JP2010156307A - 内燃機関 - Google Patents

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Abstract

【課題】機械式のウォーターポンプ7とベルト式の動力伝達機構10とを備える内燃機関1において、ウォーターポンプ7を非駆動にしたときにクランクシャフト8への負担を軽減するための構成を、可及的に簡易でかつコンパクトに設置可能とする。
【解決手段】ベルト15をウォーターポンププーリ12から離してウォーターポンプ7を非駆動状態にしたり、ベルト15をウォーターポンププーリ12に押し付けてウォーターポンプ7を駆動状態にしたりするための状態切り替え機構20を備える。この機構20は、単一のアクチュエータ24により、一方テンショナ21をベルト15から引き離すとともに他方テンショナ22をベルト15に押し付ける第1位置に移動することにより前記非駆動状態を成立する一方、一方テンショナ21をベルト15に押し付けるとともに他方テンショナ22をベルト15から引き離す第2位置に移動することにより前記駆動状態を成立する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ウォーターポンプと、クランクシャフトの回転動力をウォーターポンプに伝達してウォーターポンプを回転駆動するためのベルト式の動力伝達機構とを備える内燃機関(エンジンともいう)に関する。
従来から、内燃機関の暖機を促進させるために、ウォーターポンプを電動式とし、冷間始動時、つまり暖機運転時にウォーターポンプを非駆動とし、暖機終了後において必要に応じてウォーターポンプを駆動させるようにすることが考えられている(例えば特許文献1,2参照。)。
このような従来例の場合、電動式のウォーターポンプを用いるので、クランクシャフトの回転動力を補機に伝達するためのベルト式動力伝達機構を利用せずにウォーターポンプを駆動できるものの、この電動式のウォーターポンプが高価であるために設備コストが高くつくことが指摘される。
これに対し、例えば特許文献3に係る従来例では、ウォーターポンプ22を機械式とし、自動車用エンジン20の冷却水の温度変化に応じてウォーターポンプ22の駆動力を変化させるようにすることが開示されている。
具体的に、クランクシャフト21に取り付けられるクランクプーリ10のベルト受け面(ベルト巻き掛け用の溝底面)11の形状をテーパ形状とし、ベルト16の張力を調整するためのテンションプーリ13をアクチュエータ14で移動可能とし、このアクチュエータ14を制御装置15で駆動させるようにしている。
動作としては、通常走行時に、テンションプーリ13をクランクプーリ10に近づけて、クランクプーリ10のテーパ形状のベルト受け面11の大径側にベルト16を巻き掛けさせて、クランクプーリ10の回転速度とウォーターポンププーリ12の回転速度とを略1:1にすることにより、ウォーターポンプ22による冷却水の循環量を規定値に保つようにする。一方、登坂走行に伴いエンジン20の回転数が低下して冷却水循環量が低下することによって冷却水温度が上昇したときに、テンションプーリ13をクランクプーリ10から引き離して、クランクプーリ10のテーパ形状のベルト受け面11の小径側にベルト16を巻き掛けさせて、ベルト16の駆動速度をクランクプーリ10自体の回転速度よりも増速させてウォーターポンププーリ12の回転速度を上昇させるようにすることにより、ウォーターポンプ22による冷却水循環量を規定値に保つようにして冷却水温度を低下させる。
このように、特許文献3に係る従来例では、ウォーターポンプ22による冷却水循環量を変化させるようになっているものの、ベルト16でウォーターポンププーリ12が常に回転駆動されているために、ウォーターポンプ22を非駆動とすることは不可能である。したがって、冷却水温度が低い場合、つまり暖機運転時においてウォーターポンプ22を非駆動にすることによって暖機を促進させることは不可能である。しかも、ウォーターポンププーリ12がベルト16で常に回転駆動されているということは、ベルト16を駆動する駆動源であるクランクシャフト21に常に余分な負担がかかっており、エンジン20の暖機性能ならびに燃費性能を向上させるには不利となる。
ところで、例えば特許文献4に係る従来例には、機械式のウォーターポンプのプーリを前記ベルト式動力伝達機構で回転駆動させる構成において、クランクシャフトの回転動力をベルトからウォーターポンプに伝達させないようにすることによりウォーターポンプを非駆動状態にしたり、クランクシャフトの回転動力をベルトからウォーターポンプに伝達させることによりウォーターポンプを駆動状態にしたりするための状態切り替え手段が開示されている。
具体的に、特許文献4に係る従来例において、ウォーターポンプPを駆動または非駆動とするための状態切り替え手段の構成を説明する。
まず、特許文献4の図2には、ウォーターポンプ7の駆動軸3とウォーターポンププーリP2とを一対のギヤ1,2を介して連結させて前記一対のギヤ1,2を必要に応じて噛み合わせることによりクランクシャフトプーリ10の回転動力をベルト11によりウォーターポンププーリP2に伝達してウォーターポンプPを駆動させる状態にしたり、前記一対のギヤ1,2の噛み合わせを外すことによりクランクシャフトプーリ10の回転動力をベルト11からウォーターポンププーリP2に伝達させないようにしてウォーターポンプPを非駆動状態にしたりする構成が開示されている。
この構成では、例えば暖機運転時にウォーターポンプPを非駆動とすることにより、暖機を促進させることが可能になるものの、ウォーターポンプPを非駆動状態にしていても、ウォーターポンププーリP2がベルト11で常に回転駆動されているために、このウォーターポンププーリP2を回転駆動させる分についてクランクシャフトに負担がかかることは避けられない。
その他に、特許文献4の図4および図5には、クランクシャフトプーリ10と2つの小径プーリ13,14とに巻き掛けられるベルト11において略平行な2つの直線部分の外側に、一対のテンショナ81,82を配置し、この一対のテンショナ81,82をそれぞれ軸状部材81a,82aで互いに接近する方向に個別に移動させることにより、ベルト11をウォーターポンププーリP2に押し付けてウォーターポンプPを駆動させるようにしたり、前記一対のテンショナ81,82をそれぞれ軸状部材81a,82aで互いに離す方向に個別に移動させることによりベルト11をウォーターポンププーリP2から引き離してウォーターポンプPを非駆動状態にしたりする構成が開示されている。
なお、特許文献4に係る従来例では、前記一対のギヤ1,2を移動させるための駆動源や、前記一対のテンショナ81,82を移動させるための駆動源として、オイルコントロールバルブOCVの油圧を利用するようにしている。
特開平8−14043号公報 特開平11−13471号公報 実開昭63−37855号公報 特開2003−27942号公報
上記特許文献4に係る従来例において図4に示す構成では、ウォーターポンプPを非駆動とするときに、ベルト11をウォーターポンププーリP2から引き離すので、クランクシャフトの負担を軽減することが可能であるが、次のような不具合が懸念される。
つまり、状態切り替え手段として、一対のテンショナ81,82を個別に移動させるための軸状部材81a,82aがベルト11の両側に横1直線に並べられた状態で設置されている関係より、内燃機関の周辺に比較的大きな設置スペースを確保する必要があり、設置条件が厳しくなることが懸念される。
しかも、ウォーターポンプPを非駆動状態から駆動状態に切り替えるときに、ベルト11から引き離されている一対のテンショナ81,82を互いに接近させるように動かすことにより、ベルト11をウォーターポンププーリP2に押し付ける必要がある。
そもそも、一対のテンショナ81,82を引き離している状態においても、ベルト11がばたつかないように当該ベルト11に適度の張力を付与しておく必要がある。しかも、2つのテンショナ81,82を互いに接近させるように動かす際、ベルト11において略平行な2つの直線部分に対して2つのテンショナ81,82をそれぞれ略直交する方向から押し付けるようにしている。
これらのことから、ベルト11をウォーターポンププーリP2に押し付けてウォーターポンプPを駆動状態にするためには、一対のテンショナ81,82を非常に大きな力で駆動させる必要があると言える。そのような大きな駆動力は、駆動源としてのオイルコントロールバルブOCVの油圧だけでは得られないので、図5に示されているように、比較的大型の油圧変換機6’を用いている。そのために、内燃機関の周辺にさらに大きな設置スペースを確保する必要がありるとともに、ウォーターポンプPの状態を切り替えるための状態切り替え手段の設備コストが嵩むことが懸念される。
このような事情に鑑み、本発明は、ウォーターポンプと、クランクシャフトの回転動力をウォーターポンプに伝達してウォーターポンプを駆動するためのベルト式の動力伝達機構とを備える内燃機関において、ウォーターポンプを非駆動状態にしたときにクランクシャフトへの負担を軽減するための構成を、可及的に簡易でかつコンパクトに設置可能とすることを目的としている。
本発明は、機械式のウォーターポンプと、クランクシャフトの回転動力をウォーターポンプに伝達してウォーターポンプを駆動するためのベルト式の動力伝達機構とを備える内燃機関であって、前記ベルトをウォーターポンププーリから離してウォーターポンプを非駆動状態にしたり、前記ベルトをウォーターポンププーリに押し付けてウォーターポンプを駆動状態にしたりするための状態切り替え機構を備え、前記状態切り替え機構は、前記ベルトに張力を与えるための少なくとも2つのテンショナと、必要に応じて前記各テンショナを第1位置と第2位置とに移動させる単一のアクチュエータとを含み、前記第1位置では、一方のテンショナがベルトから引き離されるとともに他方のテンショナがベルトに押し付けられることにより前記非駆動状態を成立し、前記第2位置では、前記一方のテンショナがベルトに押し付けられるとともに前記他方のテンショナがベルトから引き離されることにより前記駆動状態を成立する、ことを特徴としている。
要するに、本発明では、機械式のウォーターポンプの駆動源として内燃機関に一般的に装備される既存のベルト式動力伝達機構を利用する構成を前提とするものであって、ウォーターポンプの非駆動時に、ベルトをウォーターポンププーリから引き離すようにするための手段(状態切り替え機構)を設けるようにしている。これにより、ウォーターポンプの非駆動時においてクランクシャフトにかかる負担が軽減されるようになるので、内燃機関の暖機性能ならびに燃費性能を向上させるうえで有利となる。
そして、前記のように必要に応じてベルトをウォーターポンププーリから引き離すための状態切り替え機構として、2つのテンショナと単一のアクチュエータとを用いるだけにしていて、特許文献4に係る従来例では必要であった油圧変換機6’を不要にしている。
このようなことから、本発明の状態切り替え機構の構成は、特許文献4に係る従来例に比べて簡易にかつ設備コストを低減することが可能になるとともに、設置スペースも小さくすることが可能になるのである。
なお、本発明の状態切り替え機構について単一のアクチュエータを用いることが可能になって、特許文献4に係る従来例では必要であった油圧変換機6’が不要になることの理由を説明する。
つまり、ウォーターポンプの駆動や非駆動のいずれの状態においても2つのテンショナのうちの片方のみを常にベルトに押し付けてベルト張力を所定の規定値に保つようにしている。このため、2つのテンショナを第1位置から第2位置、あるいは第2位置から第1位置に移動させるときに、ベルトに押し付けられている一方のテンショナが張力を解放しつつ他方のテンショナがベルトに押し付けられるようになる等、ベルトの張力が大きく変動することがない。このようにしているから、前記2つのテンショナを移動させる際に必要な駆動力としては、特許文献4に係る従来例に比べて格段に小さくすることが可能になるのである。
しかも、前記のように単一のアクチュエータに要求される駆動力が小さくて済むのであれば、このアクチュエータについては、例えば感温式アクチュエータ等といった簡易かつコンパクトな構成で安価に入手できる汎用品を利用することが可能になる。
好ましくは、前記2つのテンショナは、それらの相対位置が固定された状態で単一のスライダに回転自在に支持され、前記アクチュエータは、前記スライダを直線的に往復移動させる構成とされる。
ここでは、2つのテンショナを第1位置および第2位置の両方で相対位置を保ったままで移動させるための構成を特定している。この特定によれば、前記構成が簡易となることが明確になる。
好ましくは、前記動力伝達機構は、クランクシャフトに取り付けられるクランクプーリと、前記ウォーターポンプ以外の補機のプーリとを有し、前記ウォーターポンププーリは、前記クランクプーリと補機プーリとに巻き掛けられるベルトの内側に配置され、前記2つのテンショナは、それぞれ前記ベルトの外側に配置される。
ここでは、ベルト式動力伝達機構の構成を特定しているとともに、前記動力伝達機構に対する2つのテンショナの相対位置を特定している。この特定によれば、動力伝達機構が内燃機関に一般的に備える既存の構成であることが明確になる。また、2つのテンショナが動力伝達機構よりも外側にはみ出して設けられていないことが明確になるので、状態切り替え機構の設置スペースが小さくなることが明確になる。
好ましくは、前記アクチュエータは、暖機運転時に前記2つのテンショナを前記第1位置に、また、暖機運転終了後に前記2つのテンショナを前記第2位置にそれぞれ移動させる。
ここでは、内燃機関の運転状況と、ウォーターポンプの駆動、非駆動の状態切り替えとを関係付けるように特定している。この特定によれば、暖機運転時つまり内燃機関の冷却水温度が低いときにウォーターポンプを駆動しないようにすることにより、暖機を促進させることが可能になる。また、暖機運転終了後つまり内燃機関の冷却水温度が所定の規定値に到達すると、ウォーターポンプを駆動することにより冷却水温度を規定範囲に保つようにすることが可能になる。
好ましくは、前記アクチュエータは、機関冷却水の温度に反応して前記2つのテンショナの移動に必要な駆動力を発生する感温式アクチュエータとされる。
ここでは、アクチュエータの種類を特定しており、この特定によれば、アクチュエータの動作を制御するための制御系が不要となる。しかも、感温式アクチュエータは、一般的に、簡易かつコンパクトな構成であり、しかも安価に入手できる汎用品とすることが可能になる。これらのことから、本発明の状態切り替え機構の設備コストを低減するうえで有利となる。
本発明は、ウォーターポンプと、クランクシャフトの回転動力をウォーターポンプに伝達してウォーターポンプを駆動するためのベルト式の動力伝達機構とを備える内燃機関において、ウォーターポンプを非駆動状態にしたときにクランクシャフトへの負担を軽減するための構成を、可及的に簡易でかつコンパクトに設置することが可能になる。
本発明に係る内燃機関に備えるベルト式動力伝達機構および状態切り替え機構の一実施形態を示す概略構成図である。この図中の実線は、一対のテンショナが第2位置に位置している状態、つまりウォーターポンプの駆動状態を示しており、図中の二点鎖線は、一対のテンショナが第1位置に位置している状態、つまりウォーターポンプの非駆動状態を示している。 図1の(2)−(2)線断面の矢視図である。 図2の(3)−(3)線断面の矢視図である。 図1のベルト式動力伝達機構および状態切り替え機構の斜視図である。 図1において一対のテンショナが第1位置に位置している状態、つまりウォーターポンプの非駆動状態を示す図である。 図1の内燃機関に備える冷却システムの概略構成を示す図である。 本発明に係る内燃機関に備えるベルト式動力伝達機構および状態切り替え機構他実施形態を示す図であり、一対のテンショナが第2位置に位置している状態、つまりウォーターポンプの駆動状態を示している。 図7において一対のテンショナが第1位置に位置している状態、つまりウォーターポンプの非駆動状態を示す図である。
以下、本発明を実施するための最良の実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
図1から図6に本発明の一実施形態を示している。まず、図6を参照して、本発明の一実施形態に係る内燃機関における冷却システムの概要を説明する。図中、1は内燃機関である。
この内燃機関1では、その内部に封入されるロングライフクーラント(LLC)と呼ばれる冷媒(以下、単に冷却水と言う)が、図中の実線矢印で示すように、冷却水取り出し路2から一旦取り出されてラジエータ3に供給され、このラジエータ3から冷却水還流路4を経て内燃機関1に戻されるようになっている。
また、サーモスタット5によって、ラジエータ3の冷却水の流通量と、図中の一点鎖線矢印で示すようにバイパス流路6の冷却水の流通量とが調節されるようになっている。例えば内燃機関1の冷間運転時、つまり暖機運転時においてはバイパス流路6側の冷却水量が増加されて暖機が促進されて、ラジエータ3による冷却水の過冷却が防止される。内燃機関1の暖機運転後の定常運転時には、主としてラジエータ3により冷却水を冷却させるようにして、バイパス流路6側への冷却水量が低減される。
このような冷却水の循環は、例えばウォーターポンプ7によって行われる。このウォーターポンプ7は、一般的に周知の例えば渦巻きポンプ等が用いられる。
このウォーターポンプ7は、一般的に補機と呼ばれるものであるが、内燃機関1には、前記のウォーターポンプ7の他にも、例えばエアコンディショナ、オルタネータ、パワーステアリング装置等の補機が付設される。
これらの補機は、内燃機関1のクランクシャフト8の回転動力を利用して駆動されるようになっている。このクランクシャフト8の回転動力を前記の補機に伝達するために、内燃機関1に一般的に装備されているベルト式の動力伝達機構10が利用されるようになっている。
次に、図1、図4ならびに図5を参照して、前記のベルト式の動力伝達機構10の概要を説明する。
前記の図に示す動力伝達機構10は、クランクプーリ11、ウォーターポンププーリ12、エアコンディショナ等の第1補機プーリ13、オルタネータ等の第2補機プーリ14、ベルト15を含んで構成されている。
クランクプーリ11は、クランクシャフト8の前端に、また、ウォーターポンププーリ12は、ウォーターポンプ7の駆動軸7aの外端にそれぞれ取り付けられている。第1、第2補機プーリ13,14は、第1、第2補機9A,9Bの駆動軸(符号省略)の外端に取り付けられている。ベルト15は、例えば断面形状がV字形とされた、いわゆるVベルト等とされている。
図に示す例では、クランクプーリ11と第1補機プーリ13と第2補機プーリ14とがそれぞれ三角形の頂点に位置するように配置されており、これらの3つのプーリ11,13,14に対してベルト15が巻き掛けられている。
そして、ウォーターポンププーリ12は、クランクプーリ11と第1補機プーリ13と第2補機プーリ14とに巻き掛けられて略三角形に形付けられたベルト15の内側に配置されている。
なお、クランクプーリ11、ウォーターポンププーリ12、第1、第2補機プーリ13,14は、例えば図4に示すように、それぞれ外周にV溝が設けられており、このV溝にVベルトからなるベルト15のV字形凸部が合致して嵌合されるようになっている。
このベルト15は、必要に応じて、ウォーターポンププーリ12に対して押し付けられてクランクシャフト8の回転動力をウォーターポンプ7に伝達する状態つまりウォーターポンプ7を駆動する状態や、引き離されてクランクシャフト8の回転動力をウォーターポンプ7に伝達しない状態つまりウォーターポンプ7を非駆動とする状態にされるようになっている。
このようなウォーターポンプ7の状態を切り替えるための状態切り替え機構20が、前記の動力伝達機構10の近傍に設けられている。
状態切り替え機構20は、2つのテンショナ21,22と、スライダ23と、単一のアクチュエータ24とを含んだ構成になっている。
2つのテンショナ21,22は、外周が平坦面になっていて、その外周面がベルト15の平坦面に面で接触されるようになっている。この2つのテンショナ21,22は、それらの相対位置が固定された状態でスライダ23に回転自在に支持されている。
スライダ23は、棒状に形成されていて、その長手方向の離れた2箇所に支軸23a,23bが設けられている。このスライダ23の支軸23a,23bにそれぞれ転がり軸受25,26を介して前記2つのテンショナ21,22が取り付けられている。
このスライダ23は、図2に示すように、例えば内燃機関1のタイミングチェーンケース等に設けられるガイド空間1a内に直線的に往復移動可能に取り付けられる。なお、内燃機関1のタイミングチェーンケース等には、図3に示すように、ガイド空間1aから支軸23a,23bを突出させるとともに、この支軸23a,23bの直線移動を安定して案内するためのガイド孔1bがガイド空間1aに連通する状態で設けられている。このガイド孔1bの外側周縁には、図3に示すように、ガイド孔1bを補強するためのリブ1cが設けられている。
第1テンショナ21は、ベルト15においてクランクプーリ11に引き込まれる側(張り側)の外側に配置されている。第2テンショナ22は、ベルト15においてクランクプーリ11から送り出される側(緩み側)の外側に配置されている。
なお、ベルト15の張り側、緩み側については、周知であるが、簡単に説明する。つまり、クランクプーリ11によりベルト15が例えば図1の実線矢印で示すように回転駆動される場合には、ベルト15においてクランクプーリ11より回転方向上流側つまり第1補機プーリ13が位置する側が張り側となり、ベルト15においてクランクプーリ11より回転方向下流側つまり第2補機プーリ14が位置する側が張り側となる。
アクチュエータ24は、スライダ23を直線的に往復移動させるものであり、例えば内燃機関1に設けられるウォータージャケット1d内の冷却水温度の高低に反応してスライダ23の移動に必要な駆動力を発生する感温式アクチュエータとされる。
具体的に、アクチュエータ24は、機関冷却水が所定の規定値未満のときに例えばシリンダケース内に封入される液体が熱収縮することにより、ピストン24aをシリンダケース内に引き込むように機能し、また、機関冷却水が所定の規定値以上のときに例えばシリンダケース内に封入される液体が熱膨張することにより、ピストン24aをシリンダケースから突出させるように機能する。
次に、上述した状態切り替え機構20の動作について説明する。
まず、内燃機関1の冷却水温度が所定の規定値未満のとき、つまり内燃機関1の冷間運転時または暖機運転時には、アクチュエータ24のシリンダケース内の液体が熱収縮してピストン24aをシリンダケース内に引き込んだ状態になっていて、2つのテンショナ21,22が図1の二点鎖線および図5に示す第1位置に配置されている。
この第1位置では、第1テンショナ21がベルト15から引き離されるとともに第2テンショナ22がベルト15に押し付けられることにより、ベルト15がウォーターポンププーリ12から離されてウォーターポンプ7が非駆動状態になる。
このようにウォーターポンプ7が駆動されないので、内燃機関1の冷却水温度が可及的に速やかに上昇するようになる。したがって、暖機運転時には暖機を促進させることが可能になる。
一方、内燃機関1の冷却水温度が規定値以上のとき、つまり内燃機関1の暖機運転終了後の定常運転時には、アクチュエータ24のシリンダケース内の液体が熱膨張してピストン24aをシリンダケースから突出させる状態になっていて、2つのテンショナ21,22が図1の実線で示す第2位置に配置されている。
この第2位置では、第1テンショナ21がベルト15に押し付けられるとともに第2テンショナ22がベルト15から引き離されることにより、ベルト15がウォーターポンププーリ12に押し付けられてウォーターポンプ7が駆動状態となる。
このようにウォーターポンプ7が駆動されるので、内燃機関1の冷却水温度が過上昇することが抑制される。
但し、この定常運転時には、内燃機関1の負荷や冷却水温度に応じてサーモスタット5がラジエータ3への冷却水流通量とバイパス流路6への冷却水流通量とを調節することにより、冷却水温度を規定範囲に保つように機能する。したがって、暖機運転が終了して定常運転になったときには、冷却水温度が規定範囲に保たれるようになる。
ところで、内燃機関1の運転を停止することにより、冷却水温度が規定値未満になると、一対のテンショナ21,22が第2位置(図1の実線参照)から第1位置(図1の二点鎖線、図5参照)に自動的に移動されることになる。したがって、内燃機関1を冷間始動させる場合には、状態切り替え機構20を作動させなくても、最初からウォーターポンプ7が非駆動状態になっているから、簡単かつ迅速に暖気運転を促進させることが可能になるのである。
以上説明したように、本発明の特徴を適用した実施形態によれば、暖機運転時には一対のテンショナ21,22を第1位置(図1の二点鎖線、図5参照)に配置してウォーターポンプ7を駆動しない状態にすることにより、暖機を促進させることが可能になり、また、定常運転時には一対のテンショナ21,22を第2位置(図1の実線参照)に配置してウォーターポンプ7を駆動することにより、冷却水温度を規定範囲に保つようにすることが可能になる。
そのうえで、ウォーターポンプ7の非駆動時には、ベルト15をウォーターポンププーリ12から引き離すようにしているから、クランクシャフト8にかかる負担が軽減されるようになる。これにより、内燃機関1の暖機性能ならびに燃費性能を向上させるうえで有利となる。
しかも、ウォーターポンプ7の状態を切り替えるための状態切り替え機構20について、2つのテンショナ21,22と単一のスライダ23と単一のアクチュエータ24とを用いるだけの構成にしていて、特許文献4に係る従来例では必要であった油圧変換機6’を不要にしている。また、単一のアクチュエータ24については、例えば感温式アクチュエータ等といった簡易かつコンパクトな構成で安価に入手できる汎用品を用いている。さらに、一対のテンショナ21,22の移動は、単一のアクチュエータ24によって自動的に行うようになっているので、制御系が不要である。
これらのことから、この実施形態によれば、状態切り替え機構20について、特許文献4に係る従来例に比べて簡易にかつ設備コストを低減することが可能になるとともに、その設置スペースも小さくすることが可能になる。したがって、内燃機関1のコンパクト化を図るうえで有利となる。
なお、本発明は、上記実施形態のみに限定されるものではなく、特許請求の範囲内および当該範囲と均等の範囲で包含されるすべての変形や応用が可能である。以下で例を挙げる。
(1)上記実施形態では、内燃機関1に付設される補機を3つとした例を挙げているが、補機の設置数については特に限定されるものではない。
(2)上記実施形態において、アクチュエータ24の種類や、2つのテンショナ21,22を支持するスライダ23の構造や設置形態等について、特に限定されるものではなく、一般的に公知の構造を流用することができる。
(3)上記実施形態では、ウォーターポンププーリ12をベルト15の張り側の内側に配置した例を挙げているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えばウォーターポンププーリ12は、ベルト15の緩み側の内側に配置することも可能である。
また、ウォーターポンププーリ12は、ベルト15の内側のみでなく、例えば図7および図8に示すように、外側に配置することが可能である。
図7は、状態切り替え機構20における一対のテンショナ21,22を第2位置に配置してウォーターポンプ7を駆動するようにした状態を、また、図8は、状態切り替え機構20における一対のテンショナ21,22を第1位置に配置してウォーターポンプ7を非駆動とするようにした状態を、それぞれ示している。この場合、アクチュエータ24は、図1に示した実施形態と反対側に配置されている。
このように、ウォーターポンプ7や第1、第2補機9A,9Bの配置は特に限定されるものではない。
1 内燃機関
7 ウォーターポンプ
8 クランクシャフト
10 ベルト式の動力伝達機構
11 クランクプーリ
12 ウォーターポンププーリ
13 第1補機プーリ
14 第2補機プーリ
15 ベルト
20 状態切り替え機構
21 第1テンショナ
22 第2テンショナ
23 スライダ
24 アクチュエータ

Claims (5)

  1. 機械式のウォーターポンプと、クランクシャフトの回転動力をウォーターポンプに伝達してウォーターポンプを駆動するためのベルト式の動力伝達機構とを備える内燃機関であって、
    前記ベルトをウォーターポンププーリから離してウォーターポンプを非駆動状態にしたり、前記ベルトをウォーターポンププーリに押し付けてウォーターポンプを駆動状態にしたりするための状態切り替え機構を備え、
    前記状態切り替え機構は、前記ベルトに張力を与えるための少なくとも2つのテンショナと、必要に応じて前記各テンショナを第1位置と第2位置とに移動させる単一のアクチュエータとを含み、
    前記第1位置では、一方のテンショナがベルトから引き離されるとともに他方のテンショナがベルトに押し付けられることにより前記非駆動状態を成立し、
    前記第2位置では、前記一方のテンショナがベルトに押し付けられるとともに前記他方のテンショナがベルトから引き離されることにより前記駆動状態を成立する、ことを特徴とする内燃機関。
  2. 請求項1に記載の内燃機関において、
    前記2つのテンショナは、それらの相対位置が固定された状態で単一のスライダに回転自在に支持され、
    前記アクチュエータは、前記スライダを直線的に往復移動させる構成とされる、ことを特徴とする内燃機関。
  3. 請求項1または2に記載の内燃機関において、
    前記動力伝達機構は、クランクシャフトに取り付けられるクランクプーリと、前記ウォーターポンプ以外の補機のプーリとを有し、
    前記ウォーターポンププーリは、前記クランクプーリと補機プーリとに巻き掛けられるベルトの内側に配置され、前記2つのテンショナは、それぞれ前記ベルトの外側に配置される、ことを特徴とする内燃機関。
  4. 請求項1から3のいずれか1つに記載の内燃機関において、
    前記アクチュエータは、暖機運転時に前記2つのテンショナを前記第1位置に、また、暖機運転終了後に前記2つのテンショナを前記第2位置にそれぞれ移動させる、ことを特徴とする内燃機関。
  5. 請求項1から4のいずれか1つに記載の内燃機関において、
    前記アクチュエータは、機関冷却水の温度に反応して前記2つのテンショナの移動に必要な駆動力を発生する感温式アクチュエータとされる、ことを特徴とする内燃機関。
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