JP2010164161A - 差動装置のデフロック機構 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来のデフロック機構では、デフロック・アンロックの切り替えが完了するまでオペレータが切替操作を何度も繰り返すために作業負荷が増加し、ソレノイド等を用いる場合でも持続的通電が必要なために部品コスト等が増加する、という問題があった。
【解決手段】デフロックシフトフォーク58とデフロック軸59の間に、該デフロック軸59への操作力を、デフロックシフトフォーク58をデフロック・アンロック方向に移動する押動力として蓄力するバネ76・77を介設し、ロックピン57を付勢状態で待ち受けさせると共に、デフロック軸59には、デフロック時の該デフロック軸59への操作力を、アンロック時に該デフロック軸59をアンロック方向に移動する押動力として蓄力する復帰用バネ78を配設し、アンロック時のデフロック軸59への操作力を不要にし、更に復帰用バネ78の弾性力は前記バネ76・77よりも大きくする。
【選択図】図3

Description

本発明は、差動装置を介して差動的に連結された一対の車軸のうちの一方に対して差動装置のリングギアを係脱可能な係合部材を設けるデフロックスライダと、該デフロックスライダを軸方向に摺動させて前記係合部材をデフロック位置とアンロック位置の間で切り替えるスライダ操作具と、該スライダ操作具の基部を連結支持して軸方向に移動するデフロック軸とを有する、差動装置のデフロック機構に関し、特に、簡単な構成により、部品の変形や破損を招くことなくデフロック状態とアンロック状態を切り替え可能な、差動装置のデフロック機構に関する。
従来より、運搬車等の走行車両には、旋回や曲進を容易にするために、左右の駆動輪に常に等しいトルクを加えながら異なった回転速度を付与する差動装置が備えられているが、直進時においても、地表条件や作業状況によっては、左右の駆動輪への抵抗が異なって直進しにくくなったり、あるいは、一方の駆動輪が溝に落ちる等して無負荷状態になると、その駆動輪は抵抗となるトルクが小さくなって空転し、地面に接地している他方の駆動輪が回転できずに脱出が困難となる場合がある。そこで、差動装置を作動させないように固定し、左右の車軸に同一回転速度を付与するようにしたデフロック機構が設けられ、特に、該デフロック機構は、ユーティリティ・ビークルやオフロード・ビークル等の各種走行車両に多用されている。
そして、該デフロック機構においては、デフケースのボス部に被嵌したデフロックスライダに、係合部材であるデフロックピンを設けてデフケースを貫通させ、該デフロックピンの先端を、デフロックスライダの摺動操作によって、車軸に固設されたデフケース内のデフサイドギアのピン孔に係合させることによりデフロックを行う技術が公知となっている(例えば、特許文献1参照)。
該技術においては、前記デフロックスライダを摺動操作するデフロックシフトフォークと、該デフロックシフトフォークの基部を連結支持して軸方向に移動させるデフロック軸との間にバネを介設し、該バネに前記デフロック軸への操作力を押動力として蓄力することにより、前記デフロックシフトフォークを介してデフロックピンをデフロック位置に向かって常に付勢した状態で待ち受けさせるようにしている。これにより、デフロックが完了するまでオペレータが切替操作を何度も繰り返さなくても、デフロックピンがピン孔に自動的に係合されるようにすることができると共に、バネを介することにより、過剰な負荷がデフロック軸からデフロックシフトフォークに直接には作用しないようにしている。
特開昭52−66235号公報
しかしながら、前記技術においては、前記デフロック軸の両端にデフロック・アンロック用のソレノイドのアームロッドを連結し、各ソレノイドの励磁と消磁をデフロックスイッチで切り替えることにより、アームロッドを介してデフロック軸を軸方向の前後に移動可能な軸移動構成であるため、ソレノイド、該ソレノイドを動作させる電力供給のためのバッテリ、該バッテリと前記ソレノイドやデフロックスイッチとの間を接続する電気回路等の高価な部品が必要となる。加えて、デフロック・アンロックの切り替えが完了するまでの間、前記ソレノイドによる切替操作を持続させるための持続的通電が必要となり、バッテリの大容量化や電気回路の複雑化が避けられず、デフロック機構の部品コストやメンテナンスコストが増加する、という問題があった。
更に、前記デフロック軸への操作力は、デフロックピンがデフロック位置に向かって移動する方向(以下、「デフロック方向」とする。)に前記デフロックシフトフォークを移動させる押動力として前記バネに蓄力され、デフロック時には、該バネを介して、デフロックピンがデフロック方向に付勢された状態で保持されているが、これに対し、デフロックピンがアンロック位置に向かって移動する方向(以下、「アンロック方向」とする。)には、デフロック軸への操作力が押動力として蓄力されないため、アンロック時には、バネを介することなく、過剰な負荷がデフロック軸からデフロックシフトフォークに直接作用する、という問題があった。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
すなわち、請求項1においては、差動装置を介して差動的に連結された一対の車軸のうちの一方に対して前記差動装置のリングギアを係脱可能な係合部材を設けるデフロックスライダと、該デフロックスライダを軸方向に摺動させて前記係合部材をデフロック位置とアンロック位置の間で切り替えるスライダ操作具と、該スライダ操作具の基部を連結支持して軸方向に移動するデフロック軸とを有する、差動装置のデフロック機構において、前記スライダ操作具とデフロック軸との間には、該デフロック軸への操作力を、前記スライダ操作具をデフロック方向またはアンロック方向に移動させる押動力として蓄力する待受け用弾性体を介設し、該待受け用弾性体により前記係合部材を付勢状態で待ち受けさせると共に、前記デフロック軸には、デフロック時の該デフロック軸への操作力を、アンロック時に該デフロック軸をアンロック方向に移動させる押動力として蓄力する復帰用弾性体を配設し、該復帰用弾性体によりアンロック時のデフロック軸への操作力を不要にし、更に、該復帰用弾性体の弾性力は前記待受け用弾性体の弾性力よりも大きく設定するものである。
請求項2においては、前記デフロック軸には、該デフロック軸を軸方向に摺動操作するデフロック操作具を連動連結し、該デフロック操作具には、デフロック位置とアンロック位置に保持可能な位置決め構造を設けるものである。
請求項3においては、前記待受け用弾性体は、第一弾性部材と第二弾性部材から構成すると共に、前記基部のうちデフロック軸に摺動可能に外嵌している軸受け部を挟んで軸方向で前後に前記第一弾性部材と第二弾性部材を配置し、該第一弾性部材と第二弾性部材の軸方向前後への移動を規制する一対の外周ストッパを前記デフロック軸の外周に設けるものである。
請求項4においては、前記待受け用弾性体は、単一の弾性部材から構成すると共に、前記デフロック軸には、前記スライダ操作具の基部を軸方向移動可能に遊嵌し、該基部の内周と前記デフロック軸の外周には、それぞれ、前記弾性部材の軸方向前後への移動を規制する一対の内周ストッパと一対の外周ストッパを設け、該内周ストッパと外周ストッパは、軸方向移動時に互いに干渉しない離間位置に形成するものである。
本発明は、以上のように構成したので、以下に示す効果を奏する。
すなわち、請求項1においては、差動装置を介して差動的に連結された一対の車軸のうちの一方に対して前記差動装置のリングギアを係脱可能な係合部材を設けるデフロックスライダと、該デフロックスライダを軸方向に摺動させて前記係合部材をデフロック位置とアンロック位置の間で切り替えるスライダ操作具と、該スライダ操作具の基部を連結支持して軸方向に移動するデフロック軸とを有する、差動装置のデフロック機構において、前記スライダ操作具とデフロック軸との間には、該デフロック軸への操作力を、前記スライダ操作具をデフロック方向またはアンロック方向に移動させる押動力として蓄力する待受け用弾性体を介設し、該待受け用弾性体により前記係合部材を付勢状態で待ち受けさせると共に、前記デフロック軸には、デフロック時の該デフロック軸への操作力を、アンロック時に該デフロック軸をアンロック方向に移動させる押動力として蓄力する復帰用弾性体を配設し、該復帰用弾性体によりアンロック時のデフロック軸への操作力を不要にし、更に、該復帰用弾性体の弾性力は前記待受け用弾性体の弾性力よりも大きく設定するので、前記デフロック軸を軸方向の前後一方に摺動操作してスライダ操作具をデフロック方向に移動すると、その後のスライダ操作具のアンロック方向への移動は、前記復帰用弾性体に蓄力された操作力によって自動的に行うことができ、前記デフロック軸の一端と機械的にリンクされたデフロック操作具を手動で一方向に押動操作するだけでデフロック軸を軸方向の前後に移動可能な簡単な軸移動構成を用いることができ、デフロック・アンロックの切り替えが完了するまでオペレータが切替操作を何度も繰り返す必要がなく、オペレータの作業負荷が大きく軽減できることに加え、ソレノイド等のアクチュエータが不要となり、該アクチュエータの動作に必要なバッテリや電気回路等のような高価な部品を省くことができる。特に、デフロック・アンロックの切り替えが完了するまでの持続的通電が不要となり、バッテリの大容量化や電気回路の複雑化を回避することができ、デフロック機構の部品コストやメンテナンスコストの著しい低減を図ることができる。更に、前記待受け用弾性体には、スライダ操作具をアンロック方向に移動させる押動力も蓄力されるため、アンロック時にも、該待受け用弾性体を介して、係合部材をアンロック方向に付勢された状態で保持することができ、過剰な負荷がデフロック軸からスライダ操作具に直接作用することがなく、該スライダ操作具の変形や破損を防止することができ、デフロック機構のメンテナンスに必要な時間の短縮やコストの低減を図ることができる。しかも、前記復帰用弾性体の弾性力は、待受け用弾性体の弾性力よりも大きく設定するため、スライダ操作具のアンロック方向への移動が待受け用弾性体の弾性力によって阻害されるのを、確実に防止することができ、走行車両を差動駆動による走行状態に迅速に復帰させて走行安定性の低下を防止することができる。
請求項2においては、前記デフロック軸には、該デフロック軸を軸方向に摺動操作するデフロック操作具を連動連結し、該デフロック操作具には、デフロック位置とアンロック位置に保持可能な位置決め構造を設けるので、デフロック操作具をデフロック位置やアンロック位置に保持するための操作力が不要となり、デフロック・アンロック間の切替操作性が向上する。
請求項3においては、前記待受け用弾性体は、第一弾性部材と第二弾性部材から構成すると共に、前記基部のうちデフロック軸に摺動可能に外嵌している軸受け部を挟んで軸方向で前後に前記第一弾性部材と第二弾性部材を配置し、該第一弾性部材と第二弾性部材の軸方向前後への移動を規制する一対の外周ストッパを前記デフロック軸の外周に設けるので、一対の弾性部材をデフロック軸の外周に直列となるように巻回するだけの簡単な構成により、前記待受け用弾性体を形成することができ、部品点数の減少による部品コストの低減やメンテナンス性の向上を図ることができる。
請求項4においては、前記待受け用弾性体は、単一の弾性部材から構成すると共に、前記デフロック軸には、前記スライダ操作具の基部を軸方向移動可能に遊嵌し、該基部の内周と前記デフロック軸の外周には、それぞれ、前記弾性部材の軸方向前後への移動を規制する一対の内周ストッパと一対の外周ストッパを設け、該内周ストッパと外周ストッパは、軸方向移動時に互いに干渉しない離間位置に形成するので、部品点数を減少させることができ、部品コストの低減やメンテナンス性の向上を図ることができる。
本発明に係わるデフロック機構を搭載した走行車両の動力伝達構成を示す平面図である。 後車軸駆動装置の平面一部断面図である。 デフロック操作によるデフロック軸の牽引操作直後の状態を示す、差動装置周辺の平面一部断面図である。 デフロック軸の牽引操作から所定時間経過後の状態を示す、差動装置周辺の平面一部断面図である。 アンロック操作による牽引力消滅に伴うデフロック軸の押動直後の状態を示す、差動装置周辺の平面一部断面図である。 デフロック軸の押動から所定時間経過後の状態を示す、差動装置周辺の平面一部断面図である。 別形態のデフロック機構におけるデフロック軸の牽引操作直後の状態を示す、差動装置周辺の平面一部断面図である。 別形態のデフロック機構におけるデフロック軸の牽引操作から所定時間経過後の状態を示す、差動装置周辺の平面一部断面図である。 別形態のデフロック機構におけるデフロック軸の押動直後の状態を示す、差動装置周辺の平面一部断面図である。 別形態のデフロック機構におけるデフロック軸の押動から所定時間経過後の状態を示す、差動装置周辺の平面一部断面図である。 リングギアをデフヨーク軸に直接結合する場合の、差動装置周辺の平面一部断面図である。
次に、発明の実施の形態を説明する。
なお、以下の説明において、走行車両1の進行方向(図1に示す矢印85の方向)を前方、その反対側を後方とし、進行方向に向かって右側を右方(図1に示す矢印86の方向)、その反対側を左方とする。
まず、本発明に係わるデフロック機構3を搭載した走行車両1の全体構成について、図1、図2により説明する。
該走行車両1において、機体前部には、左右一対の前輪4・4を連結した前車軸6・6を駆動する前車軸駆動装置8が配置され、機体後部には、左右一対の後輪5・5を連結した後車軸7・7を駆動する後車軸駆動装置9が配置され、該後車軸駆動装置9と前記前車軸駆動装置8との間には、ミッションケース11とエンジン10が前後に連設されている。
該エンジン10からのエンジン動力は、ミッションケース11において変速された後に前後に分配され、そのうちの前方への変速動力は、前車軸駆動装置8に伝達されて前輪4・4を駆動し、後方への変速動力は、後車軸駆動装置9内の本発明に係わるデフロック機構3を備えた差動装置2に伝達された後、後輪5・5を差動駆動する。
このうちのミッションケース11は、前後方向に配置された第一ケース11aと第二ケース11bから成り、後方の第一ケース11a内には、前記エンジン10の前端に連設されるベルト式自動無段変速装置12が収容される。そして、前方の第二ケース11b内には、該ベルト式自動無段変速装置12からの変速動力の回転方向を前進方向と後進方向に切り替えるギア式の前後進切替装置13と、該前後進切替装置13からの出力部に連動連係するファイナルギア14と、該ファイナルギア14を固設した分配出力軸21を制動する湿式多板式の走行ブレーキ装置15が収容されている。
前記前後進切替装置13においては、前進回転または後進回転の変速動力を選択的に前記出力部に対して付与したり、中立状態に設定することができる。
この前進回転または後進回転の変速動力は、前記ファイナルギア14に伝達され、更に、該ファイナルギア14を固設した前記分配出力軸21に伝達される。そして、運転席近傍等に配置した図示せぬブレーキペダルを操作すると、該ブレーキペダルにリンク機構を介して連係された前記走行ブレーキ装置15が作動し、分配出力軸21が制動される。
該分配出力軸21は、前記第二ケース11bから前方に突出され、その突出端は、ユニバーサルジョイント24、伝動軸22、及びユニバーサルジョイント25を介して、前記前車軸駆動装置8の前入力軸26に連結されている。一方、前記分配出力軸21は、前記第二ケース11bから後方にも突出され、その突出端は、ユニバーサルジョイント27、伝動軸23、及びユニバーサルジョイント28を介して、前記後車軸駆動装置9の後入力軸29に連結されている。
また、前記前車軸駆動装置8においては、前記前入力軸26の前端にベベルピニオン30が形成され、該ベベルピニオン30に噛合するリングギア31の回転中心部に配したクラッチハウジング32内に、左右の出力軸33・33が嵌入され、該出力軸33・33は、後輪5・5がスリップした時に前輪4・4を駆動するように作動する双方向クラッチを介して連結されている。そして、該出力軸33・33は、それぞれ、機体前部の図示せぬ車体フレームに操舵可能に配した各前輪4・4の中心軸である前輪軸37・37に対し、ユニバーサルジョイント34、中間軸35、操舵用ジョイント36を介して駆動連結されている。
前記後車軸駆動装置9においては、前記後入力軸29の後端にベベルピニオン38が形成され、該ベベルピニオン38に、差動装置2、等速ジョイント42、中間軸43、及びユニバーサルジョイント44を介して、機体後部の図示せぬ車体フレームに配した各後輪5・5の中心軸である後輪軸45・45が駆動連結されている。
このようにして、前記ミッションケース11からの変速動力が、前車軸駆動装置8の前輪軸37・37と、後車軸駆動装置9の後輪軸45・45に伝達される。
次に、前記後車軸駆動装置9について、図1、図2により説明する。
該後車軸駆動装置9において、そのハウジング50は左右のハウジング半部を接合して構成され、該ハウジング50の内部に、前記後車軸7・7のうちのデフヨーク軸41・41や、該デフヨーク軸41・41を差動的に結合するための前記差動装置2が配置されている。
該差動装置2は、前記デフヨーク軸41・41と同一回転軸心を有するように前記ハウジング50内に支持されたデフケース40と、該デフケース40にボルト46によって締結固設されたリングギア39と、前記デフケース40内においてデフヨーク軸41・41と直交配置されデフケース40と一体的に回転するピニオン軸47と、該ピニオン軸47の両端に回転自在に配置されるピニオン48・48と、前記デフヨーク軸41・41の軸本体41aの内端側に固定され前記ピニオン48・48に噛合されるデフサイドギア49・49とから構成されている。
このリングギア39に前記ベベルピニオン38が噛合されており、前記後入力軸29から入力された回転を、差動回転可能にデフヨーク軸41・41に伝達するようにし、その上で、このような差動装置2には、前記差動回転をロックするための、本発明に係わるデフロック機構3が設けられている。
また、前記デフヨーク軸41・41においては、前記軸本体41aの外端部に、内部にジョイント空間51を有するジョイントハウス41bが形成され、通例の如き等速ジョイント42を構成している。なお、該等速ジョイント42の関節部54に、グリースなどの潤滑用の油脂類を充填することにより、等速ジョイント42の動きを円滑化させると共に、この油脂類が車軸の回転による遠心力で飛散しないように、また、外気との接触によって油脂類の劣化や変質が生じないように、前記関節部54の周辺空間は、蛇腹構造のジョイントカバー55で密閉するようにしている。
次に、前記デフロック機構3について、図2、図3、図11により説明する。
該デフロック機構3においては、前記デフケース40でリングギア39の固定位置と左右反対側に形成されたボス部40aにデフロックスライダ56が軸方向摺動可能に外嵌され、該デフロックスライダ56にはロックピン57が固設されており、該ロックピン57の先端は前記デフケース40内に突入されている。
そして、該ロックピン57の先端を係止可能とすべく、左右一側の前記デフサイドギア49の背面には係合凹部49aが形成されている。前記デフロックスライダ56の摺動動作によって、ロックピン57が係合凹部49aに係止されてデフケース40とデフヨーク軸41が一体的に連結されると、差動装置2がロックされて左右のデフヨーク軸41・41が同一回転数で駆動される。
ここで、図11に示すデフロック機構3Bのように、前記デフケース40にかえて、ボス部140aの外端面に固定デフロック爪140bを形成したデフケース140を設ける一方、前記デフロックスライダ56にかえて、前記固定デフロック爪140bと対向する面に可動デフロック爪156aを形成したデフロックスライダ156を設け、該デフロックスライダ156を、左右のデフヨーク軸141・141の一方の外周上に相対回転不能でかつ軸方向摺動自在に設置することにより、直接に、リングギア39を一方のデフヨーク軸141に結合する構造としてもよい。
デフロック機構3の前記デフロックスライダ56に対しては、デフロックシフトフォーク58のフォーク状の先部が係合され、該デフロックシフトフォーク58のボス部である基部58aは、デフロック軸59に摺動可能に外嵌されている。そして、該デフロック軸59の左端は、前記ハウジング50内部に形成された支持凹部50aに嵌入して支持される一方、デフロック軸59の右端は、ハウジング50を貫通して突出され、その突出部に形成された小径部59aに、デフロック操作機構63が連動連結されている。
該デフロック操作機構63においては、前記ハウジング50等に固定された回転軸61を中心に、側面視略L字状のベルクランク60が揺動自在に取り付けられ、該ベルクランク60でハウジング50側の端部60aが、前記デフロック軸59の小径部59aに係合されている。そして、該端部60aと反対側の端部60bには、ワイヤーケーブル62の一端が連結され、該ワイヤーケーブル62の他端は、運転席周囲等に設置されたデフロックレバー68に連動連係されている。
該デフロックレバー68は、図示せぬ車体フレームに回転軸69を中心に揺動自在に取り付けられると共に、該デフロックレバー68の傾倒方向前後には、ストッパ72・73が配置され、デフロックレバー68を傾倒してストッパ72またはストッパ73に当接した位置を、それぞれ、アンロック位置64またはデフロック位置65として設定するようにしている。そして、該デフロックレバー68の把持部68aと反対側の端部68bに、前記ワイヤーケーブル62の他端が連結されている。
更に、デフロックレバー68には、該デフロックレバー68がストッパ72またはストッパ73に向かって付勢されて前記アンロック位置64またはデフロック位置65のいずれかに確実に押圧保持されるように、位置決め構造75が備えられている。該位置決め構造75の実施例として、ここでは、デフロックレバー68と図示せぬ車体フレームとの間に、支点越えバネ70が張設されている。なお、このような位置決め構造としては、バネ以外にボール等を溝に付勢嵌合させる構造であってもよい。
また、前記デフロック軸59においては、その左端近傍に止め輪79が外嵌固定され、該止め輪79の右側面に当接するようにして左方移動が規制されたバネ受け筒81が嵌着され、該バネ受け筒81は、前記基部58a内に形成されたバネ室58b内に、軸方向摺動可能に左方から嵌入されている。そして、該バネ室58b内のデフロック軸59上には第一バネ76が巻回され、該第一バネ76は、前記バネ室58bの左方を閉塞するバネ受け筒81と、デフロック軸59に摺動可能に外嵌支持されてバネ室58bの右壁を形成する軸受け部58cとの間に介装されている。
一方、該軸受け部58cと、前記ハウジング50においてデフロック軸59の右端近傍を摺動可能に支持する支持壁部50bとの間のデフロック軸59上には、バネ受けピン80が半径方向に突設されている。そして、該バネ受けピン80と、前記軸受け部58cの右側面との間のデフロック軸59上には、第二バネ77が巻回され、更に、該バネ受けピン80と前記支持壁部50bとの間のデフロック軸59上には、復帰用バネ78が巻回されている。これら第一バネ76、第二バネ77、及び復帰用バネ78のいずれも、両端は固設されることなく、デフロック軸59上を軸方向に摺動可能に巻回されると共に、初期状態のアンロック時には、互いに圧縮された平衡状態で巻回されている。
なお、本実施例では、このデフロック機構3以外に、前記差動装置2に対して一定の差動制限を与える差動制限構造を有している。すなわち、前記デフサイドギア49の外側面とデフケース40のボス部40aの内側面との間に、該ボス部40aに係止ピン95によって固定された摩擦板96が介設されると共に、デフサイドギア49の内側面と前記ピニオン軸47の外側面との間に、該ピニオン軸47の外側面に環設固定された皿バネ97が圧縮状態で挟持されており、該皿バネ97によって、デフサイドギア49がデフケース40のボス部40aに向かって常に一定力で押圧されている。これにより、前記差動装置2に対して一定の差動制限トルクを発生させるようにして、所定の直進走行性が確保できるようにしている。
次に、以上のような構成から成るデフロック機構3における、そのデフロック状態とアンロック状態との間の切替プロセスについて、図3乃至図6により説明する。
図3に示すように、前記デフロックレバー68をアンロック位置64からデフロック位置65までデフロック操作すると、前記支点越えバネ70が支点越えをしてデフロック位置65に保持される。これに伴い、デフロックレバー68の端部68bが、回転軸69を中心にして矢印67の方向に回動され、前記ワイヤーケーブル62が矢印82の方向に牽引される。
そして、前記ベルクランク60は、回転軸61を中心にして矢印83の方向に回動され、ベルクランク60の端部60aに係合する前記デフロック軸59の小径部59aが、右方、すなわちデフロック方向に向かって牽引操作される。すると、デフロック軸59は、その右端が位置87から位置88に向かって右方に移動して位置88に保持される。
このデフロック軸59の牽引操作直後には、デフロック軸59と一緒に右方に移動する前記バネ受けピン80により、前記復帰用バネ78は、バネ受けピン80と前記ハウジング50の支持壁部50bとの間で圧縮され、後でアンロックする際にデフロック軸59を左方、すなわちアンロック方向に移動させるための押動力が蓄力される。
この際、ロックピン57の先端は、前記デフサイドギア49の係合凹部49aより外れた位置にある時に、摩擦板96の厚み分だけ僅かに右方へ移動するだけであり、このため、デフロックシフトフォーク58の軸受け部58cは、移動が規制されて略静止状態となっている。従って、前記第一バネ76も、デフロック軸59と一緒に右方に押動される前記バネ受け筒81により、該バネ受け筒81と基部58aの軸受け部58cとの間で圧縮され、デフロックシフトフォーク58をデフロック方向に移動させるための押動力が蓄力される。すなわち、前記ロックピン57の先端が付勢状態で待ち受けることとなる。
図4に示すように、前記デフサイドギア49は回転し続けているので、時間が経過すれば前記係合凹部49aはロックピン57の先端に対して向かい合う位置となる。すると、前記復帰用バネ78については、バネ受けピン80の位置が変わらないために圧縮されたままであるが、前記第一バネ76は、第二バネ77の弾性力に抗して瞬時にデフロック方向に伸長する。
それに伴い、前記ロックピン57の先端は、アンロック位置89からデフロック位置90に移動して係合凹部49aに係止し、デフケース40、すなわちリングギア39とデフヨーク軸41が一体的に連結され、差動装置2がデフロックされる。この際、前記両バネ76・77の長さは、図3の状態にほぼ復帰する。
図5に示すように、前記デフロックレバー68をデフロック位置65からアンロック位置64までアンロック操作すると、前記支点越えバネ70が支点越えをしてアンロック位置64に保持される。これに伴い、デフロックレバー68の端部68bが、回転軸69を中心にして矢印92の方向に回動され、前記ワイヤーケーブル62が矢印93の方向に押進されて、該ワイヤーケーブル62に作用していた牽引力が消滅する。
そして、前記ベルクランク60を介してデフロック軸59に作用していたデフロック方向への牽引力も消滅し、しかも、前記復帰用バネ78の弾性力は前記第一バネ76・第二バネ77の弾性力よりも大きく設定されているため、圧縮されて押動力が蓄力されていた前記復帰用バネ78により、デフロック軸59は図3の原位置である位置87に戻される。
この際、ロックピン57の先端が前記デフサイドギア49の係合凹部49aの噛み合い個所でトルクを閉じ込んでいると、たとえデフロック軸59が前述のようにして位置87に戻っても、デフロックシフトフォーク58の軸受け部58cは、移動が規制されて略静止状態となっている。従って、前記第二バネ77は、デフロック軸59と一緒に左方に移動する前記バネ受けピン80により、基部58aの軸受け部58cとバネ受けピン80との間で圧縮され、デフロックシフトフォーク58をアンロック方向に移動させるための押動力が蓄力される。なお、同時に、前記バネ受け筒81は、デフロック軸59と一緒に左方に移動して軸受け部58cから離間するため、前記バネ受け筒81と基部58aの軸受け部58cとの間に圧縮されていた前記第一バネ76は開放状態となっている。
図6に示すように、時間が経過して、前記ロックピン57と係合凹部49aのトルクの閉じ込みが解消すると、前記第二バネ77の弾性力は、開放状態にある前記第一バネ76とデフロックシフトフォーク58の軸受け部58cとを、両バネ76・77の弾性力が釣り合う平衡位置まで移動させる。
それに伴い、該デフロックシフトフォーク58に係合されたデフロックスライダ56のロックピン57も、前記第二バネ77の弾性力によってデフロック位置90からアンロック位置89に移動して係合凹部49aから抜脱され、デフケース40とデフヨーク軸41の連結が切れて、差動装置2がアンロックされる。
すなわち、差動装置2を介して差動的に連結された一対の車軸である後車軸7・7のうちの一方に対して前記差動装置2のリングギア39を係脱可能な係合部材であるロックピン57を設けるデフロックスライダ56と、該デフロックスライダ56を軸方向に摺動させて前記ロックピン57をデフロック位置90とアンロック位置89の間で切り替えるスライダ操作具であるデフロックシフトフォーク58と、該デフロックシフトフォーク58の基部58aを連結支持して軸方向に移動するデフロック軸59とを有する、差動装置2のデフロック機構3において、前記デフロックシフトフォーク58とデフロック軸59との間には、該デフロック軸59への操作力を、前記デフロックシフトフォーク58をデフロック方向またはアンロック方向に移動させる押動力として蓄力する待受け用弾性体である第一バネ76・第二バネ77を介設し、該第一バネ76・第二バネ77により前記ロックピン57を付勢状態で待ち受けさせると共に、前記デフロック軸59には、デフロック時の該デフロック軸59への操作力を、アンロック時に該デフロック軸59をアンロック方向に移動させる押動力として蓄力する復帰用弾性体である復帰用バネ78を配設し、該復帰用バネ78によりアンロック時のデフロック軸59への操作力を不要にし、更に、該復帰用バネ78の弾性力は前記第一バネ76・第二バネ77の弾性力よりも大きく設定するので、前記デフロック軸59を軸方向の前後一方に摺動操作してデフロックシフトフォーク58をデフロック方向に移動すると、その後のデフロックシフトフォーク58のアンロック方向への移動は、前記復帰用バネ78に蓄力された操作力によって自動的に行うことができ、前記デフロック軸59の一端と機械的にリンクされたデフロック操作具であるデフロックレバー68を手動で一方向に押動操作するだけでデフロック軸59を軸方向の前後に移動可能な簡単な軸移動構成であるデフロック操作機構63を用いることができ、デフロック・アンロックの切り替えが完了するまでオペレータが切替操作を何度も繰り返す必要がなく、オペレータの作業負荷が大きく軽減できることに加え、ソレノイド等のアクチュエータが不要となり、該アクチュエータの動作に必要なバッテリや電気回路等のような高価な部品を省くことができる。特に、デフロック・アンロックの切り替えが完了するまでの持続的通電が不要となり、バッテリの大容量化や電気回路の複雑化を回避することができ、デフロック機構3の部品コストやメンテナンスコストの著しい低減を図ることができる。更に、前記第一バネ76・第二バネ77には、デフロックシフトフォーク58をアンロック方向に移動させる押動力も蓄力されるため、アンロック時にも、該第一バネ76・第二バネ77を介して、ロックピン57をアンロック方向に付勢された状態で保持することができ、過剰な負荷がデフロック軸59からデフロックシフトフォーク58に直接作用することがなく、該デフロックシフトフォーク58の変形や破損を防止することができ、デフロック機構3のメンテナンスに必要な時間の短縮やコストの低減を図ることができる。しかも、復帰用バネ78の弾性力は、第一バネ76・第二バネ77の弾性力よりも大きく設定するため、デフロックシフトフォーク58のアンロック方向への移動が第一バネ76・第二バネ77の弾性力によって阻害されるのを、確実に防止することができ、走行車両1を差動駆動による走行状態に迅速に復帰させて走行安定性の低下を防止することができる。
更に、前記デフロック軸59には、該デフロック軸59を軸方向に摺動操作するデフロック操作具であるデフロックレバー68を連動連結し、該デフロックレバー68には、デフロック位置65とアンロック位置64に保持可能な位置決め構造75を設けるので、デフロックレバー68をデフロック位置65とアンロック位置64に保持するための操作力が不要となり、デフロック・アンロック間の切替操作性が向上する。
加えて、前記待受け用弾性体は、第一弾性部材である第一バネ76と第二弾性部材である第二バネ77から構成すると共に、前記基部58aのうちデフロック軸59に摺動可能に外嵌している軸受け部58cを挟んで軸方向で前後に前記第一バネ76と第二バネ77を配置し、該第一バネ76と第二バネ77の軸方向前後への移動を規制する一対の外周ストッパであるバネ受け筒81とバネ受けピン80を前記デフロック軸59の外周に設けるので、一対の弾性部材をデフロック軸59の外周に直列となるように巻回するだけの簡単な構成により、前記待受け用弾性体を形成することができ、部品点数の減少による部品コストの低減やメンテナンス性の向上を図ることができる。
次に、別形態のデフロック機構3Aについて、図7乃至図10により説明する。
該デフロック機構3Aは、前記デフロック機構3では複数のバネ76・77から成る待受け用弾性体を、単一の待受け用バネ84で構成して、部品点数を減少させたものである。なお、以下の説明では、前記デフロック機構3と異なる点を中心に説明すると共に、同じ部材については同じ符号を使用する。
図7に示すように、本形態のデフロックシフトフォーク100においては、前記デフロック機構3のデフロックシフトフォーク58と同様に、ボス部である基部100aがデフロック軸59によって吊持されているものの、該基部100aには、前記軸受け部58cのようにデフロック軸59の外周に直接接触して摺動する部分は形成されておらず、基部100aは、デフロック軸59に遊嵌されている。そして、この基部100aとデフロック軸59との間の隙間には、軸方向前後に開放された筒状のバネ室100bが形成され、該バネ室100b内のデフロック軸59上に、前記待受け用バネ84が巻回されている。
デフロック軸59上には、この待受け用バネ84を挟んで軸方向前後にバネ受け筒103a・103bが摺動可能に外嵌されると共に、該バネ受け筒103a・103bは、前記基部100aの内周に摺動可能に挿嵌されている。更に、前記デフロック軸59の外周には、この両バネ受け筒103a・103bを挟んで軸方向前後に一対の外周止め輪102a・102bが外嵌固定されており、バネ受け筒103a・103bに挟まれた待受け用バネ84の左方への移動は、外周止め輪102aによって規制され、右方への移動は、外周止め輪102bによって規制されている。
そして、該外周止め輪102a・102bの高さは、前記バネ受け筒103a・103bは規制するが、前記基部100aの内周には接触しない高さに設定されると共に、外周止め輪102a・102b間の間隔は、バネ受け筒103a・103bがそれぞれ外周止め輪102a・102bに当接された状態で、待受け用バネ84がバネ受け筒103a・103b間に圧縮状態で介設するように設定されている。
更に、前記基部100aの内周には、前記外周止め輪102a・102bと対向する位置に、それぞれ内周止め輪101a・101bが固定されており、前記バネ受け筒103a・103bに挟まれた待受け用バネ84の左方への移動は、内周止め輪101aによって規制され、右方への移動は、内周止め輪101bよって規制されている。
そして、該内周止め輪101a・101bの高さは、前記バネ受け筒103a・103bは規制するが、前記外周止め輪102a・102bの外周部には干渉しない高さに設定されている。つまり、該内周止め輪101a・101bと前記外周止め輪102a・102bとは、軸方向移動時に互いに干渉しない離間位置に形成されるようにしている。
以上のような構成から成るデフロック機構3Aにおいて、図7に示すように、前記デフロックレバー68をアンロック位置64からデフロック位置65までデフロック操作すると、前記デフロック機構3と同様にして、デフロック軸59は、その右端が位置87から位置88に向かって右方に移動して位置88に保持される。
このデフロック軸59の牽引操作直後には、ロックピン57の先端が、摩擦板96の厚み分だけ僅かに右方へ移動するだけで、前記デフサイドギア49の係合凹部49aに嵌入しなかった場合には、デフロックシフトフォーク100は、移動が規制されて略静止状態となっている。このため、前記待受け用バネ84も、デフロック軸59と一緒に右方に移動する外周止め輪102aにより、左右のバネ受け筒103a・103bの間で圧縮され、デフロックシフトフォーク100をデフロック方向に移動させるための押動力が蓄力される。
図8に示すように、時間が経過して前記係合凹部49aがロックピン57の先端に対して向かい合う位置になると、前記復帰用バネ78については、バネ受けピン80の位置が変わらないために圧縮されたままであるが、前記待受け用バネ84は、バネ受け筒103bを外周止め輪102bの位置まで移動するように付勢する。
それに伴い、該デフロックシフトフォーク100に係合されたデフロックスライダ56のロックピン57は、デフロック方向に向かって付勢されて係合凹部49aに係止し、差動装置2がデフロックされる。
図9に示すように、前記デフロックレバー68をデフロック位置65からアンロック位置64までアンロック操作すると、前記デフロック機構3と同様にして、圧縮されて押動力が蓄力されていた前記復帰用バネ78により、デフロック軸59は図7の原位置である位置87に戻される。
この際、前記ロックピン57の先端が前記デフサイドギア49の係合凹部49aの噛み合い個所でトルクを閉じ込んでいると、たとえデフロック軸59が前述のようにして位置87に戻っても、デフロックシフトフォーク58の軸受け部58cは、移動が規制されて略静止状態となっている。従って、前記待受け用バネ84は、デフロック軸59と一緒に左方に移動する前記外周止め輪102bにより、左右のバネ受け筒103a・103bの間で圧縮され、デフロックシフトフォーク100をアンロック方向に移動させるための押動力が蓄力される。
図10に示すように、時間が経過して、前述の閉じ込みが解消すると、前記待受け用バネ84の弾性力は、バネ受け筒103aから内周止め輪101aを介して、前記デフロックシフトフォーク100を左方へ移動させる。これにより、デフロックスライダ56のロックピン57も、デフロック位置90からアンロック位置89に移動して係合凹部49aから抜脱され、差動装置2がアンロックされる。このようにして、単一の待受け用バネ84によっても、本発明に係わるデフロック機構を形成することができ、部品点数を少なくすることができる。
すなわち、前記待受け用弾性体は、単一の弾性部材である待受け用バネ84から構成すると共に、前記デフロック軸59には、前記スライダ操作具であるデフロックシフトフォーク100の基部100aを軸方向移動可能に遊嵌し、該基部100aの内周と前記デフロック軸59の外周には、それぞれ、前記待受け用バネ84の軸方向前後への移動を規制する一対の内周ストッパである内周止め輪101a・101bと一対の外周ストッパである外周止め輪102a・102bを設け、該内周止め輪101a・101bと外周止め輪102a・102bは、軸方向移動時に互いに干渉しない離間位置に形成するので、部品点数を減少させることができ、部品コストの低減やメンテナンス性の向上を図ることができる。
本発明は、差動装置を介して差動的に連結された一対の車軸のうちの一方に対して差動装置のリングギアを係脱可能な係合部材を設けるデフロックスライダと、該デフロックスライダを軸方向に摺動させて前記係合部材をデフロック位置とアンロック位置の間で切り替えるスライダ操作具と、該スライダ操作具の基部を連結支持して軸方向に移動するデフロック軸とを有する、ユーティリティ・ビークルやオフロード・ビークル等の各種走行車両に搭載される、差動装置のデフロック機構に適用することができる。
2 差動装置
3 デフロック機構
7 後車軸(車軸)
39 リングギア
56 デフロックスライダ
57 ロックピン(係合部材)
58・100 デフロックシフトフォーク(スライダ操作具)
58a・100a 基部
58c 軸受け部
59 デフロック軸
64・89 アンロック位置
65・90 デフロック位置
68 デフロックレバー(デフロック操作具)
75 位置決め構造
76 第一バネ(待受け用弾性体、第一弾性部材)
77 第二バネ(待受け用弾性体、第二弾性部材)
78 復帰用バネ(復帰用弾性体)
80 バネ受けピン(外周ストッパ)
81 バネ受け筒(外周ストッパ)
84 待受け用バネ84(待受け用弾性体)
101a・101b 内周止め輪(内周ストッパ)
102a・102b 外周止め輪(外周ストッパ)

Claims (4)

  1. 差動装置を介して差動的に連結された一対の車軸のうちの一方に対して前記差動装置のリングギアを係脱可能な係合部材を設けるデフロックスライダと、該デフロックスライダを軸方向に摺動させて前記係合部材をデフロック位置とアンロック位置の間で切り替えるスライダ操作具と、該スライダ操作具の基部を連結支持して軸方向に移動するデフロック軸とを有する、差動装置のデフロック機構において、前記スライダ操作具とデフロック軸との間には、該デフロック軸への操作力を、前記スライダ操作具をデフロック方向またはアンロック方向に移動させる押動力として蓄力する待受け用弾性体を介設し、該待受け用弾性体により前記係合部材を付勢状態で待ち受けさせると共に、前記デフロック軸には、デフロック時の該デフロック軸への操作力を、アンロック時に該デフロック軸をアンロック方向に移動させる押動力として蓄力する復帰用弾性体を配設し、該復帰用弾性体によりアンロック時のデフロック軸への操作力を不要にし、更に、該復帰用弾性体の弾性力は前記待受け用弾性体の弾性力よりも大きく設定することを特徴とする差動装置のデフロック機構。
  2. 前記デフロック軸には、該デフロック軸を軸方向に摺動操作するデフロック操作具を連動連結し、該デフロック操作具には、デフロック位置とアンロック位置に保持可能な位置決め構造を設けることを特徴とする請求項1に記載の差動装置のデフロック機構。
  3. 前記待受け用弾性体は、第一弾性部材と第二弾性部材から構成すると共に、前記基部のうちデフロック軸に摺動可能に外嵌している軸受け部を挟んで軸方向で前後に前記第一弾性部材と第二弾性部材を配置し、該第一弾性部材と第二弾性部材の軸方向前後への移動を規制する一対の外周ストッパを前記デフロック軸の外周に設けることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の差動装置のデフロック機構。
  4. 前記待受け用弾性体は、単一の弾性部材から構成すると共に、前記デフロック軸には、前記スライダ操作具の基部を軸方向移動可能に遊嵌し、該基部の内周と前記デフロック軸の外周には、それぞれ、前記弾性部材の軸方向前後への移動を規制する一対の内周ストッパと一対の外周ストッパを設け、該内周ストッパと外周ストッパは、軸方向移動時に互いに干渉しない離間位置に形成することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の差動装置のデフロック機構。
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