JP4404034B2 - 水素利用内燃機関 - Google Patents

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Description

本発明は、炭化水素系の液体燃料と水素ガスとを燃料として使用可能な水素利用内燃機関に関する。
従来、ガソリン等の液体燃料とともに水素ガスを燃料として使用する内燃機関(水素利用内燃機関)が知られている。水素ガスは液体燃料に比較して燃焼性に優れている特性を有している。このため、低負荷時には、液体燃料に水素ガスを添加することで内燃機関のリーンバーン領域を拡大することができ、燃費の向上やNOx排出量の低減といった顕著な効果を得られるようになる。一方、高負荷時には、液体燃料に水素ガスを添加することでノッキングを抑制することができ、出力を向上させて車両の加速性能を維持することができる。
このような水素利用内燃機関の1つの例が、特許文献1に記載されている。特許文献1に記載の水素利用内燃機関は、液体燃料を噴射する噴射弁と水素タンクとを水素導管を介して接続し、1つの噴射弁から液体燃料と水素ガスとを同時に噴射できるようにしている。
特開2003−293809号公報 特開2004−100501号公報
ところで、水素ガスを内燃機関に供給する方法として、噴射弁の上流において液体燃料に水素ガスを混合し、水素ガスが溶解した液体燃料を噴射弁から噴射することが考えられる。これによれば、上記の従来の水素利用内燃機関のように2系統の燃料供給系、すなわち、水素ガスを噴射弁に供給する供給系と、液体燃料を噴射弁に供給する供給系を別々に設ける必要が無くなり、システム構成を簡素化することができる。
しかしながら、水素ガスの液体燃料への混合量が多すぎると、噴射弁からの噴射前に水素ガスが液体燃料から分離してしまう可能性がある。燃料噴射量は噴射弁の開弁時間によって調整されるが、水素ガスが液体燃料から分離した状態では開弁時間と燃料噴射量との関係に狂いが生じ、所望の燃料噴射量を実現できないおそれがある。また、分離した水素ガスによって燃料配管内の圧力は上昇するため、燃料配管には高い耐圧性が要求される。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、一度混合した水素ガスが液体燃料から分離しない範囲で、より多くの水素ガスを液体燃料に混合させることを可能にした、水素利用内燃機関を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、炭化水素系の液体燃料と水素ガスとを燃料として使用可能な水素利用内燃機関において、
液体燃料を噴射する燃料噴射装置と、
前記燃料噴射装置に供給される液体燃料に水素ガスの微細気泡を混合する水素混合手段と、
前記内燃機関の運転状態と、液体燃料の圧力及び/又は温度とに基づいて、前記水素混合手段により液体燃料に混合する水素ガスの量を決定する水素混合量決定手段と、
を備えることを特徴としている。
また、第2の発明は、上記の目的を達成するため、炭化水素系の液体燃料と水素ガスとを燃料として使用可能な水素利用内燃機関において、
液体燃料を噴射する燃料噴射装置と、
前記燃料噴射装置に供給される液体燃料に水素ガスの微細気泡を混合する水素混合手段と、
前記内燃機関の運転状態に基づいて、前記水素混合手段により液体燃料に混合する水素ガスの量を決定する水素混合量決定手段と、
前記水素混合量決定手段により決定された水素ガスの混合量に基づいて、前記燃料噴射装置に供給される液体燃料の圧力及び/又は温度を制御する制御手段と、
を備えることを特徴としている。
第3の発明は、第1又は第2の発明において、
液体水素化合物から水素ガスを生成する水素生成手段をさらに備え、
前記水素生成手段は、前記水素混合手段により液体燃料に混合される量の水素ガスのみを生成することを特徴としている。
水素ガスを微細気泡にして液体燃料に混合することで、水素ガスの液体燃料への溶解を促進することができる。また、飽和水素量を超える水素ガスを供給した場合であっても、ある程度の量であれば、液体燃料から分離することなく液体燃料中に均一に存在させることができる。水素ガスが液体燃料中に溶解できる量や、分離することなく微細気泡の状態で液体燃料中に存在できる量は、液体燃料の圧力や温度に依存する。
第1の発明によれば、内燃機関の運転状態に加え、液体燃料の圧力及び/又は温度も考慮して水素ガスの混合量が決定されるので、現在の液体燃料の圧力及び温度のもと、一度混合した水素ガスが液体燃料から分離しない範囲で、より多くの水素ガスを液体燃料に混合させることができる。
第2の発明によれば、水素ガスの混合量に基づいて液体燃料の圧力及び/又は温度が制御されるので、内燃機関の運転状態から決まる必要量の水素ガスを液体燃料に混合させた後、一度混合した水素ガスが液体燃料から分離することを防止できる。
また、第3の発明によれば、液体燃料に混合される量の水素ガスのみが液体水素化合物から生成されるので、水素を気体の状態で取り扱う範囲が少なくて済み、また、水素ガスを貯留する装置も不要になるので、システム構成を簡略化することができる。
実施の形態1.
以下、図1及び図2を参照して、本発明の実施の形態1について説明する。
図1は本発明の実施の形態1としての水素利用内燃機関(以下、単にエンジンという)のシステム構成を示す図である。本実施形態のエンジンは、複数の気筒(図1では1つの気筒のみを示している)からなるエンジン本体2を有している。エンジン本体2は、気筒毎にピストン8を有し、各気筒の内部にはピストン8の上下運動によって膨張と収縮を繰り返す燃焼室10が形成されている。エンジン本体2には、各気筒の燃焼室10に空気を供給するための吸気通路4と、燃焼室10から燃焼ガスを排出するための排気通路6が接続されている。排気通路6には燃焼ガスを浄化するための触媒(例えばNOx触媒)20が配置されている。
エンジン本体2において、吸気通路4と燃焼室10との接続部には、その連通状態を制御する吸気バルブ12が設けられ、排気通路6と燃焼室10との接続部には、その連通状態を制御する排気バルブ14が設けられている。また、燃焼室10には、その内部に燃料を直接噴射する筒内インジェクタ18と、その内部の混合ガスに点火する点火プラグ16が取り付けられている。
上記の筒内インジェクタ18は、燃料供給ライン36によって燃料タンク30に接続されている。燃料タンク30には炭化水素系の液体燃料であるガソリンが貯蔵されている。燃料タンク30内の液体燃料は、燃料供給ライン36に配置された燃料ポンプ(高圧ポンプ)32によって吸い上げられ、燃焼室10内の燃焼ガス圧よりも高い所定圧まで圧縮されてから筒内インジェクタ18へ供給される。燃料ポンプ32は、エンジン本体2によって駆動される機械式ポンプでもよく、モータによって駆動される電動式ポンプでもよい。燃料供給ライン36には、燃料供給ライン36内を流れる液体燃料の圧力に応じた信号を出力する燃料圧力センサ54と、燃料供給ライン36内を流れる液体燃料の温度に応じた信号を出力する燃料温度センサ56とが取り付けられている。
燃料供給ライン36における燃料ポンプ32の下流には、もう一方の燃料である水素ガスを液体燃料に混合するためのマイクロバブル発生装置52が配置されている。マイクロバブル発生装置52は、水素ガスを直径数十μm以下の微細気泡(マイクロバブルという)にして燃料供給ライン36中の液体燃料に混合する。マイクロバブル発生装置52により水素ガスをマイクロバブル化して液体燃料に混合することで、水素ガスを液体燃料中に均一に混合することができ、また、水素ガスの液体燃料への溶解を促進することができる。なお、マイクロバブル発生装置52によるマイクロバブルの発生方法は、液体燃料中で水素ガスをマイクロバブルにすることができるものであれば、その方法に限定はない。以下に列挙するマイクロバブルの発生方法は、本実施形態のマイクロバブル発生装置52において採り得る方法の一例である。
まず、マイクロバブルの発生方法の第1例は、液体燃料の激しい流れの中に水素ガスを吹き込むことで、そこに発生する強いせん断力により水素ガスを粉砕する方法である。
マイクロバブルの発生方法の第2例は、水素ガスを加圧してより多く液体燃料中に溶解させた状態から、液体燃料の流速を上げる等してキャビテーションを発生させる方法である。
そして、マイクロバブルの発生方法の第3例は、超音波を与えることで液体燃料中の水素ガスの気泡を加振して分裂させる方法である。
マイクロバブル発生装置52により液体燃料に混合される水素ガスは、水素生成装置50から水素ガス供給ライン46を介して供給される。水素生成装置50は、液体水素化合物から水素ガスを即座に生成することができる装置である。液体水素化合物としては、水、アルコール、ガソリン、軽油等が使用可能である。本実施形態では、液体水素化合物として水が用いられている。水素生成装置50による水素ガスの生成方法としては、以下に例示するような方法を採ることができる。
まず、水素生成方法の第1例は、燃料電池に逆起電力を印加することで水を電気分解する方法である。
水素生成方法の第2例は、液体水素化合物を低温プラズマで分解する方法である。具体的には、液体水素化合物に対し直流パルス放電を行うことにより、水素ガスを生成することができる。
水素生成方法の第3例は、高活性状態の金属によって水を還元する方法である。例えば、純水中でアルミニウムやアルミニウム合金を摩擦することで、金属に対する水の腐食反応を加速させて水分子を分解し、純粋な水素ガスを発生させることができる。また、水素化マグネシウムや水素化マグネシウム合金の粉末に水を供給することでも、純粋な水素ガスを発生させることができる。さらに、酸化鉄を還元して得られた金属鉄に水蒸気を反応させることでも、金属鉄の酸化に伴って純粋な水素ガスを発生させることができる。
上記の何れの方法によっても、必要に応じて即座に水等の液体水素化合物から水素ガスを生成することができる。特に、第3例の方法によれば、純粋な水素ガスのみを生成することができる。また、上記の何れの方法でも、比較的低温或いは常温で水素ガスを生成することができるので、マイクロバブル発生装置52による液体燃料への混合時に、より多くの水素ガスを液体燃料に溶解させることができるという利点もある。
水素生成装置50により水素ガスを生成することで、水素ガスを液体の状態で貯蔵することが可能になる。これにより、水素ガスを圧力タンク等で気体の状態で貯蔵する場合に比較して、その取り扱いが容易になるだけでなく、高い搭載効率を実現することが可能になる。本実施形態では、水素生成装置50において水素ガスの生成に用いられる水は、水タンク40から水供給ライン44を介して供給される。水供給ライン44には、水タンク40から水を吸い上げて水素生成装置50に供給するための水ポンプ42が配置されている。
本実施形態のエンジンは、その制御装置としてECU(Electronic Control Unit)60を備えている。ECU60の出力側には前述の点火プラグ16、筒内インジェクタ18、燃料ポンプ32、水ポンプ42、マイクロバブル発生装置52、水素生成装置50等の種々の機器が接続されている。ECU60の入力側には、前述の燃料圧力センサ54や燃料温度センサ56の他、エンジン本体2の運転状態に関する情報(アクセル開度、車速、エンジン回転数、空燃比、水温、ノック信号等)を取得する運転状態測定装置62等の種々のセンサ類が接続されている。ECU60は、各センサの出力に基づき、所定の制御プログラムにしたがって各機器を制御している。
上記のようなシステム構成により、本実施形態のエンジンによれば、液体燃料へ水素ガスを添加する必要が生じたときには、水素生成装置50により水から水素ガスを即座に生成し、生成した水素ガスをマイクロバブル化して液体燃料に混合することができる。図2のフローチャートに示すルーチンは、本実施形態においてECU60により実行される水素添加制御のルーチンである。以下、図2のフローチャートに沿って、本実施形態にかかる水素添加制御のより具体的な内容について説明する。なお、図2に示すルーチンは、所定のクランク角毎に周期的に実行されている。
図2に示すルーチンの最初のステップS100では、運転状態測定装置62によって測定されるエンジン本体2の運転状態に基づき、水素添加の実行条件が成立しているか否か判定される。水素添加の実行条件とは、例えば、エンジン本体2がノッキングが発生しうる運転領域で運転されていることとか、燃焼変動が発生しうる運転領域で運転されていること等である。水素添加の実行条件が成立している場合に、ステップS102乃至ステップS110の処理によって液体燃料への水素ガスの添加が行われる。
ステップS102では、燃料圧力センサ54の信号から液体燃料の圧力が測定され、燃料温度センサ56の信号から液体燃料の温度が測定される。液体燃料の圧力及び温度は、液体燃料中に溶解させることができる水素ガスの量、つまり、飽和水素量に関係する。液体燃料の圧力が高いほど、また、液体燃料の温度が低いほど飽和水素量は大きくなる。
次のステップS104では、予め記憶されているマップから、液体燃料の圧力及び温度とエンジン本体2の運転状態に応じた要求水素添加割合が求められる。水素添加割合は、例えば、液体燃料と水素ガスを合わせた燃料全体の総発熱量に対する水素ガスの発熱量の比として定義することができる。マップでは、液体燃料の圧力及び温度に応じて要求水素添加割合の上限値が定められている。
要求水素添加割合の上限値は、飽和水素量に対応する水素添加割合以下に設定するのが好ましい。これによれば、液体燃料中の水素ガスの量は飽和水素量以下に調整されるので、一度混合した水素ガスが液体燃料から分離することがない。液体燃料が長期間に亘って燃料供給ライン36に残るような場合でも、水素ガスの分離による不具合が生じることはなく、システムのロバスト性を高めることができる。
ただし、上記の上限値は、飽和水素量に対応する水素添加割合よりも若干大きい値に設定することもできる。水素ガスをマイクロバブル化することで、飽和水素量を超える水素ガスを添加した場合であっても、ある程度の量であれば、液体燃料から分離することなくマイクロバブルの状態で液体燃料中に均一に存在させることができるからである。
次のステップS106では、要求水素添加割合に応じた要求水素生成量(水素ガスの必要生成量)が求められる。具体的には、アクセル開度やエンジン回転数等からエンジン本体2の要求負荷が求められ、この要求負荷と要求水素添加割合とから、水素ガスが分担する負荷(水素負荷)が求められる。そして、水素ガスの単位量当たりの発熱量等に基づいて、水素負荷に応じた水素ガス量が要求水素生成量として算出される。
次のステップS108では、水ポンプ42の作動により要求水素生成量に応じた水が水タンク40から水素生成装置50に供給される。そして、水素生成装置50の作動により水素生成処理が実行されて要求水素生成量の水素ガスが生成される。生成された水素ガスが、水素生成装置50からマイクロバブル発生装置52へ供給される。
次のステップS110では、マイクロバブル発生装置52により水素ガスがマイクロバブル化され、このマイクロバブル化された水素ガスが液体燃料に混合される。水素ガスが混合された液体燃料は、マイクロバブル発生装置52から筒内インジェクタ18に供給され、筒内インジェクタ18から燃焼室10内に直接噴射される。
燃焼性に優れた水素ガスを含む燃料が噴射されることで、高負荷運転時のノッキングや低負荷運転時の燃焼変動は抑制される。ステップS100の判定で水素添加の実行条件が成立しなかったときには、水素生成装置50における水素生成処理が停止され(ステップS112)、続いて、マイクロバブル発生装置52によるマイクロバブル化処理も停止される(ステップS114)。
上記の水素添加制御ルーチンによれば、エンジン本体2の運転状態に加え、液体燃料の圧力及び温度も考慮して水素ガスの添加割合が決定されるので、現在の液体燃料の圧力及び温度のもと、一度混合した水素ガスが液体燃料から分離しない範囲で、より多くの水素ガスを液体燃料に混合させることができる。したがって、本実施形態のエンジンによれば、筒内インジェクタ18による正確な燃料噴射制御を犠牲にすることなく、水素ガスの添加による効果を最大限に享受することが可能になる。
また、上記のように、必要に応じて水から水素ガスを生成することで、水素ガスを取り扱いが難しく且つ搭載効率の劣る気体の状態で貯蔵する必要が無い。しかも、水素ガスは必要量のみ生成され、生成された必要量の水素ガスは全てマイクロバブル化されて液体燃料に混合されるので、水素ガスの生成量と供給量とのずれを調整するためのバッファタンクを設ける必要もない。したがって、本実施形態のエンジンによれば、システム構成を簡略化することができるという利点もある。
なお、本実施形態では、ECU60によりステップS102,S104及びS106の処理が実行されることにより、第1の発明にかかる「水素混合量決定手段」が実現されている。
実施の形態2.
以下、図3及び図4を参照して、本発明の実施の形態2について説明する。
図3は本発明の実施の形態2としての水素利用内燃機関(以下、単にエンジンという)のシステム構成を示す図である。本実施形態のエンジンは、実施の形態1のエンジンに備えられる燃料圧力センサ54及び燃料温度センサ56の代わりに、燃料供給ライン36内を流れる液体燃料の圧力及び温度を制御する圧力温度制御装置58を備えたことを特徴としている。その他の構成については、実施の形態1のエンジンと同じ構成を有している。図3中、実施の形態1と同一の要素については同一の符号を付している。
圧力温度制御装置58は、液体燃料を加圧する装置と冷却する装置とから構成されている。液体燃料の加圧装置としては、例えば、高圧ポンプを用いることができる。液体燃料の冷却装置としては、例えば、熱交換器を用いることができる。
圧力温度制御装置58は、ECU60によってその作動状態を制御されている。液体燃料中の水素ガスの飽和量(飽和水素量)は液体燃料の圧力及び温度に依存するので、圧力温度制御装置58によって液体燃料の圧力及び温度を制御することで、飽和水素量を間接的に制御することができる。飽和水素量を制御できれば、一度添加した水素ガスの液体燃料からの分離を防止して、より多くの水素ガスを液体燃料に添加することが可能になる。図4のフローチャートに示すルーチンは、本実施形態においてECU60により実行される水素添加制御のルーチンである。以下、図4のフローチャートに沿って、本実施形態にかかる水素添加制御のより具体的な内容について説明する。なお、図4に示すルーチンは、所定のクランク角毎に周期的に実行されている。
図4に示すルーチンの最初のステップS200では、運転状態測定装置62によって測定されるエンジン本体2の運転状態に基づき、水素添加の実行条件が成立しているか否か判定される。そして、水素添加の実行条件が成立している場合に、ステップS202乃至ステップS212の処理によって液体燃料への水素ガスの添加が行われる。
ステップS202では、予め記憶されているマップから、エンジン本体2の運転状態に応じた要求水素添加割合が求められる。次のステップS204では、要求水素添加割合に応じた要求水素生成量が求められる。
また、ステップS206では、予め記憶されているマップから、要求水素添加割合に応じた要求燃料圧力及び温度が求められる。マップでは、燃料温度が一定であれば、要求水素添加割合が大きいほど要求燃料圧力は高い圧力に設定されている。また、マップでは、燃料圧力が一定であれば、要求水素添加割合が大きいほど要求燃料温度は低い温度に設定されている。液体燃料の圧力が高いほど、また、液体燃料の温度が低いほど飽和水素量は大きくなるからである。
要求燃料圧力及び温度は、その圧力及び温度における飽和水素量が要求水素添加割合に対応する飽和水素量以上になるように設定するのが好ましい。これによれば、液体燃料中の水素ガスの量が飽和水素量を超えることはないので、一度混合した水素ガスが液体燃料から分離することを防止できる。
ただし、液体燃料中の水素ガスの量が飽和水素量を若干超えるように要求燃料圧力及び温度を設定することも可能である、水素ガスをマイクロバブル化することで、飽和水素量を超える水素ガスを添加した場合であっても、ある程度の量であれば、液体燃料から分離することなくマイクロバブルの状態で液体燃料中に均一に存在させることができるからである。
次のステップS208では、水ポンプ42及び水素生成装置50の作動により要求水素生成量に応じた水素生成処理が実行される。また、ステップS210では、圧力温度制御装置58の作動により、燃料供給ライン36内を流れる液体燃料の圧力及び温度が要求燃料圧力及び温度に制御される。
そして、次のステップS212では、水素生成装置50により生成された水素ガスがマイクロバブル発生装置52によってマイクロバブル化され、圧力温度制御装置58により圧力及び温度を制御された液体燃料に混合される(ステップS212)。水素ガスが混合された液体燃料は、マイクロバブル発生装置52から筒内インジェクタ18に供給され、筒内インジェクタ18から燃焼室10内に直接噴射される。
燃焼性に優れた水素ガスを含む燃料が噴射されることで、高負荷運転時のノッキングや低負荷運転時の燃焼変動は抑制される。ステップS200の判定で水素添加の実行条件が成立しなかったときには、水素生成装置50における水素生成処理が停止され(ステップS214)、続いて、マイクロバブル発生装置52によるマイクロバブル化処理も停止される(ステップS216)。また、圧力温度制御装置58による液体燃料の圧力及び温度の制御も停止される(ステップS218)。
上記の水素添加制御ルーチンによれば、水素ガスの添加割合に基づいて液体燃料の圧力及び温度が制御されるので、エンジン本体2の運転状態から決まる必要量の水素ガスを液体燃料に混合させた後、一度混合した水素ガスが液体燃料から分離することを防止できる。したがって、本実施形態のエンジンによれば、筒内インジェクタ18による正確な燃料噴射制御を犠牲にすることなく、水素ガスの添加による効果を最大限に享受することが可能になる。
なお、本実施形態では、ECU60によりステップS202及びS204の処理が実行されることにより、第2の発明にかかる「水素混合量決定手段」が実現されている。また、ECU60によりステップS206及びS210の処理が実行されることにより、第2の発明にかかる「制御手段」が実現されている。
その他.
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。例えば、次のように変形して実施してもよい。
実施の形態1では、液体燃料の圧力及び温度に応じて要求水素添加割合の上限値を定めているが、液体燃料の圧力或いは温度の何れか一方に応じて要求水素添加割合の上限値を定めるようにしてもよい。
実施の形態2では、液体燃料の圧力及び温度の双方を要求水素添加割合に応じて制御しているが、液体燃料の圧力或いは温度の何れか一方のみを要求水素添加割合に応じて制御するようにしてもよい。
また、図1や図3に示すエンジンでは、燃料噴射装置として、燃焼室10内に直接燃料を噴射する筒内インジェクタ18を備えているが、吸気ポートに燃料を噴射するポートインジェクタであってもよい。また、図1や図3に示すエンジンは、ガソリンを燃料とするガソリンエンジンとして構成されているが、本発明は軽油を燃料とするディーゼルエンジンにも適用することができる。
本発明の実施の形態1としての水素利用内燃機関のシステム構成を示す図である。 本発明の実施の形態1において実行される水素添加制御のルーチンについて示すフローチャートである。 本発明の実施の形態2としての水素利用内燃機関のシステム構成を示す図である。 本発明の実施の形態2において実行される水素添加制御のルーチンについて示すフローチャートである。
符号の説明
2 エンジン本体
4 吸気通路
6 排気通路
10 燃焼室
18 筒内インジェクタ
20 触媒
30 燃料タンク
32 燃料ポンプ
36 燃料供給ライン
40 水タンク
42 水ポンプ
44 水供給ライン
46 水素ガス供給ライン
50 水素生成装置
52 マイクロバブル発生装置
54 燃料圧力センサ
56 燃料温度センサ
58 圧力温度制御装置
60 ECU
62 運転状態測定装置

Claims (4)

  1. 炭化水素系の液体燃料と水素ガスとを燃料として使用可能な水素利用内燃機関において、
    液体燃料を噴射する燃料噴射装置と、
    液体燃料を加圧して前記燃料噴射装置に供給する燃料ポンプと、
    前記燃料ポンプの下流において前記燃料噴射装置に供給される液体燃料に水素ガスを微細気泡にして混合する水素混合手段と、
    前記内燃機関の運転状態と、前記燃料ポンプの下流における液体燃料の圧力及び/又は温度とに基づいて、前記水素混合手段により液体燃料に混合する水素ガスの量を決定する水素混合量決定手段と、
    を備えることを特徴とする水素利用内燃機関。
  2. 炭化水素系の液体燃料と水素ガスとを燃料として使用可能な水素利用内燃機関において、
    液体燃料を噴射する燃料噴射装置と、
    液体燃料を加圧して前記燃料噴射装置に供給する燃料ポンプと、
    前記燃料ポンプの下流において前記燃料噴射装置に供給される液体燃料に水素ガスを微細気泡にして混合する水素混合手段と、
    前記内燃機関の運転状態に基づいて、前記水素混合手段により液体燃料に混合する水素ガスの量を決定する水素混合量決定手段と、
    前記水素混合量決定手段により決定された水素ガスの混合量に基づいて、前記燃料ポンプから前記燃料噴射装置に供給される液体燃料の圧力及び/又は温度を制御する制御手段と、
    を備えることを特徴とする水素利用内燃機関。
  3. 液体水素化合物から水素ガスを生成する水素生成手段をさらに備え、
    前記水素生成手段は、前記水素混合手段により液体燃料に混合される量の水素ガスのみを生成することを特徴とする請求項1又は2記載の水素利用内燃機関。
  4. 前記内燃機関の運転状態に基づいて水素添加の実行条件の成否を判定する判定手段をさらに備え、
    前記水素混合手段は、前記の実行条件が成立する場合に液体燃料への水素ガスの混合を行い、前記の実行条件が成立しない場合には液体燃料への水素ガスの混合を停止することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の水素利用内燃機関。
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