JP2010154898A - 身体貼付用シート剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】粘着基剤の肌残りや粉吹きが殆どなく、十分な皮膚への粘着性と、皮膚の凹凸や可動に対する追従性や伸展性を有し、貼付後の皮膚に対して潤い感を付与できる、保存時の含水ゲル層への保湿層の保持性能が高い身体貼付用シート剤を提供する。
【解決手段】(A)アニオン性ポリマーの架橋構造体を含む含水ゲル層と、(B)貼付時にその一部が皮膚上に転写される保湿層とが積層された構造を有する身体貼付用シート剤であって、該保湿層が、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸分解物、ヒアルロン酸誘導体及びそれらの塩から選ばれる1種以上のヒアルロン酸類を1.5〜5質量%含有するジェル状の層であって、該ヒアルロン酸類を1〜5質量%含有する水溶液に、該(A)含水ゲル層を積層することにより得られる身体貼付用シート剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、身体に貼付して使用する含水ゲルシート剤に関する。
化粧用や医療用の有効成分を皮膚へ浸透させる手段の1つとして、水溶性ポリマーからなる含水ゲルシートが用いられている。当該含水ゲルシートは、特に、素材由来の柔軟性や弾力性を必要とした身体の凹凸部や可動部位に適用されるため、接着性や使用性の向上について検討がされている。
例えば、2種類の水溶性ポリマーをゲル基剤に用いた、滲出物の放出性を有する含水ゲルシートが提案されている(特許文献1)。このゲルシートは、シネリシス(syneresis)により対象表面への粘着を促進するので粘着剤が不要である。また、静置状態でゲルシート内の液体を放出し、貼付時の皮膚に水分を供給し、潤い感を与えることができる。しかし、ゲル形成時に放出される液体層は増粘作用のある水溶性高分子を含まず、非常に粘性が低いため、液体層によりゲルシートが皮膚上で滑りやすくなり、長時間の貼付が難しい。さらに、寒天やグルコマンナンをベース基剤としたゲルシートは、塑性変形しやすく、使用時に爪などでキズが入ることでちぎれやすい。
また、ポリアクリル酸系の水溶性ポリマーをゲル基剤として用いた含水ゲルシートが提案されている(特許文献2)。このゲルシート剤は、ゼラチン基材のゲルシートに比べて気温変化の影響(変形)を受けにくく、伸張性が高く、ちぎれ難く、弾性変形しやすいという特徴を有し、クッション性により患部を物理的に保護できる点から、化粧料や医療用パップ剤などに数多く使用されている。さらに、皮膚に対する粘着性も良好である。しかし、ポリアクリル酸系の水溶性ポリマーは、吸水性、及び保水性の高い基剤であるため、含水ゲルシートに使用した場合は、皮膚に潤い感を与えるほど十分に水分を供与できないという問題があった。さらに、高い伸張性は、シートを薄くした際に自己保形性を低くする要因となり、織布や不織布などを支持体として積層し、ゲルの伸張性を抑制する手段が必要となる。しかしながら、支持体として用いる織布や不織布は、含水ゲル層に比べて伸展性や柔軟性が低く、含水ゲル層の柔軟性を制御する反面、凹凸のある皮膚や肘・膝などの可動する皮膚に対して、ゲルシート全体としての追従性を低下させるという問題がある。
さらに、特定の低親水性の多価アルコールを配合することにより、ポリアクリル酸系ゲルからの水の放出性や揮散性を促進させた含水ゲルシートが提案されている(特許文献3)。しかし、ゲルシート内から水が放出されることにより、貼付時にゲルシートの表面に増粘剤を含まない液状層ができてゲルシートが皮膚上で滑りやすくなり、粘着性が低下してしまう。
そこで、ゲルシートの粘着性を改善する一つの手段として、2層構成の含水ゲルシート剤が挙げられる。例えば、水蒸気が透過するプラスチックフィルムの片面に、含水ゲル層と親水性粘着層を順次積層した、2層構成の親水性貼付剤に関する技術が報告されている(特許文献4)。このゲルシート剤は、水分等の流動性物質は通過しないが蒸れや被れを抑制しかつ絆創膏等の補助手段を必要としない粘着強度を有することを目的とし、貼付面側に粘着性を付与する層を設けた2層構成としている。しかし、具体的な粘着層の形成法は示されておらず、また貼付部位の皮膚を積極的に保湿したり、剥離後の皮膚に潤い感を付与するといった思想はない。また、親水性粘着層は、粘着基剤として、ポリビニルピロリドン、プルラン、ポリ(メタ)アクリル酸、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルビニルエーテル・無水マレイン酸共重合物、ポリ(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル又は同系統共重合体、カルボキシメチル化デン粉等を用い、水分含有量が低いか、又は水分が含有されずに可塑剤の添加で接着性を示すように設計されているために、皮膚に水分を供給するのが難しい。さらに剥離後に粘着基剤が肌残りすることがあり、肌に残った粘着基剤は乾燥後に皮膚上で粉を吹いたような状態となる。
特表2003−518008号公報 特開昭60−60854号公報 特開平8−188527号公報 特開平3−227919号公報
本発明の課題は、保存時の含水ゲル層への保湿層の保持性能が高く、使用時においては十分な皮膚への粘着性と、皮膚の凹凸や可動に対する追従性や伸展性を有し、貼付後の皮膚に対して粘着基剤による肌残りや粉吹きが殆どなく、潤い感を付与できる身体貼付用シート剤を提供することにある。
本発明者は、支持体としての含水ゲル層と、有効成分や水を皮膚に供給するためのジェル層の2層構成のシート剤を開発すべく種々検討した結果、含水ゲル層としてアニオン性ポリマーの架橋構造体を用い、保湿層としてヒアルロン酸類を一定量含有する水溶液を含水ゲル層に載せて積層すれば、簡便に2層構成のシート剤が得られ、シート剤を貼付け使用時は、保湿層による皮膚への粘着性が高く、皮膚の凹凸や可動に対して良好な追従性を有し、使用後に剥離する時には保湿層の一部が皮膚上に転写されて、保湿層内の水及びヒアルロン酸類を皮膚に供給できるとともに、かつ剥離、乾燥後の粉吹きのような肌残りもないことを見出した。
すなわち、本発明は、(A)アニオン性ポリマーの架橋構造体を含む含水ゲル層と、(B)貼付時にその一部が皮膚上に転写される保湿層とが積層された構造を有する身体貼付用シート剤であって、該保湿層が、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸分解物、ヒアルロン酸誘導体及びそれらの塩から選ばれる1種以上のヒアルロン酸類を1.5〜5質量%含有するジェル状の層であって、該ヒアルロン酸類を1〜5質量%含有する水溶液と該(A)含水ゲル層とを積層することにより得られる身体貼付用シート剤を提供するものである。
本発明の身体貼付用シート剤は、保存時の含水ゲル層への保湿層の保持性能が高く、貼付面にジェル状の保湿層を有するため、皮膚との接着性が良好である。また、ジェル状の保湿層の水分量が多いため、貼付中に保湿層から皮膚へ水分が供給され、剥離後の皮膚に潤い感を付与できる。さらに、多量の水を保持している含水ゲル層が保湿層に積層されているので、保湿層を介して皮膚への水分供給が持続する。
また、皮膚への水分供給によって角層が膨潤するとともに、含水ゲル層による閉塞効果により、保湿層に含まれるヒアルロン酸類が、皮膚に浸透しやすくなる。
さらに、剥離後には水分やヒアルロン酸類を含むジェル状の保湿層が「美容液」として皮膚に残留するため、残留した保湿層を皮膚上で塗り伸ばすことによって、より多くのヒアルロン酸類を皮膚に供給できるとともに、保湿層が局所的に残留し、粉吹きのような肌残りを防ぐことができる。
本発明の身体貼付用シート剤は、アニオン性ポリマーの架橋構造体を含む含水ゲル層(A)と、該含水ゲル層の片面に積層され、貼付時にその一部が皮膚上に転写されるジェル状の保湿層(B)との2層構造を有する。
含水ゲル層(A)は、アニオン性ポリマーの架橋構造体により含水ゲルを形成された層であり、シート剤の支持体となり得るものであり、かつジェル層への水分供給層と皮膚閉塞層としての機能も有するものである。当該アニオン性ポリマーの架橋構造体は、アニオン性ポリマー、架橋剤及び水により、該アニオン性ポリマーが架橋剤と化学的に反応して、含水ゲル層の基本骨格となる緻密な網目構造を形成している。アニオン性ポリマーが化学的に架橋してなる含水ゲル層は非水溶性であるが、網目構造中に多量の水を保持して膨潤しているため、適度な弾力性や伸展性、柔軟性を有する。さらに、化学的に架橋してなる含水ゲルは、寒天ゲル等に比べて熱可塑性が小さいために、幅広い使用温度に対して保形性が安定であり、身体貼付用シート剤の支持体として非常に有用である。
本発明のシート剤の含水ゲル層の厚みとしては、積層される保湿層の保持性能を有し、かつ保湿層への水分供給を維持でき、また使用時においては適度な弾力性や伸展性、柔軟性を有するとともに、自重により剥れやすくなることのバランスを考慮し、好ましくは0.5〜5mmであり、より好ましくは0.8〜2mmである。
また、含水ゲル層のゲル強度は、適度な弾力性や伸展性、柔軟性を有する支持体としての機能から、1〜18N/cm2であることが好ましく、さらに1.5〜10N/cm2、特に2〜8N/cm2であることが好ましい。ここでゲル強度は以下の方法で測定できる。
架橋反応終了前の含水ゲルを、直径60mmφ、深さ80mmのカップ容器内に充填し、そのまま架橋反応を終了させて、直径60mmφ×高さ60mmの円柱ゲルを調製する。デジタルフォースゲージに接続したプランジャー(直径12mmφ、フラットタイプ)を、カップ容器内の円柱ゲルの上面中央部に接触させ、プランジャーを300mm/minの一定速度で、ゲル内部に30mm押し込み、その応力F[N]をデジタルフォースゲージにより計測する。プランジャー端面の面積をS[cm2]とすると、ゲル強度はF/S[N/cm2]で算出される。
含水ゲル層の水は、温泉水や湧水などの天然水、水道水、精製水、イオン交換水等の各種水が使用できる。本発明において、製造時に及び使用中に含水ゲル層と後述の保湿層(B)との間に含まれる水の一部が移動するため、含水ゲル層に配合する水の量としては、含水ゲルの総質量を基準として、50〜95質量%が好ましく、より好ましくは55〜90質量%である。この範囲であると、水、ゲル化剤、その他の成分の溶解や分散性が良好であり、作業性及び保湿効果の点で好適である。水の含有量が少なすぎると、アニオン性ポリマーやその他の配合基剤の分散、溶解性が不十分となり、製造時の作業性の低下や、形成された含水ゲル層の保形性の低下や不均一化などの不具合が生じる。また、その含有量が多すぎると、含水ゲルの保形性が低下し、使用時にゲルがちぎれる等の不具合が生じる。
アニオン性ポリマーとしては、例えば、カルボキシル基、硫酸基、及びリン酸基を有するポリマーが挙げられる。具体的にカルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース等のアニオン性セルロース誘導体、カラゲナン、アルギン酸及びその塩類、アニオン性の澱粉誘導体などが挙げられる。特に、高い保水量と、十分なゲル強度及び皮膚の凹凸や動きに追従可能な柔軟性を、すべて満たすような含水ゲル層を得るためには、ポリ(メタ)アクリル酸類、アニオン性セルロース誘導体、カラゲナンの内、少なくとも1種以上を含むことが好ましい。さらに、積層時における含水ゲル層と保湿層の水分バランスがコントロールしやすく、保湿層の水分量を高く維持でき、工業的に安価に入手しやすいという理由から、アニオン性セルロース誘導体、特にカルボキシメチルセルロースが好ましい。
該ポリマーの含有量は、配合時の含水ゲル原液中に0.5〜25質量%が好ましく、より好ましくは3〜10質量%である。また、未架橋状態のゲルの粘度調整や、アニオン性ポリマーの網目構造に物理的に絡むことにより架橋ゲルの保形性を高めるために、後述する水溶性高分子を配合する場合には、アニオン性ポリマーの含有量は、含水ゲル原液中に0.5〜6質量%が好ましい。
架橋剤としては、金属イオン化合物やカチオン性ポリマー、多官能性エポキシ化合物を使用することができ、使用するアニオン性ポリマーの官能基との反応性により、適宜選択する。
金属イオン化合物としては、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、カリウムなどを含む酸化物や水酸化物、塩類などが挙げられ、例えば、水酸化アルミニウム、カリミョウバン、硫酸アルミニウム、酸化アルミニウム、アルミニウムグリシネート、酢酸アルミニウム、乳酸アルミニウム、ステアリン酸アルミニウム、含水珪酸アルミニウム、メタケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、塩化マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、カオリン、合成ヒドロタルサイト、水酸化カリウムなどが挙げられ、これらの1種もしくは2種以上を配合して用いることができる。
カチオン性ポリマーとしては、ポリリジンなどのポリアミノ酸などを使用することが出来る。
また、多官能性エポキシ化合物としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ソルビタンポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルなどが挙げられ、これらの1種もしくは2種以上を配合して用いることができる。特に、アニオン性ポリマーとしてカルボキシメチルセルロース等のアニオン性セルロース誘導体を選択する場合には、架橋剤としてメタケイ酸アルミン酸マグネシウム、水酸化アルミニウム等のアルミニウムイオン化合物が好ましい。
含水ゲル層の架橋剤の含有量としては、含水ゲル原液中に0.01〜10質量%が好ましく、より好ましくは0.05〜5質量%、特に好ましくは0.1〜2質量%である。
本発明の含水ゲル層には、水、アニオン性ポリマー、架橋剤に加えて、必要に応じて、架橋状態や保存安定性に悪影響を与えない範囲で、水溶性高分子、保湿剤、油剤、界面活性剤、pH調整剤、薬効成分、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、溶解剤、着色料、香料等を適宜配合できる。
水溶性高分子は、例えば未架橋状態のゲルの粘度調整や、アニオン性ポリマーの網目構造に物理的に絡むことにより架橋ゲルの保形性を高める、などの目的で適宜配合される。
使用する水溶性高分子としては、例えば、ゼラチン、寒天、ペクチン、キサンタンガム、ローカストビーンガム、ジェランガム、トラガントガム、アラビアガム、グルコマンナン、グアーガム、HPグアーガム、チューベロース多糖体等の天然高分子あるいはその誘導体;PVA、PVP、ポリビニルピロリドン・ビニルアセテート共重合体等のポリビニル系化合物;メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のノニオン性のセルロース誘導体;可溶性澱粉、プルラン、デキストリン、ヒドロキシアルキル澱粉、酢酸デンプン等の澱粉分解物あるいは澱粉誘導体などが挙げられ、これらの1種もしくは2種以上を組み合わせて使用できる。水溶性高分子化合物の含有量は、含水ゲル中に0〜5質量%が好ましい。
保湿剤としては、例えば、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレンジグリセリルエーテル、ポリオキシプロピレンジグリセリルエーテル、メチルグルコシド、ポリオキシエチレンメチルグルコシド、エリスリトール、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、マルチトール、トレハロース等の多価アルコール類、糖アルコール類、糖類や、アミノ酸及びその誘導体や、蛋白質及びその誘導体等が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上を組み合わせて使用できる。これらの保湿剤は保水性が高いので、含水ゲル層の極端な乾燥を抑制し、身体貼付シート剤が肌の凹凸などに追従するための柔軟性を維持することができる。同時に、これらの保湿剤は、含水ゲル層に配合することにより、(B)保湿層を介して皮膚への持続的な保湿剤の供給が可能になる。特に、グリセリンやプロピレングリコール等の常温・常圧で液体である保湿剤は、含水ゲルの配合時にアニオン性ポリマーの分散剤としての機能を有するので好ましい。保湿剤の含有量は、含水ゲル原液中1〜50質量%、特に1〜40質量%が好ましい。
油剤としては、ホホバ油、オリーブ油、アボガド油、ハッカ油、ツバキオイル、グレープシードオイル等の植物油;ミンク油、ラノリン等の動物油;流動パラフィン、スクワラン、スクワレン等の炭化水素類;ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、セチルアルコール等の高級アルコール類;ミリスチン酸イソプロピル、オレイン酸オレイル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール等のエステル油類;エチレングリコールジオクチルエーテル等のエーテル油類;ジメチルシリコーンオイル、アルコール変性シリコーン油、アルキル変性シリコーン油、アミノ変性シリコーン油等のシリコーン油類;パーフルオロポリエーテル等のフッ素油などが挙げられ、これらの1種もしくは2種以上を組み合わせて使用できる。
油剤の配合量は、含水ゲル層の架橋状態や保存安定性への影響、さらに使用目的に応じて、例えば、不足した油分を肌に供給し、皮膚からの過剰な水分蒸散を防止して保湿効果を高める、あるいは薬効成分の皮膚浸透性を高めるなどの油剤の持つ機能を発揮させるために使用する場合では、油剤の含有量は、含水ゲル原液中0.01〜20質量%の範囲が好ましい。また、これらの油剤も、保湿剤と同様に、貼付面の保湿層に乳化物あるいは可溶化物として配合することによって、より皮膚への分配性を高めることが可能である。
界面活性剤は、油剤を乳化、あるいは可溶化して含水ゲル内に均一に分散させるために使用される。界面活性剤としては、化粧料用として汎用的に使用される、例えば、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキル硫酸エステル塩等の陰イオン界面活性剤;ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド、オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド等の陽イオン界面活性剤;ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンモノステアレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンオクタデシルアミン等の非イオン界面活性剤;ステアリルベタイン、ラウリルジメテルアミンオキサイド等の両性界面活性剤などが挙げられ、これらの1種もしくは2種以上を組み合わせて使用できる。
界面活性剤の含有量は、使用する油剤の種類や配合量により適宜設定されるが、含水ゲル原液中0.01〜10質量%の範囲であることが好ましい。
pH調整剤としては、酒石酸、コハク酸、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、酢酸、グリコール酸、塩酸、シュウ酸、リン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、ジプロピルアミン、トリプロピルアミン、モノメタノールアミン、ジメタノールアミン、トリメタノールアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノプロパノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアミン、クエン酸塩、リン酸塩、炭酸塩などが挙げられる。含水ゲル層のpHは4〜8の範囲に調整することが好ましく、pH調整剤の含有量は含水ゲル原液中0.01〜10質量%の範囲が好ましい。
薬効成分としては、種々の美肌成分やその他の薬効成分などが挙げられる。
美肌成分とは、美白効果、小じわ・たるみの改善効果、ターンオーバー改善効果、スリミング効果、保湿効果、収斂効果、皮膚軟化効果等の作用が認められる成分である。これらの成分も、保湿剤と同様に、貼付面の保湿層に配合することによって、より皮膚への分配性を高めることが可能であるが、含水ゲル層にも配合することにより、ジェル層を介して皮膚へ持続的に供給できる。
美肌成分としては、化粧料に使用されている各種の美肌用活性物質がいずれも使用でき、例えば、セラミド類、ビタミン類(ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、及びその誘導体など)、ヒアルロン酸及びその塩、コンドロイチン硫酸及びその塩、チューベロース多糖体、アミノ酸及びその誘導体や蛋白分解物、ヒドロキシ酸等の有機酸類、ラクトフェリン等の糖蛋白質、ユビデカレノン(コエンザイムQ10)、αリポ酸(チオクト酸)、動植物抽出液、尿素などが挙げられ、これらの1種もしくは2種以上を組み合わせて使用できる。美肌成分の含有量は、含水ゲル原液中0.01〜20質量%の範囲が好ましい。
他の薬効成分とは、血行促進作用、消炎鎮痛作用、鎮痒作用等の作用が認められる成分である。薬効成分としては、例えば、ニコチン酸及びその誘導体、ビタミンEやその誘導体、サリチル酸及びその塩、グリチルリチン酸及びその塩、アラントイン、グアイアズレン、塩酸ジフェンヒドラミン、塩化リゾチーム、カフェイン、カルニチン、などが挙げられ、これらの1種もしくは2種以上を組み合わせて使用できる。これらの薬効成分の含有量は、含水ゲル原液中0.01〜20質量%の範囲が好ましい。
防腐剤としては、パラオキシ安息香酸エステル、安息香酸及びその塩、ソルビン酸及びその塩、デヒドロ酢酸塩、フェノール、イソプロピルメチルフェノール、ヒノキチオール、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化クロルヘキシジンなどが挙げられ、これらの1種もしくは2種以上を組み合わせて使用できる。防腐剤の含有量は、含水ゲル原液中0.01〜5質量%の範囲が好ましい。
酸化防止剤としては、アスコルビン酸及びその塩、アスコルビン酸エステル、カロチン、アスタキサンチン、没食子酸プロピル、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエンなどが挙げられ、これらの1種もしくは2種以上を組み合わせて使用できる。
紫外線吸収剤としては、パラアミノ安息香酸及びそのエステル類、パラジメチルアミノ安息香酸アミル、オキシベンゾン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸、シノキサートなどが挙げられる。
溶解剤は難水溶性の薬効成分などを含水ゲル中に均一に分散させるために使用され、具体的には、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、ベンジルアルコール等の低級アルコールが挙げられる。
着色料については、使用感や肌の活性化感の向上につながるものである。着色料としては、赤色102号(ニューコクション)、赤色104号−(1)(フロキシンB)、赤色105号−(1)(ローズベンガル)、赤色106号(アッシドレッド)、赤色2号(アマランス)、赤色3号(エリスロシン)、黄色4号(タートラジン)、黄色5号(サンセットエローFCF)、緑色3号(ファストグリーンFCF)、青色1号(ブリリアントブルーFCF)、青色2号(インジゴカルミン)等の法定色素が挙げられる。
香料としては、特に限定されず、医薬品、医薬部外品、化粧品、衛生材料、雑貨等の分野で使用可能な香料の中から、適宜配合できる。
本発明の保湿層(B)は、十分な粘着性を発現するために、ヒアルロン酸類が、水に溶解、或いは分散しており、ゲル化していない粘稠な液状(ジェル状)であって、皮膚に転写される層である。皮膚への転写とは、本発明のシート剤を皮膚に貼付し、一定時間後にゲル層を皮膚から剥がす際にゲル層側から肌側に転写される、すなわち保湿層が十分に肌に残ることを意味する。保湿層の粘度は使用時の肌への粘着性、皮膚への転写性の点から、保湿層(B)の20%水溶液を調製した時(25℃)に、100〜1,000,000mPa・s、さらに300〜800,000mPa・s、特に500〜600,000mPa・sであるのが好ましい。粘度はB型粘度計で測定する。
本発明の保湿層(B)に用いられるヒアルロン酸、ヒアルロン酸分解物、ヒアルロン酸の誘導体及びそれらの塩としては、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、ヒアルロン酸及びヒアルロン酸ナトリウムの加熱及び酵素分解物、アセチル化ヒアルロン酸等が挙げられる。用いるこれらヒアルロン酸類の平均分子量は、ヒアルロン酸の供給源により、例えば、鶏のトサカでは500万〜700万、乳酸菌等微生物発酵法により精製されたものでは100万〜300万である。ヒアルロン酸の分解物や、アセチル化ヒアルロン酸などを使用するのが好ましく、またこれらとヒアルロン酸又はヒアルロン酸ナトリウムを併用することが好ましい。ヒアルロン酸の分解物の平均分子量としては1000〜150万、より好ましくは5000〜100万、さらに好ましくは6万〜100万である。
これらのヒアルロン酸類は、本発明の身体貼付用シート剤の保湿層中に1.5〜5質量%含まれるが、含水ゲル層上で水分量を安定に保持し、さらに貼付時の皮膚への接着性や、剥離時に皮膚へのベタツキがなく保湿層を皮膚に転写し水分保持し、さらに乾燥時の粉吹きをなくす点から保湿層(B)中に1.3〜2質量%が好ましく、特に1.8〜3質量%含有するのが好ましい。
また、保湿層(B)には、貼付時、及び剥離後の皮膚に転写されて角層を膨潤させ、潤いを付与及び保持する作用、有効成分の皮膚浸透性を上げる作用、ベトツキを抑えて良好な使用感を維持する作用、貼付時の皮膚接着性を維持する作用等の点から、保湿剤液の調整時の水が50〜95質量%、さらに55〜90質量%、特に60〜70質量%含まれるのが好ましい。
本発明の保湿層(B)には、さらに、ヒアルロン酸類を除くその他の水溶性高分子、可塑剤、保湿剤、油剤、界面活性剤、pH調整剤、薬効成分、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、溶解剤、着色料、香料等を適宜配合できる。ここで用いられる成分は、前記含水ゲル層(A)と同じものを例示することができる。これらの成分の総量は、保湿層(B)中に3.5〜50質量%の範囲で適宜配合することが好ましい。
特に、ヒアルロン酸以外の水溶性高分子として、上述の含水ゲル層に任意に含まれる成分と異なっても同じでもよいが、保湿層の粘稠性や転写された時の感触を調整するために、平均分子量は5000〜500万の水溶性高分子を保湿層中に5質量%以下、特に0.01〜3質量%配合することが好ましい。
本発明の身体貼付用シート剤は、前記含水ゲル層(A)と保湿層(B)とが積層された構造を有しており、前記ヒアルロン酸類を1.5〜5質量%含有する水溶液に前記(A)含水ゲル層を直接積層することによって製造することができる。
積層する方法としては、例えばヒアルロン酸類含有水溶液をトレー等の平らな容器中に滴下し、その上に(A)含水ゲル層を載せることにより行なわれる。この後、24〜72時間静置させて、ヒアルロン酸含有水溶液の一部が含水ゲル層に浸透し、ジェル状の保湿層を形成する。滴下する水溶中のヒアルロン酸類の濃度は1〜5質量%であるが、最終形態のシート剤で、含水ゲル層および保湿層の間での水分および低分子量物質が移行することを考慮すると、得られるシート剤のジェル層と同濃度であることが好ましい。
このとき、含水ゲル層中の水分とヒアルロン酸類含有水溶液中の水分とは、含水ゲル層中のアニオン性ポリマーのイオン基の解離やポリオールなどの保湿剤の水和力などに起因する含水ゲル層の保水力と、ヒアルロン酸類含有水溶液との保水力とのバランスの上で、それぞれ平衡水分となるように、ヒアルロン酸水溶液のヒアルロン酸量と水分量とを調整することが好ましい。
平衡水分状態でゲル層表面に形成されたヒアルロン酸類を含有する保湿層の付着量としては、保湿層の比重を1とした時にゲル層の単位面積あたり0.003〜0.025g/cm2の範囲が好ましく、さらに0.005〜0.02g/cm2の範囲が好ましい。ここでいう付着量とは、(i)トレーから取り出した2層ゲルシートの重量、(ii)トレーから取り出した2層ゲルシートの保湿層を拭き取った後のゲルシートの重量、(iii)保湿層が形成されていた部分のゲルシート面積、とした場合に次式で算出される値である。
付着量=〔(i)−(ii)〕÷(iii)
このようにすれば、トレー中に含水ゲル層(A)と保湿層(B)とが積層されたシート剤が形成される。
本発明のシート剤は、最終形態のシート剤を包装容器(ピロー)に入れるか、前記のトレイを包装容器(ピロー)に入れてもよい。
また、本発明の身体貼付用シート剤に二酸化炭素等の気体を添加する場合には、シート剤を包装容器(ピロー)内に入れ、次いで包装容器(ピロー)内の空気を二酸化炭素に交換する方法により製造できる。また、前記のシートが形成されたトレイを、そのまま包装容器(ピロー)内に入れ、次いで包装容器(ピロー)内の空気を二酸化炭素に交換すればよい。包装容器(ピロー)内における二酸化炭素の充填量は、シート剤中のゲルの容積に対し0.5〜5倍量、好ましくは1.0〜3倍量充填されていることにより、十分な血行促進効果を得るだけの二酸化炭素を、ジェル状の保湿層及びゲル層中に十分に溶解させることができる。なお、含水ゲル層(A)の片面に後述するプラスチックフィルムを積層する場合、二酸化炭素をジェル状の保湿層及び含水ゲル層に溶存させるには、なるべくガス透過性の高いポリエチレンやポリプロピレンなどのプラスチックフィルムを少なくとも片面に使用することが好ましい。
得られた本発明のシート剤は、含水ゲル層と保湿層を有し、保湿層が貼付面である。貼付面に形成された保湿層には、ヒアルロン酸以外の薬効成分を配合することができるので、その濃度を含水ゲル層よりも高めることが可能となり、従来の単層ゲルシート剤のように含水ゲル層全体に薬効成分を配合するよりも、肌への分配効率を高め、より効率よく浸透させることができる。さらに、含水ゲル層全体に薬効成分を配合するよりも、少量で同じ効果を発現できるというコストメリットがある。
また、含水ゲル層と保湿層に異なる薬効成分を配合するということも可能であり、特に、含水ゲル層の架橋状態や保存安定性に悪影響を与える可能性がある剤(例えば、油剤や乳化剤など)を、保湿層の処方中にのみ配合することで、ゲル層の基本物性や保存安定性の維持と、薬効成分配合との両立が可能になる。
また、貼付面とは反対側の含水ゲル層(A)の表面には水分蒸散を防止するためプラスチックフィルムを積層することも可能である。
得られた本発明のシート剤は、必要によりプラスチックフィルムを剥離して、保湿層を貼付面として身体(顔など)に貼付して使用することができる。保湿層は、粘稠性のある液体であるため、剥離後にその一部が皮膚上に転写される。従って、本発明のシート剤は、皮膚に対する粘着性が良好である。また、貼付後は、一定時間保持してもよいし、含水ゲル層を剥離した後皮膚上に転写した保湿層を塗擦することにより、保湿層内の薬効成分を皮膚に浸透させることもできる。
実施例1〜3
<含水ゲルの調製方法>
表1に示す処方の未架橋状態の含水ゲル原液を調製した。調製方法は、グリセリンとプロピレングリコールの混合液を混練機に投入し、カルボキシメチルセルロース、水酸化アルミニウム、パラオキシ安息香酸メチルの順に添加してスラリーを調製し、さらにコハク酸水溶液を混合した。
この未架橋状態の含水ゲル原液を、プラスチック(PET)フィルムに挟み込み、ベーカー式アプリケーターにより、含水ゲルの厚さが2mmとなるように展延した。さらに、50℃で5日間熟成し含水ゲル層の架橋反応を完了させ、架橋した含水ゲルシートを得た。その後、図2の形状(面積32cm2)に型抜きを行なった。
<保湿液の調製及び積層シート剤の製造>
表2に示す処方で保湿液を調整した。このとき、ヒアルロン酸量の多いL−5はヒアルロン酸ナトリウムが十分に溶解せず、溶液が均一にならず、また非常に高粘度で流動性がなかったので、シート剤の製造には不適であった。
表2のL−1〜L−3の保湿液を、それぞれ図1に示すPET製のプラスチックトレーの収納部(凹部)に、表3に示す量を滴下して、その後、前記型抜きした含水ゲルシートの片面のプラスチックフィルムを剥離し、剥離面にトレー内の保湿液が接するように配置し、その後、ゲルシート入りのトレーをアルミニウムピローに挿入し、熱シールを行なった。
トレー中の保湿液は、室温にて3日間熟成を行なった。その結果、含水ゲルシート表面に保湿液が均一に広がり、保湿層を有する2層構成の含水ゲルシートを得た。得られた含水ゲル層と保湿液との組み合わせを表3に示す(実施例1〜3)。
トレーには、32cm2の目元用シート2片を配置できるように設計を行なった(図1、図2参照)。
このトレーの6シート分より、それぞれ3日間熟成後の保湿層を回収し、微量全窒素分析装置(三菱化学株式会社製 TN−100)により、回収した保湿層中の窒素濃度を測定した。この窒素濃度から保湿層中のヒアルロン酸ナトリウム含有量の算出を行なった。このときポリビニルピロリドンは90重量%が保湿層中に残存しているとして、算出を行なった。この結果、実施例1〜3のシート剤では、熟成後の保湿層中のヒアルロン酸ナトリウム含有量は、表4に示すように2.4〜2.6重量%であった。一方、比較例のシート剤では、0.9重量%であった。
<評価試験>
前記、実施例及び比較例で調製したゲルシートを用いて、保湿層を貼付面として目元に15分間貼付し、以下の5項目について官能評価を行なった。
A:貼付中におけるシートの「粘着性」
◎:瞬きなどの動きに対してずれず、安定にシートが目元に粘着している。
○:瞬きなどの動きに対して僅かにずれるが、ほぼ貼付位置にシートが粘着している。
△:静止状態でも目元から下方に徐々にずれるが、剥がれ落ちない。
×:静止状態でも目元から下方に大きくずれて、剥がれ落ちる。
B:シート剤を剥離した時に、皮膚へ転写された保湿層の「保湿感」
◎:皮膚に十分に保湿層が転写され、皮膚上でなじませた後も潤い感がある。
○:皮膚に有意に保湿層が転写され、皮膚上でなじませた後も潤い感がある。
△:皮膚にわずかに保湿層が転写され、皮膚上でなじませた後は潤い感がない。
×:皮膚に保湿層が転写されず、潤い感がない。
C:転写した保湿層を皮膚上になじませた後の「ベタツキ」
◎:なじませた後に、さらっとしてべとつかない。
○:なじませた後に、べとつかない。
△:なじませた後に、ややべとつく。
×:なじませた後に、べとつく。
D:保湿層をなじませて、乾燥後の“粉残り/粉吹き”
◎:白く粉残りや粉吹きがない。
○:白く粉残りや粉吹きが、ほとんどない。
△:やや白く粉残りや粉吹きがある
×:白く粉残りや粉吹きがある
その結果、表5に示すように実施例1〜3のシート剤ではA〜Dのすべての項目において、良好な結果であった。一方、比較例のシート剤では、粘着性と保湿層の皮膚転写性、潤い感は良好であったが、転写された保湿層がべとつき、さらに乾燥後の皮膚上に粉残りや粉吹きがあるため、不十分な結果であった。
トレーの形状の例を示す。 トレーにシートを配置した状態を示す。

Claims (3)

  1. (A)アニオン性ポリマーの架橋構造体を含む含水ゲル層と、(B)貼付時にその一部が皮膚上に転写される保湿層とが積層された構造を有する身体貼付用シート剤であって、該(B)保湿層が、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸分解物、ヒアルロン酸誘導体及びそれらの塩から選ばれる1種以上のヒアルロン酸類を1.5〜5質量%含有するジェル状の層であって、該ヒアルロン酸類を1〜5質量%含有する水溶液と、該(A)含水ゲル層とを積層することにより得られる身体貼付用シート剤。
  2. アニオン性ポリマーが、アニオン性セルロース誘導体である請求項1記載の身体貼付用シート剤。
  3. アニオン性セルロース誘導体が、カルボキシメチルセルロースである請求項2記載の身体貼付用シート剤。
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