JP2005509117A - 有限行程直動式ベルトテンショナ - Google Patents

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Abstract

本発明は、ベルトテンショナと、第1ベルトテンショナプーリと、クランクシャフトプーリと、補機プーリと、第1ベルトテンショナプーリ、クランクシャフトプーリ、補機プーリに掛け回される伝動ベルトとを備えるベルト伝動システムに用いられる改良されたベルトテンショナである。ベルトテンショナは、エンジンのシリンダブロックに対して固定された位置に取り付けられるように適合された取付ポイント、トラック、運動に関して2つの自由度をもちトラックに摺動自在に取り付けられた第1キャリアを備える形式のものである。第1ベルトテンショナプーリは伝動ベルトに係合するために回転自在に第1キャリアに取り付けられる。弾性部材は第1キャリアを前記トラックに対して長手方向にバイアスする。改良はテンションが移動規制機構を備えることを含む。

Description

本発明は広くは、ベルト伝動システムの動力伝達ベルトに張力を与えるためのテンショナに関する。特に、直線的なプーリの運動を行なうテンショナに関する。具体的には、本発明は、しばしばGen−Starと呼称されるモータ/ジェネレータなど、エンジン始動機能と発電機能の両方を担う単独の装置を備えた伝動ベルト駆動システムに適用され、その動きが機械的に減衰され、移動が制限された直動式テンショナに関する。
内燃機関、すなわち動力装置(power plant)は、エンジンのクランクシャフトから動力を取り出し、それを1つ以上の様々なエンジン補助機関(auxiliaries)すなわち補機(accessories)に伝達するために、伝動ベルト駆動システムを一般に用いる。自動車のアプリケーションでは、これらの補機は、パワーステアリングポンプ、ウオータポンプ、エアコン用コンプレッサ、燃料ポンプや、オルタネータなどである。歴史的には、このようなエンジンは、主動力の取り出し位置(main power takeoff point)が、自動車を動かすために車輪を駆動する駆動列(drive train)に取り付けられ、エンジンの後部から突出するクランクシャフトに設けられていた。補機は、クランクシャフトの前方に取り付けられたプーリにより駆動される。各補機にはプーリが設けられる。全てのプーリは、それらに掛け回された1つ以上の伝動ベルトを介して機械的に連絡されている。各伝動ベルトに張力を与えるための何らかの方法が提供される。伝動ベルト、プーリ、そしてベルトに張力を与える装置は、補機ベルト伝動システムを構成する。
初期のシステムは、複数のVベルトを備えていた。通常、各ベルトは、手動調整とベルト毎に1つの補機やアイドラの位置を調整(固定)することにより張力が与えられた。これらは、変動するベルトの状態や全体の駆動状態に適応するように、自動的にプーリを動かす構造を全く持っていないことから、ロックド・センタ(locked center)ベルト伝動装置と呼ばれている。ベルトが伸張され、引き伸ばされると、ベルトに掛かる張力は低減するであろう。更に、ベルト伝動システムの適正な作動には、ベルトの張力は、最悪の状態に適応するために十分高く設定されている必要がある。このような最悪の状態は、過熱、過度のエンジン作動、あるいは過度の補機作動に起因する。
自動車のエンジン区画の容積を小さくすることへの関心がこれまでずっと存在する。より小さい区画を融通するために、補機ベルト伝動システムを含むエンジンの様々な側面が小型化された。これは、採用されるベルトの数を減らすことにより少なくとも部分的には達成された。各ベルトが取り除かれ、これによりエンジン前方から突き出す層の数が減らされ、エンジン前方から突き出すベルト伝動システムの総体的な距離が低減された。究極的には、これは多くのアプリケーションに単一のサーペンタイン(多軸掛け)ベルトを使用することをもたらした。サーペンタインベルトは、多くのプーリの周りを前後に連続して曲げられた状態で蛇行する様子からこのように名づけられている。VリブドやマイクロV(ゲーツ・ラバー・カンパニーの登録商標)ベルトは多軸掛けの用途に最適である。
ロックド・センタによってベルトに張力を与える試みの限界は、多軸掛けのアプリケーションにおいて顕著となる。したがって、最近の殆どのサーペンタインベルト装置は、変動するベルト伝動システムの状態をより上手く調整するオートテンショナを備える。基本的な方式では、オートテンショナは、エンジンのシリンダブロックに直接取り付けられる、あるいは、車両のエンジンに対して固定的な車両のある箇所に間接的に取り付けられる枠体(framework)、すなわち取り付け端と、ベルト伝動システムの回転面内においてベルトを押圧するプーリとを備える。可動部材、すなわち連接部は、プーリを介してベルトに押圧力を与えるために枠体とプーリとの間に延出する。押圧力は、ベルトが掛け回された距離を伸張するように作用し、これによりベルトを緊張した状態に置く。様々な技術と幾何学的構成がバイアス力を与えるために採用されてきた。一般に、鋼スプリングなどの弾性部材が可動部材を動かすために作動し、ベルト面に向かう方向にプーリを動かし、ベルトに掛かる張力を増大させる。
これらの構成部のみからなるテンショナは、システムが静止状態(すなわち、プーリが回転していない状態)においてはある程度一定の力をベルト面に与える。時間の経過、温度、あるいは製造上の変動により発生する伝動システムの寸法上の不安定性は、少なくとも弾性部材の限界とテンショナの幾何学的限界までは、弾性部材の作動によりかなり上手く調整される。したがって、ベルトに掛かる張力は、システムが静止した状態では、ベルトが引き伸ばされていようと、あるいはエンジンの熱い冷たいに係らず、比較的一定に保たれる。しかし、これらの構成部のみからなるテンショナは、システムの全ての作動状態に対してベルトに掛かる適正な張力を維持できない。
伝動ベルト駆動システムの作動は、一般に捩れ振動や他のクランクシャフト、補機の角加速度の影響、アンバランスな状態による影響、あるいは他の影響により振動する。クランクシャフトの捩り振動は、各シリンダとピストンの連携における燃焼サイクルを通してクランクシャフトに伝達される個別のインパルスの結果としてある程度発生する。この振動はベルト振動を引き起す。これは結果的にテンショナの可動部の振動を引き起す。そして勢いはそれら可動部において増大し、プーリがベルト面に作用する力と、ベルトに掛かる張力を加減する。ベルトに掛かる変動張力は、ベルト伝動システムにとって許容しがたい性能をもたらし得る。ある場合には、ベルト伝動システムのベルトの滑りが、システム効率や伝動能力を過度に制限したり、スリップやその他の原因により非常に騒がしかったりと、短期的な性能に問題を起こし得る。別の場合には、短期的に満足できる性能を得るためにベルトに余儀なく与えられる張力の合計が、システムにおける1つ以上のコンポーネント(ベルトや1つ以上の補機が含まれる)の早期故障など、長期的な問題を引き起す。
これらの問題に適応し、そしてテンショナの性能を向上するために、ダンピング装置がテンショナに組み込まれてきた。初期のダンピングテンショナには、瞬間的な動きがベルトに掛かる張力を増大する方向かベルトに掛かる張力を低減する方向かに関わらず、テンショナの可動部の動きが略均等に減衰される対称ダンピングが搭載された。ダンピングは、プーリ/ベルト境界面において、加減したバイアスをもたらすように、弾性部材により供給される力と組み合わされる。
別のテンショナは、非対称ダンピングを用いている。一般に、このようなテンショナは可動部に掛かるダンピングが、テンショナがベルト緊張方向に動いているときに最小となり、ベルト弛緩方向に動いているときに最大となるように減衰される。あるアプローチでは、シューがレース(race)に対しレース面の法線方向からある角度ずれてバイアスされている。これの結果、1つの方向におけるシューとレースの相対的な運動は、シューをレースから持ち上げようとする。これはそれらの境界面での圧力を低減し、ダンピングを増大させる摩擦を低減し、そしてこれによりダンピングを低減する。もう一方の方向では、レースに対しシューを楔留めするように作用させ、ダンピングを増大させる。一例がサーク等(Serkh et al.)の米国特許第5,964,674号に記載されている。これらには、張力を与えるためにベルト面に対してバイアスされた単一のプーリを備えたテンショナを利用することについて記載されている。また、ベルトに対するバイアスは、単にエンジンブロックに関係していた。
ホワイト Jr.(White Jr.)の米国特許第4,416,647号は、伝動ベルトを押圧する2つのプーリの使用を開示する。’647号の特許は、このアプローチが、エアコン用コンプレッサなどの周期的な負荷を備えたシステムに張力を与えるのに有効であると述べる。プーリの1つは、周期的負荷の直ぐ上流側において伝動ベルトのスパンを押圧する。一方、もう1つのプーリは、周期的負荷の直ぐ下流側において伝動ベルトのスパンを押圧する。1つの実施形態では、2つのプーリは、頂角において回動可能な曲げ部材に各々相対的に固定されている。組立体は、ロックド・センタ方式で静的張力を与えるために伝動ベルトに対して押圧される。ピボットは動的テンションを調整するためと言われている。静的張力は、伝動ベルトに対してテンショナによりベルト緊張方向に掛けられる力によるものであり、伝動ベルトがシステムのプーリに駈け巡らされる距離を伸ばす効果をもつ。システムの各プーリが自由に回転することが許されていると仮定するならば、全てのスパンにおける張力は等しくなり、静的な張力となるであろう。動的張力は、伝動ベルトの全長に関わる張力であり、各プーリに掛かるトルクとシステムにおける様々なアンバランスの影響により静的張力が変動された結果である。付加的な結果として、各スパンは異なる張力となり易い。
内燃機関のための補機ベルト伝動システムと結合されて使用される伝動ベルトテンショナは、プーリの円弧状及び直線状の運動とともに知られている。上述したものは、全て円弧状の動きを用いていた。あるアプリケーションでは直動式テンショナ(伝動ベルトに接触するアイドルプーリが実質的に真っ直ぐな軌道を動くもの)から利益を得る。
直動式テンショナの一例は、フォスター(Foster)の米国特許第4,634,408号に見出される。’408号の特許は、油圧ダンピング機構(hydraulic damping mechanism)の周りに複数のスプリングが組み込まれた比較的複雑なテンショナの構造を開示する。ベルトに掛かる張力は、スプリングに掛かる圧縮のレベルを決定するボルトにより調整できる。テンショナプーリが取り付けられるキャリアは、ボールとトラックベアリング構造によりキャリアの運動の2つの自由度を規定するトラックと係合する。これら全ては、全機械的構造に関連して、固有の移動の限界を有する。しかし、意図的な移動の限界は開示されていない。更に、移動を制限する構造、すなわち、テンショナがその移動の限界に達した場合に、制御された減速を調整する技術に関する開示はない。ベルト伝動システムのためのテンショナに関わる技術では、普通ベルト伝動システムの通常の作動において、テンショナがそれらの移動の限界に決して達しないように、それらの運動において適切な移動となるように設計される。’408号の特許は、開示されたテンショナが何らかの特別なものとなるように考慮されたことを示唆するものではない。水力学的装置(hydraulics)を含むことは水力学的作動流体(hydraulic fluid)が漏れる懸念を発生させる。開示された水力学的機構は明らかに小型ではない。したがって、テンショナは比較的大きなものとなる。比較的数の多い部品は、価格と構造の複雑さを増大する。更に、アイドラプーリを支持するキャリアに掛かる寄生的トルクを調整することができず、ボールとトラックベアリング構造への作用の他は、キャリアに捩りを発生し易い。
伝統的には、電気スタータモータは、エンジンのクランクシャフトを回転させるために設けられ、これにより燃焼が開始され、エンジンが始動される。スタータモータはエンジンの後方近くに配置され、ギア列を介してクランクシャフトの後部に断続的に係合されるように適合される。
現在、排気を減らし、自動車の重量を低減し、ボンネット内(アンダーザフード)の部品数を減らして燃料効率を増大させることへの要求が高まっている。これらの目的に向けて採用された1つのアプローチは、スタータモータの機能とオルタネータの機能を1つの装置、モータ/ジェネレータすなわちGen−Star、に結合している。また、燃費向上の目的のために、Gen−Starは「ストップインアイドル」と呼ばれる構成の使用を促進する。この構成では、通常アイドリングするときにエンジンを停止することができ、そして自動車を再び動かしたいときに再始動される。この構成は、実質上補機ベルト伝動への要求を増大させる。実際の使用においては、モータ/ジェネレータは補機ベルト伝動を介してクランクシャフトと機械的に連結されている。モータ/ジェネレータと協働する補機ベルト伝動システムは、エンジンの前方に配置されることが多い。しかし、これらのシステムをエンジンの後方も含めた他の位置に配置することも考えられている。
Gen−Starシステムの出現は、伝動ベルト駆動システムの設計者を、実質上新しい、単なる振動負荷以上の課題に直面させる。これらの中で重要な課題は、大きな負荷と回転慣性を生じるだけではなく、大きな駆動トルクをも補機ベルト伝動に付加するこの新しい装置を備えた補機ベルト伝動において十分な性能を示すテンショナシステムを開発することである。更に、それはこの大きな駆動トルクを断続的に与える。
直動テンショナとモータ/ジェネレータが組み込まれたベルト伝動システムとしては様々なレイアウトが知られており、ダンピング、特に非対称なダンピングを取り入れることは、そのようなベルト伝動システムの短期的及び長期的な性能に建設的に作用する。また、ベルト弛緩方向へのテンショナの移動に特有の制限を設けることが、そのようなベルト伝動システムの短期的及び長期的な性能に建設的に作用し得ることも知られている。これは、モータ/ジェネレータを含まないシステムにおいても同様である。しかし、そのような移動の制限により発生する有害な影響には、その限界に達したとき、望ましくないベルトと他のシステムの騒音が含まれる。
バルトス等(Bartos et al.)の米国特許第4,758,208号は、各々プーリを備える円弧状に動く2つのアームの利用を開示する。アームはモータ/ジェネレータのシャフトに対応するピボット位置とともに取り付けられる。2つのアームは、スプリングによりお互いに向けてバイアスされる。テンショナはまた、規制された回転をする仕方で取り付けられたモータ/ジェネレータを備え、モータ/ジェネレータモードがスタータあるいはオルタネータとして作動するかに応じてハウジングが僅かな角度回転することができる。このリアクションによる動作は、一対のラッチを操作し、動作に対して一方あるいは2つのアームのうちの他方を交互にロックする。この方法では、モータ/ジェネレータのモードに応じて、モータ/ジェネレータプーリにおいて終端し、最大張力を持つ伝動ベルトのスパンと協働するアームを所定の位置でロックする。そして自由なアームが伝動ベルトシステムに張力を与える。このテンショナは、明らかに複雑であり、摩耗に晒される可動部を備えたモータ/ジェネレータの特別な取り付けを必要とし、その応用において融通がきかない。更に、’208号の特許は、システムの性能を高めるために、プーリの何れかの動きに対してダンピングを加える発想について開示しない。またそれは、ダンピング機構と協働する弾性的な移動規制の構造について開示しないし、上述した有害な影響を克服するための試みについて示唆しない。
特定の移動限界を有する直動式テンショナの取り付けは、それら特定の限界を一件一件毎に調整可能とし、ベルトの取り付けにおいて選択的に緩められるリリース機構を設けることにより向上される。更に、調整可能な特定の限界を与える調整装置が、初期ロックド・センタテンショナ調整を行なえるように予め設定できる場合に、ベルトの張力減衰特性(tension decay characteristics)は、より上手く調節することができる。
したがって、そこから利益を得られるアプリケーションの作動において、有害な影響を回避するとともに移動が規制された直動式テンショナに対する要求が引き続き存在する。モータ/ジェネレータを備える補機伝動ベルト駆動システムは、そのようなアプリケーションの1つである。
調整可能な移動限界を有する、あるいは初期ロックド・センタ張力を与えることができる、あるいはこれら両方を満たす直動式テンショナに対する要求が引き続き存在する。また、リリース機構を備えた直動式テンショナへの要求も引き続き存在する。
更に、一度に、十分な短期的特性と十分な長期的特性を提供し、与えられたアプリケーションにおいて使用され得るベルト幅を最大限利用し、コストと複雑さ抑え、それが適用できるモータ/ジェネレータシステムに関して柔軟であり、直線的運動を提供するモータ/ジェネレータと協働して用いられるテンショナとシステムへの要求が引き続き存在する。
本発明は、直動式補機伝動ベルト駆動システム、システムの構成、それを使用するエンジン、及びそれらの使用方法の提供を目的とし、それらは、短期的性能と長期的性能の組み合せを向上し、ベルトの選択を最大限に利用する。
本発明は、個別の限界を一件一件毎に調整可能な直動式テンショナの提供を目的とする。
本発明は、ベルトの取り付けにおいて選択的に緩められ得るリリース機構を備えた直動式テンショナの提供を目的とする。
本発明は、更に、調整可能な個別の限界を提供する調整装置が初期ロックド・センタテンショナ調整を行なえるように予め設定できる直動式テンショナの提供を目的とする。
本発明の目的に沿った上記目的及び他の目的を達成するために、ここで具体的に幅広く説明されるように、本発明は、ベルトテンショナ、第1ベルトテンショナプーリ、クランクシャフトプーリ、補機プーリ、及び第1ベルトテンショナプーリ、クランクシャフトプーリ、補機プーリに掛け回される伝動ベルトを備えるベルト伝動システムに用いられる改良されたベルトテンショナである。ベルトテンショナは、エンジンのシリンダブロックに対して固定された位置に取り付けられるように適合された取付ポイント、トラック、運動に関して2つの自由度をもちトラックに摺動されるように取り付けられる第1キャリアを備える形式のものである。第1ベルトテンショナプーリは、伝動ベルトに係合するために第1キャリアに回転自在に取り付けられる。弾性部材が第1キャリアをトラックに対して長手方向にバイアスする。この改良には、移動規制機構を含むテンショナが含まれる。
本明細書に組み込まれるとともにその一部を構成し、番号等が部品等を指し示す添付図面は、本発明の好ましい実施形態を示し、説明文とともに本発明の原理を説明するために用いられる。
補機ベルト伝動システム10の好ましい実施形態は、図1、2に図示される。それは、モータ/ジェネレータ12、モータ/ジェネレータプーリ14、パワーステアリングポンププーリ18、エアコン用コンプレッサプーリ20、ウオータポンププーリ22、クランクシャフトプーリ24、デュアルテンショナ28、第1テンショナプーリ16、第2テンショナプーリ26、そして伝動ベルト30を備える。
特定の補機プーリが特定の幾何学的配置で描かれているが、本発明は、アプリケーションに応じて、補機と幾何学的配置の様々な数と組み合せに適用され、それには多軸掛けや非多軸掛けの構成も含まれる。モータ/ジェネレータ12を含むシステムにとって顕著な有利性が得られるならば、補機は通常のオルタネータや別の補機であってもよい。通常補機14は、本発明のテンショナ28の利益を利するために高い振動負荷を与える。図示された構成は多軸掛けである。したがって、伝動ベルト30は通常Vリブド型である。しかし、本発明は、全てのベルト形式を含めて実施することができる。更に、この描写は、複数のベルトを備えた補機ベルト伝動システムにおけるベルト/プーリの1つの面としても見ることもできる。
「ベルト移動」と付された矢印は、発電と始動モード両者における通常の作動におけるベルト移動の方向を示す。伝動ベルト30により掛け回された軌道の下流に移動することは、ベルト移動と同じ方向に移動することである。上流に移動することは、ベルト移動と逆に移動することである。
クランクシャフトプーリ24から始めて下流に移動すると、始動緊張側スパン32が、クランクシャフトプーリ24と伝動ベルト30との間の最終接点における終端から始まり、モータ/ジェネレータプーリ14と伝動ベルト30との間の最初の接点における終端で終わる間隔をカバーする。始動緊張側スパン32は、エンジンがモータ/ジェネレータ12により始動される始動モードにおいて、通常システムで最大の張力を持つスパンである。始動弛緩側スパン34は、モータ/ジェネレータプーリ14と伝動ベルト30との間の最終接点から始まり、パワーステアリングポンププーリ18と伝動ベルト30との間の最初の接点で終わる間隔をカバーする。発電緊張側スパン34は、エンジンが通常に運転される発電モードにおいて、通常システムで最小の張力を持つスパンである。
モータ/ジェネレータプーリ14とクランクシャフトプーリ24におけるトルクの方向は、図1、2のそれぞれの各プーリ14、24において「トルク」と付された矢印により示されるように、補機ベルト伝動システム10の動作モードに応じて逆転する。発電モードでは、クランクシャフトプーリ24が全ての駆動トルクを供給する。ウオータポンププーリ22、エアコン用コンプレッサプーリ20、パワーステアリングポンププーリ18、モータ/ジェネレータプーリ14は、駆動トルクを消費し、第1テンショナプーリ16と第2テンショナプーリ26では僅かばかり消費される。始動モードでは、モータ/ジェネレータプーリ14が全ての駆動トルクを供給する。クランクシャフトプーリ24、ウオータポンププーリ22、エアコン用コンプレッサプーリ20、パワーステアリングプーリ18は、駆動トルクを消費し、第1テンショナプーリ16と第2テンショナプーリ26では僅かばかり消費される。
一般に、動作モードによらず、もし各プーリが自由に回転することが許されるならば、全てのスパンの張力は等しく、静的張力にある。図1、2と5〜11を参照すると、この好ましい実施形態において、静的張力は、第1プーリキャリア40と第2プーリキャリア42との組み合せに作用し、第1テンショナプーリ16と第2テンショナプーリ26が互いに向けてバイアスされるように、すなわち相互にバイアスされ、始動緊張側スパン32と始動弛緩側スパン34の組み合せを押圧して、全てのプーリの周りを駈け巡る伝動ベルトの距離を伸張しようとする、弾性部材38を介してテンショナ28により伝動ベルト30に与えられる力によるものである。
図2に示される通常すなわち発電モードでは、クランクシャフトプーリ24が駆動トルクを供給する。クランクシャフトプーリ24の上流の各プーリは、駆動トルクの一部を吸収し、テンショナの効果を無視すると、直上流側のスパンの張力を低減する。モータ/ジェネレータプーリ14は最大の負荷を与える。最後には、始動緊張側スパン32が最小張力を持つスパンとなる。
図1に示される始動モードでは、モータ/ジェネレータ12が駆動トルクを供給する。始動緊張側スパン32が最大張力を持つスパンとなる。始動弛緩側スパン34は最小張力を持つスパンとなる。伝統的に最適化は、様々な負荷の順番を決め、駆動レイアウトにおけるテンショナの配置を決める作業として見られている。明らかに、発電モードにおいて最適化するレイアウトは、始動モードにおいて最適化するレイアウトとは大きく異なる。
従来の補機Vリブドベルト伝動システムでは、基本的な設計条件は:1)供給と消費が予想されるトルクに基づいたベルト幅(通常リブの数で示される)と型の選択、2)ベルトまたはシステムのコンポーネントに、許容できる期間が得られる程度に低く、許容されない滑りが発生する程度よりも高い、有効寿命を低下させない応力を掛ける静的張力の選択である。また、ベルトの型と幅の選択はベルト寿命に影響する。これら2つの基本設計条件の間には相互に関連がある。
補機ベルト伝動システムの設計者に共通の目的は、価格と複雑さを考慮しつつ、これら両方の条件を最適化することである。最適化は、当業者に知られた多くの幾何学的及び材料のパラメータを巧妙に取り扱うこと通して達成される。これらには駆動及び従動プーリの配置が含まれ、これは各々が与える慣性あるいは他のトルクに基づいて決められる。
モータ/ジェネレータを備える伝動システムは、この独特な最適化を全く許さず、新たなそして困難な制限を呈示する。困難の元凶は、駆動トルクを供給し、最大慣性トルクを与えるプーリが動作モードによって異なるという事実にある。更に、従来の伝動システムにおいて通常遭遇するものよりも大きな慣性トルク荷重が与えられる。
本発明の2プーリテンショナ28は、モードを組み合わせた特定のアプリケーション、特にこの好ましい実施形態のレイアウトにおいて使用される場合において、顕著に補機ベルト伝動システム10を最適化する。しかし、テンショナ28はこの特定のレイアウトに限定されるものではない。モータ/ジェネレータを備える伝動ベルトシステム10は、モータ/ジェネレータ補機が代表する過酷な使用態様から、本発明のテンショナ28の適応性を示す一例として選ばれた。しかし、初めの方で述べられたように、テンショナ28とここで開示される代替品の全ては、自動車と工業的内燃機関の伝動システム10に対して一律に広い適用性をもつ。
第1又は第2プーリ16、26の各々を個別に見ると、ベルト弛緩方向は、第1又は第2プーリ16、26が、ベルト30をより短い経路に掛け回まわすようにする方向である。ベルトに張力を与えるのは、単純にこれの逆である。しかし、第1及び第2プーリ16、26の動きから見ると、ベルト弛緩方向は第1及び第2プーリ16、26が離間するように移動する場合である。また、ベルトに張力を与えるのは、単純にこれの逆である。
第1及び第2テンショナプーリ16、26はトラック36に沿った直線的な行程に従い、これについては以下により詳細に説明される。第1及び第2プーリ16、26の各々の直線的な経路は、協働するスパンが、スパン両端のプーリの間にぴんと張られた状態とされた経路に垂直に向けられていることが好ましく、本実施形態では、テンショナ28が存在しなければ、オルタネータプーリ14とクランクシャフトプーリ22が第1テンショナプーリ16に、モータ/ジェネレータプーリ14とパワーステアリングポンププーリ18が第2テンショナプーリ26に対応する。この向き付けは、どのようなベルトの片寄りに対しても第1及び第2テンショナプーリ16、26の動きを最小のものとし、結果トラック36にとって必要な長さを低減してテンショナ28が全体としてより小型化されることを可能にし、テンショナ28内の力の関係を改善してテンショナ28における内部構造の最大の寿命をもたらし得る。しかし、図示されたように、あるアプリケーションでは、このような向き付けが可能でないこともある。このようなアプリケーションにおいても、満足な結果が得られる。
次にテンショナ28の内部構造は、図5〜図11を参照して説明される。この好ましい実施形態では、第1端部支持部44は、テンショナ28をエンジンに取り付けるために、ファスナ(図示せず)を受容するための第1取付孔56を備える。第1取付孔56を持つ第1端部支持部44の部分と、第2取付孔58を持つ第2端部支持部46の部分が、各々第1及び第2テンショナプーリ16、26から離れる方向に突出し、その底面が、第1及び第2テンショナプーリ16、26の底面と略同一面に配置されることが見て取れる。しかし、第1及び第2端部支持部44、46が、トラック36を伝動ベルト30に対して適正な向きとなるように取り付けられるいかなる構成も考えられる。
トラック36は、キャリア支持溝68とダンピング溝70を備える。図20、21に詳細に描かれる第1及び第2プーリキャリア40、42の各々は、キャリア支持溝68内で摺動するキャリアベアリング66を備える。第1及び第2テンショナプーリ16、26は、レース62とボール64を含むボールベアリング組立体を介してボルト60に枢着され、ボルトによって、第1及び第2プーリキャリア40、42に回転自在に取り付けられる。第1及び第2プーリキャリア40、42は、それぞれ一体的に鋳造されるか、別々の部品を接合した第1及び第2角ブロック72、73も備える。第1及び第2シュー76、77は、第1及び第2シュー76、77が第1及び第2角接合部74、75において第1及び第2角ブロック72、73に斜設するように、それぞれ第1及び第2プーリキャリア40、42の上に、第1及び第2角ブロック72、73のそれぞれに対して配置される。第1及び第2シュー76、77は、それぞれのダンピング溝70内で摺動する第1及び第2シューベアリング78、79を備える。第1及び第2シュー76、77は、可動式の第1及び第2スプリングループ80、81を備え、第1及び第2スプリングフック90、92がこれを通してそれぞれ取り付けられる。横方向左には、第1調整ボルト200が、第1端部支持部44を通して螺着される。第1調整ボルト200の先端は、高弾性ゴムからなる第1バンパー210を備える。第1補助スプリング220は、第1端部支持部44から第1シュー76に渡設される。横方向右には、第2調整ボルト202が、第2端部支持部46を通して螺着される。第2調整ボルト202の先端は、高弾性ゴムからなる第2バンパー212を備える。第2補助スプリング222は、第2端部支持部46から第2シュー77に渡設される。第1及び第2取付ピン300、310は、第1及び第2ピンホール312、314にそれぞれ挿入される。
レース62とボール64からなるベアリングを備えた第1及び第2テンショナプーリ16、26が第1及び第2プーリキャリア40、42にボルトで取り付けられると、キャリアベアリング66は所定の位置に取り付けられ、第1及び第2シューベアリング78、79が取り付けられた第1及び第2シュー76、77が第1及び第2プーリキャリア40、42の上に配置され(キャリア組立体71)、スプリング38が第1及び第2可動スプリングループ80、81に取り付けられ、キャリア組立体71はトラック36に挿入される。キャリアベアリング66は、トラック36内において実質的に組立体の長手方向の運動のみを可能とする低摩擦の連接を構成するようにキャリア支持溝71に嵌合する。キャリアベアリング66とキャリア支持溝68の間の関係は、キャリア組立体71の動きの2つの自由度を規定する。スプリング38からの張力は、各々のキャリア組立体71を第1及び第2取付ピン300、310にもたれ掛けさせる。
第1及び第2調整ボルト200、202は、それぞれ第1及び第2バンパー210、212と組み立てられる。第1及び第2調整ボルト200、202は、第1及び第2端部支持部44、46にそれぞれ螺入される。第1及び第2補助スプリング220、222は、それぞれ第1及び第2調整ボルト200、202の周りに配置される。第1及び第2端部支持部44、46と、第1及び第2端部キャップ48、50は、トラック36の端部の上に据えられる。その後5つ全ての部品を結合するために、ファスナ(図示せず)が、それぞれ第1及び第2キャップ取付ポイント52、54を通して、第1及び第2端部支持部44、46とトラック36に一致するように螺刻された開口部に挿入される。図6を参照すると、ベルト30の初期取り付け時には、調整ボルト200は、第1ダンピングシュー76から僅かに引っ込められている。しかし、第1補助スプリング220は、第1シュー76に対して渡設され、圧縮された状態にある。ベルト30の初期取り付けの時には、調整ボルト202は、第2ダンピングシュー77から僅かに引っ込められている。しかし、第2補助スプリング222は、第1シュー77に対して渡設され、圧縮された状態にある。
テンショナ28は、その後エンジンに取り付けられる。新品のベルト30は、図1、2に図示された状態で、モータ/ジェネレータプーリ14、パワーステアリングポンププーリ16、エアコン用コンプレッサプーリ18、ウオータポンププーリ20、クランクシャフトプーリ22、第1及び第2テンショナプーリ16、26を含む作動プーリの周りに掛け回される。取付ピン300、310は、ピンホール312、314からそれぞれ引き抜かれる。テンショナ28は、その後、図7に示される位置に配置される。プーリ16、26は、ベルト30が新品であり、まだ伸びていないことから、相対的に遠く離れている。そして、調整ボルト200、202が、システム10の要求と選択されたベルト30の構造に応じて適切に締められる。通常、ボルト200、202は、バンパー210、212がそれぞれシュー76、77にちょうど接触しない程度まで螺入される。しかし、ある状況では、付加的なバイアスを与えるために、あるいはロックド・センタベルト伝動システムに良く似た初期設定を与えるために、調整ボルト200、202の1つあるいは両方を締め付けることが有利な場合もあり得る。
図19は、テンショナ28内に作用する力を示すのを助ける。1つのキャリア組立体71のみが図示され説明される。しかし、ここでの説明は本実施形態の全てのキャリア組立体71及び後に説明される別の実施形態においても当てはまる。図19を参照すると、ベルト30が掛け回されると、取付ピン300、310が取り外され、スプリング38、220のスプリング力Aが第1及び第2テンショナプーリ16、26を介してベルト30に伝達されることを可能にする。なお、図示された力の各々に関連付けられた矢印は、大まかな方向と位置を模式的に示すが、重要ではない。更に、水平にしようとする力(レベリング力)D、Eなどのように、実際にはある領域に渡って、あるいは複数の部材に分布する力は、議論を簡単にし、テンショナ28における顕著な作用の理解をより容易にするために、1つの点で発生しているものとして描かれる。そして伝動ベルト30には静的張力がもたらされる。これは、伝動ベルト30による第1テンショナプーリ16に掛かるベルト力Bの増大をもたらす。力A、Bの間のモーメントは、寄生トルクの上昇を招き、キャリア組立体71を傾かせようとする。そして寄生トルクは、キャリアベアリング66とキャリア支持溝68の間の接点において、レベリング力D、Eの上昇を招き、キャリアベアリング66とキャリア支持溝68との間の遊びを超えたキャリア組立体71の更なる傾きを規制する。
システム10の作動中、静的張力はスプリング38、220、222の作用により維持される。静的張力は、ベルト緊張方向にバイアスされた第1及び第2テンショナプーリ16、26を介してテンショナ28により伝動ベルト30に掛けられる力によるものであり、伝動ベルト30が全てのプーリ14、16、18、20、22、24、26に駈け巡らされる距離を伸ばそうとする効果をもつ。もし、各プーリ14、16、18、20、22、24、26が自由に回転できるならば、全てのスパンにおける張力は等しく、静的な張力である。しかし、各々の作動プーリ14、16、18、20、22での変動トルクは、第1及び第2テンショナプーリ16、26と接触するスパンの張力を振動する態様で変動させる。キャリア組立体71は、釣り合うように反応する。あるアプリケーションにおいては、これは静的な状態から離れ許容できない程度となり、システム10が低性能となる動的な張力に至らせる可能性がある。動的張力はベルト30全体に渡る張力であり、静的張力が様々なアンバランスと各プーリ14、18、20、22、24に掛かるトルクの影響により変更され、これらの影響に対するテンショナ28の応答により変更されることによりもたらされる。
この低性能の問題は、ダンピングをテンショナ28に付加することにより部分的に解決される。非対称ダンピングは、振動張力を補正するのに特に効果的である。一般に、非対称ダンピングは、それぞれのキャリア組立体71の一方向への移動におけるダンピングレベルが、各々の他方の方向への移動におけるダンピングレベルから顕著に異なるものである。本実施形態では、ダンピングはそれぞれのキャリア組立体71がベルト弛緩方向に移動しているときの方が、それぞれのキャリア組立体71がベルト緊張方向に移動しているときよりも大きい。
図面に描かれた全ての好ましい実施形態のテンショナ28のダンピングは、ダンピング溝70、第1角ブロック72、第1角接合部74、第1シュー76、第1シューベアリング78を含むダンピング要素により供給される。図19を参照すると、キャリア組立体71が左に移動するとき、それはベルト弛緩方向に移動している。右側はベルト緊張方向である。
システム10が組み立てられたが作動されていないとき、第1及び第2補助スプリング220、222は部分的に圧縮されるが、キャリア組立体71は静止しておりスプリング38は部分的に伸張される。スプリング力Aとベルト力Bは釣り合う。スプリング力Aは、変換されたスプリング力A’として第1角接合部74に伝達され、その長手方向の分力はA’’、垂直分力はA’’’であり、長手方向の分力がAA’’、垂直分力がAA’’’の反力としてのスプリング力AA’を発生させる。反力としての垂直分力AA’’’は、第1シュー摩擦ベアリング面86をトラック摩擦ベアリング面88に係合させる。これは、今度は下向きの力Fを発生させる。
システム10が作動を開始すると、動的張力がベルト力Bを変化させ、キャリア組立体71の動きをもたらす。これらの期間において、ベルト力Bが増大し、キャリア組立体71のベルト弛緩方向への移動をもたらすと、第1シュー摩擦ベアリング面86とトラック摩擦ベアリング面88の境界面に摩擦が発生する。この摩擦は、弛緩ダンピング力Gを生成する。この力は第1角接合部74に伝達され、長手方向分力A’’の大きさを増大させるようにスプリング力Aに加わる。これは、間接的に反力としての垂直分力AA’’’と下向きの力Fの大きさを増大させるもので、第1シュー摩擦ベアリング面86とトラック摩擦ベアリング面88の境界面をまたがる嵌合力が増大されることを別の方法で示すものである。そしてこれは、弛緩ダンピング力Gを増大させるフィードバックループの発生を増大させる。要するに、ダンピング摩擦はキャリア組立体71がベルト弛緩方向に押されると増大する。逆のことがベルト緊張方向において起こる。
図示された好ましい実施形態では、第1角接合部74の角度Xは、約45°である。角度Xは、異なるアプリケーションに適応させるために、ダンピングの非対性のレベルを変更するために調整できる。角度Xが90°に近づくと、非対称性は0に近づく。非対称性は角度Xが低減するにしたがって増大する。しかし、機構が動作しなくなる、すなわち構造的一体性が低下することによるテンショナの機能不全が起こる低すぎる角度Xとなる限度がある。
第1角ブロック72の長手方向の配置は、第1プーリキャリア40との関係において、摩耗パターンとキャリアベアリング66の耐久性について重要である。上述したように、モーメントCに作用するスプリング力Aとベルト力Bは、キャリア組立体71に対する寄生トルク(図19において時計回り)をもたらす。これは第1及び第2レベリング力D、Eにより対抗される。動的張力の作用の下、さもなければレベリング力D、Eとの関連において、キャリア組立体71の動きは、キャリアベアリング66の摩滅の属性を形成する。下向きの力Fと垂直分力A’’’の作用を無視すると、キャリアベアリング66の最大の摩耗が、レベリング力D、Eがキャリアベアリング66に作用する位置において発生することが理解される。キャリアベアリング66の摩耗は、右下と左上の端部において最大である。この摩耗は、時間の経過とともに、トラック36内のキャリア組立体71の傾きを許すこととなる。傾きは摩耗パターンを集中させ、更に不均一な摩耗と摩耗が起こる速さを激化させる。
第1角ブロック72の配置は、下向きの力Fと垂直分力A’’’の位置を決定する。もし第1角ブロック72が、第1キャリア40上において、垂直分力A’’’の配置がキャリアベアリング66の遠く右端に一致するように配置されるならば、直前に述べた下向きの力Fと垂直分力A’’’を無視した議論がテンショナ28に適用できる。しかし、第1角ブロック72は、第1キャリア40のより左側に配置されていることから、第2レベリング力Eの役割の低下させる。この効果は2つの観点から重要である。1つ目は、第2レベリング力Eが垂直分力A’’’により完全に排除されると、キャリアベアリング66の左上部分において増大された摩耗の傾向は本質的に除去される。2つ目は、第2レベリング力Eは、キャリアベアリング66がキャリア支持溝68と接触する場合にのみ存在する。したがって、摩耗が起こるにつれて、第2レベリング力Eがキャリア支持溝68内において第1キャリア40を水平にするのに関与する前に、第1キャリア40は段々と傾くようになる。垂直分力A’’’は、そのような仕方には依存せず、スプリング力Aが存在する間、常に存在する。したがって、垂直分力A’’’がキャリアベアリング66の右下端部の左側にあるときは何時でも、スプリング力Aが存在すれば常に第1キャリア40を水平に保つようにそれは作用し、トラック36に対する第1キャリア40の水平を維持しようとし、不均一な摩耗パターンを除去し、キャリアベアリング66の耐久性を向上する。更に垂直分力A’’’が左側に移動されると、効果は更に顕著なものとなる。
第1角ブロック72は、第1キャリア40の左右の最端部の内側であればどこに配置されてもよく、図示された長手方向の境界を越えて延在されてもよく、動作するテンショナ28を実現する。しかし、通常キャリア支持溝68と接触するキャリアベアリング66の下側の部分に沿った摩耗が、実質的に均一である位置に第1角ブロック72を配置することが好ましい。これは、モーメントCの大きさ、ダンピング力G、Hの配置と大きさ、キャリアベアリング66の長さ、キャリアベアリング66とキャリア支持溝68との間の摩擦係数、角度Xの角度、第1角接合部74、第1角接合部74の表面面積、及び他の因子に相関する。
第1シュー摩擦ベアリング面86とトラック摩擦ベアリング面88の形状は、ダンピング力G、Hの配置と大きさに影響する。図示された好ましい実施形態では、それらは入れ子状の切頭V字形であり、力G、Hに影響を及ぼすための摩擦制御の役割を果たすみならず、トラック36と第1シュー76との間で長手方向に配置する機能をも果たす。他の様々な形状が考えられ、入れ子状のV字形、複数の入れ子状V字形、あるいは複数の入れ子状切頭V字形状などが含まれる。実質的に長方形の形状も考えられる。
第1角接合部74における摩擦を制御する目的のために、様々な形状や輪郭(contours)が第1角接合部74における面として選択され得る。図示された好ましい実施形態では、表面は平らで実質的に方形である。表面を入れ子状のV字形状、あるいはVリブドベルトの作動面と協働するプーリのように複数の入れ子状のV字形状とすることは、第1角接合部74における摩擦特性を制御するために取り入れることができる。単一あるいは複数の入れ子状のV字形状は、第1プーリキャリア40と第1シュー76との間において、長手方向に配置する機能も提供する。図示されない様々なベアリングの構成が、第1角接合部74に挿入されることが可能であり、これには摩擦低減物質、潤滑剤、ボールベアリング組立体、あるいはローラベアリング組立体などが含まれる。第1角ブロック72を第1シュー76から離接させるように第1角ブロック72に作用し、これにより摩擦と摩耗を低減する平行スウイングアーム組立体(parallel swing arm assemblies)さえも第1角ブロック72と第1シュー76の側面上の適切な箇所に取り付け得る。これらのアプローチの各々は摩擦と摩耗を制御するが、これらは複雑さと費用をも付加し、その度合いの変更とそれらの適切さはアプリケーションに特有なものである。
より複雑で高価なベアリング組立体が選択され、ボールとトラックベアリングのような簡単で経済的なキャリアベアリング66に取って代わるのであれば、第1角ブロック72のける長手方向の配置の効果は、あまり顕著とならない。しかし、選択されたベアリングの全体の寿命と作動の潤滑性は影響され得る。
図8〜11は、テンショナ28の発電及び始動モードにおける経時的な動作を図示する。図8では、発電モードにおけるベルト伝動システム10の作動が、始動弛緩側スパン34が始動緊張側スパン32よりも相対的に大きな張力を受け、プーリ26がベルト30によりプーリ16よりも強く引っ張られる状態をもたらすことが見て取れる。もし、第2シュー77に対して、第2調整ボルト222の係止効果により左側が規制されなければ、始動弛緩側スパン34は完全に真直ぐになり、始動緊張側スパン32の曲げは更に強調される。発電及び始動モードの間における動作のように、ベルト30の様々なスパンにおいて張力の過剰な変動が発生されることが見出されている。このような過剰な変動は、システム10から適切な短期的性能を達成するために、システム10の初期の静的張力を高いレベルに設定する必要を生じさせる。
初期定常据付張力と、これに起因する長期的性能は、付加された移動規制機構により大きく向上され、本実施形態では、第1及び第2バンパー220、222により補強された第1及び第2調整ボルト200、202の第1及び第2シュー76、77それぞれとの相互関係による。したがって、発電モードでは、図8に示されるように、第2シュー77が第2バンパー212に押し付けられる。このような動作は、望まれない騒音やシステム10内の振動を発生させ得る。しかし、この移動規制機構の2つの側面は、この望まれない騒音と振動を防止する。第1には、第2バンパー212の第2シュー77との接触は、プーリ26のベルト弛緩方向への引き続く運動を止めるために、そのような増大された力A(図19)を単に発生させるだけではない。むしろ、それは幾分劇的に垂直分力A’’’の増大をもたらし、第1シュー摩擦ベアリング面86とトラック摩擦ベアリング面88との接合部での嵌合力の増大をもたらす。これは更に、弛緩ダンピング力Gの比例した増大をもたらす。弛緩ダンピング力Gの急激な上昇は、第2バンパー212に激突する第2シュー77に発生するインパクトをその分低減する。
第2に、第2バンパー212は弾性部材からなる。本実施形態の弾性部材は高弾性ゴムである。しかし、他の弾性部材も考えられ、例えば鋼スプリングや油圧(hydraulic)あるいは空気袋(pneumatic bladder)である。したがって、急激なインパクトは、キャリア組立体71の動きを止めるのに必要な力が、弾性材料が許容する圧縮量により規定される距離に渡って分散されるようにすることによりかなり低減される。第1及び第2の作用の組み合せは特に効果的である。
図9は、ベルト30が未だ新品の寸法であるときの始動モードにおけるテンショナ28の動きを図示する。第1シュー76は、このとき第1調整ボルト200と、これに協働する第1バンパー210に対して押圧される。騒音や図8とともに説明されたシステム10の振動を最小にし、あるいは除去する作用が、ここに適用される。
図10、11は、ベルト30が伸張され磨耗された状態での発電及び始動モードにおけるテンショナ28の動きをそれぞれ図示する。なお、第1及び第2プーリ16、26は、これまでの図のものよりも接近している。ベルト30の長さがより長いことから、2つのモードの間においてキャリア71が動ける範囲が広がったので、シュー76、77とバンパー210、212それぞれの間でのインパクトはより大きくなる。これは騒音と振動が発生する機会を激増させる。それでもなお、騒音やシステム10の振動を最小にし、あるいは除去する作用が当てはまる。
図12は、テンショナ28の別の好ましい実施形態を示する。スプリング38は設けられない。スプリング38を欠くことは、どのようなアプリケ−ションにおいても、第1及び第2補助スプリング220、222がより高いバネ係数をもたねばならないと言う要求をもたらす。これはあるアプリケーションでは現実的ではないかもしれない。また、それはテンショナ28に対するバネ係数の様々な設計の機会を取り去る。しかし、付加的なスプリング38の除去は、コスト節約の手段として見ることもできる。これまでの実施形態における取り付けと動作の説明は、スプリング38の適用を除いて、ここに当てはまる。
図13は、求められる状況に応じて3つのスプリング38、220、222のうちの何れか1つを取り除くことができるという事実に焦点を当たものである。また、それは第1又は第2補助スプリング220、222の何れかを、プーリ16または26の相対的応答を変化させるために取り除くことができることにも焦点を当る。図示された構成では、第2プーリ26は、始動緊張側スパン32での張力変化に対する第1プーリ16の応答よりも硬直的に始動弛緩側スパン34において張力変化に応答する。逆の構成では、結果は逆の応答となる。これらの相対的な応答は、各々のスプリング38、220,222のバネ係数の選択により、より劇的でない仕方で変更される。
図14、15は更にテンショナの別の実施形態を示し、ここでは128として示されている。図12の従前の実施形態において圧縮型であった第1及び第2補助スプリング220、222は、第1及び第2スプリング138、140によって置き換えられている。これら2つのスプリング138、140のための中央取付ポイント(central attachment point)を提供するために、トラック連結部144が付加される。更に、このスプリングの構成に適合させるために、トラック36は2つのトラック部材である第1及び第2トラック部材136、137にそれぞれ分割される。第1及び第2トラック部材136、137がトラック連結部144に挿入された後、トラック連結部キャップ148が、固定された位置にある4つのユニットを持つトラック連結キャップ取付ポイント(track connector cap attachment ponts)152において所定の位置に固定される。トラック連結部144は、第1及び第2弾性部材すなわちスプリング138、140が第2及び第3スプリングフック186、188においてそれぞれ連結される第1及び第2固定スプリングループ180、182を備える。テンショナ128における組立部品の他の全ての形態は、図5のテンショナ28のそれぞれに対応する。この別の好ましい実施形態では、第1及び第2テンショナプーリ16、26は、それぞれに向けてバイアスされるが、相互作用的にではない。この変更を除いて、これまでの実施形態の構造、配置、適応性、動作に関しての議論はこの別の実施形態に当てはまる。もう一度繰り返すと、テンショナ128の動作は実質的に図12に描かれたテンショナ28のそれと同じである。これまでの実施形態では、第1及び第2プーリ16、26は、キャリア組立体71の反転と第1及び第2固定スプリングループ180、181を第1及び第2端部支持部44、46に据えることにより、それぞれから離れる方向にバイアスすることができた。
図16、17は、図5のテンショナ28の2つのプーリと等しい単一のプーリと見なされるテンショナ228を図示する。テンショナ228は、どのようなベルト伝動システムにおいても個別に、あるいは図3、4に図示されるように対として使用することができる。上述されたように、各第1及び第2プーリ16、26の直線経路は、協働するスパンが、スパン両端のプーリの間にぴんと張られた状態とされた経路に垂直に向けられていることが好ましく、本実施形態では、テンショナ28が存在しなければ、オルタネータプーリ14とクランクシャフトプーリ22が第1テンショナプーリ16に、モータ/ジェネレータプーリ14とパワーステアリングポンププーリ18が第2テンショナプーリ26に対応する。この向き付けは、どのようなベルトの片寄りに対しても第1及び第2テンショナプーリ16、26の動きを最小のものとし、結果トラック36にとって必要な長さを低減してテンショナ28が全体としてより小型化されることを可能にし、テンショナ28内の力の関係を改善してテンショナ28における内部構造の最大の寿命をもたらし得る。2つのテンショナ228の使用は、垂直性と他の空間的な関係を理由として、より大きな柔軟性を配置に与える。
図18には、図16、17と似たな別の実施形態が図示される。説明されるべき第1の違いは、第1調整ボルト200と第1バンパー210を備える移動規制機構が、セットボルト240、セットナット242、セットスロット244、調整ストップ248、代替的バンパー250に取って代わられることである。この移動規制機構の操作は、セットボルト/セットナット240/242を緩め、調整ストップ248を適切な位置に移動し、そしてセットボルト/セットナット240/242を再び締め付ける作業を含んでいる。この手続が達成されると、本実施形態におけるテンショナ228の動作は、これまでに説明された実施形態のものと同じである。この別の移動規制機構は、テンショナ228とともに描かれているが、テンショナ28の実施形態にも適用可能である。
要するに、図に示された好ましい実施形態は、直線運動を行なうコンパクトなテンショナを可能にする。油圧ダンピング(hydraulic)とは対照的に機械的なダンピングを組み込むことは、コンパクトなサイズを可能にし、油圧機構(hydraulics)を組み込むことによる不利益を防止する。機械的ダンピング機構は、非対称ダンピングが相当な範囲の非対称性に渡ることを可能にする段階まで洗練されており、トラック36と第1及び第2プーリキャリア40、42の境界面において、複雑で割高なベアリング組立体を用いることなくテンショナ28全体の耐久性を向上させる。ダンピング機構と協働する移動規制機構を組み入れることは、騒音と振動を与えることにより、短期的性能に実質的な影響を与えることなく長期的性能の実質的な向上をもたらす。
テンショナ28は、張力が掛かった状態で、第1及び第2スプリングループ80、81の間で直接、そしてダンピング溝70の中で作動するスプリング38を含むように、1つの好ましい実施形態で描かれている。しかし、テンショナ28の全長を更に短くすることが求められるアプリケーションにおいては、スプリング38はダンピング溝70の外に配置されてもよく、ケーブル、プーリや伸張スプリング力をダンピング溝70の外側からダンピング溝70の内側に伝達し、そして第1及び第2可動スプリングループ80、81に及ぼすための他の機構とともに設けられる。これは、スプリング38の長さを略プーリキャリア組立体71の長手方向の長さに一致させ、これにより、トラック36に必要な長さを低減し、結果テンショナ28に必要な長さを低減する。
捩りスプリングは、ダンピング溝70の内側あるいは外側の何れにおいても、図示された伸張スプリング38に取って代わることができる。それは単に捩りスプリングの回転運動をケーブル連結(cable connection)あるいは他の公知の機構を介して直線運動に変換する必要があるだけである。更に、プーリキャリア組立体71のそれぞれのプーリ軸の回りの回転と、伸張スプリング38のための圧縮スプリングの代用を通して、第1及び第2プーリ16、26はそれぞれから離れるようにバイアスできる。この方法では、ベルト弛緩方向は、第1及び第2プーリが近づいて動く方向である。ベルト緊張方向はその逆である。
説明された実施形態に見出される本発明は、長期的かつ短期的性能を顕著に最適化するとともに、ベルトの選択の可能性を最大とし、同時に、実質的に価格と複雑さを最小にし、滑らかで静かに走行するベルト伝動システムを犠牲にすることなく、それが適用できるシステムは、特にモータ/ジェネレータシステムに対して、高い柔軟性を示すことが可能である。
本発明についての上記説明及び例示的な実施形態は、図面に示され、様々な部分的な変更と変形実施形態において詳細に説明された。しかし、本発明の上記説明は一例に過ぎず、本発明の範囲は従来技術の観点から理解される請求項によってのみ制限されると理解されなければならない。更に、ここで例示的に開示された本発明は、ここで特に明らかにされない、いかなる要素がなくとも適切に遂行し得る。
直動式テンショナとモータ/ジェネレータを含む補機ベルト伝動システムの構成に関するシステムが始動モードでの好ましい実施形態の模式図である。 直動式テンショナとモータ/ジェネレータを含む補機部ベルト伝動システムの構成に関するシステムが発電モードでの好ましい実施形態の模式図である。 別の直動式テンションとモータ/ジェネレータを含む補機ベルト伝動システムの構成に関するシステムが始動モードでの好ましい実施形態の模式図である。 別の直動式テンションとモータ/ジェネレータを含む補機ベルト伝動システムの構成に関するシステムが発電モードでの好ましい実施形態の模式図である。 好ましい直動式2プーリテンショナの上方から見た一部切断斜視図である。 図5から線5−5に沿って取られた部分断面図であり、引っ張られた状態を示す。 図5から線5−5に沿って取られた部分断面図であり、新品のベルトとともにリリース位置に配置された状態を示す(ベルト長さの変化を補正する調整ボルトとともに)。 図5から線5−5に沿って取られた部分断面図であり、新品のベルトを用いた発電モードでの作動状態を示す。 図5から線5−5に沿って取られた部分断面図であり、新品のベルトを用いた始動モードでの作動状態を示す。 図5から線5−5に沿って取られた部分断面図であり、慣らし運転をしたベルトを用いた発電モードでの作動状態を示す。 図5から線5−5に沿って取られた部分断面図であり、慣らし運転をしたベルトを用いた始動モードでの作動状態を示す。 ぴんと張られた状態の別のテンショナの部分断面図である。 ぴんと張られた状態の別のテンショナの部分断面図である。 別の好ましい直動式2プーリテンショナの上方から見た一部切断斜視図である。 図14から線15−15に沿って取られた部分断面図であり、ぴんと張られた状態を示す。 別の好ましい直動式1プーリテンショナの上方から見た一部切断斜視図である。 図16から線17−17に沿って取られた部分断面図であり、ぴんと張られた状態を示す。 別の好ましい直動式1プーリテンショナの上方から見た一部切断斜視図である。 各々の好ましい実施形態のテンショナに作用する力を図示する部分断面図である。 好ましい実施形態のテンショナの一部の詳細な斜視図である。 好ましい実施形態のテンショナの一部の詳細な斜視図である。

Claims (1)

  1. ベルトテンショナと、第1ベルトテンショナプーリと、クランクシャフトプーリと、補機プーリと、前記第1ベルトテンショナプーリ、前記クランクシャフトプーリ、前記補機プーリに掛け回される伝動ベルトとを備え、前記ベルトテンショナが、エンジンのシリンダブロックに対して固定された位置に取り付けられるように適合された取付ポイント、トラック、運動に関し2つの自由度をもち前記トラックに摺動自在に取り付けられた第1キャリアを備え、前記第1ベルトテンショナプーリが前記伝動ベルトに係合するために回転自在に前記第1キャリアに取り付けられ、弾性部材が前記第1キャリアを前記トラックに対して長手方向にバイアスするベルト伝動システムに用いられるベルトテンショナであって、
    前記テンショナが移動規制機構を備えることを特徴とするベルト伝動システム用ベルトテンショナ。
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