JP2010153079A - 燃料電池システムおよび燃料電池システムの制御方法 - Google Patents

燃料電池システムおよび燃料電池システムの制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】燃料電池セルの湿潤状態を適切な状態で維持しつつ、カソード循環によって開回路電圧を許容電圧として設定された所定値以下とする。
【解決手段】本発明の燃料電池システムでは、負荷からの要求が無い状態となった際に、カソードオフガスをカソードガスとして循環させるカソードガス循環を実行して、燃料電池の出力電圧が、負荷からの要求が無い状態において許容される許容電圧以下となるように、カソードガス給排系を制御する場合において、燃料電池セルの湿潤状態が許容範囲内に収まるように、カソードガスの循環流量を制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池の湿潤状態を適切に維持しつつ燃料電池による発電を行う技術に関する。
燃料電池システムの運転状態のうち、負荷からの要求が無い状態、いわゆる無負荷運転状態では、燃料電池セルの構成要素である触媒層の劣化を抑制するために、燃料電池の出力電圧(「開回路電圧」とも呼ばれる)が、許容される電圧(「許容電圧」と呼ぶ)として設定された所定値を超えないように、燃料電池を動作させることが好ましい。
開回路電圧を低下させるための手法として、燃料電池のカソードから排出されるカソードオフガスをカソードに供給するカソードガスとして再度供給して循環(「カソード循環」と呼ぶ)させるとともに、微小な負荷要求状態で動作させて、カソードガスの酸素分圧を低下させることにより、開回路電圧を低下させる手法がある。
燃料電池セルの温度が高温の状態で、上記のカソード循環を実行させる場合において、カソード循環の流量が多いと、乾燥した循環ガスによって燃料電池セルを構成する電解質膜や触媒層の乾燥が促進され、燃料電池の発電性能の低下を招くことになる。過度の乾燥を防止するためには、循環路に加湿器を設けてカソードガスを加湿する方法もある。しかし、この方法では、循環路の構成が複雑になったり、あるいは、加湿にエネルギーを要しシステム効率が低下したりする問題がある。
特公平08−028226号公報 特開平09−266002号公報
そこで、本発明は、負荷からの要求が無い無負荷運転状態において、加湿器にとる加湿量の調整以外の方法を利用して、燃料電池セルの湿潤状態を適切な状態で維持しつつ、カソード循環によって開回路電圧を許容電圧として設定された所定値以下とすることが可能な技術を提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
負荷からの電力要求に応じた電力を供給するための燃料電池システムであって、
電解質膜の両面にカソードおよびアノードが形成された燃料電池セルを備えた燃料電池と、
前記燃料電池セルのアノードに対してアノードガスの供給およびアノードオフガスの排出を行なうアノードガス給排系と、
前記燃料電池セルのカソードに対してカソードガスの供給およびカソードオフガスの排出を行なうカソードガス給排系と、
前記燃料電池の動作を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記負荷からの要求が無い状態となった際に、前記カソードオフガスを前記カソードガスとして循環させるカソードガス循環を実行して、前記燃料電池の出力電圧が、前記負荷からの要求が無い状態において許容される許容電圧以下となるように、前記カソードガス給排系を制御する場合において、前記燃料電池セルの湿潤状態が許容範囲内に収まるように、前記カソードガスの循環流量を制御する
ことを特徴とする燃料電池システム。
このようにすれば、負荷からの要求が無い状態(無負荷運転状態)において、燃料電池セルの湿潤状態を適切な状態で維持しつつ、カソード循環によって燃料電池の出力電圧(開回路電圧)を、負荷からの要求が無い状態において許容される所定電圧以下とすることが可能となる。
[適用例2]
適用例1記載の燃料電池システムであって、
前記制御部は、
前記燃料電池セルが所定温度以上である際にのみ、前記燃料電池セルの湿潤状態に応じて前記カソードガスの循環流量を制御する
ことを特徴とする燃料電池システム。
このようにすれば、所定温度、例えば、燃料電池セルが乾燥し易い温度以上において、燃料電池セルの湿潤状態を適切な状態で維持しつつ、カソード循環によって前記燃料電池の出力電圧を所定値以下とすることが可能となる。
[適用例3]
適用例1または適用例2記載の燃料電池システムであって、
前記制御部は、さらに、
前記負荷からの要求が無い状態から有る状態となった際に、前記燃料電池セルの湿潤状態が、前記負荷からの要求に応じた電力を供給するための前記カソードガスの必要供給流量での動作を許容できる状態となるまで、前記カソードガスの流量を前記必要供給流量未満に制限する
ことを特徴とする燃料電池システム。
このようにすれば、負荷からの要求に応じた電力を供給するためのカソードガスの必要供給流量での動作を許容できる状態となるまで、カソードガスの流量を必要供給流量未満に制限することにより、燃料電池セルの湿潤状態を適切な状態に維持することができる。
[適用例4]
適用例1または適用例2記載の燃料電池システムであって、
前記制御部は、前記カソードガス循環を実行するとともに、アノードガス給排系を制御することにより、前記アノードオフガスを前記アノードガスとして循環させるアノード循環を実行し、前記燃料電池セルの湿潤状態に応じて、前記アノードガスの循環流量を制御する
ことを特徴とする燃料電池システム。
このようにすれば、アノードガスに含まれる水分がアノード側からカソード側に拡散して、燃料電池セルの湿潤状態を適切な状態に維持することが、さらに、容易となる。
[適用例5]
負荷からの電力要求に応じた電力を供給するための燃料電池システムの制御方法であって、
前記負荷からの要求が無い状態となった際に、カソードオフガスをカソードガスとして循環させるカソードガス循環を実行して、前記燃料電池の出力電圧が許容電圧以下となるように、前記カソードガス給排系を制御する場合において、燃料電池に含まれる燃料電池セルの湿潤状態が許容範囲内に収まるように、前記カソードガスの循環流量を制御する
ことを特徴とする燃料電池システムの制御方法。
このようにすれば、負荷からの要求が無い状態(無負荷運転状態)において、燃料電池セルの湿潤状態を適切な状態で維持しつつ、カソード循環によって前記燃料電池の出力電圧(開回路電圧)を、負荷からの要求が無い状態において許容される所定電圧以下とすることが可能となる。
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、燃料電池システムや燃料電池システムの制御方法などの種々の形態で実現することが可能である。
本発明の実施の形態を、実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.第1実施例:
B.第2実施例:
C.第3実施例:
A.第1実施例:
A1.システム構成:
図1は、第1実施例としての燃料電池システムの概略構成を示すブロック図である。この燃料電池システム10は、燃料電池100と、アノードガス給排系200と、カソードガス給排系300と、冷却装置400と、電力出力系500と、システム制御部600と、を備えている。
燃料電池100は、アノードに供給されるアノードガスとしての燃料ガス(水素)と、カソードに供給されるカソードガスとしての酸化ガス(空気に含まれる酸素)との電気化学反応により電力を発生する。この燃料電池100としては、固体高分子型燃料電池等の種々の燃料電池を用いることができる。なお、通常、燃料電池100は、複数の燃料電池セルを積層したスタック構造とされる。なお、燃料電池100には、温度計102が接続されており、燃料電池セルの温度(「セル温度」と呼ぶ)が計測される。
アノードガス給排系200は、水素供給源210と、コンプレッサ(A1)220と、マスフローコントローラ(A4)230と、気液分離器240と、コンプレッサ(A2)250と、切替弁(A3)260と、逆止弁270とを備える。このアノードガス給排系200は、燃料電池100を構成する燃料電池セルのアノード(以下、「燃料電池100のアノード」と略す)に、水素供給源210から、配管280a、コンプレッサ220、配管280b、マスフローコントローラ230、および、配管280cを介して、燃料ガスである水素をアノードガスとして供給する。この際、コンプレッサ220は、水素供給源210からから供給される水素をシステム制御部600からの指示に従った圧力でマスフローコントローラ230へ向けて送り出す。また、マスフローコントローラ230は、システム制御部600からの指示に従った流量でアノードガスを燃料電池100のアノードへ供給する。なお、水素供給源210としては、例えば、高圧水素が貯蔵された水素タンクを用いることができる。
また、アノードガス給排系200は、燃料電池100のアノードから排出されたアノードオフガスを、配管280d、気液分離器240、配管280e、コンプレッサ250、配管280f、切替弁260、配管280g、逆止弁270、および配管280hを介して、配管280bに戻し、再びアノードガスとして循環させる。なお、アノードオフガスは、電気化学反応に供された後のアノードガス、すなわち、燃料ガス(水素)である。この際、気液分離器240は、アノードオフガスとともに排出される水分を分離する。また、コンプレッサ250は、燃料電池100のアノードから排出されるアノードオフガスとしての水素をシステム制御部600からの指示に従った圧力で切替弁260へ向けて送り出す。切替弁260は、システム制御部600からの指示に従って、コンプレッサ250から送り出されたアノードオフガスを、排気ガスとして排出するか、逆止弁270およびマスフローコントローラ230を介してアノードガスとして循環させるか切り替える。なお、配管280cには、圧力計290が接続されており、マスフローコントローラ230から燃料電池100のアノードへ供給されるアノードガスの圧力が計測される。
カソードガス給排系300は、空気(Air)供給源310と、コンプレッサ(C1)320と、マスフローコントローラ(C4)330と、切替弁(C3)340と、コンプレッサ(C2)350とを備える。このカソードガス給排系300は、燃料電池100を構成する燃料電池セルのカソード(以下、「燃料電池100のカソード」と略す)に、空気供給源310から、配管380a、コンプレッサ320、配管380b、マスフローコントローラ330、配管380cを介して、酸化ガスである酸素を含む空気をカソードガスとして供給する。この際、コンプレッサ320は、空気供給源310から供給される空気をシステム制御部600からの指示に従った圧力でマスフローコントローラ330へ向けて送り出す。また、マスフローコントローラ330は、システム制御部600からの指示に従った流量でカソードガスを燃料電池100のカソードへ供給する。なお、空気供給源としては、例えば、大気を用いることができる。
また、カソードガス給排系300は、燃料電池100のカソードから排出されたカソードオフガスを、配管380d、切替弁340、配管380e、コンプレッサ350、および、配管380fを介して、配管380bに戻し、再びカソードガスとして循環させる。なお、カソードオフガスは、電気化学反応に供された後の空気であり、反応に供された酸素分の濃度が低下している。この際、切替弁340は、システム制御部600からの指示に従って、燃料電池100のカソードから排出されたカソードオフガスを、排気ガスとして排出するか、コンプレッサ350を介してマスフローコントローラ330の入り口に戻し、再びカソードガスとして循環させるかを切り替える。また、コンプレッサ350は、燃料電池100のカソードから排出されるカソードオフガスをシステム制御部600からの指示に従った圧力でマスフローコントローラ330へ向けて送り出す。なお、配管380cには、圧力計390が接続されており、マスフローコントローラ330から燃料電池100のカソードへ供給されるカソードガスの圧力が計測される。また、配管380dには、露点計392が接続されており、燃料電池100のカソードから排出されたカソードオフガスの湿度が計測される。
冷却装置400は、2つの配管410a,410bを介して燃料電池100に接続されており、配管410aを介して、冷却媒体を供給し、配管410bを介して、冷却に供された後の冷却媒体を受け取ることにより、冷却媒体を循環させて、燃料電池100の冷却を実行する。冷却媒体としては、水、空気等を用いることができる。
電力出力系500は、電力出力制御部510と、駆動用出力回路520と、補機用出力回路530と、蓄電用出力回路540と、を備える。電力出力制御部510は、システム制御部600からの指示に従って、駆動用出力回路520、補機用出力回路530、及び、蓄電用出力回路540に対して、燃料電池100から出力される電力の振り分けを制御する。なお、駆動用出力回路520は、負荷要求に対応する電力を負荷に対して供給する回路である。例えば、負荷がモータの場合には、このモータを駆動するためのインバータ回路が、駆動用出力回路520に相当する。また、補機用出力回路530は、燃料電池システム10を動作させるために必要な電力、例えば、電力出力系500やシステム制御部600の電源、コップレッサ、切替弁、冷却装置等の種々の装置に対して電力を供給する回路である。蓄電用出力回路540は、蓄電池(図示しない)を充電するための電力を供給する回路である。なお、燃料電池の負荷は、本来、燃料電池の電力を利用するもの全てを意味するが、本明細書では、補機用出力回路530や蓄電用出力回路540を除く駆動用出力回路520のみを意味するものとする。
システム制御部600は、受け取った負荷要求に応じて、燃料電池システム10の動作を制御する。例えば、燃料電池車に搭載された燃料電池システムの場合には、アクセルの開度(負荷要求)に応じて、燃料電池システム10の各部の動作を制御することにより、燃料電池100の発電量を制御する。
本実施例の燃料電池システム10は、以下で説明する負荷要求の状態に応じた動作に特徴を有している。
A2.負荷状態対応動作:
図2は、システム制御部600において実行される負荷状態監視処理を示す説明図である。この負荷状態監視処理は、燃料電池システム10の運転動作中において常時実行される。まず、システム制御部600に入力される負荷要求に基づいて、駆動負荷の状態がA:負荷要求無状態であるか、B:負荷要求有状態であるかを判定する(ステップS10)。負荷要求無状態の場合には、図2に示した負荷要求無状態対応象処理の開始を指示し(ステップS20)、負荷要求有状態の場合には、図8に示した負荷要求有状態対応処理の開始を指示する(ステップS30)。そして、入力される負荷要求に基づいて、負荷要求状態の変動の発生を監視する(ステップS40)。このとき、負荷要求状態に変動が発生した場合には、ステップS10に戻って、駆動負荷の状態判定、および、負荷要求無状態対応処理または負荷要求有状態対応処理を繰り返す。以下では、まず、負荷要求無状態の場合に実行される負荷要求無状態対応処理について説明し、続いて、負荷要求有状態となった場合に実行される負荷要求有状態対応処理について説明する。
(1)負荷要求無状態対応処理
図3は、図2のステップS20において実行される負荷要求無状態対応処理を示す説明図である。まず、電力出力制御部510を制御して、燃料電池100から出力される電力を制御することにより、燃料電池100の出力電圧Vfcが無負荷要求時の設定電圧Vocとなるように制御する(ステップS210)。具体的には、例えば、燃料電池100に対して実際に要求する負荷を変化させて、燃料電池100からの出力電流を変化させることにより、出力電圧Vfcを無負荷要求時の設定電圧Vocとなるように制御することができる。
そして、燃料電池100の出力電力Wfcが、無負荷要求状態においても、必要電力Woc以上であるか否か判断する(ステップS220)。なお、この必要電力Wocは、補機用出力回路530によって供給される電力、例えば、電力出力系500やシステム制御部600の電源、コップレッサ、切替弁、冷却装置等の種々の装置を動作させるために必要な電力、すなわち、燃料電池システム10を動作させるために必要な電力や、蓄電用出力回路540によって蓄電池の充電用に供給される電力である。
出力電力Wfcが必要電力Woc以上である場合には、カソード循環量制御の開始を指示する(ステップS230)。これにより、図4に示したカソード循環量制御が開始される。そして、カソード循環量制御の終了を監視し(ステップS240)、カソード循環量制御が終了した場合には、Air供給量制御の開始を指示する(ステップS250)。これにより、図7に示したAir供給量制御が開始される。そして、Air供給量制御の終了を監視し(ステップS260)、Air供給量制御が終了した場合には、ステップS230に戻ってカソード循環量制御の開始を指示(ステップS230)することにより、カソード循環量制御が繰り返される。
以上のように、無負荷要求無状態対応処理では、カソード循環量制御およびAir供給量制御が繰り返し実行される。なお、この無負荷要求無状態対象処理は、上記負荷状態監視処理において、負荷要求無状態から負荷要求有状態への変動が発生した場合に、割り込み処理が発生して終了する。
図4は、カソード循環量制御を示す説明図である。カソード循環量制御を開始すると、まず、温度計102によりセル温度Tcを、圧力計390によりカソードガス圧力Pcaを、電力出力制御部510に含まれる電流計(不図示)により出力電流Ifcを測定する(ステップS302)。なお、測定したセル温度Tc、カソードガス圧力Pca、および、出力電流Ifcの値を、それぞれT−1、P−1、および、I−1とする。
そして、セル温度Tcが基準温度Th以上であるか否か判断し(ステップS304)、カソード循環量の制御を実行するか否か決定する。セル温度Tcが基準温度Th以上である場合には、カソード循環量の制御を実行する必要があると判断し、以下で説明するステップS306〜S322の処理を実行する。一方セル温度Tcが基準温度Th未満である場合には、カソード循環量の制御を実行する必要は無いと判断し、以下で説明するステップS324の処理を実行する。
カソード循環量の制御を実行する必要がある場合には、まず、マップ1から、セル温度Tc=T−1およびカソードガス圧力Pca=P−1において、運転可能な許容湿度の下限値(最低許容湿度)に対応するカソード出口湿度Doの下限値DL(T−1,P−1)を見積もる(ステップ306)。
図5は、マップ1を示す説明図である。このマップ1は、図5(A)に示すように、セル温度Tcと、カソードガス圧力Pcaと、カソード出口湿度Doとの関係を3次元で表しており、三角錐状の立体領域(クロスハッチングで示す領域)が運転不可領域を示し、それより外側の領域が運転可能領域を示している。カソード出口湿度Doは燃料電池セル内の湿度を示す指標であり、カソード出口湿度Doが高いほど燃料電池セル内の湿度は高く、低いほど低くなる。カソードガス圧力Pcaは燃料電池100内に供給されるカソードガスの圧力を示している。図5(B)〜図5(D)は、それぞれ、セル温度Tc=Tc0,Tc1(>Tc0),TC2(>Tc1)におけるマップ1の運転不可領域と運転可能領域の関係を示している。図5(B)〜図5(D)からわかるように、マップ1は、セル温度Tcが高いほど運転不可領域が大きくなるような形状を有している。また、カソードガス圧力Pcaが高いほど、カソード出口湿度Doは低くても運転可能であり、カソードガス圧力Pcaが低いほど、カソード出口湿度Doは高くなければ運転可能とはならない。なお、このマップ1は、あらかじめ、セル温度Tcと、カソードガス圧力Pcaと、カソード出口湿度Doとの関係を実測して求めて、システム制御部600の図示しない記憶領域に記憶されている。
下限値(最低許容湿度)DLは、例えば、セル温度Tcの値T−1をTc2とすると、図5(D)に示すように、カソードガス圧力Pca=P−1を示す線(破線)と、運転不可領域と運転可能領域の境界線(二点鎖線)とが交わる点におけるカソード出口湿度Doの値を求めることにより、求めることができる。なお、セル温度Tc=T−1およびカソードガス圧力Pca=P−1において、見積もったカソード出口湿度Doの下限値DL(T−1,P−1)の値を、DL−1とする。
また、セル温度Tc=T−1、カソードガス圧力Pca=P−1、および、出力電流Ifc=I−1に対応するマップ2を抽出する(ステップS308)。なお、このマップ2については後で説明する。
次に、露点計392によりカソード出口湿度Doを測定する(ステップS310)。なお、測定したカソード出口湿度Doの値をD−1とする。そして、測定値D−1が上限値DUよりも大きいか否か判定し(ステップS312)、また、下限値DL−1よりも大きいか否か判定する(ステップS314)。なお、上限値DUは実験的にあらかじめ求めて、システム制御部600の図示しない記憶領域に記憶されている。
測定値D−1が上限値DUよりも大きい場合には、カソード循環量の制御を実行する必要は無いと判断し、後述するステップS324の処理を実行する。また、測定値D−1が下限値DL−1以下の場合には、燃料電池セル内の湿度が低すぎるため、カソード循環運転は不可と判断し、一定時間tcの間燃料電池100を冷却する(ステップS322)。なお、この冷却は、冷却装置400の動作を制御することにより実行される。さらにまた、測定値D−1が上限値DUよりも小さいが下限値DL−1よりも大きい場合には、測定値D−1に対応する循環流量Ztをマップ2に基づいて決定する(ステップS316)。
図6は、マップ2を示す説明図である。このマップ2は、図6(A)に示すように、循環流量Ztでカソードガスを循環する直前の制御前ガス湿度Dobと一定のサンプリング間隔tsの間にカソードガスが循環された後の制御後ガス湿度Doaとの関係を3次元の平面領域(クロスハッチングで示す領域)で示している。先に求めたように、燃料電池100を運転可能状態に維持するためには、制御後ガス湿度Doaが最低許容湿度DL以上である必要がある。そこで、制御後ガス湿度Doaを、最低許容湿度DLの下限値DL−1にマージンDαを加算した値DLαとし、制御後ガス湿度Doaをこの値DLαとした場合(図6(A)のハッチングで示す面)における、制御前ガス湿度Dobに対するガスの循環流量Ztとの関係が、図6(B)に示すように求められる。そして、図6(B)に示した関係から制御前ガス湿度Dobが、測定値D−1である場合における循環流量の上限値(許容循環流量最大値)ZUcが循環流量Ztとして決定される。ただし、現時点における循環流量が許容循環流量最大値ZUc以下であるならば、その値をそのまま循環流量Ztとして用いてもよい。なお、この決定した循環流量ZtをここではZt−1とする。
そして、求めた循環流量Zt(=Zt−1)が循環流量の下限値(許容循環流量最小値)ZLcよりも大きいか否か判断する(ステップS318)。なお、この許容循環流量最小値ZLcは、燃料電池セル内にカソードガスの分配が最低限うまく行なわれる量であり、実験的に決定される。
決定した循環流量Zt(=Zt−1)が許容循環流量最小値ZLc以下の場合には、カソード循環がうまく行なわれないので、カソード循環を行なわないこととする((C1:ON,C2:OFF,C3:排気)。なお、このときには、一定時間tcの間冷却を実行し(ステップS322)、循環量制御の先頭に戻る。なお、一定時間tcの間の冷却は冷却装置400により実行される。
一方、決定した循環流量Zt(=Zt−1)が許容循環流量最小値ZLcよりも大きい場合には、ステップS320において、循環流量Zt(=Zt−1)でカソードガス循環を開始することとする(C1:OFF,C2:ON,C3:循環,C4:循環流量Zt=Zt−1)。
ところで、上記したように、ステップS304においてセル温度Tcが基準温度Th未満であった場合、ステップS312において測定値D−1が上限値DUよりも大きかった場合には、カソード循環量の制御を実行する必要は無いと判断され、ステップS324において、あらかじめ決められた循環流量Zrでカソードガス循環を実行する(C1:OFF,C2:ON,C3:循環、C4:循環流量Zt=Zr)。
そして、一定のサンプリング間隔tsの間待機し(ステップ326)、出力電圧Vfc≦Voc,出力電力Wfc≧Wocであるかいなか判断する(ステップS328)。そして、出力電圧Vfc≦Voc,出力電力Wfc≧Wocであるならば、先頭に戻ってカソード循環量制御処理を繰り返し実行する。一方、出力電圧Vfc>Vocあるいは出力電力Wfc<Wocである場合には、必要な出力電力を得ることができないため、このままカソード循環流量制御を繰り返すことはできないと判断し、カソード循環量制御処理を終了する。
なお、カソード循環量制御処理が終了した場合には、図3のステップS240でカソード循環量制御の終了と判断され、上記したように、ステップS250のAir供給量制御の開始が指示される。
図7は、Air供給量制御を示す説明図である。Air供給量制御を開始すると、まず、温度計102によりセル温度Tcを、圧力計390によりカソードガス圧力Pcaを、電力出力制御部510に含まれる電流計(不図示)により出力電流Ifcを測定する(ステップS402)。なお、測定したセル温度Tc、カソードガス圧力Pca、および、出力電流Ifcの値を、それぞれT−2、P−2、および、I−2とする。
そして、マップ1から、セル温度Tc=T−2およびカソードガス圧力Pca=P−2における最低許容湿度の下限値DL(T−2,P−2)を見積もる(ステップS404)。なお、見積もった最低許容湿度の下限値DL(T−2,P−2)の値をDL−2とする。
また、セル温度Tc=T−2、カソードガス圧力Pca=P−2、および、出力電流Ifc=I−2に対応するマップ3を抽出する(ステップS406)。なお、このマップ3については後で説明する。
次に、露点計392によりカソード出口湿度Doを測定する(ステップS408)。なお、測定したカソード出口湿度Doの値をD−2とする。そして測定値D−2が下限値DL−2よりも大きいか否か判定する(ステップS410)。
測定値D−2が下限値DL−2以下の場合には、燃料電池セル内の湿度が低すぎるため、運転は不可と判断し、ステップS420へ進んで、一定時間tcの間燃料電池100を冷却した(ステップS420)後、先頭に戻ってAir供給量制御を繰り返す。なお、この冷却は、冷却装置400の動作を制御することにより実行される。一方、測定値D−2が下限値DL−2よりも大きい場合には、測定値D−2に対応する供給流量Zsをマップ3に基づいて決定する(ステップS412)。
図8は、マップ3を示す説明図である。このマップ3は、図8(A)に示すように、供給流量Zsでカソードガスを供給する直前の制御前ガス湿度Dobとサンプリング間隔tsの間カソードガスを供給した後の制御後ガス湿度Doaとの関係を3次元の平面領域(クロスハッチングで示す領域)で示している。先に求めたように、制御後ガス湿度Doaは最低許容湿度DL(=DL−2)以上である必要がある。そこで、制御後ガス湿度Doaを、最低許容湿度DLの下限値DL−2にマージンDβを加算した値DLβとし、制御後ガス湿度Doaをこの値DLβとした場合(図8(A)のハッチングで示す面)における、制御前ガス湿度Dobに対するガス供給流量Zsとの関係が、図8(B)に示すように求められる。そして、図8(B)に示した関係から制御前ガス湿度Dobが、測定値D−2である場合における供給流量の上限値(許容供給流量最大値)ZUscが供給流量Zsとして決定される。ただし、現時点における供給流量がZUsc以下であるならば、その値をそのまま供給流量Zsとしてもよい。なお、この決定した供給流量ZsをここではZs−1とする。
次に、ステップS414において、決定した供給流量Zs(=Zs−1)でカソードガス供給を実行し(C1:ON、C2:OFF,C3:排気(供給分))、サンプリング間隔tsの間待機する(ステップS416)。
そして、出力電圧Vfc≦Voc,出力電力Wfc≧Wocであるかいなか判断する(ステップS418)。このとき、出力電圧Vfc>Vocあるいは出力電力Wfc<Wocである場合には、この運転を実行することはできないと判断し、ステップS420へ進んで、一定時間tcの間燃料電池100を冷却した後、先頭に戻ってAir供給量制御を繰り返す。一方、出力電圧Vfc≦Voc,出力電力Wfc≧Wocであるならば、Air供給量制御を終了する。
Air供給量制御処理が終了した場合には、図3に示したステップS260でAir供給量制御処理の終了と判断され、上記したように、ステップS230のカソード循環量制御の開始が再度指示される。
以上説明したように、負荷要求無状態では、図3に示したステップS20における負荷要求無状態対応処理が開始される。このとき、図3〜図8に示したカソード循環量制御およびAir供給量制御が行われ、燃料電池セルの湿潤状態を適切な状態で維持しつつ、カソード循環によって開回路電圧を許容電圧として設定された所定値以下となるように運転することが可能となる。
なお、この負荷要求無状態対応処理は、図2のステップS10において負荷要求有状態と判定されたときに、割り込み処理が発生して停止される。
(2)負荷要求有状態対応処理
図9は、図2のステップS30において実行される負荷要求有状態対応処理を示す説明図である。負荷要求無状態から負荷要求有状態に変化し、負荷要求有状態対応処理を開始すると、まず、要求負荷に対応する要求負荷電力Wfrq,要求負荷電流Ifrqを得るために必要な要求ガス供給流量Zsrqを算出する(ステップS452)。例えば、要求負荷電力Wfrq=W−3とする。このとき、あらかじめ求められている燃料電池の出力電流Ifcと出力電力Wfcとの関係から、要求負荷電力Wfrq=W−3に対応する要求負荷電流Ifrq=I−3を求めることができる。そして、あらかじめ求められているガスの供給流量Zsと出力電流Ifcとの関係から、要求負荷電流Ifrq=I−3を得るための要求ガス供給流量Zsrqを求めることができる。
そして、ステップS454において、カソードガス循環を停止するとともにガスの供給流量Zsを要求ガス供給流量Zsrqにして通常運転を開始する(C1:ON,C2:OFF,C3:排気,C4:Zsrq)。
上記のようにして通常運転を開始した後は、同様に、要求負荷を得るための要求ガス供給流量Zsrqを算出し(ステップS456)、ガスの供給流量Zsを要求ガス供給流量Zsrqにした運転を実行し(ステップS458)、通常運転処理を継続する。
なお、この負荷要求有状態対応処理は、図2のステップS10において負荷要求無状態と判定されたときに、割り込み処理が発生して停止される。
以上説明したように、本実施例の燃料電池システム10では、負荷からの要求がない無負荷運転状態において、燃料電池セルの湿潤状態に応じてガスの循環流量を調整しながらカソード循環を実行することができるので、カソード循環によって開回路電圧を許容電圧として設定された所定値以下とするとともに、燃料電池セルの湿潤状態を適切な状態に維持して、燃料電池の発電性能の低下を抑制することが可能である。
B.第2実施例:
図10は、第2実施例において実行される負荷要求有状態対応処理を示す説明図である。本実施例は、この負荷要求有状態対応処理を除いて第1実施例と全く同じであるので、以下では、この負荷要求有状態対応処理についてのみ説明を加える。
負荷要求無状態から負荷要求有状態に変化し、負荷要求有状態対応処理を開始すると、まず、図9のステップS452と同様に、要求負荷に対応する要求負荷電力Wfrq,要求負荷電流Ifrqを得るために必要な要求ガス供給流量Zsrqを算出する(ステップS502)。
次に、温度計102によりセル温度Tcを、圧力計390によりカソードガス圧力Pcaを測定する(ステップS504)。なお、測定したセル温度Tc、カソードガス圧力Pcaの値を、それぞれT−3、P−3とする。また、出力電流Ifcである要求負荷電流IfrqをI−3とする。
そして、図4のステップS306と同様に、マップ1から、セル温度Tc=T−3およびカソードガス圧力Pca=P−3における最低許容湿度の下限値DL(T−3,P−3)を見積もる(ステップS506)。なお、見積もった最低許容湿度の下限値DL(T−3,P−3)の値をDL−3とする。
また、セル温度Tc=T−3、カソードガス圧力Pca=P−3、および、出力電流Ifc=I−3に対応するマップ4を抽出する(ステップS508)。なお、このマップ4は、第1実施例で説明したマップ3(図8参照)と同様である。
次に、露点計392によりカソード出口湿度Doを測定する(ステップS510)。なお、測定したカソード出口湿度Doの値をD−3とする。そして測定値D−3が下限値DL−3よりも大きいか否か判定する(ステップS512)。
測定値D−3が下限値DL−3以下の場合には、燃料電池セル内の湿度が低すぎるため、運転は不可と判断し、ステップS514へ進んで、蓄電池による出力を実行するとともに、一定時間tcの間燃料電池100を冷却した(ステップS516)後、ステップS504からの処理を繰り返す。なお、この冷却は、冷却装置400の動作を制御することにより実行される。
一方、測定値D−3が下限値DL−3よりも大きい場合には、図7のステップS412における供給流量Zsの決定と同様に、測定値D−3に対応する供給流量Zsaをマップ4に基づいて決定する(ステップS518)。
そして、求めた供給流量Zsaが要求ガス供給流量Zsrq以上であるか否か判断する(ステップS520)。Zsa<Zsrqの場合には、ステップS522へ進んで、ガスの供給流量ZsをZsaに制限し、カソードガス循環を停止して運転を実行し(C1.ON,C2:OFF,C3:排気,C4:Zsa)、一定のサンプリング間隔tsの経過を待って(ステップS524)、ステップS504からの処理を繰り返す。一方、Zsa≧Zsrqの場合には、ステップS526へ進んで、ガスの供給流量ZsをZsrqに設定し、カソードガス循環を停止して通常運転を開始するC1:ON,C2:OFF,C3:排気,C4:Zsrq)。
上記のようにして通常運転を開始した後は、同様に、要求負荷を得るための要求ガス供給流量Zsrqを算出し(ステップS528)、ガスの供給流量Zsを要求ガス供給流量Zsrqにした運転を実行し(ステップS530)、通常運転処理を継続する。
ここで、第1実施例における負荷要求有状態対応処理では、負荷要求が発生した場合には、要求負荷に対応する要求ガス供給流量で運転を開始する。この場合、その要求ガス供給流量では、燃料電池セルの湿潤常状態を運転可能な状態に維持できない可能性が高い。一方、本実施例の負荷要求有状態対応処理では、負荷要求が発生した場合に、要求負荷に対応する要求ガス供給流流量で運転した場合に、燃料電池が運転可能な湿度状態を維持できるか否か判断する。そして、運転可能な状態となるまで、ガスの供給流量を制限して運転し、運転可能な状態となった時点で要求負荷に対応する要求ガス供給流量で運転を実行することができるので、燃料電池セルの湿潤状態を運転可能な状態に維持しつつ運転することが可能である。
C.第3実施例:
図11は、第3実施例としての燃料電池システムの概略構成を示すブロック図である。この燃料電池システム10Aは、燃料電池100と気液分離器240とを繋ぐ配管280dに露点計292が接続されている点を除いて、第1実施例の燃料電池システム10と全く同じである。この露点計292により、燃料電池100のアノードから排出されたアノードオフガスの湿度が計測される。
本実施例においても、第1実施例と同様に、システム制御部600において負荷状態の監視が実行される(図2参照)。本実施例と第1実施例とでは、以下で説明するように、負荷要求無状態においてカソード循環量制御に加えてアノード循環量制御を実行する点が異なっている。そして、この相違点に対応するために、図2のステップS20において実行される負荷要求無状態対応処理およびステップS30において実行される負荷要求有状態対応処理が異なっている。そこで、以下では、本実施例における負荷要求無状態対応処理および負荷要求有状態対応処理について順に説明する。
図12は、第3実施例における負荷要求無状態対応処理を示す説明図である。本実施例の負荷要求無状態対応処理は、図3に示した第1実施例における負荷要求無状態対応処理と比較すればわかるように、ステップS230においてカソード循環量制御の開始を指示した後、ステップS235においてアノード循環量制御の開始を指示している点のみが異なっている。そこで、以下では、このアノード循環量制御について説明する。
図13は、アノード循環量制御を示す説明図である。なお、アノード循環量制御は、通常運転時においても実行されているが、負荷要求無状態においては、特に、以下で説明する制御を実行する。
アノード循環量制御を開始すると、まず、サンプリング間隔tsの間待機し(ステップS602)、次に、温度計102によりセル温度Tcを、圧力計390によりカソードガス圧力Pcaを、電力出力制御部510に含まれる電流計(不図示)により出力電流Ifcを測定する(ステップS604)。なお、測定したセル温度Tc、カソードガス圧力Pca、および、出力電流Ifcの値を、それぞれT−5、P−5、および、I−5とする。
そして、図4のステップS306と同様に、マップ1から、セル温度Tc=T−5およびカソードガス圧力Pca=P−5における最低許容湿度の下限値DL(T−5,P−5)を見積もる(ステップS606)。なお、見積もった最低許容湿度の下限値DL(T−5,P−5)の値をDL−5とする。
次に、露点計392によりカソード出口湿度Doを測定する(ステップS608)。なお、測定したカソード出口湿度Doの値をD−5で表すこととする。そして測定値D−5が下限値DL(=DL−5)に適当なマージンDγを加えた値DLγよりも大きいか否か判定する(ステップS610)。
測定値D−5が値DLγ以下の場合には、ステップS602〜S608の処理を繰り返す。一方、測定値D−5が値DLγよりも大きい場合には、セル温度Tc=T−5、カソードガス圧力Pca=P−5、および、出力電流Ifc=I−5に対応するマップ5を抽出する(ステップS612)。なお、このマップ5は、第1実施例で説明したマップ2(図6参照)と同様である。
次に、図5のステップS316におけるカソードガスの循環流量Ztの決定と同様に、測定値D−5に対応するアノードガスの循環流量Ztaをマップ5に基づいて決定する(ステップS614)。そして、ステップS616において、決定した循環流量Ztaでアノードガス循環を開始し(A1:OFF,A2:ON,A3:循環,A4:循環流量Zta)、サンプリング間隔tsの間待機(ステップS618)した後、ステップS608に戻って、カソード出口湿度Doで表される燃料電池セルの湿度に応じてアノード循環量の制御を繰り返し実行する。
ここで、気液分離器240における気液分離の状態を調整することにより、燃料電池100に供給するアノードガスの湿潤状態を調整することが容易である。このため、燃料電池100のアノードに供給されたアノードガスに含まれる水分がカソード側に拡散されることにより、燃料電池セルのカソード側の湿潤状態をアノードガスの循環量を制御することにより調整することが可能となる。この結果、第1実施例におけるカソード循環量の制御に加えて、アノード循環量の制御を実行することにより、燃料電池セルの湿潤状態を適切な状態に維持することがより容易となる。場合によっては、アノード循環量の制御を実行すれば、あらかじめ定めた基準の循環量でカソード循環させるだけでよい可能性もある。
図14は、第3実施例における負荷要求有状態対応処理を示す説明図である。負荷要求無状態から負荷要求有状態に変化し、負荷要求有状態対応処理を開始すると、まず、図10のステップS502と同様に、要求負荷に対応する要求負荷電力Wfrq,要求負荷電流Ifrqを得るために必要な要求ガス供給流量Zsrqを算出する(ステップS702)。
次に、露点計292によりアノード出口湿度Daoを測定する(ステップS704)。なお、測定したアノード出口湿度Daoの値をDa−1とする。また、温度計102によりセル温度Tcを、圧力計390によりカソードガス圧力Pcaを測定する(ステップS704)。なお、測定したセル温度Tc、カソードガス圧力Pcaの値を、それぞれT−6、P−6とする。
そして、マップ6から、セル温度Tc=T−6およびカソードガス圧力Pca=P−3における最低許容湿度の下限値DLa(T−6,P−6)を見積もる(ステップS708)。なお、マップ6は、第1実施例で説明したマップ1(図5参照)と同様である。
次に、アノード出口湿度Daoの測定値Da−1が下限値DLaより大きいか否か判定する(ステップS710)。
測定値Da−1が下限値DLa以下の場合には、燃料電池セル内の湿度が低すぎるため、運転は不可と判断し、ステップS712へ進んで、蓄電池による出力を実行するとともに、一定時間tcの間燃料電池100を冷却した(ステップS714)後、ステップS704からの処理を繰り返す。なお、この冷却は、冷却装置400の動作を制御することにより実行される。
一方、測定値Da−1が下限値DLaよりも大きい場合には、ステップS716へ進んで、ガスの供給流量Zsを要求ガス供給流量Zsrqに設定し、カソードガス循環を停止して通常運転を開始する。
上記のようにして通常運転を開始した後は、同様に、要求負荷を得るための要求ガス供給流量Zsrqを算出し(ステップS718)、ガスの供給流量Zsを要求ガス供給流量Zsrqにした運転を実行し(ステップS720)、通常運転処理を継続する。
ここで、第1実施例における負荷要求有状態対応処理では、負荷要求が発生した場合には、要求負荷に対応する要求ガス供給流量で運転を開始する。この場合、その要求ガス供給流量では、燃料電池セルの湿潤常状態を運転可能な状態を維持できない可能性が高い。また、第2実施例における負荷要求有状態対応処理では、負荷要求が発生した場合において、運転可能なガスの供給流量に制限して運転を開始し、要求ガス供給流量で運転開始可能な状態となるのを待ってから、要求ガス供給流量で運転を開始する。一方、本実施例の負荷要求有状態対応処理では、アノード循環量制御によって燃料電池セルの湿潤状態を、十分高い状態に維持することができるので、燃料電池セルの湿潤状態を運転可能な状態で維持しつつ、直ちに要求ガス供給流量で運転を開始することが可能となる。
なお、上記各実施例における構成要素の中の、独立クレームでクレームされた要素以外の要素は、付加的な要素であり、適宜省略可能である。また、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能である。
第1実施例としての燃料電池システムの概略構成を示すブロック図である。 システム制御部600において実行される負荷状態監視処理を示す説明図である。 図2のステップS20において実行される負荷要求無状態対応処理を示す説明図である。 カソード循環量制御を示す説明図である。 マップ1を示す説明図である。 マップ2を示す説明図である。 Air供給量制御を示す説明図である。 マップ3を示す説明図である。 図2のステップS30において実行される負荷要求有状態対応処理を示す説明図である。 第2実施例において実行される負荷要求有状態対応処理を示す説明図である。 第3実施例としての燃料電池システムの概略構成を示すブロック図である。 第3実施例における負荷要求無状態対応処理を示す説明図である。 アノード循環量制御を示す説明図である。 第3実施例における負荷要求有状態対応処理を示す説明図である。
符号の説明
10...燃料電池システム
10A...燃料電池システム
100...燃料電池
102...温度計
200...アノードガス給排系
210...水素供給源
220...コンプレッサ(A1)
230...マスフローコントローラ(A4)
240...気液分離器
250...コンプレッサ(A2)
260...切替弁(A3)
270...逆止弁
280a〜280h...配管
290...圧力計
292...露点計
300...カソードガス給排系
310...空気供給源
320...コンプレッサ(C1)
330...マスフローコントローラ(C4)
340...切替弁(C3)
350...コンプレッサ(C2)
380a〜380f...配管
390...圧力計
392...露点計
400...冷却装置
410a...配管
410b...配管
500...電力出力系
510...電力出力制御部
520...駆動用出力回路
530...補機用出力回路
540...蓄電用出力回路
600...システム制御部

Claims (5)

  1. 負荷からの電力要求に応じた電力を供給するための燃料電池システムであって、
    電解質膜の両面にカソードおよびアノードが形成された燃料電池セルを備えた燃料電池と、
    前記燃料電池セルのアノードに対してアノードガスの供給およびアノードオフガスの排出を行なうアノードガス給排系と、
    前記燃料電池セルのカソードに対してカソードガスの供給およびカソードオフガスの排出を行なうカソードガス給排系と、
    前記燃料電池の動作を制御する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、
    前記負荷からの要求が無い状態となった際に、前記カソードオフガスを前記カソードガスとして循環させるカソードガス循環を実行して、前記燃料電池の出力電圧が、前記負荷からの要求が無い状態において許容される許容電圧以下となるように、前記カソードガス給排系を制御する場合において、前記燃料電池セルの湿潤状態が許容範囲内に収まるように、前記カソードガスの循環流量を制御する
    ことを特徴とする燃料電池システム。
  2. 請求項1記載の燃料電池システムであって、
    前記制御部は、
    前記燃料電池セルが所定温度以上である際にのみ、前記燃料電池セルの湿潤状態に応じて前記カソードガスの循環流量を制御する
    ことを特徴とする燃料電池システム。
  3. 請求項1または請求項2記載の燃料電池システムであって、
    前記制御部は、さらに、
    前記負荷からの要求が無い状態から有る状態となった際に、前記燃料電池セルの湿潤状態が、前記負荷からの要求に応じた電力を供給するための前記カソードガスの必要供給流量での動作を許容できる状態となるまで、前記カソードガスの流量を前記必要供給流量未満に制限する
    ことを特徴とする燃料電池システム。
  4. 請求項1または請求項2記載の燃料電池システムであって、
    前記制御部は、前記カソードガス循環を実行するとともに、アノードガス給排系を制御することにより、前記アノードオフガスを前記アノードガスとして循環させるアノード循環を実行し、前記燃料電池セルの湿潤状態に応じて、前記アノードガスの循環流量を制御する
    ことを特徴とする燃料電池システム。
  5. 負荷からの電力要求に応じた電力を供給するための燃料電池システムの制御方法であって、
    前記負荷からの要求が無い状態となった際に、カソードオフガスをカソードガスとして循環させるカソードガス循環を実行して、前記燃料電池の出力電圧が許容電圧以下となるように、前記カソードガス給排系を制御する場合において、燃料電池に含まれる燃料電池セルの湿潤状態が許容範囲内に収まるように、前記カソードガスの循環流量を制御する
    ことを特徴とする燃料電池システムの制御方法。
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