JP2010152217A - 光学フィルム - Google Patents

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俊一 近藤
Tomotaka Tsuchimura
智孝 土村
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博之 米山
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Abstract

【課題】下層との密着性に優れ、且つ着色の少ない、光硬化性組成物からなる層を有する光学フィルムの提供。
【解決手段】透明支持体、及びその上に、少なくとも、(i)下記一般式(I)で表されるオキシムエステル系光重合開始剤と、(ii)重合性化合物とを含有する光硬化性組成物を光重合させてなる層を有する光学フィルムである。式中、R及びBは各々独立に一価の置換基を表し、Aは二価の有機基を表し、Arはアリール基を表す。
Figure 2010152217

【選択図】なし

Description

本発明は、光硬化性組成物を光重合して形成された層を有する光学フィルムに関する。
液晶表示装置は、液晶セル、偏光素子及び光学補償フィルム(位相差板)等を備え、透過型液晶表示装置では、二枚の偏光素子を液晶セルの両側に取り付け、通常、少なくとも一枚の光学補償フィルムが、液晶セルと偏光素子との間に配置されている。反射型液晶表示装置では、通常、反射板、液晶セル、少なくとも一枚の光学補償フィルム、そして一枚の偏光素子の順に配置されている。
ところで、液晶セルは、棒状液晶性化合物、それを封入するための二枚の基板及び棒状液晶性化合物に電圧を加えるための電極層からなる。液晶セルは、棒状液晶性化合物の配向状態の違いで、透過型については、TN(Twisted Nematic)、IPS(In−Plane Switching)、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)、OCB(Optically Compensatory Bend)、STN(Supper Twisted Nematic)、VA(Vertically Aligned)、反射型については、HAN(Hybrid Aligned Nematic)のような様々な表示モードが提案されている。
光学補償フィルムは、画像着色を解消したり、視野角を拡大したりするために、様々な液晶表示装置で用いられている。光学補償フィルムとしては、延伸ポリマーフィルムが従来から使用されていたが、延伸ポリマーフィルムからなる光学補償フィルムに代えて、透明支持体上に液晶性化合物を含む液晶性組成物を塗布して形成した光学異方性層を有する光学補償フィルムを使用することが提案されている。液晶性化合物には、多様な配向形態があることから、液晶性化合物を用いることで、従来の延伸ポリマーフィルムでは得ることができない光学的性質を実現することが可能になった。液晶性化合物を用いた光学補償フィルムでは、液晶セルの様々な表示モードに対応するものが既に提案されている。例えば、TNモードの液晶セル用光学補償フィルムについては、特許文献1に記載がある。
また、液晶表示装置(LCD)は大画面化が進むにつれ、上記光学補償フィルムに加えて、他の機能性フィルム、例えば反射防止フィルム、光拡散シート等の光学フィルムを配置した液晶表示装置が種々提案されている。例えば、反射防止フィルムは、外光の反射や像の映り込みによるコントラスト低下を防止するために、ディスプレイの表面に配置される。また、光拡散シートは液晶表示装置のバックライト側に用いられる。
米国特許第5646703号明細書
通常、液晶性組成物からなる光学異方性層を含む光学補償フィルムは、透明支持体上に配向膜を形成し、その表面に液晶性組成物を塗布し、その後、該組成物の重合反応を進行させて、硬化させることにより作製される。重合反応の進行には、一般的にはUV光が利用されるが、高速生産性及び省資源の観点より、利用されるUV光の強度を低減することが望まれている。しかし、重合反応進行時に利用されるUV光の強度を低減すると、下層(例えば、配向膜)との密着性が低下する傾向がある。下層との密着性が劣ると、光学補償フィルムを、偏光板、液晶パネル等と貼り合せ、いわゆるリワーク等の作業中に、下層と光学異方性層との間で剥離が生じ問題となる。さらに、作製される光学補償フィルムには、着色がないことが好ましい。
すなわち、光硬化性組成物からなる光学異方性層を有する光学補償フィルムには、着色が少なく、光学異方性層と下層との密着が高く、かつ低出力のUV光で製造可能な高速生産性であることが要求されている。
一方、反射防止フィルム等の光学フィルムは、通常、透明支持体上に、ハードコート層、中屈折率層、高屈折率層、及び低屈折率層などを積層して作製される。通常、反射防止フィルムはディスプレイの最表面に配置されるので、様々な膜強度、例えば、細かなこすり傷に対する耐擦傷性、及び筆記器具で書かれたときの圧力に耐え得る膜硬度などが要求され、これらの性能の実現が可能なハードコート層の開発が望まれている。同時に、光学特性上透明であること、さらに、他の部材との貼り合せ、いわゆるリワーク等の作業適性から、下層(例えば支持体)及び/又は上層との密着が高いことが要求されている。
すなわち、光硬化性組成物からなるハードコート層を有する反射防止フィルムでは、該ハードコート層の耐傷性、皮膜強度、透明性、及び密着性のいずれもが改良されていることが要求されている。
従来、所定のオキシム誘導体が、光重合開始剤として知られている(例えば、特許文献2)。しかし、当該特許文献2に記載のオキシム誘導体を光重合開始剤として用いて、硬化膜を形成すると、例えば、光学補償フィルムの光学異方層として利用する場合は、下層との密着が乏しく、ハードコート層としては皮膜強度が不十分等の問題があるとことが、本発明者らの検討によってわかった。
特開2001−233842号公報
本発明は、下層との密着性に優れ、且つ着色の少ない、光硬化性組成物からなる層(例えば、光学異方性層及びハードコート層)を有する光学フィルムを提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題の解決のため、光学補償フィルムの光学異方性層、又は光学フィルムのハードコート層の形成に利用する光硬化性組成物に関し、様々な検討を行った結果、所定のオキシムエステル誘導体を光重合開始剤として使用することにより、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに到った。
前記課題を解決するための手段は、以下の通りである。
[1] 透明支持体、及びその上に、少なくとも、(i)下記一般式(1)で表されるオキシムエステル系光重合開始剤と、(ii)重合性化合物とを含有する光硬化性組成物を光重合させてなる層を有する光学フィルム。
Figure 2010152217
〔式(1)中、R及びBは各々独立に一価の置換基を表し、Aは二価の有機基を表し、Arはアリール基を表す。〕
[2] (i)オキシムエステル系光重合開始剤が下記一般式(1a)で表される[1]の光学フィルム。
Figure 2010152217
〔式(1a)中、R及びB’は各々独立に一価の置換基を表し、Aは二価の有機基を表し、Arはアリール基を表す。〕
[3] 式(1)中、Aが置換もしくは無置換のC1〜C12のアルキレン基である[1]又は[2]の光学フィルム。
[4] (i)オキシムエステル系光重合開始剤が下記一般式(2)で表される[1]〜[3]のいずれかの光学フィルム。
Figure 2010152217
〔式(2)中、R及びXは各々独立に一価の置換基を表し、A及びYは各々独立に二価の有機基を表し、Arはアリール基を表す。nは0〜5の整数である。〕
[5] (i)オキシムエステル系光重合開始剤が下記一般式(3)で表される[1]〜[4]のいずれかの光学フィルム。
Figure 2010152217
〔式(3)中、R及びXは各々独立に一価の置換基を表し、Aは二価の有機基を表し、Arはアリール基を表し、R1はC1〜C5のアルキル基を表す。nは0〜5の整数である。〕
[6] (ii)重合性化合物が液晶性化合物であり、前記層が、配向した状態に固定されている前記液晶性化合物を含有する光学異方性層である[1]〜[5]のいずれかの光学フィルム。
[7] (ii)重合性化合物が少なくとも1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイル基を含有する化合物であり、前記層が、ハードコート層である[1]〜[6]のいずれかの光学フィルム。
[8]前記透明支持体がセルロースアシレートフィルムである[1]〜[7]のいずれかの光学フィルム。
本発明によれば、光学異方性層及びハードコート層等の形成に、所定の光硬化性組成物を利用しているので、形成時の重合・硬化反応が促進され、その結果、高強度で且つ下層との密着性等の物理特性が良好な光学フィルムを提供できるとともに、生産性の改善及び生産の省資源化を実現できる。さらに、所定の光硬化性組成物を利用することにより、着色の少ない光学フィルムを提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
本発明の光学フィルムは、所定の光硬化性組成物から形成される層を有する。前記光硬化性組成物は、所定の光重合開始剤を含有しているので、重合反応の進行が促進されている。従って、比較的低エネルギーのUV光を利用して反応を進行させても、充分な強度を有するとともに、下層との密着性が良好な層を形成することができる。その結果、生産速度の改善及び生産の省資源化を実現できる。さらに、前記所定の光重合開始剤は、効率良く解裂し、その生成物が可視光の吸収が少ないため、形成される層の着色を軽減することができる。
1.光重合開始剤
本発明のオキシムエステル系光重合開始剤は、下記一般式(1)で表される化合物である。
Figure 2010152217
上記一般式(1)中、R及びBは各々独立に一価の置換基を表し、Aは二価の有機基を表し、Arはアリール基を表す。
前記Rで表される一価の置換基としては、以下に示す一価の非金属原子団であることが好ましい。
Rで表される一価の非金属原子団としては、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよいアルキルスルフィニル基、置換基を有してもよいアリールスルフィニル基、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基、置換基を有してもよいアリールスルホニル基、置換基を有してもよいアシル基、置換基を有してもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアリールオキシカルボニル基、置換基を有してもよいホスフィノイル基、置換基を有してもよい複素環基、置換基を有してもよいアルキルチオカルボニル基、置換基を有してもよいアリールチオカルボニル基、置換基を有してもよいジアルキルアミノカルボニル基、置換基を有してもよいジアルキルアミノチオカルボニル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアルキル基としては、炭素原子数1〜30のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、オクダデシル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、1−エチルペンチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、トリフルオロメチル基、2−エチルヘキシル基、フェナシル基、1−ナフトイルメチル基、2−ナフトイルメチル基、4−メチルスルファニルフェナシル基、4−フェニルスルファニルフェナシル基、4−ジメチルアミノフェナシル基、4−シアノフェナシル基、4−メチルフェナシル基、2−メチルフェナシル基、3−フルオロフェナシル基、3−トリフルオロメチルフェナシル基、3−ニトロフェナシル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアリール基としては、炭素原子数6〜30のアリール基が好ましく、フェニル基、ビフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、9−アンスリル基、9−フェナントリル基、1−ピレニル基、5−ナフタセニル基、1−インデニル基、2−アズレニル基、9−フルオレニル基、ターフェニル基、クオーターフェニル基、o−、m−、及びp−トリル基、キシリル基、o−、m−、及びp−クメニル基、メシチル基、ペンタレニル基、ビナフタレニル基、ターナフタレニル基、クオーターナフタレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、インダセニル基、フルオランテニル基、アセナフチレニル基、アセアントリレニル基、フェナレニル基、フルオレニル基、アントリル基、ビアントラセニル基、ターアントラセニル基、クオーターアントラセニル基、アントラキノリル基、フェナントリル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、プレイアデニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ペンタセニル基、テトラフェニレニル基、ヘキサフェニル基、ヘキサセニル基、ルビセニル基、コロネニル基、トリナフチレニル基、ヘプタフェニル基、ヘプタセニル基、ピラントレニル基、オバレニル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアルケニル基としては、炭素原子数2〜10のアルケニル基が好ましく、例えば、ビニル基、アリル基、スチリル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアルキニル基としては、炭素原子数2〜10のアルキニル基が好ましく、例えば、エチニル基、プロピニル基、プロパルギル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアルキルスルフィニル基としては、炭素原子数1〜20のアルキルスルフィニル基が好ましく、例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、プロピルスルフィニル基、イソプロピルスルフィニル基、ブチルスルフィニル基、ヘキシルスルフィニル基、シクロヘキシルスルフィニル基、オクチルスルフィニル基、2−エチルヘキシルスルフィニル基、デカノイルスルフィニル基、ドデカノイルスルフィニル基、オクタデカノイルスルフィニル基、シアノメチルスルフィニル基、メトキシメチルスルフィニル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアリールスルフィニル基としては、炭素原子数6〜30のアリールスルフィニル基が好ましく、例えば、フェニルスルフィニル基、1−ナフチルスルフィニル基、2−ナフチルスルフィニル基、2−クロロフェニルスルフィニル基、2−メチルフェニルスルフィニル基、2−メトキシフェニルスルフィニル基、2−ブトキシフェニルスルフィニル基、3−クロロフェニルスルフィニル基、3−トリフルオロメチルフェニルスルフィニル基、3−シアノフェニルスルフィニル基、3−ニトロフェニルスルフィニル基、4−フルオロフェニルスルフィニル基、4−シアノフェニルスルフィニル基、4−メトキシフェニルスルフィニル基、4−メチルスルファニルフェニルスルフィニル基、4−フェニルスルファニルフェニルスルフィニル基、4−ジメチルアミノフェニルスルフィニル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアルキルスルホニル基としては、炭素原子数1〜20のアルキルスルホニル基が好ましく、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、ブチルスルホニル基、ヘキシルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、オクチルスルホニル基、2−エチルヘキシルスルホニル基、デカノイルスルホニル基、ドデカノイルスルホニル基、オクタデカノイルスルホニル基、シアノメチルスルホニル基、メトキシメチルスルホニル基、パーフルオロアルキルスルホニル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアリールスルホニル基としては、炭素原子数6〜30のアリールスルホニル基が好ましく、例えば、フェニルスルホニル基、1−ナフチルスルホニル基、2−ナフチルスルホニル基、2−クロロフェニルスルホニル基、2−メチルフェニルスルホニル基、2−メトキシフェニルスルホニル基、2−ブトキシフェニルスルホニル基、3−クロロフェニルスルホニル基、3−トリフルオロメチルフェニルスルホニル基、3−シアノフェニルスルホニル基、3−ニトロフェニルスルホニル基、4−フルオロフェニルスルホニル基、4−シアノフェニルスルホニル基、4−メトキシフェニルスルホニル基、4−メチルスルファニルフェニルスルホニル基、4−フェニルスルファニルフェニルスルホニル基、4−ジメチルアミノフェニルスルホニル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアシル基としては、炭素原子数2〜20のアシル基が好ましく、例えば、アセチル基、プロパノイル基、ブタノイル基、トリフルオロメチルカルボニル基、ペンタノイル基、ベンゾイル基、1−ナフトイル基、2−ナフトイル基、4−メチルスルファニルベンゾイル基、4−フェニルスルファニルベンゾイル基、4−ジメチルアミノベンゾイル基、4−ジエチルアミノベンゾイル基、2−クロロベンゾイル基、2−メチルベンゾイル基、2−メトキシベンゾイル基、2−ブトキシベンゾイル基、3−クロロベンゾイル基、3−トリフルオロメチルベンゾイル基、3−シアノベンゾイル基、3−ニトロベンゾイル基、4−フルオロベンゾイル基、4−シアノベンゾイル基、4−メトキシベンゾイル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアルコキシカルボニル基としては、炭素原子数2〜20のアルコキシカルボニル基が好ましく、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、デシルオキシカルボニル基、オクタデシルオキシカルボニル基、トリフルオロメチルオキシカルボニル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアリールオキシカルボニル基としては、フェノキシカルボニル基、1−ナフチルオキシカルボニル基、2−ナフチルオキシカルボニル基、4−メチルスルファニルフェニルオキシカルボニル基、4−フェニルスルファニルフェニルオキシカルボニル基、4−ジメチルアミノフェニルオキシカルボニル基、4−ジエチルアミノフェニルオキシカルボニル基、2−クロロフェニルオキシカルボニル基、2−メチルフェニルオキシカルボニル基、2−メトキシフェニルオキシカルボニル基、2−ブトキシフェニルオキシカルボニル基、3−クロロフェニルオキシカルボニル基、3−トリフルオロメチルフェニルオキシカルボニル基、3−シアノフェニルオキシカルボニル基、3−ニトロフェニルオキシカルボニル基、4−フルオロフェニルオキシカルボニル基、4−シアノフェニルオキシカルボニル基、4−メトキシフェニルオキシカルボニル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいホスフィノイル基としては、総炭素原子数2〜50のホスフィノイル基が好ましく、例えば、ジメチルホスフィノイル基、ジエチルホスフィノイル基、ジプロピルホスフィノイル基、ジフェニルホスフィノイル基、ジメトキシホスフィノイル基、ジエトキシホスフィノイル基、ジベンゾイルホスフィノイル基、ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)ホスフィノイル基等が挙げられる。
置換基を有してもよい複素環基としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子を含む、芳香族或いは脂肪族の複素環が好ましい。例えば、チエニル基、ベンゾ[b]チエニル基、ナフト[2,3−b]チエニル基、チアントレニル基、フリル基、ピラニル基、イソベンゾフラニル基、クロメニル基、キサンテニル基、フェノキサチイニル基、2H−ピロリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、インドリジニル基、イソインドリル基、3H−インドリル基、インドリル基、1H−インダゾリル基、プリニル基、4H−キノリジニル基、イソキノリル基、キノリル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサニリル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、プテリジニル基、4aH−カルバゾリル基、カルバゾリル基、β−カルボリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、ペリミジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、フェナルサジニル基、イソチアゾリル基、フェノチアジニル基、イソキサゾリル基、フラザニル基、フェノキサジニル基、イソクロマニル基、クロマニル基、ピロリジニル基、ピロリニル基、イミダゾリジニル基、イミダゾリニル基、ピラゾリジニル基、ピラゾリニル基、ピペリジル基、ピペラジニル基、インドリニル基、イソインドリニル基、キヌクリジニル基、モルホリニル基、チオキサントニル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアルキルチオカルボニル基としては、例えば、メチルチオカルボニル基、プロピルチオカルボニル基、ブチルチオカルボニル基、ヘキシルチオカルボニル基、オクチルチオカルボニル基、デシルチオカルボニル基、オクタデシルチオカルボニル基、トリフルオロメチルチオカルボニル基等が挙げられる。アルキル部分の炭素原子数の好ましい範囲は、上記アルキル基の炭素原子数の好ましい範囲と同様である。
置換基を有してもよいアリールチオカルボニル基としては、1−ナフチルチオカルボニル基、2−ナフチルチオカルボニル基、4−メチルスルファニルフェニルチオカルボニル基、4−フェニルスルファニルフェニルチオカルボニル基、4−ジメチルアミノフェニルチオカルボニル基、4−ジエチルアミノフェニルチオカルボニル基、2−クロロフェニルチオカルボニル基、2−メチルフェニルチオカルボニル基、2−メトキシフェニルチオカルボニル基、2−ブトキシフェニルチオカルボニル基、3−クロロフェニルチオカルボニル基、3−トリフルオロメチルフェニルチオカルボニル基、3−シアノフェニルチオカルボニル基、3−ニトロフェニルチオカルボニル基、4−フルオロフェニルチオカルボニル基、4−シアノフェニルチオカルボニル基、4−メトキシフェニルチオカルボニル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいジアルキルアミノカルボニル基としては、ジメチルアミノカルボニル基、ジメエルアミノカルボニル基、ジプロピルアミノカルボニル基、ジブチルアミノカルボニル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいジアルキルアミノチオカルボニル基としては、ジメチルアミノチオカルボニル基、ジプロピルアミノチオカルボニル基、ジブチルアミノチオカルボニル基等が挙げられる。
中でも、高感度化の点から、Rとしてはアシル基がより好ましく、具体的には、アセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基、トルイル基が好ましい。
前記Bで表される一価の置換基としては、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよい複素環基、置換基を有してもよいアリールカルボニル基、又は、置換基を有してもよい複素環カルボニル基を表す。中でも、特に好ましくは以下に示す構造である。
下記の構造中、Y、X、及びnは、それぞれ、後述する一般式(2)におけるY、X、及びnと同義であり、好ましい例も同様である。
Figure 2010152217
また、式(1)で表される化合物の一例は、Bが少なくとも1つの−C(=O)−を含み、Bが、−C(=O)−で、オキシムエステルの炭素原子に結合している化合物であり、即ち、下記式(1a)で表される化合物である。
Figure 2010152217
一般式(1a)中、R、A及びArは、式(1)中のそれぞれと同義であり、好ましい範囲も同様である。B’は一価の置換基を表し、その例には、置換基を有してもよいアリール基、及び置換基を有してもよい複素環基が含まれる。好ましい具体例は、後述する式(2)中のYが表す有機基の好ましい具体例と同様である(但し、2つの*のうちいずれか1つで、上記式(1a)中の−C(=O)と結合する)。
式(1)中、Aで表される二価の有機基としては、置換基を有してもよい炭素原子数1〜12(より好ましくは、炭素原子数1〜5)のアルキレン、置換基を有してもよいシクロヘキシレン、置換基を有してもよいアルキニレンが挙げられる。
これらの基は置換基を有していてもよく、当該置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン基、メトキシ基、エトキシ基、tert−ブトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基、p−トリルオキシ基等のアリールオキシ基、メトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等のアシルオキシ基、アセチル基、ベンゾイル基、イソブチリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メトキサリル基等のアシル基、メチルスルファニル基、tert−ブチルスルファニル基等のアルキルスルファニル基、フェニルスルファニル基、p−トリルスルファニル基等のアリールスルファニル基、メチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基等のアルキルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、モルホリノ基、ピペリジノ基等のジアルキルアミノ基、フェニルアミノ基、p−トリルアミノ基等のアリールアミノ基、メチル基、エチル基、tert−ブチル基、ドデシル基等のアルキル基、フェニル基、p−トリル基、キシリル基、クメニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナントリル基等のアリール基等の他、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ホルミル基、メルカプト基、スルホ基、メシル基、p−トルエンスルホニル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、トリメチルシリル基、ホスフィニコ基、ホスホノ基、トリメチルアンモニウミル基、ジメチルスルホニウミル基、トリフェニルフェナシルホスホニウミル基等が挙げられる。
中でも、Aとしては、感度を高め、加熱経時による着色を抑制する点から、無置換の鎖状アルキレン基、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、tert−ブチル基、ドデシル基)で置換された、即ち分岐鎖状のアルキレン基、アルケニル基(例えば、ビニル基、アリル基)で置換されたアルキレン基、アリール基(例えば、フェニル基、p−トリル基、キシリル基、クメニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナントリル基、スチリル基)で置換されたアルキレン基が好ましい。
式(1)中、Arで表されるアリール基としては、炭素原子数6〜30のアリール基が好ましい。またArで表されるアリール基には、置換基を有するアリール基も含まれる。
具体的には、フェニル基、ビフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、9−アンスリル基、9−フェナントリル基、1−ピレニル基、5−ナフタセニル基、1−インデニル基、2−アズレニル基、9−フルオレニル基、ターフェニル基、クオーターフェニル基、o−、m−、及びp−トリル基、キシリル基、o−、m−、及びp−クメニル基、メシチル基、ペンタレニル基、ビナフタレニル基、ターナフタレニル基、クオーターナフタレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、インダセニル基、フルオランテニル基、アセナフチレニル基、アセアントリレニル基、フェナレニル基、フルオレニル基、アントリル基、ビアントラセニル基、ターアントラセニル基、クオーターアントラセニル基、アントラキノリル基、フェナントリル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、プレイアデニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ペンタセニル基、テトラフェニレニル基、ヘキサフェニル基、ヘキサセニル基、ルビセニル基、コロネニル基、トリナフチレニル基、ヘプタフェニル基、ヘプタセニル基、ピラントレニル基、オバレニル基等が挙げられる。中でも、感度を高め、加熱経時による着色を抑制する点から、置換又は無置換のフェニル基が好ましい。
上記フェニル基が置換基を有している場合、その置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン基、メトキシ基、エトキシ基、tert−ブトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基、p−トリルオキシ基等のアリールオキシ基、メチルチオキシ基、エチルチオキシ基、tert−ブチルチオキシ基等のアルキルチオキシ基、フェニルチオキシ基、p−トリルチオキシ基等のアリールチオオキシ基、メトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等のアシルオキシ基、アセチル基、ベンゾイル基、イソブチリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メトキサリル基等のアシル基、メチルスルファニル基、tert−ブチルスルファニル基等のアルキルスルファニル基、フェニルスルファニル基、p−トリルスルファニル基等のアリールスルファニル基、メチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基等のアルキルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、モルホリノ基、ピペリジノ基等のジアルキルアミノ基、フェニルアミノ基、p−トリルアミノ基等のアリールアミノ基、エチル基、tert−ブチル基、ドデシル基等のアルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ホルミル基、メルカプト基、スルホ基、メシル基、p−トルエンスルホニル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、トリメチルシリル基、ホスフィニコ基、ホスホノ基、トリメチルアンモニウミル基、ジメチルスルホニウミル基、トリフェニルフェナシルホスホニウミル基等が挙げられる。
式(1)中、Arと隣接するSとで形成される「SAr」の構造が、以下に示す構造であることが感度の点で好ましい。
Figure 2010152217
本発明では、光重合開始剤として、下記一般式(2)で表されるオキシムエステル系化合物を用いることが好ましい。
Figure 2010152217
式(2)中、R及びXは各々独立に一価の置換基を表し、A及びYは各々独立に二価の有機基を表し、Arはアリール基を表す。nは0〜5の整数である。
式(2)におけるR、A、及びArは、式(1)におけるR、A、及びArと同義であり、好ましい例も同様である。
式(2)中、Xで表される一価の置換基としては、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルチオキシ基、置換基を有してもよいアリールチオキシ基、置換基を有してもよいアシルオキシ基、置換基を有してもよいアルキルスルファニル基、置換基を有してもよいアリールスルファニル基、置換基を有してもよいアルキルスルフィニル基、置換基を有してもよいアリールスルフィニル基、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基、置換基を有してもよいアリールスルホニル基、置換基を有してもよいアシル基、置換基を有してもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいカルバモイル基、置換基を有してもよいスルファモイル基、置換基を有してもよいアミノ基、置換基を有してもよいホスフィノイル基、置換基を有してもよい複素環基、ハロゲン基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアルキル基としては、炭素原子数1〜30のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、オクダデシル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、1−エチルペンチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、トリフルオロメチル基、2−エチルヘキシル基、フェナシル基、1−ナフトイルメチル基、2−ナフトイルメチル基、4−メチルスルファニルフェナシル基、4−フェニルスルファニルフェナシル基、4−ジメチルアミノフェナシル基、4−シアノフェナシル基4−メチルフェナシル基、2−メチルフェナシル基、3−フルオロフェナシル基、3−トリフルオロメチルフェナシル基、3−ニトロフェナシル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアリール基としては、炭素原子数6〜30のアリール基が好ましく、フェニル基、ビフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、9−アンスリル基、9−フェナントリル基、1−ピレニル基、5−ナフタセニル基、1−インデニル基、2−アズレニル基、9−フルオレニル基、ターフェニル基、クオーターフェニル基、o−、m−、及びp−トリル基、キシリル基、o−、m−、及びp−クメニル基、メシチル基、ペンタレニル基、ビナフタレニル基、ターナフタレニル基、クオーターナフタレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、インダセニル基、フルオランテニル基、アセナフチレニル基、アセアントリレニル基、フェナレニル基、フルオレニル基、アントリル基、ビアントラセニル基、ターアントラセニル基、クオーターアントラセニル基、アントラキノリル基、フェナントリル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、プレイアデニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ペンタセニル基、テトラフェニレニル基、ヘキサフェニル基、ヘキサセニル基、ルビセニル基、コロネニル基、トリナフチレニル基、ヘプタフェニル基、ヘプタセニル基、ピラントレニル基、オバレニル基等がある。
置換基を有してもよいアルケニル基としては、炭素原子数2〜10のアルケニル基が好ましく、例えば、ビニル基、アリル基、スチリル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアルキニル基としては、炭素原子数2〜10のアルキニル基が好ましく、例えば、エチニル基、プロピニル基、プロパルギル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアルコキシ基としては、炭素原子数1〜30のアルコキシ基が好ましく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ヘキシルオキシキ、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、デシルオキシ基、ドデシルオキシ基、オクタデシルオキシ基、エトキシカルボニルメチル基、2−エチルヘキシルオキシカルボニルメチルオキシ基、アミノカルボニルメチルオキシ基、N,N−ジブチルアミノカルボニルメチルオキシ基、N−メチルアミノカルボニルメチルオキシ基、N−エチルアミノカルボニルメチルオキシ基、N−オクチルアミノカルボニルメチルオキシ基、N−メチル−N−ベンジルアミノカルボニルメチルオキシ基、ベンジルオキシ基、シアノメチルオキシ基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアリールオキシ基としては、炭素原子数6〜30のアリールオキシ基が好ましく、例えば、フェニルオキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、2−クロロフェニルオキシ基、2−メチルフェニルオキシ基、2−メトキシフェニルオキシ基、2−ブトキシフェニルオキシ基、3−クロロフェニルオキシ基、3−トリフルオロメチルフェニルオキシ基、3−シアノフェニルオキシ基、3−ニトロフェニルオキシ基、4−フルオロフェニルオキシ基、4−シアノフェニルオキシ基、4−メトキシフェニルオキシ基、4−ジメチルアミノフェニルオキシ基、4−メチルスルファニルフェニルオキシ基、4−フェニルスルファニルフェニルオキシ基等がある。
置換基を有してもよいアルキルチオキシ基としては、炭素原子数1〜30のチオアルコキシ基が好ましく、例えば、メチルチオキシ基、エチルチオキシ基、プロピルチオキシ基、イソプロピルチオキシ基、ブチルチオキシ基、イソブチルチオキシ基、sec−ブチルチオキシ基、tert−ブチルチオキシ基、ペンチルチオキシ基、イソペンチルチオキシ基、ヘキシルチオキシキ、ヘプチルチオキシ基、オクチルチオキシ基、2−エチルヘキシルチオキシ基、デシルチオキシ基、ドデシルチオキシ基、オクタデシルチオキシ基、ベンジルチオキシ基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアリールチオキシ基としては、炭素原子数6〜30のアリールチオキシ基が好ましく、例えば、フェニルチオキシ基、1−ナフチルチオキシ基、2−ナフチルチオキシ基、2−クロロフェニルチオキシ基、2−メチルフェニルチオキシ基、2−メトキシフェニルチオキシ基、2−ブトキシフェニルチオキシ基、3−クロロフェニルチオキシ基、3−トリフルオロメチルフェニルチオキシ基、3−シアノフェニルチオキシ基、3−ニトロフェニルチオキシ基、4−フルオロフェニルチオキシ基、4−シアノフェニルチオキシ基、4−メトキシフェニルチオキシ基、4−ジメチルアミノフェニルチオキシ基、4−メチルスルファニルフェニルチオキシ基、4−フェニルスルファニルフェニルチオキシ基等がある。
置換基を有してもよいアシルオキシ基としては、炭素原子数2〜20のアシルオキシ基が好ましく、例えば、アセチルオキシ基、プロパノイルオキシ基、ブタノイルオキシ基、ペンタノイルオキシ基、トリフルオロメチルカルボニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、1−ナフチルカルボニルオキシ基、2−ナフチルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアルキルスルファニル基としては、炭素原子数1〜20のアルキルスルファニル基が好ましく、例えば、メチルスルファニル基、エチルスルファニル基、プロピルスルファニル基、イソプロピルスルファニル基、ブチルスルファニル基、ヘキシルスルファニル基、シクロヘキシルスルファニル基、オクチルスルファニル基、2−エチルヘキシルスルファニル基、デカノイルスルファニル基、ドデカノイルスルファニル基、オクタデカノイルスルファニル基、シアノメチルスルファニル基、メトキシメチルスルファニル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアリールスルファニル基としては、炭素原子数6〜30のアリールスルファニル基が好ましく、例えば、フェニルスルファニル基、1−ナフチルスルファニル基、2−ナフチルスルファニル基、2−クロロフェニルスルファニル基、2−メチルフェニルスルファニル基、2−メトキシフェニルスルファニル基、2−ブトキシフェニルスルファニル基、3−クロロフェニルスルファニル基、3−トリフルオロメチルフェニルスルファニル基、3−シアノフェニルスルファニル基、3−ニトロフェニルスルファニル基、4−フルオロフェニルスルファニル基、4−シアノフェニルスルファニル基、4−メトキシフェニルスルファニル基、4−メチルスルファニルフェニルスルファニル基、4−フェニルスルファニルフェニルスルファニル基、4−ジメチルアミノフェニルスルファニル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアルキルスルフィニル基としては、炭素原子数1〜20のアルキルスルフィニル基が好ましく、例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、プロピルスルフィニル基、イソプロピルスルフィニル基、ブチルスルフィニル基、ヘキシルスルフィニル基、シクロヘキシルスルフィニル基、オクチルスルフィニル基、2−エチルヘキシルスルフィニル基、デカノイルスルフィニル基、ドデカノイルスルフィニル基、オクタデカノイルスルフィニル基、シアノメチルスルフィニル基、メトキシメチルスルフィニル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアリールスルフィニル基としては、炭素原子数6〜30のアリールスルフィニル基が好ましく、例えば、フェニルスルフィニル基、1−ナフチルスルフィニル基、2−ナフチルスルフィニル基、2−クロロフェニルスルフィニル基、2−メチルフェニルスルフィニル基、2−メトキシフェニルスルフィニル基、2−ブトキシフェニルスルフィニル基、3−クロロフェニルスルフィニル基、3−トリフルオロメチルフェニルスルフィニル基、3−シアノフェニルスルフィニル基、3−ニトロフェニルスルフィニル基、4−フルオロフェニルスルフィニル基、4−シアノフェニルスルフィニル基、4−メトキシフェニルスルフィニル基、4−メチルスルファニルフェニルスルフィニル基、4−フェニルスルファニルフェニルスルフィニル基、4−ジメチルアミノフェニルスルフィニル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアルキルスルホニル基としては、炭素原子数1〜20のアルキルスルホニル基が好ましく、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、ブチルスルホニル基、ヘキシルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、オクチルスルホニル基、2−エチルヘキシルスルホニル基、デカノイルスルホニル基、ドデカノイルスルホニル基、オクタデカノイルスルホニル基、シアノメチルスルホニル基、メトキシメチルスルホニル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアリールスルホニル基としては、炭素原子数6〜30のアリールスルホニル基が好ましく、例えば、フェニルスルホニル基、1−ナフチルスルホニル基、2−ナフチルスルホニル基、2−クロロフェニルスルホニル基、2−メチルフェニルスルホニル基、2−メトキシフェニルスルホニル基、2−ブトキシフェニルスルホニル基、3−クロロフェニルスルホニル基、3−トリフルオロメチルフェニルスルホニル基、3−シアノフェニルスルホニル基、3−ニトロフェニルスルホニル基、4−フルオロフェニルスルホニル基、4−シアノフェニルスルホニル基、4−メトキシフェニルスルホニル基、4−メチルスルファニルフェニルスルホニル基、4−フェニルスルファニルフェニルスルホニル基、4−ジメチルアミノフェニルスルホニル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアシル基としては、炭素原子数2〜20のアシル基が好ましく、例えば、アセチル基、プロパノイル基、ブタノイル基、トリフルオロメチルカルボニル基、ペンタノイル基、ベンゾイル基、1−ナフトイル基、2−ナフトイル基、4−メチルスルファニルベンゾイル基、4−フェニルスルファニルベンゾイル基、4−ジメチルアミノベンゾイル基、4−ジエチルアミノベンゾイル基、2−クロロベンゾイル基、2−メチルベンゾイル基、2−メトキシベンゾイル基、2−ブトキシベンゾイル基、3−クロロベンゾイル基、3−トリフルオロメチルベンゾイル基、3−シアノベンゾイル基、3−ニトロベンゾイル基、4−フルオロベンゾイル基、4−シアノベンゾイル基、4−メトキシベンゾイル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアルコキシカルボニル基としては、炭素原子数2〜20のアルコキシカルボニル基が好ましく、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、デシルオキシカルボニル基、オクタデシルオキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、トリフルオロメチルオキシカルボニル基、1−ナフチルオキシカルボニル基、2−ナフチルオキシカルボニル基、4−メチルスルファニルフェニルオキシカルボニル基、4−フェニルスルファニルフェニルオキシカルボニル基、4−ジメチルアミノフェニルオキシカルボニル基、4−ジエチルアミノフェニルオキシカルボニル基、2−クロロフェニルオキシカルボニル基、2−メチルフェニルオキシカルボニル基、2−メトキシフェニルオキシカルボニル基、2−ブトキシフェニルオキシカルボニル基、3−クロロフェニルオキシカルボニル基、3−トリフルオロメチルフェニルオキシカルボニル基、3−シアノフェニルオキシカルボニル基、3−ニトロフェニルオキシカルボニル基、4−フルオロフェニルオキシカルボニル基、4−シアノフェニルオキシカルボニル基、4−メトキシフェニルオキシカルボニル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいカルバモイル基としては、総炭素原子数1〜30のカルバモイル基が好ましく、例えば、N−メチルカルバモイル基、N−エチルカルバモイル基、N−プロピルカルバモイル基、N−ブチルカルバモイル基、N−ヘキシルカルバモイル基、N−シクロヘキシルカルバモイル基、N−オクチルカルバモイル基、N−デシルカルバモイル基、N−オクタデシルカルバモイル基、N−フェニルカルバモイル基、N−2−メチルフェニルカルバモイル基、N−2−クロロフェニルカルバモイル基、N−2−イソプロポキシフェニルカルバモイル基、N−2−(2−エチルヘキシル)フェニルカルバモイル基、N−3−クロロフェニルカルバモイル基、N−3−ニトロフェニルカルバモイル基、N−3−シアノフェニルカルバモイル基、N−4−メトキシフェニルカルバモイル基、N−4−シアノフェニルカルバモイル基、N−4−メチルスルファニルフェニルカルバモイル基、N−4−フェニルスルファニルフェニルカルバモイル基、N−メチル−N−フェニルカルバモイル基、N、N−ジメチルカルバモイル基、N、N−ジブチルカルバモイル基、N、N−ジフェニルカルバモイル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいスルファモイル基としては、総炭素原子数0〜30のスルファモイル基が好ましく、例えば、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N、N−ジアルキルスルファモイル基、N、N−ジアリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモオイル基等が挙げられる。より具体的には、N−メチルスルファモイル基、N−エチルスルファモイル基、N−プロピルスルファモイル基、N−ブチルスルファモイル基、N−ヘキシルスルファモイル基、N−シクロヘキシルスルファモイル基、N−オクチルスルファモイル基、N−2−エチルヘキシルスルファモイル基、N−デシルスルファモイル基、N−オクタデシルスルファモイル基、N−フェニルスルファモイル基、N−2−メチルフェニルスルファモイル基、N−2−クロロフェニルスルファモイル基、N−2−メトキシフェニルスルファモイル基、N−2−イソプロポキシフェニルスルファモイル基、N−3−クロロフェニルスルファモイル基、N−3−ニトロフェニルスルファモイル基、N−3−シアノフェニルスルファモイル基、N−4−メトキシフェニルスルファモイル基、N−4−シアノフェニルスルファモイル基、N−4−ジメチルアミノフェニルスルファモイル基、N−4−メチルスルファニルフェニルスルファモイル基、N−4−フェニルスルファニルフェニルスルファモイル基、N−メチル−N−フェニルスルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、N,N−ジブチルスルファモイル基、N,N−ジフェニルスルファモイル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアミノ基としては、総炭素原子数0〜50のアミノ基が好ましく、例えば、−NH2、N−アルキルアミノ基、N−アリールアミノ基、N−アシルアミノ基、N−スルホニルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、N,N−ジアリールアミノ基、N−アルキル−N−アリールアミノ基、N、N−ジスルホニルアミノ基等が挙げられる。より具体的には、N−メチルアミノ基、N−エチルアミノ基、N−プロピルアミノ基、N−イソプロピルアミノ基、N−ブチルアミノ基、N−tert―ブチルアミノ基、N−ヘキシルアミノ基、N−シクロヘキシルアミノ基、N−オクチルアミノ基、N−2−エチルヘキシルアミノ基、N−デシルアミノ基、N−オクタデシルアミノ基、N−ベンジルアミノ基、N−フェニルアミノ基、N−2−メチルフェニルアミノ基、N−2−クロロフェニルアミノ基、N−2−メトキシフェニルアミノ基、N−2−イソプロポキシフェニルアミノ基、N−2−(2−エチルヘキシル)フェニルアミノ基、N−3−クロロフェニルアミノ基、N−3−ニトロフェニルアミノ基、N−3−シアノフェニルアミノ基、N−3−トリフルオロメチルフェニルアミノ基、N−4−メトキシフェニルアミノ基、N−4−シアノフェニルアミノ基、N−4−トリフルオロメチルフェニルアミノ基、N−4−メチルスルファニルフェニルアミノ基、N−4−フェニルスルファニルフェニルアミノ基、N−4−ジメチルアミノフェニルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基、N、N−ジメチルアミノ基、N、N−ジエチルアミノ基、N、N−ジブチルアミノ基、N、N−ジフェニルアミノ基、N、N−ジアセチルアミノ基、N、N−ジベンゾイルアミノ基、N、N−(ジブチルカルボニル)アミノ基、N、N−(ジメチルスルホニル)アミノ基、N、N−(ジエチルスルホニル)アミノ基、N、N−(ジブチルスルホニル)アミノ基、N、N−(ジフェニルスルホニル)アミノ基、モルホリノ基、3,5−ジメチルモルホリノ基、カルバゾール基等が挙げられる。
置換基を有してもよいホスフィノイル基としては、総炭素原子数2〜50のホスフィノイル基が好ましく、例えば、ジメチルホスフィノイル基、ジエチルホスフィノイル基、ジプロピルホスフィノイル基、ジフェニルホスフィノイル基、ジメトキシホスフィノイル基、ジエトキシホスフィノイル基、ジベンゾイルホスフィノイル基、ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)ホスフィノイル基等が挙げられる。
置換基を有してもよい複素環基としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子を含む、芳香族或いは脂肪族の複素環が好ましい。例えば、チエニル基、ベンゾ[b]チエニル基、ナフト[2,3−b]チエニル基、チアントレニル基、フリル基、ピラニル基、イソベンゾフラニル基、クロメニル基、キサンテニル基、フェノキサチイニル基、2H−ピロリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、インドリジニル基、イソインドリル基、3H−インドリル基、インドリル基、1H−インダゾリル基、プリニル基、4H−キノリジニル基、イソキノリル基、キノリル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサニリル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、プテリジニル基、4aH−カルバゾリル基、カルバゾリル基、β−カルボリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、ペリミジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、フェナルサジニル基、イソチアゾリル基、フェノチアジニル基、イソキサゾリル基、フラザニル基、フェノキサジニル基、イソクロマニル基、クロマニル基、ピロリジニル基、ピロリニル基、イミダゾリジニル基、イミダゾリニル基、ピラゾリジニル基、ピラゾリニル基、ピペリジル基、ピペラジニル基、インドリニル基、イソインドリニル基、キヌクリジニル基、モルホリニル基、チオキサントニル基等がある。
ハロゲン基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等がある。
更に、前述した置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルチオキシ基、置換基を有してもよいアリールチオキシ基、置換基を有してもよいアシルオキシ基、置換基を有してもよいアルキルスルファニル基、置換基を有してもよいアリールスルファニル基、置換基を有してもよいアルキルスルフィニル基、置換基を有してもよいアリールスルフィニル基、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基、置換基を有してもよいアリールスルホニル基、置換基を有してもよいアシル基、置換基を有してもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいカルバモイル基、置換基を有してもよいスルファモイル基、置換基を有してもよいアミノ基、置換基を有してもよい複素環基は、更に他の置換基で置換されていてもよい。
そのような置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン基、メトキシ基、エトキシ基、tert−ブトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基、p−トリルオキシ基等のアリールオキシ基、メトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等のアシルオキシ基、アセチル基、ベンゾイル基、イソブチリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メトキサリル基等のアシル基、メチルスルファニル基、tert−ブチルスルファニル基等のアルキルスルファニル基、フェニルスルファニル基、p−トリルスルファニル基等のアリールスルファニル基、メチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基等のアルキルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、モルホリノ基、ピペリジノ基等のジアルキルアミノ基、フェニルアミノ基、p−トリルアミノ基等のアリールアミノ基、メチル基、エチル基、tert−ブチル基、ドデシル基等のアルキル基、フェニル基、p−トリル基、キシリル基、クメニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナントリル基等のアリール基等の他、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ホルミル基、メルカプト基、スルホ基、メシル基、p−トルエンスルホニル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、トリメチルシリル基、ホスフィニコ基、ホスホノ基、トリメチルアンモニウミル基、ジメチルスルホニウミル基、トリフェニルフェナシルホスホニウミル基等が挙げられる。
これらの中でも、Xとしては、溶剤溶解性と長波長領域の吸収効率向上の点から、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルチオキシ基、置換基を有してもよいアリールチオキシ基、置換基を有してもよいアミノ基が好ましい。
また、式(2)におけるnは0〜5の整数を表すが、0〜2の整数が好ましい。
式(2)中、Yで表される二価の有機基としては、以下に示す構造が挙げられる。なお、以下に示される基において、「*」は、式(2)において、Yと隣接する炭素原子との結合位置を示す。また、式中、R1はC1〜C5のアルキル基を表す。
Figure 2010152217
中でも、高感度化の観点から、下記に示す構造が好ましい。
Figure 2010152217
式中、R1は、C1〜C5のアルキル基を表す。
本発明のオキシムエステル系光重合開始剤物は、下記一般式(3)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2010152217
上記一般式(3)中、R及びXは各々独立に一価の置換基を表し、Aは二価の有機基を表し、Arはアリール基を表し、R1はC1〜C5(好ましくはC1〜C3)のアルキル基を表す。nは0〜5の整数である。
一般式(3)におけるR、X、A、Ar、及びnは、一般式(2)におけるR、X、A、Ar、及びnとそれぞれ同義であり、好ましい例も同様である。
以下、光重合開始剤として利用可能な一般式(1)で表されるオキシム化合物の具体例を示すが、これらに限定されるものではない。
Figure 2010152217
Figure 2010152217
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Figure 2010152217
Figure 2010152217
Figure 2010152217
Figure 2010152217
前記オキシムエステル系光重合開始剤は、350nm〜500nmの波長領域に極大吸収波長を有するものが好ましい。より好ましくは365nm〜450nmの吸光度が高いものが好ましい。
前記オキシムエステル系光重合開始剤は、例えば、以下に示す方法により合成することができるが、この方法に限定されるものではない。なお、より具体的な製造方法については、特願2008−218722号の明細書([0366]〜[0368])に記載があり、本発明に使用するオキシムエステル系光重合開始剤は、当該出願の明細書に記載の製造方法に従って、製造可能である。
Figure 2010152217
光硬化性組成物は、前記オキシムエステル系光重合開始剤以外の公知の光重合開始剤の1種以上を含有していてもよい。
併用可能な光重合開始剤は、光により分解し、後述する重合性化合物の重合を開始、促進する化合物であり、波長300〜500nmの領域に吸収を有するものであることが好ましい。具体的には、例えば、有機ハロゲン化化合物、オキシジアゾール化合物、カルボニル化合物、ケタール化合物、ベンゾイン化合物、アクリジン化合物、有機過酸化化合物、アゾ化合物、クマリン化合物、アジド化合物、メタロセン化合物、ビイミダゾール系化合物、有機ホウ酸化合物、ジスルホン酸化合物、オキシムエステル化合物、オニウム塩化合物、アシルホスフィン(オキシド)化合物が挙げられる。
本発明に使用可能な光硬化性組成物における光重合開始剤の含有量は、後述する重合性化合物(例えば、重合性基を含む液晶化合物)100質量部に対して、好ましくは0.01〜35質量部であり、より好ましくは0.1〜20質量部、さらに好ましくは0.5〜15質量部である。なお、前記他の重合開始剤を含む態様では、重合開始剤の含有量とは、前記特定の重合開始剤及び併用する他の重合開始剤のいずれも含む重合開始剤の総含有量を意味する。
2.光硬化性組成物
本発明に利用する光硬化性組成物は、前記重合開始剤とともに、重合性化合物を含有する。重合性化合物は、光硬化性組成物から形成される層の用途に応じて種々の材料から選択される。以下、2つの態様について説明する。
2−1.光学異方性層形成用光硬化性組成物
2−1−1.液晶性化合物
前記光硬化性組成物から光学異方性層を形成する態様では、重合性化合物として、液晶性化合物を利用することができる。
液晶性化合物としては、液晶分子中に重合性基を含有した棒状液晶性化合物又はディスコティック液晶性化合物が好ましい。本明細書において、液晶性化合物の用語は、以下に例示する液晶性を示す化合物のほか、これらの化合物が重合することによって、もはや液晶性を示さなくなったものに対しても使用するものとする。
棒状液晶性化合物としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類及びアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。これらの棒状液晶性化合物の固定は、棒状液晶性化合物の末端構造に重合性基を導入(後述のディスコティック液晶性化合物と同様)し、この重合・硬化反応を利用して行われている。また上述の低分子液晶性化合物だけではなく、高分子液晶性化合物も用いることができる。高分子液晶性化合物は、以上のような低分子液晶性化合物に相当する側鎖を有するポリマーである。高分子液晶性化合物の光学補償フィルムの作製への利用については、特開平5−53016号公報に記載がある。
ディスコティック液晶性化合物については、様々な文献(C.Destrade et al.,Mol.Crysr.Liq.Cryst.,vol.71,page111(1981);日本化学会編、季刊化学総説、No.22、液晶の化学、第5章、第10章第2ものについてはアッベ屈折計で測定することができる。主な光学フィルムの平均屈折率の値を以下に例示する: セルロースアシレート(1.48)、シクロオレフィンポリマー(1.52)、ポリカーボネート(1.59)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、ポリスチレン節(1994);B.Kohne et al.,Angew.Chem.Soc.Chem.Comm.,page1794(1985);J.Zhang et al.,J.Am.Chem.Soc.,vol.116,page2655(1994))に記載されている。ディスコティック液晶性化合物の重合については、特開平8−27284号公報に記載がある。
ディスコティック液晶性化合物を重合により固定するためには、ディスコティック液晶性化合物の円盤状コアに、置換基として重合性基を結合させる必要がある。ただし、円盤状コアに重合性基を直結させると、重合反応において配向状態を保つことが困難になる。そこで、円盤状コアと重合性基との間に、連結基を導入する。従って、重合性基を有するディスコティック液晶性化合物は、下記式(A)で表わされる化合物であることが好ましい。
(A) D(−L−P)n
式中、Dは円盤状コアであり、Lは二価の連結基であり、Pは重合性基であり、そして、nは4〜12の整数である。
円盤状コア(D)の例を以下に示す。以下の各例において、LP(又はPL)は、二価の連結基(L)と重合性基(P)との組み合わせを意味する。
Figure 2010152217
Figure 2010152217
Figure 2010152217
Figure 2010152217
Figure 2010152217
Figure 2010152217
Figure 2010152217
Figure 2010152217
Figure 2010152217
また、特開2006−76992号公報明細書中の段落番号[0052]、及び特開2007−2220号公報明細書中の段落番号[0040]〜[0063]に記載の化合物のような、3置換ベンゼン骨格を含む化合物は、その複屈折波長分散が、液晶セル中の液晶化合物の複屈折の波長分散により近いので、好ましく用いることができる。特に好ましい骨格を以下に示す。
Figure 2010152217
式(A)において、二価の連結基(L)は、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、−CO−、−NH−、−O−、−S−及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であることが好ましい。二価の連結基(L)は、アルキレン基、アリーレン基、−CO−、−NH−、−O−及び−S−からなる群より選ばれる二価の基を少なくとも二つ組み合わせた二価の連結基であることがさらに好ましい。二価の連結基(L)は、アルキレン基、アリーレン基、−CO−及び−O−からなる群より選ばれる二価の基を少なくとも二つ組み合わせた二価の連結基であることが最も好ましい。アルキレン基の炭素原子数は、1〜12であることが好ましい。アルケニレン基の炭素原子数は、2〜12であることが好まし。アリーレン基の炭素原子数は、6〜10であることが好ましい。
二価の連結基(L)の例を以下に示す。左側が円盤状コア(D)に結合し、右側が重合性基(P)に結合する。ALはアルキレン基又はアルケニレン基、ARはアリーレン基を意味する。なお、アルキレン基、アルケニレン基及びアリーレン基は、置換基(例、アルキル基)を有していてもよい。
L1:−AL−CO−O−AL−
L2:−AL−CO−O−AL−O−
L3:−AL−CO−O−AL−O−AL−
L4:−AL−CO−O−AL−O−CO−
L5:−CO−AR−O−AL−
L6:−CO−AR−O−AL−O−
L7:−CO−AR−O−AL−O−CO−
L8:−CO−NH−AL−
L9:−NH−AL−O−
L10:−NH−AL−O−CO−
L11:−O−AL−
L12:−O−AL−O−
L13:−O−AL−O−CO−
L14:−O−AL−O−CO−NH−AL−
L15:−O−AL−S−AL−
L16:−O−CO−AR−O−AL−CO−
L17:−O−CO−AR−O−AL−O−CO−
L18:−O−CO−AR−O−AL−O−AL−O−CO−
L19:−O−CO−AR−O−AL−O−AL−O−AL−O−CO−
L20:−S−AL−
L21:−S−AL−O−
L22:−S−AL−O−CO−
L23:−S−AL−S−AL−
L24:−S−AR−AL−
式(I)の重合性基(P)は、重合反応の種類に応じて決定する。重合性基(P)の例を以下に示す。
Figure 2010152217
Figure 2010152217
Figure 2010152217
Figure 2010152217
Figure 2010152217
Figure 2010152217
重合性基(P)は、不飽和重合性基(P1、P2、P3、P7、P8、P15、P16、P17)又はエポキシ基(P6、P18)であることが好ましく、不飽和重合性基であることがさらに好ましく、エチレン性不飽和重合性基(P1、P7、P8、P15、P16、P17)であることが最も好ましい。
式(I)において、nは4〜12の整数である。具体的な数字は、円盤状コア(D)の種類に応じて決定される。なお、複数のLとPの組み合わせは、異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。液晶性化合物は、光学異方性層の全量に対し、50質量%〜99.9質量%の範囲で使用され、好適な範囲は70質量%〜99.9質量%、更に好適な範囲は80質量%〜99.5質量%である。
2−1−2.その他の成分
(高分子バインダー)
光学異方性層の形成に利用される前記光硬化性組成物には、高分子バインダーを添加してもよい。高分子バインダーは液晶層の層転移温度の調整、光学特性の調整、塗布性の改良等の目的で使用される。具体的な高分子化合物としては例えば、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸・メタクリル酸共重合体、スチレン・無水マレイミド共重合体、ポリビニルアルコール、N−メチロールアクリルアミド、スチレン、ビニルトルエン共重合体、クロロスルホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、セルロースエステル類、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリエチレン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、シリコーン系ポリマー、フッ素含有ポリマーが挙げられる。これらの高分子化合物としては、光学特性に影響を与えないものが使用しやすいが、光学特性に影響を与えるものも積極的に光学特性の調整材料として使用することが可能である。特開平8−50206号公報には、ディスコティック液晶性化合物の傾斜角を調整し、所望の光学特性を得るために、セルロースエステルが好適であることが報告されている。セルロースエステルの好ましい例としては、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネ−ト、ヒドロキシプロピルセルロース、及びセルロースアセテートプチレートを挙げることができる。セルロースアセテートブチレートのブチリル化度は30%〜80%の範囲、アセチル化度は30〜80%の範囲が好ましい。
これら高分子化合物は、前記光硬化性組成物全量に対し、0.1〜30質量%の範囲で使用され、好適には0.1〜10質量%の範囲で使用される。
(その他の添加剤)
光学異方性層の形成に利用される前記光硬化性組成物には、光学特性の調整、皮膜の柔軟性確保、重合・硬化反応の補助的役割等の必要に応じ、増感色素、可塑剤、重合性モノマー、界面活性剤、配向温度低下剤、カイラル剤等の成分を添加してもよい。これらの中で、重合性モノマーは比較的よく使用される。重合性モノマーとは、分子内にビニル基、ビニルオキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アリル基等を有する化合物で、液晶性化合物に対して、一般に1〜50質量%、好ましくは5〜30質量%で使用される。
2−2.ハードコート層形成用光硬化性組成物
2−2−1.多官能アクリレート系化合物
前記光硬化性組成物をハードコート層の形成に用いる態様では、重合性化合物として、1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物(以下、「多官能アクリレート系化合物」という場合がある)を用いるのが好ましい。
多官能アクリレート系化合物は、重合によって高硬度の硬化物を形成し得る重合性化合物である。前記多官能アクリレート系化合物の例には、多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステルが含まれ、より具体的には、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性リン酸トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,2,3−クロヘキサンテトラメタクリレート、ポリウレタンポリアクリレート、ポリエステルポリアクリレート、カプロラクトン変性トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート等が挙げられる。
多官能アクリレート系化合物類は市販されているので、これを本発明に利用することもできる。市販品の例には、日本化薬(株)製KAYARAD DPHA、同DPHA−2C、同PET−30、同TMPTA、同TPA−320、同TPA−330、同RP−1040、同T−1420、同D−310、同DPCA−20、同DPCA−30、同DPCA−60、同GPO−303、大阪有機化学工業(株)製V#400、V#36095D等のポリオールと(メタ)アクリル酸のエステル化物を挙げることができる。また紫光UV−1400B、同UV−1700B、同UV−6300B、同UV−7550B、同UV−7600B、同UV−7605B、同UV−7610B、同UV−7620EA、同UV−7630B、同UV−7640B、同UV−6630B、同UV−7000B、同UV−7510B、同UV−7461TE、同UV−3000B、同UV−3200B、同UV−3210EA、同UV−3310EA、同UV−3310B、同UV−3500BA、同UV−3520TL、同UV−3700B、同UV−6100B、同UV−6640B、同UV−2000B、同UV−2010B、同UV−2250EA、同UV−2750B(日本合成化学(株)製)、UL−503LN(共栄社化学(株)製)、ユニディック17−806、同17−813、同V−4030、同V−4000BA(大日本インキ化学工業(株)製)、EB−1290K、EB−220、EB−5129、EB−1830,EB−4358(ダイセルUCB(株)製)、ハイコープAU−2010、同AU−2020((株)トクシキ製)、アロニックスM−1960(東亜合成(株)製)、アートレジンUN−3320HA,UN−3320HC,UN−3320HS、UN−904,HDP−4Tなどの3官能以上のウレタンアクリレート化合物、アロニックスM−8100,M−8030,M−9050(東亞合成(株)製、KBM−8307(ダイセルサイテック(株)製)の3官能以上のポリエステル化合物なども好適に使用することができる。
さらに、前記多官能アクリレート系化合物は、低分子化合物のみならず、高分子化合物であってもよく、例えば、3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する樹脂から選択することができる。例えば比較的低分子量のポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂、多価アルコール等の多官能化合物などのオリゴマー又はプレポリマー等を、重合性化合物として使用することもできる。
2−2−2. その他の成分
(高分子化合物)
ハードコート層の形成に用いる前記光硬化性組成物には、高分子化合物を添加してもよい。高分子化合物を添加することで、硬化収縮を小さくしたり、樹脂粒子の分散安定性(凝集性)に関わる塗布液の粘度調整をより優位に行うことができ、さらには、乾燥過程での固化物の極性を制御して樹脂粒子の凝集挙動を変えたり、乾燥過程での乾燥ムラを減じたりすることもでき、好ましい。
使用可能な高分子化合物の例には、セルロースエステル類(例えば、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースナイトレート等)、ウレタン類、ポリエステル類、(メタ)アクリル酸エステル類(例えば、メタクリル酸メチル/(メタ)アクリル酸メチル共重合体、メタクリル酸メチル/(メタ)アクリル酸エチル共重合体、メタクリル酸メチル/(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、メタクリル酸メチル/スチレン共重合体、メタクリル酸メチル/(メタ)アクリル酸共重合体、ポリメタクリル酸メチル等)、ポリスチレン等の樹脂が好ましく用いられる。
また、使用する高分子化合物の分子量は質量平均で0.3万〜40万が好ましく、0.5万〜30万がより好ましく、0.5万〜20万がさらに好ましい。
高分子化合物は、硬化収縮への効果や塗布液の粘度増加効果の観点から、前記光硬化性組成物中に含まれる全バインダー構成成分に対して、好ましくは10〜60質量%、より好ましくは20〜50質量%である。
また、ハードコート層のバインダーを構成する全成分は、前記光硬化性組成物(塗布液の場合は固形分量)の全質量中、20〜95質量%程度であることが好ましい。
なお、多官能アクリレート系化合物の硬化物、ならびに所望によって添加される、前記高分子化合物等の添加剤(ただし透光性粒子は除く)は、形成されるハードコート層において、バインダーを構成する。バインダーの屈折率は、マトリックス全体として、好ましくは1.40〜2.00であり、より好ましくは1.45〜1.90であり、更に好ましくは1.48〜1.85であり、特に好ましくは1.51〜1.80である。なお、バインダーの屈折率は、ハードコート層の成分から樹脂粒子を除いて測定した値である。
(透光性粒子)
ハードコート層の形成に利用される前記光硬化性組成物には、透光性粒子添加してもよい。透光性粒子を含有する光硬化性組成物を利用すると、光拡散性ハードコート層を形成することができる。
使用する透光性粒子は、形成するハードコート層の厚みに対して、平均粒径が0.2〜0.8倍の粒径を有するものが好ましい。より好ましくは、ハードコート層の厚みに対して0.3〜0.8倍で、さらに好ましくは0.4〜0.7倍である。平均粒径が上記の範囲であると、光学フィルムを画像表示装置に利用した際に、画面の黒しまりに優れ、且つ適度の防眩性を有することによるザラツキ感が少なく、さらにギラツキと称される表面凹凸に起因する高精彩ディスプレイを見たときの微小な輝度ムラを減少させることができる。
透光性粒子は、光拡散効果を効果的に発現させるために、上記の平均粒子径範囲を有することに加え、形成されるハードコート層中のバインダーとの関係で、所望の屈折率差を示す材料から選択されるであろう。具体的には、透光性粒子とバインダーの間の屈折率差は0.02以上であり、0.03以上0.25以下がより好ましく、0.04以上0.2以下が特に好ましい。
さらに、透光性粒子として樹脂粒子を使用する態様では、架橋剤により架橋された樹脂粒子を用いることが好ましく、粒子を製造時に使用する全モノマーに対して、3モル%以上架橋剤を含有する組成物から形成された樹脂粒子を用いることが好ましい。
透光性粒子の含有量は、ハードコート層の形成に用いる光硬化性組成物の全固形分中、2〜40質量%が好ましく、4〜25質量%であることがより好ましい。
また、透光性粒子の塗布量は、好ましくは10mg/m2〜10000mg/m2、より好ましくは50mg/m2〜4000mg/m2である。
透光性粒子は、樹脂粒子であっても無機粒子であってもよい。透光性粒子として使用可能な樹脂粒子の具体例には、架橋ポリメチルメタアクリレート粒子、架橋メチルメタアクリレート−スチレン共重合体粒子、架橋ポリスチレン粒子、架橋メチルメタアクリレート−メチルアクリレート共重合粒子、架橋アクリレート−スチレン共重合粒子、メラミン樹脂粒子、ベンゾグアナミン樹脂粒子、ポリカーボネート粒子等が含まれる。さらにはこれらの樹脂粒子の表面にフッ素原子、ケイ素原子、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、スルホン酸基、燐酸基等を含む化合物を化学結合させた、いわゆる表面修飾された樹脂粒子を用いることもできる。中でも、架橋スチレン粒子、架橋ポリメチルメタアクリレート粒子、架橋メチルメタアクリレート−スチレン共重合体粒子等が好ましい。
樹脂粒子の形状は、真球又は不定形のいずれも使用できる。粒度分布はヘイズ値と拡散性の制御性、塗布面状の均質性から単分散性粒子が好ましい。例えば平均粒子径よりも20%以上粒子径が大きな粒子を粗大粒子と規定した場合、この粗大粒子の割合は全粒子数の1%以下であることが好ましく、より好ましくは0.1%以下であり、さらに好ましくは0.01%以下である。このような粒子径分布を持つ粒子は通常の合成反応後に、分級によって得られ、分級の回数を上げることやその程度を強くすることにより、より好ましい分布の粒子を得ることができる。
透光性粒子として使用可能な無機粒子の具体例には、シリカ粒子、中空シリカ粒子、アルミナ粒子、TiO2粒子、Mg02粒子、Sr02粒子、BaO2粒子、SrS04粒子、SnO2粒子、ZnO2粒子等の金属酸化物粒子が含まれる。これらは製造時の粒子沈降抑制のために二次粒子、又は不定形の二次粒子であることも好ましい。
粒子の粒度分布はコールターカウンター法により測定し、測定された分布を粒子数分布に換算する。平均粒径は得られた粒子分布から算出する。
(無機フィラー)
ハードコート層の形成に用いる前記光硬化性組成物には、無機フィラーを添加してもよい。無機フィラーは、硬化収縮減少、屈折率の調整、膜強度の調整等の目的で添加されるであろう。
無機フィラーとしては、チタン、ジルコニウム、アルミニウム、インジウム、亜鉛、錫、アンチモンのうちより選ばれる少なくとも1種の金属の酸化物であるのが好ましい。より具体的には、TiO2、ZrO2、Al23、In23、ZnO、SnO2、Sb23、ITO(Snをドープした酸化インジウム)、SiO2等が挙げられる。高屈折率化を目的として添加する態様では、TiO2及びZrO2が好ましい。また、高屈折率の透光性粒子とともに、無機フィラーを使用する態様では、粒子との屈折率差を大きくするためにバインダーの屈折率を低くすることが好ましく、このために無機フィラーとして、シリカ微粒子、中空シリカ微粒子等を用いるのが好ましい。また、表面をシランカップリング処理又はチタンカップリング処理されている無機フィラーを用いてもよい。フィラー表面にバインダー種と反応できる官能基を有する表面処理剤が好ましく用いられる。
前記無機フィラーは、一次粒子の平均粒径が、一般に0.2μm以下であり、好ましくは0.1μm以下、より好ましくは0.06μm以下の微細な無機フィラーを使用することが好ましい。なお、微細無機フィラーは、粒径が光の波長よりも十分短いために散乱が生じず、バインダーポリマーに該フィラーが分散した分散体は光学的に均一な物質の性質を有する。
無機フィラーの含有量は、ハードコート層形成用光硬化性組成物の全固形分の10質量%以上であるのが好ましく、15質量%〜80質量%であるのがより好ましく、20質量%〜70質量%であるのがさらに好ましい。
(オルガノシラン化合物)
ハードコート層の形成に用いられる前記光硬化性組成物は、オルガノシラン化合物を含有していてもよい。オルガノシラン化合物、いわゆるゾル成分(以下、このように称する場合もある)は、耐擦傷性の向上のために添加されるであろう。
オルガノシラン化合物は、光硬化性組成物の塗布液を支持体等の表面に塗布後、乾燥、加熱工程で縮合して硬化物を形成し、上記層のバインダーの一部となる。また、該硬化物が重合性不飽和結合を有する態様では、活性光線の照射により3次元構造を有するバインダーが形成される。
オルガノシラン化合物は、下記一般式(B)で表される化合物から選択することができる。
(R1m−Si(X)4-m (B)
上記式中、R1は置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基を表す。アルキル基としては、炭素原子数1〜30のアルキル基か好ましく、より好ましくは炭素原子数1〜16、特に好ましくは1〜6のものである。アルキル基の具体例として、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ヘキシル、デシル、ヘキサデシル等が挙げられる。アリール基としてはフェニル、ナフチル等が挙げられ、好ましくはフェニル基である。
Xは、水酸基又は加水分解可能な基を表し、例えばアルコキシ基(炭素原子数1〜5のアルコキシ基が好ましい。例えばメトキシ基、エトキシ基等が挙げられる)、ハロゲン原子(例えばCl、Br、I等)、及びR2COO(R2は水素原子又は炭素原子数1〜6のアルキル基が好ましい。例えばCH3COO、C25COO等が挙げられる)で表される基が挙げられ、好ましくはアルコキシ基であり、特に好ましくはメトキシ基又はエトキシ基である。mは1〜3の整数を表し、好ましくは1〜2である。
1及びXが複数存在するとき、複数のR1及びXはそれぞれ同じであっても異なっていてもよい。
1に含まれる置換基としては特に制限はないが、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素等)、水酸基、メルカプト基、カルボキシル基、エポキシ基、アルキル基(メチル、エチル、i−プロピル、プロピル、t−ブチル等)、アリール基(フェニル、ナフチル等)、芳香族ヘテロ環基(フリル、ピラゾリル、ピリジル等)、アルコキシ基(メトキシ、エトキシ、i−プロポキシ、ヘキシルオキシ等)、アリールオキシ(フェノキシ等)、アルキルチオ基(メチルチオ、エチルチオ等)、アリールチオ基(フェニルチオ等)、アルケニル基(ビニル、1−プロペニル等)、アシルオキシ基(アセトキシ、アクリロイルオキシ、メタクリロイルオキシ等)、アルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル、エトキシカルボニル等)、アリールオキシカルボニル基(フェノキシカルボニル等)、カルバモイル基(カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N−メチル−N−オクチルカルバモイル等)、アシルアミノ基(アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ、アクリルアミノ、メタクリルアミノ等)等が挙げられ、これら置換基は更に置換されていても良い。
1は置換アルキル基もしくは置換アリール基であることが好ましい。
(界面活性剤)
ハードコート層形成用の前記光硬化性組成物中には、これを塗布液として調製した際に、界面活性剤を添加することができる。界面活性剤は、光硬化性組成物の塗布液の塗布ムラ、乾燥ムラを軽減し、及び点欠陥等の面状均一性を確保するために添加されるであろう。使用可能な界面活性剤の例には、フッ素系及びシリコーン系の界面活性剤が含まれ、これらを併用してもよい。特にフッ素系の界面活性剤は、より少ない添加量において、塗布ムラ、乾燥ムラを軽減するとともに、点欠陥等の面状故障を改良する効果を奏するので好ましい。
(チクソトロピー剤)
ハードコート層形成用の前記光硬化性組成物中には、これを塗布液として調製した際に、チクソトロピー剤を添加することができる。チクソトロピー剤としては、0.1μm以下のシリカ、マイカ等があげられる。
(分散安定剤)
ハードコート層形成用の前記光硬化性組成物中には、これを塗布液として調製した際に、無機フィラーの凝集、沈降を抑制する目的で、分散安定化剤を添加するのが好ましい。使用可能な分散安定化剤としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、セルロース誘導体、ポリアミド、リン酸エステル、ポリエーテル、界面活性剤及び、シランカップリング剤、チタンカップリング剤等を使用することができる。特に前述のシランカップリング剤が硬化後の皮膜が強いため好ましい。
これら種々の添加剤の含有量は、光硬化性組成物中のバインダー構成成分100質量部に対して、1〜10質量部程度とするのが好適である。
2−2−3. ハードコート層形成用塗布液の調製
ハードコート層を形成するために用いられる光硬化性組成物は、塗布液として調製するのが好ましい。該塗布液の粘度(B型粘度計で測定)は、4mPa・s〜300mPa・sが好ましく、10mPa・s〜200mPa・sがより好ましく、20mPa・s〜150mPa・sがさらに好ましい。この範囲にあれば、ハードコート層を良好な塗布面状で効率的に塗布できる。特にダイコート法と組み合わせることによって比較的高い粘度でも安定に塗布することができる。
前記塗布液の調製には、少なくとも1種の有機溶媒を使用するのが好ましい。使用可能な有機溶媒の例には、アルコール系では、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、第二ブタノール、第三ブタノール、イソアミルアルコール、1−ペンタノール、n−ヘキサノール、メチルアミルアルコール等、ケトン系では、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、アセトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール等が含まれ;エステル系では、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソアミル、酢酸n−アミル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、酪酸エチル、酢酸メチル、乳酸メチル、乳酸エチル等が含まれ;エーテル、アセタール系では、1,4ジオキサン、テトラヒドロフラン、2−メチルフラン、テトラヒドロピラン、ジエチルアセタール等が含まれ;炭化水素系では、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、リグロイン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、スチレン、ジビニルベンゼン等が含まれ;ハロゲン炭化水素系では、四塩化炭素、クロロホルム、塩化メチレン、塩化エチレン、1,1,1−トリクロルエタン、1,1,2−トリクロルエタン、トリクロルエチレン、テトラクロルエチレン、1,1,1,2−テトラクロルエタン等が含まれ;多価アルコール及びその誘導体系では、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキシレングリコール、1,5−ペンタジオール、グリセリンモノアセテート、グリセリンエーテル類、1,2,6−ヘキサントリオール等が含まれ;脂肪酸系では、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、絡酸、イソ絡酸、イソ吉草酸、乳酸等が含まれ;窒素化合物系では、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、アセトニトリル等が含まれ;並びにイオウ化合物系では、ジメチルスルホキシド等が含まれる。
これらの中でメチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、アセトン、トルエン、キシレン、酢酸エチル、1−ペンタノール等が特に好ましく、また凝集性制御の目的でアルコール、多価アルコール系の溶媒を適宜混合して用いてもよい。
これらの有機溶媒は、単独でも混合して用いてもよく、塗布組成物中に有機溶媒総量として、40質量%〜98質量%含有することが好ましく、60質量%〜97質量%含有することがより好ましく、70質量%〜95質量%含有することがよりさらに好ましい。
3. 光学フィルム
本発明の光学フィルムは、前記光硬化性組成物から形成される層の機能に応じて、種々の用途がある。以下、光学補償フィルム及びハードコート層を有する光学フィルムの態様について説明するが、本発明はこれらの態様に限定されるものではない。
3.−1 光学補償フィルム
本発明の一態様の光学補償フィルムは、少なくとも、透明支持体と、その上に、前記光硬化性組成物からなる光学異方性層を有する。透明支持体と光学異方性層の間に配向膜を設けることが好ましい。光学異方性層を複数設ける場合は、配向膜を光学異方性層上に設けてもよい。また、透明支持体と配向膜の接着性を改善する目的で、その間に下塗層を、表面保護の目的で設けてもよく、また、光学異方性層の上に保護膜を設けてもよい。
3.−1−1 光学異方性層
前記光学異方性層は、例えば、以下の方法で形成することができる。まず、重合性化合物として液晶性化合物を含有する光硬化性液晶組成物を、塗布液として調製する。塗布液の調製には有機溶媒を利用することができ、使用可能な有機溶媒の例は、ハードコート層用塗布液の有機溶媒の例と同様である。次に、この塗布液を表面(好ましくは後述する配向膜の表面)に塗布し、溶媒を乾燥により除去するととともに、液晶相−固相転移温度以下で配向させる。塗布は、公知の方法(例、バーコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法)により実施できる。また、液晶相−固相転移温度は、使用する液晶化合物の種類に応じて変動するが、一般的には、70℃〜300℃程度であり、70℃〜170℃程度が好ましい。
その後、光照射(好ましくはUV照射)によって、前記増感色素及び前記重合開始剤の作用により重合反応を進行させて、組成物を硬化させて、液晶性化合物をその配向状態に固定し、光学異方性層を形成する。液晶性化合物の重合のための光照射は、紫外線を用いることが好ましく、照射エネルギーは、20〜5000mJ/cm2であることが好ましく、100〜800mJ/cm2であることがさらに好ましい。光重合反応を促進するため、加熱条件下で光照射を実施してもよい。
前記光学異方性層の厚さは、0.5〜100μm程度であることが好ましく、0.5〜30μm程度であることが更に好ましい。
3.−1−2 配向膜
本態様の光学補償フィルムは、透明支持体と光学異方性層との間に配向膜を有していてもよい。配向膜は、有機化合物(好ましくはポリマー)からなる層の表面をラビング処理することによって;無機化合物の斜方蒸着によって;マイクログルーブを有する層を形成することによって;又はラングミュア・ブロジェット法(LB膜)による有機化合物(例、ω−トリコサン酸、ジオクタデシルメチルアンモニウムクロライド、ステアリル酸メチル)の累積等によって;形成することができる。
本発明に利用可能な配向膜の一例は、重合性基を有する有機化合物を含む組成物からなる配向膜である。特に、重合性基を有するポリビルアルコール類(変性ポリビニルアルコールを含む)を含む組成物からなる配向膜を利用すると、密着性がより改善されるので好ましい。
配向膜の厚さは、0.01〜5μm程度であることが好ましく、0.05〜2μm程度であることがさらに好ましい。
3.−1−3 透明支持体
光学補償フィルムが有する透明支持体としては、ポリマーフィルムを好ましく用いることができる。なお、支持体が透明であるとは、光透過率が80%以上であることを意味する。透明支持体として利用可能なポリマーフィルムの材料としては、セルロースエステル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ノルボルネン樹脂が挙げられる。光学異方性層のあるポリマーフィルムを用いることができ、例えば、延伸処理によって光学異方性が生じたポリマーフィルムを用いることもできる。なお、セルロースエステルフィルムにレターデーション上昇剤(欧州特許出願公開第0911656号明細書記載)を添加することで、光学異方性の高いセルロースエステルフィルムを製造することができ、当該フィルムを透明支持体として用いることもできる。
本態様の光学補償フィルムにおける透明支持体には、セルロースアシレートフィルムを用いることが好ましい。透明支持体として用いるセルロースアシレートフィルムは、ソルベントキャスト法により作製することが好ましい。
透明支持体の厚さは、20〜500μmであることが好ましく、50〜200μmであることがさらに好ましい。
また、透明支持体とその上に設けられる層(接着層、配向膜あるいは光学異方性層)との接着を改善するため、透明支持体には、表面処理(例、グロー放電処理、コロナ放電処理、紫外線(UV)処理、火炎処理、鹸化処理)を実施してもよく、透明支持体の上に、接着層(下塗り層)を設けてもよい。
3.−1−4 保護膜
本態様の光学補償フィルムは、前記光学異方性層の上に、保護膜を配置してもよい。保護膜は、光学異方性層の表面の保護及び平滑性向上等の目的で設けられる。保護膜の形成に使用される材料については、特に制限はない。光学異方性層を溶解しない溶剤に可溶でかつ製膜能のある高分子化合物を用いることが好ましい。具体例としては、ゼラチン、メチルセルロース、アルギン酸、ペクチンアラビアガム、プルラン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸アミド、ポリビニルベンゼンスルホン酸ソーダ、カラギナン、ポリエチレングリコール等の水溶性高分子を挙げることができる。
3.−1−5 用途
本態様の光学補償フィルムは、TN(Twisted Nematic)、IPS(In−Plane Switching)、FLC(Ferro Electric Liquid Crystal)、OCB(Optically Compensatory Bend)、STN(Supper Twisted Nematic)、VA(Vertically Aligned)及びHAN(Hybrid Aligned Nematic)等の様々な表示モードの液晶表示装置に用いることができる。
3.−2 ハードコート層を有する光学フィルム
本発明の光学フィルムの他の態様は、少なくとも、透明支持体と、その上に、前記光硬化性組成物からなるハードコート層を有する光学フィルムである。以下、この態様について説明するが、光散乱性や防眩性を変える数μmオーダーの透光性粒子を含有するハードコート層を「光拡散性ハードコート層」とも称し、及び該透光性粒子を含有しないハードコート層を「透明ハードコート層」とも称する。
3.−2−1 ハードコート層
本態様の光学フィルムは、前記光硬化性組成物からなるハードコート層を少なくとも一つ有する。当該ハードコート層は、透光性粒子を含む光拡散性ハードコート層であっても、透光性粒子を含まない透明ハードコート層であってもよい。また、前記ハードコート層を複数、例えば2層〜4層有していてもよく、光拡散性ハードコート層と透明ハードコート層との組み合わせでもよい。透明ハードコート層と光拡散性ハードコート層との積層構造を含む態様では、その積層配置は特に限定されない。支持体側から順に透明ハードコート層、光拡散性ハードコート層の順に配置してもよく、また逆の配置でもよい。また、透明ハードコート層と光拡散性ハードコート層との積層構造を含む態様では、少なくとも一方が、前記光硬化性組成物から形成されたハードコート層であれば、本発明の効果が得られる。双方が、前記光硬化性組成物から形成されたハードコート層であると、より高い効果が得られるので好ましい。
前記ハードコート層(透光性粒子を含む光拡散性ハードコート層では透光性粒子以外の素材の屈折率(アッベ屈折率計、アタゴ(株)製で測定)は1.40〜2.00(より好ましくは1.45〜1.90、更に好ましくは1.48〜1.85、特に好ましくは1.51〜1.80)程度であることが好ましい。
ハードコート層の厚みは、光拡散性ハードコート層(光拡散層とも称する)の場合は透明支持体厚みに対して0.03〜0.20程度であることが好ましく、0.05〜0.17がより好ましく、0.07〜0.15がさらに好ましい。従って支持体厚みが仮に80μmであると光拡散層の厚みは2.4μm〜16μmが、支持体厚みが仮に40μmであると1.2μm〜8μmが好ましい。厚さがこの範囲内であると、膜硬度に優れ、カール、ヘイズ値、ギラツキ等の欠点がなく、しかも防眩性と黒しまり感等の調整も容易である。
また、透明ハードコート層の場合は透明支持体厚みに対して0.02〜0.40が好ましく、0.04〜0.30がより好ましい。
ハードコート層は、例えば、以下の方法で作製することができる。まず、重合性化合物として多官能アクリレート系化合物を含有する前記光硬化性組成物を、塗布液として調製する。次に、該塗布液を、表面(例えば支持体の表面)に塗布して乾燥した後、光照射、電子線ビーム照射、加熱処理などを実施して、架橋又は重合反応を進行させて、組成物を硬化させて、ハードコート層を形成する。まず、塗布液の塗布は、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法やダイコート法により実施することができる。マイクログラビアコート法、ワイヤーバーコート法、ダイコート法がより好ましく、ダイコート法が特に好ましい。硬化反応の進行には、紫外線照射を利用するのが好ましく、紫外線照射には、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプ等の光線から発する紫外線等が利用できる。また、紫外線照射による硬化反応は、窒素パージ等で酸素濃度が4体積%以下、更に好ましくは2体積%以下、よりさらに好ましくは0.5体積%以下の雰囲気下で進行させるのが好ましい。温度は20℃〜120℃程度であるのが好ましく、30℃〜100℃がより好ましい。UV照射量は20〜1000mJ/cm2が好ましく、30〜600mJ/cm2がより好ましい。
前記ハードコート層は硬化後の収縮率が小さいほど、カールを軽減できるので好ましい。本発明では、前記光硬化性組成物を利用することにより、収縮率10%未満を達成可能である。ここで述べる収縮率とは、{(硬化前のバインダーの体積−硬化後の硬化膜の体積)/硬化前のバインダーの体積}×100で定義される値である。
前記ハードコート層の強度は高いほど好ましい。本発明では、前記光硬化性組成物を利用することにより、JIS K5400に従う鉛筆硬度試験で、H以上を達成可能であり、2H以上であることがさらに好ましく、3H以上であることがよりさらに好ましい。
また、JIS K5400に従うテーバー試験で、試験前後の試験片の摩耗量が少ないほど好ましい。
3.−2−2 その他の機能層
本態様の光学フィルムは、ハードコート層以外の機能層を有していてもよい。他の機能層の例には、帯電防止層、高屈折率層、低屈折率層、防汚層等が含まれる。以下、各機能層について説明する。
(低屈折率層)
本態様の光学フィルムは、透明ハードコート層又は光拡散性ハードコート層の上に、屈折率が透明支持体より低い層(低屈折率層)を有することで反射防止フィルムとして利用することができる。
低屈折率層は屈折率が1.20〜1.48の範囲にあることが好ましく、より好ましくは1.30〜1.46の範囲である。低屈折率層は、ハードコート層又は高屈折率層の外側に隣接して配置されることが好ましく、最外層であってもよい。また低屈折率層の上にさらに防汚層を有してもよい。
(帯電防止層)
本態様の光学フィルムは、帯電防止層を有していてもよい。帯電防止層は、帯電性を達成するために、導電性の無機微粒子を含有することが好ましい。帯電防止層は、例えば、導電性微粒子と反応性硬化樹脂を含む導電性塗布液を表面に塗布する方法;透明膜を形成する金属や金属酸化物等を蒸着やスパッタリングして導電性薄膜を形成する方法;等の種々の方法により形成することができる。
3.−2−3 透明支持体
本態様の光学フィルムの透明支持体としては、プラスチックフィルムを用いることが好ましい。プラスチックフィルムを形成するポリマーとしては、セルロースアシレート(例、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、代表的には富士フイルム社製TAC−TD80U,TD80UFなど)、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル(例、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート)、ポリスチレン、ポリオレフィン、ノルボルネン系樹脂(アートン:商品名、JSR社製)、非晶質ポリオレフィン(ゼオネックス:商品名、日本ゼオン社製)、などが挙げられる。このうちトリアセチルセルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、が好ましく、特にトリアセチルセルロースが好ましい。
3.−2−4 本態様の光学フィルムの作製方法
本態様の光学フィルムは以下の方法で作製することができるが、この方法に制限されない。
まず、各層を形成するための成分を含有した塗布液を調製する。次に、例えば、ハードコート層形成用光硬化性組成物の塗布液を、透明支持体上に塗布する。塗布方法の好ましい例については、上記の通りである。次に、塗膜を乾燥し、光照射して硬化反応を進行させて、ハードコート層を形成する。必要であれば、この操作を繰り返し、ハードコート層を複数形成することができる。
次に、低屈折率層を形成するための塗布液を別途調製し、ハードコート層上に塗布し、光照射あるいは加熱し(紫外線など電離放射線を照射、好ましくは加熱下で電離放射線を照射することにより硬化させ)、低屈折率層を形成する。
さらに、所望により帯電防止層を同様にして形成する。
この様にして、本態様の光学フィルムを作製することができる。
3.−2−5 本態様の光学フィルムの諸特性
本態様の光学フィルムは、内部散乱性を持つことが好ましい。内部散乱性は一般的には内部ヘイズで表され、通常測定する全ヘイズより表面ヘイズ分を除いたものが、内部ヘイズとなる。内部散乱性は本態様の光学フィルム(例えば反射防止フィルム)を表示装置の最表面に組み込んだ際に、表示装置の他の構成要素それぞれが持つ光学的なムラ(例えば、光源の輝度ムラや、カラーフィルターの色度ムラなど)を低減するのに寄与する。但し、内部ヘイズが高くなりすぎると、コントラストの低下を招くため、内部ヘイズとしては、1〜60%が好ましく、1〜50%が更に好ましく、1〜40%が特に好ましい。また、本態様の光学フィルムの表面ヘイズは0〜10%であることが、画像表示装置に利用した際に、画面の黒しまり感向上のために好ましく、0.1〜7%がより好ましく、0.3〜5%がより好ましい。なお、「表面ヘイズ」は、全ヘイズと内部ヘイズを個別に求め、全ヘイズから内部ヘイズを計算で差し引いた値で示す。
本態様の光学フィルムの透過画像鮮明性は、30〜80%が好ましく、30〜70%が防眩性や黒しまり感の両立の点からより好ましい。
本態様の光学フィルムは、ゴニオフォトメーターで測定される散乱光の強度分布が視野角改良効果に相関することが好ましい。鋭意検討の結果、所望の視認特性を達成するには、散乱光プロファイルの出射角0°の光強度に対して、特に視認角改良効果と相関ある30°の散乱光強度が0.01%〜0.2%であることが好ましく、0.02%〜0.15%が更に好ましく、0.03%〜0.1%が特に好ましい。
散乱光プロファイルは、作成した光散乱フィルムについて、(株)村上色彩技術研究所製の自動変角光度計GP−5型を用いて測定できる。
3.−2−6 用途
(反射防止フィルム)
本態様の光学フィルムは、反射防止フィルムとして、液晶表示装置に用いることができ、ディスプレイの最表面に配置することが好ましい。液晶表示装置の部材として利用する際は、光学フィルムの片面に粘着層を設ける等して、ディスプレイの最表面に配置することが好ましい。
(偏光板の保護フィルム)
また、本態様の光学フィルムを偏光板と貼り合せ、偏光板の保護フィルムとして利用することもできる。透明支持体としてセルロースアシレートフィルムを用いると、当該フィルムは、偏光板の偏光層を保護する保護フィルムとして優れているので、特に好ましい。勿論、本態様の光学フィルムは、偏光板の保護フィルムとして機能すると同時に、反射防止フィルムとしても機能するものであってもよい。
偏光板は、偏光膜を両面から挟む2枚の保護フィルムで主に構成される。本態様の光学フィルム(反射防止フィルムであってもよい)は、偏光膜を両面から挟む2枚の保護フィルムのうち少なくとも1枚に用いることが好ましい。本態様の光学フィルムが保護フィルムを兼ねることで、偏光板の製造コストを低減できる。また、本態様の光学フィルムを、表示面側の最表層に配置することにより、外光の映り込み等が防止され、耐傷性、防汚性等も優れた偏光板とすることができる。
本態様の光学フィルムを、他の部材(例えば、偏光板の偏光膜や液晶等)と十分に接着させるためには、表面処理を施すことが好ましい。例えば、透明支持体の裏面(ハードコート層等が形成されていない側の表面)を他の部材と貼合する態様では、透明支持体の裏面に表面処理を施すことが好ましく、偏光膜との接着性を改善するためには、鹸化処理を実施することが好ましい。鹸化処理は、公知の手法、例えば、アルカリ液の中に該フィルムを適切な時間浸漬して実施される。アルカリ液に浸漬した後は、該フィルムの中にアルカリ成分が残留しないように、水で十分に水洗したり、希薄な酸に浸漬してアルカリ成分を中和することが好ましい。
鹸化処理することにより、ハードコート層を有する側とは反対側の透明支持体の表面が親水化される。親水化された表面は、ポリビニルアルコールを主成分とする偏光膜との接着性を改良するのに特に有効である。また、親水化された表面は、空気中の塵埃が付着し難くなるため、偏光膜と接着させる際に偏光膜と反射防止フィルムの間に塵埃が入り難く、塵埃による点欠陥を防止するのに有効である。
鹸化処理は、透明支持体の裏面の水に対する接触角が40°以下になるように実施することが好ましい。更に好ましくは30°以下、特に好ましくは20°以下である。
アルカリ鹸化処理の具体的手段としては、以下の(1)及び(2)の2つの手段から選択することができる。汎用のトリアセチルセルロースフィルムと同一の工程で処理できる点で(1)が優れているが、ハードコート層等の他の機能層まで鹸化処理されるため、表面がアルカリ加水分解されて膜が劣化する点、鹸化処理液が残ると汚れになる点が問題になり得る。その場合には、特別な工程となるが、(2)が優れる。
(1)透明支持体上に各機能層を形成後に、アルカリ液中に少なくとも1回浸漬することで、該フィルムの裏面を鹸化処理する。
(2)透明支持体上に機能層を形成する前又は後に、アルカリ液を該透明支持体の裏面(機能層を形成する表面とは反対側の表面)に塗布し、加熱、水洗及び/又は中和することで、該フィルムの裏面だけを鹸化処理する。
本態様の光学フィルム、及びそれを有する偏光板は、液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)や陰極管表示装置(CRT)のような画像表示装置に利用することができる。本態様の光学フィルム、及びそれを有する偏光板は、透明支持体を有しているので、透明支持体側を画像表示装置の画像表示面に接着して用いられること、すなわち、ハードコート層又は低屈折率層が視認側になるように配置することが好ましい。
本態様の光学フィルムは、反射防止フィルムとして、及び偏光膜の表面保護フィルムとして、ツイステットネマチック(TN)、スーパーツイステットネマチック(STN)、バーティカルアライメント(VA)、インプレインスイッチング(IPS)、オプティカリーコンペンセイテットベンドセル(OCB)等のモードの透過型、反射型、又は半透過型の液晶表示装置に好ましく用いることができる。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
1.光学補償フィルムの作製と評価
1.−1 比較例1:光学補償フィルムKS−1の作製
(透明支持体の作製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、セルロースアセテート溶液を調製した。
<セルロースアセテート溶液組成>
酢化度60.9%のセルロースアセテート 100質量部
トリフェニルホスフェート(可塑剤) 7.8質量部
ビフェニルジフェニルホスフェート(可塑剤) 3.9質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 300質量部
メタノール(第2溶媒) 45質量部
染料(住化ファインケム(株)製 360FP)
0.0009質量部
別のミキシングタンクに、下記のレターデーション上昇剤16質量部、メチレンクロライド80質量部及びメタノール20質量部を投入し、加熱しながら攪拌して、レターデーション上昇剤溶液を調製した。
上記組成のセルロースアセテート溶液464質量部に、レターデーション上昇剤溶液36質量部、及びシリカ微粒子(アイロジル製 R972)1.1質量部を混合し、充分に攪拌してドープを調製した。レターデーション上昇剤の添加量は、セルロースアセテート100質量部に対して、5.0質量部であった。また、シリカ微粒子の添加量は、セルロースアセテート100質量部に対して、0.15質量部であった。
Figure 2010152217
得られたドープを、バンド流延機を用いて流延した。バンド上での膜面温度が40℃となってから、1分間乾燥し、剥ぎ取った後、乾燥風で、残留溶剤量が0.3質量%のセルロースアセテートフィルム(CA−1)(厚さ109μm)を製造した。
作製したセルロースアセテートフィルム(CA−1)について、レターデーションを測定したところ、厚み方向のレターデーションRthは85nm、面内のレターデーションReは7nmであった。
(鹸化処理、及び配向膜の形成)
セルロースアセテートフィルム(CA−1)上に、温度60℃の誘電式加熱ロールを通過させ、フィルム表面温度40℃に昇温した後に、下記に示す組成のアルカリ溶液(S−1)をロッドコーターを用いて塗布量15mL/m2で塗布し、110℃に加熱した(株)ノリタケカンパニーリミテド製のスチーム式遠赤外ヒーターの下に15秒間滞留させた後に、同じくロッドコーターを用いて純水を3mL/m2塗布した。この時のフィルム温度は40℃であった。次いで、ファウンテンコーターによる水洗とエアナイフによる水切りを3回繰り返した後に70℃の乾燥ゾーンに5秒間滞留させて乾燥した。
<アルカリ溶液(S−1)組成>
水酸化カリウム 8.55質量%
水 23.235質量%
イソプロパノール 54.20質量%
界面活性剤(K−1:C1429O(CH2CH2O)20H)
1.0質量%
プロピレングリコール 13.0質量%
消泡剤サーフィノールDF110D(日信化学工業(株)製)
0.015質量%
この表面処理したフィルム上に、下記の組成の配向膜塗布液をロードーコーターで28mL/m2の塗布量で塗布した。60℃の温風で60秒間、さらに90℃の温風で150秒間乾燥した。次に、形成した膜表面に、フィルム長手方向に沿ってラビング処理を実施して、配向膜を形成した。
<配向膜塗布液>
下記変性ポリビニルアルコール 20質量%
水 360質量%
メタノール 120質量%
グルタルアルデヒド 0.5質量%
Figure 2010152217
(光学異方性層の形成)
下記の組成のディスコティック液晶塗布液(DA−1:固形分濃度32.6%;MEK溶媒)を#3.2のワイヤーバーコーターを使用して、配向膜のラビング処理面に塗布した。次に、125℃の高温槽中で3分間加熱し、ディスコティック液晶性分子を配向させた後、高圧水銀灯を用いてUVを500mJ/cm2照射し、室温まで放冷して、光学補償フィルム(KS−1)を作製した。
<ディスコティック液晶塗布液(DA−1)>
下記のディスコティック液晶DLC−A 9.1質量部
エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパンアクリレート
(V#360、大阪有機化学(株)) 0.9質量部
セルロースアセテートブチレート 0.2質量部
(CAB551−0.2 イーストマンケミカル)
セルロースアセテートブチレート 0.05質量部
(CAB531−1 イーストマンケミカル)
イルガキュア907(チバ・ガイギー製:重合開始剤) 0.4質量部
Figure 2010152217
1.−2 実施例1〜10並びに比較例2及び3:光学補償フィルムKS−2〜13の作製
(透明支持体の作製)
比較例1と同様の方法で、セルロースアセテートフィルム(CA−1)を作製した。
(鹸化処理、及び配向膜の形成)
比較例1と同様の方法で、セルロースアセテートフィルム(CA−1)を鹸化処理し、配向膜の形成、ラビング処理を実施した。
(光学異方性層の形成)
比較例1のディスコティック液晶塗布液(DA−1)の光重合開始剤であるイルガキュア907を、表1に記載の通り、化合物及び/又は量、を置き換えて、ディスコティック液晶塗布液(DA−2〜13)をそれぞれ調製した。塗布液DA−1の代わりに、調製した各塗布液を用いた以外は、比較例1と同様にして、光学補償フィルム(KS−2〜13)をそれぞれ作製した。
1.−3 光学補償フィルムの評価
実施例1〜10及び比較例1〜3で得られた各光学補償フィルムの、光学異方性層中のDLC−Aの側鎖の不飽和基の消失率を、FT−IR分光器(Nicolet社製710型)により測定した。結果を表1に示す。値が大きいほど高感度であることを示す。また、これらの光照射後のフィルムの着色を分光吸収スペクトル法により測定し、380nmでの光学濃度を表1に示す。光学濃度が小さいほど、着色性が小さいことを示す。
次にこれらのフィルムの光学異方性層と配向膜との密着を、碁盤目剥離テストにより調べた。カッターで2mm×2mm角の碁盤目を100個作成し、日東セロテープ(登録商標)を貼りつけ、その後剥離し、剥離しないでフィルム上に残った個数を表1に示した。個数が多いほど密着が高いことを示す。
Figure 2010152217
表中の化合物(OE−1〜OE−8、OE−H)、並びにイルガキュア907及びカヤキュアーDETXの構造は以下の通りである。
Figure 2010152217
Figure 2010152217
実施例1〜10及び比較例1〜3を比較すると、本発明の実施例の光学補償フィルムはいずれも、液晶化合物中の不飽和基の消失量が高く、着色が少なく、且つ光学異方性層と配向膜との密着も高いことが理解できる。これは、本発明で使用している光重合開始剤系が高感度であり、しかも可視光域の吸収がないことによるものと理解できる。
2. 反射防止フィルムの作製と評価
2.−1 塗布液の調製
(ゾル液a−1の調製)
温度計、窒素導入管、滴下ロートを備えた1,000mLの反応容器に、アクリロキシオキシプロピルトリメトキシシラン187g(0.80mol)、メチルトリメトキシシラン29.0g(0.21mol)、メタノール320g(10mol)とKF0.06g(0.001mol)を仕込み、攪拌下室温で水17.0g(0.94mol)をゆっくり滴下した。滴下終了後室温で3時間攪拌した後、メタノール還溜下2時間加熱攪拌した。この後、低沸分を減圧留去し、更にろ過することによりゾル液a−1を120g得た。このようにして得た物質をGPC測定した結果、質量平均分子量は1500であり、オリゴマー成分以上の成分のうち、分子量が1000〜20000の成分は30%であった。
また、1H−NMRの測定結果から、得られた物質の構造は、以下の一般式で表される構造であった。
平均組成式: (CH2=CHCOO−C360.8(CH30.2SiO0.86(OCH31.28
更に、29Si−NMR測定による縮合率αは0.59であった。この分析結果から、本シランカップリング剤ゾルは直鎖状構造部分が大部分であることが分かった。
また、ガスクロマトグラフィー分析から、原料のアクリロキシプロピルトリメトキシシランは5%以下の残存率であった。
(パーフルオロオレフィン共重合体(1)の合成)
Figure 2010152217
内容量100mLのステンレス製撹拌機付オートクレーブに、酢酸エチル40mL、ヒドロキシエチルビニルエーテル14.7g及び過酸化ジラウロイル0.55gを仕込み、系内を脱気して窒素ガスで置換した。さらにヘキサフルオロプロピレン(HFP)25gをオートクレーブ中に導入して65℃まで昇温した。オートクレーブ内の温度が65℃に達した時点の圧力は5.4kg/cm2であった。該温度を保持し8時間反応を続け、圧力が3.2kg/cm2に達した時点で加熱をやめ放冷した。室温まで内温が下がった時点で未反応のモノマーを追い出し、オートクレーブを開放して反応液を取り出した。得られた反応液を大過剰のヘキサンに投入し、デカンテーションにより溶剤を除去することにより沈殿したポリマーを取り出した。さらにこのポリマーを少量の酢酸エチルに溶解してヘキサンから2回再沈殿を行うことによって残存モノマーを完全に除去した。乾燥後ポリマー28gを得た。次に該ポリマーの20gをN,N−ジメチルアセトアミド100mLに溶解、氷冷下アクリル酸クロライド11.4gを滴下した後、室温で10時間攪拌した。反応液に酢酸エチルを加え水洗、有機層を抽出後濃縮し、得られたポリマーをヘキサンで再沈殿させることによりパーフルオロオレフィン共重合体(1)を19g得た。得られたポリマーの屈折率は1.42であった。
(透明ハードコート層用塗布液H−1の組成)
DPHA:ジペンタエリスリトールペンタアクリレートと 50.0g
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物[日本化薬(株)製]
メチルイソブチルケトン 42.0g
メチルエチルケトン 8.0g
表1の化合物OE−1 4.0g
(透明ハードコート層用塗布液H−2〜H−10、比較例HH−1〜3の組成)
透明ハードコート層塗布液H−1の光重合開始剤OE−1を下記表2に記載の通りに代えた以外は、塗布液H−1と同様にして、透明ハードコート層用塗布液H−2〜H−10、比較例用塗布液HH−1〜3をそれぞれ調製した。
なお、H1〜10、HH1〜4の各塗布液を孔径10μmのポリプロピレン製フィルターでろ過してから、各々の透明ハードコート層用塗布液として用いた。
(光拡散性ハードコート層用塗布液J−1の組成)
PET−30:ペンタエリスリトールトリアクリレート、 50.0g
ペンタエリスリトールテトラアクリレートの混合物[日本化薬(株)製]
メチルイソブチルケトン 28.5g
メチルエチルケトン 7.0g
表1の化合物OE−1(光重合合開始剤) 2.0g
SX−500H(30%):平均粒径5μm架橋 14.5g
ポリスチレン粒子[屈折率1.60、綜研化学(株)製、30%メチルイソブチルケトン分散液、ポリトロン分散機にて10000rpmで20分分散後使用]
FP−132:フッ素系表面改質剤、特開2005−316422号公報の段落番号0207に記載の下記の構造式で表されるフルオロ樹脂含有ポリマー 0.75g
ゾル液a−1 10.0g
Figure 2010152217
(光拡散性ハードコート層用塗布液J−2〜J−6、比較例JJ−1〜JJ−3の組成)
光拡散性ハードコート用塗布液J−1の光開始剤OE−1を、下記表2に記載の通りに代えた以外は、J−1と同様にして、光拡散性ハードコート層用塗布液J−2〜J−6、比較例JJ−1〜JJ−4を調製した。
なお、上記J−1〜J−6、JJ−1〜4の各塗布液を孔径30μmのポリプロピレン製フィルターでろ過した後に、各々の光拡散性ハードコート層用塗布液として使用した。
(低屈折率層用塗布液L−1の組成)
中空シリカ液:KBM−5103(信越化学工業(株)製) 19.5g
表面修飾中空シリカゾル[表面修飾率対シリカ
30質量%、CS−60 IPA、屈折率1.31、
平均粒径60nm、シェル厚み10nm、
固形分濃度18.2%、触媒化成工業(株)製]
ゾル液a−1 1.7g
メチルエチルケトン 47.5g
シクロヘキサノン 5.3g
上記L−1の低屈折率層用塗布液について、孔径1μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して、各々の低屈折率層用塗布液を調製した。L−1による層の屈折率は、1.39であった。
2.−2 反射防止フィルムの作製
(1)ハードコート層の形成
ロール状に巻かれた長尺の80μmの厚さを有するトリアセチルセルロースフィルム(TAC−TD80U、富士フイルム(株)製。屈折率1.48)を準備した。このフィルムを巻き出し、搬送速度30m/分で搬送しつつ、その表面に、光拡散性ハードコート層用塗布液H−1〜10、HH1〜4、J−1〜6、JJ1〜4を各々、ダイコート法で塗布した。引き続き、60℃で150秒間乾燥の後、さらに窒素パージ下で160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm2、照射量250mJ/cm2の紫外線を照射して、透明ハードコート層、又は光拡散性ハードコート層をそれぞれ形成した。ハードコート層の厚みは塗布量で調整した。
(2)ハードコート層中のモノマーの反応量
モノマーが有する不飽和基の消失率を、FT−IR法により測定した。結果を表2に示す。値が大きいほど高感度であることを示す。
(3)低屈折率層の形成
クリアハードコート層又は光拡散性ハードコート層の表面に、低屈折率層用塗布液を各々表2に記載の構成になるようにスロットダイを用いたダイコート法で、搬送速度30m/分の条件で塗布した。引き続き、120℃で75秒間乾燥の後、更に10分間加熱してから窒素パージ下で240W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm2、照射量240mJ/cm2の紫外線を照射し、厚さ100nmの低屈折率層を形成し、巻き取った。
上記方法により、反射防止フィルムS−1〜10、SS−1〜3、F−1〜6、FF−1〜3を作製した。
2.−3 反射防止フィルムの鹸化処理
作製した各試料フィルムについて、以下の処理を行った。
1.5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を調製し、55℃に保温した。0.01mol/Lの希硫酸水溶液を調製し、35℃に保温した。作製した各反射防止フィルムを、上記の水酸化ナトリウム水溶液に2分間浸漬した後、水に浸漬し水酸化ナトリウム水溶液を十分に洗い流した。次いで、上記の希硫酸水溶液に1分間浸漬した後、水に浸漬し希硫酸水溶液を十分に洗い流した。最後に試料を120℃で十分に乾燥させた。
このようにして、鹸化処理済み反射防止フィルムをそれぞれ得た。
2.−4 反射防止フィルムの評価
得られたこれらの光学フィルム試料について、以下の項目の評価を行った。結果を表5に示した。
(1)平均反射率
各試料フィルムの裏面をサンドペーパーで粗面化した後に黒色インクで処理し、裏面反射をなくした状態で、表面側を、分光光度計(日本分光(株)製)を用いて、380〜780nmの波長領域において、入射角5°における鏡面分光反射率を測定した。結果には450〜650nmの鏡面反射率の算術平均値を用いた。
(2)鉛筆硬度評価
耐傷性の指標としてJIS K5400に記載の鉛筆硬度評価を行った。各試料フィルムを温度25℃、湿度60%RHで2時間調湿した後、JIS S 6006に規定する3Hの試験用鉛筆を用いて、1kgの荷重により評価した。評価基準は以下の通りである。
◎ :n=5の評価において傷が全く認められない
〇:n=5の評価において傷が1又は2つ
△:n=5の評価において傷が3つ以上
× :n=5の評価において傷が多数
(3)カール度
各試料フィルムを20cm×20cmのサイズに切り取り、4隅が浮き上がっている面を上向きにして、25℃、60%RHの環境下で水平な机上に置いた。24時間経過後に各4隅の机面からの浮き上がり距離を定規で測定し、4隅の平均をとった。平均値を以下の基準でクラス分けして評価した。
◎ : 5mm未満
○ : 5〜10mm未満
○△ : 10〜20mm未満
△ : 20〜40mm未満
× : 40mm以上
Figure 2010152217
表2に示される結果より、以下のことが明らかである。
本発明の実施例の試料フィルムは、反射防止フィルムとしての光学的性能(平均反射率)が望ましい範囲にあり、且つ塗布膜の硬度も高くて鉛筆等の引っかき耐性も良好であり、さらにカールが小さいものである。

Claims (8)

  1. 透明支持体、及びその上に、少なくとも、(i)下記一般式(1)で表されるオキシムエステル系光重合開始剤と、(ii)重合性化合物とを含有する光硬化性組成物を光重合させてなる層を有する光学フィルム。
    Figure 2010152217
    〔式(1)中、R及びBは各々独立に一価の置換基を表し、Aは二価の有機基を表し、Arはアリール基を表す。〕
  2. (i)オキシムエステル系光重合開始剤が下記一般式(1a)で表される請求項1に記載の光学フィルム。
    Figure 2010152217
    〔式(1a)中、R及びB’は各々独立に一価の置換基を表し、Aは二価の有機基を表し、Arはアリール基を表す。〕
  3. 式(1)中、Aが置換もしくは無置換のC1〜C12のアルキレン基である請求項1又は2に記載の光学フィルム。
  4. (i)オキシムエステル系光重合開始剤が下記一般式(2)で表される請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学フィルム。
    Figure 2010152217
    〔式(2)中、R及びXは各々独立に一価の置換基を表し、A及びYは各々独立に二価の有機基を表し、Arはアリール基を表す。nは0〜5の整数である。〕
  5. (i)オキシムエステル系光重合開始剤が下記一般式(3)で表される請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学フィルム。
    Figure 2010152217
    〔式(3)中、R及びXは各々独立に一価の置換基を表し、Aは二価の有機基を表し、Arはアリール基を表し、R1はC1〜C5のアルキル基を表す。nは0〜5の整数である。〕
  6. (ii)重合性化合物が液晶性化合物であり、前記層が、配向した状態に固定されている前記液晶性化合物を含有する光学異方性層である請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学フィルム。
  7. (ii)重合性化合物が少なくとも1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイル基を含有する化合物であり、前記層が、ハードコート層である請求項1〜6のいずれか1項に記載の光学フィルム。
  8. 前記透明支持体がセルロースアシレートフィルムである請求項1〜7のいずれか1項に記載の光学フィルム。
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