JP2014062758A - ガイド波を用いた非破壊検査方法及び装置 - Google Patents

ガイド波を用いた非破壊検査方法及び装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ガイド波を用いて曲がり部を有する配管を検査する場合において、直管部、曲げ内、曲げ以降の全ての範囲を一括して欠陥分布画像を得ることができ、その画像に配管周方向の感度誤差が生じにくいガイド波を用いた非破壊検査方法および装置を提供することにある。
【解決手段】診断装置6は、被検査体の検査範囲を複数の検査領域に分割し、分割された検査領域へ到達可能な歪みを補償した送信波形を算出する。ガイド波送受信装置4は、算出された送信波形を送信して反射波形を受信する。診断装置6は、検査領域内に解析領域を設定して解析領域に該当する伝搬時間の空間波形を算出し、算出された検査領域内の解析領域の空間波形を合成して検査画像を合成し、得られた検査領域の検査画像を合成して検査画像を得る、
【選択図】図1

Description

本発明は、円筒形部材に発生する欠陥の有無を、ガイド波を用いて画像化検査するガイド波を用いた非破壊検査方法及び装置に係り、特に、曲がり部を有する被検査体に用いるに好適なガイド波を用いた非破壊検査方法及び装置に関する。
発電プラント,化学プラント等の配管やタンクは、敷設してから長期間が経過すると、内外面からの腐食や浸食に起因する欠陥(減肉)が発生する。さらに腐食や浸食が進行すると、その腐食や浸食が配管やタンクの肉厚を貫通し、液体や蒸気といった配管内を流れる内部流体やタンク内に貯留されている内部流体が外部に漏洩する恐れがある。
このような内部流体の漏洩を避けるため、配管やタンクについて定期的に非破壊検査を行って配管やタンクの肉厚を評価し、内部流体の漏洩が生じる前に交換や補修といった対策を施す必要がある。
配管やタンクの肉厚を非破壊検査する非破壊検査手段として、検査対象の肉厚を計測する超音波厚さ計が知られている。超音波厚さ計は、一般的には、電気と音響とを相互に変換可能な圧電素子を有する超音波センサが用いられている。超音波センサを配管外面に設置して、検査対象の配管にバルク波(縦波や横波といった弾性波)を励起し、配管内面で反射した弾性波を同一もしくは別の超音波センサで受信して配管の肉厚を計測する。
この超音波厚さ計は、配管やタンクの中心方向の肉厚を検査する際には適しているが、検査範囲が狭いために、長尺の配管の長手方向に対する検査や広域な検査範囲を有する大口径配管やタンクに対する検査には長い時間を要する。
また、超音波厚さ計を用いた検査は、保温材が取り巻いている配管等を対象にする場合には肉厚測定箇所ごとで保温材を取り除く必要がある。このため、検査前の保温材の取り外し、検査後の保温材の取り付け作業に要する時間も多大になる。また、コンクリートおよび地中に埋設された配管の検査も容易ではない。
超音波厚さ計のそのような課題に対する一つの対応策として、ガイド波(配管や板のように境界面を有する物体中を、反射やモード変換しながら進行する縦波、横波の干渉によって形成される弾性波)を用いた配管等の非破壊検査が提案されている。ガイド波を用いた非破壊検査は、配管等の長距離区間を一括して検査することができ、また、ガイド波を用いることにより、保温材を取り外す箇所も著しく低減される。
ガイド波を用いた非破壊検査は、最近、検査結果を時間波形信号(距離波形信号)ではなく、配管の周方向展開図上に画像表示する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1記載のものでは、損傷部からの反射波や透過波を、円周方向に並べた多数の超音波センサで受信し、それら多数の波形を処理することにより、管体中を伝搬するガイド波を円周方向分布の異なるモードに分離し、分離された波形に、理論的に求められる音速(分散曲線)のデータを加えることにより、任意時刻の空間波形を求め、入射波が損傷に到達した時刻の空間波形を画像化し、評価画像を得る。
一方、ガイド波を用いた非破壊検査に特有の課題として、ガイド波が複数の要因で歪むことがある。歪みが生じると、欠陥の配管軸・周方向の位置によって、検出感度に差が生じるので、この感度差を補正しなければ、配管周方向展開図上に適切な信号振幅を示すことができない。
この課題を解決する方法として、次の配管検査方法(非破壊検査方法)が知られている(例えば、特許文献2参照)。この方法では、波形作成・解析手段に、配管の肉厚と、材質または音速、及び検査すべき領域、並びに基準波形が入力される。基準波形によるガイド波が検査領域の中心位置にある欠陥で反射してガイド波送受信素子で受信されるときの波形を、肉厚と材質に基づき計算し、計算した受信波形で受信時間が遅いものから順に送信するように送信波形を作成する。ガイド波送受信手段でガイド波送受信素子に送信波形に基づく信号を印加して、ガイド波を発生させる。ガイド波送受信手段でガイド波送受信素子からのガイド波の受信波形を受信する。A/D変換器で信号をデジタル信号に変換する。波形作成・解析手段は、デジタル信号を検査結果として表示手段に表示する。
また、この課題を解決する別の方法として、次の配管検査方法(非破壊検査方法)が知られている(例えば、特許文献3参照)。この方法では、ガイド波探傷装置のガイド波センサを配管の外表面に装着し、配管の検査領域にガイド波を伝搬させ、欠陥箇所が存在すると、その欠陥箇所で反射したガイド波がガイド波センサに受信され、欠陥に由来した受信情報を含んだ受信情報がガイド波探傷装置で取得できる。その一方で配管と同種で同形状で、検出対象の欠陥が無い状態の配管を、配管の検査と同じ条件でガイド波探傷装置で検査した際の受信情報を規準と成る受信情報として探傷結果記憶装置に記憶させておく。探傷結果診断装置は、検査対象の配管を検査した際の受信情報と、探傷結果記憶装置に記憶させた基準と成る受信情報とを比較して、欠陥に由来した有意な受信情報を抽出する。
特開2006−053134号公報 特許3747921号公報 特開2010−48817号公報
ここで、特許文献1に記載のものでは、ガイド波を軸対称モード送信し、理論的に求めることができる分散曲線を用いて伝搬解析を実施して、欠陥画像を求める方法である。曲がりを含む配管では、軸対称モードのガイド波が曲がりの先で歪むのが課題であり、減肉の配管周方向の位置によって、検出感度に差が生じる課題を、この技術では解決できない。また、一般に、曲がりを含む配管では、理論的に分散曲線を求めることが困難である。
また、特許文献2記載のものは、歪みの要因の一つであるガイド波の分散を補正する方法である。この技術では、周波数によって音速が異なる振動モードを使用する場合に、ガイド波が配管軸方向に伝搬するに伴い波形が変化する課題を、時間反転させた波形を送信することで、受信時に整形された波形で受信することで解決する。しかしながら、直管に関しては、有効であるが、特許文献1と同様に、ガイド波が配管曲がりの先で歪むの課題に関しては、追加の手段が必要になってくる。
また、特許文献3記載のものは、歪みの要因の一つである配管の曲がりなどの形状変化によって、それ以降でガイド波が歪む現象を補正する方法である。この技術では、直管部を軸対称モードで伝搬したガイド波が曲げ部通過後に歪んだ状態の波を時間反転して送信するため、曲がり後の直管部では、軸対称モードとして伝搬しており、欠陥が周方向どの位置にあろうとも、同等の振幅で欠陥に入射させることができる。一方で、反射波は再度曲がり部を通過するので、受信波は再度歪むがその補正に関しては触れられていない。また、曲げ内でのは、波形が歪んだままの状態で、感度差の課題が残る。
本発明の目的は、ガイド波を用いて曲がり部を有する配管を検査する場合において、直管部、曲げ内、曲げ以降の全ての範囲を一括して欠陥分布画像を得ることができ、その画像に配管周方向の感度誤差が生じにくいガイド波を用いた非破壊検査方法および装置を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明は、ガイド波を用いて曲がり部を有する被検査体の欠陥を検出する非破壊検査方法であって、前記被検査体の検査範囲を複数の検査領域に分割する第1のステップと、該第1のステップで分割された前記検査領域へ到達可能な歪みを補償した送信波形を算出する第2のステップと、該第2のステップで算出された前記送信波形を送信して反射波形を受信する第3のステップと、前記検査領域内に解析領域を設定して解析領域に該当する伝搬時間の空間波形を算出する第4のステップと、該第4のステップで算出された前記検査領域内の解析領域の空間波形を合成して検査画像を合成する第5のステップと、該第5のステップで得られた前記検査領域の検査画像を合成して検査画像を得る第6のステップからなるものである。
かかる方法により、ガイド波を用いて曲がり部を有する配管を検査する場合において、直管部、曲げ内、曲げ以降の全ての範囲を一括して欠陥分布画像を得ることができ、その画像に配管周方向の感度誤差が生じにくいものとなる
本発明によれば、ガイド波を用いて曲がり部を有する配管を検査する場合において、直管部、曲げ内、曲げ以降の全ての範囲を一括して欠陥分布画像を得ることができ、その画像に配管周方向の感度誤差が生じにくいものとなる。
本発明の一実施形態による配管検査装置の全体構成図である。 本発明の一実施形態による配管検査方法の内容を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態による配管検査方法の説明図である。 本発明の一実施形態による配管検査方法の説明図である。 本発明の一実施形態による配管検査方法の説明図である。 本発明の一実施形態による配管検査方法の説明図である。
以下、図1〜図6を用いて、本発明の一実施形態による配管検査装置の構成及び動作について説明する。
最初に、図1を用いて、本実施形態による配管検査装置の全体構成について説明する。
図1は、本発明の一実施形態による配管検査装置の全体構成図である。
本実施形態の配管検査方法に用いられるガイド波画像検査装置10は、超音波探触子列1,2を含むガイド波センサ3と、ガイド波送受信器4と、検査波形記憶装置5と、診断装置6と、表示装置7を備える。
ここで、超音波探触子列1は、複数の超音波探触子(以下、単に探触子という)、例えば、4個の超音波探触子1a,1b,1c,1dを有する。超音波探触子列2も、複数の探触子、例えば、4個の探触子2a,2b,2c,2dを有する。超音波探触子列を構成する各探触子は、それぞれ送受信機能を有しており、単独の探触子で構成される。
なお、各探触子は、複数の探触子を並列接続して(または送信用の探触子及び受信用の探触子を並列接続)構成することも可能である。探触子1a〜1d及び2a〜2dは、同じ数の探触子を有することが望ましい。超音波探触子列1,2にそれぞれ含まれる各探触子は、配管9にガイド波を発生させるもので、例えば圧電素子によって構成されている。また、超音波探触子列を構成する各探触子は、配管の所定位置の円周方向に沿って等間隔で配置され、かつ2組の超音波探触子列1,2は、探傷検査に使用するガイド波の波長λの1/4に相当する距離L1だけ配管9の軸方向に離すことを基本として設置される。これにより、配管の超音波探触子設置位置に対して一方方向のみの探傷を効率的に行うことが可能となる。
ガイド波送受信器4は、ガイド波を送信するために各探触子に送信波形(送信信号)を印加し、さらに各探触子からの受信波形(受信信号)を増幅する手段である。ガイド波送受信器4の主な構成要素は、複数個の送受信回路41a,41b,41c,41d,42a,42b,42c,42dと、トリガ信号発生装置43と、受信波形変換器44とである。送受信回路41a〜41d及び42a〜42dは、同じ構成及び機能を有する。そして、送受信回路41a〜41d及び42a〜42dと、超音波探触子1a〜1d及び2a〜2dは、一対一に対応するように同軸ケーブルで結線する。例えば、送受信回路41aは、任意波形発生器41a1と、増幅アンプ41a2と、受信アンプ41a3と、デジタル信号変換器41a4とからなる。送受信回路41b〜41d及び42a〜42dも同様の構成要素からなる。
次に、本実施形態に係るガイド波画像検査装置10を用いた非破壊検査方法における検査対象である配管9の構成について説明する。配管9は、途中に90°の曲がり部9Xがあり、その先に薄肉や亀裂等の欠陥9bがあるものとする。本実施形態に係るガイド波画像検査装置10を用いた非破壊検査方法は、欠陥9b発見と検査を行うものである。
また、配管9は、欠陥9bの先に周方向溶接線9aを有している。図1において、周方向溶接線9aは、1つに限られるものではなく、複数あってもよい。
なお、本実施形態に係るガイド波画像検査装置10を用いた非破壊検査方法における検査対象は、配管9であるものとして説明するが、これに限られるものではなく、タンクなどの円筒形状構造物に広く適用することができる。
次に、図2〜図6を用いて、本実施形態によるガイド波画像検査装置10を用いた非破壊検査方法について説明する。なお、検査対象は、図1に示す配管9として説明する。
図2は、本発明の一実施形態による配管検査方法の内容を示すフローチャートである。図3〜図6は、本発明の一実施形態による配管検査方法の説明図である。
図2のステップS101において、診断装置6は、配管9の検査領域を、軸方向に複数の検査領域に分割する。
例えば、主として利用するガイド波のモードに分散性がない場合(例えば、ねじり振動の基本モードの場合)は、ガイド波センサ3を設置した直管部では、基本的に波形歪みは生じない。したがって、通常は、図3に示すように、直管部を一つの検査領域とすれば十分である(検査領域1)。曲管部では、ガイド波が伝搬するにしたがって連続的に歪みが生じるので、検査領域が細かいほど歪みの補償精度は高くなるが、多すぎると測定・解析に要する時間が増加するので、ここでは、配管9の曲がり部9Xは、90度の曲がり部であるので、例えばそれを等角度に4分割して、22.5°ピッチに4領域(検査領域2〜検査領域5)に分割する。また、曲管部の先の直管部では、曲管の先で歪みが補償することができれば、検査領域1と同様に、ガイド波のモードに分散性がない状態を作り出すことができるので、検査領域は一つで十分である(検査領域6)。以上のように、ここでは、検査領域1〜検査領域6の6つの領域に分割をする。
次に、図2のステップS102において、診断装置6は、各検査領域内へガイド波が到達したときに、軸対称モードが主となるように歪みを補償した送信波形を算出する。この送信波形の算出には、有限要素法やレイトレース法などの超音波伝搬解析法を用いる。
ここで、図4を用いて、配管9の曲がり部の検査領域2にガイド波が到達したときに、軸対称モードが主となるように歪みを補償した送信波形を算出する例(図2のステップS102の実効内容)を説明する。
まず、図4(a)に示すように、曲がり部を周方向と軸方向に分割することで解析領域を設定する。例えば、検査領域2を軸方向に分割して解析領域2a、2b、2cを設定し、さらに、周方向に分割して、およそ台形形状の解析領域を設定する(例えば、解析領域2a1や解析領域2b1)。
検査領域2に軸対称モードが到達するには、検査領域2の中央の解析領域2bを構成する解析領域2b1他において、同時刻(同一時間イベント)でガイド波が発生する初期条件で解析を始める。例えば、図4(b)は、解析領域2bのうち、解析領域2b1とその隣接する解析領域2a1を拡大して表示している。初めに、解析領域2b1の点Pを初期音源として、軸方向に伝搬する音線の追跡を開始する。点Pから軸方向に延長した直線は、解析領域2b1の線分ADと交点Qで交差する。この交点Qが次の、解析領域2a1の初期音源となる。この計算を繰り返すことで、最終的に、直管との境界線分EFとの交点P3の座標と到達時間(時間イベント)を算出する。解析領域2bの他の解析領域に対しても、同一時間イベントで解析を開始することで、結果として、複数の交点P3とその時間イベントを得る。
次に、直管の解析に移行し、交点P3での音線を線分EFとの成す角θによって軸方向振動成分と周方向振動成分に分解した後、ガイド波特有の理論的な解法(振動モードを直交モードに展開して、各直交モードの伝搬時間を分散曲線に基づく音速から算出する方法)を用いて、最終的にガイド波センサ3の各探触子位置の到達信号を算出する。ここで、ガイド波センサ3で受信(送信)できる振動方向が限定的である場合、例えば、周方向振動に限定される場合は、交点P3において、周方向振動成分に限定して解析して近似しても良い。最終的に、この解析で得られた到達信号を時間反転することで、目的とする送信波形を得る。軸対称モードを到達させたい検査領域が検査領域2以外の場合でも、同様の計算方法によって、最終的な送信波形を得ることができる。また、曲がり部を通過した先の直管領域に軸対称モードを到達させたい場合は、直管領域で、ガイド波特有の理論的な解法によって伝搬解析を実施する以外は、曲がり部で同様の計算方法を採用することで、送信波形を求めることができる。
次に、図2のステップS103からステップS105を、全ての検査領域に対して実行する。すなわち、検査領域1〜検査領域6のそれぞれに対して実行される。
ステップS103において、検査作業者(オペレータ)は、ガイド波センサ3から配管9の軸方向にガイド波8を送信するため、診断装置6の入力装置から測定の開始を指示すると、ガイド波送受信器4のトリガ信号発生装置43はトリガ信号を発信し、トリガ信号は送受信回路41aに送られる。このトリガ信号を受けて、任意波形発生器41a1は送信信号を発信し、送信信号は増幅アンプ41a2で信号振幅が増強された後、超音波探触子1aに送られる。送信信号を受けた超音波探触子1aは、配管9内に超音波を発信する。ここまでは、送受信回路41aおよび超音波探触子1aに関わる動作に関する説明であるが、他の送受信回路および超音波探触子についてもほぼ同時または微小なタイミングずれ(詳細は後述)を持って配管9内に超音波を発信する。配管9内に発信された超音波は、ガイド波8となって配管9内を伝搬し、配管9内の減肉9bなどの不連続部で、送信波であるガイド波の上流方向(伝搬原点)へ向けて反射を生じるが、これは超音波探触子1a〜1d及び2a〜2dで受信される。超音波探触子1aでの受信信号は、送受信回路41aの受信アンプ41a3で振幅が増幅された後、デジタル信号変換器41a4に送られデジタル信号化された後、検査波形記憶装置5に記憶される。超音波探触子1b〜1d及び2a〜2dに関しても同様で、個別の送受信回路41b〜41d及び42a〜42dに同軸ケーブルで接続しているため、各超音波探触子の受信信号を個別に収録および記憶される。
次に、検査領域内の全て解析領域に対して、ステップS104を繰り返す。例えば、図3に示すように、検査領域6の中には、解析領6a,6b,6cというように複数の解析領域を設けているため、これらの全ての解析領域に対して、ステップS104が繰り返される。
ステップS104では、診断装置6は、解析領域に該当する伝搬時間の空間波形を算出する。空間波形の算出は、有限要素法やガイド波に特有の理論的な解法を用いて、超音波探触子1a〜1d及び2a〜2dで受信した受信波形を各々時間反転させて、ガイド波センサ3から解析領域までの距離に相当する時間だけガイド波を解析的に伝搬させることで対応できる。例えば、図5(a)は、検査領域5の解析領域i−1の空間波形を求めた結果であり、同様に、図5(b)と図5(c)は、各々解析領域i、解析領域i+1の空間波形を求めた結果を模式的に示したものである。
次に、ステップS105において、診断装置6は、検査領域内の全ての解析領域の空間波形を合成する。この結果、図5(d)に模式的に示すような検査画像が、検査領域5に対して得られる。
これらステップS103からステップS105の処理を、全ての検査領域に対して実行した後は、ステップS106に移行する。
ステップS106では、診断装置6は、図6(a)に示す検査領域5の検査画像、図6(b)に示す検査領域4の検査画像、及び図示しないが検査領域1〜3及び検査領域6の検査画像を軸方向に結合することで、図6(c)に示す最終的な全検査領域の合成画像を得ることができる。
以上、本実施形態によれば、曲がり部を有する配管において、直管部、曲げ内、曲げ以降の全ての範囲を一括して歪みの少ない欠陥分布画像を得ることができる。
なお、図1に示した診断装置6は、被検査体の検査範囲を複数の検査領域に分割する検査領域分割手段と、検査領域分割手段により分割された検査領域へ到達可能な歪みを補償した送信波形を算出する送信波形算出手段と、検査領域内に解析領域を設定して解析領域に該当する伝搬時間の空間波形を算出する空間波形算出手段と、空間波形算出手段により算出された検査領域内の解析領域の空間波形を合成して検査画像を合成する検査画像合成手段と、検査画像合成手段により合成された前記検査領域の検査画像を合成して検査画像を得る手段としての機能を有している。また、ガイド波送受信器4は、送信波形算出手段により算出された前記送信波形を送信して反射波形を受信する反射波形受信手段としての機能を有している。
なお、以上の説明では、軸対称モードが主となるように歪みを補償した送信波形を算出するものとしているが、軸対称モード以外を用いる事もできる。例えば、周方向に0〜360度の範囲で、0〜180度を時計方向とし、180〜360度を反時計方向とする非対称一次モードを主となるように歪みを補償した送信波形を算出することもできる。
以上説明したように、本実施形態によれば、曲がり部を有する配管において、直管部、曲げ内、曲げ以降の全ての範囲を一括して欠陥分布画像を得ることができ、その画像に配管周方向の感度ムラが生じにくいガイド波画像を得ることができる。
次に、図6を用いて、本発明の他の実施形態による非破壊検査方法について説明する。なお、本実施形態によるガイド波画像検査装置10の構成は、図1に示したものと同様である。
図1に示したように、配管9の曲がりの先に軸対称な反射源である溶接線9aがある。そこで、本実施形態では、この溶接線9aに対応する検査画像上の信号(図6の溶接線9a)の特徴を利用する。
まず、本実施形態の前提としては、図1〜図6にて説明した第1の実施形態による非破壊検査法を実行する。その際、歪みを補償した送信波形を算出して、送信することで、曲がり部による波形の歪みは低減できる。但し、波形の歪みが多少残る場合もあるため、そのような場合に有効なものである。
すなわち、波形の送信制御と受信信号処理が誤差なくできていれば、図6の溶接線9aは周方向の一定の振幅分布を示す。一方で、特に曲がり部の影響で、波形の送信制御と受信信号処理に誤差が生じた場合には、図6の溶接線9aは、一定にならないが、図1〜図6にて説明した第1の実施形態による非破壊検査法を実行することで、ほぼ一定にすることができる。但し、一定の振幅分布から多少ずれている場合に、図6の溶接線9aが周方向に一定の振幅分布になるように、波形の送信制御と受信信号処理に補正を加える。このような処理を施すことで、波形の送信制御と受信信号処理に用いた配管の曲がり形状の影響を補正でき、画像化精度が向上することが期待できる。
以上説明したように、本実施形態によれば、曲がり部を有する配管において、直管部、曲げ内、曲げ以降の全ての範囲を一括して欠陥分布画像を得ることができ、その画像に配管周方向の感度ムラが生じにくいガイド波画像を得ることができる。
また、ガイド波の伝搬解析の誤差による画像感度誤差を低減できる。
1,2…超音波探触子列
1a,1b,1c,1d,2a,2b,2c,2d…超音波探触子
3…ガイド波センサ
4…ガイド波送受信装置
41a,41b,41c,41d,42a,42b,42c,42d…送受信回路
41a1…任意波形発生器
41a2…パワーアンプ
41a3…受信アンプ
41a4…デジタル信号変換器
43…トリガ信号発生装置
44…受信波形変換器
5…検査波形記憶装置
6…検査結果診断装置
7…表示装置
8…ガイド波
9…配管
10…ガイド波画像検査装置

Claims (5)

  1. ガイド波を用いて曲がり部を有する被検査体の欠陥を検出する非破壊検査方法であって、
    前記被検査体の検査範囲を複数の検査領域に分割する第1のステップと、
    該第1のステップで分割された前記検査領域へ到達可能な歪みを補償した送信波形を算出する第2のステップと、
    該第2のステップで算出された前記送信波形を送信して反射波形を受信する第3のステップと、
    前記検査領域内に解析領域を設定して解析領域に該当する伝搬時間の空間波形を算出する第4のステップと、
    該第4のステップで算出された前記検査領域内の解析領域の空間波形を合成して検査画像を合成する第5のステップと、
    該第5のステップで得られた前記検査領域の検査画像を合成して検査画像を得る第6のステップからなる非破壊検査方法。
  2. 請求項1記載の非破壊検査方法において、
    前記検査領域へ到達するガイド波が軸対称モードになるように、前記検査領域へ到達可能な歪みを補償した送信波形を算出することを特徴とする非破壊検査方法。
  3. 請求項1記載の非破壊検査方法において、
    歪みを補償した送信波形を算出するために、曲がり部を周方向と軸方向に分割して解析領域を設定し、
    同時刻(同一時間イベント)でガイド波が発生する初期条件で解析を始め、
    ある解析領域の点を初期音源として、軸方向に伝搬する音線の追跡を開始し、
    前記初期音源の点から軸方向に延長した直線が隣接する解析領域の線分と交点を隣接する解析領域の初期音源とし、この計算を繰り返すことで、最終的に、直管との境界線分との交点の座標と到達時間(時間イベント)を算出し、
    他の解析領域に対しても同様にして直管との境界線分との交点の座標と到達時間(時間イベント)を算出し、
    次に、直管との境界線分との交点での音線をこの線分との成す角によって軸方向振動成分と周方向振動成分に分解した後、ガイド波特有の理論的な解法を用いて、最終的にガイド波センサ3の各探触子位置の到達信号を算出し、
    この解析で得られた到達信号を時間反転することで、目的とする送信波形を得ること特徴とする非破壊検査方法。
  4. 請求項1記載の非破壊検査方法において、
    前記被検査体が円筒体である場合において、前記円筒体にある軸対称の形状不連続部対象に、前記検査画像が軸対称になるように前記伝搬解析に補正をかけるステップを含んでなること特徴とする非破壊検査方法。
  5. ガイド波を用いて被検査体の欠陥を検出する非破壊検査装置であって、
    前記被検査体の検査範囲を複数の検査領域に分割する検査領域分割手段と、
    該検査領域分割手段により分割された前記検査領域へ到達可能な歪みを補償した送信波形を算出する送信波形算出手段と、
    該送信波形算出手段により算出された前記送信波形を送信して反射波形を受信する反射波形受信手段と、
    前記検査領域内に解析領域を設定して解析領域に該当する伝搬時間の空間波形を算出する空間波形算出手段と、
    該空間波形算出手段により算出された前記検査領域内の解析領域の空間波形を合成して検査画像を合成する検査画像合成手段と、
    該検査画像合成手段により合成された前記検査領域の検査画像を合成して検査画像を得る手段を有することを特徴とする非破壊検査装置。
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