JP5297940B2 - シフト切替装置 - Google Patents

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本発明は、シフト切替装置に係わり、特に、4輪駆動車における2輪駆動と4輪駆動との切替えや副変速機から駆動軸に至る動力伝達経路のギア比の高速と低速との切替えなどに好適なシフト切替装置に関するものである。
従来、例えばパートタイム方式の4輪駆動車においては、2輪高速駆動(以下、「2WDH」という。)、4輪高速駆動(以下、「4WDH」という。)、及び4輪低速駆動(以下、「4WDL」という。)の切替えを1つのアクチュエータ装置により行うように構成されたシフト変速装置がある(例えば、特許文献1参照。)。
上記特許文献1に記載された従来のシフト変速装置は、トランスファ装置とアクチュエータ装置とを備えている。このトランスファ装置は、第1リングギアと2WD・4WD切替え用クラッチギアを噛合させるとともに、第2リングギアと高速用ギア又は低速用ギアを噛合させるドラムカムを備えている。第1及び第2リングギアのそれぞれには、第1及び第2シフトフォークが連結されている。一方、アクチュエータ装置にはモータの回転出力を出力軸に伝達するギア手段による減速機構が内蔵されており、その出力軸にドラムカムが連結されている。
ドラムカムの外周面には2WD・4WD用切替え溝と4WDH・4WDL用切替え溝とが形成されている。2WD・4WD用切替え溝には第1シフトフォークが係止されており、回転するドラムカムにより2WD・4WD切替え用クラッチギアに噛合する第1リングギアが、軸方向に沿って直線的に移動するように駆動される。一方の4WDH・4WDL用切替え溝には第2シフトフォークが係止されており、回転するドラムカムにより高速用ギア又は低速用ギアのいずれかに噛合する第2リングギアが、軸方向に沿って直線的に移動するように駆動される。
特開2002−295674号公報
ところで、モータに減速機構あるいは増幅機構を連結することで、モータで発生したトルクを増幅し、2WDHから4WDHへ、あるいは4WDHから4WDLへの切替え(シフト)荷重を大きくすることが可能になる。しかしながら、切替え荷重を大きくするために、例えば減速機構の減速比を大きくすると、切替え速度が遅くなり、切替え指令がアクチュエータ装置に出力されてからシフト操作が完了するまでの切替え時間が長くなる。その結果、シフト操作に必要な切替え荷重と切替え時間の関係でアクチュエータ装置のサイズが決まってしまうこととなり、設計の自由度が小さくなるという問題が発生する。
上記特許文献1に記載された従来のシフト変速装置においては、1つのアクチュエータ装置を使用しているが、シフト操作に必要な切替え荷重と切替え時間をアクチュエータ装置の出力トルクにより決定しているので、切替え荷重を増大させるとともに、切替え時間を速くさせようとすれば、アクチュエータ装置が大型化してアクチュエータ装置の小型化が困難となり、しかも、アクチュエータ装置の価格も高価になるという問題点があった。
本発明は、上記従来の課題を解消すべくなされたものであり、その具体的な目的は、一方から他方への切替えを要求する切替え指令が出力されてからシフト操作が完了するまでの時間を短縮することを可能とし、アクチュエータ装置の小型化や低コスト化を図ることができるシフト切替装置を提供する。
本発明の課題は、本願請求項[1]〜[]に記載された各発明により達成することができる。
[1]本発明は、第1及び第2の位置の間で移動する第1のシフト部材と、前記第1のシフト部材が前記第1の位置にあるとき、前記第2の位置に対応した待機位置にあり、前記第1のシフト部材が前記第2の位置にあるとき、前記第1の位置に対応した待機位置にある第2のシフト部材と、前記第2のシフト部材が前記第1又は第2の待機位置にあるとき、前記第1のシフト部材を前記第1及び第2の位置の間で移動させる移動力を蓄積する蓄力バネと、前記蓄力バネが前記移動力を蓄積しているとき、前記移動力に基づく前記第1のシフト部材の移動の規制及びこの規制を解除する規制手段と、前記第1のシフト部材及び前記第2のシフト部材を移動させる駆動源と、前記第1のシフト部材を前記第1の位置から前記第2の位置へ、あるいは前記第2の位置から前記第1の位置へ移動させる移動指令を入力したとき、前記駆動源の駆動によって前記規制手段による前記規制を解除して前記蓄力バネの前記移動力によって前記第1のシフト部材を前記第2の位置あるいは前記第1の位置へ移動させるように前記駆動源を制御する制御手段とを備え、前記規制手段は、前記駆動源の回転運動を直線運動に変換するドラムカムを有し、前記ドラムカムには、第1カム溝と第2カム溝とが軸線方向に独立して形成され、前記第1カム溝には、前記第1のシフト部材の移動を禁止する第1禁止領域、及び前記第1のシフト部材の移動を許容する第1許容領域が形成され、前記第2カム溝には、前記第1禁止領域に対応して前記第2のシフト部材の移動を許容する第2許容領域、及び前記第1許容領域に対応して前記第2のシフト部材の移動を禁止する第2禁止領域が形成され、前記第1のシフト部材を前記第1禁止領域に係合させるとともに、前記第2のシフト部材を前記第2許容領域に係合させ、前記駆動源の駆動により前記第2のシフト部材を前記待機位置に移動させることで前記蓄力バネを圧縮させて前記移動力を蓄積し、前記駆動源の駆動により、前記第1のシフト部材を前記第1禁止領域から前記第1許容領域に係合させるとともに、前記第2のシフト部材を前記第2許容領域から前記第2禁止領域に係合させ、前記圧縮した蓄力バネの付勢力により前記第1のシフト部材を前記第2の位置あるいは前記第1の位置へ移動させることを特徴とするシフト切替装置にある。
]上記[]記載の発明にあって、前記第1カム溝は、軸線方向に並べた一対の前記第1禁止領域の間に、周方向に並べた一対の前記第1許容領域の端部を連接した環状の凹溝であり、前記第2カム溝は、周方向に延びる一対の前記第2禁止領域の間に、周方向に傾斜して延びる前記第2許容領域の端部を連接した蛇行状の凹溝であることを特徴としている。
]上記[]記載の発明にあって、前記第1のシフト部材は、2輪駆動と4輪駆動とに切替えるためのシフトフォークであり、前記第2のシフト部材は、前記シフトフォークを移動させるためのシフトロッドであることを特徴としている。
]上記[]記載の発明にあって、前記第1のシフト部材は、少なくとも高速段と低速段とに切替えるためのシフトフォークであり、前記第2のシフト部材は、前記シフトフォークを移動させるためのシフトロッドであることを特徴としている。
]上記[]記載の発明にあって、前記駆動源は、正逆回転可能なモータを有してなることを特徴としている。
本発明によれば、駆動源の出力トルクに左右されることなく、一方から他方への移動終了位置にシフト手段を移動させる指令が駆動源に出力されてからシフト操作が完了するまでの時間を短縮することができるようになり、しかも、駆動源の小型化や低コスト化を実現することができる。
本発明に係る典型的な第1の実施の形態であるシフト切替装置の一構成例を概略的に示す断面図である。 図1におけるドラムカムを模式的に示す展開図である。 2輪駆動と4輪駆動に切替える内容の一例を示すフローチャートである。 第2の実施の形態に係るシフト切替装置の一構成例を概略的に示す断面図である。 (a)は図4におけるドラムカムを模式的に示す展開図であり、(b)は(a)のドラムカムの変形例を模式的に示す展開図である。 (a)〜(c)は、第3の実施の形態に係るシフト切替装置の一構成例を模式的に示す説明図である。 第4の実施の形態に係るシフト切替装置の一構成例を概略的に示す断面図である。 (a)及び(b)は、図7に示すシフト切替装置の動作を説明するための説明図である。
[第1の実施の形態]
(シフト切替装置の構成)
図1において、全体として示す符号1は、この第1の実施の形態におけるシフト切替装置である。図示例によるシフト切替装置1は、例えばFR(フロントエンジン、リヤドライブ)方式をベースにしたパートタイム四輪駆動車における二輪駆動・四輪駆動(2WD・4WD)への切替えに適用されるものであり、トランスファ装置2とアクチュエータ装置3とを備えている。
(トランスファ装置の構成)
このトランスファ装置2は、図1に示すように、フロントケース4及びリアケース5からなるケース内に、図示しない入力軸に入力するエンジンの駆動力を伝達する主軸6を備えている。トランスファ装置2は更に、主軸6の外周にスプライン嵌合された4WD用ギア(クラッチギア)7と、主軸6の外周に相対回転可能に形成された2WD用ギア(スプロケットの歯)8と、2WD選択時に2WD用ギア8に噛合し、4WD選択時に4WD用、及び2WD用の両ギア7,8に噛合するスリーブクラッチ9と、円筒状のドラムカム30とを備えている。このドラムカム30の外周面に独立して形成された第1及び第2カム溝31,32のそれぞれには、シフトロッド10及びシフトフォーク11からなる2つのシフト手段が係合されている。
このシフトロッド10は、図1に示すように、シフトフォーク11を4WD位置及び2WD位置に切替えるものであり、フロントケース4とリアケース5との間に往復動可能に支持されている。そのシフトロッド10には円筒状のシフトブラケット12がスプリングピン13により固定されている。そのシフトブラケット12の外周には、シフトフォーク11の軸部に形成された円筒状のボス部11aが軸方向に往復動可能に外嵌支持されている。このボス部11aのフロントケース4側の開口端部には上下一対の切欠スリット11b,11bが軸方向に穿設されている。この切欠スリット11b,11b内にはスプリングピン13の先端が突出して配されており、シフトロッド10に対するシフトフォーク11の軸回り方向の動きを規制している。
一方のシフトフォーク11は、図1に示すように、4WD用ギア7、及び2WD用ギア8のギア切替えを行うものであり、スリーブクラッチ9に係合している。シフトフォーク11のボス部11aにおける円筒部は、フロントケース4側の小径円筒部11cとリアケース5側の大径円筒部11dとからなる。この大径円筒部11dの軸線方向両側には円環状をなす一対のカラー部材14,15が内嵌されている。
フロントケース4側のカラー部材15は、図1に示すように、小径円筒部11cと大径円筒部11dとの間に形成された円環状の支持面に係止されており、フロントケース4側への軸方向の動きを規制している。一方のリアケース5側のカラー部材14は、大径円筒部11dに嵌着したスナップリング16に係止されるとともに、シフトロッド10の外周に嵌着したスナップリング17に係止されており、リアケース5側への軸方向の動きを規制している。
シフトロッド10、シフトフォーク11、及びカラー部材14,15の間に形成された環状空間には、図1に示すように、スプリング18が介装されている。かかる構造により、シフトロッド10及びシフトフォーク11の相対移動方向が正逆どちらであっても圧縮するスプリング18の弾力を一時的に蓄え、その蓄えた応力をスリーブクラッチ9に伝えるバネによる蓄力機構が構成される。なお、スプリング18に代えて、例えば皿バネや板バネなどのバネ機構、あるいはシリンダなどの流体圧機構を用いることができる。
アクチュエータ装置3の回転運動を直線運動に変換する運動変換機構としては、図1に示すように、ドラムカム30が使用される。このドラムカム30の第1カム溝31には、2WDと4WDとの切替え用としてシフトフォーク11のボス部11aに突設されたフォーク駆動ピン11eが係合されており、シフトフォーク11によりスリーブクラッチ9が軸方向に直線移動するようになっている。
一方の第2カム溝32には、図1に示すように、4WD位置と2WD位置とへの切替え用としてシフトロッド10のシフトブラケット12が係合されている。図示例では、シフトブラケット12には、軸線方向からドラムカム方向へ向けて延びる腕部12aが突設されている。その腕部12aの先端には、シフトブラケット端面に対して所望の距離だけオフセットして配されたロッド駆動ピン12bが第2カム溝32に係合されており、シフトロッド10が軸方向に直線移動するようになっている。
(アクチュエータ装置の構成)
アクチュエータ装置3は、図1に示すように、出力軸21に駆動ロッド22を介して連結されたドラムカム30を回転駆動させることで、シフトロッド10を軸方向に直線的に移動させるものであり、ハウジングに内蔵されたモータ20と、そのモータ20の回転出力を減速して出力軸21に伝達するための図示しないギア手段による減速機構とを備えている。アクチュエータ装置3では、制御部70が駆動ロッド22を正逆方向に回転駆動するように信号を受けて、モータ20により駆動ロッド22を正逆回転させるようになっている。
このアクチュエータ装置3は、モータ20の回転出力が減速されるとともに、その回転出力を出力軸21側に伝達するものであれば、特に限定されるものではない。駆動源の他の一例としては、例えば電磁SOLやメカニカルレバーなどを適用することができる。なお、上記のように構成されたシフト切替装置1の構成部分は、従来のものと基本的な構成において変わるところはない。従って、図示例に限定されるものではないことは勿論である。
(ドラムカムの構成)
図2を参照すると、この第1の実施の形態の特徴部を有するドラムカム30の第1カム溝31は、2WDシフト完了位置(移動終了位置)Aを有する2WD停止領域Aと、4WDシフト完了位置(移動終了位置)Cを有する4WD停止領域Cとが2段階に形成され、2WD停止領域Aと4WD停止領域Cとの間に、2WD・4WD切替え領域Bと、4WD・2WD切替え領域Dとのそれぞれの端部を連接する環状の凹溝に形成されている。2WD・4WD切替え領域Bと4WD・2WD切替え領域Dとでシフトフォーク11の軸方向移動を許可する移動許可領域とされている。それ以外の2WD停止領域Aと4WD停止領域Cとはシフトフォーク11の軸方向移動を規制する移動禁止領域とされている。
この第1カム溝31は、図2に示すように、ドラムカム30の正回転では2WD停止領域Aと2WD・4WD切替え領域Bとを第1移動規制手段である往路とし、ドラムカム30の逆回転では4WD停止領域Cと4WD・2WD切替え領域Dとを第2移動規制手段である復路としており、フォーク駆動ピン11eを進退動させる構成とされている。
2WD停止領域Aは、図2に示すように、2WDシフト完了位置Aから2WD・4WD切替え領域Bの始端(4WD待機位置)Bへ円周方向に沿って直線状に延びるように設定されている。2WD・4WD切替え領域Bは、4WD待機位置Bから4WDシフト完了位置Cへ円周方向に沿って傾斜して延びるように設定されている。
4WD停止領域Cは、図2に示すように、4WDシフト完了位置Cから4WD・2WD切替え領域Dの始端(2WD待機位置)Dへ向けて2WD停止領域Aと平行に直線状に延びるように設定されている。4WD・2WD切替え領域Dは、2WD待機位置Dから2WDシフト完了位置Aまで2WD・4WD切替え領域Bと同一の傾斜角(カム斜面)をもって延びるように設定されている。
この第1カム溝31では、図2に示すように、2WDシフト完了位置Aと4WDシフト完了位置Cの間の幅はシフトフォーク11のシフトストローク分となる。シフトフォーク11を移動させるのには、2WD待機位置Dから2WDシフト完了位置Aへ、あるいは4WD待機位置Bから4WDシフト完了位置Cへドラムカム30を回転させるだけでよく、ドラムカム30の回転角度は僅かで足りる。
一方、ドラムカム30の第2カム溝32は、図2に示すように、2WD駆動停止位置Aと4WD駆動停止位置Cとが2段階に形成されており、2WD駆動停止領域A(D)と4WD駆動停止領域B(C)とを有し、2WD駆動停止領域A(D)と4WD駆動停止領域B(C)との間を切替え駆動領域D(B)として蛇行状の凹溝に形成されている。2WD駆動停止領域Aは、第1カム溝31の4WD・2WD切替え領域Dと対応して円周方向に沿って直線状に延びるように設定されている。4WD駆動停止領域Bは、第1カム溝31の2WD・4WD切替え領域Bと対応して円周方向に沿って直線状に延びるように設定されている。この第2カム溝32は、ドラムカム30の正逆回転では往復路としており、ロッド駆動ピン12bを進退動させる構成とされている。
この第2カム溝32は、図2に示すように、2WD駆動停止領域A(D)と4WD駆動停止領域B(C)との間の切替え駆動領域D(B)の範囲で、シフトストローク分変位するカム斜面を設けている。このカム斜面をロッド駆動ピン12bが移動するとき、フォーク駆動ピン11eは第1カム溝31の2WD停止領域Aと4WD停止領域C上にあって軸方向に移動できないため、カラー部材14,15のいずれか一方がスプリング18を圧縮する。この第1カム溝31の2WD待機位置Dと4WD待機位置Bとでフォーク駆動ピン11eの移動を禁止させることにより、次のシフトのためのエネルギーをスプリング18に蓄えた状態(事前巻き状態)にする。
(シフト切替装置の動作)
図示例によるシフト切替装置1のもう一つの特徴部を有する構成は、モータ20からスリーブクラッチ9までの駆動伝達経路上に、スリーブクラッチ9を移動終了位置に移動させる指令が出力される前にシフトフォーク11を待機位置に変位させ、シフトフォーク11を待機位置から移動終了位置に移動させる必要な力をスプリング18に蓄えておく蓄力機構と、その蓄力機構の動作を規制する上記ドラムカム30によるシフト規制機構とを設けたことにある。この蓄力機構及びシフト規制機構は、エンジンの停止時、エンジンの再始動時、車両の2WD走行時、車両の4WD走行時、あるいは車両の一時停止時などにかかわらず、蓄力状態(事前巻き状態)を常に維持している。
図示例にあっては、切替え指令信号がアクチュエータ装置3に出力され、ドラムカム30の第1カム溝31における2WDシフト完了位置A又は4WDシフト完了位置Cのいずれか一方の移動終了位置にシフトフォーク11を移動させる前に、モータ20の回転駆動により、シフトロッド10のロッド駆動ピン12bを第2カム溝32の切替え駆動領域D(B)上で移動させることで、第1カム溝31の2WD待機位置D又は4WD待機位置Bにシフトフォーク11のフォーク駆動ピン11eを変位させる。これにより、シフトフォーク11が4WD待機位置Bから4WDシフト完了位置C、又は2WD待機位置Dから2WDシフト完了位置Aに移動させるのに必要な力を蓄力機構に蓄えておく。
2WDシフト完了位置A又は4WDシフト完了位置Cのいずれか一方の移動終了位置にシフトフォーク11を移動させるときには、モータ20の回転駆動により第1カム溝31の2WD待機位置Dから2WDシフト完了位置Aへ、あるいは4WD待機位置Bから4WDシフト完了位置Cへシフトフォーク11のフォーク駆動ピン11eを動かし、軸方向規制を解除する。これにより、蓄力機構に蓄えられた切替え力でスリーブクラッチ9が切替わることとなる。
(ドラムカムの動作)
表1は、ドラムカム30のシフト位置と、シフトロッド10及びシフトフォーク11の切替えモードとの関係を示している。ここで、表1に示すシフト位置A〜Dは、図2に示すドラムカム30の第1カム溝31のカム位置A〜D、及び第2カム溝32のカム位置A〜Dとそれぞれ対応している。
Figure 0005297940
(2WD−4WDへの切替え待機)
図3を参照すると、図3には2WD及び4WDに切替える手順が例示されている。フォーク駆動ピン11eが4WDシフト完了位置Cに達するまでは、シフトフォーク11のスリーブクラッチ9は4WD用ギア7と噛み合っていない2WD状態にある(図3に示すステップS1、上記表1に示すシフト位置A)。この2WD状態にあるときに、出力軸21及び駆動ロッド22を2WDシフト完了位置Aから4WD待機位置Bへ至る範囲で時計回りに正回転させる(図3のS2)。すると、ロッド駆動ピン12bは、第2カム溝32の2WD駆動停止領域Aから切替え駆動領域Dのカム斜面を介して4WD駆動待機位置Bに移動し、シフトロッド10は、図1の右方向に移動する。一方、フォーク駆動ピン11eは、2WD停止領域A上を変位することから、シフトフォーク11の移動は禁止されている。以上より、シフトロッド10は、第2カム溝32の4WD駆動待機位置Bでスプリング18を圧縮し、圧縮されたスプリング18の復元力(付勢力)により、シフトフォーク11は4WDシフト完了位置C側へ付勢した蓄力状態(事前巻き状態)で4WD待機位置Bに停止している(図3のS3、上記表1のシフト位置B)。
(2WD−4WDへのシフト完了)
2WDから4WDに切替える切替え指令がアクチュエータ装置3に出力されると(図3のS4)、出力軸21及び駆動ロッド22を第1カム溝31の4WD待機位置Bから4WDシフト完了位置Cへ至る範囲で時計回りに正回転させ、ドラムカム30を4WD待機位置Bから4WDシフト完了位置Cへ回転させる(図3のS5)。ロッド駆動ピン12bは、第2カム溝32の4WD駆動待機位置Bから4WD駆動停止位置Cに変位する。一方、シフトフォーク11のスリーブクラッチ9が4WD用ギア7と同期すると、スプリング18の復元力により、第1カム溝31の4WD駆動停止領域Bを介してフォーク駆動ピン11eを移動させることになるから、4WD待機位置Bで待機状態にあったシフトフォーク11は瞬時に4WD待機位置Bから4WDシフト完了位置Cに切替わる(図3のS6)。
スリーブクラッチ9が4WD用ギア7側に移動すると、スリーブクラッチ9は4WD用ギア7及び2WD用ギア8と同期回転することとなるから、回転している主軸6の動力は2WD用ギア8、スリーブクラッチ9、及び4WD用ギア7を介して4WD用ギア7に噛み合う図示しないチェーン、フロントシャフトに伝達され、2WDから4WDに切替わって回転駆動される(図3のS7、上記表1のシフト位置C)。
(4WD−2WDへの切替え待機)
フォーク駆動ピン11eが第1カム溝31の4WDシフト完了位置Cに切替わったことを回転位置検出手段であるポジションスイッチにより電気的に検出されると、出力軸21及び駆動ロッド22を4WDシフト完了位置Cから2WD待機位置Dへ至る範囲で反時計回りに逆回転させる(図3のS8)。すると、ロッド駆動ピン12bは、第2カム溝32の4WD駆動停止領域Cから切替え駆動領域Bのカム斜面を介して2WD駆動待機位置Dに移動し、シフトロッド10は、図1の左方向に移動する。一方、フォーク駆動ピン11eは、第1カム溝31の4WD停止領域C上を変位することから、シフトフォーク11の移動は禁止される。以上より、シフトロッド10は、2WD駆動待機位置Dでスプリング18を圧縮した蓄力状態(事前巻き状態)で待機し、シフトフォーク11は、圧縮されたスプリング18の復元力により2WDシフト完了位置A側へ付勢した待ち状態で2WD待機位置Dに停止する(図3のS9、上記表1のシフト位置D)。
(4WD−2WDへのシフト完了)
4WDから2WDに切替える切替え指令がアクチュエータ装置3に出力されると(図3のS10)、出力軸21及び駆動ロッド22を第1カム溝31の2WD待機位置Dから2WDシフト完了位置Aへ至る範囲で逆回転させ、ドラムカム30を第1カム溝31の2WD待機位置Dから2WDシフト完了位置Aへ回転させる(図3のS11)。ロッド駆動ピン12bは、2WD駆動待機位置Dから2WD駆動停止位置Aに変位する。一方、スプリング18の復元力によりシフトフォーク11のスリーブクラッチ9が4WD用ギア7から脱すると、第1カム溝31の2WD待機位置Dから2WDシフト完了位置Aへフォーク駆動ピン11eを移動させることになるから、2WD待機位置Dで停止状態にあったシフトフォーク11は、スプリング18の復元力により瞬時に2WD待機位置Dから2WDシフト完了位置Aに切替わる(図3のS12、上記表1のシフト位置A)。
フォーク駆動ピン11eが第1カム溝31の2WDシフト完了位置Aに切替わったことをポジションスイッチにより電気的に検出されると、出力軸21及び駆動ロッド22が2WDシフト完了位置Aから4WD待機位置Bへ至る範囲で正回転する。すると、ロッド駆動ピン12bは第2カム溝32の2WD駆動停止領域Aから切替え駆動領域Dのカム斜面を通って4WD駆動待機位置Bに移動するので、4WD駆動待機位置Bでスプリング18を圧縮した蓄力状態(事前巻き状態)で待機する。一方、フォーク駆動ピン11eは第1カム溝31の2WD停止領域D上を変位することから、シフトフォーク11及びスリーブクラッチ9の移動は禁止され、圧縮されたスプリング18の復元力により4WDシフト完了位置C側へ付勢した蓄力状態で4WD待機位置Bに停止する(図3のS13,S1〜S3、上記表1のシフト位置B)。以上の操作を繰り返すことにより2WDから4WDへ、あるいは4WDから2WDへのシフト操作が効果的に行われる。
(第1の実施の形態の効果)
上記のように構成された第1の実施の形態に係るシフト切替装置1によると、以下の効果が得られる。
(1)第1カム溝31の2WDシフト完了位置Aから4WD待機位置Bまでの2WD停止領域Aと、第1カム溝31の4WDシフト完了位置Cから2WD待機位置Dまでの4WD停止領域Cとで、シフトフォーク11の切替え指令がアクチュエータ装置3に出力される前に、シフトフォーク11の移動のためのエネルギーをスプリング18に蓄えておく構成となっている。そのため、一方から他方への切替えを要求する切替え指令が出力されてからシフト操作が完了するまでの時間(シフトフォーク11のシフト時間)は、モータ20の出力トルクに左右されることなく、第1カム溝31の4WD・2WD切替え領域D、あるいは2WD・4WD切替え領域Bの僅かな回転変位とスプリング18の解放時間のみになる。
(2)スプリング18の解放時間は無視できるほど僅かであるので、シフトフォーク11のシフト時間は、第1カム溝31の4WD・2WD切替え領域D、あるいは2WD・4WD切替え領域Bの回転角度と回転速度とで決めることが可能となり、従来のシフト切替装置のようにアクチュエータ装置の駆動力に依存することなく、シフトフォーク11のシフト時間を短縮することができる。
(3)第1カム溝31の2WD・4WD切替え領域B、あるいは4WD・2WD切替え領域Dの回転角度を、例えばシフトフォーク11のシフトストローク全体分の回転角度に対して1/5に設定すると、シフトに要するアクチュエータ装置3の出力軸21の回転速度は1/5にすることができる。従来装置に対しシフト時間を同じに設定した場合は、アクチュエータ装置3内のギア比を5倍にすることができるようになり、モータ20単体の出力トルクを1/5にすることができる。
(4)以上より、アクチュエータ装置3やモータ20の小型化や低コスト化を達成することが可能になる。
[第2の実施の形態]
上記のごとく構成されたシフト切替装置1は、少なくとも低速段及び高速段を有する副変速機構40に効果的に適用することができる。
図4を参照すると、図4には上記第1の実施の形態に係るシフト切替装置を用いた副変速機が模式的に示されている。なお、上記第1の実施の形態と実質的に同じ部材には同一の部材名と符号を付している。従って、上記第1の実施の形態と実質的に同じ部材に関する詳細な説明は省略する。
(副変速機の構成)
図4において、全体として示す符号23は、入力軸24に入力するエンジンの駆動力を高速段Hと低速段Lとに切替えする副変速機構を概略的に示している。この副変速機23は、例えばFR方式をベースにしたパートタイム四輪駆動車における高速位置及び低速位置への切替えに適用されるものであり、遊星歯車機構25と、その遊星歯車機構25に同軸的に配されたスライドギア26とを備えている。
この遊星歯車機構25は、図4に示すように、入力軸24の外周に形成された高速用ギア(サンギア)27と、このサンギア27の外周に同心軸状に配された低速用ギア(ピニオンギア)28と、このピニオンギア28と噛み合うサンギア27の外周に同心軸状に配されたリングギア29とを備えている。高速状態においては、スライドギア26と高速用ギア27とが噛合することで、入力軸24の回転駆動力が高速回転駆動力として主軸6に伝達される。一方、低速状態においては、スライドギア26が高速用ギア27から脱することで、入力軸24の回転駆動力が低速回転駆動力として入力軸24から低速用ギア28の軸28aに形成されたスプラインギア28bを介して主軸6に伝達される。
ドラムカム30の第1カム溝31には、図4に示すように、高速段Hと低速段Lとを切り換えるシフトフォーク11のフォーク駆動ピン11eが係合されている。ドラムカム30の第2カム溝32には、高速駆動位置と低速駆動位置の切替え用としてロッド駆動ピン12bが係合されている。シフトフォーク11により高速用ギア27又は低速用ギア28のいずれかに係合するスライドギア26が軸方向に直線移動する。高速段Hと低速段Lとを切替える際には、中間位置としてニュートラルNに切替えられる。
上記のように構成された副変速機構23の構成部分は、従来のものと基本的な構成において変わるところはない。従って、図示例に限定されるものではない。この第2の実施の形態にあっても、モータ20からスライドギア26までの駆動伝達経路上に、スライドギア26を移動終了位置に移動させる指令が出力される前にシフトフォーク11を待機位置に変位させ、シフトフォーク11を待機位置から移動終了位置に移動させるのに必要な力をスプリング18に蓄えておく蓄力機構と、その蓄力機構の動作を規制するドラムカム30によるシフト規制機構とに特徴部を有している。この蓄力機構及びシフト規制機構は、上記第1の実施の形態と同様に、常に蓄力状態を維持している。
(ドラムカムの構成)
図5(a)を参照すると、図5(a)には2系統の第1カム溝31及び第2カム溝32が独立して穿設された速度位置切替え用のドラムカム30の展開図が模式的に示されている。上記第1の実施の形態における2WD・4WDの切替えにおいては、シフトフォーク11を2WD位置又は4WD位置の各ポジションから抜くときの切替え荷重をスプリング力により付与していたものを、この第2の実施の形態では、シフトフォーク11を高速位置及び低速位置の各ポジションから抜くときの切替え荷重をアクチュエータ装置3の駆動力により付与しており、高速位置及び低速位置の間にあるニュートラル位置Nから切替え先のポジションに入れるときの切替え荷重をスプリング力により付与している。
そのスプリング力のストロークは、ニュートラル領域の距離に、スライドギア26と高速用ギア27又は低速用ギア28とのいずれかのギア噛み合い領域の距離を加えた距離で足りる。スプリング力は必要とする切替え荷重よりも大きく設定することが好適である。
図示例によるドラムカム30の第1カム溝31は、ドラムカム30の正回転では、高速領域(移動禁止領域)A、及び高低速中立位置Cを有する高低速切替え領域(移動許可領域)Bを第1移動規制手段である往路とし、ドラムカム30の逆回転では低速領域(移動禁止領域)D、及び低高速中立位置Fを有する低高速切替え領域(移動許可領域)Eを第2移動規制手段である復路としており、フォーク駆動ピン11eを往復動させるように環状の凹溝に形成されている。
第1カム溝31の高速領域Aは、図5(a)に示すように、円周方向に沿って直線状に延びるように設定されている。高低速切替え領域Bは、高速領域Aの終端(高低速切替え待機位置B)から高低速中立位置Cへ傾斜して延びるように設定されている。高低速中立領域Cは、軸方向に沿って高低速中立位置Cから低速位置(シフト完了位置)Dへ直線状に延びるように設定されている。
第1カム溝31の低速領域Dは、図5(a)に示すように、高速領域Aと平行に円周方向に沿って直線状に延びるように設定されている。低高速切替え領域Eは、高低速切替え領域Bと同一の傾斜角をもって低速領域Dの終端(低高速切替え待機位置E)から低高速中立位置Fへ延びるように設定されている。低高速中立領域Fは、高低速中立領域Cと平行に低高速中立位置Fから高速位置Aへ直線状に形成されている。
一方、ドラムカム30の第2カム溝32は、図5(a)に示すように、高速駆動位置(シフト完了位置)A(F)と、速度切替え待機位置B(E)と、低速駆動位置(シフト完了位置)C(D)とが3段階に形成されている。高速駆動位置A(F)及び速度切替え待機位置B(E)の間の速度切替え領域(移動許可領域)A(E)と、速度切替え待機位置B(E)及び低速駆動位置C(D)との間の速度切替え領域(移動許可領域)B(D)とは、同一の傾斜角をもって円周方向に沿って延びるように形成されている。
(ドラムカムの動作)
表2は、ドラムカム30のシフト位置と、シフトロッド10及びシフトフォーク11の切替えモードとの関係を示している。ここで、表2に示すシフト位置A〜Fは、図5(a)に示す第1カム溝31のカム位置A〜F、及び第2カム溝32のカム位置A〜Fとそれぞれ対応している。
Figure 0005297940
(低速切替え待機)
フォーク駆動ピン11eが第1カム溝31の高低速切替え待機位置Bから高低速中立位置Cを介して低速位置Dに達するまでは、シフトフォーク11はサンギア27と噛み合う高速状態にある(上記表2に示すシフト位置A)。フォーク駆動ピン11eが第1カム溝31の高速位置Aから高低速切替え待機位置Bに変位するときは、ロッド駆動ピン12bは、第2カム溝32の速度切替え領域Aのカム斜面を移動することから、圧縮されたスプリング18の復元力により低速駆動位置D側へ付勢した蓄力状態(事前巻き状態)で速度切替え待機位置Bに停止している(上記表2に示すシフト位置B)。
(低速切替え完了)
高速駆動から低速駆動に切替える切替え指令がアクチュエータ装置3に出力されると、出力軸21及び駆動ロッド22を第1カム溝31の高低速切替え待機位置Bから低速位置Dへ至る範囲で正回転させ、高低速切替え待機位置Bで停止状態にあったフォーク駆動ピン11eはモータ20の回転駆動により第1カム溝31の高低速切替え待機位置Bから高低速中立位置Cを介して低速位置Dに移動する。
一方のロッド駆動ピン12bは、第2カム溝32の速度切替え待機位置Bから低速駆動領域を介して低速駆動位置Dに移動するので、シフトロッド10は、図4の右方向に移動するが、上記第1の実施の形態における2WD−4WDの切替えとは異なり、第2カム溝32の速度切替え領域Bのカム斜面は、第1カム溝31の高低速切替え領域Bと同一の傾斜角でロッド駆動ピン12bを移動する。そのため、フォーク駆動ピン11eは、蓄力機構であるスプリング18に蓄えられるシフト力を保持したままの状態で高低速中立位置Cに移動する。
フォーク駆動ピン11eが第1カム溝31の高低速中立位置Cに移動した時点で、シフト移動したシフトフォーク11のスライドギア26の噛み合いが外れて無負荷状態となり、圧縮されたスプリング18の復元力により、フォーク駆動ピン11eを第1カム溝31の低速位置Dまで即座に移動させ、シフトフォーク11の移動を完了する(上記表2に示すシフト位置C及びD)。
(高速切替え待機)
フォーク駆動ピン11eが第1カム溝31の低速位置Dに切替わり、シフト完了したことをポジションスイッチにより電気的に検出されると、出力軸21及び駆動ロッド22を第1カム溝31の低速位置Dから低高速切替え待機位置Eへ至る範囲で逆回転させる。ロッド駆動ピン12bは第2カム溝32の低速駆動位置Dから速度切替え領域Dのカム斜面を介して速度切替え待機位置Eに移動する。シフトロッド10は、図4の左方向に移動するので、この速度切替え待機位置Eにおいてスプリング18を圧縮した蓄力状態(事前巻き状態)で待機する。一方のフォーク駆動ピン11eは第1カム溝31の低速位置Dから低高速切替え待機位置E上に変位することから、シフトフォーク11のスライドギア26の移動を禁止し、圧縮されたスプリング18の復元力により第1カム溝31の高速位置A側へ付勢した待機状態で低高速切替え待機位置Eに停止する(上記表2に示すシフト位置E)。
(高速切替え完了)
低速駆動から高速駆動に切替える切替え指令がアクチュエータ装置3に出力されると、出力軸21及び駆動ロッド22を第1カム溝31の低高速切替え待機位置Eから高速位置Aへ至る範囲で逆回転させ、ドラムカム30を第1カム溝31の低高速切替え待機位置Eから高速位置Aへ回転させる。上記第1の実施の形態における2WD−4WDの切替えとは異なり、ロッド駆動ピン12bは、第2カム溝32の速度切替え待機位置Eから速度切替え領域Eのカム斜面を介して低速駆動位置Aに移動する。第2カム溝32の速度切替え領域Eのカム斜面は、第1カム溝31の低高速切替え領域Eと同一の傾斜角でロッド駆動ピン12bを移動させるため、フォーク駆動ピン11eは、蓄力機構であるスプリング18に蓄えられるシフト力を保持したままの状態で低高速中立位置Fに移動する。
低高速中立位置Fで停止状態にあったフォーク駆動ピン11eが、サンギア27から外れると、スプリング18の復元力は、フォーク駆動ピン11eを第1カム溝31の高速位置Aに移動させることになるから、スプリング18の復元力により即座に低高速中立位置Fから高速位置Aに切替わる(上記表2に示すシフト位置F及びA)。
(低速切替え待機)
フォーク駆動ピン11eが第1カム溝31の高速位置Aに切替わったことをポジションスイッチにより電気的に検出されると、出力軸21及び駆動ロッド22を第1カム溝31の高速位置Aから高低速切替え待機位置Bへ至る範囲で回転させ、ドラムカム30を高速位置Aから高低速切替え待機位置Bへ回転させる。ロッド駆動ピン12bは第2カム溝32の高速駆動位置Aから速度切替え領域Aのカム斜面を介して速度切替え待機位置Bに移動する。第1カム溝31の高速位置Aで停止状態にあったフォーク駆動ピン11eは、モータ20の回転駆動により高速位置Aから高低速中立位置Bに変位する(上記表2に示すシフト位置B)。以上の操作を繰り返すことで、高速駆動から低速駆動へ、あるいは低速駆動から高速駆動へのシフト操作が効果的に行われる。
(第2の実施の形態の効果)
以上のように構成された第2の実施の形態に係るシフト切替装置1によれば、以下の効果が得られる。
(1)第1カム溝31の高低速中立位置Bから低速位置Dまでの高低速切替え領域Bと、第1カム溝31の低高速切替え待機位置Eから高速位置Aまでの低高速切替え領域Eとにおいて、シフトフォーク11の切替え指令がアクチュエータ装置3に出力される前にシフトフォーク11の移動のためのエネルギーをスプリング18に蓄えておく構成となっている。そのため、シフトフォーク11のシフト時間は、第1カム溝31の低高速中立領域F、あるいは高低速中立領域Cの回転角度と回転速度とで決めることができる。
(2)アクチュエータ装置3内のギア比を2倍に設定すると、モータ20単体の出力トルクを1/2にすることができる。その結果、モータ20の小型化や低コスト化を達成することが可能になる。
(3)以上より、上記第1の実施の形態と同様に、従来のシフト切替装置のようにアクチュエータ装置の駆動力に依存する必要がなくなり、シフトフォーク11のシフト時間を短縮することができるので、アクチュエータ装置3の小型化や低コスト化を達成することが可能になる。
(ドラムカムの変形例)
図5(b)を参照すると、図5(b)には上記第2の実施の形態に係るドラムカム30の変形例が模式的に示されている。なお、上記第2の実施の形態と実質的に同じ部材には同一の部材名と符号を付している。従って、上記第2の実施の形態と実質的に同じ部材に関する詳細な説明は省略する。
上記第2の実施の形態にあっては、シフトフォーク11を第1カム溝31の高速位置A及び低速位置Dの各ポジションから抜くときの切替え荷重をアクチュエータ装置3の駆動力により付与し、高速位置A及び低速位置Dの間にあるニュートラル位置Nから切替え先のポジションに入れるときの切替え荷重をスプリング力により付与していたものを、この変形例では、上記第1の実施の形態における2WD−4WDの切替えと同様に、シフトフォーク11を第1カム溝31の高速位置A及び低速位置Dの各ポジションから抜くときの切替え荷重をスプリング力により付与している。
図5(b)によると、蓄力機構のスプリング力のストロークは、上記第2の実施の形態のスプリング力のストロークよりも長く設定されている。この変形例にあっても、上記第2の実施の形態と同様に、高速駆動から低速駆動へ、あるいは低速駆動から高速駆動へのシフト操作を効果的に行うことができるようにスプリング力を設定している。
[第3の実施の形態]
図6(a)〜図6(c)を参照すると、これらの図には第3の実施の形態に係るシフト切替装置1の一構成例が模式的に示されている。上記第1及び第2の実施の形態にあっては、ドラムカム30の回転運動を直線運動に変換可能な運動変換機構を備えたシフト切替装置1を例示したが、この第3の実施の形態では、軸の回転運動を回転運動に変換可能な運動変換機構を備えたシフト切替装置1を例示している点で上記第1及び第2の実施の形態とは異なっている。
(運動変換機構の構成)
図6(a)〜図6(c)において、支持部材40にスライド自在に支持された規制部材41が入力回転軸42と出力回転軸46との軸方向に沿って並設されている。この規制部材41の軸方向両側には、第1及び第2スプリング43,44が介装されており、図示しないモータの駆動回転方向が正逆どちらであっても圧縮するスプリング43,44の弾力を一時的に蓄え、その蓄えた応力を規制部材41に伝えるスプリングによる蓄力機構が構成されている。
この入力回転軸42の一部外周には、図6(a)及び(b)に示すように、規制部材41を軸方向に沿って進退動させるカム溝45が形成されている。このカム溝45は、軸方向に沿って直線状に延びる第1及び第2の回転規制領域(移動禁止領域)45a,45bの間に、円周方向に沿って傾斜して延びる第1及び第2の切替え領域(移動許可領域)45c,45dのそれぞれの端部を連接するように環状の凹溝に形成されている。
このカム溝45は、モータの正回転(時計回り)では第1の切替え領域45cの始端(第1のシフト完了位置)から第2の回転規制領域45bの終端までの範囲を第1移動規制手段である往路とし、モータの逆回転では第2の切替え領域45dの始端(第2のシフト完了位置)から第1の回転規制領域45aの終端までの範囲を第2移動規制手段である復路としており、入力回転軸42及び出力回転軸46を正逆回転させる構成とされている。
入力回転軸42と出力回転軸46とは、図6(a)及び(c)に示すように、相対回転不能に同一軸上に配されている。出力回転軸46の外周には、規制部材41と係脱する円環状の第1のリングカラー47が形成されている。このリングカラー47の外周端面には、45度の位相差をもって矩形に切欠された第1及び第2の係止孔47a,47bが形成されている。入力回転軸42の他部外周には、第1のリングカラー47と対応して第2のリングカラー48が形成されている。このリングカラー47,48により入力回転軸42の外周に介装されたスプリング49の両端が保持されている。
(運動変換機構の動作)
いま、モータの正回転により入力回転軸42が、図6(a)及び(b)に示すように、第1のリングカラー47の第1の係止孔47aから第2の係止孔47bへ至る範囲で時計回り方向に正回転すると、その入力回転軸42の正回転に伴い、規制部材41の第1の係合ピン41aが入力回転軸42のカム溝45における第1の切替え領域45cの始端から終端に沿って移動する。すると、規制部材41の第2の係合ピン41bが第1スプリング43の弾力に抗して出力回転軸46におけるリングカラー47の係止孔47aから出力回転軸46側に向けて離脱する前に、モータの正回転が一時的に停止する。規制部材41の第1の係合ピン41aは、カム溝45の第1の切替え領域45cの終端に一時的に停止する(待機状態)。
モータを更に正回転方向に駆動させると、規制部材41の第1の係合ピン41aがカム溝45の第1の切替え領域45cの終端から第2の回転規制領域45bに移動する。規制部材41の第2の係合ピン41bは、出力回転軸46のリングカラー47の第1の係止孔47aから出力回転軸46側に離脱し、出力回転軸46が入力回転軸42と一緒に正回転する。出力回転軸46のリングカラー47の第2の係止孔47bが規制部材41の第2の係合ピン41bに嵌る位置(第2の回転規制領域45bの終端)に達する。すると、規制部材41に作用している第1スプリング43の復帰力により規制部材41が入力回転軸42側に即座に移動する。出力回転軸46のリングカラー47の第2の係止孔47bが規制部材41の第2の係合ピン41bに係合する。
モータの逆回転により入力回転軸42が反時計回り方向に逆回転すると、その入力回転軸42の逆回転に伴い、規制部材41の第1の係合ピン41aがカム溝45の第2の回転規制領域45dの始端から終端に沿って移動する。すると、規制部材41の第2の係合ピン41bが第2スプリング44の弾力に抗して出力回転軸46のリングカラー47の第2の係止孔47bから入力回転軸42側に向けて離脱する前に、モータの逆回転が一時的に停止する。規制部材41の第1の係合ピン41aは、カム溝45の第2の切替え領域45dの終端に一時的に停止する(待機状態)。
モータを更に逆回転方向に駆動させると、規制部材41の第1の係合ピン41aがカム溝45の第2の切替え領域45dの終端から第1の回転規制領域45aに移動する。規制部材41の第2の係合ピン41bは出力回転軸46のリングカラー47の第2の係止孔47bから入力回転軸42側に離脱し、出力回転軸46が入力回転軸42と一緒に逆回転する。出力回転軸46のリングカラー47の第1の係止孔47aが規制部材41の第2の係合ピン41bと嵌る位置(第1の回転規制領域45aの終端)に達する。規制部材41に作用している第2スプリング44の復帰力により規制部材41が出力回転軸46側に瞬時に移動する。出力回転軸46のリングカラー47の第1の係止孔47aが規制部材41の第2の係合ピン41bに係合する。以上の操作を繰り返すことで、入力回転軸42の回転運動を出力回転軸46の回転運動に変換するシフト操作が効果的に行われる。
(第3の実施の形態の効果)
上記のように構成された第3の実施の形態に係るシフト切替装置1によれば、モータにより正逆回転される出力回転軸の往復回転運動を入力するピニオンと、ピニオンを直線運動に変換するラックとからなるラック・ピニオン機構、減速機などのギア機構、クラッチ機構、あるいは2WD−4WDの切替え用のシフトロッドなどの各種機構に効果的に使用することができる。
[第4の実施の形態]
図7、図8(a)、及び図8(b)には、第4の実施の形態に係るシフト切替装置1の一構成例が模式的に示されている。なお、上記第1の実施の形態と実質的に同じ部材には同一の部材名と符号を付している。従って、上記第1の実施の形態と実質的に同じ部材に関する詳細な説明は省略する。
これらの図において、上記第1の実施の形態と異なるところは、ドラムカム30を排除して、モータ20からスリーブクラッチ9までの切替え荷重伝達経路上に、アクチュエータ装置3の出力軸21の回転運動を入力するピニオン60の回転運動をラック61の直線運動に変換するラック・ピニオン機構と、そのラック・ピニオン機構の動作を規制するストッパーレバー62による規制機構とを配した点にある。
図7において、この第4の実施の形態に係るシフト切替装置1は、例えばFF(フロントエンジン、フロントドライブ)方式をベースにしたパートタイム四輪駆動車における二輪駆動・四輪駆動(2WD・4WD)への切替えに適用されるものであり、トランスファ装置2とアクチュエータ装置3とを備えている。
(トランスファ装置の構成)
このトランスファ装置2の主軸6の外周には、図7に示すように、クラッチギア64、ハブ65、カウンタギア66、及びハイポイドギア67が同軸的に取り付けられている。シフトフォーク11のボス部11aは、スプリング18による蓄力機構を介してシフトロッド10に摺動可能に外嵌支持されている。シフトフォーク11のスリーブクラッチ9は、2WD選択時に2WD用のクラッチギア64に噛合し、4WD選択時に2WD用のクラッチギア64、及び4WD用のハブ65の双方に噛合する。
シフトロッド10の4WD切替え側の軸部には、アクチュエータ装置3の出力軸21に軸支されたピニオン60の回転運動を直線運動に変換するラック61が軸方向に沿って形成されている。一方のシフトフォーク11のボス部11aの外周面にはストッパーピン63が突設されている。このストッパーピン63には、図示しない保持部材にレバー支軸62aを介して揺動自在に軸支されたストッパーレバー62の先端が係脱されるようになっており、シフトロッド10に対するシフトフォーク11の軸方向の動きが規制されている。
このストッパーレバー62の基端部は、図8(a)及び(b)に示すように、ピニオン60のピニオン軸の半径方向に突出する突出片60aに押圧されるので、この突出片60aの回動により、ストッパーレバー62がレバー支軸62aを中心としてリターンスプリング68の付勢力に抗して揺動する。
この第4の実施の形態にあっても、モータ20からスリーブクラッチ9までの駆動伝達経路上に、スリーブクラッチ9を移動終了位置に移動させる指令が出力される前にシフトフォーク11を待機位置に変位させ、シフトフォーク11を待機位置から移動終了位置に移動させるのに必要な力をスプリング18に蓄えておく蓄力機構と、その蓄力機構の動作を規制するストッパーレバー62によるシフト規制機構とに特徴部を有している。この蓄力機構及びシフト規制機構は、上記各実施の形態と同様に、常に蓄力状態を維持するように構成されている。
(4WD切替え待機)
次に、この第4の実施の形態におけるシフト切替装置1の動作を図7、図8(a)、及び図8(b)を参照しながら説明する。いま、シフトフォーク11が2WD位置に切替わったことをポジションスイッチにより電気的に検出されると、モータ20が反時計回り方向に正回転する。その回転駆動力は、ピニオン60を介してシフトロッド10のラック61に伝達される。モータ20は、ピニオン軸の突出片60aがストッパーレバー62に係合する前に一時的に停止する。これにより、スプリング18の弾力に抗してシフトロッド10を図7の右方向である4WD側へ移動させておく。シフトフォーク11のストッパーピン63は、ストッパーレバー62の先端の2WD側支持面に係止されるので、シフトフォーク11は、4WD位置側へ付勢した蓄力状態(事前巻き状態)で2WD位置側に待機している。
(4WDシフト完了)
2WDから4WDに切替える切替え指令がアクチュエータ装置3に出力されると、出力軸21をピニオン軸の突出片60aを含む半周面を超える範囲に至るまで、正回転方向へ回転駆動させる。その回転駆動力は、図8(b)に示すように、ピニオン60を介してシフトロッド10のラック61に伝達される。ストッパーレバー62の基端部はピニオン軸の突出片60aにより押圧される。ストッパーレバー62はレバー支軸62aを中心として揺動し、ストッパーレバー62とストッパーピン63との係合が解除される。
ストッパーレバー62とストッパーピン63との係合が解除されると、圧縮されたスプリング18の復元力は、シフトフォーク11を移動させることになるから、2WD待機位置で停止状態にあったシフトフォーク11は即座に2WD待機位置から4WD位置に切替わる。ピニオン軸の突出片60aによるストッパーレバー62の基端部の押圧が解除されると、シフトフォーク11のストッパーピン63は、図7に二点鎖線で示すように、ストッパーレバー62の先端の4WD側支持面に係止され、モータ20は停止する。
(2WD切替え待機)
シフトフォーク11が4WD位置に切替わったことをポジションスイッチにより電気的に検出されると、出力軸21が逆回転方向(時計回り方向)に回転駆動する。その回転駆動力は、ピニオン60を介してシフトロッド10のラック61に伝達され、スプリング18の弾力に抗してシフトロッド10を図7の左方向である2WD側へ移動させる。シフトフォーク11のストッパーピン63はストッパーレバー62の先端の4WD側支持面に係止されるので、シフトフォーク11は2WD位置側へ付勢した蓄力状態(事前巻き状態)で4WD待機位置に待機する。4WD切替え前と2WD切替え前の上記操作を繰り返して2WDから4WDへ、あるいは4WDから2WDへのシフト操作が効果的に行われる。
(第4の実施の形態の効果)
以上のように構成された第4の実施の形態に係るシフト切替装置1によれば、上記第1及び第2の実施の形態の効果と同様に、アクチュエータ装置3の設計の自由度を向上させることができる。
以上の説明から明らかなように、本発明は、上記実施の形態、変形例及び図示例に限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲内で様々に設計変更が可能である。上記実施の形態では、FFタイプやFRタイプの四輪駆動車のトランスファの切替機構に本発明のシフト切替装置を適用した場合について説明したが、本発明は、これに限定されるものではないことは勿論であり、例えば不整地用四輪走行車(ATV)やデファレンシャルの切替機構などの各種の駆動伝達経路上に本発明のシフト切替装置を効果的に使用することができる。
1 シフト切替装置
2 トランスファ装置
3 アクチュエータ装置
4 フロントケース
5 リアケース
6 主軸
7 4WD用ギア(クラッチギア)
8 2WD用ギア(スプロケットの歯)
9 スリーブクラッチ
10 シフトロッド
11 シフトフォーク
11a ボス部
11b 切欠スリット
11c 小径円筒部
11d 大径円筒部
11e フォーク駆動ピン
12 シフトブラケット
12a 腕部
12b ロッド駆動ピン
13 スプリングピン
14,15 カラー部材
16,17 スナップリング
18,43,44,49 スプリング
20 モータ
21 出力軸
22 駆動ロッド
23 副変速機構
24 入力軸
25 遊星歯車機構
26 スライドギア
27 高速用ギア
28 低速用ギア
28a ピニオンギアの軸
28b スプラインギア
29 リングギア
30 ドラムカム
31 第1カム溝
32 第2カム溝
40 支持部材
41 規制部材
42 入力回転軸
45 カム溝
45a,45b 回転規制領域
45c,45d 切替え領域
46 出力回転軸
47,48 リングカラー
47a,47b 係止孔
41a,41b 係合ピン
60 ピニオン
60a 突出片
61 ラック
62 ストッパーレバー
62a レバー支軸
63 ストッパーピン
64 クラッチギア
65 ハブ
66 カウンタギア
67 ハイポイドギア
68 リターンスプリング
70 制御部
2WDシフト完了位置(移動終了位置)
2WD停止領域(移動禁止領域)
4WD待機位置
2WD・4WD切替え領域(移動許可領域)
4WD停止領域(移動禁止領域)
4WDシフト完了位置(移動終了位置)
4WD停止領域(移動禁止領域)
2WD待機位置
4WD・2WD切替え領域(移動許可領域)
2WD停止領域(移動禁止領域)
2WD駆動停止位置
(D) 2WD駆動停止領域
4WD駆動待機位置
(C) 4WD駆動停止領域
4WD駆動停止位置
2WD駆動待機位置
(B) 切替え駆動領域
高速位置
高速領域
高低速切替え待機位置
高低速切替え領域
高低速中立位置
高低速中立領域
低速位置
低速領域
低高速切替え待機位置
高低速中立領域
低高速中立位置
低高速切替え領域
高速駆動位置
(E) 速度切替え待機位置
(E) 速度切替え領域
(D) 速度切替え領域
(E) 速度切替え領域
低速駆動位置

Claims (5)

  1. 第1及び第2の位置の間で移動する第1のシフト部材と、
    前記第1のシフト部材が前記第1の位置にあるとき、前記第2の位置に対応した待機位置にあり、前記第1のシフト部材が前記第2の位置にあるとき、前記第1の位置に対応した待機位置にある第2のシフト部材と、
    前記第2のシフト部材が前記第1又は第2の待機位置にあるとき、前記第1のシフト部材を前記第1及び第2の位置の間で移動させる移動力を蓄積する蓄力バネと、
    前記蓄力バネが前記移動力を蓄積しているとき、前記移動力に基づく前記第1のシフト部材の移動の規制及びこの規制を解除する規制手段と、
    前記第1のシフト部材及び前記第2のシフト部材を移動させる駆動源と、
    前記第1のシフト部材を前記第1の位置から前記第2の位置へ、あるいは前記第2の位置から前記第1の位置へ移動させる移動指令を入力したとき、前記駆動源の駆動によって前記規制手段による前記規制を解除して前記蓄力バネの前記移動力によって前記第1のシフト部材を前記第2の位置あるいは前記第1の位置へ移動させるように前記駆動源を制御する制御手段とを備え、
    前記規制手段は、前記駆動源の回転運動を直線運動に変換するドラムカムを有し、
    前記ドラムカムには、第1カム溝と第2カム溝とが軸線方向に独立して形成され、
    前記第1カム溝には、前記第1のシフト部材の移動を禁止する第1禁止領域、及び前記第1のシフト部材の移動を許容する第1許容領域が形成され、
    前記第2カム溝には、前記第1禁止領域に対応して前記第2のシフト部材の移動を許容する第2許容領域、及び前記第1許容領域に対応して前記第2のシフト部材の移動を禁止する第2禁止領域が形成され、
    前記第1のシフト部材を前記第1禁止領域に係合させるとともに、前記第2のシフト部材を前記第2許容領域に係合させ、前記駆動源の駆動により前記第2のシフト部材を前記待機位置に移動させることで前記蓄力バネを圧縮させて前記移動力を蓄積し、
    前記駆動源の駆動により、前記第1のシフト部材を前記第1禁止領域から前記第1許容領域に係合させるとともに、前記第2のシフト部材を前記第2許容領域から前記第2禁止領域に係合させ、前記圧縮した蓄力バネの付勢力により前記第1のシフト部材を前記第2の位置あるいは前記第1の位置へ移動させることを特徴とするシフト切替装置。
  2. 前記第1カム溝は、軸線方向に並べた一対の前記第1禁止領域の間に、周方向に並べた一対の前記第1許容領域の端部を連接した環状の凹溝であり、
    前記第2カム溝は、周方向に延びる一対の前記第2禁止領域の間に、周方向に傾斜して延びる前記第2許容領域の端部を連接した蛇行状の凹溝であることを特徴とする請求項記載のシフト切替装置。
  3. 前記第1のシフト部材は、2輪駆動と4輪駆動とに切替えるためのシフトフォークであり、
    前記第2のシフト部材は、前記シフトフォークを移動させるためのシフトロッドであることを特徴とする請求項記載のシフト切替装置。
  4. 前記第1のシフト部材は、少なくとも高速段と低速段とに切替えるためのシフトフォークであり、
    前記第2のシフト部材は、前記シフトフォークを移動させるためのシフトロッドであることを特徴とする請求項記載のシフト切替装置。
  5. 前記駆動源は、正逆回転可能なモータを有してなることを特徴とする請求項記載のシフト切替装置。
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