JP2010162934A - 車両用シートのアクティブヘッドレスト機構 - Google Patents

車両用シートのアクティブヘッドレスト機構 Download PDF

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Abstract

【課題】車両の後突によって生じる乗員の背凭れ荷重を素早く伝達する車両用シートのアクティブヘッドレスト機構を提供することである。
【解決手段】シートバック20内に配置され、乗員の後方移動を検知する受圧部材50と、この受圧部材50の作動により、ヘッドレスト30を乗員の後頭部へ向けて作動させるヘッドレスト作動機構とを備えた車両用シート1のアクティブヘッドレスト機構であって、受圧部材50は、シートバック20に対して揺動軸51により揺動可能に保持されており、更に、受圧部材50には、自身が後方に移動される作用点b、cを有しており、この作用点と揺動軸51との距離が、作動範囲の最初よりも終わりの方が短くなるように設定されている。
【選択図】図4

Description

本発明は、車両用シートのアクティブヘッドレスト機構に関する。
従来、車両に後突が発生すると、車両用シートのヘッドレストのうち、乗員の後頭部を支承する部位(以降において、単に「支承板」と記す)が乗員の後頭部側に向けて飛び出るヘッドレストが既に知られている。ここで、下記特許文献1には、車両に後突が発生したときの弾みで、車両用シートに着座した乗員のシートバックに強く圧し掛かる荷重(乗員の背凭れ荷重)を引き金にして、シートバック内部の検出アームを作動させることで上述したように支承板が飛び出る技術が開示されている。この技術により、車両に後突が発生すると、乗員の後頭部を受け止めることができる。
特開2005−95237号公報
しかしながら、上述した従来技術では、乗員の背凭れ荷重によって検出アームを大きく作動させる(大きく振れさせる)ことで支承板が飛び出る構造となっている。そのため、検出アームの作動(検出アームの振れのうち、振れ始めを起点として支承板の飛び出し始めを終点とするまでの振れ)に多くの時間が必要となっていた。したがって、車両の後突によって生じる乗員の背凭れ荷重の伝達に多くの時間を要することとなり、結果として、ヘッドサポート部を瞬時に飛び出させることができなかった。
本発明は、このような課題を解決しようとするもので、その目的は、車両の後突によって生じる乗員の背凭れ荷重を素早く伝達する車両用シートのアクティブヘッドレスト機構を提供することである。
本発明は、上記の目的を達成するためのものであって、以下のように構成されている。
請求項1に記載の発明は、シートバック内に配置され、乗員の後方移動を検知する受圧部材と、この受圧部材の作動により、ヘッドレストを乗員の後頭部へ向けて作動させるヘッドレスト作動機構とを備えた車両用シートのアクティブヘッドレスト機構であって、受圧部材は、シートバックに対して揺動軸により揺動可能に保持されており、更に、受圧部材には、自身が後方に移動される作用点を有しており、この作用点と揺動軸との距離が、作動範囲の最初よりも終わりの方が短くなるように設定されていることを特徴とする。
この構成によれば、受圧部材の回動範囲のうち、初期撓みを越えた範囲では、その回動半径を小さくすることができる。そのため、受圧部材(従来技術において、検出アーム)の回動半径が一定であった従来技術と比較すると、受圧部材を素早く回動させることができる。したがって、支承板(従来技術において、ヘッドサポート部)を迅速に作動させることができる。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車両用シートのアクティブヘッドレスト機構であって、作動範囲の最初では、乗員の静的な背凭れ荷重により、受圧部材が揺動することを特徴とする。
この構成によれば、受圧部材の回動範囲のうち、初期撓みの範囲では、支承板の飛び出しが行われ難くしているため、乗員に体格差が生じている場合でも、支承板の誤作動(支承板の誤った飛び出し動作)を防止することができる。
また、請求項3に記載の発明は、シートバックのフレーム側に回動可能に組み付けられた受圧部材にウェイトを有する連結アームが枢着されており、車両の後突によって生じる慣性力がウェイトに作用した状態で、受圧部材が車両用シートに着座した乗員の背凭れ荷重を受けて回動すると、その回動によって連結アームに形成されたピンがシートバックのフレーム側に回動可能に組み付けられた揺動部材のアームに形成されたリブを押し当てながら移動し、この移動に伴って揺動部材が回動することで、乗員の背凭れ荷重を揺動部材へ伝達する車両用シートのクラッチ機構であって、受圧部材には、乗員の背凭れ荷重を受ける側と反対側に向けて自身の回動の軸と平行を成す折り曲げ線によって折り曲げられた屈曲部が形成されており、受圧部材における乗員の背凭れ荷重を受け始める部位を作用点とする回動半径は、屈曲部を作用点とする回動半径より長くなるように設定されていることを特徴とする。
この構成によれば、クラッチ機構Cが備えられているため、更に、乗員の体格差による誤作動を防止することができる。また、この構成によれば、乗員が、単に、シートバックに対して背凭れすることによって受圧部材が乗員から背凭れ荷重を受けた段階では、受圧部材の回動量を抑えることができると共に、連結アームのピンの移動量も抑えることができる。これに対し、車両に後突が発生することによって、さらに、受圧部材が乗員から背凭れ荷重を受けた段階では、受圧部材の回動量を多くすることができると共に、連結アームのピンの移動量も多くすることができる。したがって、車両の後突によって生じる乗員の背凭れ荷重を素早く伝達させることができる。
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の車両用シートのクラッチ機構であって、屈曲部は、複数形成されており、複数の屈曲部を作用点とする各回動半径は、先端側から基端側につれて短くなるように設定されていることを特徴とする。
この構成によれば、屈曲部を多く設けると、車両の後突によって生じる乗員の背凭れ荷重を、さらに素早く伝達させることができる。
図1は、本発明の実施例に係る車両用シートのアクティブヘッドレスト機構を適用させた車両用シートの全体概略図である。 図2は、図1のクラッチ機構の拡大図である。 図3は、図2の正面模式図である。 図4は、図2の側面模式図である。 図5は、図4の状態から、乗員の背凭れ動作によって、乗員の背凭れ荷重が圧し掛かっている状態を示した模式図である。 図6は、図5の初期撓みの許容範囲を示した模式図である。 図7は、図5の状態から、乗員が乗降することによって、乗員の背凭れ荷重が強く圧し掛かっている状態を示した模式図である。 図8は、図5の状態から、車両に後突が発生することによって、乗員の背凭れ荷重が強く圧し掛かっている状態を示した模式図である。
以下、本発明を実施するための形態を、図1〜8を用いて説明する。なお、図1では、シートクッション10、シートバック20およびアクティブヘッドレスト30から構成される車両用シート1の内部構造を分かり易く示すために、これらのクッション構造および表皮構造を省略し内部のフレーム構造のみを示している。また、以下の説明にあたって、上、下、前、後、左、右とは、上述した図に記載した、上、下、前、後、左、右の方向、すなわち、車両用シート1を基準にしたときの上、下、前、後、左、右の方向を示している。
まず、本発明の実施例に係る車両用シート1の全体構成を説明する。図1、2に示すように、車両用シート1は、乗員が着座するシートクッション10と、着座した乗員の背凭れ部となるシートバック20と、着座した乗員の後頭部を支承するアクティブヘッドレスト30とから構成されている。
これらの構成部材のうち、シートバック20とアクティブヘッドレスト30のフレーム構造についてそれぞれ詳述する。なお、シートクッション10については、公知の構成であるため、その詳細説明は省略することとする。はじめに、シートバック20のフレーム構造について詳述する。シートバック20のフレームは、左右一対のサイドフレーム22、22と、これら両サイドフレーム22の上部を橋渡す格好のアッパフレーム24と、これら両サイドフレーム22の下部を橋渡す格好のロアフレーム26とから構成されている。
両サイドフレーム22の下端は、リクライニング機構(図示しない)を介してシートクッション10の左右一対のクッションフレーム12、12の後端にそれぞれ組み付けられている。これにより、シートバック20をシートクッション10に対して傾動させることができ、その傾動範囲のうち所望する位置でシートバック20を保持させることができる。
アッパフレーム24には、左右一対のホルダ24a、24aがそれぞれ組み付けられている。この両ホルダ24aには、後述するアクティブヘッドレスト30の左右一対のステー34、34をそれぞれ挿入係止可能なサポート24bがそれぞれ組み付けられている。これにより、シートバック20にアクティブヘッドレスト30を組み付けることができる。
なお、両サポート24bのうち、一方のサポート24b(図1において、左側のサポート24b)の内部には、後述するアクティブヘッドレスト30のロック機構Rを解除させるために一方のステー34(図1において、左側のステー34)の内部に配置されたロッド38を突き上げるロッド突上部材(図示しない)が設けられている。このロッド突上部材は、操作ケーブル80を介して後述する第2の揺動部材75と接続されている。この操作ケーブル80とは、筒状に形成されたアウタケーブル82と、このアウタケーブル82の内部を移動可能に差し込まれたワイヤー状のインナケーブル84とから構成された2重構造のケーブル部材である。
この操作ケーブル80のうち、アウタケーブル82の一方側の端部(上端部)は、上述したように左側のサポート24bのロッド突上部材に掛け止めされ、同他方側の端部(下端部)は、後述するベースプレート40の第3のリブ44に掛け止めされている。一方、インナケーブル84の一方側の端部(上端部)は、上述したロッド突上部材の内部にロッド38を突き上げ可能に配置され、同他方側の端部(下端部)は、後述する第2の揺動部材75に掛け止めされている。そして、インナケーブル84に張力が作用すると、ロッド突上部材はロッド38を突き上げてアクティブヘッドレスト30のロック機構Rを解除させる構造となっている。なお、この操作ケーブル80が特許請求の範囲に記載の「伝達部材」に相当する。このようにしてシートバック20のフレームは構成されている。
次に、アクティブヘッドレスト30のフレーム構造について詳述する。アクティブヘッドレスト30のフレームは、アクティブヘッドレスト30の輪郭を成す基部32と、この基部32と一体に組み付けられた左右一対のステー34、34と、この基部32に引っ張りばねとリンク機構(いずれも図示しない)を介して組み付けられた支承板36とから構成されている。
なお、車両に後突が発生する前の通常時、支承板36は引っ張りばねの付勢力に抗して基部32に対して略一体となるように上述したロック機構Rによってロックされている。そのため、このロック機構Rのロック解除が行われると、引っ張りばねの付勢力によってリンク機構が作動することで、支承板36は基部32に対して前方向に飛び出る構造となっている。これにより、支承板36によって乗員の後頭部を支承することができる。なお、このように支承板36が基部32に対して前方向に飛び出る構造が、特許請求の範囲に記載の「ヘッドレスト作動機構」に相当する。このようにしてアクティブヘッドレスト30のフレームは構成されている。
次に、上述した車両用シート1に組み付けられるクラッチ機構Cを説明する。このクラッチ機構Cは、図2〜4に示すように、ベースプレート40と、受圧部材50と、連結アーム60、第1の揺動部材70および第2の揺動部材75とから構成されている。以下に、これら各構成部材40、50、60、70、75を個別に説明していく。
はじめに、ベースプレート40を説明する。ベースプレート40は、クラッチ機構Cのベースを成すプレート状に形成された部材である。このベースプレート40は、ロアフレーム26(図2〜4において、図示しない)の前面に締結されている。
次に、受圧部材50を説明する。受圧部材50は、車両用シート1に着座した乗員の背凭れ荷重を受け止め可能に略板状に形成された部材である。この受圧部材50は、ベースプレート40に形成された左右一対の第1のリブ41、41にピン51を介して車幅方向を軸方向とする軸回りに回動可能に組み付けられている。
また、この受圧部材50には、乗員の背凭れ荷重を受ける側と反対側に向けて(後述するトーションばね52の付勢方向と反対方向に向けて)自身の回動の軸と平行を成す折り曲げ線によって折り曲げられた第1の屈曲部bと第2の屈曲部cとが形成されている。そして、第2の屈曲部cを作用点とする受圧部材50の回動半径(第2の屈曲部cとピン51の軸中心aとの距離)L2は、第1の屈曲部bを作用点とする受圧部材50の回動半径(第1の屈曲部bとピン51の軸中心aとの距離)L1より長くなるように設定されている。
このことが、特許請求の範囲に記載の「受圧部材には、自身が後方に移動される作用点を有しており、この作用点と揺動軸との距離が、作動範囲の最初よりも終わりの方が短くなるように設定されている」に相当する。このとき、受圧部材50は、その第2の屈曲部cがパッド(図示しない)を支える屈曲ばね28に接触する方向(図4において、矢印A方向)へトーションばね52を介して付勢状態で組み付けられている。なお、この第2の屈曲部cが、特許請求の範囲に記載の「受圧部材における乗員の背凭れ荷重を受け始める部位」に相当する。
次に、連結アーム60を説明する。連結アーム60は、車両の後突によって生じた乗員からの背凭れ荷重のみを後述する第1の揺動部材70に伝達する略く字状に形成された部材である。この連結アーム60の略く字の折れ曲がり部位には、ベースプレート40の第2のリブ42に形成された長孔43の内部を移動可能なピン65が形成されている。また、この連結アーム60の先端側には、ウェイト64が組み付けられている。
そして、この連結アーム60は、その基端が受圧部材50に形成されたリブ54にピン61を介して車幅方向を軸方向とする軸回りに回動可能に組み付けられている。このとき、連結アーム60は、自身のピン65が長孔43の前面43aに接触する方向(図4において、矢印B方向)へトーションばね62を介して付勢状態で組み付けられている。
続いて、第1の揺動部材70を説明する。第1の揺動部材70は、上述した連結アーム60からの背凭れ荷重を後述する第2の揺動部材75に伝達するプレート状に形成された部材である。この第1の揺動部材70は、ベースプレート40に対してその表面に対する垂直方向を軸方向とする軸回りに回動可能にピン71を介して組み付けられている。このとき、第1の揺動部材70は、その外周の一部から飛び出す格好で形成されている飛び出し部位70aがベースプレート40に形成された第4のリブ45に接触する方向(図3において、矢印C方向)へトーションばね72を介して付勢状態で組み付けられている。
また、この第1の揺動部材70には、その外周の一部から飛び出す格好で第1のアーム73と第2のアーム74がそれぞれ形成されている。これら両アーム73、74の先端には、リブ73a、74aがそれぞれ形成されている。これら両リブ73a、74aのうち、前者のリブ73aは、小さな背凭れ荷重によって連結アーム60のピン65が移動するときに押し当てられるように形成されており、後者のリブ74aは、大きな背凭れ荷重によって連結アーム60のピン65が移動するときに押し当てられるように形成されている。また、この第1の揺動部材70が特許請求の範囲に記載の「揺動部材」に相当する。
最後に、第2の揺動部材75を説明する。第2の揺動部材75は、上述した第1の揺動部材70から伝達される背凭れ荷重によって操作ケーブル80を引っ張るプレート状に形成された部材である。この第2の揺動部材75は、第1の揺動部材70と同様に、ベースプレート40に対してその表面に対する垂直方向を軸方向とする軸回りに回動可能にピン76を介して組み付けられている。このとき、第2の揺動部材75は、その外周面に形成されたリブ78が第1の揺動部材70の飛び出し部位70aに接触する方向(図3において、矢印D方向)へトーションばね77を介して付勢状態で組み付けられている。また、この第2の揺動部材75には、既に説明したように、操作ケーブル80のインナケーブル84の他端(下端)が掛け止めされている。このようにしてクラッチ機構Cは構成されている。
続いて、図4〜8を参照して、上述したクラッチ機構Cの動作を説明する。まず、図4に示す状態から、乗員が、単に、シートバック20に対して背凭れすることによって受圧部材50が乗員から背凭れ荷重(乗員の静的な背凭れ荷重)を受けると(図5に示す状態になると)、連結アーム60は、そのピン65が長孔43の内部を下方に向かって移動していくように回動していく。このとき、連結アーム60のピン65は、連結アーム60に作用するトーションばね62の付勢力によって長孔43内の前面43aに沿って移動していく。また、このとき、図4からも明らかなように、乗員からの背凭れ荷重は、受圧部材50の第2の屈曲部cのみが受け止める格好となっている。そのため、このとき、受圧部材50は、第2の屈曲部cを作用点とする回動半径L2によって回動することとなっている。
なお、このときの連結アーム60の回動量を、以降において、単に「初期撓み」と記す。また、この受圧部材50の初期撓みは、受圧部材50の第2の屈曲部cが乗員の背凭れ荷重を受け止め始めてから、受圧部材50の回動に伴って、第1の屈曲部bも乗員の背凭れ荷重を受け止めるまでの範囲で設定されている(図4〜6における、受圧部材50の回動範囲)。すなわち、この初期撓みによって、乗員の体格差(体重差)を吸収できるようになっている。
また、図5に示す状態から、乗員が、降車することによって(または、乗員が、シートバック20を倒した状態で自身の両足を車両フロアにつけて踏ん張ることで)受圧部材50が乗員からさらに背凭れ荷重を受けると(図7に示す状態になると)、連結アーム60は、そのピン65が長孔43の内部を、さらに下方に向かって移動していくように回動していく。このように、乗員の単なる背凭れによって生じる背凭れ荷重、および乗員の降車によって生じる背凭れ荷重は、第1の揺動部材70へ伝達されることはない。なお、このことは、乗員の乗車によって生じる背凭れ荷重でも同様である。
次に、上述した図5に示す状態から、車両に後突が発生することによって、さらに、受圧部材50が乗員から背凭れ荷重を受けると、連結アーム60は、そのピン65が長孔43の内部を下方に向かって移動していくように回動していく。このとき、連結アーム60のウェイト64には、車両の後突によって後方に向けて慣性力が作用しているため、連結アーム60のピン65は、連結アーム60に作用するトーションばね62の付勢力に抗して長孔43内の後面43bに沿って移動していく。
すると、連結アーム60のピン65は、第1の揺動部材70の第1のアーム73のリブ73aを押し当てながら移動していくため、この移動によって連結アーム60のピン65は、トーションばね72の付勢力に抗して第1の揺動部材70を回動させていく。そのため、車両に後突が発生したことによって生じる背凭れ荷重は、第1の揺動部材70へ伝達されることになる(図8参照)。このとき、図8からも明らかなように、乗員からの背凭れ荷重は、受圧部材50の第1の屈曲部bのみが受け止める格好となっている。そのため、このとき、受圧部材50は、第1の屈曲部bを作用点とする回動半径L1によって回動することとなっている。
また、このとき、第1の揺動部材70の飛び出し部位70aが第2の揺動部材75のリブ78を押し当てるため、この押し当てに伴って第2の揺動部材75も、トーションばね77の付勢力に抗して回動していく。すると、操作ケーブル80のインナケーブル84が引っ張られ、その引っ張られたインナケーブル84に張力が作用するため、既に説明したように、ロック機構Rのロック解除が行われて支承板36が乗員の後頭部側に向けて飛び出ていく。これにより、車両に後突が発生すると、アクティブヘッドレスト30を乗員の後頭部側に向けて飛び出させて乗員の後頭部を受け止めることができる。
本発明の実施例に係る車両用シートのアクティブヘッドレスト機構は、上述したように構成されている。この構成によれば、受圧部材50の回動範囲のうち、初期撓みを越えた範囲では、その回動半径を小さくすることができる。そのため、受圧部材50(検出アーム)の回動半径が一定であった従来技術と比較すると、受圧部材50を素早く回動させることができる。したがって、支承板36を迅速に作動させることができる。
また、この構成によれば、受圧部材50の回動範囲のうち、初期撓みの範囲では、支承板36の飛び出しが行われ難くしているため、乗員に体格差が生じている場合でも、支承板36の誤作動(支承板36の誤った飛び出し動作)を防止することができる。
また、この構成によれば、クラッチ機構Cが備えられているため、更に、乗員の体格差による誤作動を防止することができる。また、この構成によれば、第2の屈曲部cを作用点とする受圧部材50の回動半径L2は、第1の屈曲部bを作用点とする受圧部材50の回動半径L1より長くなるように設定されている。そのため、初期撓みの段階(乗員が、単に、シートバック20に対して背凭れすることによって受圧部材50が乗員から背凭れ荷重を受けた段階)では、受圧部材50の回動量を抑えることができると共に、連結アーム60のピン65の移動量も抑えることができる。これに対し、初期撓みを越えた段階(車両に後突が発生することによって、さらに、受圧部材50が乗員から背凭れ荷重を受けた段階)では、受圧部材50の回動量を多くすることができると共に、連結アーム60のピン65の移動量も多くすることができる。したがって、車両の後突によって生じる乗員の背凭れ荷重を素早く伝達させることができ、結果として、支承板36を瞬時に飛び出させることがでる。
また、この構成によれば、両屈曲部b、cを作用点とする各回動半径L1、L2は、先端側から基端側につれて短くなるように設定されている。そのため、屈曲部を多く設けると、車両の後突によって生じる乗員の背凭れ荷重を、さらに素早く伝達させることができる。
上述した内容は、あくまでも本発明の一実施の形態に関するものであって、本発明が上記内容に限定されることを意味するものではない。
実施例では、受圧部材50に第1の屈曲部bと第2の屈曲部cを設ける構成を説明した。しかし、これに限定されるものでなく、受圧部材50に第2の屈曲部cを設けることなく、受圧部材50に第1の屈曲部bのみを設ける構成であっても構わない。その場合、受圧部材50の先端部が、第2の屈曲部cに相当することとなる。
また、実施例では、受圧部材50に第1の屈曲部bと第2の屈曲部cを設ける構成を説明した。しかし、これに限定されるものでなく、受圧部材50に、さらに、屈曲部を設ける構成であっても構わない。その場合、上述したように、車両の後突によって生じる乗員の背凭れ荷重を、さらに素早く伝達させることができる。
1 車両用シート
20 シートバック
22 サイドフレーム
50 受圧部材
60 連結アーム
64 ウェイト
70 揺動部材(第1の揺動部材)
73 アーム(第1のアーム)
73a リブ


Claims (4)

  1. シートバック内に配置され、乗員の後方移動を検知する受圧部材と、この受圧部材の作動により、ヘッドレストを乗員の後頭部へ向けて作動させるヘッドレスト作動機構とを備えた車両用シートのアクティブヘッドレスト機構であって、
    受圧部材は、シートバックに対して揺動軸により揺動可能に保持されており、更に、受圧部材には、自身が後方に移動される作用点を有しており、この作用点と揺動軸との距離が、作動範囲の最初よりも終わりの方が短くなるように設定されていることを特徴とする車両用シートのアクティブヘッドレスト機構。
  2. 請求項1に記載の車両用シートのアクティブヘッドレスト機構であって、
    作動範囲の最初では、乗員の静的な背凭れ荷重により、受圧部材が揺動することを特徴とする車両用シートのアクティブヘッドレスト機構。
  3. シートバックのフレーム側に回動可能に組み付けられた受圧部材にウェイトを有する連結アームが枢着されており、車両の後突によって生じる慣性力がウェイトに作用した状態で、受圧部材が車両用シートに着座した乗員の背凭れ荷重を受けて回動すると、その回動によって連結アームに形成されたピンがシートバックのフレーム側に回動可能に組み付けられた揺動部材のアームに形成されたリブを押し当てながら移動し、この移動に伴って揺動部材が回動することで、乗員の背凭れ荷重を揺動部材へ伝達するクラッチ機構を備えた車両用シートのアクティブヘッドレスト機構であって、
    受圧部材には、乗員の背凭れ荷重を受ける側と反対側に向けて自身の回動の軸と平行を成す折り曲げ線によって折り曲げられた屈曲部が形成されており、
    受圧部材における乗員の背凭れ荷重を受け始める部位を作用点とする回動半径は、屈曲部を作用点とする回動半径より長くなるように設定されていることを特徴とする車両用シートのアクティブヘッドレスト機構。
  4. 請求項3に記載の車両用シートのアクティブヘッドレスト機構であって、
    屈曲部は、複数形成されており、
    複数の屈曲部を作用点とする各回動半径は、先端側から基端側につれて短くなるように設定されていることを特徴とする車両用シートのアクティブヘッドレスト機構。









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