JP2017121792A - 液体吐出ヘッド及び液体吐出装置 - Google Patents

液体吐出ヘッド及び液体吐出装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2017121792A
JP2017121792A JP2016002951A JP2016002951A JP2017121792A JP 2017121792 A JP2017121792 A JP 2017121792A JP 2016002951 A JP2016002951 A JP 2016002951A JP 2016002951 A JP2016002951 A JP 2016002951A JP 2017121792 A JP2017121792 A JP 2017121792A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid
discharge
ejection
liquid discharge
head
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016002951A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6714362B2 (ja
Inventor
智厚 佐藤
Tomoatsu Sato
智厚 佐藤
信太郎 笠井
Shintaro Kasai
信太郎 笠井
喜幸 中川
Yoshiyuki Nakagawa
喜幸 中川
亜紀子 齊藤
Akiko Saito
亜紀子 齊藤
孝胤 守屋
Takatsugu Moriya
孝胤 守屋
石田 浩一
Koichi Ishida
浩一 石田
辰也 山田
Tatsuya Yamada
辰也 山田
周三 岩永
Shuzo Iwanaga
周三 岩永
絢子 戸塚
Ayako Tozuka
絢子 戸塚
友樹 石綿
Tomoki Ishiwata
友樹 石綿
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2016002951A priority Critical patent/JP6714362B2/ja
Publication of JP2017121792A publication Critical patent/JP2017121792A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6714362B2 publication Critical patent/JP6714362B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
  • Ink Jet (AREA)

Abstract

【課題】大型化を抑えつつ、特に明度の低いインク液滴の着弾位置ずれを少なくして、高速かつ高画質の液体吐出を実現する。【解決手段】被記録媒体に向かって液体を吐出する複数の吐出口13からなる吐出口列14が、吐出する液体の色ごとに形成されている液体吐出ヘッドにおいて、吐出口形成面の、被記録媒体の搬送方向において全ての吐出口列14よりも上流側の位置に突起部9が設けられており、液体吐出ヘッドから吐出する液体のうち最も明度が低い液体を吐出する複数の吐出口13からなる吐出口列14が、吐出口形成面の、突起部9に最も近い位置に配置されている。【選択図】図21

Description

本発明は、インク等の液体を吐出する液体吐出ヘッド及びそれを備える液体吐出装置に関する。
近年、インクジェット記録ヘッドなどの液体吐出ヘッドは、さらなる記録の高速化及び高画質化の要求が高まっている。高速化の要求に対しては高周波数で液体のインクを吐出することで対応している。一方、高画質化の要求に対しては、着弾位置のずれを抑制することで対応している。この着弾位置のずれの一因は、吐出口と被記録媒体の間の気流である。吐出口からインクが吐出されると、吐出口形成面と被記録媒体との間の領域でインクの移動により引きずられて空気の流れが生じ、その空気の流れは紙に当たって舞い上がることにより渦を形成する。この渦によりインク液滴の周囲の気流が乱されて着弾位置がずれる、いわゆる気流ヨレという現象が発生し、この気流ヨレが印字のムラを生じさせて印字品質に影響を与える。この課題の解決策として、特許文献1に開示された液体吐出ヘッドがある。特許文献1には、吐出口から被記録媒体に向けて吐出されるインク液滴に起因する渦を抑制するように、吐出口形成面と被記録媒体との間に気流を発生させる液体吐出ヘッドが記載されている。
特開2014−188925号公報
しかしながら、特許文献1に開示されている液体吐出ヘッドでは、渦を抑制するために発生させた気流が、キャリッジ自体の移動や被記録媒体の移動によって乱され、大きな効果を得ることが難しい。また、気流を発生させる構造を設けることにより液体吐出ヘッドのサイズが大きくなり、液体吐出装置が大型化する虞がある。
本発明の目的は、上記課題を解決し、明度の異なる複数の液体を吐出可能な液体吐出ヘッド及び液体吐出装置において、大型化を抑えつつ、特に明度の低いインク液滴の着弾位置ずれを少なくして、高速の液体吐出による高画質の記録を実現することにある。
本発明は、被記録媒体に向かって液体を吐出する複数の吐出口からなる吐出口列が、吐出する液体の色ごとに形成されている液体吐出ヘッドにおいて、吐出口形成面の、被記録媒体の搬送方向において全ての吐出口列よりも上流側の位置に突起部が設けられており、液体吐出ヘッドから吐出する液体のうち最も明度が低い液体を吐出する複数の吐出口からなる吐出口列が、吐出口形成面の、突起部に最も近い位置に配置されていることを特徴とする。
本発明によると、液体を吐出する吐出口列の上流側に設けられた突起部で、舞い上がる気流を遮って渦の発達を抑えることにより、突起部の下流側にある吐出口から吐出された液体の着弾位置ずれを少なくすることができる。特に明度の低い液体を吐出する吐出口を突起部の近くに配置することで、特に視認しやすい液体の着弾位置ずれを少なくし、印字品質の低下を低減することができる。
本発明の第1の適用例に係る液体吐出装置の概略構成を示す斜視図である。 図1に示す液体吐出装置の第1の循環流路を示す図である。 図1に示す液体吐出装置の第2の循環流路を示す図である。 本発明の第1の適用例に係る液体吐出ヘッドの斜視図である。 図4に示す液体吐出ヘッドの分解斜視図である。 図4に示す液体吐出ヘッドの各流路部材の平面図及び底面図である。 図6に示す流路部材の透視図である。 図4に示す液体吐出ヘッドの断面図である。 図4に示す液体吐出ヘッドの吐出モジュールの斜視図及び分解斜視図である。 図4に示す液体吐出ヘッドの記録素子基板の平面図、拡大平面図、及び背面図である。 図4に示す液体吐出ヘッドの一部切欠斜視図である。 図4に示す液体吐出ヘッドの隣り合う2つの記録素子基板を示す要部拡大平面図である。 本発明の第2の適用例に係る液体吐出ヘッドの斜視図である。 図13に示す液体吐出ヘッドの分解斜視図である。 図13に示す液体吐出ヘッドの各流路部材の平面図及び底面図である。 図13に示す液体吐出ヘッドの記録素子基板と流路部材の流路の接続状態を示す図である。 図16のF−F線断面図である。 図13に示す液体吐出ヘッドの吐出モジュールの斜視図及び分解斜視図である。 図13に示す液体吐出ヘッドの記録素子基板の平面図と中間部と底面図である。 本発明の第1の実施形態に係る液体吐出ヘッドの斜視図である。 図20に示す液体吐出ヘッドの記録素子基板の平面図とB−B線断面図である。 従来の液体吐出ヘッドにおける液体吐出状態を示す断面図とその印字結果を示す図と、図20に示す液体吐出ヘッドにおける液体吐出状態を示す断面図である。 従来の液体吐出ヘッドにおける液体吐出状態を示す断面図と、図20に示す液体吐出ヘッドの記録素子基板の平面図とその液体吐出状態を示す断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る液体吐出ヘッドの記録素子基板の平面図である。 本発明の第3の実施形態に係る液体吐出ヘッドの斜視図と、その記録素子基板の平面図である。 本発明の第4の実施形態に係る液体吐出ヘッドとその変形例の斜視図である。 本発明の第5の実施形態に係る液体吐出ヘッドの斜視図である。 本発明の第6の実施形態に係る液体吐出ヘッドの記録素子基板の平面図と、その液体吐出状態を示す断面図である。
以下、図面を用いて本発明の適用例及び実施形態を説明する。ただし、以下の記載は本発明の範囲を限定するものではない。一例として、以下の適用例及び実施形態では発熱素子により気泡を発生させて液体を吐出するサーマル方式が採用されているが、ピエゾ方式及びその他の各種液体吐出方式が採用された液体吐出ヘッドにも本発明を適用することができる。
以下の適用例及び実施形態の液体吐出装置は、インク等の液体をタンクと液体吐出ヘッドの間で循環させる形態のインクジェット記録装置(記録装置)であるが、その他の形態であっても良い。例えば、インクを循環せずに、液体吐出ヘッドの上流側と下流側に2つのタンクを設け、一方のタンクから他方のタンクへインクを流すことで、圧力室内のインクを流動させる形態であっても良い。
また以下の適用例及び実施形態の液体吐出ヘッドは、被記録媒体の幅に対応した長さを有する、所謂ライン型ヘッドであるが、被記録媒体に対してスキャンを行いながら記録を行う、所謂シリアル型の液体吐出ヘッドにも本発明を適用できる。シリアル型の液体吐出ヘッドとしては、例えばブラックインク用及びカラーインク用記録素子基板を各1つずつ搭載する構成が挙げられる。ただし、これに限らず、数個の記録素子基板を、吐出口列方向に吐出口をオーバーラップさせるように配置した、被記録媒体の幅よりも短い、短尺のラインヘッドを作成し、それを被記録媒体に対してスキャンさせる形態のものであっても良い。
[第1の適用例]
(インクジェット記録装置の説明)
本発明の、液体吐出装置、特にインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置1000(以下、記録装置とも称する)の概略構成を図1に示す。記録装置1000は、被記録媒体2を搬送する搬送部1と、被記録媒体の搬送方向と略直交して配置されるライン型の液体吐出ヘッド3とを備え、複数の被記録媒体2を連続的もしくは間欠的に搬送しながら1パスで連続記録を行うライン型記録装置である。被記録媒体2はカット紙に限らず、連続したロール紙であってもよい。液体吐出ヘッド3はCMYK(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)インクによるフルカラー印刷が可能であり、後述するように液体を液体吐出ヘッドへ供給する供給路である液体供給手段、メインタンク、及びバッファタンク(図2)が流体的に接続される。また、液体吐出ヘッド3には、液体吐出ヘッド3へ電力及び吐出制御信号を伝送する電気制御部が電気的に接続される。吐出ヘッド3内における液体経路及び電気信号経路については後述する。
(第1の循環経路の説明)
図2は、本適用例の記録装置に適用される循環経路の一形態である第1の循環経路を示す模式図である。液体吐出ヘッド3を、第1循環ポンプ(高圧側)1001、第1循環ポンプ(低圧側)1002、及びバッファタンク1003等に流体的に接続した状態が示されている。なお図2では、説明を簡略化するためにCMYKインクのうちの一色のインクが流動する経路のみを示しているが、実際には4色分の循環経路が、液体吐出ヘッド3及び記録装置本体に設けられる。メインタンク1006と接続される、サブタンクとしてのバッファタンク1003は、タンク内部と外部とを連通する大気連通口(不図示)を有し、インク中の気泡を外部に排出することが可能である。バッファタンク1003は、補充ポンプ1005とも接続されている。補充ポンプ1005は、インク吐出による記録や吸引回復等、液体吐出ヘッドの吐出口からインクを吐出(排出)することによって液体吐出ヘッド3で液体が消費された際に、消費された分のインクをメインタンク1006からバッファタンク1003へ移送する。
2つの第1循環ポンプ1001,1002は、液体吐出ヘッド3の液体接続部111から液体を吸引してバッファタンク1003へ流す役割を有する。第1循環ポンプとしては定量的な送液能力を有する容積型ポンプが好ましい。具体的にはチューブポンプ、ギアポンプ、ダイヤフラムポンプ、シリンジポンプ等が挙げられるが、例えば一般的な定流量弁やリリーフ弁をポンプ出口に配して一定流量を確保する形態であってもよい。液体吐出ヘッド3の駆動時には第1循環ポンプ(高圧側)1001及び第1循環ポンプ(低圧側)1002によって、それぞれ共通供給経路211と共通回収流路212の内部をある一定量のインクが流れる。この流量としては、液体吐出ヘッド3内の各記録素子基板10間の温度差が記録画質に影響しない程度の大きさに設定することが好ましい。もっとも、あまりに大きな流量を設定すると、液体吐出ユニット300内の流路の圧力損失の影響により、各記録素子基板10で負圧差が大きくなり過ぎて画像の濃度ムラが生じてしまう。そのため、各記録素子基板10間の温度差と負圧差を考慮しながら流量を設定することが好ましい。
負圧制御ユニット230は、第2循環ポンプ1004と液体吐出ユニット300との間の経路中に設けられている。これは、記録を行うデューティ(Duty)の差によって循環系の流量が変動した場合でも、負圧制御ユニット230よりも下流側(即ち液体吐出ユニット300側)の圧力を予め設定した一定圧力に維持するように動作する機能を有する。負圧制御ユニット230を構成する2つの圧力調整機構としては、それ自身よりも下流の圧力を、所望の設定圧を中心として一定の範囲以下の変動に制御できるものであれば、どのような機構を用いても良い。一例としては所謂「減圧レギュレーター」と同様の機構を採用することができる。減圧レギュレーターを用いた場合には、図2に示したように、第2循環ポンプ1004によって、液体供給ユニット200を介して負圧制御ユニット230の上流側を加圧するようにすることが好ましい。このようにすると、バッファタンク1003の液体吐出ヘッド3に対する水頭圧の影響を抑制できるので、記録装置1000におけるバッファタンク1003のレイアウトの自由度を広げることができる。第2循環ポンプ1004としては、液体吐出ヘッド3の駆動時に使用するインク循環流量の範囲において、一定圧以上の揚程圧を有するものであればよく、ターボ型ポンプや容積型ポンプなどを使用できる。具体的には、ダイヤフラムポンプ等が採用可能である。また第2循環ポンプ1004の代わりに、例えば負圧制御ユニット230に対してある一定の水頭差をもって配置された水頭タンクも採用可能である。
図2に示したように負圧制御ユニット230は、それぞれに対して互いに異なる制御圧が設定された2つの圧力調整機構を備えている。2つの負圧調整機構の内、相対的な高圧設定側(図2にHと記載)、相対的な低圧設定側(図2にLと記載)は、それぞれ、液体供給ユニット220内を経由して、液体吐出ユニット300内の共通供給経路211、共通回収流路212に接続されている。液体吐出ユニット300には、共通供給経路211、共通回収流路212、及び各記録素子基板と連通する個別供給流路213a及び個別回収流路213bが設けられている。個別流路213a,213bは共通供給経路211及び共通回収流路212と連通しているので、液体の一部が、共通供給流路211から記録素子基板10の内部流路を通過して共通回収流路212へ至る流れ(図2の矢印)が発生する。共通供給流路211には圧力調整機構Hが、共通回収流路212には圧力調整機構Lがそれぞれ接続されているため、2つの共通流路の間に差圧が生じているからである。
このようにして、液体吐出ユニット300では、共通供給流路211及び共通回収流路212内をそれぞれ通過するように液体を流しつつ、一部の液体が各記録素子基板10内を通過するような流れが発生する。このため、各記録素子基板10で発生する熱を共通供給流路211及び共通回収流路212の流れで記録素子基板10の外部へ排出することが出来る。またこのような構成により、液体吐出ヘッド3による記録を行っている際に、吐出を行っていない吐出口や圧力室においてもインクの流れを生じさせることが出来るので、その部位におけるインクの増粘を抑制できる。また増粘したインクやインク中の異物を共通回収流路212へと排出することができる。このため、本適用例の液体吐出ヘッド3は、高速で高画質な記録が可能となる。
(第2の循環経路の説明)
図3は、本適用例の記録装置に適用される循環経路のうち、上述した第1の循環経路とは異なる循環形態である第2の循環経路を示す模式図である。前述の第1の循環経路との主な相違点は以下の通りである。負圧制御ユニット230を構成する2つの圧力調整機構が共に、負圧制御ユニット230よりも上流側の圧力を、所望の設定圧を中心として一定範囲内の変動に制御する機構(所謂「背圧レギュレーター」と同作用の機構部品)である。また、第2循環ポンプ1004が、負圧制御ユニット230の下流側を減圧する負圧源として作用するものである。そして、第1循環ポンプ(高圧側)1001及び第1循環ポンプ(低圧側)1002が液体吐出ヘッドの上流側に配置され、負圧制御ユニット230が液体吐出ヘッドの下流側に配置されている。
本適用例の負圧制御ユニット230は、液体吐出ヘッド3により記録を行う際の記録デューティの変化によって生じる流量の変動があっても、上流側(液体吐出ユニット300側)の圧力変動を、予め設定された圧力を中心とする一定の範囲内に安定させる。図3に示すように、第2循環ポンプ1004によって、液体供給ユニット220を介して負圧制御ユニット230の下流側を加圧することが好ましい。このようにすると、液体吐出ヘッド3に対するバッファタンク1003の水頭圧の影響を抑制できるので、記録装置1000におけるバッファタンク1003のレイアウトの選択幅を広げることができる。第2循環ポンプ1004の代わりに、例えば負圧制御ユニット230に対して所定の水頭差をもって配置された水頭タンクも採用可能である。
第1の適用例と同様に、図3に示したように負圧制御ユニット230は、それぞれに対して互いに異なる制御圧が設定された2つの圧力調整機構を備えている。2つの負圧調整機構の内、高圧設定側(図3にHと記載)、低圧設定側(図3にLと記載)はそれぞれ、液体供給ユニット220内を経由して、液体吐出ユニット300内の共通供給経路211、及び共通回収流路212に接続されている。2つの負圧調整機構により共通供給流路211の圧力を共通回収流路212の圧力より相対的に高くすることで、共通供給流路211から個別流路213及び各記録素子基板10の内部流路を介して共通回収流路212へ至るインク流れが発生する(図3の矢印)。このように、第2の循環経路では、液体吐出ユニット300内には第1の循環経路と同様のインク流れ状態が得られるが、第1の循環経路の場合とは異なる2つの利点がある。
1つ目の利点は、第2の循環経路では負圧制御ユニット230が液体吐出ヘッド3の下流側に配置されているので、負圧制御ユニット230から発生するゴミや異物がヘッドへ流入する懸念が少ないことである。2つ目の利点は、第2の循環経路では、バッファタンク1003から液体吐出ヘッド3へ供給する必要流量の最大値が、第1の循環経路の場合よりも少なくて済むことである。その理由は次の通りである。記録待機時にインクが循環している場合の、共通供給流路211及び共通回収流路212の内部の流量の合計をAとする。Aの値は、記録待機中に液体吐出ヘッド3の温度調整を行う場合に、液体吐出ユニット300内の温度差を所望の範囲内にするために必要な最小限の流量と定義される。また液体吐出ユニット300の全ての吐出口からインクを吐出する場合(全吐出時)の吐出流量をFと定義する。そうすると、第1の循環経路(図2)の場合は、第1循環ポンプ(高圧側)1001及び第1循環ポンプ(低圧側)1002の設定流量がAとなるので、全吐出時に必要な液体吐出ヘッド3への液体供給量の最大値はA+Fとなる。
一方で第2の循環経路(図3)の場合は、記録待機時に必要な液体吐出ヘッド3への液体供給量は流量Aである。そして、全吐出時に必要な液体吐出ヘッド3への供給量は流量Fとなる。そうすると、第2の循環経路の場合、第1循環ポンプ(高圧側)1001及び第1循環ポンプ(低圧側)1002の設定流量の合計値、即ち必要供給流量の最大値はA又はFの大きい方の値となる。このため、同一構成の液体吐出ユニット300を使用する限り、第2の循環経路における必要供給量の最大値(A又はF)は、第1の循環経路における必要供給流量の最大値(A+F)よりも必ず小さくなる。そのため、第2の循環経路の場合、採用可能な循環ポンプの自由度が高まり、例えば構成の簡単な低コストの循環ポンプを使用したり、本体側経路に設置される冷却器(不図示)の負荷を低減したりすることができる。その結果、記録装置本体のコストを低減できるという利点がある。この利点は、A又はFの値が比較的大きくなるラインヘッドであるほど大きくなり、ラインヘッドの中でも長手方向の長さが長いラインヘッドほど有益である。
しかしながら一方で、第1の循環経路の方が、第2の循環経路に対して有利になる点もある。すなわち、第2の循環経路では、記録待機時に液体吐出ユニット300内を流れる流量が最大であるため、記録デューティの低い画像であるほど、各吐出口近傍に高い負圧が印加された状態となる。このため、特に共通供給流路211及び共通回収流路212の流路幅(液体の流れ方向と直交する方向の長さ)を小さくしてヘッド幅(液体吐出ヘッドの短手方向の長さ)を小さくした場合、ムラの見えやすい低デューティ画像で吐出口近傍に高い負圧が印加される。そのため、サテライト滴の影響が大きくなる虞がある。一方、第1の循環経路の場合、高い負圧が吐出口近傍に印加されるのは高デューティ画像形成時であるため、仮にサテライトが発生しても視認されにくく、画像への影響は小さいという利点がある。2つの循環経路の選択は、液体吐出ヘッド及び記録装置本体の仕様(吐出流量F、最小循環流量A、及びヘッド内流路抵抗等)に照らして、好ましい方を採用することができる。
(液体吐出ヘッド構成の説明)
第1の適用例に係る液体吐出ヘッド3の構成について説明する。図4(a)及び図4(b)は本適用例に係る液体吐出ヘッド3の斜視図である。液体吐出ヘッド3は、1つでC/M/Y/Kの4色のインクを吐出可能な記録素子基板10を直線上に15個配列(インラインに配置)したライン型の液体吐出ヘッドである。図4(a)に示すように、液体吐出ヘッド3は、各記録素子基板10と、フレキシブル配線基板40及び電気配線基板90を介して電気的に接続された信号入力端子91と電力供給端子92とを備えている。信号入力端子91及び電力供給端子92は記録装置1000の制御部と電気的に接続され、それぞれ、吐出駆動信号及び吐出に必要な電力を記録素子基板10に供給する。電気配線基板90内の電気回路によって配線を集約することで、信号出力端子91及び電力供給端子92の数を記録素子基板10の数に比べて少なくできる。これにより、記録装置1000に対して液体吐出ヘッド3を組み付ける時又は液体吐出ヘッドの交換時に取り外しが必要な電気接続部の数が少なくて済む。図4(b)に示すように、液体吐出ヘッド3の両端部に設けられた液体接続部111は、記録装置1000の液体供給系と接続される。これによりCMYK4色のインクが記録装置1000の供給系から液体吐出ヘッド3に供給され、また液体吐出ヘッド3内を通ったインクが記録装置1000の供給系へ回収されるようになっている。このように各色のインクは、記録装置1000の経路と液体吐出ヘッド3の経路を介して循環可能である。
図5に液体吐出ヘッド3を構成する各部品またはユニットの分解斜視図を示す。液体吐出ユニット300、液体供給ユニット220、及び電気配線基板90が筺体80に取り付けられている。液体供給ユニット220には液体接続部111(図3)が設けられるとともに、液体供給ユニット220の内部には、供給されるインク中の異物を取り除くため、液体接続部111の各開口と連通する各色別のフィルタ221(図2、図3)が設けられている。2つの液体供給ユニット220は、それぞれに2色分ずつのフィルタ221が設けられている。フィルタ221を通過した液体はそれぞれの色に対応して供給ユニット220上に配置された負圧制御ユニット230へ供給される。負圧制御ユニット230は各色別の圧力調整弁からなるユニットであり、それぞれの内部に設けられた弁やバネ部材などの働きによって以下の作用を生じる。液体の流量の変動に伴って生じる記録装置1000の供給系内(液体吐出ヘッド3の上流側の供給系)の圧力損失の変化を大幅に減衰させて、圧力制御ユニットよりも下流側(液体吐出ユニット300側)の負圧変化をある一定の範囲内に安定させることができる。各色の負圧制御ユニット230内には、図2に記載したように、各色毎に2つの圧力調整弁が内蔵されている。2つの圧力調整弁はそれぞれ異なる制御圧力に設定され、高圧側が液体吐出ユニット300内の共通供給流路211と、低圧側が共通回収流路212と、液体供給ユニット220を介してそれぞれ連通している。
筐体80は、液体吐出ユニット支持部81及び電気配線基板支持部82とから構成され、液体吐出ユニット300及び電気配線基板90を支持するとともに、液体吐出ヘッド3の剛性を確保している。電気配線基板支持部82は電気配線基板90を支持する為のものであって、液体吐出ユニット支持部81にネジ止めによって固定されている。液体吐出ユニット支持部81は液体吐出ユニット300の反りや変形を矯正して、複数の記録素子基板10の相対位置精度を確保する役割を有し、それにより記録物におけるスジやムラを抑制する。そのため液体吐出ユニット支持部81は、十分な剛性を有することが好ましく、材質としてはステンレス(SUS)やアルミニウムなどの金属材料、もしくはアルミナなどのセラミックが好適である。液体吐出ユニット支持部81には、ジョイントゴム100が挿入される開口83、84が設けられている。液体供給ユニット220から供給される液体はジョイントゴムを介して、液体吐出ユニット300を構成する第3流路部材70へと導かれる。
液体吐出ユニット300は、複数の吐出モジュール200、流路部材210からなり、液体吐出ユニット300の被記録媒体側の面にはカバー部材130が取り付けられる。ここで、カバー部材130は図5に示したように、長尺の開口131が設けられた額縁状の表面を持つ部材であり、開口131からは、吐出モジュール200に含まれる記録素子基板10及び封止材部110(図9)が露出している。開口131の周囲の枠部は、記録待機時に液体吐出ヘッド3をキャップするキャップ部材の当接面としての機能を有する。このため、開口131の周囲に沿って接着剤、封止材、充填材等を塗布し、液体吐出ユニット300の吐出口面上の凹凸や隙間を埋めることで、キャップ時に閉空間が形成されるようにすることが好ましい。
次に液体吐出ユニット300に含まれる流路部材210の構成について説明する。図5に示したように、流路部材210は、第1流路部材50、第2流路部材60、第3流路部材70を積層したものである。そしてこの流路部材210は、液体供給ユニット220から供給された液体を各吐出モジュール200へと分配し、また吐出モジュール200から環流する液体を液体供給ユニット220へと戻すための流路部材である。流路部材210は液体吐出ユニット支持部81にネジ止めで固定されており、それにより流路部材210の反りや変形が抑制されている。
図6(a)〜(f)は第1〜第3流路部材の各流路部材の表面と裏面を示した図である。図6(a)は、第1流路部材50の、吐出モジュール200が搭載される側の面を示し、図6(f)は、第3流路部材70の、液体吐出ユニット支持部81と当接する側の面を示す。第1流路部材50と第2流路部材60とは、夫々の流路部材の当接面である図6(b)と図6(c)が対向するように接合し、第2流路部材と第3流路部材とは、夫々の流路部材の当接面である図6(d)と図6(e)が対向するように接合している。第2流路部材60と第3流路部材70を接合することにより、夫々の流路部材に形成される共通流路溝62と71とによって、流路部材の長手方向に延在する8本の共通流路が形成される。これにより色毎に共通供給流路211と共通回収流路212のセットが流路部材210内に形成される(図7)。第3流路部材70の連通口72はジョイントゴム100の各穴と連通しており、液体供給ユニット220と流体的に流通している。第2流路部材60の共通流路溝62の底面には連通口61が複数形成されており、第1流路部材50の個別流路溝52の一端部と連通している。第1流路部材50の個別流路溝52の他端部には連通口51が形成されており、連通口51を介して、複数の吐出モジュール200と流体的に連通している。この個別流路溝52により流路部材の中央側へ流路を集約することが可能となる。
第1〜第3流路部材は、液体に対して耐腐食性を有するとともに、線膨張率の低い材質からなることが好ましい。材質としては例えば、アルミナや、LCP(液晶ポリマー)、PPS(ポリフェニルサルファイド)やPSF(ポリサルフォン)を母材としてシリカ微粒子やファイバーなどの無機フィラーを添加した複合材料(樹脂材料)を好適に用いることができる。流路部材210の形成方法としては、3つの流路部材を積層させて互いに接着しても良いし、材質として樹脂複合樹脂材料を選択した場合には、溶着によって接合しても良い。
次に図7を用いて流路部材210内の各流路の接続関係について説明する。図7は、第1〜第3流路部材を接合して形成される流路部材210内の流路を、第1流路部材50の、吐出モジュール200が搭載される面側から一部を拡大して見た透視図である。流路部材210には、色毎に液体吐出ヘッド3の長手方向に伸びる共通供給流路211(211a、211b、211c、211d)、及び共通回収流路212(212a、212b、212c、212d)が設けられている。各色の共通供給流路211には、個別流路溝52によって形成される複数の個別供給流路(213a、213b、213c、213d)が連通口61を介して接続されている。また、各色の共通回収流路212には、個別流路溝52によって形成される複数の個別回収流路(214a、214b、214c、214d)が連通口61を介して接続されている。このような流路構成により、各共通供給流路211から個別供給流路213を介して、流路部材の中央部に位置する記録素子基板10にインクを集約することが出来る。また記録素子基板10から個別回収流路214を介して、各共通回収流路212にインクを回収することが出来る。
図8は、図7のE−E線における断面を示した図である。この図に示すように、それぞれの個別回収流路(214a、214c)は連通口51を介して、吐出モジュール200と連通している。図8では個別回収流路(214a、214c)のみ図示しているが、別の断面においては、図7に示すように個別供給流路213と吐出モジュール200とが連通している。各吐出モジュール200に含まれる支持部材30及び記録素子基板10には、第1流路部材50からのインクを記録素子基板10に設けられる記録素子15(図10)に供給するための流路が形成されている。また、記録素子15に供給した液体の一部または全部を第1流路部材50に回収(環流)するための流路も形成されている。ここで、各色の共通供給流路211は、対応する色の負圧制御ユニット230(高圧側)と、液体供給ユニット220を介して接続されており、また共通回収流路212は、負圧制御ユニット230(低圧側)と、液体供給ユニット220を介して接続されている。この負圧制御ユニット230により、共通供給流路211と共通回収流路212の間に差圧(圧力差)を生じさせるようになっている。このため、図7及び8に示したように各流路を接続した本適用例の液体吐出ヘッド内では、各色で、共通供給流路211、個別供給流路213a、記録素子基板10、個別回収流路213b、共通回収流路212へと順に流れる流れが発生する。
(吐出モジュールの説明)
図9(a)に1つの吐出モジュール200の斜視図を、図9(b)にその分解図を示す。吐出モジュール200の製造方法としては、まず記録素子基板10及びフレキシブル配線基板40を、予め液体連通口31が設けられた支持部材30上に接着する。その後、記録素子基板10上の端子16と、フレキシブル配線基板40上の端子41とをワイヤーボンディングによって電気接続し、その後にワイヤーボンディング部(電気接続部)を封止材110で覆って封止する。フレキシブル配線基板40の記録素子基板10と反対側の端子42は、電気配線基板90の接続端子93(図5参照)と電気接続される。支持部材30は、記録素子基板10を支持する支持体であるとともに、記録素子基板10と流路部材210とを流体的に連通させる流路部材である為、平面度が高く、また十分に高い信頼性をもって記録素子基板と接合できるものが好ましい。材質としては例えばアルミナや樹脂材料が好ましい。
(記録素子基板の構造の説明)
本適用例における記録素子基板10の構成について説明する。図10(a)は液体吐出ヘッドの記録素子基板10の吐出口13が形成される側の面の平面図を示し、図10(b)は図10(a)のAで示した部分の拡大図を示し、図10(c)は図10(a)の底面図を示す。図10(a)に示すように、記録素子基板10の吐出口形成部材12に、各インク色に対応する4列の吐出口列が形成されている。なお、以後、複数の吐出口13が配列された吐出口列が延びる方向を「吐出口列方向」と呼ぶ。
図10(b)に示すように、各吐出口13に対応した位置には、液体を熱エネルギにより発泡させるための発熱素子である記録素子15が配置されている。隔壁22により、記録素子15を内部に備える圧力室23が区画されている。記録素子15は、記録素子基板10に設けられる電気配線(不図示)によって、図10(a)の端子16と電気的に接続されている。そして、記録素子は、記録装置1000の制御回路から、電気配線基板90(図5)及びフレキシブル配線基板40(図9)を介して入力されるパルス信号に基づいて発熱して液体を沸騰させる。この沸騰による発泡の力で液体を吐出口13から吐出する。図10(b)に示すように、各吐出口列に沿って、一方の側には液体供給路18が、他方の側には液体回収路19がそれぞれ延在している。液体供給路18及び液体回収路19は記録素子基板10に設けられた吐出口列方向に延びた流路であり、それぞれ供給口17a、回収口17bを介して吐出口13と連通している。
図10(c)及び図11に示すように、記録素子基板10の、吐出口13が形成された面の裏面にはシート状の蓋部材20が積層されており、蓋部材20には、後述する液体供給路18及び液体回収路19に連通する開口21が複数設けられている。本適用例においては、1本の液体供給路18に対して3個の開口21、1本の液体回収路19に対して2個の開口21が、蓋部材20にそれぞれ設けられている。図10(b)に示すように蓋部材20の夫々の開口21は、図6(a)に示した複数の連通口51と連通している。図11に示すように蓋部材20は、記録素子基板10の基板11に形成される液体供給路18及び液体回収路19の壁の一部を形成する蓋としての機能を有する。蓋部材20は、液体に対して十分な耐食性を有している物が好ましく、また、混色防止の観点から、開口21の開口形状及び開口位置には高い精度が求められる。このため蓋部材20の材質として感光性樹脂材料やシリコンを用い、フォトリソプロセスによって開口21を設けることが好ましい。このように蓋部材は開口21により流路のピッチを変換するものであり、圧力損失を考慮すると厚みは薄いことが望ましく、フィルム状の部材で構成されることが望ましい。
次に、記録素子基板10内での液体の流れについて説明する。図11は図10(a)のB−B線における記録素子基板10及び蓋部材20の断面を示す斜視図である。記録素子基板10は、Siにより形成される基板11と、感光性の樹脂により形成される吐出口形成部材12とが積層され、基板11の裏面に蓋部材20が接合された構成である。基板11の一方の面側には記録素子15が形成されており(図10)、その裏面側には、吐出口列に沿って延在する液体供給路19及び液体回収路18を構成する溝が形成されている。基板11と蓋部材20によって形成される液体供給路18及び液体回収路19はそれぞれ、流路部材210内の共通供給流路211と共通回収流路212と接続されており、液体供給路18と液体回収路19との間には差圧が生じている。液体吐出ヘッド3の複数の吐出口13から液体を吐出する際に、吐出動作を行っていない吐出口においては、前述の差圧によって、基板11内に設けられた液体供給路18内の液体が、供給口17a、圧力室23、回収口17bを経由して液体回収路19へ流れる。この流れは図10に矢印Cで示されている。この流れによって、記録を休止している吐出口13や圧力室23において、吐出口13からの蒸発によって生じる増粘インクや泡や異物などを液体回収路19へ回収することができる。また吐出口13や圧力室22のインクの増粘を抑制することが出来る。液体回収路19へ回収された液体は、蓋部材20の開口21及び支持部材30の液体連通口31(図9(b)参照)を通じて、流路部材210内の連通口51、個別回収流路214、共通回収流路212の順に回収される。そして、液体は最終的には記録装置1000の供給経路へ回収される。
つまり記録装置本体から液体吐出ヘッド3へ供給される液体は下記の順に流動し、供給及び回収される。液体は、まず液体供給ユニット220の液体接続部111から液体吐出ヘッド3の内部に流入する。そして、ジョイントゴム100、第3流路部材に設けられた連通口72及び共通流路溝71、第2流路部材に設けられた共通流路溝62及び連通口61、第1流路部材に設けられた個別流路溝52及び連通口51の順に供給される。その後、支持部材30に設けられた液体連通口31、蓋部材に設けられた開口21、基板11に設けられた液体供給路18及び供給口17aを順に介して圧力室23に供給される。圧力室23に供給された液体のうち、吐出口13から吐出されなかった液体は、基板11に設けられた回収口17b及び液体回収路19、蓋部材に設けられた開口21、支持部材30に設けられた液体連通口31を順に流れる。その後、液体は、第1流路部材に設けられた連通口51及び個別流路溝52、第2流路部材に設けられた連通口61及び共通流路溝62、第3流路部材70に設けられた共通流路溝71及び連通口72、ジョイントゴム100を順に流れる。そして、液体供給ユニットに設けられた液体接続部111から液体吐出ヘッド3の外部へ液体が流動する。図2に示す第1の循環経路の形態においては、液体接続部111から流入した液体は負圧制御ユニット230を経由した後にジョイントゴム100に供給される。図3に示す第2の循環経路の形態においては、圧力室23から回収された液体は、ジョイントゴム100を通過した後、負圧制御ユニット230を介して液体接続部111から液体吐出ヘッドの外部へ流動する。
また図2及び図3に示すように、液体吐出ユニット300の共通供給流路211の一端から流入した全ての液体が個別供給流路213aを経由して圧力室23に供給されるわけではない。個別供給流路213aに流入することなく、共通供給流路211の他端から液体供給ユニット220に流動する液体もある。このように、記録素子基板10を経由することなく流動する経路を備えることで、本適用例のような微細で流路抵抗の大きい流路を備える記録素子基板10を有する場合であっても、液体の循環流の逆流を抑制することができる。このようにして、本適用例の液体吐出ヘッドでは、圧力室や吐出口近傍の液体の増粘を抑制できるので、吐出の方向ずれや不吐出を抑制でき、結果として高画質な記録を行うことができる。
(記録素子基板間の位置関係の説明)
図12は、隣り合う2つの吐出モジュールにおける、記録素子基板の隣接部を部分的に拡大して示す平面図である。図10に示すように、本適用例では略平行四辺形の記録素子基板を用いている。図12に示すように、各記録素子基板10における吐出口13が配列された各吐出口列14a〜14dは、被記録媒体の搬送方向に対し一定角度傾くように配置されている。それによって記録素子基板10同士の隣接部における吐出口列は、少なくとも1つの吐出口が被記録媒体の搬送方向にオーバーラップするようになっている。図12では、D線上の2つの吐出口が互いにオーバーラップ関係にある。このような配置によって、仮に記録素子基板10の位置が所定位置から多少ずれた場合でも、オーバーラップする吐出口の駆動制御によって、記録画像の黒スジや白抜けを目立たなくするようにすることができる。複数の記録素子基板10を、千鳥配置ではなく直線上(インライン)に配置した場合も、図12の構成により、液体吐出ヘッド10の被記録媒体の搬送方向の長さの増大を抑えつつ、記録素子基板10同士のつなぎ部における黒スジや白抜けを抑えることが出来る。なお、本適用例では記録素子基板の主平面は平行四辺形であるが、本発明はこれに限るものではなく、例えば長方形、台形、その他形状の記録素子基板を用いた場合でも、本発明の構成を好ましく適用することができる。
以上説明した第1の適用例の液体吐出ヘッド及び液体吐出装置において、後述する第1の実施形態と同様に吐出口形成面に突起部を形成し、明度の低いインクを吐出する吐出口からなる吐出口列を突起部に近接する位置に配置することも可能である。その場合の詳細な構成や利点については、第1の実施形態において説明する。
[第2の適用例]
本発明の第2の適用例によるインクジェット記録装置1000及び液体吐出ヘッド3の構成を説明する。なお以降の説明においては、主として第1の適用例と異なる部分のみを説明し、第1の適用例と同様の部分については説明を省略する。
(インクジェット記録装置の説明)
本発明の第2の適用例によるインクジェット記録装置では、第1の適用例と同様に、各液体吐出ヘッド3に対して、記録装置1000の供給系、バッファタンク1003、及びメインタンク1006(図2)が流体的に接続されている。また、それぞれの液体吐出ヘッド3には、液体吐出ヘッド3へ電力及び吐出制御信号を伝送する電気制御部が電気的に接続されている。
(循環経路の説明)
第1の適用例と同様に、記録装置1000と液体吐出ヘッド3の間の液体循環経路としては、図2又は図3に示した第1及び第2の循環経路を用いることができる。
(液体吐出ヘッド構造の説明)
本発明の第2の適用例に係る液体吐出ヘッド3の構造について説明する。図13(a)及び13(b)は本適用例に係る液体吐出ヘッド3の斜視図である。液体吐出ヘッド3は液体吐出ヘッド3の長手方向に直線上に配列される16個の記録素子基板10を備えたインクジェット式のライン型記録ヘッドである。液体吐出ヘッド3は、第1の適用例と同様に、液体接続部111、信号入力端子91、及び電力供給端子92を備えている。しかしながら本適用例の液体吐出ヘッド3は、第1の適用例に比べて吐出口列が多いため、液体吐出ヘッド3の両側に信号出力端子91及び電力供給端子92が配置されている。これは記録素子基板10に設けられる配線部で生じる電圧低下や信号伝送遅れの低減のためである。
図14は液体吐出ヘッド3の分解斜視図であり、液体吐出ヘッド3を構成する各部品またはユニットがその機能毎に分割されて表示されている。各ユニット及び部材の役割や液体吐出ヘッド内の液体流通の順序は基本的に第1の適用例と同様であるが、液体吐出ヘッドの剛性を担保する機能が異なる。第1の適用例では主として液体吐出ユニット支持部81によって液体吐出ヘッドの剛性を担保していたが、第2の適用例の液体吐出ヘッドでは、液体吐出ユニット300に含まれる第2流路部材60によって液体吐出ヘッドの剛性を担保している。本適用例における液体吐出ユニット支持部81は第2流路部材60の両端部に接続されており、この液体吐出ユニット300は記録装置1000のキャリッジと機械的に結合されて、液体吐出ヘッド3の位置決めを行う。負圧制御ユニット230を備える液体供給ユニット220と、電気配線基板90は、液体吐出ユニット支持部81に結合される。2つの液体供給ユニット220内にはそれぞれフィルタ(不図示)が内蔵されている。2つの負圧制御ユニット230は、それぞれ異なる圧力を設定するものであり、負圧であるが相対的に高い圧力にするの負圧制御ユニット230と、負圧であって相対的に低い圧力にする負圧制御ユニット230である。この図のように液体吐出ヘッド3の両端部にそれぞれ、高圧側と低圧側の負圧制御ユニット230を設置した場合、液体吐出ヘッド3の長手方向に延在する共通供給流路211と共通回収流路212における液体の流れが互いに対向する。このようにすると、共通供給流路211と共通回収流路212の間で熱交換が促進されて、2つの共通流路内における温度差が低減されるので、共通流路に沿って複数設けられる各記録素子基板10における温度差が付きにくくなる。その結果、温度差による記録ムラが生じにくくなるという利点がある。
次に液体吐出ユニット300の流路部材210の詳細について説明する。図14に示すように、流路部材210は、第1流路部材50、第2流路部材60を積層したものであり、液体供給ユニット220から供給された液体を各吐出モジュール200へと分配する。また流路部材210は、吐出モジュール200から環流する液体を液体供給ユニット220へと戻すための流路部材として機能する。流路部材210の第2流路部材60は、内部に共通供給流路211及び共通回収流路212が形成された流路部材であるとともに、液体吐出ヘッド3の剛性を主に担うという機能を有する。このため、第2流路部材60の材質としては、液体に対する十分な耐食性と高い機械強度を有するものが好ましい。具体的にはステンレスやTiやアルミナなどを好ましく用いることができる。
図15(a)は第1流路部材50の、吐出モジュール200がマウントされる側の面を示し、図15(b)はその裏面である、第2流路部材60と当接される側の面を示した図である。第1の適用例とは異なり、第2の適用例における第1流路部材50は、各吐出モジュール200毎に対応した複数の部材を隣接して配列したものである。このように分割した構造を採ることで、複数のモジュールを配列させて、液体吐出ヘッドの長さに対応することが出来るので、例えばB2サイズ及びそれ以上の長さに対応した比較的ロングスケールの液体吐出ヘッドに特に好適に適用できる。図15(a)に示すように、第1流路部材50の連通口51は吐出モジュール200と流体的に連通し、図15(b)に示すように、第1流路部材50の個別連通口53は第2流路部材60の連通口61と流体的に連通する。図15(c)は第2流路部材60の、第1流路部材50と当接される側の面を示し、図15(d)は第2流路部材60の厚み方向中央部の断面を示し、図15(e)は第2流路部材60の、液体供給ユニット220と当接する側の面を示す図である。第2流路部材60の流路や連通口の機能は、第1の適用例の1色分の機能と同様である。第2流路部材60の共通流路溝71は、その一方が図16に示す共通供給流路211であり、他方が共通回収流路212であり、夫々、液体吐出ヘッド3の長手方向に沿って、一端側から他端側に液体が供給される。本適用例においては、第1の適用例と異なり、共通供給流路211と共通回収流路212の液体の流れ方向は互いに反対方向である。
図16は、記録素子基板10と流路部材210との液体の接続関係を示した透視図である。図16に示したように、流路部材210内には、液体吐出ヘッド3の長手方向に延びる1組の共通供給流路211及び共通回収流路212が設けられている。第2流路部材60の連通口61は、各々の第1流路部材50の個別連通口53と位置を合わせて接続されており、第2流路部材60の連通口72から共通供給流路211を介して第1流路部材50の連通口51へと連通する液体供給経路が形成されている。同様に、第2流路部材60の連通口72から共通回収流路212を介して第1流路部材50の連通口51へと連通する液体供給経路も形成されている。
図17は、図16のF−F線における断面を示した図である。この図に示したように、共通供給流路は、連通口61、個別連通口53、連通口51を介して、吐出モジュール200へ接続されている。図8では不図示であるが、別の断面においては、個別回収流路が同様の経路で吐出モジュール200へ接続されていることは、図16を参照すれば明らかである。第1の適用例と同様に、各吐出モジュール200及び記録素子基板10には、各吐出口13に連通する流路が形成されており、供給した液体の一部または全部が、吐出動作を休止している吐出口13(圧力室23)を通過して、環流できるようになっている。また第1の適用例と同様に、共通供給流路211は負圧制御ユニット230(高圧側)と、共通回収流路212は負圧制御ユニット230(低圧側)と、液体供給ユニット220を介してそれぞれ接続されている。従って、それらの差圧によって、共通供給流路211から記録素子基板10の吐出口13(圧力室23)を通過して共通回収流路212へ至る流れが発生する。
(吐出モジュールの説明)
図18(a)に、1つの吐出モジュール200の斜視図を、図18(b)にその分解図を示す。第1の適用例と異なり、記録素子基板10の複数の吐出口列方向に沿った両辺部(記録素子基板10の各長辺部)に複数の端子16がそれぞれ配置され、それらに電気接続されるフレキシブル配線基板40も、1つの記録素子基板10に対して2枚配置される。これは、記録素子基板10に設けられる吐出口列数が例えば20列であり、第1の適用例の8列よりも大幅に増加しているためである。即ち、端子16から、吐出口列に対応して設けられる記録素子15までの最大距離を短く抑制して、記録素子基板10内の配線部で生じる電圧低下や信号伝送遅れを低減することを目的としている。また支持部材30の液体連通口31は、記録素子基板10に設けられた全吐出口列に跨がって開口している。その他の点は、第1の適用例と同様である。
(記録素子基板の構造の説明)
図19(a)は記録素子基板10の吐出口13が配される側の面の模式図、図19(c)は図19(a)の面の裏面を示す模式図である。図19(b)は、図19(c)において記録素子基板10の裏面側に設けられている蓋部材20を除去した状態の記録素子基板10の面を示す模式図である。図19(b)に示すように、記録素子基板10の裏面には吐出口列方向に沿って、液体供給路18と液体回収路19とが交互に設けられている。吐出口列数は第1の適用例よりも大幅に増加しているものの、第1の適用例との本質的な差異は、前述のように端子16が記録素子基板の吐出口列方向に沿った両辺部に配置されていることである。各吐出口列毎に一組の液体供給路18と液体回収路19が設けられていること、蓋部材20に、支持部材30の液体連通口31と連通する開口21が設けられていることなど、基本的な構成は第1の適用例と同様である。
以上説明した第2の適用例の液体吐出ヘッド及び液体吐出装置において、後述する第1の実施形態と同様に吐出口形成面に突起部を形成し、明度の低いインクを吐出する吐出口からなる吐出口列を突起部に近接する位置に配置することも可能である。その場合の詳細な構成や利点については、第1の実施形態において説明する。
[第1の実施形態]
以下、本発明の液体吐出ヘッドの第1の実施形態について、添付の図20〜図24を用いて説明する。
(記録装置全体の構成)
本発明を適用可能な液体吐出装置の一例である記録装置1000は、図1に示す構成と同様に、被記録媒体の一度の移動で画像を記録するワンパスタイプで、被記録媒体の全幅に対応する領域全体に亘って吐出口が配列されたフルライン型の記録装置である。被記録媒体2は搬送部1によって矢印Aの方向に搬送され、液体吐出ヘッド3によって記録が行われる。
(液体吐出ヘッドの構成)
図20は、本実施形態の液体吐出ヘッド3の模式図である。この液体吐出ヘッド3はヘッド本体(例えば筐体80)に複数の記録素子基板10が互いに隣接して配置された構成である。液体のインクが、各色のインクタンク(不図示)からヘッド本体の共通供給口(不図示)を介して記録素子基板10に供給される。液体吐出基板10に供給されたインクは内部の流路(不図示)を通過し、吐出口13から吐出され被記録媒体2に付着する。また、ヘッド本体には吐出口13から液体を吐出させるために必要な電力や信号を供給するための電気配線基板90が配置されており、各々の記録素子基板10と配線8で接続されている。記録素子基板10と配線8の接続部は、ワイヤーボンディング技術により接続され、接続部の保護のため、封止剤9により被覆されている。本実施形態において、封止剤9は、接続部の保護に加えて、吐出口形成部材(オリフィスプレート)12の表面についたインクの流動を防止するなど、ほかの用途にも有用である。
本発明の液体吐出ヘッドは図20の例を含む任意の形態で実施可能であり、その他の形態についても除外されないことは言うまでもない。
(記録素子基板の構成)
図21は、本実施形態の記録素子基板10の模式図である。図21(a)は記録素子基板10の平面図、図21(b)は図21(a)のB−B’線断面図を示している。
本実施形態の記録素子基板10は、図21(b)に示すように基板11上に吐出口形成部材12が接合された構成であり、吐出口形成部材12には複数の吐出口13が配置されている。複数の吐出口13が1列に並んで吐出口列14を形成しており、複数の吐出口列14が吐出口列群121〜124を形成している。図21に示すように、本実施形態では被記録媒体2の搬送方向Aの最上流側に吐出口列群121が配置され、下流側に向かって吐出口列群122、123、124の順序で並んで配置されている。本実施形態においては、黄色(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、黒(K)の4色のインクを使用した。この4色の明度は、Yの明度が最も高く、以下、M、C、Kの順に徐々に明度が低くなる。ここで、本実施形態における明度とは、均等色空間における明るさを表す値を意味し、例えば、L*a*b*表色系色空間やL*C*h表色系色空間におけるL*値を意味する。本実施形態において、吐出口列群121はKインク、吐出口列群122はYインク、吐出口列群123はCインク、吐出口列群124はMインクをそれぞれ吐出する。
基板11は、半導体加工により表面にエネルギ発生素子(記録素子)や、電気回路、電気配線、温度センサー等の電子デバイスを配置可能であり、MEMS加工により流路を形成できる半導体基板等の材料からなることが望ましい。吐出口形成部材12は任意の材料により形成される。例えば、レーザー加工により吐出口が形成される樹脂基板、ダイシングにより吐出口が形成される無機プレート、光硬化により吐出口及び流路が形成される感光樹脂材料、MEMS加工により吐出口及び流路が形成される半導体基板などが挙げられる。また、本実施形態においては、4色のインクを使用しているが、さらに多数の明度の異なる色(例えばライトシアンなど)を追加して使用することも可能である。
(気流ヨレの説明)
図22は液体吐出ヘッドからインクが吐出される状態を示す模式図である。図22(a)は突起部が存在しない液体吐出ヘッドからの液体吐出状態、図22(b)はその印字結果の模式図、図22(c)は封止剤からなる突起部が存在する本実施形態の液体吐出状態を示している。説明の便宜上、吐出口列群121の1列の吐出口列のみから液体を吐出した状態を図示している。従来は、インク液滴4が吐出すると、被記録媒体の搬送方向Aの上流側の領域においてインク液滴4は周囲の空気を引きずりながら、被記録媒体2に向かって飛翔する。この引きずられた空気により、インク液滴4の吐出する方向に空気の流れF1が引き起こされ、この流れは紙面にぶつかり巻き上がる流れF2を生じる。その結果、液体吐出ヘッド3と被記録媒体2との間の領域で巻くような流れF3を生じ、渦V1が生成される。この渦V1により、吐出したインクの周囲の気流が乱され、着弾位置が理想位置からずれる。この現象を「気流ヨレ」と呼ぶ。気流ヨレを生じた結果、図22(b)に示すように印字結果にムラを生じ、印字品質の低下につながる。この気流ヨレによる印字結果のムラは、明度の低いインクほど視認しやすく、明度の高いインクと比較して印字品質の低下の度合いが大きい。
(本実施形態の効果)
一方、本実施形態の構成(図22(c))においては、被記録媒体の搬送方向Aの上流側に封止剤9からなる突起部が配置されている。この構成では、巻き上がった流れF2が封止剤9からなる突起部に衝突することで渦V1の発達を抑制して気流ヨレを低減させることができる。この渦V1の発達を抑制する効果は、吐出口列14と封止剤9からなる突起部との距離が近いほど大きい。本実施形態では明度の最も低い黒(K)インクの吐出口列群121を封止剤9からなる突起部に近づけることで、視認しやすいインクの気流ヨレを抑制し、印字品質の低下を低減することができる。
なお、本実施形態においては、突起部として封止剤9を用いているが、吐出口形成部材12の一部が突起状になっている突起部など、同じ効果が得られる他の種類の突起部を設けてもよい。
(好適な封止剤からなる突起部の配置)
図23は、封止剤からなる突起部の記録素子基板上の好適な配置を説明する模式図である。図23(a)は封止剤からなる突起部が存在しない場合の液体吐出状態、図23(b)は本実施形態の封止剤からなる突起部が存在する記録素子基板の平面図、図23(c)はその液体吐出状態を示している。
図23(b)に示す封止剤9からなる突起部は、吐出口からのインク液滴4の吐出により渦が形成される領域に配置されることが望ましい。そして、突起部が吐出口列14と吐出口列方向において重なるように、突起部の吐出口列方向の長さLは少なくとも吐出口列14の長さ以上であることが望ましい。しかし、突起部が吐出口列14の一部のみに重なるように配置されていても、その部分には気流ヨレを軽減する効果があるため、長さLは吐出口列14の長さより小さくてもよい。
次に、吐出口列群121と封止剤9からなる突起部との間の好適な距離Dについて述べる。封止剤9からなる突起部を有していない図23(a)に示す構成においては、前述したとおり渦V1が発生するが、その直径は最大で記録素子基板から被記録媒体までの距離Sとなる。また、渦V1が発生すると、総循環が常に一定であるという定理に則り、渦V1の隣に逆向きの渦V2が発生する。
図23(c)に示すように、この逆向きの渦V2を封止剤9等からなる突起部で抑制することも、総循環一定の定理によりインク液滴4による渦V1を抑制することと同じ効果がある。つまり、吐出口列群121から封止剤9からなる突起部までの距離Dは、記録素子基板10から被記録媒体2までの距離Sの2倍以内が望ましい。本実施形態においては、一例として距離Sが1.3mmで距離Dは1.7mmである。
次に封止剤9からなる突起部の、記録素子基板10からの高さについて述べる。前述した効果は、封止剤9からなる突起部が記録素子基板10から少しでも突出していれば得られる。そして、その効果は封止剤9からなる突起部の高さが高いほど大きいため、なるべく封止剤9からなる突起部を高くすることが望ましい。しかし、封止剤9からなる突起部が被記録媒体2と接触すると紙詰まりなどの悪影響があるため、封止剤9からなる突起部の高さは、記録素子基板10から被記録媒体2までの距離Sより、記録装置1000の各部の寸法公差等を考慮した分だけ小さい値が望ましい。本実施形態においては、距離Sが1.3mmで、封止剤からなる突起部の高さは0.3mmとなっている。
なお、本実施形態においては、封止剤9からなる突起部は被記録媒体2の搬送方向Aの上流側に、図23(b)における記録素子基板10の長手方向に沿って配置されている。液体吐出ヘッド3の構成上、短手方向にワイヤーボンディング技術により配線することも考えられるので、その場合には、封止剤9からなる突起部は液体吐出基板10の短手方向に配置されてもよい。
[第2の実施形態]
以下、本発明の液体吐出ヘッドの第2の実施形態について、添付の図24を用いて説明する。第2の実施形態は第1の実施形態の変形例であると言える。図24は記録素子基板の平面図である。
第1の実施形態では、吐出口群121はKインク、吐出口列群122はYインク、吐出口列群123はCインク、吐出口列群124はMインクを吐出していた。封止剤9による気流ヨレの軽減効果は、封止剤9からなる突起部から離れるほど弱くなる。第1の実施形態において、明度が最も低いKインクに関しては他のインクよりも気流ヨレが軽減できるものの、次に明度の低いCインクは最も明度の高いYインクより気流ヨレの軽減が見込めず、印字品質が低下してしまう。本実施形態では、吐出口列群121はKインク、吐出口列群122はCインク、吐出口列群123はMインク、吐出口列群124はYインクを吐出する。
上記の配置にすることで、明度が低いインクを吐出する吐出口列群ほど、封止剤からなる突起部に近くなり、気流ヨレ軽減の効果が見込める。結果として視認しやすいインクほど着弾位置のずれが抑えられ、全体として印字品質の低下を低減することができる。
[第3の実施形態]
以下、本発明の液体吐出ヘッドの第3の実施形態について、添付の図25を用いて説明する。第3の実施形態は第1〜2の実施形態の変形例であると言える。図25(a)は液体吐出ヘッドの模式図、図25(b)は液体吐出基板と封止剤からなる突起部を示した平面図である。
第1及び第2の適用例では、記録素子基板10は長方形の平面形状を有していたが、本実施形態では、角部が直角でない平行四辺形の平面形状を有している。このような形態においても、封止剤9からなる突起部による効果が期待できる。なお、この場合、各吐出口列14が、吐出口列方向にずれて配置されるため、全ての吐出口13と重なるような封止剤9からなる突起部の配置は困難である。そこで、封止剤9からなる突起部に最も近い吐出口列群121が吐出口列方向において封止剤9からなる突起部と重なる領域が、他の吐出口列群122〜124と封止剤9からなる突起部とが重なる領域よりも大きくなるように封止剤9を配置している。最も視認しやすい明度の低いインクを吐出する吐出口列群121を、最も気流ヨレ抑制効果のある封止剤9からなる突起部の直近の位置に配置し、かつ封止剤9からなる突起部が吐出口列群121と重なる領域をなるべく大きくする。それにより、記録素子基板10全体の気流ヨレ抑制効果に関して最適な配置になる。なお、封止剤9からなる突起部が吐出口列群121の全ての領域と重なるように配置されることが望ましい。しかし、突起部が吐出口列14の一部のみに重なるように配置されていても、その部分には気流ヨレを軽減する効果があるため、長さLは吐出口列14の一部のみと重なる大きさであってもよい。また、記録素子基板10の強度確保や、配線などの実装領域の確保のため、記録素子基板5の端部からある程度の間隔以下の範囲には吐出口を構成できない領域が発生することがある。この場合、記録素子基板10を被記録媒体2の搬送方向Aに対して直交する方向に1列に並べてしまうと、液体吐出ヘッド3の長手方向において吐出口13が配置されない領域が生じ、印字品質が低下する。それを防ぐため、記録素子基板10を被記録媒体2の搬送方向Aに対して傾けて配置することで、隣り合う記録素子基板10において同明度のインクを吐出する吐出口13がオーバーラップするように配置することがある。この場合、封止剤9からなる突起部が被記録媒体の搬送方向に対し斜めに配置されるが、この場合においても気流ヨレ抑制の効果は期待できる。
[第4の実施形態]
以下、本発明の液体吐出ヘッドの第4の実施形態について、添付の図26を用いて説明する。第4の実施形態は第1〜3の実施形態の変形例であると言える。図26(a)は長方形形状の記録素子基板を有する液体吐出ヘッドの模式図、図26(b)は角部が直角でない平行四辺形形状の記録素子基板を有する液体吐出ヘッドの模式図である。
第1〜3の実施形態では、封止剤9からなる突起部を、各記録素子基板10の吐出口列14に対応してそれぞれ配置することで気流ヨレの軽減に十分な効果が得られる。ただし、各封止剤9の間の領域には封止剤9が存在する領域とは異なる流れが生じ、それによる気流の乱れで、主に封止剤9の端部付近の吐出口13から吐出したインク液滴4の着弾位置にずれが生じる虞がある。
本実施形態では、液体吐出ヘッド3に含まれている全ての記録素子基板10にまたがるように、すなわち、液体吐出ヘッドに配置された全ての記録素子基板の全ての吐出口と重なるように、吐出口列方向に連続して封止剤9からなる突起部が形成されている。これにより、液体吐出ヘッド3全体において均一な気流を形成し、インク液滴4の吐出による気流ヨレを軽減できるため、さらに印字品質の低下を低減することができる。
[第5の実施形態]
以下、本発明の液体吐出ヘッドの第5の実施形態について、添付の図27を用いて説明する。第5の実施形態は第1〜4の実施形態の変形例であると言える。図27は本実施形態における液体吐出ヘッドの模式図である。
第1〜4の実施形態では、複数の記録素子基板10がヘッドの長手方向に一列に並んで配置されていた。本実施形態では、複数の記録素子基板10が千鳥状に配置されている。記録素子基板10の強度確保や、配線などの実装領域の確保のため、記録素子基板10の端からある程度の距離の範囲には吐出口を配置できない領域が発生することがある。この場合、記録素子基板10を一列に並べてしまうと液体吐出ヘッド3の長手方向において吐出口13が配置されない領域が生じ、印字品質が低下する。これを回避するため、千鳥状に記録素子基板10を配置し、吐出口13を均等間隔で配置する方法が知られている。このような記録素子基板の配置においても、封止剤9からなる突起部による気流ヨレの軽減効果が期待できる。
[第6の実施形態]
以下、本発明の液体吐出ヘッドの第6の実施形態について、添付の図28を用いて説明する。第6の実施形態は第1〜5の実施形態の変形例であると言える。図28(a)は記録素子基板の平面図である。図28(b)は吐出口列の下流側にも封止剤からなる突起部が有り、その突出高さが吐出口列の上流側の封止剤からなる突起部の突出高さと同じ場合のインク吐出状態を示した模式図である。図28(c)は下流側の封止剤からなる突起部の突出高さが上流側の封止剤からなる突起部の突出高さよりも低い場合のインク吐出状態を示した模式図である。なお、図面の煩雑化を避けるため、図28(b)及び図28(c)において、インク液滴4が図示省略されているが、これらの図面に記載した状態においてもインク吐出が行われている。
第1〜5の実施形態では、封止剤9からなる突起部は、被記録媒体2の搬送方向Aにおいて吐出口列14の上流側にのみ配置されていた。本実施形態では、吐出口列14の下流側にも封止剤9aからなる突起部を配置している。図28(b)に示すように、吐出口列14の下流側に封止剤9aからなる突起部を配置すると、被記録媒体2の搬送による流れF4は封止剤9aからなる突起部に阻害されて上流側に向かう流れF5を生じる。この流れF5と前述した流れF1が合流して被記録媒体2にぶつかり、巻き上がることにより渦V1を強め、より大きな気流ヨレを引き起こす。そのため、下流の封止剤9aからなる突起部はないことが望ましい。しかし、近年の液体吐出ヘッドの高密度かつ高速化に伴い、記録素子基板に接続される配線は増加傾向にある。そのため、記録素子基板の両側にワイヤーボンディング技術により配線を接続し、接続部を封止剤により被覆することが考えられる。その場合、図28(c)に示すように、下流側に配置する封止剤9aからなる突起部の突出高さH2を、上流側に配置する封止剤9からなる突起部の突出高さH1よりも低くする。それにより、被記録媒体2に起因するの流れF4のうち、封止剤9aからなる突起部により阻害される割合を軽減し、上流側へ向かう流れF5の量を低減させることで気流ヨレを軽減することができる。従って、下流側の封止剤9aからなる突起部の突出高さH2は、上流側の封止剤9からなる突起部の突出高さH1よりも低いことが望ましい。
2 被記録媒体
3 液体吐出ヘッド
9、9a 封止剤(突起部)
10 記録素子基板
13 吐出口
14 吐出口列
1000 液体吐出装置

Claims (13)

  1. 被記録媒体に向かって液体を吐出する複数の吐出口からなる吐出口列が、吐出する前記液体の色ごとに形成されている液体吐出ヘッドにおいて、
    吐出口形成面の、前記被記録媒体の搬送方向において全ての前記吐出口列よりも上流側の位置に突起部が設けられており、
    前記液体吐出ヘッドから吐出する液体のうち最も明度が低い液体を吐出する複数の前記吐出口からなる前記吐出口列が、前記吐出口形成面の、前記突起部に最も近い位置に配置されていることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  2. 複数の前記吐出口が、前記被記録媒体の全幅に対応する領域全体に亘って配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  3. 複数の前記吐出口列は、前記吐出口から吐出する液体の明度が低いほど、前記吐出口形成面の、前記被記録媒体の搬送方向において前記突起部に近い位置に配置されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の液体吐出ヘッド。
  4. 前記突起部と、前記突起部に最も近い位置にある前記吐出口列との間の距離が、前記吐出口形成面から前記被記録媒体までの距離の2倍以内であることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  5. 前記吐出口形成面を有する複数の記録素子基板が、前記被記録媒体の搬送方向に直交する方向に一列に並んで配置されていることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  6. 前記記録素子基板が、角度が直角でない平行四辺形の平面形状を有することを特徴とする、請求項5に記載の液体吐出ヘッド。
  7. 前記突起部に最も近い前記吐出口列が、前記複数の吐出口が配列された方向である吐出口列方向において前記突起部と重なる領域が、他の前記吐出口列が前記吐出口列方向において前記突起部と重なる領域よりも大きいことを特徴とする、請求項6に記載の液体吐出ヘッド。
  8. 前記突起部が、前記複数の吐出口が配列された方向である吐出口列方向において、全ての前記吐出口と重なるように連続して形成されていることを特徴とする、請求項1から7のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  9. 前記突起部が、前記液体吐出ヘッドの電気的な接続部を被覆するための封止剤からなることを特徴とする、請求項1から8のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  10. 前記被記録媒体の搬送方向において全ての前記吐出口列よりも上流側にのみ前記突起部が配置されていることを特徴とする、請求項1から9のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  11. 前記被記録媒体の搬送方向において全ての前記吐出口列よりも下流側に別の突起部が配置されており、前記下流側に配置された前記別の突起部の前記吐出口形成面からの突出高さが、前記上流側に配置された前記突起部の前記吐出口形成面からの突出高さよりも低いことを特徴とする、請求項1から9のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  12. 前記被記録媒体の一度の移動で該被記録媒体に対して画像を記録するワンパスタイプであることを特徴とする、請求項1から11のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  13. 請求項1から12のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドと、前記被記録媒体を前記搬送方向に搬送する搬送部と、を含む液体吐出装置。
JP2016002951A 2016-01-08 2016-01-08 液体吐出ヘッド及び液体吐出装置 Active JP6714362B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016002951A JP6714362B2 (ja) 2016-01-08 2016-01-08 液体吐出ヘッド及び液体吐出装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016002951A JP6714362B2 (ja) 2016-01-08 2016-01-08 液体吐出ヘッド及び液体吐出装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017121792A true JP2017121792A (ja) 2017-07-13
JP6714362B2 JP6714362B2 (ja) 2020-06-24

Family

ID=59306086

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016002951A Active JP6714362B2 (ja) 2016-01-08 2016-01-08 液体吐出ヘッド及び液体吐出装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6714362B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019073009A (ja) * 2017-10-17 2019-05-16 キヤノン株式会社 インクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置
JP2019073010A (ja) * 2017-10-17 2019-05-16 キヤノン株式会社 インクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置
JP2019073011A (ja) * 2017-10-17 2019-05-16 キヤノン株式会社 インクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置
JP2019181765A (ja) * 2018-04-06 2019-10-24 キヤノン株式会社 液体吐出ヘッド及び記録装置
JP7463741B2 (ja) 2020-01-29 2024-04-09 セイコーエプソン株式会社 記録ヘッドユニット、記録装置、記録方法

Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN2528617Y (zh) * 2002-01-18 2003-01-01 国际联合科技股份有限公司 用一胶带封住喷墨头喷孔的墨水盒
JP2007118313A (ja) * 2005-10-26 2007-05-17 Sony Corp 液吐出ヘッド及び液体吐出装置
JP2007160566A (ja) * 2005-12-09 2007-06-28 Brother Ind Ltd インクジェットヘッド、インクジェットヘッド副集合体、インクジェットヘッド集合体及びインクジェットプリンタ
JP2009012374A (ja) * 2007-07-06 2009-01-22 Seiko Epson Corp 流体噴射装置及び流体噴射装置のメンテナンス方法
JP2009012385A (ja) * 2007-07-06 2009-01-22 Seiko Epson Corp 流体噴射装置
JP2010162873A (ja) * 2008-12-19 2010-07-29 Canon Inc 液体吐出ヘッド及び記録装置
JP2010221524A (ja) * 2009-03-24 2010-10-07 Konica Minolta Ij Technologies Inc インクジェット記録装置
JP2011104857A (ja) * 2009-11-17 2011-06-02 Seiko Epson Corp 流体噴射装置
JP2014124903A (ja) * 2012-12-27 2014-07-07 Fujifilm Corp ヘッドモジュールの調整方法、インクジェットヘッドの製造方法およびインクジェットヘッド
JP2015199555A (ja) * 2014-04-04 2015-11-12 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 搬送装置及びインクジェット記録装置
US20170087847A1 (en) * 2014-05-30 2017-03-30 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Shroud for a printhead assembly

Patent Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN2528617Y (zh) * 2002-01-18 2003-01-01 国际联合科技股份有限公司 用一胶带封住喷墨头喷孔的墨水盒
JP2007118313A (ja) * 2005-10-26 2007-05-17 Sony Corp 液吐出ヘッド及び液体吐出装置
JP2007160566A (ja) * 2005-12-09 2007-06-28 Brother Ind Ltd インクジェットヘッド、インクジェットヘッド副集合体、インクジェットヘッド集合体及びインクジェットプリンタ
JP2009012374A (ja) * 2007-07-06 2009-01-22 Seiko Epson Corp 流体噴射装置及び流体噴射装置のメンテナンス方法
JP2009012385A (ja) * 2007-07-06 2009-01-22 Seiko Epson Corp 流体噴射装置
JP2010162873A (ja) * 2008-12-19 2010-07-29 Canon Inc 液体吐出ヘッド及び記録装置
JP2010221524A (ja) * 2009-03-24 2010-10-07 Konica Minolta Ij Technologies Inc インクジェット記録装置
JP2011104857A (ja) * 2009-11-17 2011-06-02 Seiko Epson Corp 流体噴射装置
JP2014124903A (ja) * 2012-12-27 2014-07-07 Fujifilm Corp ヘッドモジュールの調整方法、インクジェットヘッドの製造方法およびインクジェットヘッド
JP2015199555A (ja) * 2014-04-04 2015-11-12 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 搬送装置及びインクジェット記録装置
US20170087847A1 (en) * 2014-05-30 2017-03-30 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Shroud for a printhead assembly

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019073009A (ja) * 2017-10-17 2019-05-16 キヤノン株式会社 インクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置
JP2019073010A (ja) * 2017-10-17 2019-05-16 キヤノン株式会社 インクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置
JP2019073011A (ja) * 2017-10-17 2019-05-16 キヤノン株式会社 インクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置
JP7171341B2 (ja) 2017-10-17 2022-11-15 キヤノン株式会社 インクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置
JP7187231B2 (ja) 2017-10-17 2022-12-12 キヤノン株式会社 インクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置
JP7214420B2 (ja) 2017-10-17 2023-01-30 キヤノン株式会社 インクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置
JP2019181765A (ja) * 2018-04-06 2019-10-24 キヤノン株式会社 液体吐出ヘッド及び記録装置
JP7051544B2 (ja) 2018-04-06 2022-04-11 キヤノン株式会社 液体吐出ヘッド及び記録装置
JP7463741B2 (ja) 2020-01-29 2024-04-09 セイコーエプソン株式会社 記録ヘッドユニット、記録装置、記録方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6714362B2 (ja) 2020-06-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6498252B2 (ja) 液体吐出ヘッドおよび液体吐出装置
JP7401508B2 (ja) 液体吐出用基板、液体吐出ヘッド、および液体吐出装置
US10688792B2 (en) Liquid ejection head, liquid ejection apparatus, and liquid supply method
JP7005143B2 (ja) 液体吐出ヘッドおよび液体吐出装置
JP7019328B2 (ja) 液体吐出ヘッド
JP2021169225A (ja) 液体吐出ヘッド、液体吐出装置及び液体の供給方法
JP6714362B2 (ja) 液体吐出ヘッド及び液体吐出装置
JP6987497B2 (ja) 液体吐出モジュールおよび液体吐出ヘッド
KR102126233B1 (ko) 액체 토출 헤드 및 액체 토출 방법
US10538094B2 (en) Liquid ejection head
JP6740041B2 (ja) 液体吐出方法、液体吐出装置、および液体吐出ヘッド
JP2017124608A (ja) 液体吐出装置および液体吐出ヘッド
JP2017124603A (ja) 液体吐出ヘッド及び液体吐出装置
JP6862165B2 (ja) 液体吐出装置および液体吐出方法
JP2018012305A (ja) 液体吐出ヘッド及び液体吐出装置
JP6708414B2 (ja) 液体吐出ヘッド、液体吐出装置及び液体吐出ヘッドの製造方法
JP6914645B2 (ja) 液体吐出ヘッド及び液体吐出装置
JP7182984B2 (ja) 液体吐出ヘッドおよび液体吐出装置
JP2017124601A (ja) 液体吐出ヘッド及び液体吐出装置
JP6877970B2 (ja) 液体吐出ヘッド及び液体吐出方法
KR102167589B1 (ko) 기록 소자 기판 및 액체 토출 헤드
JP6900179B2 (ja) 液体吐出ヘッド
JP2020059167A (ja) 液体吐出ヘッド及び液体吐出装置
US11981142B2 (en) Liquid storing container and liquid ejection device

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181218

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20191021

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191105

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191225

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200507

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200605

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6714362

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151