JP2007321143A - 水中油(o/w)型エマルション塗布組成物、積層体、偏光板、画像表示装置、及び積層体の製造方法 - Google Patents

水中油(o/w)型エマルション塗布組成物、積層体、偏光板、画像表示装置、及び積層体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】耐擦傷性に優れ、有機溶剤の使用量が低減された水中油(O/W)型エマルション塗布組成物、積層体、偏光板、画像表示装置を提供する。
【解決手段】水相及び油相を有する水中油(O/W)型エマルション塗布組成物であって、
(A)分子中に少なくとも3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する活性エネルギー線硬化性多官能(メタ)アクリレートと、
(B)有機溶剤とを油相に含み、該有機溶剤は100gの水に対する溶解度が30g以下であり、かつ基材を膨潤又は溶解させる性質を持つ有機溶剤である水中油(O/W)型エマルション塗布組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、水中油(O/W)型エマルション塗布組成物、積層体、偏光板、画像表示装置
、及び積層体の製造方法に関する。
プラスチックフィルム用オーバーコート剤、印刷インキ、塗料などの各種コーティングの塗布組成物において、有機溶剤が使用されている。有機溶剤から揮発される揮発性有機成分(VOC)による作業者への影響が予期されるために、該塗布組成物を扱う工程や製造装置などが複雑化して作業上及び設備上での負荷が大きくなる。また、揮発性有機成分による大気汚染などの環境負荷が大きい。そのため、近年、経済的負荷及び環境負荷を低減する観点から、該塗布組成物における有機溶剤の使用量の低減が望まれている。
例えば、ビヒクル及び水を必須成分として、該ビヒクルが水酸基を含有するアクリル酸エステル、有機ポリイソシアネート類、及び(C)少なくとも1個の水酸基を含有するポリエチレングリコール類からなる反応生成物である活性エネルギー線硬化性含水樹脂組成物が提案されている(特許文献1及び2)。
しかしながら、基材上に、水を含む塗布組成物を硬化して層を形成した場合、基材と硬化層との密着性が低いと耐擦傷性が低下する。物品の表面コーティングに最適なより高い耐擦傷性を有する塗布組成物が望まれている。
特開平6−271632号公報 特開平6−287260号公報
本発明の一側面は、耐擦傷性に優れ有機溶剤の使用量が低減された水中油(O/W)型エマルション塗布組成物の提供にある。本発明の他の側面は、該塗布組成物を硬化してなる層を有する積層体、該積層体を有する偏光板、並びに該積層体及び該偏光板を有する画像表示装置の提供にある。本発明の他の側面は、該塗布組成物を硬化してなる層を有する積層体の製造方法の提供にある。
本発明者らは、上述の課題を解消すべく鋭意検討した結果、下記構成とすることにより、前記課題を解決し目的を達成しうることを知見し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)水相及び油相を有する水中油(O/W)型エマルション塗布組成物であって、
(A)分子中に少なくとも3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する活性エネルギー線硬化性多官能(メタ)アクリレートと、
(B)有機溶剤とを油相に含み、該有機溶剤は100gの水に対する溶解度が30g以下であり、かつ基材を膨潤又は溶解させる性質を持つ有機溶剤である水中油(O/W)型エマルション塗布組成物。
(2)水相及び油相を有する水中油(O/W)型エマルション塗布組成物であって、
(A)分子中に少なくとも3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する活性エネルギー線硬化性多官能(メタ)アクリレートを油相に含み、
(B)分子中に少なくとも1個以上の(メタ)アクリロイル基を有し、かつ水100gに対する溶解性が3g以上である活性エネルギー線硬化性多官能(メタ)アクリレートを水相に含む水中油(O/W)型エマルション塗布組成物。
(3)水相及び油相を有する水中油(O/W)型エマルション塗布組成物であって、
(A)分子中に少なくとも3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する活性エネルギー線硬化性多官能(メタ)アクリレートを含むエマルションと、
(B)前記(A)のエマルションに含まれていない化合物を少なくとも1つ含むエマルションとを含む水中油(O/W)型エマルション塗布組成物。
(4)更に平均粒径1μm以上10μm以下の粒子を水相及び/又は油相に含む前記1〜3のいずれかに記載の塗布組成物。
(5)前記有機溶剤の沸点は75℃以上220℃以下である前記1〜4のいずれかに記載の塗布組成物。
(6)前記有機溶剤の割合は1重量%以上30重量%以下である前記1〜5のいずれかに記載の塗布組成物。
(7)更に光重合開始剤を水相及び/又は油相に含有する前記1〜6のいずれかに記載の塗布組成物。
(8)更にフッ素系及び/又はシリコーン系のレベリング剤を水相及び/又は油相に含有する前記1〜7のいずれかに記載の塗布組成物。
(9)透明支持体上に前記1〜8のいずれかに記載の塗布組成物を硬化してなる硬化層を有する積層体。
(10)前記9に記載の積層体が光学フィルム用又は反射防止フィルム用である積層体。
(11)偏光膜と、該偏光膜の両側に位置する保護フィルムとを有する偏光板であって、該保護フィルムの少なくとも一方が前記9又は10に記載の積層体である偏光板。
(12)前記9もしくは10に記載の積層体、又は前記11に記載の偏光板を有する画像表示装置。
(13)透明支持体上に塗布組成物を硬化してなる層を有する積層体の製造方法であって、前記1〜8のいずれかに記載の塗布組成物を塗布する工程と、乾燥する工程とを有する積層体の製造方法。
本発明によれば、耐擦傷性に優れ、有機溶剤の使用量が低減された水中油(O/W)型エマルション塗布組成物(好ましくは水中油(O/W)型エマルション含有硬化性塗布組成物、又は活性エネルギー線硬化性含水樹脂組成物)が提供できる。該塗布組成物を硬化してなる層を有する積層体(好ましくは光学フィルム用積層体(光学フィルム)又は反射防止フィルム用積層体(反射防止フィルム))が提供できる。
本発明によれば、耐擦傷性が良好である積層体を有する偏光板及び画像表示装置が作成できる。また本発明によれば、該塗布組成物を用いた積層体の製造方法、及び該塗布組成物を用いて製造された積層体が提供できる。
本発明の塗布組成物は、少量の、光学フィルムなどに好適な透明支持体を膨潤あるいは溶解させる性質を有する有機溶剤を含有するために、塗布組成物と透明支持体の界面混合が起こって透明支持体と塗布組成物が相互に浸透した状態になる。界面混合が起きた状態で塗布組成物を硬化して積層体を形成すると、積層体と透明支持体の界面は互いの分子鎖が絡まりあった状態となるため、密着性の良好な積層体が得られると考えられる。有機溶剤を含まない従来の塗布組成物では、透明支持体と塗布組成物の界面混合が起こらず、密着性が確保できないものと考えられる。
本発明の塗布組成物を硬化してなる層は、高い密着性を有するために、光学フィルム(ハードコートフィルム、防眩性フィルムや反射防止フィルム)などに好適に用いることができ、さらに高い耐擦傷性、かつ環境負荷が小さい利点を有する。
本明細書において、数値が物性値、特性値等を表す場合に、「(数値1)〜(数値2)」という記載は「(数値1)以上(数値2)以下」の意味を表す。また、本明細書において、「(メタ)アクリレート」との記載は、「アクリレート及びメタクリレートの少なくともいずれか」の意味を表す。「(メタ)アクリル酸」等も同様である。
以下に、水中油(O/W)型エマルション塗布組成物(本発明の塗布組成物と同義である
)及び積層体(本発明の積層体と同義である)について説明する。
<水中油(O/W)型エマルション塗布組成物>
本発明は、水相及び油相を有する水中油(O/W)型エマルション塗布組成物であって、
(A)分子中に少なくとも3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する活性エネルギー線硬化性多官能(メタ)アクリレートと、(B)有機溶剤とを油相に含み、該有機溶剤は100gの水に対する溶解度が30g以下であり、かつ基材を膨潤又は溶解させる性質を持つ有機溶剤である水中油(O/W)型エマルション塗布組成物に関する(以下、第1発明という)。
本発明の別の側面は、水相及び油相を有する水中油(O/W)型エマルション塗布組成物であって、
(A)分子中に少なくとも3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する活性エネルギー線硬化性多官能(メタ)アクリレートを油相に含み、
(B)分子中に少なくとも1個以上の(メタ)アクリロイル基を有し、かつ水100gに対する溶解性が3g以上である活性エネルギー線硬化性多官能(メタ)アクリレートを水相に含む水中油(O/W)型エマルション塗布組成物に関する(以下、第2発明という)。
本発明の別の側面は、水相及び油相を有する水中油(O/W)型エマルション塗布組成物であって、
(A)分子中に少なくとも3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する活性エネルギー線硬化性多官能(メタ)アクリレートを含むエマルションと、
(B)前記(A)のエマルションに含まれていない化合物を少なくとも1つ含むエマルションとを含む水中油(O/W)型エマルション塗布組成物に関する(以下、第3発明という)。
本発明の第1乃至第3発明において、更に平均粒径1μm以上10μm以下の粒子を水相及び/又は油相に含むことが好ましい。
本発明の第1乃至第3発明において、前記有機溶剤の沸点は75℃以上220℃以下であること、及び/又は有機溶剤の割合は1重量%以上30重量%以下であることが好ましい。
また、本発明の第1乃至第3発明において、更に光重合開始剤を水相及び/又は油相に含有することが好ましい。
さらに、本発明の第1乃至第3発明において、更にフッ素系及び/又はシリコーン系のレベリング剤を水相及び/又は油相に含有することが好ましい。
次に、本発明の塗布組成物に含まれる構成物について説明する。なお、特記しない限り構成物の説明は本発明の第1乃至第3発明に共通である。
本発明の塗布組成物は、水相及び油相とを有し、かつ水相に油滴(油相)が分散されたエマルション塗布組成物である。該塗布組成物の水相及び油相の比率は、水相が主成分であれば限定されないが、油相:10〜49重量%かつ水相:51〜90重量%が好ましく、油相:20〜49重量%かつ水相:51〜80重量%がより好ましく、油相:30〜49重量%かつ水相:51〜70重量%がさらに好ましい。
第3発明において、油相には、
(A)分子中に少なくとも3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する活性エネルギー線硬化性多官能(メタ)アクリレートを含むエマルションと、
(B)前記(A)のエマルションに含まれていない化合物を少なくとも1つ含むエマルションとが含まれる。
第3発明における(A)と(B)のエマルションの比率は、特に限定されないが、(A):(B)=10〜49重量%:51〜90重量%が好ましく、20〜49重量%:51〜80重量%がより好ましく、30〜49重量%:51〜70重量%がさらに好ましい。
通常の水相及び油相を有する水中油(O/W)型エマルション塗布組成物では、分子中に少なくとも3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する活性エネルギー線硬化性多官能(メタ)アクリレート及びその他油相に分散させる素材を予め混合した上でエマルション化して、水相及び油相を有する水中油(O/W)型エマルション塗布組成物が形成される。
しかし、事前に混合する素材の組み合わせにより重合が開始する恐れがあったり、エマルションの経時安定性を低下せしめるような場合には、それぞれの素材を混合せずにエマルション化した上でそれぞれのエマルションを混合することで、重合の開始やエマルションの安定性低下などを回避した水相及び油相を有する水中油(O/W)型エマルション塗布
組成物を得ることが可能となる。
(活性エネルギー線硬化性多官能(メタ)アクリレート)
本発明の塗布組成物は、活性エネルギー線硬化性多官能(メタ)アクリレートのエマルジョン化により作成する。活性エネルギー線硬化性多官能(メタ)アクリレートの具体的な例について次に説明する。
活性エネルギー線硬化性多官能(メタ)アクリレートとしては、
アルキレングリコールの(メタ)アクリル酸ジエステル類;ポリオキシアルキレングリコールの(メタ)アクリル酸ジエステル類;多価アルコールの(メタ)アクリル酸ジエステル類;エチレンオキシドあるいはプロピレンオキシド付加物の(メタ)アクリル酸ジエステル類;等を挙げることができる。
さらにはエポキシ(メタ)アクリレート類、ウレタン(メタ)アクリレート類、ポリエステル(メタ)アクリレート類も、光重合性多官能モノマーとして、好ましく用いられる。
中でも、1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能モノマーが好ましい。具体的には、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、1,2,4−シクロヘキサンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタグリセロールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、(ジ)ペンタエリスリトールトリアクリレート、(ジ)ペンタエリスリトールペンタアクリレート、(ジ)ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、(ジ)ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールトリアクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサトリアクリレート等が挙げられる。本明細書において、「(メタ)アクリレート」、「(メタ)アクリル酸」、「(メタ)アクリロイル」は、それぞれ「アクリレート又はメタクリレート」、「アクリル酸又はメタクリル酸」、「アクリロイル又はメタクリロイル」を表す。
本発明の塗布組成物において用いられる活性エネルギー線硬化性多官能(メタ)アクリレートとして、ウレタン(メタ)アクリレートも好適に用いうる。本発明の組成物におけるウレタン(メタ)アクリレートは、そのオリゴマーの主鎖に結合した(メタ)アクリロイル基を少なくとも3個以上含有していなければならず、4個以上含有することが好ましく、6個以上含有することがさらに好ましい。
ウレタン(メタ)アクリレート(B)の好ましい具体例としては、例えば、下記式(2)に示す化合物を挙げることができる。
−R−O−CO−NH−R−NH−CO−O−R−Y(2)
6は、2価の有機基であり、通常、分子量14から1万、好ましくは、分子量76から500の2価の有機基の中から選ばれる。
7、Rは、(r+1)価及び(s+1)価の有機基であり、好ましくは、鎖状、分岐状又は環状の飽和炭化水素基、不飽和炭化水素基の中から選ばれる。
Yは、活性ラジカル種の存在下、分子間架橋反応をする重合性不飽和基を分子中に有する1価の有機基を示す。また、r、sは、好ましくは、1〜20の整数であり、さらに好ましくは、1〜10の整数、特に好ましくは、1〜5の整数である。また、式中R7、R及びY、Yは同一でも異なってもよい。
本発明で用いるウレタン(メタ)アクリレートとしては、例えば、荒川化学工業(株)製 商品名:ビームセット102、502H、505A−6、510、550B、551B、575、575CB、サンノプコ(株)製 商品名:フォトマー6008、6210、新中村化学工業(株)製 商品名:NKオリゴU−2PPA、U−4HA、U−6HA、H−15HA、UA−32PA、U−324A、U−4H、U−6H、東亜合成(株)製 商品名:アロニックスM−1100、M−1200、M−1210、M−1310、M−1600、M−1960、共栄社化学(株)製 商品名:AH−600、AT606、UA−306H、日本化薬(株)製 商品名:カヤラッドUX−2201、UX−2301、UX−3204、UX−3301、UX−4101、UX−6101、UX−7101、日本合成化学工業(株)製 商品名:紫光UV−1700B、UV−3000B、UV−6100B、UV−6300B、UV−7000、UV−2010B、根上工業(株)製 商品名:アートレジンUN−1255、UN−5200、HDP−4T、HMP−2、UN−901T、UN−3320HA、UN−3320HB、UN−3320HC、UN−3320HS、H−61、HDP−M20、ダイセルユーシービー(株)製 商品名:Ebecryl 6700、204、205、220、254、1259、1290K、1748、2002、2220、4833、4842、4866、5129、6602、8301等を挙げることができる。
本発明の活性エネルギー線硬化性多官能(メタ)アクリレートとしては、各層の屈折率を制御するために、屈折率の異なるモノマーを用いることができる。特に高屈折率モノマーの例としては、ビス(4−メタクリロイルチオフェニル)スルフィド、ビニルナフタレン、ビニルフェニルスルフィド、4−メタクリロキシフェニル−4’−メトキシフェニルチオエーテル等が含まれる。また、例えば特開2005−76005号、同2005−36105号に記載されたデンドリマーや、例えば特開2005−60425号の各公報記載のようなノルボルネン環含有モノマーを用いることもできる。
(自己乳化型アクリレート)
本発明の塗布組成物に用いられる、少なくとも3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する活性エネルギー線硬化性多官能(メタ)アクリレートとして、自己乳化型のアクリレートも好適に用いることができる。自己乳化型のアクリレートは親水基と疎水基が分離した構造となっており、モノマーや乳化剤を必要とせずにエマルジョン化が可能である。親水基はイオンタイプとノニオンタイプがあり、分散安定性の観点からノニオンタイプが好ましい。ノニオンタイプはポリアルキレングリコール構造を有するものが好ましく、特にポリエチレングリコール構造を有するものがより好ましい。
(第2発明における(メタ)アクリレート)
第2発明において、(B)分子中に少なくとも1個以上の(メタ)アクリロイル基を有し、かつ水100gに対する溶解性が3g以上である活性エネルギー線硬化性多官能(メタ)アクリレートは水相に含まれる。該(メタ)アクリレートとしては、テトラエチレンオキサイドジ(メタ)アクリレート、ヘキサエチレンオキサイドジ(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキサイドジ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールとり(メタ)アクリレート、フェニルグリシジルエーテルエポキシ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルエポキシ(メタ)アクリレート、グリセリントリグリシジルエーテルエポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルエポキシ(メタ)アクリレート、などが挙げられる。
これら第2発明における(B)成分である(メタ)アクリレートの使用量は、(A)成分の総質量に対して、1〜30質量%が好ましく、更に好ましくは2〜20質量%である。この範囲の使用量では、支持体との密着性が良好で、ハードコート層自身の硬度も高く保つことができる。
ハードコート層の上に更にオーバーコート層を積層することは、膜硬度を更に高くすることができる点で好ましい。
オーバーコート層用の塗布組成物において用いられる素材としては、1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能モノマーが好ましい。具体的には、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、1,2,4−シクロヘキサンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタグリセロールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、(ジ)ペンタエリスリトールトリアクリレート、(ジ)ペンタエリスリトールペンタアクリレート、(ジ)ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、(ジ)ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールトリアクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサトリアクリレート等が挙げられる。
本明細書において、「(メタ)アクリレート」、「(メタ)アクリル酸」、「(メタ)アクリロイル」は、それぞれ「アクリレート又はメタクリレート」、「アクリル酸又はメタクリル酸」、「アクリロイル又はメタクリロイル」を表す。
オーバーコート層の塗布組成物において用いられる活性エネルギー線硬化性多官能(メタ)アクリレートとして、ウレタン(メタ)アクリレートも好適に用いうる。本発明の組成物におけるウレタン(メタ)アクリレートは、そのオリゴマーの主鎖に結合した(メタ)アクリロイル基を少なくとも3個以上含有していなければならず、4個以上含有することが好ましく、6個以上含有することがさらに好ましい。
ウレタン(メタ)アクリレート(B)の好ましい具体例としては、例えば、下記式(2)に示す化合物を挙げることができる。
式(2)
−R−O−CO−NH−R−NH−CO−O−R−Y
6は、2価の有機基であり、通常、分子量14から1万、好ましくは、分子量76から500の2価の有機基の中から選ばれる。
7、Rは、(r+1)価及び(s+1)価の有機基であり、好ましくは、鎖状、分岐状又は環状の飽和炭化水素基、不飽和炭化水素基の中から選ばれる。
Yは、活性ラジカル種の存在下、分子間架橋反応をする重合性不飽和基を分子中に有する1価の有機基を示す。また、r、sは、好ましくは、1〜20の整数であり、さらに好ましくは、1〜10の整数、特に好ましくは、1〜5の整数である。また、式中R7、R及びY、Yは同一でも異なってもよい。
本発明で用いるウレタン(メタ)アクリレートとしては、例えば、荒川化学工業(株)製 商品名:ビームセット102、502H、505A−6、510、550B、551B、575、575CB、サンノプコ(株)製 商品名:フォトマー6008、6210、新中村化学工業(株)製 商品名:NKオリゴU−2PPA、U−4HA、U−6HA、H−15HA、UA−32PA、U−324A、U−4H、U−6H、東亜合成(株)製 商品名:アロニックスM−1100、M−1200、M−1210、M−1310、M−1600、M−1960、共栄社化学(株)製 商品名:AH−600、AT606、UA−306H、日本化薬(株)製 商品名:カヤラッドUX−2201、UX−2301、UX−3204、UX−3301、UX−4101、UX−6101、UX−7101、日本合成化学工業(株)製 商品名:紫光UV−1700B、UV−3000B、UV−6100B、UV−6300B、UV−7000、UV−2010B、根上工業(株)製 商品名:アートレジンUN−1255、UN−5200、HDP−4T、HMP−2、UN−901T、UN−3320HA、UN−3320HB、UN−3320HC、UN−3320HS、H−61、HDP−M20、ダイセルユーシービー(株)製 商品名:Ebecryl 6700、204、205、220、254、1259、1290K、1748、2002、2220、4833、4842、4866、5129、6602、8301等を挙げることができる。
(粒子)
本発明の塗布組成物は、平均粒径1μm以上10μm以下の粒子(好ましくは透光性粒子)を含有する。防眩性(表面散乱性)・内部散乱性及び積層体硬度を、該塗布組成物を塗布して得られる積層体に付与するため、該塗布組成物に各種の粒子(以下、粒子という)を用いることができる。
本発明で使用される粒子は、一般に水に不溶性の有機化合物又は無機化合物の粒子である。粒子としては任意のものを使用でき、例えば米国特許第1,939,213号、同2,701,245号、同2,322,037号、同3,262,782号、同3,539,344号、同3,767,448号等の各明細書に記載の有機マット剤、同1,260,772号、同2,192,241号、同3,257,206号、同3,370,951号、同3,523,022号、同3,769,020号等の各明細書に記載の無機マット剤など写真感光材料業界で良く知られたものを用いることができる。
有機化合物の粒子の例としては、水分散性ビニル重合体の例としてポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、アクリロニトリル−α−メチルスチレン共重合体、ポリスチレン、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、ポリビニルアセテート、ポリエチレンカーボネート、ポリテトラフルオロエチレンなど、セルロース誘導体の例としてメチルセルロース、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネートなど、澱粉誘導体の例としてカルボキシ澱粉、カルボキシニトロフェニル澱粉、尿素−ホルムアルデヒド−澱粉反応物など、公知の硬化剤で硬化したゼラチン及びコアセルベート硬化して微少カプセル中空粒体とした硬化ゼラチンなどを好ましく用いることができる。
無機化合物の粒子の例としては、二酸化珪素、二酸化チタン、二酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、公知の方法で減感した塩化銀、同じく臭化銀、ガラス、珪藻土などを好ましく用いることができる。上記の粒子には必要に応じて異なる種類の物質を混合して用いることができる。粒子の大きさ、形状に特に限定はなく、任意の粒径のものを用いることができる。
本発明では、平均粒径1μm以上10μm以下の粒子を用いる。平均粒径は、より好ましくは1.25μm〜8.5μmである。また、粒子の粒径分布は狭くても広くても良い。サイズ分布の変動係数は50%以下であることが好ましく、より好ましくは40%以下、さらに好ましくは、30%以下である。ここで変動係数とは(粒径の標準偏差)/(粒径の平均値)×100%で表される値である。また、変動係数が小さい透光性粒子で平均粒径の比が3より大きいものを2種併用することも好ましい。
透光性粒子の平均粒径の測定方法は、粒子の平均粒径を測る測定方法であれば、任意の測定方法が適用できるが、好ましくは走査電子顕微鏡(倍率1000倍)で粒子の観察を行い、粒子100個を観察し、その平均値をもって平均粒子径とする方法である。
一方、(透光性)粒子は塗膜のヘイズ、表面光沢に大きく影響することから、透光性粒子作製時の条件調整又は複数の透光性粒子の混合により、粒径、形状及び粒径分布を必要に応じた状態にすることが好ましい。
本発明において、好ましい透光性粒子は、上記に挙げた有機化合物のようなポリマーからなるものである。特に、ガラス転移温度が、60℃以上150℃以下のポリマーであることが好ましい。より好ましくは、ガラス転移温度が、80℃以上130℃以下のポリマーである。
以下に、本発明で好ましく使用できる(透光性)粒子の例を示すが、本発明は以下の化合物に限定されるものではない。
M−1: ポリエチレン粒子 比重0.90(フロービーズLE−1080 住友精化(株)製)
M−2: ポリエチレン粒子 比重0.93(フロービーズEAー209 住友精化(株)製)
M−3: ポリエチレン粒子 比重0.96(フロービーズHE−3040 住友精化(株)製)
M−4: シリコーン粒子 比重0.97
M−5 シリコーン粒子 比重1.00(E701 東レダウシリコーン(株)製)
M−6: シリコーン粒子 比重1.03
M−7 ポリスチレン粒子 比重1.05(SB−6 積水化成品工業(株)製)
M−8: ポリ(St/MAA=97/3)共重合体粒子 比重1.05
M−9: ポリ(St/MAA=90/10)共重合体粒子 比重1.06
M−10: ポリ(St/MMA/MAA=50/40/10)共重合体粒子比重1.09
M−11 架橋ポリエチレン粒子 比重0.92
M−12: 架橋ポリエチレン粒子 比重0.95
M−13: 架橋ポリエチレン粒子 比重0.98
M−14: 架橋シリコーン粒子 比重0.99
M−15: 架橋シリコーン粒子 比重1.02
M−16: 架橋シリコーン粒子 比重1.04
M−17: ポリ(St/DVB=90/10)粒子 比重1.06(SX−713 綜研化学(株)製)
M−18: ポリ(St/DVB=80/20)粒子 比重1.06(SX−713 綜研化学(株)製)
M−19: ポリ(St/DVB=70/30)粒子 比重1.07(SX−713 綜研化学(株)製)
M−20: ポリ(St/MAA/DVB=87/3/10)共重合体粒子 比重1.06(SX−713α 綜研化学(株)製)
M−21: ポリ(St/MAA/DVB=80/10/10)共重合体粒子、比重1.07(SX−713α 綜研化学(株)製)
M−22: ポリ(St/MMA/MAA/DVB=40/40/10/10)共重合体粒子比重1.10
M−23:シリカ粒子(サイリシア435 富士シリシア(株)製)
M−24:アルミナ粒子
本発明において、(透光性)粒子の形状は、特に限定されないが、真球状粒子の他に、異形粒子(例えば、非真球状粒子、窪みのある粒子)といった形状の異なる(透光性)粒子を併用して用いてもよい。特に非真球状粒子の短軸を光拡散層の法線方向にそろえると、真球粒子に比べ、粒子径が小さなものが使用できるようになる。
本発明に用いられる粒子は、塗布組成物の全固形分中に5〜40質量%含有されるように配合されることが好ましい。より好ましくは5〜25質量%、更に好ましくは7〜20質量%である。添加効果の点で5質量%以上が好ましく、画像ボケや表面の白濁やギラツキ等の問題が生じにくい点で、40質量%以下が好ましい。
粒子は、1m 当たりの塗布量で示した場合、好ましくは1〜2500mg/m 、より好ましくは5〜2300mg/m の範囲で用いることが好ましい。
本発明に用いられる粒子として樹脂粒子を用いる場合、樹脂粒子の圧縮強度は4〜10kgf/mmが好ましく、4〜8kgf/mmがより好ましく、4〜6kgf/mmがさらに好ましい。この範囲であると膜硬度増加への寄与もあり、かつ脆性悪化による粒子破壊も起こりにくい。
圧縮強度は粒子径(粒径)が10%変形するときの圧縮強度をいう。粒径が10%変形するときの圧縮強度とは、粒子圧縮強度(S10強度)であり、島津製作所製微小圧縮試験機MCTW201を用いて樹脂粒子単体を1gfの荷重まで圧縮試験を行い、粒子径が
10%変形したときの荷重と圧縮前の粒子径とを次式に導入して得られる値である。
S10強度(kgf/mm)=2.8×荷重(kgf)/(π×粒子径(mm)×粒子径(mm))
本発明で用いられる粒子は、塗布組成物の水相及び/又は油相に分散することが好ましい。粒子を水側に分散する方法は、(a)粒子となるべきポリマーを溶液(例えば低沸点の有機溶媒に溶解)として、水性媒体中で乳化分散させてポリマーの液滴を得て、乳化物から低沸点有機溶媒を除去することにより、粒子の分散物を調製する方法、(b)予め粒子となるべきポリマーなどの粒子を用意しておき、水性媒体中でダマの発生がないように分散物を調製する方法の2通りの方法がある。本発明においては、環境に配慮し低沸点の有機溶媒を環境に排出しない(b)の方法が好ましい。
粒子を分散する方法は、水性溶媒中に予め分散助剤として、バインダーを含有する水性媒体を存在させ、公知の高速撹拌手段(例えば、ディスバー乳化機、ホモミキサー、タービンミキサー、ホモジナイザー)や超音波乳化機等を用い、機械的に分散することができる。分散に際しては、起泡を抑制するために、大気圧よりも減圧状態にて分散する手段を併用することもできる。使用する分散助剤は、予め水性媒体中に溶解してから、粒子を添加するのが一般的な方法であるが、予め粒子が重合によって得られた水分散物のままで(乾燥工程を経ることなしに)添加されても良い。分散助剤は、分散中に分散液に添加することもできる。また、分散後の物性の安定化のために、分散液に添加することもできる。いずれの場合も、溶媒(例えば、水・アルコールなど)を共存させるのが一般的である。分散前後又は分散中に、適当なpH調整剤によりpHコントロールしても良い。
機械的に分散する手段以外にも、pHをコントロールすることで、分散後の粒子分散物の安定性を増しても良い。また、分散には補助的に極少量の低沸点有機溶媒を使用しても良く、通常有機溶媒は、粒子化終了後除去される。
調製された分散物は、保存時の透光性粒子の沈降を抑える目的で、撹拌しながら保存したり、親水性コロイドにより粘性の高い状態(例えば、ゼラチンを使用しゼリー状態にする)で保存したりすることもできる。また、保存時の雑菌などの繁殖を防止する目的で、防腐剤を添加することが好ましい。
バインダーは、粒子に対して5質量%以上300質量%以下となるように添加し分散させることが好ましい。より好ましくは、10質量%以上200質量以下となるように添加する。
上記分散物は、界面活性剤を含有すると分散状態が安定するため、界面活性剤を添加することが好ましい。ここで使用する界面活性剤は、特に制限はないが、フッ素化合物であることが好ましい。
また、粒子を油相側に分散させるには、オイル、有機溶剤と混合させ、エマルジョンを製造することができる。塗布乾燥後の粒子の凝集・分散性を制御するために、粒子の表面状態の親疎水性(トルエン、メタノールでの凝集。分散性評価)とオイル中0〜20wt%疎水性ポリマー(例えばMw.75000 PMMAポリマー)を添加することで調節することができる。
また、本発明においては、バインダーと透光性粒子との屈折率の差(透光性粒子の屈折率−バインダーの屈折率)は、絶対値として好ましくは0.001〜0.030であり、より好ましくは0.001〜0.020、更に好ましくは0.001〜0.015である。この差が0.030を超えると、フィルム文字ボケ、暗室コントラストの低下、表面の白濁等の問題が生じる。
バインダーの屈折率は、アッベ屈折計で直接測定するか、分光反射スペクトルや分光エリプソメトリーを測定するなどして定量評価できる。前記透光性粒子の屈折率は、屈折率の異なる2種類の溶媒の混合比を変化させて屈折率を変化させた溶媒中に透光性粒子を等量分散して濁度を測定し、濁度が極小になった時の溶媒の屈折率をアッベ屈折計で測定することで測定される。
(有機溶剤)
本発明の塗布組成物では、水よりも乾燥が遅く、かつ水との溶解性が低い有機溶剤を少量用いることで、塗膜の強度や密着性を実用十分な程度に改良できる。塗布膜形成過程を説明すると、O/Wエマルション型の塗布組成物は基材に塗布後、乾燥過程でオイル成分であるアクリレートモノマーリッチな液滴相が合一、もしくは乳化破壊を起こし均一化することで層状の塗布膜が形成される。
この時、液滴の粘度が高かったり、開始剤などの少量成分が析出するなど、オイル相の均一化が不十分であると膜強度は低下する。同様に基材との濡れ性が不十分、不均一になると密着性が低下する。また、密着性向上に関しては基材成分と塗膜成分を相互に浸透した状態にさせる、いわゆる界面混合させることが効果的である。
本発明の塗布組成物では、水よりも乾燥タイミングの遅い有機溶剤を添加しているため、乾燥初期には水が優先的に蒸発し、すなわち塗布組成物中には有機溶剤が多く残存し、オイル成分をより均一化することができる。さらに使用する有機溶剤が基材を膨潤あるいは溶解するため、基材との界面混合がおこり、密着性を付与することができる。
本発明に使用する有機溶剤の沸点は、水よりも乾燥タイミングを遅らせるために、水の沸点とほぼ同等以上であることが好ましいが、高すぎると蒸発しきれず塗膜中に残存し返って膜強度を低下させてしまうため、75℃〜220℃が好ましく、90℃〜200℃が更に好ましく、100℃〜180℃が最も好ましい。
本発明の塗布組成物に使用する有機溶剤において、100gの水に対する有機溶剤の溶解度は、油相の分散安定性の点から0g以上30g以下であることが好ましく、0g以上20g以下であることがより好ましく、0g以上10g以下であることがさらに好ましい。また、本発明に使用する有機溶剤の塗布基材に対する溶解性は、基材表面を膨潤あるいは溶解させうる事が好ましい。従って、前述の条件を満たす溶剤の中から、基材の種類に適応したものを適宜選択すれば良い。
以上の点から、本発明に使用する有機溶剤として例えば次の化合物が挙げられるが、これに限定されるものではない。基材がトリアセチルセルロースの場合は、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、n−ブタノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、N−メチルピロリドンなどが挙げられる。アクリル系ポリマーの場合は、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、トルエン、キシレン、酢酸ブチル、(メタ)アクリル酸アルキルなどが挙げられる。ポリスチレンやSBRなどスチレン系ポリマーの場合は、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、トルエン、キシレン、酢酸ブチル、シクロヘキサン、スチレン、メチルスチレンなどが挙げられる。
また、ポリエチレンテテフタレートをはじめとするポリエステル系フィルムなど本質的に密着性を付与することが困難な基材に対しては、表面処理を施した上で溶剤種の検討をする事ができる。グロー放電、コロナ放電、プラズマ処理を行った表面に対しては、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、n−ブタノール、酢酸ブチルなどが好ましく、アクリル系樹脂やスチレン系樹脂などの接着層を設けた場合には、各々の接着層に適した溶剤を上述の中から選択することができる。
本発明の塗布組成物に使用する有機溶剤の組成比は、効果が見込める範囲で少ない方が安全性や環境配慮の点で好ましく、塗布組成物全体に対して1〜30質量%の範囲が好ましく、1〜20質量%がより好ましく、1〜15質量%がさらに好ましく、1〜10質量%が最も好ましい。
(分散剤)
本発明の塗布組成物における(A)成分及びその他添加剤の分散には、分散剤を用いることができる。分散剤を用いて分散することにより、分散物の安定性の向上、塗膜の均一性の向上などに効果がある。本発明において、分散剤は、好ましい第1の態様としてアニオン性基を有する分散剤、好ましい第2の態様としてアルキレンオキサイド等のノニオン性基を含有する分散剤を用いることができる。
アニオン性基を含有する分散剤について説明する。アニオン性基としては、カルボキシル基、スルホン酸基(スルホ)、リン酸基(ホスホノ)、スルホンアミド基等の酸性プロトンを有する基、又はその塩が有効であり、特にカルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基又はその塩が好ましく、カルボキシル基、リン酸基が特に好ましい。
アニオン性分散剤の中でも特に好ましい分散剤としては、ジアルキルスルホコハク酸塩を挙げることができる。塩の種類としてはリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩が挙げられる。アルキル基は炭素数3〜20の直鎖あるいは分岐したものが挙げられ、中でも炭素数5〜14のものが好ましく、2−エチルヘキシル基あるいはn−オクチル基が特に好ましい。
市販の分散剤としては、ホスファノール(PE−510,PE−610,LB−400,EC−6103,RE−410など;東邦化学工業(株)製、いずれも商品名)、Disperbyk(−110,−111,−116,−140,−161,−162,−163,−164,−164,−170,−171など;ビックケミー・ジャパン社製、いずれも商品名)、アジスパー(PA111など;味の素ファインテック(株)
製、商品名)などを用いることが好ましい。
分散剤は、さらに架橋又は重合性官能基を有することが好ましい。架橋又は重合性官能基としては、ラジカル種による付加反応・重合反応が可能なエチレン性不飽和基(例えば(メタ)アクリロイル基、アリル基、スチリル基、ビニルオキシ基等)、カチオン重合性基(エポキシ基、オキサタニル基、ビニルオキシ基等)、重縮合反応性基(加水分解性シリル基等、N−メチロール基)等が挙げられ、好ましくはエチレン性不飽和基を有する官能基である。市販の分散剤としては、KAYAMER PM−21(日本化薬(株)製)、M−5300(東亜合成(株))、例えばのAntox MS−60(日本乳化剤(株)製)や、アクアロンHS−10(第一工業製薬(株))、アクアロンKH−10(第一工業製薬(株))などが挙げられる。
分散剤の使用量は、分散物中の水及び揮発性有機溶媒を除いた成分の質量に対して、0.1〜50質量%の範囲であることが好ましく、1〜30質量%の範囲であることがより好ましく、2〜20質量%であることが最も好ましい。また、分散剤は2種類以上を併用してもよい。
(高分子分散剤)
本発明において、アニオン性基を有する分散剤の中で別の好ましい態様の1つとして、分散剤が共重合体であり、アニオン性基、及び架橋又は重合性官能基を有し、かつ該架橋又は重合性官能基を側鎖に有する高分子分散剤を挙げることができる。
高分子分散剤の質量平均分子量(Mw)は、特に限定されないが1000以上であることが好ましい。高分子分散剤のより好ましい質量平均分子量(Mw)は2000〜1000000であり、さらに好ましくは5000〜200000、特に好ましくは10000〜100000である。
アニオン性基、及び架橋又は重合性官能基を有し、かつ該架橋又は重合性官能基を側鎖に有する高分子分散剤は、上記アニオン性基を側鎖又は末端に有する。側鎖にアニオン性基を導入する方法としては、例えばアニオン性基含有モノマー(例えば(メタ)アクリル酸、マレイン酸、部分エステル化マレイン酸、イタコン酸、クロトン酸、2−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、2−スルホエチル(メタ)アクリレート、燐酸モノ−2−(メタ)アクリロイルオキシエチルエステル等を重合させる方法、水酸基、アミノ基等を有するポリマーに対して酸無水物を作用させる方法等の高分子反応の利用によって合成できる。
側鎖にアニオン性基を有する高分子分散剤において、アニオン性基含有重合単位の組成は、全重合単位のうちの10-4〜100モル%の範囲であり、好ましくは1〜50モル%、特に好ましくは5〜20モル%である。
一方、末端にアニオン性基を導入する手法としては、アニオン性基含有連鎖移動剤(例えばチオグリコール酸等)の存在下で重合反応を行う手法、アニオン性基含有重合開始剤(例えば和光純薬工業製V−501、商品名)を用いて重合反応を行う手法等によって合成できる。特に好ましい高分子分散剤は側鎖にアニオン性基を有する高分子分散剤である。
架橋又は重合性官能基としては、ラジカル種による付加反応・重合反応が可能なエチレン性不飽和基(例えば(メタ)アクリロイル基、アリル基、スチリル基、ビニルオキシ基等)、カチオン重合性基(エポキシ基、オキサタニル基、ビニルオキシ基等)、重縮合反応性基(加水分解性シリル基等、N−メチロール基)等が挙げられ、好ましくはエチレン性不飽和基を有する基である。
1分子当たりの高分子分散剤に含有される架橋又は重合性官能基の数は、平均で2個以上であることが好ましく、より好ましくは5個以上、特に好ましくは10個以上である。高分子分散剤に含有される架橋又は重合性官能基は、1分子中に複数種類が含有されていてもよい。
本発明における好ましい高分子分散剤において、側鎖にエチレン性不飽和基を有する重合単位の例としては、ポリ−1,2−ブタジエン及びポリ−1,2−イソプレン構造あるいは、(メタ)アクリル酸のエステル又はアミドの重合単位であって、それに特定の残基(−COOR又はCONHRのR基)が結合しているものが利用できる。上記特定の残基(R基)の例としては、-(CH2)n-CR1=CR2R3、-(CH2O)n-CH2CR1=CR2R3、-(CH2CH2O)n-CH2CR1=CR2R3、-(CH2)n-NH-CO-O-CH2CR1=CR2R3、-(CH2)n-O-CO-CR1=CR2R3及び(CH2CH2O)2-X(R1〜R3はそれぞれ、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数が1〜20のアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基であり、R1とR2又はR3は互いに結合して環を形成してもよく、nは1〜10の整数であり、そしてXはジシクロペンタジエニル残基である)を挙げることができる。
エステル残基のRの具体例には、-CH2CH=CH2、-CH2CH2O-CH2CH=CH2、-CH2CH2OCOCH=CH2、-CH2CH2OCOC(CH3)=CH2、-CH2C(CH3)=CH2、-CH2CH=CH-C6H5、-CH2CH2OCOCH=CH-C6H5、-CH2CH2-NHCOO-CH2CH=CH2及びCH2CH2O-X(Xはジシクロペンタジエニル残基)が含まれる。アミド残基の具体例には、-CH2CH=CH2、-CH2CH2-Y(Yは1−シクロヘキセニル残基)及びCH2CH2-OCO-CH=CH2、-CH2CH2-OCO-C(CH3)=CH2が含まれる。
上記のエチレン性不飽和基を有する高分子分散剤においては、その不飽和結合基にフリーラジカル(重合開始ラジカル又は重合性化合物の重合過程の生長ラジカル)が付加し、分子間で直接、又は重合性化合物の重合連鎖を介して付加重合して、分子間に架橋が形成されて硬化する。あるいは、分子中の原子(例えば不飽和結合基に隣接する炭素原子上の水素原子)がフリーラジカルにより引き抜かれてポリマーラジカルが生成し、それが互いに結合することによって、分子間に架橋が形成されて硬化する。
側鎖に架橋又は重合性官能基を導入する方法は、例えば特開平3−249653号公報等に記載のごとく架橋又は重合性官能基含有モノマー(例えばアリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、トリアルコキシシリルプロピルメタクリレート等)の共重合、ブタジエンあるいはイソプレンの共重合、3−クロロプロピオン酸エステル部位を有するビニルモノマーの共重合を行った後に脱塩化水素を行う方法、高分子反応による架橋又は重合性官能基の導入(例えばカルボキシル基含有ポリマーへのエポキシ基含有ビニルモノマーの高分子反応)等によって合成することができる。
架橋又は重合性官能基の含有単位は、アニオン性基含有重合単位以外の全ての重合単位を構成していてもよいが、好ましくは全架橋又は重合単位のうちの5〜50モル%であり、特に好ましくは5〜30モル%である。
本発明における好ましい高分子分散剤は、架橋又は重合性官能基、アニオン性基を有するモノマー以外の適当なモノマーとの共重合体であっても良い。共重合成分に関しては特に限定はされないが、分散安定性、他のモノマー成分との相溶性、形成皮膜の強度等種々の観点から選択される。好ましい例としては、メチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、シクロへキシル(メタ)アクリレート、スチレン等が挙げられる。
本発明における好ましい高分子分散剤の形態は特に制限はないが、ブロック共重合体又はランダム共重合体であることが好ましく、コスト及び合成的な容易さからランダム共重合体であることが特に好ましい。
以下に、本発明における好ましい高分子分散剤の具体例を示すが、これらに限定されるものではない。なお具体例は、ブロック共重合体、グラフト共重合体、及び、ランダム共重合体の各共重合体において適用できる。
Figure 2007321143
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高分子分散剤の使用量は、分散物中の水及び揮発性有機溶媒を除いた成分の質量に対して、0.1〜50質量%の範囲であることが好ましく、1〜30質量%の範囲であることがより好ましく、2〜20質量%であることが最も好ましい。また、分散剤は2種類以上を併用してもよい。
(アルキレンオキサイド等のノニオン性基を含有する分散剤)
次に、本発明の分散剤の好ましい第2の態様である、アルキレンオキサイド等のノニオン性基を含有する分散剤について説明する。
本発明において、アルキレンオキサイド等のノニオン系界面活性部位を含有する分散剤の例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなどのノニオン系化合物を挙げることができる。また、ノニオン系化合物に更にアニオン性基を有する化合物も用いることができ、例えば、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル塩などの化合物を挙げることができる。全質量のうちアルキレンオキサイド基が占める質量の割合は、50%以上100%以下が好ましく、更に好ましくは70%以上95%以下である。この範囲にあることで、安定なO/W型エマルションが形成できる。
本発明において、ノニオン性界面活性基を有する分散剤には、その分子中に更にアクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、プロペニル基などのエチレン性不飽和基を有するものが塗膜の強度向上の点で好ましい。そのような化合物としては例えば、アクアロンRN−50(反応性乳化剤、第一工業製薬(株)製)、アクアロンRN−30(反応性乳化剤、第一工業製薬(株)製)、アデカリアソープNE−5(反応性乳化剤、旭電化工業(株)製)、アデカリアソープNE−10(反応性乳化剤、旭電化工業(株)製)、アデカリアソープNE−20(反応性乳化剤、旭電化工業(株)製)、アデカリアソープNE−30(反応性乳化剤、旭電化工業(株)製)、アデカリアソープNE−40(反応性乳化剤、旭電化工業(株)製)などが挙げられる。
エチレン性不飽和基を有さないものとしては、例えば、プルロニックF68(旭電化工業(株)製)、ノイゲンTDS−120(第一工業製薬(株)製)、ノイゲンXL−160(第一工業製薬(株)製)、DKS NL−350(第一工業製薬(株)製)などが挙げられる。
分散剤は、単独でも2種類以上を併用しても良い。分散剤の使用量は、分散物中の水及び揮発性有機溶媒を除いた成分の質量に対して、0.1〜50質量%の範囲であることが好ましく、1〜30質量%の範囲であることがより好ましく、2〜20質量%であることが最も好ましい。また、分散剤は2種類以上を併用してもよい。ノニオン系分散剤を使用する場合には、上述のアニオン系分散剤を併用する方がより好ましい。アニオン系分散剤の併用量としては、分散物中の水及び揮発性有機溶媒を除いた成分の質量に対して、0.1〜20質量%の範囲であることが好ましく、1〜150質量%の範囲であることがより好ましく、1〜8質量%であることが最も好ましい。
(光重合開始剤)
本発明の塗布組成物では、更に光重合開始剤を水相及び/又は油相に含有することが好ましい。光重合開始剤としては、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類、アゾ化合物、過酸化物類(特開2001−139663号等)、2,3−ジアルキルジオン化合物類、ジスルフィド化合物類、フルオロアミン化合物類、芳香族スルホニウム類、ロフィンダイマー類、オニウム塩類、ボレート塩類、活性エステル類、活性ハロゲン類、無機錯体、クマリン類などが挙げられる。
アセトフェノン類の例には、2,2−ジメトキシアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノン、1−ヒドロキシ−ジメチルフェニルケトン、1−ヒドロキシ−ジメチル−p−イソプロピルフェニルケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−4−メチルチオ−2−モルフォリノプロピオフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、が含まれる。
活性ハロゲン類としては、具体的には、若林 等の“Bull Chem.Soc Japan”42巻、2924頁(1969年)、米国特許第3,905,815号明細書、特開平5−27830号、M.P.Hutt“Jurnal of Heterocyclic Chemistry”1巻(3号),(1970年)等に記載の化合物が挙げられ、特に、トリハロメチル基が置換したオキサゾール化合物:s−トリアジン化合物が挙げられる。より好適には、少なくとも一つのモノ、ジ又はトリハロゲン置換メチル基がs−トリアジン環に結合したs−トリアジン誘導体が挙げられる。具体的な例にはS−トリアジンやオキサチアゾール化合物が知られており、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−s−トリアジン、2−(p−スチリルフェニル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−s−トリアジン、2−(3−Br−4−ジ(エチル酢酸エステル)アミノ)フェニル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−s−トリアジン、2−トリハロメチル−5−(p−メトキシフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールが含まれる。具体的には特開昭58−15503のp14〜p30、特開昭55−77742のp6〜p10、特公昭60−27673のp287記載のNo.1〜No.8、特開昭60−239736のp443〜p444のNo.1〜No.17、US−4701399のNo.1〜19などの化合物が特に好ましい。
上記活性ハロゲン類の具体例は以下の通りである。
UVI−1
Figure 2007321143
UVI−2
Figure 2007321143
UVI−3
Figure 2007321143
光重合開始剤の分子量は、200以上10000以下であり、好ましくは250以上5000以下であり、より好ましくは350以上3000以下である。
本発明において、分子量が高く、かつ塗膜から揮散しにくい化合物としては、オリゴマー型の重合開始剤が好ましい。オリゴマー型放射線重合開始剤としては、放射線照射により光ラジカルを発生する部位を有するものであれば、特に制限はない。該重合開始剤の分子量は250以上10,000以下が好ましく、更に好ましくは350以上5,000以下である。質量平均分子量が250以上であれば、揮散性が小さいので好ましく、10,000以下であれば、得られる硬化塗膜の硬度が十分なものとなるので好ましい。オリゴマー型放射線重合開始剤の具体例としては、下記一般式(5)に示すオリゴ[2−ヒドロキシ−2−メチル−1−{4−(1−メチルビニル)フェニル}プロパノン]を挙げることができる。
一般式(5):
Figure 2007321143
上記一般式(5)中、R51は、一価の基、好ましくは一価の有機基、qは2〜45の整数をそれぞれ示す。
上記一般式(5)に示すオリゴ[2−ヒドロキシ−2−メチル−1−{4−(1−メチルビニル)フェニル}プロパノン]の市販品としては、フラテツリ・ランベルティ社製商品名「エザキュアKIP150」(CAS−No.163702−01−0、q=4〜6)、「エザキュアKIP65LT」(「エザキュアKIP150」とトリプロピレングリコールジアクリレートの混合物)、「エザキュアKIP100F」(「エザキュアKIP150」と2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンの混合物)、「エザキュアKT37」、「エザキュアKT55」(以上、「エザキュアKIP150」とメチルベンゾフェノン誘導体の混合物)、「エザキュアKTO46」(「エザキュアKIP150」、メチルベンゾフェノン誘導体、及び2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドの混合物)、「エザキュアKIP75/B」(「エザキュアKIP150」と2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1オンの混合物)等を挙げることができる。
本発明では、光重合開始剤の熱的安定性が高いことが好ましい。熱的安定性が高いと、塗膜を硬化させる前に加熱工程を設け、残存する水の除去を強化する場合にも重合開始剤の分解が少なく好ましい。熱的安定性の高い化合物としては、例えば、特開2005−314633号公報に記載の7員環イミド構造を有する光重合開始剤や特開2005−314634号公報に記載の5員環イミド構造を有する光重合開始剤を挙げることができる。耐熱性評価は差動型示差熱天秤(製品名:TG8120、(株)リガク製)を用いて、窒素雰囲気下、10℃/minの昇温速度で、5%重量減少温度を測定することで導出できる。5%重量減少温度が200℃以上であることが好ましく、250℃以上であることがより好ましく、300℃以上であることが最も好ましい。
光重合開始剤は、単独でも混合して用いても良い。「最新UV硬化技術」,(株)技術情報協会,1991年,p.159、及び、「紫外線硬化システム」加藤清視著、平成元年、総合技術センター発行、p.65〜148にも種々の例が記載されており本発明に有用である。
市販されている光重合開始剤の例としては、日本化薬(株)製のKAYACURE(DETX−S,BP−100,BDMK,CTX,BMS,2−EAQ,ABQ,CPTX,EPD,ITX,QTX,BTC,MCAなど)、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製のイルガキュア(651,184,500,819,907,369,1173,1870,2959,4265,4263など)、サートマー社製のEsacure(KIP100F,KB1,EB3,BP,X33,KT046,KT37,KIP150,TZT)等及びそれらの組み合わせが挙げられる。
光重合開始剤は、本発明の塗布組成物における(A)に含まれる、少なくとも3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する活性エネルギー線硬化性多官能(メタ)アクリレート100質量部に対して、0.1〜15質量部の範囲で使用することが好ましく、より好ましくは1〜10質量部の範囲である。
本発明においては、分散物を塗布し乾燥する過程で残存する水を減少させるために、加熱工程を設けることが好ましい。この際、耐熱性や耐揮散性の重合開始剤を用いることが好ましい。揮散性は、光重合開始剤の分子量が大きいほうが小さくなるため、分子量の高い光重合開始剤を併用することが好ましい。光重合開始剤の分子量は200以上10000以下が好ましく、更に好ましくは250以上5000以下、最も好ましくは350以上3000以下である。分子量の高い光重合開始剤を併用する場合、重合性化合物に対して0.1〜10質量部が好ましく、更に好ましくは1〜8質量部である。
本発明においては、光重合開始剤の親疎水性の異なるものを併用することができる。親水性の高い光重合開始剤を一部併用することで、分散された重合性成分の分散物の表面付近に重合開始剤が偏在し、界面での結合性不良を改良することができる。
(増粘剤)
本発明の塗布組成物は、増粘剤を含有してもよい。増粘剤を添加したとき、塗布工程及び乾燥工程において、隣接層との混合を起こしにくく所望の組成が形成できること、面状故障が良化するなどの効果があるため好ましい。
本発明では、増粘剤として、水溶性ポリマー又はポリマーの水分散物を利用することが好ましく、天然物でも合成ポリマーのいずれも良好に利用できる。
水溶性ポリマーは、天然物として具体的には、デンプン類(コーンスターチ、デンプンなど)、海藻(寒天、アルギン酸ソーダなど)、植物性粘着物(アラビアゴムなど)、動物性タンパク(にかわ、カゼイン、ゼラチン、卵白など)、発酵粘着物(プルラン、デキストリンなど)などであり、半合成ポリマーであるデンプン質(可溶性デンプン、カルボキシルデンプン、デキストランなど)、セルロース類(ビスコース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなど)も挙げられ、更に合成ポリマー(ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルエーテル、ポリエチレンイミン、ポリスチレンスルフォン酸又はその共重合体、ポリビニルスルファン酸又はその共重合体、ポリアクリル酸又はその共重合体、アクリル酸又はその共重合体等、マレイン酸共重合体、マレイン酸モノエステル共重合体、アクリロイルメチルプロパンスルホン酸又はその共重合体、など)などが含まれる。
ポリマーの水分散物は、アクリル系ポリマーの水分散液、合成ゴム系(例えばスチレン−ブタジエン共重合体)ポリマーの水分散液、ポリエーテル系ポリマーの水分散液、ポリウレタン系ポリマーの水分散液などが含まれる。
エマルジョンの安定性を損なわせないために、塩類の含有量が少ない方が好ましく、上記増粘剤の中でも、本発明の増粘剤として好ましく用いられるものは、水溶性ポリマーであって、さらに非イオン性のポリマーであることが好ましい。
水溶性ポリマーは、合成物として具体的には、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルエーテル、ポリエチレンイミン、ポリスチレンスルフォン酸又はその共重合体、ポリビニルスルファン酸又はその共重合体、ポリアクリル酸又はその共重合体、アクリル酸又はその共重合体等、マレイン酸共重合体、マレイン酸モノエステル共重合体、アクリロイルメチルプロパンスルホン酸又はその共重合体、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのアルカリ金属塩、カルボキシメチル−ヒドロキシエチルセルロースなどを挙げることができる。これらの化合物は、「新・水溶性ポリマーの応用と市場((株)シーエムシー発行、長友新治編集、1988年11月4日発行)」に詳細に記載されている。
これらの中では特に、ポリビニルアルコール誘導体及びセルロース誘導体から選ばれる水溶性ポリマーがより好ましい。
ポリビニルアルコール誘導体は、ビニルアルコールの数平均重合度が200以上5000以下であることが好ましい。さらに好ましくは、数平均重合度が1000以上4000以下の場合である。ポリビニルアルコール誘導体の数平均重合度が少なくなった場合は、塗布液の粘度調整において、塗布液に好適な粘度を得ることが難しくなる。また、数平均重合度が多くなった場合は、塗布液に加えることで固体分散物やエマルジョンが凝集を起こすことがある。
本発明に用いるポリビニルアルコール誘導体は、そのケン化度が80モル%以上100モル%以下であることが好ましい。ケン化度が小さくなった場合は、塗布液に添加するための水溶液の濃度が低くなり所望する塗布液の粘度が得られなかったり、塗布液に添加した際に固体分散物やエマルジョンが凝集したりすることがある。
本発明に用いる塗布液に添加するポリビニルアルコール誘導体は、溶液の形態、特に水溶液であることが好ましい。塗布液への粉体での添加は、いわゆるママコを生じ塗布物の面状を悪化させる可能性がある。水溶液の濃度は、1質量%以上20質量%以下であることが好ましい。この場合の水溶液とは、水の濃度が溶媒全質量比70%以上100%以下のものを指す。水溶液の濃度が小さくなった場合は、塗布液の粘度が十分でなくなり、結果として塗布物の面状が平滑でなくなる可能性がある。
水溶液の濃度が大きくなった場合は、ポリビニルアルコール誘導体が塗布液作製時に固体分散物やエマルジョンと強く相互作用し、凝集沈殿を引き起こす可能性があり、このような塗布液の場合は、塗布物の面状にいわゆるブツが発生することがある。またポリビニルアルコール誘導体の水に対する溶解度の関係より、作製した溶液にポリビニルアルコール誘導体の固体が残存する可能性がある。この場合、残存した固体が塗布物の面状を悪化させたり、塗布時に行われるろ過のパフォーマンスを悪化させたりすることがある。溶液中に残存した固体を除去するには、塗布液に添加する前にろ過を行うことが好ましい。なお、ポリビニルアルコール類の具体例は、後述するポリビニルアルコール類の説明のものを挙げることができる。
本発明に用いるポリビニルアルコール誘導体水溶液の溶解温度は、60℃以上100℃以下であることが望ましい。さらに望ましくは70℃以上である。ポリビニルアルコール誘導体の溶解温度が低くなった場合は、溶液中にポリビニルアルコールの固体が残存する可能性がある。この場合、溶け残ったポリビニルアルコール誘導体が塗布物の面状を悪化させたり、塗布時に行われるろ過のパフォーマンスを悪化させたりすることがある。また溶解温度が100℃を越えるような高温の場合は、その溶液の溶媒成分にもよるが、本発明で使用する水溶液の場合は、水の沸点が100℃であるために、高圧蒸気釜等、特殊な施設を必要とする。これは、水溶液の製造工程でのコストを押し上げる可能性があるため好ましくない。
ポリビニルアルコール誘導体水溶液の粘度は25℃、5質量%で150cP〜250cPであることが好ましい。
増粘剤としての水溶性ポリマーの使用量は、塗布液に添加した時に粘度が適当な範囲にまで上昇すれば特に限定されない。一般には液中の濃度が0.01質量%〜30質量%である、より好ましくは0.05質量%〜20質量%であり、特に好ましくは0.1質量%〜10質量%である。これらによって得られる粘度は、初期の粘度からの上昇分として1cP〜200cpが好ましく、より好ましくは5cP〜100cpである。なお、測定に当たってはB型回転粘度計を用いて25℃で測定した値を示す。塗布液などへの添加に当たっては、一般に増粘剤はできるだけ希薄溶液で添加することが望ましい。また添加時は十分な攪拌を行うことが好ましい。
本発明の塗布組成物では、塗布助剤、帯電防止剤、スベリ性改良、乳化分散、接着防止等種々の目的で、種々の界面活性剤を含んでもよい。
(界面活性剤)
本発明の塗布組成物に用いることができる界面活性剤としては特に限定されない。好ましい界面活性剤として、例えば、サポニン(ステロイド系)、アルキレンオキサイド誘導体(例えばポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコール縮合物、ポリエチレングリコールアルキルアリールエーテル類、ポリエチレングリコールエステル類、ポリエチレングリコールソルビタンエステル類、ポリアルキレングリコールアルキルアミン又はアミド類、シリコーンのポリエチレンオキサイド付加物類)、グリシドール誘導体(例えばアルケニルコハク酸ポリグリセリド、アルキルフェノールポリグリセリド)、多価アルコールの脂肪酸エステル類、糖のアルキルエステル類などの非イオン性界面活性剤;アルキルカルボン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル類、アルキルリン酸エステル類、N−アシル−N−アルキルタウリン類、スルホコハク酸エステル類、スルホアルキルポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル類などのような、カルボキシ基、スルホ基、ホスホ基、硫酸エステル基、リン酸エステル基等の酸性基を含むアニオン性界面活性剤;アミノ酸類、アミノアルキルスルホン酸類、アミノアルキル硫酸又はリン酸エステル類、アルキルベタイン類、アミンオキシド類などの両性界面活性剤;アルキルアミン塩類、脂肪族或いは芳香族第4級アンモニウム塩類、ピリジニウム、イミダゾリウムなどの複素環第4級アンモニウム塩類、及び脂肪族又は複素環を含むホスホニウム又はスルホニウム塩類などのカチオン界面活性剤などを用いることができる。また、特開平2−18542合公報第4頁左上欄5行目から同右下欄9行目や大日本インキ化学工業株式会社製 F410,F411、F443,F445,F470,F479などのF系界面活性剤や信越化学工業株式会社製KF640、KF642、KF643、GE東芝シリコーン製YF3842などのシリコーン系界面活性剤を用いると優れたレベリング性を発揮することができる。
界面活性剤の使用量は塗布組成物100重量部あたり、0.01〜1重量部あればよいが、より好ましくは0.01〜0.5重量部、さらに好ましくは0.01〜0.1重量部である。界面活性剤は2種類以上混合しても良い。
<積層体>
本発明の積層体(フィルム)は、透明支持体上に本発明の塗布組成物を硬化してなる硬化層を有する積層体である。該積層体は、光学フィルム用積層体(光学フィルム)、又は反射防止フィルム用積層体(反射防止フィルム)であることが好ましい。
(本発明のフィルムの層構成)
本発明のフィルムの層構成は、透明支持体上に本発明の塗布組成物を硬化してなる硬化層を有する積層構造であれば特に限定されないが、下記の層構成が例示できる。本発明の塗布組成物を塗布して得られる塗膜は、分子中に少なくとも3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する活性エネルギー線硬化性多官能(メタ)アクリレートを含むために、ハードコート層として好適に使用することができる。
a.透明支持体/ハードコート層
b.透明支持体/ハードコート層/低屈折率層(図1)
c.透明支持体/ハードコート層/高屈折率層/低屈折率層(図2)
d.透明支持体/ハードコート層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層(図3)
b(図1)のように、透明支持体上にハードコート層を塗布した上に、低屈折率層を積層すると、反射防止フィルムとして好適に用いることができる。低屈折率層はハードコート層の上に低屈折率層4を光の波長の1/4前後の膜厚で形成することにより、薄膜干渉の原理により表面反射を低減することができる。
c(図2)のように透明支持体上にハードコート層を塗布した上に、高屈折率層、低屈折率層を積層しても反射防止フィルムとして好適に用いることができる。さらに、d(図3)のように透明支持体、ハードコート層、中屈折率層、高屈折率層、そして低屈折率層の順序の層構成を設置することにより、反射率を1%以下とすることができる。
aないしdの構成において、ハードコート層(2)は防眩性を有する防眩層とすることができる。防眩性は図4に示されるようなマット粒子の分散によるものでも、図5に示されるようなエンボス加工などの方法による表面の賦形によって形成されてもよい。マット粒子の分散によって形成される防眩層は、バインダーとバインダー中に分散された透光性粒子とからなる。防眩性を有する防眩層は、好ましくは防眩性とハードコート性を兼ね備えており、複数層、例えば2層〜4層で構成されていてもよい。
また透持体とそれよりも表面側の層の間あるいは最表面に設けても良い層として、干渉ムラ(虹ムラ)防止層、帯電防止層(ディスプレイ側からの表面抵抗値を下げる等の要求がある場合、表面等へのゴミつきが問題となる場合)、別のハードコート層(1層のハードコート層ないし防眩層だけで硬度が不足する場合)、ガスバリアー層、水吸収層(防湿層)、密着改良層、防汚層(汚染防止層)、等が挙げられる。
本発明における反射防止層を有する防眩性反射防止フィルムを構成する各層の屈折率は以下の関係を満たすことが好ましい。
ハードコート層の屈折率>透明支持体の屈折率>低屈折率層の屈折率
(低屈折率層)
本発明のフィルムは、反射率を低減するため、低屈折率層を使用しても良い。低屈折率層の屈折率は、1.20〜1.46であることが好ましく、1.25〜1.46であることがより好ましく、1.30〜1.46であることが特に好ましい。低屈折率層の厚さは、50〜200nmであることが好ましく、70〜100nmであることがさらに好ましい。低屈折率層のヘイズは、3%以下であることが好ましく、2%以下であることがさらに好ましく、1%以下であることが最も好ましい。具体的な低屈折率層の強度は、500g荷重の鉛筆硬度試験でH以上であることが好ましく、2H以上であることがさらに好ましく、3H以上であることが最も好ましい。
本発明のフィルムの防汚性能を改良するために、低屈折率層表面の水に対する接触角が90度以上であることが好ましい。更に好ましくは95度以上であり、特に好ましくは100度以上である。
低屈折率層の塗布組成物は、(A)前記含フッ素ポリマー、(B)無機粒子、(C)オルガノシラン化合物を含有することが好ましい。
低屈折率層には、無機粒子を分散・固定するためにバインダーが用いられる。バインダーとしては、前記ハードコート層で述べたバインダーを用いることができるが、バインダー自身の屈折率の低い含フッ素ポリマー、あるいは含フッ素ゾルゲル素材などを用いることが好ましい。含フッ素ポリマーあるいは含フッ素ゾルゲルとしては、熱又は電離放射線により架橋し、形成される低屈折率層表面の動摩擦係数0.03〜0.30であり、水に対する接触角85〜120°となる素材が好ましい。
<透明支持体>
本発明のフィルムの透明支持体としては、本発明の有機溶剤により膨潤あるいは溶解されうる性質を持つ透明媒体であれば、透明樹脂フィルム、透明樹脂板、透明樹脂シートや透明ガラスなど、特に限定は無い。透明樹脂フィルムとしては、セルロースアシレートフィルム(例えば、セルローストリアセテートフィルム(屈折率1.48)、セルロースジアセテートフィルム、セルロースアセテートブチレートフィルム、セルロースアセテートプロピオネートフィルム)、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリアクリル系樹脂フィルム、ポリウレタン系樹脂フィルム、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、(メタ)アクリルニトリルフィルム等が使用できる。
透明支持体の厚さは通常25μm〜1000μm程度のものを用いることができるが、好ましくは25μm〜250μmであり、30μm〜90μmであることがより好ましい。
透明支持体の巾は任意のものを使うことができるが、ハンドリング、得率、生産性の点から通常は100〜5000mmのものが用いられ、800〜3000mmであることが好ましく、1000〜2000mmであることがさらに好ましい。
透明支持体の表面は平滑であることが好ましく、平均粗さRaの値が1μm以下であることが好ましく、0.0001〜0.5μmであることが好ましく、0.001〜0.1μmであることがさらに好ましい。
(セルロースアシレートフィルム)
上記各種フィルムの中でも、透明性が高く、光学的に複屈折が少なく、製造が容易であり、偏光板の保護フィルムとして一般に用いられているセルロースアシレートフィルムが好ましい。
セルロースアシレートフィルムについては力学特性、透明性、平面性などを改良する目的のため、種々の改良技術が知られており、公開技報2001−1745に記載された技術は公知のものとして本発明のフィルムに用いることができる。
本発明ではセルロースアシレートフィルムの中でもセルローストリアセテートフィルムが特に好ましく、セルロースアシレートフィルムに酢化度が59.0〜61.5%であるセルロースアセテートを使用することが好ましい。酢化度とは、セルロース単位質量当たりの結合酢酸量を意味する。酢化度は、ASTM:D−817−91(セルロースアセテート等の試験法)におけるアセチル化度の測定及び計算に従う。
セルロースアシレートの粘度平均重合度(DP)は、250以上であることが好ましく、290以上であることがさらに好ましい。
また、本発明に使用するセルロースアシレートは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるMw/Mn(Mwは質量平均分子量、Mnは数平均分子量)の値が1.0に近いこと、換言すれば分子量分布が狭いことが好ましい。具体的なMw/Mnの値としては、1.0〜1.7であることが好ましく、1.3〜1.65であることがさらに好ましく、1.4〜1.6であることが最も好ましい。
一般に、セルロースアシレートの2,3,6の水酸基は全体の置換度の1/3づつに均等に分配されるわけではなく、6位水酸基の置換度が小さくなる傾向がある。本発明ではセルロースアシレートの6位水酸基の置換度が、2,3位に比べて多いほうが好ましい。
全体の置換度に対して6位の水酸基が32%以上アシル基で置換されていることが好ましく、更には33%以上、特に34%以上であることが好ましい。さらにセルロースアシレートの6位アシル基の置換度が0.88以上であることが好ましい。6位水酸基は、アセチル基以外に炭素数3以上のアシル基であるプロピオニル基、ブチロイル基、バレロイル基、ベンゾイル基、アクリロイル基などで置換されていてもよい。各位置の置換度の測定は、NMRによって求めることができる。
本発明ではセルロースアシレートとして、特開平11−5851号公報の段落「0043」〜「0044」[実施例][合成例1]、段落「0048」〜「0049」[合成例2]、段落「0051」〜「0052」[合成例3]に記載の方法で得られたセルロースアセテートを用いることができる。
(ポリエステルフィルム)
本発明では、ポリエステルフィルムも、透明性、機械的強度、平面性、耐薬品性及び耐湿性共に優れており、好ましく用いられる。その中でも、ポリエチレンテレフタレートフィルムは安価であり、特に好ましく用いられる。
ポリエチレンテレフタレートフィルムとその上に本発明の塗布組成物を塗布して得られる塗膜との密着強度をより向上させるため、ポリエチレンテレフタレートフィルムは易接着処理が施されたされたものであることが更に好ましい。易接着処理としてはグロー放電、コロナ放電、プラズマ処理等の表面処理や、アクリル系樹脂やスチレン系樹脂などの接着層を設ける処理が挙げられる。市販されている光学用易接着層付きPETフィルムとしては東洋紡績社製コスモシャインA4100、A4300等が挙げられる。
<本発明の積層体の製造方法>
本発明の積層体(フィルム)の製造方法は、透明支持体上に塗布組成物を硬化してなる層を有する積層体の製造方法であって、本発明の塗布組成物を塗布する工程と、乾燥する工程とを有する積層体の製造方法である。
(塗布方法)
本発明のフィルムの各層は以下の塗布方法により形成することができるが、この方法に制限されない。ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法やエクストルージョンコート法(ダイコート法)(米国特許2681294号、特開2003−200097号、特開2003−211052号明細書参照)、スライドコート法、マイクログラビアコート法等の公知の方法が用いられ、その中でもマイクログラビアコート法、ダイコート法が好ましい。
本発明で用いられるマイクログラビアコート法とは、直径が約10〜100mm、好ましくは約20〜50mmで全周にグラビアパターンが刻印されたグラビアロールを透明支持体の下方に、かつ透明支持体の搬送方向に対してグラビアロールを逆回転させると共に、該グラビアロールの表面からドクターブレードによって余剰の塗布液を掻き落として、定量の塗布液を前記透明支持体の上面が自由状態にある位置におけるその透明支持体の下面に塗布液を転写させて塗工することを特徴とするコート法である。ロール形態の透明支持体を連続的に巻き出し、該巻き出された透明支持体の一方の側に、少なくとも光拡散層乃至フッ素含有オレフィン系重合体を含む低屈折率層の内の少なくとも一層をマイクログラビアコート法によって塗工することができる。
マイクログラビアコート法による塗工条件としては、グラビアロールに刻印されたグラビアパターンの線数は50〜800本/インチが好ましく、100〜300本/インチがより好ましく、グラビアパターンの深度は1〜600μmが好ましく、5〜200μmがより好ましく、グラビアロールの回転数は3〜800rpmであることが好ましく、5〜200rpmであることがより好ましく、透明支持体の搬送速度は0.5〜100m/分であることが好ましく、1〜50m/分がより好ましい。
本発明のフィルムを高い生産性で供給するために、エクストルージョン法(ダイコート法)が好ましく用いられる。
(乾燥)
本発明のフィルムは、透明支持体上に直接又は他の層を介して塗布された後、水及び有機溶剤を乾燥するために加熱されたゾーンにウェブで搬送されることが好ましい。
水及び有機溶剤を乾燥する方法としては、各種の知見を利用することができる。具体的な知見としては特開2001−286817号、同2001−314798号、同2003−126768号、同2003−315505号、同2004−34002号などが挙げられる。
乾燥ゾーンの温度は25℃〜140℃が好ましく、乾燥ゾーンの前半は比較的低温であり、後半は比較的高温であることが好ましい。但し、各層の塗布組成物に含有される水及び有機溶剤以外の成分の揮発が始まる温度以下であることが好ましい。例えば、紫外線硬化樹脂と併用される市販の光重合開始剤のなかには120℃の温風中で数分以内にその数10%前後が揮発してしまうものもあり、単官能又は2官能のアクリレートモノマー等は100℃の温風中で揮発が進行するものもある。そのような場合には、各層の塗布組成物に含有される溶剤以外の成分の揮発が始まる温度以下であることが好ましい。
また、各層の塗布組成物を透明支持体上に塗布した後の乾燥風は、前記塗布組成物の固形分濃度が1〜50%の間は塗膜表面の風速が0.1〜2m/秒の範囲にあることが、乾燥ムラを防止するために好ましい。
また、各層の塗布組成物を透明支持体上に塗布した後、乾燥ゾーン内で透明支持体の塗布面とは反対の面に接触する搬送ロールと透明支持体との温度差が0℃〜20℃以内とすると、搬送ロール上での伝熱ムラによる乾燥ムラが防止でき、好ましい。
(硬化)
本発明のフィルムは、水及び有機溶剤の乾燥の後に、ウェブで電離放射線及び/又は熱により各塗膜を硬化させるゾーンを通過させ、塗膜を硬化することができる。
前記電離放射線は、特に制限されるものではなく、皮膜を形成する硬化性組成物の種類に応じて、紫外線、電子線、近紫外線、可視光、近赤外線、赤外線、X線などから適宜選択することができが、紫外線、電子線が好ましく、特に取り扱いが簡便で高エネルギーが容易に得られるという点で紫外線が好ましい。
紫外線反応性化合物を光重合させる紫外線の光源としては、紫外線を発生する光源であれば何れも使用できる。例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ等を用いることができる。また、ArFエキシマレーザ、KrFエキシマレーザ、エキシマランプ又はシンクロトロン放射光等も用いることができる。このうち、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプを好ましく利用できる。
電子線としては、コックロフトワルトン型、バンデグラフ型、共振変圧型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器から放出される50〜1000keV、好ましくは100〜300keVのエネルギーを有する電子線を挙げることができる。
電離放射線の照射条件(照射光量)は、10mJ/cm以上が好ましく、更に好ましくは、50mJ/cm〜10000mJ/cmであり、特に好ましくは、50mJ/cm〜2000mJ/cmである。その際、ウェブの幅方向の照射量分布は中央の最大照射量に対して両端まで含めて50〜100%の分布が好ましく、80〜100%の分布がより好ましい。
本発明では、透明支持体上に積層された少なくとも一層を、電離放射線を照射し、かつ電離放射線照射開始から0.5秒以上の間、膜面温度60℃以上に加熱した状態で、酸素濃度10体積%以下の雰囲気で電離放射線を照射する工程によって硬化することが好ましい。また電離放射線照射と同時及び/又は連続して酸素濃度3体積%以下の雰囲気で加熱されることも好ましい。特に最外層であり、かつ膜厚が薄い低屈折率層がこの方法で硬化されることが好ましい。硬化反応が熱で加速され、物理強度、耐薬品性に優れた皮膜を形成することができる。
電離放射線を照射する時間については0.7秒以上60秒以下が好ましく、0.7秒以上10秒以下がより好ましい。0.7秒以上60秒以下の領域では、膜の硬化性が確保でき設備が大きくなりすぎず、かつ不活性ガスの使用量が許容される範囲であり好ましい。
電離放射線硬化性化合物の架橋反応又は重合反応において、酸素濃度は0.001体積%以上6体積%以下の雰囲気が好ましく、より好ましくは酸素濃度が0.003体積%以上4体積%以下であり、さらに好ましくは酸素濃度が0.004体積%以上2体積%以下であり、最も好ましくは0.005体積%以上1体積%以下の雰囲気である。また、酸素濃度を0.001体積%以上6体積%以下にすれば、膜の硬化性が確保でき、かつ不活性ガスの使用量が許容される範囲であり好ましい。
酸素濃度を10体積%以下にする手法としては、大気(窒素濃度約79体積%、酸素濃度約21体積%)を別の気体で置換することが好ましく、特に好ましくは窒素で置換(窒素パージ)することである。
不活性ガスを電離放射線照射室に供給し、かつ照射室のウェッブ入口側にやや吹き出す条件にすることで、ウェッブ搬送にともなう導搬エアーを排除し反応室の酸素濃度を有効に下げられるとともに、酸素による硬化阻害の大きい極表面の実質の酸素濃度を効率よく低減することができる。照射室のウェッブ入口側での不活性ガスの流れの方向は、照射室の給気、排気のバランスを調整することなどで制御できる。不活性ガスをウェッブ表面に直接吹き付けることも、導搬エアーを除去する方法として好ましく用いられる。
また、前記反応室の前に前室を設け、事前にウェッブ表面の酸素を排除することで、より硬化を効率よく進めることができる。また電離放射線反応室又は前室のウェッブ入口側を構成する側面は、不活性ガスを効率的に使用するために、ウェッブ表面とのギャップは0.2〜15mmが好ましく、より好ましくは、0.2〜10mmとするのがよく、0.2〜5mmとするのがもっとも好ましい。しかし、ウェッブを連続製造するには、ウェッブを接合して繋げていく必要があり、接合には接合テープなどで貼る方法が広く用いられている。このため、電離放射線反応室又は前室の入口面とウェッブのギャップをあまり狭くすると、接合テープなど接合部材が引っかかる問題が生じる。このためギャップを狭くするためには、電離放射線反応室又は前室の入口面の少なくとも一部を可動とし、接合部が入るときは接合厚み分ギャップを広げるのが好ましい。この実現のためには、電離放射線反応室又は前室の入口面を進行方向前後に可動にしておき、接合部が通過する際に前後に動いてギャップを広げるやり方や、電離放射線反応室又は前室の入口面をウェッブ面に対し、垂直方向に可動にし、接合部が通過する際に上下に動いてギャップを広げるやり方を取ることができる。
硬化の際、フィルム面が60℃以上170℃以下で加熱されることが好ましい。60℃以下では加熱の硬化は少なく、170℃以上では基材の変形などの問題が生じる。更にこの好ましい温度は60℃〜100℃である。フィルム面とは硬化しようとする層の膜面温度を指す。またフィルムが前記温度になる時間は、UV照射開始から0.1秒以上、300秒以下が好ましく、更に10秒以下が好ましい。フィルム面の温度を上記の温度範囲に保つ時間が短すぎると、皮膜を形成する硬化性組成物の反応を促進できず、逆に長すぎてもフィルムの光学性能が低下し、また設備が大きくなるなどの製造上の問題も生じる。
加熱する方法に特に限定はないが、ロールを加熱してフィルムに接触させる方法、加熱した窒素を吹き付ける方法、遠赤外線あるいは赤外線の照射などが好ましい。特許2523574号に記載の回転金属ロールに温水や蒸気・オイルなどの媒体を流して加熱する方法も利用できる。加熱の手段としては誘電加熱ロールなどを使用しても良い。
紫外線照射は、構成する複数の層それぞれに対して1層設ける毎に照射してもよいし、積層後照射してもよい。あるいはこれらを組み合わせて照射してもよい。生産性の点から、多層を積層後、紫外線を照射することが好ましい。
本発明では、透明支持体上に積層された少なくとも一層を複数回の電離放射線により硬化することができる。この場合少なくとも2回の電離放射線が酸素濃度3体積%を超えることのない連続した反応室で行われることが好ましい。複数回の電離放射線照射を同一の低酸素濃度の反応室で行うことにより、硬化に必要な反応時間を有効に確保することができる。特に高生産性のため製造速度をあげた場合には、硬化反応に必要な電離放射線のエネルギーを確保するために複数回の電離放射線照射が必要となる。
硬化率(100−残存官能基含率)が100%未満のある値となった場合、その上に層を設けて電離放射線及び/又は熱により硬化した際に下層の硬化率が上層を設ける前よりも高くなると、下層と上層との間の密着性が改良され、好ましい。
<偏光板>
本発明の偏光板は、偏光膜と、該偏光膜の両側に位置する保護フィルムとを有する偏光板であって、該保護フィルムの少なくとも一方が本発明の積層体(フィルム)である偏光板である。
(偏光膜の作製)
本発明の偏光板は、一方の保護フィルムとして、本発明のフィルムを用いる。他方の保護フィルムは、通常のセルロースアセテートフィルムを用いてもよいが、上述の溶液製膜法で製造され、且つ10〜100%の延伸倍率でロールフィルム形態における巾方向に延伸したセルロースアセテートフィルムを用いることが好ましい。
更には、本発明の偏光板において、片面が反射防止フィルムであるのに対して他方の保護フィルムが液晶性化合物からなる光学異方性層を有する光学補償フィルムであることが好ましい。
偏光膜には、ヨウ素系偏光膜、二色性染料を用いる染料系偏光膜やポリエン系偏光膜がある。ヨウ素系偏光膜及び染料系偏光膜は、一般にポリビニルアルコール系フィルムを用いて製造する。
反射防止フィルムの透明支持体やセルロースアセテートフィルムの遅相軸と偏光膜の透過軸とは、実質的に平行になるように配置する。
偏光板の生産性には保護フィルムの透湿性が重要である。偏光膜と保護フィルムは水系接着剤で貼り合わせられており、この接着剤溶剤は保護フィルム中を拡散することで、乾燥される。保護フィルムの透湿性が高ければ、高いほど乾燥は早くなり、生産性は向上するが、高くなりすぎると、液晶表示装置の使用環境(高湿下)により、水分が偏光膜中に入ることで偏光能が低下する。
保護フィルムの透湿性は、透明支持体やポリマーフィルム(及び重合性液晶化合物)の厚み、自由体積、親疎水性、等により決定される。
本発明のフィルムを偏光板の保護フィルムとして用いる場合、透湿性は100〜1000g/m・24hrsであることが好ましく、300〜700g/m・24hrsであることが更に好ましい。
透明支持体の厚みは、製膜の場合、リップ流量とラインスピード、あるいは、延伸、圧縮により調整することができる。使用する主素材により透湿性が異なるので、厚み調整により好ましい範囲にすることが可能である。
透明支持体の自由体積は、製膜の場合、乾燥温度と時間により調整することができる。
この場合もまた、使用する主素材により透湿性が異なるので、自由体積調整により好ましい範囲にすることが可能である。
透明支持体の親疎水性は、添加剤により調整することができる。上記自由体積中に親水的添加剤を添加することで透湿性は高くなり、逆に疎水性添加剤を添加することで透湿性を低くすることができる。
上記透湿性を独立に制御することにより、光学補償能を有する偏光板を安価に高い生産性で製造することが可能となる。
偏光膜としては公知の偏光膜や、偏光膜の吸収軸が長手方向に平行でも垂直でもない長尺の偏光膜から切り出された偏光膜を用いてもよい。偏光膜の吸収軸が長手方向に平行でも垂直でもない長尺の偏光膜は以下の方法により作成される。
即ち、連続的に供給されるポリマーフィルムの両端を保持手段により保持しつつ張力を付与して延伸した偏光膜で、少なくともフィルム幅方向に1.1〜20.0倍に延伸し、フィルム両端の保持装置の長手方向進行速度差が3%以内であり、フィルム両端を保持する工程の出口におけるフィルムの進行方向と、フィルムの実質延伸方向のなす角が、20〜70゜傾斜するようにフィルム進行方向を、フィルム両端を保持させた状態で屈曲させてなる延伸方法によって製造することができる。特に45°傾斜させたものが生産性の観点から好ましく用いられる。
ポリマーフィルムの延伸方法については、特開2002−86554号公報の段落0020〜0030に詳しい記載がある。
偏光子の2枚の保護フィルムのうち、反射防止フィルム以外のフィルムが、光学異方層を含んでなる光学補償層を有する光学補償フィルムであることも好ましい。光学補償フィルム(位相差フィルム)は、液晶表示画面の視野角特性を改良することができる。
光学補償フィルムとしては、公知のものを用いることができるが、視野角を広げるという点では、特開2001−100042号公報に記載されている光学補償フィルムが好ましい。
<画像表示装置>
本発明の画像表示装置は、本発明の積層体又は偏光板(本発明のフィルム)を有する画像表示装置である。画像表示装置は、液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)や陰極管表示装置(CRT)等が挙げられる。本発明のフィルムは、画像表示装置に用いることができ、画像表示装置のディスプレイ(画像表示部)の最表層に用いることが好ましい。
(液晶表示装置)
液晶表示装置は、液晶セル及びその両側に配置された二枚の偏光板を有し、液晶セルは、二枚の電極基板の間に液晶を担持している。さらに、光学異方性層が、液晶セルと一方の偏光板との間に一枚配置されるか、あるいは液晶セルと双方の偏光板との間に二枚配置されることもある。
液晶セルは、TNモード、VAモード、OCBモード、IPSモード、又はECBモードであることが好ましい。
TNモードの液晶セルでは、電圧無印加時に棒状液晶性分子が実質的に水平配向し、さらに60〜120゜にねじれ配向している。TNモードの液晶セルは、カラーTFT液晶表示装置として最も多く利用されており、多数の文献に記載がある。
VAモードの液晶セルでは、電圧無印加時に棒状液晶性分子が実質的に垂直に配向している。VAモードの液晶セルには、(1)棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直に配向させ、電圧印加時に実質的に水平に配向させる狭義のVAモードの液晶セル(特開平2−176625号公報記載)に加えて、(2)視野角拡大のため、VAモードをマルチドメイン化した(MVAモードの)液晶セル(SID97、Digest of Tech. Papers(予稿集)28(1997)845記載)、(3)棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直配向させ、電圧印加時にねじれマルチドメイン配向させるモード(n−ASMモード)の液晶セル(日本液晶討論会の予稿集58〜59(1998)記載)及び(4)SURVAIVALモードの液晶セル(LCDインターナショナル98で発表)が含まれる。
OCBモードの液晶セルは、棒状液晶性分子を液晶セルの上部と下部とで実質的に逆の方向に(対称的に)配向させるベンド配向モードの液晶セルであり、米国特許第4583825号、同5410422号の各明細書に開示されている。棒状液晶性分子が液晶セルの上部と下部とで対称的に配向しているため、ベンド配向モードの液晶セルは、自己光学補償機能を有する。そのため、この液晶モードは、OCB(Optically Compensatory Bend)液晶モードと呼ばれる。ベンド配向モードの液晶表示装置は応答速度が速い利点があ
る。
IPSモードの液晶セルは、ネマチック液晶に横電界をかけてスイッチングする方式であり、詳しくはProc.IDRC(Asia Display ’95),p.577−580及び同p.707−710に記載されている。
ECBモードの液晶セルは、電圧無印加時に棒状液晶性分子が実質的に水平配向している。ECBモードは、最も単純な構造を有する液晶表示モードの一つであって、例えば特開平5−203946号公報に詳細が記載されている。
(液晶表示装置以外のディスプレイ)
本発明のフィルムは、プラズマディスプレイパネル(PDP)、タッチパネル、有機EL素子に用いることができる。
プラズマディスプレイパネル(PDP)は、一般に、ガス、ガラス基板、電極、電極リード材料、厚膜印刷材料、蛍光体により構成される。ガラス基板は、前面ガラス基板と後面ガラス基板の二枚である。二枚のガラス基板には電極と絶縁層を形成する。後面ガラス基板には、さらに蛍光体層を形成する。二枚のガラス基板を組み立てて、その間にガスを封入する。プラズマディスプレイパネル(PDP)は、既に市販されている。プラズマディスプレイパネルについては、特開平5−205643号、同9−306366号の各公報に記載がある。
前面板をプラズマディスプレイパネルの前面に配置することがある。前面板はプラズマディスプレイパネルを保護するために充分な強度を備えていることが好ましい。前面板は、プラズマディスプレイパネルと隙間を置いて使用することもできるし、プラズマディスプレイ本体に直貼りして使用することもできる。プラズマディスプレイパネルのような画像表示装置では、光学フィルターをディスプレイ表面に直接貼り付けることができる。また、ディスプレイの前に前面板が設けられている場合は、前面板の表側(外側)又は裏側(ディスプレイ側)に光学フィルターを貼り付けることもできる。
本発明のフィルムは、タッチパネルに用いることができる。特開平5−127822号公報、特開2002−48913号公報等に記載される態様で用いることができる。
本発明のフィルムは、有機EL素子等の基板(基材フィルム)や保護フィルムとして用いることができる。本発明のフィルムを有機EL素子等に用いる場合には、特開平11−335661号、特開平11−335368号、特開2001−192651号、特開2001−192652号、特開2001−192653号、特開2001−335776号、特開2001−247859号、特開2001−181616号、特開2001−181617号、特開2002−181816号、特開2002−181617号、特開2002−056976号等の各公報記載の内容を応用することができる。また、特開2001−148291号、特開2001−221916号、特開2001−231443号の各公報記載の内容と併せて用いることが好ましい。
本発明を実施例に基づき詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されない。
(合成例1)
撹拌機、温度計、空気吹き込み管及び還流冷却器を備えたフラスコに、HMDI三量体(日本ポリウレタン(株)製、商品名コロネートHX)226部、ペンタエリスリトールトリアクリレート349部、4−メトキシフェノール0.7部及び重合禁止剤(和光純薬工業製、商品名Q−1301)0.01部を仕込んだ。次いで空気吹き込みと撹拌を行いながらオクチル酸第1スズ0.14部を仕込み系内を75〜80℃まで昇温し1.5時間保温した後、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(東邦化学工業製、商品名メトキシPEG#400)125部を加え、前記HMDI三量体中の残余イソシアネート基とポリエチレングリコールモノメチルエーテル中の水酸基とを反応させ、ポリウレタンアクリレートUA−1を作成した。
(O/Wエマルション型塗布組成物HC−1の作成)
ポリウレタンアクリレートUA−1 77.6部にシクロヘキサノン20部及び光重合開始剤(チバガイギー製、商品名イルガキュア184)2.4部を加えて均一になるまで撹拌した後、撹拌下に脱イオン水100部を加えて分散させ、不揮発分40%のO/Wエマルション型塗布組成物HC−1を得た。
(O/Wエマルション型塗布組成物HC−2の作成)
ポリウレタンアクリレートUA−1 77.6部を60〜70℃に保温して光重合開始剤(チバガイギー製、商品名イルガキュア184)2.4部を添加、溶解した後、撹拌下に脱イオン水120部を加えて分散させ、不揮発分40%のO/Wエマルション型塗布組成物HC−2を得た。
(O/Wエマルション型塗布組成物HC−3の作成)
ポリウレタンアクリレートUA−1 68部を60〜70℃に保温し、平均粒径3.0μmの高架橋ポリメチルメタクリレート粒子(MX-300H、綜研化学(株)製)10部及び光重合開始剤(チバガイギー製、商品名イルガキュア184)2部を少量ずつ添加し、粒子及び光重合開始剤がウレタンアクリレート中に均一に分散するまで撹拌してポリウレタンアクリレート混合物を得た。その後、ポリウレタンアクリレート混合物80部を60〜70℃に保温し、撹拌下に脱イオン水120部を加えて分散させ、不揮発分40%のO/Wエマルション型塗布組成物HC−3を得た。
(O/Wエマルション型塗布組成物HC−4の作成)
脱イオン水20部に平均粒径1.5μmのシリカ粒子(屈折率1.46、シーホスタKE−P150、日本触媒(株)製)10部を加え、ポリトロン分散機にて10000rpmで30分分散し、シリカ粒子分散水溶液を作成した。
ポリウレタンアクリレートUA−1 68部を60〜70℃に保温し、光重合開始剤(チバガイギー製、商品名イルガキュア184)2部を少量ずつ添加し、光重合開始剤がポリウレタンアクリレート中に均一に分散するまで撹拌してポリウレタンアクリレート混合物を得た。その後、ポリウレタンアクリレート混合物70部を60〜70℃に保温し、撹拌下に脱イオン水100部を加えて分散させた。分散終了後、シリカ微粒子分散水溶液30部を加え、不揮発分40%のO/Wエマルション型塗布組成物HC−4を得た。
(O/Wエマルション型塗布組成物HC−5Aの作成)
ポリウレタンアクリレートUA−1 28.5部、DPHA 20部(日本火薬(株)製、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとジペンタエリスリトールペンタアクリレートの混合物)にシクロヘキサノン20部及び光重合開始剤(チバガイギー製、商品名イルガキュア184)1.5部を均一になるまで混合し、更に平均粒径3.0μmの高架橋ポリメチルメタクリレート粒子(MX-300H、綜研化学(株)製)30部を少量ずつ添加し、粒子が均一に分散するまで撹拌してポリウレタンアクリレート混合物を得た。該混合物に脱イオン水100部を加えて分散させ、不揮発分40%のO/Wエマルション型塗布組成物HC−5Aを得た。
(O/Wエマルション型塗布組成物HC−5の作成)
上記O/Wエマルション型塗布組成物HC−1を100部と上記O/Wエマルション型塗布組成物HC−5Aを100部混合して攪拌し、O/Wエマルション型塗布組成物HC−5を得た。HC−5は調整後約24時間で塗布に使用した。
(O/Wエマルション型塗布組成物HC−5Bの作成)
ポリウレタンアクリレートUA−1 53.05部、DPHA 10部(日本火薬(株)製、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとジペンタエリスリトールペンタアクリレートの混合物)にシクロヘキサノン20部及び光重合開始剤(チバガイギー製、商品名イルガキュア184)1.95部を均一になるまで混合し、更に平均粒径3.0μmの高架橋ポリメチルメタクリレート粒子(MX-300H、綜研化学(株)製)15部を少量ずつ添加し、粒子が均一に分散するまで撹拌してポリウレタンアクリレート混合物を得た。該混合物に脱イオン水110部を加えて分散させ、不揮発分40%のO/Wエマルション型塗布組成物HC−5Bを得た。このようにして得られた組成物の構成成分は上記HC−5と同一のものであった。HC−5Bは調整後約24時間で塗布に使用した。
(O/Wエマルション型塗布組成物HC−6の作成)
脱イオン水120部に光重合開始剤(本文例示化合物 UVI−2)0.4部を加え、光重合開始剤水溶液を作成した。その後、ポリウレタンアクリレートUA−1 77.6部に光重合開始剤(チバガイギー製、商品名イルガキュア184)2.0部を加え溶解させ60〜70℃に保温し、撹拌下に光重合開始剤水溶液122.4部を加えて分散させ、不揮発分40%のO/Wエマルション型塗布組成物HC−6を得た。
(O/Wエマルション型塗布組成物HC−7の作成)
脱イオン水20部にレベリング剤(大日本インキ化学工業製、商品名F−410)0.1部を加え、レベリング剤水溶液を作成した。ポリウレタンアクリレートUA−1 77.5部を60〜70℃に保温し、光重合開始剤(チバガイギー製、商品名イルガキュア184)2.4部を加えて均一になるまで撹拌した後、撹拌下に脱イオン水100部を加えて分散させたのち、レベリング剤水溶液20.1部を加え、不揮発分40%のO/Wエマルション型塗布組成物HC−7を得た。
(O/Wエマルション型塗布組成物HC−8の作成)
ポリウレタンアクリレートUA−1 76部を60〜70℃に保温し、乳化剤(KAYAMER PM−21(日本化薬(株)製))0.5部、乳化剤(M−5300(東亜合成(株)製)0.5部、乳化剤(アデカリアソープNE−30、旭電化工業(株)製))1.0部及び光重合開始剤(チバガイギー製、商品名イルガキュア184)2部を少量ずつ添加し、乳化剤及び光重合開始剤がウレタンアクリレート中に均一に分散するまで撹拌してポリウレタンアクリレート混合物を得た。その後、ポリウレタンアクリレート混合物80部を60〜70℃に保温し、撹拌下に脱イオン水120部を加えて分散させ、不揮発分40%のO/Wエマルション型塗布組成物HC−8を得た。
(ハードコートフィルム(HCL-1〜HCL-8)の作成)
80μmの厚さのトリアセチルセルロースフィルム(フジタック TDY80UL、富士フイルム(株)製、Re=2nm、Rth=48nm)をロール形態で巻き出して、ダイコート法によってハードコート層用塗布液HC−1〜HC−8及びHC−5Bを塗布し、30℃で15秒間、80℃で60秒間乾燥の後、さらに酸素濃度0.01%の雰囲気下で240W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照射量300mJ/cmの紫外線を照射して塗布層を硬化させて乾燥膜厚10μmのハードコート層を形成し、巻き
取ってハードコートフィルムHCL-1〜HCL-8を作成した。また、HC-1及びHC-4を、窒素パージ下で160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照射量50mJ/cmの紫外線を照射して塗布層を硬化する以外はHCL-1〜HCL-8を作成する条件と同じ条件でハードコートフィルムHCL-9、HCL-10を作成した。
(ハードコートフィルムの評価)
作成したハードコートフィルムHCL-1〜HCL-8について、以下の評価を実施した。
(点欠陥の評価)
各ハードコートフィルムの裏面をマジックインキ等で黒塗りした後、塗膜上にある輝点欠陥の数を目視で判定した。目視で見える輝点欠陥のサイズは、50μm以上である。輝点欠陥は、20m2観察した際の1m2当たりの平均点欠陥個数でカウントした。1m2当たり2個以上観察される場合は×、2個未満観察される場合は○とした。
(鉛筆硬度評価)
ハードコートフィルムの硬度は、JIS K−5400に従う鉛筆硬度試験で評価した。鉛筆硬度が2H以下である場合は×、3H以上である場合には○、4H以上である場合には◎とした。
(カール評価)
カールの測定は、JIS K−7619−1988の「写真フィルムのカールの測定法」中の方法Aのカール測定用型板を用いて行われる。
25℃、60%RH、の条件で10時間調湿した後のフィルムのカールの大きさを以下の数式(6)で表す。
数式(6):カール=1/R
Rは曲率半径(m)を表す。
ここで、カールが「+」とはフィルムの塗設側が湾曲の内側になるカールをいい、「−」とは塗設側が湾曲の外側になるカールをいう。
本発明ではカールを上記の数式(6)で表したときの値が、−7〜+7の範囲に入っている時に○、入っていない場合に×とした。
(密着性評価)
透明支持体とハードコート層との密着性は以下の方法により評価することができる。
ハードコート層を有する側の表面にカッターナイフで碁盤目状に縦11本、横11本の切り込みを1mm間隔で入れて合計100個の正方形の升目を刻み、日東電工(株)製のポリエステル粘着テープ(NO.31B)を圧着し、24時間放置後引き剥がす試験を同じ場所で繰り返し3回行い、剥がれの有無を目視で観察する。
100個の升目中、剥がれが10升以内であることが好ましく(○)、2升以内であることが更に好ましい(◎)。剥がれが10升以上のものを×とした。
(脆性評価(耐ひび割れ性))
ハードコートフィルムを35mm×120mmに切断し、温度25℃、相対湿度60%の条件で2時間放置した後、筒状に丸めたときにひび割れが発生し始める曲率直径を測定し、表面のひび割れを評価することができる。
本発明のハードコートフィルムの耐ひび割れ性は、塗布層側を外側にして丸めたときに、ひび割れが発生する曲率直径が、50mm以下であることが好ましく(△)、40mm以下がより好ましく(○)、30mm以下が最も好ましい(◎)。△以上のレベルを合格とした。
(面状評価)
ハードコートフィルムのハードコート層が積層されていない方の側を紙やすりで擦った後に黒マジックにより40cm×40cmの面積で塗りつぶす。タングステン灯下で反射防止フィルム表面の状態を目視観察した。面内にムラが視認されないな場合は○、面内にムラが観察された場合には×とした。
(防眩性評価)
得られたハードコートフィルムにルーバーなしのむき出し蛍光灯(8000cd/m2)を45度の角度から映し、−45度の方向から観察した際の反射像のボケの程度を以下の基準で評価した。
蛍光灯の輪郭が全くわからない。 :◎
蛍光灯の輪郭がわずかにわかる。 :○
蛍光灯はぼけているが、輪郭は識別できる。 :△
蛍光灯がほとんどぼけない。 :×
(塗布組成物安定性評価)
O/Wエマルション型塗布組成物を25℃の条件で1ヶ月静置した後の塗布組成物の外観
及び粒度分布(大塚電子(株)製LPA-3100)により安定性を評価した。
◎:粒度、液の状態ともにほとんど変化がない。
○:若干の離水が見られるが、再分散性が良好であり、粒度はほとんど変化がない。
△:再分散性は良好であるが、粒度の変化あり。
×:油相と水相の分離が見られる。
ハードコートフィルムHCL-1、HCL-2に対する評価結果を表1に示す。
Figure 2007321143
本発明のハードコートフィルムは基材とハードコート層の密着性が良好であり、かつ他の性能も満たしており、ハードコートフィルムとして好ましい。ハードコートフィルムHCL-3に対する評価結果を表2に示す。
Figure 2007321143
本発明のハードコートフィルムは、驚くべきことに膜硬度が特異的に高いことが分かる。この原因は明らかではないが、層内に高架橋粒子が添加されており、更に該粒子を油相中に分散せしめたため粒子が膜中に均一に分散され、効率的に膜硬度を向上できたと推定される。
ハードコートフィルムHCL-4、HCL-2に対する評価結果を表3に示す。
Figure 2007321143
本発明のハードコートフィルムは、ハードコートフィルムに必要とされる性能を満たし、かつ防眩性に優れていることが分かる。これは水相中に微粒子を添加することにより乾燥中に微粒子が凝集した構造を形成するため、良好な防眩性を付与するものと推定される。
ハードコートフィルムHCL-5、HCL-5Bに対する評価結果を表4に示す。
Figure 2007321143
本発明の高架橋粒子と多官能アクリレートを含有するハードコートフィルムは、HC−5AとHC−1を混合した組成物HC−5から形成した場合も、HC−5と同一組成のHC−5Bから形成した場合ともに、鉛筆硬度と防眩性に優れることが分かる。
Figure 2007321143
本発明の塗布組成物HC-1,HC-5Aは長期安定性が良好であることが分かる。該塗布組成物を混合した組成物(HC-5)及びそれと同一組成のHC-5Bは長期安定性がやや劣る。混合後の組成では安定性にやや劣る組成物でも、安定性に優れる組成物の状態で保管し、塗布前に混合することで同じ性能が発現でき、生産性に優れることが分かる。
ハードコートフィルムHCL-6、HCL-2に対する評価結果を表6に示す。
Figure 2007321143
本発明の水溶性の光重合開始剤と従来の疎水性光重合開始剤を含有するハードコートフィルムは基材とハードコート層の密着性が良好であり、かつ他の性能も満たしており、ハードコートフィルムとして好ましい。
ハードコートフィルムHCL-7、HCL-2に対する評価結果を表7に示す。
Figure 2007321143
本発明のハードコートフィルムはレベリング剤の添加により面状が良好であり、生産性の良好なハードコートフィルムが得られ、好ましい。ハードコートフィルムHCL-8、HCL-2に対する評価結果を表8に示す。
Figure 2007321143
本発明のハードコートフィルムは乳化剤の添加により塗布組成物の安定性が良好であり、生産性の良好なハードコートフィルムが得られ、好ましい。
(低屈折率層塗布液の調製)
(ゾル液(b−1)の調製)
攪拌機、還流冷却器を備えた反応器内において、メチルエチルケトン119質量部、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン“KBM−5103”{信越化学工業(株)製}101質量部、ジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテート3質量部を加え混合したのち、イオン交換水30質量部を加え、60℃で4時間反応させたのち、室温まで冷却し、ゾル液(b−1)を得た。
ゾル液(b−1)の質量平均分子量は1600であり、オリゴマー成分以上の成分のうち、分子量が1000〜20000の成分は100質量%であった。また、ガスクロマトグラフィー分析から、原料のアクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランは全く残存していなかった。
(低屈折率層用塗布液の調整)
ポリシロキサン及び水酸基を含有する屈折率1.44の熱架橋性含フッ素ポリマー(JTA113、固形分濃度6%、JSR(株)製)13部、コロイダルシリカ分散液MEK−ST−L(商品名、平均粒径45nm、固形分濃度30%、日産化学(株)製)1.3部、ゾル液(b−1)0.6部、及びメチルエチルケトン5部、シクロヘキサノン0.6部を添加、攪拌の後、孔径1μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して、低屈折率層塗布液Aを調製した。この塗布液により形成される層の屈折率は、1.45であった。
低屈折率層用塗布液をハードコートフィルムHCL-9、HCL-10に下記条件により塗設して反射防止フィルムLR-1、LR-2を作成した。
(低屈折率層の塗設)
ハードコートフィルムHCL-9、HCL-10を再び巻き出して、低屈折率層用塗布液を特開2003-211052の図2(A)、図3、図4及び図5に記載のダイコーターを使用して下記の基本条件で塗布し、120℃で150秒乾燥の後、更に100℃で8分乾燥させてから窒素パージにより酸素濃度0.1%の雰囲気下で240W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照射量300mJ/cmの紫外線を照射し、厚さ95nmの低屈折率層を形成して巻き取り、反射防止フィルムLR-1、LR-2を作成した。
基本条件:スロットダイ13は、上流側リップランド長IUPが0.5mm、下流側リップランド長ILOが50μmで,スロット16の開口部のウェブ走行方向における長さが150μm、スロット16の長さが50mmのものを使用した。上流側リップランド18aとウェブWの隙間を、下流側リップランド18bとウェブWの隙間よりも50μm長くし、下流側リップランド18bとウェブWとの隙間Gを50μmに設定した。また、減圧チャンバー40のサイドプレート40bとウェブWとの隙間G、及びバックプレート40aとウェブWとの隙間Gはともに200μmとした。塗布速度は30m/分、塗布量は5.0ml/mで塗布を行った。なお、塗布幅:1300mm、有効幅:1280mmとした。
(反射防止フィルムの評価)
作成した反射防止フィルムLR-1、LR-2について、ハードコートフィルムの評価で実施した内容と同様の評価及び以下の評価を実施した。
(スチールウール耐傷性評価)
「ラビングテスター」を用いて、以下の条件で擦りテストを実施した。
評価環境条件:25℃、60%RH。
擦り材:スチールウール{日本スチールウール(株)製、グレードNo.0000}を、試料と接触するテスターの擦り先端部(1cm×1cm)に巻いて、バンド固定。
移動距離(片道):13cm。
擦り速度:13cm/秒。
荷重:500g/cm2
先端部接触面積:1cm×1cm。
擦り回数:10往復。
擦り終えた試料の裏側に油性黒インキを塗り、擦り部分の傷を反射光で目視観察して、擦った部分の傷の本数を以下の判定基準に従って評価した。
◎:傷の発生が全く認められない。
○:3本以内の細い傷が認められる。
△:10本以内の傷が認められる。
×:10本以上の傷が認められる
○以上のレベルを合格とした。
(積分反射率評価)
分光光度計V−550(日本分光(株)製)にアダプターILV−471を装着して、380〜780nmの波長領域において、入射角5度における積分反射率を測定し、450〜650nmの平均反射率を算出した。積分反射率が3%以下になると反射防止効果が顕著であり、好ましい。評価結果を表9に示す。
Figure 2007321143
上記結果より、本発明の反射防止フィルムは点欠陥、鉛筆硬度、カール及び脆性が共に良好であり、好ましい。更に低屈折率層を積層することによりスチールウール耐傷性及び反射率の低減された反射防止フィルムとなっていることがわかる。
(O/Wエマルション型塗布組成物HC−11の作成)
ポリウレタンアクリレートUA−1 70.0部を60〜70℃に保温して光重合開始剤(チバガイギー製、商品名イルガキュア184)2.4部を添加、溶解した後、撹拌下に2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート7.6部と脱イオン水120部を加えて分散させ、不揮発分40%のO/Wエマルション型塗布組成物HC−11を得た。
(ハードコートフイルム(HCL−11)の作成)
前記ハードコートフィルムHCL−1の作成において、塗布組成物HC−11を用いる以外は同様にしてハードコートフィルムHCL−11を作成した。
ハードコートフイルムHCL-11、HCL-2に対する評価結果を表10に示す。
Figure 2007321143
本発明のハードコートフィルムは基材とハードコート層の密着性が良好であり、かつ他の性能も満たしており、ハードコートフィルムとして好ましい。
(オーバーコート層用塗布液の調整)
DPHA5.0部(日本火薬(株)製、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとジペンタエリスリトールペンタアクリレートの混合物)、PET−30(日本火薬(株)製、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートの混合物)55部、反応性シリコーンX−22−164C(商品名;信越化学工業社製)2.0部、光重合開始剤(イルガキュア127(商品名)、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)2.0部、およびメチルエチルケトン36部を混合してオーバーコート層用塗布液を調製した。
(ハードコートフィルムHCL-10OCの作成)
上記オーバーコート層用塗布液を乾燥・硬化後の膜厚が0.8μmになるようにハードコートフィルムHCL-10の上に塗設した。塗布装置は前記反射防止フィルムLR−1の作成と同じものを使用し、80℃で1分乾燥の後、窒素パージにより酸素濃度0.01%の雰囲気下で240W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照射量300mJ/cmの紫外線を照射し、厚さ0.8μmのオーバーコート層を形成して巻き取り、ハードコートフィルムHCL-10OCを作成した。
(ハードコートフィルムの評価)
作成したハードコートフィルムHCL-10OCについて、評価を実施した。
Figure 2007321143
本発明のハードコートフィルムの上に更にオーバーコート層を設けることで、スチールウール耐傷性に代表される塗膜の表面の耐擦傷性が改善されることが分かる。
本発明のフィルムの好ましい実施形態を模式的に示す概略断面図である。 本発明のフィルムの好ましい実施形態を模式的に示す概略断面図である。 本発明のフィルムの好ましい実施形態を模式的に示す概略断面図である。 本発明のフィルムの好ましい実施形態を模式的に示す概略断面図である。 本発明のフィルムの好ましい実施形態を模式的に示す概略断面図である。
符号の説明
(1)透明支持体
(2)ハードコート層
(3)中屈折率層
(4)高屈折率層
(5)低屈折率層

Claims (13)

  1. 水相及び油相を有する水中油(O/W)型エマルション塗布組成物であって、
    (A)分子中に少なくとも3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する活性エネルギー線硬化性多官能(メタ)アクリレートと、
    (B)有機溶剤とを油相に含み、該有機溶剤は100gの水に対する溶解度が30g以下であり、かつ基材を膨潤又は溶解させる性質を持つ有機溶剤である水中油(O/W)型エマルション塗布組成物。
  2. 水相及び油相を有する水中油(O/W)型エマルション塗布組成物であって、
    (A)分子中に少なくとも3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する活性エネルギー線硬化性多官能(メタ)アクリレートを油相に含み、
    (B)分子中に少なくとも1個以上の(メタ)アクリロイル基を有し、かつ水100gに対する溶解性が3g以上である活性エネルギー線硬化性多官能(メタ)アクリレートを水相に含む水中油(O/W)型エマルション塗布組成物。
  3. 水相及び油相を有する水中油(O/W)型エマルション塗布組成物であって、
    (A)分子中に少なくとも3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する活性エネルギー線硬化性多官能(メタ)アクリレートを含むエマルションと、
    (B)前記(A)のエマルションに含まれていない化合物を少なくとも1つ含むエマルションとを含む水中油(O/W)型エマルション塗布組成物。
  4. 更に平均粒径1μm以上10μm以下の粒子を水相及び/又は油相に含む請求項1〜3のいずれかに記載の塗布組成物。
  5. 前記有機溶剤の沸点は75℃以上220℃以下である請求項1〜4のいずれかに記載の塗布組成物。
  6. 前記有機溶剤の割合は1重量%以上30重量%以下である請求項1〜5のいずれかに記載の塗布組成物。
  7. 更に光重合開始剤を水相及び/又は油相に含有する請求項1〜6のいずれかに記載の塗布組成物。
  8. 更にフッ素系及び/又はシリコーン系のレベリング剤を水相及び/又は油相に含有する請求項1〜7のいずれかに記載の塗布組成物。
  9. 透明支持体上に請求項1〜8のいずれかに記載の塗布組成物を硬化してなる硬化層を有する積層体。
  10. 請求項9に記載の積層体が光学フィルム用又は反射防止フィルム用である積層体。
  11. 偏光膜と、該偏光膜の両側に位置する保護フィルムとを有する偏光板であって、該保護フィルムの少なくとも一方が請求項9又は10に記載の積層体である偏光板。
  12. 請求項9もしくは10に記載の積層体、又は請求項11に記載の偏光板を有する画像表示装置。
  13. 透明支持体上に塗布組成物を硬化してなる層を有する積層体の製造方法であって、請求項1〜8のいずれかに記載の塗布組成物を塗布する工程と、乾燥する工程とを有する積層体の製造方法。
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