JP2010157727A - 露光装置、露光方法、及びデバイス製造方法 - Google Patents

露光装置、露光方法、及びデバイス製造方法 Download PDF

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【課題】露光不良の発生を抑制できる露光装置を提供する。
【解決手段】露光装置は、露光光を射出する射出面を有する光学系と、射出面から射出される露光光の光路の周囲の少なくとも一部に配置された第1面と、第1面の周囲の少なくとも一部に配置された第1凹部と、第1凹部を規定する内面に配置され、気体を供給して、第1凹部の圧力を高める第1給気口とを備え、基板の露光の少なくとも一部において、基板の表面が、射出面、第1面、及び第1凹部に対向し、射出面と基板の表面との間の液体を介して射出面からの露光光で基板を露光する。
【選択図】図2

Description

本発明は、露光装置、露光方法、及びデバイス製造方法に関する。
半導体デバイス、電子デバイス等のマイクロデバイスの製造工程において、例えば下記特許文献に開示されているような、投影光学系と基板との間の液体を介して投影光学系からの露光光で基板を露光する液浸露光装置が知られている。
米国特許出願公開第2006/0221315号明細書 米国特許出願公開第2007/0081140号明細書 米国特許出願公開第2008/0174748号明細書
液浸露光装置において、例えば基板を高速で移動した場合、投影光学系と基板との間を液体で満たし続けることが困難となる可能性がある。また、基板を高速で移動した場合、液体が流出したり、基板上に液体(膜、滴等)が残留したりする可能性がある。その結果、基板に形成されるパターンに欠陥が生じる等、露光不良が発生したり、不良デバイスが発生したりする可能性がある。
本発明の態様は、露光不良の発生を抑制できる露光装置、及び露光方法を提供することを目的とする。また本発明の態様は、不良デバイスの発生を抑制できるデバイス製造方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様に従えば、基板を露光する露光装置において、露光光を射出する射出面を有する光学系と、射出面から射出される露光光の光路の周囲の少なくとも一部に配置された第1面と、第1面の周囲の少なくとも一部に配置された第1凹部と、第1凹部を規定する内面に配置され、気体を供給する第1給気口と、を備え、基板の露光の少なくとも一部において、基板の表面が、射出面、第1面、及び第1凹部に対向し、射出面と基板の表面との間の液体を介して射出面からの露光光で基板を露光する露光装置が提供される。
本発明の第2の態様に従えば、第1の態様の露光装置を用いて基板を露光することと、露光された基板を現像することと、を含むデバイス製造方法が提供される。
本発明の第3の態様に従えば、光学系の射出面、及び光学系の射出面から射出される露光光の光路の周囲の少なくとも一部に配置された第1面と基板とが対向するように基板を移動することと、第1面の周囲の少なくとも一部に配置された第1凹部を規定する内面に配置された第1給気口から気体を供給して、第1凹部の圧力を高めることと、射出面と基板との間の液体を介して射出面からの露光光で基板を露光することと、を含む露光方法が提供される。
本発明の第4の態様に従えば、第4の態様の露光方法を用いて基板を露光することと、露光された基板を現像することと、を含むデバイス製造方法が提供される。
本発明の態様によれば、露光不良の発生を抑制できる。また、本発明の態様によれば、不良デバイスの発生を抑制できる。
第1実施形態に係る露光装置の一例を示す概略構成図である。 第1実施形態に係る露光装置の一部を拡大した図である。 第1実施形態に係る液浸部材を上方から見た図である。 第1実施形態に係る液浸部材の近傍を示す図である。 第2施形態に係る回収部の近傍を示す図である。 第2実施形態に係る液浸部材の近傍を示す図である。 第3実施形態に係る液浸部材の近傍を示す図である。 マイクロデバイスの製造工程の一例を説明するためのフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部の位置関係について説明する。水平面内の所定方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれと直交する方向(すなわち鉛直方向)をZ軸方向とする。また、X軸、Y軸、及びZ軸まわりの回転(傾斜)方向をそれぞれ、θX、θY、及びθZ方向とする。
<第1実施形態>
第1実施形態について説明する。図1は、第1実施形態に係る露光装置EXの一例を示す概略構成図である。本実施形態の露光装置EXは、液体LQを介して露光光ELで基板Pを露光する液浸露光装置である。本実施形態においては、液体LQとして、水(純水)を用いる。
図1において、露光装置EXは、マスクMを保持して移動可能なマスクステージ1と、基板Pを保持して移動可能な基板ステージ2と、マスクステージ1及び基板ステージ2の位置を光学的に計測する干渉計システム3と、マスクMを露光光ELで照明する照明系ILと、露光光ELで照明されたマスクMのパターンの像を基板Pに投影する投影光学系PLと、露光光ELの光路の少なくとも一部が液体LQで満たされるように液浸空間LSを形成可能な液浸部材4と、少なくとも投影光学系PLを収容するチャンバ装置5と、少なくとも投影光学系PLを支持するボディ6と、露光装置EX全体の動作を制御する制御装置7とを備えている。
マスクMは、基板Pに投影されるデバイスパターンが形成されたレチクルを含む。マスクMは、例えばガラス板等の透明板と、その透明板上にクロム等の遮光材料を用いて形成されたパターンとを有する透過型マスクを含む。なお、マスクMとして、反射型マスクを用いることもできる。
基板Pは、デバイスを製造するための基板である。基板Pは、例えば半導体ウエハ等の基材と、その基材上に形成された多層膜とを含む。多層膜は、少なくとも感光膜を含む複数の膜が積層された膜である。感光膜は、感光材で形成された膜である。また、多層膜が、例えば反射防止膜、及び感光膜を保護する保護膜(トップコート膜)を含んでもよい。
チャンバ装置5は、実質的に閉ざされた内部空間8を形成するチャンバ部材5Aと、内部空間8の環境(温度、湿度、クリーン度、及び圧力等)を制御する環境制御装置5Bとを有する。ボディ6は、内部空間8に配置される。ボディ6は、支持面FL上に設けられた第1コラム9と、第1コラム9上に設けられた第2コラム10とを有する。第1コラム9は、第1支持部材11と、第1支持部材11に防振装置12を介して支持された第1定盤13とを有する。第2コラム10は、第1定盤13上に設けられた第2支持部材14と、第2支持部材14に防振装置15を介して支持された第2定盤16とを有する。また、本実施形態においては、支持面FL上に、防振装置17を介して、第3定盤18が配置されている。
照明系ILは、所定の照明領域IRに露光光ELを照射する。照明領域IRは、照明系ILから射出される露光光ELが照射可能な位置を含む。照明系ILは、照明領域IRに配置されたマスクMの少なくとも一部を、均一な照度分布の露光光ELで照明する。照明系ILから射出される露光光ELとして、例えば水銀ランプから射出される輝線(g線、h線、i線)及びKrFエキシマレーザ光(波長248nm)等の遠紫外光(DUV光)、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)、及びFレーザ光(波長157nm)等の真空紫外光(VUV光)等が用いられる。本実施形態においては、露光光ELとして、紫外光(真空紫外光)であるArFエキシマレーザ光を用いる。
マスクステージ1は、マスクMをリリース可能に保持するマスク保持部19を有し、マスクMを保持した状態で、第2定盤16のガイド面16G上を移動可能である。マスクステージ1は、駆動システム20の作動により、照明領域IRに対して、マスクMを保持して移動可能である。駆動システム20は、マスクステージ1に配置された可動子20Aと、第2定盤16に配置された固定子20Bとを有する平面モータを含む。マスクステージ1を移動可能な平面モータは、例えば米国特許第6452292号明細書に開示されている。マスクステージ1は、駆動システム20の作動により、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ方向の6つの方向に移動可能である。
投影光学系PLは、所定の投影領域PRに露光光ELを照射する。投影光学系PLは、投影領域PRに配置された基板Pの少なくとも一部に、マスクMのパターンの像を所定の投影倍率で投影する。本実施形態の投影光学系PLは、その投影倍率が例えば1/4、1/5、又は1/8等の縮小系である。なお、投影光学系PLは等倍系及び拡大系のいずれでもよい。本実施形態においては、投影光学系PLの光軸AXはZ軸と平行である。また、投影光学系PLは、反射光学素子を含まない屈折系、屈折光学素子を含まない反射系、反射光学素子と屈折光学素子とを含む反射屈折系のいずれであってもよい。また、投影光学系PLは、倒立像と正立像とのいずれを形成してもよい。
投影光学系PLの複数の光学素子は、保持部材(鏡筒)21に保持されている。保持部材21は、フランジ21Fを有する。投影光学系PLは、フランジ21Fを介して、第1定盤13に支持される。なお、第1定盤13と保持部材21との間に防振装置を設けることができる。
投影光学系PLは、投影光学系PLの像面に向けて露光光ELを射出する射出面23を有する。射出面23は、投影光学系PLの複数の光学素子のうち、投影光学系PLの像面に最も近い終端光学素子22に配置されている。投影領域PRは、射出面23から射出される露光光ELが照射可能な位置を含む。本実施形態において、射出面23は−Z方向を向いており、XY平面と平行である。なお、−Z方向を向いている射出面23は、凸面であってもよいし、凹面であってもよい。
本実施形態において、終端光学素子22の光軸(投影光学系PLの像面近傍の光軸)AXは、Z軸とほぼ平行である。なお、終端光学素子22と隣り合う光学素子で規定される光軸を終端光学素子22の光軸とみなしてもよい。また、本実施形態において、投影光学系PLの像面は、X軸とY軸とを含むXY平面とほぼ平行である。また、本実施形態において、像面は、ほぼ水平である。ただし、像面はXY平面と平行でなくてもよいし、曲面であってもよい。
基板ステージ2は、基板Pをリリース可能に保持する基板保持部24を有し、第3定盤18のガイド面18G上を移動可能である。基板ステージ2は、駆動システム25の作動により、投影領域PRに対して、基板Pを保持して移動可能である。駆動システム25は、基板ステージ2に配置された可動子25Aと、第3定盤18に配置された固定子25Bとを有する平面モータを含む。基板ステージ2を移動可能な平面モータは、例えば米国特許第6452292号明細書に開示されている。基板ステージ2は、駆動システム25の作動により、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ方向の6つの方向に移動可能である。
基板ステージ2は、基板保持部24の周囲に配置され、射出面23と対向可能な上面26を有する。本実施形態において、基板ステージ2は、米国特許出願公開第2007/0177125号明細書等に開示されているような、基板保持部24の周囲の少なくとも一部に配置され、プレート部材Tの下面をリリース可能に保持するプレート部材保持部27を有する。本実施形態において、基板ステージ2の上面26は、プレート部材Tの上面を含む。上面26は、平坦である。
本実施形態において、基板保持部24は、基板Pの表面とXY平面とがほぼ平行となるように、基板Pを保持する。プレート部材保持部27は、プレート部材Tの上面26とXY平面とがほぼ平行となるように、プレート部材Tを保持する。
干渉計システム3は、XY平面内におけるマスクステージ1(マスクM)の位置を光学的に計測可能な第1干渉計ユニット3Aと、XY平面内における基板ステージ2(基板P)の位置を光学的に計測可能な第2干渉計ユニット3Bとを有する。基板Pの露光処理を実行するとき、あるいは所定の計測処理を実行するとき、制御装置7は、干渉計システム3の計測結果に基づいて、駆動システム20,25を作動し、マスクステージ1(マスクM)及び基板ステージ2(基板P)の位置制御を実行する。
液浸部材4は、射出面23から射出される露光光ELの光路が液体LQで満たされるように、露光光ELの光路の周囲の少なくとも一部に配置される。液浸部材4は、射出面23と、射出面23と対向する位置に配置された物体との間の露光光ELの光路が液体LQで満たされるように液浸空間LSを形成する。液浸空間LSは、液体LQで満たされた部分(空間、領域)である。本実施形態において、物体は、基板ステージ2(プレート部材T)、及び基板ステージ2に保持された基板Pの少なくとも一方を含む。基板Pの露光中、液浸部材4は、終端光学素子22と基板Pとの間の露光光ELの光路が液体LQで満たされるように液浸空間LSを形成する。
本実施形態において、液浸部材4は、第1部材31と第2部材32とを含む。第1部材31及び第2部材32は、終端光学素子22の近傍に配置されている。本実施形態において、第1部材31は、第1支持機構28に支持されている。第2部材32は、第2支持機構29に支持されている。本実施形態において、第1,第2支持機構28,29は、第1定盤13に支持されている。本実施形態において、第1部材31は、第1支持機構28を介して、第1定盤13に吊り下げられている。第2部材32は、第2支持機構29を介して、第1定盤13に吊り下げられている。
本実施形態の露光装置EXは、マスクMと基板Pとを所定の走査方向に同期移動しつつ、マスクMのパターンの像を基板Pに投影する走査型露光装置(所謂スキャニングステッパ)である。基板Pの露光時、制御装置7は、マスクステージ1及び基板ステージ2を制御して、マスクM及び基板Pを、光軸AX(露光光ELの光路)と交差するXY平面内の所定の走査方向に移動する。本実施形態においては、基板Pの走査方向(同期移動方向)をY軸方向とし、マスクMの走査方向(同期移動方向)もY軸方向とする。制御装置7は、基板Pを投影光学系PLの投影領域PRに対してY軸方向に移動するとともに、その基板PのY軸方向への移動と同期して、照明系ILの照明領域IRに対してマスクMをY軸方向に移動しつつ、投影光学系PLと基板P上の液浸空間LSの液体LQとを介して基板Pに露光光ELを照射する。これにより、マスクMのパターンの像が基板Pに投影され、基板Pは露光光ELで露光される。
図2は、液浸部材4の近傍を示す側断面図、図3は、液浸部材4を上方から見た図、図4は、図2の一部を拡大した図である。
図2,図3,及び図4に示すように、本実施形態において、第1部材31及び第2部材32のそれぞれは、環状の部材である。第1部材31の少なくとも一部は、露光光ELの一部の光路及び終端光学素子22の周囲に配置されている。第2部材32の少なくとも一部は、第1部材31の周囲に配置されている。図3に示すように、本実施形態において、XY平面内における第1部材31及び第2部材32の外形は、円形である。なお、第1部材31及び第2部材32の外形が、他の形状(例えば、矩形)でもよい。
液浸部材4は、射出面23から射出される露光光ELの光路の周囲の少なくとも一部に配置された第1面41と、第1面41の周囲の少なくとも一部に配置された第1凹部90と、第1凹部90を規定する内面92に配置され、気体を供給して、第1凹部90の圧力を高める第1給気口91とを備えている。
また、本実施形態において、液浸部材4は、第1凹部90の周囲に配置され、第1面41と同じ方向を向く第2面42を備えている。第1面41及び第2面42のそれぞれは、基板Pの表面と対向可能なように、−Z方向を向いている。本実施形態において、第2面42は、第1面41より下方(−Z側)に配置されている。
本実施形態において、XY平面内における第1面41及び第2面42の外形は、円形である。また、XY平面内における第2面42の内側のエッジも、円形である。また、XY平面内における第1凹部90の形状は、環状である。なお、第1凹部90として、複数の凹部を所定の間隔で第1面41の周囲に配置してもよい。
また、液浸部材4は、第1面41と第1凹部90との間の第1開口33から液体LQが流入可能であり、第1開口33と異なる第2開口34を介して雰囲気に開放された空隙部80と、空隙部80に流入した液体LQの少なくとも一部を回収する回収部60とを備えている。
本実施形態において、第1面41は、第1部材31に配置されている。第1凹部90は、第2部材32に配置されている。第2面42は、第2部材32に配置されている。第1面41、第1凹部90、及び第2面42は、液浸部材4の下方に配置された物体の表面(上面)と対向可能である。
本実施形態において、第1面41及び第2面42は、液体LQを回収不可能である。すなわち、本実施形態においては、第1面41及び第2面42には液体回収口が設けられていない。また、内面92も、液体LQを回収不可能である。本実施形態において、第1面41及び第2面42は、平坦である。第1面41と物体の表面(上面)との間の第1空間51は、液体LQを保持可能である。なお、本実施形態においては、第1面41と第2面42は、それぞれXY平面(水平面)と平行であるが、第1面41及び/又は第2面42の少なくとも一部が、XY平面に対して傾斜していてもよく、第1面41と第2面42とが平行でなくてもよい。また、本実施形態において、第1面41と第2面42の少なくとも一方が曲面を含んでいてもよい。
基板Pの露光の少なくとも一部において、射出面23、第1面41、第1凹部90、及び第2面42に基板Pの表面が対向する。基板Pの露光の少なくとも一部において、射出面23と基板Pの表面との間の空間に液体LQが満たされる。また、基板Pの露光の少なくとも一部において、第1面41と基板Pの表面との間の第1空間51に液体LQが保持される。基板Pは、射出面23と基板Pの表面との間の液体LQを介して、射出面23からの露光光ELで露光される。
本実施形態において、第1面41と物体との間に保持された液体LQによって液浸空間LSの一部が形成される。本実施形態においては、基板Pに露光光ELが照射されているときに、投影領域PRを含む基板Pの表面の一部の領域が液体LQで覆われるように液浸空間LSが形成される。液浸空間LSの液体LQの気液界面(メニスカス、エッジ)LG1は、基板Pの表面と対向する液浸部材4の下面と基板Pの表面との間に形成することができるが、後述の第12面79と基板Pとの間に形成されることが望ましい。本実施形態の露光装置EXは、局所液浸方式を採用する。
以下、簡単のため、射出面23、第1面41、第1凹部90、及び第2面42と対向する位置に基板Pが配置され、液浸部材4と基板Pとの間に液体LQが保持されて液浸空間LSが形成される場合を例にして説明する。なお、上述のように、射出面23及び液浸部材4と他の部材(基板ステージ2のプレート部材Tなど)との間に液浸空間LSを形成することができる。
上述したように、本実施形態において、第1面41及び第2面42のそれぞれは、XY平面とほぼ平行である。図4などに示すように、第1面41は、基板Pの表面と第1ギャップG1を介して対向し、第2面42は、第2ギャップG2を介して対向する。第2ギャップG2は、第1ギャップG1より小さい。
本実施形態において、第1部材31は、基板Pの表面と対向可能な第1面41と、第1面41と逆方向を向き、射出面23の少なくとも一部と対向する第3面43と、第3面43の周囲に配置され、終端光学素子22の側面35と対向する第4面44と、第4面44の周囲に配置され、保持部材21の外面36と対向する第5面45とを有する。第1部材31は、少なくとも一部が射出面23と対向するように配置されたプレート部37と、少なくとも一部が終端光学素子22の周囲に配置される本体部38とを有する。第1面41及び第3面43は、プレート部37に配置されている。第4面44及び第5面45は、本体部38に配置されている。また、プレート部37は、射出面23から射出された露光光ELが通過可能な開口39を有する。基板Pの露光中、射出面23から射出された露光光ELは、開口39を介して、基板Pの表面に照射される。図3に示すように、本実施形態において、開口39は、基板Pの走査方向(Y軸方向)と交差するX軸方向に長い。
第3面43は、射出面23と第3ギャップG3を介して対向する。第4面44は、側面35と第4ギャップG4を介して対向する。第5面45は、外面36と第5ギャップG5を介して対向する。
終端光学素子22の側面35は、射出面23と異なる面であり、露光光ELが通過しない面である。側面35は、射出面23の周囲に配置されている。側面35は、射出面23の周縁から上方(+Z方向)に延びるように配置されている。側面35は、射出面23の周縁から光軸AXに対する放射方向(光軸AXに対して垂直な方向)に延びるように設けられている。すなわち、側面35は、光軸AXに対する放射方向に、かつ上方に延びるように傾斜している。
保持部材21は、終端光学素子22を保持する。保持部材21の外面36は、側面35の周囲に配置されている。外面36は、光軸AXに対する放射方向に延びるように配置されている。
本実施形態において、第3面43と射出面23とは、ほぼ平行である。また、第4面44と側面35とは、ほぼ平行である。また、第5面45と外面36とは、ほぼ平行である。なお、第3面43と射出面23とは平行でなくてもよい。また、第4面44と側面35とは平行でなくてもよい。また、第5面45と外面36とは平行でなくてもよい。
終端光学素子22及び保持部材21と第1部材31との間の空間は、射出面23と第3面43とで規定された第3空間53と、側面35と第4面44とで規定された第4空間54と、外面36と第5面45とで規定された第5空間55とを含む。第4空間54は、光軸AXに対する放射方向に、投影光学系PLの像面から離れる方向に、かつ+Z方向に延びるように傾斜した空間である。第5空間55は、光軸AXに対する放射方向(光軸AXに垂直な方向)に延びる空間である。
なお、本実施形態においては、第4面44は終端光学素子22の側面35と対向しているが、第4面44の少なくとも一部が保持部材21の外面と対向していてもよい。また、本実施形態においては、第5面45は、保持部材21の外面36と対向しているが、終端光学素子22の側面35の周囲に終端光学素子22の下面が露出している場合には、第5面45の少なくとも一部が、終端光学素子22の下面と対向していてもよい。
また、第4空間54は、光軸AXと平行であってもよい。また第5空間55は光軸AXに対して垂直でなくてもよい。
また、第1部材31は、第1面41の周囲に配置された第6面46と、第6面46の周囲に配置された第7面47とを有する。第6面46及び第7面47は、本体部38に配置されている。本実施形態において、第4面44と第6面46とは、ほぼ平行である。また、第5面45と第7面47とは、ほぼ平行である。なお、第4面44と第6面46とは平行でなくてもよい。また、第5面45と第7面47とは平行でなくてもよい。
本実施形態において、第2部材32は、基板Pの表面と対向可能な第2面42と、第6面46と対向する第8面48と、第7面47と対向する第9面49とを有する。
第8面48は、第6面46と第6ギャップG6を介して対向する。第9面49は、第7面47と第7ギャップG7を介して対向する。本実施形態において、第8面48と第6面46とは、ほぼ平行である。また、第9面49と第7面47とは、ほぼ平行である。なお、第8面48と第6面46とは平行でなくてもよい。また、第9面49と第7面47とは平行でなくてもよい。
第1部材31と第2部材32との間の空間は、第6面46と第8面48とで規定された第6空間56と、第7面47と第9面49とで規定された第7空間57とを含む。第6空間56は、光軸AXに対する放射方向に、投影光学系PLの像面から離れる方向(+Z方向)に延びるように傾斜した空間である。第7空間57は、光軸AXに対する放射方向(光軸AXに垂直な方向)に延びる空間である。なお、第6空間56は、光軸AXと平行であってもよい。また、第7空間57は、光軸AXに対して垂直でなくてもよい。
本実施形態において、空隙部80は、第6空間56を含む。空隙部80(第6空間56)の下端は、第1空間51と流体的に接続されている。空隙部80の上端は、第7空間57と流体的に接続されている。本実施形態においては、空隙部80の下端に、第1開口33が配置され、空隙部80の上端に、第2開口34が配置されている。本実施形態においては、第8面48の下端部48Bは、空隙部80の下端を規定する。第8面48の上端部48Tは、空隙部80の上端を規定する。
基板Pの露光の少なくとも一部において、第1開口33は、基板Pの表面と対向する。基板P上の液体LQの少なくとも一部は、第1開口33を介して、空隙部80に流入可能である。本実施形態においては、第1開口33は、第1面41とほぼ面一に形成されている。なお、第1開口33を下方(−Z方向)を向いていなくてもよい。第1開口33は、環状に設けられた一つの開口であってもよいし、所定の間隔で環状に配置された複数の開口から形成されてもよい。同様に、空隙部80も、光軸AXの周囲に所定の間隔で環状に配置された複数の空隙部から形成されてもよい。
回収部60は、空隙部80からの液体LQを回収する。回収部60は、空隙部80からオーバーフローした液体LQを回収する。回収部60の少なくとも一部は、光軸AXに対する放射方向において、上端部48Tの外側に配置されている。
本実施形態において、回収部60は、光軸AXに対する放射方向において、空隙部80の外側に上方(+Z方向)を向いて設けられた第2凹部61を有する。第2凹部61は、上方を向く開口61Kを有する。回収部60は、開口61Kを介して第2凹部61に流入した液体LQを回収する。
第2凹部61は、光軸AXに対する放射方向において、上端部48Tの外側に設けられている。本実施形態において、第2凹部61は、第9面49の周囲に配置されている。XY平面内において、第2凹部61は、環状である。なお、第2凹部61は、所定間隔で環状に配置された複数の凹部から形成されてもよい。また、本実施形態においては、第2部材32は、第2凹部61の周囲に配置された第10面70を有する。第10面70は、XY平面とほぼ平行である。本実施形態において、第10面70は、第9面49とほぼ同一平面内に配置されている。なお、第10面70が第9面49より上方に(+Z側に)配置されてもよい。
第2凹部61は、第9面49と結ばれた第1内面611と、第1内面611と対向し、第10面70と結ばれた第2内面612と、第1内面611と第2内面612との間に配置された底面613とを有する。底面613は、上方(+Z方向)を向いている。底面613は、上端部48Tより下方(−Z側)に配置されている。本実施形態において、底面613は、XY平面とほぼ平行である。なお、底面613は、XY平面と平行でなくてもよい。例えば、底面613は、XY平面に対して傾斜していてもよい。また、底面613が、曲面を含んでいてもよい。
また、回収部60は、空隙部80からの液体LQを第2凹部61にガイドする液体ガイド部81を有する。本実施形態において、液体ガイド部81は、第9面49を含む。また本実施形態において、液体ガイド部81は、第7空間57を含む。液体ガイド部81は、上端部48Tから光軸AXに対する放射方向に延びるように形成されている。なお、本実施形態においては、液体ガイド部81は、光軸AXに対して垂直(XY平面と平行)に設けられているが、光軸AXに対して垂直でなくてもよい。例えば、第9面49を上端部48Tから下方に向かって傾斜させてもよい。
第2凹部61は、上端部48Tから光軸AXに対する放射方向において、液体ガイド部81の外側に設けられている。空隙部80の上端からオーバーフローした液体LQは、液体ガイド部81にガイドされて、第2凹部61に流入する。
第2凹部61は、空隙部80からの液体LQを貯めることができる。第2凹部61は、流入した液体LQを貯めることによって、空隙部80からの液体LQが空隙部80に戻ることを抑制する。すなわち、第2凹部61は、空隙部80に戻らないように空隙部80からの液体LQを貯めるリザーブ部の少なくとも一部として機能する。
また、回収部60は、第2凹部61に流入した液体LQを回収する回収口62を有する。回収口62は、その第2凹部61に貯めた液体LQを回収する。
本実施形態において、回収口62は、底面613と対向するように配置されている。本実施形態において、回収口62は、第2凹部61の内側に配置されている。換言すれば、回収口62は、第2凹部61の開口61Kより下方(−Z側)に配置されている。
本実施形態においては、XY平面内において、回収口62は、環状である。なお、回収口62が、光軸AXの周囲の複数の位置に分割して配置されてもよい。
本実施形態において、回収口62は、第1部材31に配置されている。第1部材31は、第7面47の周囲に配置され、下方に突出する凸部63を有する。回収口62は、凸部63の下端に配置されている。
回収口62には、多孔部材64が配置されている。多孔部材64は、複数の孔(openingsあるいはpores)を含むプレート状の部材である。なお、多孔部材64が、網目状に多数の小さい孔が形成された多孔部材であるメッシュフィルタでもよい。
本実施形態において、多孔部材64の下面を含む凸部63の外面と、底面613、第1内面611、及び第2内面612を含む第2凹部61の内面とは離れている。すなわち、凸部63と第2凹部61との間に、第8空間58が形成される。
第1部材31は、第10面70と対向する第11面71を有する。第10面70と第11面71との間の第9空間59は、第3開口72を介して、雰囲気に開放されている。
空隙部80は、第2開口34を介して、雰囲気に開放されている。第2開口34は、第7空間57、第8空間58、及び第9空間59を介して、第3開口72と結ばれている。本実施形態において、空隙部80は、第2開口34、第7,第8,第9空間57,58,59、及び第3開口72を介して、雰囲気に開放されている。すなわち、空隙部80は、第1開口33と異なる第2開口34を介して液浸部材4の周囲の空間に開放されている。換言すれば、空隙部80は、第2開口34を介して液浸空間LSの液体LQの界面が接する気体空間に開放されている。
本実施形態において、「雰囲気」は、液浸部材4を取り囲む気体である。本実施形態において、液浸部材4を取り囲む気体は、チャンバ装置5によって形成される内部空間8の気体である。本実施形態において、チャンバ装置5は、環境制御装置5Bを用いて、内部空間8をクリーンな空気で満たす。また、チャンバ装置5は、環境制御装置5Bを用いて、内部空間8をほぼ大気圧に調整する。もちろん、内部空間8を大気圧よりも高く設定してもよい。
また、本実施形態においては、第3空間53、第4空間54、及び第5空間55も、液浸部材4の周囲の気体空間(内部空間8)に開放されている。
本実施形態において、第2面42は、液体LQに対して撥液性である。第2面42において、液体LQの接触角は90°以上であり、100°以上であってもよい。本実施形態においては、第2面42は、液体LQに対して撥液性の膜73で形成されている。膜73は、例えばフッ素を含む撥液性材料で形成される。撥液性材料としては、例えばPFA(Tetra fluoro ethylene-perfluoro alkylvinyl ether copolymer)、PTFE(Poly tetra fluoro ethylene)、PEEK(polyetheretherketone)、テフロン(登録商標)等が挙げられる。
本実施形態においては、第2部材32は、第1開口33と第1凹部90との間に配置され、第1面41と同じ方向を向く第12面79を備えている。第12面79は、基板Pの表面と対向可能なように、−Z方向を向いている。本実施形態において、第12面79は、第1面41とほぼ同一平面内に配置されている平坦部である。なお、第12面79は、第1面41の下方に配置されていてもよい。また第12面79が、XY平面に対して傾斜していてもよいし、曲面を含んでいてもよい。
第1凹部90は、下方を向く開口90Kを有する。第1凹部90を規定する内面92は、第12面79と結ばれた第1内面921と、第1内面921と少なくとも一部が対向し、第2面42と結ばれた第2内面922と、第1内面921と第2内面922との間に配置された上面923とを有する。上面923は、下方(−Z方向)を向いている。上面923は、下端部48Bより上方(+Z側)に配置されている。本実施形態において、上面923は、XY平面とほぼ平行である。なお、上面923は、XY平面と平行でなくてもよい。例えば、上面923は、XY平面に対して傾斜していてもよい。また、上面923が、曲面を含んでいてもよい。
第1給気口91は、第2内面922に配置されている。第1給気口91は、第1凹部90の内側に気体を供給する。本実施形態において、第1給気口91は、光軸AXに関する周方向において所定間隔で第2内面922に設けられた複数の開口を有しし、複数の開口のそれぞれから気体を供給する。第1給気口91は、第1凹部90の内側に気体を供給して、その第1凹部90の圧力を、少なくとも雰囲気の圧力(本実施形態では大気圧)より高くする。
また、本実施形態において、液浸部材4は、第1凹部90の周囲の少なくとも一部に配置された第2給気口74を備えている。本実施形態において、第2給気口74は、第2面42に配置されている。第2給気口74は、第2面42と対向する物体(基板P)の表面に向けて気体を供給する。
本実施形態においては、XY平面内において、給気口74は、環状である。なお、給気口74が、光軸AXの周囲の複数の位置に分割して配置されてもよい。
また、本実施形態において、液浸部材4は、露光光ELの光路に液体LQを供給する供給口75を備えている。供給口75は、終端光学素子22の露光光ELが通過しない面と対向する位置に配置されている。本実施形態において、供給口75は、終端光学素子22の側面35と対向する位置に配置されている。なお、供給口75は、終端光学素子22の面に対向していなくてもよい。例えば、第3面43と射出面23との間の第3空間53に面するように第1部材31に供給口75を配置してもよい。
図3に示すように、本実施形態においては、供給口75は、光軸AXに対して+Y側及び−Y側のそれぞれに一つずつ配置されている。なお、供給口75が、光軸AXに対して+X側及び−X側のそれぞれに一つずつ配置されてもよい。また、供給口75の数は、3つ以上でもよい。
本実施形態において、供給口75は、第4空間54に液体LQを供給する。第4空間54に供給された液体LQは、第4空間54を下方に流れた後、第3空間53を介して、射出面23から射出される露光光ELの光路に供給される。また、供給口75から第4空間54を介して第3空間53に供給された液体LQの少なくとも一部は、開口39を介して、第1空間51に供給される。
図2に示すように、供給口75は、供給流路を介して、液体供給装置76と接続されている。本実施形態において、供給流路は、第1部材31の内部に形成された流路、及び第1支持機構28の内部に形成された流路を含む。液体供給装置76は、クリーンで温度調整された液体LQを供給口75に供給することができる。なお、第1部材31を支持する第1支持機構28の内部に供給流路の一部を設けなくてもよい。
回収口62は、回収流路を介して、液体回収装置77と接続されている。本実施形態において、回収流路は、第1部材31の内部に形成された流路、及び第1支持機構28の内部に形成された流路を含む。液体回収装置77は、真空システム(真空源と回収口62との接続状態を制御するバルブなど)を含み、回収口62から液体LQを吸引して回収することができる。回収口62と真空源を含む液体回収装置77とが接続されることによって、回収口62から液体LQが回収される。なお、第1部材31を支持する第1支持機構28の内部に回収流路の一部を設けなくてもよい。
第1給気口91は、給気流路を介して、気体供給装置78Aと接続されている。本実施形態において、給気流路は、第2部材32の内部に形成された流路、及び第2支持機構29の内部に形成された流路を含む。気体供給装置78Aは、クリーンで温度、及び湿度が調整された気体を第1給気口91に供給することができる。なお、第1給気口91から供給される気体の湿度は、環境制御装置5Bにより内部空間8に供給される気体の湿度より高い方がよい。これにより、界面LGでの液体LQの気化を抑制することができる。また、第2部材32を支持する第2支持機構29の内部に給気流路の一部を設けなくてもよい。
第2給気口74は、給気流路を介して、気体供給装置78Bと接続されている。本実施形態において、給気流路は、第2部材32の内部に形成された流路、及び第2支持機構29の内部に形成された流路を含む。気体供給装置78Bは、クリーンで温度、及び湿度が調整された気体を第2給気口74に供給することができる。なお、第2給気口74から供給される気体の湿度は、環境制御装置5Bにより内部空間8に供給される気体の湿度より高い方がよい。第2部材32を支持する第2支持機構29の内部に給気流路の一部を設けなくてもよい。
なお、第1給気口91から供給される気体の湿度は、第2供給口92より供給される気体の湿度と同程度、もしくは高い方がよい。
また、第1給気口91から供給される気体の湿度と、第2供給口92より供給される気体の湿度の少なくとも一方は、環境制御装置5Bにより内部空間8に供給される気体の湿度と同程度であってもよい。
制御装置7は、液体回収装置77を制御して、多孔部材64の下面側空間(第8空間58)から上面側空間(回収流路)へ液体LQのみが通過するように、多孔部材64の下面側と上面側との圧力差を制御することができる。本実施形態において、下面側の第8空間58の圧力は、雰囲気に開放され、チャンバ装置5によって制御されている。制御装置7は、多孔部材64の下面側から上面側へ液体LQのみが通過するように、液体回収装置77を制御して、下面側の圧力に応じて、上面側の圧力を調整する。すなわち、制御装置7は、多孔部材64の孔を介して、第8空間58からの液体LQのみを回収し、気体は多孔部材64の孔を通過しないように調整する。多孔部材64の一側と他側との圧力差を調整して、多孔部材64の一側から他側へ液体LQのみを通過させる技術は、例えば米国特許第7292313号明細書などに開示されている。
次に、上述の構成を有する露光装置EXを用いて基板Pを露光する方法について説明する。
まず、制御装置7は、射出面23、第1面41、第1凹部90、及び第2面42と基板Pの表面(あるいは基板ステージ2の上面26)とが対向するように、基板Pを保持する基板ステージ2を移動する。第1面41と基板Pの表面とは、第1ギャップG1を介して対向し、第2面42と基板Pの表面とは第2ギャップG2を介して対向する。
制御装置7は、第1面41及び第2面42と基板Pの表面とを対向させた状態で、液体供給装置76から液体LQを送出する。また、制御装置7は、液体回収装置77を作動する。また、制御装置7は、気体供給装置78A,78Bを作動する。
液体供給装置76から送出された液体LQは、供給口75より、第4空間54に供給される。第4空間54に供給された液体LQは、第4空間54を下方に流れた後、第3空間53を介して、射出面23から射出される露光光ELの光路に供給される。これにより、露光光ELの光路は、液体LQで満たされる。
また、供給口75から第4空間54を介して第3空間53に供給された液体LQの少なくとも一部は、開口39を介して、第1空間51に供給され、第1面41と基板Pの表面との間で保持される。
開口39から第1空間51に供給された液体LQの少なくとも一部は、第1開口31を介して空隙部80に流入する。
本実施形態においては、開口39を介して第1空間51に供給された液体LQが、光軸AXの放射方向において第12面79の外側の空間に流入することが抑制されている。すなわち、本実施形態においては、XY平面内における液浸空間LSの液体LQの界面LG1の外側への移動が拘束されており、液浸空間LSの拡大が抑制されている。
本実施形態においては、第1面41の周囲に配置された第1凹部90に第1給気口91から気体が供給されて、第1凹部90の圧力が高められ、第1凹部90の下側にも高圧空間が形成される。液浸空間LSを形成するために第1面41と基板Pの表面との間に保持された液体LQの界面LG1の周囲に、圧力が高い空間が配置されるので、液浸空間LSの拡大を抑制することができる。すなわち、第1凹部90によって形成される高圧空間によって、界面LG1の外側への移動が拘束される。本実施形態においては、高圧空間によって、界面LG1の位置は、図4等に示すように、第12面79と基板Pの表面との間に維持される。これにより、液体LQの流出を抑制することができる。
また、本実施形態においては、第2面42の内側のエッジと結ばれ、光路に面するように配置された第2内面922が設けられている。Z軸方向に関する第2内面922の大きさは、第1内面911の大きさより大きい。すなわち、第2内面922の下端は、第1面41より−Z側(基板P側)に配置される。したがって、第1凹部90の下側の空間からの気体の流出が抑えられ、液体LQの流出を抑制するように、界面LG1の外側に、高圧空間を維持することができる。
また、本実施形態においては、給気口74が設けられており、光軸AXに対して第2面42の内側エッジの外側で、基板Pの表面に向けて気体を供給する。これにより、給気口74から供給された気体によって、第1凹部90の下側の空間からの気体の流出が抑制される。すなわち、給気口74は、基板Pの表面と第2面42との間でガスシールを形成する。これにより、第1凹部90の下側に高圧空間を維持することができ、界面LG1の外側への移動が拘束される。
また、本実施形態において、第1面41は、基板Pの表面と第1ギャップG1を介して対向し、第1面41の周囲に配置された第2面42は、基板Pの表面と第2ギャップG2を介して対向する。第2ギャップG2は、第1ギャップG1より小さく、例えば0.1〜0.3mm程度である。したがって、光軸AXに対する放射方向において、第12面79の下側空間の外側に液体LQが流出したとしても、第1凹部90の外側に液体LQが流出することが抑制される。
また、本実施形態においては、第2面42が液体LQに対して撥液性なので、より効果的に、液体LQの流出が抑制される。
また、本実施形態においては、XY平面内における第1凹部90の形状は、円環状(輪帯状)であり、その第1凹部90によって形成される高圧空間も、円環状である。これにより、液浸空間LSの界面LG1の全方位から中心に向かう拘束力が作用する。これにより、液浸空間LSの拡大が抑制される。
開口39を介して第1空間51に流入した液体LQによって形成される液浸空間LSの拡大が抑制された状態で、供給口75から液体LQが供給されることによって、雰囲気に開放された空隙部80に液体LQが流入し、空隙部80における液体LQの表面の位置が+Z方向に移動する(上昇する)。空隙部80が液体LQで満たされると、その空隙部80の液体LQの少なくとも一部が、空隙部80の上端(上端部48T)からオーバーフローする。空隙部80からオーバーフローした液体LQは、空隙部80の上端の外側に配置されている回収部60で回収される。
空隙部80からオーバーフローした液体LQは、液体ガイド部81にガイドされた後、第2凹部61に流入する。第2凹部61に流入した液体LQは、第2凹部61に貯まる。
図5(A)は、第2凹部61の液体LQの表面が第1位置Z1に配置される状態を示し、図5(B)は、第2位置Z2に配置される状態を示す。図5(A)に示すように、例えば、液体LQの表面が第1位置Z1に配置され、液体LQと回収口62(多孔部材64)とが接触していない状態においては、第2開口34は、第7,第8,第9空間57,58,59、及び第3開口72を介して、雰囲気に開放されている。これにより、第1空間51の液体LQは、第1開口33を介して空隙部80に円滑に流入する。また、空隙部80に流入し、その空隙部80からオーバーフローした液体LQは、第2凹部61に円滑に流入する。第2凹部61に貯まる液体LQの量は除々に増加する。
図5(B)に示すように、第2凹部61に貯まる液体LQの量が増加して、液体LQの表面が第2位置Z2に配置され、液体LQと回収口62(多孔部材64)とが接触することによって、第2凹部61に貯められている液体LQは、回収口62(多孔部材64)より回収される。回収口62より液体LQが回収されることによって、第2凹部61の液体LQの量が減少し、第2凹部61における液体LQの表面の位置が−Z方向に移動する(下降する)。その第2凹部61に空隙部80からの液体LQが流入することによって、第2凹部61の液体LQの量が再び増加し、液体LQと多孔部材64とが接触して、液体LQが回収口62より回収される。
本実施形態においては、多孔部材64の下面側から上面側へ液体LQのみが通過するように、多孔部材64の下面側と上面側との圧力差が制御されているので、回収部60は、振動の発生、気化熱の発生を抑制しつつ、液体LQを回収することができる。
本実施形態において、回収部60は、第1開口33及び空隙部80を介して回収された基板P上の液体LQを第2凹部61に貯めるので、その空隙部80を介して回収された液体LQが空隙部80に戻ることを抑制することができる。また、回収部60は、第2凹部61に所定量以上貯まった液体LQを、回収口62で回収する。したがって、空隙部80を介して回収された液体LQが空隙部80に戻ることをより確実に抑制することができる。空隙部80を介して回収された液体LQが空隙部80に戻らないように、空隙部80からの液体LQを第2凹部61に貯めることによって、例えば多孔部材64に接触した液体LQが、空隙部80を介して第1空間51及び露光光ELの光路に戻ることが抑制される。
次に、基板Pを露光する方法について説明する。上述のように、制御装置7は、供給口75より液体LQを供給して、露光光ELの光路が液体LQで満たされるように、第1面41と基板Pの表面との間で液体LQを保持して、液浸空間LSを形成する。また、基板P上の液体LQの少なくとも一部は、第1開口33を介して空隙部80に流入する。回収部60は、空隙部80からの液体LQを第2凹部61に貯めるとともに、第2凹部61で所定量に達した液体LQを回収口62で回収する。制御装置7は、供給口75を用いる液体供給動作と並行して、回収部60を用いる液体回収動作を実行して、露光光ELの光路が液体LQで満たされるように液浸空間LSを形成する。また、制御装置7は、第1給気口91より気体を供給して、第1凹部90の圧力を高めて、界面LG1の周囲に高圧空間を形成する。また、制御装置7は、第2給気口74より気体を供給して、ガスシールを形成する。
制御装置7は、基板P上の液体LQの少なくとも一部を第1開口33から空隙部80を介して第2凹部61に貯めて、空隙部80から回収部60に回収された液体LQが空隙部80に戻ることを抑制しつつ、かつ、第2ギャップG2等を用いて液浸空間LSの拡大を拘束しつつ、基板Pの露光を開始する。
制御装置7は、照明系ILより露光光ELを射出して、マスクMを露光光ELで照明する。マスクMからの露光光ELは、投影光学系PLの射出面23から射出される。制御装置7は、射出面23と基板Pとの間の液体LQを介して、射出面23からの露光光ELを基板Pに照射する。これにより、マスクMのパターンの像が基板Pに投影され、基板Pが露光光ELで露光される。基板Pの露光中にも、供給口75から供給された液体LQが第1開口33から流入し、空隙部80を介して回収部60に回収される。
以上説明したように、本実施形態によれば、第1凹部90を規定する内面92に配置された第1給気口91から気体を供給して、液浸空間LSの周囲に高圧空間を形成するようにしたので、例えば、液浸空間LSを形成した状態で、基板Pを高速で移動した場合においても、投影光学系PLと基板Pとの間を液体LQで良好に満たし続けることができる。また、液体LQが流出、残留等を抑制することができる。したがって、露光不良の発生、不良デバイスの発生を抑制できる。
また、本実施形態においては、雰囲気に開放された空隙部80を設け、その空隙部80に流入した液体LQを回収部60で回収するようにしたので、基板Pの表面と対向する液浸部材4の下面の構造をシンプルにすることができる。したがって、液体LQと接触する液浸部材4の下面に異物が付着したり、下面が汚染されたりすることが抑制される。
また、本実施形態においては、第1開口33に流入した液体LQが流れる流路を形成する空隙部80(第6空間56)、及び液体ガイド部81(第7空間57)は、分離可能な第1部材31と第2部材32との間に形成される。したがって、空隙部80を形成する第1部材31の第6面46及び第2部材32の第8面48、液体ガイド部81を形成する第1部材31の第7面47及び第2部材32の第9面49を円滑且つ良好にクリーニングできる。
また、本実施形態においては、回収部60は、空隙部80から回収した液体LQが、空隙部80に戻らないように構成されている。すなわち、空隙部80からの液体LQを第2凹部61に貯めている。したがって、例えば回収部60の多孔部材64が汚染された場合でも、その多孔部材64に接触した液体LQ(汚染されている可能性がある液体LQ)が、空隙部80を介して第1空間51及び露光光ELの光路に戻る(逆流する)ことを抑制することができる。したがって、露光不良の発生を抑制できる。
また、多孔部材64が汚染された場合、その汚染された多孔部材64を新たな多孔部材64に交換することによって、多孔部材64に接触する液体LQの汚染を抑制できる。
また、上述の実施形態において、第1開口33と第1凹部90との間に第12面79が形成されているが、第12面79を形成せずに、第1開口33と第1凹部90とが隣接していてもよい。また、第12面79は、第1面41よりも下方に配置されてもよい。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図6は、第2実施形態に係る液浸部材4Bの一例を示す図である。本実施形態においては、液浸部材4Bは、射出面23から射出される露光光ELの光路の周囲に配置された第1面41と、第1面41の周囲に配置された第1凹部90と、第1凹部90を規定する内面92に配置され、気体を供給して、第1凹部90の圧力を高める第1給気口91と、光軸AXに対する放射方向において、第1面41と第1凹部90との間に配置され、液体LQを回収する回収口と87とを備えている。回収口87には、多孔部材88が配置されている。
また、液浸部材4Bは、第1凹部90の周囲に配置され、第1面41と同じ方向を向く第2面42と、第2面42に配置された第2給気口74と、側面35と対向する位置に配置された供給口75とを備えている。
本実施形態において、第1面41、第1凹部90、第1給気口91、回収口87、第2面42、第2給気口74、及び供給口75は、1つの部材に配置されている。
また、本実施形態においては、回収口87は、基板Pの表面と対向可能なように、−Z方向を向いている。回収口87は、基板P上の液体LQを回収可能である。多孔部材88の下面は、基板Pの表面と対向可能である。多孔部材88の下面は、第1面41の周囲の少なくとも一部に配置される。本実施形態において、第1面41と多孔部材88の下面とは、ほぼ同一平面内に配置される。
回収口87は、回収流路を介して、液体回収装置77と接続されている。回収口87と真空源を含む液体回収装置77とが接続されることによって、回収口87から液体LQが回収される。また、本実施形態においては、制御装置7は、液体回収装置77を制御して、多孔部材88の下面側から上面側へ液体LQのみが通過するように、多孔部材88の下面側と上面側との圧力差を制御することができる。
本実施形態においては、光軸AXに対する放射方向において、回収口87の外側に第1凹部90が配置されており、液浸空間LSの液体LQの界面LGが、回収口87の下側空間よりも外側に移動することが抑制されている。したがって、本実施形態においても、液体LQを流出、残留等を抑制することができる。
<第3実施形態>
次に、第3実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態の変形例である。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図7は、第3実施形態に係る液浸部材4Cの一例を示す図である。図7において、液浸部材4Cは、第1面41を有する第1部材31Cと、第2面42を有する第2部材32Cとを含む。
また、液浸部材4Cは、空隙部80に流入した液体LQの少なくとも一部を回収する回収部60Cを有する。本実施形態において、回収部60Cは、第2部材32Cに設けられた第2凹部61Cと、第2凹部61Cに流入した液体LQを回収する回収口62Cとを有する。本実施形態において、回収口62Cは、第2凹部61Cの内側に配置されている。本実施形態において、回収口62Cは、第2凹部61Cの底部613Cに配置されている。回収口62Cには、多孔部材64Cが配置されている。多孔部材64Cの上面は、上端部48Tより下方(−Z側)に配置されている。本実施形態においても、回収部60Cで液体LQを良好に回収することができる。
本実施形態において、液浸部材4Cは、光軸AXに対する放射方向において、第1面41の外側で、第1面41が面する第1空間51に面する位置に配置された供給口84を有する。供給口84は、露光光ELの光路に液体LQを供給する。本実施形態において、供給口84は、第2部材32Cに設けられている。供給口84は、光軸AXに対する放射方向において、第1開口33の外側に配置されている。供給口84は、第12面79の内側のエッジと結ばれ、第1空間51に面する第13面85に配置されている。
また、上述の第1,第2実施形態と同様、液浸部材4Cは、第1面41の周囲に配置された第1凹部90と、第1凹部90を規定する内面92に配置された第1給気口91と、第2面42に配置された第2給気口74とを備えている。本実施形態において、供給口84は、第1開口33と第1凹部90との間に配置されている。
本実施形態においても、液浸空間LSを良好に形成することができ、液体LQの流出、残留を抑制することができる。
なお、本実施形態においては、供給口75及び供給口84の両方が配置されているが、供給口75を省略してもよい。
なお、本実施形態において、回収口62Cが、第2凹部61Cの第1内面611C及び第2内面612Cの少なくとも一方に配置されてもよい。
なお、上述の第1、第3実施形態において、第1面41を有する第1部材(31)と第2面42を有する第2部材(32)とが、光軸AXと平行な方向に、及び/又は光軸AXと垂直な方向に、相対移動可能であってもよい。すなわち、第1部材31と第2部材32の少なくとも一方が可動に支持されてもよい。例えば、第2支持機構29にアクチュエータを設け、そのアクチュエータの駆動力で、第2部材(32)の位置を動かしてもよい。第2部材(32)の位置をZ方向に動かして、第2ギャップG2を調整することができる。
また、上述の第1、第3実施形態において、第1面41,第2面42、空隙部80などを一つの部材に形成してもよい。
また、上述の第1、第3実施形態において、第2開口34が保持部材21の外面36と対向するように空隙部80を設けてもよい。この場合も、外面36の下側の第5空間55も雰囲気(液浸部材4の周囲の気体空間)に開放されているので、光軸AXに対する放射方向において空隙部80の外側に回収部60を配置することによって空隙部80からの液体LQを円滑に回収することができる。
また、上述の各実施形態において、第2面42の少なくとも一部は液体LQに対して撥液性でなくてもよい。
なお、上述の第1〜第3実施形態においては、回収口62、87、62Cに多孔部材を配置して、多孔部材の一側から他側へ液体LQのみが通過するようにしているが、回収口が、液体LQを、気体とともに回収してもよい。また、回収口に、多孔部材を配置しなくてもよい。
なお、上述の各実施形態において、給気口74を省略してもよい。
また、上述の各実施形態において、給気口74から気体によって、第1凹部90の下側に高圧空間が維持できれば、第2面42が第1面41より下方に配置されていなくてもよい。
なお、上述の各実施形態において、第1面41が、露光光ELの光路の周囲の一部に配置されてもよい。また、第2面42が、第1凹部90の周囲の一部に配置されてもよい。
また、上述の各実施形態において、第1面41が、射出面23と基板Pとの間に配置されていなくてもよい。この場合、第1面41が射出面23と面一、あるいは射出面23より上方に配置されてもよい。
また、上述の各実施形態において、終端光学素子22の露光光ELが通過しない面は、射出面23の周縁から上方(+Z方向)に延びる面(側面35)を有していなくてもよい。例えば、終端光学素子22の露光光ELが通過しない面が、射出面23とほぼ平行(光軸AXと垂直な方向に)延びていてもよい。
なお、上述の各実施形態において、液浸部材(4など)に、例えば米国特許出願公開第2008/0106707号明細書に開示されているような、温度調整機構を設けることができる。例えば、液浸部材の内部に形成された流路に、温度調整用の液体を流すことによって、その液浸部材の温度を調整することができる。
なお、上述の各実施形態においては、投影光学系PLの終端光学素子22の射出側(像面側)の光路が液体LQで満たされているが、例えば国際公開第2004/019128号パンフレットに開示されているように、終端光学素子22の入射側(物体面側)の光路も液体LQで満たされる投影光学系を採用することもできる。
なお、上述の各実施形態の液体LQは水であるが、水以外の液体であってもよい。例えば、液体LQとして、ハイドロフロロエーテル(HFE)、過フッ化ポリエーテル(PFPE)、フォンブリンオイル等を用いることも可能である。また、液体LQとして、種々の流体、例えば、超臨界流体を用いることも可能である。
なお、上述の各実施形態の基板Pとしては、半導体デバイス製造用の半導体ウエハのみならず、ディスプレイデバイス用のガラス基板、薄膜磁気ヘッド用のセラミックウエハ、あるいは露光装置で用いられるマスクまたはレチクルの原版(合成石英、シリコンウエハ)等が適用される。
露光装置EXとしては、マスクMと基板Pとを同期移動してマスクMのパターンを走査露光するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置(スキャニングステッパ)の他に、マスクMと基板Pとを静止した状態でマスクMのパターンを一括露光し、基板Pを順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパ)にも適用することができる。
さらに、ステップ・アンド・リピート方式の露光において、第1パターンと基板Pとをほぼ静止した状態で、投影光学系を用いて第1パターンの縮小像を基板P上に転写した後、第2パターンと基板Pとをほぼ静止した状態で、投影光学系を用いて第2パターンの縮小像を第1パターンと部分的に重ねて基板P上に一括露光してもよい(スティッチ方式の一括露光装置)。また、スティッチ方式の露光装置としては、基板P上で少なくとも2つのパターンを部分的に重ねて転写し、基板Pを順次移動させるステップ・アンド・スティッチ方式の露光装置にも適用できる。
また、例えば対応米国特許第6611316号明細書に開示されているように、2つのマスクのパターンを、投影光学系を介して基板上で合成し、1回の走査露光によって基板上の1つのショット領域をほぼ同時に二重露光する露光装置などにも本発明を適用することができる。また、プロキシミティ方式の露光装置、ミラープロジェクション・アライナーなどにも本発明を適用することができる。
また、本発明は、米国特許第6341007号明細書、米国特許第6208407号明細書、米国特許第6262796号明細書等に開示されているような複数の基板ステージを備えたツインステージ型の露光装置にも適用できる。
更に、例えば米国特許第6897963号明細書、米国特許出願公開第2007/0127006号明細書等に開示されているような、基板を保持する基板ステージと、基準マークが形成された基準部材及び/又は各種の光電センサを搭載し、露光対象の基板を保持しない計測ステージとを備えた露光装置にも本発明を適用することができる。また、複数の基板ステージと計測ステージとを備えた露光装置にも適用することができる。
露光装置EXの種類としては、基板Pに半導体素子パターンを露光する半導体素子製造用の露光装置に限られず、液晶表示素子製造用又はディスプレイ製造用の露光装置や、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD)、マイクロマシン、MEMS、DNAチップ、あるいはレチクル又はマスクなどを製造するための露光装置などにも広く適用できる。
また、上述の各実施形態では、露光光ELとしてArFエキシマレーザ光を発生する光源装置として、ArFエキシマレーザを用いてもよいが、例えば、米国特許第7023610号明細書に開示されているように、DFB半導体レーザ又はファイバーレーザなどの固体レーザ光源、ファイバーアンプなどを有する光増幅部、及び波長変換部などを含み、波長193nmのパルス光を出力する高調波発生装置を用いてもよい。さらに、上記実施形態では、前述の各照明領域と、投影領域がそれぞれ矩形状であるものとしたが、他の形状、例えば円弧状などでもよい。
なお、上述の各実施形態においては、光透過性の基板上に所定の遮光パターン(又は位相パターン・減光パターン)を形成した光透過型マスクを用いたが、このマスクに代えて、例えば米国特許第6778257号明細書に開示されているように、露光すべきパターンの電子データに基づいて透過パターン又は反射パターン、あるいは発光パターンを形成する可変成形マスク(電子マスク、アクティブマスク、あるいはイメージジェネレータとも呼ばれる)を用いてもよい。可変成形マスクは、例えば非発光型画像表示素子(空間光変調器)の一種であるDMD(Digital Micro-mirror Device)等を含む。また、非発光型画像表示素子を備える可変成形マスクに代えて、自発光型画像表示素子を含むパターン形成装置を備えるようにしても良い。自発光型画像表示素子としては、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)、無機ELディスプレイ、有機ELディスプレイ(OLED:Organic Light Emitting Diode)、LEDディスプレイ、LDディスプレイ、電界放出ディスプレイ(FED:Field Emission Display)、プラズマディスプレイ(PDP:Plasma Display Panel)等が挙げられる。
上述の各実施形態においては、投影光学系PLを備えた露光装置を例に挙げて説明してきたが、投影光学系PLを用いない露光装置及び露光方法に本発明を適用することができる。このように投影光学系PLを用いない場合であっても、露光光はレンズ等の光学部材を介して基板に照射され、そのような光学部材と基板との間の所定空間に液浸空間が形成される。
また、例えば国際公開第2001/035168号パンフレットに開示されているように、干渉縞を基板P上に形成することによって、基板P上にライン・アンド・スペースパターンを露光する露光装置(リソグラフィシステム)にも本発明を適用することができる。
以上のように、本実施形態の露光装置EXは、本願請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度及びクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
半導体デバイス等のマイクロデバイスは、図8に示すように、マイクロデバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ202、デバイスの基材である基板を製造するステップ203、上述の実施形態に従って、マスクのパターンを用いて露光光で基板を露光すること、及び露光された基板を現像することを含む基板処理ステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程などの加工プロセスを含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。
なお、上述の各実施形態の要件は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。また、法令で許容される限りにおいて、上述の各実施形態及び変形例で引用した露光装置などに関する全ての公開公報及び米国特許の開示を援用して本文の記載の一部とする。
2…基板ステージ、4…液浸部材、7…制御装置、22…終端光学素子、23…射出面、33…第1開口、34…第2開口、35…側面、36…外面、41…第1面、42…第2面、48T…上端部、60…回収部、61…第2凹部、62…回収口、64…多孔部材、74…第2給気口、75…供給口、80…空隙部、81…液体ガイド部、87…回収口、90…第1凹部、91…第1給気口、AX…光軸、EL…露光光、EX…露光装置、LQ…液体、LS…液浸空間、P…基板、PL…投影光学系

Claims (28)

  1. 基板を露光する露光装置において、
    露光光を射出する射出面を有する光学系と、
    前記射出面から射出される前記露光光の光路の周囲の少なくとも一部に配置された第1面と、
    前記第1面の周囲の少なくとも一部に配置された第1凹部と、
    前記第1凹部を規定する内面に配置され、気体を供給する第1給気口と、を備え、
    前記基板の露光の少なくとも一部において、前記基板の表面が、前記射出面、前記第1面、及び前記第1凹部に対向し、
    前記射出面と前記基板の表面との間の液体を介して前記射出面からの前記露光光で前記基板を露光する露光装置。
  2. 前記第1凹部の周囲の少なくとも一部に配置され、前記第1面と同じ方向を向く第2面をさらに備え、前記基板の露光の少なくとも一部において、前記基板の表面が前記第2面と対向する請求項1記載の露光装置。
  3. 前記第2面は、前記第1面より下方に配置されている請求項2記載の露光装置。
  4. 前記第2面に配置された第2給気口を備える請求項3記載の露光装置。
  5. 前記第2面は、液体を回収不可能である請求項2〜4のいずれか一項記載の露光装置。
  6. 前記第2面は、前記液体に対して撥液性である請求項2〜5のいずれか一項記載の露光装置。
  7. 前記光学系の光軸に対する放射方向において、前記第1面と前記第1凹部との間に配置され、前記液体を回収する第1回収口を有する請求項1〜6のいずれか一項記載の露光装置。
  8. 前記第1回収口を真空源に接続することによって、前記第1回収口から前記液体が回収される請求項7記載の露光装置。
  9. 前記第1面と前記第1凹部との間の第1開口から液体が流入可能であり、前記第1開口と異なる第2開口を介して雰囲気に開放された空隙部と、
    前記空隙部に流入した前記液体の少なくとも一部を回収する回収部とを備える請求項1〜8のいずれか一項記載の露光装置。
  10. 前記回収部は、前記空隙部からオーバーフローした液体を回収する請求項9記載の露光装置。
  11. 前記空隙部の上端を規定する上端部をさらに備え、
    前記回収部の少なくとも一部は、前記光学系の光軸に対する放射方向において、前記上端部の外側に設けられている請求項9又は10記載の露光装置。
  12. 前記回収部は、前記光学系の光軸に対する放射方向において、前記空隙部の外側に上方を向いて設けられた第2凹部を有し、前記第2凹部に流入した前記液体を回収する請求項9〜11のいずれか一項記載の露光装置。
  13. 前記回収部は、前記空隙部の上端を規定する上端部から前記光学系の光軸に対する放射方向に延びる液体ガイド部を有し、
    前記第2凹部は、前記上端部から前記光学系の光軸に対する放射方向において、前記液体ガイド部の外側に設けられている請求項12記載の露光装置。
  14. 前記回収部は、前記第2凹部に流入した液体を回収する第2回収口を有する請求項12又は13記載の露光装置。
  15. 前記第2回収口は、前記第2凹部の底部と対向する請求項14記載の露光装置。
  16. 前記第2回収口は、前記第2凹部の内側に配置される請求項14記載の露光装置。
  17. 前記第2回収口は、前記第2凹部の底部に配置されている請求項16記載の露光装置。
  18. 前記第2回収口に配置された多孔部材を有する請求項14〜17のいずれか一項記載の露光装置。
  19. 前記多孔部材の一側から他側へ液体のみが通過するように、前記多孔部材の一側と他側との間の圧力差を制御する請求項18記載の露光装置。
  20. 前記第2回収口は、前記第2凹部に流入した液体を気体とともに回収する請求項14〜18のいずれか一項記載の露光装置。
  21. 前記光路に前記液体を供給する供給口をさらに備える請求項1〜20のいずれか一項記載の露光装置。
  22. 前記光学系は、前記射出面を有する光学部材を含み、
    前記供給口は、前記光学部材の前記露光光が通過しない面と対向する位置に配置される請求項21記載の露光装置。
  23. 前記光学部材の前記露光光が通過しない面は、前記射出面の周縁から上方に、及び/又は前記光学系の光軸に対する放射方向に延びる前記光学部材の側面を含む請求項22記載の露光装置。
  24. 前記光学系は、前記射出面を有する光学部材と、前記光学部材を保持する保持部材とを含み、
    前記側面は、前記光学部材の表面及び前記保持部材の表面の少なくとも一方を含む請求項23記載の露光装置。
  25. 前記供給口は、前記光学系の光軸に対する放射方向において、前記第1面の外側で、前記第1面が面する第1空間に面する位置に配置される請求項21〜24のいずれか一項記載の露光装置。
  26. 請求項1〜25のいずれか一項記載の露光装置を用いて基板を露光することと、
    露光された基板を現像することと、を含むデバイス製造方法。
  27. 光学系の射出面、及び前記光学系の射出面から射出される露光光の光路の周囲の少なくとも一部に配置された第1面と基板とが対向するように基板を移動することと、
    前記第1面の周囲の少なくとも一部に配置された第1凹部を規定する内面に配置された第1給気口から気体を供給して、前記第1凹部の圧力を高めることと、
    前記射出面と前記基板との間の液体を介して前記射出面からの前記露光光で前記基板を露光することと、を含む露光方法。
  28. 請求項27記載の露光方法を用いて基板を露光することと、
    露光された基板を現像することと、を含むデバイス製造方法。
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