JP2007321143A - 水中油(o/w)型エマルション塗布組成物、積層体、偏光板、画像表示装置、及び積層体の製造方法 - Google Patents
水中油(o/w)型エマルション塗布組成物、積層体、偏光板、画像表示装置、及び積層体の製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】水相及び油相を有する水中油(O/W)型エマルション塗布組成物であって、
(A)分子中に少なくとも3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する活性エネルギー線硬化性多官能(メタ)アクリレートと、
(B)有機溶剤とを油相に含み、該有機溶剤は100gの水に対する溶解度が30g以下であり、かつ基材を膨潤又は溶解させる性質を持つ有機溶剤である水中油(O/W)型エマルション塗布組成物。
【選択図】なし
Description
、及び積層体の製造方法に関する。
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)水相及び油相を有する水中油(O/W)型エマルション塗布組成物であって、
(A)分子中に少なくとも3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する活性エネルギー線硬化性多官能(メタ)アクリレートと、
(B)有機溶剤とを油相に含み、該有機溶剤は100gの水に対する溶解度が30g以下であり、かつ基材を膨潤又は溶解させる性質を持つ有機溶剤である水中油(O/W)型エマルション塗布組成物。
(2)水相及び油相を有する水中油(O/W)型エマルション塗布組成物であって、
(A)分子中に少なくとも3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する活性エネルギー線硬化性多官能(メタ)アクリレートを油相に含み、
(B)分子中に少なくとも1個以上の(メタ)アクリロイル基を有し、かつ水100gに対する溶解性が3g以上である活性エネルギー線硬化性多官能(メタ)アクリレートを水相に含む水中油(O/W)型エマルション塗布組成物。
(3)水相及び油相を有する水中油(O/W)型エマルション塗布組成物であって、
(A)分子中に少なくとも3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する活性エネルギー線硬化性多官能(メタ)アクリレートを含むエマルションと、
(B)前記(A)のエマルションに含まれていない化合物を少なくとも1つ含むエマルションとを含む水中油(O/W)型エマルション塗布組成物。
(4)更に平均粒径1μm以上10μm以下の粒子を水相及び/又は油相に含む前記1〜3のいずれかに記載の塗布組成物。
(5)前記有機溶剤の沸点は75℃以上220℃以下である前記1〜4のいずれかに記載の塗布組成物。
(6)前記有機溶剤の割合は1重量%以上30重量%以下である前記1〜5のいずれかに記載の塗布組成物。
(7)更に光重合開始剤を水相及び/又は油相に含有する前記1〜6のいずれかに記載の塗布組成物。
(8)更にフッ素系及び/又はシリコーン系のレベリング剤を水相及び/又は油相に含有する前記1〜7のいずれかに記載の塗布組成物。
(9)透明支持体上に前記1〜8のいずれかに記載の塗布組成物を硬化してなる硬化層を有する積層体。
(10)前記9に記載の積層体が光学フィルム用又は反射防止フィルム用である積層体。
(11)偏光膜と、該偏光膜の両側に位置する保護フィルムとを有する偏光板であって、該保護フィルムの少なくとも一方が前記9又は10に記載の積層体である偏光板。
(12)前記9もしくは10に記載の積層体、又は前記11に記載の偏光板を有する画像表示装置。
(13)透明支持体上に塗布組成物を硬化してなる層を有する積層体の製造方法であって、前記1〜8のいずれかに記載の塗布組成物を塗布する工程と、乾燥する工程とを有する積層体の製造方法。
)及び積層体(本発明の積層体と同義である)について説明する。
本発明は、水相及び油相を有する水中油(O/W)型エマルション塗布組成物であって、
(A)分子中に少なくとも3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する活性エネルギー線硬化性多官能(メタ)アクリレートと、(B)有機溶剤とを油相に含み、該有機溶剤は100gの水に対する溶解度が30g以下であり、かつ基材を膨潤又は溶解させる性質を持つ有機溶剤である水中油(O/W)型エマルション塗布組成物に関する(以下、第1発明という)。
(A)分子中に少なくとも3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する活性エネルギー線硬化性多官能(メタ)アクリレートを油相に含み、
(B)分子中に少なくとも1個以上の(メタ)アクリロイル基を有し、かつ水100gに対する溶解性が3g以上である活性エネルギー線硬化性多官能(メタ)アクリレートを水相に含む水中油(O/W)型エマルション塗布組成物に関する(以下、第2発明という)。
(A)分子中に少なくとも3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する活性エネルギー線硬化性多官能(メタ)アクリレートを含むエマルションと、
(B)前記(A)のエマルションに含まれていない化合物を少なくとも1つ含むエマルションとを含む水中油(O/W)型エマルション塗布組成物に関する(以下、第3発明という)。
(A)分子中に少なくとも3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する活性エネルギー線硬化性多官能(メタ)アクリレートを含むエマルションと、
(B)前記(A)のエマルションに含まれていない化合物を少なくとも1つ含むエマルションとが含まれる。
組成物を得ることが可能となる。
本発明の塗布組成物は、活性エネルギー線硬化性多官能(メタ)アクリレートのエマルジョン化により作成する。活性エネルギー線硬化性多官能(メタ)アクリレートの具体的な例について次に説明する。
アルキレングリコールの(メタ)アクリル酸ジエステル類;ポリオキシアルキレングリコールの(メタ)アクリル酸ジエステル類;多価アルコールの(メタ)アクリル酸ジエステル類;エチレンオキシドあるいはプロピレンオキシド付加物の(メタ)アクリル酸ジエステル類;等を挙げることができる。
Yr−R7−O−CO−NH−R6−NH−CO−O−R8−Ys(2)
本発明の塗布組成物に用いられる、少なくとも3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する活性エネルギー線硬化性多官能(メタ)アクリレートとして、自己乳化型のアクリレートも好適に用いることができる。自己乳化型のアクリレートは親水基と疎水基が分離した構造となっており、モノマーや乳化剤を必要とせずにエマルジョン化が可能である。親水基はイオンタイプとノニオンタイプがあり、分散安定性の観点からノニオンタイプが好ましい。ノニオンタイプはポリアルキレングリコール構造を有するものが好ましく、特にポリエチレングリコール構造を有するものがより好ましい。
第2発明において、(B)分子中に少なくとも1個以上の(メタ)アクリロイル基を有し、かつ水100gに対する溶解性が3g以上である活性エネルギー線硬化性多官能(メタ)アクリレートは水相に含まれる。該(メタ)アクリレートとしては、テトラエチレンオキサイドジ(メタ)アクリレート、ヘキサエチレンオキサイドジ(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキサイドジ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールとり(メタ)アクリレート、フェニルグリシジルエーテルエポキシ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルエポキシ(メタ)アクリレート、グリセリントリグリシジルエーテルエポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルエポキシ(メタ)アクリレート、などが挙げられる。
式(2)
Yr−R7−O−CO−NH−R6−NH−CO−O−R8−Ys
本発明の塗布組成物は、平均粒径1μm以上10μm以下の粒子(好ましくは透光性粒子)を含有する。防眩性(表面散乱性)・内部散乱性及び積層体硬度を、該塗布組成物を塗布して得られる積層体に付与するため、該塗布組成物に各種の粒子(以下、粒子という)を用いることができる。
M−1: ポリエチレン粒子 比重0.90(フロービーズLE−1080 住友精化(株)製)
M−2: ポリエチレン粒子 比重0.93(フロービーズEAー209 住友精化(株)製)
M−3: ポリエチレン粒子 比重0.96(フロービーズHE−3040 住友精化(株)製)
M−4: シリコーン粒子 比重0.97
M−5 シリコーン粒子 比重1.00(E701 東レダウシリコーン(株)製)
M−6: シリコーン粒子 比重1.03
M−7 ポリスチレン粒子 比重1.05(SB−6 積水化成品工業(株)製)
M−8: ポリ(St/MAA=97/3)共重合体粒子 比重1.05
M−9: ポリ(St/MAA=90/10)共重合体粒子 比重1.06
M−10: ポリ(St/MMA/MAA=50/40/10)共重合体粒子比重1.09
M−11 架橋ポリエチレン粒子 比重0.92
M−12: 架橋ポリエチレン粒子 比重0.95
M−13: 架橋ポリエチレン粒子 比重0.98
M−14: 架橋シリコーン粒子 比重0.99
M−15: 架橋シリコーン粒子 比重1.02
M−16: 架橋シリコーン粒子 比重1.04
M−17: ポリ(St/DVB=90/10)粒子 比重1.06(SX−713 綜研化学(株)製)
M−18: ポリ(St/DVB=80/20)粒子 比重1.06(SX−713 綜研化学(株)製)
M−19: ポリ(St/DVB=70/30)粒子 比重1.07(SX−713 綜研化学(株)製)
M−20: ポリ(St/MAA/DVB=87/3/10)共重合体粒子 比重1.06(SX−713α 綜研化学(株)製)
M−21: ポリ(St/MAA/DVB=80/10/10)共重合体粒子、比重1.07(SX−713α 綜研化学(株)製)
M−22: ポリ(St/MMA/MAA/DVB=40/40/10/10)共重合体粒子比重1.10
M−23:シリカ粒子(サイリシア435 富士シリシア(株)製)
M−24:アルミナ粒子
10%変形したときの荷重と圧縮前の粒子径とを次式に導入して得られる値である。
S10強度(kgf/mm2)=2.8×荷重(kgf)/(π×粒子径(mm)×粒子径(mm))
本発明の塗布組成物では、水よりも乾燥が遅く、かつ水との溶解性が低い有機溶剤を少量用いることで、塗膜の強度や密着性を実用十分な程度に改良できる。塗布膜形成過程を説明すると、O/Wエマルション型の塗布組成物は基材に塗布後、乾燥過程でオイル成分であるアクリレートモノマーリッチな液滴相が合一、もしくは乳化破壊を起こし均一化することで層状の塗布膜が形成される。
この時、液滴の粘度が高かったり、開始剤などの少量成分が析出するなど、オイル相の均一化が不十分であると膜強度は低下する。同様に基材との濡れ性が不十分、不均一になると密着性が低下する。また、密着性向上に関しては基材成分と塗膜成分を相互に浸透した状態にさせる、いわゆる界面混合させることが効果的である。
本発明の塗布組成物における(A)成分及びその他添加剤の分散には、分散剤を用いることができる。分散剤を用いて分散することにより、分散物の安定性の向上、塗膜の均一性の向上などに効果がある。本発明において、分散剤は、好ましい第1の態様としてアニオン性基を有する分散剤、好ましい第2の態様としてアルキレンオキサイド等のノニオン性基を含有する分散剤を用いることができる。
製、商品名)などを用いることが好ましい。
本発明において、アニオン性基を有する分散剤の中で別の好ましい態様の1つとして、分散剤が共重合体であり、アニオン性基、及び架橋又は重合性官能基を有し、かつ該架橋又は重合性官能基を側鎖に有する高分子分散剤を挙げることができる。
一方、末端にアニオン性基を導入する手法としては、アニオン性基含有連鎖移動剤(例えばチオグリコール酸等)の存在下で重合反応を行う手法、アニオン性基含有重合開始剤(例えば和光純薬工業製V−501、商品名)を用いて重合反応を行う手法等によって合成できる。特に好ましい高分子分散剤は側鎖にアニオン性基を有する高分子分散剤である。
次に、本発明の分散剤の好ましい第2の態様である、アルキレンオキサイド等のノニオン性基を含有する分散剤について説明する。
本発明の塗布組成物では、更に光重合開始剤を水相及び/又は油相に含有することが好ましい。光重合開始剤としては、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類、アゾ化合物、過酸化物類(特開2001−139663号等)、2,3−ジアルキルジオン化合物類、ジスルフィド化合物類、フルオロアミン化合物類、芳香族スルホニウム類、ロフィンダイマー類、オニウム塩類、ボレート塩類、活性エステル類、活性ハロゲン類、無機錯体、クマリン類などが挙げられる。
UVI−1
一般式(5):
本発明の塗布組成物は、増粘剤を含有してもよい。増粘剤を添加したとき、塗布工程及び乾燥工程において、隣接層との混合を起こしにくく所望の組成が形成できること、面状故障が良化するなどの効果があるため好ましい。
本発明の塗布組成物に用いることができる界面活性剤としては特に限定されない。好ましい界面活性剤として、例えば、サポニン(ステロイド系)、アルキレンオキサイド誘導体(例えばポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコール縮合物、ポリエチレングリコールアルキルアリールエーテル類、ポリエチレングリコールエステル類、ポリエチレングリコールソルビタンエステル類、ポリアルキレングリコールアルキルアミン又はアミド類、シリコーンのポリエチレンオキサイド付加物類)、グリシドール誘導体(例えばアルケニルコハク酸ポリグリセリド、アルキルフェノールポリグリセリド)、多価アルコールの脂肪酸エステル類、糖のアルキルエステル類などの非イオン性界面活性剤;アルキルカルボン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル類、アルキルリン酸エステル類、N−アシル−N−アルキルタウリン類、スルホコハク酸エステル類、スルホアルキルポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル類などのような、カルボキシ基、スルホ基、ホスホ基、硫酸エステル基、リン酸エステル基等の酸性基を含むアニオン性界面活性剤;アミノ酸類、アミノアルキルスルホン酸類、アミノアルキル硫酸又はリン酸エステル類、アルキルベタイン類、アミンオキシド類などの両性界面活性剤;アルキルアミン塩類、脂肪族或いは芳香族第4級アンモニウム塩類、ピリジニウム、イミダゾリウムなどの複素環第4級アンモニウム塩類、及び脂肪族又は複素環を含むホスホニウム又はスルホニウム塩類などのカチオン界面活性剤などを用いることができる。また、特開平2−18542合公報第4頁左上欄5行目から同右下欄9行目や大日本インキ化学工業株式会社製 F410,F411、F443,F445,F470,F479などのF系界面活性剤や信越化学工業株式会社製KF640、KF642、KF643、GE東芝シリコーン製YF3842などのシリコーン系界面活性剤を用いると優れたレベリング性を発揮することができる。
本発明の積層体(フィルム)は、透明支持体上に本発明の塗布組成物を硬化してなる硬化層を有する積層体である。該積層体は、光学フィルム用積層体(光学フィルム)、又は反射防止フィルム用積層体(反射防止フィルム)であることが好ましい。
本発明のフィルムの層構成は、透明支持体上に本発明の塗布組成物を硬化してなる硬化層を有する積層構造であれば特に限定されないが、下記の層構成が例示できる。本発明の塗布組成物を塗布して得られる塗膜は、分子中に少なくとも3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する活性エネルギー線硬化性多官能(メタ)アクリレートを含むために、ハードコート層として好適に使用することができる。
b.透明支持体/ハードコート層/低屈折率層(図1)
c.透明支持体/ハードコート層/高屈折率層/低屈折率層(図2)
d.透明支持体/ハードコート層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層(図3)
本発明における反射防止層を有する防眩性反射防止フィルムを構成する各層の屈折率は以下の関係を満たすことが好ましい。
ハードコート層の屈折率>透明支持体の屈折率>低屈折率層の屈折率
本発明のフィルムは、反射率を低減するため、低屈折率層を使用しても良い。低屈折率層の屈折率は、1.20〜1.46であることが好ましく、1.25〜1.46であることがより好ましく、1.30〜1.46であることが特に好ましい。低屈折率層の厚さは、50〜200nmであることが好ましく、70〜100nmであることがさらに好ましい。低屈折率層のヘイズは、3%以下であることが好ましく、2%以下であることがさらに好ましく、1%以下であることが最も好ましい。具体的な低屈折率層の強度は、500g荷重の鉛筆硬度試験でH以上であることが好ましく、2H以上であることがさらに好ましく、3H以上であることが最も好ましい。
本発明のフィルムの透明支持体としては、本発明の有機溶剤により膨潤あるいは溶解されうる性質を持つ透明媒体であれば、透明樹脂フィルム、透明樹脂板、透明樹脂シートや透明ガラスなど、特に限定は無い。透明樹脂フィルムとしては、セルロースアシレートフィルム(例えば、セルローストリアセテートフィルム(屈折率1.48)、セルロースジアセテートフィルム、セルロースアセテートブチレートフィルム、セルロースアセテートプロピオネートフィルム)、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリアクリル系樹脂フィルム、ポリウレタン系樹脂フィルム、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、(メタ)アクリルニトリルフィルム等が使用できる。
透明支持体の巾は任意のものを使うことができるが、ハンドリング、得率、生産性の点から通常は100〜5000mmのものが用いられ、800〜3000mmであることが好ましく、1000〜2000mmであることがさらに好ましい。
透明支持体の表面は平滑であることが好ましく、平均粗さRaの値が1μm以下であることが好ましく、0.0001〜0.5μmであることが好ましく、0.001〜0.1μmであることがさらに好ましい。
上記各種フィルムの中でも、透明性が高く、光学的に複屈折が少なく、製造が容易であり、偏光板の保護フィルムとして一般に用いられているセルロースアシレートフィルムが好ましい。
セルロースアシレートフィルムについては力学特性、透明性、平面性などを改良する目的のため、種々の改良技術が知られており、公開技報2001−1745に記載された技術は公知のものとして本発明のフィルムに用いることができる。
セルロースアシレートの粘度平均重合度(DP)は、250以上であることが好ましく、290以上であることがさらに好ましい。
また、本発明に使用するセルロースアシレートは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるMw/Mn(Mwは質量平均分子量、Mnは数平均分子量)の値が1.0に近いこと、換言すれば分子量分布が狭いことが好ましい。具体的なMw/Mnの値としては、1.0〜1.7であることが好ましく、1.3〜1.65であることがさらに好ましく、1.4〜1.6であることが最も好ましい。
全体の置換度に対して6位の水酸基が32%以上アシル基で置換されていることが好ましく、更には33%以上、特に34%以上であることが好ましい。さらにセルロースアシレートの6位アシル基の置換度が0.88以上であることが好ましい。6位水酸基は、アセチル基以外に炭素数3以上のアシル基であるプロピオニル基、ブチロイル基、バレロイル基、ベンゾイル基、アクリロイル基などで置換されていてもよい。各位置の置換度の測定は、NMRによって求めることができる。
本発明ではセルロースアシレートとして、特開平11−5851号公報の段落「0043」〜「0044」[実施例][合成例1]、段落「0048」〜「0049」[合成例2]、段落「0051」〜「0052」[合成例3]に記載の方法で得られたセルロースアセテートを用いることができる。
本発明では、ポリエステルフィルムも、透明性、機械的強度、平面性、耐薬品性及び耐湿性共に優れており、好ましく用いられる。その中でも、ポリエチレンテレフタレートフィルムは安価であり、特に好ましく用いられる。
ポリエチレンテレフタレートフィルムとその上に本発明の塗布組成物を塗布して得られる塗膜との密着強度をより向上させるため、ポリエチレンテレフタレートフィルムは易接着処理が施されたされたものであることが更に好ましい。易接着処理としてはグロー放電、コロナ放電、プラズマ処理等の表面処理や、アクリル系樹脂やスチレン系樹脂などの接着層を設ける処理が挙げられる。市販されている光学用易接着層付きPETフィルムとしては東洋紡績社製コスモシャインA4100、A4300等が挙げられる。
本発明の積層体(フィルム)の製造方法は、透明支持体上に塗布組成物を硬化してなる層を有する積層体の製造方法であって、本発明の塗布組成物を塗布する工程と、乾燥する工程とを有する積層体の製造方法である。
本発明のフィルムの各層は以下の塗布方法により形成することができるが、この方法に制限されない。ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法やエクストルージョンコート法(ダイコート法)(米国特許2681294号、特開2003−200097号、特開2003−211052号明細書参照)、スライドコート法、マイクログラビアコート法等の公知の方法が用いられ、その中でもマイクログラビアコート法、ダイコート法が好ましい。
本発明のフィルムは、透明支持体上に直接又は他の層を介して塗布された後、水及び有機溶剤を乾燥するために加熱されたゾーンにウェブで搬送されることが好ましい。
水及び有機溶剤を乾燥する方法としては、各種の知見を利用することができる。具体的な知見としては特開2001−286817号、同2001−314798号、同2003−126768号、同2003−315505号、同2004−34002号などが挙げられる。
また、各層の塗布組成物を透明支持体上に塗布した後、乾燥ゾーン内で透明支持体の塗布面とは反対の面に接触する搬送ロールと透明支持体との温度差が0℃〜20℃以内とすると、搬送ロール上での伝熱ムラによる乾燥ムラが防止でき、好ましい。
本発明のフィルムは、水及び有機溶剤の乾燥の後に、ウェブで電離放射線及び/又は熱により各塗膜を硬化させるゾーンを通過させ、塗膜を硬化することができる。
本発明の偏光板は、偏光膜と、該偏光膜の両側に位置する保護フィルムとを有する偏光板であって、該保護フィルムの少なくとも一方が本発明の積層体(フィルム)である偏光板である。
本発明の偏光板は、一方の保護フィルムとして、本発明のフィルムを用いる。他方の保護フィルムは、通常のセルロースアセテートフィルムを用いてもよいが、上述の溶液製膜法で製造され、且つ10〜100%の延伸倍率でロールフィルム形態における巾方向に延伸したセルロースアセテートフィルムを用いることが好ましい。
更には、本発明の偏光板において、片面が反射防止フィルムであるのに対して他方の保護フィルムが液晶性化合物からなる光学異方性層を有する光学補償フィルムであることが好ましい。
反射防止フィルムの透明支持体やセルロースアセテートフィルムの遅相軸と偏光膜の透過軸とは、実質的に平行になるように配置する。
保護フィルムの透湿性は、透明支持体やポリマーフィルム(及び重合性液晶化合物)の厚み、自由体積、親疎水性、等により決定される。
本発明のフィルムを偏光板の保護フィルムとして用いる場合、透湿性は100〜1000g/m2・24hrsであることが好ましく、300〜700g/m2・24hrsであることが更に好ましい。
透明支持体の厚みは、製膜の場合、リップ流量とラインスピード、あるいは、延伸、圧縮により調整することができる。使用する主素材により透湿性が異なるので、厚み調整により好ましい範囲にすることが可能である。
透明支持体の自由体積は、製膜の場合、乾燥温度と時間により調整することができる。
この場合もまた、使用する主素材により透湿性が異なるので、自由体積調整により好ましい範囲にすることが可能である。
透明支持体の親疎水性は、添加剤により調整することができる。上記自由体積中に親水的添加剤を添加することで透湿性は高くなり、逆に疎水性添加剤を添加することで透湿性を低くすることができる。
上記透湿性を独立に制御することにより、光学補償能を有する偏光板を安価に高い生産性で製造することが可能となる。
即ち、連続的に供給されるポリマーフィルムの両端を保持手段により保持しつつ張力を付与して延伸した偏光膜で、少なくともフィルム幅方向に1.1〜20.0倍に延伸し、フィルム両端の保持装置の長手方向進行速度差が3%以内であり、フィルム両端を保持する工程の出口におけるフィルムの進行方向と、フィルムの実質延伸方向のなす角が、20〜70゜傾斜するようにフィルム進行方向を、フィルム両端を保持させた状態で屈曲させてなる延伸方法によって製造することができる。特に45°傾斜させたものが生産性の観点から好ましく用いられる。
偏光子の2枚の保護フィルムのうち、反射防止フィルム以外のフィルムが、光学異方層を含んでなる光学補償層を有する光学補償フィルムであることも好ましい。光学補償フィルム(位相差フィルム)は、液晶表示画面の視野角特性を改良することができる。
光学補償フィルムとしては、公知のものを用いることができるが、視野角を広げるという点では、特開2001−100042号公報に記載されている光学補償フィルムが好ましい。
本発明の画像表示装置は、本発明の積層体又は偏光板(本発明のフィルム)を有する画像表示装置である。画像表示装置は、液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)や陰極管表示装置(CRT)等が挙げられる。本発明のフィルムは、画像表示装置に用いることができ、画像表示装置のディスプレイ(画像表示部)の最表層に用いることが好ましい。
液晶表示装置は、液晶セル及びその両側に配置された二枚の偏光板を有し、液晶セルは、二枚の電極基板の間に液晶を担持している。さらに、光学異方性層が、液晶セルと一方の偏光板との間に一枚配置されるか、あるいは液晶セルと双方の偏光板との間に二枚配置されることもある。
る。
本発明のフィルムは、プラズマディスプレイパネル(PDP)、タッチパネル、有機EL素子に用いることができる。
撹拌機、温度計、空気吹き込み管及び還流冷却器を備えたフラスコに、HMDI三量体(日本ポリウレタン(株)製、商品名コロネートHX)226部、ペンタエリスリトールトリアクリレート349部、4−メトキシフェノール0.7部及び重合禁止剤(和光純薬工業製、商品名Q−1301)0.01部を仕込んだ。次いで空気吹き込みと撹拌を行いながらオクチル酸第1スズ0.14部を仕込み系内を75〜80℃まで昇温し1.5時間保温した後、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(東邦化学工業製、商品名メトキシPEG#400)125部を加え、前記HMDI三量体中の残余イソシアネート基とポリエチレングリコールモノメチルエーテル中の水酸基とを反応させ、ポリウレタンアクリレートUA−1を作成した。
ポリウレタンアクリレートUA−1 77.6部にシクロヘキサノン20部及び光重合開始剤(チバガイギー製、商品名イルガキュア184)2.4部を加えて均一になるまで撹拌した後、撹拌下に脱イオン水100部を加えて分散させ、不揮発分40%のO/Wエマルション型塗布組成物HC−1を得た。
ポリウレタンアクリレートUA−1 77.6部を60〜70℃に保温して光重合開始剤(チバガイギー製、商品名イルガキュア184)2.4部を添加、溶解した後、撹拌下に脱イオン水120部を加えて分散させ、不揮発分40%のO/Wエマルション型塗布組成物HC−2を得た。
ポリウレタンアクリレートUA−1 68部を60〜70℃に保温し、平均粒径3.0μmの高架橋ポリメチルメタクリレート粒子(MX-300H、綜研化学(株)製)10部及び光重合開始剤(チバガイギー製、商品名イルガキュア184)2部を少量ずつ添加し、粒子及び光重合開始剤がウレタンアクリレート中に均一に分散するまで撹拌してポリウレタンアクリレート混合物を得た。その後、ポリウレタンアクリレート混合物80部を60〜70℃に保温し、撹拌下に脱イオン水120部を加えて分散させ、不揮発分40%のO/Wエマルション型塗布組成物HC−3を得た。
脱イオン水20部に平均粒径1.5μmのシリカ粒子(屈折率1.46、シーホスタKE−P150、日本触媒(株)製)10部を加え、ポリトロン分散機にて10000rpmで30分分散し、シリカ粒子分散水溶液を作成した。
ポリウレタンアクリレートUA−1 28.5部、DPHA 20部(日本火薬(株)製、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとジペンタエリスリトールペンタアクリレートの混合物)にシクロヘキサノン20部及び光重合開始剤(チバガイギー製、商品名イルガキュア184)1.5部を均一になるまで混合し、更に平均粒径3.0μmの高架橋ポリメチルメタクリレート粒子(MX-300H、綜研化学(株)製)30部を少量ずつ添加し、粒子が均一に分散するまで撹拌してポリウレタンアクリレート混合物を得た。該混合物に脱イオン水100部を加えて分散させ、不揮発分40%のO/Wエマルション型塗布組成物HC−5Aを得た。
上記O/Wエマルション型塗布組成物HC−1を100部と上記O/Wエマルション型塗布組成物HC−5Aを100部混合して攪拌し、O/Wエマルション型塗布組成物HC−5を得た。HC−5は調整後約24時間で塗布に使用した。
ポリウレタンアクリレートUA−1 53.05部、DPHA 10部(日本火薬(株)製、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとジペンタエリスリトールペンタアクリレートの混合物)にシクロヘキサノン20部及び光重合開始剤(チバガイギー製、商品名イルガキュア184)1.95部を均一になるまで混合し、更に平均粒径3.0μmの高架橋ポリメチルメタクリレート粒子(MX-300H、綜研化学(株)製)15部を少量ずつ添加し、粒子が均一に分散するまで撹拌してポリウレタンアクリレート混合物を得た。該混合物に脱イオン水110部を加えて分散させ、不揮発分40%のO/Wエマルション型塗布組成物HC−5Bを得た。このようにして得られた組成物の構成成分は上記HC−5と同一のものであった。HC−5Bは調整後約24時間で塗布に使用した。
脱イオン水120部に光重合開始剤(本文例示化合物 UVI−2)0.4部を加え、光重合開始剤水溶液を作成した。その後、ポリウレタンアクリレートUA−1 77.6部に光重合開始剤(チバガイギー製、商品名イルガキュア184)2.0部を加え溶解させ60〜70℃に保温し、撹拌下に光重合開始剤水溶液122.4部を加えて分散させ、不揮発分40%のO/Wエマルション型塗布組成物HC−6を得た。
脱イオン水20部にレベリング剤(大日本インキ化学工業製、商品名F−410)0.1部を加え、レベリング剤水溶液を作成した。ポリウレタンアクリレートUA−1 77.5部を60〜70℃に保温し、光重合開始剤(チバガイギー製、商品名イルガキュア184)2.4部を加えて均一になるまで撹拌した後、撹拌下に脱イオン水100部を加えて分散させたのち、レベリング剤水溶液20.1部を加え、不揮発分40%のO/Wエマルション型塗布組成物HC−7を得た。
ポリウレタンアクリレートUA−1 76部を60〜70℃に保温し、乳化剤(KAYAMER PM−21(日本化薬(株)製))0.5部、乳化剤(M−5300(東亜合成(株)製)0.5部、乳化剤(アデカリアソープNE−30、旭電化工業(株)製))1.0部及び光重合開始剤(チバガイギー製、商品名イルガキュア184)2部を少量ずつ添加し、乳化剤及び光重合開始剤がウレタンアクリレート中に均一に分散するまで撹拌してポリウレタンアクリレート混合物を得た。その後、ポリウレタンアクリレート混合物80部を60〜70℃に保温し、撹拌下に脱イオン水120部を加えて分散させ、不揮発分40%のO/Wエマルション型塗布組成物HC−8を得た。
80μmの厚さのトリアセチルセルロースフィルム(フジタック TDY80UL、富士フイルム(株)製、Re=2nm、Rth=48nm)をロール形態で巻き出して、ダイコート法によってハードコート層用塗布液HC−1〜HC−8及びHC−5Bを塗布し、30℃で15秒間、80℃で60秒間乾燥の後、さらに酸素濃度0.01%の雰囲気下で240W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照射量300mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させて乾燥膜厚10μmのハードコート層を形成し、巻き
取ってハードコートフィルムHCL-1〜HCL-8を作成した。また、HC-1及びHC-4を、窒素パージ下で160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照射量50mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化する以外はHCL-1〜HCL-8を作成する条件と同じ条件でハードコートフィルムHCL-9、HCL-10を作成した。
作成したハードコートフィルムHCL-1〜HCL-8について、以下の評価を実施した。
各ハードコートフィルムの裏面をマジックインキ等で黒塗りした後、塗膜上にある輝点欠陥の数を目視で判定した。目視で見える輝点欠陥のサイズは、50μm以上である。輝点欠陥は、20m2観察した際の1m2当たりの平均点欠陥個数でカウントした。1m2当たり2個以上観察される場合は×、2個未満観察される場合は○とした。
ハードコートフィルムの硬度は、JIS K−5400に従う鉛筆硬度試験で評価した。鉛筆硬度が2H以下である場合は×、3H以上である場合には○、4H以上である場合には◎とした。
カールの測定は、JIS K−7619−1988の「写真フィルムのカールの測定法」中の方法Aのカール測定用型板を用いて行われる。
25℃、60%RH、の条件で10時間調湿した後のフィルムのカールの大きさを以下の数式(6)で表す。
数式(6):カール=1/R
Rは曲率半径(m)を表す。
ここで、カールが「+」とはフィルムの塗設側が湾曲の内側になるカールをいい、「−」とは塗設側が湾曲の外側になるカールをいう。
透明支持体とハードコート層との密着性は以下の方法により評価することができる。
ハードコート層を有する側の表面にカッターナイフで碁盤目状に縦11本、横11本の切り込みを1mm間隔で入れて合計100個の正方形の升目を刻み、日東電工(株)製のポリエステル粘着テープ(NO.31B)を圧着し、24時間放置後引き剥がす試験を同じ場所で繰り返し3回行い、剥がれの有無を目視で観察する。
ハードコートフィルムを35mm×120mmに切断し、温度25℃、相対湿度60%の条件で2時間放置した後、筒状に丸めたときにひび割れが発生し始める曲率直径を測定し、表面のひび割れを評価することができる。
ハードコートフィルムのハードコート層が積層されていない方の側を紙やすりで擦った後に黒マジックにより40cm×40cmの面積で塗りつぶす。タングステン灯下で反射防止フィルム表面の状態を目視観察した。面内にムラが視認されないな場合は○、面内にムラが観察された場合には×とした。
得られたハードコートフィルムにルーバーなしのむき出し蛍光灯(8000cd/m2)を45度の角度から映し、−45度の方向から観察した際の反射像のボケの程度を以下の基準で評価した。
蛍光灯の輪郭が全くわからない。 :◎
蛍光灯の輪郭がわずかにわかる。 :○
蛍光灯はぼけているが、輪郭は識別できる。 :△
蛍光灯がほとんどぼけない。 :×
O/Wエマルション型塗布組成物を25℃の条件で1ヶ月静置した後の塗布組成物の外観
及び粒度分布(大塚電子(株)製LPA-3100)により安定性を評価した。
◎:粒度、液の状態ともにほとんど変化がない。
○:若干の離水が見られるが、再分散性が良好であり、粒度はほとんど変化がない。
△:再分散性は良好であるが、粒度の変化あり。
×:油相と水相の分離が見られる。
(ゾル液(b−1)の調製)
攪拌機、還流冷却器を備えた反応器内において、メチルエチルケトン119質量部、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン“KBM−5103”{信越化学工業(株)製}101質量部、ジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテート3質量部を加え混合したのち、イオン交換水30質量部を加え、60℃で4時間反応させたのち、室温まで冷却し、ゾル液(b−1)を得た。
ポリシロキサン及び水酸基を含有する屈折率1.44の熱架橋性含フッ素ポリマー(JTA113、固形分濃度6%、JSR(株)製)13部、コロイダルシリカ分散液MEK−ST−L(商品名、平均粒径45nm、固形分濃度30%、日産化学(株)製)1.3部、ゾル液(b−1)0.6部、及びメチルエチルケトン5部、シクロヘキサノン0.6部を添加、攪拌の後、孔径1μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して、低屈折率層塗布液Aを調製した。この塗布液により形成される層の屈折率は、1.45であった。
低屈折率層用塗布液をハードコートフィルムHCL-9、HCL-10に下記条件により塗設して反射防止フィルムLR-1、LR-2を作成した。
ハードコートフィルムHCL-9、HCL-10を再び巻き出して、低屈折率層用塗布液を特開2003-211052の図2(A)、図3、図4及び図5に記載のダイコーターを使用して下記の基本条件で塗布し、120℃で150秒乾燥の後、更に100℃で8分乾燥させてから窒素パージにより酸素濃度0.1%の雰囲気下で240W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照射量300mJ/cm2の紫外線を照射し、厚さ95nmの低屈折率層を形成して巻き取り、反射防止フィルムLR-1、LR-2を作成した。
作成した反射防止フィルムLR-1、LR-2について、ハードコートフィルムの評価で実施した内容と同様の評価及び以下の評価を実施した。
(スチールウール耐傷性評価)
「ラビングテスター」を用いて、以下の条件で擦りテストを実施した。
評価環境条件:25℃、60%RH。
擦り材:スチールウール{日本スチールウール(株)製、グレードNo.0000}を、試料と接触するテスターの擦り先端部(1cm×1cm)に巻いて、バンド固定。
移動距離(片道):13cm。
擦り速度:13cm/秒。
荷重:500g/cm2
先端部接触面積:1cm×1cm。
擦り回数:10往復。
擦り終えた試料の裏側に油性黒インキを塗り、擦り部分の傷を反射光で目視観察して、擦った部分の傷の本数を以下の判定基準に従って評価した。
◎:傷の発生が全く認められない。
○:3本以内の細い傷が認められる。
△:10本以内の傷が認められる。
×:10本以上の傷が認められる
○以上のレベルを合格とした。
分光光度計V−550(日本分光(株)製)にアダプターILV−471を装着して、380〜780nmの波長領域において、入射角5度における積分反射率を測定し、450〜650nmの平均反射率を算出した。積分反射率が3%以下になると反射防止効果が顕著であり、好ましい。評価結果を表9に示す。
ポリウレタンアクリレートUA−1 70.0部を60〜70℃に保温して光重合開始剤(チバガイギー製、商品名イルガキュア184)2.4部を添加、溶解した後、撹拌下に2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート7.6部と脱イオン水120部を加えて分散させ、不揮発分40%のO/Wエマルション型塗布組成物HC−11を得た。
前記ハードコートフィルムHCL−1の作成において、塗布組成物HC−11を用いる以外は同様にしてハードコートフィルムHCL−11を作成した。
DPHA5.0部(日本火薬(株)製、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとジペンタエリスリトールペンタアクリレートの混合物)、PET−30(日本火薬(株)製、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートの混合物)55部、反応性シリコーンX−22−164C(商品名;信越化学工業社製)2.0部、光重合開始剤(イルガキュア127(商品名)、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)2.0部、およびメチルエチルケトン36部を混合してオーバーコート層用塗布液を調製した。
上記オーバーコート層用塗布液を乾燥・硬化後の膜厚が0.8μmになるようにハードコートフィルムHCL-10の上に塗設した。塗布装置は前記反射防止フィルムLR−1の作成と同じものを使用し、80℃で1分乾燥の後、窒素パージにより酸素濃度0.01%の雰囲気下で240W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照射量300mJ/cm2の紫外線を照射し、厚さ0.8μmのオーバーコート層を形成して巻き取り、ハードコートフィルムHCL-10OCを作成した。
作成したハードコートフィルムHCL-10OCについて、評価を実施した。
(2)ハードコート層
(3)中屈折率層
(4)高屈折率層
(5)低屈折率層
Claims (13)
- 水相及び油相を有する水中油(O/W)型エマルション塗布組成物であって、
(A)分子中に少なくとも3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する活性エネルギー線硬化性多官能(メタ)アクリレートと、
(B)有機溶剤とを油相に含み、該有機溶剤は100gの水に対する溶解度が30g以下であり、かつ基材を膨潤又は溶解させる性質を持つ有機溶剤である水中油(O/W)型エマルション塗布組成物。 - 水相及び油相を有する水中油(O/W)型エマルション塗布組成物であって、
(A)分子中に少なくとも3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する活性エネルギー線硬化性多官能(メタ)アクリレートを油相に含み、
(B)分子中に少なくとも1個以上の(メタ)アクリロイル基を有し、かつ水100gに対する溶解性が3g以上である活性エネルギー線硬化性多官能(メタ)アクリレートを水相に含む水中油(O/W)型エマルション塗布組成物。 - 水相及び油相を有する水中油(O/W)型エマルション塗布組成物であって、
(A)分子中に少なくとも3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する活性エネルギー線硬化性多官能(メタ)アクリレートを含むエマルションと、
(B)前記(A)のエマルションに含まれていない化合物を少なくとも1つ含むエマルションとを含む水中油(O/W)型エマルション塗布組成物。 - 更に平均粒径1μm以上10μm以下の粒子を水相及び/又は油相に含む請求項1〜3のいずれかに記載の塗布組成物。
- 前記有機溶剤の沸点は75℃以上220℃以下である請求項1〜4のいずれかに記載の塗布組成物。
- 前記有機溶剤の割合は1重量%以上30重量%以下である請求項1〜5のいずれかに記載の塗布組成物。
- 更に光重合開始剤を水相及び/又は油相に含有する請求項1〜6のいずれかに記載の塗布組成物。
- 更にフッ素系及び/又はシリコーン系のレベリング剤を水相及び/又は油相に含有する請求項1〜7のいずれかに記載の塗布組成物。
- 透明支持体上に請求項1〜8のいずれかに記載の塗布組成物を硬化してなる硬化層を有する積層体。
- 請求項9に記載の積層体が光学フィルム用又は反射防止フィルム用である積層体。
- 偏光膜と、該偏光膜の両側に位置する保護フィルムとを有する偏光板であって、該保護フィルムの少なくとも一方が請求項9又は10に記載の積層体である偏光板。
- 請求項9もしくは10に記載の積層体、又は請求項11に記載の偏光板を有する画像表示装置。
- 透明支持体上に塗布組成物を硬化してなる層を有する積層体の製造方法であって、請求項1〜8のいずれかに記載の塗布組成物を塗布する工程と、乾燥する工程とを有する積層体の製造方法。
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