JP2010168742A - 駐車設備 - Google Patents
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Abstract
【課題】駐車スペースに入出庫される車両の幅の変更に柔軟に対応しつつ車両を所望の駐車位置に駐車させる。
【解決手段】車庫には、車両Vを駐車する駐車スペースPAの床部(車庫床面15)に駐車ガイド部材20が配置されている。駐車ガイド部材20は、車庫床面15から起立して設けられる起立部21Aを有する堰板21と、駐車スペースPAにおいて起立部21Aにより区切られた各領域のうち車両Vの進入を許容しない第2エリアS2に配設され、加重に伴い音を発生する音発生材22とを有する。音発生材22は、多数の小片22Aを上下方向に積み重ねて構成される小片集合体であり、その小片22A同士の擦れ合いにより音を発生する。
【選択図】図2
【解決手段】車庫には、車両Vを駐車する駐車スペースPAの床部(車庫床面15)に駐車ガイド部材20が配置されている。駐車ガイド部材20は、車庫床面15から起立して設けられる起立部21Aを有する堰板21と、駐車スペースPAにおいて起立部21Aにより区切られた各領域のうち車両Vの進入を許容しない第2エリアS2に配設され、加重に伴い音を発生する音発生材22とを有する。音発生材22は、多数の小片22Aを上下方向に積み重ねて構成される小片集合体であり、その小片22A同士の擦れ合いにより音を発生する。
【選択図】図2
Description
本発明は、駐車設備に関し、詳しくは駐車スペースにおける駐車位置を案内するための駐車ガイド機能を備える駐車設備に関する。
従来、駐車スペースへの駐車を容易にかつ正確に行うために、車両を所望の駐車位置へ誘導する駐車ガイド機能を備える駐車設備が種々提案されている(例えば特許文献1参照)。特許文献1には、駐車スペースの床面において左右の車両タイヤの外側面に、幅が調整可能なタイヤガイドを同床面に固着させて用いる駐車ガイドが開示されている。この駐車ガイドにおいては、車幅に応じてタイヤガイド間の幅を調整した後、タイヤガイドを駐車スペースの床面にボルト等で固着させる。
しかしながら、上記特許文献1では、タイヤガイド間の幅を調整可能に構成されているものの、タイヤガイドを駐車スペースの床面にボルト等で固着するため、そのスペースに駐車する車両の幅に応じてタイヤガイド間の幅を変更する際に煩雑な作業が必要になることが考えられる。そのため、例えば車両の買い替えや代車の使用時などに、現在のタイヤガイド間の幅と異なる車幅の車両が駐車スペースに駐車された場合に、その車幅の変更に柔軟に対応できないことが考えられる。また、車両のタイヤがタイヤガイドを乗り超えて左右いずれかの方向に偏った場合に、その事態を運転者に知らしめることができず、車両が例えば壁や柱等に接触してしまうおそれがある。
本発明は、上記事象に鑑みなされたものであり、駐車スペースに入出庫される車両の幅の変更に柔軟に対応しつつ車両を所望の駐車位置に駐車させることができる駐車設備を提供することを主たる目的とする。
本発明は、上記課題を解決するために、以下の手段を採用した。
すなわち、本発明は、車両を駐車する駐車スペースの床部に駐車ガイド部材を備え、前記駐車ガイド部材は、前記床部から起立して設けられる起立部を有する堰部材と、前記駐車スペースにおいて前記起立部により区切られた各領域のうち前記車両の進入を許容しない側に設けられ、加重に伴い音を発生する音発生材とを有することを特徴とする。
この発明によれば、駐車ガイド部材の起立部により区切られた駐車スペースの各領域のうち、車両の進入を許容しない領域(非許容エリア)に音発生材が配設されている。そのため、車両が駐車スペースの非許容エリアに進入した場合に、車両のタイヤの接触に伴い起立部が移動したり音発生材がタイヤに踏まれたりすることで音発生材に車両の重みがかかり、その重みにより音発生材から音が発生される。したがって、この音発生材からの音により、入出庫中の車両が所望の駐車位置からずれていることを運転者に知らしめることができる。
また、音発生材からの音は、車両が音発生材を踏みつけることに伴い発せられるため、音の発生源を簡易な構成にすることができる。さらに、駐車スペースに堰部材と音発生材とを配設するといった簡単な構成により駐車位置を誘導する機能が発揮されるため、駐車スペースに入出庫される車両の幅が変更された場合に、その車幅に合わせて堰部材及び音発生材の位置を容易にかつ自在に変更することができる。したがって、本発明によれば、駐車スペースに入出庫される車両の幅が変更された場合にその変更に柔軟に対応することができ、車幅に適した構成で駐車位置の誘導を行うことができる。その結果、車両を所望の駐車位置に駐車させることができる。
本発明において、前記堰部材が、前記起立部が前記駐車スペースの床部において前記車両のタイヤの進入を許容する第1エリアと同進入を許容しない第2エリアとの境界部に沿って延びるようにして設けられ、前記音発生材が、前記第1エリア及び前記第2エリアのうち前記第2エリア側に配設されているとよい。この構成によれば、堰部材の起立部により車両のタイヤの進入を許容する領域(第1エリア)とその進入を許容しない領域(第2エリア)とが区切られ、車両の進入を許容しない側にだけ音発生材が配設されているため、音発生材からの音により、車両のタイヤがその進入を許容しない領域にあることを運転者に知らしめることができる。
本発明において、より好ましくは、前記堰部材が、前記第2エリアにおける前記床部に設置され前記起立部に連結されてなる底板部を有し、前記音発生材が、少なくとも一部が前記底板部上に載置された状態で配設されている形態である。こうすれば、音発生材による底板部への荷重により堰部材が動きにくくなるため、ネジやボルト等の固定具を用いることなく堰部材を床部の所望の位置に配置しておくことができる。これにより、堰部材のレイアウトを変更する際に、底板部上の音発生材を退けるだけで堰部材を駐車スペースの所望の位置に移動させることができる。
本発明において、前記駐車ガイド部材が、前記起立部を、互いに離間する位置に複数備え、前記第2エリアにおいて前記複数の起立部により区切られた各領域に、音発生の態様が各々異なる音発生材が配設されていてもよい。音発生材からの音の種類や大きさ等といった音発生の態様を第2エリア(非許容エリア)の各領域で変えておくことにより、車両のタイヤが第2エリアのどこを踏んだのかを運転者に知らしめることができる。
第2エリアの各領域に音発生の態様が各々異なる音発生材を配設する構成において、前記第2エリアにおいて前記第1エリアから離れる方向に音発生の態様が変更されるよう前記音発生材がそれぞれ配設されているのが好ましい。音発生材からの音の種類や大きさ等といった音発生の態様を第1エリア(許容エリア)からの離間の程度に応じて変えておくことにより、その許容エリアから車両のタイヤがどれだけ離れているかを運転者に知らしめることができる。ここで、音発生の態様を変更する際には、第1エリアから離れるほど運転者に対する報知の度合いを高くする(例えば音を大きくする)のが望ましい。
本発明において、前記堰部材が、前記車両の両サイド、又は前記車両における少なくともいずれかのタイヤの両サイドに設けられ、該両サイドで前記音発生材の音発生の態様が異なっていてもよい。車両又はタイヤの左側と右側とで音発生材からの音の種類や大きさを変えておくことにより、車両が左右のいずれの方向にずれているかを運転者に知らしめることができる。
本発明において、より好ましくは、前記音発生材が、多数の小片を上下方向に積み重ねて構成される小片集合体であり、その小片同士の擦れ合いにより音を発生する形態である。この構成によれば、音発生材がタイヤに踏まれることにより、上下方向に積み重ねられた小片が個々に移動し、その移動に伴い小片同士が擦れ合うことで音発生材から音が発生される。したがって、車両のタイヤの進入を許容しない領域にタイヤが進入したことを比較的簡単な構成により運転者に知らしめることができる。また、小片の積み重ねにより音の発生源が構築されているため、音発生材が配設される場所やその範囲の変更を容易にかつ自在に行うことができる。
ここで、音発生材を構成する小片は、硬質の固体物であるのが好ましく、例えば砂利や金属片、樹脂片などとする。この小片の形状は特に限定せず、例えば粒状や棒状、板状などとする。
本発明において、前記起立部が、前記タイヤの進入を許容する側の表層が柔軟性材料で形成されているのが好ましい。こうすれば、車両のタイヤが起立部に接触した場合にタイヤに傷が付きにくい。また、車両の加重により起立部が破損するのを防止することができる。
ここで、起立部は、外力に対して復元性を有しているのが好ましい。起立部に復元性を持たせるには、例えば起立部の全体を柔軟性材料で構成する。こうすることにより、起立部にタイヤが接触した場合にその起立部の変形に伴い音発生材から音が発せられるため、タイヤの進入を許容しない領域にタイヤが進入し始めた時点でその旨を運転者に知らしめることができる。また、タイヤが起立部に接触しなくなった場合に起立部を元の位置に戻すことができる。
以下に、本発明を具体化した実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
図1は、車庫付き建物を示す図である。図1に示すように、住宅等の建物10には、リビングや居間といった屋内空間部を形成する居室11A,11Bと、いわゆるインナガレージとしての車庫12とが設けられている。車庫12は平面視矩形状の駐車スペースPAを内部に有しており、その駐車スペースPAに車両Vが駐車可能になっている。駐車スペースPAは、少なくとも自動車1台の駐車が可能な幅及び奥行きを有しており、車両出入口13を除く周囲が車庫壁14(側壁14a及び奥壁14b)により囲まれている。
車庫12の床は、例えばコンクリートや煉瓦などにより舗装されており、その舗装部の表面により車庫床面15が構成されている。なお、車庫12の床に、砕石や瓦などによるダスト舗装を施してもよい。
車庫床面15上には駐車ガイド部材20が設けられている。駐車ガイド部材20は、駐車スペースPAにおける所望の駐車位置へ車両Vを誘導する機能(駐車ガイド機能)を備えており、堰板21と音発生材22とにより構成されている。本実施形態において駐車ガイド部材20は、駐車スペースPAに駐車された車両Vの両サイドに設けられており、詳細には、車庫壁14の両側壁14a及び奥壁14bに沿って三方(両側方及び奥方)に配設されている。
次に、駐車ガイド部材20における堰板21及び音発生材22について説明する。
堰板21は、長尺状であり、駐車スペースPAにおいて左右の側壁14a,14aからそれぞれ所定長さ(離間距離L)だけ離れた位置に、車庫12の奥行き方向に延びるようにして配置されている。また、堰板21は、更に奥壁14bから所定長さだけ離れた位置に、車庫12の幅方向に延びるようにして配置されており、その両端が、左右両サイドに配置された堰板21に連結している。この堰板21を境界とした駐車スペースPAの中央の領域に、車両VのタイヤTL,TRの進入を許容する第1エリアS1が定められている。また、同駐車スペースPAの縁部であって第1エリアS1を囲む領域に、車両VのタイヤTL,TRの進入を許容しない第2エリアS2が定められており、同第2エリアS2に音発生材22が配設されている。
堰板21及び音発生材22について更に詳細に説明する。図2は、堰板21及び音発生材22の概略構成を示す図1のA−A断面図である。
まず、堰板21について説明する。図2に示すように、堰板21は、車庫床面15から起立する起立部21Aと、第2エリアS2における車庫床面15に設置され起立部21Aに連結されてなる底板部21Bとを備えている。本実施形態において堰板21は、起立部21A及び底板部21Bにより断面L字状に形成されている。
起立部21Aは、長尺状の薄肉部であり、その一側面が車庫壁14に平行に延びるよう設置されている。この起立部21Aにより、駐車スペースPAにおいて第1エリアS1と第2エリアS2とが仕切られている。起立部21Aの高さは、車両Vのボディの下端部よりも低くなっており、車両VのうちタイヤTL,TRのみが起立部21Aに接触する高さ(例えば5〜10センチ)にしてある。また、起立部21Aは、図2に示すように車庫床面15に対して垂直に起立した状態であってもよいが、第1エリアS1又は第2エリアS2のいずれかのエリア側に傾斜していてもよい。
起立部21Aは、変形及び復元が可能に構成されている。具体的には、起立部21Aは、少なくとも第1エリアS1側の表層が、合成樹脂(例えばEPDMやウレタン)などの柔軟性材料で形成されている。これにより、起立部21Aが、外力が付与されることにより変形するとともに、その外力が除去されることにより元の状態に戻るようになっている。
ここで、起立部21Aの第1エリアS1側の表層を柔軟性材料により構成した場合、起立部21Aの内部又は第2エリアS2側の表層に、例えば金属板等の支持部材が配置されていてもよい。この場合、支持部材においても変形及び復元可能にし、例えば支持部材を板バネで構成する。なお、第1エリアS1及び第2エリアS2は、復元した状態における起立部21Aを境界にして定めてあり、例えば図2においては、垂直状態の起立部21Aの車庫壁14側を第2エリアS2とし、車庫壁14とは反対側を第1エリアS1としている。
底板部21Bは、長尺状の薄肉部であり、その一側面が車庫床面15上において車庫壁14に垂直に延びるよう設置されている。この底板部21Bに支持されることにより、起立部21Aが車庫床面15に起立した状態になっている。底板部21Bにおける短尺方向の長さは、起立部21Aと車庫壁14との離間距離Lと略同じとしてもよい。あるいは、図2に示すように、底板部21Bにおける短尺方向の長さを離間距離Lよりも短くする。また、底板部21Bの材質は特に限定せず、起立部21Aと同じ材料で構成してもよいし、異なる材料で構成してもよい。
なお、堰板21の断面形状はL字状に限らず、底板部21Bに音発生材22を載置可能な形状であればよい。例えば、逆T字状や三角山状などとしてもよい。また、堰板21における車両出入口13側の端部については、その位置に更に起立部21Aを設けることで、音発生材22が車両出入口13外へ流出するのを堰き止めるようにするとよい。
次に、音発生材22について説明する。本実施形態において音発生材22は、第2エリアS2に敷き詰められた多数の小片22Aの集合体として構成されており、本実施形態においては、第2エリアS2に敷き詰められた多数の砂利よりなる。より具体的には、音発生材22は、多数の砂利が上下方向に積み重ねられた状態で所定の厚み(例えば数センチの厚み)を持たせて第2エリアS2に敷き詰められており、起立部21Aによって堰き止められた状態になっている。また、音発生材22は、その一部が底板部21Bの上に載置されている。つまり、音発生材22が重石として機能することで、車庫床面15の上で堰板21が動きにくくなっている。
次に、車庫12が備える駐車ガイド機能について、図3を用いて説明する。図3は、堰板21及び音発生材22の状態を示す図であり、(a)はタイヤTL,TRが第1エリアS1にある場合を示し、(b)及び(c)はタイヤTL,TRが第2エリアS2に進入した場合を示す。
本実施形態の車庫12は、音発生材22から発生される音を利用することにより、駐車スペースPAにおいて運転者が所望の位置に駐車できるよう車両VのタイヤTL,TRの進行方向を誘導する。つまり、タイヤTL,TRの全部がその進入を許容する第1エリアS1にある場合には、図3(a)に示すように、車両VのタイヤTR,TLによって音発生材22が踏まれていないため、車両Vの荷重が音発生材22に加わらない。そのため、砂利(音発生材22)を構成する小石(小片22A)はタイヤTL,TRに踏み潰されず、個々に移動することなくその位置に留まる。したがって、音発生材22からは音が発生されない。これにより、車両Vが所望の駐車位置に向かっていることを運転者が知ることができる。
一方、タイヤTL,TRの少なくとも1つが、堰板21の起立部21Aの上に乗り上げながらその進入を許容しない第2エリアS2に進入した場合、図3(b)に示すように、起立部21Aが第2エリアS2側に進入した状態に変形するとともに、車両VのタイヤTL,TRにより音発生材22(砂利)が踏み潰される。これにより、車両Vの荷重が砂利に加わり、その荷重により、砂利を構成する小石が個々に移動する。このとき、小石の移動に伴い小石同士が擦れ合い、その擦れ合う際に小石から音が発生する。この音があたかも警告音のごとく発せられ、これにより車両Vが車庫壁14に寄っており車庫壁14に衝突するおそれがあることが運転者に報知される。
また、タイヤTL,TRの少なくとも1つが、堰板21を乗り越えて第2エリアS2に進入した場合、図3(c)に示すように、第2エリアS2に敷き詰められた音発生材22(砂利)がタイヤTLに踏み潰されることで、車両Vの荷重により砂利を構成する小石が個々に移動する。この移動に伴い小石同士の擦れ合いが起こり、その擦れ合いの際に小石から音が発生する。このとき、音発生材22をタイヤTLが直接踏みつけている場合(図3(c)の場合)には、起立部21Aの上から踏みつけている場合(図3(b)の場合)に比べ、踏みつけている小石の数が多いため、音発生材22からより大きな音が発生する。この音により、車両Vが車庫壁14に近接しており、車庫壁14に衝突するおそれが高い危険な状態であることが運転者に報知される。また、音発生材22としての砂利の上にタイヤTL,TRが載ることで車両Vの乗り心地が変化するため、音発生材22からの音に加え、乗り心地の変化を利用することにより運転者に対して警告を行う。
次に、駐車ガイド部材20を車庫12に備え付ける際の手順について説明する。駐車ガイド部材20において上述した駐車ガイド機能が発揮されるようにするには、堰板21及び音発生材22を、駐車スペースPAに駐車される車両Vの幅(車両幅)に応じて設置するのが望ましい。具体的には、まず、堰板21を、駐車スペースPAにおいて車庫壁14から所望の離間距離Lだけ離れた位置に、車庫壁14に平行に延びるように配置する。このとき、車両幅よりもやや広い領域に第1エリアS1を形成するとともに、それ以外の領域(車庫壁14から離間距離Lの領域)に第2エリアS2を形成し、その第1エリアS1と第2エリアS2との境界部に堰板21を配置する。堰板21の配置の際には、車庫床面15に対して堰板21をボルト等で固定せず、車庫床面15に置いたままの状態にする。
続いて、起立部21Aと車庫壁14との間の領域に音発生材22としての砂利を敷き詰める。このとき、音発生材22を底板部21Bの上に載せた状態にする。これにより、堰板21が車庫床面15から動きにくくなる。
また、車両Vの買い替えや代車の使用などにより車両幅が今までと異なることとなった場合、堰板21を車庫12の幅方向又は奥行き方向に移動させることにより、車両幅に応じた適切な位置になるよう堰板21の配置を変更する。例えば、今までよりも車両幅が広い車両Vを駐車スペースPAに駐車させる場合、第1エリアS1の幅よりも車両幅の方が大きく、所望の駐車位置に止める際にも車両Vが堰板21や音発生材22に接触してしまうことが考えられる。この場合には、第1エリアS1を広くするために、堰板21を車庫壁14に近付ける方向に移動させ、その移動後の堰板21と車庫壁14との間に音発生材22を敷き詰める。
また逆に、今までよりも車両幅が狭い車両Vを駐車スペースPAに駐車させる場合、駐車可能なスペースが広過ぎ、車両Vを所望の位置(例えば駐車スペースPAの中央部)に止めにくいことが考えられる。また、駐車可能な領域(第1エリアS1)と車庫壁14との距離が大きいほど、車両Vが車庫壁14に接触したり衝突したりするのを回避可能と考えられる。そこで、車両幅がより狭い車両Vを駐車する場合には、第1エリアS1を狭くして第2エリアS2を広くするために、車庫壁14から離間させる方向に堰板21を移動させ、その移動後の堰板21と車庫壁14との間に音発生材22を敷き詰める。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果が得られる。
車庫床面15上に車庫壁14に平行に延びるようにして駐車ガイド部材20が設けられており、同駐車ガイド部材20において、堰板21の起立部21Aにより区切られた駐車スペースPAの各領域のうち、車両Vの進入を許容しない第2エリアS2に音発生材22が配設される構成としたため、車両VのタイヤTL,TRが第2エリアS2に進入した場合に、車両Vによる加重に伴い音が発生される。したがって、音発生材22からの音により、入出庫中の車両Vが所望の駐車位置からずれていることを運転者に知らしめることができる。
音発生材22からの音は、音発生材22を構成する小片22Aが個々に移動することに伴い発せられるため、音の発生源を簡易な構成にすることができる。また、駐車スペースPAに堰板21と音発生材22とを配設するといった簡単な構成により駐車位置を誘導する機能を発揮させることができる。これにより、駐車スペースPAに入出庫される車両Vの幅が変更された場合に、その車幅に合わせて堰板21及び音発生材22の位置を容易にかつ自在に変更することができる。
第2エリアの車庫床面15に設置され起立部21Aに連結される底板部21Bを堰板21に設け、その底板部21B上に音発生材22を載置することで堰板21を車庫床面15上の所望の位置に配置する構成としたため、音発生材22による底板部21Bへの荷重により堰板21を動きにくくすることができる。つまり、ネジやボルト等の固定具を用いることなく堰板21を車庫床面15の所望の位置に配置しておくことができる。また、駐車ガイド部材20のレイアウトを変更する際に、底板部21B上の音発生材22を退けるだけで堰板21を車庫床面15の所望の位置に移動させることができる。
起立部21Aの第1エリアS1側の表層を柔軟性材料で構成したため、車両VのタイヤTL,TRが起立部21Aに接触した場合に車両Vの衝撃が和らげられるとともに、タイヤTL,TRに傷が付きにくい。また、車両VのタイヤTL,TRが起立部21Aに乗り上げた場合に、車両Vの加重によって起立部21Aが破損してしまうのを防止することができる。
起立部21Aが外力に対する復元性を有する構成としたため、起立部21AにタイヤTL,TRが乗り上げた場合に、その起立部21Aの変形に伴い音発生材22の小片22Aが個々に移動し、その移動に伴い音発生材22から音が発生される。したがって、タイヤTL,TRが起立部21Aに乗り上げた時点、つまり車両VのタイヤTL,TRが第2エリアS2に進入し始めた時点で、その旨を運転者に報知することができる。また、タイヤTL,TRが起立部21Aに接触しなくなった場合に、その復元性により起立部21Aを元の位置に戻すことができる。
音発生材22を多数の砂利とし、第2エリアS2において砂利を上下方向に積み重ねて敷き詰める構成としたため、砂利がタイヤTL,TRに踏みつけられた場合に、砂利を構成する小石が個々に移動して互いに擦れ合い、その擦れ合いにより音を発生させることができる。また、砂利を積み重ねることで音の発生源が構築されるため、音の発生源を安価にかつ簡易に設けることができるし、砂利が敷設される位置やその範囲の変更を容易にかつ自在に行うことができる。さらに、車両VのタイヤTL,TRが第2エリアS2に進入した場合に、砂利に乗り上げることにより運転者の乗り心地が変化するため、第2エリアS2に進入したことを運転者に知らしめるのに好適である。
また、砂利同士の擦れ合いにより発せられる音を警告音として利用しているため、音発生材22の高さをさほど必要としない。したがって、駐車スペースPAにおいて駐車ガイド部材20が車両の乗り降りや歩行等の妨げになるのを抑制することができる。また、目立ちにくくなり外観上も好ましい。
車両VのタイヤTL,TRが起立部21Aに乗り上げて音が発生された場合と、タイヤTL,TRが砂利の上に直接乗って音が発生された場合とでは、タイヤTL,TRが踏みつけている小石の数が異なるため、前者と後者とで音の大きさを変えることができる。したがって、車両VのタイヤTL,TRが第2エリアS2のどこに進入しているかを運転者に知らしめることができる。
車庫12の床を舗装することにより車庫床面15が形成されているため、車両VのタイヤTL,TRが第2エリアS2に進入して音発生材22から音が発生された場合に、その音を運転者が覚知しやすい。
車庫12内に停車してある車両Vに不審者が近付いた場合に、不審者が音発生材22を踏みつけることにより音が発生されるため、その音により不審者を車庫12内から排除することができ、防犯上好適である。
(他の実施形態)
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施されてもよい。
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施されてもよい。
・堰板21の底板部21Bに起立部21Aを複数設け、同起立部21Aを互いに離間して配置するとともに、第2エリアS2において複数の起立部21Aにより区切られた各領域に、音発生の態様が各々異なる音発生材22を配設する構成とする。第2エリアS2の区画ごとに音の種類や大きさを変えておくことで、車両VのタイヤTL,TRが第2エリアS2のどこに進入しているかを運転者に知らしめることができる。また、音発生材22を小片22Aの集合体として構成しているため、小片22Aの材質や大きさを変えることにより、領域間での音の違いを容易に作り出すことができる。
具体的には、例えば複数の起立部21Aを、車両出入口13に面するように所定間隔をあけて配置し、その複数の起立部21Aにより車庫12の奥行き方向に第2エリアS2を複数の領域に区画する。その区画された第2エリアS2の各領域に、音発生の態様が各々異なる音発生材22を配設する。
あるいは、図4に示すように、底板部21Bに設けた複数(図4では2つ)の起立部21A,21Aを、それぞれ車庫壁14に平行に延びるように所定間隔をあけて配置し、その複数の起立部21A,21Aにより、第2エリアS2を、第1エリアS1から離れる方向に複数の領域S2A,S2Bに区画する。その区画された第2エリアS2の各領域S2A,S2Bに、音発生の態様が各々異なる音発生材22を配設する。このとき、例えば2つの領域S2A,S2Bにおいて、第1エリアS1側の領域S2Aに、発生音が比較的小さい音発生材22を配設し、車庫壁14側の領域S2Bに、発生音が比較的大きい音発生材22を配設する。このように、第1エリアS1から離れるほど発生音が大きい音発生材22を配設することで、その音の大きさにより運転者に対し危険度を知らせることができる。
なお、音発生材22の音の大小を異なるものにするには、第2エリアS2の各領域S2A,S2Bに配設される音発生材22の小片22Aの粒径や硬度などを各領域で異なるものにする。また、第2エリアS2の各領域S2A,S2Bで音発生の態様を各々異なるものとするには、音の大小以外に、音の高低や音質の違いなどによって行う構成としてもよい。音の高低や音質を異なるものにするには、例えば第2エリアS2の各領域S2A,S2Bに配設される音発生材22の材質を各領域で異なるものにする。具体的には、第2エリアS2の各領域S2A,S2Bのうち一方に砂利を配設し、他方に金属物を配設する。
また、複数の起立部21A,21Aにより第2エリアS2が3つ以上の領域に区切られている場合、第1エリアS1から離れる方向に音発生の態様が変更されるよう音発生材22がそれぞれ配設されているのが望ましい。このとき、第1エリアS1から離れるほど、運転者に対して危険な状態にあることを報知可能であるとよい。
・第2エリアS2において、車両Vの両サイドで音発生の態様が各々異なる音発生材22を配設する構成にする。車両Vの左側と右側とで音の種類や大きさを変えておくことにより、車両Vが左右のいずれの方向にずれているかを運転者に知らしめることができる。このとき、車両Vの左右両サイドに加え、駐車スペースPAの奥方において、音発生の態様が左右両サイドと異なる音発生材22が配設されてもよい。こうすることで、車庫12の奥行き方向における車両Vの進入位置を運転者に知らしめることができる。
・音発生材22を構成する小片22Aは、小片22A同士の擦れ合いにより音を発生するものであれば小石に限定しない。擦れ合いにより音を発生するには、適度な硬性を有しており、外力が付与されることで移動可能な重量であることが望ましい。具体的には、音発生材22を砂利に代えて、樹脂や金属などの小片の集合体として構成する。また、その形状を粒状に代えて、棒状や平面状などにする。
例えば図5に示すように、多角形(例えば五角形や六角形)の金属棒22aを小片22Aとし、この金属棒22aを第2エリアS2に上下に重なるように積んでおく。なお、金属棒22aの長手方向の向きは、車両Vの進行方向に対して同じ方向である以外に、同進行方向に直交する方向であってもよい。この構成によれば、車両Vが第2エリアS2に進入した場合に、金属棒22aの集合体としての音発生材22を車両VのタイヤTL,TRが踏みつけることにより、金属棒22aが個々に移動して金属棒22a同士が擦れ合い、その擦れ合いにより音が発生されるため、上記と同様の効果を得ることができる。特に、音発生材22を金属製とした場合、重量物である車両Vにより粉砕されるのを抑制することができ好適である。つまり、砂利の上に車両Vが載った場合、車両Vの重みにより砂利が粉砕され音発生材22による音発生能が低下したり、粉砕による塵埃等が生じたりすることが懸念されるところ、音発生材22を金属製とすることにより、車両Vによる粉砕が抑制されるため、音発生材22による音発生能を維持することができるとともに、粉塵等が生じるのを抑制することができる。
・駐車ガイド部材20を車両Vの両サイドに設ける構成としたが、これを変更し、車両Vの少なくともいずれかのタイヤTの両サイドにそれぞれ駐車ガイド部材20A,20Bを設ける構成とする。つまり、車両Vの左タイヤTL又は右タイヤTRの両サイドに駐車ガイド部材20A,20Bを配置する。あるいは、車両Vの左タイヤTL及び右タイヤTRの両サイドに駐車ガイド部材20A,20Bを配置する。このとき、車両Vの前方又は後方のタイヤにだけ配置してもよいし、前方及び後方のタイヤに配置してもよい。
具体的には図6に示すように、駐車ガイド部の一方20Aを、上記実施形態と同様に車庫壁14に隣接して配置するとともに、他方20Bを、車両Vの下方において、車庫壁14側の駐車ガイド部材20AとともにタイヤTを挟む位置に配置する。車両下方の駐車ガイド部材20Bについては、車庫壁14側の駐車ガイド部材20Aと同様の構成としてもよいが、図6に示すように、底板部21Bの両端に起立部21A,21Aを設け、その起立部21A,21A間に音発生材22を配設してもよい。こうすることで、音発生材22が駐車スペースPAに分散されるのを抑制することができる。
・タイヤTの両サイドに駐車ガイド部材20を設ける場合に、タイヤTの両サイドで音発生の態様が各々異なる音発生材22を配設する構成にする。タイヤTの左側と右側とで音の種類や大きさを変えておくことにより、車両Vが左右のいずれの方向にずれているかを運転者に知らしめることができる。
・車両下方に駐車ガイド部材20Bを設ける場合、左右のタイヤTL,TRの両サイドにそれぞれ駐車ガイド部材20A,20Bを設ける構成としてもよい。この場合、図7に示すように、駐車ガイド部材20Bについては、左右のタイヤTL,TRで一体に設ける構成としてもよい。具体的には、図7に示すように、底板部21Bの両端に起立部21Aを設け、その起立部21A,21A間に音発生材22を配設する。このとき、一方の起立部21Aが左タイヤTLの内側サイドに設けられ、他方の起立部21Aが右タイヤTRの内側サイドに設けられるようにする。
・堰板21において底板部21Bの両端に起立部21Aを設ける場合、底板部21Bの4辺に起立部21Aを形成することで中空の箱型にし、その起立部21Aで取り囲まれた空間に音発生材22を収容する構成としてもよい。この構成によれば、音発生材22が駐車スペースPAに散乱するのを抑制することができ好適である。堰板21を箱型に構成した場合、駐車ガイド部材20の設置箇所はいずれであってもよく、図6に示すように車両下方に配置してもよいし、車庫壁14に隣接して配置してもよい。
・駐車ガイド部材20を、起立部21Aにより四方が囲まれる形態とした場合、底板部21Bを設けない構成とする。また、起立部21Aにより三方を囲む形態や、隣接する二方に起立部21Aを設ける場合について、底板部21Bを設けない構成とする。
・駐車ガイド部材20を、車庫壁14の両側壁14a及び奥壁14bに平行にのびるようにして駐車スペースPAの三方に配設する構成としたが、これを変更し、両側方及び奥方のいずれかに配設する構成とする。また、駐車ガイド部材20を、駐車スペースPAにおいて奥行き方向又は幅方向の全体に亘って配設する構成としたが、これを変更し、奥行き方向又は幅方向の一部に配設する構成とする。例えば図8に示すように、駐車ガイド部材20を、車両出入口13付近の両サイドにのみ配置する。この構成によれば、車両Vの先頭部(入出庫時に先頭となる車両前部又は車両後部)が車庫12内に進入するまで車両Vの進行方向を誘導することができ、これにより車両Vが駐車スペースPAの所望の位置に駐車されるようにすることができる。また、駐車ガイド部材20を車両出入口13付近の両サイドにのみ配置することで、駐車スペースPAの三方に駐車ガイド部材20を設ける構成や、駐車スペースPAにおいて奥行き方向又は幅方向の全体に亘って駐車スペースPAを設ける構成に比べて、車両幅に応じて駐車ガイド部材20の幅を変更する際にその変更を容易に行うことができる。
・駐車ガイド部材20に浸入した水を排水するための排水機構を設ける構成とする。駐車ガイド部材20において第2エリアS2は、車庫壁14と起立部21Aとに囲まれているため、この第2エリアS2に水が溜まりやすいからである。排水機構として例えば、車両出入口13付近に排水口を設け、駐車ガイド部材20内の水が排水口に移動されるよう、車庫12の奥方から前方に向かって車庫床面15を傾斜させる。これにより、第2エリアS2に水が溜まらないようにすることができる。
・駐車ガイド部材20において、第2エリアS2に配設された音発生材22を被覆する蓋部材を設ける。こうすることで、音発生材22上に塵埃等が堆積するのを抑制することができる。この場合の蓋部材は、車両Vの重みで変形するとともに車両Vの重みが取り除かれた際に復元するようにする。具体的には、例えば蓋部材を、EPDMやウレタンなどの柔軟性材料で形成する。
・インナガレージである車庫12に駐車ガイド部材20を配置することについて説明したが、駐車ガイド部材20を配置する対象を、建物10とは別に構築された車庫としてもよい。あるいは、野天の駐車場やカーポートを備える駐車場、未舗装の駐車場、パーキングなど、車両を駐車するための駐車スペースを有する各種設備に駐車ガイド部材20を適用することができる。
10…建物、12…車庫、15…車庫床面(床部)、20…駐車ガイド部材、21…堰板(堰部材)、21A…起立部、21B…床板部、22…音発生材、22A…小片、22a…金属棒(小片)、S1…第1エリア、S2…第2エリア、PA…駐車スペース、T,TL,TR…タイヤ。
Claims (8)
- 車両を駐車する駐車スペースの床部に駐車ガイド部材を備え、
前記駐車ガイド部材は、前記床部から起立して設けられる起立部を有する堰部材と、前記駐車スペースにおいて前記起立部により区切られた各領域のうち前記車両の進入を許容しない側に設けられ、加重に伴い音を発生する音発生材とを有することを特徴とする駐車設備。 - 前記堰部材は、前記起立部が前記駐車スペースの床部において前記車両のタイヤの進入を許容する第1エリアと同進入を許容しない第2エリアとの境界部に沿って延びるようにして設けられ、
前記音発生材は、前記第1エリア及び前記第2エリアのうち前記第2エリア側に配設されている請求項1に記載の駐車設備。 - 前記堰部材は、前記第2エリアにおける前記床部に設置され前記起立部に連結されてなる底板部を有し、
前記音発生材は、少なくとも一部が前記底板部上に載置された状態で配設されている請求項2に記載の駐車設備。 - 前記駐車ガイド部材は、前記起立部を、互いに離間する位置に複数備え、
前記第2エリアにおいて前記複数の起立部により区切られた各領域に、音発生の態様が各々異なる音発生材が配設されている請求項2又は3に記載の駐車設備。 - 前記第2エリアにおいて前記第1エリアから離れる方向に音発生の態様が変更されるよう前記音発生材がそれぞれ配設されている請求項4に記載の駐車設備。
- 前記堰部材は、前記車両の両サイド、又は前記車両における少なくともいずれかのタイヤの両サイドに設けられ、該両サイドで前記音発生材の音発生の態様が異なる請求項1乃至5のいずれか一項に記載の駐車設備。
- 前記音発生材は、多数の小片を上下方向に積み重ねて構成される小片集合体であり、その小片同士の擦れ合いにより音を発生する請求項1乃至6のいずれか一項に記載の駐車設備。
- 前記起立部は、前記タイヤの進入を許容する側の表層が柔軟性材料で形成されている請求項1乃至7のいずれか一項に記載の駐車設備。
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- 2009-01-20 JP JP2009010006A patent/JP2010168742A/ja active Pending
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