JP2007322350A - 超音波探傷装置及び方法 - Google Patents

超音波探傷装置及び方法 Download PDF

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Abstract

【課題】検査対象物のきずの探傷の作業性を向上させることができ、しかも検査対象物のきずの有無及びサイジングを精度よく評価できるようにすることである。
【解決手段】フェイズドアレイ探触子17を用いて、検査対象物の検査対象部位に対しフェイズドアレイ法による超音波探傷試験を行い、このフェイズドアレイ法による超音波探傷試験で、きずと思われる部位があるときは、その部位に対し、表面SH波探触子18を用いて、表面SH波法による超音波探傷試験を行う。そして、きずと思われる部位のきずエコーの有無の確認を行い、きずと思われる部位にきずエコーが有るときは、きずのサイジングを行う。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば、ボイラ管の付着金物の溶接部近傍を超音波探傷する超音波探傷装置及び方法に関する。
火力発電設備のボイラは、ボイラ火炉壁に複数のボイラ管を密接して配列し構成されている。図7は火力発電設備のボイラ火炉壁の一部切欠斜視図である。複数のボイラ管11は連結板12により連結されて炉壁を形成し、ボイラ管11には付着金物13が溶接部14により取り付けられている。
ボイラ管11の付着金物13の溶接部14は、ボイラの起動停止時の繰り返し応力により、溶接線ルート部からボイラ管11の母材方向へのき裂が発生することがある。このき裂が進展しボイラチューブリークに至った場合には、ボイラ設備に多大な損傷を与える。
溶接部14の表面きずは、PT(染色浸透探傷検査)やMT(磁粉探傷検査)などの非破壊検査を用いて確認している。一方、溶接部14の溶接線ルート部を起点としてボイラ管11の母材側へ進展したきずを探傷するものとして、ボイラー炉壁管の反対側から周方向又は螺旋方向に超音波の表面SH波を入射することにより、管の裏側の欠陥を非破壊的に正確に検出するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
また、欠陥からの反射波の強さを管体中のせん断水平波(SH波)の減衰率と欠陥からの反射波の現れる路程とを用いて補正することによって、反射波の相対強さを求め、その反射波の相対強さから予め作成した反射波の相対強さと管体外周面における欠陥深さとの関係に基づいて、管体の減肉値である欠陥深さを推定するようにしたものもある(例えば、特許文献2参照)。
特開平9−72887号公報 特開2004−3996号公報
しかし、特許文献1のものではボイラ管の裏側の欠陥を検出することはできるが、その欠陥の大きさを評価することができない。また、特許文献2のものでは管体の減肉値である欠陥深さを推定することはできるが、管体中のSH波の減衰率と欠陥からの反射波の現れる路程とを用いて欠陥からの反射波の強さを補正したり、予め反射波の相対強さと管体外周面における欠陥深さとの関係を作成しておかなければならないので作業性が悪い。
すなわち、表面SH波法による超音波探傷試験においては、きずの有無は容易に検出できるが、サイジングすることが難しい。また、高粘度接触媒質を用いて超音波探触子を検査対象物に押し当て探傷するので、安定した探傷信号が得られるまでに時間が掛かる。さらには、溶接止端部の形状(アンダーカット等)と溶接線ルート部のきずの分別には、超音波の入射点と溶接線ルート部との距離測定が必要となる。
一般斜角法による超音波探傷試験においては、溶接部の脚長が長い場合には検査対象範囲である溶接線ルート部までの距離が長くなるので入射角を大きくしなければならず、入射角を大きくすると感度が悪くなる。また、入射角を最大にしても超音波ビームが溶接線ルート部まで届かない場合があり、検査対象範囲に寄りきれないことがある。同様に、溶接部の脚長が短い場合においても、きずの検出には探触子の前後操作が必要であることから、ボイラ管などの狭隘部では探触子の前後操作ができないことがある。
フェイズドアレイ法による超音波探傷試験においては、複数個の振動子を順番に振動させて超音波ビームの入射角を変化させて探傷を行うので、探触子の前後操作が必要なく固定して検査することが可能であり、得られる探傷画像からきずをサイジングすることができるが、多くの疑似エコーが得られるので、きずエコーか否かの判定が難しい。
このように、ボイラ火炉壁は複数のボイラ管11で形成されていることから検査対象部位が多く、ボイラ管11の検査対象部位は狭隘部分も含まれていることから作業性が悪い。また、超音波探傷試験において、きずの位置の評価を行うには、きずからの反射エコーのビーム路程や検査対象物の肉厚の情報が必要であるので、検査対象物の肉厚測定と超音波探触子の位置測定とを行う必要がある。従って、この点からも作業性を悪くしている。
このようなことから、ボイラ火炉壁のボイラ管などでは、わずかなボイラ管のサンプル採取によりボイラ火炉壁の健全性を評価し、その評価結果により全体の取り替え判断を行っているのが現状である。
本発明の目的は、検査対象物のきずの探傷の作業性を向上させることができ、しかも検査対象物のきずの有無及びサイジングを精度よく評価できる超音波探傷装置及び方法を提供することである。
請求項1の発明に係わる超音波探傷装置は、検査対象物の肉厚測定を行うとともに検査対象物の検査対象部位に対しフェイズドアレイ法による超音波探傷試験を行うフェイズドアレイ探触子と、前記検査対象物の検査対象部位に対し表面SH波法による超音波探傷試験を行う表面SH波探触子と、前記フェイズドアレイ探触子と前記表面SH波探触子とを保持する探触子保持部と、前記探触子保持部に設けられ前記フェイズドアレイ探触子及び前記表面SH波探触子の超音波探傷試験時の位置を測定する探触子位置測定器と、前記フェイズドアレイ探触子で得た探傷信号、前記表面SH波探触子で得た表面SH波法による探傷信号、前記探触子位置測定器で得た前記フェイズドアレイ探触子及び前記表面SH波探触子の超音波探傷試験時の位置に基づいて探傷画像を表示する探傷器とを備えたことを特徴とする。
請求項2の発明に係わる超音波探傷装置は、請求項1の発明において、前記探傷器は、前記フェイズドアレイ探触子で得た探傷信号に基づいて検査対象物の肉厚を求める肉厚演算手段と、前記肉厚演算手段で求めた検査対象物の肉厚及び前記探触子位置測定器で測定した前記フェイズドアレイ探触子の位置に基づいてきず評価視野範囲を求めるきず評価視野範囲演算手段と、前記フェイズドアレイ探触子で得た探傷信号に基づいてフェイズドアレイ法による探傷画像を作成するとともにその探傷画像上に前記きず評価視野範囲演算手段で求めたきず評価視野範囲を示すマークを作成する第1の画像処理手段と、前記表面SH波探触子で得た表面SH波法による探傷信号に基づいて表面SH波法による探傷画像を作成するとともにその探傷画像上に前記探触子位置測定器で測定した前記表面SH波探触子の位置に基づいて検査対象物の検査対象部位を示すマークを作成する第2の画像処理手段と、前記第1の画像処理手段及び前記第2の画像処理手段で得られた探傷画像を表示する表示装置とを備えたことを特徴とする。
請求項3の発明に係わる超音波探傷方法は、検査対象物の検査対象部位に対しフェイズドアレイ法による超音波探傷試験を行い、このフェイズドアレイ法による超音波探傷試験できずと思われる部位があるときはその部位に対し表面SH波法による超音波探傷試験を行い、前記きずと思われる部位のきずエコーの有無の確認を行うことを特徴とする。
請求項4の発明に係わる超音波探傷方法は、請求項3の発明において、前記きずと思われる部位にきずエコーが有るときは、きずのサイジングを行うことを特徴とする。
本発明によれば、検査対象物の検査対象部位に対しフェイズドアレイ法による超音波探傷試験を行い、きずと思われるエコーが得られた部位に対して表面SH波法を適用してきずの有無を判定するので、表面SH波法単独で検査するよりも検査時間が短縮される。
また、表面SH波法ではきずのサイジングは困難であるが、表面SH波法できずが有と判断された部位に対してフェイズドアレイ法での探傷画像を参照してきずの大きさを判定するので、きずのサイジングが容易に行える。従って、フェイズドアレイ法での探傷画像の疑似エコーによるきずの誤検出がなくなり検査精度が向上する。また、超音波探傷試験と同時に肉厚測定及び探触子位置の測定を行うので、探傷作業の作業効率が向上する。
図1は本発明の実施の形態に係わる超音波探傷装置の構成図である。図1では、検査対象物として、ボイラ火炉壁を構成するボイラ管11の付着金物13の溶接部14近傍の溶接線ルート部15である場合を示しており、この溶接線ルート部15からボイラ管11の母材方向へのきず16を探傷する場合を示している。超音波探傷装置は、フェイズドアレイ探触子17、表面SH波探触子18及び探触子位置測定器19を搭載した探触子保持部20と、探傷器21とから構成される。
フェイズドアレイ探触子17及び表面SH波探触子18は、探触子保持部20で保持されて、検査対象物の検査対象部位であるボイラ管11の付着金物13の溶接部14近傍の検査が行える位置、例えば、溶接部14の止端部27に近づけて設置される。
フェイズドアレイ探触子17は複数個の振動子を有し、複数個の振動子を順番に振動させて超音波ビームの入射角を変化させて探傷を行うものである。超音波ビームの入射角を0°として検査対象物であるボイラ管11の肉厚測定を行い、また、検査対象物の検査対象部位であるボイラ管11の付着金物13の溶接部14近傍に対し超音波ビームの入射角を変化させて超音波探傷試験を行う。また、表面SH波探触子18は検査対象物の検査対象部位であるボイラ管11の付着金物13の溶接部14近傍に対し表面SH波を送信し、きず16からの表面SH波の反射波を受信して超音波探傷試験を行う。
探触子保持部20に設けられた探触子位置測定器19は、フェイズドアレイ探触子17及び表面SH波探触子18の超音波探傷試験時の位置を測定するものであり、例えば、付着金物13までの距離を測定し、付着金物13を基点とした超音波探傷試験時のフェイズドアレイ探触子17の位置及び表面SH波探触子18の位置を測定する。
次に、探傷器21は、フェイズドアレイ探触子17で得た探傷信号、表面SH波探触子18で得た表面SH波法による探傷信号、探触子位置測定器19で得たフェイズドアレイ探触子17の位置及び表面SH波探触子18の超音波探傷試験時の位置に基づいて探傷画像を表示するものである。
フェイズドアレイ探触子17で得た探傷信号は、探傷器21の肉厚演算手段22及び第1の画像処理手段23に入力され、表面SH波探触子18で得た探傷信号は第2の画像処理手段24に入力される。また、探触子位置測定器19で得たフェイズドアレイ探触子17の位置は、きず評価視野範囲演算手段25に入力され、表面SH波探触子18の超音波探傷試験時の位置は、第2の画像処理手段24に入力される。
肉厚演算手段22は、フェイズドアレイ探触子17で得た探傷信号に基づいて検査対象物であるボイラ管11の肉厚を求めるものである。すなわち、超音波ビームの入射角を0°とし、ボイラ管11の表面から裏面に向けてフェイズドアレイ探触子17から超音波ビームを送信し、ボイラ管11の裏面からの反射波を受信して得られた探傷信号によりボイラ管11の肉厚を求める。
きず評価視野範囲演算手段25は、肉厚演算手段22で求めた検査対象物であるボイラ管11の肉厚及び探触子位置測定器19で測定したフェイズドアレイ探触子17の位置に基づいてきず評価視野範囲を求め、第1の画像処理手段23に出力する。
第1の画像処理手段23は、フェイズドアレイ探触子17で得た探傷信号に基づいてフェイズドアレイ法による探傷画像を作成するとともに、きず評価視野範囲演算手段25で求めたきず評価視野範囲を示すマークをフェイズドアレイ法による探傷画像上に作成するものであり、きず評価視野範囲マーク付きのフェイズドアレイ法による探傷画像を表示装置26に表示出力する。
第2の画像処理手段24は、表面SH波探触子18で得た表面SH波法による探傷信号に基づいて表面SH波法による探傷画像を作成するとともに、探触子位置測定器19で測定した表面SH波探触子18の位置に基づいて検査対象物であるボイラ管11の検査対象部位を示すマークを表面SH波法による探傷画像上に作成するものであり、検査対象部位マーク付きの表面SH波法による探傷画像を表示装置26に表示出力する。
次に、きず評価視野範囲マーク付きのフェイズドアレイ法による探傷画像について説明する。図2は検査対象物であるボイラ管11へのフェイズドアレイ探触子17の設置位置の説明図、図3はきず評価視野範囲マーク付きのフェイズドアレイ法による探傷画像の説明図である。
図2において、フェイズドアレイ探触子17は検査対象部位である溶接線ルート部15の近傍に設置される。まず、フェイズドアレイ探触子17の溶接線ルート部15の近傍までの距離Hを探触子位置測定器19により測定する。そして、フェイズドアレイ探触子17の超音波ビームの入射角θを0°として検査対象物であるボイラ管11の肉厚Dの測定を行い、次いで超音波ビームの入射角θを変化させて探傷を行う。
図2では、フェイズドアレイ探触子17の超音波ビームの送信箇所(a点)からの超音波ビームがボイラ管11の裏面のb0点で反射し溶接線ルート部15の近傍(c0点)に至るときの入射角θ0のときの超音波ビームB0と、フェイズドアレイ探触子17の超音波ビームの送信箇所(a点)からの超音波ビームがボイラ管11の裏面のb1点で反射しきず16の先端部(c1)に至るときの入射角θ1のときの超音波ビームB1とを図示している。
入射角θが入射角θ0のときは、超音波ビームが溶接線ルート部15の近傍(c0点)に至る場合であり、超音波ビームの反射点であるb0点が距離Hの中点のときである。距離Hの中点b0で超音波ビームの反射波を得るにはボイラ管11の肉厚Dにより入射角θ0が異なることになるので、ボイラ管11の肉厚Dを測定し、フェイズドアレイ探触子17の溶接線ルート部15の近傍までの距離Hの中点b0に向けた入射角θ0を求めることになる。
すなわち、きず評価視野範囲演算手段25は、ボイラ管11の肉厚D及びフェイズドアレイ探触子17の溶接線ルート部15の近傍までの距離Hにより距離Hの中点b0に向けた入射角θ0を求め、また、フェイズドアレイ探触子17の溶接線ルート部15の近傍までの距離Hにより、きず評価視野範囲を求めることになる。
入射角θ0のときの超音波ビームB0は、きず16のc0’点で反射するので、フェイズドアレイ探触子17から見た超音波ビーム路程L0はa点からd0点までとなる。一方、入射角θ1のときの超音波ビームB1は、きず16の先端部のc1点で反射するので、フェイズドアレイ探触子17から見た超音波ビーム路程L1はa点からd1点までとなる。
次に、図3の左側はフェイズドアレイ法によるBスコープ画像であり、右側はAスコープ画像である。このAスコープ画像は、検査員により入射角θを選択して、各々の入射角θのときのAスコープ画像を選択して表示される。図3では入射角θ1のとき(超音波ビームB1のとき)のAスコープ画像を示している。
図3のBスコープ画像において、きずと思われる部位にはエコー縞が表示される。なお、実際のきず部位だけでなく、きずのない部分にも多くの疑似エコーが表示される。そこで、きず評価視野範囲を示すマークをBスコープ画像上に併せて表示する。きず評価視野範囲は、フェイズドアレイ探触子17の超音波ビームの送信箇所(a点)から溶接線ルート部15の近傍までの距離Hを示すマークM1と、入射角θ0のときの超音波ビームB0を示すマークM2とを指標とする。すなわち、マークM1とマークM2との交点付近がきず評価視野範囲となる。
同様に、図3のAスコープ画像においても、きずと思われる部位にはエコーが表示され、きずのない部分にも多くの疑似エコーが表示されるので、入射角θ1のときの超音波ビーム路程L1を示すマークM3をきず評価視野範囲の指標として表示する。このように、フェイズドアレイ法による探傷画像としては、Bスコープ画像とAスコープ画像とを表示し、検査対象物であるボイラ管11の検査対象部位である溶接線ルート部15の位置近傍を示すマークM1、M2、M3を併せて表示する。
次に、検査対象部位マーク付きの表面SH波法による探傷画像について説明する。図4は検査対象物であるボイラ管11への表面SH波探触子18の設置位置の説明図、図5は検査対象部位マーク付きの表面SH波法による探傷画像の説明図である。
図4において、表面SH波探触子18は検査対象部位である溶接線ルート部15の近傍に設置される。まず、表面SH波探触子18の溶接線ルート部15の近傍までの距離H’を探触子位置測定器19により測定する。そして、表面SH波探触子18から溶接線ルート部15に向けて表面SH波を送信して探傷を行う。図4では、表面SH波探触子18の超音波ビームの送信箇所(a’点)からの超音波ビームがきず16のc’点に至るときの超音波ビーム路程L1’を図示している。
また、図5に示すように、表面SH波法によるAスコープ画像には、きずを示すエコー縞とともに検査対象部位を示すマークM4が表示される。検査対象部位を示すマークM4は、表面SH波探触子18の溶接線ルート部15の近傍までの距離H’の位置に表示される。
このように構成された本発明の実施の形態に係わる超音波探傷装置を用いて検査対象物を探傷する超音波探傷方法について説明する。図6は本発明の実施の形態に係わる超音波探傷方法を示すフロー図である。
まず、フェイズドアレイ探触子17及び表面SH波探触子18を検査対象物であるボイラ管11の検査対象部位である溶接線ルート部15の近傍に設置する(S1)。フェイズドアレイ探触子17及び表面SH波探触子18のボイラ管11への配置にあたっては、接触媒質をボイラ管11の表面に塗布し、検査対象物の検査対象部位であるボイラ管11の付着金物13の溶接部14近傍の検査が行える位置、例えば、溶接部14の止端部27に近づけて設置される。そして、探触子位置測定器19によりフェイズドアレイ探触子17及び表面SH波探触子18の探触子位置を測定するとともに(S2)、検査対象物であるボイラ管11の肉厚を測定する(S3)。
次に、フェイズドアレイ法による探傷試験を行い(S4)、フェイズドアレイ法による探傷画像をきず評価視野範囲とともに表示する(S5)。検査員は、きず評価範囲内にきずと思われる部位があるかどうかを判定する(S6)。すなわち、図3に示したフェイズドアレイ法によるBスコープ画像上のきず評価視野範囲であるマークM1とマークM2との交点付近にきずと思われるエコーがあるかどうかを判断する。また、フェイズドアレイ法によるAスコープ画像上のきず評価視野範囲であるマークM3付近にきずと思われるエコーがあるかどうかを判断する。エコーがない場合には、その検査対象部位にはきずがないと評価する(S7)。
一方、エコーがある場合には、きずと思われる部位であるので、その部位に対して表面SH波法による探傷試験を行い(S8)、表面SH波法による探傷画像を検査対象部位を示すマークとともに表示する(S9)。検査員は、検査対象部位のマークの近傍にエコーがあるかどうかを判定する(S10)。すなわち、図5に示すように、表面SH波法によるマークM4の近傍にエコーがあるかどうかを判定し、エコーがない場合には、その検査対象部位にはきずがないと評価する(S7)。
エコーがある場合には、検査対象部位にきずがあると評価する(S11)。これは、表面SH波法による超音波探傷試験においては、きずの有無は容易に検出できるからである。そして、そのきずのサイジングを行う(S12)。きずのサイジングは、図3に示したフェイズドアレイ法によるBスコープ画像により、きずがあると判断された部位のエコーの位置により計測する。
以上述べたように、本発明の実施の形態によれば、まず、超音波探傷試験と同時に肉厚測定及び探触子位置の測定を行うので、探傷作業の作業効率を向上させることができる。また、フェイズドアレイ法を用いて検査対象部位に対し超音波探傷試験を行い、きずと思われるエコーを特定し、その特定した部位に対して表面SH波法を用いて、再度、表面SH波法による超音波探傷試験を行い、きずエコーの有無の確認を行うので、表面SH波法単独できずの有無の検査を行う場合よりも検査時間が短縮される。すなわち、きずが発生している確率の高い部位に対して表面SH波法を適用するので、検査を効率的に行うことができる。
また、表面SH波法できずが有と判断された部位に対してフェイズドアレイ法での探傷画像を参照してきずのサイジングを行うので、フェイズドアレイ法での探傷画像の疑似エコーに対してサイジングを行うことがなく、きずの誤検出がなくなり検査精度が向上する。
本発明の実施の形態に係わる超音波探傷装置の構成図。 本発明の実施の形態における検査対象物であるボイラ管へのフェイズドアレイ探触子の設置位置の説明図。 本発明の実施の形態におけるきず評価視野範囲マーク付きのフェイズドアレイ法による探傷画像の説明図。 本発明の実施の形態における検査対象物であるボイラ管への表面SH波探触子の設置位置の説明図。 本発明の実施の形態における検査対象部位マーク付きの表面SH波法による探傷画像の説明図。 本発明の実施の形態に係わる超音波探傷方法を示すフロー図。 火力発電設備のボイラ火炉壁の一部切欠斜視図。
符号の説明
11…ボイラ管、12…連結板、13…付着金物、14…溶接部、15…溶接線ルート部、16…きず、17…フェイズドアレイ探触子、18…表面SH波探触子、19…探触子位置測定器、20…探触子保持部、21…探傷器、22…肉厚演算手段、23…第1の画像処理手段、24…第2の画像処理手段、25…きず評価視野範囲演算手段、26…表示装置、27…止端部

Claims (4)

  1. 検査対象物の肉厚測定を行うとともに検査対象物の検査対象部位に対しフェイズドアレイ法による超音波探傷試験を行うフェイズドアレイ探触子と、前記検査対象物の検査対象部位に対し表面SH波法による超音波探傷試験を行う表面SH波探触子と、前記フェイズドアレイ探触子と前記表面SH波探触子とを保持する探触子保持部と、前記探触子保持部に設けられ前記フェイズドアレイ探触子及び前記表面SH波探触子の超音波探傷試験時の位置を測定する探触子位置測定器と、前記フェイズドアレイ探触子で得た探傷信号、前記表面SH波探触子で得た表面SH波法による探傷信号、前記探触子位置測定器で得た前記フェイズドアレイ探触子及び前記表面SH波探触子の超音波探傷試験時の位置に基づいて探傷画像を表示する探傷器とを備えたことを特徴とする超音波探傷装置。
  2. 前記探傷器は、前記フェイズドアレイ探触子で得た探傷信号に基づいて検査対象物の肉厚を求める肉厚演算手段と、前記肉厚演算手段で求めた検査対象物の肉厚及び前記探触子位置測定器で測定した前記フェイズドアレイ探触子の位置に基づいてきず評価視野範囲を求めるきず評価視野範囲演算手段と、前記フェイズドアレイ探触子で得た探傷信号に基づいてフェイズドアレイ法による探傷画像を作成するとともにその探傷画像上に前記きず評価視野範囲演算手段で求めたきず評価視野範囲を示すマークを作成する第1の画像処理手段と、前記表面SH波探触子で得た表面SH波法による探傷信号に基づいて表面SH波法による探傷画像を作成するとともにその探傷画像上に前記探触子位置測定器で測定した前記表面SH波探触子の位置に基づいて検査対象物の検査対象部位を示すマークを作成する第2の画像処理手段と、前記第1の画像処理手段及び前記第2の画像処理手段で得られた探傷画像を表示する表示装置とを備えたことを特徴とする請求項1記載の超音波探傷装置。
  3. 検査対象物の検査対象部位に対しフェイズドアレイ法による超音波探傷試験を行い、このフェイズドアレイ法による超音波探傷試験できずと思われる部位があるときはその部位に対し表面SH波法による超音波探傷試験を行い、前記きずと思われる部位のきずエコーの有無の確認を行うことを特徴とする超音波探傷方法。
  4. 前記きずと思われる部位にきずエコーが有るときは、きずのサイジングを行うことを特徴とする請求項3記載の超音波探傷方法。
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