JP2010159679A - エマルション燃料利用エンジン - Google Patents
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Abstract
【課題】NOx排出量を規制値以下に維持しつつ、燃費を向上したエンジンを提供することを課題とする。
【解決手段】エマルション燃料利用エンジン1は、軽油を貯留する第1タンク5と、軽油と混合させる水を貯留する第2タンク6と、軽油と水とを混合するミキサ7と、軽油のみまたはミキサ7で混合した燃料を筒内へ供給する高圧ポンプ4、コモンレール3、燃料噴射弁2と、ECU14とを備え、ミキサ7で混合した燃料を筒内へ供給する場合であって、排気ガスの温度が触媒活性化温度Ts以上であると判断するとき、軽油を筒内へ供給する場合と同等のNOx排出量となるようにエンジン作動領域を設定し、ミキサ7で混合した燃料を筒内へ供給する場合であって、排気ガスの温度が触媒活性化温度Tsより低いと判断するとき、排気ガスの温度が触媒活性化温度Tsとなるようにエンジン作動領域を設定することを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】エマルション燃料利用エンジン1は、軽油を貯留する第1タンク5と、軽油と混合させる水を貯留する第2タンク6と、軽油と水とを混合するミキサ7と、軽油のみまたはミキサ7で混合した燃料を筒内へ供給する高圧ポンプ4、コモンレール3、燃料噴射弁2と、ECU14とを備え、ミキサ7で混合した燃料を筒内へ供給する場合であって、排気ガスの温度が触媒活性化温度Ts以上であると判断するとき、軽油を筒内へ供給する場合と同等のNOx排出量となるようにエンジン作動領域を設定し、ミキサ7で混合した燃料を筒内へ供給する場合であって、排気ガスの温度が触媒活性化温度Tsより低いと判断するとき、排気ガスの温度が触媒活性化温度Tsとなるようにエンジン作動領域を設定することを特徴とする。
【選択図】図1
Description
エマルション燃料を利用するエンジンに関する。
エンジンの低NOx技術としてエマルション燃料が利用されている。このエマルション燃料は、軽油等の液体燃料に少量の乳化剤を加えて燃料中に水を分散させたものであり、その混合方法、乳化剤の種類、水の添加量が水粒子の粒径、安定性、分散性などの性状に影響を与える。
このエマルション燃料の燃焼では、排気ガス中のNOxが低減されることが特許文献1に開示されている。
ところで、ハイブリッドシステムを組み込んだ車両に搭載されるエンジンは、エンジン正味熱効率のよい領域で運転される。このようなエンジンは、高負荷で運転される場合にエンジン正味熱効率が良くなるが、その一方でNOx排出量が増加する。特に、ディーゼルエンジンの場合、NOx排出量が多く、触媒により排気ガスの還元を行っても排気ガス規制値をクリアすることが困難であることから、エンジン正味熱効率を落とし、負荷を軽減した運転を行っている。
そこで、本発明では、NOx排出量を規制値以下に維持しつつ、燃費を向上したエンジンを提供することを課題とする。
かかる課題を解決する本発明のエマルション燃料利用エンジンは、主燃料を貯留する第1タンクと、前記主燃料と混合させる液体を貯留する第2タンクと、前記主燃料と前記液体とを混合するミキサと、前記主燃料または前記ミキサで混合した燃料を筒内へ供給する燃料供給手段と、前記ミキサで混合した燃料を前記筒内へ供給する場合であって、排気ガスの温度が触媒活性化温度以上であると判断するとき、前記主燃料を前記筒内へ供給する場合と同等のNOx排出量となるようにエンジン作動領域を設定し、前記ミキサで混合した燃料を前記筒内へ供給する場合であって、排気ガスの温度が触媒活性化温度より低いと判断するとき、排気ガスの温度が触媒活性化温度となるようにエンジン作動領域を設定する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
このような構成とすることにより、NOx排出量を抑制するとともに、高効率の状態でエンジンを運転することができる。これにより、燃費を飛躍的に向上することができる。また、触媒活性を保障する排気ガス温度を維持するようにエンジンの作動領域を決定するため、エマルション燃料の燃焼による排気ガス温度の低下を抑制し、触媒の機能を維持することができる。このように、本発明のエマルション燃料利用エンジンは燃費を向上しつつ、エミッションの低下を抑制することができる。
このようなエマルション燃料利用エンジンにおいて、前記制御手段は、前記ミキサで混合した燃料を前記筒内へ供給する場合であって、排気ガスの温度が触媒活性化温度より低いと判断するとき、前記主燃料を前記筒内へ供給する場合と同等の排気ガス中のHC濃度となるようにエンジン作動領域を高負荷に設定する構成とすることができる。
このような構成とすることにより、エマルション燃料の燃焼により増加するHC排出量を抑制することができる。
また、上記のエマルション燃料利用エンジンにおいて、前記第1タンク内の前記主燃料の残量を計測する第1計測手段と、前記第2タンク内の前記液体の残量を計測する第2計測手段と、前記第1計測手段が計測する前記主燃料の残量と前記第2計測手段が計測する前記液体の残量とに基づいて、エマルション混合割合を算出する算出手段と、を備えた構成とすることができる。
このような構成とすることにより、本発明のエンジンは、エマルション燃料によるNOx低減の効果が低下する状態を予め検出し、その状態に合わせてエンジンの運転領域を選択することができる。
本発明のエマルション燃料利用エンジンは、NOx排出量を抑制するとともに、エンジンを高負荷で運転することにより、エンジンの正味熱効率が改善され、燃費を飛躍的に向上することができる。
以下、本発明を実施するための形態を図面と共に詳細に説明する。
本発明の実施例1について図面を参照しつつ説明する。図1は本実施例のエンジン1の概略構成を示した説明図である。エンジン1は、ディーゼルエンジンであって、エマルション燃料を利用するものである。さらに、このエンジン1は電気モータと組み合わされたハイブリッドシステムを構成している。このハイブリッドシステムは、ハイブリッドシステムコントローラにより制御されている。ハイブリッドシステムコントローラはエンジン1に要求する出力を決定する。
エンジン1は、燃料を筒内に噴射する燃料噴射弁2、燃料噴射弁2へ供給する筒内噴射用の燃料を蓄えるコモンレール3、コモンレール3内へ高圧燃料を供給する高圧ポンプ4とを備えている。これらの燃料噴射弁2、コモンレール3、高圧ポンプ4は、本発明の燃料供給手段を構成している。
さらに、エンジン1は、主燃料である軽油を貯留する第1タンク5と、主燃料である軽油に混合する水を貯留する第2タンク6と、軽油と水とを混合するミキサ7とを備えている。このミキサ7は、軽油と水とを混合しエマルション燃料を生成する。また、第2タンク6内の水には、界面活性剤が混入されており、ミキサ7における軽油と水との混合を容易にする。
第1タンク5とミキサ7とは、燃料通路8により接続されており、燃料通路8上には第1フィルタ9が配置され、燃料通路8内の軽油に含まれる不純物を取り除く。また、第2タンク6とミキサ7とは、液体通路10により接続されており、この液体通路10上には第2タンク6側から、第2フィルタ11と電動ポンプ12とが配置されている。第2フィルタ11は、液体通路10内の水に含まれる不純物を取り除く。電動ポンプ12は、第2タンク6内の水をミキサ7へ送る。電動ポンプ12が稼働すると第2タンク6内の水がミキサ7内へ送られ、ミキサ7内で軽油と水とが混合されてエマルション燃料が生成される。高圧ポンプ4、コモンレール3、燃料噴射弁2により、この生成されたエマルション燃料が筒内へ供給される。また、燃料噴射弁2、コモンレール3、高圧ポンプ4等から供給した燃料がリターンするリターン通路13がミキサ7に接続されている。
また、エンジン1はECU(Electronic Control Unit)14を備えている。ECU14は、エンジン1に組み込まれた各機器の制御を司る。電動ポンプ12とECU14とは電気的に接続されており、電動ポンプ12は、ECU14による指令信号に基づいて稼働する。
次に、本実施例のエンジン1の制御について説明する。この制御はECU14により行われる。図2は、本発明のエンジン1の制御処理を示したフローである。図3は、エンジン1の運転領域を示した説明図である。図3は、ハイブリッドシステムコントローラによるエンジン運転要求の出力を得るためのエンジン回転数とエンジン負荷との算出に用いるマップである。図3の縦軸はエンジン負荷、横軸はエンジン回転数を示している。図3中には、エンジン正味熱効率ηeの等しい値を結んだ等高線aが示されている。このエンジン正味熱効率ηeは、図3中の矢示bの示す方向に向かって効率が上昇する。また、図3中に示した領域A、領域Bは、実際にエンジン1が運転に使用するエンジン回転数とエンジン負荷の領域を示しており、領域Aは、軽油のみを燃料として利用する場合の領域を示し、領域Bは、エマルション燃料を用いた場合の領域を示している。以下、図2のフローを参照し、エンジン1の制御について説明する。
ECU14はステップS1で、ハイブリッド(HV)システムコントローラからエンジン運転要求出力を取得する。ECU14はステップS1の処理を終えるとステップS2へ進む。ECU14はステップS2で、エマルション制御実行中か否かを判断する。エマルション制御とは、エマルション燃料を利用する制御、すなわち、電動ポンプ12を稼働させて、軽油と水とを混合した燃料を筒内へ供給する処理である。
ECU14はステップS2で、エマルション制御を実行中と判断すると、ステップS3へ進む。ステップS3では、図3のエンジン運転領域で領域Bを選択する。一方、ECU14はステップS2で、エマルション制御を実行中でないと判断すると、ステップS4へ進む。ステップS4では、図3のエンジン運転領域で領域Aを選択する。
ECU14はステップS3、またはステップS4の処理を終えると、ステップS5の処理へ進む。ECU14はステップS5で、エンジン回転数Ne、エンジントルクTrqを図3のマップに基づいて設定する。ここで、ステップS3を経由した場合は、図3の領域Bを参照してエンジン回転数Ne、エンジントルクTrqを算出する。ステップS4を経由した場合は、図3の領域Aを参照してエンジン回転数Ne、エンジントルクTrqを算出する。
ECU14はステップS5の処理を終えると、ステップS6へ進む。ECU14はステップS6で、ステップS5で設定したエンジン回転数Ne、エンジントルクTrqによりエンジン制御を実行する。ECU14はステップS6の処理を終えると、リターンとなる。
次に、図3におけるマップの領域Bの決定方法について説明する。図3のマップは予め実験的に決定しておくものである。図4は、この図3のマップにおける領域Bを決定する方法を示したフローである。図5は、中高負荷時の運転領域を決定する場合におけるエンジン負荷とNOx排出量、排気ガス温度との関係を示した説明図であって、図5(a)は、エンジン負荷とNOx排出量との関係を示した説明図であって、図5(b)は、エンジン負荷と排気ガス温度との関係を示した説明図である。図6は、軽負荷時の運転領域を決定する場合におけるエンジン負荷とNOx排出量、排気ガス温度との関係を示した説明図であって、図6(a)は、エンジン負荷とNOx排出量との関係を示した説明図であって、図6(b)は、エンジン負荷と排気ガス温度との関係を示した説明図である。図5中、図6中の破線は軽油のみを燃料として使用した場合、実線はエマルジョン燃料を使用した場合を示している。以下、図4を参照しつつ、領域Bの決定方法について説明する。
領域Bの決定方法では、ステップS11で任意のエンジン回転数Ne_1を決定する。次に、ステップS12で、図3の領域Aにおいて、ステップS11で決定したエンジン回転数Ne_1の場合のエンジン負荷Trq_1を取得する。次に、ステップS13で、図5(a)のグラフにおいて、軽油を燃料とした場合における、ステップS12において取得したエンジン負荷Trq_1のときのNOx排出量NOx_1を取得する。すなわち、エンジン回転数Ne_1、エンジン負荷Trq_1のときのNOx排出量NOx_1を取得する。次に、ステップS14で、図5(a)のグラフにおいて、エマルション燃料とした場合であって、ステップS13で取得したNOx_1となるときのエンジン負荷Trq_2を取得する。すなわち、エマルション燃料で、エンジン回転数Ne_1、NOx排出量NOx_1のときのエンジン負荷Trq_2を取得する。
さらに、次のステップS15では、図5(b)のグラフにおいて、エマルション燃料の場合であって、ステップS14で取得したエンジン負荷Trq_2のときの排気温度T_2を取得する。すなわち、エマルション燃料で、エンジン回転数Ne_1、エンジン負荷Trq_2のときの排気温度T_2を取得する。ここでの排気温度T_2は、ターボチャージャのタービン入口、タービン出口、還元触媒の入口における排気ガスの温度の測定値、若しくは推定値、又はこれらと相関関係があり、排気ガスの温度を推定することのできる情報に基づいて算出する。本実施例では、ターボチャージャのタービン出口における排気ガス温度を排気温度T_2としている。
領域Bの決定方法では、ステップS15の次に、ステップS16で、ステップS15で取得したT_2が触媒活性化温度Ts以上か否かを判断する。ステップS16でT_2が触媒活性化温度Ts以上であると判断すると、ステップS17へ進む。一方、ステップS16でT_2が触媒活性化温度Ts以上でないと判断すると、ステップS18へ進む。
ステップS17では、エンジン回転数Ne_1、エンジン負荷Trq_2を領域Bとして決定する。ステップS17の処理が行われる場合は、ミキサ7で混合した燃料、すなわち、エマルション燃料を筒内へ供給する場合であって、排気ガスの温度が触媒活性化温度Ts以上であると判断するときである。このとき、主燃料、すなわち、軽油を筒内へ供給する場合と同等のNOx排出量となるようにエンジン作動領域を設定する。したがって、NOx排出量がNOx_1となるときのエンジン負荷Trq_2を設定する。
ステップS18では、図6に示すように触媒活性化温度Tsのときの、エンジン負荷Trq_3を取得する。ステップS18の次に、ステップS19では、エンジン回転数Ne_1、エンジン負荷Trq_3を領域Bとして決定する。ステップS18、ステップS19の処理が行われる場合は、ミキサ7で混合した燃料、すなわち、エマルション燃料を筒内へ供給する場合であって、排気ガスの温度が触媒活性化温度Tsより低いと判断するときである。このとき、排気ガスの温度が触媒活性化温度Tsとなるときのエンジン作動領域を設定する。したがって、触媒活性化温度Tsのときの、エンジン負荷Trq_3を設定する。
ステップS17、またはステップS19の処理が終わると領域Bの決定の処理は終了となる。
以上の処理により図3のマップにおける領域Bに含まれるエンジン回転数とエンジン負荷とを算出し、領域Bを決定する。エンジン1は、このようにして決定された領域Bに含まれるエンジン回転数とエンジン負荷で運転することにより、エンジン正味熱効率ηeを改善し、燃費を向上することができる。また、排気ガスの温度は触媒活性温度以上に維持されるため、NOxをトラップする触媒の機能が維持される。
次に、本発明の実施例2について説明する。本実施例のエンジンは実施例1のエンジン1と同様の構成をしている。本実施例では、図3のマップにおける領域Bの決定方法が実施例1と異なっている。本実施例の領域Bの決定方法は、ミキサ7で混合した燃料、すなわち、エマルション燃料を筒内へ供給する場合であって、排気ガスの温度が触媒活性化温度より低いと判断するとき、主燃料、すなわち、軽油を筒内へ供給する場合と同等の排気ガス中のHC濃度となるようにエンジン作動領域を高負荷に設定する点で実施例1の領域Bの決定方法と相違している。なお、本実施例のエンジンの構成は実施例1と同一であるため、同一の参照番号を用いて説明する。
エマルション燃料の燃焼による排気ガス成分は、スモーク、NOxが減少するが、HCが大幅に増加することが知られている。エンジン負荷が上がるほど、HC絶対量が減ることから高負荷領域で運転することにより、HC排出量を減少することができる。ところが、軽負荷での運転では、HCの絶対量が多いため、高負荷側へのシフトや触媒活性化温度Tsとなるようなエンジン負荷へのシフトを行っても、HC排出量を基準値まで減少できない。このとき、触媒が活性化されているが、触媒でトラップされずに排出されるHCが存在する。そこで、本実施例では、軽油のみを燃料として運転する場合と同等のHC排出量となるようにエンジン負荷を設定し、軽油のみを燃料とする場合と同等のHC排出量とする。
次に、本実施例における領域Bの決定方法について説明する。図7は、本実施例における領域Bを決定する方法を示したフローである。図8は、軽負荷時の運転領域を決定する場合におけるエンジン負荷とNOx排出量、排気ガス温度、HC排出量との関係を示した説明図であって、図8(a)は、エンジン負荷とNOx排出量との関係を示した説明図であって、図8(b)は、エンジン負荷と排気ガス温度との関係を示した説明図であって、図8(c)は、エンジン負荷とHC排出量との関係を示した説明図である。また、図8中の破線は軽油のみを燃料として使用した場合、実線はエマルジョン燃料を使用した場合を示している。以下、図7を参照しつつ、領域Bの決定方法について説明する。なお、図7のフロー中、図4のフローにおける処理と同一の処理については、同一のステップ番号を付し、その説明を省略する。
本実施例の領域Bの決定方法では、ステップS11、ステップS12の処理を行い、これらの処理の次にステップS23を行う。ステップS23では、図8(a)及び図8(c)のグラフにおいて、軽油を燃料とした場合における、ステップS12において取得したエンジン負荷Trq_1のときのNOx排出量NOx_1、HC排出量HC_1を取得する。すなわち、エンジン回転数Ne_1、エンジン負荷Trq_1のときのNOx排出量NOx_1、HC排出量HC_1を取得する。
ステップS23の次に、ステップS14〜ステップS16の処理を行う。ステップS16でT_2が触媒活性化温度Ts以上であると判断すると、ステップS17へ進む。一方、ステップS16でT_2が触媒活性化温度Ts以上でないと判断すると、ステップS18へ進む。
ステップS18で触媒活性化温度Tsのときの、エンジン負荷Trq_3を取得すると次にステップS26へ進む。ステップS26では、触媒活性化温度がTsのときのエンジン負荷Trq_3で運転する場合のHC排出量HC_2がHC排出量HC_1以上であるか否かを判断する。ステップS26でHC排出量HC_2がHC排出量HC_1以上である場合、ステップS28へ進む。一方、ステップS26でHC排出量HC_2がHC排出量HC_1以上でない場合、ステップS19へ進む。
ステップS28では、図8(c)に示すようにHC排出量がHC_1となるときの、エンジン負荷Trq_4を取得する。ステップS28の次に、ステップS29でエンジン回転数Ne_1、エンジン負荷Trq_4を領域Bとして決定する。ステップS28、ステップS29の処理が行われる場合は、ミキサ7で混合した燃料、すなわち、エマルション燃料を筒内へ供給する場合であって、排気ガスの温度が触媒活性化温度より低いと判断するときである。このとき、主燃料、すなわち、軽油を筒内へ供給する場合と同等の排気ガス中のHC濃度となるようにエンジン作動領域を高負荷に設定する。したがって、HC排出量がHC_1のときの、エンジン負荷Trq_4を設定する。
ステップS17、ステップS19、またはステップS29の処理が終わると領域Bの決定の処理は終了となる。
以上の処理により、エマルション燃料の燃焼により増加するHC排出量を抑制することができる。
次に、本発明の実施例3について説明する。図9は、本実施例のエンジン31の概略構成を示した説明図である。本実施例のエンジン31は実施例1のエンジン1とほぼ同様の構成をしている。本実施例のエンジン31は、第1タンク5内の軽油の残量を計測する燃料計32、第2タンク6内の水の残量を計測する水面センサ33を備えている点で、実施例1のエンジン1と相違する。また、ECU14は、燃料計32、水面センサ33のそれぞれと電気的に接続されており、第1タンク5内の軽油の残量と、第2タンク6内の水の残量を取得する。ECU14は、取得した第1タンク5内の軽油の残量と、第2タンク6内の水の残量とに基づいて、エマルション混合割合を算出する。なお、その他の構成は実施例1と同一であるため、実施例1と同一の構成要素については、図面中、同一の参照番号を付し、その詳細な説明は省略する。
エマルション燃料は、軽油と水との混合により、エンジン正味熱効率が変化する。このため、軽油と水との混合割合によりエンジンの最適な運転領域が異なる。したがって、軽油と水との混合割合が最適の状態(例えば、軽油10に対して水3)から水の割合が減少すると、NOx排出量の低減効果が低下することとなる。この場合、エンジン運転領域を高負荷側に変化させても、NOxが規制値を超えてしまう可能性がある。そこで、本実施例では、エマルション燃料の軽油と水との混合割合に応じて、エンジン運転領域を決定する。
次に、本実施例のエンジン31の制御について説明する。この制御はエンジン31を搭載した車両のトリップ毎にECU14により行われる。図10は、本発明のエンジン31の制御処理を示したフローである。図11は、実施例1の図3と同様、エンジン31の運転領域を示した説明図である。図11は、エンジン運転要求の出力を得るためのエンジン回転数とエンジン負荷との算出に用いるマップである。図12は、軽油と水との混合可能割合を示した説明図である。図12の縦軸は、第1タンク5内の軽油残存量に対する第2タンク6内の水残存量の割合rを示している。エマルション燃料において軽油に混合する水の量は、軽油10に対して水が最大で3である。
以下、図10のフローを参照し、エンジン31の制御について説明する。なお、図10のフロー中、実施例1の図2のフローにおける処理と同一の処理については、同一のステップ番号を付し、その説明を省略する。
ECU14は、ステップS1、ステップS2の処理を行う。ECU14はステップS2で、エマルション制御を実行中と判断すると、ステップS31、ステップS32へ進む。ECU14はステップS31で、燃料計32により第1タンク5内の軽油の残量の測定値を取得し、ステップ32で、水面センサ33により第2タンク6内の水の残量の測定値を取得する。ECU14はステップS31、ステップS32の処理を終えると、ステップS33の処理へ進む。ECU14はステップS33で、混合可能割合rを算出する。
ECU14はステップS33で、ステップS32で取得した軽油の残量と水の残量とから軽油残量に対する水残量を算出し、図12に適応させることにより、混合可能割合rを算出する。ECU14はステップS33の処理を終えると、ステップS34へ進む。ECU14はステップS34で、ステップS33で算出した混合可能割合rに基づいて、エンジン31の運転領域を決定する。ここで、エンジン31の運転領域は次式により算出される。次式では、ここで算出する運転領域を領域Cとしている。
領域C =領域A × r + 領域B × (1−r) (1)
領域C =領域A × r + 領域B × (1−r) (1)
この領域Cの算出は、トリップ毎に運転領域を判断する。領域Cは図12に示す領域Aと領域Bとの間でリニアに変化する。
ECU14はステップS34の処理を終えると、ステップS5へ進む。ところで、ステップS2において、ECU14はステップS2で、エマルション制御を実行中でないと判断すると、ステップS4へ進み、ステップS4の次にステップS5へ進む。
ECU14はステップS5で、ステップS34、またはステップS4で決定した領域でエンジン回転数Ne、エンジン負荷Trqを設定しステップS6へ進み処理を行う。ECU14はステップS6の処理を終えるとリターンとなる。
以上の処理により、本実施例のエンジン31は、エマルション燃料によるNOx低減の効果が低下する状態を予め検出することで、その状態に合わせてエンジンの運転領域を選択する。このように、本実施例のエンジン31は、NOx排出量を規定値以下とした状態で、燃費向上ができる運転領域で運転される。すなわち、燃費悪化を許容し、エミッション悪化の防止を最優先する。
上記実施例は本発明を実施するための例にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、これらの実施例を種々変形することは本発明の範囲内であり、さらに本発明の範囲内において、他の様々な実施例が可能であることは上記記載から自明である。
例えば、本実施例では、主燃料の軽油に混合する液体を水としているが、水に代えてエタノール等のアルコールを用いることもできる。また、本実施例では、ディーゼルエンジンについて説明したが、本発明のエンジンはガソリンエンジンであってもよい。すなわち、主燃料をガソリン、混合する液体を水またはエタノール等のアルコールを利用するエンジンとすることができる。
1、31 エンジン
2 燃料噴射弁
3 コモンレール
4 高圧ポンプ
5 第1タンク(軽油)
6 第2タンク(水)
7 ミキサ
14 ECU
32 燃料計
33 水面センサ
2 燃料噴射弁
3 コモンレール
4 高圧ポンプ
5 第1タンク(軽油)
6 第2タンク(水)
7 ミキサ
14 ECU
32 燃料計
33 水面センサ
Claims (3)
- 主燃料を貯留する第1タンクと、
前記主燃料と混合させる液体を貯留する第2タンクと、
前記主燃料と前記液体とを混合するミキサと、
前記主燃料または前記ミキサで混合した燃料を筒内へ供給する燃料供給手段と、
前記ミキサで混合した燃料を前記筒内へ供給する場合であって、排気ガスの温度が触媒活性化温度以上であると判断するとき、前記主燃料を前記筒内へ供給する場合と同等のNOx排出量となるようにエンジン作動領域を設定し、前記ミキサで混合した燃料を前記筒内へ供給する場合であって、排気ガスの温度が触媒活性化温度より低いと判断するとき、排気ガスの温度が触媒活性化温度となるようにエンジン作動領域を設定する制御手段と、
を備えたことを特徴とするエマルション燃料利用エンジン。 - 請求項1記載のエマルション燃料利用エンジンにおいて、
前記制御手段は、前記ミキサで混合した燃料を前記筒内へ供給する場合であって、排気ガスの温度が触媒活性化温度より低いと判断するとき、前記主燃料を前記筒内へ供給する場合と同等の排気ガス中のHC濃度となるようにエンジン作動領域を設定することを特徴としたエマルション燃料利用エンジン。 - 請求項1記載のエマルション燃料利用エンジンにおいて、
前記第1タンク内の前記主燃料の残量を計測する第1計測手段と、
前記第2タンク内の前記液体の残量を計測する第2計測手段と、
前記第1計測手段が計測する前記主燃料の残量と前記第2計測手段が計測する前記液体の残量とに基づいて、エマルション混合割合を算出する算出手段と、
を備えたことを特徴とするエマルション燃料利用エンジン。
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JP2009002082A JP2010159679A (ja) | 2009-01-07 | 2009-01-07 | エマルション燃料利用エンジン |
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JP2009002082A JP2010159679A (ja) | 2009-01-07 | 2009-01-07 | エマルション燃料利用エンジン |
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2009
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