JP2010214432A - 厚鋼板の表面温度測定装置及び材質判定方法 - Google Patents

厚鋼板の表面温度測定装置及び材質判定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】製造ライン上で鋼板温度を測定して、測定した鋼板温度から表裏面の全面温度を演算して求める表面温度測定装置と、その測定して求めた全面温度に基づき、厚鋼板の板面内の材質を評価・判定する、厚鋼板の材質判定方法を提供。
【解決手段】仕上げ圧延機2の出側および下流側に設置された冷却装置5の出側で、厚鋼板3の表裏面の片側の面の表面温度分布を測定する第一の温度測定手段7と、仕上げ圧延機の出側および冷却装置の出側で、第一の温度測定手段の測定する面とは異なる面で、第一の温度測定手段が測定する測定点より少ない測定点の表面温度を測定する第二の温度測定手段6と、第二の温度測定手段の測定箇所の表面温度を、第一の温度測定手段での測定温度から算出し、該算出温度と第二の温度測定手段での測定温度との誤差を求め、第二の温度測定手段の測定箇所以外の表面温度を算出する温度算出手段13とを具備する。
【選択図】図2

Description

本発明は、厚鋼板の表面温度測定装置及び材質判定方法に関し、特に制御圧延や加速冷却される厚鋼板の全面の表面温度測定及び材質判定用として好適なものに関するものである。
ミクロ組織を結晶粒径が1μm程度の微細組織として鋼板の強度・靭性を向上させるTMCP(Thermo-Mechanical Control Process;温度制御圧延プロセス)や、内部応力を制御して反りなどの変形の少ない鋼板を製造するためには、制御圧延の開始温度、終了温度、加速冷却の冷却開始温度、冷却停止温度を厳密に管理することが必要とされるため、鋼板温度を精度良く測定する測定方法や、温度計の配置を工夫した冷却設備が種々提案されている。
例えば、特許文献1には、制御冷却鋼板の形状制御方法に関し、加速冷却鋼板の常温冷却後形状を冷却直後形状と鋼板温度履歴とから推定し、次材の形状を確保することおよび加速冷却装置の内部に鋼板表裏面温度測定温度計、直後に鋼板表面温度分布計と鋼板表面温度計を配置することが記載されている。
特許文献2には、厚鋼板冷却方法に関し、鋼板形状の平坦度向上と材質の均一化を図るため、仕上げ圧延後、デスケまたは表面膜塗布によりスケール厚みのバラツキを10μm以下として、制御冷却することおよび制御冷却装置の前に鋼板表面温度計として放射温度計を配置することが記載されている。
特開平10−5868号公報 特開2001−300627号公報
最近、熱処理材に関して(特に、製造条件変動に対する材質敏感性が高い高Ni鋼)、直接焼入れ法で製造したり、合理化のためTMCPの適用対象が拡大することにより、ユーザから製品の板全面の材質保証が要求されることが増加している。また、ラインパイプ原板、造船材等板内の強度偏差を、ある閾値以下に保証する要求がある。
厚鋼板は板厚方向や板面内に、連続式加熱炉、デスケデバイス、冷却設備等による温度分布が不均一となりやすく、その結果、材質も不均一となりやすい。
その対策として、搬送ライン幅方向中央部の温度測定結果を、鋼板全体の代表温度と見なしてオンラインで合否判定行っていた。
しかしながら、実際の鋼板全面の温度は、合否判定に使用する温度に対し、板幅方向や板厚方向の温度ばらつきの分だけ差を生じているので、全長全幅(全面)にわたっての材質判定は、不十分であった。
温度ばらつきに相当する材質のばらつき分を考慮して、品質設計において、材質特性の下限スペックに対し余裕をもたせるために、合金化成分を余分に添加する必要があり、製造コストが高くなる、さらに、合否判定の目標温度範囲を狭くしているため、材質のスペックの厳しい材料を圧延後急速冷却工程では製造できない、といった問題がある。
本発明では、これら従来技術の問題点に鑑み、製造ライン上で鋼板温度を測定して、測定した鋼板温度から表裏面の全面温度を演算して求める表面温度測定装置と、その測定して求めた全面温度に基づき、厚鋼板の板面内の材質を評価・判定する、厚鋼板の材質判定方法を提供することを課題とする。
本発明の請求項1に係る発明は、厚鋼板製造ラインの仕上げ圧延機の出側および該仕上げ圧延機の下流側に設置された冷却装置の出側で、厚鋼板の表裏面の片側の面の表面温度分布を測定する第一の温度測定手段と、前記仕上げ圧延機の出側および前記冷却装置の出側で、前記第一の温度測定手段の測定する面とは異なる面で、前記第一の温度測定手段が測定する測定点より少ない測定点の表面温度を測定する第二の温度測定手段と、前記第二の温度測定手段の測定箇所の表面温度を、前記第一の温度測定手段での測定温度から算出し、該算出温度と前記第二の温度測定手段での測定温度との差から算出誤差を求め、該算出誤差を用いて前記第二の温度測定手段の測定箇所以外の表面温度を算出する温度算出手段とを具備することを特徴とする厚鋼板の表面温度測定装置である。
また、本発明の請求項2に係る発明は、請求項1に記載の厚鋼板の表面温度測定装置の、第一の温度測定手段と前記第二の温度測定手段とで測定した温度および前記温度算出手段とで算出した温度を用いて厚鋼板の材質を判定することを特徴とする厚鋼板の材質判定方法である。
本発明によれば、鋼板表面、裏面の鋼板全面にわたって表面温度測定ができるとともに、鋼板の材質判定がオンラインで可能となる。その結果、品質設計において、材質特性の余裕代を低減することで、添加する合金化成分を低減し製造コストを削減できる。また、目標温度範囲を広くすることができるため、材質のスペックの厳しい材料を圧延後急速冷却工程で製造することができる。
さらに、鋼板から採取する試験片の冷却課程での温度を管理することができるため、品質設計の精度向上および成分設計の最適化が可能となる。
温度収集から合否判定装置の構成の一部を示す図である。 本発明を適用するための全体装置例の概要を説明する図である。 本発明に係る厚鋼板の材質判定方法の処理手順例を示すフローチャートである。 鋼板表裏面の全面温度演算の処理手順例を示すフローチャートである。 裏面温度計算値の算出方法を説明する図である。 板幅方向の裏面温度測定値と温度計算値との位置関係を示す図である。 裏面側の隣接する温度測定位置w、wi+1(i=1,2、・・)間の温度計算値の補正値を算出する手順例を示す図である。 厚鋼板上のメッシュの切り方を説明する図である。 鋼板の表裏面の全面における温度を測定・算出する手順を示すフローチャートである。 裏面温度測定位置を含むメッシュ内での表面側の温度代表値の決め方を説明する図である。
[第1の実施形態]
厚鋼板の製造ラインにおいては、冷却水や異物等の落下や水蒸気等の発生により、特に搬送ラインの下面(裏面)側では、全面の温度分布を測定することは困難である。そこで、発明者らは、全面温度測定は、相対的に環境の良い搬送ラインの片面(例えば、上面側)のみとし、悪環境のもう一方の片面(例えば、下面側)はスポット的に複数点(例えば、5点)のみを測定するようにした。そして、全面の温度分布を測定できない面については、片面の全面温度分布測定値ともう片面の複数点の温度測定値とから演算して求め、その演算した温度分布から材質判定を行うという本発明を想到した。
本発明を実施するための形態について、図と数式を参照して以下に説明を行う。
図2は、本発明を適用するための全体装置例の概要を説明する図である。図1は、温度収集から合否判定装置の構成の一部を示す図である。図中、1は加熱炉、2は仕上げ圧延機、3は鋼板、5は冷却装置、6,6a,6cは走査型放射温度計、7,7a,7cは光ファイバーを用いたスポット型放射温度計(以降、光ファイバー放射温度計)、8は仕上温度収集装置、10は冷却停止温度収集装置、11は表面温度収集装置、12は裏面温度収集装置、13は全面温度演算装置、および14は合否判定装置をそれぞれ表す。厚鋼板の製造ラインは、加熱炉1、仕上げ圧延機2および冷却装置5を備え、図は鋼板3が、仕上げ圧延機2の下流側(出側)に位置している状態を示す。
仕上げ圧延機の下流側に配置された走査型放射温度計6aと光ファイバー放射温度計7aで構成された鋼板温度測定手段で測定された温度は、仕上温度収集装置8に取り込まれる。また、冷却装置5の下流側に配置された走査型放射温度計6cと光ファイバー放射温度計7cで構成された温度測定手段で測定された温度は、冷却停止温度収集装置10に取り込まれる。
なお、厚鋼板の製造ラインとしては、図2に示す仕上げ圧延機2と加速冷却装置5の間に、制御圧延冷却装置を備えたものもある。そのような場合には、図2の装置に加えて、制御圧延冷却装置の出側に走査型放射温度計およびファイバー放射温度計を、そしてそれら温度計の測定値を入力する冷却開始温度収集装置を設置するようにすればよい。
温度収集手段は、仕上温度収集装置8および冷却停止温度収集装置10で構成され、各々は表面温度収集装置11と裏面温度収集装置12で構成され、鋼板表面温度と裏面温度のそれぞれが、温度解析手段である全面温度演算装置13に取り込まれる(図1参照)。全面温度演算装置13では、仕上温度収集装置8および冷却停止温度収集装置10で取り込まれた実績温度から、鋼板表裏面の全面温度を演算する。
製造ラインにおいては、冷却水や異物等の落下や水蒸気等の発生により、特に搬送ラインの下面(裏面)側では、全面の温度分布を測定することは困難である。そこで、本発明では、温度測定手段として、相対的に環境の良い搬送ラインの上面(鋼板表面)側に、幅方向の温度分布を測定できる走査型放射温度計を配置するが、環境の悪い搬送ラインの下面(鋼板裏面)側は光ファイバー放射温度計を複数(例えば、5台)を配置する。鋼板裏面については全面の温度分布を測定することができないため、全面温度演算装置13で、鋼板表面側の全面の温度分布測定値と鋼板裏面側の複数点の温度測定値から、鋼板裏面側の全面の温度分布を計算により求める。
そして、演算された鋼板表裏面の全面温度に基づいて、合否判定装置14では、操業管理温度(鋼板仕上げ温度、冷却停止温度)と比較して、範囲内であるかどうかの合否判定を行う。
なお、仕上げ圧延機出側の温度計は、仕上げ圧延機の出側直近に、他の機器より仕上げ圧延機に近い場所に温度計を配置する(つまり、次の処理工程がされる前に温度測定を行う)のが好ましいが、材質判定の基準温度として許容される位置に適宜設定されればよい。冷却装置下流側の温度計の場合も同様である。
なお、冷却装置では冷却停止温度600℃前後の加速冷却や冷却停止温度が室温以下となる直接焼入れなどによって、冷却温度出側の冷却停止温度が低温から高温までの広範囲に変動するため、温度計の測定レンジも広範囲のものが必要となる。
そして、低温から高温(50〜700℃程度)までの広範囲の温度測定において温度計の分解能(例えば、±5℃)が確保できない場合には、高温測定用と低温測定用の2つの温度計を設置すればよい。例えば、冷却装置に近い側には高温測定用、離れた側には低温測定用を配置する。また、走査型放射温度計の代替として赤外線カメラを用いてもよい。
搬送ラインの下方(裏面側)には、光ファイバー放射温度計でなくとも、スポット型放射温度計でもよいが、水及び水蒸気等により環境が悪く、特に仕上げ圧延機の直近の下流側に制御圧延用冷却装置に設置した場合、仕上げ圧延機の下流側において温度計測の環境は悪化するので、光ファイバー放射温度計が好ましい。
光ファイバー放射温度計は、走査型放射温度計6の搬送ラインの下方(裏面側)で、搬送ラインを挟んで、対向する位置に、走査型放射温度計の走査方向に沿って複数台を配置する。光ファイバー放射温度計は数が多いほど、幅方向の温度分布を定量的に把握できるが、コスト及びメンテナンスの観点より、1箇所/m程度の間隔で配置すればよい。
図3は、本発明に係る厚鋼板の材質判定方法の処理手順例を示すフローチャートである。先ず、圧延鋼板の表裏面の温度分布を温度測定手段(表面側を走査型放射温度計、裏面側を光ファイバー放射温度計)で測定後、温度収集装置(仕上温度収集装置や冷却停止温度収集装置)で入力する(S1)。
S1では、鋼板表面側は全面の温度測定ができているが、鋼板裏面側は全面の温度測定ができていないので、温度解析手段(全面温度演算装置)を用いて鋼板裏面側の全面温度を算出する(S2)。そして、測定・演算された鋼板表裏面の全面温度(後述する)に基づいて、操業管理温度(鋼板仕上げ温度、冷却停止温度)と比較して、許容温度範囲内であるかどうかの合否判定を行う(S3)。
そして、全ての箇所で許容温度範囲内であれば(S3・Yes)製品採寸を行い(S4)、範囲外であれば(S3・No)当該範囲外領域の材質判定を行う(S5)。当該範囲外領域の材質判定は、過去の材質試験機による試験結果と温度測定値以外も含めた鋼板製造条件との関係を示した過去実績データを用いて、材質判定を行う。S6においても材質合格とならない箇所がある場合は、不合格部を避けて、合格となった箇所である良質範囲内で製品採取を行うように板取りサイズを修正し(S7)、製品採寸を行う(S8)。
また、S6で材質合格であれば、計画通りの板取りサイズで製品採寸を行う(S4)。このようにすることで、全面材質保証された製品を出荷することが可能である(S9)。また、形状を全面に亘って保証することも可能となる。
図4は、図3のS2に示した鋼板裏面の全面温度演算の処理手順例を示すフローチャートである。図に従って以下に説明を行っていく。説明にあたっては、鋼板表面側の温度を走査型温度計で測定し、鋼板裏面側の温度を幅方向に5点測定した場合を例にする。
まず、鋼板表面側の温度測定値Tから、板内温度分布式を用いて、裏面側の温度計算値Tmを算出する(S11)。図5は、裏面温度計算値の算出方法を説明する図である。ここで、板内温度分布式とは、板厚方向の板内温度分布を与える式(例えば、鋼板の内部温度が表裏面温度より高く設定されるような板厚方向の2次式、最高温度は厚さ中心に限らない)であり、理論的な伝熱方程式の解法式や計測した温度の回帰式を用いるようにすれば良い。この温度分布式に表面側の温度測定値と板厚を入力して、表面側で温度を測定した位置に対応した裏面側の位置(長手方向と幅方向の位置が表面側と同じ)の温度を算出する。
次に、S11で算出した裏面側の温度計算値の誤差を求める(S12)。図6は、板幅方向の裏面温度測定値と温度計算値との位置関係を示す図である。裏面側の温度計算値は、走査型放射温度計で測定した表面側の測定値から算出するので、多数位置(例えば、数ミリ間隔)の計算値を得ることができる(図では、代表点のみを白丸で表示)。この中で、光ファイバー放射温度計で測定した裏面側の温度測定値と位置が一致する温度計算値(幅方向に5点)について、温度測定値との誤差を求める。そして、この誤差が、この位置における温度計算値の温度補正値となる。なお、表面側と裏面側の温度測定位置は、できるだけで近いことが好ましいが、数10ミリ程度の範囲内で一致していれば、本発明を適用する上で問題ない。
次に、S12で求めた誤差(補正値)から、裏面側の温度測定位置以外における温度計算値の補正値を求める(S13)。図7は、裏面側の隣接する温度測定位置w、wi+1(i=1,2、・・)間の温度計算値の補正値を算出する手順例を示す図である。ここでは、w、wi+1の位置における誤差から、幅位置wに応じて線形補間によって内挿して、幅位置wにおける温度補正値ΔTを算出する。具体的には、下式(1)により算出する。
Figure 2010214432
ただし、
w:温度計算値を求めた幅位置、
Tmi:幅位置wでの温度計算値、Tmi+1:幅位置wi+1での温度計算値、
i:裏面側の幅位置wでの温度測定値、Ti+1:裏面側の幅位置wi+1での温度測定値、
ΔT:裏面側の幅位置wiでの誤差、ΔTi+1:裏面側の幅位置wi+1での誤差
なお、2点を用いて線形補間で内挿する例で説明したが、3点以上の誤差データを用いて、誤差変化量を曲線補間して求めるなど種々の補間方法を用いても良い。
次に、S13で求めた補正値ΔTを用いて、下式(2)により裏面温度計算値の補正を行って、裏面の温度分布とする。このとき、光ファイバー放射温度計の測定位置は、S12の誤差が補正値となる。
Figure 2010214432
ただし、
mw’: 幅位置wにおける補正後の温度計算値、
mw:幅位置wにおける補正前の温度計算値
[第2の実施形態]
本実施形態は、演算処理において鋼板全面をメッシュで区切り、複数の領域に分割して行う点が第1の実施形態と異なり、それ以外の点は同じなので、図8〜10を用いて異なる点を主に、説明する。
図8は、厚鋼板上のメッシュの切り方を説明する図である。鋼板の幅方向中心をメッシュの中心と合わせて、例えば、300×300mm(幅×長)のメッシュで分割した様子を表している。メッシュの大きさは、測定対象および条件に合わせて適宜設定(例えば、200〜1000mmなど)可能である。このように決めたメッシュ内の温度代表値で管理する。ここで、温度代表値とは、メッシュを代表する温度であり、例えば、明らかな異常値を除いた最大温度、最小温度、平均温度などのいずれかを用いる。ここで、代表温度として最大温度を採用すると、表面の水乗りや蒸気の影響による放射温度計の測定誤差(真値より低い温度指示となる)を含んだデータを除くことができるので好ましい。以下では、最大温度を例にして説明する。なお、幅方向両エッジ部(非定常部)および切捨て長さ(クロップ部)は、通常は対象範囲外とする。
図8のようにメッシュで分割した領域で、鋼板の表裏面の全面における温度を測定・算出する手順を示すフローチャートを図9を用いて説明する。
先ず、裏面側の温度測定位置を含むメッシュを対象にして、表面側の温度代表値の決定を行う(S21)。図10は、裏面温度測定位置を含むメッシュ内での表面側の温度代表値の決め方を説明する図である。裏面温度測定位置を含むメッシュにおける、表面側での温度測定点を白丸印および黒丸印で表しており、このうち黒丸印(3点)が裏面温度測定位置と一致する位置であり、この裏面温度測定位置と一致する温度測定値を温度代表値の候補である。そして、この3点の中で最大温度を温度代表値とする。図では破線の丸印で囲った黒丸印(3点の真中)で、温度代表値の箇所を表している。なお、平均温度を温度代表値とする場合には、異常値を除いた黒丸印の温度を加算平均する。
次に、S21で求めた表面側の温度代表値から裏面温度計算値を算出する(S22)。表面側の温度代表値から裏面側の温度計算値を算出する手順は、第1の実施形態の表面側の温度測定値を、温度代表値に置き換えれば、同様の手順で求めることができる。
次に、S22で算出した裏面側の温度計算値の、温度測定値との誤差を求める(S23)。この誤差が、このメッシュにおける温度計算値の温度補正値でもある。以上のS21からS23の処理を、全ての裏面温度計位置を含むメッシュ(裏面温度を幅方向に5点測定した場合には、5メッシュ)で行う。
次に、裏面温度測定位置を含まないメッシュを対象に処理をする。S21と同様に、表面の温度代表値の決定を行う(S24)。メッシュ内での温度代表値(例えば、明らかな異常値を除いた最大温度)を決定する。さらに、S22と同様に、板内温度分布式を用いて裏面温度計算値の算出を行う(S25)。
次に、裏面温度計算値の補正値を算出する(S26)。ここでの補正値の算出手順は、実施形態1のS13と同じである。S23で求めた裏面側の温度実測値と計算値との誤差、すなわち、その位置における補正値を元に、裏面温度計位置を含むメッシュの間にある、裏面温度計を含まないメッシュにおける温度計算値の補正値を、メッシュの相対的な位置関係から線形補間や曲線補間等により算出する。
そうして求めた補正値を用いて、S25で算出した裏面温度計算値を補正して、そのメッシュにおける温度と決定する(S27)。以上の処理を、裏面温度測定位置に対応しないメッシュすべてについて行うと、全幅について処理が終わる。
そして次に、次の長手方向のメッシュに対して、S21〜S27の処理を順次行い、メッシュ設定したすべてのメッシュについて処理が終われば、表裏面の全面温度の算出が終了する。
以上説明した本発明により、品質設計において、材質特性の余裕代を低減することで、添加する合金化成分を低減し製造コストを削減できる。また目標温度範囲を広くすることができるため、材質のスペックの厳しい材料を圧延後急速冷却工程で製造することができる。
また、全面の温度を合否判定することにより、材質不合格部の流出を防止できる。さらに、品質判定不合格材の温度測定実績をもとに、冷却装置における冷却水量を調整することにより、材質不合格材を低減できる(材質不合格率が0.11%から0.08%に低減)。
1 加熱炉
2 仕上げ圧延機
3 鋼板
5 冷却装置
6、6a,6c 走査型放射温度計
7、7a,7c 光ファイバー放射温度計
8 仕上温度収集装置
10 冷却停止温度収集装置
11 表面温度収集装置
12 裏面温度収集装置
13 全面温度演算装置
14 合否判定装置

Claims (2)

  1. 厚鋼板製造ラインの仕上げ圧延機の出側および該仕上げ圧延機の下流側に設置された冷却装置の出側で、厚鋼板の表裏面の片側の面の表面温度分布を測定する第一の温度測定手段と、
    前記仕上げ圧延機の出側および前記冷却装置の出側で、前記第一の温度測定手段の測定する面とは異なる面で、前記第一の温度測定手段が測定する測定点より少ない測定点の表面温度を測定する第二の温度測定手段と、
    前記第二の温度測定手段の測定箇所の表面温度を、前記第一の温度測定手段での測定温度から算出し、該算出温度と前記第二の温度測定手段での測定温度との差から算出誤差を求め、該算出誤差を用いて前記第二の温度測定手段の測定箇所以外の表面温度を算出する温度算出手段とを具備することを特徴とする厚鋼板の表面温度測定装置。
  2. 請求項1に記載の厚鋼板の表面温度測定装置の、第一の温度測定手段と前記第二の温度測定手段とで測定した温度および前記温度算出手段とで算出した温度を用いて厚鋼板の材質を判定することを特徴とする厚鋼板の材質判定方法。
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