JPH08144091A - 耐食性に優れた電解クロメート処理亜鉛系めっき鋼板の製造方法 - Google Patents

耐食性に優れた電解クロメート処理亜鉛系めっき鋼板の製造方法

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JPH08144091A
JPH08144091A JP31756894A JP31756894A JPH08144091A JP H08144091 A JPH08144091 A JP H08144091A JP 31756894 A JP31756894 A JP 31756894A JP 31756894 A JP31756894 A JP 31756894A JP H08144091 A JPH08144091 A JP H08144091A
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steel sheet
chromate
corrosion resistance
zinc
electrolytic chromate
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Hideki Yamada
英樹 山田
Akihiko Furuta
彰彦 古田
Masaaki Yamashita
正明 山下
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 塩分を含有する高湿度環境下においても黒点
錆が発生することのない耐食性に優れたクロメート処理
亜鉛系めっき鋼板を製造する。 【構成】 3〜50g/l のCr6+と、SO4 2- /(Cr3++Cr6+)
が0.5 〜3のSO4 2- と、Mg,Al,Ca,Mn,Fe,Co,Niお
よびZnの群から選んだ少なくとも1種の陽イオンとを含
有し、0.7 〜3 のpH値の電解クロメート処理液中におい
て、亜鉛系めっき鋼板に対し、3 〜30A/dm2 の電流密
度、3C/dm2 以上の電気量で陰極電解処理を施して、亜
鉛系めっき鋼板の少なくとも一方の表面上に電解クロメ
ート被膜を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、家電用機器、自動車
の内板および外板、建材等に使用される、耐食性に優れ
た電解クロメート処理亜鉛系電気めっき鋼板の製造方法
に関するものであり、詳しくは、耐食性、特に湿潤環境
下で発生する黒点状の錆の防止性能に優れた電解クロメ
ート処理亜鉛系めっき鋼板の製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、家電業界、自動車業界、建材業界
等においては、製造コストの低減を図るために、家電用
機器、自動車の内板および外板、建材等に使用されるめ
っき鋼板に関し、無塗装で使用する用途が増加してお
り、従って、一段と優れた耐食性を有する亜鉛系めっき
鋼板の開発が強く望まれている。また、製品の製造と販
売の分業化に伴い、半製品および製品の形で国内外に輸
送されるために、特に海上輸送時における海水の濡れ対
策や、東西アジア地域での湿潤環境に対し、優れた耐食
性能を有する亜鉛系めっき鋼板が要求されている。
【0003】その表面上にクロメート被膜が形成された
電解クロメート処理亜鉛系めっき鋼板は、上述した要求
を満足させる鋼板として注目されている。亜鉛系めっき
鋼板に対する電解クロメート処理は、Cr6+を主成分とす
る水溶液中において、亜鉛系めっき鋼板に対し、鋼板を
陰極として電解処理を施し、亜鉛系めっき層の表面上に
クロメート被膜を形成することにより行われる。
【0004】このような電解クロメート処理によれば、
陰極電解時の電流密度および電解処理時間によって、ク
ロメート被膜の付着量を容易に且つ安定して制御し得る
利点がある。一方、電解クロメート処理亜鉛系めっき鋼
板には、その電解クロメート被膜中の、自己補修作用を
呈するCr6+の含有量が少ないことから、反応型クロメー
ト処理または塗布型クロメート処理が施されたクロメー
ト処理亜鉛系めっき鋼板に比べて、耐食性が劣る問題が
ある。
【0005】そこで、電解クロメート被膜の耐食性を向
上させるために、従来から多くの研究がなされており、
例えば以下に述べるような方法が提案されている。 特公昭48-43019号公報には、クロム酸と、Zn2+,Ni
2+,Cd2+,Pb2+,Mn2+,Fe2+およびCo2+からなる群から
選んだ少なくとも1種を、クロムイオンに対する金属イ
オンがモル比で0.05〜0.6 になるように含有させた処理
液中で鋼板に対し陰極電解処理を施す方法(以下、先行
技術1という)が開示されている。先行技術1には、処
理液中にSO4 2- を含有させると、形成されるクロメート
被膜の耐食性が著しく低下する旨が記載されている。
【0006】 特公平4-30476 号公報には、処理液中
の全Cr量に対し重量比で0.1 〜0.7 未満のCr3+と、重量
比で0.01〜0.1 のSO4 2- とを含有し、更に、必要に応じ
て2価以上の金属塩を含有する処理液中で、鋼板に対し
陰極電解処理を施す方法(以下、先行技術2という)が
開示されている。
【0007】 特開昭63-250495 号公報には、10〜10
0 g/l の無水クロム酸と、0.01〜50g/l の硫酸と、0.1
〜20g/l の NO3 - とを主成分とし、Zn2+,Fe2+,Co2+
Ni2+,Al3+,Cr3+,Mg2+, Ca2+および Ba2+ からなる群
から選んだ少なくとも1種を含有する処理液中で、鋼板
に対し陰極電解処理を施す方法(以下、先行技術3とい
う)が開示されている。先行技術3には、処理液中の硫
酸濃度が10g/l を超えると、クロメート被膜中に硫酸根
が多量に含有され、耐水性が劣化する傾向のある旨が記
載されている。
【0008】 特公昭61-54880号公報には、Cr6+とカ
チオン系コロイダルシリカとを含有する処理液中で、鋼
板に対し陰極電解処理を施す方法(以下、先行技術4と
いう)が開示されている。
【0009】 特開平5-295593号公報には、5 〜150
g/l の無水クロム酸を硫酸イオンとCrO3との重量比で0.
0005〜0.04と、1〜250 g/l のコロイダルシリカとを含
有する処理液中で、鋼板に対し陰極電解処理を施す方法
(以下、先行技術5という)が開示されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述した先行技術1〜
5の何れの方法においても、湿度が低い比較的穏やかな
腐食環境においては、良好な耐食性が発揮されるが、湿
度が高く且つ塩分を含有する厳しい腐食環境下において
は、亜鉛の白色錆が発生する前の早期に、約0.5〜2mm
の直径の黒点状の錆(以下、黒点錆という)が発生する
問題があった。
【0011】従って、この発明の目的は、上述した問題
を解決し、塩分を含有する高湿度環境下においても黒点
錆が発生することのない、耐食性に優れたクロメート処
理亜鉛系めっき鋼板を製造する方法を提供することにあ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上述した
観点から、塩分を含有する高湿度環境下において発生す
る黒点錆を防止し得るクロメート被膜の形成手段につい
て鋭意研究を重ねた。その結果、特定の金属イオンと所
定濃度の硫酸イオンとを含有するクロメート処理液中
で、亜鉛系めっき鋼板に対し適正な電解条件で陰極電解
処理を施せば、黒点錆の発生を防止し得ることを知見し
た。
【0013】この発明は、上記知見に基づいてなされた
ものであって、3〜50g/l のCr6+と、 SO4 2-と( Cr3+
Cr6+)との重量比 SO4 2-/( Cr3++Cr6+)が0.5 〜3の
範囲内のSO4 2- と、Mg,Al,Ca,Mn,Fe,Co,Niおよび
Znの群から選んだ少なくとも1種の陽イオンとを含有
し、そして、pH値が0.7 〜3の範囲内に調整された電解
クロメート処理液中において、亜鉛系めっき鋼板に対
し、3〜30A/dm2 の範囲内の電流密度および3C/dm2
上の電気量で陰極電解処理を施して、亜鉛系めっき鋼板
の少なくとも一方の表面上に電解クロメート被膜を形成
することに特徴を有するものである。前記電解クロメー
ト処理液は、更にCI- ,F- ,BF4 - , SiF6 - ,ZrF6 2-, PO4
3- および NO3 - からなる群から選んだ少なくとも1種
の陰イオンを、0.01〜0.2 グラムイオン/lの範囲で含有
していてもよい。
【0014】
【作用】次に、この発明において、クロメート処理亜鉛
系めっき鋼板の製造条件を、上述したように限定した理
由について説明する。Cr6+としては、無水クロム酸、ま
たは、クロム酸および重クロム酸の金属塩のうちの1種
または2種以上の混合物が使用される。Cr6+の含有量
は、3〜50g/lの範囲内に限定すべきである。Cr6+の含
有量が3g/l 未満では、電解クロメート被膜の形成効率
が悪く、耐食性が劣化する。一方、Cr6+の含有量が50g/
l を超えても、耐食性をより以上に向上させることはで
きず、不経済であるばかりでなく、電解クロメート処理
時に鋼ストリップに付着してクロメート処理槽から持ち
出されるクロメート処理液によって作業環境が汚染され
る問題が生ずる。
【0015】Cr6+の電解還元によって、電解クロメート
被膜中に不純物としてのCr3+の含有が想定されるが、Cr
3+の含有量がCr3+/(Cr3++Cr6+) の重量比で0.4 以下で
あれば、クロメート処理液の安定性および耐食性への影
響は認められなかった。上記Cr3+の含有量がCr3+/(Cr3+
+Cr6+) の重量比で0.4 を超えると、クロメート処理液
の安定性が悪くなり、沈澱が生成しやすくなる。
【0016】この発明においては、クロメート処理液中
に、SO4 2- を、SO4 2- と(Cr3++Cr6+)との重量比SO4
2- /(Cr3++Cr6+)が0.5 〜3の範囲内で含有させる。
従来、クロメート処理液中にSO4 2- が微量でも含有され
ていると、クロメート被膜の耐食性が劣化するとされて
いた。しかしながら、本発明者等の研究によれば、クロ
メート処理液中に、SO4 2- /(Cr3++Cr6+)が0.5 〜3の
範囲内でSO4 2- を含有させることにより、耐食性が飛躍
的に向上し、特に黒点錆の発生防止に効果のあることが
わかった。
【0017】SO4 2- の含有量を上述した割合に限定した
理由について、以下に説明する。15g/l のCrO3、およ
び、H2SO4 2- が SO4 2-/(Cr3++Cr6+)の重量比で0.3,
0.5,0.8, 2.0,3.0および3.5 となるように添加された各
種クロメート処理液を調製し、このクロメート処理液に
Mg(OH)2 を添加して処理液のpH値を変化させ、電流密度
10A/dm2 、電気量10C/dm2 の条件で、亜鉛めっき鋼板に
対し電解クロメート処理を施し、このときのクロメート
処理液のpH値と耐食性(黒点錆発生時間)との関係を調
べ、図1にグラフで示した。
【0018】図1から明らかなように、 SO4 2-/(Cr3+
Cr6+)が0.5 〜3の範囲内であれば優れた耐食性が発揮
されるが、上記 SO4 2-/(Cr3++Cr6+)が0.5 未満または
3超では耐食性が劣化する。従って、クロメート処理液
中のSO4 2- 含有量は、SO4 2-と(Cr3++Cr6+)との重量
比 SO4 2-/(Cr3++Cr6+)が0.5 〜3の範囲内であるよう
に限定すべきである。より好ましいSO4 2- の含有量は、
SO4 2-/(Cr3++Cr6+)の重量比で0.8 〜2の範囲内であ
る。
【0019】クロメート処理液のpH値は、0.7 〜3の範
囲内に限定すべきである。図1から明らかなように、ク
ロメート処理液のpH値が0.7 未満または3超では、耐食
性の向上効果が得られない。より好ましいクロメート処
理液のpH値は、1.0 〜2の範囲内である。
【0020】上記Cr6+およびSO4 2- の濃度ならびにpH値
の調整のために、Mg,Al,Ca,Mn,Fe,Co,NiおよびZn
からなる群から選んだ少なくとも1種の陽イオンを含有
させる。図1に関して述べた試験と同様の試験を、Mg以
外のAl,Ca,Mn,Fe,Co,NiおよびZnからなる群から選
んだ少なくとも1種の陽イオンを含有させて行った場合
においても、耐食性の向上効果のあることが確認され
た。なお、アルカリ金属であるLi+ , Na+ ,K+ ,NH3 +
使用した場合には、耐食性向上効果は得られなかった。
【0021】陰極電解時における電流密度は、3〜30A/
dm2 の範囲内に限定すべきである。上記電流密度が3A/
dm2 未満では、所望の耐食性が得られない。一方、上記
電流密度が30A/dm2 を超えると、クロメート被膜の密着
性が低下して剥離しやすくなり、耐食性が劣化する。ま
た、陰極電解時における電気量は、3C/dm2 以上に限定
すべきである。上記電気量が3C/dm2 未満では、所望の
耐食性が得られない。
【0022】必要に応じて、電解クロメート処理液中
に、更にCI- ,F- ,BF4 - , SiF6 - ,ZrF6 2-, PO4 3- およ
び NO3 - からなる群から選んだ少なくとも1種の陰イオ
ンを、0.01〜0.2 グラムイオン/lの範囲内で含有させて
もよい。上記CI- ,F- ,BF4 - ,SiF6 - ,ZrF6 2- , PO4 3-
および NO3 - からなる群から選んだ少なくとも1種の陰
イオンには、亜鉛系めっき層の表面を均一に溶解して、
その上に、均一なクロメート被膜を形成させる作用があ
る。従って、溶融亜鉛めっき法によって形成された厚い
酸化被膜を有する溶融亜鉛めっき層や、多量の合金元素
を含有し活性点が均一でない亜鉛合金めっき層に対し
て、有効に作用する。
【0023】上記CI- ,F- ,BF4 - , SiF6 - ,ZrF6 2- , PO
4 3- および NO3 - の陰イオンは、HCI, HF,HBF4,HSiF6,
H2ZrF6, H3PO4 およびHNO3の水素酸、または、Mg塩,Al
塩,Ca塩,Mn塩,Fe塩,Co塩,Ni塩およびZn塩の形で含
有させることができる。
【0024】CI- ,F- ,BF4 - , SiF6 - ,ZrF6 2- , PO4 3-
および NO3 - からなる群から選んだ少なくとも1種の陰
イオンの含有量は、0.01〜0.2 グラムイオン/lの範囲内
に限定すべきである。上記陰イオンの含有量が0.01グラ
ムイオン/l未満では、所望の効果が得られない。一方、
上記陰イオンの含有量が0.2 グラムイオン/lを超える
と、亜鉛めっき層の表面が過剰にエッチングされて耐食
性が劣化する問題が生ずる。
【0025】この発明による電解クロメート処理が施さ
れる亜鉛系めっき鋼板としては、電気亜鉛めっき法、溶
融亜鉛めっき法、蒸着亜鉛めっき法、イオンプレーティ
ング法等によってめっき被膜が形成された各種亜鉛系め
っき鋼板、即ち、Znめっき鋼板、Zn-Ni, Zn-Fe, Zn-Mn,
Zn-Al, Zn-Cr, Zn-Cr-Ni, Zn-Al-Si 等の亜鉛合金めっ
き鋼板、複合亜鉛めっき鋼板、または、亜鉛系めっき層
中に、SiO2, Al2O3 等の酸化物またはクロム酸バリウム
等の不溶性塩を分散させたいわゆる分散めっき鋼板等を
使用することができる。
【0026】この発明の方法によりクロメート被膜が形
成されたクロメート処理亜鉛系めっき鋼板は、水洗しそ
して乾燥したままの状態で、無塗装用鋼板または塗装下
地用鋼板として使用できるが、必要に応じ、クロメート
処理亜鉛系めっき鋼板に対し、一般に行われているクロ
メートのシーリング処理や有機系処理液による後処理を
施してもよい。
【0027】
【実施例】次に、この発明を、実施例により比較例と共
に説明する。 〔実施例1〕その表面上に20mg/m2 の量の電気亜鉛めっ
き層が形成された板厚0.8mm の電気亜鉛めっき鋼板に対
し、表1〜表3に示す、この発明の範囲内の成分組成を
有するクロメート処理液を使用し、且つ、この発明の範
囲内の電解条件により陰極電解処理を施して電気亜鉛め
っき層の上にクロメート被膜を形成し、次いで、これを
水洗、乾燥することにより、本発明方法による電解クロ
メート処理亜鉛めっき鋼板の供試体(以下、本発明供試
体という)No.1〜60を調製した。
【0028】比較のために、上記と同様の電気亜鉛めっ
き鋼板に対し、表3に併せて示す、この発明の範囲外の
成分組成を有するクロメート処理液を使用し、またはこ
の発明の範囲外の電解条件により陰極電解処理を施し
て、電気亜鉛めっき層の上にクロメート被膜を形成し、
次いで、これを水洗、乾燥することにより、本発明の範
囲外の方法による電解クロメート処理亜鉛めっき鋼板の
供試体(以下、比較用供試体という)No.1〜12を調製し
た。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】
【表3】
【0032】上記により調製された本発明供試体および
比較用供試体の各々に対し、その耐食性を評価するた
め、JIS-Z-2371に規定されている塩水噴霧試験を実施し
た。即ち、各供試体に対し、35℃の温度の塩化ナトリウ
ム水溶液を40g/l の量でノズルにより均一に噴霧し、供
試体の表面上に発生した直径0.5mm 以上の黒点錆を目視
によって調べ、上記黒点錆が発生するまでの時間を評価
した。評価結果を表1〜表3に併せて示す。表1〜表3
において、黒点錆の発生時間が長いほど耐食性が良好で
あることを示している。
【0033】表3から明らかなように、クロメート処理
液中のCr6+量が本発明の範囲を外れて少なく、且つ、 S
O4 2-/(Cr3++Cr6+)が本発明の範囲を超えて多い比較用
供試体No.1、処理液中に SO4 2-を含有していない比較用
供試体No.2、 SO4 2-/(Cr3++Cr6+)が本発明の範囲を超
えて多い比較用供試体No.3および SO4 2-/(Cr3++Cr6+
が本発明の範囲を外れて少ない比較用供試体No.4におい
ては、黒点錆が早期に発生した。
【0034】クロメート処理液のpH値が本発明の範囲を
外れて少ない比較用供試体No.5、および、上記pH値が本
発明の範囲を外れて多い比較用供試体No.6においては、
黒点錆が早期に発生した。また、陰極電解処理時の電流
密度が本発明の範囲を外れて少ない比較用供試体No.7,
8 および上記電流密度が本発明の範囲を超えて多い比較
用供試体No.9および電気量が本発明の範囲を外れて少な
い比較用供試体No.10においても、黒点錆が早期に発生
した。
【0035】先行技術1に相当する、クロメート処理液
中にSO4 2- を含有していない比較用供試体No.11 、およ
び、先行技術2に相当する、 SO4 2-/(Cr3++Cr6+)が本
発明の範囲を外れて少ない比較用供試体No.12 において
は黒点錆が早期に発生した。
【0036】これに対して、クロメート処理液の成分組
成および陰極電解処理が何れもこの発明の範囲内の条件
で陰極電解処理を施し、電気亜鉛めっき層の上にクロメ
ート被膜を形成した本発明供試体No.1〜60においては、
黒点錆が発生するまでの時間が長く、優れた耐食性を示
した。
【0037】〔実施例2〕その表面上に各種の亜鉛合金
めっき被膜が形成された板厚0.8mm の亜鉛合金めっき鋼
板に対し、表4および表5に示す、この発明の範囲内の
成分組成を有し、また、CI- ,F- ,BF4 - , SiF6 - ,ZrF6
2- , PO4 3- および NO3 - からなる群から選んだ少なく
とも1種の陰イオンをこの発明の範囲内の量で含有する
クロメート処理液を使用し、そして、表6および表7に
示す、この発明の範囲内の電解条件により陰極電解処理
を施して亜鉛合金めっき層の上にクロメート被膜を形成
した本発明供試体No.61 〜91を調製した。
【0038】比較のために、上記と同様の各種亜鉛合金
めっき鋼板に対し、表5および表7に併せて示す、この
発明の範囲を外れた量の陰イオンを含有するクロメート
処理液を使用し陰極電解処理を施して、亜鉛合金めっき
層の上にクロメート被膜を形成した比較用供試体No.13
〜19を調製した。
【0039】
【表4】
【0040】
【表5】
【0041】
【表6】
【0042】
【表7】
【0043】表7から明らかなように、陰イオンの含有
量がこの発明の範囲を超えて多い比較用供試体No.13 〜
19においては、めっき層の表面が過剰にエッチングされ
たために、黒点錆が早期に発生した。これに対して、こ
の発明の範囲内の陰イオンを含有する本発明供試体No.6
1 〜91においては、黒点錆が発生するまでの時間が長
く、優れた耐食性を示した。
【0044】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
塩分を含有する高湿度環境下においても黒点錆が発生す
ることのない、耐食性に優れたクロメート処理亜鉛系め
っき鋼板が得られる工業上有用な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】クロメート処理液中のSO4 2- /(Cr3++Cr6+)比
およびpH値と耐食性(黒点錆発生時間)との関係を示す
グラフである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 3〜50g/l のCr6+と、 SO4 2-と( Cr3+
    Cr6+)との重量比SO4 2-/( Cr3++Cr6+)が0.5 〜3の
    範囲内のSO4 2- と、Mg,Al,Ca,Mn,Fe,Co,Niおよび
    Znの群から選んだ少なくとも1種の陽イオンとを含有
    し、そして、pH値が0.7 〜3の範囲内に調整された電解
    クロメート処理液中において、亜鉛系めっき鋼板に対
    し、3〜30A/dm2 の範囲内の電流密度および3C/dm2
    上の電気量で陰極電解処理を施して、前記亜鉛系めっき
    鋼板の少なくとも一方の表面上に電解クロメート被膜を
    形成することを特徴とする、耐食性に優れた電解クロメ
    ート処理亜鉛系めっき鋼板の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記電解クロメート処理液が、更にC
    I- ,F- ,BF4 - , SiF6 -, ZrF6 2-, PO4 3- および NO3 -
    らなる群から選んだ少なくとも1種の陰イオンを、0.01
    〜0.2 グラムイオン/l含有している、請求項1記載の方
    法。
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