JP2010158940A - カウルトップガーニッシュ - Google Patents

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Tetsuo Yamashita
哲生 山下
Yoichi Goto
陽一 後藤
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Abstract

【課題】材質にかかわらず衝撃吸収効果を得ることができ、しかも外観をよくすることができるカウルトップガーニッシュを提供する。
【解決手段】カウル部1を覆うカウルトップガーニッシュ2であって、上壁部11と、上壁部11の車両前方側Frの端部から下側のカウルパネル5に向かって延びる下壁部12とを設け、下壁部12の下端部に、被取り付けフランジ20に載置固定される取り付けフランジ30を形成し、ウエザストリップ10を取り付ける取り付け部13を下壁部12の上側に配設し、衝撃力を受けると、取り付け部13が下降するように下壁部12を形成し、衝撃力で取り付けフランジ30に亀裂を生じさせるための切り欠き17を取り付けフランジ30に形成してある。
【選択図】図7

Description

本発明は、車両前方側に開口するカウル部の開口を覆うカウルトップガーニッシュに関する。
交通事故の際には歩行者の頭部が自動車のフロントフードに当たることが多い。そのために、フロントフードとその周りの部材に衝撃吸収性能が要求されている。特に、フロントフードの車両後方側の端部のうち、カウルトップガーニッシュと重なる端部部分は歩行者の頭部が衝突しやすく、前記端部部分とカウルトップガーニッシュとに高い衝撃吸収性能が要求される。
この要求を満たすために、従来、特許文献1に開示されているように(特許文献1の「明細書」と「図面の図1〜図9」参照)、カウルトップ2のエンジンルーム側の縦壁5に車両前方側に凸の山形状の第1エネルギ吸収部14を設け、カウルトップ2の上壁4に縦断面波形板状の第2エネルギ吸収部8を設けて、カウル部が上方から衝撃力を受けた時に前記山形状の第1エネルギ吸収部14が縮み変形するとともに、前記縦断面波形板状の第2エネルギ吸収部8が伸び変形して衝撃を吸収するよう構成してあった。
特開平5−8763号公報
しかしながら、上記従来の構造によれば、カウルトップが樹脂材料の場合、板金材料の場合と同様のエネルギ吸収効果を得るのが困難であった。
また、前記上壁4に設けた縦断面波形板状の第2エネルギ吸収部8が幅広になり、これを幅広のウエザストリップで覆わなければならず、外観が低下していた。
本発明は上記実状に鑑みて成されたもので、その目的は、材質にかかわらず衝撃吸収効果を得ることができ、しかも外観をよくすることができるカウルトップガーニッシュを提供する点にある。
本発明の特徴は、
車両前方側に開口するカウル部の開口を覆うカウルトップガーニッシュであって、
ウインドシールドの下端部とフロントフードの後端部との間の隙間を覆う上壁部と、
前記上壁部の車両前方側の端部から前記カウル部の下側のカウルパネルに向かって延びる下壁部とを設け、
前記下壁部の下端部に、前記下側のカウルパネルの被取り付けフランジに載置固定される取り付けフランジを形成し、
フロントフードの後端部の裏面に圧縮されるウエザストリップを取り付ける取り付け部を前記下壁部の上側に配設し、
前記フロントフードを介して衝撃力を受けると、前記取り付け部が下降するように前記下壁部を形成し、
前記衝撃力で前記取り付けフランジに亀裂を生じさせるための1又は2以上の切り欠きを前記取り付けフランジに形成してある点にある。(請求項1)
上記の構成によれば、フロントフードを介して衝撃力を受けると、前記取り付け部が下降して衝撃のエネルギーを吸収する。そして、切り欠きに応力が集中して亀裂の起点となり、取り付けフランジに亀裂が生じる。
例えば、前記取り付け部が下降したカウルトップガーニッシュが変形しきって取り付けフランジが被取り付けフランジに対して突っ張った状態になると衝撃のエネルギーを吸収するのが困難になる。これに対して、本発明の上記構成によれば、前記衝撃力で取り付けフランジに亀裂が生じるので、取付けフランジを破壊・変形させやすくすることができる。その結果、取り付けフランジが被取り付けフランジに対して突っ張った状態になるのを回避することができ、フロントフードの変位量を増加させて、引き続き衝撃のエネルギーを吸収することができる。
上記のように下壁部で前記衝撃力を吸収する。この下壁部は車外から見えにくいから、衝撃力を吸収するための構造を採用したことで見栄えが低下することを回避することができる。そして、前記亀裂の発生部位はフロントフードに覆われていることから、亀裂のエッジが歩行者に接触することを防止することができる。また、上記の構成によれば、カウルトップガーニッシュの材質にかかわらず衝撃吸収効果を得ることができる。(請求項1)
本発明において、
前記下壁部の下端部を車両前方側に折曲して前記取り付けフランジを形成してあると、取り付けフランジを簡単に形成することができるとともに、下壁部が車両後方側に長くなるのを回避することができる。(請求項2)
本発明において、
前記取り付けフランジに形成した上下方向に折曲する折曲部に前記切り欠きを形成してあると、次の作用を奏することができる。(請求項3)
前記切り欠きは、他の取り付けフランジ部分に比べて剛性が高い折曲部に形成してあるので、取り付けフランジの剛性をより低下させることができ、取り付けフランジに亀裂を早期に生じさせることができる。(請求項3)
本発明において、
前記折曲部を前記取り付けフランジの車幅方向の端部に形成してあると、次の作用を奏することができる。(請求項4)
カウルトップガーニッシュの取り付けフランジは車幅方向の端部が上方に傾斜していることが多いことから、新たに折曲部を形成することなく、既設の折曲部に前記切り欠きを形成することで、製作コストを低廉化することができる。(請求項4)
本発明において、
前記下壁部を車両後方側ほど下側に位置するように傾斜させてあると、次の作用を奏することができる。(請求項5)
フロントフードに衝撃力が加わった場合、フロントフードを介してカウルトップガーニッシュに下向きの外力が加わる。この外力で下壁部を前記被取り付けフランジと取り付けフランジとの当接部の周りに前下方に揺動下降させて衝撃のエネルギーを吸収することができる。(請求項5)
本発明によれば、
材質にかかわらず衝撃吸収効果を得ることができ、しかも外観をよくすることができるカウルトップガーニッシュを提供することができた。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図3に、車両前方側Frに開口した縦断面コの字状のカウル部1(図5参照)を覆う樹脂製のカウルトップガーニッシュ2を備えた自動車を示してある。
前記カウル部1は、図4に示すように、車幅方向に離間した左右一対のサイドカウルパネル3の間に、アッパカウルパネル4とロアカウルパネル5(下側のカウルパネルに相当)とを架け渡して枠体を形成し、この枠体の後端縁を、エンジンルームと車内を仕切るダッシュパネル6の上側前面に溶接接合して形成してある。
そして図5,図6に示すように、カウルトップガーニッシュ2でカウル部1の開口1Kを車両前方側Frから覆って、前記アッパカウルパネル4とロアカウルパネル5とダッシュパネル6とカウルトップガーニッシュ2で閉じ断面を形成している。カウルトップガーニッシュ2は、外気の導入口となる複数のスリット29を備え(図4参照)、カウル部1に配設されたワイパー7の根元を覆っている。
[カウルトップガーニッシュ2の構造]
カウルトップガーニッシュ2は、ウインドシールド8の下端部8Kとフロントフード9の後端部9Kとの間の隙間を覆う上壁部11と、上壁部11の車両前方側Frの端部から前記カウル部1のロアカウルパネル5に向かって延びる下壁部12とを備えている。上壁部11の車外側の面は意匠面になっている。下壁部12の下端部には、ロアカウルパネル5の車両前方側Frの被取り付けフランジ20に載置固定される取り付けフランジ30を形成してある。そして、フロントフード9の後端部9Kの裏面に圧縮されるウエザストリップ10を取り付ける取り付け部13を下壁部12の上側に配設してある。
前記上壁部11は、下側に凸の「く」の字状に折曲した第1上壁部分14と、この第1上壁部分14の車両前方側Frの端部から下方に延びる第2上壁部分15とを備え、第1上壁部分14の後ろ上がりの後端部がウインドシールド8の下端部8Kに車両前方側Frから当接している。
前記取り付けフランジ30は、下壁部12の下端部を車両前方側Frに折曲して形成してある。また、取り付けフランジ30の前端部を下方に折曲して下向きのフランジ16を形成し、この下向きのフランジ16でロアカウルパネル5の被取り付けフランジ20の前端縁を車両前方側Frから受け止め可能に構成してある。取り付けフランジ30はカウルトップガーニッシュ2の全幅にわたる長さに設定され、間隔を空けて位置する複数のクリップでロアカウルパネル5の被取り付けフランジ20に上側から取り付け固定されている。
前記ウエザストリップ10は下側開放のU字状の取付基部10Aと、この取付基部10Aの上端部に連なる円筒状の中空シール部10Bとから成り、カウルトップガーニッシュ2の全幅にわたる長さにゴム状弾性体で形成されて、エンジンルームへの雨水の浸入を阻止している。前記取り付け部13は第2上壁部分15の下端部から前斜め上方に突出し、カウルトップガーニッシュ2の全幅にわたる長さに設定されている。そして、この取り付け部13にウエザストリップ10の取付基部10Aを外嵌してある。
ところで、交通事故の際には歩行者の頭部がフロントフード9に当たることが多いことから、フロントフード9とその周りの部材に衝撃吸収性能が要求されている。特に、フロントフード9の車両後方側の端部のうち、カウルトップガーニッシュ2と重なる端部部分は歩行者の頭部が衝突しやすく、前記端部部分とカウルトップガーニッシュ2とに高い衝撃吸収性能が要求される。そこで、この要求を満たすために前記カウルトップガーニッシュ2を次のように構成してある。
図5〜図7に示すように、フロントフード9を介してカウルトップガーニッシュ2が歩行者の頭部などから衝撃力を受けると、前記取り付け部13が下降するように前記下壁部12を形成してある。詳しくは、前記下壁部12を車両後方側ほど下側に位置するように傾斜させ、カウルトップガーニッシュ2が前記衝撃力を受けると、下壁部12が前記被取り付けフランジ20と取り付けフランジ30との当接部の周りに前下方に揺動下降するよう構成してある。下壁部12は上下方向(斜め上下方向)の中間部の複数個所(2個所)で車両前後方向に屈曲している。
さらに図6に示すように、前記衝撃力で前記取り付けフランジ30に亀裂を生じさせるための複数(1個であってもよい)の切り欠き17を取り付けフランジ30に形成して、衝撃のエネルギーを吸収するように構成してある。つまり、カウルトップガーニッシュ2が衝撃力を受けると切り欠き17のコーナー部などに応力が集中して亀裂の起点となり、取り付けフランジ30に亀裂が生じるようにしてある。
前記切り欠き17は、取り付けフランジ30の車幅方向の端部に形成した上下方向に折曲する複数の折曲部18に形成されている(取り付けフランジ30の車幅方向の端部以外の中間部に形成した上下方向に折曲する折曲部18に前記切り欠き17が形成されていてもよい)。前記複数の切り欠き17のうち最も車幅方向外方側に位置する切り欠き17は、車両前方側Frが開放の半円形状に形成され、残りの切り欠き17は車両前方側Frが開放のコの字状に形成されている。
カウルトップガーニッシュ2の前記取り付けフランジ30は車幅方向の端部が上方に傾斜していることが多いことから、新たに折曲部18を形成することなく、既設の折曲部18に前記切り欠き17を形成することで、製作コストを低廉化することができる。
本実施形態の切り欠き17を形成した折曲部18も既設の折曲部(切り欠き17を形成するために新たに形成した折曲部18ではなく元々設けてあった折曲部)である。前記切り欠き17は車両前方側Frが開放の三角形状や、その他の形状に形成されていてもよい。
上記のように、ウエザストリップ10の取り付け部13よりも下方の下壁部12を衝撃吸収部に構成してある。この構成により、図7に示すように、フロントフード9に歩行者の頭部などが衝突して衝撃力が加わった場合、フロントフード9を介してカウルトップガーニッシュ2に下向きの外力が加わる。
そして、前記被取り付けフランジ20と取り付けフランジ30との当接部が下降しながら下壁部12が前記当接部の周りに前下方に揺動下降し、取り付け部13が下降して衝撃のエネルギーを吸収する。さらに、切り欠き17のコーナー部などに応力が集中して亀裂の起点となり、取り付けフランジ30に亀裂が生じる。
例えば、前記取り付け部13が下降しカウルトップガーニッシュ2が変形しきって取り付けフランジ30が被取り付けフランジ20に対して突っ張った状態になると衝撃のエネルギーを吸収するのが困難になる。これに対して、本発明の上記構成によれば、前記衝撃力で取り付けフランジ30に亀裂が生じるので、取付けフランジ30を破壊・変形させやすくすることができる。その結果、取り付けフランジ30が被取り付けフランジ20に対して突っ張った状態になるのを回避することができ、フロントフード9の変位量を増加させて、引き続き衝撃のエネルギーを吸収することができる。
上記のように前記衝撃力を下壁部12で吸収する。この下壁部12は車外から見えにくいから、衝撃力を吸収するための構造を採用したことで見栄えが低下することを回避することができる。また、上記の構成によれば、カウルトップガーニッシュ2の材質にかかわらず衝撃吸収効果を得ることができる。
前記切り欠き17は、他の取り付けフランジ部分に比べて剛性が高い折曲部18に形成してあるので、取り付けフランジ30の剛性をより低下させることができ、取り付けフランジ30に亀裂を早期に生じさせることができる。前記亀裂の発生部位はフロントフード9に覆われていることから、亀裂のエッジが歩行者に接触することを防止することができる。
前記取り付けフランジ30は、車両後方側ほど下側に位置するように傾斜させた下壁部12の下端部を車両前方側Frに折曲して形成してあることから、カウルトップガーニッシュ2が占める車両前後方向のスペースが大きくなることを極力抑制することができ、狭いスペースで高い衝撃吸収性能を得ることができる。
図8に、本発明の上記構造のカウルトップガーニッシュ2と、前記切り欠き17を備えていないカウルトップガーニッシュ2(以下、「比較例のカウルトップガーニッシュ2」)とを比較した衝撃試験(歩行者の頭部の大きさの球形状のインパクター50(図7参照)をフロントフード9の後端部9Kに衝突させる試験)の結果を示してある。縦軸はインパクター50の加速度を示し、横軸はインパクター50の変位量を示す。
図8中のT1までの初期荷重に対しては、本発明のカウルトップガーニッシュ2(実線で示す)と比較例のカウルトップガーニッシュ2(一点鎖線で示す)のいずれもほぼ一致した値を示すが、衝撃吸収部(下壁部12)での変形がピークとなるT1を越えると、比較例のカウルトップガーニッシュ2では、ロアカウルパネル5の被取り付けフランジ20に当接する取り付けフランジ30の剛性が高くて変形しにくいために、インパクター50に加わる衝撃荷重が急激に大きくなっている。
これに対して、本発明のカウルトップガーニッシュ2では、取り付けフランジ30に切り欠き17を設けたことにより、前記T1の後も取り付けフランジ30が容易に撓み続け、下壁部12をさらに変形させることができ、インパクター50に加わる衝撃荷重の急激な上昇を抑制することができている。
これにより、荷重が上昇する前に、早期に取り付けフランジ30に亀裂を生じさせることができ、衝突の全過程において衝撃力が強くなるのを抑制して歩行者の頭部を保護することができる。
自動車の斜視図 フロントフードを開放した状態でのカウルトップガーニッシュの装着状態を示す斜視図 車体とカウルトップガーニッシュとウエザストリップの分解斜視図 カウルトップガーニッシュを取り付けるカウル部の構成を示す分解斜視図 図6のA−A断面図 カウルトップガーニッシュの拡大斜視図 カウルトップガーニッシュの作用を示す断面図であり、図6のA−A断面に対応する図 本発明のカウルトップガーニッシュと比較例のカウルトップガーニッシュの性能を比較した衝撃試験の結果を示す図
1 カウル部
1K 開口
5 下側のカウルパネル(ロアカウルパネル)
8 ウインドシールド
8K ウインドシールドの下端部
9 フロントフード
9K フロントフードの後端部
10 ウエザストリップ
11 上壁部
12 下壁部
13 取り付け部
17 切り欠き
18 折曲部
20 被取り付けフランジ
30 取り付けフランジ
Fr 車両前方側

Claims (5)

  1. 車両前方側に開口するカウル部の開口を覆うカウルトップガーニッシュであって、
    ウインドシールドの下端部とフロントフードの後端部との間の隙間を覆う上壁部と、
    前記上壁部の車両前方側の端部から前記カウル部の下側のカウルパネルに向かって延びる下壁部とを設け、
    前記下壁部の下端部に、前記下側のカウルパネルの被取り付けフランジに載置固定される取り付けフランジを形成し、
    フロントフードの後端部の裏面に圧縮されるウエザストリップを取り付ける取り付け部を前記下壁部の上側に配設し、
    前記フロントフードを介して衝撃力を受けると、前記取り付け部が下降するように前記下壁部を形成し、
    前記衝撃力で前記取り付けフランジに亀裂を生じさせるための1又は2以上の切り欠きを前記取り付けフランジに形成してあるカウルトップガーニッシュ。
  2. 前記下壁部の下端部を車両前方側に折曲して前記取り付けフランジを形成してある請求項1記載のカウルトップガーニッシュ。
  3. 前記取り付けフランジに形成した上下方向に折曲する折曲部に前記切り欠きを形成してある請求項2記載のカウルトップガーニッシュ。
  4. 前記折曲部を前記取り付けフランジの車幅方向の端部に形成してある請求項3記載のカウルトップガーニッシュ。
  5. 前記下壁部を車両後方側ほど下側に位置するように傾斜させてある請求項1〜4のいずれか一つに記載のカウルトップガーニッシュ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012076532A (ja) * 2010-09-30 2012-04-19 Daihatsu Motor Co Ltd 車両の車体前部構造
JP2016074353A (ja) * 2014-10-08 2016-05-12 スズキ株式会社 カウルトップガーニッシュの構造

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