JP2010163640A - 金属表面処理用処理液、金属表面処理方法および金属材料 - Google Patents

金属表面処理用処理液、金属表面処理方法および金属材料 Download PDF

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Abstract

【課題】鉄系金属材料、亜鉛系金属材料、アルミニウム系金属材料、マグネシウム系金属材料等の幅広い金属材料に対して、耐食性に優れ、電着塗装付き廻り性も良好な表面処理を施すことを可能とする、金属表面処理用処理液の提供。
【解決手段】銅、スズおよびコバルトからなる群から選択される少なくとも1種の金属(A)と、ジルコニウムおよびチタンからなる群から選択される少なくとも1種の金属(B)と、下記式(i)等で表される構成単位を有する水溶性高分子(C)とを所定量含有する金属表面処理用処理液。
Figure 2010163640

【選択図】なし

Description

本発明は、自動車車体に代表される金属材料の表面に、耐食性に優れる表面処理皮膜を形成させることを可能とする、金属表面処理用処理液および金属表面処理方法、ならびに、この方法で得られる金属材料に関する。
金属表面に塗装後の耐食性に優れる表面処理皮膜を析出させる手法としては、リン酸亜鉛処理法やクロメート処理法が現在一般に用いられている。
ここで、リン酸亜鉛処理法では、熱延鋼板や冷延鋼板等の鋼、亜鉛めっき鋼板および一部のアルミニウム合金表面に耐食性に優れる皮膜を析出させることができる。
しかしながら、リン酸亜鉛処理を行う際には、反応の副生成物であるスラッジの発生が避けられず、かつ、アルミニウム合金の種類によっては塗装後の耐糸錆性を十分に確保することができない。
また、アルミニウム合金に対しては、クロメート処理を施すことによって十分な塗装後の性能を確保することが可能である。
しかしながら、昨今の環境規制から処理液中に有害な6価クロムを含むクロメート処理は敬遠される方向にある。
そこで、処理液中に有害成分を含まない表面処理方法として、種々の方法が提案されている。
例えば、特許文献1には、「ジルコニウム、チタン及びハフニウムからなる群より選ばれる少なくとも一種、フッ素、並びに、密着性及び耐食性付与剤からなる化成処理剤であって、前記密着性及び耐食性付与剤は、
亜鉛、マンガン、及び、コバルトイオンからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属イオン(A)1〜5000ppm(金属イオン濃度)、
アルカリ土類金属イオン(B)1〜5000ppm(金属イオン濃度)、
周期律表第三属金属イオン(C)1〜1000ppm(金属イオン濃度)、
銅イオン(D)0.5〜100ppm(金属イオン濃度)、及び、
ケイ素含有化合物(E)1〜5000ppm(ケイ素成分として)
からなる群より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする化成処理剤。」が記載されている。
また、特許文献2には、「ジルコニウム、チタン及びハフニウムからなる群より選ばれる少なくとも一種、フッ素、密着性付与剤、並びに、化成反応促進剤からなる化成処理剤であって、
前記密着性付与剤は、亜鉛、マンガン、及び、コバルトイオンからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属イオン(A)、アルカリ土類金属イオン(B)、周期律表第三属金属イオン(C)、銅イオン(D)、ケイ素含有化合物(E)、少なくとも一部に下記式(1);
Figure 2010163640
及び/又は下記式(2);
Figure 2010163640
で表される構成単位を有する水溶性樹脂(F)、アミノ基を有する水溶性エポキシ化合物(G)、並びに、シランカップリング剤、及び/又は、その加水分解物(H)からなる群より選ばれる少なくとも一種であり、
前記化成反応促進剤は、亜硝酸イオン、ニトロ基含有化合物、硫酸ヒドロキシルアミン、過硫酸イオン、亜硫酸イオン、次亜硫酸イオン、過酸化物、鉄(III)イオン、クエン酸鉄化合物、臭素酸イオン、過塩素酸イオン、塩素酸イオン、亜塩素酸イオン、並びに、アスコルビン酸、クエン酸、酒石酸、マロン酸、コハク酸及びそれらの塩からなる群から選ばれる少なくとも一種であり、
前記化成反応促進剤の配合量は、1〜5000ppmであることを特徴とする化成処理剤。」が記載されている。
また、特許文献3では、本出願人により、「次の成分(A)、成分(B)および成分(C):
(A)Ti、Zr、HfおよびSiからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含む化合物
(B)ナフタレンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸−ホルムアルデヒド縮合物、スチレンスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、ビニルアミン、ポリビニルアミン、アリルアミン、ポリアリルアミンおよびこれらの誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物
(C)Ag、Al、Cu、Fe、Mn、Mg、Ni、Co、Zn、CaおよびSrからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属元素を含む化合物
を含有し、前記成分(B)の合計質量濃度Bと前記成分(A)中の前記元素の合計質量濃度Aの比であるK1=B/Aが、0.01≦K1≦50を満足し、前記成分(A)の化合物中の前記元素の合計質量濃度Aが5〜10000mg/Lであり、前記成分(C)の前記化合物中の前記金属元素の合計質量濃度が1〜50000mg/Lである、金属表面処理用処理液。」が提案されている。
更に、特許文献4には、「ジルコニウムイオン、銅イオン、および、その他の金属イオンを含む、pHが1.5〜6.5のカチオン電着塗装用金属表面処理液であって、
前記その他の金属イオンが、錫イオン、インジウムイオン、アルミニウムイオン、ニオブイオン、タンタルイオン、イットリウムイオン、セリウムイオンからなる群から少なくとも1つ選ばれるものであって、
前記ジルコニウムイオンの濃度が10〜10000ppmであり、
前記ジルコニウムイオンに対する銅イオンの濃度比が質量換算で0.005〜1であり、
前記その他の金属イオンの銅イオンに対する濃度比が質量換算で0.1〜1000である、カチオン電着塗装用金属表面処理液。」が記載されている。
特開2004−218073号公報 特開2004−218075号公報 特開2005−264230号公報 特開2008−174832号公報
本発明者は、上述した特許文献1に記載されている化成処理剤について鋭意研究した結果、銅イオンの濃度および鉄系金属材料、亜鉛系金属材料、アルミニウム系金属材料、マグネシウム系金属材料等の金属材料の種類によっては耐食性の改善できない場合があること、言い換えると、鉄系金属材料、亜鉛系金属材料、アルミニウム系金属材料、マグネシウム系金属材料等の全ての金属材料に対して同一組成の化成処理剤では処理できないことを明らかとした。
また、本発明者は、上述した特許文献2および4に記載されている化成処理剤およびカチオン電着塗装用金属表面処理液について鋭意研究した結果、電着塗装時の塗装の付き廻り性(以下、「電着塗装付き廻り性」という。)が悪く、袋構造物(例えば、自動車車体のような輸送用の構造物)には不向きであることを明らかとした。
更に、本発明者は、上述した特許文献3に記載されている金属表面処理用処理液について鋭意研究した結果、使用するナフタレンスルホン酸等の化合物およびAg等の金属元素を含む化合物ならびに鉄系金属材料、亜鉛系金属材料、アルミニウム系金属材料、マグネシウム系金属材料等の金属材料の種類によっては、耐食性の改善が十分ではない場合があることを明らかとした。
そこで、本発明は、鉄系金属材料、亜鉛系金属材料、アルミニウム系金属材料、マグネシウム系金属材料等の幅広い金属材料に対して、耐食性に優れ、電着塗装付き廻り性も良好な表面処理を施すことを可能とする、金属表面処理用処理液を提供することを目的とする。
そして、本発明者は、上記目的を達成すべく引き続き鋭意研究した結果、銅、スズまたはコバルトを金属材料表面に析出(付着)させると、電着塗装付き廻り性が大幅に改善されることを知見した。また、銅、スズまたはコバルトをジルコニウムまたはチタンと同時に金属材料表面に析出させた複合皮膜を形成すると、高い耐食性を付与できることを知見した。更に、アルミニウム系の金属材料表面に銅、スズまたはコバルトを過度に析出させると耐糸錆性が低下することを確認し、これに対して特定のアミン構造を構成単位として有する水溶性高分子を添加することでアルミニウム系金属材料表面への銅等の過度の析出を抑制し、かつ、他の金属材料(鉄系、亜鉛系等)表面への析出は確保できることを知見した。
本発明者は、これらの知見に基づき、下記構成の金属表面処理用処理液が、幅広い金属材料に対して、耐食性に優れ、電着塗装付き廻り性も良好な表面処理を施すことを可能とする金属表面処理用処理液となることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の(1)〜(17)を提供するものである。
(1)銅、スズおよびコバルトからなる群から選択される少なくとも1種の金属(A)と、
ジルコニウムおよびチタンからなる群から選択される少なくとも1種の金属(B)と、
下記式(i)〜(iii)のいずれかで表される構成単位を有する水溶性高分子(C)とを含有し、
上記金属(A)の含有量が、0.01〜10mmol/Lであり、
上記金属(B)の含有量が、0.1〜10mmol/Lであり、
上記水溶性高分子(C)の含有量が、5〜500mg/Lである、金属表面処理用処理液。
Figure 2010163640

(式中、R1は、単結合または置換基を有していてもよい炭素数1〜5のアルキレン基を表し、R2およびR3は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数1〜5のアルキル基を表す。R4は、エチレン基またはプロパン−1,3−ジイル基を表し、nは1〜10の整数を表す。)
(2)上記式(i)で表される構成単位を有する水溶性高分子(C)が、ポリジアリルアミンである上記(1)に記載の金属表面処理用処理液。
(3)更に、硝酸根を含有する化合物(D)を5〜500mmol/L含有する上記(1)または(2)に記載の金属表面処理用処理液。
(4)更に、亜鉛(E)を2〜200mmol/L含有する上記(1)〜(3)のいずれかに記載の金属表面処理用処理液。
(5)更に、アルミニウム、マグネシウムおよび鉄からなる群から選択される少なくとも1種の金属(F)を0.4〜400mmol/L含有する上記(1)〜(4)のいずれかに記載の金属表面処理用処理液。
(6)更に、1種以上のフッ素化合物(G)を以下に示す最小値〜最大値の範囲で含有する上記(5)に記載の金属表面処理用処理液。
最小値=上記金属(A)の含有量×2+上記金属(B)の含有量×4+上記金属(F)の含有量×2
最大値=上記金属(A)の含有量×4+上記金属(B)の含有量×7+上記金属(F)の含有量×4
(7)更に、金属キレート剤(H)を含有する上記(1)〜(6)のいずれかに記載の金属表面処理用処理液。
(8)更に、ケイ素化合物(I)を含有する上記(1)〜(7)のいずれかに記載の金属表面処理用処理液。
(9)更に、水素酸、酸素酸およびこれらの塩類、ニトロ基含有化合物ならびにアミノ基含有化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化成反応促進剤(J)を含有する上記(1)〜(8)のいずれかに記載の金属表面処理用処理液。
(10)上記金属キレート剤(H)が、シュウ酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、有機フォスフォン酸、ニトリロ2酢酸(NTA)、エチレンジアミン4酢酸(EDTA)、ヒドロシエチレンジアミン3酢酸(HEDTA)およびこれらの塩類からなる群から選択される少なくとも1種であり、
上記金属キレート剤(H)の含有量が、5〜5000mg/Lである上記(7)〜(9)のいずれかに記載の金属表面処理用処理液。
(11)上記ケイ素化合物(I)が、シリカ、ケイ酸塩化合物およびシランカップリング剤からなる群から選択される少なくとも1種であり、
上記ケイ素化合物(I)の含有量が、10〜1000mg/Lである上記(8)〜(10)のいずれかに記載の金属表面処理用処理液。
(12)上記化成反応促進剤(J)が、亜硝酸、過硫酸、亜硫酸、次亜硫酸、臭素酸、塩素酸、亜塩素酸およびこれらの塩類、硫酸ヒドロキシルアミンならびに過酸化水素からなる群から選択される少なくとも1種であり、
上記化成反応促進剤(J)の含有量が、5〜5000mg/Lである上記(9)〜(11)のいずれかに記載の金属表面処理用処理液。
(13)pHが2.5〜5.0である上記(1)〜(12)のいずれかに記載の金属表面処理用処理液。
(14)金属材料に、上記(1)〜(13)のいずれかに記載の金属表面処理用処理液を接触させる処理液接触工程を有する、金属表面処理方法。
(15)上記金属材料が、鉄系金属材料、亜鉛系金属材料、アルミニウム系金属材料およびマグネシウム系金属材料からなる群から選択される少なくとも1種の金属材料である上記(14)に記載の金属表面処理方法。
(16)鉄系金属材料表面、亜鉛系金属材料表面またはマグネシウム系金属材料表面に、上記(15)に記載の金属表面処理方法によって形成された、上記金属(A)を含有し、かつ、上記金属(A)の元素換算の付着量が1〜100mg/m2であり、上記金属(B)を含有し、かつ、上記金属(B)の元素換算の付着量が5〜500mg/m2である表面処理皮膜層を有する、金属材料。
(17)アルミニウム系金属材料表面に、上記(15)に記載の金属表面処理方法によって形成された、上記金属(A)を含有し、かつ、上記金属(A)の元素換算の付着量が50mg/m2以下であり、上記金属(B)を含有し、かつ、上記金属(B)の元素換算の付着量が5〜500mg/m2である表面処理皮膜層を有する、金属材料。
本発明によれば、以下に示すように、鉄系金属材料、亜鉛系金属材料、アルミニウム系金属材料、マグネシウム系金属材料等の幅広い金属材料に対して、耐食性に優れ、電着塗装付き廻り性も良好な表面処理を施すことを可能とする、金属表面処理用処理液を提供することができる。
本発明の金属表面処理用処理液が、このような効果を奏する理由は明確ではないが、本発明者は以下のように推察している。
すなわち、銅、スズまたはコバルトは、反応初期段階において下記式で表される置換反応により析出し、ジルコニウムまたはチタンの析出反応を促進して金属材料の耐食性を向上させると考えられる。
MeA(金属材料)+MeBn+(処理液中金属)→MeAn++MeB(析出)
そして、析出した銅、スズまたはコバルトは、その大部分が金属表面に酸化物、水酸化物で存在し、一部は金属の形態で存在しているものと考えられ、これらの析出物が導体、半導体の性質により電着塗装時の水素ガス発生を適切に制御し、結果として析出する電着塗膜の抵抗を高め、電着塗装付き廻り性を高めていると考えられる。
また、金属材料表面に析出した銅、スズまたはコバルトは、反応終期段階において、金属材料表面の被膜欠陥部を被覆し、金属材料の耐食性を向上させると考えられる。
一方、アルミニウム系金属材料に対しては、上述したように耐糸錆性の観点から銅等の過度の析出を抑制する必要があるが、特定のアミン構造を構成単位として有する水溶性高分子を添加することにより、反応基であるアミノ基が下記式で表されるように金属(Me)表面に吸着し、上述した銅等の置換反応を抑制していると考えられる。
Me+(R−NH−R)→Me:NH(R)2
そして、特定のアミン構造を構成単位として有する水溶性高分子自体は、金属材料表面に付着しても電着塗装付き電着廻り性に対して悪影響を及ぼさないことから、アルミニウム系金属材料を含めた種々の金属材料に対して、耐食性および電着塗装付き廻り性を両立することが可能となったと考えられる。
なお、本発明者は、水溶性高分子として、ポリビニルアミン、アリルアミン、ポリアリルアミンのような1級アミンを反応基とする化合物を用いた場合は、金属表面への吸着性が高く、電着塗装付き廻り性に悪影響を及ぼすことを確認している。
また、本発明の金属表面処理用処理液は、塗膜密着性も良好な表面処理を施すことができ、環境に有害な成分を含まないため非常に有用である。
更に、本発明においては、表面調整工程および後処理工程を必要としないため処理工程の短縮および省スペース化を図ることもできる。
以下、本発明の金属表面処理用処理液(以下、単に「本発明の処理液」という。)、本発明の金属表面処理方法(以下、単に「本発明の処理方法」という。)および本発明の金属材料について詳細に説明する。
〔本発明の処理液〕
本発明の処理液は、銅、スズおよびコバルトからなる群から選択される少なくとも1種の金属(A)と、ジルコニウムおよびチタンからなる群から選択される少なくとも1種の金属(B)と、上記式(i)〜(iii)のいずれかで表される構成単位を有する水溶性高分子(C)とを含有し、上記金属(A)の含有量が、0.01〜10mmol/Lであり、上記金属(B)の含有量が、0.1〜10mmol/Lであり、上記水溶性高分子(C)の含有量が、5〜500mg/Lである、金属表面処理用の処理液である。
<金属材料>
本発明の処理液による表面処理の対象は、金属材料である。
上記金属材料は特に限定されないが、鉄系金属材料、亜鉛系金属材料、アルミニウム系金属材料およびマグネシウム系金属材料に好適に適用される。
上記鉄系金属材料は、特に限定されないが、例えば、冷間圧延鋼板、熱間圧延鋼板等の鋼板;鋳鉄;焼結材;等が挙げられる。
上記亜鉛系金属材料は、特に限定されないが、例えば、亜鉛ダイキャスト、亜鉛含有めっき等が挙げられる。亜鉛含有めっきは、亜鉛または亜鉛と他の金属(例えば、ニッケル、鉄、アルミニウム、マンガン、クロム、マグネシウム、コバルト、鉛、アンチモン等の少なくとも1種との合金および不可避不純物)によりめっきされたものである。めっき方法は特に限定されず、例えば、溶融めっき、電気めっき、蒸着めっき等が挙げられる。
上記アルミニウム系金属材料は、特に限定されないが、例えば、5000系アルミニウム合金、6000系アルミニウム合金等のアルミニウム合金板材;ADC−12に代表されるアルミニウム合金ダイキャスト;等が挙げられる。
上記マグネシウム系金属材料は、特に限定されないが、マグネシウム合金を用いた板材、ダイキャスト等が挙げられる。
本発明においては、2種以上の金属材料を同時に表面処理することもできる。2種以上の金属材料を同時に表面処理する場合は、異種金属同士が接触しない状態で表面処理されてもよく、溶接、接着、リベット止め等の接合方法によって異種金属同士が接合接触した状態で表面処理されてもよい。
次に、本発明の処理液に含有する金属(A)、金属(B)および水溶性高分子(C)ならびに所望により含有していてもよい他の金属等について詳述する。
<金属(A)>
金属(A)は、銅、スズおよびコバルトからなる群から選択される少なくとも1種の金属である。
本発明においては、金属(A)は、これらの元素を含む化合物として含有するのが好ましい。
このような化合物としては、具体的には、例えば、硝酸銅、硫酸銅、フッ化銅;硫酸スズ、フッ化スズ;硝酸コバルト、硫酸コバルト、フッ化コバルト;等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、金属材料表面において、置換反応による析出が容易となり、後述する金属(B)の析出反応をより促進するとの理由から、硝酸銅、フッ化銅、硝酸コバルト、フッ化コバルトであるのが好ましい。
また、本発明においては、上記金属(A)の含有量は、0.01〜10mmol/Lであり、0.05〜5mmol/Lであるのが好ましい。
含有量がこの範囲であると、金属材料表面における析出量が適当量となり、幅広い金属材料に対して、耐食性に優れ、電着塗装付き廻り性も良好な表面処理を施すことができる。
<金属(B)>
金属(B)は、ジルコニウムおよびチタンからなる群から選択される少なくとも1種の金属である。
本発明においては、金属(B)は、これらの元素を含む化合物として含有するのが好ましい。
このような化合物としては、具体的には、例えば、硫酸チタン、オキシ硫酸チタン、硫酸チタンアンモニウム、硝酸チタン、オキシ硝酸チタン、硝酸チタンアンモニウム、フルオロチタン酸、フルオロチタン錯塩;硫酸ジルコニウム、オキシ硫酸ジルコニウム、硫酸ジルコニウムアンモニウム、オキシ硝酸ジルコニウム、硝酸ジルコニウムアンモニウム、フルオロジルコニウム酸、フルオロジルコニウム錯塩;等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、金属材料表面に析出せずに処理液中に蓄積されるアニオン成分が腐食因子にならないという理由から、硝酸チタン、オキシ硝酸チタン、硝酸チタンアンモニウム、フルオロチタン酸、フルオロチタン錯塩、オキシ硝酸ジルコニウム、硝酸ジルコニウムアンモニウム、フルオロジルコニウム酸、フルオロジルコニウム錯塩であるのが好ましい。
また、本発明においては、上記金属(B)の含有量は、0.1〜10mmol/Lであり、0.5〜5mmol/Lであるのが好ましい。
含有量がこの範囲であると、金属材料表面における析出量が適当量となり、幅広い金属材料に対して、耐食性に優れ、塗料密着性も良好な表面処理を施すことができる。
<水溶性高分子(C)>
水溶性高分子(C)は、下記式(i)〜(iii)のいずれかで表される構成単位を有する水溶性の高分子である。
Figure 2010163640

(式中、R1は、単結合または置換基を有していてもよい炭素数1〜5のアルキレン基を表し、R2およびR3は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数1〜5のアルキル基を表す。R4は、エチレン基またはプロパン−1,3−ジイル基(プロピレン基)を表し、nは1〜10の整数を表す。)
ここで、上記式(ii)および(iii)中、R1のアルキレン基としては、具体的には、例えば、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ヘプタン−1,5−ジイル基、2−メチルブタン−1,4−ジイル基等が挙げられる。R1としては、メチレン基であるのが好ましい。
また、上記式(ii)および(iii)中、R2およびR3のアルキル基としては、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、プロパン−2−イル基(イソプロピル基)、2−メチルプロパン−2−イル基(tert-ブチル基)等が挙げられる。R2としては、メチル基、エチル基であるのが好ましい。
本発明においては、上記式(i)で表される構造単位を有する水溶性高分子は、上記式(i)で表される構造単位と他の構造単位(繰り返し単位)を有するブロック共重合体やランダム共重合体であってもよいが、上記式(i)で表される構造単位のみを有する単独重合体であるのが好ましい。
ここで、ブロック共重合体としては、具体的には、例えば、アリルアミン塩酸塩・ジアリルアミン塩酸塩共重合体、アリルアミン酢酸塩・ジアリルアミン酢酸塩共重合体等が挙げられ、単独重合体としては、ポリジアリルアミンが挙げられる。
また、上記式(ii)で表される構造単位を有する水溶性高分子は、上記式(ii)で表される構造単位と他の構造単位(繰り返し単位)を有するブロック共重合体やランダム共重合体であってもよいが、上記式(ii)で表される構造単位のみを有する単独重合体であるのが好ましい。
ここで、ブロック共重合体としては、具体的には、例えば、アリルアミン・ジメチルアリルアミン共重合体等が挙げられ、単独重合体としては、具体的には、例えば、ポリジメチルアリルアミン等が挙げられる。
更に、上記式(iii)で表される構造単位を有する水溶性高分子は、上記式(iii)で表される構造単位と他の構造単位(繰り返し単位)を有するブロック共重合体やランダム共重合体であってもよいが、上記式(iii)で表される構造単位のみを有する単独重合体であるのが好ましい。
ここで、単独重合体としては、具体的には、例えば、ポリオキシエチレンアリルアミン、ポリオキシプロピレンアリルアミン等が挙げられる。
また、本発明においては、上記水溶性高分子(C)の含有量は、5〜500mg/Lであり、20〜200mg/Lであるのが好ましい。
含有量がこの範囲であると、アルミニウム系金属材料に対して銅等の過度の析出を抑制することで耐糸錆性を担保することができ、また、アルミニウム系金属材料を含めた種々の金属材料に対して、耐食性および電着塗装付き廻り性を両立する表面処理を施すことができる。
<化合物(D)>
本発明の処理液は、上述した金属(A)、金属(B)および水溶性高分子(C)以外にも、化合物(D)を含有するのが好ましい態様の一つである。
化合物(D)は、硝酸根を含有する化合物である。
化合物(D)としては、具体的には、例えば、硝酸、硝酸アンモニウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸ゲルマニウム、硝酸カルシウム、硝酸ストロンチウム、硝酸マンガン等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、本発明においては、上記化合物(D)の含有量は、5〜500mmol/Lであるのが好ましく、30〜300mmol/Lであるのがより好ましい。
含有量がこの範囲であると、幅広い金属材料に対して、耐食性がより向上した表面処理を施すことができる。
これは、化合物(D)が、本発明の処理液と金属材料との界面で生起する過度なエッチングを抑制し、本発明の金属材料における表面処理皮膜層の均一性に寄与するためであると考えられる。
<亜鉛(E)>
本発明の処理液は、上述した金属(A)、金属(B)および水溶性高分子(C)以外にも、亜鉛(E)を含有するのが好ましい態様の一つである。
亜鉛(E)としては、具体的には、硝酸亜鉛、硫酸亜鉛、酸化亜鉛、炭酸亜鉛等が好適に例示され、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、本発明においては、上記亜鉛(E)の含有量は、2〜200mmol/Lであるのが好ましく、10〜100mmol/Lであるのがより好ましい。
含有量がこの範囲であると、幅広い金属材料に対して、耐食性がより向上した表面処理を施すことができる。
これは、亜鉛(E)が、上記化合物(D)と同様、本発明の処理方法において、本発明の処理液と金属材料との界面で生起する過度なエッチングを抑制し、表面処理皮膜層の均一性に寄与するためであると考えられる。
<金属(F)>
本発明の処理液は、上述した金属(A)、金属(B)および水溶性高分子(C)以外にも、金属(F)を含有するのが好ましい態様の一つである。
金属(F)は、アルミニウム、マグネシウムおよび鉄からなる群から選択される少なくとも1種の金属である。
金属(F)としては、具体的には、例えば、硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、フッ化アルミニウム;硝酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、フッ化マグネシウム;硝酸鉄、硫酸鉄、塩化鉄;等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、金属材料表面に析出せずに処理液中に蓄積されるアニオン成分が腐食因子にならないという理由から、硝酸アルミニウム、フッ化アルミニウム、硝酸マグネシウム、フッ化マグネシウム、硝酸鉄であるのが好ましい。
また、本発明においては、上記金属(F)の含有量は、0.4〜400mmol/Lであるのが好ましく、1〜100mmol/Lであるのがより好ましい。
含有量がこの範囲であると、幅広い金属材料に対して、耐食性がより向上した表面処理を施すことができる。
これは、金属(F)が、上記化合物(D)と同様、本発明の処理方法において、本発明の処理液と金属材料との界面で生起する過度なエッチングを抑制し、表面処理皮膜層の均一性に寄与するためであると考えられる。
<フッ素化合物(G)>
本発明の処理液は、上述した金属(A)、金属(B)および水溶性高分子(C)以外にも、フッ素化合物(G)を含有するのが好ましい態様の一つである。
フッ素化合物(G)としては、具体的には、例えば、フッ化水素酸、フッ化アンモニウム、フッ化水素アンモニウム、フッ化ゲルマニウム、フッ化カリウム、フッ化水素カリウム、フッ化鉄、フッ化ナトリウム、フッ化水素ナトリウム等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明においては、上記フッ素化合物(G)は、以下に示す最小値〜最大値の範囲で含有するのが好ましい。
最小値=上記金属(A)の含有量×2+上記金属(B)の含有量×4+上記金属(F)の含有量×2
最大値=上記金属(A)の含有量×4+上記金属(B)の含有量×7+上記金属(F)の含有量×4
また、本発明においては、上記フッ素化合物(G)は、以下に示す最小値〜最大値の範囲で含有するのがより好ましい。
最小値=上記金属(A)の含有量×2+上記金属(B)の含有量×6+上記金属(F)の含有量×2
最大値=上記金属(A)の含有量×3+上記金属(B)の含有量×6+上記金属(F)の含有量×4
上記フッ素化合物(G)の含有量が上述した範囲であると、本発明の処理液の安定性が良好となり、また耐食性がより向上した表面処理を施すことができ、更に表面処理の連続操業時のスラッジの発生を抑制することができる。
このような効果が奏することについて、本発明者は、以下のように推察している。
すなわち、基本的に、上記金属(A)は2価〜4価、上記金属(B)は6価、上記金属(F)はアルミニウムであれば3価、マグネシウムであれば2価、鉄であれば2価〜3価で安定的なフッ化物を形成するものである。
また、上記フッ素化合物(G)が余剰の場合は、HFとして存在していると考えられる。そして、上記フッ素化合物(G)が余剰に存在すると本発明の処理液の安定性は向上するが、あまりに余剰であると金属材料表面に表面処理皮膜層が形成しにくくなると考えられる。
一方、上記フッ素化合物(G)が少な過ぎる場合は、本発明の処理液と金属材料との界面で生起するエッチングの能力が低下し、部分的(例えば、比較的活性な表面部分)な表面エッチングを起こし、結果として皮膜の均一性が悪くなり耐食性が劣ることになると考えられる。また、本発明の処理液の安定性も低下し、スラッジの発生を抑制しにくくなると考えられる。
<金属キレート剤(H)>
本発明の処理液は、更に金属キレート剤(H)を含有するのが好ましい。
金属キレート剤(H)は、基本的に本発明の処理液の安定性を高める効果を有する。
特に、本発明の金属処理方法における処理液接触工程の前工程(例えば、脱脂等)からの液の持ち込みが多い場合(例えば、水洗工程や水量が不足がちなライン等)には、pHが上昇傾向にあり処理液の安定性が損なわれる場合がある。
そのため、このような場合に金属キレート剤(H)を含有するのが好ましい。
上記金属キレート剤(H)としては、具体的には、例えば、シュウ酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、マロン酸、有機フォスフォン酸、ニトリロ2酢酸(NTA)、エチレンジアミン4酢酸(EDTA)、ヒドロシエチレンジアミン3酢酸(HEDTA)、これらの塩類等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、上述した金属(A)および金属(B)の析出に影響のない、リンゴ酸、マロン酸、有機フォスフォン酸、HEDTA、これらの塩類であるのが好ましい。
本発明においては、上記キレート剤(H)の含有量が、5〜5000mg/Lであるのが好ましく、10〜1000mg/Lであるのがより好ましい。
<ケイ素化合物(I)>
本発明の処理液は、更にケイ素化合物(I)を含有するのが好ましい。
ケイ素化合物(I)は、塗料密着性を向上させる効果を有する。例えば、本発明の金属材料の表面処理皮膜層の上に塗布する電着塗装の塗料が密着性の悪い場合等に含有するのが好ましい。
上記ケイ素化合物(I)としては、例えば、シリカ、ケイ酸塩化合物、シランカップリング剤等が挙げられ、これらに該当する化合物を1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
シリカとしては、具体的には、コロイダルシリカ等が好適に例示される。
また、ケイ酸塩化合物としては、具体的には、ケイ酸、ケイ酸リチウム等が好適に例示される。
また、シランカップリング剤としては、具体的には、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシラン化合物が好適に例示される。
本発明においては、上記ケイ素化合物(I)の含有量は、10〜1000mg/Lであるのが好ましく、30〜300mg/Lであるのがより好ましい。
<化成反応促進剤(J)>
本発明の処理液は、更に化成反応促進剤(J)を含有するのが好ましい。
化成反応促進剤(J)は、本発明の処理液と金属材料との界面で生起するエッチングの際に発生する水素ガスを抑制し、エッチングを促進させる効果を有し、例えば、金属材料の表面に厚い酸化膜が形成されている場合、合金成分の偏析が著しい場合等に含有するのが好ましい。
上記化成反応促進剤(J)としては、例えば、水素酸、酸素酸、これらの塩類;ニトロ基含有化合物;アミノ基含有化合物等が挙げられ、これらに該当する化合物を1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
具体的には、例えば、亜硝酸、過硫酸、亜硫酸、次亜硫酸、臭素酸、塩素酸、亜塩素酸、これらの塩類、硫酸ヒドロキシルアミン、リン酸ヒドロキシルアミン、過酸化水素等が挙げられ、これら1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明においては、上記化成反応促進剤(J)の含有量は、5〜5000mg/Lであるのが好ましく、10〜1000mg/Lであるのがより好ましい。
本発明の処理液のpHは、2.0〜5.0であるのが好ましく、3.0〜4.5であるのがより好ましい。
pHがこの範囲であると、上述した金属(A)および金属(B)の金属材料表面における析出効率が良好となり、また、表面処理の連続操業時のスラッジの発生を抑制することができる。
特に、上記金属(B)がチタンである場合は、やや低めのpH領域であるpH3.0〜3.6であるのがより好ましく、上記金属(B)がジルコニウムである場合は、やや高めのpH領域であるpH3.5〜4.5であるのがより好ましい。
本発明においては、処理液のpHを調整する必要がある場合、用いられる薬剤は特に限定されない。
このような薬剤としては、具体的には、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、フッ化水素酸、ホウ酸、有機酸等の酸;水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化バリウム、アルカリ金属塩、アンモニア水、炭酸水素アンモニウム、アンモニウム塩、アミン類等のアルカリが挙げられる。
〔本発明の処理方法〕
本発明の処理方法は、金属材料に、本発明の処理液を接触させる処理液接触工程を有する金属表面の処理方法である。
金属材料に本発明の処理液を接触させることにより、その表面に上記金属(A)および上記金属(B)の元素の酸化物および/または水酸化物からなる皮膜が析出し、耐食性および電着塗装付き廻り性ならびに塗料密着性に優れた表面処理皮膜層が形成される。
上記金属材料としては、上述したように、鉄系金属材料、亜鉛系金属材料、アルミニウム系金属材料およびマグネシウム系金属材料が好適に例示される。
また、上記金属材料は、本発明の処理液を接触させる表面を予め清浄し、磨耗や成形などにより生じる金属粉や、油や汚れ等を除去しておくことが望ましい。
清浄する方法は特に限定されず、脱脂処理、アルカリ洗浄等の従来公知の方法を用いることができる。
金属材料に本発明の処理液を接触させる方法は、特に限定されず、例えば、スプレー処理、浸せき処理、流しかけ処理が挙げられる。
ここで、接触させる際の本発明の処理液の温度(処理温度)は30〜60℃であるが好ましい。
また、接触させる時間は、金属材料の材質や構造、本発明の処理液の濃度、処理温度にもよるが、概ね2〜600秒程度であるのが好ましい。例えば、自動車車体に代表される複雑構造物の場合には、袋構造物内部の液置換が必要なため、30〜120秒間接触させるのが好ましい。
本発明においては、本発明の処理液が、表面処理の連続操業中に、金属材料から溶出する金属イオンを含有しても問題とならない。
例えば、鉄系金属材料(例えば、冷延鋼板等)からなる金属構造物に表面処理を施した場合には、処理液中に鉄イオンが徐々に増加するが、上述した金属(A)および金属(B)等の含有量が上述した範囲に制御されていれば、スラッジ発生等の問題は生じない。
また、鉄系金属材料、亜鉛系金属材料、アルミニウム系金属材料からなる金属構造物を表面処理した場合には、溶出する金属イオンが上述した亜鉛(E)や金属(F)に成り得るため、本発明の処理液はより有効に活用できる。
しかしながら、鉄系金属材料から溶出された2価の鉄イオンが酸化されて3価になると、水酸化鉄を形成し、本発明の処理液を茶色に着色させる。そのため、袋構造物の内部部や板の合わせ目等の液置換が困難な部分に茶色に着色した本発明の処理液が残ると、美観を損なうことがある。このような場合、溶出金属イオンは遠心分離装置、各種膜によるフィルタリング等で系外に除去するのが好ましい。
このように本発明の処理方法により表面処理された金属材料は、必要に応じて水洗や脱イオン水洗がなされた後に、乾燥させることなく電着塗装に供することができる。
〔本発明の金属材料〕
本発明の第1の態様に係る金属材料は、鉄系金属材料表面、亜鉛系金属材料表面またはマグネシウム系金属材料表面に、本発明の処理方法によって形成された、上記金属(A)を含有し、かつ、上記金属(A)の元素換算の付着量が1〜100mg/m2であり、上記金属(B)を含有し、かつ、上記金属(B)の元素換算の付着量が5〜500mg/m2である表面処理皮膜層を有する、金属材料である。
本発明の第1の態様の金属材料は、上述した金属(A)および金属(B)をそれぞれ上記範囲で付着した表面処理皮膜層を有するため、耐食性に優れ、電着塗装付き廻り性も良好となる。
ここで、第1の態様においては、上記金属(A)の元素換算の付着量は、耐食性および電着塗装付き廻り性がより向上する理由から、5〜50mg/m2であるのが好ましい。
また、上記金属(B)の元素換算の付着量は、耐食性がより向上する理由から、10〜100mg/m2であるのが好ましい。
また、本発明の第2の態様に係る金属材料は、アルミニウム系金属材料表面に、本発明の処理方法によって形成された、上記金属(A)を含有し、かつ、上記金属(A)の元素換算の付着量が50mg/m2以下であり、上記金属(B)を含有し、かつ、上記金属(B)の元素換算の付着量が5〜500mg/m2である表面処理皮膜層を有する、金属材料である。
本発明の第2の態様の金属材料は、上述した金属(A)および金属(B)をそれぞれ上記範囲で付着した表面処理皮膜層を有するため、耐糸錆性を担保しつつ、耐食性に優れ、電着塗装付き廻り性も良好となる。
ここで、第2の態様においては、上記金属(A)の元素換算の付着量は、耐糸錆性が良好となる理由から、20mg/m2以下であるのが好ましい。なお、従来、アルミニウム系金属材料は自然環境下において強固な酸化膜を形成することから、第1の態様においては電着塗装付き廻り性に必要な上記金属(A)がなくても良好な電着塗装付き廻り性が得られるため、上記金属(A)は実質的に付着していなくてもよい。
また、上記金属(B)の元素換算の付着量は、第1の態様と同様、10〜100mg/m2であるのが好ましい。
本発明の第1および第2の態様に係る金属材料において、上記表面処理皮膜層の膜厚は特に限定されないが、3〜300nmであるのが好ましく、20〜200nmであるのがより好ましい。
以下に実施例を示して本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限られるものではない。
まず、金属材料、金属材料の表面処理方法における清浄化および処理液接触工程ならびにその後の電着塗装について説明する。
なお、各金属表面処理用処理液の調製および各金属表面処理用処理液を用いた表面処理の条件ならびに表面処理後の各金属材料の各種試験方法(評価方法)については後述し、各種試験方法(評価方法)の結果は下記第1表および第2表に示す。
〔金属材料〕
金属材料としては、冷延鋼板(サイズ:70×150×0.8mm、商品名:SPCC(JIS 3141)、パルテック社製)、合金化溶融亜鉛めっき鋼板(サイズ:70×150×0.8mm、商品名:SGCC F06 MO(JIS G3302)、パルテック社製)、および、アルミニウム合金板(サイズ:70×150×1.0mm、商品名:A5052P(JIS 4000)、パルテック社製)の3種を用いた。
以下、冷延鋼板を「SPC」、合金化溶融亜鉛めっき鋼板を「GA」、アルミニウム合金板を「AL」と略記する。
〔清浄化〕
脱脂剤(商品名:ファインクリーナーE2001(A剤13g/L、B剤7g/L)、日本パーカライジング社製)を使用して、液温40℃で120秒間スプレーすることにより各金属材料の表面を脱脂した。
その後、30秒間スプレー水洗した。
なお、電着塗装付き廻り性の評価に用いた後述するボックスについては、上記と同様の脱脂剤を用いて、液温40℃で180秒間浸漬させて脱脂した。また、この場合の水洗も60秒間浸漬させ、よく揺動させて行った。
〔処理液接触工程〕
後述する組成の各金属表面処理用処理液を調製し、pH等の安定度合いや沈殿等の発生を確認するために所定の温度で1時間攪拌した後に放置し、処理液の外観(初期外観)を観察した。
その後、以下の各実験例に示す方法により各金属材料および後述するボックスの表面処理を行った。
表面処理後、各金属材料の表面を水道水を用いて常温下で30秒間水洗し、更に常温下で30秒間脱イオン水洗した。
〔電着塗装〕
上述した脱イオン水洗後、乾燥していない金属材料に、電着塗料(商品名:GT-10HT、関西ペイント社製)を用い、180秒間定電圧陰極電解を施し、塗膜を析出させた。
その後、水洗し、170℃で20分間加熱焼き付けすることにより電着塗装を施し、塗膜を形成した。電圧の制御により塗膜の膜厚を20μmに調整した。
(水溶性高分子1の合成)
まず、1L容量の4つ口セパラブルフラスコ中に、ジアリルアミン塩酸水溶液215g(1mol)を添加し、次いで、ラジカル開始剤として過硫酸アンモニウムを1.2g添加し、60℃で48時間、重合反応を行った。
重合終了後、444gの脱イオン水を加えて、平均分子量200000の水溶性高分子であるポリジアリルアミン(水溶性高分子1)を得た。
(水溶性高分子2の合成)
過硫酸アンモニウムの添加量を10.5gに変更した以外は水溶性高分子1と同様の方法で重合反応を行った。
重合終了後、440gの脱イオン水を加えて、平均分子量20000の水溶性高分子であるポリジアリルアミン(水溶性高分子2)を得た。
(水溶性高分子3の合成)
過硫酸アンモニウムの添加量を5.2gに変更した以外は水溶性高分子1と同様の方法で重合反応を行った。
重合終了後、445gの脱イオン水を加えて、平均分子量40000の水溶性高分子であるポリジアリルアミン(水溶性高分子3)を得た。
(実施例1)
金属表面処理用処理液1を調製し、上述した方法で清浄化した3種の金属材料および後述のボックスの表面処理を行い、表面処理皮膜層を形成した。
ここで、金属表面処理用処理液1の調製は、まず、下記成分(A)〜(G)の全質量の8割分の水に対して、下記成分(G)、(A)、(B)、(D)、(E)、(F)および(C)をこの順に下記濃度となるように添加し、その後、下記成分(A)〜(G)の全質量が2割になるまで水でメスアップし、常温で20分間攪拌した。次いで、所定温度(45℃)に加温し、アンモニア水を用いてpHを4.0に調整し、金属表面処理用処理液1を得た。
また、金属表面処理用処理液1を用いた表面処理は、金属材料および後述のボックスを金属表面処理用処理液1に液温45℃で120秒間浸漬させることにより行った。
その後、上述した方法で、表面処理後の金属材料を水洗し、脱イオン水洗し、乾燥することなく、電着塗装を行い、塗膜を形成した。
<金属表面処理用処理液1>
(A)硝酸銅:0.08mmol/L
(B)ヘキサフロオロジルコニウム酸:0.10mmol/L
(C)ポリジアリルアミン(上記で合成した水溶性高分子2):20mg/l
(D)硝酸アンモニウム:100mmol/L
(E)硝酸亜鉛:76mmol/L
(F)硝酸アルミニウム:3.7mmol/L
(G)フッ化水素酸および上記(B)を用いて調製したフッ素化合物:16mmol/L(合計フッ素量)
(実施例2)
金属表面処理用処理液2を調製し、上述した方法で清浄化した3種の金属材料および後述のボックスの表面処理を行い、表面処理皮膜層を形成した。
ここで、金属表面処理用処理液2の調製は、まず、下記成分(A)〜(G)の全質量の8割分の水に対して、下記成分(G)、(A)、(B)、(D)、(E)、(F)および(C)をこの順に下記濃度となるように添加し、その後、下記成分(A)〜(G)の全質量が2割になるまで水でメスアップし、常温で20分間攪拌した。次いで、所定温度(50℃)に加温し、アンモニア水を用いてpHを3.0に調整し、金属表面処理用処理液2を得た。
また、金属表面処理用処理液2を用いた表面処理は、金属材料および後述のボックスを金属表面処理用処理液2に液温50℃で120秒間浸漬させることにより行った。
その後、上述した方法で、表面処理後の金属材料を水洗し、脱イオン水洗し、乾燥することなく、電着塗装を行い、塗膜を形成した。
<金属表面処理用処理液2>
(A)硝酸銅:0.16mmol/L
(B)オキソ硝酸ジルコニウム:2.10mmol/L
(C)ポリジアリルアミン(上記で合成した水溶性高分子1):50mg/L
(D)硝酸アンモニウム:300mmol/L
(E)硝酸亜鉛:30mmol/L
(F)硝酸アルミニウム:7.4mmol/L
(G)フッ化水素酸:28mmol/L(フッ素量)
(実施例3)
金属表面処理用処理液3を調製し、上述した方法で清浄化した3種の金属材料および後述のボックスの表面処理を行い、表面処理皮膜層を形成した。
ここで、金属表面処理用処理液3の調製は、まず、下記成分(A)〜(G)の全質量の8割分の水に対して、下記成分(G)、(A)、(B)、(D)、(E)、(F)および(C)をこの順に下記濃度となるように添加し、その後、下記成分(A)〜(G)の全質量が2割になるまで水でメスアップし、常温で20分間攪拌した。次いで、所定温度(45℃)に加温し、アンモニア水を用いてpHを3.5に調整し、金属表面処理用処理液3を得た。
また、金属表面処理用処理液3を用いた表面処理は、金属材料および後述のボックスを金属表面処理用処理液3に液温45℃で90秒間浸漬させることにより行った。
その後、上述した方法で、表面処理後の金属材料を水洗し、脱イオン水洗し、乾燥することなく、電着塗装を行い、塗膜を形成した。
<金属表面処理用処理液3>
(A)硝酸銅:0.79mmol/L
(B)ヘキサフルオロチタン酸:0.63mmol/L
(C)ポリジアリルアミン(商品名:PAS−21CL、平均分子量110000、日東紡社製):100mg/L
(D)硝酸:5mmol/L
(E)硫酸亜鉛:7.6mmol/L
(F)硝酸アルミニウム:0.37mmol/L
(G)酸性フッ化アンモニウムおよび上記(B)を用いて調製したフッ素化合物:8mmol/L(合計フッ素量)
(実施例4)
金属表面処理用処理液4を調製し、上述した方法で清浄化した3種の金属材料および後述のボックスの表面処理を行い、表面処理皮膜層を形成した。
ここで、金属表面処理用処理液4の調製は、まず、下記成分(A)〜(G)の全質量の8割分の水に対して、下記成分(G)、(A)、(B)、(D)、(E)、(F)および(C)をこの順に下記濃度となるように添加し、その後、下記成分(A)〜(G)の全質量が2割になるまで水でメスアップし、常温で20分間攪拌した。次いで、所定温度(40℃)に加温し、アンモニア水を用いてpHを4.0に調整し、金属表面処理用処理液4を得た。
また、金属表面処理用処理液4を用いた表面処理は、金属材料および後述のボックスを金属表面処理用処理液4に液温40℃で60秒間浸漬させることにより行った。
その後、上述した方法で、表面処理後の金属材料を水洗し、脱イオン水洗し、乾燥することなく、電着塗装を行い、塗膜を形成した。
<金属表面処理用処理液4>
(A)硝酸銅:1.58mmol/L
(B)ヘキサフルオロジルコニウム酸:0.55mmol/L
(C)ポリジアリルアミン(上記で合成した水溶性高分子3):150mg/L
(D)硝酸アンモニウム:60mmol/L
(E)硫酸亜鉛:15.3mmol/L
(F)硝酸アルミニウム:74mmol/L
(G)フッ化水素酸および上記(B)を用いて調製したフッ素化合物:304mmol/L(合計フッ素量)
(実施例5)
金属表面処理用処理液5を調製し、上述した方法で清浄化した3種の金属材料および後述のボックスの表面処理を行い、表面処理皮膜層を形成した。
ここで、金属表面処理用処理液5の調製は、まず、下記成分(A)〜(G)の全質量の8割分の水に対して、下記成分(G)、(A)、(B)、(D)、(E)、(F)および(C)をこの順に下記濃度となるように添加し、その後、下記成分(A)〜(G)の全質量が2割になるまで水でメスアップし、常温で20分間攪拌した。次いで、所定温度(40℃)に加温し、アンモニア水を用いてpHを4.0に調整し、金属表面処理用処理液5を得た。
また、金属表面処理用処理液5を用いた表面処理は、金属材料および後述のボックスを金属表面処理用処理液5に液温40℃で60秒間浸漬させることにより行った。
その後、上述した方法で、表面処理後の金属材料を水洗し、脱イオン水洗し、乾燥することなく、電着塗装を行い、塗膜を形成した。
<金属表面処理用処理液5>
(A)硝酸銅:4.72mmol/L
(B)ヘキサフルオロジルコニウム酸:4.18mmol/L
(C)ポリジアリルアミン(商品名:PAS−21CL、平均分子量110000、日東紡社製):500mg/L
(D)硝酸アンモニウム:200mmol/L
(E)硝酸亜鉛:4.6mmol/L
(F)フッ化アルミニウム:11.1mmol/L
(G)フッ化水素酸、上記(B)および上記(F)を用いて調製したフッ素化合物:304mmol/L(合計フッ素量)
(実施例6)
金属表面処理用処理液6を調製し、上述した方法で清浄化した3種の金属材料および後述のボックスの表面処理を行い、表面処理皮膜層を形成した。
ここで、金属表面処理用処理液6の調製は、まず、下記成分(A)〜(H)の全質量の8割分の水に対して、下記成分(G)、(A)、(B)、(D)、(E)、(F)、(C)および(H)をこの順に下記濃度となるように添加し、その後、下記成分(A)〜(H)の全質量が2割になるまで水でメスアップし、常温で20分間攪拌した。次いで、所定温度(45℃)に加温し、アンモニア水を用いてpHを4.0に調整し、金属表面処理用処理液6を得た。
また、金属表面処理用処理液6を用いた表面処理は、金属材料および後述のボックスを金属表面処理用処理液6に液温45℃で60秒間浸漬させることにより行った。
その後、上述した方法で、表面処理後の金属材料を水洗し、脱イオン水洗し、乾燥することなく、電着塗装を行い、塗膜を形成した。
<金属表面処理用処理液6>
(A)硫酸銅:0.16mmol/L
(B)オキソ硝酸ジルコニウム:5.48mmol/L
(C)ポリジアリルアミン(商品名:PAS−21CL、平均分子量110000、日東紡社製):200mg/L
(D)硝酸:50mmol/L
(E)硝酸亜鉛:3.1mmol/L
(F)硝酸マグネシウム:61mmol/L
(G)酸性フッ化アンモニウム:84mmol/L(フッ素量)
(H)ヒドロシエチレンジアミン3酢酸(HEDTA):100mg/L
(実施例7)
金属表面処理用処理液7を調製し、上述した方法で清浄化した3種の金属材料および後述のボックスの表面処理を行い、表面処理皮膜層を形成した。
ここで、金属表面処理用処理液7の調製は、まず、下記成分(A)〜(H)の全質量の8割分の水に対して、下記成分(G)、(A)、(B)、(D)、(E)、(F)、(C)および(H)をこの順に下記濃度となるように添加し、その後、下記成分(A)〜(H)の全質量が2割になるまで水でメスアップし、常温で20分間攪拌した。次いで、所定温度(45℃)に加温し、アンモニア水を用いてpHを4.0に調整し、金属表面処理用処理液7を得た。
また、金属表面処理用処理液7を用いた表面処理は、金属材料および後述のボックスを金属表面処理用処理液7に液温45℃で90秒間浸漬させることにより行った。
その後、上述した方法で、表面処理後の金属材料を水洗し、脱イオン水洗し、乾燥することなく、電着塗装を行い、塗膜を形成した。
<金属表面処理用処理液7>
(A)硫酸銅:0.79mmol/L
(B)オキソ硝酸ジルコニウム:2.19mmol/L
(C)ポリジアリルアミン(上記で合成した水溶性高分子2):500mg/L
(D)硝酸アンモニウム:100mmol/L
(E)硫酸亜鉛:15.2mmol/L
(F)硝酸アルミニウム:74mmol/L
(G)酸性フッ化アンモニウム:163mmol/L(フッ素量)
(H)ヒドロキシエチリデンジホスホン酸(HEDP):50mg/L
(実施例8)
金属表面処理用処理液8を調製し、上述した方法で清浄化した3種の金属材料および後述のボックスの表面処理を行い、表面処理皮膜層を形成した。
ここで、金属表面処理用処理液8の調製は、まず、下記成分(A)〜(H)の全質量の8割分の水に対して、下記成分(G)、(A)、(B)、(D)、(E)、(F)、(C)および(H)をこの順に下記濃度となるように添加し、その後、下記成分(A)〜(H)の全質量が2割になるまで水でメスアップし、常温で20分間攪拌した。次いで、所定温度(35℃)に加温し、アンモニア水を用いてpHを3.0に調整し、金属表面処理用処理液8を得た。
また、金属表面処理用処理液8を用いた表面処理は、金属材料および後述のボックスを金属表面処理用処理液8に液温35℃で30秒間浸漬させることにより行った。
その後、上述した方法で、表面処理後の金属材料を水洗し、脱イオン水洗し、乾燥することなく、電着塗装を行い、塗膜を形成した。
<金属表面処理用処理液8>
(A)フッ化銅:1.58mmol/L
(B)ヘキサフルオロチタン酸:1.10mmol/L
(C)ポリジアリルアミン(上記で合成した水溶性高分子1):100mg/L
(D)硝酸アンモニウム:30mmol/L
(E)硫酸亜鉛:7.6mmol/L
(F)硝酸マグネシウム:4.1mmol/L
(G)フッ化水素酸、上記(A)および上記(B)を用いて調製したフッ素化合物:18mmol/L(合計フッ素量)
(H)ヒドロキシエチレンジアミン3酢酸(HEDTA):20mg/L
(実施例9)
金属表面処理用処理液9を調製し、上述した方法で清浄化した3種の金属材料および後述のボックスの表面処理を行い、表面処理皮膜層を形成した。
ここで、金属表面処理用処理液9の調製は、まず、下記成分(A)〜(G)および(I)の全質量の8割分の水に対して、下記成分(G)、(A)、(B)、(D)、(E)、(F)、(C)および(I)をこの順に下記濃度となるように添加し、その後、下記成分(A)〜(G)および(I)の全質量が2割になるまでの水でメスアップし、常温で20分間攪拌した。次いで、所定温度(50℃)に加温し、アンモニア水を用いてpHを3.5に調整し、金属表面処理用処理液9を得た。
また、金属表面処理用処理液9を用いた表面処理は、金属材料および後述のボックスを金属表面処理用処理液9に液温50℃で60秒間浸漬させることにより行った。
その後、上述した方法で、表面処理後の金属材料を水洗し、脱イオン水洗し、乾燥することなく、電着塗装を行い、塗膜を形成した。
<金属表面処理用処理液9>
(A)フッ化コバルト:0.17mmol/L
(B)ヘキサフルオロジルコニウム酸:4.18mmol/L
(C)ポリジアリルアミン(商品名:PAS−21CL、平均分子量110000、日東紡社製):300mg/L
(D)硝酸:30mmol/L
(E)硝酸亜鉛:4.6mmol/L
(F)硝酸アルミニウム:7.4mmol/L
(G)フッ化水素酸、上記(A)および上記(B)を用いて調製したフッ素化合物:55mmol/L(合計フッ素量)
(I)N-2-(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン:50mg/L
(実施例10)
金属表面処理用処理液10を調製し、上述した方法で清浄化した3種の金属材料および後述のボックスの表面処理を行い、表面処理皮膜層を形成した。
ここで、金属表面処理用処理液10の調製は、まず、下記成分(A)〜(G)および(I)の全質量の8割分の水に対して、下記成分(G)、(A)、(B)、(D)、(E)、(F)、(C)および(I)をこの順に下記濃度となるように添加し、その後、下記成分(A)〜(G)および(I)の全質量が2割になるまでの水でメスアップし、常温で20分間攪拌した。次いで、所定温度(40℃)に加温し、アンモニア水を用いてpHを3.5に調整し、金属表面処理用処理液10を得た。
また、金属表面処理用処理液10を用いた表面処理は、金属材料および後述のボックスを金属表面処理用処理液10に液温40℃で60秒間浸漬させることにより行った。
その後、上述した方法で、表面処理後の金属材料を水洗し、脱イオン水洗し、乾燥することなく、電着塗装を行い、塗膜を形成した。
<金属表面処理用処理液10>
(A)フッ化コバルト:3.40mmol/L
(B)ヘキサフルオロチタン酸:0.33mmol/L
(C)ジアリルアミンアミド硫酸塩・マレイン酸共重合体(商品名:PAS−410SA、日東紡社製):500mg/L
(D)硝酸:60mmol/L
(E)硝酸亜鉛:76.5mmol/L
(F)フッ化アルミニウム:0.4mmol/L
(G)酸性フッ化アンモニウム、上記(A)および上記(B)を用いて調製したフッ素化合物:40mmol/L(合計フッ素量)
(I)コロイダルシリカ(粒子径10〜20nm):100mg/L
(実施例11)
金属表面処理用処理液11を調製し、上述した方法で清浄化した3種の金属材料および後述のボックスの表面処理を行い、表面処理皮膜層を形成した。
ここで、金属表面処理用処理液11の調製は、まず、下記成分(A)〜(G)および(J)の全質量の8割分の水に対して、下記成分(G)、(A)、(B)、(D)、(E)、(F)、(C)および(J)をこの順に下記濃度となるように添加し、その後、下記成分(A)〜(G)および(J)の全質量が2割になるまでの水でメスアップし、常温で20分間攪拌した。次いで、所定温度(45℃)に加温し、アンモニア水を用いてpHを4.5に調整し、金属表面処理用処理液11を得た。
また、金属表面処理用処理液11を用いた表面処理は、金属材料および後述のボックスを金属表面処理用処理液11に液温45℃で90秒間浸漬させることにより行った。
その後、上述した方法で、表面処理後の金属材料を水洗し、脱イオン水洗し、乾燥することなく、電着塗装を行い、塗膜を形成した。
<金属表面処理用処理液11>
(A)硝酸銅:0.16mmol/L
(B)ヘキサフルオロジルコニウム酸:2.19mmol/L
(C)ポリジアリルアミン・二酸化硫黄共重合体(商品名:PAS−92、平均分子量5000、日東紡社製):50mg/L
(D)硝酸アンモニウム:100mmol/L
(E)硫酸亜鉛:7.6mmol/L
(F)硫酸鉄:1.7mmol/L
(G)酸性フッ化アンモニウムおよび上記(B)を用いて調製したフッ素化合物:10mmol/L(合計フッ素量)
(J)硫酸ヒドロキシルアミン:1000mg/L
(実施例12)
金属表面処理用処理液12を調製し、上述した方法で清浄化した3種の金属材料および後述のボックスの表面処理を行い、表面処理皮膜層を形成した。
ここで、金属表面処理用処理液12の調製は、まず、下記成分(A)〜(G)および(J)の全質量の8割分の水に対して、下記成分(G)、(A)、(B)、(D)、(E)、(F)、(C)および(J)をこの順に下記濃度となるように添加し、その後、下記成分(A)〜(G)および(J)の全質量が2割になるまでの水でメスアップし、常温で20分間攪拌した。次いで、所定温度(35℃)に加温し、アンモニア水を用いてpHを4.0に調整し、金属表面処理用処理液12を得た。
また、金属表面処理用処理液12を用いた表面処理は、金属材料および後述のボックスを金属表面処理用処理液12に液温35℃で120秒間浸漬させることにより行った。
その後、上述した方法で、表面処理後の金属材料を水洗し、脱イオン水洗し、乾燥することなく、電着塗装を行い、塗膜を形成した。
<金属表面処理用処理液12>
(A)硝酸銅:0.78mmol/L
(B)ヘキサフルオロジルコニウム酸:5.48mmol/L
(C)ジアリルアミン塩酸塩・マレイン酸共重合体:(商品名:PAS−410、日東紡社製)100mg/L
(D)硝酸アンモニウム:30mmol/L
(E)硫酸亜鉛:30.5mmol/L
(F)硝酸アルミニウム:11.1mmol/L
(G)フッ化水素酸および上記(B)を用いて調製したフッ素化合物:79mmol/L(合計フッ素量)
(J)亜硝酸ナトリウム:200mg/L
(実施例13)
金属表面処理用処理液13を調製し、上述した方法で清浄化した3種の金属材料および後述のボックスの表面処理を行い、表面処理皮膜層を形成した。
ここで、金属表面処理用処理液13の調製は、まず、下記成分(A)〜(G)の全質量の8割分の水に対して、下記成分(G)、(A)、(B)、(D)、(E)、(F)および(C)をこの順に下記濃度となるように添加し、その後、下記成分(A)〜(G)の全質量が2割になるまでの水でメスアップし、常温で20分間攪拌した。次いで、所定温度(45℃)に加温し、アンモニア水を用いてpHを3.5に調整し、金属表面処理用処理液13を得た。
また、金属表面処理用処理液13を用いた表面処理は、金属材料および後述のボックスを金属表面処理用処理液13に液温45℃で90秒間浸漬させることにより行った。
その後、上述した方法で、表面処理後の金属材料を水洗し、脱イオン水洗し、乾燥することなく、電着塗装を行い、塗膜を形成した。
<金属表面処理用処理液13>
(A)硝酸銅:0.79mmol/L
(B)ヘキサフルオロチタン酸:0.63mmol/L
(C)アリルアミン塩酸塩・ジアリルアミン塩酸塩共重合体(商品名:PAA−D11−HCL、平均分子量7000、日東紡社製):100mg/L
(D)硝酸:5mmol/L
(E)硫酸亜鉛:7.6mmol/L
(F)硝酸アルミニウム:0.37mmol/L
(G)酸性フッ化アンモニウムおよび上記(B)を用いて調製したフッ素化合物:8mmol/L(合計フッ素量)
(比較例1)
リン酸亜鉛系表面調整剤(プレパレンX、日本パーカライジング社製)の0.5%水溶液(以下、「金属表面処理用処理液14−1」という。)、および、リン酸亜鉛化成処理剤(パルボンド(登録商標)L3020、日本パーカライジング社製)の5%水溶液(以下、「金属表面処理用処理液14−2」という。)のそれぞれを用いて、上述した方法で清浄化した3種の金属材料および後述のボックスの表面処理を行い、表面処理皮膜層を形成した。
ここで、表面処理は、金属材料および後述のボックスを金属表面処理用処理液14−1に常温、20秒間浸漬させた後、更に、金属表面処理用処理液14−2に液温35℃で120秒間浸漬させることにより行った。
その後、上述した方法で、表面処理後の金属材料を水洗し、脱イオン水洗し、乾燥することなく、電着塗装を行い、塗膜を形成した。
(比較例2)
金属表面処理用処理液15を調製し、上述した方法で清浄化した3種の金属材料および後述のボックスの表面処理を行い、表面処理皮膜層を形成した。
ここで、金属表面処理用処理液15の調製は、まず、下記成分(B)〜(G)の全質量の8割分の水に対して、下記成分(G)、(B)、(D)、(E)、(F)および(C)をこの順に下記濃度となるように添加し、その後、下記成分(B)〜(G)の全質量が2割になるまでの水でメスアップし、常温で20分間攪拌した。次いで、所定温度(45℃)に加温し、アンモニア水を用いてpHを4.0に調整し、金属表面処理用処理液15を得た。
また、金属表面処理用処理液15を用いた表面処理は、金属材料および後述のボックスを金属表面処理用処理液15に液温45℃で120秒間浸漬させることにより行った。
その後、上述した方法で、表面処理後の金属材料を水洗し、脱イオン水洗し、乾燥することなく、電着塗装を行い、塗膜を形成した。
<金属表面処理用処理液15>
(B):ヘキサフロオロジルコニウム酸:0.10mmol/L
(C):ポリジアリルアミン(上記で合成した水溶性高分子2):20mg/l
(D):硝酸アンモニウム:100mmol/L
(E):硝酸亜鉛:76mmol/L
(F):硝酸アルミニウム:3.7mmol/L
(G):フッ化水素酸と上記(B)を用いて調製したフッ素化合物:15mmol/L(合計フッ素量)
(比較例3)
金属表面処理用処理液16を調製し、上述した方法で清浄化した3種の金属材料および後述のボックスの表面処理を行い、表面処理皮膜層を形成した。
ここで、金属表面処理用処理液16の調製は、まず、下記成分(A)〜(G)の全質量の8割分の水に対して、下記成分(G)、(A)、(B)、(D)、(E)、(F)および(C)をこの順に下記濃度となるように添加し、その後、下記成分(A)〜(G)の全質量が2割になるまでの水でメスアップし、常温で20分間攪拌した。次いで、所定温度(50℃)に加温し、アンモニア水を用いてpHを3.0に調整し、金属表面処理用処理液16を得た。
また、金属表面処理用処理液16を用いた表面処理は、金属材料および後述のボックスを金属表面処理用処理液16に液温50℃で120秒間浸漬させることにより行った。
その後、上述した方法で、表面処理後の金属材料を水洗し、脱イオン水洗し、乾燥することなく、電着塗装を行い、塗膜を形成した。
<金属表面処理用処理液16>
(A)硝酸銅:0.157mmol/L
(B)オキソ硝酸ジルコニウム:2.10mmol/L
(C)ポリアリルアミン(商品名:PAA−15、平均分子量15000、日東紡社製):50mg/L
(D)硝酸アンモニウム:300mmol/L
(E)硝酸亜鉛:30mmol/L
(F)硝酸アルミニウム:7.4mmol/L
(G)フッ化水素酸:27mmol/L(フッ素量)
(比較例4)
金属表面処理用処理液17を調製し、上述した方法で清浄化した3種の金属材料および後述のボックスの表面処理を行い、表面処理皮膜層を形成した。
ここで、金属表面処理用処理液17の調製は、まず、下記成分(A)、(B)および(D)〜(G)の全質量の8割分の水に対して、下記成分(G)、(A)、(B)、(D)、(E)および(F)をこの順に下記濃度となるように添加し、その後、下記成分(A)、(B)および(D)〜(G)の全質量が2割になるまでの水でメスアップし、常温で20分間攪拌した。次いで、所定温度(40℃)に加温し、アンモニア水を用いてpHを4.0に調整し、金属表面処理用処理液17を得た。
また、金属表面処理用処理液17を用いた表面処理は、金属材料および後述のボックスを金属表面処理用処理液17に液温40℃で60秒間浸漬させることにより行った。
その後、上述した方法で、表面処理後の金属材料を水洗し、脱イオン水洗し、乾燥することなく、電着塗装を行い、塗膜を形成した。
<金属表面処理用処理液17>
(A):硝酸銅:3.40mmol/L
(B):ヘキサフルオロジルコニウム酸:0.55mmol/L
(D):硝酸アンモニウム:60mmol/L
(E):硫酸亜鉛:15.3mmol/L
(F):硝酸アルミ:74mmol/L
(G):フッ化水素酸および上記(B)を用いて調製したフッ素化合物:304mmol/L(合計フッ素量)
(比較例5)
金属表面処理用処理液18を調製し、上述した方法で清浄化した3種の金属材料および後述のボックスの表面処理を行い、表面処理皮膜層を形成した。
ここで、金属表面処理用処理液18は、特許文献1の実施例6に該当するものであり、その調製は、まず、硝酸銅を銅として5ppm、ジルコンフッ化水素酸をZrとして250ppm、硝酸亜鉛を亜鉛として500ppm、シリカ(日本アエロジル工業社製)を200ppm配合し、常温で20分間攪拌した。次いで、所定温度(40℃)に加温し、アンモニア水を用いてpHを4.0に調整し、金属表面処理用処理液18を得た。
また、金属表面処理用処理液18を用いた表面処理は、金属材料および後述のボックスを金属表面処理用処理液18に液温40℃で60秒間浸漬させることにより行った。
その後、上述した方法で、表面処理後の金属材料を水洗し、脱イオン水洗し、乾燥することなく、電着塗装を行い、塗膜を形成した。
(比較例6)
金属表面処理用処理液19を調製し、上述した方法で清浄化した3種の金属材料および後述のボックスの表面処理を行い、表面処理皮膜層を形成した。
ここで、金属表面処理用処理液19は、特許文献2の実施例15に該当するものであり、その調製は、まず、硝酸銅を銅として5ppm、ジルコンフッ化水素酸をZrとして100ppm、アミノ基含有エポキシ化合物を100ppm、ポリアリルアミン(PAA−10C、日東紡社製)を50ppm、シランカップリング剤(50ppm)および塩素酸ナトリウム4000ppm配合し、常温で20分間攪拌した。次いで、所定温度(40℃)に加温し、アンモニア水を用いてpHを4.0に調整し、金属表面処理用処理液19を得た。
また、金属表面処理用処理液19を用いた表面処理は、金属材料および後述のボックスを金属表面処理用処理液19に液温40℃で60秒間浸漬させることにより行った。
その後、上述した方法で、表面処理後の金属材料を水洗し、脱イオン水洗し、乾燥することなく、電着塗装を行い、塗膜を形成した。
(比較例7)
金属表面処理用処理液20を調製し、上述した方法で清浄化した3種の金属材料および後述のボックスの表面処理を行い、表面処理皮膜層を形成した。
ここで、金属表面処理用処理液20は、特許文献3の実施例4に該当するものであり、その調製は、まず、硝酸ジルコニウム水溶液(成分(A))とナフトールジスルホン酸ジナトリウム(平均分子量約350、成分(B))と硫酸銅(成分(C))とフッ化ナトリウム(成分(D))とを用いて、質量濃度比K1=B/Aが45であり、質量濃度比K2=D/Aが0.5であり、ジルコニウム濃度が10mg/Lであり、銅濃度が25mg/Lである液を調製し、この液に硝酸を5000mg/L添加し、更に、水酸化リチウムを用いてpHを3.4に調整して、金属表面処理用処理液20を得た。
また、金属表面処理用処理液20を用いた表面処理は、金属材料および後述のボックスを金属表面処理用処理液20に液温35℃で120秒間浸漬させることにより行った。
その後、上述した方法で、表面処理後の金属材料を水洗し、脱イオン水洗し、乾燥することなく、電着塗装を行い、塗膜を形成した。
(比較例8)
金属表面処理用処理液21を調製し、上述した方法で清浄化した3種の金属材料および後述のボックスの表面処理を行い、表面処理皮膜層を形成した。
ここで、金属表面処理用処理液21は、特許文献3の実施例7に該当するものであり、その調製は、まず、硝酸チタン水溶液(成分(A))とヘキサフルオロジルコン酸水溶液(成分(A))とマレイン酸−ジアリルアミン共重合体(平均分子量250より大、成分(B))と硝酸第二鉄(成分(C))と硝酸亜鉛(成分(C))と酸性フッ化カリウム(KHF2、成分(D))とを用いて、質量濃度比K1=B/Aが10であり、質量濃度比K2=D/Aが20であり、チタン濃度とジルコニウム濃度との合計が60mg/Lであり、鉄濃度が300mg/Lであり、亜鉛濃度が100mg/Lである液を調製し、この液にクエン酸三ナトリウムを1000mg/L添加し、モリブデン酸ナトリウムを250mg/L添加し、更に、水酸化ナトリウムを用いてpHを3.0に調整して、金属表面処理用処理液21を得た。
また、金属表面処理用処理液21を用いた表面処理は、金属材料および後述のボックスを金属表面処理用処理液21に液温50℃で120秒間浸漬させることにより行った。
その後、上述した方法で、表面処理後の金属材料を水洗し、脱イオン水洗し、乾燥することなく、電着塗装を行い、塗膜を形成した。
(比較例9)
金属表面処理用処理液22を調製し、上述した方法で清浄化した3種の金属材料および後述のボックスの表面処理を行い、表面処理皮膜層を形成した。
ここで、金属表面処理用処理液22は、特許文献4の実施例29に該当するものであり、その調製は、まず、ジルコニウムフッ化水素酸をジルコニウムとして200ppm、硝酸銅を銅として50ppm、硫酸スズをスズとして50ppm、硝酸アルミをアルミとして200ppmおよびポリアリルアミン(PAA−H−10C、日東紡社製)を50ppm配合し、常温で20分間攪拌した。次いで、所定温度(40℃)に加温し、アンモニア水を用いてpHを3.5に調整し、金属表面処理用処理液22を得た。
また、金属表面処理用処理液22を用いた表面処理は、金属材料および後述のボックスを金属表面処理用処理液22に液温40℃で90秒間浸漬させることにより行った。
その後、上述した方法で、表面処理後の金属材料を水洗し、脱イオン水洗し、乾燥することなく、電着塗装を行い、塗膜を形成した。
〔金属表面処理用処理液の付着量〕
表面処理後の金属材料における金属付着量(mg/m2)を蛍光X線分析装置(ZSX Primus、リガク社製)にて定量した。その結果を下記第1表に示す。
測定に供した金属材料は表面処理後に水洗し、脱イオン水洗し、これを冷風乾燥したものを用いた。
〔電着塗膜の膜厚〕
電着塗装後の金属材料の塗膜の膜厚を、市販の電磁誘導型膜厚計(LZ−200、ケット科学研究所社製)により測定し、20μmであることを確認した。
〔塗料密着性(密着性)〕
電着塗装した金属材料の塗装面を、枡目が100個となるように碁盤目にカットした。
次いで、沸騰水に1時間浸漬させた後、水をワイピングし、テープ剥離を行った。
塗料密着性は、剥離後の碁盤目の状態を観察し、剥離しなかった枡目数で評価した。その結果を下記第2表に示す。100個に近いほど塗料密着性に優れると評価できる。
〔耐食性(SST)〕
電着塗装した金属材料の塗装面にクロスカットを施し、塩水噴霧試験(JIS−Z2371)を行い、1000時間後のクロスカット部の片側膨れ幅を評価した。
その結果、片側膨れ幅が、3.5mm以上であれば耐食性に劣るものとして「×」と評価し、2.5mm以上3.5mm未満であれば耐食性にやや劣るものとして「△」と評価し、1.5mm以上2.5mm未満であれば耐食性に優れるものとして「○」と評価し、1.5mm未満であれば耐食性に極めて優れるものとして「◎」と評価した。その結果を下記第2表に示す。
〔耐糸錆性(CCT)〕
電着塗装したALの塗装面にクロスカットを施し、複合環境サイクル試験(CCT)を以下のテストモードで8サイクル繰り返し、クロスカット部からの糸錆の最大長さを測定した。
<テストモード>
・塩水噴霧試験(JIS−Z2371):12時間
・湿潤試験(温度35℃、相対湿度80%):48時間
・屋内暴露:12時間
その結果、糸錆最大長さが、2mm以上であれば耐糸錆性に劣るものとして「×」と評価し、1mm以上2mm未満であれば耐糸錆性にやや劣るものとして「△」と評価し、1mm未満であれば耐糸錆性に優れるものとして「○」と評価し、糸錆がなければ耐糸錆性に極めて優れるものとして「◎」と評価した。その結果を下記第2表に示す。
〔電着塗装付き廻り性(付き廻り)〕
図1は、電着塗装の付き廻り性試験(4枚ボックス試験)に使用するボックスの見取り図である。
図1に示すように、同種の金属板12〜15を4枚用意し、その内の金属板12〜14の3枚に直径8mmの穴10を開けた。穴10の位置は横方向中央、下端から50mmとした。
4枚の金属板12〜15を図1に示すようにそれぞれ20mmのクリアランスを取って組み付けた。
金属板12〜15の両側面および下面を塩ビ板21〜23にて塞ぎ、塩ビ板21〜23と金属板12〜15を粘着テープによって固定し、4枚ボックス1を組み立てた。
この組み立てたボックスに対して、上述した各実験例で示す表面処理を施し、乾燥なしで電着塗装を行った。
ここで、対極は片面を絶縁テープでシールしたステンレス鋼板(SUS304)70×150×0.55mmを用いた。また、電着塗料の液面は金属板12〜15と対極が90mm浸漬される位置に制御した。
電着塗装は、電着塗料の温度を28℃に保持し、スターラーにて撹拌した状態で行った。4枚の金属板12〜15の全てを短絡させた上で、対極を陽極として整流器にて陰極電解法により塗膜を電解析出させた。また、電解は、30秒かけて0Vから230Vまで直線的に電圧を陰極方向に印加し、その後150秒間230Vを保持して行った。
電解後、それぞれの金属板12〜15を水洗し、170℃で20分間焼き付け、塗膜を形成させた。対極に一番近い金属板12の対極側をA面、対極に一番遠い金属板15の対極側をG面とし、A面とG面の塗膜厚を測定し、A/Gの比率を電着塗装の付き廻り性の指標とした。
その結果、A/Gが、4.0以上となるものを電着塗装付き廻り性に劣るものとして「×」と評価し、2.5以上4.0未満となるものを電着塗装付き廻り性にやや劣るものとして「△」と評価し、2.0以上2.5未満となるものを電着塗装付き廻り性に優れるものとして「○」と評価し、2.0未満となるものを電着塗装付き廻り性に極めて優れるものとして「◎」と評価した。その結果を下記第2表に示す。
〔スラッジ発生試験〕
表面処理の工業化の操業性を評価する目的でスラッジ発生試験を実施した。
具体的には、まず、上述した各金属表面処理用処理液の初期外観をチェックした。
その後、各金属表面処理用処理液1Lを用いて、金属材料に10分間連続して表面処理を施した。表面処理による液ロス(持ち出し)による各成分は、適宜、初期の値を保つように補給した。
そして、表面処理後の各金属表面処理用処理液を40℃にて48時間静置し、その後の処理液の状態(濁りの有無)と沈降物(スラッジの有無)を目視にて観察した。その結果を下記第2表に示す。
Figure 2010163640
Figure 2010163640
上記第1表に示す結果から、銅等の金属(A)、ジルコニウム等の金属(B)および特定のアミン構造を構成単位として有する水溶性高分子(C)を含有する実施例1〜13で調製した金属表面処理用処理液を用いることにより、アルミニウム系金属材料に対しては銅等の過度の析出を抑制し、他の金属材料(鉄系、亜鉛系等)に対しては析出を確保できることが分かる。
また、第2表に示す結果から、実施例1〜13で調製した金属表面処理用処理液を用いることにより、耐食性および電着塗装付き廻り性を両立することができ、また、塗膜密着性も良好で、連続操業時のスラッジの発生も抑制できることが分かる。
これに対し、水溶性高分子として、ポリアリルアミンのような1級アミンを反応基とする化合物を用いて比較例3や6で調製した金属表面処理用処理液では、金属表面への吸着性が高く、電着塗装付き廻り性が劣る結果となることが分かる。
図1は、電着塗装の付き廻り性試験(4枚ボックス試験)に使用するボックスの見取り図である。
1 ボックス
10 穴
12 試験板(塗装後の金属板)No.1(外側:A面)
13 試験板(塗装後の金属板)No.2
14 試験板(塗装後の金属板)No.3
15 試験板(塗装後の金属板)No.4(内側:G面)
21 側面仕切板
22 側面仕切板
23 底面仕切板

Claims (17)

  1. 銅、スズおよびコバルトからなる群から選択される少なくとも1種の金属(A)と、
    ジルコニウムおよびチタンからなる群から選択される少なくとも1種の金属(B)と、
    下記式(i)〜(iii)のいずれかで表される構成単位を有する水溶性高分子(C)とを含有し、
    前記金属(A)の含有量が、0.01〜10mmol/Lであり、
    前記金属(B)の含有量が、0.1〜10mmol/Lであり、
    前記水溶性高分子(C)の含有量が、5〜500mg/Lである、金属表面処理用処理液。
    Figure 2010163640

    (式中、R1は、単結合または置換基を有していてもよい炭素数1〜5のアルキレン基を表し、R2およびR3は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数1〜5のアルキル基を表す。R4は、エチレン基またはプロパン−1,3−ジイル基を表し、nは1〜10の整数を表す。)
  2. 前記式(i)で表される構成単位を有する水溶性高分子(C)が、ポリジアリルアミンである請求項1に記載の金属表面処理用処理液。
  3. 更に、硝酸根を含有する化合物(D)を5〜500mmol/L含有する請求項1または2に記載の金属表面処理用処理液。
  4. 更に、亜鉛(E)を2〜200mmol/L含有する請求項1〜3のいずれかに記載の金属表面処理用処理液。
  5. 更に、アルミニウム、マグネシウムおよび鉄からなる群から選択される少なくとも1種の金属(F)を0.4〜400mmol/L含有する請求項1〜4のいずれかに記載の金属表面処理用処理液。
  6. 更に、1種以上のフッ素化合物(G)を以下に示す最小値〜最大値の範囲で含有する請求項5に記載の金属表面処理用処理液。
    最小値=前記金属(A)の含有量×2+前記金属(B)の含有量×4+前記金属(F)の含有量×2
    最大値=前記金属(A)の含有量×4+前記金属(B)の含有量×7+前記金属(F)の含有量×4
  7. 更に、金属キレート剤(H)を含有する請求項1〜6のいずれかに記載の金属表面処理用処理液。
  8. 更に、ケイ素化合物(I)を含有する請求項1〜7のいずれかに記載の金属表面処理用処理液。
  9. 更に、水素酸、酸素酸およびこれらの塩類、ニトロ基含有化合物ならびにアミノ基含有化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化成反応促進剤(J)を含有する請求項1〜8のいずれかに記載の金属表面処理用処理液。
  10. 前記金属キレート剤(H)が、シュウ酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、有機フォスフォン酸、ニトリロ2酢酸(NTA)、エチレンジアミン4酢酸(EDTA)、ヒドロシエチレンジアミン3酢酸(HEDTA)およびこれらの塩類からなる群から選択される少なくとも1種であり、
    前記金属キレート剤(H)の含有量が、5〜5000mg/Lである請求項7〜9のいずれかに記載の金属表面処理用処理液。
  11. 前記ケイ素化合物(I)が、シリカ、ケイ酸塩化合物およびシランカップリング剤からなる群から選択される少なくとも1種であり、
    前記ケイ素化合物(I)の含有量が、10〜1000mg/Lである請求項8〜10のいずれかに記載の金属表面処理用処理液。
  12. 前記化成反応促進剤(J)が、亜硝酸、過硫酸、亜硫酸、次亜硫酸、臭素酸、塩素酸、亜塩素酸およびこれらの塩類、硫酸ヒドロキシルアミンならびに過酸化水素からなる群から選択される少なくとも1種であり、
    前記化成反応促進剤(J)の含有量が、5〜5000mg/Lである請求項9〜11のいずれかに記載の金属表面処理用処理液。
  13. pHが2.5〜5.0である請求項1〜12のいずれかに記載の金属表面処理用処理液。
  14. 金属材料に、請求項1〜13のいずれかに記載の金属表面処理用処理液を接触させる処理液接触工程を有する、金属表面処理方法。
  15. 前記金属材料が、鉄系金属材料、亜鉛系金属材料、アルミニウム系金属材料およびマグネシウム系金属材料からなる群から選択される少なくとも1種の金属材料である請求項14に記載の金属表面処理方法。
  16. 鉄系金属材料表面、亜鉛系金属材料表面またはマグネシウム系金属材料表面に、請求項15に記載の金属表面処理方法によって形成された、前記金属(A)を含有し、かつ、前記金属(A)の元素換算の付着量が1〜100mg/m2であり、前記金属(B)を含有し、かつ、前記金属(B)の元素換算の付着量が5〜500mg/m2である表面処理皮膜層を有する、金属材料。
  17. アルミニウム系金属材料表面に、請求項15に記載の金属表面処理方法によって形成された、前記金属(A)を含有し、かつ、前記金属(A)の元素換算の付着量が50mg/m2以下であり、前記金属(B)を含有し、かつ、前記金属(B)の元素換算の付着量が5〜500mg/m2である表面処理皮膜層を有する、金属材料。
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