JP6678838B2 - 位相差検出回路およびレーダ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複数のアンテナ素子から出力される送信信号間の位相差を検出する技術に関し、特に、レーダ装置のアレイアンテナを構成する複数のアンテナ素子から出力される送信信号間の位相差を検出する技術に関するものである。
ターゲット(物標)との距離およびターゲットの相対速度といったターゲット情報を探知するレーダ装置においては、周波数変調方式が広く採用されている。周波数変調方式としては、たとえば、周波数変調連続波(Frequency−Modulated Continuous−Wave,FMCW)方式が広く知られている。FMCW方式では、時間とともに直線的に変化する送信周波数を有するチャープ(chirp)と呼ばれる送信信号を使用することが多い。FMCW方式で動作するレーダ装置は、送信信号と受信信号との間の周波数差であるビート周波数を測定し、そのビート周波数を基にターゲットとの距離および当該ターゲットの相対速度を検出することが可能である。
たとえば、特許文献1(特開2006−10404号公報)には、N本のアンテナ(Nは2以上の整数)間の位相差を検出するFMCW方式のレーダ装置が開示されている。このレーダ装置は、送信信号を生成する信号生成器(電圧制御発振器)と、当該N本のアンテナの中からいずれか1本のアンテナを選択して当該選択されたアンテナから送信信号を出力させる1対Nスイッチと、信号生成器の出力の一部と受信信号とを混合するミキサと、このミキサの出力の電圧レベルを測定する信号処理部とを備える。特許文献1によれば、送信信号の周波数変調が停止された状態で、1対NスイッチがN本のアンテナを順次選択する。当該選択された各アンテナは周波数無変調の送信信号を送信し、ミキサは、当該送信信号と受信信号との位相差に相当する直流電圧レベルを出力する。そして、信号処理部は、N本のアンテナそれぞれについて測定された直流電圧レベルからN本のアンテナについての位相値を算出し、これら位相値に基づき、アンテナ間の位相差を検出している。
特開2006−10404号公報(たとえば、請求項1および図1)
上記した特許文献1記載の位相差検出技術は、N本のアンテナについて共通の信号生成器(電圧制御発振器)を使用することを前提とする技術である。このため、複数のアンテナについて個別に複数の信号生成器を有するレーダ装置の場合、特許文献1記載の位相差検出技術を適用することが難しいという課題がある。
上記に鑑みて本発明の目的は、複数のアンテナ素子について個別に複数の信号生成器が設けられている場合でも、当該複数のアンテナ素子から出力される送信信号間の位相差を高精度に検出することができる位相差検出回路およびレーダ装置を提供することである。
本発明の一態様による位相差検出回路は、第1のアンテナ素子および第2のアンテナ素子と接続された状態で使用される位相差検出回路であって、第1の測距モードで動作した後に送信モードで動作するように制御され、前記第1の測距モードでは、周波数変調された第1の測距信号を生成し、前記第1の測距信号を前記第1のアンテナ素子から送信させた後に外部空間内のターゲットから反射波を受信して第1の受信信号を生成し、前記送信モードでは、周波数変調されない高周波信号を生成し、前記高周波信号を前記第1のアンテナ素子から送信させる第1の送受信回路と、第2の測距モードで動作した後に受信モードで動作するように制御され、前記第2の測距モードでは、周波数変調された第2の測距信号を生成し、前記第2の測距信号を前記第2のアンテナ素子から送信させた後に前記ターゲットから反射波を受信して第2の受信信号を生成し、前記受信モードでは、前記高周波信号に対応する反射波を前記ターゲットから受信して第3の受信信号を生成する第2の送受信回路と、前記第1の受信信号に基づき、前記第1の送受信回路と前記ターゲットとの間における前記第1の測距信号の往復伝播時間を示す第1の計測値を算出し、かつ、前記第2の受信信号に基づき、前記第2の送受信回路と前記ターゲットとの間における前記第2の測距信号の往復伝播時間を示す第2の計測値を算出する計測部と、前記第1の測距信号と前記第2の測距信号との間の位相差を算出する位相差算出部とを備え、前記第2の送受信回路は、前記第3の受信信号と前記第2の測距信号との間の周波数差を示すビート信号を生成し、前記位相差算出部は、前記第1の計測値、前記第2の計測値および前記ビート信号に基づいて前記位相差を算出することを特徴とする。
本発明によれば、複数のアンテナ素子から送信される測距信号間の位相差を高精度に検出することができる。
本発明に係る実施の形態1であるレーダ装置1の概略構成を示す図である。 実施の形態1における信号生成器の一例を示すブロック図である。 実施の形態1のアレイアンテナの動作状態を概略的に示す図である。 送信周波数Ftと受信周波数Frとの間の関係を概略的に示すグラフである。 実施の形態1に係る動作制御処理の手順の一例を概略的に示すフローチャートである。 図6Aおよび図6Bは、位相差検出に使用されるビート信号の信号波形の例を示すグラフである。 本発明に係る実施の形態2のレーダ装置の概略構成を示す図である。 実施の形態2に係る制御処理の手順の一例を概略的に示すフローチャートである。 実施の形態2に係るビート信号の電力波形の一例を概略的に示すグラフである。
以下、図面を参照しつつ、本発明に係る種々の実施の形態について詳細に説明する。なお、図面全体において同一符号を付された構成要素は、同一構成および同一機能を有するものとする。
実施の形態1.
図1は、本発明に係る実施の形態1であるレーダ装置1の概略構成を示す図である。図1に示されるように、このレーダ装置1は、1次元状または面状(平面状もしくは曲面状)に配列されたN個のアンテナ素子61〜61(Nは2以上の整数)を含むアレイアンテナ60と、これらN個のアンテナ素子61〜61にそれぞれ接続されたN個のスレーブモジュール30〜30と、これらスレーブモジュール30〜30の動作を個別に制御するマスタモジュール20とを備えて構成されている。スレーブモジュール30〜30の各々は、レーダモジュールとして機能することができるレーダ回路である。
本実施の形態のレーダ装置1には、一組のアンテナ素子61,61(i≠j)から出力される送信信号間の位相差を検出する機能を有する位相差検出回路が組み込まれている。本実施の形態の位相差検出回路は、たとえば、スレーブモジュール30〜30とマスタモジュール20とによって構成可能である。
マスタモジュール20は、予め設定された基準周波数を有する基準信号RSを発生させてこの基準信号RSをスレーブモジュール30〜30に供給する基準信号発生器22と、スレーブモジュール30〜30の動作を個別に制御する動作制御回路23と、スレーブモジュール30〜30で得られた計測データを格納するデータ記憶部28とを有する。基準信号発生器22は、たとえば、水晶発振器などの発振器を用いて構成されればよい。
基準信号発生器22とスレーブモジュール30〜30との間には、N本の信号伝送路C〜Cが設けられている。信号伝送路C〜Cの一方の端部は、基準信号発生器22の信号出力端と接続されており、信号伝送路C〜Cの他方の端部は、スレーブモジュール30〜30の信号入力端とそれぞれ接続されている。基準信号発生器22は、信号伝送路C〜Cを介してスレーブモジュール30〜30に基準信号RSを供給する信号源である。信号伝送路C〜Cは、たとえば、同軸ケーブルなどの伝送ケーブルで構成可能である。
なお、信号伝送路C〜Cの配線長は等長であるとは限らず、信号伝送路C〜Cの電気長も等長であるとは限らない。
動作制御回路23は、スレーブモジュール30〜30の動作順序を決定する機能と、スレーブモジュール30〜30の各々の動作モードを指定する機能とを有する。動作制御回路23のハードウェア構成は、たとえば、DSP(Digital Signal Processor),ASIC(Application Specific Integrated Circuit)またはFPGA(Field−Programmable Gate Array)などの半導体集積回路を有するプロセッサで実現されればよい。あるいは、動作制御回路23のハードウェア構成は、メモリから読み出されたソフトウェアまたはファームウェアのプログラムコードを実行する、CPU(Central Processing Unit)またはGPU(Graphics Processing Unit)などの演算装置を含むプロセッサで実現されてもよい。前記半導体集積回路と前記演算装置との組み合わせを有するプロセッサで動作制御回路23のハードウェア構成を実現することも可能である。更には、互いに連携して動作する複数個のプロセッサで動作制御回路23のハードウェア構成が実現されてもよい。
マスタモジュール20とスレーブモジュール30〜30との間には、制御信号およびデータ信号を伝送する信号線群(図示せず)が設けられている。動作制御回路23は、動作命令を当該信号線群を介してスレーブモジュール30〜30の各々に供給することができる。また、動作制御回路23は、スレーブモジュール30〜30のいずれかから計測データを当該信号線群を介して取得することができ、また、データ記憶部28に記憶済みの計測データを当該信号線群を介してスレーブモジュール30〜30に供給することもできる。
データ記憶部28は、計測データの計測値を格納する第1記憶領域28〜第N記憶領域28を有している。動作制御回路23は、スレーブモジュール30〜30から得た計測値をそれぞれ第1記憶領域28〜第N記憶領域28に記憶させることができる。データ記憶部28は、1個または複数個の記憶装置で構成されていればよい。
次に、スレーブモジュール30〜30の構成について説明する。本実施の形態のスレーブモジュール30〜30は、同一の回路構成を有する。n番目のスレーブモジュール30は、送受信回路40および信号処理回路50を含む。これら送受信回路40および信号処理回路50は、動作制御回路23により指定された動作モードで動作する。図1に示されるように、送受信回路40は、信号生成器42、スイッチ回路43、サーキュレータ44、ミキサ45およびA/D変換器(ADC)46を有して構成されている。
信号生成器42は、基準信号発生器22から信号伝送路Cを介して供給された基準信号RSを入力とし、信号処理回路50から供給された変調制御信号MCに従って、周波数変調信号である測距信号(ranging signal)または周波数変調されないCW(連続波)信号であるRF信号(以下「周波数無変調信号」という。)のいずれか一方の送信信号を生成することができる。たとえば、信号生成器42は、周波数変調連続波(Frequency−Modulated Continuous−Wave,FMCW)方式に従って、一定の変調帯域幅で直線的に変化することを繰り返す送信周波数を有するチャープ信号を測距信号として生成することができる。信号生成器42は、生成された送信信号(測距信号または周波数無変調信号)を、スイッチ回路43の一端とミキサ45の入力端との双方に供給する。また、信号生成器42は、信号処理回路50から供給された位相制御信号PCに従い、当該信号生成器42の出力位相を、指定された移相量だけシフトさせる位相調整機能を有している。
このような信号生成器42は、たとえば、PLL(Phase−Locked Loop)回路を含む集積回路(IC)で構成されればよい。具体的には、小数分周(fractional)型のPLL回路を内蔵するディスクリートICを使用することができる。
図2は、小数分周型のPLL回路を内蔵する信号生成器42の一例を示すブロック図である。図2に示される信号生成器42は、小数分周型のPLL回路420と、分周比制御回路として機能するΔΣ(デルタ−シグマ)変調器428とを有する。PLL回路420は、位相比較器421、チャージポンプ回路422、ループフィルタ423、電圧制御発振器(Voltage−Controlled Oscillator,VCO)424、方向性結合器425、可変移相器426および可変分周器427を含んで構成されている。
位相比較器421は、入力された基準信号RSの位相と可変分周器427から出力された帰還信号の位相とを互いに比較して、基準信号RSの位相と帰還信号の位相との差分を位相差量として出力する。チャージポンプ回路422は、当該位相差量に比例した電圧または電流を出力する。ループフィルタ423は、チャージポンプ回路422から出力された電圧信号または電流信号を平滑化してPLL動作を安定化させる回路である。VCO424は、ループフィルタ423の出力に応じた送信周波数を有するRF信号を方向性結合器425を介して外部に出力する。ここで、方向性結合器425は、VCO424の出力から当該出力の一部を分岐させる。
可変移相器426は、信号生成器42の出力位相を可変に調整する位相調整回路として機能する。可変移相器426は、位相制御信号PCに従い、方向性結合器425からの入力信号の位相をシフトさせることができる。図1に示される位相制御部56は、位相制御信号PCを信号生成器42に供給することにより信号生成器42の出力位相を制御することができる。
可変分周器427は、可変移相器426の出力信号を、ΔΣ変調器428の出力で指定された分周数で分周することにより分周信号を生成し、当該分周信号を帰還信号として位相比較器421に供給する。ΔΣ変調器428は、入力された変調制御信号MCにΔΣ変調を施して分周制御信号を生成し、当該分周制御信号を可変分周器427に出力する。ここで、ΔΣ変調を採用することで、可変分周器427で生ずる量子化位相ノイズを低減させることができる分周比パターンの形成が可能となる。
信号生成器42で生成されるべき送信信号の周波数帯域は、レーダ装置1の用途に応じて適宜決定されればよい。たとえば、レーダ装置1が自動車搭載用のFMCWレーダとして設計される場合には、ミリ波帯域または準ミリ波帯域の送信信号を生成するように信号生成器42が構成されればよい。この場合、アレイアンテナ60としては、セラミックス基板上に導体パターンが形成された平面アンテナを使用することができる。
図1を参照すると、スイッチ回路43は、信号処理回路50から供給された切替制御信号に応じたスイッチング動作を行う。すなわち、スイッチ回路43は、切替制御信号に従い、信号生成器42とサーキュレータ44との間の信号経路を形成するオン動作、または信号生成器42とサーキュレータ44との間の信号経路を切断するオフ動作のいずれか一方を行う。スイッチ回路43としては、パワーFET(Field−Effect Ttransistor)などのスイッチング素子を使用することができる。
サーキュレータ44は、スイッチ回路43の出力端から順方向に入力された送信信号に対しては、スイッチ回路43をアンテナ素子61と結合するが、スイッチ回路43をミキサ45の入力端と結合しない。よって、当該送信信号のほとんどがアンテナ素子61に伝搬され、外部空間に放射される。一方、アンテナ素子61から逆方向に入力された受信信号に対しては、サーキュレータ44は、アンテナ素子61をミキサ45の入力端と結合するが、アンテナ素子61をスイッチ回路43と結合しない。よって、当該受信信号のほとんどがミキサ45に伝搬される。このようなサーキュレータ44としては、たとえば、ドロップインタイプのサーキュレータ(Drop−in Circulator)を使用することができる。
ミキサ45は、信号生成器42から入力された送信信号とサーキュレータ44から入力された受信信号とを混合して当該送信信号と当該受信信号との間の周波数差を示すアナログビート信号を生成する回路である。ミキサ45は、生成されたアナログビート信号をADC46に出力する。このようなミキサ45には、たとえば、ディスクリート部品を使用すればよい。ADC46は、入力されたアナログビート信号を所定周波数でサンプリングすることでアナログビート信号をディジタルビート信号に変換し、当該ディジタルビート信号(以下、単に「ビート信号」という。)を信号処理回路50に出力する。
図1に示される信号処理回路50は、動作制御回路23から入力された動作命令に応じて信号生成器42の変調動作を制御する変調制御部52と、当該動作命令に応じてスイッチ回路43のスイッチング動作を制御する送信制御部53と、当該動作命令に応じて信号生成器42の出力位相をシフトさせる位相制御部56と、一組のアンテナ素子61,61(i≠n)から出力された送信信号間の位相差を算出する位相差算出部54と、外部空間内のターゲットTgtに関する計測データを計測する測距部55とを備えている。本実施の形態の計測部は、測距部55〜55によって構成可能である。
なお、ターゲットTgtは、レーダ装置1の出荷前に用意された既知の反射物体でもよいし、あるいは、レーダ装置1の出荷後に適当なタイミングで(たとえば、周期的に)選択される、運用環境に存在する任意の反射物体でもよい。たとえば、レーダ装置1の正面に設置されている金属の平面壁がターゲットTgtとして使用可能である。また、レーダ装置1が車載レーダ装置として運用される場合には、任意の距離だけ離れた静止車両がターゲットTgtとして使用されてもよい。
動作制御回路23は、スレーブモジュール30〜30における、変調制御部52〜52、送信制御部53〜53および位相制御部56〜56の動作を個別に制御することで、アレイアンテナ60をフェーズドアレイアンテナとして機能させることができる。この場合、送信制御部53〜53は、スイッチ回路43〜43をすべてオン動作にする。同時に、変調制御部52〜52および位相制御部56〜56は、信号生成器42〜42からそれぞれ位相調整された送信信号を出力させることで、アレイアンテナ60から放射されるビームの伝搬方向を制御することができる。
図3は、フェーズドアレイアンテナとして機能するアレイアンテナ60の動作状態を概略的に示す図である。図3に示されるように、アレイアンテナ60は、送信信号(送信波)の等位相面に垂直な方向に伝搬するビームを形成することができる。ここで、前述のとおり、信号伝送路C〜Cの配線長は等長であるとは限らず、信号伝送路C〜Cの電気長も等長であるとは限らない。たとえば、i番目の信号伝送路Cの電気長とj番目の信号伝送路Cの電気長とが等長ではない場合には、スレーブモジュール30,30にそれぞれ入力される2本の基準信号RCの間に、当該電気長の差に起因した位相ずれが発生する。この位相ずれは、信号生成器42,42内のPLL回路によって逓倍され、アンテナ素子61,61から出力される送信信号間の位相差を生じさせてビーム形状を劣化させるおそれがある。
本実施の形態のレーダ装置1は、一組のアンテナ素子61,61から出力された送信信号間の位相差を検出する位相差検出機能と、当該検出された位相差を基に信号生成器42,42の出力位相の誤差を補正する位相誤差補正機能とを有している。位相差検出のための動作モードとしては、「測距モード」、「送信モード」および「受信モード」が組み込まれている。
測距モードを指定する動作命令が信号処理回路50に入力されたとき、送信制御部53は、スイッチ回路43をオン動作にする切替制御信号を出力する。同時に、変調制御部52は、周波数変調された測距信号を生成させる変調制御信号MCを信号生成器42に供給する。また位相差算出部54は動作しないように制御される。このとき、アンテナ素子61は、信号生成器42からスイッチ回路43およびサーキュレータ44を介して入力された測距信号の送信波を、ターゲットTgtに向けて放射する。
その後、送受信回路40は、ターゲットTgtから当該測距信号に対応する反射波を受信する。この反射波は、サーキュレータ44を介してミキサ45に伝達される。ミキサ45は、当該反射波を示す受信信号と信号生成器42から出力されたローカル信号(測距信号の一部)とを混合してアナログビート信号を生成する。ADC46は、そのアナログビート信号をディジタル形式のビート信号に変換し、当該ビート信号を信号処理回路50に供給する。測距部55は、ビート信号に対して高速フーリエ変換(FFT)などの周波数解析を実行して当該ビート信号の周波数すなわちビート周波数fを検出する。更に、測距部55は、当該ビート周波数fに基づき、スレーブモジュール30とターゲットTgtとの間の測距信号の往復伝播時間τを計測値として算出することができる。
図4は、送信信号(FMCW信号)の送信周波数Ftと受信信号の周波数Frとの間の関係を概略的に示すグラフである。図4の例では、変調帯域幅BWにおいて変調周期Tで直線状に上昇することを繰り返す送信周波数Ftが示されている。受信信号は、往復伝播時間である遅延時間τだけ遅れた後に観測される。図4の例の場合、遅延時間τは、次式(1)に従って算出可能である。
Figure 0006678838
測距部55は、当該計測値を示す計測データをマスタモジュール20に転送する。動作制御回路23は、測距部55から転送された計測データを、データ記憶部28の第n記憶領域28に記憶させる。
一方、送信モードを指定する動作命令が信号処理回路50に入力されたときは、送信制御部53は、スイッチ回路43をオン動作にする切替制御信号を出力する。同時に、変調制御部52は、周波数無変調信号を生成させる変調制御信号MCを信号生成器42に供給する。また位相差算出部54および測距部55は動作しないように制御される。このとき、アンテナ素子61は、信号生成器42からスイッチ回路43およびサーキュレータ44を介して入力された周波数無変調信号の送信波を、ターゲットTgtに向けて放射する。
他方、受信モードを指定する動作命令が信号処理回路50に入力されたときは、変調制御部52は、周波数無変調のローカル信号を生成させる変調制御信号MCを信号生成器42に供給する。同時に、送信制御部53は、スイッチ回路43をオフ動作にする切替制御信号を出力することにより、信号生成器42とアンテナ素子61との間の信号経路を切断させる。また測距部55は動作しないように制御される。
このとき、受信モードで動作するスレーブモジュール30と対をなす他のスレーブモジュール30が送信モードで動作しているので、他のスレーブモジュール30から送信された周波数無変調信号に対応する反射波がターゲットTgtからスレーブモジュール30に伝播する。送受信回路40では、ミキサ45は、アンテナ素子61およびサーキュレータ44を介して伝達された受信信号を入力とし、この受信信号と信号生成器42から出力されたローカル信号とを混合してアナログビート信号を生成する。ADC46は、そのアナログビート信号をディジタル形式のビート信号に変換し、当該ビート信号を位相差算出部54に供給する。
位相差算出部54は、データ記憶部28から得た計測データとADC46から出力されたビート信号とに基づき、一組のアンテナ素子61,61から出力された測距信号間の位相差を算出することができる。位相制御部56は、当該算出された位相差に基づき、信号生成器42内の位相調整回路(可変移相器)を制御して信号生成器42の出力位相の誤差を補正させることができる。
上記した信号処理回路50のハードウェア構成は、たとえば、DSP,ASICまたはFPGAなどの半導体集積回路を有するプロセッサで実現されればよい。あるいは、信号処理回路50のハードウェア構成は、メモリから読み出されたソフトウェアまたはファームウェアのプログラムコードを実行する、CPUまたはGPUなどの演算装置を含むプロセッサで実現されてもよい。前記半導体集積回路と前記演算装置との組み合わせを有するプロセッサで信号処理回路50のハードウェア構成を実現することも可能である。更には、複数個のプロセッサで信号処理回路50のハードウェア構成が実現されてもよい。
以下、図5を参照しつつ、上記レーダ装置1における位相差検出および位相誤差補正の詳細について説明する。図5は、実施の形態1に係る動作制御処理の手順の一例を概略的に示すフローチャートである。図5に示される動作制御処理は、動作制御回路23によって実行される。
まず、動作制御回路23は、スレーブモジュール30〜30の組み合わせの中から一組のスレーブモジュール30,30を選択する(ステップST10)。以下、一方のスレーブモジュール30を第1のスレーブモジュール30と呼び、他方のスレーブモジュール30を第2のスレーブモジュール30と呼ぶこととする。
次に、動作制御回路23は、測距モードを指定する動作命令を第1のスレーブモジュール30に供給することによって、第1のスレーブモジュール30を測距モード(第1の測距モード)で動作させる(ステップST11)。このとき、第1のスレーブモジュール30では、測距部55は、ターゲットTgtとの距離に対応する遅延時間(往復伝播時間)τを計測値として算出し、その計測値を示す計測データをマスタモジュール20に転送する。動作制御回路23は、測距部55から転送された計測データを第i記憶領域28に格納する(ステップST12)。
次に、動作制御回路23は、測距モードを指定する動作命令を第2のスレーブモジュール30に供給することによって、第2のスレーブモジュール30を測距モード(第2の測距モード)で動作させる(ステップST13)。このとき、第2のスレーブモジュール30では、測距部55は、ターゲットTgtとの距離に対応する遅延時間(往復伝播時間)τを計測値として算出し、その計測値を示す計測データをマスタモジュール20に転送する。動作制御回路23は、測距部55から転送された計測データを第j記憶領域28に格納する(ステップST14)。
その後、動作制御回路23は、送信モードを指定する動作命令を第1のスレーブモジュール30に供給し、かつ受信モードを指定する動作命令を第2のスレーブモジュール30に供給することによって、第1のスレーブモジュール30を送信モードで動作させ、かつ第2のスレーブモジュール30を受信モードで動作させる(ステップST15)。
このとき、送信モードで動作する第1のスレーブモジュール30は、第2のスレーブモジュール30と対応する送信回路として動作する。第1のスレーブモジュール30は、送信周波数fcw1を有する周波数無変調の送信信号STX1をターゲットTgtに向けて送信する。送信信号STX1は、ターゲットTgtで反射された後に第2のスレーブモジュール30に伝播する。送信信号STX1は、たとえば、次式(2)で表される。
Figure 0006678838
ここで、Aは信号振幅、tは時間、φは位相状態値である。
一方、受信モードで動作する第2のスレーブモジュール30は、第1のスレーブモジュール30と対応する受信回路として動作する。送受信回路40では、ミキサ45は、アンテナ素子61およびサーキュレータ44を介して伝達された受信信号SRX2を入力とし、この受信信号SRX2と、信号生成器42から出力された周波数無変調のローカル信号SLO(周波数:fcw2)とを混合してアナログビート信号を生成する。ADC46は、そのアナログビート信号をディジタル形式のビート信号Sbcw2に変換し、ビート信号Sbcw2を位相差算出部54に供給する。ローカル信号SLOは、たとえば、次式(3)で表される。
Figure 0006678838
ここで、Bは信号振幅、φは位相状態値である。
また、受信信号SRX2は、たとえば、次式(4)で表される。
Figure 0006678838
ここで、Aは信号振幅である。
ビート信号Sbcw2は、たとえば、次式(5)で表される。
Figure 0006678838
更に、位相差算出部54は、ステップST11,ST13で算出された計測値τ,τをデータ記憶部28から取得し、計測値τ,τとビート信号Sbcw2とに基づき、アンテナ素子61,61から出力された測距信号間の位相差Δφ(=φ−φ)を算出する。
ここで、上式(5)は、次式(6)に変形可能である。
Figure 0006678838
送信周波数fcw1とローカル信号SLOの周波数fcw2とが一致しない場合には、ビート信号Sbcw2は、図6Aに例示されるような交流電圧波形を示す。たとえば、位相差算出部54は、ビート信号Sbcw2の電圧波形の最大値および最小値を検出し、これら最大値と最小値との差(ピーク間電圧)からビート信号Sbcw2の信号振幅Aを算出することができる。また、位相差算出部54は、ビート信号Sbcw2の直流成分Dbcw2を検出することができる。直流成分Dbcw2は、図6Bに例示されるような直流電圧波形を示す。
直流成分Dbcw2を表す式は、上式(5)においてfcw1=fcw2とすることで導出できる。よって、直流成分Dbcw2に対する位相差Δφは、たとえば、次式(7)で表される。
Figure 0006678838
ここで、α=A×Bである。
位相差算出部54は、式(7)に基づいて位相差Δφを算出することができる。
上記ステップST15の実行後、動作制御回路23は、位相制御部56を制御して、第1のスレーブモジュール30内の信号生成器42の出力位相と、第2のスレーブモジュール30内の信号生成器42の出力位相との間の誤差を補正させる(ステップST16)。具体的には、位相制御部56は、当該算出された位相差Δφに基づき、信号生成器42内の位相調整回路(可変移相器)を制御することで、信号生成器42の出力位相に対する、信号生成器42の出力位相の誤差を補正することができる。
その後、動作制御回路23は、スレーブモジュール30〜30の中からすべての組が選択されたか否かを判定する(ステップST17)。すべての組が選択されていない場合は(ステップST17のNO)、動作制御回路23は新たな組を選択し(ステップST10)、この新たな組についてステップST11〜ST16を実行する。一方、すべての組が選択されている場合は(ステップST17のYES)、動作制御回路23は、動作制御処理を終了する。
ステップST10でスレーブモジュールの組を選択する方法としては、たとえば、第1のスレーブモジュール30(i=1)を基準とし、第1のスレーブモジュール30と対をなす第2のスレーブモジュール30,…,30を順番に選択する方法を採用すればよい。スレーブモジュールの組が(30,30)で表されるとき、(30,30),(30,30),…,(30,30)の順に組を選択することが可能である。
以上に説明したように、実施の形態1によれば、第1および第2のスレーブモジュール30,30は測距モードで動作することにより、第1および第2の計測値τ,τをそれぞれ計測する。その後、第1のスレーブモジュール30が送信モードで動作すると同時に、第2のスレーブモジュール30が受信モードで動作してビート信号Sbcw2を生成する。そして、第2のスレーブモジュール30内の位相差算出部54は、計測値τ,τとビート信号Sbcw2とに基づき、アンテナ素子61,61から出力された測距信号間の位相差Δφを算出する。したがって、本実施の形態のレーダ装置1は、複数のアンテナ素子61〜61について複数の信号生成器42〜42を有しているにもかかわらず、これらアンテナ素子61〜61から出力された測距信号間の位相差を高精度に算出することができる。たとえ、スレーブモジュール30〜30が分散して配置されている場合でも、測距信号間の位相差の高精度な算出が可能である。よって、本実施の形態の位相差検出回路は、スレーブモジュール30〜30における信号生成器42〜42の出力位相を高い精度で互いに同期させることができる。
なお、上記した位相差検出および位相誤差補正は、レーダ装置1の出荷前に実行されてもよいし、あるいは、予め設定されたスケジュールで定期的に、もしくは、指定されたタイミングで実行されてもよい。
実施の形態2.
次に、本発明に係る実施の形態2について説明する。上記のとおり、実施の形態1によれば、2台のスレーブモジュール30,30がアンテナ素子61,61から出力された測距信号間の位相差を検出する。これに対し、実施の形態2は、3台のスレーブモジュールが連携して位相差を検出する。
図7は、本発明に係る実施の形態2であるレーダ装置2の概略構成を示す図である。図7に示されるように、このレーダ装置2は、N個のアンテナ素子61〜61(Nは3以上の整数)を含むアレイアンテナ60と、これらN個のアンテナ素子61〜61にそれぞれ接続されたN個のスレーブモジュール31〜31と、これらスレーブモジュール31〜31の動作を個別に制御するマスタモジュール21とを備えて構成されている。スレーブモジュール31〜31の各々は、レーダモジュールとして機能することができるレーダ回路である。
本実施の形態のレーダ装置2には、一組のアンテナ素子61,61(i,jは、1〜N−1の範囲内の整数)から出力された送信信号間の位相差を検出する機能を有する位相差検出回路が組み込まれている。本実施の形態の位相差検出回路は、たとえば、スレーブモジュール31〜31とマスタモジュール21とによって構成可能である。
マスタモジュール21は、基準信号RSを信号伝送路C〜Cを介してスレーブモジュール31〜31にそれぞれ供給する基準信号発生器22と、スレーブモジュール31〜31の動作を個別に制御する制御回路24と、スレーブモジュール31〜31で得られた計測データを格納するデータ記憶部28とを有する。
制御回路24は、動作制御部25,位相差算出部26および位相制御部27を備えて構成されている。制御回路24のハードウェア構成は、たとえば、DSP,ASICまたはFPGAなどの半導体集積回路を有するプロセッサで実現されればよい。あるいは、制御回路24のハードウェア構成は、メモリから読み出されたソフトウェアまたはファームウェアのプログラムコードを実行する、CPUまたはGPUなどの演算装置を含むプロセッサで実現されてもよい。前記半導体集積回路と前記演算装置との組み合わせを有するプロセッサで制御回路24のハードウェア構成を実現することも可能である。更には、互いに連携して動作する複数個のプロセッサで制御回路24のハードウェア構成が実現されてもよい。
マスタモジュール21とスレーブモジュール31〜31との間には、制御信号およびデータ信号を伝送する信号線群(図示せず)が設けられている。制御回路24は、動作命令を当該信号線群を介してスレーブモジュール31〜31の各々に供給することができる。
動作制御部25は、スレーブモジュール31〜31のいずれかから計測データを当該信号線群を介して取得し、当該計測データをデータ記憶部28に記憶させることができる。また、動作制御部25は、スレーブモジュール31〜31N−1の動作順序を決定する機能と、スレーブモジュール31〜31の各々の動作モードを指定する機能とを有する。
位相差算出部26は、N番目のスレーブモジュール31から供給された移相量とデータ記憶部28から得た計測データとに基づき、一組のアンテナ素子61,61(i,jは、1〜N−1の範囲内の整数)から出力された送信信号間の位相差を算出する。移相量の検出方法については、後述する。位相制御部27は、位相差算出部26で算出された位相差に基づき、スレーブモジュール31,31内の信号生成器42,42を制御してこれら信号生成器42,42の出力位相の誤差を補正させることができる。
次に、スレーブモジュール31〜31の構成について説明する。本実施の形態では、スレーブモジュール31〜31N−1は、同一の回路構成を有する。一方、N番目のスレーブモジュール31は、スレーブモジュール31〜31N−1とは異なる回路構成を有している。
N番目のスレーブモジュール31以外のm番目(mは、N以外の1〜N−1の範囲内の整数)のスレーブモジュール31は、送受信回路41および信号処理回路51を含む。これら送受信回路41および信号処理回路51は、動作制御部25により指定された動作モード(「測距モード」,「通常送信モード」または「位相掃引送信モード」)で動作する。
図7に示されるように、送受信回路41は、信号生成器42、サーキュレータ44、ミキサ45およびADC46を有して構成されている。信号生成器42,サーキュレータ44、ミキサ45およびADC46の構成は、実施の形態1における信号生成器42,サーキュレータ44、ミキサ45およびADC46の構成(図1)と同じである。また、信号処理回路51は、変調制御部52および測距部55を含む。これら変調制御部52および測距部55の構成は、実施の形態1における変調制御部52および測距部55の構成(図1)と同じである。なお、本実施の形態の計測部は、測距部55〜55N−1によって構成可能である。
一方、N番目のスレーブモジュール31は、送受信回路41および信号処理回路51を含む。これら送受信回路41および信号処理回路51は、動作制御部25により指定された動作モード(「測距モード」または「受信モード」)で動作する。図7の送受信回路41は、実施の形態1の送受信回路40(図1)と同一の構成を有する。また、図7の信号処理回路51の構成は、図1の位相差算出部54に代えて移相量検出部58を有する点を除いて、実施の形態1の信号処理回路50の構成と同じである。
信号処理回路51(nは1〜Nの範囲内の整数)のハードウェア構成は、たとえば、DSP,ASICまたはFPGAなどの半導体集積回路を有するプロセッサで実現されればよい。あるいは、信号処理回路51のハードウェア構成は、メモリから読み出されたソフトウェアまたはファームウェアのプログラムコードを実行する、CPUまたはGPUなどの演算装置を含むプロセッサで実現されてもよい。前記半導体集積回路と前記演算装置との組み合わせを有するプロセッサで信号処理回路51のハードウェア構成を実現することも可能である。更には、複数個のプロセッサで信号処理回路51のハードウェア構成が実現されてもよい。
動作制御部25および位相制御部27は、スレーブモジュール31〜31N−1における変調制御部52〜52N−1および信号生成器42〜42N−1の動作を個別に制御することで、アレイアンテナ60をフェーズドアレイアンテナとして機能させることができる。実施の形態1の場合と同様に、信号伝送路C〜CN−1の配線長は等長であるとは限らず、信号伝送路C〜CN−1の電気長も等長であるとは限らない。たとえば、i番目の信号伝送路Cの電気長とj番目の信号伝送路Cの電気長とが等長ではない場合には、スレーブモジュール31,31にそれぞれ入力される2本の基準信号RCの間に、当該電気長の差に起因した位相ずれが発生する。この位相ずれは、信号生成器42,42内のPLL回路によって逓倍され、アンテナ素子61,61から出力される送信信号間の位相差を生じさせてビーム形状を劣化させるおそれがある。
本実施の形態のレーダ装置2は、一組のアンテナ素子61,61から出力された送信信号間の位相差を検出する位相差検出機能と、当該検出された位相差を基に信号生成器42,42の出力位相の誤差を補正する位相誤差補正機能とを有している。位相差検出のための動作モードとしては、「測距モード」、「通常送信モード」,「位相掃引送信モード」および「受信モード」が組み込まれている。
スレーブモジュール31〜31のいずれかについて、測距モードを指定する動作命令が信号処理回路51(nは1〜Nの範囲内の整数)に入力されたとき、変調制御部52は、周波数変調された測距信号を生成させる変調制御信号MCを信号生成器42に供給する。ここで、N番目のスレーブモジュール31では、送信制御部53が、スイッチ回路43をオン動作にする切替制御信号を出力する。アンテナ素子61は、信号生成器42からサーキュレータ44を介して入力された測距信号の送信波を、ターゲットTgtに向けて放射する。
その後、送受信回路41は、ターゲットTgtから当該測距信号に対応する反射波を受信する。この反射波は、サーキュレータ44を介してミキサ45に伝達される。ミキサ45は、当該反射波を示す受信信号と信号生成器42から出力されたローカル信号とを混合してアナログビート信号を生成する。ADC46は、そのアナログビート信号をディジタル形式のビート信号に変換し、当該ビート信号を信号処理回路51の測距部55に供給する。
測距部55は、ビート信号に対して高速フーリエ変換(FFT)などの周波数解析を実行して当該ビート信号の周波数すなわちビート周波数fを検出する。更に、測距部55は、当該ビート周波数fに基づき、スレーブモジュール31とターゲットTgtとの間の測距信号の往復伝播時間τを計測値として算出することができる。そして、測距部55は、当該計測値を示す計測データをマスタモジュール21に転送する。動作制御部25は、測距部55から転送された計測データを、データ記憶部28の第n記憶領域28に記憶させる。
一方、スレーブモジュール31〜31N−1のいずれかについて、第1の送信モードである位相掃引送信モードを指定する動作命令が信号処理回路51(mは、1〜N−1の範囲内の整数)に入力されたときは、変調制御部52は、周波数無変調信号を生成させると同時にその周波数無変調信号の位相を一定範囲内(たとえば0°〜360°の範囲内)で掃引させる(すなわち時間とともに変化させる)変調制御信号MCを、信号生成器42に供給する。また測距部55は動作しないように制御される。このとき、アンテナ素子61は、信号生成器42からサーキュレータ44を介して入力された周波数無変調信号の送信波を、ターゲットTgtに向けて放射する。
他方、スレーブモジュール31〜31N−1のいずれかについて、第2の送信モードである通常送信モードを指定する動作命令が信号処理回路51(mは、1〜N−1の範囲内の整数)に入力されたときは、変調制御部52は、周波数無変調信号を生成させる変調制御信号MCを信号生成器42に供給する。また測距部55は動作しないように制御される。このとき、アンテナ素子61は、信号生成器42からサーキュレータ44を介して入力された周波数無変調信号の送信波を、ターゲットTgtに向けて放射する。
N番目のスレーブモジュール31について、受信モードを指定する動作命令が信号処理回路51に入力されたときは、変調制御部52は、周波数無変調のローカル信号を生成させる変調制御信号MCを信号生成器42に供給する。同時に、送信制御部53は、スイッチ回路43をオフ動作にする切替制御信号を出力することにより、信号生成器42とアンテナ素子61との間の信号経路を切断させる。また測距部55は動作しないように制御される。
このとき、受信モードで動作するスレーブモジュール31と対応する2台のスレーブモジュール31,31がそれぞれ位相掃引送信モードおよび通常送信モードで動作している。このため、一方のスレーブモジュール31からは、位相が掃引された周波数無変調信号(以下「位相掃引信号」という。)に対応する反射波がターゲットTgtからスレーブモジュール31に伝播し、同時に、他方のスレーブモジュール31からは、位相が掃引されない周波数無変調信号に対応する反射波がターゲットTgtからスレーブモジュール31に伝播する。よって、2台のスレーブモジュール31,31からターゲットTgtを経由して到来した2波の反射波が、アンテナ素子61で互いに重畳される。送受信回路41のミキサ45は、アンテナ素子61およびサーキュレータ44を介して伝達された受信信号を入力とし、この受信信号と信号生成器42から出力されたローカル信号とを混合してアナログビート信号を生成する。そして、ADC46は、そのアナログビート信号をディジタル形式のビート信号に変換し、当該ビート信号を移相量検出部58に出力する。
移相量検出部58は、入力されたビート信号の信号振幅を最大化させる位相掃引信号の移相量φcnt0を検出することができる。位相掃引送信モードで動作するスレーブモジュール31では、信号生成器42は、予め決められた掃引速度で送信信号の位相を変化させるので、2台のスレーブモジュール31,31からターゲットTgtを経由してスレーブモジュール31に到来した2波の反射波が互いに干渉する干渉状態は、信号生成器42における移相量の時間変化に応じて変化する。これにより、ビート信号の信号振幅も時間とともに変化する。たとえば、移相量検出部58は、入力されたビート信号の電力が最大化する時刻tを計測し、計測時刻tに対応する移相量φcnt0を得ることできる。移相量検出部58は、検出された移相量φcnt0を示すデータをマスタモジュール20に転送する。
位相差算出部26は、移相量検出部58から転送された移相量φcnt0と、データ記憶部28から得た計測データとに基づき、アンテナ素子61,61から出力された測距信号間の位相差を算出することができる。位相制御部27は、当該算出された位相差に基づき、スレーブモジュール31,31内の信号生成器42,42の少なくとも一方を制御してこれら信号生成器42,42の出力位相間の誤差を補正させることができる。
以下、図8を参照しつつ、上記レーダ装置2における位相差検出および位相誤差補正の詳細について説明する。図8は、実施の形態2に係る制御処理の手順の一例を概略的に示すフローチャートである。図8に示される制御処理は、制御回路24によって実行される。
まず、動作制御部25は、スレーブモジュール31〜31N−1の組み合わせの中から一組のスレーブモジュール31,31を選択する(ステップST20)。以下、一方のスレーブモジュール31を第1のスレーブモジュール31と呼び、他方のスレーブモジュール31を第2のスレーブモジュール31と呼び、スレーブモジュール31を第3のスレーブモジュール31と呼ぶこととする。
次に、動作制御部25は、測距モードを指定する動作命令を第1のスレーブモジュール31に供給することによって、第1のスレーブモジュール31を測距モード(第1の測距モード)で動作させる(ステップST21)。このとき、第1のスレーブモジュール31では、測距部55は、ターゲットTgtとの距離に対応する遅延時間(往復伝播時間)τを計測値として算出し、その計測値を示す計測データをマスタモジュール21に転送する。動作制御部25は、測距部55から転送された計測データを第i記憶領域28に格納する(ステップST22)。
次に、動作制御部25は、測距モードを指定する動作命令を第2のスレーブモジュール31に供給することによって、第2のスレーブモジュール31を測距モード(第2の測距モード)で動作させる(ステップST23)。このとき、第2のスレーブモジュール31では、測距部55は、ターゲットTgtとの距離に対応する遅延時間(往復伝播時間)τを計測値として算出し、その計測値を示す計測データをマスタモジュール21に転送する。動作制御部25は、測距部55から転送された計測データを第j記憶領域28に格納する(ステップST24)。
その後、動作制御部25は、位相掃引送信モードを指定する動作命令を第1のスレーブモジュール31に供給し、通常送信モードを指定する動作命令を第2のスレーブモジュール31に供給し、かつ、受信モードを指定する動作命令を第3のスレーブモジュール31に供給することによって、第1のスレーブモジュール31を位相掃引送信モードで動作させ、第2のスレーブモジュール31を通常送信モードで動作させ、かつ、第3のスレーブモジュール31を受信モードで動作させる(ステップST25)。
このとき、位相掃引送信モードで動作する第1のスレーブモジュール31は、第3のスレーブモジュール31と対応する送信回路として動作する。第1のスレーブモジュール31は、所定の送信周波数fcwを有する周波数無変調の位相掃引信号STX1をターゲットTgtに向けて送信する。位相掃引信号STX1は、ターゲットTgtで反射された後に第3のスレーブモジュール31に伝播する。位相掃引信号STX1は、たとえば、次式(8)で表される。
Figure 0006678838
ここで、Aは信号振幅、tは時間、φは位相状態値の初期値、φcntは所定の掃引速度で変化させられる移相量である。
通常送信モードで動作する第2のスレーブモジュール31は、第3のスレーブモジュール31と対応する送信回路として動作する。第2のスレーブモジュール31は、所定の送信周波数fcwを有する周波数無変調の送信信号STX2をターゲットTgtに向けて送信する。送信信号STX2は、ターゲットTgtで反射された後に第3のスレーブモジュール31に伝播する。送信信号STX2は、たとえば、次式(9)で表される。
Figure 0006678838
ここで、Bは信号振幅、φは位相状態値である。
一方、受信モードで動作する第3のスレーブモジュール31は、第1および第2のスレーブモジュール31,31と対応する受信回路として動作する。送受信回路41では、ミキサ45は、アンテナ素子61およびサーキュレータ44を介して伝達された受信信号SRX3を入力とし、この受信信号SRX3と、信号生成器42から出力された周波数無変調のローカル信号SLO(周波数:fLO)とを混合してアナログビート信号を生成する。ADC46は、そのアナログビート信号をディジタル形式のビート信号Sbcw3に変換し、ビート信号Sbcw3を移相量検出部58に供給する。ローカル信号SLOは、たとえば、次式(10)で表される。
Figure 0006678838
ここで、Cは信号振幅である。
また、受信信号SRX3は、たとえば、次式(11)で表される。
Figure 0006678838
ここで、A,Bは信号振幅である。
ビート信号Sbcw3は、たとえば、次式(12)で表される。
Figure 0006678838
更に、移相量検出部58は、入力されたビート信号Sbcw3の信号振幅を最大化させる位相掃引信号STX1の移相量φcnt=φcnt0を検出する。前述のとおり、第1および第2のスレーブモジュール31,31からターゲットTgtを経由して第3のスレーブモジュール31に到来した2波の反射波は互いに干渉し、その干渉状態は、信号生成器42における移相量φcntの時間変化に応じて変化する。移相量検出部58は、入力されたビート信号Sbcw3の電力波形を監視し、この電力波形の最大値に対応する移相量φcnt0を検出すればよい。図9は、ビート信号Sbcw3の電力波形の一例(コサインカーブ)を概略的に示すグラフである。
上式(12)を参照すると、ビート信号Sbcw3の信号振幅が最大化する条件は、式(12)の右辺第1項の位相状態と、式(12)の右辺第2項の位相状態とが互いに一致することである。よって、ビート信号Sbcw3の信号振幅が最大化する条件は、次式(13)で表される。
Figure 0006678838
式(13)を変形すれば、次式(14)が導出される。
Figure 0006678838
上記ステップST25の実行後、位相差算出部26は、ステップST21,ST23で算出された計測値τ,τをデータ記憶部28から取得し、計測値τ,τと移相量φcnt0とに基づき、アンテナ素子61,61から出力された測距信号間の位相差Δφ(=φ−φ)を算出する(ステップST26)。位相差算出部26は、式(14)に基づいて位相差Δφを算出することが可能である。
ステップST26の実行後、位相制御部27は、算出された位相差Δφに基づき、第1および第2のスレーブモジュール31,31内の信号生成器42,42の少なくとも一方を制御して、信号生成器42,42の出力位相間の誤差を補正させる(ステップST27)。具体的には、位相制御部27は、当該算出された位相差Δφに基づき、信号生成器42,42内の位相調整回路(可変移相器)を制御することで誤差を補正することができる。
その後、動作制御部25は、スレーブモジュール31〜31N−1の中からすべての組が選択されたか否かを判定する(ステップST28)。すべての組が選択されていない場合は(ステップST28のNO)、動作制御部25は新たな組を選択し(ステップST20)、この新たな組についてステップST21〜ST27を実行する。一方、すべての組が選択されている場合は(ステップST28のYES)、動作制御部25は、制御処理を終了する。
ステップST20でスレーブモジュールの組を選択する方法としては、たとえば、第1のスレーブモジュール30(i=1)を基準とし、第1のスレーブモジュール30と対をなす第2のスレーブモジュール30,…,30N−1を順番に選択する方法を採用すればよい。スレーブモジュールの組が(30,30)で表されるとき、(30,30),(30,30),…,(30,30N−1)の順に組を選択することが可能である。この場合、位相制御部27は、第2のスレーブモジュール31内の信号生成器42を制御して、信号生成器42の出力位相に対する、信号生成器42の出力位相の誤差を補正させる(ステップST27)。
以上に説明したように、実施の形態2によれば、第1および第2のスレーブモジュール31,31は測距モードで動作することにより、第1および第2の計測値τ,τをそれぞれ計測する。その後、第1のスレーブモジュール31が位相掃引送信モードで動作すると同時に、第2のスレーブモジュール31が通常送信モードで動作する。第3のスレーブモジュール31は、受信モードで動作して、ビート信号Sbcw3の信号振幅を最大化させる移相量φcnt0を検出する。そして、位相差算出部26は、計測値τ,τと移相量φcnt0とに基づき、アンテナ素子61,61から出力された測距信号間の位相差Δφを算出することができる。したがって、本実施の形態のレーダ装置2は、複数のアンテナ素子61〜61N−1について複数の信号生成器42〜42N−1を有しているにもかかわらず、これらアンテナ素子61〜61N−1から出力された測距信号間の位相差を高精度に算出することができる。たとえ、スレーブモジュール31〜31N−1が分散して配置されている場合でも、位相差の高精度な算出が可能である。よって、本実施の形態の位相差検出回路は、スレーブモジュール31〜31N−1における信号生成器42〜42N−1の出力位相を高い精度で互いに同期させることができる。
以上、図面を参照して本発明に係る種々の実施の形態について述べたが、これら実施の形態は本発明の例示であり、これら実施の形態以外の様々な形態を採用することもできる。たとえば、上記実施の形態1,2の位相差検出回路はレーダ技術に適用されているが、これに限定されるものではない。実施の形態1,2の位相差検出回路が無線通信システムに適用されてもよい。
なお、本発明の範囲内において、上記実施の形態1,2の自由な組み合わせ、各実施の形態の任意の構成要素の変形、または各実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
本発明に係る位相差検出回路は、たとえば、車両(たとえば、自動車または鉄道車両)などの移動体に搭載されるレーダシステムまたは無線通信システムに適用されることが可能である。
Tgt ターゲット、1,2 レーダ装置、20 マスタモジュール、21 マスタモジュール、22 基準信号発生器、23 動作制御回路、24 制御回路、25 動作制御部、26 位相差算出部、27 位相制御部、28 データ記憶部、30〜30,31〜31 スレーブモジュール、40〜40,41〜41 送受信回路、42〜42 信号生成器、420 PLL回路、421 位相比較器、422 チャージポンプ回路、423 ループフィルタ、424 電圧制御発振器(VCO)、425 方向性結合器、426 可変移相器、427 可変分周器、428 ΔΣ変調器、43〜43 スイッチ回路、44〜44 サーキュレータ、45〜45 ミキサ、46〜46 A/D変換器(ADC)、50〜50,51〜51 信号処理回路、52〜52 変調制御部、53〜53 送信制御部、54〜54 位相差算出部、55〜55 測距部、56〜56 位相制御部、58 移相量検出部、60 アレイアンテナ、61〜61 アンテナ素子。

Claims (16)

  1. 第1のアンテナ素子および第2のアンテナ素子と接続された状態で使用される位相差検出回路であって、
    第1の測距モードで動作した後に送信モードで動作するように制御され、前記第1の測距モードでは、周波数変調された第1の測距信号を生成し、前記第1の測距信号を前記第1のアンテナ素子から送信させた後に外部空間内のターゲットから反射波を受信して第1の受信信号を生成し、前記送信モードでは、周波数変調されない高周波信号を生成し、前記高周波信号を前記第1のアンテナ素子から送信させる第1の送受信回路と、
    第2の測距モードで動作した後に受信モードで動作するように制御され、前記第2の測距モードでは、周波数変調された第2の測距信号を生成し、前記第2の測距信号を前記第2のアンテナ素子から送信させた後に前記ターゲットから反射波を受信して第2の受信信号を生成し、前記受信モードでは、前記高周波信号に対応する反射波を前記ターゲットから受信して第3の受信信号を生成する第2の送受信回路と、
    前記第1の受信信号に基づき、前記第1の送受信回路と前記ターゲットとの間における前記第1の測距信号の往復伝播時間を示す第1の計測値を算出し、かつ、前記第2の受信信号に基づき、前記第2の送受信回路と前記ターゲットとの間における前記第2の測距信号の往復伝播時間を示す第2の計測値を算出する計測部と、
    前記第1の測距信号と前記第2の測距信号との間の位相差を算出する位相差算出部と
    を備え、
    前記第2の送受信回路は、前記第3の受信信号と前記第2の測距信号との間の周波数差を示すビート信号を生成し、
    前記位相差算出部は、前記第1の計測値、前記第2の計測値および前記ビート信号に基づいて前記位相差を算出する
    ことを特徴とする位相差検出回路。
  2. 請求項1記載の位相差検出回路であって、
    位相制御部を更に備え、
    前記第1の送受信回路は、前記第1の測距信号を出力する第1の信号生成器を有し、
    前記第2の送受信回路は、前記第2の測距信号を出力する第2の信号生成器を有し
    前記第2の信号生成器は、当該第2の信号生成器の出力位相を可変に調整する位相調整回路を含み、
    前記位相制御部は、前記位相差算出部で算出された位相差に基づき、前記位相調整回路を制御して前記第2の信号生成器の出力位相の誤差を補正させることを特徴とする位相差検出回路。
  3. 請求項2記載の位相差検出回路であって、前記位相調整回路は可変移相器からなることを特徴とする位相差検出回路。
  4. 請求項1記載の位相差検出回路であって、
    前記第1の送受信回路は、基準信号発生器と第1の信号伝送路を介して接続された第1の信号生成器を有し、
    前記第2の送受信回路は、前記基準信号発生器と第2の信号伝送路を介して接続された第2の信号生成器を有し、
    前記第1の信号生成器および前記第2の信号生成器は、前記基準信号発生器から供給された基準信号に基づいて前記第1の測距信号および前記第2の測距信号をそれぞれ生成することを特徴とする位相差検出回路。
  5. 請求項1または請求項2記載の位相差検出回路であって、前記位相差算出部は、前記ビート信号の直流成分および該ビート信号の振幅を検出し、当該検出された直流成分、当該検出された振幅、前記第1の計測値および前記第2の計測値に基づいて前記位相差を算出することを特徴とする位相差検出回路。
  6. 請求項5記載の位相差検出回路であって、前記ビート信号の直流成分がDbcw2、該ビート信号の振幅がα、前記第1の計測値がτ、前記第2の計測値がτ、前記高周波信号の周波数がfcw1、前記位相差がΔφでそれぞれ表されるとき、前記位相差は、
    Δφ=Arccos(2×Dbcw2/α)−2πfcw1(τ+τ)/2、
    との式に基づいて算出されることを特徴とする位相差検出回路。
  7. 請求項1記載の位相差検出回路であって、
    前記第2の送受信回路は、
    前記第2の測距信号を出力する第2の信号生成器と、
    前記第2の信号生成器の信号出力端と前記第2のアンテナ素子との間に設けられたスイッチ回路とを有し、
    前記スイッチ回路は、前記第2の送受信回路が前記第2の測距モードで動作するときは、前記第2の信号生成器の信号出力端と前記第2のアンテナ素子との間を接続し、前記第2の送受信回路が前記受信モードで動作するときは、前記第2の信号生成器の信号出力端と前記第2のアンテナ素子との間の信号経路を切断することを特徴とする位相差検出回路。
  8. 請求項1または請求項2記載の位相差検出回路であって、
    前記計測部は、前記第1の受信信号に基づいて前記第1の計測値を算出する第1の計測回路と、前記第2の受信信号に基づいて前記第2の計測値を算出する第2の計測回路とを含み、
    前記第1の送受信回路および前記第1の計測回路は、第1のレーダ回路を構成し、
    前記第2の送受信回路および前記第2の計測回路は、第2のレーダ回路を構成する
    ことを特徴とする位相差検出回路。
  9. 請求項2または請求項3記載の位相差検出回路と、
    前記第1のアンテナ素子および前記第2のアンテナ素子を含むアレイアンテナと
    を備えることを特徴とするレーダ装置。
  10. 第1のアンテナ素子、第2のアンテナ素子および第3のアンテナ素子と接続された状態で使用される位相差検出回路であって、
    第1の測距モードで動作した後に第1の送信モードで動作するように制御され、前記第1の測距モードでは、周波数変調された第1の測距信号を生成し、前記第1の測距信号を前記第1のアンテナ素子から送信させた後に外部空間内のターゲットから反射波を受信して第1の受信信号を生成し、前記第1の送信モードでは、周波数変調されない第1の高周波信号を生成し、前記第1の高周波信号を前記第1のアンテナ素子から送信させると同時に前記第1の高周波信号の位相を時間とともに変化させる第1の送受信回路と、
    第2の測距モードで動作した後に第2の送信モードで動作するように制御され、前記第2の測距モードでは、周波数変調された第2の測距信号を生成し、前記第2の測距信号を前記第2のアンテナ素子から送信させた後に前記ターゲットから反射波を受信して第2の受信信号を生成し、前記第2の送信モードでは、周波数変調されない第2の高周波信号を生成し、前記第2の高周波信号を前記第2のアンテナ素子から送信させる第2の送受信回路と、
    前記第1の高周波信号および前記第2の高周波信号の双方に対応する反射波を前記ターゲットから受信して第3の受信信号を生成し、当該第3の受信信号と予め設定された周波数を有するローカル信号との間の周波数差を示すビート信号を生成する受信回路と、
    前記第1の受信信号に基づき、前記第1の送受信回路と前記ターゲットとの間における前記第1の測距信号の往復伝播時間を示す第1の計測値を算出し、かつ、前記第2の受信信号に基づき、前記第2の送受信回路と前記ターゲットとの間における前記第2の測距信号の往復伝播時間を示す第2の計測値を算出する計測部と、
    前記ビート信号の振幅を最大化させる当該第1の高周波信号の移相量を検出する移相量検出部と、
    当該検出された移相量、前記第1の計測値および前記第2の計測値に基づき、前記第1の測距信号と前記第2の測距信号との間の位相差を算出する位相差算出部と
    を備えることを特徴とする位相差検出回路。
  11. 請求項10記載の位相差検出回路であって、
    位相制御部を更に備え、
    前記第1の送受信回路は、前記第1の測距信号を出力する第1の信号生成器を有し、
    前記第2の送受信回路は、前記第2の測距信号を出力する第2の信号生成器を有し、
    前記第1の信号生成器および前記第2の信号生成器のうちの少なくとも一方の信号生成器は、当該少なくとも一方の信号生成器の出力位相を可変に調整する位相調整回路を含み、
    前記位相制御部は、前記位相差算出部で算出された位相差に基づき、前記位相調整回路を制御して前記第1の信号生成器の出力位相および前記第2の信号生成器の出力位相のうちの少なくとも一方の誤差を補正させることを特徴とする位相差検出回路。
  12. 請求項11記載の位相差検出回路であって、前記位相調整回路は可変移相器からなることを特徴とする位相差検出回路。
  13. 請求項10記載の位相差検出回路であって、
    前記第1の送受信回路は、基準信号発生器と第1の信号伝送路を介して接続された第1の信号生成器を有し、
    前記第2の送受信回路は、前記基準信号発生器と第2の信号伝送路を介して接続された第2の信号生成器を有し、
    前記第1の信号生成器および前記第2の信号生成器は、前記基準信号発生器から供給された基準信号に基づいて前記第1の測距信号および前記第2の測距信号をそれぞれ生成することを特徴とする位相差検出回路。
  14. 請求項10または請求項11記載の位相差検出回路であって、前記第1の計測値がτ、前記第2の計測値がτ、前記移相量がφcnt0、前記第1および第2の高周波信号の共通の周波数がfcw、前記位相差がΔφでそれぞれ表されるとき、前記位相差は、
    Δφ=φcnt0+2πfcw×(τ−τ)/2、
    との式に基づいて算出されることを特徴とする位相差検出回路。
  15. 請求項10または請求項11記載の位相差検出回路であって、
    前記計測部は、前記第1の受信信号に基づいて前記第1の計測値を算出する第1の計測回路と、前記第2の受信信号に基づいて前記第2の計測値を算出する第2の計測回路とを含み、
    前記第1の送受信回路および前記第1の計測回路は、第1のレーダ回路を構成し、
    前記第2の送受信回路および前記第2の計測回路は、第2のレーダ回路を構成する
    ことを特徴とする位相差検出回路。
  16. 請求項11または請求項12記載の位相差検出回路と、
    前記第1のアンテナ素子、前記第2のアンテナ素子および前記第3のアンテナ素子を含むアレイアンテナと
    を備えたことを特徴とするレーダ装置。
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