JP4584181B2 - 衝撃吸収シート装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両が後方から衝突されたことによる荷重を、シートバックのシートクッションに対する傾斜角を大きく変えることなく緩衝する衝撃吸収シート装置に関するものである。
車両用シートにおいては、車両が後方から追突される後部衝突に巻き込まれた場合には、シートに着座している乗員には慣性力によって後方に押し付けられるようになる。このとき、乗員の背部から臀部にかけてはシートバックにほぼ接触しているため、後方への慣性力がかかったとしてもほとんど動くことは無い。しかし、頭部については、特に車両を運転している乗員にあってはヘッドレストから離れた位置にあり、後方への慣性力がかかると頭部が後方へと移動してヘッドレストに打ち付けられる。そうすると頭部が外力によって前後に激しく揺さぶられ、頸椎および周囲の支持組織が損傷を受けて鞭打ち症などの傷害を負ってしまう可能性が大きかった。
このような傷害を負わないように、車両が衝突することによる衝突荷重が乗員に掛かると、その荷重を吸収することによって乗員を保護する衝撃吸収シート装置が考えられた。この衝撃吸収シート装置においては、特に頭部が外力によって前後に激しく揺さぶられることを防止することを目的として、ヘッドレストのみが頭部のある前方へ移動することによって、ヘッドレストと頭部との間の距離を小さくするものや、シートバック自体を前方へ揺動させることによってヘッドレストと頭部との距離を小さくするものが提案されている。
このうち、シートバック自体を前方へ揺動させることによって、ヘッドレストと頭部との距離を小さくするものとしては例えば特許文献1に示すものがある。特許文献1の衝撃吸収シートは、シートバックが取り付けられるリクライニング装置が支持プレート(32)に取り付けられている。支持プレート(32)は、ピボットリンク(27)と弓側の第2のピボットリンク(33)、中間支持プレート(15)を介してシートクッション側に取り付けられるブラケット(3)に取り付けられている。ピボットリンク(27)は、下孔(29)が支持プレート(32)に回動自在に取り付けられ、上孔(26)が中間支持プレート(15)に回動自在に取り付けられている。ピボットリンク(27)には孔(28)が穿設されており、中間支持プレート(15)に取り付けられている釈放要素(23)の脆弱部分と係合している。
第2のピボットリンク(33)についても、第2の孔(35)が支持プレート(32)に回動自在に取り付けられ、第1の孔(34)が中間支持プレート(15)に回動自在に取り付けられている。中間支持プレート(15)の第2の孔(35)が取り付けられる位置には、略三角形の案内孔(21)が設けられており、第2のピボットリンク(33)は第1の孔(34)を中心として、案内孔(21)に沿って回動できるようになっている。
このように構成すると、車両が衝突することによる衝突荷重が乗員に掛かると、慣性力で乗員が後方に荷重をかけ、シートバックを後方に押すようになる。すると第1の動作として、リクライニング装置を通して支持プレート(32)が、ピボットリンク(27)と第2のピボットリンク(33)によって上孔(26)および第1の孔(34)を回転軸として後方へスライドすることにより、シートバックの下部が後方に移動し、シートバックの上部(ヘッドレストを含む)が前方へ移動することになる。このとき、ピボットリンク(27)は、ピボットリンク(27)の孔(28)に係合している釈放要素(23)の脆弱部分が破壊されるに十分な強さがかかったときのみ、リンクが回動するようになっている。従って、ヘッドレストと頭部との距離が小さくなり、頭部がヘッドレストに激しく打ち付けられることを防げる。
上記第1の動作後、第2の動作としてヘッドレストに頭部が接触するとヘッドレストを後方に押すことによって、シートバックの下部が前方へ移動しようとする。すると支持プレート(32)はピボットリンク(27)の下孔(29)を軸として回転し、第2のピボットリンク(33)の第2の孔(35)を案内孔(21)に沿って上方に押し上げるようになる。それによって、第2のピボットリンク(33)の凹部(38)で第2のピボットリンク(33)が折れ曲がることによって荷重を吸収し、頭部が前後に揺さぶられることを防止できるようになっている。
特表2000−516557号公報
しかしながら、上記特許文献1では、第2の動作において第2のピボットリンクが折れ曲がることによって衝撃が吸収され、第1の動作では釈放要素の脆弱部分の破壊によって衝撃が吸収されるものの、脆弱部分が破壊するまでに溜めが生じ、脆弱部分が破壊されてから第2の動作に入るまでは抵抗力が働くものがないため、ヘッドレストが急に動作することで頭部を打ってしまうという不具合が生じる可能性が考えられる。
また、第2の動作において、衝撃を吸収するのに第2のピボットリンクを折り曲げるようにしてあるが、リンクの強度と折れ曲がりによる吸収荷重の調整が取りにくく、ある一定の荷重を受け止めるのにどのくらいの強度のリンクを使用すればよいかの判断がつきにくいという不都合が起こる可能性も考えられる。
さらに、第1の動作および第2の動作を行なうためには、略三角形に形成された案内孔の辺に沿って第2のピボットリンクが移動しなければならないが、乗員にかかる衝突荷重によっては必ずしも上記のような第1の動作および第2の動作が行なわれず、案内孔の辺に沿わずに移動してしまい、確実な衝撃吸収の動作がされない可能性も考えられる。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、車両が後方から衝突されることによって乗員にかかる衝撃荷重を確実に吸収して、特に頭部を衝撃から守ることができる衝撃吸収シート装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するため、請求項1に記載の衝撃吸収シート装置においては、車体側にシートクッションと共に取り付けられるシートクッション側ブラケットと、該シートクッションに対して傾倒可能に取り付けられるシートバック側ブラケットと、を備え、前記シートクッション側ブラケットと前記シートバック側ブラケットとを連結するように衝撃吸収装置が取り付けられ、車両が後方から追突される後部衝突の場合に、前記シートクッション側ブラケットに対して前記シートバック側ブラケットの下部を後方に移動させる第1の衝撃吸収動作と、該第1の衝撃吸収動作後の位置から前記シートバック側ブラケットの下部を下方に移動させる第2の衝撃吸収動作によって乗員にかかる荷重を低減することが可能な衝撃吸収シート装置であって、前記衝撃吸収装置は、前記シートバック側ブラケットと前記シートクッション側ブラケットとの間に連結され、かつ回動自在に取り付けられる第1のリンク片と、前記シートバック側ブラケットと前記シートクッション側ブラケットとの間に回動自在に連結され、かつリンク片同士も互いに回動自在に連結される第2のリンク片および第3のリンク片と、前記第1のリンク片と前記シートクッション側ブラケットとの間に連結される第1の衝撃吸収部材と、前記第2のリンク片と前記シートクッション側ブラケットとの間に連結される第2の衝撃吸収部材と、を備え、前記第1のリンク片は、中央部に前記第1の衝撃吸収部材が回動自在に取り付けられ、前記第3のリンク片との距離が下方から上方に向かって短くなるように配設され、該第3のリンク片と連結される前記第2のリンク片は、前記第3のリンク片に対して角度を持って配置され、中央部が前記シートクッション側ブラケットに回動自在に取り付けられ、前記第1の衝撃吸収動作において、前記第1及び第3のリンク片が回転すると共に、前記第1のリンク片の回転によって前記第1の衝撃吸収部材が作動し、前記第2のリンク片と前記第3のリンク片との間の角度が、前記第1の衝撃吸収動作前は鋭角になるように配置されていたものが、前記第1の衝撃吸収動作後にはほぼ直角になるように移動し、続く前記第2の衝撃吸収動作において、前記第3のリンク片及び前記第2のリンク片が回動すると共に、前記第2のリンク片の回転によって前記第2の衝撃吸収部材が作動し、前記第2のリンク片と前記第3のリンク片との間の角度が、前記第1の衝撃吸収動作後のほぼ直角から、前記第2の衝撃吸収動作後には鈍角になるように移動することを技術的特徴とする。
また、請求項2に記載の衝撃吸収シート装置においては、前記第1の衝撃吸収部材は、車両の進行方向とほぼ平行になるように前記シートクッション側ブラケットと前記第1のリンク片との間に連結され、前記第2の衝撃吸収部材は、前記第2の衝撃吸収動作前は前記第2のリンク片に対してほぼ直角になるように配設され、前記第2の衝撃吸収動作後には前記第2のリンク片に対して鋭角になり、前記第1の衝撃吸収動作後から前記第2の衝撃吸収動作後までは前記第3のリンク片とほぼ平行になるように前記シートクッション側ブラケットと前記第2のリンク片との間に連結され、前記第1および第2の衝撃吸収部材は、一定の荷重がかかると作動し、前記第2の衝撃吸収部材は前記第1の衝撃吸収部材よりも作動するまでに必要な荷重が大きく設定されていることを特徴とする。
さらに、請求項3に記載の衝撃吸収シート装置においては、車体側にシートクッションと共に取り付けられるシートクッション側ブラケットと、該シートクッションに対して傾倒可能に取り付けられるシートバック側ブラケットと、を備え、前記シートクッション側ブラケットと前記シートバック側ブラケットとを懸架するように衝撃吸収装置が取り付けられ、車両が後方から追突される後部衝突の場合に、前記シートクッション側ブラケットに対して前記シートバック側ブラケットの下部を後方に移動させる第1の衝撃吸収動作と、該第1の衝撃吸収動作後の位置から前記シートバック側ブラケットの下部を下方に移動させる第2の衝撃吸収動作によって乗員にかかる荷重を低減することが可能な衝撃吸収シート装置であって、前記衝撃吸収装置は、前記シートバック側ブラケットと前記シートクッション側ブラケットとの間に連結され、かつ回動自在に取り付けられる第1のリンク片と、前記第1のリンク片と前記シートクッション側ブラケットとの間に連結される前記第1の衝撃吸収部材と、前記シートバック側ブラケットと前記シートクッション側ブラケットとの間に連結される第2の衝撃吸収部材と、を備え前記第1のリンク片は、中央部に前記第1の衝撃吸収部材が回動自在に取り付けられ、前記第2の衝撃吸収部材との距離が下方から上方に向かって短くなるように配設され、前記第1の衝撃吸収動作において、前記第1のリンク片及び前記第2の衝撃吸収部材が回転すると共に、前記第1のリンク片の回転によって前記第1の衝撃吸収部材が作動し、 続く前記第2の衝撃吸収動作において、前記第2の衝撃吸収部材が作動することを技術的特徴とする。
また、請求項4に記載の衝撃吸収シート装置においては、前記第1の衝撃吸収部材は、車両の進行方向とほぼ平行になるように前記シートクッション側ブラケットと前記第1のリンク片との間に連結され、前記第1および第2の衝撃吸収部材は、一定の荷重がかかると作動し、前記第2の衝撃吸収部材は前記第1の衝撃吸収部材よりも作動するまでに必要な荷重が大きく設定されていることを特徴とする
さらに、請求項5に記載の衝撃吸収シート装置においては、前記第1の衝撃吸収部材および前記第2の衝撃吸収部材が一定位置まで作動すると、前記シートバック側ブラケットの移動を停止させるストッパー部材が設けられていることを特徴とする。
請求項1に記載の衝撃吸収シート装置によれば、衝撃吸収装置は、シートクッション側ブラケットとシートバック側ブラケットとを連結する第1から第3の3つのリンク片を有し、車両の後方から追突されたことによる衝撃を受けた乗員にかかる荷重に合わせて、シートバックの下部が後方へ移動する第1の衝撃吸収動作で、第1のリンク片は、第3のリンク片との距離が下方から上方に向かって短くなるように配設されているため、乗員の背部から臀部がシートバックに常に接しているのでシートバックの下部(シートバック側ブラケットの下部)が後方に移動し、シートバックの上部(ヘッドレストを含む)が前方へ移動することになる。従って、ヘッドレストと頭部との距離を小さくすることができ、頭部がヘッドレストに激しく打ち付けられることを防げる。また、第1のリンク片の中央部には、第1のリンク片とシートクッション側ブラケットとの間に連結される第1の衝撃吸収部材が回動自在に取り付けられ、第1及び第3のリンク片が回転すると共に、前記第1のリンク片の回転によって第1の衝撃吸収部材が作動するので、より衝撃を吸収することができる。
次に、第1の衝撃吸収動作後にはヘッドレストに乗員の頭部が接触することになり、そのまま頭部及び体をヘッドレストからシートバックにあずけることになる。するとシートバック側ブラケットはシートクッション側ブラケットに中央部が回動自在に取り付けられる第2のリンク片と第3のリンク片によって、シートクッション側ブラケットに対して下方に回動するので、シートバックおよびヘッドレストが頭部及び体が押すのに合わせて下方に回動し、頭部にかかる衝撃を吸収して、頭部が前後に揺さぶられることを防止できるようになっている。また、この動作が行なわれるにあたっても、前記第2のリンク片の回転によって第2の衝撃吸収部材が作動することによって衝撃吸収部材による抵抗力を受けながら動作するので、より衝撃を吸収することができる。
さらに、第1の衝撃吸収動作において、第1及び第3のリンク片が回転すると共に、第1のリンク片の回転によって第1の衝撃吸収部材が作動し、第2のリンク片と第3のリンク片との間の角度が、第1の衝撃吸収動作前は鋭角になるように配置されていたものが、第1の衝撃吸収動作後にはほぼ直角になり、続く第2の衝撃吸収動作において、第3のリンク片及び第2のリンク片が回動すると共に、第2のリンク片の回転によって第2の衝撃吸収部材が作動し、第2のリンク片と第3のリンク片との間の角度が、第1の衝撃吸収動作後のほぼ直角から、第2の衝撃吸収動作後には鈍角になる。こうなっていると、第3のリンク片が第2のリンク片に対する角度が第1の衝撃吸収動作前(通常時)では鋭角になっているので第2のリンク片に荷重がかかりにくく、第1の衝撃吸収動作後にはほぼ直角になるので第2のリンク片に荷重がかかりやすくなる。つまり、通常時においては第2のリンク片は回動しにくいため第1の衝撃吸収動作前に動作してしまうことを防ぐことができ、第1の衝撃吸収動作後には回動しやすくなるためスムーズに第2の衝撃吸収動作に入っていくことができる。
また、第1および第2の衝撃吸収動作が行なわれるのに、全てリンク片の回動動作のみによって行なわれるので、案内孔等を設けてそれに沿うように移動させるよりも動作にばらつきがなく一定の動作が得られ、確実に乗員にかかる荷重を低減できることになる。よって、第1および第2の2段階における衝撃吸収動作で乗員にかかる衝突荷重を確実に吸収することができるという効果を奏する。
さらに、請求項2に記載の衝撃吸収シート装置では、第1の衝撃吸収部材は、車両の進行方向とほぼ平行になるようにシートクッション側ブラケットと第1のリンク片との間に連結され、第2の衝撃吸収部材は、第2の衝撃吸収動作前は第2のリンクに対してほぼ直角になるように配置され、第2の衝撃吸収動作後には第2のリンクに対して鋭角になり、第1の衝撃吸収動作後から第2の衝撃吸収動作後までは第3のリンクとほぼ平行になるようにシートクッション側ブラケットと第2のリンク片との間に連結されている。このようになっていると、衝撃吸収動作が行なわれるときに、第1および第2の衝撃吸収部材が常に荷重のかかる方向に取り付けられているため、動作開始時から確実に抵抗力を与えることができる。また、第2の衝撃吸収部材は第1の衝撃吸収部材よりも作動するまでに必要な荷重が大きく設定されているため、衝撃吸収動作を確実に第1から第2へと動作させることができる。
また、請求項3に記載の衝撃吸収シート装置によれば、衝撃吸収装置は、車両の後方から追突されたことによる衝撃を受けた乗員にかかる荷重に合わせて、シートバックの下部が後方へ移動する第1の衝撃吸収動作で、シートクッション側ブラケットとシートバック側ブラケットを連結する第1のリンク片と第2の衝撃吸収部材が、第1のリンク片は、中央部に第1の衝撃吸収部材が回動自在に取り付けられ、第2の衝撃吸収部材との距離が下方から上方に向かって短くなるように配設されているため、乗員の背部から臀部がシートバックに常に接しているのでシートバックの下部(シートバック側ブラケットの下部)が後方に移動し、シートバックの上部(ヘッドレストを含む)が前方へ移動することになる。従って、ヘッドレストと頭部との距離を小さくすることができ、頭部がヘッドレストに激しく打ち付けられることを防げる。また、第1のリンクの中央部には、第1のリンク片とシートクッション側ブラケットとの間に連結される第1の衝撃吸収部材が回動自在に取り付けられ、第1のリンク片及び第2の衝撃吸収部材が回転すると共に、第1のリンク片の回転によって第1の衝撃吸収部材が作動するので、より衝撃を吸収することができる。
次に、第1の衝撃吸収動作後にはヘッドレストに乗員の頭部が接触することになり、そのまま頭部及び体をヘッドレストからシートバックにあずけることになる。するとシートバック側ブラケットは第2の衝撃吸収部材が作動することによって、シートクッション側ブラケットに対して下方に回動するので、シートバックおよびヘッドレストが頭部及び体が押すのに合わせて下方に回動し、頭部にかかる衝撃を吸収して、頭部が前後に揺さぶられることを防止できるようになっている。また、この動作が行なわれるにあたっても、第2の衝撃吸収部材が作動することによって衝撃吸収部材による抵抗力を受けながら動作するので、より衝撃を吸収することができる。
また、第1および第2の衝撃吸収動作が行なわれるのに、全てリンクの回動動作のみによって行なわれるので、案内孔等を設けてそれに沿うように移動させるよりも動作にばらつきがなく一定の動作が得られ、確実に乗員にかかる荷重を低減できる。さらに、衝撃吸収部材をリンクとして利用することによって、部品点数も最小限に抑えることが可能になる。よって、第1および第2の2段階における衝撃吸収動作で乗員にかかる衝突荷重を確実に吸収することができるという効果を奏する。
さらに、請求項4に記載の衝撃吸収シート装置では、第1の衝撃吸収部材は、車両の進行方向とほぼ平行になるようにシートクッション側ブラケットと第1のリンク片との間に連結されている。このようになっていると、衝撃吸収動作が行なわれるときに、第1および第2の衝撃吸収部材が常に荷重のかかる方向に取り付けられているため、動作開始時から確実に抵抗力を与えることができる。また、第2の衝撃吸収部材は第1の衝撃吸収部材よりも作動するまでに必要な荷重が大きく設定されているため、衝撃吸収動作を確実に第1から第2へと動作させることができる。
また、請求項5に記載の衝撃吸収シート装置では、第1の衝撃吸収部材および第2の衝撃吸収部材が一定位置まで作動すると、シートバック側ブラケットの移動を停止させるストッパー部材が設けられており、第1および第2の衝撃吸収部材が衝撃を吸収できる範囲を超えることがないので、第1および第2の衝撃吸収部材が利かなくなって乗員に再度負荷がかかるのを防止することができる。
本発明の第1の実施形態に係る衝撃吸収シート装置1について図1から図9を参照して説明する。
本発明に係る衝撃吸収シート装置1は、図1から図3に示されるように、車両用シートを前後にスライド可能とするスライドレールに取り付けられると共に、乗員が着座するシートクッション2aが取り付けられるシートクッションブラケット2bと、乗員の背部を支持するシートバック2cをシートクッションブラケット2bに対して回動可能に取り付けるリクライニング装置3が備えられており、シートクッションブラケット2bとリクライニング装置3とを懸架するように衝撃吸収装置4が介在されている。なお、本発明の要点は、前記シートクッションブラケット2bとリクライニング装置3とを連結するように衝撃吸収装置4を介在させるものであり、その他の車両用シートを構成する部材については、一般的に使用されているものと同様である。
前記衝撃吸収装置4は、シートクッションブラケット2bに取り付け支持される「第1の支持プレート41」と、リクライニング装置3に取り付け支持される「第2の支持プレート42」と、第1の支持プレート41と第2の支持プレート42とを連結する「リンク機構」と、当該衝撃吸収装置4にかかる荷重を吸収する「第1のダンパー43」(第1の衝撃吸収部材)及び「第2のダンパー44」(第2の衝撃吸収部材)とが主な構成要素である。各要素について図4から図6を参照して説明する。
第1の支持プレート41について説明する。この第1の支持プレート41は、支持部材41aを介してシートクッションブラケット2bに取り付けられている(支持部材41aはシートクッションブラケット2bの形状によっては省くことも可能である)。また、第1の支持プレート41にはリンク取付孔41b、41cが穿設され、その取付孔に後述する「リンク機構」が取り付けられ、この「リンク機構」を介して第2の支持プレート42が第1の支持プレート41に対して回動自在に取り付けられている(連結されている)。さらに、第1の支持プレート41には円孔41dが穿設されており、衝撃吸収装置4が荷重を受けたときに「リンク機構」が当接してストッパーの役割を果たすストッパー部材5が取り付けられている。また、第1の支持プレート41の中程には、「リンク機構」が回動する際の、取り付け用のピン6の移動軌跡に沿った逃がし孔41eが穿設されている。
第2の支持プレート42は、略H字形状をした板材であって、上部の2つの凸部に穿設されたリクラ取付孔42a、42bにはリクライニング装置3が取り付けられ、下部の2つの凸部に穿設されたリンク取付孔42c、42dには後述する「リンク機構」が回動自在に取り付けられる。
本発明では、シートクッションブラケット2bに第1の支持プレート41を取り付け、リクライニング装置3に第2の支持プレート42を取り付け、第1と第2の支持プレートをリンク機構で連結しているが、車両の後部座席等のリクライニング装置がない座席に用いられる場合には、支持プレートを用いずにシートクッション側ブラケット2bおよびシートバック側ブラケット2dにリンク機構を直接取り付けて連結するようにしても問題ない。
「リンク機構」は、第1のリンク片45と第2のリンク片46および第3のリンク片47とを備えている。第1のリンク片45は、2枚のプレートからなり、その上端部45bは前記第1の支持プレート41のリンク取付孔41bに2枚のプレートで第1の支持プレート41を挟み込むように、かつ回動自在に取り付けられている。また、第1のリンク片45の下端部45cは、2枚のプレートの間に第1の支持プレート41の板厚と同じ厚さのワッシャー45aを挟み込み、かつ第2の支持プレート42のリンク取付孔42cに回動自在に取り付けられる。第1のリンク片45の中央部には、後述する第1のダンパー43の取付部43aが2枚のプレートに挟まれ、かつ回動自在に取り付けられている。
第2のリンク片46は、ピン等によりその中央部に穿設された回動孔46aを通して第1の支持プレート41のリンク取付孔41cに回動自在に取り付けられ、その一端には第3のリンク片47が回動自在に連結されるリンク取付孔46bが穿設され、他端には後述する第2のダンパー44が回動自在に取り付けられるダンパー取付孔46cが穿設されている。
第3のリンク片47は、第1のリンク片45と同様に2枚のプレートからなり、その上端部47bは前記第2のリンク片46の取付孔46bに2枚のプレートで第2のリンク片46を挟み込むように、かつ回動自在に連結されている。また、第3のリンク片47の下端部47cは、2枚のプレートの間に、第2のリンク片46の板厚と同じ厚さのワッシャー47aを挟み込み、かつ第2の支持プレート42のリンク取付孔42dに回動自在に取り付けられる。
前記第1および第3のリンク片45、47は、互いにの距離が、その下端部から上端部に向かって短くなるように設定されている。より詳しくは、その端部(第1のリンク片45では上端部45bと下端部45c、第3のリンク片47では上端部47bと下端部47c)を結ぶ直線の交点がヘッドレスト2eからシートクッション2aの間になるように配設されている。また、前記第1および第3のリンク片45、47は、衝撃吸収装置4が荷重を受けたときに回動するため、荷重に耐える強度を保持するために2枚のプレートを使用しているが、板厚を増加させて強度をあげた1枚のプレートを用いても同様の効果を奏する。
第1のダンパー43は、図6に示すようなパイプダンパーであって、前記第1のリンク片45に回動自在に取り付けられる取付部43aに軸43bが取り付けられ、軸43bの先端には半球体43cがナットによって取り付けられ、その半球体43cが円筒体43d内の端部寄りにあらかじめ圧入されている。その円筒体43dの端部には軸穴43eが穿設され、取付ブラケット48に回動自在に軸支された状態で、取付ブラケット48を介してシートクッションブラケット2bに固定されている。
また、第2のダンパー44についても、前記第1のダンパー43と同様の構成であり、前記第2のリンク片46のダンパー取付孔46cにピン6によって回動自在に取り付けられる取付部44aに軸44bが取り付けられ、軸44bの先端には半球体44cがナットによって取り付けられ、その半球体44cが円筒体44d内の端部寄りにあらかじめ圧入されている。その円筒体44dの端部には軸穴44eが穿設され、固定ブラケット49に回動自在に軸支された状態で、第1の支持プレート41に固定されている。
上記ダンパー43、44においては、荷重がかかると軸43b(44b)が引っ張られて、円筒体43d(44d)内に圧入された半球体43c(44c)が円筒体43d(44d)を拡張させながら、この円筒体43d(44d)の取付部方向に移動することによる継続的な略一定した抵抗力を衝撃エネルギーの吸収力とし、よって衝撃を吸収するものである。また、第1のダンパー43は第2のダンパー44よりも先に作動するようになっており、作動するまでに必要な荷重が前記第2のダンパー44よりも小さく設定されている。
次に、図7から図9を参照して、本発明の第1の実施形態における衝撃吸収シート装置の作用を説明する。
車両が後方から追突される後部衝突による衝突荷重が乗員に掛かると、慣性力で乗員が後方に荷重をかけ、乗員が常に接している背部から臀部にかけた場所からシートバック2cを後方に押すようになる。すると第1の衝撃吸収動作として、リクライニング装置を通して第2の支持プレート42が、第1のリンク片45および第3のリンク片47によってそれぞれのリンク片の上端部45b、47bを回転軸として後方へ移動することで、シートバック2cの下部が後方に移動し、シートバック2cの上部(ヘッドレスト2eを含む)が前方へ移動することになる。これによって、ヘッドレスト2eと頭部との距離を小さくすることができ、頭部がヘッドレスト2eに激しく打ち付けられることを防げる。
また、この第1の衝撃吸収動作においては、第1のダンパー43にダンパーが作動する荷重がかかってはじめて開始されるものであって、第1のリンク片45および第3のリンク片47がそれぞれの上端部45b、47bを回転軸として後方へ回動するときには、第1のリンク片45に回動自在に取り付けられた第1のダンパー43の取付部43aを後方へ引っ張ることになる。そうすると、取付部43aに取り付けられた軸43bが引っ張られて、円筒体43d内に圧入された半球体43cが円筒体43dを拡張させながら、この円筒体43dの取付部方向に移動することによる継続的な略一定した抵抗力を衝撃エネルギーの吸収力として衝撃を吸収することができる。これによって、乗員の背部から臀部にかけてシートバック2cを後方に押す第1の衝撃吸収動作でも乗員にかかる荷重を低減でき、同時にヘッドレスト2eを頭部に近づけることで、ヘッドレスト2eで頭部を強く打ち付けることも防止できる。
さらに、第2の衝撃吸収動作として、前記第1の衝撃吸収動作後にはヘッドレスト2eに頭部が接触し、そのまま頭部および体をヘッドレスト2eおよびシートバック2cに預けることになり、ヘッドレスト2eおよびシートバック2cが下方へ移動しようとする。すると第2の支持プレート42は第2のリンク片46および第3のリンク片47によって回転し、第2のリンク片46のリンク取付孔46bが下方に下がりダンパー取付孔46cが上方に上がり、第2のリンク片46がストッパー部材5に当接するまで回転する。それによって、第3のリンク片47が下方に押し下げられ、第2の支持プレート42の後部(リンク取付孔42dの方)が下方に下がるので、頭部および体がヘッドレスト2eおよびシートバック2cを押すのに合わせて、ヘッドレスト2eおよびシートバック2cが下方に移動することで、頭部にかかる衝撃を吸収し、頭部が前後に揺さぶられることを防止できるようになっている。
前記ストッパー部材5は、第2のリンク片46の回転する範囲を規制し、第2のリンク片46に取り付けられた第2のダンパー44の半球体44cが円筒体44dから抜けてしまうことを防いでいる。こうすることで、第2のダンパー44の抵抗力が途絶え、乗員に再び負荷がかかるのを防ぐことにもなる。ところで、第1のダンパー43に対するストッパー手段としては、該ダンパー43が取り付けられている2枚のプレートで形成される第1のリンク片が、第1の衝撃吸収動作によって回転すると、前記第1の支持プレート41の側部41fに当接して止まることにより、ストッパーの役割を果たしている。勿論、別体で第1の支持プレート41にストッパーを設けても同様の効果を奏する。
また、第2の衝撃吸収動作においても、第2のリンク片46が回動孔46aを軸として回転するときには、第2のリンク片46に回動自在に取り付けられた第2のダンパー44の取付部44aを略上方へ引っ張ることになる。そうすると、取付部44aに取り付けられた軸44bが引っ張られて、円筒体44d内に圧入された半球体44cが円筒体44dを拡張させながら、この円筒体44dの取付部方向に移動することによる継続的な略一定した抵抗力を衝撃エネルギーの吸収力として衝撃を吸収することができる。これによって、第1の衝撃吸収動作に続く第2の衝撃吸収動作でも、衝撃を吸収することによってその後に頭部がヘッドレスト2eから離れてしまうことによる激しい前後の揺さぶりを防止することが可能となる。
以上説明したように、本発明における第1の実施形態における衝撃吸収シート装置では、車両が後方から追突される後部衝突による衝突荷重が乗員に掛かった場合に、第1のリンク片45と第3のリンク片47の回動によりシートバック2cが回動し、第1のリンク片45に取り付けられた第1のダンパー43で衝撃を吸収することで、乗員へかかる荷重を低減しながら、ヘッドレスト2eと頭部との距離を小さくして頭部がヘッドレスト2eに激しく打ち付けられることを防ぐ第1の衝撃吸収動作を起こす。そしてその後、第2のリンク片46および第3のリンク片47の回動によりシートバック2cが下方に下がり、第2のリンク片46に取り付けられた第2のダンパー44で衝撃を吸収することで、頭部にかかる衝撃を吸収すると共に第1の動作後に頭部がヘッドレスト2eから離れてしまうことによる前後の揺さぶりを防止する第2の衝撃吸収動作をし、第1および第2の2段階における衝撃吸収動作で乗員にかかる衝突荷重を確実に吸収することができる。
次に、本発明に係る第2の実施形態を、図10および図11によって説明する。
第2の実施形態では、第1の支持プレート41と第2の支持プレート42とを連結するリンク機構のリンク片の一部をダンパーに置き換えたものである。ここでのリンク機構は図10で示されるように、第1のリンク片450と第1のダンパー430および第2のダンパー440を有している。
第1のリンク片450は、2枚のプレートからなり、その上端部450bは前記第1の支持プレート41に、2枚のプレートで第1の支持プレート41を挟み込むように、かつ回動自在に取り付けられている。また、第1のリンク片450の下端部450cは、2枚のプレートの間に第1の支持プレート41の板厚と同じ厚さのワッシャー(第1の実施形態の45a相当)を挟み込み、かつ第2の支持プレート42に回動自在に取り付けられる。第1のリンク片450の中央部には、後述する第1のダンパー430の取付部43aが2枚のプレートに挟まれ、かつ回動自在に取り付けられている。
第1のダンパー430は、図6に示すような上述した第1の実施形態の第1のダンパーと同様のものであって、前記第1のリンク片450に回動自在に取り付けられる取付部43aに軸43bが取り付けられ、軸43bの先端には半球体43cがナットによって取り付けられ、その半球体43cが円筒体43d内の端部寄りにあらかじめ圧入されている。その円筒体43dの端部には軸穴43eが穿設され、取付ブラケット48に回動自在に軸支された状態で、取付ブラケット48を介してシートクッションブラケット2bに固定されている。
また、第2のダンパー440についても、上述した第1の実施形態の第2ダンパーと同様のものであって、前記第2の支持プレート42に回動自在に取り付けられる取付部44aに軸44bが取り付けられ、軸44bの先端には半球体44cがナットによって取り付けられ、その半球体44cが円筒体44d内の端部寄りにあらかじめ圧入されている。その円筒体44dの端部には軸穴44eが穿設され、固定ブラケット49に回動自在に軸支された状態で、第1の支持プレート41に固定されている。
上記ダンパー430、440においても、荷重がかかると軸43b(44b)が引っ張られて、円筒体43d(44d)内に圧入された半球体43c(44c)が円筒体43d(44d)を拡張させながら、この円筒体43d(44d)の取付部方向に移動することによる継続的な略一定した抵抗力を衝撃エネルギーの吸収力とし、よって衝撃を吸収するものである。また、第1のダンパー430は第2のダンパー440よりも先に作動するようになっており、作動するまでに必要な荷重が前記第2のダンパー440よりも小さく設定されている。
次に、本発明の第2の実施形態における衝撃吸収シート装置の作用を説明する。シートの動作は第1の実施形態と同様であり、図7から図9に示す通りである。
車両が後方から追突される後部衝突による衝突荷重が乗員に掛かると、慣性力で乗員が後方に荷重をかけ、乗員が常に接している背部から臀部にかけた場所からシートバック2cを後方に押すようになる。すると第1の衝撃吸収動作として、リクライニング装置を通して第2の支持プレート42が、第1のリンク片450および第2のダンパー440によって、第1のリンク片450の上端部450b、第2のダンパー440の固定ブラケット49に軸支された部分を回転軸として後方へ移動することで、シートバック2cの下部が後方に移動し、シートバック2cの上部(ヘッドレスト2eを含む)が前方へ移動することになる。これによって、ヘッドレスト2eと頭部との距離を小さくすることができ、頭部がヘッドレスト2eに激しく打ち付けられることを防げる。
また、この第1の衝撃吸収動作においては、第1のダンパー430にダンパーが作動する荷重がかかってはじめて開始されるものであって、第1のリンク片450および第2のダンパー440が後方へ回動するときには、第1のリンク片450に回動自在に取り付けられた第1のダンパー430の取付部43aを後方へ引っ張ることになる。そうすると、取付部43aに取り付けられた軸43bが引っ張られて、円筒体43d内に圧入された半球体43cが円筒体43dを拡張させながら、この円筒体43dの取付部方向に移動することによる継続的な略一定した抵抗力を衝撃エネルギーの吸収力として衝撃を吸収することができる。これによって、乗員の背部から臀部にかけてシートバック2cを後方に押す第1の衝撃吸収動作でも乗員にかかる荷重を低減でき、同時にヘッドレスト2eを頭部に近づけることで、ヘッドレスト2eで頭部を強く打ち付けることも防止できる。
さらに、第1の衝撃吸収動作後には第2の衝撃吸収動作が連続して行なわれる。前記第1の衝撃吸収動作後にヘッドレスト2eに頭部が接触し、そのまま頭部および体をヘッドレスト2eおよびシートバック2cに預けることになり、ヘッドレスト2eおよびシートバック2cが下方へ移動しようとする。すると第2の支持プレート42は第2のダンパー440の取付部44aが下方に延出することで回転する。それによって、第2の支持プレート42の後部(リンク取付孔42dの方)が下方に下がるので、頭部および体がヘッドレスト2eおよびシートバック2cを押すのに合わせて、ヘッドレスト2eおよびシートバック2cが下方に移動することで、頭部にかかる衝撃を吸収し、頭部が前後に揺さぶられることを防止できるようになっている。
また、第2の衝撃吸収動作においては図11に示すように、直接第2のダンパー440が作動して、取付部44aが略下方へ引っ張られることによって、ヘッドレスト2eおよびシートバック2cを下方に移動させると共に継続的な略一定した抵抗力を衝撃エネルギーの吸収力として衝撃を吸収することができる。これによって、第1の衝撃吸収動作に続く第2の衝撃吸収動作でも、衝撃を吸収することによってその後に頭部がヘッドレスト2eから離れてしまうことによる激しい前後の揺さぶりを防止することが可能となる。
さらに、第2の衝撃吸収動作において、第2のダンパー440が作動することによって乗員にかかる荷重を低減するようになっているが、ダンパーは一定以上作動すると円筒体から半球体が外れてしまい、その反動で乗員に再び負荷がかかってしまうので、ダンパーが一定以上作動しないようにシートクッション側ブラケットまたはシートバック側ブラケットにストッパー(第1の実施形態にあるストッパー部材5相当)を設けるようにする。前記第1のダンパー430については、第1の実施形態にあるのと同様に、第1の衝撃吸収動作によって回転すると第1の支持プレート41の側部41fに当接して止まり、ストッパーの役割を果たしている。勿論、別体で第1の支持プレート41にストッパーを設けても同様の効果を奏する。
以上説明したように、本発明における第2の実施形態における衝撃吸収シート装置では、より簡単な構成で第1および第2の2段階における衝撃吸収動作で、乗員にかかる衝突荷重を確実に吸収することができるのである。
図1は、本発明の第1の実施形態である衝撃吸収シート装置の主要部を示した概略図である。 図2は、衝撃吸収装置の取り付けを示す斜視図(外側)である。 図3は、衝撃吸収装置の取り付けを示す斜視図(内側)である。 図4は、衝撃吸収装置の構成を表す分解斜視図(外側)である。 図5は、衝撃吸収装置の構成を表す分解斜視図(内側)である。 図6は、ダンパー(衝撃吸収部材)の概略図である。 図7は、衝撃吸収シート装置の通常の位置を示した側面図である。 図8は、衝撃吸収シート装置の第1の衝撃吸収動作後の状態を示した側面図である。 図9は、衝撃吸収シート装置の第2の衝撃吸収動作後の状態を示した側面図である。 図10は、本発明の第2の実施形態である衝撃吸収シート装置の主要部を示した概略図である。 図11は、第2の実施形態における第2の衝撃吸収動作後の状態を示した主要部の側面図である。
符号の説明
1 衝撃吸収シート装置
2a シートクッション
2b シートクッションブラケット
2c シートバック
2d シートバックブラケット
2e ヘッドレスト
3 リクライニング装置
4 衝撃吸収装置
41 第1の支持プレート(シートクッション側)
41a 支持部材
41b、41c リンク取付孔
41d 円孔
41e 逃がし孔
42 第2の支持プレート(シートバック側)
42a、42b リクラ取付孔
42c、42d リンク取付孔
43、430 第1のダンパー
44、440 第2のダンパー
43a、44a 取付部
43b、44b 軸
43c、44c 半球体
43d、44d 円筒体
43e、44e 軸穴
45、450 第1のリンク片
46 第2のリンク片
47 第3のリンク片
45a、47a ワッシャー
45b、47b、450b 上端部
45c、47c、450c 下端部
46a 回動孔
46b リンク取付孔
46c ダンパー取付孔
48 取付ブラケット
49 固定ブラケット
5 ストッパー部材
6 ピン

Claims (5)

  1. 車体側にシートクッションと共に取り付けられるシートクッション側ブラケットと、
    該シートクッションに対して傾倒可能に取り付けられるシートバック側ブラケットと、を備え、
    前記シートクッション側ブラケットと前記シートバック側ブラケットとを連結するように衝撃吸収装置が取り付けられ、車両が後方から追突される後部衝突の場合に、前記シートクッション側ブラケットに対して前記シートバック側ブラケットの下部を後方に移動させる第1の衝撃吸収動作と、該第1の衝撃吸収動作後の位置から前記シートバック側ブラケットの下部を下方に移動させる第2の衝撃吸収動作によって乗員にかかる荷重を低減することが可能な衝撃吸収シート装置であって、
    前記衝撃吸収装置は、前記シートバック側ブラケットと前記シートクッション側ブラケットとの間に連結され、かつ回動自在に取り付けられる第1のリンク片と、
    前記シートバック側ブラケットと前記シートクッション側ブラケットとの間に回動自在に連結され、かつリンク片同士も互いに回動自在に連結される第2のリンク片および第3のリンク片と、
    前記第1のリンク片と前記シートクッション側ブラケットとの間に連結される第1の衝撃吸収部材と、
    前記第2のリンク片と前記シートクッション側ブラケットとの間に連結される第2の衝撃吸収部材と、を備え、
    前記第1のリンク片は、中央部に前記第1の衝撃吸収部材が回動自在に取り付けられ、前記第3のリンク片との距離が下方から上方に向かって短くなるように配設され、
    該第3のリンク片と連結される前記第2のリンク片は、前記第3のリンク片に対して角度を持って配置され、中央部が前記シートクッション側ブラケットに回動自在に取り付けられ、
    前記第1の衝撃吸収動作において、前記第1及び第3のリンク片が回転すると共に、前記第1のリンク片の回転によって前記第1の衝撃吸収部材が作動し、前記第2のリンク片と前記第3のリンク片との間の角度が、前記第1の衝撃吸収動作前は鋭角になるように配置されていたものが、前記第1の衝撃吸収動作後にはほぼ直角になるように移動し、
    続く前記第2の衝撃吸収動作において、前記第3のリンク片及び前記第2のリンク片が回動すると共に、前記第2のリンク片の回転によって前記第2の衝撃吸収部材が作動し、前記第2のリンク片と前記第3のリンク片との間の角度が、前記第1の衝撃吸収動作後のほぼ直角から、前記第2の衝撃吸収動作後には鈍角になるように移動することを特徴とする衝撃吸収シート装置。
  2. 前記第1の衝撃吸収部材は、車両の進行方向とほぼ平行になるように前記シートクッション側ブラケットと前記第1のリンク片との間に連結され、
    前記第2の衝撃吸収部材は、前記第2の衝撃吸収動作前は前記第2のリンク片に対してほぼ直角になるように配設され、前記第2の衝撃吸収動作後には前記第2のリンク片に対して鋭角になり、前記第1の衝撃吸収動作後から前記第2の衝撃吸収動作後までは前記第3のリンク片とほぼ平行になるように前記シートクッション側ブラケットと前記第2のリンク片との間に連結され、
    前記第1および第2の衝撃吸収部材は、一定の荷重がかかると作動し、前記第2の衝撃吸収部材は前記第1の衝撃吸収部材よりも作動するまでに必要な荷重が大きく設定されていることを特徴とする請求項1に記載の衝撃吸収シート装置。
  3. 車体側にシートクッションと共に取り付けられるシートクッション側ブラケットと、
    該シートクッションに対して傾倒可能に取り付けられるシートバック側ブラケットと、を備え、
    前記シートクッション側ブラケットと前記シートバック側ブラケットとを懸架するように衝撃吸収装置が取り付けられ、車両が後方から追突される後部衝突の場合に、前記シートクッション側ブラケットに対して前記シートバック側ブラケットの下部を後方に移動させる第1の衝撃吸収動作と、該第1の衝撃吸収動作後の位置から前記シートバック側ブラケットの下部を下方に移動させる第2の衝撃吸収動作によって乗員にかかる荷重を低減することが可能な衝撃吸収シート装置であって、
    前記衝撃吸収装置は、前記シートバック側ブラケットと前記シートクッション側ブラケットとの間に連結され、かつ回動自在に取り付けられる第1のリンク片と、
    前記第1のリンク片と前記シートクッション側ブラケットとの間に連結される前記第1の衝撃吸収部材と、
    前記シートバック側ブラケットと前記シートクッション側ブラケットとの間に連結される第2の衝撃吸収部材と、を備え
    前記第1のリンク片は、中央部に前記第1の衝撃吸収部材が回動自在に取り付けられ、前記第2の衝撃吸収部材との距離が下方から上方に向かって短くなるように配設され、
    前記第1の衝撃吸収動作において、前記第1のリンク片及び前記第2の衝撃吸収部材が回転すると共に、前記第1のリンク片の回転によって前記第1の衝撃吸収部材が作動し、 続く前記第2の衝撃吸収動作において、前記第2の衝撃吸収部材が作動することを特徴とする衝撃吸収シート装置。
  4. 前記第1の衝撃吸収部材は、車両の進行方向とほぼ平行になるように前記シートクッション側ブラケットと前記第1のリンク片との間に連結され、
    前記第1および第2の衝撃吸収部材は、一定の荷重がかかると作動し、前記第2の衝撃吸収部材は前記第1の衝撃吸収部材よりも作動するまでに必要な荷重が大きく設定されていることを特徴とする請求項3に記載の衝撃吸収シート装置。
  5. 前記第1の衝撃吸収部材および前記第2の衝撃吸収部材が一定位置まで作動すると、前記シートバック側ブラケットの移動を停止させるストッパー部材が設けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の衝撃吸収シート装置。
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