JP2010152494A - 運転支援装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】発進遅れ通知の確実性を向上させることができ、運転支援の安全性を一層向上させることのできる運転支援装置を提供する。
【解決手段】信号機S1の切り替わり後、自車両M1が発進可能となるタイミングが遅れるか否かを推定する遅延推定部11と、表示色情報及び遅延推定部11の推定結果に基づき、自車両M1の運転者に対して発進遅れ通知をすることのできる発進促進部12とを備え、発進促進部12は、自車両M1が発進可能となるタイミングが遅れると推定した場合、発進遅れ通知のタイミングを遅らせる。これによって、信号機が切り替わった後であっても、例えば、交差点内に他車両が滞留することによって、自車両が発進可能となるタイミングが遅れる可能性のある場合、運転者に対して発進を促す発進遅れ通知のタイミングも遅らせることによって、適切なタイミングで発進遅れ通知を行うことを可能とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両の運転の支援を行う運転支援装置に関する。
従来の運転支援装置として、信号機から路車間通信によって当該信号機の表示色情報を取得すると共に、自車両前方で停車している先行車両から車間通信によって当該先行車両のアクセル踏み込み情報を取得し、表示色情報に基づいて信号機が赤信号から青信号に変化したことを検知したときに、先行車両がアクセルを踏み込んだタイミングで、自車両の運転者に対して発進可能案内メッセージを報知するものが知られている。
特開2004−310280号公報
しかしながら、信号機の表示色が切り替わると共に、先行車両のアクセルが踏み込まれた場合であっても、交差点の状況や渋滞状況などによっては、すぐに発進できない場合があり、単に先行車両のアクセル踏み込み情報のみで判断しただけでは、適切なタイミングで発進促進の通知を行なえず、運転者に誤解を与えてしまう可能性がある。従って、より確実な発進促進処理によって、運転支援の安全性を一層向上させることが求められていた。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、発進促進処理の確実性を向上させることができ、運転支援の安全性を一層向上させることができる運転支援装置を提供することを目的とする。
本発明に係る運転支援装置によれば、信号機の表示色情報を取得する表示色情報取得手段と、信号機の切り替わり後、自車両が発進可能となるタイミングが遅れるか否かを推定する遅延推定手段と、表示色情報取得手段で取得した表示色情報及び遅延推定手段の推定結果に基づき、停止あるいは徐行している自車両の運転者に対して発進を促す処理を行う発進促進手段と、を備え、発進促進手段は、遅延推定手段によって自車両が発進可能となるタイミングが遅れると推定された場合、推定されなかった場合に比して発進を促すタイミングを遅らせることを特徴とする。
この運転支援装置では、発進促進手段が、遅延推定手段によって自車両が発進可能となるタイミングが遅れると推定された場合、推定されなかった場合に比して発進を促すタイミングを遅らせることができる。これによって、信号機が切り替わった後であっても、例えば、交差点内に他車両が滞留することによって、自車両が発進可能となるタイミングが遅れる可能性のある場合、運転者に対して発進を促すタイミングも遅らせることによって、適切なタイミングで発進促進処理を行うことを可能とする。これによって、発進促進処理の確実性を向上させることができ、運転支援の安全性を一層向上させることができる。
本発明に係る運転支援装置において、遅延推定手段は、インフラ情報に含まれる道路線形情報に基づいて、自車両が発進可能となるタイミングが遅れるか否かを推定することが好ましい。インフラ情報に含まれる道路線形情報、例えば、自車両の前方の道路幅や、歩道者用信号の有無や横断歩道の有無に関する情報に基づいて、自車両が発進可能となるタイミングが遅れるか否かを推定することができる。すなわち、道路幅が大きい場合は、歩行者がその道路を横断しきるまでに時間がかかるため、歩行者用信号が点滅して赤色に変化した後でも道路上に歩行者が存在してしまい、交差道路からの右左折車両が交差点中に滞留する可能性が高くなる。また、歩行者用信号や横断歩道が存在する場合は、信号機の切り替わり時においても歩行者が横断歩道上に存在する可能性が高まるため、横断歩道の手前で待機する車両が存在する可能性が高くなる。従って、これらの道路線形情報に基づいて推定することによって、適切なタイミングで発進促進処理を行うことができる。
本発明に係る運転支援装置において、遅延推定手段は、インフラ情報に含まれる信号情報に基づいて、自車両が発進可能となるタイミングが遅れるか否かを推定することが好ましい。インフラ情報に含まれる道路線形情報、例えば、自車両に対する交差道路における信号機が矢灯器であるか否かや当該信号機の青信号時間に関する情報などに基づいて、自車両が発進可能となるタイミングが遅れるか否かを推定することができる。すなわち、交差道路の信号機が矢灯器である場合や、青信号時間が長い場合は、交差道路からの右折車両が交差点中に滞留する可能性が高くなる。従って、これらの信号情報に基づいて推定することによって、適切なタイミングで発進促進処理を行うことができる。
本発明に係る運転支援装置において、遅延推定手段は、渋滞状況に基づいて、自車両が発進可能となるタイミングが遅れるか否かを推定することが好ましい。自車両の前方の道なり道路や交差道路の渋滞状況に基づいて、自車両が発進可能となるタイミングが遅れるか否かを推定することができる。すなわち、道なり道路が渋滞している場合、交差道路からの車両が交差点内に滞留してしまう可能性が高く、同様に、交差道路が渋滞している場合も交差道路からの車両が交差点内に滞留してしまう可能性が高くなる。従って、これらの渋滞状況に基づいて推定することによって、適切なタイミングで発進促進処理を行うことができる。
本発明に係る運転支援装置において、遅延推定手段は、信号機における発進タイミング遅延時間を学習すると共に、学習結果に基づいて、自車両が発進可能となるタイミングが遅れるか否かを推定することが好ましい。インフラ情報やプローブ情報や自車両の過去の走行データに基づいて予め対象となる信号機における発進タイミング遅延時間を学習しておくことによって、その学習結果に基づいて適切なタイミングで発進促進処理を行うことができる。
本発明によれば、運転者に対する発進促進処理の確実性を向上させることができると共に、運転支援の安全性を一層向上させることができる。
以下、図面を参照して本発明に係る運転支援装置の好適な実施形態について詳細に説明する。
まず、本発明の実施形態に係る運転支援装置1の構成を説明する。図1は、本発明の実施形態に係る運転支援装置1のブロック構成を示した図である。運転支援装置1は、車両が交差点などで信号待ちをしている場合であって信号機が青に変化したとき、運転者に対して発進を促すようなメッセージや音声を発することによって、発進の遅れを低減する機能を有するものである。図1に示すように、運転支援装置1は、ECU(Electronic Control Unit)2、通信部3、表示部4、記憶部5、報知部6を備えて構成されている。
通信部3は、信号機やその周辺に設けられた通信機や他車両に設けられた通信機などと通信する機能を有しており、図示しないアンテナから構成されている。この通信部3は、それらの通信機からインフラ情報やVICS等の交通情報やプローブ交通情報を受信する機能を有している。通信部3は、受信した情報をECU2に出力する機能を有している。
表示部4は、車内に設けられた液晶ディスプレイやヘッドアップディスプレイなどから構成されており、運転者に対するメッセージを表示する機能を有している。本実施形態では、発進を促す旨のメッセージを表示することができる。報知部6は、車内に設けられたスピーカによって構成されており、運転者に対するメッセージを音声によって伝達する機能を有している。本実施形態では、発進を促す旨のメッセージを音声で報知し、あるいは警告音などで伝達することができる。
記憶部5は、車載コントローラのメモリやHDDなどから構成されており、情報を記憶する機能を有している。本実施形態においては、記憶部5は、自車両が過去に走行した交差点において、信号機の切り替わりからどの程度の時間だけ発進が遅れたか(以下、発進タイミング遅延時間と呼ぶ)を記憶することができる。また、取得したインフラ情報やセンターから配信されるプローブ情報を記憶することもできる。
ECU2は、運転支援装置1全体の制御を行う電子制御ユニットであり、例えばCPUを主体として構成され、ROM、RAM、入力信号回路、出力信号回路、電源回路などを備えている。ECU2は、インフラ情報受信部(表示色情報取得手段)7、交通情報受信部8、プローブ情報受信部9、遅延推定部(遅延推定手段)11、発進促進部(発進促進手段)12を備えて構成されている。
インフラ情報受信部7は、通信部3で受信した情報のうち、インフラ情報を取得する機能を有している。インフラ情報は信号機やその周辺に設けられた通信機から発信されるものであり、その中には道路の形状や大きさや横断歩道の有無に関する情報を有する道路線形情報、信号機の種類や表示色情報や青信号時間の長さや赤信号の残り時間や歩行者用信号の有無に関する情報を有する信号情報、及び交差点における発進タイミング遅延時間に関する情報などが含まれている。インフラ情報受信部7は、受信したインフラ情報を遅延推定部11へ出力する機能を有している。
交通情報受信部8は、通信部3で受信した情報のうち、交通情報を取得する機能を有している。交通情報はVICSなどのように光ビーコンや電波ビーコン等から取得できるものであり、道路における交通渋滞に関する情報が含まれている。本実施形態では、特に、自車両が停止している交差点における道のり道路の渋滞状況と交差道路の渋滞状況に関する情報を取得する。交通情報受信部8は、受信した交通情報を遅延推定部11へ出力する機能を有している。
プローブ情報受信部9は、通信部3で受信した情報のうち、プローブ情報を取得する機能を有している。本実施形態におけるプローブ情報とは、プローブ機能を備えた複数の他車両からの情報を集約したセンターから配信されるセンター型プローブ情報である。プローブ情報には、各交差点における発進タイミング遅延時間に関する情報が含まれている。
発進促進部12は、インフラ情報受信部7で取得した表示色情報及び遅延推定部11の推定結果に基づき、停止あるいは徐行している自車両の運転者に対し、表示部4あるいは報知部6を介して発進を促す処理を行う機能を有している。発進促進部12は、通常時においては、信号機が赤から青に切り替わったときに、「信号機が切り替わったため発進が可能となっているにも関らず自車両の発進が遅れている」旨の通知(以下、発進遅れ通知と呼ぶ)を表示部4に表示し、あるいは報知部6で発進遅れ通知を音声として伝達する機能を有している。また、発進促進部12は、例えば、信号が切り替わったにも関わらず交差点内に他車両が滞留することなどによって、遅延推定部11により自車両が発進可能となるタイミングが遅れると推定された場合、推定されなかった場合に比して発進遅れ通知を行うタイミングを遅らせる機能を有している。
遅延推定部11は、信号機の切り替わり後、自車両が発進可能となるタイミングが遅れるか否かを推定する機能を有すると共に、インフラ情報受信部7で受信したインフラ情報に含まれている信号機の表示色情報に基づいて、本実施形態に係る発進促進処理を行うための条件が満たされているか否かを判定する機能を有している。遅延推定部11は、インフラ情報、交通情報に基づいて、信号機の切り替わり後にも関らず自車両の前方に他車両が滞留することによって自車両が発進可能となるタイミングが遅れる可能性がある場合や、インフラ情報、プローブ情報、及び自車両の過去の走行情報に基づいて、信号機の切り替わり後でも自車両が発進可能となるタイミングが遅れる可能性がある場合に、自車両が発進可能となるタイミングが遅れると推定する機能を有している。また、遅延推定部11は、信号機の表示色情報に基づいて、前方の信号機が赤色を表示すると共に自車両が交差点手前で停車あるいは徐行している場合に本実施形態に係る発進促進処理の条件を満たすと判定する機能を有している。また、遅延推定部11は、インフラ情報解析部13、道路幅判定部14、歩行者道路判定部16、信号判定部17、渋滞判定部18、学習部19を備えて構成されている。
インフラ情報解析部13は、インフラ情報受信部7から各種情報を含んだインフラ情報が取得できたか否かを判定する機能を有すると共に、取得したインフラ情報を解析することによって各種情報を取得する機能を有している。具体的には、インフラ情報解析部13は、インフラ情報受信部7から出力されたインフラ情報に含まれる道路線形情報を解析することにより、交差点の各道路幅、歩行者用の横断歩道の有無、歩行者用信号の有無に関する情報を取得し、インフラ情報に含まれる信号機情報を解析することにより、交差点の信号機の青信号の時間や赤信号の残秒に関する情報、交差点に存在する信号機の種類(矢灯器か否かなど)に関する情報を取得することができる。インフラ情報解析部13は、取得した情報を道路幅判定部14、歩行者道路判定部16、信号判定部17へ出力する機能を有している。また、インフラ情報から各交差点における発進タイミング遅延時間を取得し、記憶部5へ出力して記憶させる機能も有している。
道路幅判定部14は、インフラ情報解析部13で取得されたインフラ情報に基づいて、自車両前方の道路幅が所定の閾値よりも大きいか否かを判定する機能を有している。道路幅判定部14によって、自車両前方の道路幅が所定の閾値よりも大きいと判定されると、遅延推定部11は、信号の切り替わり後に自車両前方に他車両が滞留する可能性が高く、自車両が発進可能となるタイミングが遅れると推定する。
歩行者道路判定部16は、インフラ情報解析部13で取得されたインフラ情報に基づいて、道なり道路側に歩行者用信号及び横断歩道が存在するか否かを判定する機能を有している。歩行者道路判定部16によって、道なり道路側に歩行者用信号あるいは横断歩道が存在すると判定されると、遅延推定部11は、信号の切り替わり後に自車両前方に他車両が滞留する可能性が高く、自車両が発進可能となるタイミングが遅れると推定する。
信号判定部17は、インフラ情報解析部13で取得されたインフラ情報に基づいて、自車両の存在する道路と交差する交差道路における信号機が矢灯器であるか否かを判定する機能を有すると共に、その交差道路信号機の青信号時関が所定の閾値より大きいか否かを判定する機能を有している。信号判定部17によって、交差道路信号機が矢灯器であると判定され、あるいは、交差道路信号機の青信号時間が所定の閾値より大きいと判定された場合、遅延推定部11は、信号の切り替わり後に自車両前方に他車両が滞留する可能性が高く、自車両が発進可能となるタイミングが遅れると推定する。
渋滞判定部18は、交通情報受信部8から交通情報が取得できたか否かを判定する機能を有すると共に、その交通情報に基づいて道なり道路あるいは交差道路が渋滞しているか否かを判定する機能を有している。渋滞判定部18によって、道なり道路あるいは交差道路のいずれかが渋滞していると判定された場合、遅延推定部11は、信号の切り替わり後に自車両前方に他車両が滞留する可能性が高く、自車両が発進可能となるタイミングが遅れると推定する。
学習部19は、記憶部5に記憶されているインフラ情報やプローブ情報や自車両の過去の走行による情報に基づいて、道路上の各交差点や各信号機における発進タイミング遅延時間を学習する機能を有している。学習部19は、学習結果を記憶部5に出力して記憶させる機能を有している。なお、発進タイミング遅延時間の学習方法としては、対象交差点における最新のデータを当該交差点における発進タイミング遅延時間として学習してもよく、あるいは対象交差点において取得したデータに基づく演算値(例えば平均値)を当該交差点における発進タイミング遅延時間として学習してもよい。また、学習部19は、所定の交差点で赤信号待ちをしているときに、当該交差点における発進タイミング遅延時間の学習が既に行われているか否かを記憶部5を参照することによって判定する機能を有すると共に、学習した発進タイミング遅延時間が所定の閾値よりも大きいか否かを判定する機能を有している。学習部19によって、学習した発進タイミング遅延時間が所定の閾値よりも大きいと判定された場合、遅延推定部11は、信号の切り替わり後に自車両前方に他車両が滞留する可能性が高く、自車両が発進可能となるタイミングが遅れると推定する。
次に、図2及び図3を参照して、本実施形態に係る運転支援装置1の動作について説明する。図2は、本実施形態に係る運転支援装置1における発進促進処理を示すフローチャートである。図3は、交差点で自車両が信号待ちをしている状態を示す図である。本実施形態においては、図3に示すように、自車両M1が交差点で信号待ちをしている状況における制御について説明する。図3においては、本実施形態に係る発進促進処理がなされる自車両M1が、前方の信号機S1の表示によって交差点CRの手前で停車(あるいは徐行)している状況を示す。この図3では、自車両M1から見て道なりになる道路を道なり道路L1とし、自車両M1から見て右側から車両が走行してくる道路を右側交差道路L2とし、右側交差道路L2上の車両に対する信号機を交差道路信号機S2とする。この処理は、ECU2において、車両の運転中、所定のタイミングで繰り返し実行される。
図2に示すように、運転支援装置1は、発進促進条件判定処理から処理を開始する(ステップS10)。S10の処理は、遅延推定部11で実行され、インフラ情報受信部7から出力された信号機S1の表示色情報に基づいて、発進促進処理を行うための条件が満たされているか否かを判定する処理である。具体的には、信号機S1の表示色情報に基づいて、前方の信号機S1が赤色を表示すると共に自車両M1が交差点CR手前で停車あるいは徐行している場合(図3参照)は、発進促進処理の条件を満たすと判定し、前方の信号機S1が青色を表示すると共に自車両M1が交差点を走行して通過する場合は発進促進処理の条件を満たしていないと判定する。S10で発進促進処理の条件を満たさないと判定されると、図2に示す発進促進処理は終了し、再びS10から処理が開始される。一方、S10で発進促進処理の条件を満たすと判定されると、インフラ情報取得判定処理へ移行する(ステップS12)。
S12の処理は、インフラ情報解析部13で実行され、インフラ情報受信部7から各種情報を含んだインフラ情報が取得できたか否かを判定する処理である。S12では、信号機S1の表示色情報以外のインフラ情報が取得できなかった場合は、インフラ情報に基づく各判定処理は省略されて、交通情報取得判定処理へ移行する(ステップS22)。ステップS22以降の処理については後述する。一方、S12において、信号機の表示色情報以外のインフラ情報が取得できた場合は、インフラ情報が取得できたと判定すると共に、そのインフラ情報を解析することによって各種情報を取得し、道路幅判定処理へ移行する(ステップS14)。
S14の処理は、道路幅判定部14で実行され、S12の処理で取得されたインフラ情報に基づいて、自車両前方の道路幅が所定の閾値よりも大きいか否かを判定する処理である。具体的には、自車両前方の道なり道路L1とその対向車線L3の道幅を足し合わせた道路幅LW(図3参照)が予め設定しておいた所定の閾値よりも大きいか否かを判定する。道路幅LWが大きい場合は、歩行者Hがその道路を横断しきるまでに時間がかかるため、歩行者用信号が点滅して赤色に変化した後でも道路上に歩行者Hが存在してしまう。これによって、交差道路からの右左折車両が交差点中に滞留する可能性が高くなる。特に、道路幅LWが大きい場合は交差点CRの大きさも大きくなり、大回りをして交差点CR内で信号機S1が青色となるのを待機する車両が増加するため、交差点CR内に車両が滞留する可能性が高くなる。従って、S14において、道路幅LW>閾値と判定された場合は、発進遅れ通知タイミング遅延処理へ移行する(ステップS32)。
S32の処理は、発進促進部12で実行され、発進遅れ通知のタイミングを、通常時よりも遅らせて通知する処理である。なお、通常時とは自車両の前方に他車両の滞留などがなく、信号機の切り替わり後に速やかに発進可能な状態である。S32の処理では、予め遅延時間を設定しておき、信号機が赤色から青色に切り替わって設定遅延時間経過後に、表示部4や報知部6を介して運転者に対して発進遅れ通知を行う。S32の処理が終了すると、図2に示す処理が終了し、再びS10から処理が開始される。
一方、S14において、道路幅LWが閾値以下であると判定された場合は、歩行者用信号/横断歩道判定処理へ移行する(ステップS16)。S16の処理は、歩行者道路判定部16で実行され、S12で取得されたインフラ情報に基づいて、道なり道路L1側に歩行者用信号WSあるいは横断歩道WLが存在するか否かを判定する処理である。歩行者用信号WSあるいは横断歩道WLが存在する場合は、信号機S1の切り替わり時においても歩行者Hが横断歩道WL上に存在する可能性が高まるため、横断歩道WLの手前で待機する車両が存在する可能性が高くなる。従って、S14において、歩行者用信号WSあるいは横断歩道WLが存在すると判定された場合は、発進遅れ通知タイミング遅延処理へ移行する(ステップS32)。
一方、S16において、歩行者用信号WS及び横断歩道WLが存在しないと判定された場合は、矢灯器判定処理へ移行する(ステップS18)。S18の処理は、信号判定部17で実行され、S12で取得されたインフラ情報に基づいて、交差道路信号機S2が矢灯器であるか否かを判定する処理である。交差道路信号機が矢灯器である場合は、右側交差道路L2からの右折車両が交差点CR内に滞留する可能性が高くなる。従って、S18において、交差道路信号機S2が矢灯器であると判定された場合は、発進遅れ通知タイミング遅延処理へ移行する(ステップS32)。
一方、S18において、交差道路信号機S2が矢灯器でないと判定された場合は、青信号時間判定処理へ移行する(ステップS20)。S20の処理は、信号判定部17で実行され、S12で取得されたインフラ情報に基づいて、交差道路信号機S2の青信号時間が所定の閾値より大きいか否かを判定する処理である。交差道路信号機S2の青信号の時間が予め設定した所定の閾値よりも長い場合は、右側交差道路L2からの右折車両が交差点CR内に滞留する可能性が高くなる。従って、S18において、交差道路信号機S2の青信号時間が所定の閾値より大きいと判定された場合は、発進遅れ通知タイミング遅延処理へ移行する(ステップS32)。
一方、S20において、交差道路信号機S2の青信号時間が所定の閾値以下であると判定された場合は、交通情報取得判定処理へ移行する(ステップS22)。S22の処理は、渋滞判定部18で実行され、交通情報受信部8から交通情報が取得できたか否かを判定する処理である。S22では、交通情報が取得できなかった場合は、交通情報に基づく判定処理は省略されて、学習判定処理へ移行する(ステップS26)。ステップS26以降の処理については後述する。一方、S22において、交通情報が取得できた場合は、渋滞判定処理へ移行する(ステップS24)。
S24の処理は、渋滞判定部18で実行され、S22で取得された交通情報に基づいて道なり道路L1あるいは右側交差道路L2が渋滞しているか否かを判定する処理である。道なり道路L1が渋滞している場合、右側交差道路L2からの車両が交差点CR内に滞留してしまう可能性が高く、同様に、右側交差道路L2が渋滞している場合も右側交差道路L2からの車両が交差点CR内に滞留してしまう可能性が高くなる。従って、S24において、道なり道路L1あるいは右側交差道路L2の少なくとも一方が渋滞していると判定された場合は、発進遅れ通知タイミング遅延処理へ移行する(ステップS32)。
一方、S24において、道なり道路L1及び右側交差道路L2のいずれも渋滞していないと判定された場合は、学習判定処理へ移行する(ステップS26)。S26の処理は、学習部19で実行され、待機中の交差点CRについて、発進タイミング遅延時間の学習が既に行われているか否かを記憶部5を参照することによって判定する処理である。なお、学習部19は、自車両の走行中に自ら交差点の発進タイミング遅延時間を取得したり、走行中にインフラ情報やプローブ情報を常時記憶部5から読み出すことによって、予め各交差点の発進タイミング遅延時間を学習している。S26において、学習がなされていないと判定されると、通常発進遅れ通知処理へ移行する(ステップS30)。通常発進遅れ通知処理については後述する。
一方、S26において、学習済みであると判定されると、発進タイミング遅延判定処理へ移行する(ステップS28)。S28の処理は、学習部19で実行され、予め学習した交差点CRにおける発進タイミング遅延時間が所定の閾値よりも大きいか否かを判定する処理である。学習した発進タイミング遅延時間が予め設定した閾値よりも大きい場合は、信号機S1が赤色から青色に変わった後も発進可能となるまでの間に時間がかかる可能性が高い。従って、S28において、発進タイミング遅延時間が閾値よりも大きいと判定された場合は、発進遅れ通知タイミング遅延処理へ移行する(ステップS32)。
一方、S28において、発進タイミング遅延時間が閾値以下であると判定された場合は、通常発進遅れ通知処理へ移行する(ステップS30)。S30の処理は、発進促進部12で実行され、通常のタイミングで発進遅れ通知を行う処理である。具体的には、交差点CR内に車両が滞留していない状態であって、信号機S1が赤色から青色に変化したタイミングで、表示部4あるいは報知部6を介して運転者に発進遅れ通知がなされる。S30の処理が終了すると、図2に示す処理が終了し、再びS10から処理が開始される。
以上のように、本実施形態に係る運転支援装置1によれば、信号機S1の切り替わり後、自車両M1が発進可能となるタイミングが遅れるか否かを推定する遅延推定部11と、インフラ情報における表示色情報及び遅延推定部11の推定結果に基づき、停止あるいは徐行している自車両M1の運転者に対して発進遅れ通知をすることのできる発進促進部12とを備えており、発進促進部12は、遅延推定部11によって自車両M1が発進可能となるタイミングが遅れると推定された場合、推定されなかった場合に比して発進遅れ通知を行うタイミングを遅らせる。これによって、信号機が切り替わった後であっても、例えば、交差点内に他車両が滞留することによって、自車両が発進可能となるタイミングが遅れる可能性のある場合、運転者に対して発進を促す発進遅れ通知のタイミングも遅らせることによって、適切なタイミングで発進遅れ通知を行うことを可能とする。以上により、発進遅れ通知の確実性を向上させることができ、運転支援の安全性を一層向上させることができる。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。
例えば、本実施形態では、運転者に対して発進を促す処理として、発進遅れ通知を行う場合について述べたが、これに代えて、信号待ちの場面において残りの停止時間の目安(すなわち赤信号の残時間)を通知する停止目安時間通知を表示部4あるいは報知部6を介して行うこともできる。停止目安時間が通知されることによって、運転者は信号切り替わり時の発進の構え・安全確認を準備して、停止目安時間がゼロとなったときに発進が促され、自車両を発進させることができる。この場合は、遅延推定部11によって自車両が発進可能となるタイミングが遅れると推定された場合に、通知する停止目安時間を長くすることによって、結果として運転者に対して発進を促すタイミングを遅らせることができる。
また、本実施形態では、インフラ情報による道路幅、歩行者用信号や横断歩道の有無を個々に判定していたが、例えば、道路幅と歩行者用信号が青色になっている時間(あるいは点滅時間)との関係から、歩行者が横断歩道を横断しきれないことによって、右左折車両が横断歩道前で待機する必要がある時間を算出し、発進遅れ通知のタイミングを遅らせる時間を調整することも可能である。
更に、本実施形態では、道路幅や横断歩道や学習情報などの各判定要素を個々に判定して、何れかの判定要素によって発進可能なタイミングが遅れると判定した場合は、全て同一の時間だけ発進遅れ通知のタイミングを遅らせていたが、判定要素によって発進遅れ通知を遅らせるタイミングを変更してもよい。例えば、道路幅が大きいと判定した場合に比べて、交差道路が矢灯器であると判定した場合に発進遅れ通知のタイミングを遅くしてもよい。また、各判定要素の影響の大きさによって発進遅れ通知を遅らせるタイミングを調整してもよい。例えば、道路幅が大きくなるにつれて通知を遅らせるタイミングを遅くし、渋滞の程度に合わせて通知を遅らせるタイミングを調整してよい。更に、各判定要素を全て判定し、全ての要素を総合的に判断して通知を遅らせるタイミングを調整してもよい。
また、本実施形態では、自車両の前方に他車両が滞留する可能性があるか否かや、学習した発進タイミング遅延時間などに基づいて自車両が発進可能となるタイミングが遅れるか否かを推定していたが、これに代えて、自車両が停止したときの、自車両と停止線との間の残距離に応じて推定してもよい。すなわち、停止線よりも手前で停止した場合には、自車両と停止線との間に他車両が存在する可能性があり、他車両が発進するまで自車両が発進することができないため、発進タイミングが遅れると推定することができる。このとき、存在する他車両の推定台数に応じて遅らせる発進遅れ通知のタイミングを調整することができる。
また、本実施形態では、図2に示す全ての判定要素の判定処理を行ったが、いずれか一つの、あるいは複数の判定要素を省略してもよい。また、図2に示す判定要素のうち、いずれか一つのみの判定によって遅延を推定してもよい。
また、本実施形態では、交差点における発進促進処理について述べたが、交差点のみに限定されず、例えば、道なり道路に横断歩道及び信号機が存在するような場所でもよく、要は信号機の表示色によって信号待ちが発生する場所であれば、いずれの場面でも適用可能である。
本発明の実施形態に係る運転支援装置のブロック構成を示した図である。 本発明の実施形態に係る運転支援装置における発進促進処理を示すフローチャートである。 自車両が、前方の信号機の表示によって交差点の手前で停車している状況を示す図である。
符号の説明
1…運転支援装置、7…インフラ情報受信部(表示色情報取得手段)、11…遅延推定部(遅延推定手段)、12…発進促進部(発進促進手段)、S1…信号機、M1…自車両。

Claims (5)

  1. 信号機の表示色情報を取得する表示色情報取得手段と、
    前記信号機の切り替わり後、自車両が発進可能となるタイミングが遅れるか否かを推定する遅延推定手段と、
    前記表示色情報取得手段で取得した前記表示色情報及び前記遅延推定手段の推定結果に基づき、停止あるいは徐行している前記自車両の運転者に対して発進を促す処理を行う発進促進手段と、を備え、
    前記発進促進手段は、前記遅延推定手段によって前記自車両が発進可能となるタイミングが遅れると推定された場合、推定されなかった場合に比して発進を促すタイミングを遅らせることを特徴とする運転支援装置。
  2. 前記遅延推定手段は、インフラ情報に含まれる道路線形情報に基づいて、前記自車両が発進可能となるタイミングが遅れるか否かを推定することを特徴とする請求項1記載の運転支援装置。
  3. 前記遅延推定手段は、インフラ情報に含まれる信号情報に基づいて、前記自車両が発進可能となるタイミングが遅れるか否かを推定することを特徴とする請求項1記載の運転支援装置。
  4. 前記遅延推定手段は、渋滞状況に基づいて、前記自車両が発進可能となるタイミングが遅れるか否かを推定することを特徴とする請求項1記載の運転支援装置。
  5. 前記遅延推定手段は、前記信号機における発進タイミング遅延時間を学習すると共に、学習結果に基づいて、前記自車両が発進可能となるタイミングが遅れるか否かを推定することを特徴とする請求項1記載の運転支援装置。
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