JP7287879B2 - 腐食検知システム - Google Patents

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Description

本発明は、石油プラントや化学プラント等の産業プラントにおける被覆材施工配管および機器の外表面の腐食を検知する腐食検知システムに関する。
近年、産業プラントの老朽化に伴い、保温材やコンクリートが施工された配管や機器の外表面の腐食(外面腐食)による故障が増加している。特に、保温材施工配管の外面腐食(保温材下腐食)は、故障の原因となることが多いため、産業プラントにおいて重大な問題となっている。
外面腐食は、直接目視観察できないため、発生位置の特定が困難である。そのため、従来検査では、配管や機器の外装板および被覆材を剥離し、目視または超音波検査器等により腐食状況を確認している。しかし、腐食検知率(腐食発見数/検査総数)は非常に低く、検査に無駄が多い。そのため、配管や機器における外面腐食の発生域を予測し、検査対象を絞り込むことにより、検査効率を向上させることが求められている。
特開平06-118040号公報 特開2019-078698号公報
特許文献1では、外面腐食の発生域を推定する手法が提案されている。本手法は、外装板表面の温度分布および被覆材の電気伝導度を利用して、腐食発生部位を推定する手法である。しかし、実際のプラントでは被覆材と外装板の間に隙間がある場合が多く、その場合は被覆材から外装板へと熱伝達しないため、本手法を適用することは困難である。また、被覆材の電気伝導度を計測するには、外装板に穴を空ける必要があり、測定後に補修する手間がかかる。
特許文献2では、流体が流通する配管を内部に含んだ容器を対象とし、容器の壁に複数設置したセンサの振動情報により、容器内の漏洩位置を検出するシステムが提案されている。しかし、特許文献2のシステムでは、振動情報を計測するセンサが設置されていない配管では実施不可という点に難がある。
本発明の目的は、配管・機器、被覆材、外装板等に関する情報を活用して、被覆材中の水の挙動を把握することにより、配管・機器の外表面腐食の発生域と腐食故障リスクを予測することができる腐食検知システムを提案する。
前記目的を達成するために、本発明の腐食検知システムは、被覆材と金属表面との界面での金属表面側の腐食を予測する腐食検知システムであって、腐食検知システムは、処理装置と、表示装置とを有し、処理装置は、外部から取得し、または、自システムの記憶装置に保持している被覆材情報、外装板情報、および配管・機器の傾き、構造、配置に関わる配管・機器幾何学情報により、外部から被覆材への水浸入位置と被覆材内の水移動方向・領域を判定し、その判定結果に基づき被覆材中の水移動経路を判定し、検査対象の部位が水移動経路にあるとき腐食発生域とし、部位は水滞留部であるかを判定し、腐食発生域と水滞留部であるかの判定結果に基づき、部位の腐食故障リスクを判定する水移動挙動演算部と、腐食故障リスクの判定結果に基づき検査内容を表示装置に出力する表示処理部と、を有することを特徴とする。本発明のその他の態様については、後記する実施形態において説明する。
本発明によれば、配管・機器、被覆材および外装板等に関する情報を基に、被覆材施工配管・機器の外表面腐食の発生域と腐食故障リスクを予測し、検査対象を削減することで、検査効率を向上させることができる。
実施形態1に係る腐食検知システムを示す構成図である。 実施形態1に係る腐食検知システムの適応配管を示す模式図である。 実施形態1に係る腐食検知システムの他の適応配管を示す模式図である。 実施形態1に係る腐食検知システムの適応配管に対して記憶部で保有する内容である。 実施形態1に係る腐食検知システムの水移動挙動演算部の処理を示すフローチャートである。 実施形態1に係る腐食検知システムの水移動挙動演算部における腐食発生域と水滞留部の判定表である。 実施形態1に係る腐食検知システムの表示装置における検査計画表の出力例である。 実施形態2に係る腐食検知システムを示す構成図である。 実施形態2に係る腐食検知システムの適応配管に対して記憶部で保有する内容である。 実施形態2に係る腐食検知システムの水移動挙動・蒸発量演算部の処理を示すフローチャートである。 実施形態2に係る腐食検知システムの水移動挙動・蒸発量演算部における温度と保温材中の水蒸発量の相関の模式図である。 実施形態2に係る腐食検知システムの水移動挙動・蒸発量演算部における腐食発生域と水滞留部と水浸入位置・蒸発量の判定表である。 実施形態2に係る腐食検知システムの表示装置における検査計画表の出力例である。 実施形態3に係る腐食検知システムを示す構成図である。 実施形態3に係る腐食検知システムの水移動挙動演算部および腐食検査部の処理を示すフローチャートである。 実施形態3に係る腐食検知システムの腐食検査部の腐食故障リスクを再評価した結果である。 実施形態3に係る腐食検知システムの表示装置における検査計画表の出力例である。 実施形態3に係る腐食検知システムの水移動挙動演算部および腐食検査部の処理の変形例1を示すフローチャートである。 実施形態3に係る腐食検知システムの水移動挙動演算部および腐食検査部の処理の変形例2を示すフローチャートである。 実施形態3に係る腐食検知システムの水移動挙動演算部および腐食検査部の処理の変形例3を示すフローチャートである。 実施形態3に係る腐食検知システムの水移動挙動演算部および腐食検査部の処理の変形例4を示すフローチャートである。 実施形態3に係る腐食検知システムの水移動挙動演算部および腐食検査部の処理の変形例5を示すフローチャートである。 実施形態3に係る腐食検知システムの水移動挙動演算部および腐食検査部の処理の変形例6を示すフローチャートである。 プラントの被覆材施工配管を示す模式図である。
以下、本発明の実施形態を、図面を用いて詳細に説明する。
<<実施形態1>>
本発明の腐食検知システムは、外装板情報(開口有無、腐食有無等)、配管・機器の幾何学情報(傾き、構造等)、被覆材情報(種類、密度、撥水性有無)等を基に、被覆材中の水挙動を把握することにより、配管および機器の腐食発生域と腐食故障リスクを推定し、検査対象の削減を支援する。それにより、腐食検査の高効率化を実現する。
図23は、プラントの被覆材施工配管を示す模式図である。プラントを構成する複数の配管1は、継手フランジ2で接続され、各継手フランジ2には、圧力測定用のインジケータ3が配設されている。また、配管の途中にはバルブ4を設けられている。接続されていない配管の開口部は、閉止フランジ5で閉じられている。
配管1は、長さが1000m以上になるものも多い。現状、安全側の検査のため、全配管を検査対象としている。その場合、プラント規模にもよるが、検査箇所は10000点程度と膨大になることもあり、検査コストが極めて高くなる。そこで、腐食発生領域の推定により、検査箇所を削減することへの期待が非常に高い。
図1は、実施形態1に係る腐食検知システム100を示す構成図である。腐食検知システム100は、処理装置10、記憶装置20、入力装置31、表示装置32、通信装置33を有する。処理装置10は、自システムの記憶装置20に保持、または、ネットワークNWを介して外部から取得した被覆材情報21、外装板情報22、および配管・機器の傾き、構造、配置等に関わる配管・機器幾何学情報23により、外部からの水浸入位置と被覆材内の水移動方向・領域を判定し、その判定に基づき被覆材中の水の移動経路を推定し、水の移動経路に含まれる位置を腐食発生域と判定し、腐食発生域である位置は水の滞留部であるかを判定し、腐食発生域と水の滞留部であるかの判定結果に基づき、腐食故障リスクを判定する水移動挙動演算部11と、腐食故障リスクの結果に基づき検査内容を表示装置32に出力する表示処理部12と、を有する。
図2A,図2Bは、実施形態1に係る腐食検知システム100の適応配管の模式図である。本実施形態において、腐食検知システム100の実施対象は、図2Aに示す保温配管A(40)、図2Bに示す保温配管B(50)である。保温配管A(40)は、保温材42および外装板43が施工されており、保温配管A(40)には部位A1,A2,A3がある。保温配管B(50)は、保温材52および外装板53が施工されており、保温配管B(50)には部位B1,B2,B3がある。さらに、保温配管A(40)には、継手フランジ44がある。また、保温配管B(50)には、サポート51がある。
図3は、実施形態1に係る腐食検知システム100の適応配管に対して記憶装置20で保有する内容である。図3には、腐食検知システム100の各適応配管に対する一覧情報26を示している。被覆材情報21として保温材の種類と密度、外装板情報22として劣化の有無、配管・機器幾何学情報23として傾きと構造に係る情報が、保有されている。
次に、本実施形態における各情報の取得方法について説明する。
被覆材情報21は、配管施工時の記録を、ネットワークNW、通信装置33を介して、記憶装置20に格納した。
外装板情報22は、目視観察情報、画像情報、動画情報、過去の検査記録のうち少なくともいずれかにより、取得可能である。高所配管等の外装板情報が確認しにくい位置に対しては、ドローン等の航空機を利用して、画像情報または動画情報を取得することが可能である。本実施形態では、目視により保温配管A(40)の部位A1と保温配管B(50)の部位B1において、開口や腐食の劣化を確認した記録を、ネットワークNW、通信装置33を介して、記憶装置20に格納した。
配管・機器幾何学情報23について、配管・機器の傾きは、目視観察情報、画像情報、動画情報、検査情報のうち少なくともいずれかから取得可能である。検査情報には、水平測定計による測定情報、傾斜センサによる計測情報、GPS(Global Positioning System)を搭載したドローンによる3次元の位置情報に基づく検査情報がある。ドローンは、配管に沿うように移動し、移動中にGPSから取得した3次元の配管位置情報から、傾きを算出する。高所配管等の測定しにくい部位は、ドローンと水平測定計、ドローンと傾斜センサ等の組み合わせにより計測することが可能である。精度の観点から、可能な限り、傾斜センサまたは水平測定計を使用することが望ましい。また、配管・機器の構造は、目視観察情報、画像情報、動画情報、過去の施工情報のうち少なくともいずれかから取得できる。高所配管等の測定しにくい位置は、ドローンや高所カメラ等による、画像や動画情報を利用可能である。本実施形態では、傾斜センサにより配管・機器の傾きを、目視により配管・機器の構造を、確認した。その確認記録を、ネットワークNW、通信装置33を介して、記憶装置20に格納した。
図4は、実施形態1に係る腐食検知システム100の水移動挙動演算部11の処理を示すフローチャートである。水移動挙動演算部11は、まず、前述した外装板情報(ステップS31)に基づく外部からの水の浸入位置の判定(ステップS32)と、前述した配管・機器幾何学情報と被覆材情報(ステップS33)に基づく水の移動方向・領域の判定(ステップS34)と、を実施する。そして、水移動挙動演算部11は、水浸入位置判定(ステップS32)と水移動方向・領域判定(ステップS34)との結果より、各検査対象が水の移動経路であるかを判定する(ステップS35)。対象が水の移動経路でないとき(ステップS35,No)、水移動挙動演算部11は、腐食故障リスクを小と判定する(ステップS53)。対象が水の移動経路であるとき(ステップS35,Yes)、腐食発生域と推定され(ステップS50)、水移動挙動演算部11は、各検査対象が水の滞留部であるか判定する(ステップS36)。対象が水の滞留部であるとき(ステップS36,Yes)、水移動挙動演算部11は、腐食故障リスクを大(腐食故障リスク大)と判定し(ステップS51)、水の滞留部でないとき(ステップS36,No)、水移動挙動演算部11は、腐食故障リストを中(腐食故障リスク中)と判定する(ステップS52)。
表示処理部12では、例えば、腐食故障リスクが大の対象群、腐食故障リスクが中の対象群の優先順位で検査し、腐食故障リスクが小の対象群は検査を見送る計画を策定し、表示装置32に出力する。
図5は、実施形態1に係る腐食検知システム100の水移動挙動演算部11における適応配管の腐食発生域および水滞留の判定表27である。この判定結果の理由について、図2A、図2B、図4を参照して、以下説明する。
保温配管A(40)について、水の浸入位置の判定(ステップS32)では、外装板43に開口があった部位A1が、水の浸入位置と判定された。また、水の移動方向・領域の判定(ステップS34)では、配管が部位A1から部位A2方向に傾いていることから水の移動方向は部位A1から部位A2であり、部位A2と部位A3の間には継手フランジ44があり保温材が不連続であることから水の移動領域は部位A1から部位A2、と判定された。これより、外部からの水は部位A1から部位A2まで移動すると推定され、部位A1と部位A2は水の移動経路であり(ステップS35,Yes)、腐食発生域と判定された。この時点で、部位A3は水の移動経路に含まれず(ステップS35,No)、腐食故障リスク小と判定された。さらに、保温材42は保水力が低いグラスウールであるため、水は部位A1では滞留せず、不連続である部位A2にのみ滞留すると推定された。よって、部位A2は水の滞留部であり(ステップS36,Yes)、部位A1は水の滞留部でない(ステップS36,No)、と判定された。そのため、部位A2は腐食故障リスクを大、部位A1は腐食故障リスクを中、と判定された。
保温配管B(50)について、水の浸入位置の判定(ステップS32)では、外装板53に腐食があった部位B1が、水の浸入位置と判定された。また、水の移動方向・領域の判定(ステップS34)では、配管が部位B1から部位B2方向に傾いていることから水の移動方向は部位B1から部位B2であり、部位B2が傾きの変曲点になっていることから水の移動領域は部位B1から部位B2、と判定された。これより、外部からの水は部位B1から部位B2まで移動すると推定され、部位B1と部位B2は水の移動経路であり(ステップS35,Yes)、腐食発生域と判定された。この時点で、部位B3は水の移動経路に含まれず(ステップS35,No)、腐食故障リスク小と判定された。保温材52は保水力が高いケイ酸カルシウムであるため、部位B1、部位B2ともに水が滞留すると推定された。そのため、部位B1と部位B2は水の滞留部であり(ステップS36,Yes)、腐食故障リスクが大と判定された。
図6は、実施形態1に係る腐食検知システム100の表示装置32における検査計画表の出力例(表示例)である。図6に、本実施形態で対象とした保温配管A(40)の部位A1、部位A2、部位A3、および保温配管B(50)の部位B1、部位B2、部位B3等の検査計画を示す。列に配管・機器位置61、腐食故障リスク62、次回の検査予定63を記す。また行として、配管・機器位置の名称、腐食故障リスクが大、中、小のいづれか、次回の検査予定日を記す。腐食故障リスクが小の位置は、検査優先度が低く、省略することも可能である。なお、検査ごとに対象の最新データを用いて、腐食故障リスクの判定が更新されることから、この検査計画には、作成年月日の記載が必要である。このように、腐食検知システム100は、腐食発生域を推定し、腐食故障リスクを判定することで、不要な部位の検査を省略できるため、検査の効率化に貢献することができる。
<<実施形態2>>
図7は、実施形態2に係る腐食検知システム100Aを示す構成図である。実施形態2は、記憶装置20に配管温度情報24、気象情報25(平均気温、降水量等)が追加されていることと、処理装置10の水移動挙動演算部11が水移動挙動・蒸発量演算部11Aに変更されていること、が異なる。また、適応配管は図2Aの保温配管A(40)、図2Bの保温配管B(50)と同じ構造の保温配管AX(40),BX(50)である(図は省略)。
図8は、実施形態2に係る腐食検知システム100Aの適応配管に対して記憶装置20で保有する内容である。図8に示す一覧情報26Aには、図3に加えて、配管温度情報24、気象情報25が追加されていることが異なる。
図9は、実施形態2に係る腐食検知システム100Aの水移動挙動・蒸発量演算部11Aの処理を示すフローチャートである。図9において、図4からの変更として、降水量と蒸発量の比較に係るステップS37、ステップS38、ステップS39が追加されている。図4に記載の同一処理については、同一符号を付しており、説明を省略する。
水移動挙動・蒸発量演算部11Aは、配置温度情報、気象情報を取得し(ステップS37)、水蒸発量演算として、配管温度情報および気象情報(気温、降水量)より、外装板の水浸入位置(外装板の劣化部)から保温材中の水が蒸発する量を演算する(ステップS38)。蒸発量は、後述する図10で示す温度と保温材中の水蒸発量の相関から算出する。その結果を基に、水の滞留部である(ステップS36,Yes)位置を対象とし、水移動挙動・蒸発量演算部11Aは、水の浸入位置近傍かつ蒸発量が降水量より多いかを判定する(ステップS39)。水の侵入位置近傍かつ蒸発量が降水量よりも多いとき(ステップS39,Yes)、水移動挙動・蒸発量演算部11Aは、腐食故障リスクは中と判定し(ステップS52)、それ以外のとき(ステップS39,No)、腐食故障リスクは大と判定される(ステップS51)。なお、蒸発量が降水量以下のとき(ステップ39,No)、腐食故障リスクが大となる理由は、保温材中の水が蒸発するものの、配管表面に定常的に水が存在するため、水を介した電気化学反応が進行し、腐食が進行するためである。また、水の浸入位置から離れた位置が蒸発量と関係なく腐食リスク大がとなる理由は、水が外装板の外部に抜けにくいため、水が定常的に保温材中に存在し、腐食が進行するためである。
図10は、実施形態2に係る腐食検知システム100Aの水移動挙動・蒸発量演算部における温度と保温材中の水蒸発量の相関の模式図である。温度増加とともに、水の蒸発量は増加する。そのため、高温で運転している保温配管では、水浸入位置付近では蒸発しやすい。温度と保温材中の水の蒸発量の相関は、実データだけでなく、データを統計的に処理した近似式や、機械学習等から作成されたデータベースを用いてもよい。
図11は、実施形態2に係る腐食検知システム100Aの水移動挙動・蒸発量演算部11Aにおける適応配管の腐食発生域と水滞留部と水浸入位置・蒸発量の判定表27Aである。この判定結果の理由について、図9を用いて、以下説明する。
保温配管AXについて、水の浸入位置の判定(ステップS32)では、外装板43に開口があった部位AX1が、水の浸入位置と判定された。また、水の移動方向・領域の判定(ステップS34)では、配管が部位AX1から部位AX2方向に傾いていることから水の移動方向は部位AX1から部位AX2であり、部位AX2と部位AX3の間には継手フランジ44があり保温材が不連続であることから水の移動領域は部位AX1から部位AX2、と判定された。これより、外部からの水は部位AX1から部位AX2まで移動すると推定され、部位AX1と部位AX2は水の移動経路であり(ステップS35,Yes)、腐食発生域と判定された。この時点で、部位AX3は水の移動経路に含まれず(ステップS35,No)、腐食故障リスクが小と判定された。さらに、保温材42は保水力が低いグラスウールであるため、水は部位AX1では滞留せず、不連続である部位AX2にのみ滞留すると推定された。よって、部位AX2は水の滞留部であり(ステップS36,Yes)、部位AX1は水の滞留部でない(ステップS36,No)、と判定された。この時点で、部位AX1は腐食故障リスクが中と判定された。さらに、部位AX2は、水浸入位置近傍でない(ステップS39,No)ため、蒸発量に関係なく、腐食故障リスクが大と判定された。
保温配管BXについて、水の浸入位置の判定(ステップS32)では、外装板53に腐食があった部位BX1が、水の浸入位置と判定された。また、水の移動方向・領域の判定(ステップS34)では、配管が部位BX1から部位BX2方向に傾いていることから水の移動方向は部位BX1から部位BX2であり、部位BX2が傾きの変曲点になっていることから水の移動領域は部位BX1から部位BX2、と判定された。これより、外部からの水は部位BX1から部位BX2まで移動すると推定され、部位BX1と部位BX2は水の移動経路であり(ステップS35,Yes)、腐食発生域と判定された。この時点で、部位BX3は水の移動経路に含まれず(ステップS35,No)、腐食故障リスクが小と判定された。保温材52は保水力が高いケイ酸カルシウムであるため、水は部位BX1、部位BX2ともに滞留すると推定された。そのため、部位BX1とBX2は水の滞留部である(ステップS36,Yes)と判定された。さらに、水浸入位置近傍の部位BX1は、配管温度は100℃であり、図10の温度と蒸発量の相関から算出した保温材の水蒸発量は、降水量1000mm/year以上であった。すなわち、部位BX1は、水浸入位置近傍かつ蒸発量>降水量である(ステップS39,Yes)ため、腐食故障リスクが中と判定された。また、部位BX2は、水浸入位置近傍でない(ステップS39,No)ため、蒸発量に関係なく、部位BX2は腐食故障リスクが大と判定された。
図12は、実施形態2に係る腐食検知システム100Aの表示装置32における検査計画表の出力例(表示例)である。本実施形態の検査計画は、実施形態1の図6に示した内容の大部分と同様であるが、変更点として、保温配管BX(50)の部位BX1の腐食故障リスクが中になっている。これは、配管温度情報と気象情報より、水の蒸発量を演算した結果も考慮したためである。
このように、腐食検知システム100Aは、保温材中の水の蒸発量を考慮することで、腐食検知システム100よりも腐食故障リスクの判定精度が高くなる。また、不要な部位の検査を省略できるため、検査の効率化に貢献する。
<<実施形態3>>
図13は、実施形態3に係る腐食検知システム100Bを示す構成図である。実施形態3は、図1に示す実施形態1の構成に追加して、処理装置10に、腐食検査部13があることが異なる。図13において、図1に記載の同一構成品については、同一符号を付しており、説明を省略する。また、実施形態3に係る腐食検知システム100Bの適応配管は図2A、図2Bと同様である。
腐食検査部13は、水移動挙動演算部11で腐食故障リスクが中または小と判定された位置に対して、例えば、中性子水分計により被覆材中の水分量を取得し、取得した水分量が閾値以上の場合は腐食故障リスクを大とし、取得した水分量が閾値未満の場合は腐食故障リスクを小とする。
図14は、実施形態3に係る腐食検知システム100Bの水移動挙動演算部11および腐食検査部13の処理を示すフローチャートである。図14において、図4からの変更として、検査器による腐食検査部に係るステップS40が追加されている。図4に記載の同一処理については、同一符号を付しており、説明を省略する。
水移動挙動演算部11は、検査対象が水移動経路でないとき(ステップS35,No)、腐食故障リスクを小(腐食故障リスク小)と判定する(ステップS56)。また、水移動挙動演算部11は、検査対象が水滞留部でないとき(ステップS36,No)、腐食故障リストを中(腐食故障リスク中)と判定する(ステップS55)。
腐食検査部13では、安全性担保のため、水移動挙動演算部11で腐食リスクが中または小の検査対象群に対し、検査器を用いて、真に腐食がないか判定する。検査器は、中性子水分計、アコースティックエミッション計測器、渦電流探傷器、放射線透過器、超音波ガイド波探傷器、放射線センサ等であり、外装板の剥離無しまたは一部剥離のみで検査可能である検査器を利用することができる。図14においては、検査器が中性子水分計の場合である。
腐食検査部13は、中性子水分計の検査器による水分量を取得し、水分量が所定の閾値以上であるか否か(腐食が有るか否か)を判定する(ステップS40)。検査器により、腐食有り(ステップS40,Yes)と判明した場合、腐食故障リスクが大と判定され(ステップS51)、腐食無し(ステップS40、No)と判明した場合、腐食故障リスクが小として判定が修正される(ステップS53)。
本実施形態では、水移動挙動演算部11で、腐食故障リスクが中または小と判定された保温配管の3つの部位を対象として、腐食検査部13で、中性子水分計を用いて、腐食検査した例を示した。中性子水分計とは、カリホルニウム等の中性子源から照射された高速中性子が、保温材中の水と衝突して速度の遅い熱中性子に変わる数を計測し、保温材中の水を検知する検査器である。腐食有無は、検知した水から間接的に予測する。中性子水分計は、保温材未剥離で、配管表面の腐食有無を高精度に予測できる。
図15は、実施形態3に係る腐食検知システム100Bの腐食検査部13の腐食故障リスクを再評価した結果である。図15に水移動挙動演算部11で腐食故障リスク中または小と判定した部位に中性子水分計を使用した結果表28を示す。中性子水分計により、保温材中の水分量が閾値以上の位置は腐食リスクが大、閾値未満の場合は腐食リスクが小と判定し直す。本実施形態では、水分量の閾値を5vol%とした。検知した水分量について、保温配管A(40)の部位A1は12vol%、保温配管A(40)の部位A3では3vol%、保温配管B(50)の部位B3では0vol%であった。そのため、閾値以上の水分量が検知された保温配管A(40)の部位A1は、腐食がある可能性が高いため、腐食故障リスクが大と判定された。また、閾値未満の水分量が検知された保温配管A(40)の部位A3および保温配管B(50)の部位B3は、腐食がある可能性が低いため、腐食故障リスクが小と判定された。
図16は、実施形態3に係る腐食検知システム100Bの表示装置32における検査計画表の出力例(表示例)である。本実施形態の検査計画は、実施形態1の図6に示した内容の大部分と同様であるが、変更点として、列に腐食検査部13における検査有無64が追加されている。本実施形態では、中性子水分計による検査を行った結果、図6からの変更点として、保温配管A(40)の部位A1は腐食故障リスクが大になっている。
腐食検知システム100Bは、腐食検査部13で腐食故障リスクが中または小と判定された対象群に対し、検査器で腐食有無を確認することにより、腐食位置の見落としを防止することができ、信頼性が高い検査を実現する。
処理装置10の腐食検査部13の検査器は、前記したように、中性子水分計、アコースティックエミッション計測器、渦電流探傷器、放射線透過器、超音波ガイド波探傷器、放射線センサ等であり、外装板の剥離無しまたは一部剥離のみで検査可能である検査器を利用することができる。
<実施形態3の変形例1>
図17は、実施形態3に係る腐食検知システム100Bの水移動挙動演算部および腐食検査部の処理の変形例1を示すフローチャートである。図17において、図14に記載の同一処理については、同一符号を付しており、説明を省略する。
腐食検査部13は、水移動挙動演算部11で腐食故障リスクが中または小と判定された位置に対して、放射線透過器により健全部と減肉部の放射線透過量の差を検知して、検知した放射線透過量の差により腐食有無情報を取得し、取得した情報が腐食有りの場合、腐食故障リスクを大とし、取得した情報が腐食無しの場合、腐食故障リスクを小とする。図17のフローチャートを参照して、さらに説明する。
腐食検査部13では、安全性担保のため、水移動挙動演算部11で腐食リスクが中(ステップS55)または腐食リスクが小(ステップS56)の検査対象群に対し、健全部と減肉部の放射線透過量の差を検知する放射線透過器の検査器の測定情報に基づき腐食の有無を判定する(ステップS40A)。検査器により、腐食有り(ステップS40A,Yes)と判明した場合、腐食故障リスクが大と判定され(ステップS51)、腐食無し(ステップS40A、No)と判明した場合、腐食故障リスクが小として判定が修正される(ステップS53)。
腐食検知システム100Bは、腐食検査部13で腐食故障リスクが中または小と判定された対象群に対し、放射線透過器の検査器で腐食有無を確認することにより、腐食位置の見落としを防止することができ、信頼性が高い検査を実現する。
<実施形態3の変形例2>
図18は、実施形態3に係る腐食検知システム100Bの水移動挙動演算部および腐食検査部の処理の変形例2を示すフローチャートである。図18において、図14に記載の同一処理については、同一符号を付しており、説明を省略する。
腐食検査部13は、水移動挙動演算部11で腐食故障リスクが中または小と判定された位置に対して、アコースティックエミッション検査器により錆層から発生する弾性波を検出し、検出した弾性波から腐食有無情報を取得し、取得した情報が腐食有りの場合、腐食故障リスクを大とし、取得した情報が腐食無しの場合、腐食故障リスクを小とする。図18のフローチャートを参照して、さらに説明する。
腐食検査部13では、安全性担保のため、水移動挙動演算部11で腐食リスクが中(ステップS55)または腐食リスクが小(ステップS56)の検査対象群に対し、腐食による錆層から発生する弾性波を検出して腐食有無を判定するアコースティックエミッション検査器の測定情報に基づき腐食の有無を判定する(ステップS40B)。検査器により、腐食有り(ステップS40B,Yes)と判明した場合、腐食故障リスクが大と判定され(ステップS51)、腐食無し(ステップS40B、No)と判明した場合、腐食故障リスクが小として判定が修正される(ステップS53)。
腐食検知システム100Bは、腐食検査部13で腐食故障リスクが中または小と判定された対象群に対し、アコースティックエミッション検査器で腐食有無を確認することにより、腐食位置の見落としを防止することができ、信頼性が高い検査を実現する。
<実施形態3の変形例3>
図19は、実施形態3に係る腐食検知システム100Bの水移動挙動演算部および腐食検査部の処理の変形例3を示すフローチャートである。図19において、図14に記載の同一処理については、同一符号を付しており、説明を省略する。
腐食検査部13は、水移動挙動演算部11で腐食故障リスクが中または小と判定された位置に対して、腐食量を検出する腐食センサにより腐食有無情報を取得し、取得した情報が腐食有りの場合、腐食故障リスクを大とし、取得した情報が腐食無しの場合、腐食故障リスクを小とする。図19のフローチャートを参照して、さらに説明する。
腐食検査部13では、安全性担保のため、水移動挙動演算部11で腐食リスクが中(ステップS55)または腐食リスクが小(ステップS56)の検査対象群に対し、腐食センサの検査器の測定情報に基づき腐食の有無を判定する(ステップS40C)。検査器により、腐食有り(ステップS40C,Yes)と判明した場合、腐食故障リスクが大と判定され(ステップS51)、腐食無し(ステップS40C、No)と判明した場合、腐食故障リスクが小として判定が修正される(ステップS53)。
腐食検知システム100Bは、腐食検査部13で腐食故障リスクが中または小と判定された対象群に対し、腐食センサの検査器で腐食有無を確認することにより、腐食位置の見落としを防止することができ、信頼性が高い検査を実現する。なお、腐食センサには直接配管肉厚を測定する超音波測定や、腐食速度を測定するための直流抵抗センサなどを含む。
<実施形態3の変形例4>
図20は、実施形態3に係る腐食検知システム100Bの水移動挙動演算部および腐食検査部の処理の変形例4を示すフローチャートである。図20において、図14に記載の同一処理については、同一符号を付しており、説明を省略する。
腐食検査部13は、水移動挙動演算部11で前記腐食故障リスクが中または小と判定された位置に対して、渦電流探傷器により減肉量情報を取得して、取得した減肉量情報が閾値以上の減肉の場合、腐食故障リスクを大とし、取得した減肉量情報が閾値未満の減肉の場合、腐食故障リスクを小とする。図20のフローチャートを参照して、さらに説明する。
腐食検査部13では、安全性担保のため、水移動挙動演算部11で腐食リスクが中(ステップS55)または腐食リスクが小(ステップS56)の検査対象群に対し、渦電流探傷器の検査器の測定情報に基づき腐食の有無を判定する(ステップS40D)。渦電流探傷器による減肉量が所定の閾値以上の場合(ステップS40D,Yes)、腐食故障リスクが大と判定され(ステップS51)、渦電流探傷器による減肉量が所定の閾値未満の場合(ステップS40D、No)、腐食故障リスクが小として判定が修正される(ステップS53)。
渦電流探傷器とは、金属に磁界により渦電流を発生させて、その渦電流値が減肉部で変化する量を検知して、検出した渦電流値の変化量から減肉量を算出する検査器である。渦電流探傷器53により、保温材未剥離で、配管外表面の減肉量を高精度に計測できる。
腐食検知システム100Bは、腐食検査部13で腐食故障リスクが中または小と判定された対象群に対し、渦電流探傷器の検査器で腐食有無を確認することにより、腐食位置の見落としを防止することができ、信頼性が高い検査を実現する。
<実施形態3の変形例5>
図21は、実施形態3に係る腐食検知システム100Bの水移動挙動演算部および腐食検査部の処理の変形例5を示すフローチャートである。図21において、図14に記載の同一処理については、同一符号を付しており、説明を省略する。
腐食検査部13は、水移動挙動演算部11で腐食故障リスクが中または小と判定された位置に対して、超音波ガイド波探傷器により減肉量情報を取得して、取得した減肉量情報が閾値以上の減肉の場合、腐食故障リスクを大とし、取得した減肉量情報が閾値未満の減肉の場合、腐食故障リスクを小とする。図21のフローチャートを参照して、さらに説明する。
腐食検査部13では、安全性担保のため、水移動挙動演算部11で腐食リスクが中(ステップS55)または腐食リスクが小(ステップS56)の検査対象群に対し、超音波ガイド波探傷器の検査器の測定情報に基づき腐食の有無を判定する(ステップS40E)。超音波ガイド波探傷器による減肉量が所定の閾値以上の場合(ステップS40E,Yes)、腐食故障リスクが大と判定され(ステップS51)、超音波ガイド波探傷器による減肉量が所定の閾値未満の場合(ステップS40E、No)、腐食故障リスクが小として判定が修正される(ステップS53)。
超音波ガイド波探傷器は、機器・配管外表面の金属に設置したセンサから放出される超音波の一種であるガイド波を検出して、検出したガイド波の値から減肉量を評価する検査器である。
腐食検知システム100Bは、腐食検査部13で腐食故障リスクが中または小と判定された対象群に対し、超音波ガイド波探傷器の検査器で腐食有無を確認することにより、腐食位置の見落としを防止することができ、信頼性が高い検査を実現する。
<実施形態3の変形例6>
図22は、実施形態3に係る腐食検知システム100Bの水移動挙動演算部および腐食検査部の処理の変形例6を示すフローチャートである。図22において、図14に記載の同一処理については、同一符号を付しており、説明を省略する。
腐食検査部13は、水移動挙動演算部11で腐食故障リスクが中または小と判定された位置に対して、X線またはガンマ線源から前記位置に入射したフォトンを、エネルギー領域に弁別して、各エネルギー領域に弁別されたフォトン数の割合を検出して、検出したフォトン数の割合から減肉量を計測する放射線センサにより減肉量情報を取得して、取得した減肉量情報が閾値以上の減肉の場合、腐食故障リスクを大とし、取得した減肉量情報が閾値未満の減肉の場合、腐食故障リスクを小とする。図22のフローチャートを参照して、さらに説明する。
腐食検査部13では、安全性担保のため、水移動挙動演算部11で腐食リスクが中(ステップS55)または腐食リスクが小(ステップS56)の検査対象群に対し、放射線センサの検査器の測定情報に基づき腐食の有無を判定する(ステップS40F)。放射線センサによる減肉量が所定の閾値以上の場合(ステップS40F,Yes)、腐食故障リスクが大と判定され(ステップS51)、放射線センサによる減肉量が所定の閾値未満の場合(ステップS40F、No)、腐食故障リスクが小として判定が修正される(ステップS53)。
腐食検知システム100Bは、腐食検査部13で腐食故障リスクが中または小と判定された対象群に対し、放射線センサの検査器で腐食有無を確認することにより、腐食位置の見落としを防止することができ、信頼性が高い検査を実現する。
以上、本実施形態の腐食検知システムによれば、外装板の劣化情報、配管・機器の幾何学情報(傾き、構造等)、被覆材の情報(種類、密度、撥水性有無等)等を活用し、被覆材中の水の挙動を把握することにより、外面腐食の発生域と腐食故障リスクを推定し、検査を効率化ができる。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。前記した実施形態は本発明を分かりやすく説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることも可能であり、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることも可能である。例えば、実施形態3において、腐食検査部13を、図1に適用した場合について説明したが、これに限定されるわけではない。すなわち、腐食検査部13を、図7に適用してもよい。
1 配管
2 継手フランジ
3 インジケータ
4 バルブ
5 閉止フランジ
10 処理装置
11 水移動挙動演算部
11A 水移動挙動・蒸発量演算部
12 表示処理部
13 腐食検査部
20 記憶装置
21 被覆材情報
22 外装板情報
23 配管・機器幾何学情報
24 配管温度情報
25 気象情報
26 一覧情報
27 判定表
28 結果表
31 入力装置
32 表示装置
33 通信装置
40 保温配管A
42 保温材
43 外装板
44 継手フランジ
50 保温配管B
51 サポート
52 保温材
53 外装板
100,100A,100B 腐食検知システム
A1,A2,A3 部位
B1,B2,B3 部位

Claims (15)

  1. 被覆材と金属表面との界面での前記金属表面側の腐食を予測する腐食検知システムであって、
    前記腐食検知システムは、処理装置と、表示装置とを有し、
    前記処理装置は、外部から取得し、または、自システムの記憶装置に保持している被覆材情報、外装板情報、および配管・機器の傾き、構造、配置に関わる配管・機器幾何学情報により、外部から前記被覆材への水浸入位置と前記被覆材内の水移動方向・領域を判定し、その判定結果に基づき前記被覆材中の水移動経路を判定し、検査対象の部位が前記水移動経路にあるとき腐食発生域とし、前記部位は水滞留部であるかを判定し、前記腐食発生域と前記水滞留部であるかの判定結果に基づき、前記部位の腐食故障リスクを判定する水移動挙動演算部と、
    前記腐食故障リスクの判定結果に基づき検査内容を前記表示装置に出力する表示処理部と、を有する
    ことを特徴とする腐食検知システム。
  2. 請求項1において、
    前記記憶装置に保持される前記外装板情報は、過去の検査情報、目視観察情報、画像情報、動画情報のうち少なくともいずれかにより取得する
    ことを特徴とする腐食検知システム。
  3. 請求項1において、
    前記処理装置は、
    前記記憶装置に保持される前記配管・機器幾何学情報における、配管または機器の傾きの情報は、目視観察情報、画像情報、動画情報、検査情報のうち少なくともいずれかの情報により取得し、
    また、配管または機器の構造の情報は、目視観察情報、画像情報、動画情報、過去の施工情報のうち少なくともいずれかの情報により取得する
    ことを特徴とする腐食検知システム。
  4. 請求項1において、
    前記水移動挙動演算部は、
    前記水移動経路の判定において、水の侵入位置または水の移動領域である位置に対し、水の移動経路である場合、腐食発生域であると判定し、
    前記水滞留部の判定において、前記水移動経路である位置を対象とし、前記配管・機器幾何学情報により水滞留部であるかを判定し、
    前記腐食故障リスクは、腐食発生域かつ水滞留部である位置は前記腐食故障リスクを大、腐食発生域かつ水滞留部でない位置は前記腐食故障リスクを中、腐食発生域でない位置は前記腐食故障リスクを小、と判定する
    ことを特徴とする腐食検知システム。
  5. 請求項1において、
    前記表示処理部は、被覆材施工の配管または機器の位置に対して、前記水移動挙動演算部で判定した前記腐食故障リスクと、該腐食故障リスクの判定結果を基に検査の位置と時期を計画して前記表示装置に出力する
    ことを特徴とする腐食検知システム。
  6. 請求項1において、
    前記処理装置は、外部または前記記憶装置により配管・機器の温度情報および気象情報を取得可能な位置を対象として、前記水移動挙動演算部に代わって、水移動挙動・蒸発量演算部を有し、
    前記水移動挙動・蒸発量演算部は、前記水移動挙動演算部の機能に加えて、前記水滞留部である位置を対象として、水の侵入位置近傍かつ被覆材中の水蒸発量が降水量よりも多い場合は前記腐食故障リスクを中と、それ以外の場合は前記腐食故障リスクを大と再判定する機能を有する
    ことを特徴とする腐食検知システム。
  7. 請求項6において、
    前記水移動挙動・蒸発量演算部は、
    前記被覆材中の水蒸発量の演算において、要素試験、文献情報、またはシミュレーション・統計処理の結果により算出した、温度と被覆材中の水の蒸発量の関係により演算する
    ことを特徴とする腐食検知システム。
  8. 請求項1または請求項6において、
    前記処理装置は、前記水移動挙動演算部で前記腐食故障リスクが中または小と判定された位置に対して、中性子水分計により被覆材中の水分量を取得し、前記取得した水分量が閾値以上の場合は前記腐食故障リスクを大とし、前記取得した水分量が閾値未満の場合は前記腐食故障リスクを小とする腐食検査部を有する
    ことを特徴とする腐食検知システム。
  9. 請求項1または請求項6において、
    前記処理装置は、前記水移動挙動演算部で前記腐食故障リスクが中または小と判定された位置に対して、放射線透過器により健全部と減肉部の放射線透過量の差を検知して、前記検知した放射線透過量の差により腐食有無情報を取得し、取得した情報が腐食有りの場合、前記腐食故障リスクを大とし、取得した情報が腐食無しの場合、前記腐食故障リスクを小とする腐食検査部を有する
    ことを特徴とする腐食検知システム。
  10. 請求項1または請求項6において、
    前記処理装置は、前記水移動挙動演算部で前記腐食故障リスクが中または小と判定された位置に対して、アコースティックエミッション検査器により錆層から発生する弾性波を検出し、検出した弾性波から腐食有無情報を取得し、取得した情報が腐食有りの場合、前記腐食故障リスクを大とし、取得した情報が腐食無しの場合、前記腐食故障リスクを小とする腐食検査部を有する
    ことを特徴とする腐食検知システム。
  11. 請求項1または請求項6において、
    前記処理装置は、前記水移動挙動演算部で前記腐食故障リスクが中または小と判定された位置に対して、腐食量を検出する腐食センサにより腐食有無情報を取得し、取得した情報が腐食有りの場合、前記腐食故障リスクを大とし、取得した情報が腐食無しの場合、前記腐食故障リスクを小とする腐食検査部を有する
    ことを特徴とする腐食検知システム。
  12. 請求項1または請求項6において、
    前記処理装置は、前記水移動挙動演算部で前記腐食故障リスクが中または小と判定された位置に対して、渦電流探傷器により減肉量情報を取得して、取得した減肉量情報が閾値以上の減肉の場合、前記腐食故障リスクを大とし、取得した減肉量情報が閾値未満の減肉の場合、前記腐食故障リスクを小とする腐食検査部を有する
    ことを特徴とする腐食検知システム。
  13. 請求項1または請求項6において、
    前記処理装置は、前記水移動挙動演算部で前記腐食故障リスクが中または小と判定された位置に対して、超音波ガイド波探傷器により減肉量情報を取得して、取得した減肉量情報が閾値以上の減肉の場合、前記腐食故障リスクを大とし、取得した減肉量情報が閾値未満の減肉の場合、前記腐食故障リスクを小とする腐食検査部を有する
    ことを特徴とする腐食検知システム。
  14. 請求項1または請求項6において、
    前記処理装置は、前記水移動挙動演算部で前記腐食故障リスクが中または小と判定された位置に対して、X線またはガンマ線源から前記位置に入射したフォトンを、エネルギー領域に弁別して、各エネルギー領域に弁別されたフォトン数の割合を検出して、検出したフォトン数の割合から減肉量を計測する放射線センサにより減肉量情報を取得して、取得した減肉量情報が閾値以上の減肉の場合、前記腐食故障リスクを大とし、取得した減肉量情報が閾値未満の減肉の場合、前記腐食故障リスクを小とする腐食検査部を有する
    ことを特徴とする腐食検知システム。
  15. 請求項3において、
    前記検査情報は、GPS(Global Positioning System)を搭載したドローンによる位置情報に基づく検査情報である
    ことを特徴とする腐食検知システム。
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