JP2010162592A - 高強度厚肉熱延鋼板の巻き取り方法 - Google Patents

高強度厚肉熱延鋼板の巻き取り方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2010162592A
JP2010162592A JP2009008804A JP2009008804A JP2010162592A JP 2010162592 A JP2010162592 A JP 2010162592A JP 2009008804 A JP2009008804 A JP 2009008804A JP 2009008804 A JP2009008804 A JP 2009008804A JP 2010162592 A JP2010162592 A JP 2010162592A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hot
rolled steel
steel sheet
winding
coil
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2009008804A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5353257B2 (ja
Inventor
Masaru Miyake
勝 三宅
Shinya Yamaguchi
慎也 山口
Toshiki Hiruta
敏樹 蛭田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
JFE Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Steel Corp filed Critical JFE Steel Corp
Priority to JP2009008804A priority Critical patent/JP5353257B2/ja
Publication of JP2010162592A publication Critical patent/JP2010162592A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5353257B2 publication Critical patent/JP5353257B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Winding, Rewinding, Material Storage Devices (AREA)

Abstract

【課題】高強度厚肉熱延鋼板をマンドレルに巻きほぐれなくタイトにかつ安定的に巻き取る巻き取り方法である。
【解決手段】高強度厚肉熱延鋼板の先端部から尾端部までをコイル状に巻き取る際に、マンドレルの外周に配置された複数のラッパーロールにより熱延鋼板を押圧するとともに、熱延鋼板の先端部がマンドレルに巻き付き完了後、その尾端部までを全てのラッパーロールの周速を該熱延鋼板の巻き取り速度に対して遅くなるように速度制御する。
【選択図】図2

Description

本発明は、高強度厚肉熱延鋼板、特に高強度パイプの素材となる高強度厚肉熱延鋼板の巻き取り方法に関するものである。
近年、主としてパイプラインでの原油や天然ガス等の資源の輸送効率化を目的に、API規格にしてX70〜100といった大径厚肉高強度パイプ材の需要が高まっている。これらの資源を効率的に輸送するため、パイプ内部には高い内圧がかけられており、かつ寒冷地での使用や地震による地殻変動なども考慮し、高靭性、高強度といった特性がパイプ材にとって非常に重要となっている。これらのパイプラインにて使用されるパイプは肉厚が15〜25mm程度、外径は20インチ程度以上と大径であり、従来は高強度パイプとしては長手方向に縦長形状である厚鋼板の短辺側を円形に成形した後、突合せ部を長手方向に溶接してパイプとする電縫管が多用されている。通常、厚鋼板は熱間スラブを1基、あるいは2基の圧延機を有する厚板ミルでの多パス圧延にて略矩形形状に製造されるものであり、その製品長は最大でも30m程度である。
これに対し、近年、厚鋼板を薄板圧延用の熱間圧延(ホットストリップミル)ラインにて圧延してコイル状に巻き取って熱延鋼板コイルとした後、コイルを巻きほどいて所定の長さに切断した後に電縫管に成形する他、熱延鋼板を長手方向にらせん状に成形すると同時に板幅端部の突合せ部を溶接しながらパイプに製造するスパイラル鋼管の需要が高まっている。熱延鋼板コイルは、最大45トン程度までの製造が可能であり、例えば20mm厚み、板幅1900mm程度であれば熱延鋼板の長さは151m程度となり、直径28インチのスパイラル鋼管に成形したときのパイプ長は約128mとなる。このように、パイプ成形前の母材をホットストリップミルで製造し、熱延鋼板コイルとすることにより、厚板ミルで製造される厚鋼板から製造する場合に比べ、連続して長いパイプの製造が可能となることから生産性の向上も期待できる。
ところで、熱間圧延ラインのホットストリップミルの仕上圧延機を通過した後の熱延鋼板(ホットストリップあるいは単にストリップトいうことがある)1は、通常、図5に示すような巻き取り装置(コイラー)により巻き取られる。すなわち、熱延鋼板の先端部は、ピンチロール3により下方に進行してエプロン2とスロートガイド4との間に導かれ、さらに、マンドレルの周辺に配置された複数のラッパーロール5(5a〜5d)、円弧状のストリップガイド6およびマンドレル7の3点支持状態により順次曲げられ、回転するマンドレルに巻き付けられる。次いで巻き取りが進行し、最終的に熱延鋼板はコイル状に巻き取られ、熱延コイルを形成する。巻き取りが完了すると、マンドレルが縮径して、コイルを引き出せるようになっている(例えば、特許文献1)。
特開2003−80313号公報
そして、一般に、コイラーにて熱延鋼板1の先端部をマンドレルに巻き取る(すなわち先端部の巻き付き)にあたっては、ピンチロール3、ラッパーロール5およびマンドレル7の周速は、熱延鋼板1の搬送速度に対して、適当なリード率をもたせた値、すなわち、熱延鋼板1の搬送速度よりも速い速度に制御している。そして、熱延鋼板1の先端部の巻き付き完了の時点でリード率はクリアされ、リード率は零となり、以降、マンドレルは熱延鋼板1の搬送速度と実質的(冷却による熱収縮や張力による幅縮みなどの影響を除けばという意味)に同期した周速に制御される。リード率をもたせるのは、以下のように、熱延鋼板1の先端部に緩みが生じ、波打ってマンドレルに巻き取られるのを防止するためである。
コイラー内にて、熱延鋼板1の先端部に緩みが生じ、波打って巻き取られたような場合、以降の巻き取りが継続できなくなるか、運良く巻き取れても、以降の巻きが、波打って巻き取られた巻きの外方に重なることにより、巻きが太くなり、コイラーのハウジングからはみ出す大きさになってしまう結果、詰まって抜き出せなくなってしまい、ひとたびそのような事態になると、コイラーの各部が受ける損傷は大きく、復旧までに何時間もの多大な時間を要することとなる。
このような事態になるのを防止するため、コイラーにて熱延鋼板1の先端部を巻き取るにあたっては、熱延鋼板1の緩みを最小限にする目的で、熱延鋼板1の先端部1aがマンドレル7に巻き付きを開始してから巻き付き完了までの間、ピンチロール3、ラッパーロール5およびマンドレル7の周速にはリード率をもたせ、熱延鋼板1を引張りながら巻き取りを行うことで、熱延鋼板1の先端部に緩みが生じ、波打ってマンドレルに巻き取られるのを防止しているのである。
リード率は、熱延鋼板1の厚さや硬さ(強度)などに応じて定められるが、通常、熱延鋼板1の搬送速度に対し、10〜30%のリード率をもたせた値、すなわち、熱延鋼板1の搬送速度よりも10〜30%速い速度にピンチロール3、ラッパーロール5およびマンドレル7は制御されている。そして、マンドレル7、ラッパーロール5のリード率はピンチロール3のリード率以上としている。
熱延鋼板1の先端部の巻き付き完了後は、マンドレル7は、熱延鋼板1の搬送速度、すなわち、仕上圧延機の最終圧延機の出側における熱延鋼板1の搬送速度と実質的に同期しながら回転して、ピンチロール3との間で、所望の張力に近づける張力制御を行いながら、尾端まで巻き取りを行っている。この先端部の巻き付きが完了した後は、ラッパーロール5a〜5dをコイルから退避させ、ピンチロール3とマンドレル7間の張力のみで緩み無く巻き取りを行っている。
なお、巻き付きの完了時点は、後述するように熱延鋼板の強度等によって異なるが、先端部が3〜5巻き程度に巻かれた時点に設定されている。
さらに巻き取りが進行し、熱延鋼板1の尾端部1bがピンチロール3を抜けた後は、熱延鋼板1には張力が作用しないことから、一般的な熱延鋼板の巻き取り作業では、退避させておいたラッパーロール5a〜5dのうち少なくとも1つ以上のラッパーロールをコイル外周部に押圧し、コイル尾端部1bの緩みを抑制している。なお、熱延鋼板の尾端部がコイラーの手前20mに来ると、巻き取り終了に向けて、熱延鋼板の搬送速度(巻き取り速度)は減速される。
そして、通常、熱延コイルの巻き取り終了時には、図3に示すように熱延鋼板の尾端部がコイル下側に位置するようにマンドレルの回転を停止した後、巻き取り中はコイル下方にて待機しているコイル台車を上昇させてコイル尾端部に該台車上のクレードルロール8に接触させ、コイルの自重で尾端部の巻きほぐれを抑えこんだ状態としてからマンドレルやラッパーロールを開放し、そのままコイル台車に搭載した状態にてコイラーから抜き出している。そして、コイラーから抜き出された熱延コイルは、搬送中の巻きほぐれを防止するために、コイラーに隣接して設置されているバンディング装置にて1本、あるいは複数本の帯状鋼帯で最外周部を環状に固定される。
しかしながら、本発明で特に対象としているラインパイプ素材に代表される高強度厚肉熱延鋼板では、鋼板の断面積が大きく、かつ強度が非常に高いことから、タイトに巻き取るための張力を付与することが非常に困難となる。また、一般的に高強度材では曲げ加工後のスプリングバックが非常に大きく、コイル巻き取り完了後、コイルの下方で待機しているクレードルロール8を上昇させてコイルに押圧した後、コイル抜き出しのためにラッパーロール5a〜5dを退避し、コイル回転中心となっていたマンドレルを縮径すると、コイルのマンドレル7やラッパーロール5a〜5dで固定されていた弾性歪成分が開放されてスプリングバックが発生し、コイル外周部の巻きほぐれ(巻き緩み)が顕著となる。
図4に高強度厚肉材の巻き取り後、コイル抜き出し時での巻き姿の例を示すが、コイルの巻きほぐれが大きい場合にはコイラーからの抜き出しができない、コイルカーでの搬送時のコイル振動が顕著となって姿勢が不安定となる、また、バンドがけ後、搬送時にバンドが切れるなどの問題点があった。
このように、高強度厚肉鋼板の巻き取りには多くの課題があるが、例えば特許文献1には、厚肉鋼板の最先端部はピンチロールやラッパーロール等によって曲げることが困難であるため、最先端部の巻き付き性がよくないが、これを改善するため、内巻き3周程度までにマンドレル外径を拡大し、マンドレルと鋼板の密着性を高めてスリップを防止し、コイルの巻き取り形状の劣化を抑える方法が提案されている(例えば、特許文献1)。
高強度厚肉熱延鋼板を、上述した従来の巻き取り方法でコイル状に巻き取る場合、先端部は例えば特許文献1に開示されている上記の技術等により対応が可能であるが、鋼板の先端部以外の部分、とりわけコイル外周側となるストリップ尾端部とその近傍では、スプリングバックによる巻きほぐれが発生しやすく、上述のごとくコイルの取り出し・搬送等の取り扱いに障害を招きやすくなり、巻きほぐれがひどい場合にはコイル台車に搭載した状態にてコイラー(巻き取り装置)から抜き出す際にコイルが浮き上がって台車から転げ落ちるほどである。
前述したごとく、通常、熱延コイラーでのストリップの巻き取りでは、図3に示すように、尾端部1bがコイル下側の位置にて停止するようにマンドレルの回転制御を行っており、コイルの自重にて尾端部のスプリングバック変形を抑圧しているが、高強度厚肉熱延鋼板を巻き取る際にはコイルの自重だけでは尾端部のスプリングバック変形を十分に抑制できない状況となっている。
このように、高強度厚肉熱延鋼板の巻き取りでは、コイルの外周部の巻きほぐれにより、コイラーからの抜き出し時やその後のバンディング装置に移送するまでの間に不安定な状態になりやすく、何らかの対策技術の確立が必要であった。
このため、高強度材の圧延が可能である強力圧延機を具備した熱間圧延(ホットストリップミル)ラインにおいても、コイラーでの巻き取り可否が高強度厚肉熱延鋼板の製造可否を決定しているといっても過言ではない。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、熱間圧延ラインにおける高強度厚肉熱延鋼板をスプリングバックによる巻きほぐれを抑えて、巻き取り状態がタイトに、かつ、安定的な巻き取りができる巻き取り方法を提供することを課題とするものである。
なお、本発明では高強度の定義はAPI規格にてX65以上、厚肉熱延鋼板は製品厚にて15mm以上のものを対象としている。
本発明は、以上のような状況に鑑みなされたものであり、上記の課題を解決するために以下の手段を採用する。
(1)巻き取り装置にて高強度厚肉熱延鋼板をマンドレルにコイル状に巻き取る方法であ
って、該熱延鋼板の先端部から尾端部までをコイル状に巻き取る際に、マンドレル
の外周に配置された複数のラッパーロールにより該熱延鋼板を押圧するとともに、
該熱延鋼板の先端部がマンドレルに巻き付き完了後、全てのラッパーロールの周速
を該熱延鋼板の巻き取り速度に対して遅くなるように速度制御して巻き取ることを
特徴とする、高強度厚肉熱延鋼板の巻き取り方法。
(2)高強度厚肉熱延鋼板の先端部がマンドレルに巻き付き完了後、全てのラッパーロ
ールの周速を該熱延鋼板の巻き取り速度に対して10%以上遅くなるように速度制
御して巻き取ることを特徴とする、(1)に記載の高強度厚肉熱延鋼板の巻き取り
方法。
本発明は、高強度厚肉熱延鋼板の巻き取り方法において、マンドレルの外周に配置された複数のラッパーロールにより熱延鋼板を押圧するとともに、該熱延鋼板の先端部がマンドレルに巻き付き完了後、全てのラッパーロールの周速を該熱延鋼板の巻き取り速度に対して遅くなるように速度制御することにより、鋼板に十分に張力を付与して巻き取るため、高強度厚肉熱延鋼板をタイトにかつ安定的に巻き取り、スプリングバックによる巻きほぐれを抑えることできる。その結果、巻き取り時および巻き取り後のコイルの取り出し・搬送等の取り扱いに生じる障害を防止することができる。
ラッパーロールのリード率に対するコイル浮き上がり量の評価結果を示す図 である。 本発明の1例における熱延鋼板の巻き取り速度、ラッパロ−ルおよびマンド レルの周速度の速度パターンを示す図である。 巻きほぐれが無い巻き状態を示す図である。 巻きほぐれにより、コイル浮き上がりが生じている巻き状態を示す図であ る。 巻き取り装置を示す図である。
本発明者らは、この高強度厚肉熱延鋼板コイルのスプリングバックによるコイルの巻きほぐれ(巻き緩み)を抑制するための技術について鋭意検討を重ねた結果、高強度厚肉熱延鋼板をラッパーロール5a〜5dで押圧しながらマンドレルに巻き取るとともに、先端部の巻き付きが完了した後、ラッパーロール5a〜5dの周速度を熱延鋼板の巻き取り速度に対して遅くすること、すなわち負(マイナス)にすることにより、高強度厚肉熱延鋼板コイルの尾端部の巻きほぐれを改善できることを見出した。とりわけ、リード率を−10%以上、すなわちコイルの周速度に対して10%以上遅い速度に制御することにより、大幅に巻きほぐれ改善できることを見出した。
なお、以下において、高強度厚肉熱延鋼板を単に熱延鋼板ということがある。
本発明は、コイルの周速に対して全ラッパーロール5a〜5dの周速を遅くすることにより、ラッパーロール5がコイルの回転に対して抵抗として作用することから、最外周部より数巻き内側までの範囲では高強度厚肉熱延鋼板1に強い張力が働くこととなり、巻き取りを安定化し、かつ巻き状態を緩みのない(タイトな)ものにすることができる。
本発明者等の観察では、コイル状態でのスプリングバックによる巻き緩みは、外周部に緩みが存在する場合、まずそのすぐ内側が巻き緩み、その次にまたその内側と、順次、巻き緩み範囲が急速に内部に拡大することを知見した。つまり、最外周部から数巻きの範囲の巻き状態をきつい(タイトな)巻き状態にしておくことがコイル巻き緩み防止のために非常に重要であり、この観点から、本発明による張力負荷方法を着想したものである。
なお、先端部の巻き付き完了とは、熱延鋼板先端部がマンドレル7に巻きつき開始後、緩み無い状態で複数巻きとった状態にて、ラッパーロール5a〜5dを退避させてもマンドレル7と熱延鋼板が一体化して回転可能となる状態をさしており、通常、先端部巻き付き開始後、3〜5巻き程度に設定されている。この巻き付き完了までの巻き数は、熱延鋼板材質、板厚、板幅、巻き取り速度等に応じて設定すればよい。
本発明による熱延鋼板の巻き取り方法について、熱延鋼板、マンドレルおよびラッパーの速度パターンの模式図を図2に示した。なお、本発明で使用される熱延鋼板の巻き取り装置は図5に示されるものと同じである。
先端部の巻き取り開始から巻き付き完了までは、マンドレル7およびラッパーロール5a〜5dの各ロールの周速は、熱延鋼板1の搬送速度に対し、10〜30%のリード率をもたせた値、すなわち、10〜30%速い速度に制御する。
次いで、3〜5巻き後にて熱延鋼板1の巻き付きが完了した時点では、マンドレル7の周速(すなわちマンドレルの巻き取り速度)を熱延鋼板1の搬送速度と実質的に同期した周速にまで制御し、ラッパーロール5の周速は直ちに熱延鋼板1の搬送速度に対して10%以上遅くなるように周速を制御するものである。そして、マンドレルが回転して巻き取りが継続される。この間、全ラッパーロール5a〜5dの周速は、熱延鋼板1の搬送速度(巻き取り速度)に対して10%以上遅い状態に保たれる。次いで、熱延鋼板の尾端部がコイラー手前20m前後になると、マンドレルの周速(熱延鋼板の搬送速度)は減速されるが、ラッパーロール5a〜5dもマンドレルの周速と同じ減速率でマンドレルの回転停止(巻き取り終了)まで速度制御される。そして、熱延鋼板1の尾端部1bがコイル下側となる位置にて巻き取りを停止する。
また、ラッパーロールの押圧については、押圧力が高いほど、コイルの回転に対する抵抗としての作用効果が大きくなるものと予想されるが、本発明では特にその範囲を規定するものではない。
図2に示す速度パターンでは、巻き付け完了から減速開始までの巻き取り速度(熱延鋼板速度)は一定であるが、必ずしも一定でなくとも良い。また、ラッパーロールは通常2乃至4本マンドレルの周辺に配備され、図5に示される巻き取り装置では、4本(5a〜5d)設けられているが、本発明における巻き取り装置のラッパーロールは4本に限られず、2本あるいは3本でもよい。
以下、本発明の実施例について説明する。対象とした材料はAPI規格X80グレードであり、厚み250mm、幅1850mm、長さ9090mmの寸法のスラブ(重量33トン)を熱間圧延ラインの粗圧延工程、仕上圧延工程を経て厚み25mmに仕上げ、冷却テーブル上にて500℃まで冷却したのちに巻き取り装置にて巻き取った。
巻き取り装置は図5に示した4つのラッパーロールを具備したものであり、マンドレル7、ラッパーロール5a〜5dの周速度は図2に示したパターンでの速度制御を行った。マンドレル7の外径はφ750mmであり、ラッパーロール径はφ440mmである。そして、図3のごとく緩み無く巻いた状態でのコイル外径はφ1858mmのコイルである。最終仕上圧延機出側、すなわち冷却テーブル上での熱延鋼板速度は150mpmであり、熱延鋼板先端部1aは150mpmの速度にてコイラーに進入し巻き付きが開始される。
この際、マンドレル7およびラッパーロール5a〜5dの周速度は、熱延鋼板1の搬送速度に対して所定のリード率にて巻取りが開始されるように、熱延鋼板先端部1aが最終仕上圧延機を抜けたタイミングあたりから加速をはじめている。そして、巻き付き開始時のマンドレル7周速のリード率は15%とし、ラッパーロール5a〜5d周速のリード率は25%にそれぞれ設定した。
そして、巻き付き開始後、マンドレル7とラッパーロール5a〜5dの減速を開始し、5回転に設定した巻き付き完了時点においてマンドレル7とラッパーロール5a〜5dの周速度が熱延鋼板1の通板速度に同期するように150mpmまで減速した。引き続き、ラッパーロール5a〜5dの速度を減速してリード率0%〜−30%の範囲で5水準(リード率が0%、−5%、−10%、−20%、−30%)に変更し、それぞれの水準について、減速開始まで一定速度で巻き取りを実施した。そして、熱延鋼板1の尾端部1bがコイラー手前20m程度の位置からマンドレルおよびラッパーロールの減速を開始し、熱延鋼板1の尾端部1bがコイル下側となる位置にて回転を停止した。
そして、コイル下方で待機させていたクレードルロール8を上昇させ、コイル下面に押圧して上下位置を固定した後、ラッパーロール5a〜5dをコイルより退避させ、コイル抜き取りのためにマンドレル7を縮径した。
この際、巻き取り条件によっては、スプリングバックによりコイルの巻きほぐれが発生して大きく上下左右に振動するため、ビデオカメラによりこのコイルの動きを撮影し、その上下方向と左右方向の動きの詳細解析を行った。コイル内周部分は、スプリングバックにて広がることができないため形状がほとんど変化しないことから、コイルの動きは内周部の中心点の上下方向の最大移動量をコイル浮き上がり量と定義して評価を行った。
図1に評価結果を示す。コイルの取り出し・搬送等の取り扱いが支障なく行えるようにするには、コイル浮き上がり量が5mm以下、好ましくは3mm以下の巻きほぐれを低減した状態とすることが望ましい。
本発明が適用されていないリード率の0%の条件(比較例に相当する)ではコイル浮き上がり量が18mmに達しているが、リード率が−5%の条件では、コイル浮き上がり量がさらに減少し12mmであるが、10mmを超えている。リード率が−10%の条件ではコイル浮き上がり量は著しく低下し、3mm程度と非常に小さく良好な状態になっていることがわかる。そして、リード率が−20%〜−30%の条件では、この浮き上がり量は、さらに低下し、3mm未満となっている。この−20%〜−30%の範囲ではコイル浮き上がり量にほぼ変化がない結果も得られた。
このように、ラッパーロール5a〜5dのリード率を負にすることにより、コイル浮き上がり量は減少し、スプリングバック抑制効果が得られること、とりわけ、ラッパーロール5a〜5dのリード率が−10%より遅い範囲であればその効果が著しいことがわかった。
1 熱延鋼板(巻き取り鋼板)
1a 熱延鋼板の先端部
1b 熱延鋼板の尾端部
2 エプロン
3 ピンチロール
4 スロートガイド
5a No.1ラッパーロール
5b No.2ラッパーロール
5c No.3ラッパーロール
5d No.4ラッパーロール
6 ストリップガイド
7 マンドレル
8 クレードルロール

Claims (2)

  1. 巻き取り装置にて高強度厚肉熱延鋼板をマンドレルにコイル状に巻き取る方法であって、該熱延鋼板の先端部から尾端部までをコイル状に巻き取る際に、マンドレルの外周に配置された複数のラッパーロールにより該熱延鋼板を押圧するとともに、該熱延鋼板の先端部がマンドレルに巻き付き完了後、全てのラッパーロールの周速を該熱延鋼板の巻き取り速度に対して遅くなるように速度制御して巻き取ることを特徴とする、高強度厚肉熱延鋼板の巻き取り方法。
  2. 高強度厚肉熱延鋼板の先端部がマンドレルに巻き付き完了後、全てのラッパーロールの周速を該熱延鋼板の巻き取り速度に対して10%以上遅くなるように速度制御して巻き取ることを特徴とする、請求項1に記載の高強度厚肉熱延鋼板の巻き取り方法。


JP2009008804A 2009-01-19 2009-01-19 高強度厚肉熱延鋼板の巻き取り方法 Expired - Fee Related JP5353257B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009008804A JP5353257B2 (ja) 2009-01-19 2009-01-19 高強度厚肉熱延鋼板の巻き取り方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009008804A JP5353257B2 (ja) 2009-01-19 2009-01-19 高強度厚肉熱延鋼板の巻き取り方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010162592A true JP2010162592A (ja) 2010-07-29
JP5353257B2 JP5353257B2 (ja) 2013-11-27

Family

ID=42579207

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009008804A Expired - Fee Related JP5353257B2 (ja) 2009-01-19 2009-01-19 高強度厚肉熱延鋼板の巻き取り方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5353257B2 (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS53109845A (en) * 1977-03-08 1978-09-26 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd Method and apparatus for coiling
JPS6250814U (ja) * 1985-09-19 1987-03-30
JP2001514970A (ja) * 1997-08-15 2001-09-18 エス・エム・エス・シュレーマン−ジーマーク・アクチエンゲゼルシャフト ストリップコイラ

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS53109845A (en) * 1977-03-08 1978-09-26 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd Method and apparatus for coiling
JPS6250814U (ja) * 1985-09-19 1987-03-30
JP2001514970A (ja) * 1997-08-15 2001-09-18 エス・エム・エス・シュレーマン−ジーマーク・アクチエンゲゼルシャフト ストリップコイラ

Also Published As

Publication number Publication date
JP5353257B2 (ja) 2013-11-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5509665B2 (ja) 高強度厚肉熱延鋼板の巻き取り装置および巻き取り方法
CN104475448B (zh) 一种预防极薄钢卷“塌芯”缺陷的生产工艺
JP5353260B2 (ja) 高強度厚肉熱延鋼板の巻き取り設備および巻き取り方法
JP2012250283A (ja) 熱延鋼帯の巻取り装置及び方法
JP5353257B2 (ja) 高強度厚肉熱延鋼板の巻き取り方法
JP5353258B2 (ja) 高強度厚肉熱延鋼板の巻き取り方法および巻き取り装置
JP2010005631A (ja) 熱延鋼帯の巻取装置、および、熱延鋼帯の巻き取り、抜き出し方法
JP6414108B2 (ja) 熱延コイルの払出方法
JP5353236B2 (ja) 厚肉高強度熱延鋼板コイルの巻き取り・抜き出し方法およびその巻き取り装置
JP5353259B2 (ja) 高強度厚肉熱延鋼板の巻き取り方法および巻き取り装置
JP5609366B2 (ja) 熱延鋼板の巻き取り方法
JP2010253482A (ja) 高強度厚肉熱延鋼板の巻き取り・搬出方法
JP2010264493A (ja) 高強度厚肉熱延鋼板の巻取装置および巻取方法
WO2015141702A1 (ja) シュートロールを備えたコイラー装置
WO2005039794A1 (en) Device and method for forming coils of rolled or drawn long products
JP2006061934A (ja) 鋼帯の巻取り方法
CN111918725B (zh) 减轻钢卷塌落对带材热轧机钢卷的影响的方法
EP1706226B1 (en) Coiling method and device for rolled or drawn long products
KR101373137B1 (ko) 강판의 엔드마크 방지용 슬리브 및 이를 포함하는 강판 권취장치
JP7020468B2 (ja) 鋼板の巻取り方法及び鋼板の製造方法
JP2018069278A (ja) 厚肉高強度熱延鋼板の製造方法
JP2009034708A (ja) アンコイラー及びその使用方法
JP6252508B2 (ja) 高強度厚肉熱延鋼帯の製造方法
JP3264725B2 (ja) 冷延コイルの巻き戻し方法
RU19782U1 (ru) Хвостовая часть прокатного стана

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110824

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130515

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130517

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130711

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130730

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130812

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees