JP2010155541A - 鉄道車両駆動ユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】小型で高減速比が得られると共に、潤滑性能を向上した、より信頼性の高い鉄道車両駆動ユニットを提供することである。
【解決手段】鉄道車両駆動ユニット12は、車輪11の内径面に保持される減速機ハウジング13と、入力側回転部材14と、減速機構15と、第1および第2のキャリア24,25とを備える。減速機構15は、曲線板17,18と、内ピン19,20と、外ピン21とを含む。曲線板17,18は、径方向に延びる油路を有する。
【選択図】図1

Description

この発明は、鉄道車両駆動ユニット、特に左右の車輪を独立して駆動可能な鉄道車両駆動ユニットに関するものである。
従来の鉄道車両駆動ユニットは、例えば、特開2007−230508号公報(特許文献1)に開示されている。同公報に開示されている鉄道車両駆動ユニットは、モータと、モータの回転を減速して車輪に伝達する減速機とを備える。
この鉄道車両駆動ユニットには、鉄道車両の運行に必要なトルクを発生させると共に、広い客室スペースを得るために、小型で高減速比が得られるサイクロイド減速機が採用されている。具体的には、モータと一体回転する入力軸と、入力軸に設けられた偏心部に回転自在に支持される曲線板と、曲線板の外周に係合して曲線板に自転運動を生じさせる外ピンと、曲線板の自転運動を回転運動に変換して車輪に伝達する内ピンとで構成される。
特開2007−230508号公報
鉄道車両の車輪には、鉄道車両本体の自重によるラジアル荷重と、旋回時の遠心力によるアキシアル荷重とが負荷される。ここで、上記構成の鉄道車両駆動ユニットは、車輪の荷重作用点が減速機から大きく離れているので、車輪から減速機に大きなモーメント荷重が負荷される。これは、減速機のスムーズな回転を阻害すると共に、鉄道車両駆動ユニットの耐久性を低下させる原因となる。
また、上記構成の減速機は、各構成部品が相互に接触しながら回転するので、接触部分を潤滑する潤滑油が必要になる。
そこで、この発明の目的は、小型で高減速比が得られると共に、潤滑性能を向上した、より信頼性の高い鉄道車両駆動ユニットを提供することである。
この発明に係る鉄道車両駆動ユニットは、鉄道車両の車輪を回転駆動する駆動ユニットである。そして、車輪の内径面に保持されて、車輪と一体回転する減速機ハウジングと、偏心部を有し、駆動源に接続されている入力側回転部材と、入力側回転部材の回転を減速して減速機ハウジングに伝達する減速機構と、減速機ハウジングの内部に配置され、車両本体に固定連結される固定部材とを備える。減速機構は、偏心部に相対回転自在に保持されて、入力側回転部材の回転軸心を中心とする公転運動を行う公転部材と、公転部材の公転運動を許容しつつ、自転運動を阻止する自転規制部材と、減速機ハウジングに固定され、公転部材の外周に係合して減速機ハウジングを入力側回転部材に対して減速回転させる外周係合部材とを含む。公転部材は、径方向に延びる油路を有する。
このように、サイクロイド減速機を採用することにより、小型で高減速比を得ることができる。また、車輪を減速機ハウジングの外径面に嵌合固定したので、車輪の荷重作用点を適切な位置に配置することができる。その結果、信頼性の高い鉄道車両駆動ユニットを得ることができる。また、公転部材は油路を有するため、油路を通じて、鉄道車両駆動ユニットを構成する各部へ容易に潤滑油を供給することができる。その結果、潤滑性能を向上させることができる。
好ましくは、自転規制部材は、入力側回転部材の回転軸心を中心とする円周上の固定位置で固定部材に保持される複数の内ピンであり、公転部材は、内ピンの外径より所定分だけ径が大きく内ピンを受入れる複数の孔を有しており、油路は、孔を通過するように設けられている。こうすることにより、公転部材と内ピンとの接触部分に積極的に潤滑油を供給することができる。
さらに好ましくは、公転部材は、外周にトロコイド曲線で構成される複数の波形を有し、油路の径方向外側の端部は、波形の谷部分に位置する。こうすることにより、公転部材と外周係合部材との係合時に破損等するのを防止することができる。
さらに好ましくは、公転部材は、油路の途中に潤滑油を一時的に保持する潤滑油保持空間をさらに有する。こうすることにより、十分な量の潤滑油が供給されている時には公転部材内に潤滑油を保持しておき、潤滑油の供給量が低下した時には、潤滑油保持空間に保持されている潤滑油を油路に放出することができる。その結果、より安定して潤滑油を供給することができる。
さらに好ましくは、油路の径方向内側端部の開口部の直径と、径方向外側端部の開口部の直径とは、異なる大きさである。こうすることにより、潤滑油の供給される方向に合わせて、開口部を大きくすることができ、油路に容易に潤滑油を流入させることができる。
一実施形態として、駆動ユニットは、入力側回転部材の内部を軸方向に延びる軸心油路と、軸心油路から入力側回転部材の外径面に向かって延びる潤滑油供給口と、固定部材に設けられた潤滑油排出口と、潤滑油排出口および軸心油路を接続し、潤滑油排出口から排出された潤滑油を軸心油路に還流する循環油路とをさらに備える。こうすることにより、入力側回転部材から潤滑油を供給して、回転時の遠心力に伴う入力側回転部材周辺の潤滑油量不足を解消することができ、より潤滑性能を向上させることができる。
他の実施形態として、減速機ハウジングは、その内部に潤滑油の封入された空間を有し、減速機構は、少なくともその一部が潤滑油に浸かった状態で空間内に配置されている。
この発明によると、鉄道車両駆動ユニットは、サイクロイド減速機を採用することにより、小型で高減速比を得ることができる。また、車輪を減速機ハウジングの外径面に嵌合固定したので、車輪の荷重作用点を適切な位置に配置することができる。その結果、信頼性の高い鉄道車両駆動ユニットを得ることができる。また、公転部材は油路を有するため、油路を通じて、鉄道車両駆動ユニットを構成する各部へ容易に潤滑油を供給することができる。その結果、潤滑性能を向上させることができる。
図1〜図5を参照して、第1実施形態として、この発明の一実施形態に係る鉄道車両駆動ユニット12および鉄道車両駆動ユニット12を含む鉄道車両用車輪駆動装置10を説明する。なお、図1は鉄道車両用車輪駆動装置10の概略断面図、図2は図1のII−IIにおける断面図、図3は偏心部16a,16b周辺の拡大図、図4は内ピン19の拡大図、図5は内ピン20の拡大図である。
まず、図1を参照して、鉄道車両用車輪駆動装置10は、鉄道車両用車輪11(以下「車輪11」という)と、車輪11の内径面に保持されて、駆動源(図示省略)の回転を減速して車輪11に伝達する駆動ユニット12(以下「鉄道車両駆動ユニット12」という)とで構成されており、鉄道車両本体(図示省略)の下部に配置されている。
鉄道車両駆動ユニット12は、減速機ハウジング13と、入力側回転部材14と、減速機構15と、固定部材としての第1および第2のキャリア24,25と、第1および第2の車軸軸受26,27と、鉄道車両駆動ユニット12内で潤滑油を潤滑させる潤滑油循環機構とを主に備える。
減速機ハウジング13は、車輪11の内径面に保持されると共に、内部に減速機構15を保持している。なお、減速機構15とは、偏心部材16、公転部材としての曲線板17,18、自転規制部材としての複数の内ピン19,20、外周係合部材としての複数の外ピン21、およびこれらに付随する部材によって構成されており、入力側回転部材14の回転を減速して減速機ハウジング13に伝達する。
また、減速機ハウジング13の内径面と第1および第2のキャリア24,25の外径面との間には第1および第2の車軸軸受26,27が配置されている。そして、減速機ハウジング13は、第1および第2のキャリア24,25に対して回転自在となっており、車輪11と一体回転する出力側回転部材(車軸)としても機能する。
第1の車軸軸受26は、第1のキャリア24の外径面に固定される内輪26aと、減速機ハウジング13の内径面に固定される外輪26bと、内輪26aおよび外輪26bの間に配置される複数の円すいころ26cと、隣接する円すいころ26cの間隔を保持する保持器26dとを含む円すいころ軸受である。第2の転がり軸受27も同様の構成であるので、説明は省略する。第1および第2の車軸軸受26,27として高負荷容量の円すいころ軸受を採用することにより、車輪11に作用するラジアル荷重およびアキシアル荷重を適切に支持することができる。
また、第1の車軸軸受26は車輪11の嵌合位置(より具体的には「車輪11の嵌合幅中心」であって、図1中一点鎖線lで示す位置を指す)の軸方向一方側(図1中の右側)で、第2の車軸軸受27は車輪11の嵌合位置の軸方向他方側(図2中の左側)でそれぞれ減速機ハウジング13を第1および第2のキャリア24,25に対して回転自在に支持している。この実施形態においては、第1および第2の車軸軸受26,27それぞれの車輪11の嵌合幅中心からの距離(オフセット)は、等しく設定されている。
さらに、第1および第2の車軸軸受26,27は、互いの小径側端部を向かい合わせて配置されている(背面組合せ)。これにより、車輪11に作用するモーメント荷重を適切に支持することができる。
また、減速機ハウジング13の軸方向両端部には、減速機ハウジング13の内部に潤滑油を封入するための密封部材28,29が設けられている。この密封部材28,29は、第1および第2のキャリア24,25の外径面に摺接するリップ部を有し、減速機ハウジング13の内径面に固定されて、減速機ハウジング13と一体回転する。
入力側回転部材14は、駆動源(例えば、モータ等)に接続されて、駆動源の回転に伴って回転する。また、曲線板17,18の両側で転がり軸受30a,30bによって両持ち支持されており、第1および第2のキャリア24,25に対して回転自在に保持されている。なお、この実施形態においては、転がり軸受30a,30bとして円筒ころ軸受を採用している。また、転がり軸受30aのさらに外側(図1中の右側)は、減速機ハウジング13の内部に潤滑油を封入する密封部材31が配置されている。
偏心部材16は、第1および第2の偏心部16a,16bを有し、入力側回転部材14に嵌合固定されている。第1および第2の偏心部16a,16bは、偏心運動による遠心力を互いに打ち消しあう位相、つまり180°位相を変えて配置されている。すなわち、第1および第2の偏心部16a,16bは、偏心運動によって生じる不均一な荷重を吸収するバランス調整機構としても機能する。
曲線板17は、転がり軸受32によって第1の偏心部16aに相対回転自在に保持されている。そして、入力側回転部材14の回転軸心を中心とする公転運動を行う。また、図2を参照して、曲線板17は、厚み方向に貫通する第1および第2の貫通孔17a,17bと、外周にエピトロコイド等のトロコイド系曲線で構成される複数の波形17cと、内部を径方向に延びる油路17dと、油路17dの途中に潤滑油を一時的に保持する潤滑油保持空間17eとを有する。
第1の貫通孔17aは、曲線板17の中央部に形成されており、第1の偏心部16aおよび転がり軸受32を受け入れる。第2の貫通孔17bは、曲線板17の自転軸心を中心とする円周上に等間隔に複数個設けられており、第1および第2のキャリア24,25に保持される内ピン19,20を受入れる。波形17cは、減速機ハウジング13に保持される外ピン21に係合して、曲線板17の回転を減速機ハウジング13に伝達する。なお、曲線板18も同様の構成であって、転がり軸受33によって第2の偏心部16bに回転自在に保持されている。また、曲線板17は第1の公転部材であり、曲線板18は第2の公転部材である。
油路17dは、第1の貫通孔17aから曲線板17の外周面に向かって延びている。なお、油路17dの位置は特に限定されないが、図2に示すように、第2の貫通孔17bを通過するように設けるのが望ましい。これにより、曲線板17と内ピン19,20との接触部分に積極的に潤滑油を供給することができる。また、油路17dの径方向外側の端部は、波形17cの谷部分に形成するのが望ましい。曲線板17と外ピン21との係合時に破損等するのを防止するためである。
また、油路17dは、円周方向に等間隔に複数設けられている。これにより、供給する潤滑油の量を多くすることができる。また、油路17dは、径方向に真っ直ぐに延びる形状である。これにより、潤滑油を径方向に容易に供給することができる。また、油路17dの径方向内側端部の開口部の直径と、径方向外側端部の開口部の直径とは、異なる大きさである。具体的には、油路17dの径方向内側端部の開口部の直径は、径方向外側端部の開口部の直径より大きく設けられている。
また、油路17dから分岐する潤滑油保持空間17eを設けることにより、十分な量の潤滑油が供給されている時には曲線板17内に潤滑油を保持しておき、潤滑油の供給量が低下した時には潤滑油保持空間17eに保持されている潤滑油を油路17dに放出することができる。これにより、より安定して潤滑油を供給することができる。
また、潤滑油保持空間17eは、第1の貫通孔17aと第2の貫通孔17bとの間の領域に位置する。また、潤滑油保持空間17eは、円周方向に延びる形状であって、円周方向に等間隔に複数設けられている油路17dと油路17dとを結ぶように設けられている。これにより、保持する潤滑油の量を多くすることができる。また、一つの通路17dから流入した多量の潤滑油を他の複数の油路17dを通じて、円周方向に均等に供給することができる。
また、曲線板17を焼結金属等の多孔質部材で形成してもよい。この場合、潤滑油保持空間17eを設けなくとも、多孔質部材の空孔によって、曲線板17が潤滑油を保持することができる。したがって、十分な量の潤滑油が供給されている時には曲線板17に潤滑油が染み込んで保持することができ、潤滑油の供給量が低下した時には曲線板17に保持されている潤滑油が徐々に染み出すので、長期間に亘って安定して潤滑油を供給することができる。
また、曲線板17において、他の構成部品と当接する部分、具体的には、転がり軸受32と当接する第1の貫通孔17aの内壁面、内ピン19,20と当接する第2の貫通孔17bの内壁面、および外ピン21と当接する曲線板17の外周面等に、HL(High Lubrication)処理を施してもよい。なお、HL処理とは、表面に、ランダムに無数の微小凹形状のくぼみを設ける処理である。これにより、くぼみによって潤滑油を保持することができ、当接部分の油膜切れを適切に防止することができる。
転がり軸受32は、偏心部16aの外径面に嵌合し、その外径面に内側軌道面を有する内輪部材32aと、曲線板17の貫通孔17aの内径面に直接形成された外側軌道面と、内側軌道面および外側軌道面の間に配置される複数の円筒ころ32bと、隣接する円筒ころ32bの間隔を保持する保持器32cとを備える円筒ころ軸受である。転がり軸受33も同様の構成であるので、説明は省略する。
なお、2枚の曲線板17,18の中心点をGとすると、中心点Gは車輪11の中心位置と一致させているが、車輪11から鉄道車両駆動ユニット12に負荷されるモーメント荷重を極小化させるためには、中心点Gと車輪中心位置とをオフセットさせたほうがよい。これにより、構成部品(「曲線板17,18、内ピン19,20、および外ピン21等」を指す)が傾いて、接触部分に過大な負荷が生じるのを防止することができる。その結果、鉄道車両駆動ユニット12の回転がスムーズになると共に、耐久性が向上する。
また、2つ曲線板17,18の間には、複数の内ピン19,20に外接する外接リング36が配置されている。これにより、曲線板17,18の軸方向の動き量を規制している。なお、曲線板17,18と外接リング36とは滑り接触するので、互いに接触する壁面に研削加工を施す等するのが望ましい。また、この外接リング36の機能は、複数の内ピン19,20に内接する内接リング、または複数の外ピン21に内接する内接リングでも代替することができる。
内ピン19,20は、入力側回転部材14の回転軸心を中心とする円周軌道上に等間隔に複数個設けられている。また、曲線板17,18の第2の貫通孔17b,18bの内壁面に当接する位置(両持ち内ピン19では、大径部19aの位置)には、内ピン軸受19e,20eが取り付けられている。内ピン軸受19e,20eは、曲線板17,18の両方に当接する位置に延在するように設けられている。これにより、曲線板17,18と内ピン19,20との摩擦抵抗を低減することができる。なお、この実施形態における内ピン軸受19e,20eは、滑り軸受である。
なお、内ピン軸受19e,20eを焼結金属等の多孔質部材で形成してもよい。これにより、多孔質部材の空孔によって、内ピン軸受19e,20eが潤滑油を保持することができる。そして、徐々に保持した潤滑油が染み出すので、曲線板17,18と内ピン軸受19e,20eとの当接部分や内ピン軸受19e,20eと内ピン19,20との間に、長期間に亘って安定して潤滑油を供給することができる。
図4を参照して、内ピン19は、軸方向中央部に大径部19aと、軸方向両端部に大径部19aより直径が小さい第1および第2の小径部19b,19cと、大径部19aと第1および第2の小径部19b,19cの間に案内部19dとを含む。第1および第2の小径部19b,19cの外周面には、それぞれ雄ねじが形成されている。案内部19dの外径は、両持ち内ピン19を受け入れる孔24a,25aの内径と一致するように設定されており、第1および第2のキャリア24,25に対して内ピン19の径方向の位置決めをするために用いられる。
この内ピン19は、第1および第2のキャリア24,25に両持ち支持される両持ち内ピンである。より具体的には、第1の小径部19bは、第1のキャリア24に直接固定されており、第2の小径部19cは、押圧固定手段(後述する)によって第2のキャリア25を大径部19aの端面に押し付けて固定されている。
図5を参照して、内ピン20は、長手方向全域で直径が同一の単純円柱形状であって、軸方向一方側端部のみを第1のキャリア24に片持ち支持されている片持ち内ピンである。
また、片持ち内ピン20には、その内部に潤滑油保持空間20aと、潤滑油保持空間20aから径方向に延びる貫通孔20bとが設けられている。同様に、内ピン軸受20eにも、径方向に貫通する貫通孔20fが設けられている。なお、貫通孔20b,20fの位置は特に限定されないが、図1に示すように、曲線板17,18の間の空間に対面する位置に設けるのが望ましい。
潤滑油保持空間20aは、内ピン20の軸方向一方側端面から軸方向に凹む形状である。潤滑油保持空間20aには潤滑油が保持されており、主に、内ピン20と内ピン軸受20eとの間、および内ピン軸受20eと曲線板17,18との接触部分に潤滑油を供給する。具体的には、十分な量の潤滑油が供給されている時には潤滑油保持空間20a内に潤滑油を保持しておき、潤滑油の供給量が低下したときには潤滑油保持空間20aに保持されている潤滑油を貫通孔20b,20fを通じて放出する。これにより、より安定して潤滑油を供給することができる。
さらに、潤滑油保持空間20aに潤滑油を含浸した多孔質部材(図示省略)を格納してもよい。これにより、貫通孔20b,20fを通じて徐々に潤滑油が染み出すので、長期間に亘って安定して潤滑油を供給することができる。なお、多孔質部材としては、焼結金属や発泡グリース等が挙げられる。
内ピン20に設けられている貫通孔20bと、内ピン軸受20eに設けられている貫通孔20fとは、連続するように設けられており、径方向に真っ直ぐに延びる形状である。これにより、潤滑油を径方向に容易に供給することができる。
なお、上記の実施形態においては、片持ち内ピン20にのみ潤滑油保持空間20aおよび貫通孔20bを設け、内ピン軸受20eにのみ貫通孔20fを設けた例を示したが、両持ち内ピン19および内ピン軸受19eも同様の構成とすることができる。また、内ピン19,20だけに留まらず、外ピン21および外ピン軸受21aをも同様の構成とすることができる。
なお、第2の貫通孔17b,18bの直径は、内ピン19,20の直径(「内ピン軸受19e,20eを含む最大外径」を指す)と比較して所定分だけ大きく設定されている。その結果、内ピン19は、曲線板17,18が入力側回転部材14の回転に伴って回転しようとする際に、曲線板17,18の公転運動を許容しつつ、自転運動を阻止する自転規制部材として機能する。
外ピン21は、入力側回転部材14の回転軸心を中心とする円周軌道上に等間隔に複数個設けられている。この外ピン21は、その中央部が減速機ハウジング13に保持されると共に、両端部が車軸軸受26,27に当接して固定されている。そして、外ピン21は、曲線板17,18の波形17c,18cに係合して、減速機ハウジング13を入力側回転部材14に対して減速回転させる。
さらに、曲線板17,18の波形17c,18cに当接する位置には、外ピン軸受21aが取り付けられている。これにより、曲線板17,18と外ピン21との摩擦抵抗を低減することができる。なお、この実施形態に係る外ピン軸受21aは、滑り軸受である。また、外ピン軸受21aを焼結金属等の多孔質部材で形成してもよい。
カウンタウェイト22は、重心と異なる位置に入力側回転部材14を受け入れる貫通孔を有し、偏心部16aの偏心運動による不釣合い慣性偶力を打消す位相、つまり偏心部16aと180°位相を変えて入力側回転部材14に嵌合固定されている。つまり、カウンタウェイト22は、偏心部16aの偏心運動によって生じる不均一な荷重を吸収するバランス調整機構として機能する。なお、カウンタウェイト23も同様の構成であって、偏心部16bの偏心運動による不釣合い慣性偶力を打ち消す位相で入力側回転部材14に嵌合固定されている。
図3を参照して、2枚の曲線板17,18の中心点Gの右側について、中心点Gと曲線板17の中心との距離をL、曲線板17、転がり軸受32、および偏心部16aの質量の和をm、曲線板17の重心の回転軸心からの偏心量をεとし、中心点Gとカウンタウェイト22との距離をL、カウンタウェイト22の質量をm、カウンタウェイト22の重心の回転軸心からの偏心量をεとすると、L×m×ε=L×m×εを満たす関係となっている。また、図3の中心点Gの左側の曲線板18とカウンタウェイト23との間にも同様の関係が成立する。
第1および第2のキャリア24,25は、鉄道車両本体に連結固定されており、曲線板17,18に対面する壁面に内ピン19,20を保持すると共に、外径面に嵌合固定された第1および第2の車軸軸受26,27によって減速機ハウジング13を、内径面に嵌合固定された転がり軸受30a,30bによって入力側回転部材14をそれぞれ回転自在に支持している。
第1のキャリア24は、両持ち内ピン19の第1の小径部19bを受け入れる孔24aと、片持ち内ピン20の軸方向一方側端部を受け入れる孔24bとを有する。なお、孔24aは、内壁面に雌ねじが形成されているねじ穴である。一方、孔24bは、単純孔(ねじが形成されていない孔)である。
第2のキャリア25は、両持ち内ピン19の第2の小径部19cを受け入れる貫通孔25aと、片持ち内ピン20の軸方向他方側端部を受け入れる孔25bとを有する。なお、貫通孔25aの直径は第2の小径部19cより、孔25bの直径は片持ち内ピン20のよりそれぞれ大きく設定されている。
ここで、内ピン19,20を第1および第2のキャリア24,25に取り付ける方法を説明する。まず、内ピン19,20を第1のキャリア24に固定する。具体的には、両持ち内ピン19の第1の小径部19bを孔24aに螺合固定すると共に、片持ち内ピン20の軸方向一方側端部を孔24bに圧入固定する。
なお、内ピン19,20と第1のキャリア24との固定方法は、上記の例に限ることなく、例えば、両持ち内ピン19の一方側端部を孔24aに圧入し、片持ち内ピン20の一方側端部と孔24bとにねじを形成して両者を螺合してもよい。
次に、内ピン19,20それぞれに内ピン軸受19e,20eを嵌め入れる。
そして、両持ち内ピン19の第2の小径部19cが貫通孔25aに、片持ち内ピン20の軸方向他方側端部が孔25bにそれぞれ嵌まり込むように第2のキャリア25を嵌め入れる。このとき、内ピン19,20と貫通孔25a,25bとの間には隙間が設けられているので、ある程度の製造誤差や取付け誤差を許容することができる。
最後に、両持ち内ピン19を押圧固定手段によって固定する。この実施形態における押圧固定手段は、第2の小径部19cに設けられた雄ねじと、これに螺合するナット37とで構成される。つまり、第2の小径部19cにナット37を螺合すると、第2のキャリア25が大径部19aに押し付けられるので、両持ち内ピン19が第1および第2のキャリア24,25に対して強固に固定される。
このとき、案内部19dによって、両持ち内ピン19が径方向に位置決めされる。なお、図4に示す案内部19dは円柱形状であるが、これに限らず、任意の形状を採用することができる。例えば、案内部を両持ち内ピン19の端部に向かって直径が徐々に小さくなる円錐形状とし、孔24a,25aの両持ち内ピン19対面する側の開口部も案内部の形状に対応する円錐面とすれば、さらに簡単に位置決めを行うことができる。
上記のようにすることで、鉄道車両駆動ユニット12の組立性が向上する。なお、組立性向上および部品点数の削減等の観点からは、両持ち内ピン19を片持ち内ピン20よりも少なくするのが望ましい。ただし、内ピン19,20には曲線板17,18から荷重が負荷されるので、両持ち内ピン19および片持ち内ピン20は、それぞれ等間隔に配置するのが望ましい。
潤滑油循環機構は、入力側回転部材14の内部を軸方向に延びる軸心油路14aと、軸心油路14aから入力側回転部材14の外径面に向かって延びる潤滑油供給口14bと、第2のキャリア25に設けられた潤滑油排出口25cと、潤滑油排出口25cおよび軸心油路14aを接続し、潤滑油排出口25cから排出された潤滑油を軸心油路14aに還流する循環油路34と、潤滑油排出口25cから排出された潤滑油を一時的に貯留する潤滑油貯留部35とを主に備える。
なお、この実施形態における潤滑油供給口14bは、偏心部材16を保持する位置に設けられている。また、偏心部材16および転がり軸受32,33の内輪32a,33aには、潤滑油供給口14bに連通する貫通孔16c,32d,33dが設けられており、潤滑油は、これらを通って鉄道車両駆動ユニット12内に供給される。
また、この実施形態における潤滑油排出口25cは、第2の車軸軸受27と密封部材29との間から第2のキャリア25の内部を通って、鉄道車両駆動ユニット12の外部へ潤滑油を排出する。
さらに、この実施形態における潤滑油貯留部35は、鉄道車両駆動ユニット12の外部に配置した例を示したが、これに限ることなく、例えば、第2のキャリア25の内部に配置してもよい。また、この潤滑油貯留部35に貯留される潤滑油を濾過する濾過装置(図示省略)を取り付けてもよい。
ここで、上記構成の鉄道車両駆動ユニット12の作動原理を詳しく説明する。
まず、駆動源の回転に伴って入力側回転部材14および偏心部材16が一体回転する。このとき、曲線板17,18も回転しようとするが、第2の貫通孔17b,18bに挿通する内ピン19,20に自転運動を阻止され、公転運動のみを行うことになる。つまり、曲線板17,18は、入力側回転部材14の回転軸心を中心とする円周軌道上を平行移動する。
曲線板17,18が公転運動すると、波形17c,18cと外ピン21とが係合し、減速機ハウジング13および車輪11が入力側回転部材14と同一方向に一体回転する。このとき、曲線板17,18から減速機ハウジング13に伝達される回転は減速され、高トルクになっている。
具体的には、外ピン21の数をZ、曲線板17,18の波形17c,18cの数をZとすると、鉄道車両駆動ユニット12の減速比はZ/(Z−Z)で算出され、さらに減速比をnとすると、図1の実施形態における速度比は1/(n+1)で算出される。図2に示す実施形態では、Z=24、Z=22であるので、減速比は11となり、速度比は1/12となる。したがって、低トルク、高回転型の駆動源を採用した場合でも、車輪11に必要なトルクを伝達することが可能となる。
このように、鉄道車両駆動ユニット12は、車輪11を減速機ハウジング13の外径面に嵌合固定したので、車輪11の中心を適切な位置に配置することができる。その結果、信頼性の高い鉄道車両駆動ユニット12を得ることができる。
また、多段構成とすることなく大きな減速比を得ることができる減速機構15を採用することにより、コンパクトで高減速比の鉄道車両駆動ユニット12を得ることができる。また、内ピン19,20および外ピン21の曲線板17,18に当接する位置に内ピン軸受19e,20eおよび外ピン軸受21aを設けたことにより、接触部分の摩擦抵抗が低減される。その結果、鉄道車両駆動ユニット12の伝達効率が向上する。
次に、上記構成の鉄道車両駆動ユニット12の潤滑油の流れを詳しく説明する。まず、軸心油路14aを流れる潤滑油は、入力側回転部材14の回転に伴う遠心力によって潤滑油供給口14bから流出する。
鉄道車両駆動ユニット12内部の潤滑油にはさらに遠心力が作用するので、潤滑油供給口14bから流出した潤滑油は、転がり軸受33,32の内側軌道面や、円筒ころ32b,33bや、外側軌道面等を潤滑する。そして、曲線板17,18の油路17d,18dに流入したり、曲線板17,18の表面等を伝いながら、遠心力によって径方向外側に移動する。このとき、油路17d,18dに流入した潤滑油の一部は、潤滑油保持空間17e,18eに保持される。そして、第2の貫通孔17b,18bの位置まで到達すると、曲線板17,18と内ピン軸受19e,20eとの当接部分を潤滑する。また、内ピン軸受20eに設けられている貫通孔20fに流入して、内ピン軸受20eと内ピン20との間を潤滑する。このとき、潤滑油の一部は、内ピン20に設けられている貫通孔20bに流入して、潤滑油保持空間20aに保持される。そしてさらに、遠心力によって径方向外側に移動し、曲線板17,18の外周面の位置まで到達すると、曲線板17,18と外ピン軸受21aとの当接部分や、第1および第2の車軸軸受26,27等を潤滑する。
そして、車軸軸受26,27と密封部材28,29との間の空間に到達した潤滑油は、潤滑油排出口25cから鉄道車両駆動ユニット12の外部へ排出され、潤滑油貯留部35に一時的に貯留された後に循環油路34を経由して軸心油路14aに還流する。
このように、鉄道車両駆動ユニット12は、曲線板17,18に油路17d,18dを設けたので、油路17d,18dを通じて、曲線板17,18と内ピン軸受19e,20eとの当接部分等の各部へ容易に潤滑油を供給することができる。また、油路17d,18dの径方向内側端部の開口部の直径は、径方向外側端部の開口部の直径より大きく設けられているため、油路17d,18dに容易に潤滑油を流入させることができる。
また、内ピン軸受20eに貫通孔20fを設けたので、貫通孔20fを通じて、内ピン軸受20eと内ピン20との間等の各部へ容易に潤滑油を供給することができる。
また、内ピン20に貫通孔20bと潤滑油保持空間20aとを設けたので、十分な量の潤滑油が供給されている時には貫通孔20bを通じて潤滑油保持空間20aに潤滑油を保持しておき、潤滑油の供給量が低下した時には、潤滑油保持空間20aに保持されている潤滑油を貫通孔20bを通じて放出することができる。
また、潤滑油循環機構を設けて、入力側回転部材14から鉄道車両駆動ユニット12内に潤滑油を供給することにより、回転時の遠心力に伴う入力側回転部材14周辺の潤滑油量不足を解消することができる。また、潤滑油排出口25cから潤滑油を排出することによって、攪拌抵抗を抑えて鉄道車両駆動ユニット12のトルク損失を低減することができる。
また、高速回転時においては、排出しきれない潤滑油を一時的に潤滑油貯留部35に貯留しておくことができる。その結果、鉄道車両駆動ユニット12のトルク損失の増加を防止することができる。一方、低速回転時においては、遠心力が小さくなって潤滑油排出口25cに到達する潤滑油量が少なくなっても、潤滑油貯留部35に貯留されている潤滑油を軸心油路14aに還流することができる。その結果、鉄道車両駆動ユニット12に安定して潤滑油を供給することができる。
さらに、潤滑油貯留部35に濾過装置を設ければ、鉄道車両駆動ユニット12から排出される潤滑油から摩耗粉等の異物を取り除いて循環させることができるので、長期間に亘って高い潤滑性能を維持することが可能となる。
なお、上記の実施形態においては、油路17dは、径方向に真っ直ぐに延びる形状である例について説明したが、これに限ることなく、例えば、曲線状であってもよいし、径方向に傾斜する形状であってもよい。
また、上記の実施形態においては、油路17dは、円周方向に等間隔に複数設けられている例について説明したが、これに限ることなく、一箇所設けられていてもよいし、円周方向に所定の間隔を空けて複数設けられていてもよい。
また、上記の実施形態においては、潤滑油保持空間17eは、第1の貫通孔17aと第2の貫通孔17bとの間の領域に位置する例について説明したが、これに限ることなく、第2の貫通孔17bと曲線板17の外周面との間の領域に位置してもよい。
また、上記の実施形態においては、内ピン20に設けられている貫通孔20bと、内ピン軸受20eに設けられている貫通孔20fとは、径方向に真っ直ぐに延びる形状である例について説明したが、これに限ることなく、曲線状であってもよいし、径方向に傾斜する方向に延びる形状であってもよい。
また、上記の実施形態においては、片持ち内ピン20に潤滑油保持空間20aおよび貫通孔20bを設け、内ピン軸受20eに貫通孔20fを設ける例について説明したが、これに限ることなく、片持ち内ピン20および両持ち内ピン19の全ての内ピン19,20に潤滑油保持空間および貫通孔を設け、全ての内ピン軸受19e,20eに貫通孔を設けてもよい。また、円周方向に交互に設ける等、選択的に設けてもよい。
なお、後述する第2および第3の実施形態のように、底部領域から上部領域に潤滑油を運ぶ場合には、上部領域に位置する内ピン19,20に潤滑油保持空間および貫通孔を設け、上部領域に位置する内ピン軸受19e,20eに貫通孔を設けることが好ましい。上部領域では底部領域に比べると、重力によって潤滑油が下方向に移動してしまうことから、潤滑油量不足が発生しやすくなる。しかし、上部領域に位置する内ピン19,20に潤滑油保持空間および貫通孔を設け、上部領域に位置する内ピン軸受19e,20eに貫通孔を設けることにより、上部領域で放出された潤滑油を貫通孔から容易に流入させると共に、潤滑油保持空間に保持することができる。その結果、潤滑油量不足を解消することができる。
また、上記の実施形態においては、減速機構15の曲線板17,18を180°位相を変えて2枚設けたが、この曲線板の枚数は任意に設定することができ、例えば、曲線板を3枚設ける場合は、120°位相を変えて設けるとよい。
また、上記の実施形態において、偏心部16a,16bを有する偏心部材16を入力側回転部材14に嵌合固定した例を示したが、これに限ることなく、入力側回転部材14の外径面に直接偏心部16a,16bを形成してもよい。
次に、第2実施形態として、この発明の他の実施形態係る鉄道車両駆動ユニット12aおよび鉄道車両駆動ユニット12aを含む鉄道車両用車輪駆動装置10aを説明する。なお、以下に示す図において、同一の構成要素には同一の参照番号を付し、説明は省略する。図6は鉄道車両用車輪駆動装置10aの概略断面図、図7は図6のVII−VIIにおける断面図、図8は内ピン20の拡大図である。図9〜11は潤滑油移送機構としてのポンプを示す図、図12は潤滑油移送機構を備えたバランスウェイト22を示す図である。
図6および図7を参照して、他の実施形態に係る鉄道車両駆動ユニット12aは、減速機ハウジング13と、入力側回転部材14と、減速機構15と、固定部材としての第1および第2のキャリア24,25と、第1および第2の車軸軸受26,27と、入力側回転部材14の回転を利用して潤滑油を移送する潤滑油移送機構とを主に備える。
減速機ハウジング13は、内部に潤滑油の封入された空間を有し、車輪11の内径面に保持されている。潤滑油の封入された空間とは、減速機ハウジング13、第1および第2のキャリア24,25、および密封部材28,29で囲まれた領域を指す。また、内部に減速機構15を保持している。
減速機構15は、偏心部材16、公転部材としての曲線板17,18、自転規制部材としての複数の内ピン19,20、外周係合部材としての複数の外ピン21、およびこれらに付随する部材によって構成されており、入力側回転部材14の回転を減速して減速機ハウジング13に伝達する。
また、減速機構15は、少なくとも一部が潤滑油に浸かった状態で潤滑油の封入された空間内に配置されている。具体的には、減速機構15の停止時における油面高さが、図6の直線mの位置になるように潤滑油が封入されている。
曲線板17,18に設けられている油路17d,18dは、油路17d,18dの径方向内側端部の開口部の直径と、径方向外側端部の開口部の直径とが、異なる大きさである。具体的には、油路17d,18dの径方向外側端部の開口部の直径は、径方向内側端部の開口部の直径より大きく設けられている。
また、図8を参照して、内ピン20に設けられている貫通孔20bと、内ピン軸受20eに設けられている貫通孔20fとは、曲線板17,18の間の空間に対面する位置と、曲線板17,18と当接する位置とに設けられている。こうすることにより、曲線板17,18と内ピン軸受20eとの当接部分に積極的に潤滑油を供給することができる。また、この場合、曲線板17,18と当接する位置に設けられる貫通孔20b,20fは、曲線板17,18に設けられた油路17d,18dと対面する位置に設けることが好ましい。こうすることにより、油路17d,18dに流入した潤滑油を容易に貫通孔20b,20fに流入させることができる。
潤滑油移送機構は、入力側回転部材14の回転を利用して、上記した潤滑油の封入された空間の底部領域から上部領域に潤滑油を運ぶ。より具体的には、第1のキャリア24の内部に配置されるポンプ41と、ポンプ41から空間の底部領域に向かって延び、ポンプ41に潤滑油を供給する潤滑油供給路38と、ポンプ41から空間の上部領域に向かって延び、ポンプ41からの潤滑油を排出する潤滑油排出路39とを含む。
図9を参照して、ポンプ41は、外径面に歯形を有し、入力側回転部材14と一体回転する駆動歯車42と、内径面に駆動歯車42に噛合する歯形を有し、第1のキャリア24に回転自在に支持されて駆動歯車42の回転中心cから水平方向一方側にずれた点cを中心として回転する従動歯車43とを備えるサイクロイドポンプである。
上記構成のポンプ41は、入力側回転部材14が反時計回り(正回転)に回転したときに、空間の底部領域から潤滑油供給路38を通じて汲み上げた潤滑油を、潤滑油排出路39を通じて上部領域に排出することができる。
一方、このポンプ41は、入力側回転部材14が時計回り(逆回転)に回転したときには潤滑油を移送することができない。そこで、このポンプ41とは異なる位置に、入力側回転部材14が時計回りに回転したときに潤滑油を移送可能な第2のポンプを設けるのが望ましい。具体的には、ポンプ41と同じ構造で、c,cの位置関係を逆転させたポンプを設ければよい。
また、図10を参照して、他の実施形態に係るポンプ51は、外径面に歯形を有し、入力側回転部材14と一体回転する駆動歯車52と、外径面に駆動歯車52に噛合する歯形を有し、駆動歯車52の水平方向一方側に回転自在に配置される従動歯車53とで構成される。なお、この実施形態においては、従動歯車53は、第1のキャリア24に回転自在に取り付けられた回転軸24cに嵌合固定されている。
図9のポンプ41に代えて、上記構成のポンプ51を採用しても、入力側回転部材14が反時計回りに回転したときに潤滑油を移送することができる。また、ポンプ41と同じ構造で、駆動歯車52と従動歯車53との位置関係を逆転させた第2のポンプを設ければ、入力側回転部材14が時計回りに回転したときにも潤滑油を移送することが可能となる。
さらに、図11を参照して、さらに他の実施形態に係るポンプ61は、外径面に歯形を有し、入力側回転部材14と一体回転する駆動歯車62と、外径面に駆動歯車62に噛合する歯形を有し、駆動歯車62の水平方向一方側に回転自在に配置される第1従動歯車63と外径面に駆動歯車62に噛合する歯形を有し、駆動歯車62の水平方向他方側に回転自在に配置される第2従動歯車64とで構成される。なお、この実施形態においては、従動歯車63,64は、第1のキャリア24に回転自在に取り付けられた回転軸24c,24dに嵌合固定されている。
上記構成のポンプ61によれば、入力側回転部材14が反時計回りに回転したときに、駆動歯車62と第1従動歯車63とが潤滑油を移送する第1のポンプとして機能する。一方、入力側回転部材14が時計回りに回転したときに、駆動歯車62と第2従動歯車64とが潤滑油を移送する第2のポンプとして機能する。これにより、図9または図10に示すポンプ41,51を2箇所に配置する場合と比較して、ポンプを配置するスペースを小さくすることができる。
上記の各実施形態においては、潤滑油移送機構としてポンプを採用した例を示したが、これに限ることなく、入力側回転部材14の回転を利用して潤滑油を移送するあらゆる構成を採用することができる。例えば、図12に示すように、カウンタウェイト22に潤滑油移送機構を設けてもよい。カウンタウェイト23についても同様であるので、説明は省略する。
図12を参照して、カウンタウェイト22は、大径扇状部22aと、大径扇状部22aより半径が小さく、互いの弦を接するように大径扇状部22aに接続される小径扇状部22bとを含む。
また、大径扇状部22aには、その弦に開口部を有し、大径扇状部22aの内部を周方向に延びる周方向油路22cと、周方向油路22cから大径扇状部22aの外径面に向かって延びる径方向油路22dとが設けられている。さらに、バランスウェイト22の端面には、厚み方向に突出する複数のフィン22eが設けられている。
なお、鉄道車両駆動ユニット12aを構成するその他の要素については、上記した第1実施形態の鉄道車両駆動ユニット12と共通するので、説明は省略する。
ここで、他の実施形態に係る鉄道車両駆動ユニット12aの潤滑油の流れを詳しく説明する。まず、潤滑油は、減速機ハウジング13の内部の空間内、すなわち、減速機ハウジング13、第1および第2のキャリア24,25、および密封部材28,29で囲まれた領域内に封入されており、減速機構15の停止時における油面高さは、図6の直線mの位置である。
次に、入力側回転部材14が回転すると、潤滑油移送機構としてのポンプ41が、空間の底部領域から潤滑油供給路38を通じて汲み上げた潤滑油を、潤滑油排出路39を通じて上部領域に排出する。また、潤滑油移送機構としてのカウンタウェイト22は、回転しながら空間の底部領域と上部領域との間を移動する。このとき、底部領域で周方向油路22cおよび径方向油路22dに潤滑油を保持し、上部領域で潤滑油を放出すると共に、フィン22eによって潤滑油を掻き揚げる。これにより、空間の上部領域(図6の入力側回転部材14より上側の領域)に潤滑油を供給することができる。
潤滑油移送機構によって放出された潤滑油は、曲線板17,18の油路17d,18dに流入したり、曲線板17,18の表面等を伝いながら、重力によって下方向に移動する。そして、第2の貫通孔17b,18bの位置まで到達すると、上部領域に位置する構成部品、例えば、曲線板17,18と内ピン軸受19e,20eとの当接部分を潤滑する。また、内ピン軸受20eに設けられている貫通孔20fに流入して、内ピン軸受20eと内ピン20との間を潤滑する。このとき、潤滑油の一部は、内ピン20に設けられている貫通孔20bに流入して、潤滑油保持空間20aに保持される。
そして、第2の貫通孔17b,18bの位置から、重力によってさらに下方向に移動する。このとき、移動する潤滑油の一部は、潤滑油保持空間17e,18e保持される。そして、第1の貫通孔17a,18aの位置まで到達すると、転がり軸受33,32の外側軌道面や、円筒ころ32b,33bや、内側軌道面等を潤滑しながら、底部領域に戻される。
このように、潤滑油移送機構を上記構成とすることにより、減速機ハウジング13内の空間の上部領域にも積極的に潤滑油を供給することができるので、潤滑性能に優れた鉄道車両駆動ユニット12aを得ることができる。なお、上述した潤滑油移送機構(ポンプ41,51,61、カウンタウェイト22)を全て設ける必要はなく、少なくとも1つ設ければ、この発明の効果を得ることができる。
また、油路17d,18dの径方向外側端部の開口部の直径は、径方向内側端部の開口部の直径より大きく設けられているため、油路17d,18dに容易に潤滑油を流入させることができる。
次に、第3実施形態として、この発明のさらに他の実施形態に係る鉄道車両駆動ユニット12bおよび鉄道車両駆動ユニット12bを含む鉄道車両用車輪駆動装置10bを説明する。なお、以下に示す図において、同一の構成要素には同一の参照番号を付し、説明は省略する。図13は鉄道車両用車輪駆動装置10bの概略断面図、図14は図13のXIV−XIVにおける断面図、図15は第1の車軸軸受26を示す図、図16は密封部材28の正面図である。
図13および図14を参照して、さらに他の実施形態に係る鉄道車両駆動ユニット12bは、減速機ハウジング13と、入力側回転部材14と、減速機構15と、固定部材としての第1および第2のキャリア24,25と、第1および第2の車軸軸受26,27と、減速機ハウジング13の回転を利用して潤滑油を移送する潤滑油移送機構とを主に備える。
減速機ハウジング13は、内部に潤滑油の封入された空間を有し、車輪11の内径面に保持されている。潤滑油の封入された空間とは、減速機ハウジング13、第1および第2のキャリア24,25、および密封部材28,29で囲まれた領域を指す。また、内部に減速機構15を保持している。
減速機構15は、偏心部材16、公転部材としての曲線板17,18、自転規制部材としての複数の内ピン19,20、外周係合部材としての複数の外ピン21、およびこれらに付随する部材によって構成されており、入力側回転部材14の回転を減速して減速機ハウジング13に伝達する。
また、減速機構15は、少なくとも一部が潤滑油に浸かった状態で潤滑油の封入された空間内に配置されている。具体的には、減速機構15の停止時における油面高さが、図13の直線mの位置になるように潤滑油が封入されている。
曲線板17,18に設けられている油路17d,18dは、油路17d,18dの径方向内側端部の開口部の直径と、径方向外側端部の開口部の直径とは、同じ大きさである。ここで、油路17d,18dは、上記した第2実施形態のように、油路17d,18dの径方向外側端部の開口部の直径は、径方向内側端部の開口部の直径より大きく設けることが好ましい。ここで、異なる大きさとする場合には、それぞれ開口部を別々に加工する必要がある。しかし、同じ大きさとすることにより、同時に加工することができ、加工性を向上させることができる。
また、曲線板17,18に設けられている潤滑油保持空間17e,18eは、油路17d,18dから円周方向に突出する形状であって、油路17d,18dと油路17d,18dとを結ぶことなく、油路17d,18d毎に固有に設けられている。
潤滑油移送機構は、減速機ハウジング13の回転を利用して、上記した潤滑油の封入された空間の底部領域から上部領域に潤滑油を運ぶ。具体的には、減速機ハウジング13、および減速機ハウジング13の回転に伴って回転する部材の表面に形成される凹凸部である。なお、「減速機ハウジング13の回転に伴って回転する部材」には、例えば、外ピン21および外ピン軸受21a、第1および第2の車軸軸受26,27の外輪26b,27b、円すいころ26c,27c、および保持器27d,27d、密封部材28,29等が該当する。
図14を参照して、減速機ハウジング13の内径面には、凹凸部13aが形成されている。この実施形態における凹凸部13aは、減速機ハウジング13の回転方向と交差する方向に延びる突条である。なお、この凹凸部13aは、減速機ハウジング13の内径面に直接形成してもよいし、内径面に凹凸部13aを有する環状ベルト(図示省略)を減速機ハウジング13の内径面に嵌め込んでもよい。
なお、突条の形状は特に限定されないが、この実施形態においては、減速機ハウジング13の回転軸線に垂直な突条の断面形状は、互いに平行な短辺と長辺とを有する等脚台形となっている。そして、短辺が減速機ハウジング13の内径面に接するように配置されている。つまり、減速機ハウジング13の円周方向を向く突条の壁面(等脚台形の斜辺に相当する壁面)は、減速機ハウジング13の内径面の接線に対して鋭角に接している。これにより突条の潤滑油を保持する能力が向上する。
また、突条は、減速機ハウジング13の内径面の12箇所に30°間隔で配置されている。このように、複数の突条を等間隔で配置することにより、潤滑油を安定して移送することが可能となる。
また、図15を参照して、第1の車軸軸受26にも凹凸部26eが形成されている。この実施形態における凹凸部26eは、外輪26bの内径面、円すいころ26cの端面、および保持器26dの端面に設けられている。なお、第2の車軸軸受27も同様であるので、説明は省略する。
さらに、図13を参照して、密封部材28には、減速機ハウジング13の回転方向と交差する方向に張り出す堰28aが設けられている。この堰28aも潤滑油移送機構として機能する。図16を参照して、この実施形態における堰28aは、45°の間隔を空けて8箇所に等間隔に設けられている。
なお、鉄道車両駆動ユニット12bを構成するその他の要素については、上記した第1実施形態の鉄道車両駆動ユニット12と共通するので、説明は省略する。
ここで、さらに他の実施形態に係る鉄道車両駆動ユニット12bの潤滑油の流れを詳しく説明する。まず、潤滑油は、減速機ハウジング13の内部の空間内、すなわち、減速機ハウジング13、第1および第2のキャリア24,25、および密封部材28,29で囲まれた領域内に封入されており、減速機構15の停止時における油面高さは、図13の直線mの位置である。
次に、減速機ハウジング13が回転すると、潤滑油移送機構(凹凸部13a,26e、および堰28)は、回転しながら空間の底部領域と上部領域との間を移動する。このとき、底部領域で潤滑油を保持し、上部領域で潤滑油を放出する。これにより、空間の上部領域(図13の入力側回転部材14より上側の領域)に潤滑油を供給することができる。
潤滑油移送機構によって放出された潤滑油は、第2実施形態と同様に、上部領域に位置する構成部品、特に内ピン19と内ピン軸受19eとの間、内ピン軸受19eと曲線板17,18との間を潤滑しながら、重力によって底部領域に戻される。また、その一部は、潤滑油保持空間17e,20aに保持される。
潤滑油移送機構を上記構成とすることにより、減速機ハウジング13内の空間の上部領域にも積極的に潤滑油を供給することができるので、潤滑性能に優れた鉄道車両駆動ユニット12を得ることができる。なお、上述した潤滑油移送機構(凹凸部13a,26e、および堰28)を全て設ける必要はなく、少なくとも1つ設ければ、この発明の効果を得ることができる。
なお、上記の実施形態における転がり軸受26,27,30a,30b,32,33は、図1の形態に限定されることなく、例えば、すべり軸受、円筒ころ軸受、円すいころ軸受、針状ころ軸受、自動調心ころ軸受、深溝玉軸受、アンギュラ玉軸受、3点接触球軸受、4点接触玉軸受等、すべり軸受であるか転がり軸受であるかを問わず、転動体がころであるか玉であるかを問わず、さらには複列か単列かを問わず、あらゆる軸受を適用することができる。
また、上記の実施形態における内ピン軸受19e,20eおよび外ピン軸受21aは、滑り軸受である例を示したが、これに限ることなく、転がり軸受を採用してもよい。この場合、厚み方向にコンパクト化する観点から針状ころ軸受を採用するのが望ましい。
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示した実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
この発明は、鉄道車両駆動ユニットに有利に利用される。
この発明の一実施形態に係る鉄道車両用車輪駆動装置を示す図である。 図1のII−IIにおける断面図である。 図1の偏心部周辺の拡大図である。 両持ち内ピン周辺の拡大図である。 片持ち内ピン周辺の拡大図である。 この発明の他の実施形態に係る鉄道車両用車輪駆動装置を示す図である。 図6のVII−VIIにおける断面図である。 曲線板と当接する位置に貫通孔を設けた例を示す図である。 潤滑油移送機構の一例である。 潤滑油移送機構の他の例である。 潤滑油移送機構のさらに他の例である。 潤滑油移送機構を備えたバランスウェイトを示す図である。 この発明のさらに他の実施形態に係る鉄道車両用車輪駆動装置を示す図である。 図13のXIV−XIVにおける断面図である。 車軸軸受の拡大図である。 密封部材の正面図である。
符号の説明
10,10a,10b 鉄道車両用車輪駆動装置、11 車輪、12,12a,12b 鉄道車両駆動ユニット、13 減速機ハウジング、13a,26e 凹凸部、14 入力側回転部材、14a 軸心油路、14b 潤滑油供給口、15 減速機構、16 偏心部材、16a,16b 偏心部、17,18 曲線板、16c,17a,17b,18a,18b,20b,20f,25a,32d,33d 貫通孔、17c,18c 波形、17d,18d 油路、17e,18e,20a 潤滑油保持空間、19,20 内ピン、19a 大径部、19b,19c 小径部、19d 案内部、21 外ピン、19e,20e,21a 軸受、22,23 カウンタウェイト、22a 大径扇状部、22b 小径扇状部、22c 周方向油路、22d 径方向油路、22e フィン、24,25 キャリア、24a,24b,25b 孔、25c 潤滑油排出口、24c,24d 回転軸、26,27 車軸軸受、26a,27a 内輪、26b,27b 外輪、26c,27c,32b,33b 円すいころ、26d,27d,32c,33c 保持器、28,29,31 密封部材、28a 堰、30a,30b,32,33 転がり軸受、32a,33a 内輪部材、34 循環油路、35 潤滑油貯留部、36 外接リング、37 ナット、38 潤滑油供給路、39 潤滑油排出路、41,51,61 ポンプ、42,43,52,62 駆動歯車、53,63,64 従動歯車。

Claims (7)

  1. 鉄道車両の車輪を回転駆動する駆動ユニットであって、
    車輪の内径面に保持されて、車輪と一体回転する減速機ハウジングと、
    偏心部を有し、駆動源に接続されている入力側回転部材と、
    前記入力側回転部材の回転を減速して前記減速機ハウジングに伝達する減速機構と、
    前記減速機ハウジングの内部に配置され、車両本体に固定連結される固定部材とを備え、
    前記減速機構は、
    前記偏心部に相対回転自在に保持されて、前記入力側回転部材の回転軸心を中心とする公転運動を行う公転部材と、
    前記公転部材の公転運動を許容しつつ、自転運動を阻止する自転規制部材と、
    前記減速機ハウジングに固定され、前記公転部材の外周に係合して前記減速機ハウジングを前記入力側回転部材に対して減速回転させる外周係合部材とを含み、
    前記公転部材は、径方向に延びる油路を有する、鉄道車両駆動ユニット。
  2. 前記自転規制部材は、前記入力側回転部材の回転軸心を中心とする円周上の固定位置で前記固定部材に保持される複数の内ピンであり、
    前記公転部材は、前記内ピンの外径より所定分だけ径が大きく前記内ピンを受入れる複数の孔を有しており、前記油路は、前記孔を通過するように設けられている、請求項1に記載の鉄道車両駆動ユニット。
  3. 前記公転部材は、外周にトロコイド曲線で構成される複数の波形を有し、
    前記油路の径方向外側の端部は、前記波形の谷部分に位置する、請求項1または2に記載の鉄道車両駆動ユニット。
  4. 前記公転部材は、前記油路の途中に潤滑油を一時的に保持する潤滑油保持空間をさらに有する、請求項1〜3のいずれかに記載の鉄道車両駆動ユニット。
  5. 前記油路の径方向内側端部の開口部の直径と、径方向外側端部の開口部の直径とは、異なる大きさである、請求項1〜4のいずれかに記載の鉄道車両駆動ユニット。
  6. 前記駆動ユニットは、
    前記入力側回転部材の内部を軸方向に延びる軸心油路と、
    前記軸心油路から前記入力側回転部材の外径面に向かって延びる潤滑油供給口と、
    前記固定部材に設けられた潤滑油排出口と、
    前記潤滑油排出口および前記軸心油路を接続し、前記潤滑油排出口から排出された潤滑油を前記軸心油路に還流する循環油路とをさらに備える、請求項1〜5のいずれかに記載の鉄道車両駆動ユニット。
  7. 前記減速機ハウジングは、その内部に潤滑油の封入された空間を有し、
    前記減速機構は、少なくともその一部が潤滑油に浸かった状態で前記空間内に配置されている、請求項1〜5のいずれかに記載の鉄道車両駆動ユニット。
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