JP5431905B2 - ガイド波を用いた非破壊検査方法及び非破壊検査装置 - Google Patents

ガイド波を用いた非破壊検査方法及び非破壊検査装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5431905B2
JP5431905B2 JP2009287395A JP2009287395A JP5431905B2 JP 5431905 B2 JP5431905 B2 JP 5431905B2 JP 2009287395 A JP2009287395 A JP 2009287395A JP 2009287395 A JP2009287395 A JP 2009287395A JP 5431905 B2 JP5431905 B2 JP 5431905B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
guide wave
pipe
plate thickness
transmission
nondestructive inspection
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2009287395A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011128043A (ja
Inventor
将裕 三木
良昭 永島
正男 遠藤
小治郎 小平
正浩 小池
満 小田倉
潤一郎 長沼
光太郎 岩原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi GE Nuclear Energy Ltd
Original Assignee
Hitachi GE Nuclear Energy Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi GE Nuclear Energy Ltd filed Critical Hitachi GE Nuclear Energy Ltd
Priority to JP2009287395A priority Critical patent/JP5431905B2/ja
Publication of JP2011128043A publication Critical patent/JP2011128043A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5431905B2 publication Critical patent/JP5431905B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)

Description

本発明は、ガイド波を用いた非破壊検査方法及び非破壊検査装置に係り、特に、二重板構造を有する配管の非破壊検査に好適なガイド波を用いた非破壊検査方法及び非破壊検査装置に関する。
発電プラントや化学プラントなどを構成する配管では、長期間運転している間に配管内部を流れる液体あるいは気体により、配管内面に腐食や侵食による減肉が発生する場合がある。そのため、定期的な検査および監視を行い、必要に応じて適切な補修を行う必要である。減肉が進展すると配管破断や貫通穴が形成されることがあり、この場合、液体や蒸気といった配管内部流体が漏洩しプラントの正常な運転が確保できなくなるため、長時間にわたり運転停止をせざるを得ない。このため、非破壊検査手法により、配管の板厚、材料の状態などの配管の健全性を評価し、必要に応じて配管の交換や補修などの対策を施す必要がある。
非破壊検査手法の代表的なものとして、JIS Z 2355:2005に規定されている超音波パルス反射法による厚さ測定方法がある(非特許文献1参照)。これは、超音波探触子と送受信用ガイド波探触子から構成される超音波厚さ計を用いる方法が一般的である。超音波厚さ計は、検査対象配管の板厚方向に超音波を送信し、配管底面で反射した超音波を超音波探触子で受信したときの超音波伝播時間と既知である材料中の超音波音速を用いて板厚を求める原理で、高精度で配管の板厚を測定することができる。
一方で、配管などの構造物においては、構造物の使用条件変更などにより従来の設計強度より高い強度が必要になった場合に、図2に示すような二重板構造を採用して使用する場合がある。図2では、配管の外側に補強板3を設置し、補強板の端のみ溶接5により接合した例である。このような構造では、補強板3と配管1の間にギャップ6が発生するため、超音波厚さ計を用いた測定では補強板の板厚しか測定できず、配管内面に発生する減肉4の検出および板厚計測はできない。
一方で、減肉検査手法として、超音波の一種であるガイド波を用いた検査技術がある。ガイド波検査は長距離、広域を一括で検査することができる特徴があるが、一般に減肉などの欠陥の有無を判別する手法として用いる。
図3を用いて、ガイド波を用いた検査について、簡単に説明する。配管1の管周方向にガイド波探触子2を複数個並べる。ガイド波探触子2から配管1に超音波を発信すると、配管1ではガイド波が発生し、このガイド波は配管軸方向に伝播する。ここで、ガイド波は無数の振動モードを存在するが、ガイド波探触子2からの送信波を調整することで、特定の振動モードだけを伝播させることができる。減肉4などの不連続部があると、ガイド波は反射波を発生するため、この反射波をガイド波探触子2で受信して、減肉発生の有無を判別する。なお、この不連続部には、減肉の他に溶接や管分岐部なども含まれる。これらの要素はガイド波の特性上板厚が増加した効果と同じであり、これらにより発生する信号が大きいため、減肉4からの信号が識別できず、ガイド波検査の適用ができない場合もある。
また、ガイド波を用いた従来の検査方法には、ガイド波の透過法を用いた検査方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。ガイド波の透過法を用いた検査方法は、減肉部でガイド波の各伝播モード(S0およびA0)の音速変化が生じることに基づいて、各伝播モードの伝播時間差を測定する。次に、そのモードの特性曲線に照合し、伝播時間差を生じさせる板厚を求め、減肉深さを測定する方法である。
特許4094464号
日本工業規格 JIS Z 2355:2005 「超音波パルス反射法による厚さ測定方法」
しかしながら、特許文献1記載の方法では、溶接や管分岐部がある場合には、これらの不連続部による音速変化も生じるため、測定値に不確かさがある。
本発明の目的は、ガイド波を用いた検査において、溶接や管分岐部がある場合でも、これらの不連続部の影響を受けることなく、板厚を測定できるガイド波を用いた非破壊検査方法及び非破壊検査装置を提供することにある。
(1)上記目的を達成するために、本発明は、一部に二重板構造を有する配管のガイド波を用いた非破壊検査方法であって、前記配管の検査対象範囲を挟むようにガイド波送受信手段を設置し、前記配管の内部流体の流れる方向は前記配管の軸方向であるのに対し、前記ガイド波の透過方向は前記配管の周方向であり、前記配管の内部流体の上流側でガイド波送信条件の決定を行い、前記配管の内部流体の上流側でのガイド波の透過法により受信波形Aを取得し、同じ条件で下流側でのガイド波の透過法により受信波形Bを取得し、前記受信波形Aと前記受信波形BでのS0モード成分の到達時間を測定し、前記2つの条件での到達時間と板厚−速度線図から測定部の板厚を算出するようにしたものである。
かかる方法により、ガイド波を用いた検査において、溶接や管分岐部がある場合でも、これらの不連続部の影響を受けることなく、板厚を測定できるものとなる。
(2)上記(1)において、好ましくは、前記検査対象範囲を囲むように複数のガイド波探触子を配置し、複数対の探触子において探触子間の平均板厚情報から演算処理により板厚の空間分布を算出するようにしたものである。
(3)また、上記目的を達成するために、本発明は、一部に二重板構造を有する配管のガイド波を用いた非破壊検査装置であって、被検査対象物にガイド波を送信する送信部と、前記被検査対象物からガイド波を受信する受信部と、前記受信部での受信信号を記録する波形記録部と、前記送信部と前記受信部の位置を入力する送受信位置入力部と、材料の板厚とガイド波の速度変化の関係を表す板厚−速度関係線図を記憶する板厚−速度線図記憶部と、被検査対象物の板厚分布を演算する演算部と、前記演算部の結果を表示する表示部を備え、前記配管の内部流体の流れる方向は前記配管の軸方向であるのに対し、前記ガイド波の透過方向は前記配管の周方向であり、前記演算部は、前記配管の内部流体の上流側に、前記配管の検査対象範囲を挟むようにガイド波送受信手段が設置されたとき、ガイド波の透過法により得られる受信波形Aから測定されるS0モード成分の到達時間と、同じ条件で下流側でのガイド波の透過法により得られる受信波形Bとから測定されるS0モード成分の到達時間と、前記板厚−速度線図記憶部に記憶された板厚−速度線図から測定部の板厚を算出するようにしたものである。
かかる構成により、ガイド波を用いた検査において、溶接や管分岐部がある場合でも、これらの不連続部の影響を受けることなく、板厚を測定できるものとなる。
本発明によれば、ガイド波を用いた検査において、溶接や管分岐部がある場合でも、これらの不連続部の影響を受けることなく、板厚を測定できるものとなる。
本発明の一実施形態によるガイド波を用いた非破壊検査装置の構成を示すブロック図である。 補強板構造を有する配管の断面構造図である。 ガイド波を用いた一般的な検査の説明図である。 本発明の一実施形態によるガイド波を用いた非破壊検査装置におけるガイド波探触子の配置と検査方法の説明図である。 本発明の一実施形態によるガイド波を用いた非破壊検査装置におけるガイド波探触子の配置と検査方法の説明図である。 本発明の一実施形態によるガイド波を用いた非破壊検査装置による検査方法の内容を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態によるガイド波を用いた非破壊検査装置で用いる板厚−速度線図の説明図である。 本発明の一実施形態によるガイド波を用いた非破壊検査装置による測定波形の説明図である。 本発明の一実施形態によるガイド波を用いた非破壊検査装置による測定結果の板厚の空間分布と探触子間の平均板厚の関係の説明図である。 本発明の一実施形態によるガイド波を用いた非破壊検査装置による測定結果の送信用ガイド波探触子と受信用ガイド波探触子間の平均板厚と探触子間距離の関係の説明図である。 本発明の他の実施形態によるガイド波を用いた非破壊検査装置におけるガイド波探触子の配置の説明図である。
以下、図1及び図4〜図10を用いて、本発明の一実施形態によるガイド波を用いた非破壊検査装置の構成及び動作について説明する。
最初に、図1を用いて、本実施形態によるガイド波を用いた非破壊検査装置の構成について説明する。
図1は、本発明の一実施形態によるガイド波を用いた非破壊検査装置の構成を示すブロック図である。
配管1の外周には、複数の送信用ガイド波探触子2a,2b,2cが設置される。また、配管1の外周には、複数の受信用ガイド波探触子2d,2e,2fが設置される。ここで、送信用ガイド波探触子2a,2b,2cは同じ機能と動作をするため、本例では送信用ガイド波探触子2aを代表としてその動作を記す。また、受信用ガイド波探触子2d,2e,2fは同じ機能と動作を行うため、本例では受信用ガイド波探触子2dを代表としてその動作を記す。なお、本実施例では、送信用探触子を3つ、受信用探触子を3つ用いた場合について説明するが、探触子数が多いほど、板厚測定結果の精度は高くなる。
ガイド波送受信装置8は、ガイド波を管体1中へ入射し、管体1中からガイド波を受信する。ガイド波送受信装置8は、送受信制御装置10と、パルサー11と、レシーバー12とを備えている。送受信制御装置10は、ガイド波の送信及び受信と、ガイド波測定結果処理装置9へガイド波受信信号を伝達する機能を備えている。
送受信制御装置10は、パルサー11にトリガ信号を送信する。パルサー11は、トリガ信号を受信すると印加電圧が発生し、電線18を伝って送信用ガイド波探触子2aに送られ、管体1にガイド波が発生する。管体1中を伝播したガイド波は、受信用ガイド波探触子2dで受信される。受信用ガイド波探触子2dで得られた受信信号はレシーバー12に送られた後、信号増幅されて送受信制御装置10に送られる。送受信制御装置10は、レシーバー12からの受信信号をガイド波測定結果処理装置9へ伝達するとともに、次の測定のためのトリガ信号をパルサー11に送信する。一般に、送信用探触子がm個、受信用探触子がn個の場合は、m×n通りの処理を行うため、本例でこの処理を9通り行う。
ガイド波測定結果処理装置9は、波形記録部13と、送受信位置入力部14と、板厚−速度線図記憶部15と、演算部16とを備えている。ガイド波送受信装置8から伝達された受信波形は、波形記録部13に記憶される。また、送信用ガイド波探触子2a,2b,2cと、受信用ガイド波探触子2d,2e,2fの位置は、送受信位置入力部14から入力される。板厚−速度線図記憶部15は、検査対象物の物性と送受信制御装置10で使用した送信周波数情報に基づいて、図6にて後述するような板厚−速度線図を読み出す。演算部16は、波形記録部13に記憶された受信波形と、送受信位置入力部14から入力された送信用ガイド波探触子2a,2b,2cと受信用ガイド波探触子2d,2e,2fの位置と、板厚−速度線図記憶部15に記憶された板厚−速度線図とに基づいて、検査対象範囲の板厚を計算する。演算部16で計算された検査対象範囲の板厚分布は、表示装置17で表示される。
次に、図4〜図8を用いて、本実施形態によるガイド波を用いた非破壊検査装置による検査方法について説明する。
図4及び図5は、本発明の一実施形態によるガイド波を用いた非破壊検査装置におけるガイド波探触子の配置と検査方法の説明図である。図4は平面図であり、図5は断面図である。図6は、本発明の一実施形態によるガイド波を用いた非破壊検査装置による検査方法の内容を示すフローチャートである。図7は、本発明の一実施形態によるガイド波を用いた非破壊検査装置で用いる板厚−速度線図の説明図である。図8は、本発明の一実施形態によるガイド波を用いた非破壊検査装置による測定波形の説明図である。
まず、図6のステップ100において、検査開始すると、ステップ101において、測定条件の調整を実施する。
図4及び図5に示すように、配管1には分岐管7が接続されている。分岐管7が接続されている箇所には、補強のため、補強板3が取り付ける。補強板3は、溶接部5により配管1に固定される。ここで、分岐管7からの流れが配管1に合流する場合、減肉部4が発生することがある。そこで、図4に示すように、補強板3を有する配管1では、試験条件の調整は減肉発生ポテンシャルが低い内部流体の上流側で実施する。
送信用ガイド波探触子2a,2b,2cおよび受信用ガイド波探触子2d,2e,2fは、検査対象(補強板3が設けられている箇所)を挟むように設置し、設置位置の測定および送受信位置入力部14への位置情報の入力を行う。その後、送信波形および送信周波数の調整を行う。ここで、溶接がある場合には、溶接がない場合に比べ板厚が増加する効果が生じるため、溶接部5の影響を考慮した周波数調整が必要になる。
次に、図6のステップ102において、上流側の検査対象の測定を行う。本実施例では、送信用ガイド波探触子を3個、受信用ガイド波探触子を3個用いているため、図6のステップ102に示すように、送信用ガイド波探触子2aから送信し、受信用ガイド波探触子2dにより受信、送信用ガイド波探触子2aから送信し、受信用ガイド波探触子2eにより受信というように9通りの測定が必要である。そして、図6のステップ103において、波形記録部13に上流側受信波形の記憶を行う。
その後、図6のステップ104において、下流側の検査対象の測定を行う。このとき、送信用ガイド波探触子2a’,2b’,2c’と受信用ガイド波探触子2d’2e’2f’の設置位置は、図4に示すように分岐管7を挟んで対称となるようにする。そして、図6のステップ104に示すように、送信用ガイド波探触子2a’から送信し、受信用ガイド波探触子2d’により受信、送信用ガイド波探触子2a’から送信し、受信用ガイド波探触子2e’により受信というように9通りの測定を行う。そして、図6のステップ105において、波形記録部13に下流側受信波形の記憶を行う。
ステップ106以降の処理は、ガイド波測定結果処理装置9内での計算となる。
ここで、図7を用いて、ガイド波を用いた板厚測定の基本となる板厚−速度線図の例について説明する。これは、送信周波数が250kHzのときの炭素鋼材の板厚−速度線図である。
一般に、板材を伝播するガイド波は振動形態が異なる2つのモード(S0モード、A0モード)を有している。ここで、注目するのは板厚5−10mmの範囲では、S0モードの音速変化が大きいが、A0モードは音速変化がほとんどない。よって、A0モードは板厚変化の測定には利用せず、S0モードのみ利用すればよい。つまり、板厚10mmの板材を検査して減肉などの板厚変化を測定するのは、送信周波数を250kHzに設定し、S0モードの音速変化によって生じる到達時間に注目すればよい。
そこで、図6のステップ106において、S0モード波形成分の抽出と到達時間の測定を行う。
ここで、図8を用いて測定波形について説明する。図8(a)は上流側での測定波形のイメージであり、図8(b)は下流側での測定波形のイメージであり、下流側において減肉が発生し板厚が小さくなったものである。この場合、板厚が小さくなることによってS0モードの音速は大きくなるため、送信用および受信用ガイド波探触子間距離が同じであれば、減肉の発生によってS0モード成分の到達時間は早くなる。それに対して、A0モードは図7のような設定範囲では上述のように音速差がないため、到達時間の差は現れない。よって、図8(a)と図8(b)の差分からS0モードの抽出ができ、図8(a)および図8(b)でのS0モードの到達時間taおよびtbが測定できる。
次に、図6のステップ107において、到達時間差が生じる板厚算出を行う。ここで、送信用および受信用ガイド波探触子間距離は既知であるため、S0モードの到達時間taおよびtbから図8(a)と図8(b)における音速vaおよびvbが求まる。この音速vaおよびvbを、図7に示した板厚−速度線図と照合すると、図8(a)と図8(b)における探触子間の平均板厚saおよびsbが求まる。ここで、補強板を有する配管では、平均板厚saおよびsbは溶接部5の影響が含まれているため、両者の差分をとることにより、実際の板厚変化量Δs=sa―sbが求まる。そして、この板厚変化量Δsを製造時の板厚snから引いた値が管体1での平均板厚s=sn−Δsとして求められる。
なお、ステップ106およびステップ107の処理は、ステップ102およびステップ104の処理で測定した条件数(本例では9通り)を行う。
そして、ステップ107で得られた管体1での平均板厚sと送受信用ガイド波探触子間の距離とから再構成演算処理を行って、検査対象範囲の板厚の空間分布を求める。まず、図6のステップ108において、検査対象部位の板厚の空間分布の仮定を行う。次に、図6のステップ109において、仮定した空間分布での送信−受信組毎の平均板厚siの算出を行う。続いて、図6のステップ110において、ステップ109で得た仮定平均板厚siとステップ107で得た平均板厚sを比較する。誤差が許容値以内ならば、図6のステップ111において、仮定した板厚分布の確定となる。しかし、誤差が許容値を超えれば、図6のステップ108において、板厚の空間分布の仮定を再設定する。
ここで、図9を用いて、板厚の空間分布と探触子間の平均板厚の関係について、説明する。図9は、下流側で仮定した配管板厚の空間分布の例であり、板厚を白黒の濃淡で表示し、表示格子間隔は0.1mとした。2a’〜2c’は送信用ガイド波探触子、2d’〜2f’は受信用ガイド波探触子である。
図10は、送信用ガイド波探触子と受信用ガイド波探触子間の平均板厚と探触子間距離を表にまとめたものである。探触子間の平均板厚は、探触子を結ぶ直線が通過する格子の板厚の平均値として算出した。この結果から、探触子を結ぶ各直線で異なる平均板厚となることが分かる。ここで、探触子間の平均板厚に関して、実際に検査によって得た平均板厚の結果(ステップ107)と、仮定した空間分布から算出した結果(ステップ109)が一致するあるいは誤差が許容値以内になれば、仮定した板厚の空間分布の確定111になる。ここに示す方法は、再構成演算の基本的な方法であり、類似の計算方法でも再構成してもよい。
求められた板厚および減肉深さは送信部と受信部の間の平均値であり、局所的に深い減肉や複数の減肉が分布する箇所に適用した場合、測定値に不確かさがあるが、上記のように、空間分布を求めることで、この不確かさを解消できる。
その後、図6のステップ112において、表示装置17に板厚の空間分布の映像を表示する。その映像は図9及び図10に示すような画像となる。この表示をもって、検査終了となる。
板厚測定結果の精度を高めるためには、探触子数を増やすことや、空間分布の格子間隔を小さくすることで対応できる。
以上説明したような非破壊検査装置および非破壊検査方法により、ガイド波を用いた検査において、溶接や管分岐部がある場合でも、これらの不連続部の影響を受けることなく、板厚を測定できる。
次に、図11を用いて、本発明の他の実施形態によるガイド波を用いた非破壊検査装置の構成及び動作について説明する。本実施形態によるガイド波を用いた非破壊検査装置の構成は、図1に示したものと同様である。
図11は、本発明の他の実施形態によるガイド波を用いた非破壊検査装置におけるガイド波探触子の配置の説明図である。なお、図1及び図4と同一符号は、同一部分を示している。
送信用ガイド波探触子2a,2b,2cおよび受信用ガイド波探触子2d,2e,2fは、検査対象(補強板3が設けられている箇所)を挟むように、かつ、流れ方向に対して斜め方向に設置する。そして、設置位置の測定および送受信位置入力部14への位置情報の入力を行い、その後、送信波形および送信周波数の調整を行う。
そして、上流側の検査対象の測定を行う。本実施例では、送信用ガイド波探触子を3個、受信用ガイド波探触子を3個用いているため、図6のステップ102に示すように、送信用ガイド波探触子2aから送信し、受信用ガイド波探触子2dにより受信、送信用ガイド波探触子2aから送信し、受信用ガイド波探触子2eにより受信というように9通りの測定が必要である。そして、図6のステップ103において、波形記録部13に上流側受信波形の記憶を行う。
次に、図6のステップ104において、下流側の検査対象の測定を行う。このとき、送信用ガイド波探触子2a’,2b’,2c’と受信用ガイド波探触子2d’2e’2f’の設置位置は、図4に示すように分岐管7を挟むように、かつ、流れ方向に対して斜め方向に設置する。そして、図6のステップ104に示すように、送信用ガイド波探触子2a’から送信し、受信用ガイド波探触子2d’により受信、送信用ガイド波探触子2a’から送信し、受信用ガイド波探触子2e’により受信というように9通りの測定を行う。そして、図6のステップ105において、波形記録部13に下流側受信波形の記憶を行う。
以降の処理は、ステップ106〜ステップ112と同様である。
本実施形態のように、配管1の管軸方向に対して、斜め方向に送受信用ガイド波探触子を配置すると、送受信用ガイド波探触子の間に存在する減肉部は1カ所となり、送信用−受信用探触子間距離が短くなる。その結果、測定時の誤差を少なくできる。なお、図11に示す状態では、図示の右側の減肉部4の計測はできるが、図示の左側の減肉部4の計測はできないことになるため、例えば、送信用ガイド波探触子2a’,2b’,2c’と受信用ガイド波探触子2d’2e’2f’の設置方向に対して、回転させた方向からも計測する必要がある。
以上説明したような本実施形態の非破壊検査装置および非破壊検査方法によっても、ガイド波を用いた検査において、溶接や管分岐部がある場合でも、これらの不連続部の影響を受けることなく、板厚を測定できる。
1…管体
2…超音波探触子、ガイド波探触子
2a、2b、2c、2d、2e、2f…送信用ガイド波探触子
2a’、2b’、2c’、2d’、2e’、2f’…受信用ガイド波探触子
3…補強板
4…減肉部
5…溶接部
6…ギャップ
7…分岐管
8…ガイド波送受信装置
9…ガイド波測定結果処理装置
10…送受信制御装置
11…パルサー
12…レシーバー
13…波形記録部
14…送受信位置入力部
15…板厚−速度線図記憶部
16…演算部
17…表示装置
18…電線

Claims (3)

  1. 一部に二重板構造を有する配管のガイド波を用いた非破壊検査方法であって、
    前記配管の検査対象範囲を挟むようにガイド波送受信手段を設置し、
    前記配管の内部流体の流れる方向は前記配管の軸方向であるのに対し、前記ガイド波の透過方向は前記配管の周方向であり、
    前記配管の内部流体の上流側でガイド波送信条件の決定を行い、前記配管の内部流体の上流側でのガイド波の透過法により受信波形Aを取得し、
    同じ条件で下流側でのガイド波の透過法により受信波形Bを取得し、
    前記受信波形Aと前記受信波形BでのS0モード成分の到達時間を測定し、
    前記2つの条件での到達時間と板厚−速度線図から測定部の板厚を算出することを特徴としたガイド波を用いた非破壊検査方法。
  2. 請求項1記載のガイド波を用いた非破壊検査方法において、
    前記検査対象範囲を囲むように複数のガイド波探触子を配置し、
    複数対の探触子において探触子間の平均板厚情報から演算処理により板厚の空間分布を算出することを特徴としたガイド波を用いた非破壊検査方法。
  3. 一部に二重板構造を有する配管のガイド波を用いた非破壊検査装置であって、
    被検査対象物にガイド波を送信する送信部と、
    前記被検査対象物からガイド波を受信する受信部と、
    前記受信部での受信信号を記録する波形記録部と、
    前記送信部と前記受信部の位置を入力する送受信位置入力部と、
    材料の板厚とガイド波の速度変化の関係を表す板厚−速度関係線図を記憶する板厚−速度線図記憶部と、
    被検査対象物の板厚分布を演算する演算部と、
    前記演算部の結果を表示する表示部を備え、
    前記配管の内部流体の流れる方向は前記配管の軸方向であるのに対し、前記ガイド波の透過方向は前記配管の周方向であり、
    前記演算部は、
    前記配管の内部流体の上流側に、前記配管の検査対象範囲を挟むようにガイド波送受信手段が設置されたとき、ガイド波の透過法により得られる受信波形Aから測定されるS0モード成分の到達時間と、
    同じ条件で下流側でのガイド波の透過法により得られる受信波形Bとから測定されるS0モード成分の到達時間と、
    前記板厚−速度線図記憶部に記憶された板厚−速度線図から測定部の板厚を算出することを特徴としたガイド波を用いた非破壊検査装置。
JP2009287395A 2009-12-18 2009-12-18 ガイド波を用いた非破壊検査方法及び非破壊検査装置 Expired - Fee Related JP5431905B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009287395A JP5431905B2 (ja) 2009-12-18 2009-12-18 ガイド波を用いた非破壊検査方法及び非破壊検査装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009287395A JP5431905B2 (ja) 2009-12-18 2009-12-18 ガイド波を用いた非破壊検査方法及び非破壊検査装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011128043A JP2011128043A (ja) 2011-06-30
JP5431905B2 true JP5431905B2 (ja) 2014-03-05

Family

ID=44290786

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009287395A Expired - Fee Related JP5431905B2 (ja) 2009-12-18 2009-12-18 ガイド波を用いた非破壊検査方法及び非破壊検査装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5431905B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6802113B2 (ja) * 2017-06-06 2020-12-16 日立Geニュークリア・エナジー株式会社 超音波検査方法
GB2577920A (en) * 2018-10-10 2020-04-15 Guided Ultrasonics Ltd Determining thickness of an elongate or extended structure

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3913144B2 (ja) * 2002-08-27 2007-05-09 株式会社日立製作所 配管検査方法及び装置
JP4094464B2 (ja) * 2003-03-28 2008-06-04 コスモ石油株式会社 非破壊検査方法および非破壊検査装置
JP4563164B2 (ja) * 2004-12-15 2010-10-13 三菱重工業株式会社 肉厚監視システム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011128043A (ja) 2011-06-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8091427B2 (en) Nondestructive inspection apparatus and nondestructive inspection method using guided wave
US9927405B2 (en) Processing signals acquired during guided wave testing
JP4589280B2 (ja) ガイド波を用いた配管検査方法及びその配管検査装置
US5661241A (en) Ultrasonic technique for measuring the thickness of cladding on the inside surface of vessels from the outside diameter surface
KR101478465B1 (ko) 곡배관 용접부 초음파검사방법
CN201218806Y (zh) 管道对接焊缝超声检测装置
JP5276497B2 (ja) 配管溶接部の寿命評価方法
JP2011027571A (ja) 配管減肉検査装置および配管減肉検査方法
JP2012173217A (ja) 配管検査方法及び配管寿命決定方法
JP5663319B2 (ja) ガイド波検査方法及び装置
JP5431905B2 (ja) ガイド波を用いた非破壊検査方法及び非破壊検査装置
JP2007322350A (ja) 超音波探傷装置及び方法
JP5297791B2 (ja) 非破壊検査装置及び非破壊検査方法
JP5143111B2 (ja) ガイド波を用いた非破壊検査装置及び非破壊検査方法
CN113686963B (zh) 一种自密实钢管混凝土异形柱密实性检测方法
JP6458164B2 (ja) 超音波を用いた堆積物厚さ測定装置及びその方法
JP4363699B2 (ja) 浸炭層の検出方法及びその厚さの測定方法
JP2006138672A (ja) 超音波検査方法及び装置
JP2014062758A (ja) ガイド波を用いた非破壊検査方法及び装置
CN103207240B (zh) 一种斜探头超声场纵向声压分布的测量方法
KR100258747B1 (ko) 고체재료의 두께 및 초음파 속도를 동시에 측정하는 장치 및 방법
JP5750066B2 (ja) ガイド波を用いた非破壊検査方法
Bertoncini et al. 3D characterization of defects in Guided Wave monitoring of pipework using a magnetostrictive sensor
Mihovski et al. Application of ultrasonic methods for manufacture of pipelines and maintenance
JP2014070968A (ja) 超音波検査装置および超音波検査方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20111104

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130215

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130402

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130522

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131203

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131205

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5431905

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees