JP2010157725A - 露光装置、露光方法、及びデバイス製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】露光不良の発生を抑制できる露光装置を提供する。
【解決手段】露光装置は、露光光を射出する射出面を有する光学系と、射出面から射出される露光光の光路の周囲の少なくとも一部に配置された第1面と、第1面の周囲の少なくとも一部に配置された第2面と、射出面の周縁から上方、及び/又は光学系の光軸に対する放射方向に延びる光学系の側面が面する第1空隙部と、第1面と第2面との間に配置された第1開口から液体が流入可能であり、第1開口と異なる第2開口を介して雰囲気に開放された第2空隙部と、少なくとも一部が光学系の側面と対向する位置に設けられ、第1開口から第2空隙部に流入した液体の少なくとも一部を第2開口を介して回収する回収部とを備え、基板の露光の少なくとも一部において、基板の表面が射出面、第1面、及び第2面に対向し、射出面と基板の表面との間の液体を介して射出面からの露光光で基板を露光する。
【選択図】図2
【解決手段】露光装置は、露光光を射出する射出面を有する光学系と、射出面から射出される露光光の光路の周囲の少なくとも一部に配置された第1面と、第1面の周囲の少なくとも一部に配置された第2面と、射出面の周縁から上方、及び/又は光学系の光軸に対する放射方向に延びる光学系の側面が面する第1空隙部と、第1面と第2面との間に配置された第1開口から液体が流入可能であり、第1開口と異なる第2開口を介して雰囲気に開放された第2空隙部と、少なくとも一部が光学系の側面と対向する位置に設けられ、第1開口から第2空隙部に流入した液体の少なくとも一部を第2開口を介して回収する回収部とを備え、基板の露光の少なくとも一部において、基板の表面が射出面、第1面、及び第2面に対向し、射出面と基板の表面との間の液体を介して射出面からの露光光で基板を露光する。
【選択図】図2
Description
本発明は、露光装置、露光方法、及びデバイス製造方法に関する。
半導体デバイス、電子デバイス等のマイクロデバイスの製造工程において、例えば下記特許文献に開示されているような、液体を介して露光光で基板を露光する液浸露光装置が知られている。
液浸露光装置において、液体と接触する部材が汚染される可能性がある。例えば、その部材に異物が付着すると、その異物に起因して、基板に形成されるパターンに欠陥が生じる等、露光不良が発生する可能性がある。その結果、不良デバイスが発生する可能性がある。
本発明の態様は、露光不良の発生を抑制できる露光装置、及び露光方法を提供することを目的とする。また本発明の態様は、不良デバイスの発生を抑制できるデバイス製造方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様に従えば、基板を露光する露光装置において、露光光を射出する射出面を有する光学系と、射出面から射出される露光光の光路の周囲の少なくとも一部に配置された第1面と、第1面の周囲の少なくとも一部に配置された第2面と、射出面の周縁から上方、及び/又は光学系の光軸に対する放射方向に延びる光学系の側面が面する第1空隙部と、第1面と第2面との間に配置された第1開口から液体が流入可能であり、第1開口と異なる第2開口を介して雰囲気に開放された第2空隙部と、少なくとも一部が光学系の側面と対向する位置に設けられ、第1開口から第2空隙部に流入した液体の少なくとも一部を第2開口を介して回収する回収部と、を備え、基板の露光の少なくとも一部において、基板の表面が射出面、第1面、及び第2面に対向し、射出面と基板の表面との間の液体を介して射出面からの露光光で基板を露光する露光装置が提供される。
本発明の第2の態様に従えば、基板を露光する露光装置において、露光光を射出する射出面を有する光学系と、射出面から射出される露光光の光路の周囲の少なくとも一部に配置された第1面と、第1面の周囲の少なくとも一部に配置された第2面と、射出面の周縁から上方、及び/又は光学系の光軸に対する放射方向に延びる光学系の側面が面し、雰囲気に開放された第1空隙部と、第1面と第2面との間に配置された第1開口を介して液体が流入可能な第2空隙部と、第1開口から第2空隙部に流入した液体の少なくとも一部を、第1空隙部に面する第2開口を介して回収する回収部と、を備え、基板の露光の少なくとも一部において、基板の表面が射出面、第1面、及び第2面に対向し、射出面と基板の表面との間の液体を介して射出面からの露光光で基板を露光する露光装置が提供される。
本発明の第3の態様に従えば、第1,第2の態様の露光装置を用いて基板を露光することと、露光された基板を現像することと、を含むデバイス製造方法が提供される。
本発明の第4の態様に従えば、光学系の射出面、及び光学系の射出面から射出される露光光の光路の周囲の少なくとも一部に配置された第1面と基板とが対向するように、基板を移動することと、射出面と基板との間の液体を介して射出面からの露光光で基板を露光することと、第1面と、第1面の周囲の少なくとも一部に配置された第2面との間の第1開口から、第1開口と異なる第2開口を介して雰囲気に開放されている空隙部に流入した液体の少なくとも一部を、第2開口を介して、射出面の周縁から上方に、及び/又は光学系の光軸に対する放射方向に延びる光学系の側面が面する回収部で回収することと、を含む露光方法が提供される。
本発明の第5の態様に従えば、光学系の射出面、及び光学系の射出面から射出される露光光の光路の周囲の少なくとも一部に配置された第1面と基板とが対向するように、基板を移動することと、射出面と基板との間の液体を介して射出面からの露光光で基板を露光することと、第1面と第1面の周囲の少なくとも一部に配置された第2面との間の第1開口から、第1開口と異なる第2開口を介して雰囲気に開放されている第2空隙部に流入した液体の少なくとも一部を、射出面の周縁から上方に、及び/又は光学系の光軸に対する放射方向に延びる光学系の側面が面する第1空隙部に面する第2開口を介して回収することと、を含む露光方法が提供される。
本発明の第6の態様に従えば、第4,第5の態様の露光方法を用いて基板を露光することと、露光された基板を現像することと、を含むデバイス製造方法が提供される。
本発明の態様によれば、露光不良の発生を抑制できる。また、本発明の態様によれば、不良デバイスの発生を抑制できる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部の位置関係について説明する。水平面内の所定方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれと直交する方向(すなわち鉛直方向)をZ軸方向とする。また、X軸、Y軸、及びZ軸まわりの回転(傾斜)方向をそれぞれ、θX、θY、及びθZ方向とする。
<第1実施形態>
第1実施形態について説明する。図1は、第1実施形態に係る露光装置EXの一例を示す概略構成図である。本実施形態の露光装置EXは、液体LQを介して露光光ELで基板Pを露光する液浸露光装置である。本実施形態においては、液体LQとして、水(純水)を用いる。
第1実施形態について説明する。図1は、第1実施形態に係る露光装置EXの一例を示す概略構成図である。本実施形態の露光装置EXは、液体LQを介して露光光ELで基板Pを露光する液浸露光装置である。本実施形態においては、液体LQとして、水(純水)を用いる。
図1において、露光装置EXは、マスクMを保持して移動可能なマスクステージ1と、基板Pを保持して移動可能な基板ステージ2と、マスクステージ1及び基板ステージ2の位置を光学的に計測する干渉計システム3と、マスクMを露光光ELで照明する照明系ILと、露光光ELで照明されたマスクMのパターンの像を基板Pに投影する投影光学系PLと、露光光ELの光路の少なくとも一部が液体LQで満たされるように液浸空間LSを形成可能な液浸部材4と、少なくとも投影光学系PLを収容するチャンバ装置5と、少なくとも投影光学系PLを支持するボディ6と、露光装置EX全体の動作を制御する制御装置7とを備えている。
マスクMは、基板Pに投影されるデバイスパターンが形成されたレチクルを含む。マスクMは、例えばガラス板等の透明板と、その透明板上にクロム等の遮光材料を用いて形成されたパターンとを有する透過型マスクを含む。なお、マスクMとして、反射型マスクを用いることもできる。
基板Pは、デバイスを製造するための基板である。基板Pは、例えば半導体ウエハ等の基材と、その基材上に形成された多層膜とを含む。多層膜は、少なくとも感光膜を含む複数の膜が積層された膜である。感光膜は、感光材で形成された膜である。また、多層膜が、例えば反射防止膜、及び感光膜を保護する保護膜(トップコート膜)を含んでもよい。
チャンバ装置5は、実質的に閉ざされた内部空間8を形成するチャンバ部材5Aと、内部空間8の環境(温度、湿度、クリーン度、及び圧力等)を制御する環境制御装置5Bとを有する。ボディ6は、内部空間8に配置される。ボディ6は、支持面FL上に設けられた第1コラム9と、第1コラム9上に設けられた第2コラム10とを有する。第1コラム9は、第1支持部材11と、第1支持部材11に防振装置12を介して支持された第1定盤13とを有する。第2コラム10は、第1定盤13上に設けられた第2支持部材14と、第2支持部材14に防振装置15を介して支持された第2定盤16とを有する。また、本実施形態においては、支持面FL上に、防振装置17を介して、第3定盤18が配置されている。
照明系ILは、所定の照明領域IRに露光光ELを照射する。照明領域IRは、照明系ILから射出される露光光ELが照射可能な位置を含む。照明系ILは、照明領域IRに配置されたマスクMの少なくとも一部を、均一な照度分布の露光光ELで照明する。照明系ILから射出される露光光ELとして、例えば水銀ランプから射出される輝線(g線、h線、i線)及びKrFエキシマレーザ光(波長248nm)等の遠紫外光(DUV光)、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)、及びF2レーザ光(波長157nm)等の真空紫外光(VUV光)等が用いられる。本実施形態においては、露光光ELとして、紫外光(真空紫外光)であるArFエキシマレーザ光を用いる。
マスクステージ1は、マスクMをリリース可能に保持するマスク保持部19を有し、マスクMを保持した状態で、第2定盤16のガイド面16G上を移動可能である。マスクステージ1は、駆動システム20の作動により、照明領域IRに対して、マスクMを保持して移動可能である。駆動システム20は、マスクステージ1に配置された可動子20Aと、第2定盤16に配置された固定子20Bとを有する平面モータを含む。マスクステージ1を移動可能な平面モータは、例えば米国特許第6452292号明細書に開示されている。マスクステージ1は、駆動システム20の作動により、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ方向の6つの方向に移動可能である。
投影光学系PLは、所定の投影領域PRに露光光ELを照射する。投影光学系PLは、投影領域PRに配置された基板Pの少なくとも一部に、マスクMのパターンの像を所定の投影倍率で投影する。本実施形態の投影光学系PLは、その投影倍率が例えば1/4、1/5、又は1/8等の縮小系である。なお、投影光学系PLは等倍系及び拡大系のいずれでもよい。本実施形態においては、投影光学系PLの光軸AXはZ軸と平行である。また、投影光学系PLは、反射光学素子を含まない屈折系、屈折光学素子を含まない反射系、反射光学素子と屈折光学素子とを含む反射屈折系のいずれであってもよい。また、投影光学系PLは、倒立像と正立像とのいずれを形成してもよい。
投影光学系PLの複数の光学素子は、保持部材(鏡筒)21に保持されている。保持部材21は、フランジ21Fを有する。投影光学系PLは、フランジ21Fを介して、第1定盤13に支持される。なお、第1定盤13と保持部材21との間に防振装置を設けることができる。
投影光学系PLは、投影光学系PLの像面に向けて露光光ELを射出する射出面23を有する。射出面23は、投影光学系PLの複数の光学素子のうち、投影光学系PLの像面に最も近い終端光学素子22に配置されている。投影領域PRは、射出面23から射出される露光光ELが照射可能な位置を含む。本実施形態において、射出面23は−Z方向を向いており、XY平面と平行である。なお、−Z方向を向いている射出面23は、凸面であってもよいし、凹面であってもよい。
本実施形態において、終端光学素子22の光軸(投影光学系PLの像面近傍の光軸)AXは、Z軸とほぼ平行である。なお、終端光学素子22と隣り合う光学素子で規定される光軸を終端光学素子22の光軸とみなしてもよい。また、本実施形態において、投影光学系PLの像面は、X軸とY軸とを含むXY平面とほぼ平行である。また、本実施形態において、像面は、ほぼ水平である。ただし、像面はXY平面と平行でなくてもよいし、曲面であってもよい。
基板ステージ2は、基板Pをリリース可能に保持する基板保持部24を有し、第3定盤18のガイド面18G上を移動可能である。基板ステージ2は、駆動システム25の作動により、投影領域PRに対して、基板Pを保持して移動可能である。駆動システム25は、基板ステージ2に配置された可動子25Aと、第3定盤18に配置された固定子25Bとを有する平面モータを含む。基板ステージ2を移動可能な平面モータは、例えば米国特許第6452292号明細書に開示されている。基板ステージ2は、駆動システム25の作動により、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ方向の6つの方向に移動可能である。
基板ステージ2は、基板保持部24の周囲に配置され、射出面23と対向可能な上面26を有する。本実施形態において、基板ステージ2は、米国特許出願公開第2007/0177125号明細書等に開示されているような、基板保持部24の周囲の少なくとも一部に配置され、プレート部材Tの下面をリリース可能に保持するプレート部材保持部27を有する。本実施形態において、基板ステージ2の上面26は、プレート部材Tの上面を含む。上面26は、平坦である。
本実施形態において、基板保持部24は、基板Pの表面とXY平面とがほぼ平行となるように、基板Pを保持する。プレート部材保持部27は、プレート部材Tの上面26とXY平面とがほぼ平行となるように、プレート部材Tを保持する。
干渉計システム3は、XY平面内におけるマスクステージ1(マスクM)の位置を光学的に計測可能な第1干渉計ユニット3Aと、XY平面内における基板ステージ2(基板P)の位置を光学的に計測可能な第2干渉計ユニット3Bとを有する。基板Pの露光処理を実行するとき、あるいは所定の計測処理を実行するとき、制御装置7は、干渉計システム3の計測結果に基づいて、駆動システム20,25を作動し、マスクステージ1(マスクM)及び基板ステージ2(基板P)の位置制御を実行する。
液浸部材4は、射出面23から射出される露光光ELの光路が液体LQで満たされるように、露光光ELの光路の周囲の少なくとも一部に配置される。液浸部材4は、射出面23と、射出面23と対向する位置に配置された物体との間の露光光ELの光路が液体LQで満たされるように液浸空間LSを形成する。液浸空間LSは、液体LQで満たされた部分(空間、領域)である。本実施形態において、物体は、基板ステージ2(プレート部材T)、及び基板ステージ2に保持された基板Pの少なくとも一方を含む。基板Pの露光中、液浸部材4は、終端光学素子22と基板Pとの間の露光光ELの光路が液体LQで満たされるように液浸空間LSを形成する。
液浸部材4は、終端光学素子22の近傍に配置されている。本実施形態において、液浸部材4は、支持機構28に支持されている。本実施形態において、支持機構28は、第1定盤13に支持されている。本実施形態において、液浸部材4は、支持機構28を介して、第1定盤13に吊り下げられている。
本実施形態の露光装置EXは、マスクMと基板Pとを所定の走査方向に同期移動しつつ、マスクMのパターンの像を基板Pに投影する走査型露光装置(所謂スキャニングステッパ)である。基板Pの露光時、制御装置7は、マスクステージ1及び基板ステージ2を制御して、マスクM及び基板Pを、光軸AX(露光光ELの光路)と交差するXY平面内の所定の走査方向に移動する。本実施形態においては、基板Pの走査方向(同期移動方向)をY軸方向とし、マスクMの走査方向(同期移動方向)もY軸方向とする。制御装置7は、基板Pを投影光学系PLの投影領域PRに対してY軸方向に移動するとともに、その基板PのY軸方向への移動と同期して、照明系ILの照明領域IRに対してマスクMをY軸方向に移動しつつ、投影光学系PLと基板P上の液浸空間LSの液体LQとを介して基板Pに露光光ELを照射する。これにより、マスクMのパターンの像が基板Pに投影され、基板Pは露光光ELで露光される。
図2は、液浸部材4の一部を拡大した図である。図2に示すように、液浸部材4は、第1部材31及び第2部材32を含む。本実施形態において、第1部材31及び第2部材32のそれぞれは、環状の部材である。第1部材31の少なくとも一部は、露光光ELの一部の光路及び終端光学素子22の周囲に配置されている。第2部材32の少なくとも一部は、第1部材31の周囲に配置されている。本実施形態において、XY平面内における第1部材31及び第2部材32の外形は、円形である。なお、第1部材31及び第2部材32の外形が、他の形状(例えば、矩形)でもよい。
本実施形態においては、第2部材32は、第1部材31の一部と連結部材(不図示)を介して接続されている。第2部材32が支持機構28に支持され、第2部材32の位置が固定されることによって、第1部材31の位置も固定される。
液浸部材4は、射出面23から射出される露光光ELの光路の周囲の少なくとも一部に配置された第1面41と、第1面41の周囲の少なくとも一部に配置された第2面42と、射出面23の周縁から上方、及び投影光学系PLの光軸AXに対する放射方向(光軸AXに対して垂直な方向)に延びる投影光学系PLの側面35が面し、雰囲気に開放された第1空隙部81と、第1面41と第2面42との間に配置された第1開口33から液体LQが流入可能であり、第1開口33と異なる第2開口34を介して雰囲気に開放された第2空隙部82と、少なくとも一部が投影光学系PLの側面35と対向する位置に設けられ、第1開口33から第2空隙部82に流入した液体LQの少なくとも一部を第2開口34を介して回収する回収部60とを備えている。
本実施形態において、第1面41は、第1部材31に配置されている。第2面42は、第2部材32に配置されている。第1面41及び第2面42は、液浸部材4の下方に配置された物体の表面(上面)と対向可能である。本実施形態において、XY平面内における第1面41及び第2面42の外形は、円形である。また、XY平面内における第2面42の内側のエッジも、円形である。
本実施形態において、第1面41及び第2面42は、液体LQを回収不可能である。すなわち、本実施形態においては、第1面41及び第2面42には液体回収口が設けられていない。本実施形態において、第1面41及び第2面42は、平坦である。第1面41と物体の表面(上面)との間の第1空間51は、液体LQを保持可能である。なお、本実施形態においては、第1面41と第2面42は、それぞれXY平面(水平面)と平行であるが、第1面41及び/又は第2面42の少なくとも一部が、XY平面に対して傾斜していてもよく、第1面41と第2面42とが平行でなくてもよい。また、本実施形態において、第1面41と第2面42の少なくとも一方が曲面を含んでいてもよい。
基板Pの露光の少なくとも一部において、射出面23、第1面41、及び第2面42に基板Pの表面が対向する。基板Pの露光の少なくとも一部において、射出面23と基板Pの表面との間の空間に液体LQが満たされる。また、基板Pの露光の少なくとも一部において、第1面41と基板Pの表面との間の第1空間51に液体LQが保持される。基板Pは、射出面23と基板Pの表面との間の液体LQを介して、射出面23からの露光光ELで露光される。
本実施形態において、第1面41と物体との間に保持された液体LQによって液浸空間LSの一部が形成される。本実施形態においては、基板Pに露光光ELが照射されているときに、投影領域PRを含む基板Pの表面の一部の領域が液体LQで覆われるように液浸空間LSが形成される。液浸空間LSの液体LQの気液界面(メニスカス、エッジ)LG1は、第1面41及び第2面42の少なくとも一方と基板Pの表面との間に形成することができるが、第2面42の内側のエッジと基板Pとの間に形成されることが望ましい。本実施形態の露光装置EXは、局所液浸方式を採用する。
以下、簡単のため、射出面23、第1面41、及び第2面42と対向する位置に基板Pが配置され、液浸部材4と基板Pとの間に液体LQが保持されて液浸空間LSが形成される場合を例にして説明する。なお、上述のように、射出面23及び液浸部材4と他の部材(基板ステージ2のプレート部材Tなど)との間に液浸空間LSを形成することができる。
本実施形態において、投影光学系PLの側面35は、終端光学素子22の側面35A、及び保持部材21の外面35Bの少なくとも一方を含む。終端光学素子22の側面35Aは、射出面23と異なる面であり、露光光ELが通過しない面である。側面35Aは、射出面23の周囲に配置されている。側面35Aは、射出面23の周縁から光軸AXに対する放射方向(光軸AXに対して垂直な方向)に、かつ上方に延びるように設けられている。すなわち、側面35Aは、射出面23の周縁から上方(+Z方向)に延びるように傾斜している。
保持部材21は、終端光学素子22を保持する。保持部材21の外面35Bは、側面35Aの周囲に配置されている。外面35Bは、露光光ELが通過しない面である。外面35Bは、光軸AXに対する放射方向に延びるように配置されている。
本実施形態において、第2面42は、第1面41より下方(−Z側)に配置されている。本実施形態において、第1面41及び第2面42のそれぞれは、XY平面とほぼ平行である。第1面41は、図2に示すように、基板Pの表面と第1ギャップG1を介して対向し、第2面42は、基板Pの表面と第2ギャップG2を介して対向する。第2ギャップG2は、第1ギャップG1より小さい。
本実施形態において、第1部材31は、基板Pの表面と対向可能な第1面41と、第1面41と逆方向を向き、射出面23の少なくとも一部と対向する第3面43と、第3面43の周囲に配置され、終端光学素子22の側面35Aと対向する第4面44と、第4面44の周囲に配置され、保持部材21の外面35Bと対向する第5面45とを有する。なお、本実施形態においては、側面35が露出するように、終端光学素子22が保持部材21に保持されているが、第5面45が保持部材21に面するように、あるいは第6面46が終端光学素子22に面するように、終端光学素子22が保持部材21に保持されてもよい。
第1部材31は、少なくとも一部が射出面23と対向するように配置されたプレート部37と、少なくとも一部が終端光学素子22の周囲に配置される本体部38とを有する。第1面41及び第3面43は、プレート部37に配置されている。第4面44及び第5面45は、本体部38に配置されている。また、プレート部37は、射出面23から射出された露光光ELが通過可能な開口39を有する。基板Pの露光中、射出面23から射出された露光光ELは、開口39を介して、基板Pの表面に照射される。本実施形態において、開口39は、基板Pの走査方向(Y軸方向)と交差するX軸方向に長い。
第3面43は、射出面23と第3ギャップG3を介して対向する。第4面44は、側面35Aと第4ギャップG4を介して対向する。第5面45は、外面35Bと第5ギャップG5を介して対向する。
本実施形態において、第3面43と射出面23とは、ほぼ平行である。また、第4面44と側面35Aとは、ほぼ平行である。また、第5面45と外面35Bとは、ほぼ平行である。なお、第3面43と射出面23とは平行でなくてもよい。また、第4面44と側面35Aとは平行でなくてもよい。また、第5面45と外面35Bとは平行でなくてもよい。
また、第1部材31は、第1面41の周囲に配置された第6面46を有する。第6面46は、本体部38に配置されている。本実施形態において、第4面44と第6面46とは、ほぼ平行である。なお、第4面44と第6面46とは平行でなくてもよい。
本実施形態において、第2部材32は、基板Pの表面と対向可能な第2面42と、第2面42の内側のエッジと結ばれ、露光光ELの光路に面するように配置された第7面47と、第6面46と対向する第8面48と、第8面48の周囲に配置された第9面49とを有する。
第8面48は、第6面46と第6ギャップG6を介して対向する。本実施形態において、第8面48と第6面46とは、ほぼ平行である。なお、第8面48と第6面46とは平行でなくてもよい。
第1空隙部81は、第1部分81Aと第2部分81Bとを有する。第1部分81Aは、側面35Aと第4面44との間の空間を含む。第1部分81Aは、光軸AXに対する放射方向、かつ上方(+Z方向)に延びている。第2部分81Bは、外面35Bと第5面45及び第9面49との間の空間を含む。第2部分81Bは、第1部分81Aの上端と流体的に接続されている。第2部分81Bは、光軸AXに対する放射方向に延びている。
なお、第1部分81Aは、光軸AXと平行であってもよい。また、第2部分81Bは、光軸AXに対して垂直でなくてもよい。
第2空隙部82は、第6面46と第8面48との間の空間を含む。第2空隙部82は、光軸AXに対する放射方向、かつ上方(+Z方向)に延びている。本実施形態においては、第8面48の下端部48Bは、第2空隙部82の下端を規定する。第8面48の上端部48Tは、第2空隙部82の上端を規定する。なお、第6面46と第8面48との間の空間は、光軸AXと平行であってもよい。
第1開口33は、第2空隙部82の下端に配置されている。本実施形態において、第1開口33は、第1空間51に面している。第2開口34は、第2空隙部82の上端に配置されている。第2開口34は、第1空隙部81に面している。本実施形態において、第2開口34は、第2部分81Bに面している。
基板Pの露光の少なくとも一部において、第1開口33は、基板Pの表面と対向する。基板P上の液体LQの少なくとも一部は、第1開口33を介して、第2空隙部82に流入可能である。本実施形態においては、第1開口33は、第1面41とほぼ面一に形成されている。なお、第1開口33は下方(−Z方向)を向いていなくてもよい。例えば、第1開口33を後述の第7面47に設けてもよい。また、第1開口33は、環状に設けられた一つの開口であってもよいし、所定間隔で環状に配置された複数の開口から形成されてもよい。同様に、第2空隙部82も、光軸AXの周囲に所定間隔で環状に配置された複数の空隙部から形成されてもよい。
回収部60は、第1開口33から第2空隙部82に流入した液体LQの少なくとも一部を第2開口34を介して回収する。回収部60は、第2空隙部82からオーバーフローした液体LQを回収する。回収部60の少なくとも一部は、光軸AXに対する放射方向において、上端部48Tの外側に配置されている。また、回収部60の少なくとも一部は、第2部分81Bにおいて外面35Bと対向する。
本実施形態において、回収部60は、光軸AXに対する放射方向において、第2空隙部82の外側に上方(+Z方向)を向いて設けられた凹部61を有する。凹部61は、第2部材32に設けられている。凹部61は、上方を向く開口61Kを有する。回収部60は、開口61Kを介して凹部61に流入した液体LQを回収する。
凹部61は、光軸AXに対する放射方向において、上端部48Tの外側に設けられている。本実施形態において、凹部61は、第9面49の周囲に配置されている。XY平面内において、凹部61は、環状である。なお、凹部61は、所定間隔で環状に配置された複数の凹部から形成されてもよい。また、本実施形態においては、第2部材32は、凹部61の周囲に配置された第10面70を有する。第10面70は、XY平面とほぼ平行である。本実施形態において、第10面70は、第9面49とほぼ同一平面内に配置されている。なお、第10面70が、第9面49より上方に(+Z側に)配置されてもよい。
凹部61は、第9面49と結ばれた第1内面611と、第1内面611と対向し、第10面70と結ばれた第2内面612と、第1内面611と第2内面612との間に配置された底部613とを有する。底部613は、上方(+Z方向)を向いている。底部613は、上端部48Tより下方(−Z側)に配置されている。本実施形態において、底部613は、XY平面とほぼ平行である。なお、底部613は、XY平面と平行でなくてもよい。例えば、底部613は、XY平面に対して傾斜していてもよい。また、底部613が、曲面を含んでいてもよい。
また、回収部60は、第2空隙部82からの液体LQを凹部61にガイドする液体ガイド部80を有する。本実施形態において、液体ガイド部80は、第9面49を含む。また、本実施形態において、液体ガイド部80は、外面35Bと第9面49との間の空間を含む。液体ガイド部80は、上端部48Tから光軸AXに対する放射方向に延びるように形成されている。なお、本実施形態においては、液体ガイド部80は、光軸AXに対して垂直(XY平面と平行)に設けられているが、光軸AXに対して垂直でなくてもよい。例えば、第9面49を上端部48Tから下方に向かって傾斜させてもよい。
凹部61は、上端部48Tから光軸AXに対する放射方向において、液体ガイド部80の外側に設けられている。第2空隙部82の上端からオーバーフローした液体LQは、液体ガイド部80にガイドされて、凹部61に流入する。
凹部61は、第2空隙部82からの液体LQを貯めることができる。凹部61は、流入した液体LQを貯めることによって、第2空隙部82からの液体LQが第2空隙部82に戻ることを抑制する。すなわち、凹部61は、第2空隙部82に戻らないように第2空隙部82からの液体LQを貯めるリザーブ部の少なくとも一部として機能する。
また、回収部60は、凹部61に流入した液体LQを回収する回収口62を有する。回収口62は、凹部61に貯めた液体LQを回収する。
本実施形態において、回収口62は、凹部61の内側に配置されている。換言すれば、回収口62は、凹部61の開口61Kより下方(−Z側)に配置されている。本実施形態において、回収口62は、凹部61の底部613に配置されている。すなわち、凹部61の底部613は、回収口62の少なくとも一部を含む。
本実施形態においては、XY平面内において、回収口62は、環状である。なお、回収口62が、光軸AXの周囲の複数の位置に分割して配置されてもよい。
回収口62には、多孔部材64が配置されている。多孔部材64は、複数の孔(openingsあるいはpores)を含むプレート状の部材である。なお、多孔部材64が、網目状に多数の小さい孔が形成された多孔部材であるメッシュフィルタでもよい。
第1空隙部81は、雰囲気に開放されている。上述のように、第2部分81Bは、外面35Bと第5面45及び第9面49との間の空間を含む。また、本実施形態においては、第2部分81Bは、外面35Bと凹部61との間の空間、及び外面35Bと第10面70との間の空間を含む。外面35Bと第10面70との間の空間は、第3開口72を介して、雰囲気に開放されている。
第2空隙部82は、第2開口34を介して、雰囲気に開放されている。第2開口34は、第1空隙部81(第2部分81B)に面している。本実施形態において、第2空隙部82は、第2開口34、第2部分81B、及び第3開口72を介して、雰囲気に開放されている。すなわち、第2空隙部82は、第1開口33と異なる第2開口34を介して液浸部材4の周囲の空間に開放されている。換言すれば、第2空隙部82は、第2開口34を介して液浸空間LSの液体LQの界面が接する気体空間に開放されている。同様に、第1空隙部81は、液浸部材4の周囲の気体空間(内部空間8)に開放されている。
本実施形態において、「雰囲気」は、液浸部材4を取り囲む気体である。本実施形態において、液浸部材4を取り囲む気体は、チャンバ装置5によって形成される内部空間8の気体である。本実施形態において、チャンバ装置5は、環境制御装置5Bを用いて、内部空間8をクリーンな空気で満たす。また、チャンバ装置5は、環境制御装置5Bを用いて、内部空間8をほぼ大気圧に調整する。もちろん、内部空間8を大気圧よりも高く設定してもよい。
本実施形態において、液浸部材4は、第2空隙部82に流入した液体LQの少なくとも一部の、第2部分81Bから第1部分81Aへの流入を防止する防止装置90を備えている。
本実施形態において、防止装置90は第5面45に形成された壁部(突出部)92を含む。壁部90は、外面35Bと対向する対向面(上面)91を有する。本実施形態において、対向面91と外面35Bとはほぼ平行である。対向面91は、外面35Bと第7ギャップG7を介して対向する。対向面91と外面35Bとの第7ギャップG7は、壁部92の第2部分81B側に形成されている、第5面45と外面35Bとの第5ギャップG5より小さい。また、第7ギャップG7は、壁部92の第2部分81B側に形成されている、第9面49と外面35Bとのギャップより小さい。
本実施形態において、第2面42は、液体LQに対して撥液性である。第2面42において、液体LQの接触角は90°以上であり、100°以上であってもよい。本実施形態においては、第2面42は、液体LQに対して撥液性の膜73Aで形成されている。膜73Aは、例えばフッ素を含む撥液性材料で形成される。撥液性材料としては、例えばPFA(Tetra fluoro ethylene-perfluoro alkylvinyl ether copolymer)、PTFE(Poly tetra fluoro ethylene)、PEEK(polyetheretherketone)、テフロン(登録商標)等が挙げられる。
また、本実施形態においては、第7面47も、液体LQに対して撥液性である。第7面47は、膜73Aで形成されている。なお、第2面42及び第7面47の少なくとも一方は、撥液性の膜の表面でなくてもよい。例えば、第2部材32を撥液性の材料で形成してもよい。
また、本実施形態においては、壁部92の対向面91は、液体LQに対して撥液性である。対向面91において、液体LQの接触角は90°以上であり、100°以上であってもよい。本実施形態においては、対向面91は、液体LQに対して撥液性の膜73Bで形成されている。膜73Bは、膜73Aと同じ材料でもよいし、異なる材料でもよい。また、対向面91が、撥液性の膜の表面でなくてもよい。例えば、壁部92を撥液性の材料で形成してもよい。
また、対向面91に対向する外面35Bが液体LQに対して撥液性でもよい。また、対向面91と外面35Bとの両方が液体LQに対して撥液性でもよい。
また、本実施形態において、液浸部材4は、第1開口33の周囲の少なくとも一部に配置された給気口74を備えている。本実施形態において、給気口74は、第2面42に配置されている。給気口74は、第2面42と対向する物体(基板P)の表面に向けて気体を供給する。
本実施形態においては、XY平面内において、給気口74は、環状である。なお、給気口74が、光軸AXの周囲の複数の位置に分割して配置されてもよい。
また、本実施形態において、液浸部材4は、露光光ELの光路に液体LQを供給する供給口75を備えている。供給口75は、終端光学素子22の露光光ELが通過しない面と対向する位置に配置されている。本実施形態において、供給口75は、終端光学素子22の側面35Aと対向する位置に配置されている。すなわち、供給口75は、第1空隙部81の第1部分81Aに面するように配置されている。なお、供給口75は、終端光学素子22の側面35Aに対向していなくてもよい。例えば、第3面43と射出面23との間の空間に面するように第1部材31に供給口75が配置されてもよい。
なお、本実施形態においては、供給口75は、光軸AXに対して+Y側及び−Y側のそれぞれに一つずつ配置されている。なお、供給口75が、光軸AXに対して+X側及び−X側のそれぞれに一つずつ配置されてもよい。また、供給口75の数は、3つ以上でもよい。
本実施形態において、供給口75は、第1部分81Aに液体LQを供給する。第1部分81Aに供給された液体LQは、第1部分81Aを下方に流れた後、射出面23と第3面43との間の空間を介して、射出面23から射出される露光光ELの光路に供給される。また、その供給口75から供給された液体LQの少なくとも一部は、開口39を介して、第1面41と基板Pの表面との間の第1空間51に供給される。
供給口75は、供給流路を介して、液体供給装置(不図示)と接続されている。供給流路の少なくとも一部は、液浸部材4の内部に形成されている。液体供給装置は、クリーンで温度調整された液体LQを供給口75に供給することができる。
回収口62は、回収流路を介して、液体回収装置77と接続されている。回収流路の少なくとも一部は、液浸部材4(第2部材32)の内部に形成されている。液体回収装置77は、真空システム(真空源と回収口62との接続状態を制御するバルブなど)を含み、回収口62から液体LQを吸引して回収することができる。
給気口74は、給気流路を介して、気体供給装置78と接続されている。給気流路の少なくとも一部は、液浸部材4(第2部材32)の内部に形成されている。気体供給装置78は、クリーンで温度、及び湿度が調整された気体を給気口74に供給することができる。なお、給気口74から供給される気体の湿度は、環境制御装置5Bにより内部空間8に供給される気体の湿度と同程度、もしくは高い方がよい。
制御装置7は、液体回収装置77を制御して、多孔部材64の上面側空間(第1空隙部81)から下面側空間(回収流路)へ液体LQのみが通過するように、多孔部材64の下面側と上面側との圧力差を制御することができる。本実施形態において、上面側空間の圧力は、雰囲気に開放され、チャンバ装置5によって制御されている。制御装置7は、多孔部材64の上面側から下面側へ液体LQのみが通過するように、液体回収装置77を制御して、上面側の圧力に応じて、下面側の圧力を調整する。すなわち、制御装置7は、多孔部材64の孔を介して、液体LQのみを回収し、気体は多孔部材64の孔を通過しないように調整する。多孔部材64の一側と他側との圧力差を調整して、多孔部材64の一側から他側へ液体LQのみを通過させる技術は、例えば米国特許第7292313号明細書などに開示されている。
次に、上述の構成を有する露光装置EXを用いて基板Pを露光する方法について説明する。
まず、制御装置7は、射出面23及び第1面41と基板Pの表面(あるいは基板ステージ2の上面26)とが対向するように、基板Pを保持した基板ステージ2を移動する。第1面41と基板Pの表面とは、第1ギャップG1を介して対向し、第2面42と基板Pの表面とは第2ギャップG2を介して対向する。
制御装置7は、第1面41及び第2面42と基板Pの表面とを対向させた状態で、液体供給装置から液体LQを送出する。また、制御装置7は、液体回収装置77を作動する。また、制御装置7は、気体供給装置78を作動する。
液体供給装置から送出された液体LQは、供給口75より、第1部分81Aに供給される。第1部分81Aに供給された液体LQは、第1部分81Aを下方に流れた後、射出面23から射出される露光光ELの光路に供給される。これにより、露光光ELの光路は、液体LQで満たされる。
また、供給口75から第1部分81Aに供給された液体LQの少なくとも一部は、開口39を介して、第1空間51に供給され、第1面41と基板Pの表面との間で保持される。本実施形態においては、基板Pの表面、第1面41、及び第7面47で囲まれた空間がほぼ液体LQで満たされるように液浸空間LSが形成される。また液体LQ(液浸空間LS)の界面LG1は、第2面42の内側のエッジ(第7面47の下端)と基板Pの表面との間に形成されている。
開口39から第1空間51に供給された液体LQの少なくとも一部は、第1開口33を介して第2空隙部82に流入する。
本実施形態においては、開口39を介して第1空間51に供給された液体LQが、第2面42と基板Pの表面との間の第2空間52に流入することが抑制されている。すなわち、本実施形態においては、XY平面内における液浸空間LSの液体LQの界面LG1が第7面47より外側へ移動することが抑制されており、液浸空間LSの拡大が抑制されている。
本実施形態において、第1面41は、基板Pの表面と第1ギャップG1を介して対向し、第1面41の周囲に配置された第2面42は、基板Pの表面と第2ギャップG2を介して対向する。第2ギャップG2は、第1ギャップG1より小さく、例えば0.1〜0.3mm程度である。したがって、光軸AXに対する放射方向において、界面LG1が第1開口33の外側へ移動することが抑制される。すなわち、第2ギャップG2が微小なので、図2に示すように、液体LQの表面張力により、界面LG1の位置は、第2面42の内側のエッジと基板Pの表面との間に維持される。これにより、液浸空間LSの液体LQが、第2空間52に流入することが抑制される。
また、本実施形態においては、第2面42が液体LQに対して撥液性なので、より効果的に、液体LQが第2空間52に流入することが抑制される。また、本実施形態においては、第2面42の内側のエッジから上方に延びるように、かつ光路に面するように配置された第7面47が設けられているので、液浸空間LSの拡大が抑制される。また、第7面47は、液体LQに対して撥液性なので、これによっても、液浸空間LSの拡大が抑制される。
また、本実施形態においては、給気口74が設けられており、光軸AXに対して第2面42の内側エッジの外側で、基板Pの表面に向けて気体を供給する。これにより、給気口74から供給された気体の力によって、液浸空間LSの拡大が抑制される。すなわち、給気口74は、基板Pの表面と第2面42との間にガスシールを形成する。これにより、液体LQが流出することが抑制され、界面LG1の移動が拘束される。
また、本実施形態においては、第1面41の外形及び第2面42の内側のエッジが円形であり、XY平面内における液浸空間LSの外形もほぼ円形である。これにより、液浸空間LSの界面LG1の全方位から中心に向かう拘束力がほぼ均等に作用する。これにより、液浸空間LSの拡大が効果的に抑制される。
液浸空間LSの拡大が抑制された状態で、供給口75から液体LQが供給されることによって、雰囲気に開放された第2空隙部82に液体LQが流入し、第2空隙部82における液体LQの表面の位置が+Z方向に移動する(上昇する)。本実施形態においては、第2開口34は、雰囲気に開放されているので、第1空間51の液体LQは、第1開口33を介して第2空隙部82に円滑に流入する。
第2空隙部82が液体LQで満たされると、その第2空隙部82の液体LQの少なくとも一部が、第2空隙部82の上端(上端部48T)からオーバーフローする。第2空隙部82からオーバーフローした液体LQは、第2空隙部82の上端の外側に配置されている回収部60で回収される。すなわち、第2空隙部82からオーバーフローした液体LQは、液体ガイド部80にガイドされた後、凹部61に流入する。凹部61に流入した液体LQは、回収口62(多孔部材64)より回収される。
本実施形態においては、多孔部材64の上面側から下面側へ液体LQのみが通過するように、多孔部材64の上面側と下面側との圧力差が制御されているので、回収部60は、振動の発生、気化熱の発生を抑制しつつ、液体LQを回収することができる。
本実施形態において、回収部60は、第1開口33及び第2空隙部82を介して回収された基板P上の液体LQを凹部61に貯めるので、その第2空隙部82を介して回収された液体LQが第2空隙部82に戻ることを抑制することができる。第2空隙部82を介して回収された液体LQが第2空隙部82に戻らないように、第2空隙部82からの液体LQを凹部61に貯めることによって、例えば多孔部材64に接触した液体LQが、第2空隙部82を介して第1空間51及び露光光ELの光路に戻ることが抑制される。
また、本実施形態においては、壁部92を有する防止装置90によって、第2部分81Bの液体LQが第1部分81Aに流入することが防止されている。したがって、例えば多孔部材64に接触した液体LQが、第1空隙部81(第1部分81A)を介して第1空間51及び露光光ELの光路に戻ることが抑制される。
また、壁部92によって、第1部分81Aから第2部分81Bへの液体LQの流出も抑制されているが、第1部分81Aから第2部分81Bに液体LQが流出したとしても、その第1部分81Aから第7ギャップG7を介して流出した液体LQを回収部60で回収することができる。
また、壁部92によって、第1部分81Aから第2部分81Bへの液体LQの流出も抑制されているが、第1部分81Aから第2部分81Bに液体LQが流出したとしても、その第1部分81Aから第7ギャップG7を介して流出した液体LQを回収部60で回収することができる。
次に、基板Pを露光する方法について説明する。上述のように、制御装置7は、供給口75より液体LQを供給して、露光光ELの光路が液体LQで満たされるように、第1面41と基板Pの表面との間で液体LQを保持して、液浸空間LSを形成する。また、基板P上の液体LQの少なくとも一部は、第1開口33を介して第2空隙部82に流入する。回収部60は、第2空隙部82からの液体LQを回収部60で回収する。制御装置7は、供給口75を用いる液体供給動作と並行して、回収部60を用いる液体回収動作を実行して、露光光ELの光路が液体LQで満たされるように液浸空間LSを形成する。また、制御装置7は、給気口74より気体を供給して、ガスシールを形成する。
制御装置7は、第2空隙部82から回収部60に回収された液体LQが第2空隙部82及び第1空隙部81を介して第1空間51(露光光ELの光路)に戻ることを抑制しつつ、かつ、第2ギャップG2等を用いて液浸空間LSの拡大を拘束しつつ、基板Pの露光を開始する。
制御装置7は、照明系ILより露光光ELを射出して、マスクMを露光光ELで照明する。マスクMからの露光光ELは、投影光学系PLの射出面23から射出される。制御装置7は、射出面23と基板Pとの間の液体LQを介して、射出面23からの露光光ELを基板Pに照射する。これにより、マスクMのパターンの像が基板Pに投影され、基板Pが露光光ELで露光される。基板Pの露光中にも、供給口75から供給された液体LQが第1開口33から流入し、第2空隙部82を介して回収部60に回収される。
以上説明したように、本実施形態によれば、雰囲気に開放された第1空隙部81及び第2空隙部82を設け、第2空隙部82に流入した液体LQを回収部60で回収するようにしたので、基板Pの表面と対向する液浸部材4の下面の構造をシンプルにすることができる。したがって、液体LQと接触する液浸部材4の下面に異物が付着したり、下面が汚染されたりすることが抑制される。
例えば、基板Pの表面と対向する液浸部材4の下面に液体LQを回収する回収口を設けたり、その回収口に多孔部材を設けたりして、構造(形状)が複雑になると、その下面に異物が付着し易くなる可能性がある。例えば、基板Pの表面と対向する位置に多孔部材が配置されている場合、基板Pから発生した異物(例えば基板Pの表面を形成する感光膜、あるいはトップコート膜等の一部)が、多孔部材に付着する可能性がある。その付着した異物が、基板Pの露光中に、露光光ELの光路に放出されたり、液浸空間LSの液体LQ中に混入したりすると、基板Pにパターン欠陥が生じる等、露光不良が発生する可能性がある。また、下面の構造(形状)が複雑な場合、例えば凹凸部が多数存在する場合においても、基板Pから発生した異物が下面に付着し易くなる可能性がある。
本実施形態によれば、雰囲気に開放された第2空隙部82を設け、第1開口33を介して第2空隙部82に流入した液体LQを、基板Pの表面と対向しない位置に配置された回収部60で回収しており、基板Pの表面と対向する液浸部材4の下面は、シンプルな構造である。したがって、液浸部材4の下面に異物が付着することが抑制される。また、液浸部材4の下面の構造がシンプルなので、仮に液浸部材4の下面に異物が付着した場合でも、液浸部材4の下面を円滑且つ良好にクリーニングすることができる。
また、本実施形態においては、回収部60は、第2空隙部82から回収した液体LQが、第2空隙部82に戻らないように構成されている。すなわち、第2空隙部82からの液体LQを凹部61に貯めている。したがって、例えば回収部60の多孔部材64が汚染された場合でも、その多孔部材64に接触した液体LQ(汚染されている可能性がある液体LQ)が、第2空隙部82を介して第1空間51及び露光光ELの光路に戻る(逆流する)ことを抑制することができる。したがって、露光不良の発生を抑制できる。
また、本実施形態においては、防止装置90によって、第2空隙部82から回収され、第2部分81Bに存在する液体LQが、第1部分81Aに戻らないように構成されている。したがって、例えば回収部60の多孔部材64が汚染された場合でも、その多孔部材64に接触した液体LQ(汚染されている可能性がある液体LQ)が、第1部分81Aを介して第1空間51及び露光光ELの光路に戻る(逆流する)ことを抑制することができる。したがって、露光不良の発生を抑制できる。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
次に、第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図3は、第2実施形態に係る液浸部材4Bの一例を示す図である。図3において、液浸部材4Bは、第1面41を有する第1部材31Bと、第2面42を有する第2部材32Bとを含む。
本実施形態に係る液浸部材4Bは、上述の第1実施形態に係る液浸部材4の変形例である。したがって、第1実施形態で説明した説明は省略する。図3に示すように、第2実施形態は、第2開口34が、側面35Aに面するように配置される点、及び液体LQを供給する供給口75Bが射出面23と第3面43との間の第3空間53に面している点で、第1実施形態と異なる。
本実施形態においても、第2空隙部82(上端部1148T)からオーバーフローした液体LQは、液体ガイド部80を介して回収部60に回収される。本実施形態においても、液浸空間LSを良好に形成することができる。
なお、上述の各実施形態においては、回収部60の回収口62に多孔部材64を配置して、多孔部材64の一側から他側へ液体LQのみが通過するようにしているが、回収口62が、液体LQを、気体とともに回収してもよい。また、回収口62に、多孔部材64を配置しなくてもよい。
なお、上述の各実施形態において、給気口74を省略してもよい。
また、上述の各実施形態において、例えば、給気口74からの気体で液体LQの界面LGを移動を抑制できる場合には、第2面42を第1面41よりも下方に配置しなくてもよい。
また、上述の各実施形態において、第1面41を有する第1部材31と第2面42を有する第2部材32とが、光軸AXと平行な方向に、及び/又は光軸AXと垂直な方向に、相対移動可能であってもよい。すなわち、第1部材31と第2部材32の少なくとも一方が可動に支持されてもよい。例えば、アクチュエータの駆動力で、第2部材32の位置を動かしてもよい。第2部材の位置をZ方向に動かして、第2ギャップG2を調整することができる。
また、上述の各実施形態において、第1面41,第2面42、第2空隙部82などを一つの部材に形成してもよい。
なお、上述の各実施形態において、防止装置90が、ガスシール機構を有してもよい。例えば、第5面45に設けられた給気口から外面35Bに向けて気体が供給され、第5面45と外面35Bとの間にガスシールが形成されることによって、第2部分81Bから第1部分81Aへの液体LQの流入を防止することができる。なお、防止装置90の給気口は、対向面91に設けてもよいし、外面35Bに設けてもよい。また、防止装置90として、第2部分81Bから第1部分81Aへの液体LQの流入を防止するように、第2開口34が面する第2部分81Bに液体LQを供給する液体供給口を設けてもよい。一方、防止装置90(壁部92など)を設けなくてもよい。この場合、第5面45を第9面49より上方(+Z側)に設けることが望ましいが、第5面45と第9面49とがほぼ同じ高さ(ほぼ面一)であってもよい。
なお、上述の各実施形態において、第1面41が、射出面23と基板Pとの間に配置されていなくてもよい。この場合、第1面41が射出面23と面一、あるいは射出面23より上方に配置されてもよい。
また、上述の各実施形態において、終端光学素子22の露光光ELが通過しない面は、射出面23の周縁から上方(+Z方向)に延びる面(側面35)を有していなくてもよい。例えば、終端光学素子22の露光光ELが通過しない面が、射出面23とほぼ平行(光軸AXと垂直な方向に)延びていてもよい。すなわち、投影光学系PLの側面35が射出面とほぼ同一面内に延びていてもよい。
また、露光光ELが通過しない投影光学系PLの側面35が、射出面23の周囲の少なくとも一部において、射出面23と略同一面内(面一)に配置されてもよい。すなわち、側面35が、射出面23の周縁から上方に延びずに、光軸AXに対する放射方向に延びるように配置されてもよい。また、側面35が、光軸AXとほぼ平行であってもよい。すなわち、側面35が、光軸AXに対する放射方向に延びずに、射出面23の周縁から上方に延びるように配置されもよい。
なお、上述の各実施形態において、第1部分81Aを規定する側面35Aが、保持部材21の一部でもよい。また、第2部分81Bを規定する外面35Bが、終端光学素子22の一部でもよい。
また、上述の各実施形態において、第2面42に吸引口を設けてもよい。例えば、基板Pの露光中にその吸引口を使わずに、第1面41の下側の空間から液体LQのほぼすべて回収する場合にだけ、その吸引口を用いるようにしてもよい。
また、上述の各実施形態において、第1面41が面する第1空間51に液体LQを供給する供給口を設けてもよい。この場合、第1面41に液体LQを供給する供給口を設けてもよい。
なお、上述の各実施形態において、液浸部材(4など)に、例えば米国特許出願公開第2008/0106707号明細書に開示されているような、温度調整機構を設けることができる。例えば、液浸部材の内部に形成された流路に、温度調整用の液体を流すことによって、その液浸部材の温度を調整することができる。
なお、上述の各実施形態においては、投影光学系PLの終端光学素子22の射出側(像面側)の光路が液体LQで満たされているが、例えば国際公開第2004/019128号パンフレットに開示されているように、終端光学素子22の入射側(物体面側)の光路も液体LQで満たされる投影光学系を採用することもできる。
なお、上述の各実施形態の液体LQは水であるが、水以外の液体であってもよい。例えば、液体LQとして、ハイドロフロロエーテル(HFE)、過フッ化ポリエーテル(PFPE)、フォンブリンオイル等を用いることも可能である。また、液体LQとして、種々の流体、例えば、超臨界流体を用いることも可能である。
なお、上述の各実施形態の基板Pとしては、半導体デバイス製造用の半導体ウエハのみならず、ディスプレイデバイス用のガラス基板、薄膜磁気ヘッド用のセラミックウエハ、あるいは露光装置で用いられるマスクまたはレチクルの原版(合成石英、シリコンウエハ)等が適用される。
露光装置EXとしては、マスクMと基板Pとを同期移動してマスクMのパターンを走査露光するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置(スキャニングステッパ)の他に、マスクMと基板Pとを静止した状態でマスクMのパターンを一括露光し、基板Pを順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパ)にも適用することができる。
さらに、ステップ・アンド・リピート方式の露光において、第1パターンと基板Pとをほぼ静止した状態で、投影光学系を用いて第1パターンの縮小像を基板P上に転写した後、第2パターンと基板Pとをほぼ静止した状態で、投影光学系を用いて第2パターンの縮小像を第1パターンと部分的に重ねて基板P上に一括露光してもよい(スティッチ方式の一括露光装置)。また、スティッチ方式の露光装置としては、基板P上で少なくとも2つのパターンを部分的に重ねて転写し、基板Pを順次移動させるステップ・アンド・スティッチ方式の露光装置にも適用できる。
また、例えば対応米国特許第6611316号明細書に開示されているように、2つのマスクのパターンを、投影光学系を介して基板上で合成し、1回の走査露光によって基板上の1つのショット領域をほぼ同時に二重露光する露光装置などにも本発明を適用することができる。また、プロキシミティ方式の露光装置、ミラープロジェクション・アライナーなどにも本発明を適用することができる。
また、本発明は、米国特許第6341007号明細書、米国特許第6208407号明細書、米国特許第6262796号明細書等に開示されているような複数の基板ステージを備えたツインステージ型の露光装置にも適用できる。
更に、例えば米国特許第6897963号明細書、米国特許出願公開第2007/0127006号明細書等に開示されているような、基板を保持する基板ステージと、基準マークが形成された基準部材及び/又は各種の光電センサを搭載し、露光対象の基板を保持しない計測ステージとを備えた露光装置にも本発明を適用することができる。また、複数の基板ステージと計測ステージとを備えた露光装置にも適用することができる。
露光装置EXの種類としては、基板Pに半導体素子パターンを露光する半導体素子製造用の露光装置に限られず、液晶表示素子製造用又はディスプレイ製造用の露光装置や、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD)、マイクロマシン、MEMS、DNAチップ、あるいはレチクル又はマスクなどを製造するための露光装置などにも広く適用できる。
また、上述の各実施形態では、露光光ELとしてArFエキシマレーザ光を発生する光源装置として、ArFエキシマレーザを用いてもよいが、例えば、米国特許第7023610号明細書に開示されているように、DFB半導体レーザ又はファイバーレーザなどの固体レーザ光源、ファイバーアンプなどを有する光増幅部、及び波長変換部などを含み、波長193nmのパルス光を出力する高調波発生装置を用いてもよい。さらに、上記実施形態では、前述の各照明領域と、投影領域がそれぞれ矩形状であるものとしたが、他の形状、例えば円弧状などでもよい。
なお、上述の各実施形態においては、光透過性の基板上に所定の遮光パターン(又は位相パターン・減光パターン)を形成した光透過型マスクを用いたが、このマスクに代えて、例えば米国特許第6778257号明細書に開示されているように、露光すべきパターンの電子データに基づいて透過パターン又は反射パターン、あるいは発光パターンを形成する可変成形マスク(電子マスク、アクティブマスク、あるいはイメージジェネレータとも呼ばれる)を用いてもよい。可変成形マスクは、例えば非発光型画像表示素子(空間光変調器)の一種であるDMD(Digital Micro-mirror Device)等を含む。また、非発光型画像表示素子を備える可変成形マスクに代えて、自発光型画像表示素子を含むパターン形成装置を備えるようにしても良い。自発光型画像表示素子としては、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)、無機ELディスプレイ、有機ELディスプレイ(OLED:Organic Light Emitting Diode)、LEDディスプレイ、LDディスプレイ、電界放出ディスプレイ(FED:Field Emission Display)、プラズマディスプレイ(PDP:Plasma Display Panel)等が挙げられる。
上述の各実施形態においては、投影光学系PLを備えた露光装置を例に挙げて説明してきたが、投影光学系PLを用いない露光装置及び露光方法に本発明を適用することができる。このように投影光学系PLを用いない場合であっても、露光光はレンズ等の光学部材を介して基板に照射され、そのような光学部材と基板との間の所定空間に液浸空間が形成される。
また、例えば国際公開第2001/035168号パンフレットに開示されているように、干渉縞を基板P上に形成することによって、基板P上にライン・アンド・スペースパターンを露光する露光装置(リソグラフィシステム)にも本発明を適用することができる。
以上のように、本実施形態の露光装置EXは、本願請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度及びクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
半導体デバイス等のマイクロデバイスは、図4に示すように、マイクロデバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ202、デバイスの基材である基板を製造するステップ203、上述の実施形態に従って、マスクのパターンを用いて露光光で基板を露光すること、及び露光された基板を現像することを含む基板処理ステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程などの加工プロセスを含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。
なお、上述の各実施形態の要件は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。また、法令で許容される限りにおいて、上述の各実施形態及び変形例で引用した露光装置などに関する全ての公開公報及び米国特許の開示を援用して本文の記載の一部とする。
2…基板ステージ、4…液浸部材、7…制御装置、22…終端光学素子、23…射出面、33…第1開口、34…第2開口、35…側面、35A…側面、35B…外面、41…第1面、42…第2面、48T…上端部、60…回収部、61…凹部、62…回収口、64…多孔部材、74…給気口、75…供給口、80…液体ガイド部、81…第1空隙部、81A…第1部分、81B…第2部分、90…防止装置、91…対向面、92…壁部、AX…光軸、EL…露光光、EX…露光装置、LQ…液体、LS…液浸空間、P…基板、PL…投影光学系
Claims (35)
- 基板を露光する露光装置において、
露光光を射出する射出面を有する光学系と、
前記射出面から射出される前記露光光の光路の周囲の少なくとも一部に配置された第1面と、
前記第1面の周囲の少なくとも一部に配置された第2面と、
前記射出面の周縁から上方、及び/又は前記光学系の光軸に対する放射方向に延びる前記光学系の側面が面する第1空隙部と、
前記第1面と前記第2面との間に配置された前記第1開口から液体が流入可能であり、前記第1開口と異なる第2開口を介して雰囲気に開放された第2空隙部と、
少なくとも一部が前記光学系の側面と対向する位置に設けられ、前記第1開口から前記第2空隙部に流入した前記液体の少なくとも一部を前記第2開口を介して回収する回収部と、を備え、
前記基板の露光の少なくとも一部において、前記基板の表面が前記射出面、前記第1面、及び前記第2面に対向し、
前記射出面と前記基板の表面との間の液体を介して前記射出面からの前記露光光で前記基板を露光する露光装置。 - 前記第1空隙部は、第1部分と第2部分とを有し、
前記回収部の少なくとも一部は、前記第2部分において前記光学系の側面と対向する請求項1記載の露光装置。 - 前記第1空隙部の前記第1部分に面する液体供給口をさらに備え、
前記液体供給口からの液体が前記光路に供給される請求項2記載の露光装置。 - 前記第2空隙部に流入した液体の少なくとも一部の、前記第2部分から前記第1部分への流入を防止する防止装置をさらに備えた請求項2又は3記載の露光装置。
- 前記防止装置は、前記光学系の側面と対向する対向面を有する壁部を含み、
前記壁部の対向面と前記光学系の側面とのギャップは、前記壁部の第2部分側に形成されているギャップよりも小さい請求項2〜4のいずれか一項記載の露光装置。 - 前記壁部の対向面及び前記対向面に面する前記光学系の側面の少なくとも一方は、前記液体に対して撥液性である請求項5記載の露光装置。
- 前記第1部分は、前記放射方向に、かつ上方に向かって延びている請求項2〜6のいずれか一項記載の露光装置。
- 基板を露光する露光装置において、
露光光を射出する射出面を有する光学系と、
前記射出面から射出される前記露光光の光路の周囲の少なくとも一部に配置された第1面と、
前記第1面の周囲の少なくとも一部に配置された第2面と、
前記射出面の周縁から上方、及び/又は前記光学系の光軸に対する放射方向に延びる前記光学系の側面が面し、雰囲気に開放された第1空隙部と、
前記第1面と前記第2面との間に配置された第1開口を介して液体が流入可能な第2空隙部と、
前記第1開口から前記第2空隙部に流入した前記液体の少なくとも一部を、前記第1空隙部に面する前記第2開口を介して回収する回収部と、を備え、
前記基板の露光の少なくとも一部において、前記基板の表面が前記射出面、前記第1面、及び前記第2面に対向し、
前記射出面と前記基板の表面との間の液体を介して前記射出面からの前記露光光で前記基板を露光する露光装置。 - 前記第1空隙部は、第1部分と第2部分とを有し、
前記第2開口は、前記第2部分に面している請求項8記載の露光装置。 - 前記第1空隙部の前記第1部分に面する液体供給口をさらに備え、
前記液体供給口からの液体が前記光路に供給される請求項9記載の露光装置。 - 前記第2空隙部に流入した液体の少なくとも一部の、前記第2部分から前記第1部分への流入を防止する防止装置をさらに備えた請求項9又は10記載の露光装置。
- 前記防止装置は、前記光学系の側面と対向する対向面を有する壁部を含み、
前記壁部の対向面と前記光学系の側面とのギャップは、前記壁部の第2部分側に形成されているギャップよりも小さい請求項9〜11のいずれか一項記載の露光装置。 - 前記壁部の対向面及び前記対向面に面する前記光学系の側面の少なくとも一方は、前記液体に対して撥液性である請求項12記載の露光装置。
- 前記第1部分は、前記放射方向に、かつ上方に向かって延びている請求項9〜13のいずれか一項記載の露光装置。
- 前記第2面は、前記第1面より下方に配置されている請求項1〜14のいずれか一項記載の露光装置。
- 前記回収部は、前記第2空隙部からオーバーフローした液体を回収する請求項1〜15のいずれか一項記載の露光装置。
- 前記第2空隙部の上端を規定する上端部をさらに備え、
前記回収部の少なくとも一部は、前記光学系の光軸に対する放射方向において、前記上端部の外側に設けられている請求項1〜16のいずれか一項記載の露光装置。 - 前記回収部は、前記光学系の光軸に対する放射方向において、前記第2空隙部の上端を規定する上端部の外側に上方を向いて設けられた凹部を有し、前記凹部に流入した前記液体を回収する請求項1〜17のいずれか一項記載の露光装置。
- 前記回収部は、前記第2空隙部の上端を規定する上端部から前記光学系の光軸に対する放射方向に延びる液体ガイド部を有し、
前記凹部は、前記上端部から前記光学系の光軸に対する放射方向において、前記液体ガイド部の外側に設けられている請求項18記載の露光装置。 - 前記凹部は、前記上端部よりも下方に底部を有する請求項18又は19記載の露光装置。
- 前記回収部は、前記凹部に流入した液体を回収する回収口を有する請求項18〜20のいずれか一項記載の露光装置。
- 前記回収口は、前記凹部の内側に配置される請求項21記載の露光装置。
- 前記回収口は、前記凹部の底部に配置されている請求項21又は22記載の露光装置。
- 前記回収口に配置された多孔部材を有する請求項21〜23のいずれか一項記載の露光装置。
- 前記多孔部材の一側から他側へ液体のみが通過するように、前記多孔部材の一側と他側との間の圧力差を制御する請求項24記載の露光装置。
- 前記回収口は、前記凹部に流入した液体を気体とともに回収する請求項21〜25のいずれか一項記載の露光装置。
- 前記第2面は、前記液体に対して撥液性である請求項1〜26のいずれか一項記載の露光装置。
- 前記基板の露光の少なくとも一部において、前記第1開口は前記基板の表面と対向する請求項1〜27のいずれか一項記載の露光装置。
- 前記第1開口の周囲の少なくとも一部に配置された給気口をさらに備える請求項1〜28のいずれか一項記載の露光装置。
- 前記給気口は、前記第2面に配置されている請求項29記載の露光装置。
- 前記光学系は、前記射出面を有する光学部材と、前記光学部材を保持する保持部材とを含み、
前記側面は、前記光学部材の表面及び前記保持部材の表面の少なくとも一方を含む請求項1〜30のいずれか一項記載の露光装置。 - 請求項1〜31のいずれか一項記載の露光装置を用いて基板を露光することと、
露光された基板を現像することと、を含むデバイス製造方法。 - 光学系の射出面、及び前記光学系の射出面から射出される露光光の光路の周囲の少なくとも一部に配置された第1面と基板とが対向するように、前記基板を移動することと、
前記射出面と前記基板との間の液体を介して前記射出面からの前記露光光で前記基板を露光することと、
前記第1面と、前記第1面の周囲の少なくとも一部に配置された第2面との間の第1開口から、前記第1開口と異なる第2開口を介して雰囲気に開放されている空隙部に流入した液体の少なくとも一部を、前記第2開口を介して、前記射出面の周縁から上方に、及び/又は前記光学系の光軸に対する放射方向に延びる前記光学系の側面が面する回収部で回収することと、を含む露光方法。 - 光学系の射出面、及び前記光学系の射出面から射出される露光光の光路の周囲の少なくとも一部に配置された第1面と基板とが対向するように、前記基板を移動することと、
前記射出面と前記基板との間の液体を介して前記射出面からの前記露光光で前記基板を露光することと、
前記第1面と前記第1面の周囲の少なくとも一部に配置された第2面との間の第1開口から、前記第1開口と異なる第2開口を介して雰囲気に開放されている第2空隙部に流入した液体の少なくとも一部を、前記射出面の周縁から上方に、及び/又は前記光学系の光軸に対する放射方向に延びる前記光学系の側面が面する第1空隙部に面する前記第2開口を介して回収することと、を含む露光方法。 - 請求項33又は34記載の露光方法を用いて基板を露光することと、
露光された基板を現像することと、を含むデバイス製造方法。
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