JP2010155274A - タンデム圧延機のロールアライメント管理方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】タンデム圧延機の全スタンドに共通した基準座標系を作成しておき、3次元レーザートラッキング技術などを用いて、各圧延スタンドのロールアライメントを測定し、この測定値が前記基準座標系において所定の座標位置を満足するようアライメント調整を行うことにより、タンデム圧延機のロールアライメントを一括管理する。
【選択図】図4
Description
また、圧延スタンド単体の管理に関しては上記手法で対応可能であるが、熱間圧延の仕上圧延機は図17(図17(イ)は側面図、図17(ロ)は平面図)に示すように6〜7機の圧延スタンドAが6m程度の間隔で連続して配置されたタンデム圧延機の形態を採るのが一般的である。この場合、仮に各圧延スタンドAでは左右ロール開度差がなく、蛇行を誘発することなく安定的に圧延可能な状態であっても、図17(ロ)に示すように、各圧延スタンドA間でのアライメントにばらつきがある場合、タンデム圧延機全体の圧延が不安定となり、蛇行トラブルを誘発する結果となる。
したがって本発明の目的は、以上のような従来技術の課題を解決し、小さい作業負荷と作業時間でタンデム圧延機の全圧延スタンドのロールアライメントを一括管理することができ、タンデム圧延機全体のロールアライメントを高精度に維持することができるロールアライメント管理方法を提供することにある。
本発明は、このような知見に基づきなされたもので、以下を要旨とするものである。
全ての圧延スタンドに共通した測定上の基準座標系を設定し、各圧延スタンドのワークロール及びバックアップロールのアライメント測定値が、パスライン方向に相当する座標軸と直交するようにアライメント調整を行うことを特徴とするタンデム圧延機のロールアライメント管理方法。
[2]上記[1]のロールアライメント管理方法において、各圧延スタンドについて、ワークロール及びバックアップロールのアライメントを決定するハウジングライナ面位置を測定し、測定された左右ハウジングライナ面位置を結ぶ線分をアライメント測定値とすることを特徴とするタンデム圧延機のロールアライメント管理方法。
全ての圧延スタンドに共通した測定上の基準座標系を図面座標と一致するように設定し、各圧延スタンドのワークロール及びバックアップロールのアライメント測定値が、図面公差内に収まるようにアライメント調整を行うことを特徴とするタンデム圧延機のロールアライメント管理方法。
[4]上記[3]のロールアライメント管理方法において、各圧延スタンドについて、ワークロール及びバックアップロールのアライメントを決定するハウジングライナ面位置を測定し、該測定値をアライメント測定値とすることを特徴とするタンデム圧延機のロールアライメント管理方法。
[5]上記[1]〜[4]のいずれかのロールアライメント管理方法において、3次元レーザートラッキング装置を用い、圧延スタンドの測定対象部位の位置測定を行うことを特徴とするタンデム圧延機のロールアライメント管理方法。
[7]上記[1]〜[6]のいずれかのロールアライメント管理方法において、タンデム圧延機の周辺に複数のベンチマークを設置し、該ベンチマークに基づいて基準座標系を設定し、各圧延スタンド前において、圧延スタンドの測定対象部位と前記ベンチマークの位置測定をそれぞれ行い、これらの測定値に基づき、基準座標系における前記測定対象部位の座標を求めることを特徴とするタンデム圧延機のロールアライメント管理方法。
また、ワークロール及びバックアップロールのアライメントを決定する圧延スタンドの部位を測定する手段として、3次元レーザートラッキング装置を用いることにより、従来技術のように測定手法としてマイクロメータを用いる方法に較べて、測定時間の大幅な短縮化と測定精度の向上を図ることできる。
本発明の第一の方法では、全ての圧延スタンドに共通した測定上の基準座標系を設定し、各圧延スタンドのワークロール及びバックアップロールのアライメント測定値が、パスライン方向に相当する座標軸と直交するようにアライメント調整を行う。通常、この方法では、各圧延スタンドについて、ワークロール及びバックアップロールのアライメントを決定するハウジングライナ面位置を測定し、測定された左右ハウジングライナ面位置を結ぶ線分をアライメント測定値とする。
本発明において、アライメント測定値を求めるに当たり、ワークロール及びバックアップロールのアライメントを決定する圧延スタンドの部位(例えば、さきに述べたハウジングライナ面)を測定する必要があるが、この測定には3次元レーザートラッキング装置を用いるのが好ましく、この装置を用いることにより、圧延スタンドの測定対象部位を短時間で高精度に測定することができる。この3次元レーザートラッキング装置としては、一般に使用されている市販の装置を使用することができる。
このトラッキング装置は、トラッカー本体10、コントローラ11、球体形状の一部にレーザー反射面の精密加工を施したリフレクタプローブ12等からなる。電源はコントローラ11を介し、トラッカー本体10に提供される。トラッカー本体10はレーザー発信源13を搭載しており、発信されたレーザー光はリフレクタプローブ12の真中心にて反射される。反射レーザー光はトラッカー本体内蔵の受信源にて検出され、レーザー発信源13−リフレクタプローブ12間の距離rを検出する。また、レーザー発信源13は、2軸方向(θ,φ)回転可能にトラッカー本体10に設置されており、各角度を内蔵エンコーダにて検出することで、リフレクタプローブ12の3次元極座標(r,θ,φ)が検出可能である。なお、装置によっては、レーザー発信源13がリフレクタプローブ12に自動追従する機能を有しているものもあり、このような装置では、測定対象点へのレーザー光のピント合わせ作業が不要となり、特に作業性がよい。
まず、図2に示すように、トラッキング装置Bのトラッカー本体10を圧延スタンドA前(例えば、ミル前フロア)に配置する。この際、レーザー発信源13から測定対象となる圧延機入側及び出側のハウジングライナ面への光路途中に障害物がないように注意し、トラッカー本体10の配置位置を決定する。トラッカー本体10の電源投入後のウォーミングアップを経て、作業者はレーザー捕捉状態にあるリフレクタプローブ12を片手に保持し、測定対象部位であるハウジングライナ8,9のライナ面にリフレクタプローブ12を軽く押し当て、3次元極座標(r,θ,φ)を記録する。なお、リフレクタプローブ中心とハウジングライナ面でのプローブ接地点との距離(=リフレクタプローブ半径)はソフト上でオフセット処理可能であり、測定対象であるハウジングライナ面上の点について記録が可能である。
なお、トラッキング装置Bで各圧延スタンドAのハウジングライナ面などの位置測定を行う場合、後に説明する図7に示すように、先端にトラッキング装置のリフレクタプローブ12を保持させた長尺保持具14を用い、作業者がリフレクタプローブ12を圧延スタンドAの測定対象部位に位置させることにより、高所作業用の足場設置を用いることなく、測定を行うことができる。
基準座標系を設定するための複数のベンチマークは、例えば、図3に示すような形態でミル前フロアなどに設置され、これらベンチマークに基づき、全圧延スタンド共通となる基準座標系が設定される。
タンデム圧延機を構成する全圧延スタンドAのうち、No.1スタンド前にトラッキング装置Bのトラッカー本体10を配置し、このトラッキング装置Bにより、例えば、図2に示した方法でベンチマーク15の位置測定を行い、続いて測定対象部位であるハウジングライナ8,9のライナ面の位置測定を行う。このハウジングライナ面の測定では、例えば、各ハウジングライナ面について数十点を目標とした測定を行い、局所的な凹凸による影響を緩和するための平面近似処理を施して各ハウジングライナ面位置を特定し、その3次元座標を求める(具体的には、ハウジングライナ面の重心位置での3次元座標を求める)。
上述のように各圧延スタンド前でのハウジングライナ面の位置測定時に、ベンチマーク位置を測定することにより、各圧延スタンドAでのハウジングライナ面の位置測定結果について、共通の基準座標系での座標変換処理が可能となる。ここで、ベンチマーク測定点であっても、測定毎に測定分解能程度の測定誤差が発生することは避けられないため、ベンチマークを多く(望ましくは5点以上)設けておくほど近似処理によって座標変換時の誤差を低減できる。
この方法では、上述したベンチマーク15に基づき、全圧延スタンド共通となる基準座標系が図面座標と一致するように設定される。すなわち、タンデム圧延機の設計図面上にベンチマーク位置が特定され、これが基準座標系となる。
各圧延スタンドAでのロールアライメントの測定(ハウジングライナ面とベンチマークの位置測定)は、上述した本発明の第一の方法と同様である。
各圧延スタンドAでのハウジングライナ面位置の測定値について、全圧延スタンド共通の基準座標系への座標変換を行うが、この方法では、ハウジングライナ面位置の測定値そのものを座標変換してアライメント測定値とする。そして、このアライメント測定値が図寸公差に収まるよう、調整が必要なハウジングライナについて所定のアライメント調整を行う。さきに述べた第一の方法と同様、通常、このアライメント調整は、ハウジングライナの基面にシム板を挿入するシム調整などにより行われる。
No.1〜No.7スタンド前におけるベンチマーク4点の測定値に基づき、前記ハウジングライナ面位置の測定値の座標変換(圧延スタンド共通の基準座標系への座標変換)を行い、アライメント測定値(摩耗量を反映したハウジングライナ面位置の座標)とした。そして、アライメント測定値が図寸公差に収まるよう、アライメント調整が必要なハウジングライナについて所定のシム調整を行った。
1b 下ワークロール
2a 上バックアップロール
2b 下バックアップロール
3x,3y 油圧圧下シリンダ
4x,4y ロードセル
5a 上ワークロールチョック
5b 下ワークロールチョック
6a 上バックアップロールチョック
6b 下バックアップロールチョック
7 圧延機ハウジング
8,9 ハウジングライナ
10 トラッカー本体
11 コントローラ
12 リフレクタプローブ
13 レーザー発信源
14 長尺保持具
15 ベンチマーク
A 圧延スタンド
B 3次元レーザートラッキング装置
pL,pR ハウジングライナ面位置
Claims (7)
- 複数の圧延スタンドからなるタンデム圧延機のロールアライメント管理方法であって、
全ての圧延スタンドに共通した測定上の基準座標系を設定し、各圧延スタンドのワークロール及びバックアップロールのアライメント測定値が、パスライン方向に相当する座標軸と直交するようにアライメント調整を行うことを特徴とするタンデム圧延機のロールアライメント管理方法。 - 各圧延スタンドについて、ワークロール及びバックアップロールのアライメントを決定するハウジングライナ面位置を測定し、測定された左右ハウジングライナ面位置を結ぶ線分をアライメント測定値とすることを特徴とする請求項1に記載のタンデム圧延機のロールアライメント管理方法。
- 複数の圧延スタンドからなるタンデム圧延機のロールアライメント管理方法であって、
全ての圧延スタンドに共通した測定上の基準座標系を図面座標と一致するように設定し、各圧延スタンドのワークロール及びバックアップロールのアライメント測定値が、図面公差内に収まるようにアライメント調整を行うことを特徴とするタンデム圧延機のロールアライメント管理方法。 - 各圧延スタンドについて、ワークロール及びバックアップロールのアライメントを決定するハウジングライナ面位置を測定し、該測定値をアライメント測定値とすることを特徴とする請求項3に記載のタンデム圧延機のロールアライメント管理方法。
- 3次元レーザートラッキング装置を用い、圧延スタンドの測定対象部位の位置測定を行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のタンデム圧延機のロールアライメント管理方法。
- 先端に3次元レーザートラッキング装置のリフレクタプローブを保持させた長尺保持具を用い、作業者が前記リフレクタプローブを圧延スタンドの測定対象部位に位置させることにより、高所作業用の足場を用いることなく、測定対象部位の位置測定を行うことを特徴とする請求項5に記載のタンデム圧延機のロールアライメント管理方法。
- タンデム圧延機の周辺に複数のベンチマークを設置し、該ベンチマークに基づいて基準座標系を設定し、各圧延スタンド前において、圧延スタンドの測定対象部位と前記ベンチマークの位置測定をそれぞれ行い、これらの測定値に基づき、基準座標系における前記測定対象部位の座標を求めることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のタンデム圧延機のロールアライメント管理方法。
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