JP3153816U - Fm−cwレーダ装置 - Google Patents
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Abstract
Description
受信波は、送信波に対しアンテナと物体間を往復する時間だけ遅れるため、送信波と受信波の周波数は異なり、ミキサにより混合された送信波信号と受信波信号からはミキサの動作に従って和と差の信号が生じることになる。ここで、差信号のみを取り出すと、その周波数は送信波と受信波の時間差に比例しているため、周波数の差を測定することにより被計測物体までの距離を測定することが可能となる。このようなFM−CWレーダ装置では、機器の大きさ、電波の広がりから10GHz、24GHzなどのマイクロ波帯が使用される。
特許文献1では、使用する発振器を電圧制御発振器とし、電圧−周波数間の関係を予め計測しておき、その非直線性を補正した制御信号を生成することにより問題を解決しようとしている。特許文献2では、内部に所定の信号遅延回路を備え、その遅延回路による遅延を距離に見立て制御特性を求め補正している。
そこで、本考案は、上記問題に鑑み、送信波の発振周波数の安定性を長期に亘って確保することができるFM−CWレーダ装置を提供することを目的とする。
すなわち、本考案にかかるFM−CWレーダ装置は、被計測物体へ送信する送信波を生成するための送信波発生部を備え、前記送信波を前記被計測物体へ送信することで被計測物体の距離を測定するFM−CWレーダ装置において、前記送信波発生部は、入力された電圧に応じたマイクロ波を発生して前記送信波を生成する電圧制御発振器と、前記送信波を基準波として分配する分配器と、前記基準波を分周した分周波を発生させる分周器と、前記分周波よりも周波数が安定した参照波を発生するダイレクトデジタルシンセサイザーと、前記分周器により分周した分周波と前記ダイレクトデジタルシンセサイザーの参照波との位相差に応じた電圧を前記電圧制御発振器へフィードバックする位相比較器とを有している点にある。
このことを言い換えるならば、好ましくは、本考案のFM−CWレーダ装置は、前記基準波の周波数に近似した周波数である固定波を発生する固定波発生部(PLL発振器)と、前記固定波と基準波との差の周波数を有する差分波を求める混合部とを有し、前記位相比較器に前記混合部で求めた差分波が入力されるように構成されているとよい。
図1は、本考案に係るFM−CWレーダ装置1のブロック構成図である。
FM−CWレーダ装置1は、発振器のクロックに基づいてマイクロ波を発生することで周波数ftの送信波を発生する送信波発生部2と、この送信波を被計測物体Wに向けて発射すると共に、被計測物体Wで反射された周波数frの反射波(受信波)を受信する送受信部3とを有している。送受信部3としては、マイクロ波を効率的に送受信可能なホーンアンテナやパラボラアンテナなどが用いられている。
このようなFM−CWレーダ装置1の動作を簡単に説明すると、送信波発生部2において周波数ftの送信波(10GHzや24GHz)が発生し、その送信波は、当該送信波を送受信部3を介して被計測物体Wに向けて発射される。被計測物体Wから反射した周波数frの受信波は、送受信部3を介してサーキュレータ4に入り、混合部5へと送られる。そして、混合部5にて、第1波形と受信波とがミキシングされ、ミキシングされたビート信号が演算部6へと送られる。
図2には、被計測物体Wに向けて発射した送信波と、被計測物体Wから反射して戻ってきた受信波とが重ね合わせて記載されている。この図から明らかなように、送信波と受信波との間にはΔtだけ時間差(送信波に対して受信波が遅れる)が存在し、この時間差と被計測物体Wの距離とは比例関係にある。
さて、被計測物体Wまでの距離Rを正確に割り出すためには、送信波の長期的な安定性(時間的な安定性や環境温度の変化に対する安定性)が必要である。本考案では、精鋭研究の結果、送信波発生部2の構造を送信波の長期的な安定性を確保できる構造としている。
近年、基準のクロックを元にデジタル処理により任意周波数の正弦波を発生するDDS(Direct Digital Synthesizer)が実用化されるようになってきている。DDSでは、水晶発振器等の高安定度の発振器が用いられており、その基準クロックは、非常に安定していて、任意の周波数(〜1GHz,分解能0.01Hz)も発生できるものとなっている。また、集積回路技術の進歩に伴い、DDSはワンチップ化され、安価に入手可能となっている。
そこで、発明者らは、発振周波数が非常に安定していて且つ任意の周波数の信号を出力することができるDDSに着目し、DDSを用いることによって送信波の長期的な安定性を確保することを考えた。しかしながら、DDSにおいては、その動作周波数の上限が1GHzであり、FM−CWレーダ装置1における発振器、即ち、送信波の発振器として直接使用することができない。
詳しくは、図3に示す如く、送信波発生部2は、電圧に応じて発振周波数が変化してマイクロ波(送信波)を発生する電圧制御発振器7と、電圧制御発振器7から発生したマイクロ波(送信波)を同一の周波数にて分配する分配器8とを備えている。ここで、電圧制御発振器7から発生したマイクロ波(送信波)を同一の周波数にて分配したもの、すなわち分配器8の出力を「基準波」という。
この送信波発生部2では、電圧制御発振器7から発生したマイクロ波(送信波)が分配器8によって分配され、分配された基準波が分周器9によって1/N倍され、周波数が1/N倍となった分周波とDDS10により発生した参照波とが位相比較器11に入力され、分周波と参照波との位相差に応じた電圧が出力され、電圧制御発振器7にフィードバックされる。その結果、電圧制御発振器7の周波数は、DDS10のN倍の周波数に同期したものとなり、電圧制御発振器7の周波数がDDS10とほぼ同等の安定性を有するようになる。
図4に示すように、送信波発生部2Aは、上述した構成の他に、別のPLL回路にて安定化した周波数を発振するPLL発振器(固定周波数発振器)12と、このPLL発振器12から出力された信号と電圧制御発振器7の信号とを混合する混合部13とを有している。
PLL発振器12から発生した固定波の周波数fLは、電圧制御発振器7から出力された基準波の周波数foに近似したものであり、混合部13から出力される差分波の周波数は、比較的、DDS10が発生した周波数に近いものとなっている。この送信波発生部2Aでは、周波数がfo−fLとなった差分波が分周器9及び位相比較器11に入力され、DDS10の参照波に同期させて電圧制御発振器7へとフィードバックすることにより、送信波が発生する。
図5は、送信波発生部にDDSを用いた例(参考例)を示す。この送信波発生部2Bは、PLL回路を用いた送信波発生を行うものとはなっていない。
詳しくは、固定周波数発振器15が発生した固定波の周波数をfxとし、DDS10が発生した周波数をfDとすると、混合部16からは、fx+fDの周波数の信号と、fx−fDの周波数の信号とが出力されることになる。フィルタ17では、当該フィルタをハイパスフィルタにして信号を通すことにより、fx+fDの周波数の信号のみを取り出すようにし、fx+fDの周波数の信号を送信波とするとよい。
ところが、このような周波数変換に際しては混合器16(ミキサ)に必ず損失がある(8dB〜12dB程度)。したがって、図5に示す送信波発生部2BをFM−CWレーダ装置1に使用すると、混合器16の損失が送信波の出力に直接に影響し、フィルタ17の後にアンプが必要となる。
以上述べた本考案によれば、比較的安価に入手可能なDDSを用いることで、送信波の発振周波数の安定性を長期に亘って確保することが可能となる。
2 送信波発生部
3 送受信部
4 サーキュレータ
5 混合部
6 演算部
7 電圧制御発振器
8 分配器
9 分周器
10 DDS(ダイレクトデジタルシンセサイザー)
11 位相比較器
12 PLL発振器
13 混合部
15 固定周波数発振器
16 混合部
17 フィルタ
Claims (2)
- 被計測物体へ送信する送信波を生成するための送信波発生部を備え、前記送信波を前記被計測物体へ送信することで被計測物体の距離を測定するFM−CWレーダ装置において、
前記送信波発生部は、入力された電圧に応じたマイクロ波を発生して前記送信波を生成する電圧制御発振器と、
前記送信波を基準波として分配する分配器と、
前記基準波を分周した分周波を発生させる分周器と、
前記分周波よりも周波数が安定した参照波を発生するダイレクトデジタルシンセサイザーと、
前記分周器により分周した分周波と前記ダイレクトデジタルシンセサイザーの参照波との位相差に応じた電圧を前記電圧制御発振器へフィードバックする位相比較器とを有していることを特徴とするFM−CWレーダ装置。 - 前記基準波の周波数に近似した周波数である固定波を用意しておき、
前記固定波と基準波との差の周波数を有する差分波を求め、
前記差分波と前記ダイレクトデジタルシンセサイザーの参照波との位相差を検出すべく、前記差分波を前記位相比較器に入力していることを特徴とする請求項1に記載のFM−CWレーダ装置。
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JP2009004777U JP3153816U (ja) | 2009-07-09 | 2009-07-09 | Fm−cwレーダ装置 |
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JPWO2016051438A1 (ja) * | 2014-10-03 | 2017-04-27 | 三菱電機株式会社 | 信号生成回路 |
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