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飲料水用ダブルパック包装袋および飲料水・抽出素材共充填型包装構造体
本発明は、セルフシール逆止機能つきフィルム状逆止ノズル(液体注出ノズル)を突設してなるフレキシブル包装袋内に水等の液体と共に抽出素材を封入したフィルターバッグを収納してなる飲料水用ダブルパック包装袋と、このダブルパック包装袋の本体内に飲料水(飲料)と共にフィルターバッグを介して抽出素材を液中シール充填してなる非自立型の飲料水・抽出素材共充填包装体を、自立型の外包装容器内に収容保持させてなる飲料水・抽出素材共充填型包装構造体に関するものである。
従来、茶やコーヒーなどの嗜好飲料は、急須やコーヒーポットにて、直接、淹れる場合の他、ティーバッグ等のフィルターバッグを使う場合がある。急須で茶を淹れる場合には、茶葉に湯が浸透していくうちに、味や香り、コクなどの茶成分が良好な状態で出されていく。また、この茶葉をティーバッグ内に封入してを注ぐか湯の中に浸漬する場合、味や香りの成分が十分に出されないとしても、これらはいずれもが、一回かぎりの使い捨てにするため、それなりにいつも新鮮な茶飲料の風味を楽しむことができる。
しかし、そのティーバッグを、例えば、ペットボトルの中に水や茶の抽出液と共に、長期に浸漬収納(漬け置き)した場合、一般には、緑茶等に含まれているタンニンや葉緑素が酸化し渋みを増したり変色が避けられず、たとえビタミンCを一緒に封入したとしても、やがてタンパク質が腐敗するに至る。これらは、茶抽出液や抽出素材(茶葉、粉茶、コーヒー顆粒)が時間の経過とともに、特に開封後に酸化することが主な原因である。少なくとも、このような現象を防ぐには、茶抽出液や抽出素材は酸化を受けない環境に置くことが必要である。
この点に関し、従来、特許文献1、2などには、液体調味料の分野において、外装容器内にだし素材入りのフィルターバッグを収容してなる液体パックが開示されている。この開示に係る技術は、だし素材入りフィルターバッグが外装容器内の液中に浸漬されているものの、開封するまでは液中溶存酸素を除き、基本的には嫌気性雰囲気に保持されていることから、風味の劣化が起こらないという特徴がある。しかし、この開示技術については、外装容器を開封したあとは、該外装容器内に、直ちに空気が侵入することから、出液の酸化が起こり、酸化異変や風味劣化、品質低下が急速に進行するという問題があり、これは時間の経過とともにさらに助長される傾向がある。
これに対し、従来、開封した後も包装袋内収納物の酸化を抑えることができる液体充填用フレキシブル包装袋についての提案がある。例えば、特許文献3、4には、セルフシール逆止機能つきの、プラスチックフィルムからなる液体注出ノズル、即ち、フィルム状逆止ノズルを備えるフレキシブル包装袋が開示されている。なお、これらの文献に開示のフレキシブル包装袋については、軟質積層フィルムによって形成された非自立型の包装袋であることから、これをそのままの形で単独で使用に供するには不便があるために、従来、特許文献5に記載の如き容器内に収納し固定する形態がとられている。
特開平2−128666号公報 特開平3−292871号公報 特開2005−15029号公報 特開2005−59958号公報 特開2004−196364号公報
ただし、特許文献3、4に開示されているフレキシブル包装袋は、醤油その他の液体調味料やサラダオイルのような液状物を、液中シール充填(「液中充填」ともいう:社団法人日本機械学会2005.6.10講演会No.05〜47)することにより、実質的に液状や粘稠状の被包装物だけを内包する液状物包装体として用いられるものである。そして、そのフレキシブル包装袋内に液状物を充填してなる膨満形態の包装体(以下、「液状物充填包装体」という)の特徴は、袋本体から液状の被包装物を注出する操作を何回繰り返したとしても、大気の流入(逆流)がない分、少なくとも袋本体内では、いつまでもその被包装物が全く大気に触れることがない状態に維持されるという点の構成にある。従って、このようなフレキシブル包装袋内に気密に封入されている液状の被包装物は、酸化等の化学変化を全く起すことないので、永く当初のままの新鮮な状態に維持できるという利点がある。
ただし、前記包装袋については、前記フィルム状逆止ノズルが、表裏2枚(表材フィルムと裏材フィルム)の軟質積層プラスチックフィルムの相互間での、毛細管作用による介在液体の拡散によってセルフシール逆止機能を発揮し、この場合、包装袋本体の側もまた、液中シール充填された液状被包装物による毛細管作用により、それの注出量に相当する体積相当部分のフィルムどうしが密着し、収縮ないしは潰れ変形した状態になる。その結果、包装袋本体内の液状被包装物は、上述した表裏のフィルムどうしの強い密着力によって、円滑な流出が時として、阻害される場合があり、一方では、円滑な流出を確保しようとすると、前述した逆止機能を阻害するという、相反する課題も抱えている。
特に、飲料水(水および抽出液)などの液体と共に、抽出素材を収容してなる飲料水用ダブルパック包装袋の場合、上述した理由により、多くの飲料水用容器がそうであるように、被包装物(飲料水抽出液)をノズルを開封(開口)して注出したときに、空気が代替流入(逆流)してくるが、上述の特許文献3、4に開示の包装体では、このような現象を阻止することができる点で、これまでの飲料水用液体包装容器に比べると、抽出飲料の品質の劣化が少ない。それでも、使い方が悪いと、時として上述したノズルの逆止機能が弱くなり、空気の侵入を抑えきれない虞れが生じる。従って、この種の包装袋(ノズルを含む)としては、より一層の逆止機能の向上が求められるところである。
また、特許文献5に示す従来の包装構造体ついては、被包装物を充填包装した非自立型のフレキシブル包装袋を紙製箱体内に収納したものであるが、この場合、該包装袋を箱体内に固定する必要があり、その箱体構造が複雑で、箱詰め作業の負担も大きく、自動化できないことから、製造工程が煩雑でコスト高になるという課題があった。
そこで、本発明は、従来技術が抱えている上述した課題を解決することを目的として、特に、水や抽出成分を含む水溶液(以下、抽出液という。)などの液体と、お茶類やコーヒーなどの抽出素材を封入したフィルターバッグとを、共充填してなるダブルパック包装袋において、抽出飲料の風味を劣化させることなく、充填初期の新鮮な状態を長期に亘って保持することのできる飲料水用ダブルパック包装袋を提案することにある。
また、本発明は、飲料水と抽出素材との共充填に適すると共に、逆止機能特性や充填物のうちの飲料水の注出特性(袋内飲料水を最後まで円滑に注出できるようにすると同時に、一方で過剰に流出することがないようにすること)にも優れるフィルム状逆止ノズルを備える飲料水用ダブルパック包装袋を提案することにある。
また、本発明の他の目的は、箱体等の外包装容器等に収納することなく、そのままで卓上等において使用形態になる自立性を有した飲料水用ダブルパック包装袋を提案することにある。
また、本発明の他の目的は、非自立型で定形性のないフレキシブル包装袋を主体とする飲料水用ダブルパック包装袋と、この包装袋を、そのままで卓上等において使用形態になるように保持することのできる飲料水・抽出素材共充填包装型構造体を提案することにある。
上記目的を実現するために鋭意研究した結果、発明者らは、下記の要旨構成を有する本発明に想到した。即ち、本発明は、軟質積層プラスチックからなる包装袋本体の一縁部に、重なり合う軟質積層プラスチックフィルムの相互間に形成される注出通路内に液状物が介在するときにフィルム相互の密着作用によって外気の袋内への侵入を阻止する逆止機能を生ずる平坦なフィルム状逆止ノズルを突設してなるフレキシブル包装袋と、そのフレキシブル包装袋内に液中シール充填される液体と共に気密下に収納される、茶類やコーヒー、果実などの抽出素材を封入してなるフィルターバッグと、からなることを特徴とする飲料水用ダブルパック包装袋を提案する。
本発明において、上記の飲料水用ダブルパック包装袋は、
(1)前記包装袋本体の非シール部内面および前記フィルム状逆止ノズルの注出通路内面のいずれか一方もしくは両方の積層フィルム内面は、濡れ処理層を有し、このフィルム状逆止ノズルの濡れ処理層は、開口予定位置を含むその近傍の内表面に施されていること、
(2)前記包装袋本体の非シール部内面および前記フィルム状逆止ノズルの注出通路内面のいずれか一方もしくは両方の積層フィルム内面は、濡れ処理層を有し、このフィルム状逆止ノズルの濡れ処理層は、開口予定位置を含むその近傍のみの内表面に施されていること、
(3)前記フレキシブル包装袋は、前記包装袋本体およびフィルム状逆止ノズルの、表裏をなすそれぞれの積層フィルムの非シール部分に、該包装袋本体から該フィルム状逆止ノズルの切裂き開口位置もしくはその近傍の位置までにかけて、直線状または曲線状の凹凸構造が付与されたものであること、
(4)前記濡れ処理は、コロナ放電処理、UVオゾン処理、樹脂コーティング処理面、金属蒸着処理、無電解めっき処理、金属低温溶射処理、プラズマエッチング処理および火炎処理のいずれか1以上の処理からなること、
(5)積層フィルムに付与された前記凹凸構造は、表裏の積層フィルムの一方もしくは両方に、エンボス加工、ブラスト加工、ローレット加工、しわ加工、縦・横縞加工を、面状、島状、ストライプ状に施して、一部模様もしくは全部模様として形成されたものであること、
(6)表裏で一対の前記積層フィルムの凹凸構造部分は、凹部・凸部が互いに嵌合し合って30〜100μmの略一定の隙間となるように設けられたものであること、
(7) 前記フィルム状逆止ノズルは、重なり合う2枚の薄い軟質積層プラスチックフィルムを、ノズル基端辺となる部分を除く周縁部分で相互に融着させて、中央部分に非融着の注出通路を区画して、包装袋本体の側部に、これの基端部を融着接合させたものであって、包装袋本体を傾動させて被包装物を注出した際に、該被包装物が通過することによって、前記注出通路内が濡れた状態となる軟質積層プラスチックの内表面どうしが、該注出通路内表面に被包装物が介在することによる相互の密着作用によって、外気の侵入を阻止する逆止機能を発揮するものであること、
(8)前記フィルム状逆止ノズルは、これの基端部シール部のノズル入口部分に、注出通路の上部もしくは下部の一部を塞ぐ堰止め部が設けられていること、
(9)前記フィルム状逆止ノズルの基端部は、対面するシーラント層低温融着によって、注出通路内表面が仮封止されていること、
(10)前記液体は、水または抽出素材の成分を含む水溶液であり、この常温水もしくは熱水を前記フレキシブル包装袋内に液中シール充填したものであること、
(11)前記フィルターバッグは、透水性を有すると同時に封入する葉状、顆粒状、粉状の注出素材を内部に留保しても外部への溶出が阻止されるフィルター機能を有する紙、布、合成樹脂の織布や不織布、微細孔を有する金属フォイルによって構成されていること、
(12)前記フィルターバッグは、フレキシブル包装袋内の底部、側部に固定されていること、
(13)前記フレキシブル包装袋の包装袋本体下端に、自立用底部を設けてなること、
(14)前記フレキシブル包装袋は、前記自立用底部を除いた3方シール自立袋であり、立ち姿が上部は扁平で、下部が筒状であること、
(15)前記フレキシブル包装袋は、船底形底部の両角部がそれぞれ面取りされているとともに、その面取り部の曲率半径Rが、8mm以上の大きさで、かつ底部が下向き凸のゆるい湾曲状を呈すること、
がより好ましい解決手段を提供することとなると考えられる。
また、本発明は、軟質積層フィルムからなる包装袋本体の一縁部に、重なり合う軟質積層フィルムの相互間の微小隙間に液状物が介在するときに逆止機能を生ずる平坦なフィルム状逆止ノズルを突設してなる非自立型フレキシブル包装袋と、抽出素材封入用フィルターバッグとからなる飲料水用ダブルパック包装袋内に液体を、気密下に液中シール充填してなる非自立型飲料水・抽出素材共充填包装体と、その非自立型飲料水・抽出素材共充填包装体を収納するための軟質積層フィルムからなる筒状の容器であって、それのいずれかの一側縁部に、上記ノズルを露出可能に収納すると共にこれを引き出すためのノズル引き出し用引裂き誘導疵を設けて開封可能とした張り出し部を突設してなり、かつ、底部を設けて自立可能にした自立型外包装容器と、からなることを特徴とする飲料水・抽出素材共充填型包装構造体を提案する。
この飲料水・注出素材共充填型包装構造体は、
(1)上記飲料水用ダブルパック包装袋は、前記(1)〜(12)のいずれか1に記載のものからなるものであること、
(2)前記非自立型飲料水・抽出素材共充填包装体は、それの上端部横シール部が、前記自立型外包装容器内上端部に融着されて、該外包装容器内に懸吊された状態にて収容保持されていること、
(3)前記自立型外包装容器は、船底形の底部を有し、頂部は非自立型液状物充填包装体を交換するために開閉可能にしたチャック構造を有する自立型フレキシブル包装袋であること、
(4)前記非自立型飲料水・抽出素材共充填包装体は、船底形の底部を有し、頂部は非自立型液状物充填包装体を交換するために開閉可能にした可撓性硬質のプラスチック製、紙製もしくは金属製のディスペンサー機能をもつ包装体にて構成されていること、
が、より好ましい解決手段を提供することになると考えられる。
本発明によれば、緑茶や紅茶、中国茶、ハーブティー、こぶ茶等あるいはコーヒーの抽出飲料の風味、すなわち、味、香り、旨み等が、それらの抽出素材と共に、永く密閉された気密容器(包装体)内に共充填されたとしても、そしてその飲料を繰返し、該気密容器から注ぎ出された後(外気の侵入のおそれがある状態)であっても、抽出飲料の当初の風味を損なうことのない飲料水用ダブルパック包装袋を得ることができる。
本発明によれば、茶類やコーヒーなどをそれらの抽出素材とともに収納する包装袋として、セルフシール逆止機能をもつフィルム状逆止ノズルを備える新規なフレキシブル包装袋を用いることにより、液中シール充填されたこれらの被包装物(基本的に、水もしくは抽出液および抽出素材を封入したフィルターバッグ)の酸化等の品質、風味劣化の要因を確実にしかも永く防ぐことができると共に、袋本体ならびにフィルム状逆止ノズルを構成している積層フィルムの少なくとも一部を凹凸構造フィルムとすることで、再注出時などに、いつでも円滑な注ぎ出しを最後まで可能にすることができる。
また、本発明によれば、包装袋本体ならびにフィルム状逆止ノズル部に上記の凹凸構造を付与することなどによって注ぎ出しが円滑で、いつでも適当な量を注出できるようになる一方で、注出通路内面の、開口予定位置を含むその近傍部分、あるいは開口予定位置を含むその近傍のみに濡れ処理を施すことによって、フィルム状逆止ノズルを所定の位置で切り裂いて開口(包装袋の開封)した後も、ノズルおよび包装袋本体ともに空気等の袋内への逆流(被包装物の注出に伴うその代わりに流入する空気)を招くことなく、この逆流入を確実に防ぐことができ、袋内残留被包装物(水および抽出液、抽出素材)を永く当初の新鮮な状態のままに保持することができる。
また、本発明によれば、ノズル基端部内面を低温融着処理による仮封止構造を採用することにより、ハンドリング時などで逆止機能特性が阻害されることがないフィルム状逆止ノズルつき飲料水用ダブルパック包装袋を提供することができる。また、フィルム状逆止ノズルの好ましくは切り裂き開口部とその近傍を除くフィルム基端部側に凹凸構造を付与したことにより、全体として注出特性に優れた包装袋を提供することができる。
また、本発明では、包装袋本体下端に自立用底部を設けることにより、別体の外包装容器等に収納・固定する必要がなく、そのまま自立して単独で使用形態に供することができるようになる。また、包装袋本体を自立用底部を除いた3方シール袋から構成したことにより、袋内に液状被包装物を液中シール充填等した後も、その立ち姿が上部についてはフラットな扁平形状を維持することができるため、フィルム状逆止ノズルの逆止機能を有効に発揮することができる。
また、本発明によれば、非自立型飲料水用ダブルパック包装袋中に、液体(水または抽出液)と抽出素材入りフィルターバッグとを液中シール充填してなる非自立型の飲料水・抽出素材共充填包装体を、ハードパッケージに入れることなく、自立型の軟質積層フィルムもしくは紙製からなる自立型の可撓性包装袋(スタンディングポウチ:外袋)や硬質プラスチック、硬質紙、金属等の硬質材料であってディスペンサー機能(可撓性を有し胴部を加圧して弾性変形させることができる機能)を有する外包装容器中に、好ましくは使用済みの空袋を取り出して新品と交換可能に収納できるようにすることで、そのままで卓上等において使用形態になるようにすることができると共に、茶、コーヒー等の飲料の吐出を安定させることができる。
さらに、本発明によれば、飲料水用ダブルパック包装袋本体内に収納する抽出素材の封入用フィルターバッグを、該ダブルパック包装袋内の下部、側部に固定することで、該包装袋内での逆止作用を安定させることができ、かつ抽出飲料水の安定した注出を行わせることができる。
この発明に係る飲料水用ダブルパック包装袋の一部を切欠いてフィルターバッグの収納状態を明らかにする実施形態の正面図である。 フィルム状逆止ノズルの開口予定位置の拡大断面図である。 フィルム状逆止ノズルの正面図である。 飲料・抽出素材共充填包装体の一部切欠き斜視図である。 外包装容器内に飲料・抽出素材共充填包装体を収容保持してなる包装構造体の正面図である。 この発明に係る自立型の飲料水用ダブルパック包装袋の一実施形態を示す正面図である。
本発明の飲料水用ダブルパック包装袋は、外側の大袋(包装袋本体)と、この大袋内に水や温水などと共に収納される抽出素材を封入した透水性小袋(フィルターバッグ)との組み合わせからなるダブルパック(2重袋)構造にて構成されている。その大袋は、2層もしくは3層の軟質の積層フィルムからなるフレキシブル包装袋本体に対し、好ましくは、袋本体よりも軟質でより薄くかつ平坦度の高い軟質積層プラスチックフィルム2枚(表裏一対)を重ね合わせて対面させ、かつフラットに重なり合うそれらのフィルム相互間に形成される注出通路内が、液状物が介在することで、毛細管作用によって外気の侵入を阻止する逆止機能を発揮するようになっているフィルム状逆止ノズル(特開2005−59958号開示のような液体注出ノズル)を、それぞれの側部や斜め上方向、あるいは頂部に突出させた状態でヒートシールして取付けたもの、またはこの包装袋本体と一体に形成したものからなる。
前記ダブルパック包装袋において特徴的な構成である前記フィルム状逆止ノズルは、例えば、フレキシブル包装袋本体の側部上部の内表面(シーラント層)に、ノズルを構成している軟質積層プラスチックフィルムの最外層を形成するシーラント層を対面させた状態で、ノズル基端部分のシーラント層どうしを融着接合し、このノズルに設けられる注出通路と包装袋本体内とが連通するようにしてなるものである。
例えば、前記フィルム状逆止ノズルは、好ましくは、熱可塑性の、一軸もしくは二軸延伸ベースフィルム層と、それを挟む表裏(内、外)の両面にシーラント層を積層してなる軟質積層プラスチックフィルムを、2枚を表裏一対としてシーラント層どうしを対向させた3層構造のもの、または、一枚の軟質積層プラスチックフィルムを半幅に折返して表裏一対とした3層積層フィルムの、互いに対向するシーラント層どうしを、基端辺を除く周縁部分について相互に融着させて、全体として略楔形をなし、中央部が融着していない注出通路が形造られるように形成したものが用いられる。但し、ベースフィルムどうしをインパルスシールする2層構造のものであってもよい。
このフィルム状逆止ノズルは、フレキシブル包装袋の大きさにもよるが、一般的には、包装袋本体が横100〜150cm、縦150〜200cmの場合、該包装袋本体からの突出長さXを30〜80mm程度、先端部のノズル幅Yを20〜40mm程度の大きさにすることが代表的なものである。
そして、フレキシブル包装袋は、充填する水や温水(抽出液を含む)および収納するフィルタバッグ(以下、これら両方を含めて「被包装物」ともいう)の重量や自立性の有無によっても異なるが、非自立型の場合、包装袋本体は、一般にNY15/PE60の厚い腰のある2層積層フィルムを用いて構成し、一方、前記フィルム状逆止ノズルは、被包装物の負荷を受けないので、例えば、PE20/NY15/PE20の組み合わせからなる薄い3層軟質積層フィルムにすることが好ましく、薄ければ薄いほど逆止機能に優れるので好ましく、腰の弱いフィルムを用いる方が該逆止機能が良好になる。なお、フィルム状逆止ノズルの、重なり合う表裏一対の軟質積層プラスチックフィルムは、フラット性(平坦度)の高いものの方が高い逆止効果が得られ、表裏2枚の軟質積層プラスチックフィルムの重合時の隙間は、10〜300μm程度となるようにすることが好ましい。但し、このフラット性というのは、後述する表面粗度を示す凹凸構造とは区別されるものであって、フィルム全体にわたる大きなうねりやしわがない形態のことであり、いわゆる凹凸構造はそのフラットフィルムの中に小さい単位で形成されるものである。
このようなフィルム状逆止ノズルは、重なり合う(表裏で対面する)2枚で一対の軟質積層プラスチックフィルムどうしのうち、これらの内・外表面(表材・裏材)に用いられるシーラント材料としては、例えばポリエチレン、ポリプロポピレン、アイオノマー、EVA、あるいはEVOHなどの5〜80μmの熱可塑性樹脂フィルムであって、包装袋本体内面のヒートシール材料、例えば、ポリエチレンやポリプロピレンに代表されるシーラント層とヒートシールが可能なフィルムが用いられる。そして、これらのシーラント材料(フィルム)どうしを、所要の形状(楔形)となるようにその内側端縁部分を残して、その周縁部を、たとえば、ヒートシール、高周波シールまたは、インパルスシール等によって、融着させることにより、製造することができる。
なお、このフィルム状逆止ノズルのシーラント材料に挟まれたベースフィルム(支持基材)としては、ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレン、EVOHなどの一般に液体包装用フィルムに用いられる二軸延伸フィルムや一軸延伸フィルムが用いられる。好ましくは、直進カット性に優れる一軸延伸フィルムを用いる。また、これらのフィルムには、長期に亘る逆止作用を確保するためにガスバリアー性を向上させるべく、ガラスやアルミナ、シリカなどによる蒸着加工やコーティング加工を施した高ガスバリアー性フィルム(水蒸気透過性の低いもの)の使用は、水蒸気の蒸発により液体濃度が上昇することによる粘着効果が向上し、当該ノズルのブロッキングを防止できるので望ましい。その厚さはフィルム弁の柔軟性を保つため、例えば5μm以上30μm以下が望ましい。
このようにして製造される、代表的には3層(シーラント層[表材]−ベースフィルム層−シーラント層[裏材])構造の軟質積層プラスチックフィルム(ただし、ベースフィルムとシーラント層との2層構造でもよい)よりなるフィルム状逆止ノズルは、下記に示す方法によって、それの基端部分の外表面であるシーラント層を、内表面側どうしのシーラント層の融着を招くことなく軟質積層フィルム(主として2層)からなる包装袋本体の一側部に設けた開口部の内表面のシーラント層(同種フィルムからなるシーラント層)に、ヒートシールによって融着して、該包装袋本体から突出した状態に取付けられる。これにより、包装袋本体に対し、その側部の上部や頂部等から外方へ突設したフィルム状逆止ノズルを備えるフレキシブル包装袋が得られる。
なお、本発明に係るフレキシブル包装袋では、包装袋本体は、それの外表面に位置するベースフィルム層および、内・外表面に位置するシーラント層のそれぞれを、フィルム状逆止ノズルのそれと同種のベースフィルム層およびシーラント層とすることができる。ただし、フィルム状逆止ノズルと包装袋本体とが別体に形成される場合には、それらの間にノズル用フィルムとは異なり中間層を介装させてもよい。また、好ましくは、積層フィルムからなる包装袋本体の内表面を形成するシーラント層は、該ノズルの最外層のシーラント層と同種の樹脂材料により構成し、これによれば、該ノズル、包装袋本体の融着接合強度を十分に高めることができる。
そして、非自立型のフレキシブル包装袋の場合、包装袋本体としては、2層または3層構造の積層フィルムによって構成することが好ましく、この積層フィルムのうちの一軸もしくは二軸延伸ベースフィルム層を、厚みが8〜30μmのポリエチレンテレフタレートフィルム層(PET層)やナイロン樹脂フィルム層(NY層)、エチレンビニルアルコール(EVOH)などにて構成することが好ましい。また、この包装袋本体に用いる積層フィルムのシーラント層は、10〜60μmの厚みの無延伸のPE層またはPP層、EVA層、アイオノマー層、EVOH層などにより構成してもよい。
ところで、上記ベースフィルム層の厚みを8μm未満としたときは、水蒸気不透過性、ガスバリア性等が不足するおそれがあり、一方、30μmを越える厚みとしたときは、積層フィルムの曲げ強さが大きくなりすぎて、被包装物の注出の停止後の、ノズル内表面の密着性が損われるおそれがある。また、シーラント層については、それが10μm未満の厚さでは、十分なシール強度を確保できないおそれがあり、60μmを越えると、積層フィルムの曲げ強さが大きくなりすぎるおそれがある。この厚みが合計で補償される限り、このそれぞれのシーラント層を2層以上のフィルムで構成することも可能である。
また、包装袋本体に用いる積層フィルムとしては、それが非自立型あるいは後述する自立型のいずれであっても、一定量の液体および前記抽出素材入りフィルターバッグを収納する必要があることから、腰の強いものが求められる。本発明においては、積層フィルムの単位幅(15mm)当りの曲げ強さ、いいかえれば腰度は、特開2005−59958号公報の図10に開示されているような、腰度測定装置(ミニベア(株)ロードセル UL−100GR)を用いて測定した値が40〜300mNとなる程度にすることが好ましい。腰度が40mN未満では、包装袋からの被包装物の注出に当っての、それの注出方向等の安定性が劣る他、包装袋本体の腰弱感が否めず、包装袋それ自体の強度不足が顕在化するおそれがある。一方、300mNを越えると、積層フィルムの積層構造のいかんにかかわず、フィルム状逆止ノズルを含めた全体の逆止機能が低下するおそれがある。
ところで、このフィルム状逆止ノズル、例えば、楔形のフィルム状逆止ノズルでは、その基端部外表面を、包装袋本体の側部上部の内表面に融着接合するに当っての、該フィルム状逆止ノズル内表面のシーラント層どうしの相互融着を防止するためには、注出通路の内側に、より高融点のまたは熱溶融しない離型シートを差し込むか、ノズルの内外表面のそれぞれのシーラント層の融着温度を、たとえば、材質の変更、あるいは押出しラミネート条件の変更等によって相互に異ならせて、ノズル内表面のシーラント層の融着温度を、ノズル外表面のシーラント層より高くすること等が好ましい。
例えば、内面側[裏材]シーラントフィルムとしては、ポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂であって、望ましくは、外面側[表材]の融点よりも20℃程度高い融点をもつものを用い、[表材]には、包装袋本体のシーラント層のヒートシール温度よりも高い温度でヒートシール可能なフィルムを用いることが望ましい。これらはフィルム状逆止ノズルと袋本体とをヒートシールによって融着接合する際に、フィルム状逆止ノズルの内側面のシーラントフィルムどうしがヒートシールされることを防止するために必要である。
なお、フィルム状逆止ノズルと包装袋本体との関係は、前述のような関係にあるが、フィルム状逆止ノズルの厚みは、包装袋本体に用いる積層フィルムの厚さに比べてほぼ同様かむしろ薄い積層フィルムを用いることが望ましい。ただし、例外的にその逆の関係のものでも適用は可能である。
例えば、
(a)フィルム状逆止ノズル:PE10/PET9/PE10=20μm厚で、包装袋本体:PET12/PE40=52μm厚
(b)フィルム状逆止ノズル:PE15/PET12/PE15=42μm厚で、包装袋本体:PET12/PE30=42μm厚
(c)フィルム状逆止ノズル:PE50/PET25/PE50=125μm厚で、包装袋本体:NY15/PE30=45μm厚
などでのラミネートフィルム、押出しフィルムの適用が考えられる。
なお、積層フィルムは、それが2層または3層構造のいずれからなる場合においても、それぞれのシーラント層を、ベースフィルム層に対する溶融押出しラミネート法またはドライラミネート法、エクストルージョンラミネート法、コエクストルージョンラミネート法などによって積層することができる。
ここで、包装袋本体内に、被包装のうち、水または抽出液からなる液状物を充填するには、前記フィルム状逆止ノズルの、包装袋本体への接合(ヒートシール)工程と同時に、または、その接合工程の後に行うことが好ましい。このような液状物の充填包装のためには、たとえば、液中シール方法により充填を行うこと(空気や窒素ガス等が混入しないように充填液の上からフィルムのヒートシールを行うこと)、または、被包装物を充填した後に袋内の抜気を行うこと等によって、包装袋本体内からガスを完全に排除した充填を行う。その理由は、フィルム状逆止ノズルの前記逆止作用を起させる上で、袋内被包装物を大気シールした状態下の充填を行って密封する必要があるためである。また、このことは、液状被包装物の酸化を防止する上でも必要なことである。
なお、本発明のダブルパック包装袋では、包装袋本体内に、被包装物を液中シール充填する前に、船底形の自立用底部をヒートシール等によって、包装袋本体の下端部分に融着形成し、スタンディングパウチとなる、自立型のダブルパック包装袋としてもよい。この場合、包装袋本体を構成するフィルムとしては、自立性を付与させるため、前記の非自立型のフレキシブル包装袋よりも厚いフィルムを用いることが必要であり、ベースフィルムとしては、厚みが50〜250μm、好ましくは、80〜180μmのポリエチレンテレフタレートフィルム、ナイロン樹脂フィルム、ポリプロピレンまたはポリエチレンなどにより構成することが好ましく、一方、シーラント層としては、厚みが10〜60μm、好ましくは10〜30μmのポリエチレンまたはポリプロピレンなどにより構成することが好ましい。
これは、ベースフィルム層の厚みが50μm未満とすると、水蒸気不透過性やガスバリア性等が不足するおそれがあり、一方、250μmを超えると、積層フィルムの曲げ強さが大きくなりすぎてしまい、液状の被包装物の注出停止後の、逆止機能ノズルの内表面同士の密着性が損なわれるおそれがあるからである。
これにより、本発明のダブルパック包装袋は、自立性が付与され、外包装容器等に収納、固定する必要がなく、卓上等においてそのまま使用形態に供することができる。この場合、包装袋本体は、自立用底部を除いた3方シール自立袋からなることが好ましく、その理由は、包装袋本体部分の左右側縁に縦シールを施すことで、包装袋本体内に液状の被包装物を液中シール充填等によってガスレス充填した後も、その立ち姿を、上部についてはフラットな扁平形状に維持させることができ、即ち、包装袋本体の主に側部上部に設けられたフィルム状逆止ノズルを構成する表裏2枚のプラスチックフィルムのフラット性(平坦度)が高くなり、このことが、前記フィルム状逆止ノズルの逆止機能を保証し、液状の被包装物を注出した後の逆止機能を確実に維持させる上で有効に作用するからである。
次に、包装袋本体内に液体と共に共充填される被包装物のうちの、上記フィルターバッグについては、好ましくは該包装袋本体の縦シール時にヒートシールして予め所定の位置(包装袋本体の好ましくは底部)に固定し(フリーの状態に収納することも可)、次いで、上述した液体の液中シール充填を行うようにすることが好ましい。
即ち、本発明に係るダブルパック包装袋とは、フレキシブル包装袋の包装袋本体内に、液体と共に抽出素材である、緑茶や麦茶、中国茶、紅茶、健康茶、ハーブティー、こぶ茶などの茶類の茶葉や粉茶、顆粒状や粉状のコーヒー、果汁粉を共充填するために、前記フィルターバッグを共に収納したものである。このフィルターバッグは、共充填する液体に茶およびコーヒーの成分がよく抽出されて拡散していくように、濾水性、注出性に優れ、粉洩れしにくい細かい網目状の袋を用いる。例えば、紙製の不織布とポリエステルメッシュ等の積層したもの(山中産業製 ティーロード:登録商標)などであって、各種袋状、箱状等その形状は問わない。例えば、通常の袋状のものの他、ボックス形、テトラパック状のものであってもよい。
なお、本発明において、以下の説明では、ダブルパック包装袋内に、やがて出飲料となる液体出素材を封入したフィルターバッグを共に充填してなる包装体を、飲料水・抽出素材共充填包装体と言う。
このフィルターバッグの材質は、包装袋本体の好ましくは底部にヒートシール、インパルスシールなどして固定できるようにするために、天然繊維の織布に両面にメッシュ状ポリオレフィン系繊維などの合成繊維シートをラミネートしたもの、あるいは合成繊維のシートなど、いわゆる茶成分やコーヒー成分の抽出性の良好なものが用いられる他、フィルター機能を有する微細多孔状金属箔などの使用も可能である。例えば、乾燥状態では60号下と云われる極めて細かなコーヒー粉末さえも通過させ難く、一方で湿潤状態ではそのコーヒー粉末や茶粉末を流出させ得る繊維隙間(目開き)を備えるように構成されたものなどが好適である。
このフィルターバッグは、内部に抽出素材として茶類、コーヒー類を封入して周囲をヒートシール、超音波シールもしくはインパルスシールしたものが用いられ、厚みが120〜160μm、通気度が36.0〜50cc/cm・sec程度のものが好適に用いられる。
ところで、フレキシブル包装袋内に充填(液体)、収納(フィルターバッグ)した被包装物(液体+フィルターバッグ)のうちの抽出された飲料の注ぎ出しは、前記フィルム状逆止ノズルの先端部寄りに形成される引き裂き誘導疵やノッチの付加によって特定される開口予定部分を切り取り、ノズルを開封することによって行う。そして、ノズルの開封後は、飲料水・抽出素材共充填包装体を、ノズル開口部(注ぎ口)が下方に向く姿勢となるように傾動させることによって生ずる被包装物、とくに抽出液(飲料)の押し出し圧力によって容易に達成される。この場合、軟質の積層積層プラスチックフィルムからなるフィルム状逆止ノズルは、被包装物(液体)の水頭圧の作用や手指による該充填包装体の胴部を加圧することによって、表・裏の積層プラスチックフィルムがそれぞれ離隔して膨らみ、このとき始めて注出通路を形造ると同時に、ノズル開口部をも開放し、該抽出飲料の注出が果される。
なお、フィルム状逆止ノズルのノズル開口部(注ぎ口)を通じて、被包装物の一つである抽出飲料を注出するときは、積層フィルムからなる包装袋本体は、抽出飲料の注出にもかかわらず、該フィルム状逆止ノズルのもつ逆止機能のために、外気の吸い込み(逆流)が全くないので、包装袋本体の方はその注出体積分に相当する量だけ順次に収縮ないしは潰れ変形することになる。
このように、フィルム状逆止ノズルを突設してなる包装袋本体で構成されるフレキシブル包装袋内に、飲料水や抽出素材を共充填してなる状態の飲料水・抽出素材共充填包装体は、上述したとおり、これを傾動させることによって、所要量の飲料水のみを該包装袋内から注出することができるが、この包装体を元の起立姿勢に復帰させると、ノズル開口部からの該飲料水の流出が停止する。この流出の停止により、該フィルム状逆止ノズルの注出通路内は、毛細管作用により、液状の該飲料水が常に残留(滞留)して濡れた状態になる。そのために、その停止と同時に、該フィルム状逆止ノズルの注出通路(積層プラスチックフィルムの内表面)は、毛細管作用により、その全体にわたって強く密着した状態となって、ノズル開口を密閉したままとなり、外気の包装袋本体内への侵入を確実に阻止することになる。従って、このようなフィルム状逆止ノズルを備える包装袋では、袋内に充填されている被包装物は、それの注出前はもちろん、注出中および注出後においても、外気との接触から一切遮断されて保護された嫌気性雰囲気の状態になり、袋内飲料の酸化、汚染等が有効に防止されることになる。
ところで、かかるフィルム構成を有する包装袋本体に対し、上述したフィルム状逆止ノズルを突設してなる本発明の上記ダブルパック包装袋としては、繰り返し注出を行う場合に対応し、とくに再注出の場合であっても、最初の場合と同じように、円滑で、制御された所定量の注ぎ出しができるようにしたものが望ましい。
そのため、本発明では、図1に示すように、包装袋本体および前記フィルム状逆止ノズル(注出通路)として、少なくとも一方の内面が凹凸構造となるように、即ち、表・裏の積層フィルムに対し、それぞれのシール(横シール、縦シール、ノズルと本体との接合シール、およびノズルの周縁部シール)部分を除く部分が、エンボス加工やブラスト加工、ローレット加工、しわ加工、縦・横縞加工等のいずれかが施された凹凸構造14を有するものを使用する。シール部分を除く理由は、シール部分に凹凸があるとシール不良を起こすからである。
主に、包装袋本体2に、このような凹凸構造14を形成する理由は、フィルム状逆止ノズルの作用により、飲料水を注出した後は、該フィルム状逆止ノズルの逆止作用のみならず、包装袋本体内もまた、外気の侵入(逆流)が阻止され、液体の介在下で、これらの積層フィルム間には毛細管作用が働いて強く密着した状態(逆止作用)となる。とくに、該包装袋本体内は、注出した液体(飲料水)の相当量に当たる体積分だけ、フィルムの収縮ないしは袋本体の潰れ変形が発生して強く融着した状態になる。
その結果、充填した飲料水を、該フィルム状逆止ノズルを通じて再度、注ぎ出そうとするとき、該包装袋本体内に十分な液量(液高さ)があるとき(水頭圧が大きいとき)は、スムースな注ぎ出しがある程度補償されるが、袋内液量が少なくなると、水頭圧が小さくなって、注ぎ出し圧力が前記積層フィルムどうしの、毛細管作用による密着力に負けて、円滑な注ぎ出しや液戻りが阻害されるようになる。
とくに、袋内液量が少なくなると、該包装袋本体にしわが生じてこれが堰止め作用を起し、液の流れが淀み、かつ液の流路が断たれて円滑な注ぎ出しが困難になるばかりか、この場合においてもし、袋胴部の加圧力を増大させれば、意図しない過大な量が吐出するおそれもあり、安定した注出を確保することができなくなる。
このような弊害を除くために、本発明では、包装袋本体の、少なくとも前記フィルム状逆止ノズル近傍における縦・横の範囲の毛細管作用に基づく積層フィルムの密着力を少し緩和し、液流の停滞、淀み、詰りを防止して、流路を確保するようにした。つまり、フィルム状逆止ノズルの注出通路内および包装袋本体に生じている毛細管作用による密着力を、フィルム状逆止ノズルの逆止作用を低下させることなく緩和するために、本発明では、重ね合わせるその積層フィルムに、図1に示すようなエンボス加工やブラスト加工、好ましくは直線状、曲線状のストライプ模様からなる凹凸構造14を付与し、特に包装袋本体部分において前記毛細管作用が弱くなるようにするのである。
積層フィルムに加える前記凹凸構造14は、包装袋本体の表裏となる積層フィルム相互間の隙間(縦シール、横シール、ノズルと本体との接合シール部分を除く)、即ち、液層の厚みが、通常2〜5μm程度で上述した毛細管作用に基づく密着力を発生させているが、この積層フィルムの一方もしくは双方を、例えばエンボス加工して、フィルム相互間の隙間が20μm以上、好ましくは30μm以上、より好ましくは50μm以上になるような凹凸を付与する。この場合、前記毛細管作用が小さくなり、積層フィルムどうしの密着力の低下をもたらす。その結果、少なくとも、この凹凸構造14が付与された個所については、常に流路が確保された状態となり、袋内液量が極端に少なくなったような場合でも、液状の被包装物の常にスムースな注出が保障されるようになる。
上記の凹凸加工は、円柱や角柱等の凹凸模様を有するエンボスロール(特開2008−12669号公報)などを用いて規則的な模様の他、不規則な模様を付与する加工が好ましい。また、こうしたエンボス加工に代えて、ランダムなしわ加工、ブラスト加工、ローレット加工、縦、横の縞状の加工を施したものであってもよい。これらは、凹凸位置がずれして、20〜50μm程度の一定の隙間が形成されるように組み合わせたものが望ましい。例えば、製袋機において、製袋前(縦シール前)または製袋後に熱ロール(70〜80℃)を使って成形する。
発明者らは、テックバリアNY15蒸着面/蒸着面テックバリアPET12/XA−HD40の積層フィルム構成になる包装袋本体内に、中シール充填し、この包装袋本体、即ち、飲料水・充填素材共充填包装体を傾けて、液が出なくなったときの袋内残量を測る実験を行った。その結果、表1に示すように、凹凸加工を施した積層フィルムを用いた場合に効果が顕著であることがわかった。なお、この実験では、図1に示すように、該包装袋本体のフィルム状逆止ノズル近傍に、エンボス加工による縦縞模様を入れたケースを、凹凸加工を施していない包装袋本体と比較した。その結果、本発明に適合する例では、残量が少なく、最後まで使い切ることができると共に、注ぎ出しが円滑にできることがわかった。
Figure 2010159087
本発明において、上記の凹凸構造14は、包装袋本体ならびにフィルム状逆止ノズルの注出通路、即ち、非シール部分の少なくとも一部、例えば、その形成位置が、少なくとも本体のノズル取付け位置側側縁に沿うその近傍からフィルム状逆止ノズルにかけて連続する模様として設けられること、または、図1に示すように、フィルム状逆止ノズルに設けたストライプ状凹凸構造と、包装袋本体に設けたストライプ状凹凸構造をクロスさせて、実質的(結果的)に連続する態様で設けたものであってもよい。このような形態の凹凸構造とすることが、再注出時の流路確保に有効であり、これらは面状、島状、ストライプ状として、一部模様もしくは全面模様の形で施される。
ところで、包装袋本体内に液中シール充填した液状包装物の円滑な注ぎ出しを確保するための前記凹凸構造は、該包装袋本体から前記フィルム状逆止ノズルの切裂き開口位置までにかけて(好ましくは、切り裂き線から5mm以上離れた位置まで)直線状または曲線状で連続する一連の縦縞模様となるようなものとすることが好ましい。とくに、包装袋本体内の液状包装物が残り少ない場合でも、袋内底部からフィムル状逆止ノズルまで液状物の滞ることのない円滑なルートを形成させるようにするためには、該包装袋本体からフィルム状逆止ノズルの切裂き開口部までが連続していることが、フィルムの腰折れなどに起因する途中の堰止めを無くす上で有効である。
一方で、このような凹凸構造の付与は、フィルム状逆止ノズルの肝心な逆止作用を少なからず阻害する虞れが、時として生じる場合がある。そこで、本発明では、前記毛細作用による密着力の低下の一方で、積層フィルムに対し、表面の濡れ性を向上させ、フィルム間に液状物を介在させたときの表面張力を低下させて、濡れ状態の向上を図り、もって、上述した逆止機能の向上を、凹凸構造によるルート作りに併せて行うようにした。
例えば、フィルム状逆止ノズルに設けられた注出通路内面、即ち、シーラント層からなる通路内表面を、この通路内に液状被包装物が毛細管作用によって介在することにて発揮されるセルフシール逆止機能をより確実なものにするために、こうしたフィルム状逆止ノズルの注出通路の、ノズル開口予定位置を含むその近傍の内表面あるいは、ノズル開口予定位置を含むその近傍のみの内表面に、下記のような濡れ処理を施すことによって得られる濡れ処理層を設ける。その濡れ処理としては、PEやPPのような特に極性が小さく活性の低いフィルムなどからなる積層フィルムのシーラントフィルムの表面に、物理的な方法、化学的な方法、機械的な方法によってフィルム表面の活性度を上げるために、例えば物理的な方法では、コロナ放電処理、UVオゾン処理、樹脂コーティング処理面、金属蒸着処理、無電解めっき処理、金属低温溶射処理、プラズマエッチング処理、火炎処理からなる濡れ処理を施すことによって、フィルム表面の物理的な表面改質と極性官能基生成による表面改質により表面張力を向上させて、フィルムの濡れ性を向上させる方法が採用される。その他、この処理としては、フィルム表面をJIS K6843−3:1999で規定する酸やアルカリで処理する方法や、マット加工などの機械的な方法であってもよい。
例えば、上記物理的な濡れ処理のうち、コロナ放電処理とは、誘電体と絶縁された電極間に高周波・高電圧をかけてコロナを発生させ、誘電体と電極とのあいだに通す試料の表面を処理する方法である。表面が改質される機構としては、次のように考えられている。即ち、発生したコロナにより空気中に存在する酸素が活性化され、この酸素がフィルムの分子鎖を切断して入り込み、極性基(C=O、COOH、C−OHなど)を生成させると共に、強い電子エネルギーの衝突により試料表面に凹凸を生成させる。その結果、フィルムの表面強度や接着性が向上するのである。
そこで、発明者らは、その濡れ処理層の作用効果について代表的なコロナ放電について、実験した。表2は、その結果を示すものである。即ち、LLDPE15/PET12/LLDPE20の3層の積層構造からなるフィルム状逆止ノズルに対し、それのシーラントフィルム内面(LLDPE)に、コロナ放電処理(放電条件:放電量=81.7W・min/m)を行った。このフィルムについて、濡れ試薬にてフィルムの濡れ張力を測定したところ、処理前32N/mだったものが、処理後は56N/mを示し、また、水についての接触角は表2に示すとおりとなり、液体の凝集力、即ち、表面張力(S)が弱くなり、いずれも接触角(θ)が明らかに小さくなってフィルムの濡れ性が改善されており、この処理の有効性が確められた。
Figure 2010159087
次に、本発明においては、上記凹凸構造の採用によって、充填した液状包装物の円滑な注ぎ出しが確保できる一方で、このことは、意図しない過剰な流出を招くことがある。そこで、本発明では、前記フィルム状逆止ノズルには、それの下縁部、とくにノズル取付基部側に隣接した場所に、図1、図3および図4に示すような注出量制御用液溜め部1bを設けることがより好ましい実施形態となる。
このような液溜め部1bの採用によって、包装袋本体からフィルム状逆止ノズルの注出通路に導かれた飲料水は、かかる液溜め部1bにて一時滞留し、吐出流速が一般的に低下した上で、切裂き開口部に向うようになるので、前記の過剰な流出を避けることができるようになる。そのためには、さらに、該逆止ノズル基端部の注出通路入口上部および/または下部に堰止め部なる突起(シールにて形成)を設けることもまた、有効と言える。
以下、本発明について、図面に即して、具体的な形態を説明する。
図1は、本発明のフレキシブル包装袋を示すものである。このフレキシブル包装袋は、軟質の積層フィルムからなる包装袋本体2のたとえば左側縁上部に、液状被包装物注出のためのフィルム状逆止ノズル1を突設した例であり、該包装袋本体2の接合部の内表面側のシーラント層に、該フィルム状逆止ノズル1の基端部における最外層のシーラント層、好ましくは、包装袋本体のシーラント層と同種の樹脂材料からなるシーラント層を重ね合わせてヒートシールして融着接合したものである。場合によっては、これらの融着接合部の注出通路内面のシーラントフィルムを高融点のものとして、この部分が低温融着するようにして接合強度の弱い(袋本体の胴部を押圧して内圧を加えることで容易に剥離し、ノズルと本体との間を通過させる)仮封止部12を形成したものとすることができる。
ここで、このフィルム状逆止ノズル1としては、熱可塑性のベースフィルム層、たとえば5〜40μm、好ましくは10〜30μmの厚みの二軸延伸のPET層もしくはNY層と、そのベースフィルム層の両面に積層したそれぞれのシーラント層、たとえば5〜80μm、好ましくは10〜50μmの厚みの無延伸のPE層もしくはPP層との3層からなるものを例示することができる。例えば、表裏のそれぞれの側に配設される積層フィルム、即ち、輪郭形状がともに同一の楔形等の表裏2枚の積層フィルムまたは、中央部で表裏に折返してなる一枚の積層フィルムを、内面側シーラント層の相互の対向姿勢で、基端辺を除く各辺部分で、好ましくはヒートシールによって、図1に斜線を施して示すように相互に融着させることによって袋状に構成する。
このようなフィルム状逆止ノズル1は、図2に、図1の、ノズル幅方向のII−II線に沿う拡大断面図で示すように、相互に融着される表裏それぞれの積層フィルム3、4を、ベースフィム層5、5’と、このベースフィルム層5、5’の両面に積層したそれぞれのシーラント層6、6’、7、7’との3層構造としたところにおいて、互いに対向する内面側のシーラント層6、6’どうしを、基端辺を除く周辺部分で、所定の幅、たとえば0.5〜3mmの幅、好ましくは1.0〜2.0mmの幅にわたって、好適にはヒートシールすることにより、所要の形態(楔形)となるように融着させることで、簡易迅速に製造することができる。
かかるフィルム状逆止ノズル1は、できるだけ平坦なシートの重ね合わせによってフラットになるようにすることが逆止機能を付与する上で好ましい。そして、このノズル基端部では、外面側のシーラント層7、7’を包装袋本体2の内表面(シーラント層)に、これも好ましくはヒートシールによって融着させることで、その包装袋本体2に、適正かつ確実に、しかも簡単に接合することができる。
なお、このフィルム状逆止ノズル1の外面、即ち外面側シーラント層7、7’の切り裂き予定線(開口予定部)から基端部側にかけての外表面には、液だれを防止し、液切れを向上させるための撥水剤もしくは撥油剤の塗布層(撥水、撥油塗布層)10を、少なくとも開口端と下縁部に沿って設けることが好ましい。これと共に、フィルム状逆止ノズル1の内側シーラント層6の内表面(注出通路の内表面)には、上述したように、大気の逆流防止する機能を助勢するための濡れ処理層11を設ける。
上記撥水物質としては、シリコーンオイルやフッ素系樹脂、アクリル系樹脂もしくはアミド系樹脂からなる撥水コート剤を用い、撥油物資としては、シリコン樹脂やテフロン樹脂、シリコン変性アクリル樹脂などの撥油コート剤を用い、これらにウレタン系、アクリル系、エステル系、硝化綿系、アミド系、塩ビ系、ゴム系、スチレン系、オレフィン系、塩酸ビ系、セルロース系、フェノール系などの樹脂をバインダとして添加する。
また、フィルム状逆止ノズル1は、その下縁部の開口予定部より基端部側に幾分寄った位置に、液だれ防止用の尖塔状の突起1cを設けることが好ましく、この突起1cは、フィルム状逆止ノズル1の開口端から発生した液だれが、該フィルム状逆止ノズル1の下縁部から包装袋本体2にまで伝い落ちるのを防ぐために設けられている。そして、この液だれ防止用の突起1cにも、上記撥水剤もしくは撥油剤の塗布層10を設けることが好ましく、これにより液切れ性をさらに向上させることができる。
このように構成してなるフィルム状逆止ノズル1は、積層フィルムからなる包装袋本体への液状被包装物の液中シール充填と同時にまたは、該液状被包装物の液中シール充填に先だって、たとえば、その包装袋本体2の側部の、シーラント層相互の融着部で、包装袋本体2の内表面に、ノズル1の基端部外表面のシーラント層7、7’を、好ましくはヒートシールによって融着接合させることで包装袋の一部となる。
このようなフレキシブル包装袋は、そこへ被包装物の一つである飲料水を、多くは既に収納してある抽出素材M入りフィルターバッグFと共に、好ましくは抜気下で液中シール充填することにより、図4に例示するような膨満形態をとる飲料水・抽出素材共充填包装体8になる。ただし、図4に示すフレキシブル包装袋それ自体は、通常は自立性も定型性も有しないので、被包装物の搬送、保管、陳列、使用等に当っては、図5に示し、かつ後で詳しく述べるような自立型のディスペンス機能を有する外包装容器9の中に収容して用いることになる。即ち、この外包装容器9は、紙製のものを含むプラスチック硬質容器の他、例えば、軟質積層フィルムからなる、いわゆるスタンディングポウチPが好適に用いられる。このスタンディングポウチPによって前記飲料水・抽出素材共充填包装体8は、自立性および定型性が付与され、卓上等においてそのままで使用形態とすることができる。
また、本発明のフレキシブル包装袋では、図6に示すように、フレキシブル包装袋の包装袋本体下端部分に、船底形の底部16をヒートシール等によって融着接合させ、フレキシブル包装袋それ自体に自立性を付与させてもよい。この場合、前記飲料水・抽出素材共充填包装体8は、図に示すような外包装容器9内に収容させる必要がなく、そのままで使用形態とすることができる。このような自立型の飲料水・抽出素材共充填包装体8の場合、包装袋本体を構成する積層フィルムとしては、それ自体に自立性および定型性を持たせるため、厚みまたは腰度の高い積層フィルムを用いる必要があり、ベースフィルム層の厚みが50〜250μm、好ましくは80〜180μm、シーラント層の厚みが10〜60μm、好ましくは10〜30μm、腰度が40〜300mN程度にすることが好ましい。
また、上記自立型のフレキシブル包装袋の両角部は、いずれも面取りし、底部が下向き凸のゆるい湾曲状を呈するようにすることが好ましく、それにより、底部の両角部が床面に接地して当たることがなく、飲料水・抽出素材共充填包装体8の下端全体が床面につくようになって、該包装体8の自立安定した立ち姿を確保することができる。
なお、飲料水・抽出素材共充填包装体8の船底形底部の両角部は、曲率半径Rが8mm以上になるように面取りすることが好ましく、より好ましくは、8〜20mmの範囲とする。そして、とくに前記曲率半径Rは、飲料水・抽出素材共充填包装体8の底部に向かって次第に小さくなるように形作ることが好ましい。なお、曲率半径Rを8mm以上としたのは、8mm未満の場合には、船底形底部の両角部が床面にあたって、飲料水・抽出素材共充填包装体8の中央部が浮き上がってしまうためである。
ところで、かかる飲料水・抽出素材共充填包装体8の使用に当っては、たとえば、それが非自立型の場合には、前記フィルム状逆止ノズル1の引き裂き予定部の先端部側を引裂き除去もしくは切除してノズルの開口、即ち、注ぎ口を確保した状態で、前記フレキシブル包装袋内の液状の被包装物(抽出飲料水)を、前記外包装容器9であるスタンディングポウチPを傾動させる姿勢で、該フィルム状逆止ノズル1に設けた注ぎ口からの外気の侵入、吸入なしに注出させる。一方で、そのスタンディングポウチPの起立復帰に基づく注出の停止によって、そのフィルム状逆止ノズルの内表面は、その内表面を濡らす液状の被包装物、即ち注出領域からなる液膜の介在下で、これを全体にわたって密着させて、外気の、該包装袋本体2内への侵入を確実に阻止することになる。
これによれば、包装袋本体2内に、液状被包装物を液中シール充填して得られる抽出飲料と抽出素材Mを封入してなるフィルターバッグFとを共充填してなる飲料水・抽出素材共充填包装体8は、抽出飲料の注出量相当分の収縮ないしは潰れ変形の下で、該包装袋本体2内への外気の取り込みを全く伴うことなく注出することができるようになるとともに、その注出の停止後は、フィルム状逆止ノズルの注出通路内面の逆止機能によって密着封止をもって、包装袋本体内への外気の侵入を阻止することで、該包装袋本体2内に残留する抽出飲料の、外気による酸化を確実に阻止することになる。
これによって所要量の抽出飲料を注出した後は、外包装容器9であるスタンディングポウチPを起立姿勢に復帰させてその注出を停止し、併せて、フィルム状逆止ノズル1の先端部に設けた注ぎ口の自動的な密着閉止をもたらす。
ここで、フィルム状逆止ノズル1のこの逆止機能に由来する密着閉止は、前にも述べたように、フィルム状逆止ノズル1が水頭圧から解放されて、表裏の積層フィルム3、4が、フィルム状逆止ノズル1の製造時の原形状に復帰することおよび、フィルム状逆止ノズル1内の抽出飲料が包装袋本体2内へ還流するに際して表裏のフィルム3、4が減圧雰囲気におかれることにより、軟質なそれらのフィルムの内表面(シーラント層6、6’)どうしが、この面に付着する飲料である液体の毛細管作用による介在下で、ノズル幅の全体にわたって相互に負圧吸着されること等によって行われることになる。そして、このようなセルフシール逆止機能に基づくフィルムどうしの密着閉止は、潰れ変形等した包装袋本体2が、固有の弾性復元力に基いて包装袋本体2内を減圧傾向とする場合により確実に維持されることになる。
そのために、本発明においては、上述したとおり、包装袋本体2およびフィルム状逆止ノズル1のそれぞれの内面が凹凸構造14を示すように、素材の積層フィルム3、4を製袋時または製袋後に熱プレス加工などを施し、このことによって生じる積層フィルム相互間における液状物介在下での毛細管作用の緩和による液状包装物の全体として円滑な流れを確保しての注ぎ出しが、最後まで容易にできるようにしている。
一方でこのことは、ノズルからの液状包装物の過剰な注ぎ出しを招くことがあり、これを防止するために、本発明では、図3、図4に示すように、フィルム状逆止ノズル1の基端部側(包装袋本体側)に隣接して下部に膨らむ注出量制御用液溜め部1bを設け、吐出流が一時的に、この帯域で滞留するようにして、意図しない過剰な注ぎ出しを防止し、安定した定量吐出をもたらすようにすることが好ましい実施形態である。
さらに、本発明では、この液溜め部1bの形成に併せ、さらに好ましくは、図3、図4に示すように、該フィルム状逆止ノズル1の注出通路基端部のシール部分に、注出流の整流化を目的とした堰止め部17を設けて、常に定量の吐出が実現できるようにしてもよい。
次に、本発明はまた、自立性も定形性も有しない上述したフレキシブル包装袋内に、水(抽出液)Lと抽出素材Mを封入してなるフィルターバッグFをともに充填してなる飲料・抽出素材共充填包装体8を、卓上等においてそのまま使用形態になるように、前記飲料・抽出素材共充填包装体8をディスペンス機能をもつ自立型の外包装容器9内に自立可能に保持してなる飲料水・抽出素材共充填型包装構造体を提案する。即ち、上述したフィルム状逆止ノズル1を突設してなるフレキシブル包装袋は、素材がいずれも軟質の積層フィルムからなるため、たとえ被包装物を充填、収納したとしても、それ自身は自立性がないため、これをそのままの状態で使用に供するようにするには、他の自立型で可撓性の故にディスペンサー機能を有する外包装容器9、即ちスタンディングポウチP等と組み合わせて使用することが必要になるからである。
なお、本発明において用いる前記フィルム状逆止ノズル1は、それの基端部を、軟質包装袋本体2の側部、多くは、上端部分より側部からの突出姿勢で、外表面側を低融点シーラント層とし、包装袋本体2の内表面の高融点のシーラント層と融着接合させる一方、このフィルム状逆止ノズル1の基端部分のシーラント層を高融点フィルムを用いることにより、たとえば、本来のヒートシール強度の半分以下の接着強度で、相対的に低温で融着された状態とした仮封止部12としてもよい。
前記仮封止部12の採用によって、例えば、充填した被包装物が、50〜100℃に加熱され、所要の抽出成分が抽出されたような場合であっても、フィルム状逆止ノズル1の、注出通路の大部分を、その注出通路を膨らませる向きの永久変形から十分に保護することができると同時に、該逆止ノズルの開封(先端部の切り取り)までは、包装袋本体内被包装物が不用意に該逆止ノズルの注出通路に侵入するのを仮りに阻止する作用を発揮する。
従って、フィルム状逆止ノズルの、仮封止部12より先端側の部分(いわゆるノズルの注出通路)には、フィルム状逆止ノズル1の機能を十分に発揮させることができ、包装袋からの抽出飲料の注出に際しての、その包装袋本体内への外気の侵入を完全に防止することができる。また、被包装物の注出停止時のセルフシール逆止機能を十分に発揮させることができる。
ところで、包装袋本体内の被包装物が常温近くまで冷却された後の、その被包装物の包装袋本体からの注出に当っては、包装袋に、たとえばそれの厚み方向に荷重(圧力)を作用させて仮封止部12の開封を果すとともに、フィルム状逆止ノズルの先端部分を破断もしくは切断除去して、注出開口を形成し、かかる状態で、包装袋を傾動させ、注出開口が下向きに向く注出姿勢とする。
なお、この包装袋および、前述した包装袋のいずれにおいても、仮封止部12のヒートシール強度は、0.3〜3(N/15mm)、とりわけ、0.7〜1(N/15mm)の範囲とすることが、仮封止部12の不測の開封を防止する一方で、他の融着接合部に何の影響をも及ぼすことなく、その仮封止部を作為的に開封する上で好ましい。
即ち、それが0.3(N/15mm)未満では、加熱状態の液状被包装物の、袋内容量等との関連の下で、仮封止部12に意図しない開封が起こるおそれがあり、一方で、3(N/15mm)を越えると、仮封止部12を開封するのに要する荷重が、他の融着接合部等にも不測の影響(破袋や開封)を及ぼすおそれがある。
そして、この仮封止部12の開封のための荷重は、50〜350(N)、とりわけ100〜200(N)の範囲とすることが、シール部を含む他の個所の破袋などを招かず、輸送や作業中に誤って開封しないようにするために必要である。それは開封荷重が50(N)未満では、被包装物を充填包装した包装袋の積み重ねにより、下段側の包装袋で、仮封止部が開封されるおそれがあり、逆に、350(N)を越える場合やヒートシール強度が高すぎる場合、仮封止部を開封するに要する荷重によって、他の融着接合部が影響を受けるおそれがあるためである。
本発明者らの研究によれば、例えば、軟質包装袋本体2(NY15/PET12/LLDPE40)の側部上部に、図1に示すようなフィルム状逆止ノズル1の基端部を、低温融着して仮封止してなるものにおいて、かかるフィルム状逆止ノズルのフィルムの積層構造を、直鎖状低密度ポリエチレン層(低融点シーラント層)/二軸延伸ポリエチレンテレフターレート層/直鎖状低密度ポリエチレン層(高融点シーラント層)とし、この積層フィルムを、ヒートシート温度をパラメータとして、シリンダ付きヒートシーラーにより、300kPaのシリンダ圧力で3秒間加熱加圧したときの仮封止部12のヒートシール強度(N/15mm)を、引張試験機(TENSILON RTG−1300)にて、引張速度200mm/min、フィルム幅15mmの条件で測定した。その結果を表3に示す。
Figure 2010159087
上述したフレキシブル包装袋内の包装袋本体2に、フィルターバッグFを固定しまたは固定せずに収容する方法としては、包装袋本体2内に単にフィルターバッグFを装填後、液体を液中シール充填する方法、包装袋本体内にフィルターバッグFを装填し、脱気してから液体を充填してからヒートシールする方法、フィルムの所定位置にフィルターバッグFをインパルスシールなどして取付け、縦・横シールして液体を充填し、その後、液中シール充填する方法、あるいはフィルムの所定位置に予めフィルターバッグFを取付け、縦・横シールして脱気し、液体を充填してヒートシールする方法などによる。
次に、本発明では、軟質の積層フィルムからなる包装袋本体の、例えば、その側部上部の位置に、前記フィルム状逆止ノズル1を突設してなる非自立型のフレキシブル包装袋内に、液体および抽出素材入りフィルターバッグFを収納してなる非自立型の飲料・抽出素材共充填包装体8の自立保持を助けるため、下記のような筒状のディスペンス機能をもつ自立型の外包装容器、例えばスタンディングポウチPの如き袋状の容器を設けて、これを収容保持してなる飲料水・抽出素材共充填型包装構造体を提案する。
いわゆる、本発明は、上述した非自立型の飲料・抽出素材共充填包装体8を収納するために用いられる外包装容器としては、少なくとも下部は筒状の袋状とした積層フィルムによって形成したものが好適に用いられ、とくに底部には船底形の底部16を設けて自立できるようにした自立形のフレキシブル包装袋(スタンディングパウチP)が好適に用いられる。そして、この外包装容器9としては、前記フィルム状逆止ノズル1に対応する位置となる一縁部、たとえば図示例のように側縁部の上部に、前記フィルム状逆止ノズル1と略同形の、このノズルを包囲する張り出し小袋15を突設したスタンデイングパウチなどが好適に用いられる。なお、この外包装容器9としては、可撓性の素材、例えばプラスチック、紙もしくは金属製のディスペンサー機能(包装袋胴部を加圧して被包装物を注出できる機能)をもつ包装体であってもよい。
また、このディスペンサー機能をもつ外包装容器9は、好ましくは、その頂部が、図5に示すように、収納する飲料・抽出素材共充填包装体8の包装物本体頂部と一緒にヒートシールされるか、または、頂部がチャック等で開閉可能としたもの、あるいは頂部を本体にエンボスシールして仮融着し、該共充填包装体8を交換可能に収納するか、他の外包装容器9に付け代えができるようにしたものが好ましい。
本発明は、上述した非自立型フレキシブル包装袋とスタンディングポウチPを好適例とする自立型外包装容器9の両者の組み合わせが好適であり、この組み合わせによって、液状物充填包装構造体が得られる。
本発明において、自立型ディスペンス機能をもつことが好ましい自立型の外包装容器9は、例えば、一軸もしくは二軸延伸ベースフィルム層と、シーラント層とを具える積層フィルムからなり、ベースフィルムが、ポリエチレンテレフタレートフィルム層またはナイロン樹脂フィルム層からなり、一方、シーラント層が、ポリエチレン層またはポリプロピレン層からなる積層フィルムを用いた、スタンディングポウチP等の形態をとるものが好適に用いられる。しかし、本発明では、該外包装容器9として、こうした軟質フィルムからなる袋状のステンディングパウチPだけでなく、少なくとも本体部分は、自立する他の円筒状プラスチック容器や紙製(フィルムラミネートのものを含む)、アルミニウムやステンレス鋼などであってもよい。
そして、この自立型ディスペンス外包装容器袋9の一側部上部に設けた前記ノズルを包囲する張り出し小袋15には、フィルム状逆止ノズル1の切り裂き開口部の位置に対応するところに、上縁もしくは下縁部に設けるIノッチ、Vノッチ、Uノッチ、ベースノッチあるいはダイヤカットなどの開封用引き裂き誘導疵を設け、図5に示すようなフィルム状逆止ノズル1を露出させるための切り取り部15aを設ける。この切り取り部15aを切り取って開封することにより、その内部に収納した上記の非自立型のダブルパック包装袋、即ち、飲料水・抽出素材共充填包装体8に突設したフィルム状逆止ノズル1の突出部分を露出させることができ、さらにノズル開口部1aを開封して使用状態に供する。
本発明においては、その飲料水・抽出素材共充填包装体8を、スタンディングポウチP内に収納したのち、場合によっては、図5に示すように、その上端部横シール部8aを、スタンディングポウチPの上辺部に、一部(スポット)または全幅にわたってともにヒートシールして融着し、懸吊状態にて収納する。こうした場合には、液状物が充填された液状物充填包装体8を、スタンディングポウチP内にしっかり固定した状態に保持することができると共に、液状被包装物の円滑な流出を助勢する効果がある。しかも、この場合、この飲料水・抽出素材共充填包装体8の取り扱い時や流通時の種々の衝撃に対しても十分に保護することができるようになると共に、該液状物充填包装体8が位置ずれするようなことがなくなり、ピンホール等の発生や、フィルム状逆止ノズルの変形、破損さらには誤開封を阻止することもできる。
また、前記飲料水・抽出素材共充填包装体8をスタンディングポウチP内に収納した後は、フィルム状逆止ノズル1の近傍、とくに底部付近または上部、あるいは包装袋本体上部の1ケ所または2ケ所以上、さらには底部を固定することは、抽出飲料を最後まで円滑に全て注出する場合に有効に作用させる上で有効である。
上述した外包装容器の役割りは、その中に収納する前記飲料水・抽出素材共充填包装体8を自立保持することに加え、フレキシブル包装袋内に液中シール充填した抽出飲料を押し出すために、フレキシブル包装袋を押圧することで、抽出飲料を、袋本体から、上述した凹凸構造14の助けを得て、フィルム状逆止ノズル1部へ円滑に送り出し、吐出させる、所謂、ディスペンサー機能を具えることである。そのために本発明では、上述した可撓性を有し弾性変形することによって、ディスペンス機能をもつ外包装容器が有効に用いられる。
本発明の技術は、フィルム状逆止ノズルを備えるダブルパック包装袋とこれを用いた飲料水・抽出素材共充填型包装構造体だけでなく、一般的な液状物充填包装体、とりわけ包装袋本体に一体的に形成された一般的な液体注出口を備える詰め替え用軟質包装袋を収納してなる包装構造体等への応用も可能である。
1 フィルム状逆止ノズル
1a 開口予定部
1b 液溜め部
1c 液だれ防止用突起
2 包装袋本体
3、4 積層フィルム
5、5’ ベースフィム層
6、6’ 内側シーラント層
7、7’ 外側シーラント層
8 飲料・抽出素材共充填包装体
9 外包装容器
10 撥水・撥油塗布層
11 濡れ処理層
12 仮封止部
13 注出通路
14 凹凸構造
15 張り出し小袋
15a 切り取り部
16 底部
17 堰止め部
P 自立型ディスペンス外包装容器(スタンディングポウチ)
F フィルターバッグ
M 抽出素材

Claims (21)

  1. 軟質積層フィルムからなる包装袋本体の一縁部に、重なり合う軟質積層プラスチックフィルムの相互間に形成される注出通路内に液状物が介在するときにフィルム相互の密着作用によって外気の袋内への侵入を阻止する逆止機能を生ずる平坦なフィルム状逆止ノズルを突設してなるフレキシブル包装袋と、
    そのフレキシブル包装袋内に液中シール充填される液体と共に気密下に収納される、茶類やコーヒー、果実などの抽出素材を封入してなるフィルターバッグと、
    からなることを特徴とする飲料水用ダブルパック包装袋。
  2. 前記包装袋本体の非シール部内面および前記フィルム状逆止ノズルの注出通路内面のいずれか一方もしくは両方の積層フィルム内面は、濡れ処理層を有し、このフィルム状逆止ノズルの濡れ処理層は、開口予定位置を含むその近傍の内表面に施されていることを特徴とする請求項1に記載の飲料水用ダブルパック包装袋。
  3. 前記包装袋本体の非シール部内面および前記フィルム状逆止ノズルの注出通路内面のいずれか一方もしくは両方の積層フィルム内面は、濡れ処理層を有し、このフィルム状逆止ノズルの濡れ処理層は、開口予定位置を含むその近傍のみの内表面に施されていることを特徴とする請求項1に記載の飲料水用ダブルパック包装袋。
  4. 前記フレキシブル包装袋は、前記包装袋本体およびフィルム状逆止ノズルの、表裏をなすそれぞれの積層フィルムの非シール部分に、該包装袋本体から該フィルム状逆止ノズルの切裂き開口位置もしくはその近傍の位置までにかけて、直線状または曲線状の凹凸構造が付与されたものであることを特徴する請求項1〜3のいずれか1に記載の飲料水用ダブルパック包装袋。
  5. 前記濡れ処理は、コロナ放電処理、UVオゾン処理、樹脂コーティング処理面、金属蒸着処理、無電解めっき処理、金属低温溶射処理、プラズマエッチング処理および火炎処理のいずれか1以上の処理からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1に記載の飲料水用ダブルパック包装袋。
  6. 積層フィルムに付与された前記凹凸構造は、表裏の積層フィルムの一方もしくは両方に、エンボス加工、ブラスト加工、ローレット加工、しわ加工、縦・横縞加工を、面状、島状、ストライプ状に施して、一部模様もしくは全部模様として形成されたものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1に記載の飲料水用ダブルパック包装袋。
  7. 表裏で一対の前記積層フィルムの凹凸構造部分は、凹部・凸部が互いに嵌合し合って30〜100μmの略一定の隙間となるように設けられたものであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1に記載の飲料水用ダブルパック包装袋。
  8. 前記フィルム状逆止ノズルは、重なり合う2枚の薄い軟質積層プラスチックフィルムを、ノズル基端辺となる部分を除く周縁部分をで相互に融着させて、中央部分に非融着の注出通路を区画して、包装袋本体の側部に、これの基端部を融着接合させたものであって、
    包装袋本体を傾動させて被包装物を注出した際に、該被包装物が通過することによって、前記注出通路内が濡れた状態となる軟質積層プラスチックの内表面どうしが、該注出通路内表面に被包装物が介在することによる相互の密着作用によって、外気の侵入を阻止する逆止機能を発揮するものであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1に記載の飲料水用ダブルパック包装袋。
  9. 前記フィルム状逆止ノズルは、これの基端部シール部のノズル入口部分に、注出通路の上部もしくは下部の一部を塞ぐ堰止め部が設けられていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1に記載の飲料水用ダブルパック包装袋。
  10. 前記フィルム状逆止ノズルの基端部は、対面するシーラント層低温融着によって、注出通路内表面が仮封止されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1に記載の飲料水用ダブルパック包装袋。
  11. 前記液体は、水または抽出成分を含む水溶液であり、この常温水もしくは熱水を前記フレキシブル包装袋内に液中シール充填したものであることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1に記載の飲料水用ダブルパック包装袋。
  12. 前記フィルターバッグは、透水性を有すると同時に封入する葉状、顆粒状、粉状の注出素材を内部に留保しても外部への溶出が阻止されるフィルター機能を有する紙、布、合成樹脂の織布や不織布、微細孔を有する金属フォイルによって構成されていることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1に記載の飲料水用ダブルパック包装袋。
  13. 前記フィルターバッグは、フレキシブル包装袋内の底部、側部に固定されていることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1に記載の飲料水用ダブルパック包装袋。
  14. 前記フレキシブル包装袋の包装袋本体下端に、自立用底部を設けてなることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1に記載の飲料水用ダブルパック包装袋。
  15. 前記フレキシブル包装袋は、前記自立用底部を除いた3方シール自立袋であり、立ち姿が上部は扁平で、下部が筒状であることを特徴とする請求項14に記載の飲料水用ダブルパック包装袋。
  16. 前記フレキシブル包装袋は、船底形底部の両角部がそれぞれ面取りされているとともに、その面取り部の曲率半径Rが、8mm以上の大きさで、かつ底部が下向き凸のゆるい湾曲状を呈することを特徴とする請求項14または15に記載の飲料水用ダブルパック包装袋。
  17. 軟質積層フィルムからなる包装袋本体の一縁部に、重なり合う軟質積層フィルムの相互間の微小隙間に液状物が介在するときに逆止機能を生ずる平坦なフィルム状逆止ノズルを突設してなる非自立型フレキシブル包装袋と、抽出素材封入用フィルターバッグとからなる飲料水用ダブルパック包装袋内に液体を、気密下に液中シール充填してなる非自立型飲料水・抽出素材共充填包装体と、
    その非自立型飲料水・抽出素材共充填包装体を収納するための軟質積層フィルムからなる筒状の容器であって、それのいずれかの一側縁部に、上記ノズルを露出可能に収納すると共にこれを引き出すためのノズル引き出し用引裂き誘導疵を設けて開封可能とした張り出し部を突設してなり、かつ、底部を設けて自立可能にした自立型外包装容器と、
    からなることを特徴とする飲料水・抽出素材共充填型包装構造体。
  18. 上記飲料水用ダブルパック包装袋は、請求項2〜13のいずれか1に記載のものからなるものであることを特徴とする請求項17に記載の飲料水・抽出素材共充填型包装構造体。
  19. 前記非自立型飲料水・抽出素材共充填包装体は、それの上端部横シール部が、前記自立型外包装容器内上端部に融着されて、該外包装容器内に懸吊された状態にて収容保持されていることを特徴とする請求項17または18に記載の飲料水・抽出素材共充填型包装構造体。
  20. 前記自立型外包装容器は、船底形の底部を有し、頂部は非自立型液状物充填包装体を交換するために開閉可能にしたチャック構造を有する自立型フレキシブル包装袋であることを特徴とする請求項17〜19のいずれか1に記載の飲料水・抽出素材共充填型包装構造体。
  21. 前記非自立型飲料水・抽出素材共充填包装体は、船底形の底部を有し、頂部は非自立型液状物充填包装体を交換するために開閉可能にした可撓性硬質のプラスチック製、紙製もしくは金属製のディスペンサー機能をもつ包装体にて構成されていることを特徴とする請求項17〜20のいずれか1に記載の飲料水・抽出素材共充填型包装構造体。
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