JP2010162583A - レーザはんだ付け方法およびレーザはんだ付け装置 - Google Patents

レーザはんだ付け方法およびレーザはんだ付け装置 Download PDF

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Abstract

【課題】一点ずつの断続的なはんだ加工だけではなく、スポットはんだ付けおよび引きはんだ付けに適したレーザ光の集光形状に変更可能とし、被加工物を走査しつつ、はんだの供給とレーザ照射を続けることにより、連続的なはんだ加工ができるようにする。
【解決手段】第1の光学系6による被加工物3へのレーザ光Lの集光形状Sと、第2の光学系10を挿入した場合とにおける被加工物3へのレーザ光Lの集光形状Sとを変える。2つの異なる集光形状Sにて、糸はんだ供給手段2から供給される糸はんだを溶融することによって、スポットはんだ付けと引きはんだ付けとを単一の装置で切り換えることを可能にする。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子部品などとプリント配線板など(以下、被加工物という)にはんだ付けを行う際に、被加工物の一部を加熱するレーザはんだ付けにおける調整方法、およびレーザはんだ付け装置に関するものである。
従来のレーザはんだ付け装置として、光学系と被加工物間の距離を変化させることにより、被加工物上に形成されたレーザ光のビームスポットのスポット径を変化させ、被加工物に適したスポット形状にするものがある(例えば、特許文献1参照)。
図6は特許文献1に記載された従来のレーザはんだ付け装置を示す図である。
101は光ビームを出射する光源、102はハーフミラー、103は光ビームを整形して被加工物104に集光する光学手段、105は被加工物104の反射光を受光手段106に導くためのミラー、107は被加工物104と光学手段103との相対位置を変えるための駆動手段を示し、これらにより加工ヘッドを構成している。
さらに、108は糸はんだ供給装置、109は前記加工ヘッドを被加工物104に対して上下方向に移動させる第1の移動手段、110は糸はんだ供給装置108を被加工物104に対して上下方向に移動させる第2の移動手段、111は糸はんだ供給装置108を被加工物104に対して左右方向に移動させる第3の移動手段を示している。
図6において、光学手段103により光ビームを整形し、光源101から出射する光ビームを、被加工物104に対して集光し、さらに、第1の移動手段109により被加工物104に応じたビーム径になるように調整している。
特開2004−337894号公報(第11頁、図1)
前記従来の構成では、光学手段103と被加工物104との距離を第1の移動手段109によって変更しているだけであるため、被加工物104に集光されたビームの形状は一定の形状の変化となる。このため、被加工物の加工点一点ごとに、はんだ供給およびレーザ照射によるはんだ溶融を行うため、生産性を確保できない。
生産性を向上させるためには、自動コテはんだ付けロボットなどで用いられるような、被加工物としての基板を走査しながらのはんだ付け(以下、引きはんだという)が有効であり、レーザで引きはんだ付けを行うには場合、一点に集光したレーザ光ではなく、一方向に拡大したレーザ光を用いることが考えられる。このようにレーザ光を変形させるために、シリンドリカルレンズのような2つ以上の曲率を持つレンズを用いることが考えられる。
引きはんだを行う場合、最適なはんだの供給位置と一点ごとのはんだ付けを行う際に、最適なはんだの供給位置が違っているため、各々の加工に対してはんだの供給位置の調整が必要である。
しかしながら、引きはんだを行う場合、シリンドリカルレンズのような2つ以上の曲率を有するレンズを挿入しているため、同軸での観察およびはんだ供給位置の調整が困難であること、はんだの供給位置の三次元的調整およびはんだ供給の傾きなどの調整を行わなければならず、外部からの観察によるはんだ供給位置の調整が困難であること、さらに引きはんだを行う場合と一点ごとのはんだ付けを行う位置のオフセットの方向とは、一方向に拡大したレーザ光の向きと平行でなければならず、その位置調整もまた困難を要することなどの課題を有している。
本発明は、前記従来の課題を解決するものであり、一点ずつの断続的なはんだ加工だけではなく、スポットはんだ付けおよび引きはんだ付けに適したレーザ光の集光形状の切り換えを可能とし、被加工物を走査しつつ、はんだの供給とレーザ照射を続けることにより、連続的なはんだ加工を可能にしたレーザはんだ付け方法およびレーザはんだ付け装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明のレーザはんだ付け方法は、レーザ光を用いて被加工物にはんだ付けを行うレーザはんだ付け方法において、光源から出射されたレーザ光を第1の光学系を用いて加工点にビームスポットとして集光し、該集光位置にはんだが供給されるようにはんだ供給手段の位置を調整し、前記加工点と前記第1の光学系との間に第2の光学系を挿入し、前記第2の光学系により前記第1の光学系で集光したビームスポットを一方に拡大したスポット形状にし、かつ前記第1の光学系で形成される光軸に対して前記拡大した方向に前記第2の光学系を変位させることにより、スポット形状および集光位置を調整することを特徴とする。
また、本発明のレーザはんだ付け装置は、レーザ光を用いて被加工物にはんだ付けを行うレーザはんだ付け装置において、レーザ光の出射光源と、該出射光源から出射したレーザ光を集光する第1の光学系と、該第1の光学系と被加工物の間のレーザ光の光軸に対して出し入れされ、かつ前記第1の光学系で集光されたビームスポットを一方に拡大したスポット形状にする第2の光学系と、被加工物における前記集光位置にはんだを供給するはんだ供給手段とを備えたことを特徴とする。
前記構成の本発明によって、スポットはんだ付けに適したレーザ集光形状と引きはんだ付けに適したレーザ集光形状を切り換えることができる。
本発明によれば、引きはんだ付けをするときと、一点ごとのはんだ付けとにおいて、はんだ供給位置を変更することなく、はんだ付けを可能とする。すなわち、同軸での観察が可能な一点ごとのはんだ付け位置において、はんだの供給位置を調整し、第2の光学系の挿入および第1の光学系が形成する光軸に対して、第2の光学系の母線方向に対して垂直な方向にオフセットすることによって、レーザ照射位置をずらすことができるため、はんだ供給位置を動かすことなく、引きはんだにおける最適なはんだの供給位置とすることができる。
これにより、従来では調整が困難であった一点ごとのはんだの供給位置と、引きはんだ付け時のはんだ供給位置との調整を、一点ごとのはんだ供給位置に調整するだけで行うことができて、調整の精度の向上を図ることができると共に、調整時間を短縮することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1を説明するためのレーザはんだ付け装置の概略構成図であり、1はレーザ光を出射する光源である光エネルギ出力手段、2は、筒状のパイプの中に糸状のはんだが挿入され、このはんだを加工点に供給する糸はんだ供給手段、3は被加工物、4は光エネルギ出力手段1から出射したレーザ光を鏡筒5に導く光ファイバ、6は鏡筒5から出射するレーザ光を集光させる第1の光学系、7は第1の光学系6を被加工物3に対して上下方向に移動させる第1の移動手段、8は糸はんだ供給手段2を被加工物3に対して上下方向に移動させる第2の移動手段、9は糸はんだ供給手段2を被加工物3に対して左右方向に移動させる第3の移動手段を示している。
また、10は第1の光学系6から出射して被加工物3に向かうレーザ光Lの光軸中に出入り可能に設けられた第2の光学系、11は第2の光学系10をレーザ光Lの光軸挿入方向(矢印A方向)へ移動させる第2の駆動手段を示している。
さらに、12は前記各手段および各光学系などを移動させる第1の駆動手段を示している。
図1において、光ファイバ4により光エネルギ出力手段1を出射したレーザ光を鏡筒5に導き、鏡筒5から出射するレーザ光を、第1の光学系6によって任意の集光形状に整形し、被加工物3にビームスポットとして集光する構成となっている。
第1の駆動手段12により、糸はんだ供給手段2、鏡筒5、第1の光学系6、第2の光学系8、および第2の駆動手段11を移動させ、被加工物3上の任意の位置にレーザ光Lを照射/集光することができるような構成となっている。
また、第1の移動手段7により、糸はんだ供給手段2、鏡筒5、第1の光学系6、第2の光学系8、および第2の駆動手段11を移動させ、被加工物3との距離を任意に設定することができる構成となっている。
前記構成によれば、第1の光学系6による被加工物3へのレーザ光Lの集光形状と、第2の光学系10を挿入したときの被加工物3へのレーザ光Lの集光形状を変更することができ、糸はんだ供給手段2から供給される糸はんだを溶融することによって、スポットはんだ付けと、引きはんだ付けとを容易に単一の装置で切り換えて加工することが可能となる。
次に、本実施の形態における第1の光学系6と第2の光学系10との構成および動作について説明する。
図2(a),(b)は実施の形態1における光学系部分の構成図であって、光エネルギ出力手段1として、半導体レーザ発振器を用いており、波長940nmの光を発生させている。
図2(a)は第2の光学系10をレーザ光Lの光軸中に挿入していないときの状態を示している。図2(a)において、第1の光学系6は焦点距離50mmの平凸レンズからなるコリメートレンズ6aと焦点距離65mmの集光レンズ6bとから構成されている。本例では、コア径が直径0.6mmの光ファイバ4から出射するレーザ光が、コリメートレンズ6aで平行光となり、集光レンズ6bによって被加工物3の上に光ファイバ4の出射端面を結像させた直径0.78mmの円形スポットSaとなるようにしている。この円形スポットSaを移動させ、かつ被加工物3の任意の位置に照射/集光させることによって、スポットはんだ付けを行うことができる。
本実施の形態において、穴あきのランドが存在するプリント配線板および該プリント配線板に実装する電子部品を被加工物3として、直径0.8mmの穴あきランドと該ランドを貫通した電子部品のリードとの間のはんだ付けを行うことができる。
また、第1の移動手段7によって、レーザ光Lを結像位置からデフォーカスさせた状態にして、レーザ光Lの集光形状を大きくし、直径1.5mmのランドに対するはんだ付けも行うことができる。
図2(b)は、第2の光学系10をレーザ光Lの光軸中に挿入した状態を示している。
本実施の形態において、第2の光学系10はシリンドリカルレンズ10aから構成されている。シリンドリカルレンズ10aをレーザ光Lの光軸中に挿入する際、シリンドリカルレンズ10aを該シリンドリカルレンズ10aの母線方向Bから挿入する。
このようにシリンドリカルレンズ10aを挿入することによって、図2(a)において円形(円形スポットSa)であったレーザ光Lの集光形状(集光スポットS)は、シリンドリカルレンズ10aの母線方向Bに引き延ばされた形(集光スポットSb)となる。例えば、焦点距離100mmのシリンドリカルレンズを用いたところ、0.78mm×8mm程度のレーザ光の集光形状を得ることができた。
母線方向Bに対して、シリンドリカルレンズ10aは曲率を持たない。このため、母線方向Bからのシリンドリカルレンズ10aの挿入を行うことによって、シリンドリカルレンズ10aの挿入時の位置決め精度の変動により生じる集光スポットSbにおける照射位置の変動に対する影響をなくすことができる。
図2(b)に示す集光スポットSbの集光形状を用いることにより、被加工物3上に直線状に並んだ約1.5mmピッチの複数のランドに挿入されたリードの引きはんだ付けを行うことが可能となる。具体的には、前記集光スポットSの長手方向と直線状ランドの方向を一致させ、直線状ランドの端から順番にレーザ光を走査することによって、引きはんだ付けを行うことが可能となる。
図3(a),(b)は実施の形態1における第2の光学系の変形例を示す構成図である。
図3(a)に示す構成例では、焦点距離200mmのシリンドリカルレンズ10aと焦点距離300mmのレンズ10bからなる構成の第2の光学系10を用いている。
この構成によれば、被加工物3上でのレーザ光Lの集光形状S1は2mm×7.6mmとなり、適度なエネルギ密度をもった照射形状を得ることが可能となり、引きはんだ付けを行う際のレーザ照射の条件範囲を広く設定することが可能となる。
また、第2の光学系10の全体をZ軸方向(矢印C)に駆動する手段(図示せず)によって、被加工物3との距離を変化させることにより、レーザ光Lの照射形状を変化させ、より多くの加工条件に対応することが可能になる。
図3(b)に示す構成例では、焦点距離200mmのシリンドリカルレンズ10aと焦点距離150mmのシリンドリカルレンズ10cからなる構成の第2の光学系10を用いている。
このときシリンドリカルレンズ10aの母線とシリンドリカルレンズ10cの母線が直交するように配置する。第2の光学系10の全体をZ軸方向(矢印C)に駆動する手段(図示せず)によって、被加工物3との距離を変化させることにより、レーザ光Lの照射形状を変化させ、なおかつシリンドリカルレンズ10aとシリンドリカルレンズ10cとの間隔(矢印D方向)を変化させる駆動手段(図示せず)を設けることにより、被加工物3上のレーザ光の照射形状S2は、1〜10mm(x方向)×1〜10mm(y方向)の大きさに変化させることができ、被加工物3の形状や熱容量に合わせた、レーザ光の照射形状にすることを可能にした。
なお、前記実施の形態の構成において、第2の光学系10として一方向のみに曲率をもつシリンドリカルレンズ10aを用いたが、トーリックレンズなどの2つの曲率を持つレンズを用いることができる。
また、光エネルギ出力手段1として半導体レーザを用いたが、YAGレーザなどの他のレーザ光発振装置を用いてもよい。光エネルギ出力手段1から鏡筒5への光伝達に光ファイバ4を用いたが、光ファイバ4を用いずに光エネルギ出力手段1から出射されるレーザ光を鏡筒5に直接入射することも考えられる。
次に、図4(a)〜(c)を参照して、本実施の形態における各構成要素の調整方法について説明する。なお、図4(a)〜(c)における下の図は集光されたレーザ光Lと糸はんだ先端部2aとを示す説明図である。
図4(a)は、第1の光学系6のみを使用して、一点ごとのスポットはんだ付けを行う場合の各部の状態を示している。
図4(a)において、集光レンズ6bで集光されたレーザ光Lを、被加工物3上の一点のランドに照射する。このランド部分に糸はんだ供給手段2から糸はんだ2aを約5mm程度出し、この糸はんだ2aの先端がランドに接触するように、糸はんだ供給手段2の位置を調整する。このとき、鏡筒5に設けられた観察用の同軸カメラ(図示せず)を用いることにより、糸はんだ供給手段2の位置の調整が容易となる。
レーザ照射位置と糸はんだ2aとの供給位置が一致した状態で、図4(b)に示すように、集光レンズ6bから5mm離れた位置にシリンドリカルレンズ10aを挿入する。このとき、被加工物3を走査する方向とシリンドリカルレンズ10aの母線の方向を一致させる。このように集光レンズ6bとシリンドリカルレンズ10aとを平行に、かつ中心を一致させた場合、シリンドリカルレンズ10aにより、一方向に拡大されたレーザ光Lの中心とはんだ供給位置が一致する。
引きはんだ付けを行う際の直線状に並んだ各ランド部分の温度プロファイルを検討すると、1つのランドに対して糸はんだ2aの供給に適した温度になっているのは、レーザ光Lが照射し初めてから終わりまでの時間の約2/3〜3/4経過した時間になる。そのような部位に糸はんだ2aを供給することで、本実施の形態ではシリンドリカルレンズ10aを+x方向に約2mm変位(オフセットx)させることにより、一点ごとのスポットはんだ付け時と引きはんだ付け時とのそれぞれのはんだ供給位置調整を省いて、一点ごとのスポットはんだ付け時の糸はんだ供給手段2の位置調整のみを行えばよく、調整を容易にすることができる。また、一点ごとのスポットはんだ付けと引きはんだ付けを切り換えたときに発生する糸はんだ供給手段2の位置変動を省くことができ、はんだ付け時のはんだ量の変動などを低減することができる。
また、図3(b)に示す第2の光学系10の全体をZ軸方向(矢印C)に駆動する手段と、シリンドリカルレンズ10aとシリンドリカルレンズ10cとの間隔(矢印D方向)を変化させる駆動手段とにより、スポット形状や大きさを変化させた場合においても、温度プロファイルは距離に対して比例的に変わる。このため、スポット形状・大きさの変化に合わせて糸はんだ供給手段2の位置を調整する必要がなく、常に適した温度のランドにはんだを供給することができる。
また、はんだを溶融させた場合にはフラックスなどのダストが発生する。その発生したダストによる光学系の汚染を防ぐために、一般的に気体を噴き付けや吸引を行うことによりダストを除去する。このとき、気体の噴き付けや吸引手段(図示せず)位置は、加工点に対して最適な位置に配置しなければならない。
本実施の形態によれば、一点ごとのスポットはんだ付け時と引きはんだ付け時で、気体の噴き付けおよび吸引手段の位置を変える必要がなくなり、余分な機能や動作を省くことができ、簡易な装置構成を実現することができる。
また、第2の光学系10を変位させることにより、加工部や溶融したはんだで反射したレーザ光が、発信器および半導体レーザの発光面に戻ることを防ぎ、レーザ発信器および半導体レーザへのダメージを低減することが可能となる。
なお、本実施の形態ではシリンドリカルレンズを用いたが、レンズの挿入方向とその直交方向で曲率が違うレンズを用いて、レーザビーム形状を調整してもよい。本実施の形態では、シリンドリカルレンズを一方向に固定しているが、シリンドリカルレンズは回転させてもよく、シリンドリカルレンズを回転させる場合、集光レンズの光軸を中心として回転するように調整することで、シリンドリカルレンズを回転させた場合においても、最適な温度の位置にはんだを供給することができ、方向の違う引きはんだ付けが可能となる。
シリンドリカルレンズのオフセット量を調整することで、はんだを供給するまでの時間を調整することができ、加工点のサイズや形状,材質の違い対して、最適な温度の位置にはんだを供給することができる。
また、本実施の形態では、シリンドリカルレンズを1つ用いて、ビームスポット形状の調整を行っているが、2つ以上の曲率を持つ光学系を2つ以上用いてもよい。また、2つ以上の曲率を持つ光学系と対称な光学系を組み合わせて、ビームスポット形状の調整を行ってもよい。
なお、本実施の形態において、第2の光学系10を、シリンドリカルレンズのみならず、複数枚からなるレンズ群構成として、第2の光学系10全体をオフセットするようにしてもよい。
(実施の形態2)
図5は本発明の実施の形態2における光学系およびはんだ供給部分について説明するための構成図である。なお、図5において、図1〜図4にて説明した構成要素に対応する構成要素については同一符号を用いて、その説明を省略する。
実施の形態2では、第2の光学系10を、光軸と平行な軸線を中心として回転(矢印E方向)させる駆動手段(図示せず)を備えている。このようにしたことにより、第2の光学系10によって形成される引きはんだ付けに適した集光形状Sを被加工物3上で回転することができ、直線的に並んだ被加工物3のプリント配線板上のランドに対して適切な方向とすることができる。
第2の光学系10の回転中心は、第1の光学系6のみで集光されるレーザ光Lの照射位置の中心Oと一致するように設定し、さらに、被加工物3であるプリント配線板のx,y軸から約45度をなす方向に糸はんだ供給手段2の糸はんだ2aを配置する。
一般的に引きはんだ付けを適用できる電子部品は、図5(a)に示すレーザ光Lの集光形状Sのように、被加工物3であるプリント配線板のx方向に並んでいるか、図5(b)に示すレーザ光Lの集光形状Sのように、プリント配線板のy方向に並んでいる。
そのような場合には、第2の光学系10の回転を停止させてはんだ付けを行う位置は、プリント配線板のx軸方向とy軸方向となる。よって、糸はんだ供給手段2をプリント配線板のx軸方向とy軸方向に対して45度をなすようにすることにより、引きはんだ付けを実施する際に、糸はんだ供給手段2の位置を調整する必要がなくなる。
なお、本実施の形態において、糸はんだ供給手段2の位置として、x軸方向とy軸方向の中間角度として45度の位置に配置したが、プリント配線板上の引きはんだ付けの適用部分の配置によっては、引きはんだ適用可能部位の少なくとも1つ以上のランド並びからなる直線間がなす角度のうち、最も広い角度を有する直線間の中間位置にあたる角度に糸はんだ供給手段2を配置してもよい。
本発明は、被加工物の一部を加熱する部分加熱によるスポットはんだ付けと引きはんだ付けとに容易に切り換えることができる機能を具備することから、リフローはんだ付けにおいて難しかったプリント配線板への異形部品,弱耐熱部品,多ピン部品などの高速かつ高信頼性のはんだ付けにも適用することができる。
本発明の実施の形態1を説明するためのレーザはんだ付け装置の概略構成図 (a),(b)は実施の形態1における光学系部分の構成図 (a),(b)は実施の形態1における第2の光学系の変形例を示す構成図 (a)〜(c)は本実施の形態における各構成要素の調整方法の説明図 (a),(b)は本発明の実施の形態2における光学系およびはんだ供給部分について説明するための構成図 従来のレーザはんだ付け装置の説明図
1 光エネルギ出力手段
2 糸はんだ供給手段
3 被加工物
4 光ファイバ
5 鏡筒
6 第1の光学系
7 第1の移動手段
8 第2の移動手段
9 第3の移動手段
10 第2の光学系
11 第2の駆動手段
12 第1の駆動手段
L レーザ光

Claims (16)

  1. レーザ光を用いて被加工物にはんだ付けを行うレーザはんだ付け方法において、光源から出射されたレーザ光を第1の光学系を用いて加工点にビームスポットとして集光し、該集光位置にはんだが供給されるようにはんだ供給手段の位置を調整し、前記加工点と前記第1の光学系との間に第2の光学系を挿入し、前記第2の光学系により前記第1の光学系で集光したビームスポットを一方に拡大したスポット形状にし、かつ前記第1の光学系で形成される光軸に対して前記拡大した方向に前記第2の光学系を変位させることにより、スポット形状および集光位置を調整することを特徴とするレーザはんだ付け方法。
  2. 前記第2の光学系として、該第2の光学系の挿入方向とその直交する方向とで曲率の異なる光学系を用いて、スポット形状を変化させることを特徴とする請求項1記載のレーザはんだ付け方法。
  3. 前記第2の光学系を挿入する際に、前記曲率の異なる光学系を母線方向から挿入することを特徴とする請求項1または2記載のレーザはんだ付け方法。
  4. 前記第1の光学系を通過するレーザ光の光軸を中心として、前記第2の光学系を回転させることにより、前記集光位置を制御することを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載のレーザはんだ付け方法。
  5. 前記第2の光学系の変位量を調整することにより、前記集光位置を制御することを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載のレーザはんだ付け方法。
  6. 前記第2の光学系を、2つ以上の曲率を有する光学系を2つ以上組合わせた構成にして、前記スポット形状を制御することを特徴とする請求項1〜5いずれか1項記載のレーザはんだ付け方法。
  7. 前記第2の光学系を、2つ以上の曲率を有する光学系と光軸に対して対称な光学系とを組合せた構成にし、前記スポット形状を制御することを特徴とする請求項1〜5いずれか1項記載のレーザはんだ付け方法。
  8. レーザ光を用いて被加工物にはんだ付けを行うレーザはんだ付け装置において、レーザ光の出射光源と、該出射光源から出射したレーザ光を集光する第1の光学系と、該第1の光学系と被加工物の間のレーザ光の光軸に対して出し入れされ、かつ前記第1の光学系で集光されたビームスポットを一方に拡大したスポット形状にする第2の光学系と、被加工物における前記集光位置にはんだを供給するはんだ供給手段とを備えたことを特徴とするレーザはんだ付け装置。
  9. 前記第2の光学系を、母線方向とその直交する方向で曲率の異なる光学系としたことを特徴とする請求項8記載のレーザはんだ付け装置。
  10. 前記第2の光学系を母線方向から挿入して変位調整する手段を備えたことを特徴とする請求項8または9記載のレーザはんだ付け装置。
  11. 前記第2の光学系としてシリンドリカルレンズまたはトーリックレンズを用いたことをと特徴とする請求項8〜10いずれか1項記載のレーザはんだ付け装置。
  12. 前記第2の光学系を、母線と直交する方向に変位させる手段を備えたことを特徴とする請求項8〜11いずれか1項記載のレーザはんだ付け装置。
  13. 前記第1の光学系を通過するレーザ光の光軸を中心として、前記第2の光学系を回転させる手段を備えたことを特徴とする請求項8〜12いずれか1項記載のレーザはんだ付け装置。
  14. 前記第2の光学系の母線を90度回転させて被加工物上のビームスポットを回転させる際に、前記母線の方向から被加工物の表面平面上において45度の角度にあたる方向に、前記はんだ供給手段のはんだ供給部を配置したことを特徴とする請求項8〜13いずれか1項記載のレーザはんだ付け装置。
  15. 前記第2の光学系を、母線が直交する少なくとも2つ以上のシリンドリカルレンズを組み合わせて構成したことを特徴とする請求項8〜14いずれか1項記載のレーザはんだ付け装置。
  16. 前記第2の光学系を、光軸に対して軸対称なレンズとシリンドリカルレンズとを組み合わせて構成したことを特徴とする請求項8〜14記載のレーザはんだ付け装置。
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