JP2021076376A - 超音波探傷検査装置、および反射源特定方法 - Google Patents

超音波探傷検査装置、および反射源特定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】実際にきずが存在する反射源がある位置のエコーとそれ以外のエコーの識別を容易に可能な、超音波探傷検査装置を提供する。【解決手段】超音波探傷検査装置は、複数の探触子からの反射エコーを受信して、時間を遅延させてそれらを加算して合成し(S11,S12)、複数の探触子が反射エコーを受ける所定の合成エリア内で、複数の探触子からの反射エコーを受信して、波形合成を行い、反射エコーが実際にきずのある位置からの実像反射エコーか、実際はきずのない位置からの虚像エコーかを判断し(S13)、実際のきずの位置を特定する(S14)。【選択図】図10

Description

この発明は超音波探傷検査装置、および反射源特定方法に関し、特に、少ない探触子で反射源の識別が可能な、超音波探傷検査装置、および反射源特定方法に関する。
従来の超音波エコーを受信する複数の検出信号を処理する探触子を含む超音波探傷検査装置が、例えば、特開2005−152608号公報(特許文献1)に記載されている。同公報によれば、超音波送受信装置は、超音波用探触子と、超音波用探触子から複数の異なる方向に同時に複数の超音波ビームを送信させるために、各々の超音波トランスデューサについて複数の駆動波形を合成することによって得られる合成駆動波形に関する情報を生成する駆動波形合成手段と、駆動波形合成手段によって生成された情報に従って複数の駆動信号を生成する複数の送信回路であって、それぞれの超音波トランスデューサに供給される駆動信号の最大電圧に対応して複数種類の最大出力電圧が定められた複数の送信回路と、超音波エコーを受信した複数の超音波トランスデューサから出力される複数の検出信号をそれぞれ処理する複数の受信回路とを備えている。その結果、マルチビーム送信を行う超音波送受信装置において、送信ビームの数の増加に伴う超音波トランスデューサの耐圧の増加や消費電力の増加を抑えている。
特開2005−152608号公報(要約)
超音波探傷検査装置においては、複数の探触子を用いて超音波を送受信し、各々の探触子で得られた波形データを合成処理した後、結果を画像として表示する。この際、実際にきず等の反射源のある位置とは別に、エコーが表示され、きず位置の特定が困難となることがある。
この発明は上記のような問題に応えるためになされたもので、実際にきずが存在する反射源がある位置のエコーとそれ以外のエコーの識別が容易に可能な、超音波探傷検査装置、およびその方法を提供することを目的とする。
この発明に係る超音波探傷検査装置は、複数の探触子からの反射エコーを受信して、時間を遅延させてそれらを加算して合成する波形合成手段を含み、波形合成手段は、複数の探触子が反射エコーを受ける所定の合成エリア内で、複数の探触子からの反射エコーを受信して、波形合成を行い、反射エコーは実際にきずのある位置からの実像反射エコーと、実際はきずのない位置からの虚像エコーとを含み、実像エコーと虚像エコーとを判別するエコー判別手段を含み、エコー判別手段は、一定以上の探触子からの前記反射エコーを用いて前記実像エコーと前記虚像エコーとを判別する。
好ましくは、一定以上は、60%以上である。
さらに好ましくは、エコー判別手段は、反射エコーのピークの数をカウントする、ピーク数カウント手段を含む。
波形合成手段は、反射エコーに対して所定の参照波形データとの相関情報を反映した、波形のピークを得るための波形相関処理を行う、波形相関処理手段を含んでもよい。
波形相関処理手段は、参照波形としてチャープ波を用いてもよい。
この発明の他の局面においては、反射源特定方法は、複数の探触子からの反射エコーを受信して、時間を遅延させてそれらを加算して合成する波形合成ステップを含み、波形合成ステップにおいては、複数の探触子が反射エコーを受ける所定の合成エリア内で、複数の探触子からの反射エコーを受信して、波形合成を行い、反射エコーは実際にきずのある位置からの実像反射エコーと、実際はきずのない位置からの虚像エコーとを含み、実像エコーと虚像エコーとを判別するエコー判別ステップを含み、エコー判別ステップは、一定以上の探触子からの反射エコーを用いて実像エコーと虚像エコーとを判別する。
この発明によれば、実際にきずのある位置からの実像反射エコーと、実際はきずのない位置からの虚像エコーとを判別し、一定以上の探触子からの反射エコーを用いて実像エコーと虚像エコーとを判別するため、実際にきずが存在する反射源がある位置のエコーとそれ以外のエコーの識別が容易に可能な、超音波探傷検査装置、およびその方法を提供できる。
この発明の一実施の形態に係る波形合成処理の仕組みを示す図である。 波形合成をするエリアおよびエリア内の各交点で波形データを合成し、グラフ化した状態を示す図である。 波形相関処理の仕組みを示す図である。 きずのない位置で表示されるエコーを示す図である。 虚像と実際にきずのある位置でのエコーの識別方法を示す図である。 虚像の正体を説明する図である。 探触子が2つの場合で、きずが1個ある場合の反射エコーの状態を示す模式図である。 探触子が2つの場合で、きずが2個ある場合の反射エコーの状態を示す模式図である。 超音波探傷装置を示すブロック図である。 超音波探傷装置の動作を示すフローチャートである。 超音波探傷装置の動作を示すフローチャートである。 測線数と測線数に対するきずエコーのピーク検出個数を示す図である。 波形合成位置におけるピーク個数を示す図である。
以下、この発明の一実施の形態を、図面を参照して説明する。この実施の形態においては、複数の探触子を用いて超音波を送受信し、各々の探触子で得られた波形データを合成処理した後、結果を画像として表示する。
複数の探触子からの受信波形を合成する波形合成処理についてまず説明する。波形合成処理おいては、複数の探触子からの受信波形に対して、時間を遅延させる操作と加算演算により、波形の重ね合わせを行う。この手順を図1に示す。また、試験体、複数の探触子、所定の波形合成位置、およびきず位置の反射エコーの図を図2に示す。
図1および図2を参照して、この実施の形態においては、複数の探触子20a〜20eを用いて、鋼の平板のような試験体22に設けられた、きずのような反射源21からの反射波(エコー)を受信する。ここで、複数の探触子20a〜20eまでの反射源21からの距離が異なるため、反射源21から探触子20a〜20eまでの伝搬時間が図1(A)に示すようにt1〜t5に変化する。そこで、この伝搬時間を図1(B)に示すように同一時間tになるように伝搬時間を補正する。そして、図1(C)に示すように複数の探触子20a〜20eの受信波形を重ね合わせて波形合成を行う。
なお、超音波としてSH波超音波を使用するのが好ましいが、SH波超音波でなくてもよい。
その結果、合成する所定のエリア27内の各交点位置で波形データを合成し、グラフ化(画像化)する。その例を図2(B)に示す。図2(B)は複数の探触子20a〜20eによる波形を合成するエリアのきず位置の反射エコーを示す図である。
ここで、きずを特定するための波形を合成するエリア27は、きずが存在する領域を含む矩形の領域であり、この例では、波形合成するエリアは、5mmの格子に分割されている。
また、ここでは、図2(B)の位置は図2(A)の所定のエリア27と対応しており、図2(A)の波形合成する縦a、横bの位置は図2(B)の縦(奥行き方向)、横(探触子配置方向)の位置に対応する。
次に、探触子で受信波形のピークを検出しやすいようにするための波形相関処理について説明する。図3は、波形相関処理を説明するための図である。
波形相関処理では、測定データに対して参照波形データ31(ここではチャープ波(時間とともに周波数が変化する波)を使用)との相関を調べ、その後、測定データに相関情報を反映する処理を行う。
これにより、S/N(信号/ノイズ比)を大幅に向上させる効果が期待でき、これまでにノイズに埋もれて、ノイズときずのエコーとの識別が難しかった対象物の検査が可能になる。
なお、前述した波形合成データは、波形相関処理後のS/N比の良好な波形データを使用している。
図3(A)は、基準データを示す図であり、基準データは基準波形(参照波形データ31)と基準波形データとを含む。N個の演算領域の中に選択領域がありそこに参照波形が表示されている。図3(B)は、測定データを示す図であり、測定データは、測定波形と測定波形データとを含む。この測定波形データに参照波形データを重ねる。具体的には、以下の演算を行う。
1/N×Σ(Di×Ri)
ここで、Dは測定波形データであり、Rは基準波形データであり、Nは基準波形データの個数である。
このようにして、相関演算を行い、相関処理後データを得る。
具体的には、次のようになる。図3(C)〜図3(F)は、得られた具体的な波形を示す図である。図3(C)に示すように、基準データとなる参照データはここではチャープ波である。
図3(D)に示すように、試験体22からの反射源エコーと参照波形を重ねたデータが得られると、上記した相関演算が行われ、図3(E)に示すように、反射エコーの得られた位置でピーク値が得られ、図3(F)に示すように、相関処理後のデータが得られる。
次に、きずのない位置で表示されるエコーについて説明する。エコーは、実際にきずのある位置で表示される必要があるが、現実には、きずのない位置で表示されるエコーもある。ここでは、きずのない位置で表示されるエコーのことを虚像と呼ぶ。図4は、X軸を探触子配置方向とし、Y軸を奥行き方向とした場合に、人工きずを施した試験体22の波形データを合成した図である。図4を参照して、□で囲んだ領域29中に実際に人工きずのある位置が表示され、それ以外の箇所32a,32bにもエコーが表示されている。このような状態では、実際のきず位置の特定は困難である。
次に、虚像と実際に人工きずのある位置でのエコー(実像)の識別を行う方法について説明する。
図5は、図4と同様に、X軸を複数の探触子配置方向とし、Y軸を奥行き方向とした場合の、実際に人工きずのある位置からのエコーと、虚像とを示す図である。図5(A)は5測線の場合を示す図であり、図5(B)は10測線の場合を示す図であり、図5(C)は20測線の場合を示す図である。なお、図5(A)〜図5(C)において、実際にきずのある位置に〇を付している。
また、ここでは、探触子の図示を省略しているが、基本的に図2(A)と同様である。
ここで、測線とは探触子の数であり、5測線の場合は5個の探触子を横に並べ、10測線の場合は、5個の探触子を5測線の場合よりも一方向にずらして配置して測定し、20測線の場合は、5個の探触子を10測線の場合よりもさらに一方向にずらして配置して測定したものである。5個の探触子の場合、その直線上にある9個の人工きず25a〜25i(実際は探触子の配列方向に3つの人工きずは重なっている)の並んでいる3測線と人工きずの無い位置(2測線)に各探触子から超音波を送信して受信するため、5測線の場合は総データ数は25(送信5×受信5)になり、同様に、10測線の場合は総データ数は50(送信5×受信5×2)になり、図5(C)では20測線であるが、総データ数は190になる(これは、探触子が重なり合って配置できない箇所があるためである)。
図5(A)に示す5測線では、虚像のデータがそれらを挟む実像のデータと同様の強度を有している(図中、クスハッチングで示す)。図5(B)に示す10測線では、虚像のデータは実像のデータより低い強度を示している(図中、ハッチングで示す)。図5(C)に示す20測線では、虚像のデータはほぼ表示されないような低い強度を示す(図中、表示なし)。
図5(A)〜(C)に示すように、5測線から10測線、20測線というように、データ数を増加することで、きずの位置(25a〜25i、図中斜線で示す部分)ときずのない位置の差が明確になり(虚像の数が相対的に減り)、実像エコーと虚像エコーの識別性は向上していることが分かる。
すなわち、探触子または測線(データ数)を増やすことにより、虚像と実際に人工きずのある位置でのエコーの識別を行うことが可能になる。
以上から、データ数が多いほど、識別性は向上することが分かるが、探傷の手間がかかる。
この問題に対処するために、次に虚像の正体について説明する。
図6は、虚像の正体を説明するための図である。図6(A)〜(D)は、きずが1つ(図中、○で示す)の場合に、3つの探触子30a,30b,30cできずからの反射エコーをこれらの探触子30a,30b,30cで受けた場合の反射エコー(探触子の下に横線で示す)を示す図である。ここで、図6(A)では、きずの位置は探触子30cから最も近く、次に探触子30bが近く、探触子30aが最も遠い。したがって、反射エコーの大きさは、探触子20cの位置が最も大きく、探触子20bの位置が次に大きく、探触子20aの位置が最も小さい。ここで、反射エコーの大きさを水平線の長さで示している。
これらの反射エコーを、きずのある位置(図中×で示す)で波形合成処理したデータを図6(B)に示す。ここで、点線で囲んだ部分33は、波形合成をきずのある位置で行った場合を示す。ここに示すように、この場合は、3つの探触子30a,30b,30cの反射エコーが全て含まれる。
図6(C)は、波形合成をきず位置(○)から少し離れた位置(×)(ここでは、例えば、探触子30bの真上)で行った場合を示す図である。ここに示すように、3つの探触子30a,30b,30cの受信エコーは点線で囲んだ部分33に入らない。
具体的には、探触子30cでは、きず位置に近いため、強い(長さの長い)データが得られるが、図6(B)の場合よりも距離が離れるため、受信エコーは点線よりも近い側に移動する。一方で、探触子30bや30bでは、図6(B)と同様の強さのデータが得られるが、測定位置に近いため、受信エコーは点線よりも遠い側に移動する。
図6(D)は、波形合成をきず位置(○)からさらに離れた位置(×)で行った場合を示す図である。ここに示すように、探触子30a,30cの受信エコーは点線で囲んだ部分33に入っていないが、探触子30bの受信エコーは点線で囲んだ部分33に入っている。これは、きずのない位置で波形合成を行っても、合成する位置以外のきずエコーのビーム路程が合成する位置までの距離と一致したために、合成エコーとして表示されたものであり、虚像である。
次に、きずが2つある場合について説明する。図6(E)は、3つの探触子30a,30b,30cから超音波を出力し、きず1(実線の○で示す)ときず2(点線の○で示す)からの反射エコーをこれらの探触子で受けた場合の反射エコー(探触子の下に横線で示す図である。ここでも、きず1の反射エコーを実線で、きず2の反射エコーを点線で示す。ここで、きず1の位置は探触子30cから最も近く、次に探触子30bが近く、探触子30aが最も遠い。また、きず2の位置は探触子30bから最も近く、探触子30aと探触子30caから等距離にある。
この場合、きず1の反射エコーの大きさを水平の実線で示した場合、図6(A)と同様に、探触子30cの位置が最も大きく、探触子30bの位置が次に大きく、探触子30aの位置が最も小さい。一方、きず2の反射エコーの大きさは、探触子20bの位置が最も大きく、探触子30aと30cの位置の大きさは同じである。
一方、きず2の反射エコーの大きさを水平の点線で示した場合、図6(E)に示すように、きず2の反射エコーの大きさは、探触子30bの位置が最も大きく、探触子30aと30cの位置の大きさは次の大きさで同じである。
これらの反射エコーを、所定の位置で波形合成処理したデータを図6(F)に示す。ここで、きず1を実線の○で、波形合成位置を実線の×で表している。ここで、点線で囲んだ部分33は、波形合成をきずのある位置(探触子30cの真上の位置)で行った場合を示す。ここに示すように、きず1の位置からの3つの探触子30a,30b,30cの反射エコーが全て含まれる。
一方、きず2の位置からの反射エコーは、探触子30aの位置での反射エコーは、きず1よりも大きいため、点線で囲んだ部分33より近く(図6(F)において、点線で囲んだ部分33の下側)に生成され、探触子30bの位置での反射エコーは、きず1よりも大きいため、点線で囲んだ部分より近くに生成され、探触子30cの位置での反射エコーは、きず1よりも小さいため、点線で囲んだ部分より遠く(図6(F)において、点線で囲んだ部分33の上側)に生成される。
図6(G)は、きず2の位置で波形合成を行った場合の図である。ここでも、波形合成位置を実線の×で表している。ここで、点線で囲んだ部分33は、波形合成をきず2のある位置(探触子30bの真上の位置)で行った場合を示す。ここに示すように、きず2の位置からの3つの探触子30a,30b,30cの反射エコーが全て含まれる。
一方、きず1の位置からの反射エコーは、探触子30aの位置での反射エコーは、きず2よりも小さいため、点線で囲んだ部分33より遠くに生成され、探触子30bの位置での反射エコーは、きず2よりも小さいため、点線で囲んだ部分より遠くに生成され、探触子30cの位置での反射エコーは、きず2よりも大きいため、点線で囲んだ部分33より近くに生成される。
以上のように、この場合も、探触子の位置で波形合成をすると、所定の点線で囲んだ部分33に反射エコーを検出することができる。
図6(H)は、波形合成をきず1(実線の○)およびきず2(点線の○)とは異なる位置(×)で行った場合を示す図である。ここに示すように、探触子30a,30cの受信エコーは点線で囲んだ部分33に入っていないが、探触子30bの受信エコーは点線で囲んだ部分に入っている。これは、図6(D)の場合と同様に、きずのない位置で波形合成を行った場合に、合成する位置以外のきずエコーのビーム路程が合成する位置までの距離と一致したために、合成エコーとして表示されたものである。
以上のように、虚像を排除して、実際の反射エコーのみを得るには、きずのある位置でのみ波形を合成すればよいことがわかる。
逆にいうと、きずの位置を特定するには、所定の波形合成位置に入るエコーのデータ数が多ければよいことがわかる。
次に、この具体的な方法について説明する。図7は、探触子が2つの場合で、きずが1個ある場合の反射エコーの状態を示す模式図である。図7(A)を参照して、○で示す1つのきずに対して2つの探触子30a,30bから超音波を出力し、きずからの反射エコーをこれらの探触子30a,30bで受けた場合の反射エコーを示す図である。
きずのある位置で波形合成する図7(B)に示す場合、点線で囲んだ合成位置に反射エコーが2つ得られているため、この位置にきずがあると判断できる。
図7(C)に示す場合、点線で囲んだ所定の検出位置35で、探触子30a、30bからの反射エコーが得られていない。したがって、この位置にきずは無いと判断できる。
図7(D)に示す場合は、点線で囲んだ所定の検出位置35で、反射エコーは1つしか得られていない。したがって、この位置にきずは無いと判断できる。
次に、2つのきずがある場合について説明する。図8は、探触子が2つの場合で、きずが2個ある場合の反射エコーの状態を示す模式図である。図8(A)は、2つのきずに対して2つの探触子30a,30bから超音波を出力し、きずからの反射エコーをこれらの探触子で受けた場合の反射エコーを示す図である。
図8(B)は、2つのきずの位置の一方の位置である、点線で囲んだ合成位置35に反射エコーが2つ得られているため、この位置にきずがあると判断できる。
図8(C)に示す場合、2つのきずの位置の他方の位置である点線で囲んだ所定の検出位置35で、探触子30a、30bからの反射エコーが得られている。したがって、この位置にもきずがあると判断できる。
図8(D)に示す場合は、点線で囲んだ所定の検出位置35で、反射エコーは1つしか得られていない。したがって、この位置にきずは無いと判断できる。
以上のように、測線が2つの場合に、虚像を排除して、実際の反射エコーのみを得るには、所定の波形合成位置に入るエコーの反射エコーの数が2つあれば良いと判断できる。これは、データの数が1つでは、たまたま、所定の位置に反射エコーが得られたと思われるためである。
次に、この実施の形態に係る超音波探傷装置の構成について説明する。図9は、この実施の形態に係る超音波探傷装置10の構成を示すブロック図である。
図9を参照して、超音波探傷装置10は、複数の探触子20a〜20cと、複数の探触子20a〜20cからのデータを処理する、パソコンのような制御部11とを含む。制御部11は、制御部11全体を制御するCPU12と、CPU12に接続された、入出力機器13と、RAM等の記憶部14と、ディスプレイ15と、探触子からの送受信データを送受信装置18を介して入出力するためのインターフェース16とを含む。
次に、この実施の形態に係る超音波探傷装置10の動作について説明する。図10は、この実施の形態に係る超音波探傷装置の動作を示すフローチャートである。
図10を参照して、制御部10のCPU11は、複数の探触子20a〜20cからの反射エコーのデータを受信し(S11)、反射エコーを合成する(S12)。そして、各位置での合成データに基づいて、反射エコーが、実際のきずを表すものか、虚像かを判別し(S13)、その位置を特定する(S14)。
図11は、図10のS13で示した判別処理を示すフローチャートである。図11を参照して、この処理においては、合成位置に一定以上のデータがあるか否かを判断し(S131)、一定以上のデータがあれば(S131でYES)、実際のきずであると判断し、それ以外であれば(S131でNO)、虚像であると判断する(S133)。そしてS13に戻る。
したがって、CPU12は、波形合成手段、エコー判別手段、ピーク数カウント手段、波形相関処理手段として、作動する。
次に、この実像エコーと虚像エコーとを判別する、一定以上の数について説明する。発明者は、実際に、9個のきずについて、測線数と測線数に対するきずエコーのピークの検出個数の割合を調べた。その結果を図12に示す。
図12を参照して、ここではX軸として測線数を、Y軸として測線数に対するきずエコーのピークの検出個数の割合を、9個のきずについてプロットしている。
ここで、a〜iは、それぞれ、きず1〜きず9に対応している。なお、dで示すきず4は、測線の多い部分(右端)では一部現れているが、測線の少ない部分は、ほとんどが、gで表されている、きず7に重なっている。
図12に示すように、いずれのきずについても、測線本数に拘わらず、60%以上であることが分かる。
なお、このことは、先に図7〜図8で説明した、きずが1個の場合もカバーしている。
すなわち、探触子の送受信データの数(送信×受信)の組合わせの数)の6割以上であれば実像と判断できる。
なお、上記実施の形態においては、反射エコーの数を所定の波形合成位置で数える場合について説明したが、これに限らず、画像認識技術を用いてピークを検出してもよい。
図13は、波形合成するエリアの各交点位置で波形を合成したときの、各交点位置(波形合成位置)におけるピーク個数を示したグラフである。
図13を参照して、探触子5個で、データ数が25測線(送信5個×受信5個、25測線データ)の場合の波形データの相関係数を合成処理し、反射エコーのピーク数をカウントした結果であり、15個以上のピーク数が得られていれば、実像と判断できる。
このことからも、探触子の送受信データの数(送信×受信)の組合わせの数)の6割以上であれば実像と判断できることがわかる。
図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、本発明は、図示した実施形態に限定されるものではない。本発明と同一の範囲内において、または均等の範囲内において、図示した実施形態に対して種々の変更を加えることが可能である。
この発明によれば、実際にきずのある位置からの実像反射エコーと、実際はきずのない位置からの虚像エコーとを判別し、少なくとも2つの探触子からの反射エコーを用いて実像エコーと虚像エコーとを判別するため、実際にきずが存在する反射源がある位置のエコーとそれ以外のエコーの識別が容易に可能な超音波探傷検査装置を提供できるため、超音波探傷検査装置として有利に利用される。
10 超音波探傷装置、11 制御部、12 CPU、13 I/O、14 メモリ、15 ディスプレイ、16 I/F、18 送受信装置、20,30 探触子、21 反射源、22 試験体、27 所定のエリア、29 領域、31 参照波形データ。

Claims (6)

  1. 複数の探触子からの反射エコーを受信して、時間を遅延させてそれらを加算して合成する波形合成手段を含み、
    前記波形合成手段は、前記複数の探触子が前記反射エコーを受ける所定の合成エリア内で、前記複数の探触子からの反射エコーを受信して、波形合成を行い、
    前記反射エコーは実際にきずのある位置からの実像反射エコーと、実際はきずのない位置からの虚像エコーとを含み、
    前記実像エコーと前記虚像エコーとを判別するエコー判別手段を含み、
    前記エコー判別手段は、一定以上の前記探触子からの前記反射エコーを用いて前記実像エコーと前記虚像エコーとを判別する、超音波探傷検査装置。
  2. 前記一定以上は、60%以上である、請求項1に記載の超音波探傷検査装置。
  3. 前記エコー判別手段は、前記反射エコーのピークの数をカウントする、ピーク数カウント手段を含む、請求項1または2に記載の超音波探傷検査装置。
  4. 前記波形合成手段は、前記反射エコーに対して所定の参照波形データとの相関情報を反映した、波形のピークを得るための波形相関処理を行う、波形相関処理手段を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の超音波探傷検査装置。
  5. 前記波形相関処理手段は、参照波形としてチャープ波を用いる、請求項1〜4のいずれかに記載の超音波探傷検査装置。
  6. 複数の探触子からの反射エコーを受信して、時間を遅延させてそれらを加算して合成する波形合成ステップを含み、
    波形合成ステップにおいては、複数の探触子が反射エコーを受ける所定の合成エリア内で、複数の探触子からの反射エコーを受信して、波形合成を行い、
    反射エコーは実際にきずのある位置からの実像反射エコーと、実際はきずのない位置からの虚像エコーとを含み、
    実像エコーと虚像エコーとを判別するエコー判別ステップを含み、
    エコー判別ステップは、一定以上の探触子からの反射エコーを用いて実像エコーと虚像エコーとを判別する、超音波探傷検査装置を用いた反射源特定方法。
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