JP2010155916A - プリプレグ及びその製造方法、積層板、プリント配線板 - Google Patents

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Abstract

【課題】プリント配線板とした際に高い誘電特性を発揮し得るプリプレグ等を提供する。また、当該プリプレグを効率よく製造することができるプリプレグの製造方法を提供する。
【解決手段】熱硬化性樹脂及び絶縁化超微粉末を含有してなる樹脂組成物を基材に含浸し、乾燥してなり、前記絶縁化超微粉末が、導電性超微粉末に絶縁皮膜が設けられてなり、前記導電性超微粉末が、短径1〜100nmの球状、長球状もしくは針状の導電性超微粉末であり、前記絶縁皮膜が、絶縁性金属酸化物又はその水和物からなり、その平均厚さが1〜100nmであるプリプレグ等及び当該プリプレグの製造方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、特定の絶縁化超微粉末を用いたプリプレグ及びその製造方法、並びに、積層板、プリント配線板に関する。
ガラスやセラミック等の一般的な物質の比誘電率は大抵10以下であるのに対し、非常に大きな誘電率をもつ物質がある。これらの多くは強誘電体やそれに近い結晶構造をもつ物質である。この代表的なものにチタン酸バリウムがある。そして、このチタン酸バリウム等に代表される強誘電体を強誘電体フィラーとして熱硬化性樹脂に充填した樹脂複合材料及びプリント配線板が提案されている(特許文献1参照)。しかし、特許文献1では、十分な誘電率を確保するために、強誘電体フィラーを高濃度(65体積%以上)に添加する必要があった。
このような強誘電体フィラーの大量添加が必要となる理由は以下のとおりである。
まず、添加量が少ない場合、強誘電体フィラーが比誘電率3程度の樹脂に絶縁された状態となっている。この状態を等価回路で考察すると、低誘電率の樹脂に対応する容量の小さいキャパシタンスと強誘電体フィラーに対応する容量の大きなキャパシタンスとの直列回路で表される。この場合、誘電率の逆数に加成性があるため、例えば強誘電体フィラーの添加率が50体積%でも複合材料の誘電率は6程度にしかならない。この点を回避するためには、複合材料の等価回路が並列回路となるようにする必要がある。実態としては強誘電体フィラーの連続層を複合材料内に形成することが必要となる。
このような連続層を形成し、複合材料の高誘電率化を図るために、強誘電体等の強誘電体フィラーを65体積%以上添加することが必要とされていた。このため、比誘電率20以上を実現するには80質量%以上の強誘電体を強誘電体フィラーとして添加することが必要となり、高誘電率化と引き換えに樹脂材料本来の特徴である加工性、成形性が損なわれることになる。
また、短径が1nm以上100nm以下の球状、長球状もしくは針状の導電性超微粉末を絶縁被覆した絶縁化超微粉末を樹脂に添加する方法が提案されている(特許文献2参照)。
しかし特許文献2には、プリント配線板やそれに使用するプリプレグについての具体的な構造設計が明確には記載されていなかった。
特開2001−237507号公報 特開2005−97074号公報
本発明は、プリント配線板とした際に高い誘電特性を発揮し得るプリプレグ及び積層板を提供することを目的とする。また、当該プリプレグを効率よく製造することができるプリプレグの製造方法を提供することを目的とする。さらに、当該プリプレグを硬化してなる層を有し、優れた誘電特性を有するプリント配線板を提供することを目的とする。
上記課題を解決すべく鋭意検討を行なったところ、本発明者らは下記本発明に想到し当該課題を解決できることを見出した。すなわち、本発明は下記の通りである。
[1]熱硬化性樹脂及び絶縁化超微粉末を含有してなる樹脂組成物を基材に含浸し、乾燥してなり、前記絶縁化超微粉末が、導電性超微粉末に絶縁皮膜が設けられてなり、前記導電性超微粉末が、短径1〜100nmの球状、長球状もしくは針状の導電性超微粉末であり、前記絶縁皮膜が、絶縁性金属酸化物又はその水和物からなり、その平均厚さが1〜100nmであるプリプレグ。
[2]前記絶縁化超微粉末と前記熱硬化性樹脂との体積比(絶縁化超微粉末/熱硬化性樹脂)が、5/95〜50/50である[1]に記載のプリプレグ。
[3]上記[1]又は[2]に記載のプリプレグを硬化してなる層を有する積層板。
[4]少なくとも一方の面に金属箔が設けられてなる[3]に記載の積層板。
[5]上記[1]又は[2]に記載のプリプレグを硬化してなる層を有するプリント配線板。
[6]下記の順次工程:
(1)アセトンを除くケトン類を主成分とした溶媒中で、短径1〜100nmの球状、長球状もしくは針状の導電性超微粉末に、絶縁性金属酸化物又はその水和物からなる絶縁皮膜を形成して絶縁化超微粉末を作製して、当該絶縁化超微粉末を含有し、かつ熱硬化性樹脂を溶解してなるワニスを作製するワニス作製工程、
(2)作製したワニスを基材に含浸し乾燥する含浸乾燥工程、を含むプリプレグの製造方法。
[7]前記ワニス作製工程において、前記熱硬化性樹脂を、絶縁化超微粉末を作製した後に混合する[6]に記載のプリプレグの製造方法。
本発明によれば、プリント配線板とした際に高い誘電特性を発揮し得るプリプレグ及び積層板を提供することができる。また、当該プリプレグを効率よく製造することができるプリプレグの製造方法を提供することができる。さらに、当該プリプレグを硬化してなる層を有し、優れた誘電特性を有するプリント配線板を提供することができる。
[プリプレグ]
本発明のプリプレグは、熱硬化性樹脂及び絶縁化超微粉末を含有してなる樹脂組成物を基材に含浸し乾燥してなる。以下、当該プリプレグについて詳細に説明する。
(絶縁化超微粉末)
本発明に係る絶縁化超微粉末は、導電性超微粉末に絶縁皮膜が設けられてなる。
ここで、導電性超微粉末は、単独で樹脂材料に添加した場合、樹脂複合材料の体積抵抗を低下する、すなわち、導電性を付与する効果を有するものである。
このような導電性超微粉末を構成する材質としては、アルミニウム、銅、金、銀、白金、スズ、パラジウム、ニッケル等の単体金属、これらのうち少なくとも一つを組成に含む合金や、導電性金属酸化物が挙げられる。
本発明に用いる導電性超微粉末に好ましい材質は、導電性金属酸化物である。一部の貴金属を除いて金属の超微粉末は酸化され易く、導電性が低下しやすいのみでなく、粉塵爆発の可能性もある。また、金属原子が超微粉末から絶縁体媒質中に拡散し、複合材料の絶縁性を低下させる。このため、本発明に用いる導電性超微粉末には、アンチモンドープ二酸化スズ、スズドープ三酸化二インジウム、アルミニウムまたはガリウムドープ酸化亜鉛、あるいは鉛酸バリウムなどの導電性ペロブスカイト系複合酸化物などの導電性酸化物が好ましい。特に好ましくは、製造コスト面からアンチモンドープ二酸化スズである。
本発明で用いる導電性超微粉末は、短径が1〜100nmの球状、長球状もしくは針状の導電性超微粉末である。導電性超微粉末の形状が球状である場合、短径(粒径に同じである)は1〜100nm、好ましくは5〜70nmである。導電性超微粉末の形状が長球状又は針状である場合、短径は1〜100nm、好ましくは5〜70nmで、アスペクト比は1.1〜100が好ましい。
短径が上記範囲より小さいと量子サイズ効果により導電性が低下する。一方、短径が上記範囲より大きいと、連続層の形成が40体積%以下、すなわち樹脂特性を悪化させない添加率の範囲では連続層が形成されなくなってしまう。
本発明で用いる導電性超微粉末は、この中でも長球状又は針状体が球状体よりも好ましい。これは長球状又は針状体のほうが、比誘電率が20以上である樹脂複合材料として連続層を形成するために必要な添加量が少なくてすむためである。長球状又は針状体の導電性超微粉末のアスペクト比は、1.1〜100が好ましく、10〜40がより好ましい。
なお、長球状及び針状体における「短径」とは、導電性超微粉末の断面における最短径を意味し、「長径」とは、導電性超微粉末の長手方向の長さをいう。
本発明に係る絶縁化超微粉末に用いる絶縁皮膜は、プリプレグ用の樹脂組成物の全体的な絶縁性の確保を目的の一つとしている。当該絶縁被膜には、先に記述した導電性超微粉末の単なる酸化防止膜等の表面保護膜は含まれない。
絶縁皮膜の平均厚さは、1〜100nmとし、好ましくは5〜50nm、より好ましくは5〜30nmである。絶縁皮膜の平均厚さが1nm未満であると、被膜形成時に生じる欠陥やトンネル電流等により絶縁が保てないため高誘電率が発現せず、100nmを超えるとフィラーのコンデンサーとしての静電容量が著しく減少しこれを配合してなる複合材料の高誘電率が発現しなくなってしまう。
ここで、平均厚さは、絶縁化超微粉末の電子顕微鏡観察象の任意に10点の厚みを測定し、その平均を計算することで求めることができる。
絶縁皮膜の材質は、絶縁性金属酸化物またはその水和物である。
具体的には、二酸化シリコン、四窒化三シリコンなどの絶縁性酸化物、および窒化物が挙げられる。あるいは三酸化二アルミニウム、酸化ジルコンなどの絶縁性金属酸化物が挙げられる。好ましくは比誘電率20以上の五酸化二タンタル、アナタース型およびブルカイト型二酸化チタン等の絶縁性金属酸化物、さらに好ましくは比誘電率100以上の金属酸化物が挙げられる。
この比誘電率100以上の金属酸化物の例としては、ルチル型二酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ビスマス、チタン酸鉛、チタン酸カルシウム、チタン酸ジルコン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛等のチタン含有金属酸化物、およびこれらのうち少なくとも一種類を組成に含む絶縁性固溶体が挙げられる。これらの絶縁性酸化物及び絶縁性窒化物は、誘電率が大きく、そのため、厚く絶縁被覆しても複合材料の誘電率が低下しないために好適である。
絶縁皮膜の形成は、後述する[プリプレグの製造方法]で説明するような方法を採用することもできるが、公知の方法を利用することもできる。
例えば、アルコールなどの有機溶媒に導電性超微粉末を分散し、金属アルコキシドを添加してゾルゲル反応により導電性超微粉末を核とした金属水酸化物の析出、さらに有機溶媒中で脱水縮合反応、もしくは導電性超微粒子が分散した水溶液中で金属塩とアルカリを反応させ、導電性超微粉末を核として金属水酸化物を析出させ、濾別・乾燥することにより脱水縮合させ、導電性超微粉末表面に絶縁性金属酸化物が付着した状態を形成できる。
この場合、予め金属塩水溶液に導電性超微粉末を分散させてアルカリを滴下しても、導電性超微粒子の水分散液に金属塩水溶液とアルカリ水溶液を同時もしくは逐次滴下してもよい。
上記のような液相沈殿反応を用いた被覆方法では、酸化物超微粒子が単に導電性超微粒子に付着した多孔質膜が形成され、金属酸化物が絶縁皮膜として導電性超微粒子の全面を覆わない状態であるのが普通である。絶縁皮膜層に空孔が生じると誘電率の低下等の問題を誘発する。そのため、本発明では導電性超微粒子表面に付着した金属酸化物の表面原子拡散が起こる温度以上で、かつ融点の温度以下で加熱して焼成もしくは焼結する必要がある。すなわち、導電性超微粉末の表面は、絶縁皮膜によって隙間無く被覆されることが好ましい。絶縁皮膜の絶縁性酸化物は、比誘電率20以上の絶縁性酸化物であることが好ましい。表面に金属酸化物を析出させた導電性超微粉末の焼成温度は、通常、該金属酸化物の融点よりも100〜900℃低い温度である。例えば、絶縁皮膜に融点1270℃のルチル型二酸化チタンを用いる場合には670℃以上、融点1620℃のチタン酸バリウムを用いる場合には800℃以上の温度で焼成することが好ましい。その焼成時間は、通常0.5〜12時間である。かかる工程により比誘電率20以上である絶縁皮膜が隙間無く形成される。
(熱硬化性樹脂)
本発明において、上記絶縁化超微粉末と共に用いられる熱硬化性樹脂としては、フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、アルキド系樹脂、フラン系樹脂、ユリア系樹脂、メラミン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アニリン系樹脂、熱硬化型変性ポリフェニレンエーテル系樹脂、熱硬化性ポリイミド系樹脂、アリル樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、ケイ素樹脂、ベンゾオキ サジン系樹脂等が用いられる。
なかでもエポキシ系樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アリル樹脂、熱硬化性ポリイミド樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、熱硬化型変性ポリフェニレンエーテル系樹脂、ケイ素樹脂、ベンゾオキサジン系樹脂が好適に用いられる。
特に好ましくはエポキシ樹脂を含む樹脂組成物である。これは配線基板などに用いる場合、銅等の金属層と密着強度が大きいためである。
これらの熱硬化性樹脂 は、単独で用いられてもよいし、2種類以上が併用されてもよい。
なお、上記エポキシ樹脂とは、少なくとも1個のオキシラン環(エポキシ基)を有する化合物をいう。
本発明において、高誘電率樹脂複合材料は、誘電率以外の理由で、所期の特性を損なわない範囲において、その他の難燃剤、充填剤などの添加も可能である。これらは周知であり、一般に使用されているものであれば、特に限定はされない。難燃剤の代表例としては、メラミン、ベンゾグアナミン変性などの窒素含有化合物、シリコーン系化合物等が挙げられる。充填剤の代表的例としては、シリカ、マイカ、タルク、ガラス短繊維及び微粉末、中空ガラス等の無機物粉末、シリコーンパウダー等が挙げられる。
本発明において、絶縁化超微粉末と熱硬化性樹脂との体積比(絶縁化超微粉末の体積/熱硬化性樹脂の体積)は、5/95〜50/50の範囲であることが好ましく、5/95〜20/80の範囲であることがより好ましい。5/95の割合以上に絶縁化超微粉末が配合されると、樹脂組成物中で連続層が形成され、充分な比誘電率が得られる。一方、50/50の割合以下に絶縁化超微粉末が配合されると、樹脂組成物本来の加工性などが損なわれることがない。
なお、絶縁化超微粉末と配合する際の樹脂は、重合体の形態としてのみならず、重合性化合物の形態として配合しておいて後で重合させても良い。
本発明において、必要に応じ有機溶剤を使用してもよい。その種類としては、本発明で使用される樹脂組成物の樹脂成分と相溶するものであれば、特に限定されるものではない。その代表例としては、メチルエチルケトン、メチルセルソルブ、プロピレングリコールメチルエーテル及びそのアセテート、トルエン、キシレン、ジメチルホルムアミドなどが挙げられる。これらを単独もしくは2種以上混合して使用することもできる。基材への含浸性を重視する場合は、沸点120〜200℃程度の溶剤を併用することが好適である。
また、本発明においては、樹脂組成物に、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光重合開始剤、蛍光増白剤等を添加してもよい。これらは周知で一般に使用される物であれば、特に限定はされない。その代表的な例としては、ベンソトリアゾール系等の紫外線吸収剤;ヒンダートフェノール系、スチレン化フェノールなどの酸化防止剤;チオキサントン系等の光重合開始剤、スチルベン誘導体等の蛍光増白剤;が挙げられる。
(基材)
本発明のプリプレグは、樹脂組成物を基材に含浸し、その後乾燥してBステージ化することで得られるが、当該基材としては、各種の電気絶縁材料用積層板に用いられている周知のものが使用できる。
その材質の代表的な例としては、Eガラス,Nガラス,Dガラス,Sガラス及びQガラス等の無機物繊維、ポリイミド、ポリエステル及びテトラフルオロエチレンなどの有機繊維、及びそれらの混合物等が挙げられる。これらの基材は、その形状により、織布、不織布、ロービング、チョプドストランドマット、サーフェシングマット等が挙げられる。材質及び形状は、目的とする成形物の用途や 性能により適宜選択され、必要により単独もしくは、2種類以上の材質及び形状を選択して使用することもできる。
基材の厚みには特に制限はないが、通常0.03〜0.5mm程度とする。また、シランカップリング剤等で表面処理したものや機械的に開繊処理を施したものは、吸湿耐熱性の面から好適である。
基材に対する樹脂組成物の付着量は、乾燥後のプリプレグの樹脂含有率が20〜90重量%であることが好ましい。基材に含浸(塗布を含む)させた後、通常100〜200℃の乾燥機で、1〜30分間加熱し、半硬化(Bステージ化)させる方法などにより、本発明のプリプレグが得られる。
[プリプレグの製造方法]
本発明のプリプレグの製造方法は、
(1)アセトンを除くケトン類を主成分とした溶媒中で、直径1〜500nmの球状、断面直径1〜500nmの繊維状、又は厚さ1〜500nmの板状の炭素材料からなる導電性超微粉末に、絶縁性金属酸化物又はその水和物からなる絶縁皮膜を形成して絶縁化超微粉末を作製して、当該絶縁化超微粉末を含有し、かつ熱硬化性樹脂を溶解してなるワニスを作製するワニス作製工程、
(2)作製したワニスを基材に含浸し乾燥する含浸乾燥工程、を順次含む。
絶縁化超微粉末の製造を、アセトンを除くケトン類を主成分とした溶媒中で行なうことで、その後の工程で固液分離の処理を施すことなく、プリプレグ作製用のワニスを調製することが可能となる。これにより、工程の短縮化を図ることができプリプレグを効率よく製造することができる。
既述のように、ケトン類を熱硬化性樹脂の溶剤とする事で絶縁被膜形成後のスラリーにエポキシ樹脂を添加する事により、そのままワニスとする事が可能である。アセトンでも反応機構上は可能だが含水し易い為、テトラプロピルオキシチタネート添加時に白濁が生じ導電性超微粉末を被覆する事が困難であり工業的に用いるには向かない。
ここで、「アセトンを除くケトン類を主成分とした溶媒」における「主成分」とは、当該溶媒中においてアセトンを除くケトン類の含有量(質量基準)が最も大きいことを意味する。アセトンを除くケトン類は、溶媒中、50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましい。アセトンを除くケトン類としては、メチルエチルケトン、ジメチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジ-n-ブチルケトン等が好ましく、メチルエチルケトンがより好ましい。
ワニス作製工程においては、熱硬化性樹脂の混合順序や方法は特に限定しないが、工程管理の容易性を考慮すると、絶縁化超微粉末を作製した後に混合することが好ましい。
ワニス作製工程後は、作製したワニスを基材に含浸し乾燥する含浸乾燥工程を経てプリプレグが製造される。含浸や乾燥条件等は既述の通りであり、また、従来公知の条件を適宜参考にすることができる。
[積層板]
本発明の積層板は、本発明プリプレグを硬化してなる層を有する。すなわち、本発明のプリプレグを用いて積層成形したものである。好ましい態様としては、本発明のプリプレグを適宜、1ないし複数枚重ね、所望によりその片面もしくは両面に、銅やアルミニウムなどの金属箔を配置した構成で積層成形したものが挙げられる。
金属箔は、電気絶縁材料用途に用いられているものであれば特に制限はなく、成形条件としては、通常の電気絶縁材料用積層板及び多層板の手法が適用できる。例えば、多段プレス、多段真空プレス、連続成形、オートクレーブ成形機等を使用し、温度100〜250℃、圧力2〜100kg/cm2で、加熱時間0.03〜3時間である。また、本発明のプリプレグと別途作製した内層用の配線板を組み合わせ、積層成形することにより、多層板を製造することもできる。
[プリント配線板]
本発明のプリント配線板は、本発明のプリプレグを硬化してなる層を有する。
具体的には、本発明の積層板(特に、銅張り積層板)に回路を形成させることにより、また、回路形成された基板上に本発明のプリプレグ、ビルドアップフィルム、樹脂付銅箔を用いて多層化し、回路形成させることによって得ることができる。
本発明のプリント配線板は、本発明のプリプレグを用いているため、高い誘電率を示し、誘電正接が低いといった優れた誘電特性を有する。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
(実施例1)
イソプロパノール200質量部中に針状アンチモンドープ酸化スズ(石原産業(株)製、FS-10P短径10〜20nm、長径200〜2000nm、比表面積25〜35m2/g、アスペクト比20〜30)50質量部とテトラプロピルオキシチタネート27質量部を添加し、室温(20〜30℃)にて30分アジターで攪拌混合した。この分散溶液に蒸留水で7倍に希釈したイソプロピルアルコール134質量部を30分間かけて滴下した。滴下終了後更に30分攪拌を継続し、濾過し、12時間自然乾燥した後、100℃にて真空乾燥した。
図1に示したとおり、このゾルゲル反応により生成したチタン水酸化物粒子が針状アンチモンドープ酸化スズの表面に付着しているのを走査型電子顕微鏡にて確認した。この粉末をマッフル炉にて1000℃で3時間、焼成した。図1に示したとおり、走査型電子顕微鏡にて多層構造を確認した。得られた絶縁化超微粉末は、短径15〜40nm、長径200〜2000nmであり、その表面は、厚さが5〜10nmのルチル型二酸化チタンからなる絶縁皮膜によって隙間無く被覆されていた。
焼成して得られた絶縁化超微粉末150質量部、ビスフェノールA型シアネートのプレポリマー(BT2070、三菱瓦斯化学製)50質量部をメチルエチルケトンにて溶解し、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エピコート1001、ジャパンエポキシレジン製)50質量部、オクチル酸亜鉛0.04質量部を混合してワニスを得た。
このワニスをメチルエチルケトン溶媒で希釈し、厚さ0.1mmのEガラスクロスに含浸塗工し、150℃で5分間乾燥して、樹脂量含有量60質量部のプリプレグを得た。
次に、このプリプレグを6枚重ね、その上下に厚さ12μmの電解銅箔を配置し、圧力18kgf/cm2、昇温速度3℃/分、温度180℃で60分のプレスを行い、厚さ0.7mmの銅張積層板を得た。
得られた銅張積層板の片面の銅箔をエッチングで直径14.0mm、幅1.0mmで円形に銅箔を剥がし、アジレントテクノロジー社製インピーダンスアナライザー4294AとD電極を用い1MHzでの物性(比誘電率及び誘電正接)を測定した。結果を下記表1に示す。
(実施例2)
焼成して得られた絶縁化超微粉末の配合量を50質量部とした以外は実施例1と同様にして、厚さ0.7mmの銅張積層板を得た。得られた銅張積層板について実施例1と同様の物性を測定した。結果を下記表1に示す。
(実施例3)
焼成して得られた絶縁化超微粉末の配合量を455質量部、とした以外は実施例1と同様にして、厚さ0.7mmの銅張積層板を得た。得られた銅張積層板について実施例1と同様の物性を測定した。結果を下記表1に示す。
(実施例4)
テトラプロピルオキシチタネートを5.4質量部とし、絶縁化超微粉末の絶縁被膜の厚さを1.25nmとした以外は実施例1と同様にして行い、厚さ0.7mmの銅張積層板を得た。得られた銅張積層板について実施例1と同様の物性を測定した。結果を下記表1に示す。
(実施例5)
テトラプロピルオキシチタネートを324質量部とし、絶縁化超微粉末の絶縁被膜の厚さを90nmとした以外は実施例1と同様にして行い、厚さ0.7mmの銅張積層板を得た。得られた銅張積層板について実施例1と同様の物性を測定した。結果を下記表1に示す。
(比較例1)
絶縁化超微粉末を使用しないこと以外は実施例1と同様にして、厚さ0.7mmの銅張積層板を得た。得られた銅張積層板について実施例1と同様の物性を測定した。結果を下記表1に示す。
(比較例2)
テトラプロピルオキシチタネートを2.7質量部とし、絶縁化超微粉末の絶縁被膜の厚さを0.75nmとした以外は実施例1と同様にして行い、厚さ0.7mmの銅張積層板を得た。得られた銅張積層板について実施例1と同様の物性を測定した。結果を下記表1に示す。
(比較例3)
テトラプロピルオキシチタネートを540質量部とし、絶縁化超微粉末の絶縁被膜の厚さを150nmとした以外は実施例1と同様にして行い、厚さ0.7mmの銅張積層板を得た。得られた銅張積層板について実施例1と同様の物性を測定した。結果を下記表1に示す。
上記結果から明らかなように、本発明に係る絶縁化超微粉末の絶縁被膜の厚さを所定の範囲とすることで、高い誘電特性(誘電率)が得られることが確認できた。また、誘電正接についても実用的で良好な結果となっていた。
(実施例6)
メチルエチルケトン300針状アンチモンドープ酸化スズ(石原産業(株)製、FS-10P短径10〜20nm、長径200〜2000nm、比表面積25〜35m2/g、アスペクト比20〜30)50質量部とテトラプロピルオキシチタネート27質量部を添加し、室温(20〜30℃)にて30分アジターで攪拌混合し、絶縁化超微粉末スラリーを作製した。走査型電子顕微鏡(30万倍)により得られた絶縁化超微粉末の表面を観察したところ5〜10nm厚、平均7.5nm厚の二酸化チタンの絶縁皮膜の形成が確認された。
この絶縁化超微粉末スラリーにビスフェノールA型シアネートのプレポリマー(BT2070、三菱瓦斯化学製)50質量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エピコート1001、ジャパンエポキシレジン製)50質量部及びオクチル酸亜鉛0.04質量部を混合してワニスを得た。
得られたワニスを、厚さ0.1mmのEガラスクロスに含浸塗工し、150℃で5分間乾燥して、樹脂組成物の含有量が60質量部のプリプレグを得た。
次に、このプリプレグを6枚重ね、その上下に厚さ12μmの電解銅箔を配置し、圧力18kgf/cm2、昇温速度3℃/分、温度180℃で60分間のプレスを行い、厚さ0.7mmの銅張積層板を得た。
得られた銅張積層板の片面の銅箔をエッチングで直径13.5mm、幅1.0mmで円形に剥がし、アジレントテクノロジー社製インピーダンスアナライザー4294AとD電極とを用い1MHzでの物性(比誘電率及び誘電正接)を測定した。
比誘電率は39.3であり、誘電正接は0.062であり、上記実施例と同様に良好な結果が示された。
また、本実施例のプロセスは、イソプロパノールを溶媒としたときに必要とされる濾過が不要であるため、工程の簡略化が図れ、生産性に優れることが確認できた。
なお、メチルエチルケトンの代わりにアセトンを溶媒として絶縁化超微粉末の作製を行なったが、テトラプロピルオキシチタネート添加と同時に溶媒中に白濁が生じ、後に沈殿物となり十分な絶縁皮膜を形成する事ができなかった。
実施例1において、絶縁化超微粉末の走査型電子顕微鏡(30万倍)写真である。

Claims (7)

  1. 熱硬化性樹脂及び絶縁化超微粉末を含有してなる樹脂組成物を基材に含浸し、乾燥してなり、
    前記絶縁化超微粉末が、導電性超微粉末に絶縁皮膜が設けられてなり、
    前記導電性超微粉末が、短径1〜100nmの球状、長球状もしくは針状の導電性超微粉末であり、
    前記絶縁皮膜が、絶縁性金属酸化物又はその水和物からなり、その平均厚さが1〜100nmであるプリプレグ。
  2. 前記絶縁化超微粉末と前記熱硬化性樹脂との体積比(絶縁化超微粉末/熱硬化性樹脂)が、5/95〜50/50である請求項1に記載のプリプレグ。
  3. 請求項1又は2に記載のプリプレグを硬化してなる層を有する積層板。
  4. 少なくとも一方の面に金属箔が設けられてなる請求項3に記載の積層板。
  5. 請求項1又は2に記載のプリプレグを硬化してなる層を有するプリント配線板。
  6. 下記の順次工程:
    (1)アセトンを除くケトン類を主成分とした溶媒中で、短径1〜100nmの球状、長球状もしくは針状の導電性超微粉末に、絶縁性金属酸化物又はその水和物からなる絶縁皮膜を形成して絶縁化超微粉末を作製して、当該絶縁化超微粉末を含有し、かつ熱硬化性樹脂を溶解してなるワニスを作製するワニス作製工程、
    (2)作製したワニスを基材に含浸し乾燥する含浸乾燥工程、
    を含むプリプレグの製造方法。
  7. 前記ワニス作製工程において、前記熱硬化性樹脂を、絶縁化超微粉末を作製した後に混合する請求項6に記載のプリプレグの製造方法。
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