基づいて上記増幅器9の出力信号をBPF11あるいはBPF15の何れか一方に択一的に出力する電子回路である。BPF11は、アナログスイッチ10を介して入力される増幅器9の出力信号からFM−CW方式に基づくビート信号のみを選択的に取り出してF/Vコンバータ12に出力する電子回路である。F/Vコンバータ12は、このようなBPF11から入力されたビート信号を周波数(frequency)/電圧(voltage)変換し、評価電圧としてコンパレータ14の逆相入力端に出力する電子回路である。
基準電圧発生器13は、F/Vコンバータ12から入力される評価電圧Eに対する基準電圧Vref(つまり評価信号の周波数に対する基準周波数frefに相当する電圧)を発生してコンパレータ14の正相入力端に出力する電子回路である。コンパレータ14は、上記基準電圧Vrefと評価電圧Eとを比較し、その比較結果に応じた2値信号(Lレベル/Hレベル)を上記アナログスイッチ3、10に出力する電子回路である。
ここで、詳細については後述するが、飛翔体Aの飛翔に伴って飛翔体Aと地面との距離Rが徐々に短くなると、評価信号の周波数は徐々に低くなるので、評価電圧Eは徐々に低くなり、ある基準時点tsで基準電圧Vrefよりも低くなる。つまり、コンパレータ14の出力は、評価電圧Eが基準電圧Vrefよりも小さくなった上記基準時点tsにおいてLレベルからHレベルに遷移する。基準電圧発生器13がコンパレータ14に出力する上記基準電圧Vrefは、許容できる計測精度の最小限の距離Rs(基準距離)に相当する値に設定されている
上記アナログスイッチ3は、コンパレータ14の出力がLレベルの場合、のこぎり波発生器1から入力されるのこぎり波信号を選択してVCO4に変調信号として出力し、一方、コンパレータ14の出力がHレベルの場合には、直流電圧発生器2から入力される直流電圧を選択してVCO4に変調信号として出力する。また、上記アナログスイッチ10は、コンパレータ14の出力がLレベルの場合、増幅器9の出力信号をBPF11に出力し、一方、コンパレータ14の出力がHレベルの場合には、増幅器9の出力信号をBPF15に出力する。
BPF15は、アナログスイッチ10を介して入力される増幅器9の出力信号からドップラー周波数fdの信号成分(ドップラー信号)のみを選択的に取り出し、このドップラー信号をコンパレータ17の正相入力端に出力する電子回路である。しきい値電圧発生器16は、ドップラー信号を2値化するためのしきい値電圧(例えばドップラー信号の振幅の中心電圧に相当する値)を生成してコンパレータ17の逆相入力端に出力する電子回路である。このしきい値電圧発生器16は、例えば上記直流電源の出力電圧(電源電圧)を2つの抵抗器で分圧して上記しきいち電圧を生成する抵抗分圧回路である。
コンパレータ17は、上記ドップラー信号としきい値とを比較することによってアナログ信号であるドップラー信号を2値化信号に変換し、評価パルス信号としてカウンタ18に出力する電子部品である。カウンタ18は、上記評価パルス信号を予め設定された所定数(規定カウント値)だけ係数すると、オーバーフロー信号として作動指令信号を出力する電子回路である。
なお、このカウンタ18における上記規定カウント値及び上記基準電圧発生器13における基準電圧については、固定値として飛翔体Aに予め設定するようにしても良いし、あるいは必要に応じて外部から飛翔体Aに随時設定することにより設定変更が容易になっていても良い。
次に、このように構成された飛翔体Aの動作について、図3をも参照して詳しく説明する。
飛翔体Aは、所定の発射角度で発射されて空中を放物線を描いて飛翔し、図2に示すように発射角度と略等しい入射角φで地上に落下する。上記発射角度が一定の場合、入射角φも一定と考えることができる。また、飛翔体Aは、発射直後から距離計測部が作動して飛翔に伴って時々刻々と変化する地上との距離を計測する。飛翔体Aは、放物線を示す飛翔軌道の最高高度を通過すると、先端部つまりアンテナ7が地面の方向を向くので、送信波が地面に反射されて発生した反射波をアンテナ7が捉えるようになると共に地面に徐々に近づく。
そして、発射後の初期状態ではコンパレータ14の出力はLレベルであり、のこぎり波信号が変調信号としてVCO4に供給されるので、距離計測部は、FM−CW方式に基づいて距離測定を行うように機能する。すなわち、距離計測部は、FM変調波である周波数fFMの送信波をアンテナ7から地上に向けて放射し、この送信波の反射波をアンテナ7で捉える。
周知のように、FM−CW方式では、送信波と反射波とによって発生するビート信号のビート周波数と送信波を目的物に向けて放射する計測主体と目的物との距離との間に一定の関係が成立することを利用して距離を計測する。すなわち、BPF11からF/Vコンバータ12に出力されるビート信号のビート周波数fbと飛翔体Aと地面との距離Rとの間には、変調信号であるのこぎり波信号の繰り返し周波数fm、送信波(反射波)の周波数偏移幅Δf、光速c(送信波及び反射波の伝搬速度)をパラメータとする下式(1)の関係が成立する。
fb=4R・fm・Δf/c (1)
上記各パラメータは予め決められた定数なので、この式(1)が示すように、飛翔体Aが飛翔によって地面に徐々に近づいて距離Rが徐々に小さくなると、ビート周波数fbも徐々に小さくなる。したがって、F/Vコンバータ12から出力される評価電圧Eは、図3に示すように、上記距離Rに比例して直線的に小さくなる。
ここで、上述したように距離Rが小さくなると、ビート周波数fbがノイズ成分の周波数に近づくために距離Rの計測精度が低下するが、基準電圧発生器13がコンパレータ14に出力する基準電圧Vrefは、許容できる基準距離Rsに相当する値に設定されているので、距離Rが基準距離Rsに等しくなった基準時点tsにおいて、コンパレータ14の出力はLレベルからHレベルに遷移する。
この結果、アナログスイッチ3は、のこぎり波信号に代えて、直流電圧発生器2から入力される直流電圧をVCO4に変調信号として出力し、またアナログスイッチ10は、増幅器9の出力信号をBPF11に代えてBPF15に出力するので、飛翔体Aは、図2に示すようにFM−CW方式に基づく動作からCW方式に基づく動作に切り替わる。
すなわち、飛翔体Aは、地面との距離Rが基準電圧Vrefによって予め規定された基準距離Rsに至るまでの間、FM−CW方式に基づいて動作し、距離Rが基準距離Rsに至った基準時点tsにおいてCW方式に基づく動作に切り替わる。基準距離Rsは、FM−CW方式に基づく距離計測の計測精度が十分に確保される最小限の距離として予め設定されたものなので、十分な計測精度が得られる状態で計測されたものである。
このようにして、飛翔体Aは、図2に示すように地面からの距離Rが基準距離Rsに到達した基準時点tsからCW方式に基づいて機能するので、直流電圧発生器2が発生する直流電圧に基づく単一周波数の送信波をアンテナ7から地面に向けて放射し、この送信波の反射波をアンテナ7で捕らえる。この反射波は、飛翔体Aが飛翔速度Vで飛翔しているので送信波に対してドップラー周波数fdだけ周波数偏移したものとなる。
CW方式の場合、ミキサ8で発生するビート信号(周波数差分信号)のビート周波数fbは、ドップラー周波数fdと等しくなる。BPF15は、このようなドップラー周波数fdのドップラー信号(ビート信号)のみを選択的に通過させてコンパレータ17に供給し、この結果、ドップラー信号を2値化した信号が評価パルスとしてコンパレータ17からカウンタ18に入力される。
ここで、上記ドップラー周波数fdと飛翔速度Vとの関係は、周知のように送信波及び反射波の周波数fr及び光速c(送信波及び反射波の伝搬速度)をパラメータとする下式(2)によって表される。
fd=−2V・fr/c (2)
また、図2に示すように、飛翔体Aが上記基準距離Rsから作動指令信号を出力する条件として規定された高度Haに相当する距離Ra(作動距離)に到達する間での時間Δtは、飛翔速度Vをパラメータとして下式(3)によって与えられる。
Δt=(Rs−Ra)/V (3)
そして、ドップラー信号の波数N(カウンタ18のカウント数に相当する)は、上記ドップラー周波数fdと時間Δtとからなる式(4)によって近似的に与えられる。
N=fd・Δt=(−2V・fr/c)・{(Rs−Ra)/V}
=−2fr・(Rs−Ra)/c (4)
すなわち、式(4)は、飛翔速度Vをパラメータとして含んでいないので飛翔速度Vの影響を受けることなく、また、送信波及び反射波の周波数fr、基準距離Rs及び光速c(送信波及び反射波の伝搬速度)は既知の値なのでドップラー信号の波数N、つまりカウンタ18のカウント数Nに基づいて作動距離Raを求めることができることを示している。したがって、カウンタ18に予め設定される規定カウント値を式(4)に基づいて設定することにより、飛翔体Aが高度Haに相当する作動距離Raに到達した時点taで作動指令信号を出力させることができる。
ここで、図4(a)は、FM−CW方式における送信波及び反射波の関係を横軸を時間、縦軸を周波数として示す模式図である。この図4(a)に示すように、送信波は、周波数fFMが変調信号であるのこぎり波信号の波形に即してのこぎり波状に変化し、一方、反射波は、飛翔体Aと地上との間の距離を伝搬する時間ΔTだけ遅延してアンテナ7に捉えられるので、送信波に対して時間ΔTだけ位相遅れしたものとなる。また、反射波は、飛翔体Aが飛翔速度Vで飛翔しているので、上記位相遅れに加えて、ドップラー効果によって送信波に対してドップラー周波数fdだけ周波数偏移したものとなる。
図4(b)は、このような送信波と反射波との差分周波数成分、つまりBPF11からF/Vコンバータ12に出力されるビート信号のビート周波数fbの時間変化を示す模式図である。この図に示すように、FM−CW方式におけるビート周波数fbは、変調信号であるのこぎり波信号の周期で周波数(fFM−fd)と周波数(fFM+fd)とをパルス状に交互に繰り返すものとなる。
通常、FM−CW方式では、ビート周波数fbを検出して式(1)に代入することによって距離Rを求め、また周波数(fFM−fd)と周波数(fFM+fd)とを検出することによりドップラー周波数fdを求めて上式(2)に基づいて飛翔速度Vを求める。このような距離R及び飛翔速度Vは、CPU(Central Processing Unit)と専用プログラムが記憶されたメモリ等を用いた演算処理によるものであり、距離計測部に比較的大きな実装面積を必要とするのが現状である。
これに対して、本実施形態では、CPU及び専用プログラムが記憶されたメモリ等を用いた演算処理に依らず、FM−CW方式に基づいて基準距離Rsを計測した基準時点tsにおいてFM−CW方式からCW方式に動作方式を切替えて、CW方式に基づいて得られるドップラー周波数fdの波数Nをカウンタ18で規定カウント値だけ計数するという手法を採用することによって、飛翔体Aが高度Haに相当する作動距離Raに到達した時点taを検出して作動指令信号を出力する。
すなわち、本実施形態では、図1に示すようにアナログ回路及びデジタル回路として一般的かつ簡単なものを組み合わせた距離計測部を採用するので、当該距離計測部を例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)のような単一の電子部品とすることが可能である。したがって、本実施形態によれば、距離計測部の省スペース化を実現することが可能であり、よって従来よりも小型の飛翔体に距離計測部を実装することが可能になるので、距離計測機能を備えた従来よりも小型の飛翔体を実現なすることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のような変形例が考えられる。
(1)上記実施形態では、FM−CW方式に基づくビート信号をF/Vコンバータ12を用いて評価電圧に変換し、この評価電圧をコンパレータ14で基準電圧Vrefと比較するようにしたが、このような回路構成に代えて、BPF11から出力されたビート信号を基準電圧Vrefに相当する基準周波数frefの基準信号とミキサでミキシングすることによりビート周波数fbと基準周波数frefとの差分周波数fhを発生させ、この差分周波数fhをF/Vコンバータ12で評価電圧に変換し、このような評価電圧をコンパレータ14でGND(グランド)電位と比較するように構成しても良い。
すなわち、このような変形例に係る回路構成は、基準電圧発生器13に代えて、ビート信号と基準信号とをミキシングするミキサ及び当該ミキサの出力信号から差分周波数fhの信号成分のみを取り出すBPFとを設けるものであり、上記実施形態よりも回路規模が若干大きくなる懸念があるが、上記実施形態と同等の回路機能を実現することが可能である。
(2)上記実施形態では、のこぎり波発生器1と直流電圧発生器2とをアナログスイッチ3で切替えることによりVCO4に供給する変調信号を切替える構成を採用したが、本発明はこれに限定されない。例えば、のこぎり波信号の直流バイアス電圧を直流電圧発生器2が出力する直流電圧と一致させるように設定し、コンパレータ14の出力信号に基づいて交流としてのこぎり波信号の発振動作を停止させることにより、FM−CW方式とCW方式とを切替えるようにしても良い。または、サンプルホールド回路を用いてのこぎり波信号を上記直流電圧のタイミングでサンプルホールドすることにより、FM−CW方式とCW方式とを切替えるようにしても良い。
(3)上記実施形態では、のこぎり波を変調信号としてFM−CW方式の送信信号を生成したが、変調信号はこぎり波に限定されず他の波形の信号、例えば三角波信号であっても良い。
A…飛翔体、1…のこぎり波発生器、2…直流電圧発生器、3…アナログスイッチ、4…VCO、5…方向性結合器、6…サーキュレータ、7…アンテナ、8…ミキサ、9…増幅器、10…アナログスイッチ、11…BPF、12…F/Vコンバータ、13…基準電圧発生器、14…コンパレータ、15…BPF、16…しきい値電圧発生器、17…コンパレータ、18…カウンタ

Claims (3)

  1. 目標物までの距離を計測しつつ飛翔する飛翔体であって、
    目標物に対して第1の距離に接近するまではFM−CW方式に基づいて目標物との距離を計測し、第1の距離から第2の距離までの間はCW方式によって得られたビート信号に基づいて目標物との距離を計測する距離計測部を備えることを特徴とする飛翔体。
  2. 前記距離計測部は、CW方式に基づいて得られたビート信号の波数を係数することにより目標物に対して第2の距離まで接近したことを判定することを特徴とする請求項1記載の飛翔体。
  3. 前記距離計測部は、FM−CW方式に基づいて得られるドップラシフト周波数が第1の距離に相当する周波数になると、送信FM−CW信号を生成するFM変調器に直流電圧を変調信号として入力させることによりFM−CW方式による距離計測をCW方式に基づく距離計測に切り替えることを特徴とする請求項1または2記載の飛翔体。
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