JP2010168851A - 吊り具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 I字状梁材に野縁及び天井板を吊支できる建築用の吊り具であって、I字状梁材のフランジの下面と対向するベース板部と、所定間隔を隔ててベース板部から上側に延びる一対の係止片を有する上固定部と、野縁を固定することができる下固定部とを備え、一対の係止片は、ベース板部から垂直方向へ延び、且つ、内壁面が互いに平行である垂直片と、垂直片から水平方向に延びる水平片とを有し、フランジを、水平片間を通過させてベース板部に当接させ、ベース板部を水平に回転させることで、垂直片の内壁面がフランジの側面に対向するとともに、水平片の下面がフランジの上面に当接し、係止片間にフランジが狭持されるように吊り下げられる吊り具。
【選択図】 図1
Description
図9は、I字状梁材を模式的に示す斜視図である。
図9に示すように、I字状梁材120は、木片を樹脂で固めた薄い板状のウェブ122と、ベニアを重ねて圧着成形した積層合板からなるフランジ121とから構成されており、収縮、割れ、ねじれ等の経年変化が生じにくい特性を有している。このようなI字状梁材120を用いる場合、特許文献1のような吊り具では、ウェブ122が薄い板状であるため、その側面からネジ止めしても十分な取付強度が得られず、また、フランジ121の部分にネジ止めすると、梁の下端と野縁との間に大きな隙間が生じ、火災時に天井を火が走りやすくなり、当該隙間を10mm以下とする建築基準を満たすことができない。さらに、フランジ121は、ベニアを圧着させたものであるため、圧着面に対して水平方向にネジが取り付けられ、このネジに下方向の力が加えられると、簡単に剥がれてしまうといった問題があった。
図10は、従来の吊り具の使用状態を模式的に示す縦断面図である。
図10に示すように、吊り具100は、フランジ121の一方側(図10中、左側)を上固定部101で上下に挟み込むことにより、I字状梁材120に固定されている。また、吊り具100の下固定部102には、野縁123が固定され、野縁123に天井板124が取り付けられている。
(1) 建物の天井部分に架設され、ウェブとフランジとから断面I字状に形成されたI字状梁材に野縁及び天井板を吊支することができる建築用の吊り具であって、
上記I字状梁材の上記フランジの下面と対向するベース板部と、
所定間隔を隔てて上記ベース板部から上側に延びる一対の係止片を有する上固定部と、上記ベース板部の下側に設けられ、上記野縁を固定することができる下固定部とを備え、
上記一対の係止片は、上記ベース板部から垂直方向へ延び、且つ、内壁面が互いに平行である垂直片と、上記垂直片から水平方向に互いに接近するように同一平面上に延びる水平片とを有し、
上記I字状梁材のフランジを、上記一対の係止片の上記水平片間を通過させて上記ベース板部に当接させ、上記ベース板部を水平に回転させることで、上記垂直片の上記内壁面が上記フランジの側面に対向するとともに、上記水平片の下面が上記フランジの上面に当接して、上記一対の係止片間に上記フランジが狭持されるようにして吊り下げられることを特徴とする吊り具。
(1)の発明によれば、I字状梁材のフランジの下面と対向するベース板部と、所定間隔を隔ててベース板部から上側に延びる一対の係止片を有する上固定部と、ベース板部の下側に設けられ、野縁を固定することができる下固定部とを備えている。一対の係止片は、ベース板部から垂直方向へ延び、且つ、内壁面が互いに平行である垂直片と、垂直片から水平方向に互いに接近するように同一平面上に延びる水平片とを有している。そして、梁材のフランジを、一対の係止片の水平片間を通過させてベース板部に当接させ、ベース板部を水平に回転させることで、垂直片の内壁面がフランジの側面に対向するとともに、水平片の下面がフランジの上面に当接して、一対の係止片間にフランジが狭持されるようにして吊り下げられる。
梁材のフランジを、一対の係止片の水平片間を通過させてベース板部に当接させ、ベース板部を水平に回転させると、垂直片の内壁面がフランジの側面に対向するとともに、水平片の下面がフランジの上面に当接して、一対の係止片間にフランジが狭持されるようにして吊り下げられるため、薄いウェブにネジ止めを行ったり、水平方向に強度の弱いフランジにネジ止めを行わなくてもI字状梁材に強固に取り付けることが可能となる。
(2) 上記(1)の吊り具であって、
上記一対の係止片の内壁面には防振弾性部材が設けられており、上記一対の係止片が該防振弾性部材を介して上記梁材の上記フランジと当接することを特徴とする。
(3) 上記(1)又は(2)の吊り具であって、
上記下固定部は、上記野縁を上記野縁の両側面側から挟みこんで固定することができるように、一方の下固定部の面と他方の下固定部の面とが互いに平行であることを特徴とする。
(4) 上記(1)〜(3)のいずれかの吊り具であって、
上記下固定部は、上記ベース板部に対して回転自在に取り付けられていることを特徴とする。
(5) 上記(4)の吊り具であって、
上記ベース板部と上記下固定部とが防振弾性部材を介して取り付けられていることを特徴とする。
勿論、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の構成を充足する範囲内で、適宜設計変更を行うことが可能である。
図1(a)は、第1実施形態に係る吊り具を模式的に示す平面図であり、図1(b)は、その正面図であり、図1(c)は、その右側面図である。
吊り具10は、金属製であり、ベース板部12と、所定間隔を隔ててベース板部12から上側に延びる一対の係止片22(係止片22A、係止片22B)を有する上固定部20と、ベース板部12より下側に設けられた下固定部30とを備える。ベース板部12は、矩形の1組の対角の角部分(図1(a)中、左上部分と右下部分)が斜めに切り取られた板形状を有している。
本発明においては、本実施形態のように、防振弾性部材が吊り具の係止片の内壁面に設けられていることが望ましい。防振弾性部材が設けられていることにより、上の階の床面(I字状梁材よりも上部)からの振動を下の階の天井に伝播することを抑制することができるからである。ただし、本発明において防振弾性部材は、必ずしも設けられている必要はない。また、本発明において防振弾性部材は、水平片に対向するベース板部の上面に貼着されていてもよい。
図2(a)〜図2(c)、図3(a)及び図3(b)は、図1に示した吊り具の設置方法を説明するための図である。
まず、I字状梁材120と、吊り具10とを、I字状梁材120のフランジ121の長手方向と吊り具10のベース板部12の長手方向とが直交する位置関係にした状態で、吊り具10をI字状梁材120に近づけ(図2(a)参照)、I字状梁材120のフランジ121を、吊り具10の水平片26Aと水平片26Bとの間を通過させ、ベース板部12をフランジ121の下面に当接させる(図2(b)参照)。
図4(a)は、第2実施形態に係る吊り具を模式的に示す平面図であり、図4(b)は、その正面図であり、図4(c)は、その右側面図である。
吊り具40は、金属製であり、ベース板部42と、所定間隔を隔ててベース板部42から上側に延びる一対の係止片52(係止片52A、係止片52B)を有する上固定部50と、ベース板部42より下側に設けられた下固定部60とを備える。ベース板部42は、2つの矩形板(矩形板42a、矩形板42b)を長辺方向にずらして接合した形状を有している。
図5(a)〜図5(c)、図6(a)及び図6(b)は、図4に示した吊り具の設置方法を説明するための図である。
まず、I字状梁材120と、吊り具40とを、I字状梁材120のフランジ121の長手方向と吊り具40のベース板部42の長手方向とが直交する位置関係にした状態で、吊り具40をI字状梁材120に近づけ(図5(a)参照)、I字状梁材120のフランジ121を、吊り具40の水平片56Aと水平片56Bとの間を通過させ、ベース板部42をフランジ121に当接させる(図5(b)参照)。
図7(a)は、第3実施形態に係る吊り具を模式的に示す平面図であり、図7(b)は、その正面図であり、図7(c)は、その右側面図である。
図8は、図7(a)に示した吊り具のA−A線断面図である。
吊り具70は、金属製であり、ベース板部72と、所定間隔を隔ててベース板部72から上側に延びる一対の係止片82(係止片82A、係止片82B)を有する上固定部80と、ベース板部72より下側に設けられた下固定部90とを備える。ベース板部72は、矩形の1組の対角の角部分(図7(a)中、左上部分と右下部分)が斜めに切り取られた板形状を有している。
なお、吊り具70の設置方法については、図2及び図3を用いて説明した第1実施形態に係る吊り具10と略同様であるからここでの説明は省略する。
12、42、72 ベース板部
16(16a、16b)、46(46a、46b)、76(76a、76b) 角
20、50、80 上固定部
22(22A、22B)、52(52A、52B)、82(82A、82B) 係止片
24(24A、24B)、54(54A、54B)、84(84A、84B) 垂直片
25、55、85 内壁面
26(26A、26B)、56(56A、56B)、86(86A、86B) 水平片
28、58、88 防振弾性部材
30、60、90 下固定部
32(32A、32B)、62(62A、62B)、92(92A、92B) 下固定片
33、63(63A、63B)、93 ネジ止め用の貫通穴
34 リブ
36、66 ネジ
42a、42b 矩形板
44 凹部
46 防振弾性部材
57 貫通孔
58b 突起部
58a 矩形板状部
59 切れ込み
64(64a、64b) 内側面
91 水平部
94 凸部
95 係合部
97 防振弾性部材
120 I字状梁材
121 フランジ
122 ウェブ
Claims (5)
- 建物の天井部分に架設され、ウェブとフランジとから断面I字状に形成されたI字状梁材に野縁及び天井板を吊支することができる建築用の吊り具であって、
前記I字状梁材の前記フランジの下面と対向するベース板部と、
所定間隔を隔てて前記ベース板部から上側に延びる一対の係止片を有する上固定部と、
前記ベース板部の下側に設けられ、前記野縁を固定することができる下固定部とを備え、
前記一対の係止片は、前記ベース板部から垂直方向へ延び、且つ、内壁面が互いに平行である垂直片と、前記垂直片から水平方向に互いに接近するように同一平面上に延びる水平片とを有し、
前記I字状梁材のフランジを、前記一対の係止片の前記水平片間を通過させて前記ベース板部に当接させ、前記ベース板部を水平に回転させることで、前記垂直片の前記内壁面が前記フランジの側面に対向するとともに、前記水平片の下面が前記フランジの上面に当接して、前記一対の係止片間に前記フランジが狭持されるようにして吊り下げられることを特徴とする吊り具。 - 前記一対の係止片の内壁面には防振弾性部材が設けられており、前記一対の係止片が該防振弾性部材を介して前記梁材の前記フランジと当接することを特徴とする請求項1に記載の吊り具。
- 前記下固定部は、前記野縁を前記野縁の両側面側から挟みこんで固定することができるように、一方の下固定部の面と他方の下固定部の面とが互いに平行であることを特徴とする請求項1又は2に記載の吊り具。
- 前記下固定部は、前記ベース板部に対して回転自在に取り付けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載の吊り具。
- 前記ベース板部と前記下固定部とが防振弾性部材を介して取り付けられていることを特徴とする請求項4に記載の吊り具 。
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