JP2010151490A - 非破壊検査装置及び非破壊検査方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ガイド波を用いた非破壊検査において、配管に生じた減肉部信号を虚像と識別し、減肉部の検出精度を向上できるガイド波を用いた非破壊検査装置及び方法を提供することにある。
【解決手段】ガイド波探傷装置4は、管体1にガイド波を送信及び管体1からガイド波を受信して、その受信信号に基づく受信情報を取得する。探傷波形記憶装置12は、受信情報を記憶する。探傷結果映像化装置13は、受信情報に基づいて探傷結果を映像化する。探傷結果診断装置14は、探傷結果映像化装置13により映像化された、異なる周波数に対する複数のガイド波検査映像の相関を取り、欠陥信号と虚像信号とを識別する演算処理を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、配管などの管体に対してガイド波を用いた非破壊検査を行い、配管材料中に発生が想定される減肉などの欠陥の有無を、長距離を一括で評価する非破壊検査装置及び非破壊検査方法に関する。
発電プラントや化学プラントなどを構成する配管では、長期間運転している間に配管内部を流れる液体あるいは気体により、配管内面に腐食や侵食を受けて、配管が劣化する場合がある。そのため定期的な監視および検査あるいは適切な補修が必要である。それを怠ると配管に減肉が発生し、さらに減肉が進展して貫通穴が形成されることがある。この場合、液体や蒸気といった配管内部流体が漏洩しプラントの正常な運転が確保できなくなるため、長時間にわたり運転停止をせざるを得ない。このため、配管の板厚、材料の状態を管理する非破壊検査手法により配管の健全性を評価し、必要に応じて配管の交換や補修などの対策を施す必要がある。
非破壊検査手法の代表的なものとして、JIS Z 2355:2005に規定されている超音波パルス反射法による厚さ測定方法がある(非特許文献1参照)。これは、超音波探触子と送受信器から構成される超音波厚さ計を用いる方法が一般的である。超音波厚さ計は、検査対象配管の板厚方向に超音波を送信し、配管底面で反射した超音波を超音波探触子で受信したときの超音波伝播時間と既知である材料中の超音波音速を用いて板厚を求める原理で、高精度で配管の板厚を測定することができるが、その有効検査範囲は超音波探触子と配管の接触面積に限定される。
しかし、配管口径が大きい、あるいは長さが数メートルから数十メートルに及ぶ配管のように検査対象範囲が広くなると、超音波厚さ計による測定点が増加するため検査時間が長大化する問題点がある。また、保温材が巻かれている配管、地中あるいはコンクリートなどへの埋設配管、高所に設置されている立上り配管などの検査員及び検査装置のアクセスが難しい配管においては、検査作業のための準備・片付けに要する時間も長大化する。
そこで、超音波の一種であるガイド波を用いた検査技術が導入されつつある。ガイド波検査は長距離を一括検査することが可能であり、この検査で有意な差が発見された場合にのみ、前記超音波厚さ計を用いた測定などでその真意を確認すれば、検査作業時間の短縮を図ることができる。
一般に、ガイド波による検査では、分散性が低く長距離伝播可能な基本モード(次数は0あるいは1で表現)が用いられる。しかし、超音波探触子2の発信部を周方向に分布を与えた場合や、配管周方向の一部に減肉部や支持体などの不連続部が存在すると、高次モードが発生する。高次モードは振動形態が複雑であるため、探触子で受信した波形の評価が難しくなる。配管直径が大きくなると群速度の差が小さくなり、基本モードと高次モードの分離が困難になる。また、配管を伝播するガイド波は、減肉部などの板厚変化があった場合には送信波の上流側に反射波が発生する。この反射波を受信することで欠陥の検出が可能になる。
ガイド波を用いた従来の検査方法としては、配管に超音波を入射する発信センサと受信センサで構成され、ガイド波を円周方向分布が異なるモードに分離し、各モードに理論的に求められる分散曲線データを加えることにより任意時刻の空間波を算出した後、空間波により配管の評価画像を得る装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この手法では、高精度な分散曲線と円周方向に異なるモードが分離できることが、欠陥像を正しく識別し検査精度を高める上で重要な条件となる。
特開2006−53134号公報 日本工業規格 JIS Z 2355:2005
特許文献1記載の手法では、配管口径が小さい場合には基本モードと高次モードでは群速度の差が生じやすいため、欠陥識別性向上が見込める。しかし、配管口径が大きい場合には、基本モードと高次モードの群速度の差が小さくなるので円周方向に異なるモードの分離が難しくなり、映像化の向上が困難にある。
ここで、ガイド波検査装置の受信チャンネル数には上限がある。この場合、配管の周方向での信号計測点はガイド波検査装置の受信チャンネル上限数しか配置できない。また、多数の探触子を配管周方向に置いた場合でも、計測点数がガイド波検査装置の受信チャンネル上限数となるように複数の探触子を結線して、ガイド波検査装置へ受信信号として入力する必要がある。この場合、ガイド波検査結果の映像化を行うと、欠陥からの信号像とは別に虚像が生じる場合があり、欠陥信号と虚像を区別することが難しい。
このように、計測点数に制約が生じる場合には、欠陥信号と虚像が混在するが、これらを正しく識別できる方法が必要である。この識別を正しくすることにより、減肉部の検出精度を向上でき、適切な健全性評価、管理、補修、交換が可能になる。
本発明の目的は、ガイド波を用いた非破壊検査において、配管に生じた減肉部信号を虚像と識別し、減肉部の検出精度を向上できるガイド波を用いた非破壊検査装置及び方法を提供することにある。
(1)上記目的を達成するために、本発明は、管体にガイド波を送信及び前記管体からガイド波を受信して、その受信信号に基づく受信情報を取得するガイド波探傷装置と、前記受信情報を記憶する探傷波形記憶装置と、前記受信情報に基づいて探傷結果を映像化する探傷結果映像化装置と、前記探傷結果映像化装置により映像化された、異なる周波数に対する複数のガイド波検査映像の相関を取り、欠陥信号と虚像信号とを識別する演算処理を行う探傷結果診断装置とを備えるようにしたものである。
かかる構成により、ガイド波を用いた非破壊検査において、配管に生じた減肉部信号を虚像と識別し、減肉部の検出精度を向上し得るものとなる。
(2)上記(1)において、好ましくは、前記探傷結果診断装置は、異なる周波数に対する複数のガイド波検査映像の相関を取り、相関値がしきい値を超えた場合に、欠陥信号と識別するようにしたものである。
(3)上記(1)において、好ましくは、前記ガイド波探傷装置は、前記管体に複数の周波数のガイド波を個別に送受信してガイド波検査を実施し、前記探傷結果映像化装置は、該ガイド波検査において得られた複数の周波数に対する受信波に基づく映像化を、周波数毎に実施するようにしたものである。
(4)上記(1)において、好ましくは、前記ガイド波探傷装置は、前記管体に複数の周波数を含むガイド波を送受信してガイド波検査を実施し、前記探傷結果映像化装置は、該ガイド波検査において得られた複数の周波数に対する受信波から、各周波数を透過するフィルタにより弁別した上で、映像化するようにしたものである。
(5)また、上記目的を達成するために、本発明は、管体にガイド波を送信および受信して検査を行う非破壊検査方法であって、複数の周波数を用いたガイド波検査を実施し、前記ガイド波検査において得られた受信波に基づく映像化を前記の各周波数で実施し、前記映像化に対する信号強度の相関値を計算して、欠陥信号と虚像信号とを識別するようにしたものである。
かかる方法により、ガイド波を用いた非破壊検査において、配管に生じた減肉部信号を虚像と識別し、減肉部の検出精度を向上し得るものとなる。
本発明によれば、ガイド波を用いた非破壊検査において、配管に生じた減肉部信号を虚像と識別し、減肉部の検出精度を向上できるものとなる。
以下、図1〜図9を用いて、本発明の第1の実施形態によるガイド波を用いた非破壊検査装置の構成及び動作について説明する。
最初に、図1を用いて、本実施形態によるガイド波を用いた非破壊検査装置の全体構成について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態によるガイド波を用いた非破壊検査装置の全体構成の説明図である。
ガイド波探傷装置4は、ガイド波を管体中へ伝播及び管体中から受信する装置であり、主な構成要素は、トリガ信号発生装置5と、複数個の送受信回路61,62,63,64と、デジタル信号変換器10である。
送受信回路61,…,64は、同じ構成及び機能を有し、同じ動作を行う。また、配管1に設置する超音波探触子21,22,23,24は、同じ構成及び性能を有し、同じ動作を行う。各超音波探触子21,22,23,24は、配管1の周方向に90°の間隔をおいて等間隔で配置されている。超音波探触子24は、超音波探触子22に対して周方位180°の反対側に配置している。そして、送受信回路61,…,64と、超音波探触子21,…,24は、一対一に対応するように電線11で結線する。
以下の説明では、送受信回路61および超音波探触子21に関わる回路に関して説明を行うが、他の送受信回路および超音波探触子についても同じである。
トリガ信号発生装置5から発信されたトリガ信号は、送受信回路61に送られる。送信信号は、このトリガ信号を受けて任意波形発生器7から発信され、増幅アンプ8で信号振幅が増強された後、超音波探触子21に送られる。
送信信号を受けた超音波探触子21は、配管内に超音波を発信し、ガイド波を配管内に誘起して伝播させる。配管内に減肉などの不連続部がある場合、送信波であるガイド波の上流方向(伝播原点)へ向けて反射波が発生するが、これは超音波探触子21で受信される。
超音波探触子21での受信信号は、送受信回路61の受信アンプ9で振幅が増幅された後、デジタル信号変換器10に送られデジタル信号化された後、探傷波形記憶装置12に記憶される。ここで、超音波探触子21,…,24は個別の送受信回路61,…,64に電線11で接続しているため、各超音波探触子の受信信号を個別に収録および記憶できる。
ここで、図2及び図3を用いて、本実施形態によるガイド波を用いた非破壊検査装置による検査原理について説明する。
図2は、本発明の第1の実施形態によるガイド波を用いた非破壊検査装置による検査原理の説明図である。図3は、本発明の第1の実施形態によるガイド波を用いた非破壊検査装置により、配管を伝播するガイド波の分散曲線の説明図である。
図2に示すように、配管1の管周方向に超音波探触子21,22,23,24を複数個(図示の例では、4個)並べる。超音波探触子21,…,24から配管1に超音波を発信すると、配管1にはガイド波GWが発生し、このガイド波は配管軸方向に伝播する。配管1に減肉部(欠陥部)DPがあると、ガイド波はそこで反射され、反射波RWとして配管1を伝播し、超音波探触子21,22,23,24によって受信される。このとき数十kHzから数百kHzの範囲の超音波周波数を用いるのが一般的である。超音波探触子の代わりに磁気歪センサが用いられる場合もある。
ガイド波は特有の振動モードを有しており、分散曲線を用いて表現される。
図3は、直径318mm、板厚10.3mmの炭素鋼管での分散曲線の一部を示している。横軸がガイド波の周波数であり、縦軸が各振動モードの伝播音速である群速度であり、ある1つの振動モードは1つの線で表される。つまり、同じモードであっても伝播時の周波数により群速度が異なることを示している。またガイド波の振動モードは大別して縦振動モード(L)、曲げ振動モード(F)、ねじれ振動モード(T)があり、図中()内の数字は板厚あるいは管周方向のモードの次数を示し、この次数が大きくなるほど複雑な振動形態となり、高次モードとして伝播する。
次に、図4及び図5を用いて、本実施形態によるガイド波を用いた非破壊検査装置に用いるガイド波センサ3の構成について説明する。
図4は、本発明の第1の実施形態によるガイド波を用いた非破壊検査装置に用いるガイド波センサの第1の構成図である。図5は、本発明の第1の実施形態によるガイド波を用いた非破壊検査装置に用いるガイド波センサの第2の構成図である。
図4に示すように、配管1の直管部に設置するガイド波センサ3は、半割れ状のガイド波センサリング3a,3bと、複数の超音波探触子21,…,24と、ガイド波センサ固定具3cとで構成される。超音波探触子21,…,24はガイド波センサリング3a,3bに設置し、ガイド波センサリング3a,3bを配管外面で組み合わせて、ガイド波センサ固定具3cで配管1とガイド波センサリング3a,3bがずれないように固定する。これによって、超音波探触子21,…,24は配管に安定して接触でき、配管中へ超音波を送信および受信できる。
ガイド波センサ3は、配管口径に応じてガイド波センサリング3a及び3bを交換するが、基本構成は同じである。
図5は、配管口径が大きい場合を示している。配管口径が大きい場合には、超音波探触子2を周方向に数多く配置することができる。しかし、ガイド波探傷装置4を構成する送受信回路61,…,64には上限があるため、複数の超音波探触子を結線して同一系統として扱う必要がある。例えば、図1に示したように、送受信回路が4個の場合には、周方位90°を1つのセグメントとして扱うために3つの超音波探触子を結線して同一系統として扱う。
図1に示した探傷結果映像化装置13は、探傷波形記憶装置12に格納された受信波に基づき探傷結果の平面展開図を計算で求め表示させる。ここでの映像化手法は、開口合成法に基づく処理を行うことが一般的である。この方法では、探傷範囲内の任意の評価点において、評価点と各超音波探触子あるいは計測点位置との距離とガイド波の音速である群速度に基づいて超音波の伝播時間を計算する。
次に、評価点での信号値を求めるが、各超音波探触子の受信波での上記で計算された伝播時間での信号値を加算する。この評価点を移動させて評価範囲全体での信号値を計算し、平面展開図として結果を表示する。また、探傷結果映像化装置13には映像化に必要な情報(配管寸法、探触子配置、材料音速など)はあらかじめ入力しておく。
また、探傷結果診断装置14には、探傷結果映像化装置13と、表示装置15とが接続されている。
次に、図6〜図9を用いて、本実施形態によるガイド波を用いた非破壊検査装置による検査方法について説明する。
図6は、本発明の第1の実施形態によるガイド波を用いた非破壊検査装置による検査方法の内容を示すフローチャートである。図7〜9は、本発明の第1の実施形態によるガイド波を用いた非破壊検査装置による検査方法により得られる平面展開映像の説明図である。
本実施形態では、ガイド波探傷装置4は、複数の周波数でのガイド波検査を実施する。
まず、ステップ101において、ガイド波探傷装置4は、周波数αHzでガイド波を送受信した検査を実行する。次に、ステップ103において、ガイド波探傷装置4は、得られた検査結果を、探傷波形記憶装置12に記憶する。次に、ステップ105において、ステップ103の受信波を探傷結果映像化装置13に出力し、周波数αHzの受信波による映像化を行う。
また、ステップ102において、ガイド波探傷装置4は、周波数βHzでガイド波を送受信した検査を実行する。次に、ステップ104において、ガイド波探傷装置4は、得られた検査結果を、探傷波形記憶装置12に記憶する。次に、ステップ106において、ステップ104の受信波を探傷結果映像化装置13に出力し、周波数βHzの受信波による映像化を行う。
次に、ステップ107において、探傷結果診断装置14は、ステップ105とステップ106で得た映像化結果に対する相関値を計算し相関評価を行う。さらに、ステップ108において、探傷結果診断装置14は、双方の結果での相関値がしきい値を超えた場合に欠陥と識別する。なお、しきい値は、検出したい欠陥の大きさなどに依存するため、使用者が決定し入力することができる。
次に、図7〜図9を用いて、図6に示した方法により評価した結果について説明する。ここでは、直径318mmの配管において周方向に4つの超音波探触子を配置してガイド波検査を行った場合を例に説明する。
図7は、周波数40kHzにおけるガイド波検査結果の平面展開映像であり、図6におけるステップ105により得られたものである。
図7において、横軸は配管軸方向位置であり、縦軸は周方向位置を示している。また、図中の色の濃淡が反射信号の音源の強さを示し、濃い部分は信号強度が強い。また、配管であるため、周方向位置の上下が同一座標となる。
図7に示す例では、直径318mmの配管で超音波探触子2を周方向に4つ配置(図中□で表示)し、3m先の減肉からの反射波を仮想的に計算し、この反射波に基づいて開口合成処理により平面展開図を求めている。
この図では○で示した位置が減肉部を想定した位置であり、その位置で強い信号を検出でき減肉部を識別することができることが分かる。しかし、△印で示した位置でも強い信号レベルの像が生じているが、ここには反射信号の音源は無いため、△印で示した位置の信号は計算上生じた虚像である。
虚像が発生する理由の一つは、周方向に計測点が不足したことによる。このため、周方向に16個程度の超音波探触子を置き個別に受信波を得ることができ映像化処理を行えば、虚像の発生は抑えられる。しかし、前記したように、ガイド波検査装置の受信チャンネル上限数があるため、超音波探触子を増やし計測点を増やすことが必ずしもできるわけではない。
次に、図8は、周波数60kHzにおけるガイド波検査結果の平面展開映像であり、図6におけるステップ106により得られたものである。図8に示す例では、図7に示す例に比べて、周波数が高くなっているため、○で示す欠陥信号及び△で示す虚像のいずれもが多少小さくなっている。また、虚像は、像の位置が変化している。
図9は、図7の周波数40kHzでの平面展開映像と図8の周波数60kHzでの平面展開映像の相関を評価し、しきい値により識別した結果であり、図6におけるステップ107、ステップ108により得られたものである。
図9において、色の濃淡は相関値を示し、濃い部分では相関値が高い。双方の図の相関を取ることにより、2つの図における欠陥像は同一位置に発生するため相関値が高くなる。しかし、虚像は周波数を変えることで像の位置が変化するため、相関値は低くなり、映像としては欠陥部だけが信号強度が強くなる。ここで、図6のステップ108に示すように適切なしきい値を設定することにより、○で囲む部分を欠陥として識別することができる。
図1において、探傷波形記憶装置12、探傷結果映像化装置13、探傷結果診断装置14、表示装置15は個別の装置として描画しているが、これらの装置および機能を1つの装置の中に搭載することも可能である。
ここで、本実施形態では、2つの周波数を用いた場合について記したが、映像化および相関性を高めて確実な評価を行うためには3つ以上の周波数を用いることが望ましく、その手順は図7の処理内容と同様である。
本実施形態によれば、ガイド波を用いた非破壊検査において、配管に生じた減肉部信号を虚像と識別し、減肉部の検出精度を向上することができる。特に、口径が大きい配管においては、虚像が発生する可能性が高いため、効果的である。
次に、図10を用いて、本発明の第2の実施形態によるガイド波を用いた非破壊検査装置の構成及び動作について説明する。なお、本実施形態によるガイド波を用いた非破壊検査装置の全体構成は、図1に示したものと同様である。すなわち、ガイド波センサ3、ガイド波探傷装置4、探傷波形記憶装置12、表示装置15の構成は第1の実施形態と同じである。しかし、探傷結果映像化装置13および探傷結果診断装置14の機能が異なる。
図10は、本発明の第2の実施形態によるガイド波を用いた非破壊検査装置による検査方法の内容を示すフローチャートである。
第1の実施形態では複数回のガイド波検査が必要であったが、本実施形態では2つ以上の周波数帯域を含んだ入射波を用いたガイド波検査を実施する。このため、ガイド波検査は1回のみとなり、検査時間の短縮を図ることができる。
図10のステップ110において、ガイド波探傷装置4は、2つ以上の周波数帯域を含んだ入射波を用いたガイド波検査を実施する。
次に、ステップ111において、ガイド波探傷装置4は、受信波を探傷波形記憶装置12に記憶する。そして、受信波を評価するために、ステップ112において、探傷結果映像化装置13に受信波を出力する。
ここで、ステップ113において、探傷結果映像化装置13は、受信波に対して、特定の周波数帯域成分だけ抽出できる周波数フィルタを適用する。例えばαHz帯域フィルタを用いて、周波数αHzの受信波として評価できる。そして、この受信波を用いて、ステップ115において、探傷結果映像化装置13は、周波数αHzの受信波による映像化を行う。
また、ステップ114において、探傷結果映像化装置13は、受信波に対して、特定の周波数帯域成分だけ抽出できる周波数フィルタを適用する。例えばβHz帯域フィルタを用いて、周波数βHzの受信波として評価できる。そして、この受信波を用いて、ステップ116において、探傷結果映像化装置13は、周波数βHzの受信波による映像化を行う。
次に、ステップ107において、探傷結果診断装置14は、ステップ115とステップ116で得た映像化結果に対する相関値を計算し相関評価を行う。さらに、ステップ108において、探傷結果診断装置14は、双方の結果での相関値がしきい値を超えた場合に欠陥と識別する。なお、しきい値は、検出したい欠陥の大きさなどに依存するため、使用者が決定し入力することができる。
本実施形態によれば、ガイド波を用いた非破壊検査において、配管に生じた減肉部信号を虚像と識別し、減肉部の検出精度を向上することができる。特に、口径が大きい配管においては、虚像が発生する可能性が高いため、効果的である。
また、ガイド波検査は1回のみとなり、検査時間の短縮を図ることができる。
本発明の第1の実施形態によるガイド波を用いた非破壊検査装置の全体構成の説明図である。 本発明の第1の実施形態によるガイド波を用いた非破壊検査装置による検査原理の説明図である。 本発明の第1の実施形態によるガイド波を用いた非破壊検査装置により、配管を伝播するガイド波の分散曲線の説明図である。 本発明の第1の実施形態によるガイド波を用いた非破壊検査装置に用いるガイド波センサの第1の構成図である。 本発明の第1の実施形態によるガイド波を用いた非破壊検査装置に用いるガイド波センサの第2の構成図である。 本発明の第1の実施形態によるガイド波を用いた非破壊検査装置による検査方法の内容を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施形態によるガイド波を用いた非破壊検査装置による検査方法により得られる平面展開映像の説明図である。 本発明の第1の実施形態によるガイド波を用いた非破壊検査装置による検査方法により得られる平面展開映像の説明図である。 本発明の第1の実施形態によるガイド波を用いた非破壊検査装置による検査方法により得られる平面展開映像の説明図である。 本発明の第2の実施形態によるガイド波を用いた非破壊検査装置による検査方法の内容を示すフローチャートである。
符号の説明
1…配管
2,21,22,23,24…超音波探触子
3…ガイド波センサ
3a,3b…ガイド波センサリング
3c…ガイド波センサリング固定具
4…ガイド波探傷装置
5…送信トリガ発生装置
6,61,62,63,64…送受信回路
7…任意波形発生器
8…増幅アンプ
9…受信アンプ
10…デジタル信号変換器
11…電線
12…探傷結果記憶装置
13…探傷結果映像化装置
14…探傷結果診断装置
15…表示装置
GW…ガイド波
DP…減肉部
RW…反射波

Claims (5)

  1. 管体にガイド波を送信及び前記管体からガイド波を受信して、その受信信号に基づく受信情報を取得するガイド波探傷装置と、
    前記受信情報を記憶する探傷波形記憶装置と、
    前記受信情報に基づいて探傷結果を映像化する探傷結果映像化装置と、
    前記探傷結果映像化装置により映像化された、異なる周波数に対する複数のガイド波検査映像の相関を取り、欠陥信号と虚像信号とを識別する演算処理を行う探傷結果診断装置とを備えることを特徴とする非破壊検査装置。
  2. 請求項1記載の非破壊検査装置において、
    前記探傷結果診断装置は、異なる周波数に対する複数のガイド波検査映像の相関を取り、相関値がしきい値を超えた場合に、欠陥信号と識別することを特徴とする非破壊検査装置。
  3. 請求項1記載の非破壊検査装置において、
    前記ガイド波探傷装置は、前記管体に複数の周波数のガイド波を個別に送受信してガイド波検査を実施し、
    前記探傷結果映像化装置は、該ガイド波検査において得られた複数の周波数に対する受信波に基づく映像化を、周波数毎に実施することを特徴とする非破壊検査装置。
  4. 請求項1記載の非破壊検査装置において、
    前記ガイド波探傷装置は、前記管体に複数の周波数を含むガイド波を送受信してガイド波検査を実施し、
    前記探傷結果映像化装置は、該ガイド波検査において得られた複数の周波数に対する受信波から、各周波数を透過するフィルタにより弁別した上で、映像化することを特徴とする非破壊検査装置。
  5. 管体にガイド波を送信および受信して検査を行う非破壊検査方法であって、
    複数の周波数を用いたガイド波検査を実施し、
    前記ガイド波検査において得られた受信波に基づく映像化を前記の各周波数で実施し、
    前記映像化に対する信号強度の相関値を計算して、欠陥信号と虚像信号とを識別することを特徴とする非破壊検査方法。
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