JP2000171556A - 車両用レーダ装置 - Google Patents

車両用レーダ装置

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JP2000171556A
JP2000171556A JP10346861A JP34686198A JP2000171556A JP 2000171556 A JP2000171556 A JP 2000171556A JP 10346861 A JP10346861 A JP 10346861A JP 34686198 A JP34686198 A JP 34686198A JP 2000171556 A JP2000171556 A JP 2000171556A
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JP
Japan
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signal
frequency
sampling
transmission
detecting
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JP10346861A
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Takahiko Oki
孝彦 沖
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Nissan Motor Co Ltd
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Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 相対速度が0近辺でも、精度よく速度検出で
きるレーダ装置とする。 【解決手段】 トリガパルス発生回路3は基準信号を分
周して、送出タイミング信号を生成する。レーダヘッド
10はトリガパルス発生回路3からの送出タイミング信
号に基づき所定時間幅の送信信号を送受信アンテナから
送出する。受信信号は、周波数変換回路7で基準信号よ
りα小さい周波数の発振信号とミキシングされ周波数変
換される。これによって送出タイミングと非同期の周波
数成分αが混合される。信号処理部20では周波数変換
された受信信号をサンプリングして、過去の履歴データ
とでサンプリング値の振幅変化周波数を求める。ここで
非同期周波数は疑似ドップラ周波数として検出されるか
ら、相対速度が0でも、ドップラ周波数が0となること
がなく、低周波数の雑音の影響を受けずに、ドップラ周
波数の検出ができる。精度よく速度検出が可能になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、車両前方の障害
物までの距離および障害物に対する相対速度を検出する
車両用レーダ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の車両用レーダ装置として、パルス
方式レーダ装置がある。これは、送受信アンテナを備え
るレーダヘッドから車両前方に向けて一定時間だけ電磁
波を送出するとともに、受信信号内で一定強度以上の反
射波を物標からの反射信号として検波器で検出し、送出
した時刻から反射信号を検出(受信)した時刻までの経
過時間より電磁波を反射した物標までの距離を計測する
ものである。物標との相対速度の検出は上記に求めた距
離の時間微分により求められる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな車両用レーダ装置においては、反射信号の検出に一
定のしきい値を設けているので、反射信号がしきい値以
下になった場合には雑音に埋もれて物標の検出が行えな
い。とくにパルス方式電波レーダ装置では、物標の大き
さやその反射面の変化によって反射強度が変化したり、
路面反射等との干渉により反射強度が変動して、しきい
値以下になる状況が生じやすいため、物標の検出が不安
定になる例が多い。物標の距離検出が不安定になると、
距離の検出に依存した速度検出も精度を保てず、演算結
果に大きな誤差が生ずる。
【0004】一方距離の検出に依存しない速度の検出法
として、反射信号からドップラ周波数を検出し、ドップ
ラ周波数を測定することによって物標との相対速度を検
出することがある。しかし、ドップラ周波数の測定にお
いては、反射信号をサンプリングして所定時刻の信号振
幅を検出し、その信号強度の時間的変化により反射信号
の位相変化を求めるから、相対速度が0近辺の物標につ
いては、ドップラ周波数が低周波数の領域になるので、
信号の振幅を検出する際の直流オフセットの影響を受
け、検出感度が劣化するという問題があった。したがっ
て本発明は、上記従来の問題点に鑑み、物標からの反射
信号が微小な場合にも確実に検出し、相対速度が0近辺
でも、直流オフセットの影響を受けずにドップラ周波数
を検出できるものとし、さらに物標までの距離の計測も
可能な車両用レーダ装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】このため請求項1記載の
本発明は、第1発振器が発振した基準周波数に基づいて
送出タイミング信号を生成するトリガパルス発生手段
と、送出タイミング信号を受けて所定時間幅の電磁波の
送信信号を送出するとともに、物標からの反射信号を受
信して受信信号を出力するレーダヘッドと、受信信号の
周波数を変換し、前記送出タイミング信号と非同期の周
波数成分を混入する周波数変換手段と、該周波数変換手
段によって周波数変換された受信信号を所定のサンプリ
ング周波数でサンプリングするサンプリング手段と、該
サンプリング手段で検出されたサンプリング値を基に物
標からの反射信号を検出する反射信号検出手段と、該反
射信号検出手段の検出値から反射信号があった1つのサ
ンプリングポイントを抽出し、該サンプリングポイント
でのサンプリング値と同サンプリングポイントの過去の
履歴データとに基づいてサンプリング値の振幅変化から
ドップラ周波数を検出するドップラ検出手段と、前記ド
ップラ周波数を基に物標との相対速度を検出する相対速
度検出手段とを有するものとした。
【0006】請求項2記載の発明は、上記請求項1記載
の構成に、送信信号送出から反射信号受信までの時間に
基づいて物標までの距離を求める距離演算手段とを加
え、レーダヘッドは、受信信号を差分周波数Δfの変調
周波数とするとともに、当該変調周波数における反射信
号の周波数変換後の波形が1波以上含まれるように送信
信号の前記所定時間幅を設定し、前記サンプリング手段
は、サンプリング間隔が0.5/Δf以下に設定され
て、反射信号の波形のサンプリング点が少なくとも3点
となるように構成されたものとした。
【0007】上記のサンプリング手段は積分器を備え、
その積分器に蓄積された電荷量を上記のサンプリング値
とすることができる。また、反射信号検出手段は、反射
信号の強度が小さい場合にはサンプリング周波数を上げ
てサンプリング点数を増大させるようにサンプリング手
段を制御するものとすることができ、あるいは、送信信
号の所定時間幅を長くさせるようレーダヘッドを制御す
ることもできる。さらにまた、積分器のゲート時間を短
くするようサンプリング手段を制御するもできる。
【0008】
【作用】請求項1記載の発明では、周波数変換手段は、
レーダヘッドの受信信号を所定周波数の発振信号とミキ
シングして周波数変換を行う。発振信号が送出タイミン
グと同期しないので、発振信号の周波数と送出タイミン
グ信号を生成する際の基準信号との差の周波数が非同期
成分として受信信号に混入される。この非同期成分が混
入された受信信号を、サンプリング手段がサンプリング
して、受信信号の振幅をデータ化する。
【0009】反射信号検出手段はサンプリング値をもと
に物標からの反射信号を検出し、ドップラ検出手段が反
射信号のあった1つのサンプリングポイントを抽出し、
このサンプリングポイント上のサンプリング値と過去所
定回数の送受信によって取得した履歴データに基づい
て、同サンプリングポイントでのサンプリング値の時間
的変化からドップラ周波数を演算する。サンプリングす
る受信信号に送出タイミングと非同期の周波数成分が混
入されているので、その周波数成分がドップラ周波数と
して演算される。したがって、物標との相対速度が0の
とき、混入された非同期成分だけがドップラ周波数とし
て検出される。この疑似ドップラ周波数によって、低周
波数領域でのドップラ周波数を検出することが可能にな
る。この疑似ドップラ周波数の存在によって、相対速度
が正と負の検出領域が形成される。疑似ドップラより高
い周波数が検出されると、相対速度が正となり、物標へ
接近すると判断できる。また疑似ドップラ周波数より低
く周波数が検出されると相対速度が負となり、物標から
離脱すると判断ができる。
【0010】また、送信信号送出から反射信号受信まで
の時間に基づいて物標までの距離を求める距離演算手段
を設けることによって、物標までの距離を算出すること
もできる。距離を求めるには、レーダヘッドにおける送
信信号の所定時間幅が、反射信号の周波数変換後の波形
が1波以上含まれるように設定され、サンプリング間隔
が0.5/Δf以下に設定されて、反射信号の波形が少
なくとも3点でサンプリングされるので、強度が低レベ
ルの反射信号でも検出される。これによって信号が微弱
な場合でも、距離検出が可能になる。
【0011】なお、サンプリング手段が積分器を備え、
サンプリング値を積分して出力することにより、物標か
らの反射信号の検出が一層容易となる。さらに、反射信
号の強度が小さい場合に反射信号検出手段がサンプリン
グ手段を制御してサンプリング周波数を上げたり積分器
のゲート時間を短くさせ、あるいはレーダヘッドを制御
して送信信号の所定時間幅を長くさせることにより、一
層的確に精度よく反射信号が検出される。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を実施
例により説明する。図1は第1の実施例の全体概要を示
すブロック図である。全体構成は、電磁波の送出および
受信を行うレーダヘッド10と、ゲート回路4を介して
レーダヘッド10の受信信号を入力し周波数変換を行う
周波数変換回路7と、周波数変換された受信信号に信号
処理および演算を施す信号処理部20と、レーダヘッド
10と信号処理部20と、送出タイミング信号を発する
トリガパルス発生回路3とからなる。信号処理部20は
その出力として距離および相対速度情報を表示装置5や
車速制御などの車両制御装置6へ出力する。
【0013】図2は、レーダヘッド10まわりの詳細構
成を示す。電圧制御発振器駆動回路(VCO駆動回路)
11に接続された電圧制御発振器(VCO)12に、順
次、アイソレータ13、サーキュレータ14、RFスイ
ッチ回路15およびサーキュレータ16を介して送受信
アンテナ17が接続され、サーキュレータ16とサーキ
ュレータ14はさらにミキサ18に接続されている。ミ
キサ18の出力はIF増幅器19を介してゲート回路4
に接続されている。電圧制御発振器駆動回路11および
ゲート回路4はそれぞれトリガパルス発生回路3に接続
されている。ゲート回路4はさらに周波数変換回路7内
のミキサ8と接続される。ミキサ8には第2発振器9が
接続されている。送受信アンテナ17は車両前方に向け
て設置されている。
【0014】トリガパルス発生手段としてのトリガパル
ス発生回路3は、第1発振器1を持ち、第1発振器1が
発生する周波数F1の基準周波数信号を分周器2で分周
して送出タイミング信号を生成する。電圧制御発振器駆
動回路11は、トリガパルス発生回路3からの送出タイ
ミング信号を受けて、電圧制御発振器12にパルス状の
変調信号を発する。電圧制御発振器12は、変調信号に
よりLO信号(基本発振周波数f0)からf1=f0+
Δfに周波数変調した送信信号を発生し、サーキュレー
タ14は送信信号をRFスイッチ回路15側へ、LO信
号をミキサ18側へ分離する。RFスイッチ回路15は
トリガパルス発生回路3からの送出タイミング信号を受
けるようになっており、送出タイミング信号に基づいて
送信信号の通過、遮断を行う。
【0015】サーキュレータ16は送信信号と受信信号
を分離するもので、送受信アンテナ17で受信されサー
キュレータ16で分離された受信信号(RF信号)はミ
キサ18に送られる。ミキサ18では、RF信号がサー
キュレータ14で分離されたLO信号とミキシングさ
れ、差分周波数△fの変調周波数信号(第1IF信号)
に変換される。なお、送受信アンテナ17からの送出時
以外は、LO信号はRFスイッチ回路15で全反射して
サーキュレータ14からミキサ18に入力している。
【0016】ゲート回路4は、トリガパルス発生回路3
の各送出タイミング信号から所定時間経過後開いて、I
F増幅器19で増幅された第1IF信号を周波数変換回
路7へ通過させる。このゲート回路4での処理により、
送受信アンテナ17端の反射やサーキュレータ14、1
6の漏れ、RFスイッチ回路15のアイソレーション不
足等に起因して、第1IF信号に混入することのある変
調ノイズが除去され、誤検出が防止される。
【0017】周波数変換回路7は、変調ノイズなどを除
去した第1IF信号をミキサ8で第2発振器9からの発
振信号とミキシングして、周波数を変換した第2IF信
号を信号処理部20に出力する。第2発振器9は送出タ
イミング信号と同期をとらずに発振し、その発振周波数
がトリガパルス発生回路3内の第1発振器1の発振周波
数F1よりαだけ小さくなっており、第2IF信号の周
波数f3がΔf−F1+αになり、周波数αは非同期成
分になる。なお、第2発振器9を用いる代わりに第1発
振器1の基準周波数を分周して、発振信号として生成す
ることもできる。上記送出タイミング信号のパルス幅△
tと第2IF信号の周波数f3との関係については、第
2IF信号に1波以上の信号が含まれるように設定して
いる。例えば、f3が20MHzのとき△tは75ns
ecとする。
【0018】次に図3は、信号処理部20の詳細を示
す。信号処理部20は、トリガパルス発生回路3に接続
されたサンプリングパルス発生器21を備えるととも
に、ゲート回路4に利得可変増幅器22を介して接続さ
れたオフセット回路23を備え、オフセット回路23は
記録回路24に接続されている。記録回路24にはA/
D変換器25を介してCPUからなる演算器26が接続
され、記録回路24と演算器26の間にはさらに、ドッ
プラ検出回路27が設けられている。ドップラ検出回路
27は例えば過去512回の検出結果を記憶するように
なっている。
【0019】記録回路24は、第2IF信号を一定時間
間隔でサンプリング検出するもので、送出タイミングか
ら時間分割した各ビットごとに設けられたアナログスイ
ッチ30と積分器31の複数組と、これらを選択するマ
ルチプレクサ32から構成されている。利得可変増幅器
22は演算器26からのゲイン調整信号により第2IF
信号の振幅レベルを調整し、オフセット回路23はこの
レベル調整された第2IF信号をオフセットさせて、記
録回路24の各アナログスイッチ30へ出力する。
【0020】サンプリングパルス発生器21は、トリガ
パルス発生回路3の送出タイミング信号から所定数のサ
ンプリングパルスを生成し、記録回路24のアナログス
イッチ30を順次駆動する。ここでは、少なくとも3点
以上で受信信号のサンプリング検出ができるように、例
えば第2IF信号の周波数が20MHz、送信パルス幅
(△t)が75nsec、サンプリングパルスの周波数
が40MHzとされる。アナログスイッチ30による積
分器31への信号入力のゲート時間は△t以下とする。
サンプリングパルス数は検出する距離値に対応して設定
され、例えば一回の送信に100個のサンプリングパル
スが出力されるように設定されている。
【0021】以上の構成における作用について、図4の
タイムチャートを参照して説明する。まず、図4の
(a)のようにトリガパルス発生回路3からパルス幅Δ
tの送出タイミング信号が出力されると、(b)のよう
にこの送出タイミング信号の間、送受信アンテナ17か
ら車両前方に向けて送信信号(周波数f1)がパルス信
号として送出される。
【0022】送信信号が物標に当たると、その反射波が
(c)に示すように送出タイミング信号送出から時間T
後に受信信号として送受信アンテナ17に受信される。
受信信号はミキサ18で第1IF信号に変換され、さら
にミキサ8で周波数f3に変換された第2IF信号がゲ
ート回路4を経て信号処理部20に入力される。第2I
F信号には(d)のように1波以上の波形が含まれてい
る。なお、(d)において破線は雑音レベルを示してい
る。
【0023】信号処理部20では、(e)のようにサン
プリングパルス発生器21が送出タイミング信号からサ
ンプリングパルスを生成する。このサンプリングパルス
による上記の第2IF信号のサンプリング値が記録回路
24の積分器31で積算処理される。(f)は積算され
たサンプリング値を示している。
【0024】演算器26では、図5に示す流れで距離を
求める。まずステップ101において、マルチプレクサ
32へのビット切り替え信号により、所定時間ごとにA
/D変換器25を介して記録回路24のサンプリング結
果を取り込む。 ステップ102では、オフセット電圧
との電圧差から反射信号部分のデータを抽出する。
【0025】そして、ステップ103において、反射信
号の振幅から信号波形の中央値(ピーク位置)を求め
る。ここでは、少なくとも3点の値が得られているか
ら、反射信号の中央値を推定することができる。つぎの
ステップ104で、送信信号送出から上記中央値までの
時間tから、次式により物標までの距離Dを求める。 D=0.5×C×t ただし、C=3×10 (m/sec)である。
【0026】反射信号のサンプリング値は、反射物標と
の距離変化によって、図6に例示されるような位相変化
を起こしている。そこで、ドップラ検出回路27では反
射信号を含んだサンプリング値の振幅変化の周波数すな
わちドップラ周波数fdを検出する。演算器26はドッ
プラ周波数に基づいて反射物標との相対速度を演算す
る。
【0027】すなわち図7に示すように、ステップ20
1において、マルチプレクサ32へのビット切り替え信
号により、所定時間ごとに記録回路24のサンプリング
結果を取り込み、データの更新を行ってメモリに記憶す
る。ここで例えば100個のサンプリングデータを取り
込んだとする。取り込んだデータと記憶された過去の履
歴データとによって図8に示すように、全部で512回
の送受信におけるサンプリングデータ(512×10
0)が得られる。
【0028】ステップ202において、データの取り込
み順から反射信号があったどうかをチェックし、反射信
号があった最初のサンプリングポイントを検出する。ス
テップ203においては、反射信号があったポイントか
ら同時刻に記憶された512個のサンプリングデータを
メモリから抽出する。ステップ204においては、サン
プリングデータの振幅変化からドップラ周波数f4を演
算する。
【0029】第2IF信号には送信タイミングと非同期
の周波数成分αが混入されているので、物標との相対速
度が0のとき、周波数αの疑似ドップラ周波数が検出さ
れる。これによって物標との相対速度が0のときでも、
図9に示すように疑似ドップラ周波数が検出される。雑
音は低周波数領域で強く現れるから、疑似ドップラ周波
数を例えば図示のように14kHz近辺に設定すること
によって、雑音に埋もれて検出できないことがなくな
る。また、疑似ドップラ周波数が相対速度0に対応して
いるので、相対速度が負の検出領域、正の検出領域が形
成され、演算されたドップラ周波数が疑似ドップラ周波
数より小さいかどうかによって物標との相対速度が負か
正かの判断できる。
【0030】演算回路26はステップ205で、ドップ
ラ検出回路27からのドップラ周波数f4より、次式に
より物標との相対速度Vを演算する。 V=0.5×C×(f4−α)/f1 ただし、f1は送信信号の周波数である。αは第1発振
器1と第2発振器9の発振周波数の差である。そして、
ステップ206において、こうして求められた物標との
相対速度Vおよび求めていた物標までの距離Dにより、
必要な補正を施した後表示装置5あるいは車両制御装置
6へ出力する。なお、信号処理部20では車両用レーダ
装置として想定するドップラ周波数に対応する周波数通
過帯域、ならびにゲート時間に応じた積分器31の時定
数が設定されていることはもちろんである。
【0031】本実施例は以上のように構成され、受信信
号に、送出タイミングと非同期の周波数成分を混入する
ことによって、受信信号の振幅から疑似のドップラ周波
数が検出されることになる。相対速度が0近辺の状態で
も、疑似ドップラ周波数が検出されるので、低周波数領
域の雑音を受けずに済み、検出感度が高くなる。また疑
似ドップラ周波数によって相対速度が負の周波数領域と
正の周波数領域が形成され、その領域を判断することに
よって物標へ接近するか、離脱するかの判別がつく。
【0032】また、同じくドップラ周波数が得られるこ
とにより、車両前方に複数の物標が存在し、反射信号が
重なるような状態が発生しても、相対速度の相違に基づ
くドップラ周波数の違いによって容易に識別を行うこと
ができる。また距離を検出するには、送信信号の送出時
間を第2IF信号が少なくとも1波含まれる長さとし、
受信信号のサンプリングを3点以上行えるようにサンプ
リング周波数を設定してあるので、ドップラを含んだ反
射信号波形の検出が可能となり、また積分器31でサン
プリング値を加算処理することにより微小信号でも反射
信号が感度良く検出される。
【0033】つぎに図10は、第2の実施例を示すブロ
ック図である。この実施例は、信号処理部において、第
1の実施例におけるオフセット回路23のかわりに、リ
ミッタ増幅器40を利得可変増幅器22と記録回路24
の間に設けたものである。リミッタ増幅器40は、受信
信号の周波数を変換した第2IF信号を0−5Vに振幅
制限増幅された擬似雑音信号に変換して、記録回路24
に入力する。レーダヘッドまわりを含むその他の構成は
前実施例と同じである。
【0034】本実施例における各信号は図11に示され
る。(a)−(d)の送出タイミング信号、送信信号、
受信信号および第2IF信号は図4に示した前実施例に
おけるものと同じである。そして、リミッタ増幅器40
の出力には、(e)に示すように、反射信号があるとこ
ろのみ振幅変化が現れる。(g)は(f)に示すサンプ
リングパルスによってリミッタ増幅器40の出力をサン
プリングし、記録回路24の積分器31で積算処理した
結果である。反射信号がない間は擬似雑音信号の平均値
である2.5Vに収束しているが、反射信号が入ると振
幅情報Sが現れる。
【0035】これによっても、第1の実施例と同様に、
微小信号でも反射信号が感度良く検出され、サンプリン
グ値の振幅変化からドップラ周波数を検出し、相対速度
が求められるとともに距離算出もできる。また複数の物
標の識別も容易である。
【0036】つぎに、図12はさらに状況に応じて信号
検出精度を制御できるようにした第3の実施例を示す図
である。ここでは、第1の実施例の構成をベースに、演
算器26とトリガパルス発生回路3、サンプリングパル
ス発生器21および記録回路の積分器31とが接続さ
れ、演算器26で直前に計測された反射信号強度に応じ
て制御を行うようになっている。すなわち、反射信号強
度が小さい場合には、演算器26からサンプリングパル
ス発生器21へサンプリング周波数制御信号を出力し、
サンプリング周波数を上げてサンプリング点数を増大さ
せ、またトリガパルス発生回路3へ送信パルス幅制御信
号を出力し、送出タイミング信号のパルス幅を長くさせ
る。また、反射信号の波形検出効率をさらに向上させる
ため、積分時定数制御信号を積分器31へ出力し、積分
時間を短くさせる。レーダヘッドまわりを含むその他の
構成は第1の実施例と同じである。
【0037】これにより、本実施例では時々刻々の実際
の検出状況、とくに反射信号強度の状態に応じて各部の
動作パラメータが制御されるから、常に安定して高い検
出精度が確保される。
【0038】なお、上記各実施例では、記憶回路24が
積分器31を備え、サンプリング値を電荷量として記録
するが、このほか、積分器31のかわりにメモリを用い
て、サンプリング値をA/D変換してデジタル情報とし
て記録させることもできる。また実施例のレーダヘッド
10からは送信信号として一定振幅の固定パルス信号が
送出されるが、振幅が変化するFMパルス方式のレーダ
ヘッドを用いた場合にも固定パルス信号のときと同様に
第1IF信号、第2IF信号が得られるから、実施例と
同じ効果が得られる。
【0039】
【発明の効果】以上のとおり、本発明は、レーダヘッド
から送信信号を送出するとともに、受信信号をサンプリ
ング手段によりサンプリングしてそのサンプリングを基
に物標からの反射信号を検出し、過去の受信信号とによ
り反射信号の振幅変化からドップラ周波数を検出して、
物標との相対速度を求める車両用レーダにおいて、反射
信号に信号の送出タイミングと非同期の周波数成分を混
入し、その非同期の周波数成分によって疑似のドップラ
周波数が検出される。この疑似ドップラ周波数によっ
て、相対速度が0近辺でも、ドップラ周波数が低周波数
領域から検出されることなく、直流オフセットなどに起
因する雑音の影響を受けることがなくなり、高感度で検
出することが可能になる。また疑似ドップラ周波数によ
って、相対速度が正と負の2つ検出領域が形成されるか
ら、ドップラ周波数の検出領域によって、物標へ接近す
るか、離脱するかを判断することができる。
【0040】また、送信信号と受信信号の時間差によっ
て距離を検出するときに、受信した反射信号の周波数変
換後の波形が1波以上含まれるように送信信号の時間幅
を設定し、またサンプリング間隔を0.5/Δf以下と
して反射信号の波形のサンプリング点が少なくとも3点
となるようにしたので、物標からの反射信号が微小な場
合にも雑音に埋もれることなく確実に検出され、物標ま
での距離を計測することができるという効果を有する。
【0041】また、サンプリング手段が積分器を備え、
サンプリング値を積分して出力することにより、物標か
らの反射信号の検出が一層容易となる。さらに、反射信
号の強度が小さい場合にサンプリング手段を制御してサ
ンプリング周波数を上げたり積分器のゲート時間を短く
させ、あるいはレーダヘッドを制御して送信信号の時間
幅を長くさせることにより、一層的確に精度よく反射信
号を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例の全体概要を示すブロック図であ
る。
【図2】レーダヘッドまわりの詳細構成を示すブロック
図である。
【図3】信号処理部の詳細を示すブロック図である。
【図4】第1の実施例における信号波形を示すタイムチ
ャートである。
【図5】距離を求める流れを示すフローチャートであ
る。
【図6】反射信号のサンプリング値の位相変化例を示す
図である。
【図7】相対速度を求める流れおよび信号の出力を示す
フローチャートである。
【図8】ドップラ周波数を求めるデータの構成を示す図
である。
【図9】疑似ドップラ周波数と雑音強度の領域関係を示
す図である。
【図10】第2の実施例の構成を示すブロック図であ
る。
【図11】第2の実施例における信号波形を示すタイム
チャートである。
【図12】第3の実施例の構成を示すブロック図であ
る。
【符号の説明】
1 第1発振器 2 分周器 3 トリガパルス発生回路 4 ゲート回路 5 表示装置 6 車両制御装置 7 周波数変換回路 8 ミキサ 9 第2発振器 10 レーダヘッド 11 電圧制御発振器駆動回路 12 電圧制御発振器 13 アイソレータ 14、16 サーキュレータ 15 RFスイッチ回路 17 送受信アンテナ 18 ミキサ 19 IF増幅器 20 信号処理部 21 サンプリングパルス発生器 22 利得可変増幅器 23 オフセット回路 24 記録回路 25 A/D変換器 26 演算器 27 ドップラ検出回路 30 アナログスイッチ 31 積分器 32 マルチプレクサ 40 リミッタ増幅器

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1発振器が発振した基準周波数に基づ
    いて送出タイミング信号を生成するトリガパルス発生手
    段と、送出タイミング信号を受けて所定時間幅の電磁波
    の送信信号を送出するとともに、物標からの反射信号を
    受信して受信信号を出力するレーダヘッドと、受信信号
    の周波数を変換し、前記送出タイミング信号と非同期の
    周波数成分を混入する周波数変換手段と、該周波数変換
    手段によって周波数変換された受信信号を所定のサンプ
    リング周波数でサンプリングするサンプリング手段と、
    該サンプリング手段で検出されたサンプリング値を基に
    物標からの反射信号を検出する反射信号検出手段と、該
    反射信号検出手段の検出値から反射信号があった1つの
    サンプリングポイントを抽出し、該サンプリングポイン
    トでのサンプリング値と同サンプリングポイントの過去
    の履歴データとに基づいてサンプリング値の振幅変化か
    らドップラ周波数を検出するドップラ検出手段と、前記
    ドップラ周波数を基に物標との相対速度を検出する相対
    速度検出手段とを有することを特徴とする車両用レーダ
    装置。
  2. 【請求項2】 第1発振器が発振した基準周波数に基づ
    いて送出タイミング信号を生成するトリガパルス発生手
    段と、送出タイミング信号を受けて所定時間幅の電磁波
    の送信信号を送出するとともに、物標からの反射信号を
    受信して受信信号を出力するレーダヘッドと、受信信号
    の周波数を変換し、前記送出タイミング信号と非同期の
    周波数成分を混入する周波数変換手段と、該周波数変換
    手段によって周波数変換された受信信号を所定のサンプ
    リング周波数でサンプリングするサンプリング手段と、
    該サンプリング手段で検出されたサンプリング値を基に
    物標からの反射信号を検出する反射信号検出手段と、該
    反射信号検出手段の検出値から反射信号があった1つの
    サンプリングポイントを抽出し、該サンプリングポイン
    トでのサンプリング値と同サンプリングポイントの過去
    の履歴データとに基づいてサンプリング値の振幅変化か
    らドップラ周波数を検出するドップラ検出手段と、前記
    ドップラ周波数を基に物標との相対速度を検出する相対
    速度検出手段と、前記送信信号送出から反射信号受信ま
    での時間に基づいて物標までの距離を求める距離演算手
    段とを有し、前記レーダヘッドは、受信信号を差分周波
    数Δfの変調周波数とするとともに、当該変調周波数に
    おける反射信号の周波数変換後の波形が1波以上含まれ
    るように送信信号の前記所定時間幅を設定し、前記サン
    プリング手段は、サンプリング間隔が0.5/Δf以下
    に設定されて、反射信号の波形のサンプリング点が少な
    くとも3点となるように構成されたことを特徴とする車
    両用レーダ装置。
  3. 【請求項3】 前記周波数変換手段は、前記第1発振器
    の基準周波数と一定の周波数差をもった周波数信号を発
    する第2発振器を有し、該第2発振器からの周波数信号
    とレーダヘッドからの受信信号とミキシングして、周波
    数変換を行うことを特徴とする請求項1または2記載の
    車両用レーダ装置。
  4. 【請求項4】 前記周波数変換手段は、前記第1発振器
    の基準周波数を分周した周波数信号とレーダヘッドから
    の受信信号とミキシングして周波数変換を行うことを特
    徴とする請求項1または2記載の車両用レーダ装置。
  5. 【請求項5】 前記サンプリング手段が、積分器を備
    え、該積分器に蓄積された電荷量を前記サンプリング値
    とするものであることを特徴とする請求項1、2、3ま
    たは4記載の車両用レーダ装置。
  6. 【請求項6】 前記反射信号検出手段は、反射信号の強
    度が小さい場合にはサンプリング周波数を上げてサンプ
    リング点数を増大させるように前記サンプリング手段を
    制御することを特徴とする請求項1、2、3、4または
    5記載の車両用レーダ装置。
  7. 【請求項7】 前記反射信号検出手段は、反射信号の強
    度が小さい場合には送信信号の前記所定時間幅を長くさ
    せるよう前記レーダヘッドを制御することを特徴とする
    請求項1、2、3、4、5または6記載の車両用レーダ
    装置。
  8. 【請求項8】 前記反射信号検出手段は、反射信号の強
    度が小さい場合には前記積分器のゲート時間を短くする
    よう前記サンプリング手段を制御することを特徴とする
    請求項5、6または7記載の車両用レーダ装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6870502B1 (en) * 2003-08-29 2005-03-22 Raytheon Company Advanced asynchronous pulse detector
JP2006021558A (ja) * 2004-07-06 2006-01-26 Wire Device:Kk 監視システム
US7602333B2 (en) 2004-02-26 2009-10-13 Kyocera Corporation Transmitting/receiving antenna, isolator, high-frequency oscillator, and high-frequency transmitter-receiver using the same
CN113589249A (zh) * 2021-07-16 2021-11-02 中山艾朗格科技有限公司 校准单频连续波多普勒雷达的直流偏移的信号处理方法

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