JP2010152311A - 反射防止フィルム、偏光板、及び画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】透明支持体上に少なくとも1層の低屈折率層を有する反射防止フィルムであって、該低屈折率層が、少なくとも下記(A)〜(C)を含有する組成物から形成されることを特徴とする反射防止フィルム。
(A)重合性不飽和基を有する含フッ素防汚剤
(B)重合性不飽和基を有する含フッ素共重合体
(C)無機微粒子
【選択図】なし
Description
透明支持体上に少なくとも1層の低屈折率層を有する反射防止フィルムであって、該低屈折率層が、少なくとも下記(A)〜(C)を含有する組成物から形成されることを特徴とする反射防止フィルム。
(A)重合性不飽和基を有する含フッ素防汚剤
(B)重合性不飽和基を有する含フッ素共重合体
(C)無機微粒子
2.
前記(A)重合性不飽和基を有する含フッ素防汚剤が、パーフルオロポリエーテル構造を有し、かつ重合性不飽和基を一分子中に複数有することを特徴とする上記1に記載の反射防止フィルム。
3.
前記(A)重合性不飽和基を有する含フッ素防汚剤が、重合性不飽和基を一分子中に4つ以上有することを特徴とする上記2に記載の反射防止フィルム。
4.
前記(A)重合性不飽和基を有する含フッ素防汚剤の重量平均分子量が400以上5000未満であることを特徴とする上記1〜3のいずれかに記載の反射防止フィルム。
5.
前記(B)重合性不飽和基を有する含フッ素共重合体の重量平均分子量が5000以上500000未満であることを特徴とする上記1〜4のいずれかに記載の反射防止フィルム。
6.
前記(C)無機微粒子が中空シリカ粒子であることを特徴とする上記1〜5のいずれかに記載の反射防止フィルム。
7.
前記組成物が、さらに(D)重合性不飽和基を3つ以上有する多官能モノマーを含有することを特徴とする上記1〜6のいずれかに記載の反射防止フィルム。
8.
前記(D)重合性不飽和基を有する多官能モノマーが、下記一般式(1)で表され、フッ素を35質量%以上含有し、全ての架橋間分子量の計算値が500よりも小さいモノマーであることを特徴とする上記7に記載の反射防止フィルム。
一般式(1): Rf2{−(L)m−Y}n
(一般式(1)中、Rf2は、少なくとも炭素原子及びフッ素原子を含むn価の基を表し、nは3以上の整数を表す。Lは単結合又は二価の連結基を表し、mは0又は1を表す。Yは重合性不飽和基を表す。)
9.
前記一般式(1)で表され、フッ素を35質量%以上含有し、全ての架橋間分子量の計算値が500よりも小さいモノマーが、下記一般式(2)又は(3)で表されることを特徴とする上記8に記載の反射防止フィルム。
一般式(2): Rf2−{CH2−OC(O)CH=CH2}n
一般式(3): Rf2−{C(O)OCH=CH2}n
(一般式(2)及び(3)中、Rf2は炭素原子とフッ素原子のみから構成されるn価の基、又は炭素原子とフッ素原子と酸素原子のみから構成されるn価の基を表し、nは3以上の整数を表す。)
10.
前記一般式(1)で表され、フッ素を35質量%以上含有し、全ての架橋間分子量の計算値が500よりも小さいモノマーが、下記一般式(4)又は(5)で表されることを特徴とする上記8に記載の反射防止フィルム。
一般式(4): Rf21−{Rf22−CH2−OC(O)CH=CH2}n
一般式(5): Rf21−{Rf22−C(O)OCH=CH2}n
(一般式(4)及び(5)中、Rf21は少なくとも炭素原子及びフッ素原子を含むn価の基を表し、Rf22は少なくとも炭素原子及びフッ素原子を含む2価の基を表す。nは3以上の整数を表す。)
11.
波長380nmから780nmの領域におけるCIE標準光源D65の5度入射光に対する正反射光の色味が、CIE1976L*a*b*色空間のa*、b*値がそれぞれ0≦a*≦8、かつ、−10≦b*≦0の範囲内であり、さらには上記の色味変動範囲内で、反射防止フィルムが有する層のうちいずれかの層の層厚が2.5%変動したときの色差ΔEが下記式の範囲であることを特徴とする上記1〜10のいずれかに記載の反射防止フィルム。
ΔE={(L*−L*’)2+(a*−a*’)2+(b*−b*’)2}1/2≦3
(L*’、a*’、b*’は設計膜厚時の反射光の色味)
12.
透明支持体上に、中屈折率層、高屈折率層、及び低屈折率層がこの順に透明支持体側から積層されており、
該中屈折率層の波長550nmにおける屈折率が1.60〜1.65であり、該中屈折率層の厚さが50.0nm〜70.0nmであり、
該高屈折率層の波長550nmにおける屈折率が1.70〜1.74であり、該高屈折率層の厚さが90.0nm〜115.0nmであり、
該低屈折率層の波長550nmにおける屈折率が1.33〜1.38であり、該低屈折率層の厚さが85.0nm〜95.0nmである
ことを特徴とする上記1〜11のいずれかに記載の反射防止フィルム。
13.
前記中屈折率層及び高屈折率層のうち少なくともいずれかが、導電性の無機微粒子を含有することを特徴とする上記12に記載の反射防止フィルム。
14.
前記導電性の無機微粒子が、錫ドープ酸化インジウム、アンチモンドープ酸化錫、フッ素ドープ酸化錫、リンドープ酸化錫、アンチモン酸亜鉛、インジウムドープ酸化亜鉛、酸化亜鉛、酸化ルテニウム、酸化レニウム、酸化銀、酸化ニッケル及び酸化銅からなる群から選択される少なくとも1種の金属酸化物であることを特徴とする上記13に記載の反射防止フィルム。
15.
偏光膜と該偏光膜の両面を保護する2枚の保護フィルムを有する偏光板であって、該保護フィルムの少なくとも一方が上記1〜14のいずれかに記載の反射防止フィルムであることを特徴とする偏光板。
16.
上記1〜14のいずれかに記載の反射防止フィルム又は上記15に記載の偏光板をディスプレイの最表面に有することを特徴とする画像表示装置。
該中屈折率層の波長550nmにおける屈折率が1.60〜1.65であり、該中屈折率層の厚さが50.0nm〜70.0nmであり、
該高屈折率層の波長550nmにおける屈折率が1.70〜1.74であり、該高屈折率層の厚さが90.0nm〜115.0nmであり、
該低屈折率層の波長550nmにおける屈折率が1.33〜1.38であり、該低屈折率層の厚さが85.0nm〜95.0nmである
態様とすることで多層型であるにも関わらず、反射色がニュートラルで塗膜の表面に指紋や皮脂が付着しても拭き取りやすく、かつ目立ちにくい反射防止フィルムが得られる。
(A)重合性不飽和基を有する含フッ素防汚剤
(B)重合性不飽和基を有する含フッ素共重合体
(C)無機微粒子
本発明の低屈折率層は防汚性、耐水性、耐薬品性、滑り性等を付与する目的で、含フッ素防汚剤を必須成分として含有する。また、該含フッ素防汚剤は、重合性不飽和基を有することを特徴とし、これによって塗布物のロール状態での保存時のフッ素化合物の裏面転写の抑制及び塗膜の耐擦傷性改良、また、汚れの繰り返しの拭取りに対する耐久性を向上させることができる。従来、防汚性を発現させるためにジメチルシロキサン構造を有するシリコーン化合物を用いることが知られているが、含フッ素防汚剤を使用することでさらに優れた防汚性を発現できる場合がある。重合性不飽和基を有する含フッ素防汚剤は、フッ素系化合物を含む防汚剤であり、重合性不飽和基に特に制限はないが、不飽和二重結合を有する官能基が好ましく、最も好ましくは、メタアクリロイルオキシ基又はアクリロイルオキシ基である。
(A)重合性不飽和基を有する含フッ素防汚剤は、重合性不飽和基を一分子中に4つ以上有することが特に好ましい。
フッ素系化合物はフッ素原子を含まない化合物とのポリマーであってもオリゴマーであってもよく、分子量に特に制限はない。
フッ素系化合物のフッ素原子含有量には特に制限は無いが20質量%以上であることが好ましく、30〜70質量%であることが特に好ましく、40〜70質量%であることが最も好ましい。好ましいフッ素系化合物の例としてはダイキン化学工業(株)製、R−2020、M−2020、R−3833、M−3833、オプツールDAC(以上商品名)、大日本インキ(株)製、メガファックF−171、F−172、F−179A、ディフェンサMCF−300、MCF−323(以上商品名)などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
(Rf1)−[(W)−(RA)n]m
(一般式(F)中、Rf1は(パー)フルオロアルキル基又は(パー)フルオロポリエーテル基、Wは単結合又は連結基、RAは不飽和二重結合を有する官能基を表す。nは1〜3、mは1〜3の整数を表す。)
Rf11(CF2CF2)nCH2CH2−(W)−OCOCR1=CH2
F(CF2)p−CH2−CHX−CH2Y
(一般式(F−2)中、pは1〜20の整数、X及びYは(メタ)アクリロイルオキシ基又は水酸基のいずれかであり、少なくとも一方は(メタ)アクリロイルオキシ基である。)
F(CF2)nO(CF2CF2O)mCF2CH2OCOCR=CH2
(一般式(F−3)中、Rは水素原子又はメチル基であり、mは1〜20の整数であり、nは1〜4の整数を表す。)
F(CF2)nO(CF2CF2O)mCF2CH2OH
(b−1):F9C4OC2F4OC2F4OCF2CH2OCOCH=CH2
(b−2):F9C4OC2F4OC2F4OCF2CH2OCOC(CH3)=CH2
Rf12−[(O)c(O=C)b(CX4X5)a−CX3=CX1X2]d
{一般式(F−3)’中、X1及びX2は各々独立にH又はFを表し、X3はH、F、CH3又はCF3を表し、X4及びX5は各々独立にH、F、又はCF3を表し、a、b、及びcは各々独立に0又は1を表し、dは1〜4の整数を表し、Rf12は炭素数18〜200のエーテル結合を含む基であって、一般式(FG−3)’:−(CX6X7CF2CF2O)−
(一般式(FG−3)’中、X6及びX7は各々独立にF又はHを表す)で表される繰り返し単位を6個以上有する}
(c−1): Rf12−[(O)(O=C)b−CX3=CX1X2]d
(c−2): Rf12−[(O)(O=C)−CX3=CX1X2]d
(c−3): Rf12−[(O)c(O=C)−CF=CH2]d
などを挙げることができる。
またさらに詳しくは、後述する具体的な含フッ素重合体の構造単位、光重合性組成物及びコーティング用組成物として使用する際に、含フッ素ポリエーテル鎖の繰り返し単位が6個未満のものを含んでいる混合物でもよいが、混合物の形で使用する場合、前記繰り返し単位が6個未満の含フッ素不飽和化合物と6個以上の含フッ素不飽和化合物との分布においてポリエーテル鎖の繰り返し単位が6個以上の含フッ素不飽和化合物の存在比率が最も高い混合物とするのが好ましい。
一般式(c−4):
R1−(CX6X7CF2CF2O)n−(R2)e−
(一般式(c−4)中、X6及びX7は式(FG−3)’と同義であり、R1は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、含フッ素アルキル基、エーテル結合を含むアルキル基、及びエーテル結合を含む含フッ素アルキル基から選ばれる少なくとも1種を表し、R2は二価以上の有機基を表し、nは6〜66の整数を表し、eは0又は1を表す)の構造であることが好ましい。
(Rf1)−[(W)−(RA)n]m
(一般式(F−4)中、Rf1は(パー)フルオロアルキル基又は(パー)フルオロポリエーテル基、Wは連結基、RAは不飽和二重結合を有する官能基を表す。nは1〜3、mは1〜3の整数を表し、nとmは同時に1であることはない。)
撥水撥油性に優れると共に撥水撥油性の持続(防汚耐久性)に優れるという観点からnが2〜3、mが1〜3であることが好ましく、nが2〜3、mが2〜3であることがより好ましく、nが3、mが2〜3であることが最も好ましい。
一般式(F−4)で表される化合物の好ましい具体例や合成方法は国際公開第2005/113690号パンフレットに記載されている。
(d−2):HFPO−CONH−C−(CH2OCOCH=CH2)2H
(d−3):HFPO−CONH−C3H6NHCH3とトリメチロールプロパントリアクリレートの1:1マイケル付加重合物
(d−4):(CH2=CHCOOCH2)2H−C−CONH−HFPO−CONH−C−(CH2OCOCH=CH2)2H
(d−5):(CH2=CHCOOCH2)3−C−CONH−HFPO−CONH−C−(CH2OCOCH=CH2)3
CH2=CX1−COO−CHY−CH2−OCO−CX2=CH2
(式中X1及びX2は、各々独立に水素原子又はメチル基を示し、Yは、フッ素原子を3以上有する炭素数2〜20のフルオロアルキル基又はフッ素原子を4個以上有する炭素数4〜20のフルオロシクロアルキル基を示す。)
RaRf bRA cSiO(4−a−b−c)/2
一般式:
RfSiRk〔OSiRm(ORA)3−m〕3−k(式中、R、Rf、RAは上記と同様であり、m=0,1又は2、特にm=2であり、k=0又は1である。)で表されるものが好ましい。
一般式:
(RfRSiO)(RARSiO)n(式中、R、Rf、RAは上記と同様であり、n≧2、特に3≦n≦5である。)で表されるものが好ましい。
本発明における低屈折率層用組成物は(B)重合性不飽和基を有する含フッ素共重合体を含有する。(B)重合性不飽和基を有する含フッ素共重合体は、低屈折率層皮膜を形成し、バインダーとして機能することができる。
含フッ素ビニルモノマーとしてはフルオロオレフィン類(例えばフルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン等)、(メタ)アクリル酸の部分又は完全フッ素化アルキルエステル誘導体類(例えばビスコート6FM(商品名、大阪有機化学製)やR−2020(商品名、ダイキン製)等)、完全又は部分フッ素化ビニルエーテル類等が挙げられるが、好ましくはパーフルオロオレフィン類であり、屈折率、溶解性、透明性、入手性等の観点から特に好ましくはヘキサフルオロプロピレンである。これらの含フッ素ビニルモノマーの組成比を上げれば屈折率を下げることができるが、皮膜強度は低下する。本発明では共重合体のフッ素含率が20〜60質量%となるように含フッ素ビニルモノマーを導入することが好ましく、より好ましくは25〜55質量%の場合であり、特に好ましくは30〜50質量%の場合である。
(B1):カルボキシル基やヒドロキシ基、アミノ基、スルホ基等を有するモノマー(例えば(メタ)アクリル酸、メチロール(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、アリルアクリレート、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、マレイン酸、クロトン酸等)の重合によって得られる構成単位、
(C1):分子内に上記(A1)、(B1)の官能基と反応する基とそれとは別に架橋性官能基を有する化合物を、上記(A1)、(B1)の構成単位と反応させて得られる構成単位、(例えばヒドロキシル基に対してアクリル酸クロリドを作用させる等の手法で合成できる構成単位)が挙げられる。
・水酸基を含有してなる架橋性官能基含有共重合体に、(メタ)アクリル酸クロリドを反応させてエステル化する方法
・水酸基を含有してなる架橋性官能基含有共重合体に、イソシアネート基を含有する(メタ)アクリル酸エステルを反応させてウレタン化する方法
・エポキシ基を含有してなる架橋性官能基含有共重合体に、(メタ)アクリル酸を反応させてエステル化する方法
・カルボキシル基を含有してなる架橋性官能基含有共重合体に、エポキシ基を含有する含有(メタ)アクリル酸エステルを反応させてエステル化する方法
また、(B)重合性不飽和基を有する含フッ素共重合体として、平均分子量の異なるポリマーを併用することで塗膜面状の改良や耐傷性の改良を行うこともできる。
本発明では、低屈折率化、耐擦傷性改良の観点から、低屈折率層に無機微粒子を用いる。該無機微粒子は、平均粒子サイズが5〜120nmであれば特に制限はないが、低屈折率化の観点からは、無機の低屈折率粒子が好ましい。
低屈折率化を図るには、多孔質又は中空構造の微粒子を使用することが好ましい。特に中空構造のシリカ粒子を用いることが好ましい。これら粒子の空隙率は、好ましくは10〜80%、さらに好ましくは20〜60%、最も好ましくは30〜60%である。中空微粒子の空隙率を上述の範囲にすることが、低屈折率化と粒子の耐久性維持の観点で好ましい。
中空微粒子の好ましい製造方法を以下に記載する。第1段階として、後処理で除去可能なコア粒子形成、第2段階としてシェル層形成、第3段階としてコア粒子の溶解、必要に応じて第4段階として追加シェル相の形成である。具体的には中空粒子の製造は、例えば特開2001−233611号公報に記載されている中空シリカ微粒子の製造方法に準じて行うことができる。
シェル厚を厚くすることで粒子表面の吸着サイトを減少させ、吸着水量を低減することが可能であり、好ましい。さらに導電性の成分でシェルを形成すると導電性も付与することができて好ましい。特に好ましくは、コア粒子としてシリカ系の多孔質又は中空の粒子を用い、シェルとして、ZnO2、Y2O3、Sb2O5、ATO、ITO、SnO2を用いる組み合わせである。被覆粒子については特開2008−242314の段落番号[0033]〜[0040]に記載されており、本発明においても好適に用いることができる。
また、本発明においては無機微粒子は常法によりシランカップリング剤等により表面処理して用いることができる。
特に、低屈折率層形成用バインダーへの分散性を改良するために、無機微粒子の表面はオルガノシラン化合物の加水分解物及び/又はその部分縮合物により処理がされているのが好ましく、処理の際に、酸触媒及び金属キレート化合物のいずれか、あるいは両者が使用されることが更に好ましい。
無機微粒子の表面の処理方法については、特開2008−242314号公報の段落番号[0046]〜[0076]に記載されており、該文献に記載されたオルガノシラン化合物、シロキサン化合物、表面処理の溶媒、表面処理の触媒、金属キレート化合物などは本発明においても好適に用いることができる。
本発明における低屈折率層用組成物には、光重合開始剤が含まれることが好ましい。光重合開始剤としては、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類、アゾ化合物、過酸化物類、2,3−ジアルキルジオン化合物類、ジスルフィド化合物類、フルオロアミン化合物類、芳香族スルホニウム類、ロフィンダイマー類、オニウム塩類、ボレート塩類、活性エステル類、活性ハロゲン類、無機錯体、クマリン類などが挙げられる。光重合開始剤については、特開2008−134585号公報の段落[0141]〜[0159]にも記載されており、本発明においても同様に好適に用いることができる。
本発明では、低屈折率層用組成物に(D)重合性不飽和基を3つ以上有する多官能モノマーを含むことが好ましい。該(D)重合性不飽和基を3つ以上有する多官能モノマーは、硬化剤として機能することができる。(B)重合性不飽和基を有する含フッ素共重合体と(D)重合性不飽和基を3つ以上有する多官能モノマーとを併用することで、耐擦傷性あるいは薬品処理後の耐擦傷性を向上させることができる。
(D)重合性不飽和基を3つ以上有する多官能モノマーは、フッ素を含んでいないものでも、フッ素を含んでいるものでもよい。
非含フッ素多官能モノマーについては、特開2009−98658号公報の段落[0114]〜[0122]に記載されており、本発明においても同様である。
一般式(1): Rf2{−(L)m−Y}n
(一般式(1)中、Rf2は少なくとも炭素原子及びフッ素原子を含むn価の基を表し、nは3以上の整数を表す。Lは単結合又は二価の連結基を表し、mは0又は1を表す。Yは重合性不飽和基を表す。)
Rf2は酸素原子及び水素原子の少なくともいずれかを含んでも良い。また、Rf2は鎖状(直鎖又は分岐)又は環状である。
一般式(3): Rf2−{C(O)OCH=CH2}n
Rf2は鎖状(直鎖又は分岐)又は環状である。
一般式(4): Rf21−{Rf22−CH2−OC(O)CH=CH2}n
一般式(5): Rf21−{Rf22−C(O)OCH=CH2}n
(一般式(4)及び(5)中、Rf21は少なくとも炭素原子及びフッ素原子を含むn価の基を表し、Rf22は少なくとも炭素原子及びフッ素原子を含む2価の基を表す。nは3以上の整数を表す。)
Rf21及びRf22は酸素原子及び水素原子の少なくともいずれかを含んでも良い。また、Rf21及びRf22は鎖状(直鎖又は分岐)又は環状である。
炭素原子、ケイ素原子、及び酸素原子のうち少なくともいずれかが合わせて3個以上置換した炭素原子を(a)、
炭素原子及び酸素原子のうち少なくともいずれかが合わせて3個以上が置換したケイ素原子を(b)、
とするときに、(a)と(a)、(b)と(b)、又は(a)と(b)で挟まれた原子団の原子量の合計をいう。
例えば、後述する含フッ素多官能モノマーの内、X−22を例に挙げて説明する。X−22の重合性基が全て重合したと仮定すると、下記X−22−1のように表される。
すなわち、架橋間分子量の計算値は、
3個以上の重合性不飽和基の各々と、炭素原子、ケイ素原子、又は酸素原子を含む2価以上の連結基を介して結合するとともに、前記連結基中の炭素原子、ケイ素原子、又は酸素原子に直接結合する炭素原子を(a)、
炭素原子及び酸素原子のうち少なくともいずれかが合わせて3個以上置換したケイ素原子を(b)、
重合性不飽和基の不飽和結合を形成する2つの炭素原子のうち、前記(a)の炭素原子により近い炭素原子を(c)、
とするときに、(a)と(a)、(b)と(b)、(c)と(c)、(a)と(b)、(a)と(c)、又は(b)と(c)で挟まれた原子団の原子量の合計をいう。
例えば、後述する含フッ素多官能モノマーの内、X−22を例に挙げて説明する。X−22について、上記定義における(a)又は(c)に相当する炭素原子は以下のように表される。
Rfは直鎖であっても分岐していてもよく、また、環構造、エーテル結合を有していてもよい。
Rfは炭素原子及びフッ素原子のみからなる(p+q)価の基、又は、炭素原子、フッ素原子及び酸素原子のみからなる(p+q)価の基であることがより好ましい。
Rfの好ましい炭素数としては1〜20であり、より好ましくは1〜10である。以下にRfの好ましい例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
rは一般式(FM)中における繰り返し単位(OCF2CF2)の繰り返し数を表し、架橋間分子量の計算値が500より小さくなる範囲で選択でき、好ましくは1又は2であり、より好ましくは1である。一般式(FM)で表される多官能含フッ素アクリレートは一つの分子中に―(OCF2CF2)r―OCF2CH2O―で表されるp個の連結基を有するものであるが、1分子中のそれぞれのrは同じであっても異なっていてもよい。rが2以下であると架橋基の密度が高くなり、塗膜の強度を高められるという観点で好ましい。特に塗膜の表層を効率良く効果することが可能であり、防汚耐久性にも優れる。
Rは水素原子、メチル基、フッ素原子又はトリフルオロメチル基を表し、好ましくは水素原子である。
低屈折率層を形成するための前記各成分を含む組成物を溶解する溶媒としては、特に限定されないが、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤が好ましく用いられる。具体的には、アセトン、メチルエチルケトン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−ヘキサン、2−ヘプタノン、4−ヘプタノン、メチルイソプロピルケトン、エチルイソプロピルケトン、ジイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、メチル−t−ブチルケトン、ジアセチル、アセチルアセトン、アセトニルアセトン、ジアセトンアルコール、メシチルオキサイド、クロロアセトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、アセトフェノン等をあげることができる。この中でも、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンが好ましい。これらの溶媒は単独で用いても、任意の混合比で混合して用いてもよい。
本発明における低屈折率層用組成物である塗布組成物は、(A)重合性不飽和基を有する含フッ素防汚剤、(B)重合性不飽和基を有する含フッ素共重合体、(C)無機微粒子、必要に応じて、(D)重合性不飽和基を有する多官能モノマー、光重合開始剤などを含有する。
低屈折率層を形成するための塗布組成物における各成分の好ましい含有量について説明する。なお、ここで含有量とは塗布組成物中の全固形分に対する各成分の固形分の比率(質量%)である。(A)の含有量は、1〜15質量%が好ましく、1〜10質量%がさらに好ましく、2〜7質量%が最も好ましい。(B)の含有量は5〜70質量%が好ましく、5〜50質量%がさらに好ましく、5〜30質量%が最も好ましい。(C)の含有量は10〜70質量%が好ましく、20〜60質量%がさらに好ましく、35〜55質量%が最も好ましい。(D)の含有量は0〜60質量%であることが好ましく、5〜60質量%であることがさらに好ましく、10〜50質量%が特に好ましく、20〜40質量%が最も好ましい。光重合開始剤の含有量は1〜5質量%が好ましい。
(A)の含有量が1質量%よりも少ないと防汚性改良効果が得られず、15質量%を超えると泣き出し等による面状悪化につながる。(C)成分が10質量%よりも小さいと耐擦傷性改良効果が得られず、70質量%を超えると塗膜の白化等面状の悪化につながる。(D)成分が5〜60質量%であると耐擦傷性、防汚耐久性、塗布性、屈折率が良好な反射防止膜を得る事ができる。
本発明の反射防止フィルムは以下の方法で形成することができるが、この方法に制限されない。まず低屈折率層用組成物が調製される。次に、該組成物をディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、ダイコート法等により透明支持体上に塗布し、加熱・乾燥する。マイクログラビアコート法、ワイヤーバーコート法、ダイコート法(米国特許第2681294号明細書、特開2006−122889号公報参照)がより好ましく、ダイコート法が特に好ましい。
本発明の反射防止フィルムは、透明な支持体上に、低屈折率層、及び目的に応じて必要な機能層を単独又は複数層設けることにより作製することができる。
好ましい一つの態様としては、透明支持体上に光学干渉によって反射率が減少するように屈折率、膜厚、層の数、層順等を考慮して積層された反射防止フィルムを挙げることができる。反射防止フィルムは、最も単純な構成では、透明支持体上に低屈折率層のみを塗設した構成である。更に反射率を低下させるには、反射防止層を、透明支持体よりも屈折率の高い高屈折率層と、透明支持体よりも屈折率の低い低屈折率層を組み合わせて構成することが好ましい。構成例としては、透明支持体側から高屈折率層/低屈折率層の2層のものや、屈折率の異なる3層を、中屈折率層(透明支持体よりも屈折率が高く、高屈折率層よりも屈折率の低い層)/高屈折率層/低屈折率層の順に積層されているもの等があり、更に多くの反射防止層を積層するものも提案されている。中でも、耐久性、光学特性、コストや生産性等から、ハードコート層を有する透明支持体上に、中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層の順に有することが好ましく、例えば、特開平8−122504号公報、特開平8−110401号公報、特開平10−300902号公報、特開2002−243906号公報、特開2000−111706号公報等に記載の構成が挙げられる。また、各層に他の機能を付与させてもよく、例えば、防汚性の低屈折率層、帯電防止性の高屈折率層としたもの(例、特開平10−206603号公報、特開2002−243906号公報等)等が挙げられる。
該中屈折率層の波長550nmにおける屈折率が1.60〜1.65であり、該中屈折率層の厚さが50.0nm〜70.0nmであり、
該高屈折率層がの波長550nmにおける屈折率が1.70〜1.74であり、該高屈折率層の厚さが90.0nm〜115.0nmであり、
該低屈折率層がの波長550nmにおける屈折率が1.33〜1.38であり、該低屈折率層の厚さが85.0nm〜95.0nmである
ことが好ましい。
構成(1):
中屈折率層の波長550nmにおける屈折率が1.60〜1.64であり、中屈折率層の厚さが55.0nm〜65.0nmであり、
高屈折率層の波長550nmにおける屈折率が1.70〜1.74であり、高屈折率層の厚さが105.0nm〜115.0nmであり、
低屈折率層の波長550nmにおける屈折率が1.33〜1.38であり、低屈折率層の厚さが85.0nm〜95.0nmを有する低屈折率層である反射防止フィルム。
構成(2):
中屈折率層の波長550nmにおける屈折率が1.60〜1.65であり、中屈折率層の厚さが55.0nm〜65.0nmであり、
高屈折率層の波長550nmにおける屈折率が1.70〜1.74であり、高屈折率層の厚さが90.0nm〜100.0nmであり、
低屈折率層の波長550nmにおける屈折率が1.33〜1.38であり、低屈折率層の厚さが85.0nm〜95.0nmである反射防止フィルム。
式(II) λ/2×0.66<n2d2<λ/2×0.72
式(III) λ/4×0.84<n3d3<λ/4×0.92
ΔE={(L*−L*’)2+(a*−a*’)2+(b*−b*’)2}1/2≦3
(L*’、a*’、b*’は設計膜厚時の反射光の色味)
各層の膜厚は光の干渉を利用した反射分光膜厚計“FE−3000”(大塚電子(株)製)や、TEM(透過型電子顕微鏡)による断面観察により測定することができる。反射分光膜厚計でも膜厚と同時に屈折率の測定も可能であるが、膜厚の測定精度を上げるために、別手段で測定した各層の屈折率を用いることが望ましい。各層の屈折率が測定できない場合は、TEMによる膜厚測定が望ましい。その場合は、10箇所以上測定し、平均した値を用いることが望ましい。
[透明支持体]
本発明の反射防止フィルムの透明支持体としては、透明基材フィルムが好ましい。透明基材フィルムとしては、透明樹脂フィルム、透明樹脂板、透明樹脂シートや透明ガラスなど、特に限定は無い。透明樹脂フィルムとしては、セルロースアシレートフィルム(例えば、セルローストリアセテートフィルム(屈折率1.48)、セルロースジアセテートフィルム、セルロースアセテートブチレートフィルム、セルロースアセテートプロピオネートフィルム)、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリアクリル系樹脂フィルム、ポリウレタン系樹脂フィルム、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、(メタ)アクリルニトリルフィルムポリオレフィン、脂環式構造を有するポリマー(ノルボルネン系樹脂(アートン:商品名、JSR社製、非晶質ポリオレフィン(ゼオネックス:商品名、日本ゼオン社製))、などが挙げられる。このうちトリアセチルセルロース、ポリエチレンテレフタレート、脂環式構造を有するポリマーが好ましく、特にトリアセチルセルロースが好ましい。
透明支持体の厚さは通常25μm〜1000μm程度のものを用いることができるが、好ましくは25μm〜250μmであり、30μm〜90μmであることがより好ましい。
透明支持体の幅は任意のものを使うことができるが、ハンドリング、得率、生産性の点から通常は100〜5000mmのものが用いられ、800〜3000mmであることが好ましく、1000〜2000mmであることがさらに好ましい。透明支持体はロール形態の長尺で取り扱うことができ、通常100m〜5000m、好ましくは500m〜3000mのものである。
透明支持体の表面は平滑であることが好ましく、平均粗さRaの値が1μm以下であることが好ましく、0.0001〜0.5μmであることが好ましく、0.001〜0.1μmであることがさらに好ましい。
透明支持体については、特開2009−98658号公報の段落[0163]〜[0169]に記載されており、本発明においても同様である。
本発明の反射防止フィルムには、フィルムの物理的強度を付与するために、ハードコート層を設けることができる。本発明においては、ハードコート層を設けなくてもよいが、ハードコート層を設けた方が鉛筆引掻き試験などの耐擦傷性面が強くなり、好ましい。
好ましくは、ハードコート層上に低屈折率層が設けられ、更に好ましくはハードコート層と低屈折率層の間に中屈折率層、高屈折率層が設けられ、反射防止フィルムを構成する。
ハードコート層は、二層以上の積層から構成されてもよい。
又はハードコート層の強度は、鉛筆硬度試験で、H以上であることが好ましく、2H以上であることがさらに好ましく、3H以上であることが最も好ましい。さらに、JIS K5400に従うテーバー試験で、試験前後の試験片の摩耗量が少ないほど好ましい。
電離放射線硬化性の多官能モノマーや多官能オリゴマーの官能基としては、光、電子線、放射線重合性のものが好ましく、中でも光重合性官能基が好ましい。
光重合性官能基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、スチリル基、アリル基等の不飽和の重合性官能基等が挙げられ、中でも、(メタ)アクリロイル基が好ましい。具体的には前記(重合性不飽和基を有する多官能モノマー)で挙げた化合物を好ましく用いることができる。
防眩層は、表面散乱による防眩性と、好ましくはフィルムの硬度、耐擦傷性を向上するためのハードコート性をフィルムに寄与する目的で形成される。
防眩層については特開2009−98658号公報の段落[0178]〜[0189]に記載されており、本発明においても同様である。
高屈折率層の屈折率は、前記のように1.70〜1.74であることが好ましく、1.71〜1.73であることがより好ましい。中屈折率層の屈折率は、低屈折率層の屈折率と高屈折率層の屈折率との間の値となるように調整される。中屈折率層の屈折率は、1.60〜1.64であることが好ましく、1.61〜1.63であることがさらに好ましい。
高屈折率層及び中屈折率層の形成方法は化学蒸着(CVD)法や物理蒸着(PVD)法、特に物理蒸着法の一種である真空蒸着法やスパッタ法により、無機物酸化物の透明薄膜を用いることもできるが、オールウェット塗布による方法が好ましい。
上記高屈折率層は、無機微粒子、3官能以上の重合性基を有する硬化性化合物(以下、「バインダー」と称する場合もある)、溶媒及び重合開始剤を含有する塗布組成物を塗布し、溶媒を乾燥させた後、加熱、電離放射線照射あるいは両手段の併用により硬化して形成されたものであるのが好ましい。硬化性化合物や開始剤を用いる場合は、塗布後に熱及び/又は電離放射線による重合反応により硬化性化合物を硬化させることで、耐傷性や密着性に優れる中屈折率層や高屈折率層が形成できる。
上記無機微粒子としては、金属の酸化物を含有する無機微粒子が好ましく、Ti、Zr、In、Zn、Sn、Al及びSbから選ばれた少なくとも1種の金属の酸化物を含有する無機微粒子がより好ましい。また、中屈折率層及び高屈折率層のうち少なくともいずれかが、導電性の無機微粒子を含有することも好ましい。
無機微粒子としては、屈折率の観点から、酸化ジルコニウムの微粒子が好ましい。また、導電性の観点からは、Sb、In、Snのうちの少なくとも1種類の金属の酸化物を主成分とする無機微粒子を用いることが好ましい。導電性の無機微粒子としては、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、フッ素ドープ酸化錫(FTO)、リンドープ酸化錫(PTO)、アンチモン酸亜鉛(AZO)、インジウムドープ酸化亜鉛(IZO)、酸化亜鉛、酸化ルテニウム、酸化レニウム、酸化銀、酸化ニッケル及び酸化銅からなる群から少なくとも一つ選択される金属酸化物がさらに好ましい。
無機微粒子の量を変化させることで所定の屈折率に調整することができる。層中の無機微粒子の平均粒径は、酸化ジルコニウムを主成分として用いた場合、1〜120nmであることが好ましく、さらに好ましくは1〜60nm、2〜40nmがさらに好ましい。この範囲内で、ヘイズを抑え、分散安定性、表面の適度の凹凸による上層との密着性が良好となり、好ましい。
無機微粒子の比表面積は、10〜400m2/gであることが好ましく、20〜200m2/gであることがさらに好ましく、30〜150m2/gであることが最も好ましい。
無機微粒子を200nm以下に微細化することで透明性を損なわない高屈折率層及び中屈折率層を形成できる。
硬化性化合物としては、重合性化合物が好ましく、重合性化合物としては電離放射線硬化性の多官能モノマーや多官能オリゴマーが好ましく用いられる。これらの化合物中の官能基としては、光、電子線、放射線重合性のものが好ましく、中でも光重合性官能基が好ましい。
光重合性官能基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、スチリル基、アリル基等の不飽和の重合性官能基等が挙げられ、中でも、(メタ)アクリロイル基が好ましい。
このようにして作製した高屈折率層及び中屈折率層のバインダーは、例えば、上記の好ましい分散剤と電離放射線硬化性の多官能モノマーや多官能オリゴマーとが、架橋又は重合反応し、バインダーに分散剤のアニオン性基が取りこまれた形となる。さらに高屈折率層及び中屈折率層のバインダーは、アニオン性基が無機微粒子の分散状態を維持する機能を有し、架橋又は重合構造がバインダーに皮膜形成能を付与して、無機微粒子を含有する高屈折率層及び中屈折率層の物理強度、耐薬品性、耐候性を改良する。
高屈折率層を酸素濃度が10体積%以下の雰囲気で形成することにより、高屈折率層の物理強度、耐薬品性、耐候性、更には、高屈折率層と高屈折率層と隣接する層との接着性を改良することができる。 好ましくは酸素濃度が6体積%以下の雰囲気で硬化性樹脂の架橋反応、又は、重合反応により形成することであり、更に好ましくは酸素濃度が4体積%以下、特に好ましくは酸素濃度が2体積%以下、最も好ましくは1体積%以下である。
具体的には、中屈折率層、高屈折率層が前記式(I)、式(II)の膜厚と屈折率を満足するように微粒子の種類、樹脂の種類を選択すると共にその配合比率を決め、主な組成を決定することが一例として挙げられる。
本発明における低屈折率層は、屈折率が1.30〜1.47であることが好ましい。多層薄膜干渉型の反射防止フィルム(中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層)の場合の低屈折率層の屈折率は1.33〜1.38であることが望ましく、更に望ましくは1.35〜1.37が望ましい。上記範囲内とすることで反射率を抑え、膜強度を維持することができ、好ましい。低屈折率層の形成方法も化学蒸着(CVD)法や物理蒸着(PVD)法、特に物理蒸着法の一種である真空蒸着法やスパッタ法により、無機物酸化物の透明薄膜を用いることもできるが、低屈折率層用組成物を用いてオールウェット塗布による方法を用いることが好ましい。
低屈折率層まで形成した反射防止フィルムの強度は、500g荷重の鉛筆硬度試験でH以上であることが好ましく、2H以上であることがさらに好ましく、3H以上であることが最も好ましい。
また、反射防止フィルムの防汚性能を改良するために、表面の水に対する接触角が95゜以上であることが好ましい。更に好ましくは102゜以上である。特に、接触角が105°以上であると、指紋に対する防汚性能が著しく良化するため、特に好ましい。また、水の接触角が102°以上で、かつ、表面自由エネルギーが25dyne/cm以下であることがより好ましく、23dyne/cm以下であることが特に好ましく、20dyne/cm以下であることが更に好ましい。最も好ましくは、水の接触角が105°以上で、かつ、表面自由エネルギーが20dyne/cm以下である。
低屈折率層は、(A)重合性不飽和基を有する含フッ素防汚剤、(B)重合性不飽和基を有する含フッ素共重合体、(C)無機微粒子、その他所望により含有される任意成分を溶解あるいは分散させた塗布組成物を塗布と同時、又は塗布・乾燥後に電離放射線照射(例えば光照射、電子線ビーム照射等が挙げられる。)や加熱することによる架橋反応、又は、重合反応により硬化して、形成することが好ましい。
特に、低屈折率層が電離放射線硬化性の化合物の架橋反応、又は、重合反応により形成される場合、架橋反応、又は、重合反応は酸素濃度が10体積%以下の雰囲気で実施することが好ましい。酸素濃度が1体積%以下の雰囲気で形成することにより、物理強度、耐薬品性に優れた最外層を得ることができる。
好ましくは酸素濃度が0.5体積%以下であり、更に好ましくは酸素濃度が0.1体積%以下、特に好ましくは酸素濃度が0.05体積%以下、最も好ましくは0.02体積%以下である。
本発明において、(A)含フッ素防汚剤は低屈折率で優れた防汚性を発現することが可能であるが、塗膜の表層にフッ素が配向するため、帯電しやすく、防塵性の低下を招く傾向がある。そのため本発明ではフィルム表面での静電気防止の点で導電性層を有することが好ましい。導電性層はこれまでに述べた層とは別に設けてもよいし、これまでに述べた層が導電性を併せ持っていてもよい。例えば、透明支持体と低屈折率層との間に中屈折率層又は高屈折率層とは別に導電性層を有してもよく、中屈折率層又は高屈折率層を、導電性を有する中屈折率層又は高屈折率層としてもよい。
以下で導電性層に用いる材料、導電性層の性能について詳述する。
導電性層は、実質的に透明であることが好ましい。具体的には、導電性層のヘイズが、10%以下であることが好ましく、5%以下であることがより好ましく、3%以下であることがさらに好ましく、1%以下であることが最も好ましい。波長550nmの光の透過率が、50%以上であることが好ましく、60%以上であることがより好ましく、65%以上であることがさらに好ましく、70%以上であることが最も好ましい。
導電性層は、導電性微粒子と反応性硬化樹脂とを溶媒に溶解してなる塗布組成物を用いて形成することができる。この場合には、導電性無機微粒子は、金属の酸化物又は窒化物から形成することが好ましい。金属の酸化物又は窒化物の例には、酸化錫、酸化インジウム、酸化亜鉛及び窒化チタンが含まれる。酸化錫及び酸化インジウムが特に好ましい。導電性無機微粒子は、これらの金属の酸化物又は窒化物を主成分とし、さらに他の元素を含むことができる。主成分とは、粒子を構成する成分の中で最も含有量(質量%)が多い成分を意味する。他の元素の例には、Ti、Zr、Sn、Sb、Cu、Fe、Mn、Pb、Cd、As、Cr、Hg、Zn、Al、Mg、Si、P、S、B、Nb、In、V及びハロゲン原子が含まれる。酸化錫及び酸化インジウムの導電性を高めるために、Sb、P、B、Nb、In、V及びハロゲン原子から選ばれる少なくともいずれかを添加することが好ましい。より具体的には、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、フッ素ドープ酸化錫(FTO)、リンドープ酸化錫(PTO)、アンチモン酸亜鉛(AZO)、インジウムドープ酸化亜鉛(IZO)、酸化亜鉛、酸化ルテニウム、酸化レニウム、酸化銀、酸化ニッケル及び酸化銅からなる群から選択される一又は二以上の金属酸化物の組み合わせが挙げられる。錫ドープ酸化インジウム(ITO)、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、リンドープ酸化錫(PTO)が特に好ましい。ATO中のSbの割合は、3〜20質量%であることが好ましい。ITO中のInの割合は、5〜20質量%であることが好ましい。
導電性無機微粒子の形状は、米粒状、球形状、立方体状、紡錘形状あるいは不定形状であることが好ましい。
二種類以上の導電性無機微粒子を導電性層内で併用してもよい。
導電性層形成用硬化性組成物に用いられる有機溶媒は、前述のように、導電性無機酸化物粒子を分散させる分散媒として用いられる。有機溶媒の配合量は、導電性無機酸化物粒子100質量部に対し、好ましくは、20〜4,000質量部、さらに好ましくは、100〜1,000質量部である。溶媒量が20質量部未満であると、粘度が高いため均一の反応が困難であることがあり、4,000質量部を超えると、塗布性が低下することがある。
導電性層のバインダーとしては、高屈折率層に用いた硬化性化合物、特に電離放射線硬化性の多官能モノマーや多官能オリゴマーが好ましく用いられるが、反応性硬化樹脂を反応させてなる、架橋しているポリマーをバインダーとして用いることもできる。架橋しているポリマーはアニオン性基を有するのが好ましい。
架橋しているアニオン性基を有するポリマーは、アニオン性基を有するポリマーの主鎖が架橋している構造を有する。アニオン性基は、導電性無機微粒子の分散状態を維持する機能を有する。架橋構造は、ポリマーに皮膜形成能を付与して、導電性層を強化する機能を有する。
アニオン性基の例としては、カルボン酸基(カルボキシル)、スルホン酸基(スルホ)及びリン酸基(ホスホノ)などが挙げられ、スルホン酸基及びリン酸基が好ましい。
アニオン性基とポリマーの主鎖とを結合する連結基は、−CO−、−O−、アルキレン基、アリーレン基、及びこれらの組合せから選ばれる二価の基であることが好ましい。
反射防止フィルムを偏光膜の表面保護フィルム(偏光板用保護フィルム)として用いる場合、薄膜層を有する側とは反対側の透明支持体の表面、すなわち偏光膜と貼り合わせる側の表面を親水化することで、ポリビニルアルコールを主成分とする偏光膜との接着性を改良することができる。
偏光子の2枚の保護フィルムのうち、反射防止フィルム以外のフィルムが、光学異方層を含んでなる光学補償層を有する光学補償フィルムであることも好ましい。光学補償フィルム(位相差フィルム)は、液晶表示画面の視野角特性を改良することができる。
光学補償フィルムとしては、公知のものを用いることができるが、視野角を広げるという点では、特開2001−100042号公報に記載されている光学補償フィルムが好ましい。
次に、本発明の偏光板について説明する。本発明の偏光板は、偏光膜と該偏光膜の両面を保護する2枚の保護フィルムを有する偏光板であって、該保護フィルムの少なくとも一方が前記本発明の反射防止フィルムであることを特徴とする。
透明支持体:トリセルロースアセテートフィルム(屈折率:1.49、膜厚80μm)
ハードコート層:重合性不飽和基を有する多官能モノマー、シリカゾル、光重合開始剤(屈折率1.49、膜厚10μm)
中屈折率層:重合性不飽和基を有する多官能モノマー、酸化ジルコニウム微粒子、光重合開始剤(屈折率:1.62、膜厚60nm、)
高屈折率層:重合性不飽和基を有する多官能モノマー、酸化ジルコニウム微粒子、光重合開始剤(屈折率:1.72、膜厚110nm)
低屈折率層:重合性不飽和基を有する含フッ素共重合体、中空シリカ微粒子、重合性不飽和基を有する多官能モノマー(フッ素を含有する化合物及びフッ素を含有しない化合物)、重合性不飽和基を有する含フッ素防汚剤、光重合開始剤(屈折率:1.36、膜厚90nm)
構成(4)
透明支持体:トリセルロースアセテートフィルム(屈折率:1.49、膜厚80μm)
ハードコート層:重合性不飽和基を有する多官能モノマー、シリカゾル、光重合開始剤(屈折率1.49、膜厚10μm)
中屈折率層:重合性不飽和基を有する多官能モノマー、リン含有酸化錫微粒子又はアンチモンドープ酸化錫微粒子、光重合開始剤(屈折率:1.635、膜厚60nm、)
高屈折率層:重合性不飽和基を有する多官能モノマー、酸化ジルコニウム微粒子、光重合開始剤(屈折率:1.72、膜厚95nm)
低屈折率層:重合性不飽和基を有する含フッ素共重合体、中空シリカ微粒子、重合性不飽和基を有する多官能モノマー(フッ素を含有する化合物及びフッ素を含有しない化合物)、重合性不飽和基を有する含フッ素防汚剤、光重合開始剤(屈折率:1.36、膜厚90nm)
〔反射防止フィルムの作製〕
下記に示す通りに、各層形成用の塗布液を調製し、各層を形成して、反射防止フィルム試料1〜18を作製した。
下記組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌してハードコート層塗布液とした。
メチルエチルケトン900質量部に対して、シクロヘキサノン100質量部、部分カプロラクトン変性の多官能アクリレート(DPCA−20、日本化薬(株)製)750質量部、シリカゾル(MIBK−ST、日産化学工業(株)製)200質量部、光重合開始剤(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)50質量部、を添加して攪拌した。孔径0.4μmのポリプロピレン製フィルターで濾過してハードコート層用の塗布液Aを調製した。
ZrO2微粒子含有ハードコート剤(デソライトZ7404[屈折率1.72、固形分濃度:60質量%、酸化ジルコニウム微粒子含量:70質量%(対固形分)、酸化ジルコニウム微粒子の平均粒子径:約20nm、溶剤組成:メチルイソブチルケトン/メチルエチルケトン=9/1、JSR(株)製])5.1質量部に、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA)1.5質量部、光重合開始剤(イルガキュア907、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)0.05質量部、メチルエチルケトン66.6質量部、メチルイソブチルケトン7.7質量部及びシクロヘキサノン19.1質量部を添加して攪拌した。充分に攪拌の後、孔径0.4μmのポリプロピレン製フィルターで濾過して中屈折率層用塗布液Aを調製した。
ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA)4.5質量部、光重合開始剤(イルガキュア907、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)0.14質量部、メチルエチルケトン66.5質量部、メチルイソブチルケトン9.5質量部及びシクロヘキサノン19.0質量部を添加して攪拌した。十分に攪拌ののち、孔径0.4μmのポリプロピレン製フィルターで濾過して中屈折率層用塗布液Bを調製した。
市販の導電性微粒子ATO「アンチモンドープ酸化錫T−1」{比表面積80m2/g、三菱マテリアル(株)製}20.0質量部に、アニオン性基とメタアクリロイル基を有する下記の分散剤(B−1)6.0質量部、メチルイソブチルケトン74質量部を添加して撹拌した。
リン含有酸化錫(PTO)分散液(触媒化成工業(株)製 ELCOM JX−1001PTV及びジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA)を適宜混合し、屈折率を1.635に調整した中屈折率層用塗布液Fを調製した。
ZrO2微粒子含有ハードコート剤(デソライトZ7404[屈折率1.72、固形分濃度:60質量%、酸化ジルコニウム微粒子含量:70質量%(対固形分)、酸化ジルコニウム微粒子の平均粒子径:約20nm、溶剤組成:メチルイソブチルケトン/メチルエチルケトン=9/1、JSR(株)製])15.7質量部に、メチルエチルケトン61.9質量部、メチルイソブチルケトン3.4質量部、シクロヘキサノン1.1質量部を添加して攪拌した。孔径0.4μmのポリプロピレン製フィルターで濾過して高屈折率層用塗布液Aを調製した。
(二酸化チタン微粒子分散液の調製)
二酸化チタン微粒子としては、コバルトを含有し、かつ水酸化アルミニウムと水酸化ジルコニウムを用いて表面処理を施した二酸化チタン微粒子(MPT−129C、石原産業(株)製、TiO2:Co3O4:Al2O3:ZrO2=90.5:3.0:4.0:0.5質量比)を使用した。この粒子257.7質量部に、下記分散剤41.1質量部、及びシクロヘキサノン701.6質量部を添加してダイノミルにより分散し、質量平均径69nmの二酸化チタン分散液を調製した。
分散剤
ZrO2微粒子含有ハードコート剤(デソライトZ7404[屈折率1.72、固形分濃度:60質量%、酸化ジルコニウム微粒子含量:70質量%(対固形分)、酸化ジルコニウム微粒子の平均粒子径:約20nm、光重合開始剤含有、溶剤組成:メチルイソブチルケトン/メチルエチルケトン=9/1、JSR(株)製])14.4質量部に、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA)0.75質量部、メチルエチルケトン62.0質量部、メチルイソブチルケトン3.4質量部、シクロヘキサノン1.1質量部を添加して攪拌した。充分に攪拌の後、孔径0.4μmのポリプロピレン製フィルターで濾過して高屈折率層用塗布液Cを調製した。
(パーフルオロオレフィン共重合体(1)の合成)
中空シリカ粒子微粒子ゾル(イソプロピルアルコールシリカゾル、触媒化成工業(株)製CS60−IPA、平均粒子径60nm、シエル厚み10nm、シリカ濃度20質量%、シリカ粒子の屈折率1.31)500質量部に、アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン30質量部、及びジイソプロポキシアルミニウムエチルアセテート1.51質量部加え混合した後に、イオン交換水9質量部を加えた。60℃で8時間反応させた後に室温まで冷却し、アセチルアセトン1.8質量部を添加し、分散液を得た。その後、シリカの含率がほぼ一定になるようにシクロヘキサノンを添加しながら、圧力30Torrで減圧蒸留による溶媒置換を行い、最後に濃度調整により固形分濃度18.2質量%の分散液Aを得た。得られた分散液AのIPA残存量をガスクロマトグラフィーで分析したところ0.5質量%以下であった。
各成分を下記表1のように混合し、メチルエチルケトンに溶解して固形分濃度5質量%の低屈折率層用塗布液Ln1〜Ln12を作製した。
・P−1:パーフルオロオレフィン共重合体(1)
・DPHA:ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(日本化薬(株)製)
・MF1:国際公開第2003/022906号パンフレットの実施例記載の下記含フッ素不飽和化合物(重量平均分子量1600)
・オプツールDAC:パーフルオロポリエーテル含有UV硬化型防汚添加剤(ダイキン化学工業(株)製)
・MCF−323:ディフェンサMCF−323 非フルオロエーテル型フッ素系界面活性剤(大日本インキ化学工業(株)製)
・d−4:前記パーフルオロポリエーテル含有アクリレート(重量平均分子量1600)
・M−1:前記含フッ素多官能アクリレート(フッ素含有率44.9質量%、4官能)
・分散液A:前記中空シリカ粒子分散液A(アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランで表面修飾した中空シリカ粒子ゾル、固形分濃度18.2%)
・X22−164C:反応性シリコーン(信越化学(株)製)
・Irg127:光重合開始剤イルガキュア127(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)
層厚80μmの透明支持体としてのトリアセチルセルロースフィルム(TD80UF、富士フイルム(株)製、屈折率1.48)上に、前記ハードコート層用塗布液Aをグラビアコーターを用いて塗布した。100℃で乾燥した後、酸素濃度が1.0体積%以下の雰囲気になるように窒素パージしながら160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm2、照射量150mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させ、厚さ12μmのハードコート層Aを形成した。
硬化後の中屈折率層における屈折率、層厚は表2に示す通りに変化させた。
低屈折率層の乾燥条件は90℃、30秒とし、紫外線硬化条件は酸素濃度が0.1体積%以下の雰囲気になるように窒素パージしながら240W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度600mW/cm2、照射量600mJ/cm2の照射量とした。
以下の方法により反射防止フィルムの諸特性の評価を行った。結果を表3に示す。
ラビングテスターを用いて、以下の条件でこすりテストを行うことで、耐擦傷性の指標とすることができる。
評価環境条件:25℃、60%RH
こすり材:スチールウール(日本スチールウール(株)製、ゲレードNo.0000)
試料と接触するテスターのこすり先端部(1cm×1cm)に巻いて、バンド固定。
移動距離(片道):13cm、
こすり速度:13cm/秒、
荷重:500g/cm2、
先端部接触面積:1cm×1cm、
こすり回数:10往復。
こすり終えた試料の裏側に油性黒インキを塗り、反射光で目視観察して、こすり部分の傷を評価した。
A :非常に注意深く見ても、全く傷が見えない。
B :非常に注意深く見ると僅かに弱い傷が見える。
C :弱い傷が見える。
D :中程度の傷が見える。
E :一目見ただけで分かる傷がある。
試料の裏側に油性黒インキを塗った後、塗布面に指を押し付け指紋を付着させた。付着した指紋をティッシュペーパーで10往復拭き取り、付着した指紋の残り跡を観察し評価した。
○:指紋の付着跡が完全に見えない。
○△:指紋の付着跡がわずかに見えるが気にならない。
△:指紋の付着跡が見え、気になる。
×:指紋の拭き取り跡がはっきりと視認でき気になる。
試料の裏側に油性黒インキを塗った後、塗布面に指を押し付け指紋を付着させた。付着した指紋をティッシュペーパーで拭き取り、付着した指紋の残り跡が完全に見えなくなるまでの拭き取り回数(往復)を評価した。少ない回数で完全に見えなくなるものが好ましい。
フィルムをガラス面上に粘着剤で固定し、25℃60RH%の条件下で黒マジック「マッキー極細(商品名:ZEBRA製)」のペン先(細)にて直径5mmの円形を3周書き込み、10秒後に10枚重ねに折り束ねたベンコット(商品名、旭化成(株))でベンコットの束がへこむ程度の荷重で2往復拭き取る。マジック跡が拭き取りで消えなくなるまで前記の書き込みと拭き取りを前記条件で繰り返し、拭き取りできた回数により防汚性を評価した。消えなくなるまでの回数は5回以上であることが好ましく、10回以上であることが更に好ましい。
分光光度計V−550(日本分光(株)製)にアダプターARV−474を装着して、380〜780nmの波長領域において、入射角5°における出射角5度の鏡面反射率を測定し、450〜650nmの平均反射率を算出し、反射防止性を評価した。さらに、測定された反射スペクトルから、CIE標準光源D65の5度入射光に対する正反射光の色味を表すCIE1976L*a*b*色空間のL*値、a*値、b*値を算出し、反射光の色味を評価した。低屈折率層、高屈折率層、中屈折率層のうち任意の層の層厚を2.5%変動させた時の反射光の色味(L*’、a*’、b*’)を測定し、設計膜厚の反射光の色味(L*、a*、b*)とのときの色差ΔEを求め、最大になる値を算出し膜厚変動時の色差を評価した。
ΔE={(L*−L*’)2+(a*−a*’)2+(b*−b*’)2}1/2
全てのサンプルについて25℃、60%RH条件下に試料を2時間置いた後に同条件下で表面抵抗値(SR)を円電極法で測定した。表面抵抗値の常用対数(logSR)で示す。
反射防止フィルムの透明支持体側をCRT表面に貼り付け、0.5μm以上の埃及びティッシュペーパー屑を、1ft3(立法フィート)当たり100〜200万個有する部屋で24時間使用した。反射防止フィルム100cm2当たり、付着した埃とティッシュペーパー屑の数を測定し、それぞれの結果の平均値が20個未満の場合をA、20〜49個の場合をB、50〜199個の場合をC、200個以上の場合をDとして評価した。
接触角計[“CA−X”型接触角計、協和界面科学(株)製]を用い、乾燥状態(20℃/65%RH)で、液体として純水を使用して直径1.0mmの液滴を針先に作り、これをフィルムの表面に接触させてフィルム上に液滴を作った。フィルムと液体とが接する点における、液体表面に対する接線とフィルム表面がなす角で、液体を含む側の角度を接触角とし、測定した。また、水の代わりにヨウ化メチレンを用いて接触角を測定し、以下の式より表面自由エネルギーを求めた。
表面自由エネルギー(γsv:単位、mN/m)とはD.K.Owens:J.Appl.Polym.Sci.,13,1741(1969)を参考に、反射防止フィルム上で実験的に求めた純水H2Oとヨウ化メチレンCH2I2のそれぞれの接触角θH2O、θCH2I2から以下の連立方程式a,bより求めたγsdとγshの和で表される値γsv(=γsd+γsh)で定義した。
a.1+cosθH2O=
2√γsd(√γH2O d/γH2O v)+2√γsh(√γH2O h/γH2O v)
b.1+cosθCH2I2=
2√γsd(√γCH2I2 d/γCH2I2 v)+2√γsh(√γCH2I2 h/γCH2I2 v)
γH2O d=21.8、γH2O h=51.0、γH2O v=72.8、
γCH2I2 d=49.5、γCH2I2 h=1.3、γCH2I2 v=50.8
更に、本発明の試料No.15においては、中屈折率層の屈折率が1.60〜1.65、膜厚が50.0〜65.0nm、かつ高屈折率層の屈折率が1.70〜1.74、膜厚が90.0〜105.0nm、かつ低屈折率層の屈折率が1.33〜1.38、膜厚が85.0〜95.0nmを満足する。本発明の試料No.15は、反射率0.5%以下と低く、反射の色味が0≦a*≦8、かつ−10≦b*≦0とニュートラルであった。また、本発明の試料No.15は、汚れ成分である指紋が付着しても拭き取り後にほとんど目立たず、防汚耐久性に優れ、設計膜厚から低屈折率層、高屈折率層、中屈折率層の任意の層の膜厚を2.5%ずらした場合の色差がΔE=1.75と、試料No.9〜14と比べても著しく小さい、膜厚変動に対してロバスト性の高い反射防止フィルムが得られた。
試料No.1の水の接触角は90°、表面自由エネルギーは30dyne/cmであった。また、試料No.2の水の接触角は94°、表面自由エネルギーは26dyne/cmであり、一方試料No.9〜15の水の接触角はいずれも102°以上、かつ表面自由エネルギーは23dyne/cm以下であった。水の接触角が102°以上で、かつ表面自由エネルギーが23dyne/cm以下の試料はいずれも指紋拭き取り性に優れ、好ましい反射防止フィルムが得られた。
リン含有酸化錫(PTO)分散液(触媒化成工業(株)製 ELCOM JX−1001PTV及びジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA)を適宜混合し、屈折率を1.62に調整した中屈折率層用塗布液Gを調製した。
(低屈折率層用塗布液の調製)
各成分を表4のように混合し、メチルエチルケトンに溶解して固形分5%の低屈折率層用塗布液を作製した。
・d−5:前記パーフルオロポリエーテル含有アクリレート(重量平均分子量1800)
・d−6:前記パーフルオロポリエーテル含有アクリレートd−4におけるHFPO「F(CF(CF3)CF2O)pCF(CF3)−」においてpの平均値が14〜15のもの(重量平均分子量3100)
・d−7:前記パーフルオロポリエーテル含有アクリレートd−4におけるHFPO「F(CF(CF3)CF2O)pCF(CF3)−」においてpの平均値が27〜28のもの(重量平均分子量5300)
反射防止フィルム試料15において、低屈折率層用塗布液Ln6の代わりにLn13〜15をそれぞれ使用した以外は同様の方法で反射防止フィルム試料20〜22を作製した。
実施例1に記載の方法により反射防止フィルムの諸特性の評価を行った。また、塗膜の白濁感の評価を以下の方法で行った。結果を表5に示す。
試料の裏側に油性黒インキを塗り、太陽光源下で目視観察する事により以下の基準で評価した。
◎:非常に注意深く見ても白濁が見えない
○:注意深く見るとうっすらと白味がかっているのがわかるが気にならない
○△:注意深く見ると白濁しているのがわかるが気にならない
△:一目見ただけで膜全体が弱く白濁しているのがわかる
×:一目見ただけで膜全体が強く白濁しているのがわかる
(低屈折率層用塗布液の調製)
各成分を表6のように混合し、メチルエチルケトンに溶解して固形分5%の低屈折率層用塗布液を作製した。
・FM−6:前記含フッ素多官能モノマー(フッ素含有率47.5質量%、4官能)
・FM−7:前記含フッ素多官能モノマーFM−6を合成したのと同様の方法で合成した。(フッ素含有率55.1質量%、3官能)
・X−1:前記化合物X−1
文献既知の方法(例えばEur.J.Ord.Chem.,2000,485−490)で合成した化合物1(97.7g,0.2mol)及びピリジン(77.6ml,0.96mol)の酢酸エチル(1.5L)の溶液に7H−ドデカフルオロペンタノイルクロリド(321g,0.88mol)を20℃以下の温度を保って滴下した。滴下後反応液を室温にて6時間攪拌し、不溶物をろ過により除去した。ろ液を重曹水(1.5L)で2回洗浄後、さらに飽和食塩水(1.5L)で2回洗浄した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥後、減圧にて濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=1/3)にて精製することにより化合物2(306g,0.17mol)を得た。
1000mlのテフロン(登録商標)製反応容器にフッ化ナトリウム(54.2g,1.29mol)及びペルフルオロヘキサン(700ml)を入れ、−10℃に保った。反応容器の出口には、−50℃以下に保持した還流器を設置した。200ml/minの速度で窒素ガスを1時間吹き込んだ後、窒素ガスで20%に希釈したフッ素ガス(以下、単にフッ素ガスと呼ぶ)を、250ml/minの速度で30分間吹き込んだ。フッ素ガスを同じ速度で吹き込みながら、化合物2(30g,16.7mol)及びヘキサフルオロベンゼン(5g,26.9mol)の混合溶液を5時間かけて添加し、さらにフッ素ガスを同じ速度で吹き込みながら、ヘキサフルオロベンゼン(2.0g)のペルフルオロヘキサン(10ml)溶液を1時間30分かけて添加した。250ml/minの速度でフッ素ガスをさらに30分間吹き込んだ後、200ml/minの速度で窒素ガスを1時間吹き込んだ。反応液にメタノールを100ml添加し、室温にて1時間攪拌した。不溶物をろ過後、濾液を減圧にて濃縮し、さらに真空ポンプ(室温、2mmHg)にて低沸点成分を除去することにより16.5gの濃縮物を得た。この濃縮物はNMRより化合物3を主成分とする混合物であることを確認、これ以上精製することなく次工程に用いた。
リチウムアルミニウムヒドリド(5.43g,0.143mol)のジエチルエーテル(450ml)分散液に窒素雰囲気下、5℃にて上記濃縮物(16.5g)のジエチルエーテル(100ml)溶液を滴下した。反応液を室温にて5時間攪拌後、氷水(700g)を発泡に注意しながらゆっくり加え、さらに塩酸(48ml)を滴下した。不溶物をセライトろ過により除去した後、分液した。有機層を水洗後、飽和食塩水(400ml)で洗浄し、有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥した。減圧にて濃縮後、カラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ジクロロメタン/エタノール=10/1)にて精製することにより化合物4(9.1g,8.56mmol)を得た。
化合物4(9.1g,8.56mmol)及び炭酸カリウム(32.9g,0.238mol)のアセトニトリル(400ml)分散液に室温にてアクリル酸クロリド(7.2g,79.5mmol)を滴下した。反応液を室温にて4時間攪拌後、酢酸エチル(1L)/1N塩酸水(1L)にゆっくり投入した。有機層を重曹水、水及び飽和食塩水でそれぞれ1回ずつ洗浄し、有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥した。減圧にて濃縮後、カラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=1/5)にて精製することにより化合物(FM−6)(8.5g,6.64mmol)を得た。
反射防止フィルム試料15において、低屈折率層用塗布液Ln6の代わりにLn16〜18をそれぞれ使用した以外は同様の方法で反射防止フィルム試料23〜25を作製した。
実施例1に記載の方法により反射防止フィルムの諸特性の評価を行った。
Claims (16)
- 透明支持体上に少なくとも1層の低屈折率層を有する反射防止フィルムであって、該低屈折率層が、少なくとも下記(A)〜(C)を含有する組成物から形成されることを特徴とする反射防止フィルム。
(A)重合性不飽和基を有する含フッ素防汚剤
(B)重合性不飽和基を有する含フッ素共重合体
(C)無機微粒子 - 前記(A)重合性不飽和基を有する含フッ素防汚剤が、パーフルオロポリエーテル構造を有し、かつ重合性不飽和基を一分子中に複数有することを特徴とする請求項1に記載の反射防止フィルム。
- 前記(A)重合性不飽和基を有する含フッ素防汚剤が、重合性不飽和基を一分子中に4つ以上有することを特徴とする請求項2に記載の反射防止フィルム。
- 前記(A)重合性不飽和基を有する含フッ素防汚剤の重量平均分子量が400以上5000未満であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の反射防止フィルム。
- 前記(B)重合性不飽和基を有する含フッ素共重合体の重量平均分子量が5000以上500000未満であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の反射防止フィルム。
- 前記(C)無機微粒子が中空シリカ粒子であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の反射防止フィルム。
- 前記組成物が、さらに(D)重合性不飽和基を3つ以上有する多官能モノマーを含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の反射防止フィルム。
- 前記(D)重合性不飽和基を有する多官能モノマーが、下記一般式(1)で表され、フッ素を35質量%以上含有し、全ての架橋間分子量の計算値が500よりも小さいモノマーであることを特徴とする請求項7に記載の反射防止フィルム。
一般式(1): Rf2{−(L)m−Y}n
(一般式(1)中、Rf2は、少なくとも炭素原子及びフッ素原子を含むn価の基を表し、nは3以上の整数を表す。Lは単結合又は二価の連結基を表し、mは0又は1を表す。Yは重合性不飽和基を表す。) - 前記一般式(1)で表され、フッ素を35質量%以上含有し、全ての架橋間分子量の計算値が500よりも小さいモノマーが、下記一般式(2)又は(3)で表されることを特徴とする請求項8に記載の反射防止フィルム。
一般式(2): Rf2−{CH2−OC(O)CH=CH2}n
一般式(3): Rf2−{C(O)OCH=CH2}n
(一般式(2)及び(3)中、Rf2は炭素原子とフッ素原子のみから構成されるn価の基、又は炭素原子とフッ素原子と酸素原子のみから構成されるn価の基を表し、nは3以上の整数を表す。) - 前記一般式(1)で表され、フッ素を35質量%以上含有し、全ての架橋間分子量の計算値が500よりも小さいモノマーが、下記一般式(4)又は(5)で表されることを特徴とする請求項8に記載の反射防止フィルム。
一般式(4): Rf21−{Rf22−CH2−OC(O)CH=CH2}n
一般式(5): Rf21−{Rf22−C(O)OCH=CH2}n
(一般式(4)及び(5)中、Rf21は少なくとも炭素原子及びフッ素原子を含むn価の基を表し、Rf22は少なくとも炭素原子及びフッ素原子を含む2価の基を表す。nは3以上の整数を表す。) - 波長380nmから780nmの領域におけるCIE標準光源D65の5度入射光に対する正反射光の色味が、CIE1976L*a*b*色空間のa*、b*値がそれぞれ0≦a*≦8、かつ、−10≦b*≦0の範囲内であり、さらには上記の色味変動範囲内で、反射防止フィルムが有する層のうちいずれかの層の層厚が2.5%変動したときの色差ΔEが下記式の範囲であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の反射防止フィルム。
ΔE={(L*−L*’)2+(a*−a*’)2+(b*−b*’)2}1/2≦3
(L*’、a*’、b*’は設計膜厚時の反射光の色味) - 透明支持体上に、中屈折率層、高屈折率層、及び低屈折率層がこの順に透明支持体側から積層されており、
該中屈折率層の波長550nmにおける屈折率が1.60〜1.65であり、該中屈折率層の厚さが50.0nm〜70.0nmであり、
該高屈折率層の波長550nmにおける屈折率が1.70〜1.74であり、該高屈折率層の厚さが90.0nm〜115.0nmであり、
該低屈折率層の波長550nmにおける屈折率が1.33〜1.38であり、該低屈折率層の厚さが85.0nm〜95.0nmである
ことを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の反射防止フィルム。 - 前記中屈折率層及び高屈折率層のうち少なくともいずれかが、導電性の無機微粒子を含有することを特徴とする請求項12に記載の反射防止フィルム。
- 前記導電性の無機微粒子が、錫ドープ酸化インジウム、アンチモンドープ酸化錫、フッ素ドープ酸化錫、リンドープ酸化錫、アンチモン酸亜鉛、インジウムドープ酸化亜鉛、酸化亜鉛、酸化ルテニウム、酸化レニウム、酸化銀、酸化ニッケル及び酸化銅からなる群から選択される少なくとも1種の金属酸化物であることを特徴とする請求項13に記載の反射防止フィルム。
- 偏光膜と該偏光膜の両面を保護する2枚の保護フィルムを有する偏光板であって、該保護フィルムの少なくとも一方が請求項1〜14のいずれかに記載の反射防止フィルムであることを特徴とする偏光板。
- 請求項1〜14のいずれかに記載の反射防止フィルム又は請求項15に記載の偏光板をディスプレイの最表面に有することを特徴とする画像表示装置。
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