JP2010156831A - シャッタ付き現場組立光コネクタ - Google Patents

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Abstract

【課題】作業者の熟錬度にかかわらず、安全に現場組立作業を行うことができる現場組立光コネクタを提供すること。
【解決手段】挿入光ファイバ4を光コネクタ100の内部に挿入し、挿入光ファイバ4の先端に光コネクタ成端する光コネクタ100であって、光コネクタ100は、光フェルール1に収容される光ファイバ3の端面から出射される光の光路を開閉するシャッタ手段30を備え、シャッタ手段30は、光コネクタ100が光アダプタに接続される際には、光フェルール1の端面から退避し、光コネクタ100が光アダプタから取り出される際には、光フェルール1の端面を覆うことを特徴とするシャッタ付き現場組立光コネクタ100。
【選択図】図2

Description

本発明は、シャッタ付き現場組立光コネクタに関する。
近年、FTTH(Fiber To The Home)の普及と共にマンションやオフィスビルなどにおける通信網の光化が進展してきている。これらの構内配線では、光ファイバへの光コネクタの現場組立が必要となるため、現場での組立作業が容易な現場組立光コネクタの開発が進められている。
このような現場組立光コネクタとして、例えばメカニカルスプライス方式の光コネクタが知られている(例えば下記特許文献1参照)。このメカニカルスプライス方式の光コネクタは、光フェルールと、光フェルールを固定するとともに、光フェルールに内蔵された内蔵光ファイバの端面と被接続側の挿入光ファイバの端面とを互いに突き合わせた状態で固定する光フェルール固定部と、光フェルール固定部を収容するフロントハウジングとで構成されている。このような光コネクタは、光ファイバへの組立後、フロントハウジングから光フェルールの先端部が突出した状態となる。
特開2006−195355号公報
ところで、近年、光ファイバへの光コネクタの現場組立作業の機会は増加してきており、それに伴って、光コネクタの扱いに不慣れな作業者が光コネクタの現場組立作業を行う機会も増加しつつある。一方、光ファイバ通信に使用する光源のパワーは増大する傾向にある。
しかし、上記特許文献1に記載の現場組立光コネクタでは、組立後に接続確認作業が必要であり、しかもフロントハウジングの先端開口部に光フェルールの先端部が露出した状態であるから、光コネクタの扱いに不慣れな作業者が、光アダプタ等の受け口(本発明では光アダプタと称する)から取り出されている状態で光ファイバの端面から出射される光を誤って直視し網膜を損傷してしまうおそれがある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、作業者の熟錬度にかかわらず、安全に現場組立作業を行うことができるシャッタ付き現場組立光コネクタを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、挿入光ファイバを光コネクタの内部に挿入し、前記挿入光ファイバの先端に光コネクタ成端する光コネクタであって、前記光コネクタは、光フェルールに収容される光ファイバ端面から出射される光の光路を開閉するシャッタ手段を備え、前記シャッタ手段は、前記光コネクタが光アダプタに接続される際には、前記光フェルールの端面から退避し、前記光コネクタが光アダプタから取り出される際には、前記光フェルールの端面を覆うことを特徴とするシャッタ付き現場組立光コネクタである。
上記シャッタ付き現場組立光コネクタは、例えば光コネクタ内部の光フェルールに内蔵されている光ファイバの端面と、挿入光ファイバの端面とを突き合わせ接続するメカニカルスプライスを有する。
また上記シャッタ付き現場組立光コネクタは、光コネクタ内部の光フェルールに内蔵されている光ファイバの端面と、挿入光ファイバの端面とを融着接続するものであってもよい。
さらに上記シャッタ付き現場組立光コネクタは、前記挿入光ファイバ自身の多少の撓みにより突き当て力が発生し、前記光フェルールに内蔵されている光ファイバの端部と前記挿入光ファイバが接続するものであってもよい。
さらにまた上記シャッタ付き現場組立光コネクタは、前記光フェルールに内蔵されている光ファイバの端部は前記光フェルールの光ファイバ穴の途中、あるいは光フェルール延長部材内の延伸された光ファイバ穴の途中に位置し、前記光ファイバ穴の中で前記内蔵光ファイバと前記挿入光ファイバが接続するものであってもよい。
さらに上記シャッタ付き現場組立光コネクタは、前記光フェルールが収容される、プラグフレームとストップリングの結合体よりなる光フェルール固定部と、前記光フェルール固定部の外側にスライド自在に装着されたフロントハウジングと、前記フロントハウジングの外側に装着されたリアハウジングよりなり、前記フロントハウジングと前記ストップリングの外周フランジとの間には、前記ストップリングに対して前記フロントハウジングを押し出す方向に付勢するスプリングが介挿されており、前記スプリングは、前記フロントハウジングの側面に形成されたスプリングガイドに収納されており、前記外周フランジの前記スプリングの受止め部には、前記スプリングの一端を係止する係止部が設けられているものであってもよい。
また上記シャッタ付き現場組立光コネクタにおいては、前記メカニカルスプライスは一対のファイバ挟持部を有し、前記フロントハウジングおよび前記光フェルール固定部に、前記一対のファイバ挟持部間に挿入部材を挿入するための挿入部が形成されていてもよい。
本発明によれば、作業者の熟錬度にかかわらず、安全に現場組立作業を行うことができる現場組立光コネクタが提供される。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の実施形態は本発明が適用される現場組立光コネクタの一実施形態である。また、単心光コネクタだけでなく、MT光コネクタ等の多心光フェルールを用いた現場組立型光コネクタも本発明の範囲内である。また以下の実施形態では、メカニカルスプライス方式の現場組立型光コネクタに本発明を適用した場合について説明している。しかし、本発明は現場組立型光コネクタには限定されない。
本実施形態の基本構成は、光フェルールを内蔵した光フェルール固定部と、この光フェルール固定部に対して移動可能となるように光フェルール固定部の外側に装着された、光アダプタハウジングとの結合部であるフロントハウジングと、フロントハウジングの外側に装着されたリアハウジングと、光の光路を開閉するシャッタ手段よりなるものである。
図1は、本発明に係る光コネクタ(以下、単に「光コネクタ」と呼ぶ)の組立直後の状態を示す斜視図、図2は、図1の断面図であり、A−A´線を含む長手方向の横断面であり、図3は、図1の光コネクタを示す部分底面図である。なお、光コネクタの接続方向を前方とし、これと反対方向を後方とする。
図1及び図2に示すように、光コネクタ100は、メカニカルスプライス付きの光フェルール1(SC型光フェルール等)を固定する光フェルール固定部10と、光フェルール固定部10を収容するフロントハウジング20と、光フェルール1に内蔵される内蔵光ファイバ3から出射される光の光路を開閉する遮光性の金属製の板ばね部材30と、フロントハウジング20の外側に装着された筒状のリアハウジング40とを備えている。なお、図1及び図2は、光ファイバケーブルへの組立後の光コネクタ100を示し、光コネクタ100の光フェルール固定部10と光ファイバケーブルFの間にはブーツ50が被せられている。
光フェルール1及び光フェルール固定部10について図2、図4〜図6を参照しながら説明する。図4は、図1の光コネクタにおける光フェルール固定部の断面図であり、図1のA−A´線を含む長手方向の断面図、図5は、光フェルール固定部10をフロントハウジング20に挿入する際の状態を示す部分平面図、図6は、光フェルール固定部10の内蔵光ファイバ3の光軸に直交する方向の断面図である。
図4に示すように、光フェルール1に接続されている内蔵光ファイバ3は1本の裸光ファイバであり、光フェルール1に内蔵される固定部3aと、光フェルール1から延出する延出部3bとで構成されている。固定部3aの一端面は光フェルール1の先端面と一緒に予め高精度に研磨されている。
図2、図4及び図6に示すように、光フェルール固定部10は、プラグフレーム14とストップリング13の結合体であり、本体内部にはメカニカルスプライス付きの光フェルール1が収納されている。
メカニカルスプライス付きの光フェルール1(以下、単に「光フェルール1」と言う場合がある)は、フェルール内蔵の光ファイバ3のうち延出部3bの端面と挿入光ファイバ4の端面とを互いに突き合わせた状態で固定する接続機構を有している。
詳しく説明すると、メカニカルスプライス(光接続器とも言う)とは、光フェルール1後端の樹脂製光フェルールフランジ11(以下、光フェルールフランジ)から延伸する位置決め台の表面に内蔵光ファイバの延出部3bを配置し、内蔵光ファイバ端と挿入光ファイバ端との接続部を別体の押さえ蓋で押さえつけてCバネ等で固定した構造である。
以下、メカニカルスプライスの位置決め台と蓋の組み合わせを一対のファイバ挟持部12a(位置決め台),12b(押さえ蓋)と呼ぶことにする。詳述すると、ファイバ挟持部12aは光フェルールフランジ11との樹脂一体成型品であり概ね半円形断面を有する、そのファイバ挟持面12cには、内蔵光ファイバ3の延出部3b、及び内蔵光ファイバ3に突き当てられる挿入光ファイバ4を調心する位置決め溝(V溝)12dが形成されている。
光フェルールフランジ11には貫通孔11aが形成され、内蔵光ファイバ3の延出部3bは貫通孔11aを貫通し、ファイバ挟持部12aの挟持面に形成されている位置決め溝(例えばV溝)12dの途中まで載置されている。
内蔵光ファイバ3の延出部3b及び挿入光ファイバ4は、断面C字型の弾性ばね18で囲まれたファイバ挟持部12a、12bによって挟まれて位置決め接続されている。これらファイバ挟持部12a、12bは裸光ファイバを固定する部分と、挿入光ファイバ4の被覆部分を固定する2つの部分に分割されている。同様に、位置決め溝(V溝)12dも挿入光ファイバ4の被覆部分の径に応じて2つの部分にて構成されている。
図6に示すように、一対のファイバ挟持部12a,12b間には、挿入ガイド12eが2箇所形成されている。挿入ガイド12eは、一対のファイバ挟持部12a,12bの間隔を拡げる挿入部材(楔)の導入口となっている。
次にフェルール1を内蔵する光フェール固定部10の構造について詳しく説明する。
光フェール固定部10はストップリング13とプラグフレーム14の結合体であり、両部品は、プラグフレーム嵌合部13aの位置で嵌合されている。ただし、図4の断面図では嵌合部の相対的な位置のみ示し嵌合構造は図示されない。一方、ストップリング本体部13cのブーツ嵌合部13bには凹凸が形成され、樹脂製ブーツ50が被せられている。
光フェルール固定部10の内部にて、光フェルール1は、光フェルールフランジ11とストップリング13のバネ受けとの間に設けられたメインスプリング15により前方に付勢されている。
メインスプリング15の後方端部は、ストップリング13のプラグフレーム嵌合部13aの内壁面に形成された環状の座部(バネ受け)16に当接し、メインスプリング15はファイバ挟持部12a,12bを囲むように配置されている。
メインスプリング15の前方端部は光フェルールフランジ11に当接し、光フェルール1は、ストップリング13に対して前方に押圧されている。ストップリング13の両端は開口しており、後端開口部からは挿入光ファイバ4が挿入されている。
なお、図3及び図6に示すように、ストップリング13には一対のファイバ挟持部12a,12b間に挿入部材(図示せず)を挿入するための挿入ガイド(挿入部)13mが形成されている。
さらに図5に示すように、ストップリング13のストップリング本体部13cの後方外周には、ブーツ嵌合部13b側に、光フェルール固定部10とフロントハウジング20の間に介挿されたスプリング60の一端を受け止める受止め部13dが設けられている。受止め部13dはストップリング本体部13cの外周から環状に突出するフランジであり、本発明では外周フランジと言う場合がある。
スプリング60は、フロントハウジング20を光フェルール固定部10から離す方向に付勢する細径のコイルバネである。外周フランジ13dの前方壁には、スプリング60の一端を係止する切欠き13eが形成されている。
スプリング60の内部には、スプリング60の姿勢を確保するために規制ピン(金属棒)61が挿入されている。規制ピン61は、ピン本体61aと、ピン本体61aの端部に設けられるヘッド部61bとで構成されている。スプリング60の一端は規制ピン61のヘッド部61bに当接された状態で固定されている。
そして、規制ピン60のヘッド部61bもスプリング60の一端とともに外周フランジ13dに形成された切欠き13eに挿入されている。
ここで、規制ピン61は、スプリング60が撓むことを防止する機能だけでなく、フロントハウジング20に対する光フェルール固定部10の移動を規制するという機能も有している。
図4に示すように、プラグフレーム14の内壁面には内周フランジ17が突設され、開口17aを形成している。
そして、非接続時には、内周フランジ17の壁面と光フェルールフランジ11の当接面がバネ圧で当接し、光フェルール1の先端がプラグフレーム14の先端から突出するように押圧されている。
なお、ストップリング13及びプラグフレーム14は、例えばポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂などの樹脂から構成されている。
次に、フロントハウジング20について図2、図3、図7及び図8を参照して説明する。図7は、図1のフロントハウジングを示す斜視図、図8は図7のフロントハウジングの断面図である。
図7に示すように、フロントハウジング20は筒状をなしており、ベース部20aと、ベース部20aに対向するガイド壁部20bと、ベース部20aとガイド壁20bとを連結する連結部20c,20dとを備えている。そして、図8に示すように、フロントハウジング20の両端には開口20g、20hが形成されている。
ガイド壁部20bの外壁面には、フロントハウジング20の開口20g(以下、「後端開口20g」と呼ぶ)側から開口20h(以下、「前端開口20h」と呼ぶ)側に向かう方向(図7のX方向)に延びるガイドレール20eが突設されている。
また連結部20c,20dの外壁面にはそれぞれ、互いに離間した2本のガイド凹部20fが形成されている。ガイド凹部20fは図7のX方向に沿って延びている。ガイド凹部20fの途中には、ガイド凹部20fの前端開口20h側の端部寄りに、リアハウジング40をフロントハウジング20にロックするためのロック爪20jが設けられている。ここで、ガイド凹部20fの前端開口20h側の端部とロック爪20jとの間の部分には、後述するリアハウジング40のガイド突起40fが係合するようになっている。
フロントハウジング20の連結部20c,20dの内壁面にはそれぞれ、ベース部20a側に、板ばね部材30を固定するための板ばね固定溝20iが形成されている。板ばね固定溝20iはフロントハウジング20の後端開口20gまで延びている。
またガイドレール20eには長穴(スプリングガイド)20kが形成され、スプリングガイド20kには細径の規制ピン入りのスプリング60が挿入されている。即ち、規制ピン61は、スプリング60にピン本体61aを貫通させた状態で、ピン本体61a側からスプリングガイド20kに挿入されている。ここで、規制ピン61のヘッド部61bもスプリングガイド20kに挿入可能となっている。
一方、規制ピン61のヘッド部61aは、図5に示すように、ストップリング13の外周フランジ13dに設けられた切欠き13eで受け止められるようになっている。従って、光フェルール固定部10は規制ピン61によってフロントハウジング20の前端開口20h側への移動が規制されている。
さらに、図3及び図7に示すように、ベース部20aの後端開口20g側には一対のファイバ挟持部12a,12b間に挿入部材(図示せず)を挿入するための切欠き(挿入部)20mが形成されている。
次にリアハウジング40について図2、図3、図9及び図10を参照しながら説明する。図9及び図10は、図1及び図2のリアハウジング40を示す斜視図である。
図9及び図10に示すように、リアハウジング40はフレア状をなしており、ベース部40aと、ベース部40aに対向するガイド壁部40bと、ベース部40aとガイド壁部40bとを連結する連結部40c,40dとを備えている。
ガイド壁部40bの内壁面には、リアハウジング40をフロントハウジング20のガイドレール20eに沿ってガイドするためのガイド凹部40eが形成されている。ガイド凹部40eは、リアハウジング40の開口40g(以下、「後端開口40g」と呼ぶ)側から開口40h(以下、「前端開口40h」と呼ぶ)側に向かう方向(図9のX方向)に延びている。
また連結部40c,40dの内壁面には、フロントハウジング20のガイド凹部20fに係合するガイド突起40fが設けられている。ガイド突起40fは、連結部40c,40dの内壁面の前端開口40h寄りに設けられている。
さらに図10に示すように、ベース部40a、ガイド壁部40b、連結部40c,40dにはそれぞれ、後端開口40g側に、光フェルール固定部10を係止する係止爪40iが設けられている。
さらに図2及び図3に示すように、ベース部40aの前端開口40h側には一対のファイバ挟持部12a,12b間に挿入部材(図示せず)を挿入するための切欠き(挿入部)40mが形成され、切欠き40mの後端開口40g側には、別の挿入部材を挿入するための挿入ガイド(挿入部)40nが形成されている。
なお、フロントハウジング20及びリアハウジング40は例えばポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂などの樹脂から構成されている。
次に、板ばね部材30について図11及び図12を参照しながら説明する。図11は、板ばね部材30を示す側面図である。図12は、板ばね部材30を示す平面図であり、フロントハウジング20との位置関係を示すため、フロントハウジング20に取り付けられた状態の板ばね部材30を示している。
図11に示すように、板ばね部材30は、フロントハウジング20のベース部20aに固定される基端部30aと、先端部30cと、先端部30cと基端部30aとを結ぶ連結部30bとを有している。図12に示すように、板ばね部材30は、基端部30aの両縁部30d,30eをフロントハウジング20の連結部20c,20dに形成された板ばね固定溝20iに係合させることによってベース部20aに固定されている。
ここで、板ばね部材30の先端部30cは、光フェルール固定部10がフロントハウジング20の後端開口20gから挿入されると、光フェルール1の先端に対向するようになっている。具体的には、内蔵光ファイバ3のうち固定部3aの光軸と交差するように板ばね部材30の先端部30cが配置されている。そして、板ばね部材30の基端部30aは、光フェルール固定部10とフロントハウジング20のベース部20aとの間に配置されている。連結部30bは、光フェルール固定部10がフロントハウジング20に挿入される前は湾曲した状態にある。具体的には、連結部30bはフロントハウジング20の前端開口20h側に向けて凸の状態にある。そして、連結部30bは、押圧力を加えてベース部20aに押し付けることで平面状に変形可能であり、押圧力を解除すると連結部30bのもつ復元力によって再び元の湾曲した状態に戻るようになっている。
なお、板ばね部材30は遮光性を有する材料、例えば金属部材、例えばステンレス鋼などから構成されている。
次に、上述した光コネクタ100の組立方法について説明する。
まず光フェルール固定部10をフロントハウジング20に挿入する。このとき、光フェルール固定部10の光フェルール1をフロントハウジング20の後端開口20gに向けてから光フェルール固定部10をフロントハウジング20内に挿入する。このとき、規制ピン61は、ピン本体61a側から挿入する。
そして、フロントハウジング20のスプリングガイド20kに、規制ピン61をスプリング60に挿入した状態で挿入する。
次に、フロントハウジング20を光フェルール固定部10とともにリアハウジング40の前端開口40h側から挿入する。このとき、光フェルール固定部10のブーツ嵌合部13bをリアハウジング40の前端開口40hに向けてから光フェルール固定部10をリアハウジング40内に挿入する。
このとき、規制ピン61を、光フェルール固定部10の外周フランジ13dに受け止めさせるとともに(図5参照)、リアハウジング40のガイド突起40fをフロントハウジング20のガイド凹部20fに係合させ、リアハウジング40のガイド凹部40eに、フロントハウジング20のガイドレール20eを係合させる。
このとき、スプリング60は、圧縮されると、光フェルール固定部10を挿入方向と反対方向に押し戻すため、スプリング60の一端の位置が外周フランジ13dからずれる恐れがある。つまり、スプリング60の姿勢を確保するための位置決め用のスプリングガイド20kの輪郭は閉じておらず、内面が開口しているため、当接部がずれてスプリング60が抜け出るおそれがある。
この点、光コネクタ100では、スプリング60の一端が切欠き13eで係止されるため、スプリング60の一端の位置が外周フランジ13dからずれることが抑制され、フロントハウジング20に光フェルール固定部10を容易に挿入することが可能となる。従って、光コネクタ100の組立作業を容易に行うことができる。
特に本実施形態では、規制ピン60がスプリング60を貫通しているため、スプリング60が過度に撓むことを防止でき、スプリング60をフロントハウジング20のスプリングガイド20kに挿入する作業が容易になる。
そして、図3に示すように、ストップリング13の挿入ガイド13m、フロントハウジング20の切欠き20m及びリアハウジング40の切欠き40mの位置が一致するように位置合わせを行うとともに、ストップリング13の挿入ガイド13m及びリアハウジング40の挿入ガイド40nの位置が一致するように位置合わせを行う。
その後、ストップリング13の挿入ガイド13m、フロントハウジング20の切欠き20m及びリアハウジング40の切欠き40mを通して、挿入部材(図示せず)を挿入するとともに、ストップリング13の挿入ガイド13m及びリアハウジング40の挿入ガイド40nに、別の挿入部材(図示せず)を挿入する。こうして一対のファイバ挟持部12a,12bの間に隙間を形成する。
そして、光ファイバケーブルFをリアハウジング40の後端開口40g側から挿入し、光ファイバケーブルFの挿入光ファイバ4を光フェルール固定部10のブーツ嵌合部13bのファイバ挿入ガイド13fに挿入し、光フェルール固定部10に光ファイバケーブルFを接続固定する。
次に、一対のファイバ挟持部12a,12bによって、挿入光ファイバ4の端面と光フェルール1に内蔵された内蔵光ファイバ3の延出部3bの端面とを互いに突き合された状態で固定させる。
このとき、板ばね部材30により、内蔵光ファイバ3から出射される光の光路が閉じられているため、挿入光ファイバ4からの光が内蔵光ファイバ3を経由して出射される場合でも、作業者がその光を直視する心配がない。このとき、ストップリング13の挿入ガイド13m及びリアハウジング40の挿入ガイド40mを通して、一対のファイバ挟持部12a,12b間に挿入部材が挿入されているため、挿入部材によって、光フェルール固定部10のフロントハウジング20に対する移動が規制され、内蔵光ファイバ3から出射される光の光路を閉じた状態に維持することが可能となる。このため、挿入光ファイバ4を光コネクタ100の内蔵光ファイバ3に接続する現場において、作業者はより安心して光コネクタ100の組立作業を行うことができる。
なお、挿入部材が抜き去られた後は、光フェルール固定部10は、フロントハウジング20に対して移動可能となる。このとき、光フェルール固定部10をフロントハウジング20に僅かに挿入する程度の軽い力が不意に加わっても、スプリング60によって光フェルール固定部10は挿入方向と反対方向に押し戻されるため、板ばね部材30は、光フェルール固定部10によって簡単には押し退けられることがない。即ち、内蔵光ファイバ3から出射される光の光路は容易には開かれることがない。このため、挿入部材が抜き去られた後も、挿入光ファイバ4からの光が内蔵光ファイバ3を経由して出射され、作業者がその光を直視するような心配がない。
次に、光コネクタ100を、アダプタ(図示しない)を介して別の光コネクタに接続するための準備方法について図13を参照しながら説明する。図13は、図1の光コネクタの組立後の状態で且つ他の光コネクタに接続する際の準備状態を示す斜視図である。
この場合、まず挿入部材を抜き去る。これにより光フェルール固定部10のフロントハウジング20に対する移動規制が解除される。
そこで、リアハウジング40をつまんでフロントハウジング20の前端開口20h側に移動させると、光フェルール固定部10がリアハウジング40の係止爪40iによって押され、フロントハウジング20の前端開口20hに向けてスライドされる。すると、光フェルール1によって板ばね部材30の先端部30cが押し退けられ、光フェルール固定部10と、フロントハウジング20のベース部20aとの間に収まる。即ち、板ばね部材30は、光フェルール1の端面から退避している。これにより、光フェルール1に内蔵された内蔵光ファイバ3の光路を開くことが可能となる。
そして、光フェルール固定部10をさらに、プラグフレーム14がフロントハウジング20の前端開口20hから突出するまでフロントハウジング20の前端開口20hに向けてスライドさせると、リアハウジング40がフロントハウジング20にロックされる。具体的には、リアハウジング40の連結部40c、40dの内壁面に設けられたガイド突起40fが、フロントハウジング20の連結部20c,20dのガイド凹部20fに設けられたロック爪20iを乗り越え、ガイド突起40fが、ガイド凹部20fの前端開口20h側の端部とロック爪20jとの間の部分に係合する。これにより、リアハウジング40は、フロントハウジング20の前端開口20h側にも後端開口20g側にも移動できなくなり、フロントハウジング20に対してロックされる。この結果、図13に示すように、プラグフレーム14がフロントハウジング20の前端開口20hから突出した状態を維持することができる。これにより、プラグフレーム14をアダプタに差し込むことができるため、アダプタを介して光コネクタ100を他の光コネクタと接続することができる。
なお、フロントハウジング20を押さえてリアハウジング40をフロントハウジング20の後端開口20g側にスライドさせると、リアハウジング40のガイド突起40fがフロントハウジング20の連結部20c、20dのガイド凹部20fにあるロック爪20iを乗り越える。すると、スプリング60の圧縮状態が解除されるため、光フェルール固定部10はフロントハウジング20から追い出されるように移動される。これに伴って、板ばね部材30の連結部30bは、その復元力によって再度湾曲し、その先端が光フェルール1の先端に対向することとなる。即ち、板ばね部材30の先端30cが光フェルール1の端面を覆うこととなる。従って、光コネクタ100をアダプタから取り外した後も、内蔵光ファイバ3から出射される光が板ばね部材30によって遮られるため、作業者の熟練度にかかわらず、安全に光コネクタ100を取り扱うことができる。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、係止部は、切欠き13eとなっているが、凹部13hであってもよく(図14の(a))、外周フランジ13dからストップリング本体部13cの表面に沿って延びる一対の突出部13gであってもよい(図14の(b))。
さらに上記実施形態では、規制ピン61がスプリング60を貫通しているが、規制ピン61は必ずしも必要なものではなく、省略が可能である。この場合でも、スプリング60の一端が外周フランジ13dの切欠き13eで係止されるため、光フェルール固定部10をフロントハウジング20に挿入する作業が容易となる。
さらに上記実施形態では、シャッタ手段として板ばね部材30が用いられているが、内蔵光ファイバ3から出射される光の光路を開閉可能なものであればいかなるものでもよい。
さらにまた、本発明のシャッタ付き現場組立光コネクタは上記実施形態のようなメカニカルスプライスを有する方式には限定されない。
現場組立型光コネクタとは、接続現場で作業者が容易に光ファイバ先端に光コネクタ成端できる構造の光コネクタを総称する。
例えば、光フェルールの内蔵光ファイバから光コネクタ内部に延出するピグテイルファイバに外部光ファイバを融着接続して光コネクタ内部に収納する方式を採用した融着接続方式の現場組立光コネクタも各種形態が存在する。
融着接続部分は、通常の光ファイバ融着接続部と同様に融着補強スリーブ等にて補強し、この補強スリーブも含めて光コネクタ内部に収納することができる。
また、メカニカルスプライスにより光ファイバの突き当て部の周囲を挟み込んで押さえつける方式ではなくて、光フェルールに内蔵された光ファイバと挿入光ファイバを突き合わせてPC接続するための突き当て力を付与する方式の光コネクタも存在する。この場合、光ファイバ接続部の周囲には光ファイバを側面から挟み込んで押さえ付ける部材は構成されず、挿入光ファイバ自身の多少の撓みにより突き当て力が発生しPC接続できるように挿入光ファイバの被覆部を光コネクタ本体に対して固定する構成となっている。例えば、内蔵光ファイバと挿入光ファイバの位置決めは、内蔵光ファイバの端部を光フェルールの光ファイバ穴の途中、あるいは光フェルールに延長部材を設け、その中に光フェルールの光ファイバ穴を延伸させて形成した、延伸された光ファイバ穴の中で行うことができる。
光ファイバ穴の精度により内蔵光ファイバ3と挿入光ファイバ4は調心精度を確保することができる。
なおまたさらに、内蔵光ファイバ3が接着固定されていない空の光フェルールに対し、挿入光ファイバ先端の裸光ファイバ部分を挿入し、挿入光ファイバ4の先端と光フェルール1の先端の位置合わせをする方式の現場組立型光コネクタも存在する。
以上のように本発明は各種方式の現場組立光コネクタに適用することができる。
本発明に係る光コネクタの組立直後の状態を示す斜視図である。 図1の断面図であり、A−A´線を含む長手方向の横断面図である。 図1の光コネクタを示す部分底面図である。 図1の光コネクタにおける光フェルール固定部の断面図であり、A−A´線を含む長手方向の断面図である。 光フェルール固定部をフロントハウジングに挿入する際の状態を示す部分平面図である。 図1の光フェルール固定部を示す断面図であって内蔵光ファイバの光軸に直交する方向の断面図である。 図1のフロントハウジングを示す斜視図である。 図7のフロントハウジングを示す断面図である。 図1のリアハウジングを示す斜視図である。 図1のリアハウジングを示す斜視図である。 図2の板ばね部材を示す側面図である。 図11の板ばね部材を示す平面図である。 図1の光コネクタの組立後の状態で且つ他の光コネクタに接続する際の準備状態を示す斜視図である。 (a)は係止部の一の変形例を示す部分平面図、(b)は係止部の他の変形例を示す部分平面図である。
符号の説明
1…光フェルール、3…内蔵光ファイバ、4…挿入光ファイバ、10…光フェルール固定部、11…光フェルールフランジ、12a,12b…ファイバ挟持部、12c…ファイバ挟持面、12d…ファイバ位置決め溝、13…ストップリング、13a…プラグフレーム嵌合部、13b…ブーツ嵌合部、13c…ストップリング本体部、13d…受止め部、13e…切欠き(係止部)、13g…突起部(係止部)、13h…凹部(係止部)、13m…挿入ガイド(挿入部)、14…プラグフレーム、15…メインスプリング、16…座部、17…内周フランジ17a…開口、18…弾性ばね、20…フロントハウジング、20a…ベース部、20b…ガイド壁部、20c,20d…連結部、20e…ガイドレール、20g…開口、20h…開口、20i…板ばね固定溝、20j…ロック爪、20k…スプリングガイド、20m…切欠き(挿入部)、30…板ばね部材(シャッタ手段)、30a…基端部、30b…連結部、30c…先端部、30d,30e…縁部、40…リアハウジング、40a…ベース部、40b…ガイド壁部、40c,40d…連結部、40e…ガイド凹部、40f…ガイド突起、40g…後端開口、40h…前端開口、40i…係止爪、40m…切欠き(挿入部)、40n…挿入ガイド(挿入部)、50…ブーツ、60…スプリング、61…規制ピン、61a…ピン本体、61b…ヘッド部、100…光コネクタ、F…光ファイバケーブル。

Claims (7)

  1. 挿入光ファイバを光コネクタの内部に挿入し、前記挿入光ファイバの先端に光コネクタ成端する光コネクタであって、
    前記光コネクタは、光フェルールに収容される光ファイバ端面から出射される光の光路を開閉するシャッタ手段を備え、
    前記シャッタ手段は、前記光コネクタが光アダプタに接続される際には、前記光フェルールの端面から退避し、
    前記光コネクタが前記光アダプタから取り出される際には、前記光フェルールの端面を覆うことを特徴とする
    シャッタ付き現場組立光コネクタ。
  2. 前記光コネクタ内部の前記光フェルールに内蔵されている光ファイバの端面と、挿入光ファイバの端面とを突き合わせ接続するメカニカルスプライスを有する請求項1記載のシャッタ付き現場組立光コネクタ。
  3. 光コネクタ内部の光フェルールに内蔵されている光ファイバの端面と、挿入光ファイバの端面とを融着接続する請求項1記載のシャッタ付き現場組立光コネクタ。
  4. 前記挿入光ファイバ自身の多少の撓みにより突き当て力が発生し、前記光フェルールに内蔵されている光ファイバの端部と前記挿入光ファイバが接続する請求項1記載のシャッタ付き現場組立光コネクタ。
  5. 前記光フェルールに内蔵されている光ファイバの端部は前記光フェルールの光ファイバ穴の途中、あるいは光フェルール延長部材内の延伸された光ファイバ穴の途中に位置し、前記光ファイバ穴の中で前記内蔵光ファイバと前記挿入光ファイバが接続する請求項4記載のシャッタ付き現場組立光コネクタ。
  6. 前記光フェルールが収容される、プラグフレームとストップリングの結合体よりなる光フェルール固定部と、
    前記光フェルール固定部の外側にスライド自在に装着されたフロントハウジングと、
    前記フロントハウジングの外側に装着されたリアハウジングよりなり、
    前記フロントハウジングと前記ストップリングの外周フランジとの間には、前記ストップリングに対して前記フロントハウジングを押し出す方向に付勢するスプリングが介挿されており、
    前記スプリングは、前記フロントハウジングの側面に形成されたスプリングガイドに収納されており、
    前記外周フランジの前記スプリングの受止め部には、前記スプリングの一端を係止する係止部が設けられていること、
    を特徴とする請求項2記載のシャッタ付き現場組立光コネクタ。
  7. 前記メカニカルスプライスは一対のファイバ挟持部を有し、前記フロントハウジングおよび前記光フェルール固定部に、前記一対のファイバ挟持部間に挿入部材を挿入するための挿入部が形成されていることを特徴とする請求項6に記載のシャッタ付き現場組立光コネクタ。
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