JP2010162873A - 液体吐出ヘッド及び記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】吐出口から吐出されるインクによって発生する気流により、その後に吐出されるインクへの影響が、記録ヘッド内の吐出口に対して均一に抑えられる記録ヘッドを提供する。
【解決手段】記録ヘッド100は、インクを吐出するための吐出口を有している。吐出口1が形成された吐出口形成面には、吐出口形成面から突出した突起8が形成されている。突起8は、吐出口1の中心からの距離が、突起のない場合に液滴が吐出されたときに形成される渦の最大渦核直径以内の位置に配置されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、吐出口から液滴を吐出して記録媒体に着弾させる液体吐出ヘッド及びその液体吐出ヘッドを備える記録装置に関する。
現在、インクジェット記録装置では、記録の高速・高画質化が求められている。インクジェット記録装置において記録の高速化を図るための手段として、記録ヘッドによる走査回数(パス数)の低減やヘッド走査速度の増加等がある。
しかしながら、これらの記録の高速化を図るための手段が採用されると、記録ヘッドによる吐出周波数の増加を伴うため、記録ヘッドから吐出されたインクによって記録ヘッドと記録媒体との間の領域に生じる空気の流れが著しく強くなってしまう。
その結果、各吐出口列から吐出されるインクによって生じる気流の影響で、その後に吐出されたインク滴が気流に巻き込まれ、風紋と呼ばれる濃淡ムラを発生させてしまう。これにより、記録された画像の画質が高く維持されない虞が生じる。また、近年、記録された画像の画質の向上を図るために液滴が微小化されるに伴い、風紋による画像への影響がさらに大きくなってきている。
上記課題を解決する方法として、特許文献1や特許文献2に開示されたインクジェット記録装置がある。
特許文献1には、図18に示されるように、記録ヘッドの吐出口列が延びている方向に対して直交する方向に空気が吹き込まれるインクジェット記録装置が提案されている。また、特許文献2には、図19(a)〜(c)に示されるように、吐出口列の延びている方向に沿って空気が吹き込まれるインクジェット記録装置が開示されている。このように吐出口列に対して空気を吹き込むことで、インクの吐出によって生じる気流の影響が少なく抑えられる。
米国特許公報第6997538号 米国特許公報第6719398号
しかしながら、特許文献1に開示されているインクジェット記録装置は、吐出口列の延びている方向と直交する方向に吐出口列が複数形成されている場合には、記録ヘッド内の各々の吐出口に均一に空気を吹き込むことは難しい。空気を吐出口列に吹出すガス噴出口の近傍に位置する吐出口列と、ガス噴出口から遠い場所に位置する吐出口列とでは、それらに到達する空気の量が異なる。従って、吹き込まれる空気の量が、ガス噴出口に近い位置の吐出口列に合わせられた場合には、ガス噴出口から遠い部位に位置する吐出口列では気流が不足する虞がある。このように、記録ヘッド内の全ての吐出口に対して、インクが吐出されることによって発生する気流の影響を抑えることは難しい。
また、特許文献2に開示されているインクジェット記録装置では、同様にガス噴出口に近い吐出口列の端部に近い場所に位置する吐出口と、吐出口列の中央に近い場所に位置する吐出口とで、そこに到達する空気の量が異なる。特許文献2に開示されているインクジェット記録装置においても、記録ヘッド内の全ての吐出口に対して均一に空気を吹き込むことは難しい。
そこで、本発明は上記の事情に鑑み、吐出口から吐出される液体によって発生する気流により、その後に吐出される液体への影響の差が、液体吐出ヘッド内の各々の吐出口に対して抑えられる液体吐出ヘッドを提供することを目的とする。また、その液体吐出ヘッドを備えた記録装置を提供することを目的とする。
本発明の液体吐出ヘッドは、液体を吐出するための吐出口を有する液体吐出ヘッドにおいて、前記吐出口が形成された吐出口形成面に、前記吐出口形成面から突出した突起が形成され、前記突起は、前記吐出口の中心からの距離が、突起のない場合に液滴が吐出されたときに形成される渦の最大渦核直径以内の位置に配置されていることを特徴とする。
また、本発明の記録装置は、上記の液体吐出ヘッドを搭載可能なキャリッジを備えることを特徴とする。
本発明によれば、液体吐出ヘッドの吐出口形成面に、吐出口列に沿って形成された突起が形成されることにより、吐出される液体によって発生する気流によって受ける記録用の液滴への影響を記録ヘッド内の吐出口に対して少なく抑えることができる。従って、記録によって得られる画像の品質を高く維持することができる。
本発明の第一実施形態に係る記録ヘッドの斜視図である。 図1の記録ヘッドの一部を破断して模式的に示した斜視図である。 図1の記録ヘッドの全体について示した平面図である。 図1の記録ヘッドの変形例について示した斜視図である。 図1の記録ヘッドの吐出口形成面がブレードによってワイピングされている際の側面図である。 図1の記録ヘッドにおいて、突起がある場合と突起がない場合とで吐出されたインクのヨレ量について比較して示したグラフである。 図1の記録ヘッドにおいて、突起と吐出口の中心との間の距離を変えて、吐出されたインクのヨレ量について比較して示したグラフである。 (a)は、突起のない記録ヘッドにおいてインクが吐出された際に生じる流れ場について示した説明図であり、(b)は、そのときの渦中心を通る高さにおける気流のヘッド−記録媒体方向の速度成分分布を示したグラフである。 図1の記録ヘッドにおいて、突起の高さを変えて、吐出されたインクのヨレ量について比較して示したグラフである。 図1の記録ヘッドにおいて、突起の幅を変えて、吐出されたインクのヨレ量について比較して示したグラフである。 本発明の第二実施形態に係る記録ヘッドの斜視図である。 記録ヘッドにおいて、突起を設けない場合と、突起を吐出口の走査方向前方のみに配置した場合と、突起を吐出口の走査方向前方及び後方の両方に配置した場合とで吐出されたインクのヨレ量について比較して示したグラフである。 図11の記録ヘッドの全体を示した平面図である。 本発明の第三実施形態に係る記録ヘッドの側面図である。 本発明の第四実施形態に係る記録ヘッドであって、吐出口の走査方向前方にのみ突起が配置された記録ヘッドの側面図である。 本発明の第四実施形態に係る記録ヘッドであって、吐出口の走査方向前方及び後方の両方に突起が配置された記録ヘッドの側面図である。 本発明の第五実施形態に係る記録ヘッドの平面図である。 従来の記録ヘッドの一例を模式的に示した断面図である。 (a)は別の従来の記録ヘッドの吐出口形成面を示した平面図であり、(b)はその側面図であり、(c)はその正面図である。
以下、本発明の具体的な実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
(第一実施形態)
まず、本発明の第一実施形態に係る液体吐出ヘッドとしての記録ヘッド100の構成について説明する。
図1に示されるように、本実施形態の記録ヘッド100は、液体としてのインクを吐出する吐出口1が形成されている。本実施形態の記録ヘッド100は、吐出口1が、複数配置されて吐出口列2を形成している。また、記録ヘッド100は、複数の吐出口1が配列されて吐出口列2を複数備えている。
図2は、本実施形態の記録ヘッド100の一部を破断し、模式的に示した断面図である。本実施形態の記録ヘッド100は、電気熱変換素子3が配置された基板4と、吐出口2が形成されたオリフィスプレート5とを有している。基板4には、電気熱変換素子3を選択的に駆動させるためのスイッチングトランジスタ等の半導体素子が配置されている。そして、基板4とオリフィスプレート5とが接合されることで、それらの間に液体としてのインクを貯留可能な液室6が画成される。また、基板4には、記録ヘッド100にインクを供給するインク供給口7が、液室6に連通するように形成されている。インク供給口7を介して不図示のインクタンクから記録ヘッド100にインクが供給される。
インクタンクは、記録ヘッド100と一体に形成されてインクジェットカートリッジとして形成されても良く、また、記録ヘッド100と別々に形成されて記録装置本体の内部に配置されても良い。また、記録ヘッド100に取外し可能に取り付けられていても良い。液滴を吐出するために液室6内のインクにエネルギーを付与する記録素子としては、本実施形態ではヒーターとしての電気熱変換素子が用いられているが、本発明はこれに限定されず、記録素子としてピエゾ素子等、他の記録素子が用いられても良い。
図1及び図2に示されるように、本実施形態の記録ヘッド100では、オリフィスプレート5の吐出口形成面に、吐出口列が延びている方向に平行に延び、吐出口形成面から突出した突起8が形成されている。本実施形態の記録ヘッドが、走査を行うシリアルスキャン形式であって、記録が往路または復路の一方のみで行われる場合、突起8は、吐出口列2に対し、記録ヘッド100が走査を行う方向である記録ヘッド走査方向Aの前方側に位置する。
突起8における、吐出口列2の延びている方向に平行な方向への長さLは、吐出口列2の延びる方向に吐出口列2を覆うように、少なくとも吐出口列2の長さ以上に形成されることが好ましい。突起8は、後述するように、吐出口1から吐出される液滴が発生させる渦の抑制を目的として形成されていることから、その長さは渦が発生する範囲内をカバーするように形成されることが望ましい。すなわち、突起8は、吐出口列2が延びている方向に覆う長さ、望ましくは吐出口列2の長さ+1mm程度長さを有していることが望ましい。従って、突起8が吐出口列2に沿って延びる方向に覆うように延びていれば、吐出口列2の長さを大きく超えるように延びていても良い。このときの突起8による効果には大きな変化はない。このように、吐出口列2の長さは、吐出口列より1mm以上長いことが好ましい。
本実施形態では、記録ヘッド100は、記録媒体に対して相対移動可能に構成されている。特に、本実施形態の記録ヘッド100では、往路または復路のうちの一方でのみ記録を行う片方向記録によって記録が行われる。この片方向記録を行う本実施形態の記録ヘッド100の構成について図3に示す。図3では一つの記録ヘッド100にシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)のそれぞれ一色につき一列の吐出口列2が配置されている。このように、各色に一列ずつしか吐出口列がないように記録ヘッドを形成することにより、吐出口列数が少ない分記録ヘッドの小型化を図ることができる。これにより、記録ヘッドの製造上のコストダウンが可能となる。この記録ヘッド100を、仮に往路と復路の両方で記録を行う両方向記録を行う記録ヘッドとして採用した場合には、各色の着弾順が往路と復路とで異なり、記録ヘッドの走査の往路と復路で色ムラが発生し易くなる。従って、記録ヘッドが、一色につき一列の吐出口列が形成されるのみであるように形成された記録ヘッドであれば、両方向記録よりも片方向記録で使用されることが多い。
そして、本実施形態の記録ヘッド100においては、突起8が、吐出口列2に対して、記録を行う際の記録媒体に対する相対移動方向の前方に配置されている。すなわち、本実施形態の記録ヘッド100では、記録を行う際には、吐出口列2に対し突起8が配置されている方向に記録ヘッド100が走査している。
記録が行われる際には、液室6の内部にインクが貯留され、そのインクに電気熱変換素子3によって熱エネルギーが付与されることで吐出口1からインクが吐出される。本実施形態の記録ヘッド100は、記録装置のキャリッジに搭載され、記録が行われる記録媒体の幅方向に走査が行われながら所定位置にインクが吐出されて記録が行われる。
このとき、吐出されたインク液滴は、周囲の空気を引きずりながら、記録媒体に向かって飛翔する。従って、液滴の吐出される方向に空気の流れが引き起こされ、この流れは紙面にぶつかり巻き上がる。その結果、記録ヘッドと記録媒体との間の領域で渦が生成される。そして、この渦が一定以上に強まると、飛翔する液滴は吐出口列方向にも流され、液滴の着弾精度を低下させる。
また、吐出されるインクのうち先頭で飛翔する主滴の後を追随して飛翔する液滴である所謂サテライトは、主滴と比較して体積が小さいので、気流の影響を受け易い。従って、記録ヘッドと記録媒体との間に気流が発生した場合、特に、吐出されるインクのうちサテライトに対して着弾精度に大きな影響を与える。
ここで、本実施形態では、記録ヘッド100はオリフィスプレート5の吐出口形成面に突起8を有しているので、吐出された液滴による渦に対し、突起が抵抗として働き、渦を小さく弱める。これにより、渦を一定以下の強さ・大きさに保つことで、インク液滴が流されることを防止し、着弾精度が高く維持される。
また、本実施形態においては突起8が吐出口列2に対して、記録を行う際の走査方向前方に形成されている。つまり、記録を行う際には、吐出口列に対し突起が配置されている方向に記録ヘッドが走査している。従って、インクを吐出したことにより生じる気流が効果的に抑えられている。
なお、図4に示されるように、突起8は、吐出口列方向に不連続に形成された突起8’であっても良い。この場合、突起8’同士の間隔mは20μm以下であることが望ましい。このような間隙を設けることで、吐出口面にあふれたインクを突起間に毛管力で保持することができ、紙面への落下を防止することができる。もし、間隙mが大きければ、渦に対する抵抗としての効果が弱まる傾向にある。つまり、間隙mが大きいと間隙mの部分では渦が大きくなり、その他では渦が小さくなる、というように、吐出口列方向に不均一な渦の強度分布を生じさせ、画質の低下を招く場合がある。このように、間隙mが大きく形成されれば、これによって所望の効果が期待できなくなる虞があるので間隔mは20μm以下が好ましい。
なお、突起を形成する材料については特に限定されない。但し、吐出口面を清掃するために吐出口面をワイピングする際には、この突起が障害にならないことが求められる。また、突起が記録媒体と擦れたときには、それによって記録媒体の位置ズレを起こすことを防止することが求められる。そのため、突起は記録ヘッドの走査に伴い倒れない程度に柔らかい材質によって形成されることが望ましい。柔らかい材質により突起が形成された場合、図5に示されるようにブレード等が吐出口面をワイピングする場合には、突起8がブレードを傷つけることが低減される。また、突起8と記録媒体が擦れた場合に、突起8自身が変形することにより、記録媒体の位置ズレが生じることを防止できる。
以下、突起による効果についてさらに詳細に示す。以下の実験等で用いられる記録ヘッドは、記録ヘッドと記録媒体の間の距離が1.25mm、吐出口列2における一列の吐出口1の数が256個であって吐出口列方向の各吐出口の間隔が600dpiである。また、この記録ヘッドが25inch/sで移動しつつ走査を行い、1.4plの液滴を15kHzで吐出する。このように行われる記録条件を、以下、標準記録条件というものとする。
図6に、記録が突起なしで標準記録条件で行われた場合と、突起が吐出口中心から50μmの位置に設けられる以外は標準記録条件で記録が行われた場合のサテライトのヨレ量を示すグラフが示されている。突起が設けられた方の記録ヘッドには、高さhが200μm、幅d(吐出口列と直交方向の長さd)が127.2μmの突起が設けられている。ここで、ヨレ量は、所定の着弾位置に対する吐出された液滴の実際の着弾位置の、吐出口列が延びている方向へのずれ量のことをいうものとする。所定の着弾位置は、液滴が吐出口から吐出口面に垂直かつ直線的に飛翔し、着弾した場合の着弾位置である。グラフの横軸は吐出口番号であり、吐出口番号は吐出口列の一端から他端まで順に番号をふったものである。但し、ヨレ量は標準記録条件における上記パラメータ以外の因子、例えば液滴の飛翔速度や質量等によっても変化するため、同一条件で記録した場合でも図6の結果から多少前後することもありうる。
図6のグラフで突起なしで標準記録条件における記録結果と標準記録条件において突起を設けた場合の記録結果とを比較すると、突起を設けた場合の記録結果は、突起のない場合の記録結果よりも、液滴の着弾時のヨレ量が小さい範囲に収まっている。図6のグラフにより、記録ヘッドに突起を設けることで液滴のヨレ量が減少していることが確認できる。
次に、好適な突起位置について説明する。突起位置について説明するために、突起の高さhは200μm、幅dは127.2μmとして、突起位置と吐出された液滴のヨレ量との関係について説明する。突起位置と吐出された液滴のヨレ量との関係を確認するために、突起なし、突起から吐出口中心までの距離xが50μm、200μm、400μm、600μmの記録ヘッドから吐出される液滴のヨレ量について図7のグラフに示し、それぞれを比較している。なお、ここでxは吐出口側の突起端から吐出口中心までの距離をいう。
図7に示されるように、グラフより、突起から吐出口中心までの距離x=600μm未満の位置から突起の影響によりヨレ量が減少し、x=400μmでは明確にヨレ量が減少している。更に、x=200μmでは5μm程度、すなわちほとんど視認できない程度まで液滴のヨレ量が減少していることが確認される。
ところで、記録ヘッドと記録媒体との間のような平行平板間で液滴の吐出を行った場合、液滴の運動によって空気が引きずられて、記録ヘッドと記録媒体との間で図8(a)に示されるような渦が生じる。図8(a)には、吐出口から液滴が吐出されて渦が生じたときの記録ヘッドと記録媒体との間の領域における吐出口周辺の空気の流れの方向が示されている。この渦はランキン渦であり、その速度分布から渦核直径Rが定められる。図8(b)に、記録ヘッドと記録媒体との間の領域における渦中心を通る直線上のヘッド−記録媒体方向の速度成分分布が示されている。
このように、渦中心Aから、渦中心Aより約R/2離れた位置までの領域では、渦中心Aからの距離に比例して速度の絶対値が増加している。一方、渦中心Aから、渦中心Aより約R/2離れた位置までの領域よりも外側の領域では、渦中心Aからの距離に反比例して速度の絶対値が減少していることが確認される。このときの渦中心Aから約R/2の距離は渦核半径rcと呼ばれている。
加えて、吐出による渦の渦核直径は吐出口列方向に大小の分布を生じていることが多いため、ここでは渦核直径の最大値を最大渦核直径と呼ぶこととする。この最大渦核直径については、PIV計測やCFDの活用により、当業者であればその値を計測・若しくは見積もることができるものである。
最大渦核直径は、記録ヘッドから吐出される液滴の吐出速度や滴形成にも依存しているので一概には定められないが、突起がない標準記録条件において約600μmである。従って、ちょうど気流による液滴のヨレの改善効果が現れ始める吐出口の中心から突起の端までの距離xと吐出による渦の最大渦核直径はおおよそ一致するものである。すなわち、標準記録条件において記録ヘッドに突起を形成するのであれば、吐出口の中心位置から概ね最大渦核直径以内の位置に突起を設ければ、渦を抑制し、気流による液滴のヨレを軽減することができる。このように、本実施形態の突起8は、吐出口1の中心からの距離が、突起のない場合にインクが吐出されたときに形成される渦の最大渦核直径以内の位置に配置されていることで、インクが吐出されることによって発生する気流を少なく抑えることができる。従って、標準記録条件のときは、突起8は、吐出口の中心から600μm以内の位置に配置されていることが好ましい。また、突起8は、吐出口の中心から400μm以内の位置に配置されていることがさらに好ましく、吐出口の中心から200μm以内の位置に配置されていることがさらに好ましい。
ここで、吐出体積・周波数・吐出口密度の増大等に伴い、渦が大きくなると、渦核直径も大きくなるため、渦核直径は渦の大きさを示す1つの指標となるものである。このことは、標準記録条件で吐出された場合に限られず、任意の記録条件で吐出された場合であっても同様のことが言える。また、渦が大きければ吐出口列から遠い部分まで渦が拡がり、突起位置が吐出口列から遠くても渦に影響を与え、逆に渦が小さければ突起の位置が吐出口位置から近くなければ渦に影響を与えにくいことは明らかである。故に、渦核直径は気流抑制に有効な突起位置の指標となるものである。
次に、好適な突起の高さhについて説明する。突起の好適な高さhを説明するため、突起が形成されていない記録ヘッドと、吐出口中心からの吐出口側の突起の端までの距離xが50μm、幅dが127.2μmの突起が形成された記録ヘッドとを用いて突起の高さhと気流ヨレの関係について説明する。図9には、標準記録条件における記録ヘッドに突起がない場合、記録ヘッドに突起が設けられて突起高さが20μm、50μm、100μm、200μm、300μmとした場合の吐出された液滴のヨレ量が比較されたグラフが示されている。図9から、突起高さが増加するに従って、吐出された液滴のヨレ量が減少していることが確認される。このように、高さ20〜50μm程度以上の突起を設けることによって、吐出された液滴の気流によるヨレ改善に有意な効果があることが確認される。
また、突起高さが50μmの場合には吐出された液滴の最大ヨレ量が10μm程度に減少することがわかる。特に、1.4plのサテライトにおける最大ヨレ量10μmという値は、紙面から約30cmの距離から肉眼で観察した場合に、濃淡ムラが感知されるか感知されないかの一つの基準の値である。従って、高さhが50μmの突起を設けた場合、至近距離で、若しくは拡大して確認した場合には濃淡ムラを感知しうるが、通常の使用においてはほぼ問題とならないレベルまでヨレが軽減することを表している。
続いて突起高さが200μmの記録ヘッドから吐出された液滴のヨレ量を見ると、100μm以下の場合と比較して大幅にヨレ量が減少していることを確認できる。このように、高さが200μm程度以上の突起を設けることで、実際の記録において濃淡ムラによる風紋が飛躍的に改善される。この程度の高さの突起を設けると、より厳密に画像を観察しても濃淡ムラを感知できなくなる。このように、標準記録条件で記録が行われるときは、突起の高さは20μm以上であることが好ましく、さらに、突起の高さが50μm以上であることがより好ましい。また、突起の高さは、200μm以上であることがさらに好ましい。
次に、突起における吐出口列の延びる方向に直交する方向への幅dについて説明する。突起の幅と気流による液滴のヨレの関係を説明するために、突起の吐出口中心から吐出口側の突起端までの距離xを50μm、突起高さhを200μmとして、突起の幅dと気流ヨレの関係について説明する。標準記録条件における突起がない場合、幅dを42.4μm、127.2μm、254.8μmとした場合の突起が形成された記録ヘッドから吐出された液滴のヨレ量についてのグラフを図10に示す。図10のグラフより、記録ヘッドに幅が42μm以上の突起を形成すれば、突起の幅dを変化させても突起の幅dにあまり関係なく画質が向上することが確認される。すなわち、吐出口の走査方向の前方に幅が42μm以上の突起を設ければ、その幅は画質にほとんど影響を与えないといえる。なお、上述した突起はいずれも矩形突起であるが、円柱状・多角形柱等であっても同様の効果が得られる。また、上述した突起はオリフィスプレート5の吐出口形成面に密着しており、実質的な隙間がないことを前提としているがこれに限られない。例えば突起の長手方向の両端部でのみオリフィスプレートの吐出口形成面と接し、その他の突起は吐出口面との間に隙間を有する構成でもよい。
なお、本実施形態では、本発明の記録ヘッド100は、走査しながら記録を行うシリアルスキャン形式の記録装置に適用された場合について示している。しかしながら、本発明の記録ヘッド100は、記録ヘッドの走査を伴わない、長尺の記録ヘッドにより記録を行う所謂フルライン形式の記録装置に適用されても良い。この場合には、突起は吐出口列に対し、記録媒体の給紙方向の上流側に設ければ、気流による液滴への影響が効果的に抑えられる。
(第二実施形態)
次に、本発明を実施するための第二実施形態について説明する。上記の第一実施形態と同様の構成の部分については説明を省略し、異なる部分のみ説明することとする。
本実施形態の基本構成は第一実施形態に示したとおりであるが、図11に示されるように、本実施形態の記録ヘッド100’’は、突起8’’が吐出口列の走査する方向の前方及び後方の両方に配置されている点で第一実施形態の記録ヘッドと異なる。本実施形態における突起8’’は、高さhが200μm、幅dが127.2μmであって、吐出口列2の走査方向の前方及び後方に、それぞれ吐出口中心から吐出口側の突起端までの距離xが50μmの位置に設けられている。なお、これらの走査方向の前方及び後方の突起8’’の寸法及び吐出口中心からの位置は、必ずしも前方と後方の突起で同じである必要はない。しかしながら、本実施形態の記録ヘッド100’’が走査の往路及び復路の両方で記録を行う双方向記録が行われる場合には、往路及び復路で共に均一な画質を得るためには前方及び後方で上記条件が略同じであることが望ましい。
突起8’’が吐出口1の走査方向の前方及び後方の両方に配置されている記録ヘッド100’’から吐出される液滴のヨレ量について、図12を用いて説明する。図12は、標準記録条件における突起がない場合、吐出口の走査方向前方にだけ突起を配置した場合、走査方向の前方後方それぞれに配置されている場合の気流によるヨレ量を比較したグラフである。図12に示される結果から、前方後方それぞれに突起を設けた場合も気流ヨレが改善することが確認される。
また、本実施形態はこれに限定されるわけではないが、吐出口の走査方向の前方及び後方の両方に配置されている記録ヘッドは、図13に示されるような双方向記録用の記録ヘッドが用いられる場合に好適である。図13に示されるように、吐出口列はシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の順で走査方向に配置されている。吐出口列がこのように配置されることにより、記録媒体面への着弾順序はヘッドの往路及び復路の走査方向に関わらず、C→M→Y→M→Cの順になり、色順により引き起こされるムラは発生しない。そのため、このように吐出口列が配置された記録ヘッドは、双方向記録に適している。
また、記録ヘッドが双方向記録を行う場合には、記録ヘッドは往路及び復路の両方向で記録が行われる。このことから、吐出口の前方あるいは後方のどちらか一方にのみしか突起が配置されていない場合には、記録を行う際にいずれかの走査方向で走査方向の前方に突起が存在しない状態となるときがある。従って、双方向記録が行われる場合には、本実施形態のように、吐出口列2の、記録媒体に対する相対移動方向の前方及び後方に突起8’’を配置することが好ましい。このように吐出口1の走査方向の前方及び後方の両方に突起が配置されることで、記録ヘッドが図11の往方向A、復方向Bに走査し記録を行う際に、記録ヘッド100’’がどちらの方向に移動して記録を行う場合にも突起が走査方向の前方に位置することになる。従って、記録ヘッドの往方向A、復方向Bのいずれの際にも吐出された液滴によるヨレ量の低減についての効果を得ることができる。以上から、本実施形態の記録ヘッドによれば、高速記録を行うために両方向の記録が行われる場合にも、図13に示されるような記録ヘッドを採用することにより、記録によって得られる画質を高く維持することができる。
(第三実施形態)
次に、本発明を実施するための第三実施形態について説明する。上記の第一実施形態及び第二実施形態と同様の構成の部分については説明を省略し、異なる部分のみ説明することとする。
本実施形態の記録ヘッド100’’’について、図14を用いて説明する。本実施形態に示す記録ヘッド100’’’は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)各色の吐出口列2が形成されている。そして各吐出口列2の間にはそれぞれ高さ20μm以上の突起8’’’が配置されている。吐出口中心から突起8’’’における吐出口側の突起端までの距離xは、突起がないとした場合に発生する渦の最大渦核直径以内である。そして、本実施形態の記録ヘッド100’’’は、吐出口1の走査方向前方及び後方に配置された突起の間の隙間が全て埋められている。本実施形態では、第二実施形態において隣り合っていた別々の突起同士が、一部材で構成されている。これにより、吐出口以外の領域を突起8’’’が占めている点で上述の第二実施形態と異なる。
突起8’’’は、このような構成をとったとしても、第二実施形態に記載されている構成と同様に、気流による液滴のヨレ量の低減についての効果が得られる。さらに、本実施形態の記録ヘッド100’’’は、第二実施形態の突起8’’のように、各吐出口列間に二列の別々の突起8’’が形成されている場合よりも突起の数が少ない分、ワイピングが容易である。
また、第二実施形態のように突起8’’の間に隙間が形成されている場合、この隙間にインクが溜まり、溜まったインクが集積されて、ついには記録中に記録媒体に落下してしまう虞がある。
これに対して、本実施形態の記録ヘッド100’’’によれば、突起の間の隙間が存在しないので、突起間にインクが溜まることを防止することで記録中にインクが記録媒体に落下し、記録媒体を汚すことを防止することができる。また、突起の間の隙間に溜まったインクが固着して異物として残留することや、突起の間の隙間にゴミが堆積することを防止することができる。加えて、微細な突起を吐出口列の間に二列を設けるよりも、突起を形成する突起用プレートをオリフィスプレートに配置する本実施形態の構成の方が記録ヘッドの製造が容易である。
(第四実施形態)
次に、本発明を実施するための第四実施形態について説明する。上記の第一実施形態ないし第三実施形態と同様の構成の部分については説明を省略し、異なる部分のみ説明することとする。
図15、16に、第四実施形態の記録ヘッド100’’’’、100’’’’’の側面図を示す。図15に示される記録ヘッド100’’’’は、吐出口1の走査方向の前方にのみ突起が配置され、図16に示される記録ヘッド100’’’’’は、吐出口1の走査方向前方及び後方の両方に突起が配置されている。これらの点については、前述の実施形態と同様の構成をとっている。しかしながら、図15の記録ヘッド100’’’’には一つの吐出口列2に対して走査方向の前方に複数の突起8’’’’が配置されている。また、図16の記録ヘッド100’’’’’には、一つの吐出口列2に対して、走査方向の前方及び後方に複数の突起8’’’’’が配置されている。これらの点で、本実施形態の記録ヘッドは、上述の実施形態と異なる。そして、図15の複数の突起8’’’’の間隔及び図16の複数の突起8’’’’’の間隔は、比較的狭く形成されている。
このように本実施形態の記録ヘッドは、複数の突起の間に比較的狭い隙間が形成されているので、突起間に毛管力によってインクを保持することができる。これにより、吐出口近傍の湿度を上げることができ、インクが乾燥することによって吐出口が増粘することを防ぐことができる。このように、記録ヘッドの吐出口形成面において、インクの増粘によって吐出口からインクを吐出することができないような状態になることを防ぐことができる。
(第五実施形態)
次に、本発明を実施するための第五実施形態について説明する。上記の第一実施形態ないし第四実施形態と同様の構成の部分については説明を省略し、異なる部分のみ説明することとする。
図17に示される記録ヘッド100’’’’’’は双方向記録に対応するようシアン(C)、マゼンタ(M),イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の順で吐出口列が配列している。ここで、1列しか配列されていないイエローのように、配列されている数が比較的少ない吐出口列については、2列形成された他色の吐出口列のように列数の比較的多い吐出口列よりも1つの吐出口あたりのインク吐出量が多くなるように形成される場合が多い。また、イエローのように配列されている数が比較的少ない吐出口列からのインクの吐出は、他色の吐出口列のように列数の比較的多い吐出口列からのインクの吐出に比べて吐出周波数が高い場合が多い。このイエローのように吐出量が多かったり、吐出周波数が高い場合には、インクの飛翔によって生じる渦は他色のインク吐出によって生じる渦より強くなる。このとき、この強い渦の生じる吐出口列の隣でインク吐出をした場合、特に小液滴は、イエロー列の吐出によって生じる強い渦に流され、着弾位置が大きくずれ、画質が著しく劣化する場合がある。
このような場合には、特にインク吐出量が多いことや吐出周波数が高いことに起因する強い渦を抑制することが重要である。よって、図17のような記録ヘッドにおいては、イエローの吐出口列近傍に突起8’’’’’’を設けることがイエローインクはもとより、隣のマゼンタインクの着弾位置ズレ防止するためにも有効である。イエローの吐出口列に設ける突起はヘッド進行方向(ヘッド位置が固定の場合は記録媒体搬送方向と逆方向)のみに設けても、図17に記載のように吐出口列を挟むように両側に設けてもよい。
そして、このようにイエロー吐出口列のみに突起を設けた場合には、記録ヘッドの吐出口形成面をワイピングする際、ワイパーにとって障害物が少なくなるため、ワイピングが容易に行え、ワイパーの寿命をのばすことができる点でも好ましい。
本実施形態ではイエローの吐出口列のみに突起を設ける例を示したがこれに限られるものではない。複数の吐出口列が形成される記録ヘッドにおいて、吐出量が最も大きい吐出口列または最も吐出周波数の高い吐出口列に対して突起を設けることが好ましい。
(第六実施形態)
次に、本発明を実施するための第六実施形態について説明する。上記の第一実施形態ないし第五実施形態と同様の構成の部分については説明を省略し、異なる部分のみ説明することとする。
吐出口列近傍に突起を設ける方法には、大きく分けて、突起を形成するための層を積層させて突起部を設ける方法と、突起部材を別に製作しチップ面に接着する方法との2つがある。
オリフィスプレートの吐出口形成面に突起部材を接着する場合には、突起部材を精度よく接着する必要がある。1つの吐出口列間の中で吐出口と突起との距離にバラツキがあると、気流ヨレ抑制効果に差異が生じ、着弾位置乱れにも不均一な分布ができてしまうからである。
この場合、複数の吐出口列に対し、精度よくそれぞれの突起部材を接着することとすると、製造コスト・製造時間がかかる。よって、突起が複数形成される記録ヘッドを製造するには、全ての突起部材を一体にした部材を製造し、それを吐出口形成面に貼ることが好ましい。これにより位置精度も向上するため、製造コスト・製造時間・信頼性の点で有利である。またこの一体の突起部材は、1枚の板部材に吐出口列に相当する部分をレーザー等で穴あけすることにより精度よく容易に製造できる。
(他の実施形態)
なお、本発明の液体吐出ヘッドは、プリンタ、複写機、通信システムを有するファクシミリ、プリンタ部を有するワードプロセッサなどの装置、さらには各種処理装置と複合的に組み合わせた産業記録装置に搭載可能である。そして、この液体吐出ヘッドを用いることによって、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックスなど種々の記録媒体に記録を行うことができる。なお、本明細書内で用いられる「記録」とは、文字や図形などの意味を持つ画像を記録媒体に対して付与することだけでなく、パターンなどの意味を持たない画像を付与することも意味することとする。
さらに、「インク」または「液体」とは、広く解釈されるべきものであり、記録媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターン等の形成、記録媒体の加工、或いはインクまたは記録媒体の処理に供される液体を言うものとする。ここで、インクまたは記録媒体の処理としては、例えば、記録媒体に付与されるインク中の色材の凝固または不溶化による定着性の向上や、記録品位ないし発色性の向上、画像耐久性の向上などのことを言う。
1 吐出口
2 吐出口列
8、8’、8’’、8’’’、8’’’’、8’’’’’、8’’’’’’ 突起
100、100’、100’’、100’’’、100’’’’、100’’’’’ 、100’’’’’’ 記録ヘッド

Claims (18)

  1. 液体を吐出するための吐出口を有する液体吐出ヘッドにおいて、
    前記吐出口が形成された吐出口形成面に、前記吐出口形成面から突出した突起が形成され、
    前記突起は、前記吐出口の中心からの距離が、突起のない場合に液滴が吐出されたときに形成される渦の最大渦核直径以内の位置に配置されていることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  2. 前記吐出口は、複数配置されて吐出口列を形成し、
    前記突起は、前記吐出口列に沿って延びていることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  3. 前記突起は前記吐出口列に沿って不連続に延びていることを特徴とする請求項2に記載の液体吐出ヘッド。
  4. 前記液体吐出ヘッドは記録媒体に対して相対移動可能であって、
    前記突起は、前記吐出口に対して、液体を吐出する際の前記液体吐出ヘッドによる記録媒体に対する相対移動方向の前方に配置されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
  5. 前記液体吐出ヘッドは、記録媒体に対して相対移動可能であって、
    前記突起は、前記吐出口に対して、前記液体吐出ヘッドによる記録媒体に対する相対移動方向の前方及び後方に配置されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
  6. 前記突起は、吐出口の中心から600μm未満の位置に配置されていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
  7. 前記突起は、吐出口の中心から400μm以内の位置に配置されていることを特徴とする請求項6に記載の液体吐出ヘッド。
  8. 前記突起は、吐出口の中心から200μm以内の位置に配置されていることを特徴とする請求項7に記載の液体吐出ヘッド。
  9. 前記突起の高さは、20μm以上であることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
  10. 前記突起の高さは、50μm以上であることを特徴とする請求項9に記載の液体吐出ヘッド。
  11. 前記突起の高さは、200μm以上であることを特徴とする請求項10に記載の液体吐出ヘッド。
  12. 前記吐出口は、複数配置されて吐出口列を形成し、
    前記突起の前記吐出口列と直交する方向の長さは、42μm以上であることを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
  13. 前記吐出口は、複数配置されて吐出口列を形成し、
    前記突起の前記吐出口列方向の長さは、該吐出口列の長さよりも長いことを特徴とする請求項1から12のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
  14. 前記突起の前記吐出口列方向の長さは、吐出口列の長さより1mm以上長いことを特徴とする請求項13の液体吐出ヘッド。
  15. 複数の前記吐出口が配列される吐出口列を複数備え、前記複数の吐出口列のうち吐出量の最も多い液体を吐出する吐出口列に対してのみ前記突起が形成されることを特徴とする請求項1から14のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
  16. 複数の前記吐出口が配列される吐出口列を複数備え、前記複数の吐出口列のうち液体を吐出する周波数の最も高い吐出口列に対してのみ前記突起が形成されることを特徴とする請求項1から15のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
  17. 前記突起は複数形成され、該複数の突起は1の部材で一体に構成されることを特徴とする請求項1から16のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
  18. 請求項1から17のいずれかに記載の液体吐出ヘッドを搭載可能なキャリッジを備えることを特徴とする記録装置。
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