JP5470972B2 - 熱延鋼帯の製造方法 - Google Patents

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本発明は、ロールギャップ調整用の油圧アクチュエータを有せず、ダイナミックなロールギャップ制御を行うことが難しい熱間圧延機を用いた熱延鋼帯の製造方法に関する。
通常の圧延において、被圧延材幅方向の左右板厚差(ウェッジ)や、それに伴う圧延材方向に対する板曲がり(キャンバー)が発生した場合、板幅方向及び圧延方向に均一な板厚形状を保つことが困難となり、板厚分布のばらつき等の品質低下を招くだけでなく、曲がった被圧延材の先端がガイド等の周辺設備に突っ掛けることにより設備故障が発生し、補修時間のために大幅な稼働率低下に繋がる。このため、ウェッジ及びキャンバーのない圧延をすることは非常に重要である。
被圧延材のウェッジとキャンバーは、ロールギャップの左右非対称性を直接原因として発生する。例えば、被圧延材の圧延前の形状が左右対称であり、且つ圧延機に左右ロールギャップ差がある場合の圧延においては、左右圧下量が不均一となるため、圧下量が大きい側が小さい側に対して、圧延方向に相対的に長く伸ばされるため、左右伸び差に応じた曲率が発生し、これが圧延距離とともに蓄積されてキャンバーとして顕在化する。また、ガイドによる拘束によってキャンバーが矯正され、顕在化していない場合においても、内包されたウェッジが操業阻害要因となるケースも多い。図15に、左右対称圧延(図15[a])及び左右非対称圧延(図15[b])における圧延機出側の板形状を示す。
上記ロールギャップの左右非対称性の要因は、素材要因、設備要因、操業要因に大別される。このうち設備要因としては、ハウジング−チョック間のクリアランス内におけるチョック位置ずれ等の幾何学的な要因、圧下系ライナ摩耗進行に伴う当り変化による左右ミル定数差(圧下荷重/ロールギャップ変化量の左右差)等が挙げられる。また、素材要因としては、圧延機入側ウェッジ、左右温度差等があり、これは圧延前の段階で被圧延材が既に有している左右非対称性である。さらに、操業要因としては、オペレータによる左右圧下バランス設定不良等のヒューマンエラー、圧延ロールの非対称摩耗等が挙げられる。
左右ミル定数差に関しては、上下ワークロールを接触させた状態で圧下スクリューを締め込む試験(キスロール試験)によるミル定数カーブ[=ロールギャップ変化量−圧下荷重グラフ]より、ある程度評価可能であるが、上記カーブは設備劣化に伴って非線形関係を示すことが多い上、設備保護の観点からキスロール試験は実際の圧延荷重域を下回る荷重域で実施されることが多く、圧延中のロールギャップを正確に評価するには至らないことが多い。
設備劣化に伴う左右ミル定数差変化等、穏やかな経時変化に対する対応も必要であるが、特に機械要因または被圧延材要因の非連続な変化が発生した場合には、従来のロールギャップ制御手法では対応できず、ウェッジ及びキャンバーが突発的に発生し、操業を阻害するケースが多く発生する。例えば、バックアップロール、ワークロールは定期的に交換するのが一般的であるが、交換したロールのチョック幅寸法、圧延荷重を受けるライナ座面状態等が大きく変化した場合、ロール交換前は安定的に操業できていたにも関わらず、急激に圧延が不安定となるケースが発生する。通常、全ての左右非対称性を測定し、ロールギャップ制御にフィードバックする制御は困難であるため、上記左右非対称性のばらつきは回避困難と考えられていた。
これらの問題を解決するためには、圧延機出側の被圧延材のキャンバー形状やウェッジ量を直接測定し、これが左右対称となるように左右ロールギャップをダイナミック制御するのが最も直接的で有効な手段であると考えられる。
また、特許文献1には、被圧延材ではなく、圧延機の左右ロールギャップを測定し、左右ロールギャップ差が0となるように制御する方法が示されている。圧延機の左右ロールギャップ差は、被圧延材の左右非対称性をほぼ反映するものと考えられるので、特許文献1の方法も有効な手段であると考えられる。ここで、左右対称圧延における左右ロールギャップ差δdfを図16に示す。
一方、上記従来技術についても課題は残る。通常の熱間圧延においては、板厚200mm程度のスラブを加熱炉にて1000℃程度まで加熱し、粗圧延機2〜3機、仕上圧延機6〜7機による圧延工程で板厚数mmレベルまで圧延するのが一般的である。このため、必要とされる数十ミクロンの板厚精度に対し、例えば数十mmレベルの板厚を測定するためにはγ線等の透過性の高い線源を用いたセンサーが必要となる。通常、このような放射線源を用いたセンサーは高価である上、法的に定められた厳密な管理が必要とされる。また、同センサー設置のための寸法を確保する必要があるため、これを想定していない既設ライン全ての圧延機の出側に設置することは困難である。
また、左右ロールギャップを測定し、左右ロールギャップ差が0となるようにダイナミック制御するためには、特許文献1に示されるようにロールギャップを調整するための油圧アクチュエータを設置する必要がある。ここで、一般的な粗圧延機は油圧アクチュエータは有しておらず、スクリューによるロールギャップ調整を行っている。したがって、スクリュー摺動部でのかじりを回避するため、圧延荷重が作用した状態でのロールギャップ調整は行わず、無負荷状態となる当該圧延と次材圧延の間でロールギャップ調整を実施している。以上の理由より、特許文献1に示される圧延中のダイナミックなロールギャップ制御は、通常の粗圧延機には適用困難である。
特開平6−297013号公報
したがって本発明の目的は、上記のような従来技術の課題を解決し、ロールギャップ調整用の油圧アクチュエータを有しない熱間圧延機により被圧延材を圧延する際に、安定したロールギャップ制御を行うことができ、被圧延材の曲がりやウェッジによる通板トラブルを生じることなく、良好な形状を有する熱延鋼帯を安定して製造することができる熱延鋼帯の製造方法を提供することにある。
上記課題解決するための本発明の要旨は以下のとおりである。
[1]ロールギャップ調整用の油圧アクチュエータを有しない熱間圧延機により被圧延材を圧延する際に、上下ワークロールの左右のロールギャップを各々測定するロールギャップセンサーを設け、該ロールギャップセンサーを用いて圧延時の上下ワークロールの左右ロールギャップ差δdfを計測し、当該圧延における左右ロールギャップ差δdfに基づき、次材圧延における左右ロールギャップ差δdfが許容値(但し、許容値が零の場合を含む。)以下となるように、非圧延時において左右圧下スクリュー位置を調整し、この調整に際しては、製造条件に対応した圧下スクリュー位置と左右ロールギャップ差δdfとの関係を予め求めておき、この関係に基づき、製造条件に応じて圧下スクリュー位置を決定し、左右圧下スクリュー位置の調整を行うことを特徴とする熱延鋼帯の製造方法。
[2]上記[1]の製造方法において、熱間粗圧延機の最終スタンドにおいて、左右ロールギャップ差δdfの計測と、これに基づく左右圧下スクリュー位置の調整を行うことを特徴とする熱延鋼帯の製造方法。
本発明による熱延鋼帯の製造方法によれば、ロールギャップ調整用の油圧アクチュエータを有しない熱間圧延機により被圧延材を圧延する際に、安定したロールギャップ制御を行うことができ、これにより、被圧延材の曲がりやウェッジによる通板トラブルを生じることなく、良好な形状を有する熱延鋼帯を安定して製造することができる。また、このため、薄物の熱延鋼帯の製造においても、良好な鋼帯形状の確保と安定通板を実現することができ、絞りトラブル抑制によるライン稼働率向上及びロール原単位向上を達成しつつ、優れた品質の熱延鋼帯を安定して製造することができる。
本発明の実施に供されるロールギャップ調整用の油圧アクチュエータを有しない熱間粗圧延機の一実施形態を示すもので、ロールギャップ零の場合の圧延機ワークロールおよびバックアップロールの正面図 図1の実施形態において、ロールギャップ零の場合の圧延機ワークロールおよびバックアップロールの側面図(本図では、ロールギャップセンサーAは本来破線で表すべきところ、説明の便宜上実線で表している) 図1の実施形態において、ロールギャップがある場合の圧延機ワークロールおよびバックアップロールの正面図 図1の実施形態において、ロールギャップがある場合の圧延機ワークロールおよびバックパップロールの側面図(本図では、ロールギャップセンサーAは本来破線で表すべきところ、説明の便宜上実線で表している) 本発明の実施例で使用した圧延機において、ロールギャップ零の場合の圧延機ワークロールおよびバックアップロールを示す正面図 図5の圧延機において、ロールギャップ零の場合の圧延機ワークロールおよびバックアップロールを示す側面図(本図では、ロールギャップセンサーAは本来破線で表すべきところ、説明の便宜上実線で表している) 図5の圧延機において、ロールギャップδがある場合の圧延機ワークロールおよびバックアップロールを示す正面図 図5の圧延機において、ロールギャップδがある場合の圧延機ワークロールおよびバックアップロールを示す側面図(本図では、ロールギャップセンサーAは本来破線で表すべきところ、説明の便宜上実線で表している) 図5の圧延機において、ロールギャップセンサーの巻取リール機構等を部分的に示す側面図 図9のX−X線に沿う断面図 実施例におけるロールギャップセンサー及び測定機器の配置を示す説明図 実施例における電源及びデータ信号の流れを示す説明図 圧延スクリューにより調整される左右圧下バランスと圧延定常部における平均左右ロールギャップ差δdfとの関係を示すグラフ 実施例における通板トラブル発生頻度の推移を示すグラフ 左右対称圧延(図[a])及び左右非対称圧延(図[b])における圧延機出側の板形状を示す説明図 左右対称圧延における左右ロールギャップ差δdfを説明するための説明図
図1〜図4は、本発明の実施に供されるロールギャップ調整用の油圧アクチュエータを有しない熱間粗圧延機の一実施形態を示すもので、図1はロールギャップ零の場合の圧延機ワークロールおよびバックアップロールの正面図、図2は同じく側面図(本図では、ロールギャプセンサーAは本来破線で表すべきところ、説明の便宜上実線で表している)、図3はロールギャップがある場合の圧延機ワークロールおよびバックアップロールの正面図、図4は同じく側面図である。
図において、1aは上ワークロール、3aはそのロールチョック、1bは下ワークロール、3bはそのロールチョック、2aは上バックアップロール、4aはそのロールチョック、2bは下バックアップロール、4bはそのロールチョックである。また、Sは被圧延材である。
上下ワークロール1a,1bの左右のロールギャップを各々測定するロールギャップセンサーAが、上下ワークロール1a,1bの左右ロール端近傍にそれぞれ設けられている。図1及び図2に示すようにロールギャップが無い状態においてロールギャップセンサーAの零点調整をしておくことで、図3及び図4に示すようにロールギャップを生じたときのロールギャップ測定値δを得ることができる。また、上下ワークロール1a,1bの左右に配置したロールギャップセンサーAによるロールギャップ測定値δの演算差により、左右ロールギャップ差δdfを得ることができる。
本発明では、前記ロールギャップセンサーAを用い、圧延時における上下ワークロール1a,1bの左右ロールギャップ差δdfを計測する。そして、当該圧延における左右ロールギャップ差δdfに基づき、次材圧延における左右ロールギャップ差δdfが許容値(但し、許容値が零の場合を含む。)以下となるように、非圧延時(次材圧延前の無負荷時)に左右圧下スクリュー位置を調整するロールギャップ制御を行う。特に、左右ロールギャップ差δdfをキャンセルするように、左右圧下スクリュー位置を調整するロールギャップ制御を行うことが好ましい。例えば、当該圧延時において、ロールギャップ差δdfが定常的に+200μm(右側が広い側)であった場合、次材圧延時にはロールギャップ差δdfが0となる位置を目標とし、非圧延時(次材圧延前の無負荷時)に圧下スクリューによるロールギャップ制御を行う。
本発明において、次材圧延のために左右圧下スクリュー位置を調整するのは、許容値を超えるロールギャップ差δdfが定常的(連続的)に生じている場合であり、したがって、ロールギャップ差δdfが非定常的(単発的或いは突発的)に生じている場合や許容値以下の場合には、左右圧下スクリュー位置の調整は行わない。ここで、許容値を超えるロールギャップ差δdfが定常的に生じている場合とは、例えば、ロールギャップ差δdfが許容値を超える圧延が2本(圧延材)以上続くような場合を指す。
ここで、圧下スクリュー位置(左右圧下バランス)と左右ロールギャップ差δdfとの関係は、圧下スクリュー位置が左右対称であっても、被圧延材特性(材質、母材板厚・板幅、母材温度など)、操業条件(圧延荷重、圧下率、張力など)、圧延機の設備仕様(ロールバレル長、ミル定数など)といった製造条件によって変化する。このため、これら製造条件に対応した圧下スクリュー位置(左右圧下バランス)と左右ロールギャップ差δdfとの関係を予め求めておき、この関係に基づき、実際の製造条件に応じて圧下スクリュー位置を決定し、上記のような左右圧下スクリュー位置の調整を行うことが好ましい。
製造条件に対応した圧下スクリュー位置(左右圧下バランス)と左右ロールギャップ差δdfとの関係を予め求めておくには、操業データを蓄積し、統計処理手法を用いて製造条件の要因別の影響度を事前に評価しておくとよい。また、構造解析等の計算手法を用いて事前に評価しておいてもよい。例えば、上記当該圧延時の被圧延材特性によっては、ロールギャップ差δdfが+200μmである場合、これを解消するための圧下スクリュー調整量が−300μmとなる場合もある。
なお、製造条件には、上述したように圧下スクリュー位置(左右圧下バランス)と左右ロールギャップ差δdfとの関係に影響を及ぼす多くの要因があるが、そのうち1つ以上の要因(例えば、板幅)について両者の関係を求めておけばよい。
一般的にはロールギャプの左右非対称性を発生させる機械要因、被圧延材要因の全てを計測することが困難であり、且つ圧下スクリューではダイナミックなロールギャップ制御が困難であるため、本発明のように、連続する圧延におけるロールギャップ差δdfの変化に着目することで、大掛かりなセンサーを設置することなく、ロールギャップ差δdfを0に漸近させることができる。ここで、左右ミル定数差等のように、当該被圧延材から次材被圧延材への圧下荷重域の変化に伴うロールギャップ差δdfの変化量が予測可能な要因については、ロールギャップ差の予測精度が十分でないとしても、ロールギャップ制御に補正を加えておくとよい。
本実施例では、図5〜図10に示すように、熱間粗圧延機の最終スタンドの上下ワークロール1a,1bの左右ロール端にそれぞれロールギャップセンサーAを設けた。図5はロールギャップ零の場合の圧延機ワークロールおよびバックアップロールの正面図、図6は同じく側面図(本図では、ロールギャップセンサーAは本来破線で表すべきところ、説明の便宜上実線で表している)、図7はロールギャップδの場合の圧延機ワークロールおよびバックアップロールの正面図、図8は同じく側面図(本図では、ロールギャップセンサーAは本来破線で表すべきところ、説明の便宜上実線で表している)、図9はロールギャップセンサーの巻取リール機構等を部分的に示す側面図、図10は図9のX−X線に沿う断面図である。
各ロールギャップセンサーAは、一端側が係止用部材8を介して下ワークロール1bのロールチョック3bに固定されたロープ部材5と、上ワークロール1aのロールチョック3aに設けられ、前記ロープ部材5の他端側を巻き取り可能に保持する巻取リール機構6と、この巻取リール機構6のリール回転位置を検出するために、各巻取リール機構6に付設されたロータリーエンコーダ7を有している。このロールギャップセンサーAは、前記巻取リール機構6によりロープ部材5に張力が付与され、巻取リール機構6のリール回転位置は、ロールギャップの大きさに応じたロープ部材5の巻取り長さと対応しているため、リール回転位置のエンコーダ出力からロールギャップ量が得られる。
上記ロールギャップセンサーAにより、圧延中のロールギャップを測定した。図11にデータ測定時の圧延機周辺の機器配置図を示す。実操業においては、ワークロールは24〜36時間おきに使用済みのロールと研磨済みの新品ロールとの組み替えを実施する必要があるため、ロール組み替えの度にロールギャップセンサーAの取り付け作業によって操業ラインを停止させることのないように配置する必要がある。そこで、ロールギャップセンサーAは、ロール組み替え待ち状態の研磨済み新品ロールに事前に取り付けておき、ロール組み替えの際に共に圧延機内に組み込む方式とした。
また、ロールギャップセンサーのデータ信号及び電源の配線が必要となるが、図11に示すようにドライブ側のワークロール周辺には主機モータからの動力元をワークロールに伝達するためのスピンドルが配置されており、配線作業のためのアクセスが難しく、上記配線作業をする場合には足場の設置が必要となり、大きなライン停止時間が発生することが予想される。これらの問題を解決するため、ロールギャップセンサーの電源は小型バッテリーとし、データ信号は無線ユニットを活用したデータ送信を行うことで、通常必要となるロールギャップセンサーのデータ信号及び電源の配線作業を無くすことができた。
図12に電源及びデータ信号の流れを示す概略図を示す。圧延機側に設置するロールギャップセンサー、バッテリー、送信側無線ユニットからなる機器一式を蒸気、冷却水、周辺温度から保護するため、樹脂製のセンサボックスに収納した。送信側無線ユニットからの信号はライン外の安全通路上に設置した受信側無線ユニットへ伝達され、A,B相エンコーダ信号をカウンタにてロールギャップ測定値δに換算するとともに、データロガーに記録した。
続いてロールギャップセンサーAからの出力信号を確認した後、通常ロール組み替え後に実施されているレベリング零調を実施した。これは、図5および図6に示すように上下ワークロールを接触させた状態で左右圧下位置バランスを調整するレベリング零調を実施した。このレベリング零調時に上下ワークロールの左右ロールギャップ差が0になったと考え、左右ロールギャップ測定センサーの零調を行った。
熱間粗圧延機の最終スタンドでの被圧延材の圧延(入側板厚h1=45〜50mm、出側板厚h0=35〜40mm、板幅b=1200〜1600mm)において、ロールギャップ制御を次のようにして行った。ロールギャップセンサーAにより計測される当該圧延における左右ロールギャップ差δdfに基づき、次材圧延において左右ロールギャップ差δdfがキャンセルされるように、非圧延時(次材圧延前の無負荷時)において左右圧下スクリュー位置を調整した。この本実施例では、製造条件のうち影響が特に大きい板幅と圧延荷重に対応した圧下スクリュー位置(左右圧下バランス)と左右ロールギャップ差δdfとの関係を予め求めておき、この関係に基づき、実際の板幅及び圧延荷重に応じて圧下スクリュー位置を決定し、左右圧下スクリュー位置の調整を行た。
図13に、板幅wに対応した圧下スクリュー位置(左右圧下バランス)と圧延定常部における平均左右ロールギャップ差δdfとの関係を示す。同図に示すように、板幅の減少に伴いプロット近似線の傾きが大きくなる、つまり、レベリングに対して左右ロールギャップ差が発生し易い傾向が見られるが、これは被圧延材を含む圧延機平行鋼性の低下が原因であると考えられる。また、板幅の減少に伴いプロット近似線のy切片が大きくなる傾向が見られるが、これは圧延荷重域の違いによる左右ミル定数差の影響であると考えられる。
図14に、本発明によるロールギャップ制御を適用した前後における、通板トラブル発生頻度の推移を示す。本発明適用前の平均を1.0とした場合、本発明適用後には通板トラブルが1/3以下に低減し、蛇行制御に効果的であることが確認できた。
1a,1b ワークロール
2a,2b バックアップロール
3a,3b,4a,4b ロールチョック
5 ロープ部材
6 巻取リール機構
7 ロータリーエンコーダ
8 係止用部材
A ロールギャップセンサー
S 被圧延材

Claims (2)

  1. ロールギャップ調整用の油圧アクチュエータを有しない熱間圧延機により被圧延材を圧延する際に、上下ワークロールの左右のロールギャップを各々測定するロールギャップセンサーを設け、該ロールギャップセンサーを用いて圧延時の上下ワークロールの左右ロールギャップ差δdfを計測し、当該圧延における左右ロールギャップ差δdfに基づき、次材圧延における左右ロールギャップ差δdfが許容値(但し、許容値が零の場合を含む。)以下となるように、非圧延時において左右圧下スクリュー位置を調整し、この調整に際しては、製造条件に対応した圧下スクリュー位置と左右ロールギャップ差δdfとの関係を予め求めておき、この関係に基づき、製造条件に応じて圧下スクリュー位置を決定し、左右圧下スクリュー位置の調整を行うことを特徴とする熱延鋼帯の製造方法。
  2. 熱間粗圧延機の最終スタンドにおいて、左右ロールギャップ差δdfの計測と、これに基づく左右圧下スクリュー位置の調整を行うことを特徴とする請求項1に記載の熱延鋼帯の製造方法。
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