JP2014149156A - 超音波検査方法及び装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、機械的な超音波センサ位置検出手段を要さずに、超音波センサ位置情報を迅速に取得できるようにした超音波検査方法及び超音波検査装置を提供することにある。
【解決手段】本発明は、超音波センサで受信した超音波波形より作成した超音波探傷データから、前記超音波探傷データ中に現れるエコー出現パターンを数値化し、前記エコー出現パターンを数値化した情報と、予め作成しておいた複数の設置位置における超音波センサ位置情報と前記各設置位置におけるエコー出現パターンを数値化した情報とを関連付けたデータとを比較することにより超音波センサの位置を算出することを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、非破壊検査手法の一種である、超音波を利用した検査方法及び装置に関する。
近年、各産業分野における機器及び構造物の非破壊検査方法である超音波検査では、フェーズドアレイ法や開口合成などに代表されるように、複数の振動子を配列したアレイ型超音波センサ(アレイセンサ)を用いた探傷方法が開発されている。
超音波センサを検査対象の表面に沿って走査する場合には、超音波探傷データ取得時の超音波センサ位置情報を正確に特定する必要があることから、空間的な超音波センサ位置情報の検出が求められる。特許文献1では、センサ移動手段を設けて超音波センサを移動させているが、この時に移動量検出部において超音波センサの移動する座標情報を取得している。
また、前述のような特別な機構を要さずに、手動走査時の超音波センサ位置情報を取得する方法として、特許文献2では、超音波センサで受信した複数の超音波波形から作成した超音波の探傷データと、検査対象の形状データに基づいて音線追跡法(レイトレース法)により計算した複数の超音波伝播データとの相関処理により、超音波センサの位置情報を求めている。
特開2010−107286号公報 特開2011−141123号公報
フェーズドアレイ法や開口合成法による超音波検査では、超音波センサを動かさずに一定範囲の探傷が可能だが、超音波は欠陥や形状不連続部等で反射する際、特定方向に強い指向性を持つため、確実な欠陥検出のためには同一箇所に複数の角度から超音波を入射させることが望ましく、実際の検査時には物理的な超音波センサの走査が必要になる場合が多い。広範囲の探傷が必要な場合には、同様に超音波センサの走査が必要となる。
ここで、超音波探傷画像には、検査対象の欠陥部に起因する欠陥エコーの他に、試験対称の角部などの特徴形状部に起因する形状エコーが同時に現れる。超音波検査により欠陥の有無や位置を判断するには、欠陥エコーと形状エコーを識別する必要があるが、超音波探傷画像のみから判別するのは難しい。特に、複雑な形状の検査対象の場合には、形状エコーが多数現れるため、熟練者でも判別は難しい。このため、超音波の探傷データと検査対象の形状データの重ね合わせ比較がしばしば行われる。超音波探傷データ中のエコーと重ね合わせた形状データの端部や境界面が一致していれば、そのエコーは検査対象の形状に起因する形状エコーであると推測できる。通常、探傷データと形状データは別々の座標系で作られているため、これらを重ねて表示する場合には、必ず適切な位置に探傷データまたは形状データを相対移動させ、位置合わせ補正をする必要がある。この補正が正しく行われないと探傷データと形状データの相関が確認できず、形状エコーと欠陥エコーの識別が出来ない。
前記位置合わせ補正を実施するには、超音波センサと検査対象の位置関係を示す数値情報を基に、探傷データや形状データの座標値を変更する必要がある。センサ位置を検出する方法として、特許文献1の方法では、移動量検出部により超音波センサの座標情報を取得している。ただし、そのためには特別な機構が不可欠となり、超音波検査装置がその分だけ複雑化・大型化し、また、装置の不具合が発生する確立も高まる。また、特許文献2の方法では、初期位置が不明な場合でも位置合わせ補正が実行可能で、大きな移動にも強いが、大量の波形データ同士で相関処理を繰り返すため、非常に演算量が多くなるため計算に時間が掛り、リアルタイムな位置計測手段として利用することは難しい。
そこで、本発明の目的は、機械的な超音波センサ位置検出手段を要さずに、超音波センサ位置情報を迅速に取得できるようにした超音波検査方法及び超音波検査装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、超音波センサで受信した超音波波形より作成した超音波探傷データから、前記超音波探傷データ中に現れるエコー出現パターンを数値化し、前記エコー出現パターンを数値化した情報と、予め作成しておいた複数の設置位置における超音波センサ位置情報と前記各設置位置におけるエコー出現パターンを数値化した情報とを関連付けたデータとを比較することにより超音波センサの位置を算出することを特徴とする。
本発明によれば、機械的な超音波センサ位置検出手段を用いないため装置の故障による不具合を減らせ、超音波センサの位置情報を迅速に取得できるようになる。
本発明の実施例1による超音波検査装置の全体構成を示す。 本発明の実施例1による超音波検査装置における探傷データを得る場合のスキャン方式の説明図である。 本発明の実施例1による超音波検査装置における探傷データを得る場合のスキャン方式の説明図である。 本発明の実施例1による超音波検査装置における3次元超音波探傷データと3次元形状データの表示例の説明図である。 本発明の実施例1による超音波検査装置における3次元超音波探傷データと3次元形状データの座標系に関する説明図である。 本発明の実施例1における位置合わせ処理用のデータベースの生成の内容を示すフローチャートの一例を示す。 本発明の実施例1における位置合わせ処理にて用いるエコー領域表現量の説明図である。 本発明の実施例1による超音波検査装置を用いた自動位置合わせ方法の内容を示すフローチャートの一例を示す。 画像処理を適用する直交した2つのセクタ面(バイプレーン)の説明図である。 2つのエコー領域表現量の一致度を表すエコー重複度の定義に関する説明図である。 本発明の実施例2による超音波検査装置における2次元超音波探傷データと3次元形状データの表示例の説明図である。 本発明の実施例3による超音波検査装置における探傷データと形状データの表示例の説明図である。 本発明の実施例3による超音波検査装置における探傷データと形状データの別の表示例の説明図である。
以下、本発明の実施例を、図面を用いて説明する。
本発明の実施例1による超音波検査装置の構成及び動作について説明する。最初に、図1〜図5を用いて、本実施形態による超音波検査装置の全体構成について説明する。
図1は、本発明の実施例1による超音波検査装置の全体構成を示す。図2、図3は、本発明の実施例1による超音波検査装置における探傷データを得る場合のスキャン方式の説明図である。図4、図5は、本発明の実施例1による超音波検査装置における3次元超音波探傷データと3次元形状データの表示例の説明図である。
本実施形態の超音波検査装置は、検査対象100に対し超音波103の送受信を行う超音波センサ101と、その信号制御装置である送受信装置110、検査対象100の3次元形状データ200等を記録するデータ記憶装置120、各種検査条件等を入力する入力装置130、3次元超音波探傷データ210及び3次元形状データ200を共に表示する表示装置140、3次元超音波探傷データ210から生成したセクタ画像データ211に対する画像処理により、超音波センサの現在位置を算出する計算装置150から構成されている。
データ記憶装置120には、検査対象100の3次元形状データ200や検査結果等が記録され、必要に応じて適宜呼び出される。記録される形状データは3次元の形状データである。図1においては、例として、検査対象100に欠陥100aが存在する場合を示しているが、3次元形状データ200は基本的に欠陥の存在しない健全な状態を想定したものを用いる。検査対象100の形状データとして3次元CADデータが存在する場合は、外部からこれを読み込んでデータ記憶装置120に記憶させる。他には、基本形状が決まっている構造体のリストから検査対象100と同じ形状を選択し、その寸法を入力することで3次元形状データ200を自動生成するなどの手段が考えられる。
また、各種検査条件および解析条件の値入力や、結果表示画面での各種操作を実行するための入力装置130として、ここでは、例えばキーボード130aとマウス130bとからなっている。
本装置における超音波センサは、図示のように、基本的には超音波を発生し受信する複数個の振動子102で構成される超音波センサ101である。超音波センサ101は、検査対象100のセンサ設置面に設置された後、送受信装置110のパルサ110aから供給される駆動信号により超音波103を発生し、これを検査対象100内に伝播してこれにより現れる反射波を検知し、受信信号をレシーバ110bに入力する働きをする。図では超音波センサ101を検査対象100に直接接触させているが、超音波103の入射角を変えるため、超音波が透過する材質で作成された楔を介して検査対象100に接触させても良い。
送受信装置110は、超音波センサ101により超音波の送信と受信を行うものである。送受信装置110は、パルサ110a、レシーバ110b、遅延時間制御部110c、データ収録部110d、及び計算装置150とデータの入出力をやりとりする入出力制御部110eからなる。パルサ110aは、駆動信号を超音波センサ101に供給し、これにより超音波センサ101から入力される受信信号をレシーバ110bで処理し、データ収録部110dに記録するようになっている。このとき、パルサ110aに与える駆動信号のタイミングとレシーバ110bによる受信信号の入力タイミングの双方を、遅延時間制御部110cで制御することで、フェーズドアレイ方式による超音波センサ101の動作が得られる。このフェーズドアレイ方式による超音波センサ101の動作とは、超音波103の焦点深さと入射角105を制御して超音波を送受信する動作のことである。
フェーズドアレイ方式では、遅延時間を変化させることで様々なスキャンが可能である。2次元超音波探傷データを取得する場合には、超音波103を平行に移動させるリニアスキャン方式や、図2に示すような超音波103をセクタ104のような形状に送受信するセクタスキャン方式が良く知られている。
ここで、本実施例1で用いる超音波センサ101は、図3に示すように複数の振動子102が2次元的に配列して構成される2次元アレイセンサであるとする。2次元アレイセンサでは、遅延時間の制御により超音波103を任意の方向に向けて送受信することができるため、3次元的なビーム走査による3次元探傷データの取得が可能である。このときの3次元的なビーム走査は、検査対象100の形状に応じて様々な走査方式が可能であるが、例えば図3に示したように、基準セクタ106を基本単位として、中心軸Zの周りを回転させるようにXY方向の角度を変化させながらセクタスキャンを繰返す回転スキャン方式がある。
これらのスキャン方式により受信された信号は、データ収録部110dに送られ、収録データとして収録されると共に、計算装置150に送られる。計算装置150では、レンダリング部150dにて各振動子で得られた波形を遅延時間に応じて合成処理し、各超音波の入射角度毎の波形に適当な内挿処理を施し、ピクセルと呼ばれる2次元正方格子に基づいた2次元超音波探傷データや、ボクセルと呼ばれる3次元立方格子に基づく3次元超音波探傷データを作成し、それを画像化して表示装置140に表示させる。
以降、本実施形態における超音波探傷データは、2次元アレイセンサにより取得された3次元超音波探傷データである場合を例として説明していく。
表示装置140は、2次元超音波探傷データを表示する2次元表示画面140aと、3次元超音波探傷データを表示する3次元表示画面140bとを備えている。なお、図1では表示装置140は1つのみであるが、2次元表示画面140aと3次元表示画面140bは、複数の表示装置に分担してもよいし、どちらか一方のみの表示でもよい。2次元表示画面140aに表示するセクタ画像データ211は、3次元超音波探傷データ210から任意のセクタ面を切り出した探傷画像を表示し、異なるセクタ面に切り替え表示が可能なものである。
表示装置140上の3次元表示画面140bには、図4に示すように3次元超音波探傷データ210と3次元形状データ200を重ねて表示することが出来る。検査者は、マウス130bやキーボード130aを用いた入力により、3次元超音波探傷データ210や3次元形状データ200の表示色や透明度を任意に変更でき、また、必要に応じて3次元形状データ200の表示、非表示を切り替える事ができるため、検査者が見易いような表示にすることが出来る。このように重ねて表示することで、検査対象100の形状に由来する形状エコー210bや形状エコー210cと、欠陥100aに由来する欠陥エコー210aの識別が容易になる。
図5に示すように、通常は、3次元超音波探傷データ210と3次元形状データ200の座標系は異なっているため、これらを重ねて表示した初期状態では双方、まったく異なる位置に表示されるため、3次元超音波探傷データ210上に現れるエコーと検査対象の3次元形状データ200との相関を正しく比較することが出来ず、欠陥エコー210aの識別は困難である。キーボード130aによる数値入力やマウス130bによる操作により、検査者が試行錯誤により双方の相対位置が所望のものとなるよう調整する事もできるが、この作業には時間と手間が掛るため、本発明による自動位置合わせ処理を用いることで作業負担を大幅に軽減できる。また、超音波センサ101と検査対象100の相対位置に関する情報が無いような場合でも自動的に位置合わせを実行することが可能である。
本発明では、検査実行時の自動位置合わせ処理における演算量を抑えることで処理を高速化し、センサ走査を行いながら自動的かつリアルタイムに超音波エコーの3次元超音波探傷データ210と検査対象の3次元形状データ200の位置合わせ表示を実現することを狙っている。
ここで、図5に示した3次元超音波探傷データ210と3次元形状データ200を自動で位置合わせする処理の詳細を説明する。
一般に、2つのデータの位置を合わせる場合、基準となる座標系を設定し、スケールを一致させた後に平行移動と回転移動を組み合わせて行う。いずれかのデータの座標系を基準座標系とすることが多いが、任意の座標系を設定してもかまわない。平行移動には移動量と移動方向を示すベクトルを、回転移動には回転軸と回転角をそれぞれ決定する必要がある。
本発明における自動位置合わせ処理では、解析装置160によって3次元形状データ200に基づき、測定と同じスキャンパターンでセンサ走査範囲全体をカバーするように、センサ設置位置や超音波入射方向といったセンサ情報を順次変化させて超音波伝播解析を実施し、複数の2次元超音波探傷データ(以下、解析画像)を求める。これら複数の解析画像をリファレンスデータとして、実測した3次元超音波探傷データ210から任意のセクタ面を抜き出した2次元超音波探傷データを前記リファレンスデータと順次比較し、最もエコーの出現パターンが一致する解析画像を見つけ出し、その解析画像の計算に用いたセンサ位置情報に基づいて、現在の超音波センサ101の設置位置を求める。そして、現在の超音波センサ101の設置位置の情報を用いて、3次元超音波探傷データ210もしくは3次元形状データ200を相対的に移動させるものである。この手法は、実測と解析のセンサ設置位置や超音波入射方向が一致する場合には、超音波探傷画像上のエコーの出現パターンが一致するか非常に近くなるという考え方に基づいている。
前記超音波伝播解析は、音線追跡法(レイトレース法)と呼ばれて広く知られている方法を用い、検査対象の形状や材質の情報をパラメータとして幾何光学的理論に基づいて超音波の反射、屈折を計算し、超音波の伝播経路や伝播時間を求めるものである。
この時、超音波探傷データとリファレンスデータの比較結果として取得されるセンサ設置位置の誤差を小さくする為には、リファレンスデータである解析画像を生成する際のセンサ位置情報に関する計算ピッチを細かくする必要があり、非常に多くのリファレンスデータが必要となる。画像データ同士の相関の大きさを求める手法としては、全画素にわたって輝度値の差分を計算して積分し、その積分値が小さいものほど相関が大きいと判定するような手法が公知であるが、全画素にわたって計算を繰り返すため演算量が多くなる。また、多くのリファレンスデータと相関演算を繰返し実行する必要がある場合、計算時間が大きくなりリアルタイムな位置合わせの実行が難しくなる。
そこで、リファレンスデータである複数の解析画像に対し、予めエコーの出現パターンを表す数値情報として画像中に現れる複数のエコーに対する座標、面積、傾きといった特徴情報を画像処理により抽出し、その解析画像の計算に用いた超音波センサ位置情報と関連付けて記録した位置合わせ処理用データベース220を作成しておく。以下、このエコーの出現パターンを表す数値情報をエコー領域表現量と呼称することとする。具体的な内容については後述する。
検査時には、直近のスキャンによって得られた超音波探傷データに対して同様の画像処理によってエコー領域表現量を抽出し、その値を前記データベース内に記録された各解析画像のエコー領域表現量と順次比較し、エコーの重なり度合いを表す値を計算する。以下、このエコーの重なり度合いを表す数値をエコー重複度(後述)と呼称することとする。エコー重複度が大きいほど、エコーの出現パターンの類似度が大きいと判定する。データベース内で最もエコー重複度が大きくなる、すなわち最大の相関を示すエコー領域表現量を見つけ出し、そのエコー領域表現量に関連けられたセンサ位置情報から現在のセンサ設置位置及びセンサ設置方向を求める。
このように、リファレンスデータとの比較計算の際、超音波探傷画像データを直接比較するのではなく、事前の画像処理により抽出された数値情報であるエコー領域表現量同士を比較することで演算量を削減し、高速なセンサ位置情報の取得を行い、リアルタイムに3次元超音波探傷データ210と3次元形状データ200の位置合わせ表示を実現する。
ところで、上記例では位置合わせ処理用のリファレンスデータとして、音線追跡法により計算した解析画像を用いたが、2次元探傷画像データとその時のセンサ位置情報の対応関係が判明しているなら、必ずしも上記手法に従うものでなくても良い。例えば、有限要素法や境界要素法といった、音線追跡法以外の解析手法によって計算された解析画像を用いても良い。また、欠陥の存在しない健全な検査対象に対する測定データのうち、センサの絶対位置情報が既知のものが存在するならば、そのデータを用いて位置合わせ処理用データベース220を作成しても良い。また、エコーの出現パターンを表す数値情報であるエコー領域表現量としては、超音波のエコー強度や形状情報を用いてもよい。
次に、図6、図7を用いて、本実施形態における位置合わせ処理用データベース220の生成方法について説明する。ここでは、コンピュータ解析により計算した解析画像をリファレンスデータとして用いる手法について述べる。
図6は、本発明の実施例1における位置合わせ処理用データベース220の生成の内容を示すフローチャートである。図7は、本発明の実施例1における位置合わせ処理にて用いるエコー領域表現量の説明図である。
最初に、解析装置160の解析画像計算部160aに、検査対象の3次元形状データ200を読み込む(ステップS1)。次に、超音波センサ101の大きさや検査対象の音速、測定時のスキャンパターン、センサ走査範囲など、各種解析条件(解析パラメータ)を入力する(ステップS2)。ここでのスキャンパターンとは、測定時にフェーズドアレイ法による超音波103の電子的な走査パターンの事である。超音波センサ走査範囲とは、実際の検査時に超音波センサを走査する可能性のある超音波センサ設置面上の面積領域である。
次に、超音波センサ設置位置や超音波入射方向といったセンサ位置情報を設定する(ステップS3)。このときのセンサ位置情報は、ステップS2にて入力されたセンサ走査範囲の一部をカバーするものである。このセンサ位置情報は、3次元形状データ200上における超音波センサの配置を示すものであるため、3次元形状データ200の座標系における値を入力する。
次に、設定された条件及び検査対象の3次元形状データ200に基づき、超音波伝播解析を実行し、フェーズドアレイ法によるセクタスキャン結果を模擬した2次元超音波探傷データ(解析画像)を生成する(ステップS4)。
次に、この解析画像を対して、解析装置160のエコー領域表現量抽出部160bによる画像処理により、解析画像中のエコー出現パターンを数値化したエコー領域表現量を抽出する(ステップS5)。
ここで、エコー領域表現量に関して説明する。図7に、解析結果の一例である解析画像300を示す。この解析画像には、一定の閾値レベルを超えた強度を持つエコー1301、エコー2302が存在するとする。この解析画像300に対し、平滑化、2値化、輪郭抽出等の画像処理を実行し、一定閾値レベル以上の強度を持つエコーの抽出処理を実行する。このとき設定する閾値レベルは、ノイズレベル以上に設定し、エコーと背景画像を識別可能な状態に設定する必要がある。この閾値レベルは、検査者が閾値を変更しながら表示される2値化画像を見ながら試行錯誤により設定しても良いし、公知の方法である判別分析法等のアルゴリズムに従い自動的に設定しても良い。
こうして抽出したエコーの輪郭に対し、図7の外接矩形E1、外接矩形E2のような矩形によるフィッティング処理を行う。ここで、エコー1301の特徴情報を表す数値として、外接矩形E1の中心座標x1及びz1、面積A1、傾きd1を求める。この時の座標値は、センサの中心から見た相対座標によって表されており、センサ中心位置305を原点とする2次元座標値である。抽出された全てのエコーに対して同様に座標、面積、傾きを求め、これらの数値情報をまとめたものを、ある解析画像300に対するエコー領域表現量として定義する。
図7においては、他のエコー2302の特徴情報を表す数値として、外接矩形E2の中心座標x2及びz2、面積A2、傾きd2も記載した。仮に抽出されたエコーの数が10個とした場合、エコー領域表現量のパラメータ数は4倍の40個であり、画像全体の画素数に比例した数のパラメータを持つ生の画像データに比べて、一般的にデータ量を大幅に削減する事が出来る。
これらのエコー特徴量抽出過程で実行する平滑化、2値化、輪郭抽出といった各画像処理は、例えば画像処理用のオープンソース・ライブラリであるOpenCV(登録商標)等を用いることで比較的容易に実現できる。
このような画像処理の結果として解析画像300より抽出されたエコー領域表現量を、その解析画像300の計算に用いたセンサ位置情報と関連付けて、位置合わせ処理用データベース220内に追記する(ステップS6)。
引き続き、センサ設置位置や超音波入射方向を変更して解析を実行した第二、第三の解析画像に対しても、ステップS2からステップS6までを繰返し、ステップS2にて入力されたセンサ走査範囲を全てカバーした所で、一連のデータベース生成作業を終了する(ステップS7)。
上記のデータベース生成の為の解析処理は、解析装置160の代わりに計算装置150上で実施しても良い。
続いて、図8〜図10を用いて、本実施形態による超音波検査装置を用いた自動位置合わせ方法について説明する。
図8は、本発明の実施例1よる超音波検査装置を用いた自動位置合わせ方法の内容を示すフローチャートである。図9は、画像処理を適用する直交した2つのセクタ面(バイプレーン)の説明図である。図10は、2つのエコー領域表現量の一致度を表すエコー重複度の定義に関する説明図である。
最初に、検査対象の3次元形状データ200を、データ記憶装置120に読み込む(ステップS11)。次に、前述のフローチャートに従い生成された位置合わせ処理用データベース220を、データ記憶装置120を経由して計算装置150のセンサ位置算出部150cに読み込む(ステップS12)。次に、検査対象100上のセンサ走査範囲内の任意位置に、超音波センサ101を設置、もしくは移動させる(ステップS13)。
次に、あらかじめ設定されたスキャンパターンに従い、送受信装置110と超音波センサ101を用いてフェーズドアレイ法による超音波の送受信を行い、信号波形をデータ収録部110dに記録することで、3次元超音波探傷データ210を取得する(ステップS14)。
次に、この3次元超音波探傷データから、後述の画像処理を適用する2つのセクタ面を選択する(ステップS15)。このセクタ面は、図9に示すような互いに直交する第1走査面221と第2走査面222から構成されるバイプレーンとする。このバイプレーンの方向は、3次元超音波探傷データからバイプレーンのデータを切り出す際、最も多くのエコーがバイプレーン内で観測できる方向、すなわち、バイプレーンを構成する2つのセクタ面の輝度(エコー強度)の合計が最大となる回転方向(回転角223)を自動的に選択し、データ記録装置120に記録する事が望ましい。こうすることで、特徴的なエコーが多く表れる直交2面に関してリファレンスデータと比較する事が可能となり、センサの設置方向が変化した場合でも、精度の良いセンサ位置特定が可能となる。ユーザーにより予め指定した2方向に固定しても良いが、その場合はセンサを手動走査して位置を変更する際に、センサの設置方向を極力変化させないように注意する必要がある。
次に、計算装置150の探傷画像生成部150aにより、ステップS15にて選択された直交する2つのセクタ面について、それぞれ2次元探傷画像データ(以下、探傷画像)を生成する(ステップS16)。
次に、エコー領域表現量抽出部150bにて、前述の2つの探傷画像に対してそれぞれ画像処理を実施し、一組のエコー領域表現量を抽出する(ステップS17)。この時実施する処理内容は前述のデータベース生成の際と同様であるため、説明は省略する。
次に、位置合わせ処理用データベース220から、センサ設置位置が同じで超音波入射方向が直交する2つのエコー領域表現量を読込む(ステップS18)。これは、直交する2面の解析画像に対応したエコー領域表現量の組み合わせを表す。
次に、ステップS17にて抽出された実測データのエコー領域表現量の組と、ステップS18にて位置合わせ処理用データベース220から読み込まれたリファレンスデータのエコー領域表現量を比較し、エコーの重なり度合いを表すエコー重複度を計算する(ステップS19)。バイプレーンを形成する第1セクタ面、第2セクタ面それぞれのエコー領域表現量に関してエコー重複度を算出し、2つのエコー重複度の合計を求める。
ここで、エコー重複度の定義に関して図10を用いて説明する。図10(a)に、実測の超音波探傷データより生成した1つの探傷画像から抽出された探傷画像のエコー領域表現量310のイメージ図を示す。実際のエコー領域表現量は、画像データでは無く単なる数値データである。また、図10(b)は、位置合わせ処理用データベース220より抜き出されたある解析画像に対応する解析画像のエコー領域表現量320のイメージ図である。
この2つのエコー領域表現量310、320の比較からエコー重複度を計算する手順を説明する。まず、探傷画像のエコー領域表現量310のエコー座標と、解析画像のエコー領域表現量320のエコー座標を比較し、最も距離ΔLの近くなる座標の組み合わせを求める(マッチング)。次に、前記エコーの組み合わせについて、エコー一致重みWを近似的に求め、その合計値を2つのエコー領域表現量間のエコー重複度として定義する。このエコー一致重みWを求める近似計算について、1つのエコーの組み合わせを例として図10(c)を用いて説明する。中心座標間の距離(中心距離ΔL1)とエコーの面積を表すパラメータA1、パラメータA1’から、例えば式(1)に示すような簡易計算によりエコーの重複面積ΔA1を近似的に求める。
さらに、エコーの傾きの一致度合いをエコーの傾きd1及びd1’の差分値θ1を用いてcos(θ1)として与え、上述の重複面積ΔA1と乗算することで、エコー一致重みW1を求める(式2)。
前述の全てのエコー組み合わせについてこのエコー一致重みWを計算し、積分したものをエコー重複度の一例として定義する。比較した2つのエコー領域表現量の抽出元である探傷画像と解析画像のエコー分布傾向が近いほど、このエコー重複度は大きくなるはずである。このエコー重複度計算は、エコーの組み合わせ数に比例した演算量で済み、画像データや波形データ同士の相関演算に比べて大幅に演算量を減らすことができ、リアルタイムなセンサ位置取得を目的とした本発明に適している。
以上の様な手順により、位置合わせ処理用データベース220内の1組の直交するセクタ面に関するエコー領域表現量に対するエコー重複度を求めた後、引き続き、異なるエコー領域表現量の組み合わせに関して、全ての組み合わせに関して比較計算を終えるまでステップS18とステップS19を繰返す(ステップS20)。
そして、求めたエコー重複度の合計値が最も大きくなるエコー領域表現量の組み合わせを探し出し、そのリファレンスデータに対応する超音波センサ設置位置及び超音波入射方向から、現在の超音波センサの設置位置と設置方向を算出する(ステップS21)。このときの超音波センサ設置方向は、実測した探傷画像の第1走査面のエコー領域表現量と一致したリファレンスデータのエコー領域表現量に対応する超音波入射方向と、ステップS15にて記録したバイプレーン面の回転角223から分かる超音波センサ101から見た第1走査面221の走査方向が一致させることで求めることができる。
続いて、ステップS21にて求めたセンサ設置位置とセンサ設置方向からなるセンサ位置情報に基づいて位置補正部150eでは、3次元超音波探傷データ210もしくは3次元形状データ200を相対移動させ、位置合わせを実施すると、図4に示したごとく表示装置140の3次元表示部140bに表示される(ステップS22)。
以上のフローチャートのうち、ステップS13からステップS22までの処理を、オペレータによる自動位置合わせ処理の終了操作もしくは探傷そのものの終了まで自動的に繰り返し実施することで、センサ走査に伴い刻々と変化する超音波探傷データに追従して形状データの位置を変化させて表示する、リアルタイムな位置合わせ表示を実現する(ステップS23)。
以上説明したように、本実施形態によれば、機械的なセンサ位置検出手段を用いない場合においても、超音波センサで受信した複数の超音波波形から作成した3次元超音波探傷データから、前記3次元超音波探傷データ中に現れるエコー出現パターンを数値化し、複数の超音波センサ位置情報とその時のエコー出現パターンを数値化した情報とを関連付けたデータベースと比較することにより現在のセンサ位置を算出し、前記センサ位置に基づき3次元超音波探傷データまたは検査対象の3次元形状データの表示位置を自動的に移動して位置合わせ表示することにより、欠陥エコーと形状エコーの識別を迅速にできるようになる。
次に、図11を用いて、本発明の実施例2による超音波検査装置の構成及び動作について説明する。なお、本実施例による超音波検査装置の全体構成は、図1に示したものと同様である。
図11は、本発明の実施例2による超音波検査装置における2次元超音波探傷データと3次元形状データの表示例の説明図である。
図11は、2次元超音波探傷データであるセクタ画像データ211を描画した平面を3次元形状データ200と一緒に平面的に2次元表示画面140aに表示したものである。センサの位置を示すセンサ位置指標401と共に描画されている。ここで、3次元形状データ200は、セクタ画像の断面位置で切断した場合の形状データの輪郭線400のみが描画される。このような表示にすることにより、断層面とその断層に対応する形状との対応が容易に見てとれるようになる。
この形状データの輪郭線400の表示は、例えば3次元形状データ上の超音波センサ設置位置と、2次元画面上に表示させているセクタ面の方向から、2次元超音波探傷データの断層平面を求め、その断層平面と3次元形状データの交点を多数計算し、それら交点をつないだ線分を断層平面上に描画することで実現できる。
以上説明したように、本実施形態によれば、超音波センサで受信した複数の超音波波形から作成した2次元超音波探傷データから、前記2次元超音波探傷データ中に現れるエコー出現パターンを数値化し、複数のセンサ位置情報とその時のエコー出現パターンを数値化した情報とを関連付けたデータベースと比較することにより現在のセンサ位置を算出し、前記センサ位置に基づき前記2次元超音波探傷データまたは前記3次元形状データの相対的な位置を移動し、前記2次元超音波探傷データに前記3次元形状データの切断面における輪郭線を重ねて表示することができる。
次に、図12、図13を用いて、本発明の実施例3による超音波検査装置の構成及び動作について説明する。なお、本実施形態による超音波検査装置の全体構成は、図1に示したものと同様である。
本発明における実施例3では、欠陥エコーと形状エコーの迅速な識別のため、実施例1及び実施例2で示した超音波探傷データと形状データの自動位置合わせ表示に追加して、超音波探傷データ上の形状エコー位置に、形状エコー識別用のマーカー表示を行うものとする。また、予め形状データ上の一定領域を注目範囲として設定し、欠陥と判定するエコー強度の閾値を定めることで、超音波センサをセンサ走査範囲上で自由に走査した際に注目範囲上に現れる閾値以上の強さを持つ欠陥エコーを自動的に検出し、位置情報と共にオペレータに通知、あるいはログデータとして記録する方法についても述べる。
実施例3における超音波探傷データと形状データの自動位置合わせは、実施例1において示した図8のフローチャートと同様に実施する。この際、ステップS21にてセンサ位置情報を求めた時点で、ステップS19でのエコー重複度計算にて行ったエコー座標のマッチングにより、探傷画像上に現れる複数のエコーに関して、解析画像上に現れる各エコーと重なるか否かの判定がなされている。解析は欠陥の無い健全な検査対象を仮定した3次元形状データ200に基づき計算されているため、解析画像上に現れるエコーは全て形状エコーである。したがって、この解析画像の各エコーと重なっていると判定された探傷画像上のエコーは、形状エコーであると判断出来る。よって、上記の情報を利用し、ステップS22で実行される探傷画像と形状データの位置合わせ表示の際に、形状エコーが表示される座標位置に、形状エコー識別用のマーカーを重ねて表示することで、形状エコー識別のさらなる効率化を図る。
図12に、本発明の実施例3による超音波検査装置における表示装置上での2次元表示画面140a、及び3次元表示画面140bの表示例の説明図である。
今、前述の自動位置合わせ処理の結果算出された3次元形状データ200上のセンサ位置情報が、超音波センサ設置位置530、超音波センサ設置方向531であるとする。現在のセンサ位置を一目で把握するため、これらのセンサ位置情報を3次元表示画面140b上に視覚的に表示している。また、2次元表示画面140aに表示する2次元超音波探傷データであるセクタ画像データ211は、3次元表示画面140b中に表示したセクタ面511に対応しており、このセクタ面の断層平面520は、超音波センサ設置方向531方向の垂直断面である。
前述の通り、2次元探傷画像上に現れる各エコーの2次元座標値及び形状エコーであるか否かといった情報は、自動位置合わせ表示の段階で既知であるため、形状エコーであると判定されたエコーの2次元座標値から、2次元表示画面140a上の形状エコー出現座標を算出し、その座標に形状エコー識別用マーカー500を、セクタ画像データ211と重ねて表示する。図12の例では菱形のマーカーを重ねて表示する方法を取ったが、形状エコーと欠陥エコーの識別が可能となるなら、マーカーの形状や色等は自由である。
また、3次元表示画面140b上にも、同じく形状エコー識別用マーカー500を表示する。3次元表示画面140b上の形状エコー出現座標は、セクタ面511の方向と超音波センサ設置位置530、及びセクタ画像上で形状エコーと判定されたエコーの2次元座標値から算出できる。
以上説明したように、形状エコーの出現位置に形状エコー識別用マーカー500を表示することで、このマーカーと重なるエコーは検査対象の境界面や端部などで反射した超音波による形状エコー、残りのエコーが、欠陥による超音波の反射に起因する欠陥エコー(例えば、欠陥100aの欠陥エコー210a)と迅速に判断出来る。
上述の例では、形状エコーの出現位置に、形状エコー識別用のマーカーを重ねて表示したが、反対に、欠陥エコーの出現位置に、欠陥エコー識別用のマーカーを表示しても良い。この処理は、探傷画像から抽出された全エコーの内、形状エコーと判定されなかったエコーの座標を用いることで容易に実現する。この際、ノイズ成分と区別するため、欠陥エコーとして判定するためエコー強度に関する閾値を設けても良い。また、形状エコーまたは欠陥エコーを見えなくするように処理するようにしても良い。
これら識別用マーカー表示の有無は、状況に応じてオペレータにより切り替えられるようになっているのが望ましい。
これまでに述べた例では、形状エコーと欠陥エコーの識別は、そのエコーの表示位置が形状エコー位置に表示される形状エコー識別用マーカーと重なるか否か、または、エコーの表示位置が位置合わせ表示される検査対象の形状データの端部や境界面と一致するか否かを、オペレータが目で見て判断する必要がある。欠陥エコーの検出作業を自動化し、欠陥位置等の情報をオペレータに通知、あるいはログデータとして記録するシステムを備えても良い。
この欠陥エコーの自動検出システムについて、図13を用いて説明する。図13に、本システムにおける超音波検査装置における表示装置上での2次元表示画面140a、及び3次元表示画面140bの表示例を示す。
実際に超音波検査装置による探傷を実施する際、予め、3次元形状データ200上の一定領域を注目領域540として設定する。例として立方体で表される領域を仮定しているが、この領域は任意の形状及び数を設定可能とする。領域設定の方法については、位置合わせ処理用データベース220作成の際の解析により求めた設定値を、位置合わせ処理用データベース220の読み込みと同時に読み込んでも良いし、3次元表示画面上に表示された3次元形状データ200に対し、入力装置130によるなんらかの操作を実行することで設定しても良い。
続いて、超音波センサ101を走査軌跡550に示すように自由に操作しながら、超音波探傷データと形状データの自動位置合わせ処理を実行する。センサ走査に伴い、3次元超音波探傷データ210は順次変化していくが、リアルタイムな位置合わせ処理の実行により、3次元形状データ上におけるセンサの位置情報、すなわち、3次元形状データ200の座標系と3次元超音波探傷データ210の座標系の対応関係は常に求められている。また、探傷画像上に現れるエコーの出現座標値と、そのエコーが形状エコーであるか否かといった情報も、既に得られている。
従って、検査時のある瞬間、先に設定した注目範囲540中に超音波探傷データのエコーが現れるか否か、また、そのエコーが欠陥エコーであるか否かを即座に判定する事が出来る。欠陥エコーとして記録したいエコーの強度レベルを、閾値として予め設定しておくことで、欠陥検出作業を自動化することが可能になる。
図13の2次元表示画面140aに表示している2次元セクタ画像212は、3次元表示画面140b上のセクタ面512に対応しており、注目範囲540にて検出された欠陥エコー210aが表示されている。このとき、欠陥エコーの反射源座標値及び現在の超音波センサ設置位置530、欠陥検出角度501及び欠陥検出角度502等の情報を、データ記憶装置120に記録したり、オペレータに通知したりすると良い。
以上説明したような欠陥エコーの自動検出、及び検出時の各種探傷情報の記録機能を備えることで、オペレータは規定のセンサ走査範囲内を塗りつぶすように自由にセンサの走査を行うだけで、注目すべき領域に存在する欠陥の探傷および結果の記録を自動的に行うことが可能となる為、検査作業の省力化および高速化を図ることが出来る。
100 検査対象
100a 欠陥
101 超音波センサ
102 振動子
103 超音波
104 セクタ
105 入射角
106 基準セクタ
110 送受信装置
110a パルサ
110b レシーバ
110c 遅延時間制御部
110d データ収録部
110e 入出力制御部
120 データ記憶装置
130 入力装置
130a キーボード
130b マウス
140 表示装置
140a 2次元表示画面
140b 3次元表示画面
150 計算装置
150a 探傷画像生成部
150b エコー領域表現量抽出部
150c センサ位置算出部
150d レンダリング部
150e 位置補正部
160 解析装置
160a 解析画像計算部
160b エコー領域表現量抽出部
200 3次元形状データ
210 3次元超音波探傷データ
210a 欠陥エコー
210b 形状エコー
210c 形状エコー
211 セクタ画像データ
220 位置合わせ処理用データベース
221 第1走査面
222 第2走査面
223 回転角
300 解析画像
301 エコー1
302 エコー2
305 センサ中心位置
310 探傷画像のエコー領域表現量
320 解析画像のエコー領域表現量
400 形状データの輪郭線
401 センサ位置指標
500 形状エコー識別用マーカー
501 欠陥検出角度
502 欠陥検出角度
511 セクタ面
520 断層平面
530 超音波センサ設置位置
531 超音波センサ設置方向
540 注目領域
550 走査軌跡

Claims (9)

  1. 超音波センサで受信した超音波波形より作成した超音波探傷データから、前記超音波探傷データ中に現れるエコー出現パターンを数値化し、
    前記エコー出現パターンを数値化した情報と、予め作成しておいた複数の設置位置における超音波センサ位置情報と前記各設置位置におけるエコー出現パターンを数値化した情報とを関連付けたデータとを比較することにより超音波センサの位置を算出することを特徴とする超音波検査方法。
  2. 請求項1に記載の超音波検査方法において、
    前記エコー出現パターンの数値化は、超音波探傷データから作成した超音波探傷画像に対する画像処理により、エコーに対する座標、面積、傾きの特徴情報をまとめたエコー領域表現量を抽出することであって、
    前記超音波センサの位置の算出は、前記抽出したエコー領域表現量と、前記複数の設置位置における超音波センサ位置情報と前記各設置位置におけるエコーに対する特徴情報をまとめたエコー領域表現量とを関連付けたデータとを比較することを特徴とする超音波検査方法。
  3. 請求項2に記載の超音波検査方法において、
    前記超音波探傷画像のエコー領域表現量及び前記データ内に記述された複数のエコー領域表現量の組み合わせから、エコーの重なり度合いを表すエコー重複度を算出し、前記エコー重複度が最大となる前記データ内のエコー領域表現量に関連付けられたセンサ位置情報から超音波センサ位置を算出することを特徴とする超音波検査方法。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の超音波検査方法において、
    前記算出された超音波センサ位置に基づき、前記超音波探傷データまたは検査対象の形状データの相対的な位置を移動し、前記超音波探傷データと前記形状データを立体的に重ねて表示することを特徴とする超音波検査方法。
  5. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の超音波検査方法において、
    前記算出されたセンサ位置に基づき、前記超音波探傷データまたは検査対象の形状データの相対的な位置を移動し、前記超音波探傷データと前記形状データの切断面における輪郭線を重ねて表示することを特徴とする超音波検査方法。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の超音波検査方法において、
    前記超音波探傷データと前記予め作成されたデータの比較の結果得られる形状エコーの座標情報に基づき、結果表示画面上の形状エコー表示に重ねて、形状エコー識別用のマーカーを表示することを特徴とする超音波検査方法。
  7. 請求項4から請求項6のいずれか1項に記載の超音波検査方法において、
    前記検査対象の形状データ上の一定領域を注目範囲として設定し、欠陥と判定するエコー強度の閾値を設定することで、検査実行中に注目範囲内に出現する閾値以上の強さを持つ欠陥エコーを自動的に検出し、位置情報と共にオペレータに通知、あるいはログデータとして記録することを特徴とする超音波検査方法。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の超音波検査方法において、
    検査対象の形状データに基づき、音線追跡法を用いてセンサ位置をパラメータとした複数の解析データを計算し、それぞれ画像処理により複数のエコーに対する座標、面積、傾きの特徴情報をまとめたエコー領域表現量を抽出し、各センサ位置情報と関連付けることで前記データを作成することを特徴とする超音波検査方法。
  9. 複数の振動子を備えたアレイ型超音波センサと、前記超音波センサの各振動子から送受信する信号を制御して超音波探傷データを収録する送受信装置と、検査対象の形状データ又は検査結果を記憶するデータ記憶装置と、各種検査条件および解析条件を入力する入力装置と、前記送受信装置で収録された前記超音波探傷データから超音波探傷画像を生成する探傷画像生成部と、前記超音波探傷画像に対する画像処理によりエコー出現パターンを数値化するエコー領域表現量抽出部と、前記エコー領域表現量を解析装置により生成されたセンサ位置情報とエコー領域表現量を関連付けたデータベースと比較する事によりセンサ位置を算出するセンサ位置算出部と、前記形状データと前記超音波探傷データを同時に表示させる表示装置と、前記センサ位置に基づき前記超音波探傷データと前記形状データの相対位置を自動的に移動する位置補正機能を備えていることを特徴とする超音波検査装置。
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